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特開2024-133070力制限把持機構を有する腹腔鏡用把持器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133070
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】力制限把持機構を有する腹腔鏡用把持器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B17/29
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024101897
(22)【出願日】2024-06-25
(62)【分割の表示】P 2021525830の分割
【原出願日】2019-11-11
(31)【優先権主張番号】62/768,018
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503000978
【氏名又は名称】アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】レインデル エリック エス
(72)【発明者】
【氏名】ホベイダ ジャヴィド イー
(72)【発明者】
【氏名】ファスト カイル アール
(72)【発明者】
【氏名】ストロコシュ アルカディウシュ エイ
(57)【要約】
【課題】把持組織への外傷の可能性を低減することができる手術把持器具を提供すること。
【解決手段】一体的伸張要素(316)を備えたアクチュエータ(310)機構を有する手術器具を提供する。手術器具は、ハンドルアセンブリ(400)と、細長シャフト(300)と、エンドエフェクタ(200)とを含む。エンドエフェクタ(200)は、把持された組織に対する力を低減するために非外傷性パッドがその上に位置決めされたジョーアセンブリ(200)を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術把持器具であって、
固定ハンドルと該固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルとを有しているハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長シャフトであって、該ハンドルアセンブリに連結された近位端と、該近位端と反対の遠位端と、該近位端と該遠位端によって定められる中心長手軸線とを有し、前記細長いシャフトが、外側チューブと、前記外側チューブ内に長手方向に位置決めされ該外側チューブに摺動適合し前記可動ハンドルのピボット移動に応答するアクチュエータとを有している前記細長シャフトと、
前記細長シャフトの前記遠位端に設けられたジョーアセンブリであって、前記可動ハンドルのピボット移動に応答して該ジョーアセンブリの開放構成と該ジョーアセンブリの閉鎖構成の間でピボット可能である第1のジョーと第2のジョーを有している前記ジョーアセンブリと、を備え、
前記アクチュエータは、前記中心長手軸線に沿って第1の長さを有し、
前記アクチュエータは、該アクチュエータを印加される予め決められた力に応答して前記第1の長さよりも長い第2の長さまで該アクチュエータを伸張させる伸張要素を含む、
ことを特徴とする手術把持器具。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記外側チューブ内の軸線方向平面運動中に弾性材料特質を有する材料で形成されている、
請求項1に記載の手術把持器具。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記可動ハンドルのピボット移動に応答して往復引張及び圧縮応力負荷の下で弾性変形する、
請求項2に記載の手術把持器具。
【請求項4】
手術器具であって、
固定ハンドルと前記固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルとロッキング機構を有しているハンドルアセンブリであって、前記ロッキング機構が、前記ハンドルアセンブリ内を延びるロック部分と記固定ハンドルの外面に隣接して延びるトリガ部分とを有しロック位置とアンロック位置の間で移動可能なロッキング部材と、前記固定ハンドルに連結されたロック解除器であって前記ロッキング部材を前記アンロック位置に維持し該ロッキング部材を前記ロック位置まで解除するように作動可能である前記ロック解除器を有している、ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長シャフトであって、該ハンドルアセンブリに連結された近位端と、該近位端と反対の遠位端と、該近位端と該遠位端によって定められる中心長手軸線とを有し、前記細長シャフトが、外側チューブと、前記外側チューブ内に長手方向に位置決めされたアクチュエータとを有し、該アクチュエータが該外側チューブとの摺動適合性を有し前記可動ハンドルのピボット移動に応答し、前記ハンドルアセンブリ内で近位端まで延びる近位セクションを有し、該近位端に隣接するロッキング面を有し、前記ロッキング部材の前記ロック部分が、前記ロック位置で前記ロッキング機構によって該アクチュエータの該ロッキング面と係合する前記アクチュエータである、細長シャフトと、
前記細長シャフトの前記遠位端でのエンドエフェクタであって、前記可動ハンドルのピボット移動に応答して第1の構成と第2の構成の間で移動可能な前記エンドエフェクタと、を備えている、
ことを特徴とする手術器具。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記外側チューブ内の軸線方向平面運動中に弾性材料特質を有する、
請求項4に記載の手術器具。
【請求項6】
前記アクチュエータは、通常使用負荷の下で比較的高い疲労強度と耐クリープ性とを有する、
請求項5に記載の手術器具。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記可動ハンドルのピボット移動に応答して往復引張及び圧縮負荷の下で弾性変形する、
請求項6に記載の手術器具。
【請求項8】
手術器具であって、
固定ハンドルと、前記固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルと、を有するハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長シャフトであって、該ハンドルアセンブリに連結された近位端と、該近位端と反対の遠位端と、該近位端と該遠位端によって定められる長手軸線とを有し、外側チューブと、該外側チューブ内に長手方向に位置決めされたアクチュエータとを有し、該アクチュエータが前記外側チューブとの摺動適合性を有し、前記可動ハンドルのピボット移動に応答し、前記長手軸線に沿って延びる長さと高さと幅とを有し、該幅が、該アクチュエータが平面プロファイルを有するように該高さよりも実質的に小さく、第1の高さを有する第1のセグメントと、第2のセグメントであって、該第2のセグメントの上縁と下縁とに対する接線によって定められる第2の高さを有し、該第2の高さが、前記第1の高さよりも低く、該第2のセグメントが、前記アクチュエータに印加される力に応答して長手方向に伸張可能な伸張要素を定め、前記長手軸線に対してほぼ平行に延びる複数の長手セクションと前記長手軸線に対して横断方向に延びる複数の横断セクションと前記複数の長手セクションの各長手セクションと前記複数の横断セクションのうちの隣接する横断セクションとの間に配置された複数の曲げ部とを有する第2のセグメントとを有するアクチュエータである、細長シャフトと、
前記細長シャフトの前記遠位端でのエンドエフェクタであって、前記可動ハンドルのピボット移動に応答して第1の構成と第2の構成の間で移動可能な前記エンドエフェクタと、を備えている、
ことを特徴とする手術器具。
【請求項9】
前記第2のセグメントの前記伸張要素は、伸張セグメントの反復シーケンスによって定められ、各伸張セクションが、第1の長手セクションと、第1の曲げ部と、第1の横断セクションと、第2の曲げ部と、第2の長手セクションと、第3の曲げ部と、第2の横断セクションと、第4の曲げ部と、第3の長手セクションとを有している、
請求項8に記載の手術器具。
【請求項10】
前記伸張要素は、直線的な引張力及び圧縮力に応答して弾性変形する、
請求項8に記載の手術器具。
【請求項11】
組織を把持するための手術器具であって、
固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルを有するハンドルアセンブリと、
第1のジョーと第2のジョーとを含むジョーアセンブリであって、該第1のジョー及び該第2のジョーが、前記可動ハンドルのピボット移動に応答して該ジョーアセンブリの開放構成と該ジョーアセンブリの閉鎖構成の間でピボット可能であるジョーアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに連結された近位端と前記ジョーアセンブリに連結された遠位端とを有する細長いシャフトアセンブリであって、外側ケースと該外側ケースに収容された少なくとも1つのアクチュエータを備え、該少なくとも1つのアクチュエータが近位端と遠位端を有し、該少なくとも1つのアクチュエータの各々が、該近位端と該遠位端の間に配置された複数の伸張要素を含み、該伸張要素が、予め定められたバネ定数に対応する幾何学プロファイルを有し、該少なくとも1つのアクチュエータが、前記ジョーアセンブリに提供される予め決められた閾値を超える力の量を制限し、該力が、前記可動ハンドルの前記ピボット移動を通じて受け入れられる、細長シャフトアセンブリと、を備えている、
ことを特徴とする手術器具。
【請求項12】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、望ましい構造的特質を有する金属材料のシートを打ち抜く打ち抜き工程を通じて生成される、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項13】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、2又は3以上のアクチュエータを含み、
前記2又は3以上のアクチュエータは、平行にかつ相接する向きに配置される、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項14】
前記2又は3以上のアクチュエータの前記配置は、予め決められた伸張特質を提供する、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項15】
前記2又は3以上のアクチュエータの前記配置は、予め決められた耐久性特質を提供する、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項16】
前記2又は3以上のアクチュエータの前記配置は、予め決められた耐疲労性を提供する、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項17】
前記2又は3以上のアクチュエータの前記配置は、予め決められたバネ定数を提供する、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項18】
前記2又は3以上のアクチュエータの前記配置は、前記ジョーアセンブリに提供することができる力の量に対する予め決められた限度を確立する、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項19】
前記1又は2以上のアクチュエータは、非伸張要素を更に備えている、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項20】
前記細長シャフトアセンブリは、その前記近位端とその前記遠位端の間を延びる中心長手軸線を有し、
前記伸張要素に対する前記幾何学プロファイルは、
前記中心長手軸線に対して平行に延びる複数の長手セクションと、
前記中心長手軸線に対して横断方向に延びる複数の横断セクションと、
前記複数の長手セクションの1つと前記複数の横断セクションのうちの隣接する1つとの間に各々が配置された複数の曲げ部と、を有している、
請求項13に記載の手術器具。
【請求項21】
前記複数の曲げ部のうちの少なくとも1つが、内側半径と外側半径を有する円弧セグメントを含む、
請求項20に記載の手術器具。
【請求項22】
前記複数の曲げ部のうちの少なくとも1つが、平縁又は丸みのない鋭角を有する、
請求項20に記載の手術器具。
【請求項23】
前記伸張要素の各々が、ピークとトラフを含む波形状プロファイルを各々が有する複数の伸張セクションを有している、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項24】
前記伸張セクションの各々が、第1の長手セグメントと、第1の曲げ部と、第1の横断セグメントと、第2の曲げ部と、第2の長手セグメントと、第3の曲げ部と、第2の横断セグメントと、第4の曲げ部とを有している、
請求項23に記載の手術器具。
【請求項25】
前記アクチュエータが延びる距離及び前記ジョーアセンブリが示す力の量が、前記可動ハンドルを通じて該アクチュエータに印加される力の量に基づいている、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項26】
前記細長シャフトアセンブリは、可撓性である、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項27】
前記細長シャフトアセンブリは、湾曲している、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項28】
前記ハンドルアセンブリ内を延びるロック部分と前記固定ハンドルの外面に隣接して延びるトリガ部分とを有し、ロック位置とアンロック位置の間で移動可能であるロッキング部材と、
前記固定ハンドルに連結されたロック解除器であって、ロック解除器が、前記ロッキング部材を前記アンロック位置に維持し、該ロック解除器が、該ロッキング部材を前記ロック位置まで解除するように作動可能である前記ロック解除器と、
前記ロック位置にある時に前記少なくとも1つのアクチュエータとの係合を維持するように前記ロッキング部材の前記ロック部分を付勢する前記ハンドルアセンブリ内のロッキングバネであって、該係合が、該少なくとも1つのアクチュエータが自由に近位及び遠位に平行移動することを制限する前記ロッキングバネと、を有するロッキング機構を更に備えている、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項29】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記可動ハンドルから受け入れた前記力の量が前記予め決められた閾値よりも低い時に中実ロッドの特性を呈する、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項30】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記可動ハンドルから受け入れた前記力の量が前記予め決められた閾値を超える時にバネの特性を示して前記ジョーアセンブリに提供される該力の量を制限する、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項31】
アクチュエータの前記少なくとも1つは、前記閉鎖位置にある前記ジョーアセンブリによって最初に把持された組織の変形に応答して動的な力の量を該ジョーアセンブリに提供するように構成され、
前記少なくとも1つのアクチュエータによって提供される前記動的な力の量は、前記組織が期間にわたって変形する時に前記ジョーアセンブリを該ジョーアセンブリの間に最初に把持された該組織に対して一定の接触を示すように構成する、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項32】
前記動的な力の量は、前記1又は2以上のアクチュエータによって前記ジョーアセンブリに提供される力の最大限度に対応する第1の閾値から構成され、
前記第1の閾値を超える力が、前記1又は2以上のアクチュエータの中に装荷される、
請求項31に記載の手術器具。
【請求項33】
前記組織の第1の状態が、前記閉鎖位置で前記ジョーアセンブリの間に最初に把持されて該ジョーアセンブリの間で第1の接触量を有する時の該組織の容積に対応する、
請求項32に記載の手術器具。
【請求項34】
前記閉鎖位置で前記ジョーアセンブリの間に把持された前記組織の容積が前記第1の状態での該組織の前記容積よりも小さいような該組織の変形に対応する該組織の第2の状態を更に含み、
前記第2の状態での前記ジョーアセンブリの間の前記組織の接触量が、前記第1の接触量よりも少ない、
請求項33に記載の手術器具。
【請求項35】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、平静状態で第1の長さを有し、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、第1の厚みを有する組織が前記ジョーアセンブリの前記第1のジョーと前記第2のジョーの間に位置決めされ、かつ該第1及び第2のジョーが該組織への接触を提供するために前記閉鎖構成に向けてピボット回転された時に、前記予め決められた閾値よりも大きい力の印加時に前記第1の長さよりも長い第2の長さまで伸張可能である、
請求項11に記載の手術器具。
【請求項36】
前記第1の厚みよりも小さい第2の厚みへの前記組織の変形時に、前記少なくとも1つのアクチュエータは、該組織との前記第1のジョー及び前記第2のジョーを通じた該組織との前記接触を維持するために前記第2の長さから後退して該第1及び第2のジョーに補足的な力の量を提供する、
請求項35に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその全体が組み込まれている2018年11月15日出願の「力制限把持機構を有する腹腔鏡用把持器(Laparoscopic Grasper with Force-Limiting Grasping Mechanism)」という名称の米国仮特許出願第62/768,018号に対する優先権及びその利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、手術デバイスに関連し、より具体的には、腹腔鏡用把持器具のような低侵襲手術に使用するための器具に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な低侵襲手術手順では、外科医は、術野の範囲にある組織、脈管構造、又は他の物体を把持して処置するために把持器具を多くの場合に使用する。把持した組織に対する牽引力を維持することが望ましいが、組織に過度の力を印加するのは望ましくない。組織に対する過度の力は、組織外傷に至る可能性があると考えられる。
【0004】
従来型手術把持器具は、組織を把持して処置するための金属材料からなる把持ジョーを含む。ある一定の従来型手術把持器具はまた、受け入れるのに比較的大きいシャフト径を必要とする比較的複雑な圧縮コイルバネアセンブリを含む力制限機構を含んでいる。他の従来型把持器具は、専用の力制限機構を含んでいない。代わりに、これらの従来型把持器具は、強力な把持の衝撃を低減するのに作動ハンドルの可撓性及び順応性に頼っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、把持組織への外傷の可能性を低減することができる手術把持器具を提供することが望ましい。比較的廉価な製造及び組立を容易にする単純な機構を有する手術把持器具を提供することも同じく望ましい。更に、5mm器具との併用に向けて構成されたポートのような小径手術アクセスポートとの併用に向けて構成されたデバイス内に非外傷性力制限特徴部を含む手術把持器具を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある一定の実施形態では、手術把持器具を本明細書に提供する。手術把持器具は、ハンドルアセンブリと、細長シャフトと、ジョーアセンブリとを含む。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルとを含む。細長シャフトは、ハンドルアセンブリから遠位に延びる。細長シャフトは、ハンドルアセンブリに連結された近位端と、近位端と反対の遠位端と、近位端と遠位端によって定められる中心長手軸線とを有する。細長シャフトは、外側チューブと、外側チューブ内に長手方向に位置決めされたアクチュエータとを含む。アクチュエータは、外側チューブ内で摺動適合性を有し、かつ可動ハンドルのピボット移動に応答する。ジョーアセンブリは、細長シャフトの遠位端に配置される。ジョーアセンブリは、第1のジョーと第2のジョーを含む。第1及び第2のジョーは、可動ハンドルのピボット移動に応答してジョーアセンブリの開放構成とジョーアセンブリの閉鎖構成との間でピボット可能である。アクチュエータは、中心長手軸線に沿って第1の長さを有する。アクチュエータは、アクチュエータに印加される予め決められた力に応答してアクチュエータを第1の長さよりも長い第2の長さまで伸張する伸張要素を含む。
【0007】
ある一定の実施形態では、手術器具を本明細書に提供する。手術器具は、ハンドルアセンブリと、細長シャフトと、エンドエフェクタとを含む。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルと、ロッキング機構とを含む。ロッキング機構は、ロッキング部材とロック解除器を含む。ロッキング部材は、ハンドルアセンブリ内を延びるロック部分と、固定ハンドルの外面に隣接して延びるトリガ部分とを有する。ロッキング部材は、ロック位置とアンロック位置の間で移動可能である。ロック解除器は、固定ハンドルに連結される。ロック解除器は、ロッキング部材をロック位置に維持するように構成される。ロック解除器は、ロッキング部材をアンロック位置まで解除するように作動可能である。細長シャフトは、ハンドルアセンブリから遠位に延びる。細長シャフトは、ハンドルアセンブリに連結された近位端と、近位端と反対の遠位端と、近位端と遠位端によって定められる中心長手軸線とを有する。細長シャフトは、外側チューブと、外側チューブ内に長手方向に位置決めされたアクチュエータとを含む。アクチュエータは、外側チューブとの摺動適合性を有し、アクチュエータは、可動ハンドルのピボット移動に応答する。アクチュエータは、ハンドルアセンブリ内で近位端まで延びる近位部分を有する。アクチュエータは、近位端に隣接するロッキング面を含む。ロッキング部材のロック部分は、ロック位置でロッキング機構によってアクチュエータのロッキング面に係合する。エンドエフェクタは、細長シャフトの遠位端に配置される。エンドエフェクタは、可動ハンドルのピボット移動に応答して第1の構成と第2の構成の間で移動可能である。
【0008】
ある一定の実施形態では、手術器具を本明細書に提供する。手術器具は、ハンドルアセンブリと、細長シャフトと、エンドエフェクタとを含む。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルとを含む。細長シャフトは、ハンドルアセンブリから遠位に延びる。細長シャフトは、ハンドルアセンブリから遠位に延びる。細長シャフトは、ハンドルアセンブリに連結された近位端と、近位端と反対の遠位端と、近位端と遠位端によって定められる長手軸線とを有する。細長シャフトは、外側チューブと、外側チューブ内に長手方向に位置決めされたアクチュエータとを含む。アクチュエータは、外側チューブ内で摺動適合性を有し、かつ可動ハンドルのピボット移動に応答する。アクチュエータは、中心長手軸線に沿って延びる長さと、高さと、幅とを有する。幅は、アクチュエータが平面プロファイルを有するように高さよりも実質的に小さい。アクチュエータは、第1の高さを有する第1のセグメントと、第1の高さよりも低い第2の高さを有する第2のセグメントとを含む。第2のセグメントは、アクチュエータに印加される力に応答して長手方向に伸張可能な伸張要素を定める。第2のセグメントは、複数の長手セクションと、複数の横断セクションと、複数の曲げ部とを含む。複数の長手セクションは、長手軸線に対してほぼ平行に延びる。複数の横断セクションは、長手軸線に対して横断方向に延びる。複数の曲げ部は、複数の長手セクションの各長手セクションと複数の横断セクションのうちの隣接する横断セクションとの間に配置される。エンドエフェクタは、細長シャフトの遠位端に配置される。エンドエフェクタは、可動ハンドルのピボット移動に応答して第1の構成と第2の構成の間で移動可能である。
【0009】
上記で列挙した本発明の開示の利点及び特徴、並びに他の利点及び特徴を得ることができる方式を説明するために、上記で簡単に説明した原理のより具体的な説明を添付図面に例示する特定の実施形態を参照して行う。これらの図面が本発明の開示の実施形態のみを示し、従って、その範囲を限定するものと見なすべきではないという理解の上で、全体を通して参照番号が類似の部分を指定する添付図面を用いて本明細書の原理を更に具体的かつ詳細に説明かつ解説する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】手術把持器具の実施形態の斜視図である。
図2図1の把持器具の分解図である。
図2A図1の把持器具のハンドルアセンブリの分解図である。
図2B図1の把持器具のジョーアセンブリの分解図である。
図2C図1の把持器具の軌道式ヘッド部材を有するアクチュエータの遠位端に連結されたジョーアセンブリの分解図である。
図2D図2Cのジョーアセンブリ、軌道式ヘッド部材、及びアクチュエータの分解図である。
図3】ジョーアセンブリが開放構成にある図1の把持器具のジョーアセンブリの側面図である。
図3A】ジョーアセンブリが開放構成にあり、外側チューブ及びスリーブが取り外された図1の把持器具のジョーアセンブリの側面図である。
図4】ジョーアセンブリが部分閉鎖構成にある図1の把持器具のジョーアセンブリの側面図である。
図4A】ジョーアセンブリが部分閉鎖構成にあり、外側チューブ及びスリーブが取り外された図1の把持器具のジョーアセンブリの側面図である。
図5】ジョーアセンブリが閉鎖構成にある図1の把持器具のジョーアセンブリの側面図である。
図5A】ジョーアセンブリが閉鎖構成にあり、外側チューブ及びスリーブが取り外された図1の把持器具のジョーアセンブリの側面図である。
図6】ジョーアセンブリが開放構成にある状態で位置決めされた図1の把持器具のハンドルアセンブリの部分切り欠き側面図である。
図7】ジョーアセンブリが部分閉鎖構成にある状態で位置決めされた図1の把持器具のハンドルアセンブリの部分切り欠き側面図である。
図8】ジョーアセンブリが閉鎖構成にあり、ラッチ機構がラッチ構成に係合された状態で位置決めされた図1の把持器具のハンドルアセンブリの部分切り欠き側面図である。
図9】ジョーアセンブリが閉鎖構成にあり、ラッチ機構がラッチ解除構成に係合された状態で位置決めされた図1の把持器具のハンドルアセンブリの部分切り欠き側面図である。
図10】平静状態及び伸張状態にある図1の把持器具のシャフトアセンブリのアクチュエータの側面図である。
図11A】平静状態にある図10のアクチュエータの一部分の側面図である。
図11B】伸張状態にある図10のアクチュエータの一部分の側面図である。
図12】伸張要素を有するアクチュエータの様々な実施形態の側面図である。
図13】伸張要素を有するアクチュエータの実施形態を有する手術器具の実施形態のシャフトアセンブリの一部分を破断した側面図である。
図14図13のシャフトアセンブリのセクションの一部分を破断した側面図である。
図15】伸張要素を有するアクチュエータの実施形態を有する手術器具の実施形態のシャフトアセンブリの一部分を破断した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、手術把持器具100の実施形態が例示されている。手術把持器具100は、近位端と遠位端の間を延び、遠位端にあるジョーアセンブリ200のようなエンドエフェクタと、近位端と遠位端の間を延びるシャフトアセンブリ300と、近位端にあるハンドルアセンブリ400とを有している。一部の実施形態では、手術把持器具100は、低侵襲手術手順での使用に向けてトロカールカニューレ又は他の手術アクセスポートを通って延びるようにサイズ決定及び構成されるように構成することができる。例えば、一部の実施形態では、シャフトアセンブリ300は、滑らかな外面と、例えば、12mmトロカール、10mmトロカール、及び5mmトロカールのようなある一定の器具を受け入れるためのサイズ部類を有するトロカールカニューレ内の通過に向けてサイズが決定された外径とを有するほぼ管状の本体を含むことができる。他の実施形態では、本明細書に説明する手術器具のある一定の態様は、異なるサイズを有する手術アクセスポート又は直視下手術手順との併用に向けて適応させることができる。
【0012】
図2及び図2Bを参照すると、図1の手術把持器具100の分解図が例示されている。図示の実施形態では、手術把持器具100のジョーアセンブリ200は、ピボット250の場所で第2のジョー230に連結された第1のジョー210を含む。従って、第1のジョー210と第2のジョー230を互いに対してピボット回転させることにより、第1のジョー210が第2のジョー230と離間した開放構成と、第1のジョー210が第2のジョー230に近づき、これらの間に組織、脈管構造、又は別の手術器具のような物体を把持する閉鎖構成との間でジョーアセンブリ200を作動させることができる。
【0013】
一部の実施形態では、ジョーアセンブリ200は、使用中の組織外傷の可能性を低減するように構成することができる。例えば、第1及び/又は第2のジョー210、230は、これらの上に形成された非外傷性パッドを含むことができる。図2図2Bの両方に示すように、第1のジョー210は第1の非外傷性ジョーパッド220を含み、第2のジョー230は第2の非外傷性ジョーパッド240を含む。一部の実施形態では、第1及び第2の非外傷性パッド220、240は、商標LATIS(登録商標)の下で販売されている軟質で比較的ジュロメーター硬度の低い非外傷性パッドを含むことができる。他の実施形態では、ジョーアセンブリ200は、パッドなしの第1及び第2のジョー210、230を含むことができ、ジョーでの圧力低減は、力を低減又は制限する作動機構によって改善することができる。
【0014】
図2図2C、及び図2Dを参照すると、図1の手術把持器具100の分解図が例示されている。図示の実施形態では、第1のジョー210と第2のジョー230は、ピボット回転するように互いに連結され、更にピボット250の場所でシャフト(例示していない)に連結される。ピボット250との係合部の近くで第1及び第2のジョー210、230の各々から作動ポスト又はピン254が突出する。ジョーアセンブリ200は、第1及び第2のジョー210、230の各々の近位端の間に位置決めされたヘッド部材360によってアクチュエータ310の遠位端に連結される。ヘッド部材360の各側部は、そこに形成された軌道364を有する。第1及び第2のジョー210、230の各々の作動ポスト又はピン254は、シャフトの外側チューブに対するアクチュエータ310及びヘッド部材360の近位及び遠位移動が作動ピン254を移動して第1のジョー210と第2のジョー230とを開閉させるようにそれぞれの軌道364内に位置決めされる。ヘッド部材360の遠位端には、外側チューブ内でジョーアセンブリ200とヘッド部材360との望ましい間隔を維持するためのシム370を配置することができる。図示の実施形態では、シム370は、負荷下で作動ポスト又はピン254が軌道364からの切断状態になるいずれかの傾向を低減するためにヘッド部材360、並びに第1及び第2のジョー210、230の近位端に跨るように位置決めされたサドル構成を有することができる。
【0015】
図2を更に参照すると、細長シャフトアセンブリ300は、アクチュエータ310と、外側チューブ330と、誘電スリーブ340とを含むことができる。アクチュエータは、外側チューブ330内に摺動可能に位置決めされる。誘電スリーブ340は、外側チューブ330の外面の周りに配置することができ、細長シャフトアセンブリ300に対して電気絶縁を提供することができる。ある一定の実施形態では、アクチュエータ310は、近位端312と遠位端314の間でほぼ長手方向に延びる実質的に平面の部材を含むことができる。アクチュエータ310の実質的に平面の形状は、近位端312と遠位端314の間の長さと、長さに直交する高さと、長さと高さの両方に直交する幅とによって定めることができる。幅は、高さ及び長さよりも実質的に小さい。ある一定の実施形態では、アクチュエータ310は、例えば、望ましい剛性、伸張、及び疲労寿命の特徴を有するアクチュエータ310をもたらすために、例えば、2つのアクチュエータストリップのような複数のアクチュエータストリップのスタックを含むことができる。
【0016】
図2及び図2Aを更に参照すると、図示の実施形態では、ハンドルアセンブリ400は、固定ハンドル410を定める1対のハウジング半体と、ロッキング機構430のピボットピンの場所で固定ハンドル410にピボット可能に連結された可動ハンドル420と、回転ノブ460とで形成されたハウジングを含む。図示の実施形態では、固定ハンドル410は、ユーザの手の指で把持されるように輪郭形成することができ、可動ハンドル420は、ユーザの親指によって係合して親指の屈曲及び伸張によって移動されることになる親指リングを含むことができる。他の実施形態では、本明細書に説明する細長シャフトアセンブリ及びエンドエフェクタアセンブリと併用することができる他のハンドルアセンブリ構成を使用することができるように考えられている。
【0017】
図3図5及び図3A図5Aを参照すると、開放構成(図3及び図3A)、部分閉鎖構成(図4及び図4A)、及び閉鎖構成(図5及び図5A)にある手術把持器具のジョーアセンブリ200が例示されている。ジョーアセンブリ200が開放構成にある図3及び図3Aに示すように、ユーザが第1のジョー210と第2のジョー230の間に把持して位置決めされた物体を有する手術部位に手術把持器具を位置決めすることができるように第1のジョー210は第2のジョー230から離間している。第1のジョー210と第2のジョー230は、リンケージリベット、ピン、又は他のピボット可能アセンブリのようなピボット250の場所で互いにピボット可能に連結される。
【0018】
図3及び図3Aを更に参照すると、ピボット250は、細長シャフトアセンブリ300の遠位端で細長シャフトアセンブリ300の外側チューブ330にも連結される。細長シャフトアセンブリ300は、ピボット250の近くにある係合場所でジョーアセンブリ200の第1及び第2のジョー210、230に係合するヘッド部材360を更に含むことができる。例えば、ある一定の実施形態では、第1及び第2のジョー210、230の各々は、ピボット250の近くの場所で細長シャフトアセンブリ300に対して半径方向内向きに突出する作動ピンを含むことができ、ヘッド部材360は、第1のジョー210の作動ピンを受け入れるように位置決めされた第1の溝、スロット、又は軌道364と、第2のジョー230の作動ピンを受け入れるようにそこに形成されて位置決めされた第2の溝、スロット、又は軌道とを含むことができる。第1の軌道及び第2の軌道は、ヘッド部材360の近位及び遠位移動が第1のジョー210と第2のジョー230とをピボット250の周りに互いに対してピボット回転させるように細長シャフトアセンブリ300の中心長手軸線に対して横断方向に延びることができる。
【0019】
図3及び図3Aを更に参照すると、一部の実施形態では、細長シャフトアセンブリ300は、ヘッド部材360とジョーアセンブリ200とを中心長手軸線に関して長手方向に位置合わせしてこれらの間隔を維持するために遠位端で外側チューブ330内に位置決めされた少なくとも1つのシム部材のようなジョー支持部材を更に含むことができる。図示の実施形態では、細長シャフトアセンブリ300は、手術部位から細長シャフトアセンブリ内への流体及びガスの侵入又は漏出を防止するためにヘッド部材360と外側チューブ330の内面との間に位置決めされたシール要素350を含むことができる。例えば、細長シャフトアセンブリ300は、ヘッド部材360内の溝によって配置されて保持されたOリングを含むことができる。
【0020】
図3及び図3Aを更に参照すると、ヘッド部材360の近位端は、アクチュエータ310の遠位端に連結することができる。一部の実施形態では、ヘッド部材360の近位端とアクチュエータ310の遠位端は、細長シャフトアセンブリ300の中心長手軸線の周りに回転可能な連結を可能にするように構成することができる。例えば、図示のように、ヘッド部材360の近位端は、突出する環状ポスト362を含み、アクチュエータ310の遠位端314は、環状ポスト362を受け入れるようにサイズ決定及び構成された切り欠きを含み、細長シャフトアセンブリ300の中心長手軸線に対するジョーアセンブリ200の回転を可能にすることができる。図6を参照して更に説明するように、ハンドルアセンブリ400の回転ノブ460の回転が中心長手軸線に対する望ましい向きまでジョーアセンブリ200を回転させるように細長シャフトアセンブリ300の外側チューブ330を回転させることができる。
【0021】
図3及び図3Aを更に参照すると、一部の実施形態では、ヘッド部材360は、金属射出成形(MIM)工程によって形成することができる。有利なことに、このMIM工程は、望ましい強度及び疲労寿命の特性を有する金属材料から構成され、望ましい幾何学特徴を有するように形成され、上述のようにジョーアセンブリ200に係合するための一体的な軌道又はスロットとアクチュエータ310に係合するためのポスト又は位置決めピンとを有するヘッド部材360の効率的で迅速な製造を可能にすることができる。他の実施形態では、ヘッド部材360は、望ましい形状を有するように鋳造、機械加工、又は他に処理された金属材料で形成することができる。他の実施形態では、ヘッド部材360は、非金属材料で形成することができる。
【0022】
図4及び図4Aを参照すると、部分閉鎖構成にあるジョーアセンブリ200の実施形態が例示されている。図示のように、中心長手軸線に沿うアクチュエータ310の近位平行移動は、第1のジョーパッド220と第2のジョーパッド240とを近づけるように第1のジョー210と第2のジョー230とを互いに対してピボット回転させる。
【0023】
図4及び図4Aを更に参照すると、第1のジョー210と第2のジョー230は、同じ幾何学的特徴を有し、中心長手軸線に対して横断方向に延びる同じピボット軸線の周りにピボット回転する。図示の実施形態では、第1及び第2のジョー210、230のピボット軸線は、中心長手軸線に対してほぼ垂直に延びる。第1のジョー210は、第1のジョー軸線を定めるほぼ細長構成を有し、第2のジョー230は、第2のジョー軸線を定めるほぼ細長構成を有する。ある一定の実施形態では、アクチュエータ310の近位平行移動は、第1及び第2のジョー210、230を第1のジョー軸線と第2のジョー軸線の間に定められる角度が約45度である開放位置から第1のジョー軸線と第2のジョー軸線の間に定められる角度が約0度である閉鎖位置までピボット回転させる。
【0024】
図5及び図5Aを参照すると、閉鎖構成にあるジョーアセンブリ200の実施形態が例示されている。閉鎖構成では、第1のジョー210と第2のジョー230は、第1のジョーパッド220が第2のジョーパッド240に隣接するように又は把持中の物体の分だけ分離されるように近づけられる。上記で特筆したように、第1のジョーパッド220及び第2のジョーパッド240は、これらの間に把持される組織に対して非外傷性を有するように選択される材料で形成することができる。更に、第1のジョーパッド220及び第2のジョーパッド240は、第1のジョー210及び第2のジョー230と比較してより大きい面積にわたって位置決めすることができる。例えば、望ましくは、第1及び第2のジョーパッド220、240は、ピボット250の遠位の第1及び第2のジョー210、230の長さの少なくとも約20%に沿って延びることができる。より望ましくは、ジョーパッド220、240は、ピボット250の遠位の第1及び第2のジョー210、230の長さの少なくとも約25%に沿って延びることができる。有利なことに、このより大きい非外傷性接触面は、把持された物体に印加される圧力を大きい面積にわたって分散し、把持された組織への外傷のリスクを低減することができる。更に、第1及び第2のジョーパッド220、240は、それぞれの第1及び第2のジョー210、230によって定められる長手軸線に対して横断方向の角度で位置決めすることができる。従って、第1及び第2のジョーパッド220、240の角度的着座は、把持された物体を中心長手軸線に関して近位に引き寄せる傾向があるとすることができる。第1及び第2のジョーパッド220、240のこの角度的着座は、把持された物体に印加される圧力を有意に増大させることなく手術把持器具の牽引機能を有利に高めることができる。
【0025】
図5を更に参照すると、図示のジョーアセンブリ200の実施形態では、第1及び第2のジョー210、230は、手術部位、手術アクセスポート、及び他の手術器具内の組織への外傷の発生を更に低減するように構成することができる。例えば、第1及び第2のジョー210、230の各々は、非外傷性非金属外面が付加された剛性金属内側ジョー脊柱部を含む複合構造で形成することができる。第1及び第2のジョーパッド220、240は、非外傷性非金属外面上に位置決めすることができる。望ましくは、一部の実施形態では、第1及び第2のジョー210、230の各々は、プラスチックオーバーモールド外面が付加された金属内側脊柱部を含むことができる。プラスチックオーバーモールドの各々は、それぞれの第1及び第2のジョーパッド220、240を受け入れるようにサイズ決定及び構成されたパッド面を有することができる。このパッド面は、第1及び第2のジョーパッド220、240を傾斜した向きで位置決めするためにそれぞれの第1及び第2のジョー210、230の長手軸線に対して横断方向の角度で形成することができる。第1及び第2のジョーパッド220、240は、パッド面に接着する又は他に連結することができる。
【0026】
図6を参照すると、本明細書に説明する手術把持器具100のためのハンドルアセンブリ400の実施形態が例示されている。図示のように、可動ハンドル420は、ジョーアセンブリ200を図3に示す開放構成で位置決めするために固定ハンドル410から離間している。望ましくは、ある一定の実施形態では、固定ハンドル410は、ユーザに対して柔らかいタッチの面を設けるためにグリップ内に取り外し可能に位置決めされたエラストマー性の指グリップインサート415(図2)を含む人間工学的指グリップを有することができる。同様に、可動ハンドル420の親指リングも、ユーザに対して柔らかいタッチの面を設けるために親指リング内に取り外し可能に位置決めされたエラストマー性の親指リングインサート425(図2)を含むことができる。ユーザは、ハンドルアセンブリ400に対して外側チューブ330を回転させるためにハンドルアセンブリ400に対して回転ノブ460を補助的に回転させることができる。例えば、ハンドルアセンブリ400は、回転ノブ460を回転させるためにユーザの人差し指を容易に伸張することができるような人間工学的プロファイルを有するように構成することができる。この回転は、外側チューブ330に連結されたジョーアセンブリ200を把持されることになる組織、脈管構造、又は別の物体の周りの望ましい向きに向けることができる。
【0027】
図7を参照すると、図4に示す部分閉鎖構成にあるジョーアセンブリ200に対応する部分閉鎖構成にあるハンドルアセンブリ400が例示されている。部分閉鎖構成では、可動ハンドル420が、固定ハンドル410に対してロッキング機構430のピボットピンの周りにピボット回転される。図示の実施形態では、可動ハンドルは、親指リングを有する第1の端部422から第2の端部424まで延びる。ロッキング機構430のピボットピンは、第1の端部422と第2の端部424の間に位置決めされる。可動ハンドル420の第2の端部424は、アクチュエータ310の近位端312に連結される。一部の実施形態では、アクチュエータ310の近位端312は、可動ハンドル420の第2の端部424に連結されてこれらの間の力の伝達を可能にするように構成された凹部、ボア、スロット、又は他の特徴部のような近位カプラ313を含むことができる。図示の実施形態では、近位カプラは、可動ハンドル420の第2の端部424から突出するポストを受け入れることができるボアを含む又は連結ピン又はリベットによって第2の端部424に連結することができる。従って、可動ハンドル420がロッキング機構430のピボットピンの周りにピボット回転されると、アクチュエータ310は、中心長手軸線に関して近位に引っ張られる。この近位移動は、同じく細長シャフトアセンブリ300のヘッド部材360を近位に移動し、図4に示すようにジョーアセンブリ200を閉じる。
【0028】
図8及び図9を参照すると、可動ハンドル420の更に別の移動は、ジョーアセンブリ200を図5に示す閉鎖構成に移動するように手術把持器具を更に作動させることができる。一部の実施形態では、ハンドルアセンブリ400は、可動ハンドル420を固定ハンドル410に対する望ましい位置に維持するためのロッキング機構を更に含む。ある一定の実施形態では、ロッキング機構430は、それをユーザがラッチ及びラッチ解除することによって作動されるトリガロック440及びロック解除器450を含むことができる。
【0029】
図8及び図9を更に参照すると、ラッチ構成(図8)及びラッチ解除構成(図9)にあるロッキング機構430の実施形態が例示されている。ロッキング機構430のトリガロック440は、トリガ部分444を有する第1の端部からロック部分442を有してハンドルアセンブリ400内でアクチュエータ310に隣接するように位置決めされた第2の端部まで固定ハンドル410に隣接して延びる。一部の実施形態では、アクチュエータ310は、そこに形成されてロッキング機構430がラッチ構成にある時にトリガロック440のロック部分442が選択的に係合するようにサイズ決定及び構成されたラッチ凹部のような係合面を有することができる。ロッキング機構430は、それがラッチ構成にある時にロック部分442とラッチ凹部との係合を維持するためにトリガロック440のロック部分442を付勢するためのロッキングバネ446をハンドルアセンブリ内に更に含むことができる。
【0030】
ロッキング機構430がラッチ構成にある図8を参照すると、トリガロック440のロック部分442は、アクチュエータ310が中心長手軸線に関して近位及び遠位に自由に平行移動することを制限するように位置決めされてそのように向けられる。例えば、一部の実施形態では、ロック部分442は、そこに形成された通路又はほぼ矩形の窓を含むことができ、ロック部分442がアクチュエータ310に対してほぼ垂直に向けられた時(図9に示すように)にアクチュエータ310がこの通路又は窓を通って自由に平行移動することができ、ロック部分のこの通路は、それがアクチュエータの長手軸線に対して垂直な軸線と不整合状態にある時(図8)にアクチュエータ310に係合する。トリガロック440が固定ハンドル410から分離することを可能にするためにロック解除器450が押下されると、ロッキングバネ446は、トリガロック440のロック部分442をアクチュエータ310との拘束係合状態に付勢する。すなわち、トリガロック440とアクチュエータ310の間のこの係合は、ジョーアセンブリ200を望ましい位置にロックする。
【0031】
一部の実施形態では、ロッキング機構430のトリガロック440は、ジョーアセンブリ220が閉鎖位置から開放位置までロッキング機構430によって定められた点を超えて復帰しようとすることをジョーアセンブリ220自体が防止するための逆行限界を定めることができる。しかし、トリガロック440によって課せられる制限は、ジョーアセンブリ220が閉鎖位置で組織を押圧する限度に対応する順行限界を定めることができない。
【0032】
図9を参照すると、ユーザが組織試料を把持するために第1及び第2のジョーを再位置決めしたいと望む時に、可動ハンドル420を部分閉鎖位置又は閉鎖位置のような望ましい位置まで移動することができ、この時に、ロッキング機構430は、トリガロック440がロック解除器450とのラッチ係合によって固定ハンドル410に近づけられたラッチ解除構成にある。図示のように、トリガ部分444の端部をロック解除器450を超えて前進させ、ロック解除器450によって固定ハンドル410に隣接する場所に維持することができる。トリガロック440が固定ハンドル410に隣接するように位置決めされた状態では、トリガロック440のロック部分442は、可動ハンドル420の移動に応答してロック部分442内に形成された通路を通るアクチュエータ310の自由平行移動を可能にするように向けられる。
【0033】
図9を更に参照すると、ある一定の実施形態では、ロック解除器450をアンロックピボット452の場所で固定ハンドル410にピボット回転するように連結することができる。ロック解除器450は、トリガロック440のトリガ部分444を固定ハンドル410に隣接する場所に維持するように付勢することができる。図示の実施形態では、ロック解除器450は、ハンドルアセンブリ内に位置決めされたアンロッキングバネ454によって付勢することができる。他の実施形態では、ロック解除器450は、望ましい付勢を用いてアンロックピボットを持たずに固定ハンドル410から延びる可撓性部材で形成することができる。ユーザは、可動ハンドル420、アクチュエータ310、及びジョーアセンブリ200の固定位置を維持するためにロッキング機構430に係合しようと望む時に、アンロッキングバネ454の付勢に打ち勝つようにロック解除器450を押下して、ロック解除器450をトリガロック440のトリガ部分444の端部との係合から脱するようにピボット回転させることができる。
【0034】
図10を参照すると、本明細書に説明する細長シャフトアセンブリでの使用のためのアクチュエータ310の平静(上側)及び伸張(下側)状態での実施形態が例示されている。アクチュエータ310は、その長さ及び高さと比較して有意に小さい幅を有する実質的に平面の構成を有する。有利なことに、この平面構成は、望ましい引張強度及び耐久特性を達成するように熱処理されたものとすることができる金属材料のコイル又はシートから効率的に製造することができる。例えば、一部の実施形態では、アクチュエータ310は、望ましい構造的特質を有する金属材料のシートから打ち抜き加工することができる。一部の実施形態では、アクチュエータ310は、17-7PHステンレス鋼のコイルシートのような金属材料から形成することができる。手術把持器具のある一定の実施形態では、順次打ち抜き加工によって比較的高速に製造可能でありながら望ましい伸張特質及び耐久特性を達成するために、2又は3以上の打ち抜きシートアクチュエータを平行にかつ相接する向きに位置決めすることができる。一部の実施形態では、アクチュエータ310は、把持中の物体に印加される力を制限するように構成することができ、それによって把持された組織への外傷の発生を有利に低減することができる。
【0035】
図10を更に参照すると、一部の実施形態では、アクチュエータ310は、一体的伸張要素316を定めるように形成されたセグメントを含むことができる。有利なことに、伸張要素316は、アクチュエータ310の低コストで効率的な製造を可能にする一体的構造を有するアクチュエータ310対する力制限バネ機構として機能することができる。図示のように、伸張要素316は、アクチュエータ310の近位端312と遠位端314の間に位置決めすることができ、アクチュエータの残りのセグメントが非伸張要素又は剛性要素324を定める。図示のように、一実施形態では、伸張要素316は、アクチュエータ310の長さに直交して剛性要素324の対応する高さよりも低い高さを有することができる。図示の実施形態では、伸張要素316は、剛性要素324の高さの約半分の高さを含む。
【0036】
図10図11A、及び図11Bを参照すると、一部の実施形態では、伸張要素316は、アクチュエータ310に対して望ましいバネ定数を定める幾何学プロファイルを含むことができる。例えば、ある一定の実施形態では、伸張要素316は、中心長手軸線に対してほぼ平行に延びる複数の長手セクション322と、中心長手軸線に対して横断方向に延びる複数の横断セクション318と、複数の長手セクションの各長手セクションと複数の横断セクションのうちでそれに隣接する横断セクションとの間に位置決めされた複数の曲げ部320とを含む。ある一定の実施形態では、各曲げ部320は、内側半径と外側半径とを有する円弧セグメントを含むことができる。ある一定の実施形態では、伸張要素316は、複数の伸張セクション317を含むことができる。ある一定の実施形態では、各個々の伸張セクション317は、1つのピークから隣接するピークまで(又は1つのトラフから隣接するトラフまで)延びるほぼ波形状のプロファイルのセグメントによって定められる完全セクションである。従って、各伸張セクション317は、第1の長手セグメント322と、第1の曲げ部320と、第1の横断セグメント318と、第2の曲げ部321と、第2の長手セグメント323と、第3の曲げ部325と、第2の横断セグメント319と、第4の曲げ部327とを含むことができる。
【0037】
図10図11A、及び図11Bを更に参照すると、アクチュエータ310に引張力が印加されると、隣接する長手セグメント322間の距離(X)(図11A)が伸張長さ(X+ΔX)(図11B)まで伸張することになり、それによって近位端312と遠位端314の間の全長が伸張される(図10)。従って、アクチュエータ310のこの伸張特性は、手術把持器具のジョーアセンブリによって印加される力を望ましく制限することができる。ユーザが比較的高い力を印加する場合又は比較的厚い組織試料を把持しようと試みる場合に、印加力の一部分は、把持された組織に直接印加されるのではなく、アクチュエータを伸張させることになる。
【0038】
図10図11A、及び図11Bを更に参照すると、ある一定の実施形態では、長手セグメント322、曲げ部320、横断セグメント318の寸法は、望ましいバネ定数及び耐疲労性を有する伸張要素316を提供するようにサイズ決定及び構成することができる。ある一定の実施形態では、アクチュエータ310は、制御された引張負荷の下で弾性特質を有するステンレス鋼シート材料のような剛性材料で形成される。望ましくは、アクチュエータ310は、幅又は厚みの寸法が高さ又は長さの寸法よりも有意に小さい実質的に平面の構成を有することができる。ある一定の実施形態では、手術把持器具が5mmトロカール送出システム内で導入されるのに対して、外側チューブは、0.197インチの最大外径と0.140の最小内径とを有することができる。ある一定の実施形態では、外側チューブ内に位置決めされるアクチュエータ310は、.190インチと.100インチの間の高さと、.010インチと.110インチの間の厚みとを有することができる。望ましくは、2つのアクチュエータは、.020インチと.110インチの間の連結厚みを有することができる。ある一定の実施形態では、複数のアクチュエータは、.020インチと.110インチの間の連結厚みを有するように互いに平行に組み立てることができる。ある一定の実施形態では、手術把持器具は5mmよりも大きいトロカール送出システム内に導入されるが、アクチュエータ310は、.350インチの最大高さを有し、.010インチと.250インチの間の厚みを有することができる。5mmトロカールのような5mmカテゴリのアクセスポートを通じた配置に向けてサイズ決定及び構成された器具との併用のための一部の実施形態では、アクチュエータ310は、約.040インチの厚みを有することができる。ある一定の実施形態では、アクチュエータ310は、各々が約.020インチの厚みを有する2つの相接アクチュエータ部材のスタックを含むことができる。
【0039】
図10図11A、及び図11Bを更に参照すると、ある一定の実施形態では、伸張要素316は、少なくとも20個の伸張セクション317を含むことができる。望ましくは、伸張要素は、少なくとも30個の伸張セクション317を含むことができる。より望ましくは、ある一定の実施形態では、伸張要素316は、少なくとも40個の伸張セクション317を含むことができる。ある一定の実施形態では、伸張要素316は、48個の伸張セクション317を含むことができる。図示の実施形態は、各々が、反復して伸張要素316を形成する一定な形状を有する複数の伸張セクション317を含むが、他の実施形態では、伸張要素316は、アクチュエータ310の長さに沿って可変のパターンを有する様々なセグメント及び曲げ部の形状で形成することができる。
【0040】
図10図11A、及び図11Bを更に参照すると、曲げ部320は、内側半径と外側半径とによって定められる円弧形状を有することができる。他の実施形態では、曲げ部320は、平縁又は丸みのない鋭角を有するセクションによって形成することができる。ある一定の実施形態では、内側半径は、約0.02インチと0.08インチの間にあるとすることができる。望ましくは、内側半径によって定められる全半径は、約0.05インチと0.06インチの間にあるとすることができる。ある一定の実施形態では、外側半径は、約0.024インチと0.054インチの間にあるとすることができる。一部の実施形態では、内側半径は外側半径よりも大きい。他の実施形態では、内側半径は外側半径よりも小さい。ある一定の実施形態では、内側半径によって定められる全半径は約0.05インチであり、外側半径は約0.044インチである。他の実施形態では、内側半径によって定められる全半径は約0.06インチであり、外側半径は約0.036インチである。
【0041】
ある一定の実施形態では、内側半径及び外側半径は、伸張要素316の上縁及び下縁に接する線によって定められる比較的一定の幅を有する伸張要素316を提供するようにサイズ決定及び構成することができる。ある一定の実施形態では、伸張要素316の上縁及び下縁に接する線によって定められる幅は、約0.060インチと0.080インチの間にある。望ましくは、このタンジェンシャルによって定められる伸張要素316の幅は、約0.065インチと0.075インチの間にあるとすることができる。ある一定の実施形態では、このタンジェンシャルによって定められる伸張要素316の幅は、約0.07インチとすることができる。
【0042】
図10図11A、及び図11Bを更に参照すると、アクチュエータ310の伸張要素316は、その上縁及び下縁に接する線によって定められる幅よりも大きい高さを有する真っ直ぐなセクションを有するコネクタ端部を定める剛性要素324の分だけ遠位端314から離間させることができる。一部の実施形態では、伸張要素316は、遠位端314から少なくとも0.2インチだけ離間させることができる。他の実施形態では、伸張要素316は、約0.02インチの最小距離を有するコネクタ端部直線セクションの分だけ遠位端314から離間させることができる。
【0043】
図10図11A、及び図11Bを更に参照すると、ある一定の実施形態では、各完全伸張セクション317の全長は、望ましいバネ定数及び疲労強度を与えるようにサイズ決定及び構成することができる。一部の実施形態では、各完全伸張セクション317の長さは、約0.200インチと0.360インチの間にあるとすることができる。望ましくは、各伸張セクション317の長さは、約0.240インチと0.260インチの間にあるとすることができる。ある一定の実施形態では、各伸張セクションは、約0.240インチの長さを有することができる。他の実施形態では、各伸張セクションは、約0.260インチの長さを有することができる。
【0044】
図10及び図11Aを更に参照すると、望ましくは、可動ハンドルの作動によってアクチュエータ310に印加される力は予め決められたレベルを下回り、アクチュエータ310は、伸張要素316が一定の長さを維持しながら外側チューブ330内で平行移動する。従って、比較的弱い力がアクチュエータ310に印加されることで、アクチュエータ310は中実ロッドアクチュエータとして機能する。アクチュエータ310は、それを中実ロッドとして移動するための比較的弱い力の印加による平行移動時に一定に留まる第1の長さを中心長手軸線に沿って有する。
【0045】
図10及び図11Bを参照すると、厚い組織試料がジョーアセンブリの第1のジョーと第2のジョーの間に挿入される時のような比較的強い力がアクチュエータ310に印加される時に、相応に伸張要素316は伸張することができ、それによって遠位端314でのアクチュエータ310の有効ストローク長が短縮する。一部の実施形態では、アクチュエータ310は、バネ状のアクチュエータとして機能する。従って、予め決められた伸張力の印加時に、アクチュエータ310は、第1の長さよりも長い第2の長さまで伸張する。この強めの力の負荷条件下では、アクチュエータ310は、外側チューブ330内で平行移動し、それと共に近位端312と遠位端314の間の長さが伸張する。伸張要素316の伸張によって与えられるそれ程有効ではないこのストローク長は、エンドエフェクタ又はジョーアセンブリによって印加される力を有利に制限し、それに相応にジョーアセンブリによって把持される組織への外傷のリスクを低減する。アクチュエータ310は、1又は2以上の追加のバネによってもたらされる機械的な複雑さ及び製造の複雑さ、並びに増加するコストを有することなく単一の一体的構成要素としてこの力制限性能を与える。望ましくは、アクチュエータ310の伸張要素316は、それに比較的強い力が印加された時に図11Bに示すように弾力的に変形し、力が解除されるとアクチュエータ310がその元の無変形状態及び長さに戻るようにサイズ決定及び構成される。
【0046】
更に別の実施形態では、アクチュエータ310は、その中に装荷された力(上述のようにアクチュエータ310を弾力的に変形させたもの)をジョーアセンブリの第1及び第2のジョーに補給するようにもサイズ決定及び構成される。一部の場合に、ジョーアセンブリは、第1のジョーと第2のジョーの間に把持された組織を有する状態でジョーアセンブリを閉鎖位置にロックすることができる。ジョーアセンブリが組織と接触する程度は、把持中の組織の厚み及び/又は容積、並びに組織に与えられる力の予め決められた量に基づいている。しかし、組織が変形し(例えば、把持された組織に関する細胞から流体が流出するか又は押し出される時に)、それによって最初に把持されていた組織の厚み及び容積が減少する場合に、組織とジョーアセンブリの間の元の接触がもはや可能ではなくなる場合がある。更に、剛性で非弾性のアクチュエータを使用する従来の手術把持器では、ジョーアセンブリの第1及び第2のジョーがロックされるので、ジョーアセンブリが組織を適正に把持することを組織変形が妨げる場合があり、時に組織との接触が緩む又はジョーアセンブリからすり抜けることさえもある。
【0047】
望ましくは、本明細書に説明する手術把持デバイスのある一定の実施形態は、組織が変形する時にジョーアセンブリの第1のジョーと第2のジョーの間で組織との一定の及び/又は一貫した接触を維持するためにアクチュエータ310から動的な力の量を与えることができる。ジョーアセンブリに与えられる動的な力の量は、アクチュエータ310に先に装荷された余剰力から供給される。上述のように、アクチュエータ310は、ユーザによって与えられる(可動ハンドルを通して)力を負荷する時に第1の長さから第2のより長い長さに伸張することができる。ジョーアセンブリの第1のジョーと第2のジョーの間に最初に把持されていた組織の厚み及び容積が変化すると(例えば、変形により)、アクチュエータ310からの応答が、組織との接触を維持するために第1のジョーと第2のジョーが互いに向けて近位にピボット回転されるように、アクチュエータ310内に装荷されていた力をジョーアセンブリに提供することができる。この力は、アクチュエータ310を出て行く時に、アクチュエータ310を第2のより長い長さから第1の長さに向けて後退して戻る。アクチュエータ310からの応答は、変形している/変形した組織との接触を組織の厚み及び容積が経時的に変化する程度に基づいて維持するのに必要とされる追加の力を第1及び第2のジョーに与える。このようにして、組織との接触を組織が変形する時にジョーアセンブリの第1のジョーと第2のジョーの間で一定/一貫したものにすることができる。
【0048】
図10及び図12を参照すると、近位端に隣接する様々な長さの剛性要素324を有するアクチュエータ310の様々な実施形態が例示されている。図示のように、アクチュエータ310の伸張要素316は、その上縁及び下縁に接する線によって定められる伸張要素316の幅よりも大きい高さを有する剛性要素324の分だけ近位端312から離間させることができる。ある一定の実施形態では、様々な寸法又は操作構成を有する手術器具に適応させるために近位端に隣接する剛性要素324の長さが比較的長いことを望ましいとすることができる。例えば、図12に示すように、実質的に類似の構成を有する伸張要素316を35cm長の使い捨て把持器(最上段に示すアクチュエータ)、45cm長の使い捨て把持器(上から2段目に示すアクチュエータ)、38cm長の再配置可能把持器シャフト(上から3段目に示すアクチュエータ)、及び45cm長の再配置可能把持器シャフト(最下段にあるアクチュエータ)の各々に対して使用することができる。これに代えて、アクチュエータ310の近位及び遠位の端部213、314での剛性要素324の長さに対して伸張要素316の長さを変化させることにより、アクチュエータ310の望ましい伸張特質を達成することができる。
【0049】
図10図12を参照すると、図示の実施形態は、一体形成された伸張要素316を有する平面アクチュエータ310を含む。有利なことに、この平面アクチュエータは、製造効率を提供することができ、5mm腹腔鏡器具に対する手術アクセスポートを通じた挿入に向けてサイズが決定された細長シャフトアセンブリのような比較的小さい空間内に収めて平行移動に向けてその中に拘束することができる。他の実施形態では、他のアクチュエータ構成が望ましい一体的力制限伸張要素をもたらすことができるように考えられている。
【0050】
図13及び図14を参照すると、手術器具での使用のための細長シャフトアセンブリ300’の実施形態の部分切り欠き側面図が例示されている。図示の実施形態では、細長シャフトアセンブリ300’は、ほぼ繰り返す波形のプロファイル又は褶曲状のプロファイルを有する非平面構成を有するアクチュエータ310’を含む。この褶曲状プロファイルは、アクチュエータ300に関して上記で議論したように、依然として中実ロッドアクチュエータとして機能している間に比較的強い力が印加される時にアクチュエータ310’が伸張することを望ましく可能にすることができる。一部の実施形態では、非平面アクチュエータ310’の構成は、アクチュエータ310’を比較的高い剛性の外側チューブ内に拘束するのではなく、可撓性の外側チューブ330’又は曲率を有する外側チューブ内に位置決めすることができるように可撓性を与えることができる。一部の実施形態では、アクチュエータ310’は、金属材料を含むことができ、他の実施形態ではポリマー材料を含むことができ、他の実施形態ではポリマー金属複合材料を含むことができる。ある一定の実施形態では、褶曲状非平面アクチュエータ310’は、射出モールド成形工程によってポリマー材料で形成することができる。他の実施形態では、褶曲状非平面アクチュエータ310’は、押し出し工程によってポリマー材料で形成することができる。
【0051】
図13及び図14Bを更に参照すると、アクチュエータ310’の褶曲状プロファイルは、レリーフ円筒形外面を定める。この褶曲状プロファイルは、アクチュエータ310’を比較的高い剛性の外側チューブ内に拘束するのではなく、可撓性の外側チューブ330’又は曲率を有する外側チューブ内に位置決めすることができるように2つの直交軸線の周りに高い可撓性を望ましく与えることができる。
【0052】
図15を参照すると、一部の実施形態では、アクチュエータ310’’は、可撓性の伸張可能なセグメントをそこに定めるレリーフスロット316’’がそこに形成された中空管状部材を含むことができる。これらのレリーフスロットは、アクチュエータ300に関して上記で議論したように、依然として中実ロッドアクチュエータとして機能している間に比較的強い力が印加された時にスロット式チューブアクチュエータが伸張することを望ましく可能にすることができる。一部の実施形態では、非平面アクチュエータ310’の場合と同様に、スロット式チューブアクチュエータ310’’は、それを比較的高い剛性の外側チューブ内に拘束するのではなく、可撓性の外側チューブ又は曲率を有する外側チューブ内に位置決めすることができるように複数の直交軸線の周りに可撓性を与えることができる。一部の実施形態では、スロット式チューブアクチュエータは、金属材料を含むことができ、他の実施形態ではポリマー材料を含むことができ、他の実施形態ではポリマー金属複合材料を含むことができる。
【0053】
様々な他のアクチュエータ構成は、平面シートアクチュエータに関して本明細書に説明したものと類似の一体的伸張要素性能をもたらすことができるように考えられている。例えば、ある一定の他の実施形態では、手術器具は、例えば、中実、丸形、半円形、四角形、又は正方形の断面プロファイルを有するワイヤのようなワイヤ、又は複数のワイヤ又はフィラメントストランドで形成された編組ロープケーブルからなる又はそれから形成されたアクチュエータを含むことができる。更に、平面アクチュエータのある一定の実施形態を金属材料で形成されるものとして説明したが、他の実施形態では、このアクチュエータは、ポリマー材料で形成することができるように考えられている。更に、本明細書では作動機構を手術把持器具でのある一定の利点に関して議論したが、これらの作動機構の様々な態様は、他の手術器具において、並びに比較的弱い印加力を使用する中実ロッドアクチュエータとして作動する伸張要素及び比較的強い印加力を使用する伸張要素を設けることを望ましいとすることができる医療分野以外の様々なデバイスにおいて同じく利点をもたらすことができるように考えられている。」
【0054】
この出願は、ある一定の好ましい実施形態及び実施例を開示するものであるが、当業者は、本発明が具体的に開示したこれらの実施形態を超えて本発明の他の代替実施形態及び/又は使用、及びその明白な修正物及び均等物に及ぶことを理解するであろう。更に、これらの発明の様々な特徴は、単独に使用するか、又は上記で明示したもの以外のこれらの発明の他の特徴と組み合わせて使用することができる。すなわち、本明細書に開示した本発明の範囲を上述の本発明の開示の特定の実施形態によって限定すべきではなく、関連の非仮特許出願において付与される特許請求の範囲の公正な読解によってのみ決定すべきであるように意図している。
図1
図2
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図3A
図4
図4A
図5
図5A
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具であって、
ハンドルアセンブリを備え、
前記ハンドルアセンブリが、
固定ハンドルと、
前記固定ハンドルにピボット可能に連結された可動ハンドルと、
ロッキング機構と、を有し、
前記ロッキング機構が、
前記ハンドルアセンブリ内を延びるロック部分と前記固定ハンドルの外面に隣接して延びるトリガ部分とを有し、ロック位置とアンロック位置の間で移動可能なロッキング部材と、
前記固定ハンドルに連結されたロック解除器であって前記ロッキング部材を前記アンロック位置に維持し該ロッキング部材が前記アンロック位置から前記ロック位置に動くことを可能にするように作動可能である前記ロック解除器と、を備え、
前記手術器具は、さらに、前記ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長シャフトを備え、
前記細長いシャフトは、前記ハンドルアセンブリに連結された近位端と、前記近位端と反対側の遠位端と、前記近位端と遠位端によって定められる長手方向中心軸線とを有し、
前記細長シャフトは、
外側チューブと、
前記外側チューブ内に長手方向に位置決めされたアクチュエータとを有し、
前記アクチュエータは前記可動ハンドルのピボット運動に応答し、前記アクチュエータは前記ハンドルアセンブリ内で近位端まで延びる近位セクションを有し、前記アクチュエータは近位端に隣接するロッキング面を有し、
前記手術器具は、さらに、前記細長シャフトの前記遠位端のエンドエフェクタであって、前記可動ハンドルのピボット運動に応答して第1の構成と第2の構成の間で移動可能な前記エンドエフェクタと、を備え、
前記ロッキング機構がロック位置にあるとき、前記ロッキング部分のロック位置が前記アクチュエータのロック面と係合し、前記アクチュエータが前記細長いシャフト内を自由に遠位方向および近位方向に並進することを制限する、
ことを特徴とする手術器具。
【請求項2】
前記ロッキング機構が、ロッキングバネを前記ハンドルアセンブリ内に備え、
前記ロック位置では、前記ロッキングバネは、前記ロッキング部材のロック部分を付勢し前記アクチュエータとの係合を維持するように構成されている、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記アクチュエータのロッキング面は、前記アクチュエータ内に形成され前記ロッキング機構のロック部分と選択的に係合するように寸法決めされた凹部である、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項4】
前記ロック部分が、前記ロック部分に形成され前記ロッキング部材がアンロック位置にあるとき前記アクチュエータの自由な並進を可能にするように構成された通路を備えている、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項5】
前記通路は、前記ロッキング部材がロック位置にあるとき、前記アクチュエータの長手方向軸線と直行する軸線と不整列状態にあり前記アクチュエータと係合する、
請求項4に記載の手術器具。
【請求項6】
前記エンドエフェクタは、組織を把持するように構成されたジョーアセンブリを備え、
前記ジョーアセンブリは、前記第1の構成に対応する開位置と、前記第2の構成に対応する閉位置とを有し、
前記ロッキング機構が、前記ジョーアセンブリが前記閉位置から開位置に戻る範囲を制限する前記ジョーアセンブリの逆行限界を規定するように構成されている、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項7】
前記ロッキング機構は、さらに、ピボットピンを備え、
前記可動ハンドルは、前記ピボットピンを中心に前記固定ハンドルに対してピボット回転する、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項8】
前記ピボットピンが前記可動ハンドルの第1の端と前記可動ハンドルの第2の端との間に配置され、
前記可動ハンドルの第2の端が前記アクチュエータの近位端に連結されている、
請求項7に記載の手術器具。
【請求項9】
前記アクチュエータの近位端が、前記アクチュエータを前記可動ハンドルの第2の端に連結するように構成された近位カプラを有している、
請求項8に記載の手術器具。
【請求項10】
前記近位カプラは、前記アクチュエータの凹部、孔部またはスロットの少なくとも1つを備えている、
請求項9に記載の手術器具。
【請求項11】
前記ロッキング機構が、前記ロック位置において、前記可動ハンドルを設定位置に維持するように構成されている、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項12】
前記ロック解除器が、ロック解除ピボット点において前記固定ハンドルにピボット回転可能に連結され、
前記ロック解除器との相互作用が、前記ロッキング部材が前記ロック位置から前記アンロック位置に並進できるようにしている、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項13】
前記ロック解除器が、ロック解除スプリングを使って付勢され、
前記相互作用が前記ロック解除器の付勢に打ち勝つような前記ロック解除器の押下げを含む、
請求項12に記載の手術器具。
【請求項14】
前記アクチュエータが前記細長いシャフトの長手方向中心軸線に沿った第1の長さを有し、前記アクチュエータが、前記可動ハンドルから前記アクチュエータに提供される所定の力に応答して前記アクチュエータを前記長手方向中心軸線に沿った第1の長さより長い第2の長さまで延ばす複数の平坦伸長要素を備え、 前記アクチュエータの伸長が、前記可動ハンドルから受けられる力の大きさを前記エンドエフェクタに提供される所定のしきい値より上に制限するように構成されている、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項15】
手術器具であって、
固定ハンドルと、可動ハンドルとを備え前記可動ハンドルが前記固定ハンドルにピボット可能に連結されたハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長シャフトと、を備え、
前記細長いシャフトは、前記ハンドルアセンブリに連結された近位端と、前記近位端と反対側にあり開および閉鎖構成を有するジョーアセンブリに連結された遠位端と、前記細長いシャフトの近位端と遠位端によって定められる長手方向中心軸線とを有し、前記細長いシャフトは、さらに、外側チューブと、前記外側チューブ内に長手方向に位置決めされ前記可動ハンドルのピボット運動に応答し前記可動ハンドルの運動に応答して前記ジョーアセンブリを開閉させるように構成されたアクチュエータとを有し、
前記手術器具はさらに、ロッキング機構を備え、
前記ロッキング機構は、
ロック位置とアンロック位置の間で移動可能であり前記アクチュエータに係合し前記細長いシャフト内での前記アクチュエータの動きを抑制し前記可動ハンドルの位置を維持するように構成されたロッキング部材と、
前記ロッキング部材を前記アンロック位置から前記ロック位置に移動できるように作動可能なロック解除器と、を有し、
前記ロック解除器は前記固定ハンドルに連結されている、
ことを特徴とする手術器具。
【請求項16】
前記ロッキング機構が、前記ハンドルアセンブリ内のロッキングバネを更に備え、
前記ロッキングバネが、前記ロッキング機構を付勢し、前記ロック位置において、前記アクチュエータとの係合を維持するするよう構成されている、
請求項15に記載の手術器具。
【請求項17】
前記アクチュエータが、前記ロッキング機構に選択的に係合し前記ロッキング機構がロック位置にあるとき前記アクチュエータの動きを制限するように構成されたロッキング面を備えている、
請求項15に記載の手術器具。
【請求項18】
前記ロッキング機構が内部に通路が形成されロック部分を有し、前記ロッキング機構がアンロック位置にあるとき前記アクチュエータが前記通路を通って自由に並進可能であり、
前記通路は、前記ロッキング機構がロック位置にあるとき前記アクチュエータと係合し前記アクチュエータの自由な並進移動を防止するように構成され、
前記通路は、前記通路が前記アクチュエータの長手方向軸線と直交する軸線と不整列となるように配置されている、
請求項14に記載の手術器具。
【請求項19】
前記ロッキング機構が、前記ジョーアセンブリが前記閉位置から開位置に戻ることができる範囲を制限する前記ジョーアセンブリの逆行限界を規定するように構成されている、
請求項15に記載の手術器具。
【請求項20】
前記アクチュエータは前記細長いシャフトの長手方向中心軸線に沿った第1の長さを有し、前記アクチュエータが前記可動ハンドルを介して前記アクチュエータに加えられる所定の力に応答して前記アクチュエータを前記長手方向中心軸線に沿った第1の長さより長い第2の長さまで延ばす複数の平坦伸長要素を備え、 前記アクチュエータの伸長が、前記可動ハンドルから受けられる力の大きさを前記ジョーアセンブリに提供される所定のしきい値より上に制限するように構成されている、
請求項15に記載の手術器具。
【外国語明細書】