(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013306
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】交通システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/13 20060101AFI20240125BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240125BHJP
【FI】
G08G1/13
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115291
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽下 哲司
(72)【発明者】
【氏名】和田 佑太
(72)【発明者】
【氏名】河合 克哉
(72)【発明者】
【氏名】海口 和之
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA15
5H181MA07
5H181MA12
5H181MA21
5H181MA22
5H181MA23
5H181MA25
5H181MA28
5H181MA32
5H181MA37
5H181MA41
5L049CC42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】管理エリア内の乗降場において、車両の利用客の待ち時間を短くし、かつ、車両の稼働効率を上げられる交通システムを得る。
【解決手段】施設付帯装置が、施設の状態を示す施設ステータスを出力し、管制装置が、この施設ステータスを用いて、車両の配置を管理するもので、管制装置は、実車要求部40により、利用客の要求に基づいて実車要求データ214を作成し、最優先施設選択部81により、予め設定された優先度に基づいて、優先度が最も高い乗降場を選択して、最優先施設データ281を作成し、最適車両選択部82により、乗降場に最も近い距離にいる車両を選択して、最適車両データ282を作成し、さらに、退避車両選択部83により、乗降場からの退避車両を選定して、退避車両データ215を作成して、車両指令部70が、これらのデータを用いて車両への指令を生成するようにした。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が待機する乗降場を含む施設を監視し、上記施設の状態を示す施設ステータスを出力する施設監視装置、
この施設監視装置が出力する施設ステータスを用いて、上記車両の配置を管理する管制装置を備え、
上記管制装置は、
上記施設内の車両のうち、配車に利用可能な車両を選定して、利用可能車両データを作成する利用可能車両選定部と、
上記乗降場の状態によって予め設定された補充の優先度に基づいて、上記優先度が最も高い乗降場を選定し、最優先乗降場データを作成する最優先乗降場選定部と、
この最優先乗降場選定部によって選定された乗降場までの走行距離に基づき、当該乗降場へ配車する車両を、上記利用可能車両データにおける車両の中から選定し、配車車両データを作成する配車車両選定部と、
上記最優先乗降場データおよび上記配車車両データに基づいて、該当する車両への指令を生成する車両指令部とを備えたことを特徴とする交通システム。
【請求項2】
上記管制装置は、利用客の要求に基づいて、実車要求データを作成する実車要求部を備え、
上記車両指令部は、上記実車要求データを用いて、該当する車両への指令を生成することを特徴とする請求項1に記載の交通システム。
【請求項3】
上記管制装置は、上記乗降場における待機車両の状況に基づいて、当該乗降場からの退避車両を選定して、退避車両データを作成する退避車両選定部を備え、
上記車両指令部は、上記退避車両データを用いて、該当する車両への指令を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の交通システム。
【請求項4】
上記乗降場ごとに、待機車両の台数の上限値が設定され、
上記退避車両選定部は、上記待機車両の台数が上記上限値を超える場合に、上記退避車両を選定することを特徴とする請求項3に記載の交通システム。
【請求項5】
上記乗降場ごとに待機車両の台数の下限値が設定され、
上記最優先乗降場選定部は、上記待機車両の台数が上記下限値を下回る場合に、上記乗降場を選定することを特徴とする請求項1に記載の交通システム。
【請求項6】
上記優先度は、予め設定された乗降場からの走行距離の閾値より近い走行距離に、上記車両がいる場合に、高く設定されることを特徴とする請求項1に記載の交通システム。
【請求項7】
上記優先度は、上記乗降場における待ち客の数が多い順になるように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の交通システム。
【請求項8】
上記優先度は、上記乗降場における待機車両の台数がゼロの時間が長い順になるように設定されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の交通システム。
【請求項9】
上記優先度は、上記乗降場における待機車両の不足台数が多い順になるように設定されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の交通システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、交通システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用客の利用履歴に基づいて、駐車場における共有車両の需要量を計算し、駐車場における共有車両の駐車台数に基づいて、共有車両の供給量を算出し、需要量と供給量の差分の合計値を最小化するように、各ゾーンを構成する駐車場の組み合わせを設定することで、利用客の利便性を高めつつ、共用車両の偏在を低減することができる共用車両管理装置を提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-145014号公報(第4~7頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものでは、システムが管理するエリアが広域で、かつ、利用客が車両を利用する頻度が極端に高くなく、かつ、車両を駐車することができる駐車場施設の数が多く、かつ、駐車場施設に駐車可能な車両数に余裕がある、という条件の下では、需要量と供給量の差分の合計値を最小化するように、各ゾーンを構成する駐車場の組み合わせ、それを利用客に提示した上で、駐車場を選択させることにより、利用客の利便性を高めつつ車両の偏在を低減することができる。
しかし、例えば、システムが管理するエリアが、閉ループの単一軌道のような狭域で、朝/夕の通勤ラッシュ時の公共交通機関のように、利用頻度が極端に高く、車両が駐車できる施設が、軌道に隣接する駐機場と各乗降場に限られ、それぞれの施設の駐車可能台数に余裕がない、といった条件の下では、単純に車両の偏在を低減させるだけでは、利用客の待ち時間が長くなり、稼働効率が低下する、といった問題が発生し、利用客の移動の需要を満足することができなくなる。
【0005】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、管理エリア内の乗降場において、車両の利用客の待ち時間を短くし、かつ、車両の稼働効率を上げられる交通システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される交通システムは、車両が待機する乗降場を含む施設を監視し、施設の状態を示す施設ステータスを出力する施設監視装置、この施設監視装置が出力する施設ステータスを用いて、車両の配置を管理する管制装置を備え、管制装置は、施設内の車両のうち、配車に利用可能な車両を選定して、利用可能車両データを作成する利用可能車両選定部と、乗降場の状態によって予め設定された補充の優先度に基づいて、優先度が最も高い乗降場を選定し、最優先乗降場データを作成する最優先乗降場選定部と、この最優先乗降場選定部によって選定された乗降場までの走行距離に基づき、当該乗降場へ配車する車両を、利用可能車両データにおける車両の中から選定し、配車車両データを作成する配車車両選定部と、最優先乗降場データおよび配車車両データに基づいて、該当する車両への指令を生成する車両指令部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される交通システムによれば、管理エリア内の乗降場において、車両の利用客の待ち時間を短くし、かつ、車両の稼働効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1による交通システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1による交通システムの管制装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1による交通システムの施設付帯装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1による交通システムの車両の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1による交通システムの管制管理部の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態1による交通システムの全体構成を示す図である。
【
図7】実施の形態1による交通システムの各施設における状態を説明する図である。
【
図8】実施の形態1による交通システムの車両の補充と退避の動作を説明する図である。
【
図9】実施の形態1による交通システムの各施設における状態について優先度を説明する図である。
【
図10】実施の形態1による交通システムにおける車両の配車先の途中変更の動作を説明する図である。
【
図11】実施の形態1による交通システムにおける車両の配車先の別の途中変更の動作を説明する図である。
【
図12】実施の形態1による交通システムにおける施設定義情報を示す図である。
【
図13】実施の形態1による交通システムにおける施設ステータスを示す図である。
【
図14】実施の形態1による交通システムにおける車両定義情報を示す図である。
【
図15】実施の形態1による交通システムにおける車両ステータスを示す図である。
【
図16】実施の形態1による交通システムの管制装置、施設付帯装置、車両のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、実施の形態1について、図に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1による交通システムの構成を示すブロック図である。
図1において、交通システム1は、後述する管制装置10と施設付帯装置20(施設監視装置)と車両30を有する。施設付帯装置20は、複数あってもよい。
【0010】
図2は、実施の形態1による交通システムの管制装置の構成を示すブロック図である。
図2において、管制装置10は、管制受信部11、管制送信部12、管制管理部13を有する。
管制受信部11は、利用客の携帯端末のアプリケーション、施設付帯装置20、車両30からの要求を受信する。アプリケーションの要求110は、アプリケーションからの要求、施設付帯装置の要求111は、施設付帯装置20からの要求、車両の要求112は、車両30からの要求である。施設付帯装置の要求111については、
図3で後述する。
管制送信部12は、車両への応答120、および携帯端末への応答121を、それぞれ車両30、利用客の携帯端末へ送信する。
なお、管制管理部13については、
図5で後述する。
【0011】
図3は、実施の形態1による交通システムの施設付帯装置の構成を示すブロック図である。
図3において、施設付帯装置20は、施設受信部21、施設送信部22、施設センサ23、配車要求受付部施設24を有する。
施設受信部21は、システム起動、あるいはリセットによる初期状態において、施設の内部状態を保持する施設ステータスを適切な初期状態に設定するための施設定義情報211を受信する。また、乗降場の待機車両の占有情報218、および乗降場の乗客の待ち状況219を受信する。なお、占有情報218は、乗降中の車両、近傍からの手配車両の情報を含むものである。
施設送信部22は、必要に応じて、施設のHMI(Human Machine Interface)への表示指示220により、施設ステータスの情報を、施設のHMIに表示させる。また、管制装置への通知221により、更新された施設ステータスを管制装置10に通知する。
施設センサ23は、少なくとも、乗降場の待機車両、待ち客の数を取得するように配置されている。
配車要求受付部施設24は、施設付帯装置20に設置された受付端末にユーザーが直接入力する、もしくはユーザーがパソコン、スマートフォンなどの遠隔の端末から入力する配車要求を取得し、その情報を施設付帯装置の要求111として出力するように配置されている。
【0012】
図4は、実施の形態1による交通システムの車両の構成を示すブロック図である。
図4において、車両30は、情報を受信するための車両受信部31と、情報を送信するための車両送信部32とを有する。車両受信部31が受信する受信情報の中には、後述する車両定義情報311と、管制装置からの車両指令217とが含まれる。
車両送信部32は、管制装置への通知320により、更新された車両ステータスを管制装置10に通知する。
【0013】
図5は、実施の形態1による交通システムの管制管理部の構成を示すブロック図である。
図5において、管制管理部13は、実車要求部40、利用可能車両判定部80、最優先施設選択部81、最適車両選択部82、退避車両選択部83、車両指令部70を有する。
実車要求部40は、管制受信部11によって受信された、アプリケーションからの要求、または、施設付帯装置20からの要求、または、車両30からの要求に基づいて、実車要求データ214を更新する。
【0014】
利用可能車両判定部80(利用可能車両選定部)は、施設受信部21によって受信された、施設定義情報211と、最新の施設ステータス212と、車両定義情報311と、最新の車両ステータス312を用いて、施設内の車両のうち、配車に利用可能な車両を選択し、利用可能車両データ280を更新する。
最優先施設選択部81(最優先乗降場選定部)は、施設受信部21によって受信された施設定義情報211と、最新の施設ステータス212と、車両定義情報311と、最新の車両ステータス312を用いて、配車の優先度が最も高い施設を選択し、最優先施設データ281(最優先乗降場データ)を更新する。
最適車両選択部82(配車車両選定部)は、施設受信部21によって受信された、施設定義情報211と、最新の施設ステータス212と、車両定義情報311と、最新の車両ステータス312を用いて、配車先の施設への配車に最適な車両を選択し、最適車両データ282(配車車両データ)を更新する。
【0015】
退避車両選択部83(退避車両選定部)は、施設受信部21によって受信された、施設定義情報211と、最新の施設ステータス212と、車両定義情報311と、最新の車両ステータス312を用いて、乗降場から退避させる車両を選択して、退避車両データ215を更新する。
車両指令部70は、最新の実車要求データ214、利用可能車両データ280、最優先施設データ281、最適車両データ282、退避車両データ215に基づいて、車両30への車両指令217(配車指令)を生成する。
【0016】
図6は、実施の形態1による交通システムの全体構成を示す図である。
図6において、符号10は
図1におけるものと同一のものである。
走行路500は、車両が走行する軌道であり、ここでは単一の閉ループをなしている。後述する駐機場および乗降場を有し、走行車両534が走行路500を走行している。
管制装置10は、走行路500上の全ての車両および、走行路500に隣接して設置される全ての乗降場と駐機場、および走行路と乗降場、駐機場付近に存在する利用客の携帯端末との間で通信を行うようになっている。
【0017】
駐機場520は、乗客を乗せておらず、また乗降場での待機も行っていない車両30を駐車しておくためのスペースであり、この場所でメンテナンスを行うことも可能である。また、走行に必要なエネルギーの補充を行うことも可能である。
図6では、この瞬間に、駐機場520の駐車車両530は4台存在する。
乗降場A521、乗降場B522、乗降場C523は、それぞれ利用客が車両に乗車する、あるいは下車する場所である。
乗降場A521の待機車両531は2台、乗降場B522の待機車両532は3台、乗降場C523の待機車両533は2台、がこの瞬間に存在する。
また、乗降場A521の待ち客541は4人、乗降場B522の待ち客542は4人、乗降場C523の待ち客543は4人、がこの瞬間に存在する。
【0018】
図7は、実施の形態1による交通システムの各施設における状態を説明する図である。
図7では、各施設における状態(ステータス)について、名称、条件、発生時の動作を説明している。各施設の状態(ステータス)を示す名称として、「待ち」「枯渇」「不足」「余剰」「余裕」「過剰」について、それぞれ条件と、発生時の動作を示している。
【0019】
図8は、実施の形態1による交通システムの車両の補充と退避の動作を説明する図である。
図8において、縦軸は位置を示し、横軸は時間を示している。
初期状態では、駐機場520に駐車車両530が4台、乗降場A521に待機車両531が2台、乗降場B522に待機車両532が3台、乗降場C523に待機車両533が2台存在する。
【0020】
図9は、実施の形態1による交通システムの各施設における状態について優先度を説明する図である。
図9では、各施設における状態(ステータス)について、名称、分類条件、優先度、発生時のステータスの更新動作を説明している。
名称として、「(1a)待ち・近傍」「(2a)枯渇・近傍」「(3a)不足・近傍」「(1b)待ち・遠方」「(2b)枯渇・遠方」「(3b)不足・遠方」について説明している。
実施の形態1による交通システムでは、(1a)、(2a)、(3a)、(1b)、(2b)、(3b)の順に、補充の優先度を設定する。
【0021】
図10は、実施の形態1による交通システムにおける車両の配車先の途中変更の動作を説明する図である。
図10において、縦軸は位置を表し、横軸は時間を示している。
初期状態では、駐機場520に待機車両が4台、乗降場A521に待機車両が3台、乗降場B522に待機車両が2台、乗降場C523に待機車両が2台存在する。
図10(a)は、配車の例を示す図、
図10(b)は、配車の途中で配車先が変更された場合を示す図である。
【0022】
図11は、実施の形態1による交通システムにおける車両の配車先の別の途中変更の動作を説明する図である。
図11において、縦軸は位置を表し、横軸は時間を示している。
初期状態では、駐機場に待機車両が4台、乗降場A521に待機車両が4台、乗降場B522に待機車両が3台、乗降場C523に待機車両が3台存在する。
図11(a)は、配車の例を示す図、
図11(b)は、配車の途中で配車先が変更された場合を示す図である。
【0023】
図12は、実施の形態1による交通システムにおける施設定義情報を示す図である。
図12において、施設定義情報211は、施設の静的な情報を定義したファイルである。
施設定義情報211は、施設の配列、施設ID(identification)、施設の名称、施設の種別、施設にある乗降/駐機スポットの数、施設の最大確保台数、施設の最小確保台数、施設に属する道路リンクのIDリスト、施設に到達できる道路リンクのリスト、道路リンクのID、道路リンクと施設の距離、施設が位置するノードID、近傍閾値(距離的に近傍であることを示す閾値)を含む静的な情報を定義したデータを有する。
【0024】
図13は、実施の形態1による交通システムにおける施設ステータスを示す図である。
図13において、施設ステータス212は、施設の状態を管理するデータである。
施設ステータス212は、施設ID、現在時刻、現在待機台数、現在手配台数、現在確保台数(待機台数+手配台数)、現在不足台数(最小確保台数-待機台数)、現在待ち客数、現在枯渇時間、現在占有台数(待機台数+乗降中の車両の台数+近傍からの手配車両の台数)を含む動的な情報を管理するデータである。
【0025】
図14は、実施の形態1による交通システムにおける車両定義情報を示す図である。
図14において、車両定義情報311は、車両の静的な情報を定義したファイルであり、1レコードが1車両の情報を示している。車両ID、車両種別、初期配置(システム起動時の車両の配置先施設ID)が含まれる。
【0026】
図15は、実施の形態1による交通システムにおける車両ステータスを示す図である。
図15において、車両ステータス312は、車両の状態を管理するデータである。車両ID、現在時刻、位置情報、現在地、目的地、現在車両ロケータステータス、現在オペレーションID(指令ID)、現在ルーティングステータス、補充可能車両リストが含まれる。
【0027】
次に、動作について説明する。
実施の形態1の交通システムは、時々刻々と変化する、各乗降場での待ち客数、待ち時間、待機車両台数をリアルタイムで管理する。
そして、各乗降場での利用客の需要に応じて、各乗降場で、常に必要な台数分の待機車両を、過不足なく維持するように、車両の補充と退避の配車を管理するようにした。
これにより、利用客の待ち時間を最小化し、エリア全体での車両の稼働効率を最大化させることができる。
【0028】
実施の形態1の各乗降場においては、常に車両が最小確保台数(待機車両の台数の下限値)以上、最大確保台数(待機車両の台数の上限値)以内の台数だけ待機している状態を維持し、利用客は待たずに車両に乗り込んで、目的地まで移動することを可能にするよう、システム全体が管制制御を行っている。
すなわち、管制装置10と施設付帯装置20と車両30との情報のやり取りを通じて、管制制御を行っている。
以下に、詳しく説明する。
【0029】
施設付帯装置20は、システムの起動時に各施設すなわち駐機場および乗降場について定義した施設定義情報211を取り込んで、各施設の初期設定を行う。
そして、施設受信部21が、乗降場の待機車両の占有情報218と、乗降場の乗客の待ち状況219を受信する。
施設付帯装置20は、システムの稼働中に、各施設すなわち駐機場および乗降場における、時刻情報、待機台数、手配台数、確保台数、不足台数、待ち客数、枯渇時間、占有台数などの動的な情報を管理するデータである、施設ステータス212の情報を常に最新の値に更新する。
更新された施設ステータスは、施設送信部22から、管制装置への通知221により、管制装置10に通知される。
また、施設送信部22は、施設のHMIへの表示指示220により、施設のHMIに利用客の必要とする情報を表示させる。
【0030】
一方、車両30は、システムの起動時に、各車両の、車両種別、初期配置、などの静的な情報を定義したデータである、車両定義情報311を取り込んで、各車両の初期設定を行う。さらに、管制装置からの車両指令217を受信する。
車両30は、システムの稼働中に、各車両の、時刻情報、位置情報、現在地、目的地、ロケータ情報、指令ID、経路情報、補充可能車両リスト、などの動的な情報を管理するデータである、車両ステータス312の情報を常に最新の値に更新する。
更新された車両ステータスは、車両送信部32から、管制装置への通知320により、管制装置10に通知される。
【0031】
管制装置10では、管制受信部11が、アプリケーション、施設付帯装置20、または車両30から、利用客の要求を取り込む。また、管制送信部12が、車両30または利用客の携帯端末に、要求に対する応答を送信するようになっている。
【0032】
また、管制装置10は、
図5に示すように、実車要求部40が、実車要求データ214を更新する。
利用可能車両判定部80は、施設定義情報211、車両定義情報311、施設ステータス212の情報、車両ステータス312の情報を取り込み、施設内の車両のうち、配車に利用可能な車両を選択し、利用可能車両データ280を更新する。
ここで、利用可能車両判定部80は、待ち客の数に基づいて、利用可能車両を判定する。
また、利用可能車両判定部80は、待機車両の占有状況に基づいて、利用可能車両を判定する。
【0033】
最優先施設選択部81は、施設定義情報211、車両定義情報311、施設ステータス212の情報、車両ステータス312の情報を取り込み、補充の優先度の最も高い最優先施設を選択して、最優先施設データ281を更新する。なお、優先度については、
図9で後述する。
ここで、最優先施設選択部81は、待ち客の数に基づいて、最優先施設を選択する。
また、最優先施設選択部81は、待機車両台数がゼロとなった継続時間に基づいて、最優先施設を選択する。
また、最優先施設選択部81は、乗降場の空きスポット数に基づいて、最優先施設を選択する。
【0034】
最適車両選択部82は、施設定義情報211、車両定義情報311、施設ステータス212の情報、車両ステータス312の情報を取り込み、乗降場への配車に最適な車両を選択して、最適車両データ282を更新する。
ここで、最適車両選択部82は、距離(走行距離)すなわち乗降場と車両の位置関係に基づいて、最適車両を選択する。
また、最適車両選択部82は、ユーザーの嗜好に基づいて、最適車両を選択する。
【0035】
退避車両選択部83は、施設定義情報211、車両定義情報311、施設ステータス212の情報、車両ステータス312の情報を取り込み、乗降場から退避させる車両を選択して、退避車両データ215を更新する。
ここで、退避車両選択部83は、施設で乗客を乗せていないし、指令もされていないという条件に基づいて、退避車両を選択する。
また、退避車両選択部83は、今後、近い将来(n分以内に)に、車両が入庫して、最大確保台数を越えるという条件に基づいて、退避車両を選択する。
また、退避車両選択部83は、待機台数が、最大確保台数を超えた分だけ、車両を到達可能な距離にある、待機台数に余裕がある施設に移動させるという条件に基づいて、退避車両を選択する。
【0036】
そして、車両指令部70により、実車要求データ214と、利用可能車両データ280と、最優先施設データ281と、最適車両データ282と、退避車両データ215を取り込み、車両30に対し、車両指令(配車指令)を生成するようになっている。
【0037】
次に、実施の形態1による管制制御の具体例について、
図6~
図8を用いて説明する。
図6では、駐機場520に、駐車車両530が4台存在する。乗降場A521には待機車両531が2台、乗降場B522には待機車両532が3台、乗降場C523には待機車両533が2台が、この瞬間に存在する。
また、乗降場A521には待ち客541が4人、乗降場B522には待ち客542が4人、乗降場C523には待ち客543が4人、この瞬間に存在する。
【0038】
そして、
図7で定義した施設の状態を示す条件と、これの発生時の動作を行う。
すなわち、
図7で、「待ち」の状態とは、待ち客の人数がゼロよりも多い状態を示しており、待機車両の台数が不足していることを意味する。このような状態が発生すると、システムは、駐機場あるいは他の乗降場からの車両の補充が必要であると判断する。
「枯渇」の状態とは、待機車両の台数がゼロとなる状態を意味する。このような状態が発生すると、システムは、駐機場あるいは他の乗降場からの車両の補充が必要であると判断する。
「不足」の状態とは、待機車両の台数が、最小確保台数よりも少ない状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、駐機場あるいは他の乗降場からの車両の補充が必要であると判断する。
【0039】
図7で、「余剰」の状態とは、待機車両の台数が、最小確保台数よりも多い状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、駐機場あるいは他の乗降場への車両の移動が可能であると判断する。
「余裕」の状態とは、待機車両の台数が、最大確保台数よりも少ない状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、駐機場あるいは他の乗降場からの車両の受け入れが可能であると判断する。
「過剰」の状態とは、待機車両の台数が、最大確保台数よりも多い状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、駐機場あるいは他の乗降場への車両の退避が必要であると判断する。
【0040】
図6の状態で、
図8の例について説明する。
図8の初期状態では、駐機場520に駐車車両530が4台、乗降場A521に待機車両531が2台、乗降場B522に待機車両532が3台、乗降場C523に待機車両533が2台存在する。
【0041】
それぞれの乗降場は、最小確保台数が2台、最大確保台数が4台の範囲に収まるように常に管理され、車両の補充と退避が実行される。
【0042】
次に、利用客による乗降場A521から乗降場B522への実車が発生した(フローa)とする。
このとき、乗降場A521の待機車両台数が2台から1台に減少し、最小待機台数を下回り、不足することになる。このため、待機台数に余裕のある駐機場520から、待機台数が不足する乗降場A521に補充のための配車指令が出される。(フローb)
また、それと同時に、このままでは、近い将来に乗降場B522の待機車両台数が3台から4台に増加し、最大確保台数に達することが予測できる。
このため、乗降場B522から、待機台数に余裕のある乗降場C523に、退避のための配車指令が出される。(フローc)
【0043】
次に、配車の途中で、配車先が変更される場合について説明する。
車両の補充元、あるいは車両の退避先が現在地から遠い場合、配車完了までに時間が掛かるため、各乗降場施設での待ち客状況、および待機車両の状況に変化が生じる事態が発生する。
また、車両の走行距離の増大は、エネルギーロスとなるため、常に最新の状況を反映させて、より近い場所からの補充、また、より近い場所への退避ができるように、車両の配車割り当てを動的に最適化することが求められる。
【0044】
そこで、実施の形態1では、各乗降場における待機車両の台数を、その時々の旅客需要に合わせて常に適切に管理し、待機車両の補充と退避のための配車を効率的に行うと同時に、各乗降場の待ち客状況と、待機車両の台数と、各車両の現在位置と、目的地と、指令状況をリアルタイムで把握して、補充と退避のための配車の割り当てと配車先を配車の途中であっても動的に変更させるようにした。
これにより、完了までの時間を削減し、トータルでのエネルギー消費を削減し、渋滞を起こさず、利用客の待ち時間を最小化し、エリア全体での車両の稼働効率を最大化させた、交通システムを実現が可能になる。
【0045】
次に、実施の形態1による交通システムにおける各施設の優先度について
図9を用いて説明する。
図9は、各施設における状態(ステータス)について、名称、分類条件、優先度、発生時のステータスの更新動作を説明している。
各乗降場においては、上述のように、常に車両が最小確保台数以上、最大確保台数以内の台数だけ待機している状態を維持し、利用客は待たずに車両に乗り込んで、目的地まで移動することを可能にするよう、システム全体が管制制御を行っている。
図9はそのための優先度について示すものである。
【0046】
図9で、「(1a)待ち・近傍」の状態とは、待ち客の人数がゼロよりも多い状態であり、かつ補充可能な距離が、距離的に近傍であることを示す近傍閾値よりも小さい状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、待ち客数が多い順に、配車の優先度を設定する。配車先の設定が完了すると、待ち客数を1減算する。
「(2a)枯渇・近傍」の状態とは、待機車両の台数がゼロとなる状態であり、かつ補充可能な距離が、近傍閾値よりも小さい状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、枯渇している時間が長い順に、配車の優先度を設定する。配車先の設定が完了すると、枯渇時間をゼロにリセットする。(1台補充して終了)
「(3a)不足・近傍」の状態とは、待機車両の台数が、最小確保台数よりも少ない状態であり、かつ補充可能な距離が、近傍閾値よりも小さい状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、待機車両の不足台数が多い順に、配車の優先度を設定する。配車先の設定が完了すると、不足台数を1減算する。
【0047】
「(1b)待ち・遠方」の状態とは、待ち客の人数がゼロよりも多い状態であり、かつ補充可能な距離が、近傍閾値以上となる状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、待ち客数が多い順に、配車の優先度を設定する。配車先の設定が完了すると、待ち客数を1減算する。
「(2b)枯渇・遠方」の状態とは、待機車両の台数がゼロとなる状態であり、かつ補充可能な距離が、近傍閾値以上となる状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、枯渇している時間が長い順に、配車の優先度を設定する。配車先の設定が完了すると、枯渇時間をゼロにリセットする。(1台補充して終了)
「(3b)不足・遠方」の状態とは、待機車両の台数が、最小確保台数よりも少ない状態であり、かつ補充可能な距離が、近傍閾値以上となる状態を示している。このような状態が発生すると、システムは、待機車両の不足台数が多い順に、配車の優先度を設定する。配車先の設定が完了すると、不足台数を1減算する。
【0048】
実施の形態1による交通システムでは、
図9の(1a)、(2a)、(3a)、(1b)、(2b)、(3b)の順に、配車の優先度を設定する。
【0049】
次に、実施の形態1による交通システムのより詳細な動作について、
図10を用いて説明する。
図10(a)において、初期状態では、駐機場に待機車両が4台、乗降場A521に待機車両が3台、乗降場B522に待機車両が2台、乗降場C523に待機車両が2台存在する。
それぞれの乗降場では、最小確保台数が2台、最大確保台数が4台の範囲に収まるように常に管理され、車両の補充と退避が実行される。
【0050】
次に、利用者による乗降場C523から乗降場Dへの実車が発生した(フローd)とする。なお、乗降場Dは、
図10には記載されていない、乗降場A521、乗降場B522、乗降場C523以外の乗降場である。
このとき、乗降場C523の待機車両台数が2台から1台に減少し、最小待機台数を下回り、不足することになる。このため、待機台数に余裕のある駐機場520から、待機台数が不足する乗降場C523に補充のための配車の指示が出される。(フローe)
【0051】
さらに、ここで、利用者による乗降場A521から乗降場B522への実車が発生した(フローf)とする。
このとき、乗降場A521では、他の施設からの車両を受け入れる余裕がある。また乗降場B522では、近い将来に待機車両台数が2台から3台に増加するため、他の施設に車両を退避させる余裕がある。
【0052】
そこで、
図10(b)に示すように、駐機場520から乗降場C523への配車を中断し、その車両に対して、新たに駐機場520から乗降場A521への配車の指令(フローg)を出し、同時に、乗降場B522から乗降場C523への配車指令(フローh)を出すようにする。こうすると、乗降場C523への配車は、当初の予定よりも早く完了する。
また、当初の一台の車両の走行距離よりも、変更後の2台の車両の走行距離の合計値の方が小さくなり、トータルでのエネルギー消費量が少なくなる。
このような最適化処理を、各乗降場で実施すれば、トータルで、利用客の待ち時間を短縮させ、車両走行の効率化が可能になる。
【0053】
次に、別の例として、実施の形態1による交通システムの別の動作について、
図11を用いて説明する。
図11(a)において、初期状態では、駐機場520に待機車両が4台、乗降場A521に待機車両が4台、乗降場B522に待機車両が3台、乗降場C523に待機車両が3台存在する。
それぞれの乗降場では、最小確保台数が2台、最大確保台数が4台の範囲に収まるように常に管理され、車両の補充と退避が実行される。
【0054】
次に、乗降場Dから駐機場520への退避が発生した(フローj)とする。なお、乗降場Dは、図には記載されていない、乗降場A521、乗降場B522、乗降場C523以外の乗降場である。
このとき、駐機場520の待機車両台数は4台で、すでに最大確保台数に達しているため、このままでは待機台数が過剰となる。
このため、駐機場520から、待機台数に余裕のある乗降場C523に退避のための配車の指示(フローk)が出される。
【0055】
さらに、ここで、利用者による乗降場A521から乗降場B522への実車が発生した(フローm)とする。
このとき、乗降場A521では、待機台数が4台から3台に減少し、他の施設から車両を受け入れる余裕が発生する。
【0056】
そこで、
図11(b)に示すように、駐機場520から乗降場C523への配車を中断し、その車両に対して、新たに駐機場520から乗降場A521への配車の指示(フローn)を出すと、駐機場520からの退避は、当初の予定よりも早く完了する。
また、当初の一台の車両の走行距離よりも、変更後の2台の車両の走行距離の合計値のほうが小さくなり、トータルでのエネルギー消費量が少なくなる。
このような最適化処理を、各乗降場で実施すれば、トータルで、利用客の待ち時間を短縮させ、車両走行の効率化が可能になる。
【0057】
実施の形態1によれば、駐車場に駐車できる車両数にも余裕がない場面において、各乗降場における待機車両の台数を、現在の旅客需要に合わせて、リアルタイムで常に適切に管理することにより、渋滞を起こさず、利用客の待ち時間を最小化し、エリア全体での車両の稼働効率を最大化させた、交通システムを実現することができる。
また、各乗降場における待機車両の補充と退避のための配車を効率的に行うと同時に、各乗降場の待ち客状況と、待機車両の台数と、各車両の現在位置と、目的地と、指令状況をリアルタイムで把握するようにする。
これにより、補充と退避のための配車の割り当てと配車先を配車の途中であっても動的に変更させることができ、完了までの時間を削減し、トータルでのエネルギー消費を削減することができる。
また、渋滞を起こさず、利用客の待ち時間を最小化し、エリア全体での車両の稼働効率を最大化させた、交通システムを実現することができる。
【0058】
なお、交通システムの管制装置10、施設付帯装置20、車両30は、ハードウェアの一例を
図16に示すように、プロセッサ1000と記憶装置1001から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ1000は、記憶装置1001から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ1000にプログラムが入力される。また、プロセッサ1000は、演算結果等のデータを記憶装置1001の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
【0059】
本開示は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【0060】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0061】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0062】
(付記1)
車両が待機する乗降場を含む施設を監視し、上記施設の状態を示す施設ステータスを出力する施設監視装置、
この施設監視装置が出力する施設ステータスを用いて、上記車両の配置を管理する管制装置を備え、
上記管制装置は、
上記施設内の車両のうち、配車に利用可能な車両を選定して、利用可能車両データを作成する利用可能車両選定部と、
上記乗降場の状態によって予め設定された補充の優先度に基づいて、上記優先度が最も高い乗降場を選定し、最優先乗降場データを作成する最優先乗降場選定部と、
この最優先乗降場選定部によって選定された乗降場までの走行距離に基づき、当該乗降場へ配車する車両を、上記利用可能車両データにおける車両の中から選定し、配車車両データを作成する配車車両選定部と、
上記最優先乗降場データおよび上記配車車両データに基づいて、該当する車両への指令を生成する車両指令部とを備えたことを特徴とする交通システム。
(付記2)
上記管制装置は、利用客の要求に基づいて、実車要求データを作成する実車要求部を備え、
上記車両指令部は、上記実車要求データを用いて、該当する車両への指令を生成することを特徴とする付記1に記載の交通システム。
(付記3)
上記管制装置は、上記乗降場における待機車両の状況に基づいて、当該乗降場からの退避車両を選定して、退避車両データを作成する退避車両選定部を備え、
上記車両指令部は、上記退避車両データを用いて、該当する車両への指令を生成することを特徴とする付記1または付記2に記載の交通システム。
(付記4)
上記乗降場ごとに、待機車両の台数の上限値が設定され、
上記退避車両選定部は、上記待機車両の台数が上記上限値を超える場合に、上記退避車両を選定することを特徴とする付記3に記載の交通システム。
(付記5)
上記乗降場ごとに待機車両の台数の下限値が設定され、
上記最優先乗降場選定部は、上記待機車両の台数が上記下限値を下回る場合に、上記乗降場を選定することを特徴とする付記1から付記4のいずれか一項に記載の交通システム。
(付記6)
上記優先度は、予め設定された乗降場からの走行距離の閾値より近い走行距離に、上記車両がいる場合に、高く設定されることを特徴とする付記1から付記5のいずれか一項に記載の交通システム。
(付記7)
上記優先度は、上記乗降場における待ち客の数が多い順になるように設定されていることを特徴とする付記6に記載の交通システム。
(付記8)
上記優先度は、上記乗降場における待機車両の台数がゼロの時間が長い順になるように設定されていることを特徴とする付記6または付記7に記載の交通システム。
(付記9)
上記優先度は、上記乗降場における待機車両の不足台数が多い順になるように設定されていることを特徴とする付記6から付記8のいずれか一項に記載の交通システム。
【符号の説明】
【0063】
1 交通システム、10 管制装置、11 管制受信部、12 管制送信部、
13 管制管理部、20 施設付帯装置、21 施設受信部、22 施設送信部、
23 施設センサ、24 配車要求受付部施設、30 車両、31 車両受信部、
32 車両送信部、40 実車要求部、70 車両指令部、
80 利用可能車両判定部、81 最優先施設選択部、82 最適車両選択部、
83 退避車両選択部、110 アプリケーションの要求、
111 施設付帯装置の要求、112 車両の要求、120 車両への応答、
121 携帯端末への応答、211 施設定義情報、212 施設ステータス、
214 実車要求データ、215 退避車両データ、217 車両指令、
218 乗降場の待機車両の占有情報、219 乗降場の乗客の待ち状況、
220 施設のHMIへの表示指示、221 管制装置への通知、
280 利用可能車両データ、281 最優先施設データ、282 最適車両データ、
311 車両定義情報、312 車両ステータス、320 管制装置への通知、
500 走行路、520 駐機場、521 乗降場A、522 乗降場B、
523 乗降場C、530 駐機場の駐車車両、531 乗降場Aの待機車両、
532 乗降場Bの待機車両、533 乗降場Cの待機車両、534 走行車両、
541 乗降場Aの待ち客、542 乗降場Bの待ち客、543 乗降場Cの待ち客、
1000 プロセッサ、1001 記憶装置