(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013310
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】文書設定システム、文書設定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/151 20200101AFI20240125BHJP
G06F 40/103 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
G06F40/151
G06F40/103
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115299
(22)【出願日】2022-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】397038266
【氏名又は名称】株式会社スカイコム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼崎 圭得
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 功
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109RB01
5B109SA14
(57)【要約】
【課題】PDFファイルに拡張した情報を設定する文書設定システムを提供する。
【解決手段】文書設定システム1は、PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるためのレイアウト設定モジュール21と、拡張属性情報内の各入力フォームを設定する入力フォーム設定モジュール22と、設定したレイアウト及び入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する拡張属性保存モジュール23と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PDFファイルに拡張した情報を設定する文書設定システムであって、
前記PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定するレイアウト設定部と、
前記拡張属性情報内の各入力フォームを設定する入力フォーム設定部と、
設定した前記レイアウト及び前記入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する拡張属性保存部と、
を備えることを特徴とする文書設定システム。
【請求項2】
前記拡張属性情報を保存した前記一のPDFファイルを表示する際に、強調された入力フォームのレイアウトで表示するPDFファイル表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の文書設定システム。
【請求項3】
前記入力フォーム設定部は、予め設定された入力フォームの拡張属性情報に応じて、ユーザの入力の補助及びチェックを行うように設定することを請求項1に記載の文書設定システム。
【請求項4】
PDFファイルに拡張した情報を設定する文書設定システムが実行する文書設定方法でであって、
前記PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定するステップと、
前記拡張属性情報内の各入力フォームを設定するステップと、
設定した前記レイアウト及び前記入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存するステップと、
を備えることを特徴とする文書設定方法。
【請求項5】
PDFファイルに拡張した情報を設定するコンピュータに、
前記PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定するステップ、
前記拡張属性情報内の各入力フォームを設定するステップ、
設定した前記レイアウト及び前記入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書設定システム、文書設定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PDFファイルは、様々な大きさの表示画面で表示する上で、フォントが置き換わったり、レイアウトが崩れたりといったことがなく、データを実際に紙に印刷したときの状態で出力することができる。そして、この状態でデータを共有することができることから、電子ドキュメントとして広く利用されており、例えば、アンケート用紙や申請用紙などの各種記入欄を含むドキュメントにもPDFファイルが利用されている。ここで、例えば、PDFファイル内の各種記入欄は、PDFフォーム機能を使用することによって、ユーザが情報端末を操作して入力可能な入力フォームが設けられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】・“PDFフォームの基本”,[online],2022年2月18日,アドビ株式会社,[2022年7月4日検索],インターネット<URL:https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/pdf-forms-basics.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されたような方法では、一のPDFファイルに対して、一のレイアウトでのみしか各種入力フォームを設定することができないため、このようなPDFを様々な大きさの表示画面で表示した場合、例えば、スマーフォンなどの画面の小さいデバイスで表示した場合、各種入力フォームが小さく表示されてしまうことから、ユーザにとっては、各種入力フォームへの入力がしづらくなり、入力がしやすい入力フォームを含むレイアウトで表示するためには、別途PDFファイルを作成しなくてはならない。
【0005】
そこで、本発明者らは、スマートフォンなどの画面の小さいデバイスには、PDFファイルの文書に含まれる各種入力フォームのみを表示させた画面、つまりは、入力に特化した画面を提供することによって、ユーザの各種入力フォームへの入力操作性を高めることができることに着目した。
【0006】
本発明は、これらの課題に鑑み、情報端末装置に表示する文書に含まれる各種入力フォームのみを表示させて入力に特化した画面を提供することにより、ユーザが入力フォームに容易に入力することが可能な文書設定システム、文書設定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
本発明は、PDFファイルに拡張した情報を設定する文書設定システムであって、
前記PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定するレイアウト設定部と、
前記拡張属性情報内の各入力フォームを設定する入力フォーム設定部と、
設定した前記レイアウト及び前記入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する拡張属性保存部と、
を備える文書設定システムを提供する。
【0009】
本発明によれば、PDFファイルに拡張した情報を設定する文書設定システムは、前記PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定し、前記拡張属性情報内の各入力フォームを設定し、設定した前記レイアウト及び前記入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する。
【0010】
本発明は、コンピュータシステムのカテゴリであるが、文書設定方法及びプログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報端末装置に表示する文書に含まれる各種入力フォームに特化した画面を提供することにより、ユーザが入力フォームに容易に入力することが可能な文書設定システム、文書設定方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態である文書設定システム1の概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態である文書設定システム1の構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態におけるコンピュータ10が実行する拡張情報設定処理のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態において、情報端末装置の画面にPDFファイルを表示するレイアウトの例である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態において、情報端末装置の画面にPDFファイルの入力フォームを強調して表示するレイアウトの例である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態において、コンピュータ10が表示する入力フォーム設定画面の例である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態である文書設定システム1の概要を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態である文書設定システム1の構成図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態におけるコンピュータ10が実行するレイアウト表示処理を含むフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施形態において、PDFファイルの表示例と入力フォームを強調して表示するレイアウトの表示が切り替わることを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0014】
[実施形態の概要]
本発明の第1実施形態について、
図1に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態の文書設定システム1の概要を説明するための図である。文書設定システム1は、コンピュータ10から構成され、文書データの分類に利用するためコンピュータシステムである。
【0015】
文書設定システム1のコンピュータ10は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等である。
【0016】
また、文書設定システム1のコンピュータ10は、例えば、1台の端末装置で実現されてもよいし、複数の端末装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように仮想的な装置で実現されてもよい。
【0017】
また、文書設定システム1は、コンピュータ10の代わりに、上述した端末装置から構成されてもよい。
【0018】
コンピュータ10は、上述した端末装置、その他の端末や装置類等と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続し、必要なデータや情報の送受信を実行してもよい。
【0019】
コンピュータ10は、PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定する(ステップS01)。具体的には、情報端末装置に表示するPDFファイルに含まれる入力フォームを強調して表示するレイアウトの属性情報を、レイアウト拡張属性情報として設定する。尚、本願明細書では、以降「入力フォームを強調して表示するレイアウト」のことを、単に「モバイルレイアウト」と言う。
【0020】
コンピュータ10は、拡張属性情報内の各入力フォームを設定する(S02)。具体的には、PDFファイルの入力フォームの既存の属性情報を基づいて、レイアウト拡張属性情報内の入力フォームを構成するグループやサブグループ、入力フィールドの属性、これらに関連するテキストを、入力フォーム拡張属性情報として設定する。
【0021】
入力フォーム拡張属性情報は、文書設定システム1のユーザにより適宜追加、変更、削除してもよい。その際、コンピュータ10は、ユーザからの入力を受け付けることによって、グループやサブグループ、ラベル、表示順など入力フォームの属性を追加、変更、削除してもよい。
【0022】
また、入力フォーム拡張属性情報には、予め設定されている入力フォーム拡張属性情報に応じて、情報端末装置を操作するユーザの入力の補助やチェックを行うための情報を含めてもよい。例えば、入力フォーム拡張属性情報が日付の入力フォームを示す場合は、ユーザの日付入力の補助を行なうために、ダイアログを表示する設定を入力フォーム拡張属性情報に追加してもよい。また、拡張属性情報に設定される入力フォームに対して、入力値と設定されている属性が一致しない旨の警告を表示してもよい。
【0023】
コンピュータ10は、設定したレイアウト及び入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する(ステップS03)。具体的には、ステップS01で設定したレイアウト拡張属性情報と、S02で設定した入力フォーム拡張属性情報とを、PDFファイルに追加してコンピュータ10に保存する。
【0024】
以上が、文書設定システム1が実行する処理の概要である。
【0025】
[文書設定システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の第1実施形態である文書設定システム1のシステム構成について説明する。
図2は、第1実施形態の実施形態である文書設定システム1のシステム構成を示す図である。
図2において、文書設定システム1は、コンピュータ10から構成され、入力フォームを強調したモバイルレイアウトを表示するためのコンピュータシステムである。
【0026】
なお、文書設定システム1は、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。例えば、ユーザ毎に別のコンピュータ10を利用してもよく、この場合、文書設定システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10と、その他の含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組合せにより実行することになる。
【0027】
また、文書設定システム1のコンピュータ10は、例えば、1台の端末装置で実現されてもよいし、複数の端末装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように仮想的な装置で実現されてもよい。
【0028】
コンピュータ10は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等である。
【0029】
コンピュータ10は、制御部110として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0030】
コンピュータ10は、入力部120として、コンピュータ10を操作するために必要な機能を備えるものとする。入力を実現するための例として、タッチパネル機能を実現する液晶ディスプレイ、キーボード、マウス、ペンタブレット、装置上のハードウェアボタン、音声認識を行うためのマイク等を備えることが可能である。入力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0031】
コンピュータ10は、記憶部130として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージを備える。データの保存先は、クラウドサービスやデータベース等であってもよい。
【0032】
コンピュータ10は、出力部140として、コンピュータ10からデータを出力するために必要な機能を備えるものとする。出力部140で出力を実現するための例として、液晶ディスプレイ、PCのディスプレイ、プロジェクターへの投影等の表示の形態が考えられる。出力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0033】
制御部110は、記憶部130と協働してレイアウト設定モジュール21、拡張属性情報保存モジュール23を実現する。また、制御部110は、入力部120および出力部140と協働して入力フォーム設定モジュール22を実現する。
【0034】
[拡張情報設定処理]
図3に基づいて、文書設定システム1が実行する拡張情報設定処理について説明する。
図3は、文書設定システム1が実行する拡張情報設定処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0035】
拡張属性設定モジュール21は、PDFファイルの入力を受付けるモバイルレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定する(ステップS101)。具体的には、情報端末装置に表示するPDFファイルに含まれる入力フォームを強調して表示するモバイルレイアウトの属性情報を、レイアウト拡張属性情報として設定する。PDFファイルは、記憶部130に予め取得されているものとし、取得方法については特に限定することなく、他の端末装置から公衆回線等を介して取得してもよい。また、PDFファイルの取得は本ステップを実施する前であれば、タイミングについては限定されない。
【0036】
PDFファイルとは、電子文書ファイルのことであり、例えば、PDF、Word、PEG、PNG、GIFなどのデータから構成されるあらゆる画像などのファイル形式のものを含むが、これに限定されない。
【0037】
PDFファイルには、入力フォームが含まれる。入力フォームとは、ラジオボタンやチェックボックス、プルダウンメニュー、テキストボックス、手書き入力領域等のPDFファイルに対しユーザの操作によるデータの入力を受付ける入力領域をいう。
【0038】
PDFファイルを表示するレイアウトには、入力フォームを含むPDFファイルのデータを表示するために配置や配列などの属性情報が設定され、この設定に従って、PDFファイルは情報端末装置の画面に表示される。さらに、入力フォームには、グループ、ラベル、表示順などの属性情報が含まれている。
【0039】
図4には、情報端末装置の画面にPDFファイルを表示するレイアウトの例を示している。このレイアウトは、情報端末装置の画面の大きさにはよらないものであり、言い換えると、どの情報端末装置の画面にPDFファイルを表示しても、同じレイアウトで表示される。
【0040】
図4においては、テキスト「認知媒体」が示すグループには、6つのチェックボタンが含まれ、これらのチェックボタンに関連するテキスト「新聞」、「テレビ」、「ラジオ」、「ネット」、「友人知人」、「その他」が表示されている。また、テキスト「点検項目」を示すグループには、2つのサブグループが含まれ、これらのサブグループに関連するテキスト「点検結果1」、「点検結果2」が表示され、各サブグループには、5つのチェックボタンが含まれ、これらチェックボタンに関連するテキスト「O.K.」、「N.G.」、「摩耗」、「漏電」、「その他」が表示されている。また、テキスト「点検入力例」が示すグループには、1つの入力フィールドが含まれている。
【0041】
図5には、PDFファイルの入力フォームを強調して表示するレイアウトの例を示している。このレイアウトには、PDFファイルの入力フォームのグループ名が示すテキストと、各グループを構成する入力フィールドと、入力フィールドに関連するテキストが、配置や配列などの属性情報に従って表示され、これらの属性情報は、レイアウト拡張属性情報として設定される。
【0042】
図1に戻り、入力フォーム設定モジュール22は、拡張属性情報内の各入力フォームを設定する(S102)。具体的には、PDFファイルの入力フォームの既存の属性情報に基づいて、レイアウト拡張属性情報内の入力フォームを構成するグループやサブグループ、入力フィールドの属性、これらに関連するテキストを、フォーム拡張属性情報として設定する。
【0043】
入力フォーム拡張属性情報は、文書設定システム1のユーザにより適宜追加、変更、削除してもよい。その際、入力フォーム設定モジュール22は、ユーザからの入力を受け付けることによって、グループやサブグループ、ラベル、表示順など入力フォームの属性を追加、変更、削除してもよい。
【0044】
また、入力フォーム拡張属性情報には、設定されている入力フォーム拡張属性情報に応じて、情報端末装置を操作するユーザの入力の補助やチェックを行うための情報を含めてもよい。例えば、入力フォーム拡張属性情報が日付の入力フォームを示す場合は、ユーザの日付入力の補助を行なうために、カレンダーダイアログを表示する設定を入力フォーム拡張属性情報に追加してもよい。また、入力フォーム拡張属性情報が数字の入力フォームを示す場合は、ユーザが英字を入力した際に、入力値と設定されている属性が一致しない旨の警告を表示してもよい。また、入力フォーム拡張属性情報が英字の入力フォームを示す場合は、ユーザが数字を入力した際に、入力値と設定されている属性が一致しない旨の警告を表示してもよい。
【0045】
図5においては、テキスト「認知媒体」が示すグループには、
図4と同様、6つのチェックボタンが含まれ、これらのチェックボタンに関連するテキスト「新聞」、「テレビ」、「ラジオ」、「ネット」、「友人知人」、「その他」が表示され、入力フォームは既存の属性情報に基づいている。しかし、テキスト「点検項目」を示すグループには、
図4とは異なり、4つのサブグループが含まれ、これらのサブグループに関連するテキスト「点検結果1」、「詳細」、「点検結果2」、「詳細」が表示され、サブグループ「点検結果1」と「点検結果2」にはそれぞれ、2つのラジオボタンが含まれ、これらのラジオボタンに関連するテキスト「OK」、「NG」が表示されている。また、2つのサブグループ「詳細」には、3つのチェックボタンが含まれ、これらチェックボタンに関連する、「摩耗」、「漏電」、「その他」が表示されている。つまり、モバイルレイアウトにおいては、入力フォーム拡張属性情報が追加および変更されている。また、テキスト「サイン入力」を示すグループには、
図4と同様、1つの入力フィールドが含まれるが、この入力フィールドは図示していない。
【0046】
図6に示すような入力フォーム設定画面を、入力フォーム設定モジュール22が出力部400に表示することによって、グループやサブグループ、ラベル、表示順など入力フォームの属性を追加、変更、削除などの入力を、ユーザから受け付けてもよい。
【0047】
図3に戻り、拡張属性情報保存モジュール23は、設定したレイアウト及び入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する(ステップS103)。具体的には、ステップS101で設定したレイアウト拡張属性情報と、S102で設定した入力フォーム拡張属性情報とを、PDFファイルに追加してコンピュータ10に保存する。これにより、PDFファイルは、レイアウト拡張属性情報と、入力フォーム情報として入力フォームの既存情報および拡張属性情報と、を含むことになる。
【0048】
このように、レイアウト拡張属性情報と入力フォーム拡張属性情報を含むPDFファイルであれば、一のPDFファイルで情報端末装置にレイアウトが整ったビジネス文書を表示する一方、入力フォームが強調されたレイアウトを表示することも可能となることから、特に、スマーフォンなどの画面の小さいデバイスでも、入力がしやすい入力フォームを含むレイアウトで表示するために、別途PDFファイルを作成することなく、ユーザにとって文書中の各種入力フォームへの入力操作が容易となる。
【0049】
また、入力フォーム拡張属性情報は、文書設定システム1のユーザにより適宜追加、変更、削除してもよいことから、文書設定システム1のユーザは、入力フォーム拡張属性情報をカスタマイズすることが可能となり、各種入力フォームの配置や配列、見た目などがさらに適したモバイルレイアウトを得ることができる。
【0050】
また、入力フォーム拡張属性情報には、設定されている入力フォーム拡張属性情報に応じて、情報端末装置を操作するユーザの入力の補助やチェックを行うための情報を含めてもよいことから、キーボードからの入力が難しいデバイスや、画面の小さいデバイスからのタッチ操作による文字入力が困難な画面の小さいデバイスに対しても、情報端末装置からの入力操作が容易となり、ユーザ操作性を高めることができる。
【0051】
以上が、拡張情報設定処理である。
【0052】
[第2実施形態の概要]
本発明の第2実施形態について、
図7に基づいて説明する。
図7は、本発明の第2実施形態の文書設定システム1の概要を説明するための図である。なお、第1実施形態と同一の機能および構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、さらに拡張属性情報保存した一のPDFファイルを表示する際に、強調された入力フォームのレイアウトで表示する点である。
【0053】
文書設定システム1のコンピュータ10は、第1実施形態同様、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等である。
【0054】
また、文書設定システム1のコンピュータ10は、第1実施形態同様、例えば、1台の端末装置で実現されてもよいし、複数の端末装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように仮想的な装置で実現されてもよい。
【0055】
また、文書設定システム1は、第1実施形態同様、コンピュータ10の代わりに、上述した端末装置から構成されてもよい。
【0056】
コンピュータ10は、第1実施形態同様、上述した端末装置、その他の端末や装置類等と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0057】
コンピュータ10は、PDFファイルの入力を受付ける入力フォームを強調して表示するレイアウトを表示させるための拡張属性情報を設定する(ステップS11)。ステップS11は実施形態1のステップS01と同様の処理である。
【0058】
コンピュータ10は、拡張属性情報内の各入力フォームを設定する(S12)。ステップS22は実施形態1のステップS02と同様の処理である。
【0059】
コンピュータ10は、設定したレイアウト及び入力フォームの拡張属性情報を、一のPDFファイルとして保存する(ステップS13)。ステップS13は実施形態1のステップS03と同様の処理である。
【0060】
コンピュータ10は、拡張属性情報を保存した一のPDFファイルを表示する際に、強調された入力フォームのレイアウトで表示する(ステップS14)。具体的には、コンピュータ10は、情報端末装置に表示するPDFファイルのレイアウトを表示する際に、PDFファイルの入力フォームを情報端末に強調して表示するレイアウトを表示する。
【0061】
以上が、文書設定システム1が実行する処理の概要である。
【0062】
図8に基づいて、本発明の第2実施形態である文書設定システム1のシステム構成について説明する。
図8は、第2実施形態の実施形態である文書設定システム1のシステム構成を示す図である。
図8において、文書設定システム1は、コンピュータ10から構成され、文書データの分類に利用するためのコンピュータシステムである。
【0063】
なお、文書設定システム1は、第1実施形態同様に、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。例えば、ユーザ毎に別のコンピュータ10を利用してもよく、この場合、文書設定システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10と、その他の含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組合せにより実行することになる。
【0064】
また、文書設定システム1のコンピュータ10は、第1実施形態同様に、例えば、1台の端末装置で実現されてもよいし、複数の端末装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように仮想的な装置で実現されてもよい。
【0065】
コンピュータ10は、第1実施形態同様に、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等である。
【0066】
コンピュータ10は、第1実施形態同様に、制御部110と、入力部120と、記憶部130と、出力部140とを備えるものとする。
【0067】
制御部110は、記憶部130と協働してレイアウト設定モジュール21、拡張属性情報保存モジュール23を実現する。また、制御部110は、入力部120および出力部140、記憶部130と協働して入力フォーム設定モジュール22、レイアウト表示モジュール24を実現する。
【0068】
[拡張情報設定処理]
拡張情報設定処理(ステップS111-S113)は、第1実施形態と同様の処理であるため、その説明を省略する。
【0069】
[レイアウト表示処理]
図9に基づいて、文書設定システム1が実行するレイアウト表示処理(ステップS114)について説明する。上述したレイアウト表示モジュール24が実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0070】
レイアウト表示モジュール24は、拡張属性情報を保存した一のPDFファイルを表示する際に、強調された入力フォームのレイアウトで表示する(ステップS114)。具体的には、コンピュータ10は、PDFを表示する際にモバイルレイアウトを表示する。
【0071】
PDFファイルは、PDFファイルに保存されている既存のレイアウトと入力フォームの属性情報に基づいて表示される。一方、モバイルレイアウトは、PDFファイルに保存されているレイアウトと入力フォームの拡張属性情報に基づいて表示される。
【0072】
図10には、PDFファイルの表示例と入力フォームを強調して表示するモバイルレイアウトの表示例を示している。PDFファイルが出力部140に表示された際、画面内に表示切替部200が表示される。表示切替部200に対して、ユーザからクリック、ダブルクリック等の入力を行われると、レイアウト表示モジュール24は、その入力を受け付け、モバイルレイアウトの表示に切り替える。この際、画面内に表示切替部300が表示される。表示切替部300に対して、ユーザからクリック、ダブルクリック等の入力を行われると、レイアウト表示モジュール24は、その入力を受け付け、PDFファイルの表示に切り替える。
【0073】
このように、PDFファイルを表示する際に、モバイルレイアウトの表示に切り替えることができるため、ユーザは、モバイルレイアウトにおける各種入力フォームの配置や配列などについて確認することが可能となり、さらにユーザが入力フォーム拡張属性を追加、変更、削除した場合には、PDFファイルとモバイルレイアウトとの入力フォームの整合性について確認することが可能となる。
【0074】
以上が、レイアウト表示処理である。
【0075】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0077】
1 文書設定システム、10 コンピュータ