(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133118
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】処理インジケータ、その製造方法、およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/28 20060101AFI20240920BHJP
A61L 2/04 20060101ALN20240920BHJP
A61L 2/16 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
A61L2/28
A61L2/04
A61L2/16
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024110157
(22)【出願日】2024-07-09
(62)【分割の表示】P 2021537839の分割
【原出願日】2019-11-04
(31)【優先権主張番号】62/785,971
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/786,075
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520395938
【氏名又は名称】エイエスピー・グローバル・マニュファクチャリング・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】フォックス・モリス
(72)【発明者】
【氏名】オミドバフシュ・ナビド
(57)【要約】
【課題】処理インジケータ、処理器具における処理のレベルを示す方法、および処理インジケータを準備する方法を提供する。
【解決手段】処理インジケータは、生体物質を有する第1の本体と、第1の本体の上流に流体接続される流体多孔質体であって、(i)複数の間隙空間と、(ii)流体が流体多孔質体を通って第1の本体に流動するのを阻止するために複数の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、を有する、流体多孔質体と、を含む、
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理インジケータであって、
生体物質を有する第1の本体と、
前記第1の本体の上流に流体接続される流体多孔質体であって、
(i)複数の間隙空間と、
(ii)流体が前記流体多孔質体を通って前記第1の本体に流動するのを阻止するために前記複数の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、を有する、流体多孔質体と、を含む、処理インジケータ。
【請求項2】
前記洗浄試験土は、前記複数の間隙空間から除去されるように構成されている、請求項1に記載の処理インジケータ。
【請求項3】
前記洗浄試験土は、タンパク質、タンパク質の誘導体、炭水化物、核酸、脂質、塩、および酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の処理インジケータ。
【請求項4】
前記洗浄試験土は、血液タンパク質、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンからなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質を含む、請求項1に記載の処理インジケータ。
【請求項5】
前記第1の本体、前記複数の間隙空間、および前記流体多孔質体のうちの少なくとも1つに接触する滅菌剤中和剤をさらに含む、請求項1に記載の処理インジケータ。
【請求項6】
前記生体物質は細菌胞子を含む、請求項1に記載の処理インジケータ。
【請求項7】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、
キャビティであって、前記第1の本体、前記流体多孔質体、および前記洗浄試験土が前記キャビティ内に配置されている、キャビティと、
第1のポートと、
第2のポートであって、前記第1のポートおよび前記第2のポートは、前記キャビティと流体係合している、第2のポートと、を含む、請求項1に記載の処理インジケータ。
【請求項8】
前記キャビティ内に位置付けられたリザーバをさらに含み、前記リザーバは、前記生体物質から離れて増殖培地を保持するように構成されたシールを含む、請求項7に記載の処理インジケータ。
【請求項9】
処理器具における処理のレベルを示す方法であって、
前記処理器具に処理インジケータを導入することと、
前記処理器具を作動させることであって、
前記処理インジケータ―の流体多孔質体を前記処理器具からの流体にさらすことであって、前記流体は前記流体多孔質体内の間隙空間を通過し、前記間隙空間のうちの少なくとも一部は、前記流体多孔質体を通る前記流体の流れを阻止するために、内部に配置された洗浄試験土を有する、さらすことと、
生体物質を有する第1の本体を、前記流体多孔質体を通過した前記流体にさらすことと、を含む、作動させることと、
前記作動させることの後に、前記第1の本体における活性生体物質の量を測定することと、
を含む、方法。
【請求項10】
増殖培地と共に前記処理インジケータをインキュベートすることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の本体における前記活性生体物質の量を測定することは、前記増殖培地および前記活性生体物質のうちの少なくとも1つの電磁特性を測定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電磁特性は、吸収、透過率、散乱、反射率、および光ルミネセンスのうちの少なくとも1つである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電磁特性は、100nm~1000nmの範囲の波長で測定される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記導入することは、第1の処理インジケータを前記処理器具の容器に配置することと、第2の処理インジケータを前記処理器具の処理槽に導入することと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
処理インジケータを準備する方法であって、
生体物質を第1の本体に連結することと、
洗浄試験土を流体多孔質体の少なくとも一部の間隙空間に位置付けることと、
前記流体多孔質体を、流路を介して前記第1の本体に接続することであって、前記洗浄試験土は前記流体多孔質体を通る流体の前記第1の本体への流動を阻止する、接続することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記洗浄試験土は、前記複数の間隙空間から除去されるように構成されている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記洗浄試験土は、タンパク質、タンパク質の誘導体、炭水化物、核酸、脂質、塩、および酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記洗浄試験土は、血液タンパク質、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
滅菌剤中和剤を、前記第1の本体および前記流体多孔質体のうちの少なくとも1つと協働した配置で位置付けることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記生体物質は細菌胞子を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、米国特許法第120条に基づいて、2018年12月28日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/785,971号および2018年12月28日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/786,075号に対する優先権を主張するものであり、これらはそれぞれ、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、本開示と同日出願の「ARTICLE, SYSTEM, AND METHOD FOR INDICATION OF TREATMENT」と題された、代理人案件番号180474/ASP6002USNP1の、同時係属出願に関連する。
【0003】
〔分野〕
本開示は、処理インジケータ、処理インジケータの製造方法、およびその使用方法に関する。
【0004】
〔背景〕
医療分野では様々な医療装置が多くの処置に用いられている。これらの装置は、処置自体と同様にさまざまである。内視鏡などの医療装置を使用した後、医療装置を次の使用のために準備するため、医療装置を処理(例えば洗浄、消毒および/または滅菌)することができる。医療装置が患者に対する次の使用の前に適切に処理されることを保証することで、交差汚染および疾患の拡大のリスクを防ぐことができる。
【0005】
〔概要〕
本開示は、処理インジケータを提供する。処理インジケータは、生体物質を含む第1の本体と、流体経路において第1の本体と流体連通する流体多孔質体と、流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを阻止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土(cleaning test soil)と、を含む。
【0006】
本開示は、処理器具における処理のレベルを示す方法を提供する。この方法は、処理器具に処理インジケータを導入することを含む。処理インジケータは、生体物質を含む第1の本体と、流体経路において第1の本体と流体連通する流体多孔質体と、流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを阻止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、を含む。処理インジケータは、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、を受ける。洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、に続いて、第1の本体中の活性生体物質の量を測定する。
【0007】
本開示は、処理インジケータを準備する方法を提供する。この方法は、生体物質を含む第1の本体を形成することと、洗浄試験土を含む流体多孔質体を形成することと、を含む。流体多孔質体は、流体経路において第1の本体と流体連通しており、洗浄試験土は、流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを阻止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置される。
【0008】
本明細書に記載される発明は、本概要で手短に述べた実施例に限定されないことが理解される。種々の他の実施例が本明細書に記載され、例示される。
【0009】
添付図面と共に理解される実施例の以下の説明を参照することによって、実施例の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法が、より明らかになり、実施例が、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示による処理インジケータの概略図である。
【
図2A】第1の構成における
図1の処理インジケータの概略図である。
【
図2B】第2の構成における
図1の処理インジケータの概略図である。
【
図2C】第3の構成における
図1の処理インジケータの概略図である。
【
図3】本開示による処理器具および処理インジケータを含むシステムの斜視図である。
【0011】
対応する参照符号は、いくつかの図面全体にわたって対応する部分を示す。本明細書に記載されている例示は、ある形態で特定の実施例を例示しており、そのような例示は、いかなる方法でも実施例の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
〔詳細な説明〕
ここで、本明細書に開示される装置および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、本開示の特定の実施例を説明する。種々の実施例が添付図面に示されている。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付図面に例示された装置および方法が非限定的な実施例であり、本開示の様々な実施例の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。
【0013】
参照により本明細書に組み込まれると言われるあらゆる特許、刊行物、または他の開示資料の全部または一部は、組み込まれる資料が、本開示に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲においてのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載された開示は、参照により本明細書に組み込まれる、いかなる矛盾する資料にも取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれる。
【0014】
本明細書全体にわたる「様々な実施例」、「いくつかの実施例」、「1つの実施例」、「ある実施例」などへの言及は、実施例に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体のところどころにおける語句「様々な実施例において」、「いくつかの実施例において」、「1つの実施例において」、「ある実施例において」などの出現は、必ずしも全てが同じ実施例に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つの実施例または2つ以上の実施例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。したがって、1つの実施例に関連して例示または説明される特定の特徴、構造、または特性は、全体として、または一部が、1つの他の実施例または2つ以上の実施例の特徴、構造、または特性と無制限に組み合わせることができる。このような変更および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0015】
本開示では、別段の指示がない限り、すべての数値パラメータは、全ての場合において、用語「約」が前置され、これにより修飾されるものとして理解されるべきであり、数値パラメータは、パラメータの数値を決定するために使用される基礎となる測定技術に特徴的である固有の可変性を有する。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてではなく、本明細書に記載される各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、また、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0016】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、列挙される範囲内に包含される全ての部分範囲を含む。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1と列挙された最大値10との間の(かつこれらを含む)、すなわち最小値が1以上で最大値が10以下である、全ての部分範囲を含む。本明細書に列挙されるいかなる最大数値限定も、その中に包含される全てのより低い数値限定を含むことが意図され、本明細書に列挙されるいかなる最小数値限定も、その中に包含される全てのより高い数値限定を含むことが意図されている。したがって、出願人は、明示的に列挙された範囲内に包含される任意の部分範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む本明細書を補正する権利を留保する。
【0017】
本明細書で使用される文法上の冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」が特定の例で明示的に使用されていても、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を含むことが意図される。したがって、本明細書では、冠詞は、冠詞の文法上の目的語のうちの1つ、または1つ超(すなわち、「少なくとも1つ」)を指すのに使用される。さらに、使用の文脈上別段の定めがある場合を除き、単数名詞の使用は複数を含み、複数名詞の使用は単数を含む。
【0018】
医療装置(例えば、内視鏡)などの装置は、交差汚染および疾患の拡大を防ぐために、処理プロセスを受けることができる。本明細書で使用されるように、「処理プロセス」は、洗浄プロセス、消毒プロセス、滅菌プロセスなど、およびそれらの組み合わせであってよい。処理プロセスは、手動、自動、またはそれらの何らかの組み合わせのいずれかとすることができ、処理剤を利用することができる。本明細書で使用される場合、「処理剤」は、洗浄剤、消毒剤、および滅菌剤の少なくとも1つを含むことができる。本明細書で使用される場合、「洗浄プロセス」とは、例えば、汚れ、ゴミ、粒子、油、タンパク質、炭水化物などの残渣を除去および/または排除する洗浄剤を使用する処理プロセスを意味する。本明細書で使用される場合、「洗浄剤」とは、例えば界面活性剤および/または洗剤など、洗浄プロセス中に残渣を除去および/または排除する一種の処理剤を意味する。
【0019】
消毒プロセスおよび滅菌プロセスは、装置からバイオバーデンを除去および/または排除することができる。バイオバーデンは、例えば、細菌(例えば、マイコバクテリウム、細菌胞子)、古細菌、真核生物、ウイルス、真菌、および/または他の形態の生物学的物質であり得る。細菌胞子(例えば、内生胞子)は、休眠状態で、物理的および化学的分解に対して高度に抵抗性である、一種の細菌である。本明細書で使用される場合、「消毒プロセス」は、細菌胞子を除くバイオバーデンを実質的に除去する処理プロセスを意味する。本明細書で使用される場合、「実質的に除去する」とは、バイオバーデンの少なくとも99%が装置から除去されている、例えば、バイオバーデンの少なくとも99.9%、バイオバーデンの少なくとも99.99%、バイオバーデンの少なくとも99.999%、またはバイオバーデンの少なくとも99.9999%が、装置から除去されていることを意味する。本明細書で使用される場合、「滅菌プロセス」とは、細菌胞子を含むバイオバーデンを実質的に除去する処理プロセスを意味する。滅菌プロセスは、例えば、熱、凍結、滅菌剤、照射、圧力、およびそれらの組み合わせの付加を含むことができる。滅菌剤は、滅菌が可能な化学物質を含むことができる。消毒プロセスは、例えば、熱、消毒剤、照射、圧力、およびそれらの組み合わせの付加を含み得る。消毒剤は、消毒が可能な化学物質を含むことができる。
【0020】
処理プロセスは、装置からの残渣の大量除去および/または排除(例えば、洗浄)と、洗浄後の装置からのバイオバーデンの除去および/または排除(例えば、消毒、滅菌)の二次ステップと、を含むことができる。患者への最終的な使用の前に、装置の効果的な洗浄、消毒、および/または滅菌を確実にすると、交差汚染および疾患の拡大のリスクを予防することができる。バイオバーデンの相当な除去が所望される場合、消毒および/または滅菌が、処理プロセスにおいて使用され得る。したがって、単一のインジケータを利用して装置が効果的に消毒および/または滅菌されたかどうかを判定することができる処理インジケータが本明細書において提供される。処理インジケータは、消毒プロセスおよび/または滅菌プロセスの有効性について単一の結果を提供することができる。処理インジケータは、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、の有効性について単一の結果を提供することができ、複数のソースからの結果を解釈する際に遭遇する困難を回避することができる。さらに、本開示は、処理器具における処理のレベルを示す方法、および処理インジケータを準備する方法を提供する。
【0021】
図1は、本開示の処理インジケータ100を示し、これは、第1の本体102と、流体多孔質体106と、を含むことができる。第1の本体102は、生体物質104を含むことができる。生体物質104は、第1の本体102の表面上、表面内に配置され、かつ/または表面に付着され得る。生体物質104は、少なくとも部分的に第1の本体102内部に配置され(例えば、第1の本体102の間隙空間(不図示)の上、その中、またはそれを覆って埋め込まれ)得る。生体物質104は、第1の本体102上/内の単一の場所または複数の場所、例えば1つの層または2つ以上の層内などに配置することができる。したがって、第1の本体102に対する生体物質104の位置決めは、種々の適切な場所、配向、および構成とすることができると考えられる。生体物質104は、第1の本体102の表面の少なくとも一部の上に、本明細書でより詳細に説明されるような任意の適切な方法で堆積され得る。
【0022】
生体物質104は、例えば、細菌胞子を含むことができる。細菌胞子は、バチルス細菌(例えば、バチルス・ズブチリス)およびゲオバチルス細菌(例えば、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス)の少なくとも1つを含むことができる。生体物質は、消毒剤および滅菌剤の少なくとも1つに応答して除去および/または排除(例えば、分解)され得る。生体物質の除去および/または排除のレベルは、使用される消毒剤および/または滅菌剤の種類、消毒剤および/または滅菌剤と生体物質との接触時間、消毒剤および/または滅菌剤の温度、ならびに消毒剤および/または滅菌剤の活性に左右され得る。
【0023】
生体物質は、増殖培地との接触に応答して増殖(例えば、繁殖)することができる。生体物質が処理プロセスによって除去および/または排除されたかどうかは、処理プロセスの有効性の指標を提供することができる。例えば、滅菌剤は、生体物質が処理インジケータ100から実質的に除去されるように、第1の本体102上の生体物質を分解することができる。したがって、生体物質が実質的に除去および/または排除されていない(例えば、生き残った)場合に、第1の本体102を増殖培地と接触させると、生体物質は増殖することができ、したがって、処理プロセスが効果的でなかったことを示すことができる。生体物質が処理によって実質的に除去および/または排除された(例えば、生き残っていない)場合、生体物質は増殖することができず、したがって、処理プロセスが有効であったことを示すことができる。
【0024】
第1の本体102は、生体物質104を支持するのに適した任意の形態をとることができる。例えば、第1の本体102は、固体シート、有孔シート、非晶質支持体(例えば、綿球)、膜、およびフィルタのうちの少なくとも1つであり得る。第1の本体102は、流体多孔質材料および/または流体非多孔質材料を含むことができ、例えば、紙、繊維、厚紙、織物、金属または金属合金、ポリマー(例えば、プラスチック)、セラミック、およびガラスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
流体多孔質体106は、間隙空間110を含むことができ、流体経路108を介して第1の本体102と流体連通することができる。流体経路108は、流体多孔質体106の全体または一部を通って直進するかまたはまっすぐでない(direct or indirect)かのいずれかである1つ以上の経路を指す。間隙空間110は、流体多孔質体106内のキャビティ(例えば、細孔)とすることができる。間隙空間110は、流体多孔質体106の第1の表面114aから流体多孔質体106を通って流体多孔質体106の第2の表面114bまで延びることができる。間隙空間110は、流体多孔質体106の全体または一部を貫通する任意のサイズまたは断面構成を有することができる。例えば、間隙空間110は、均一な、変化する、および/またはランダムな配向に配置することができる。流体多孔質体106の第1の表面114aおよび第2の表面114bは、任意の適切な配向とすることができる。例えば、第1の表面114aは、図示のように、第2の表面114bの反対側に配置され、流体は、第1の表面114aに入り、流体多孔質体106を通って流れ、第2の表面114bを通って流体多孔質体106から出る。
【0026】
流体多孔質体106は、流体経路108に導入された流体が、第1の本体102に接触する前に、(例えば、間隙空間110を通って)流体多孔質体106を通り抜け得るように、第1の本体102に対して配置され得る。例えば、流体多孔質体106は、流体経路108において第1の本体102から上流に位置付けられ得る。流体経路108は、第1の本体102への唯一の流体経路であり得る。流体多孔質体106は、第1の本体102の表面116(例えば、外側表面)を囲むことができる。例えば、第1の本体102は、流体多孔質体106の内部キャビティ内に位置付けられ得る。
【0027】
流体多孔質体106は、流体がそれを通って流れることを可能にする任意の適切な形態をとることができ、または間隙空間110が第1の本体102への流体を妨げるようにされ得るように変更され得る。例えば、流体多孔質体106は、紙、繊維、厚紙、織物、金属または金属合金、ポリマー(例えば、プラスチック)、セラミック、およびガラスのうちの少なくとも1つを含むことができる。流体多孔質体106は、例えば、有孔シート、非晶質支持体(例えば、綿球)、膜、およびフィルタのうちの少なくとも1つなどの任意の適切な流体多孔質構造を含むことができる。流体多孔質体106は、第1の表面114aから第2の表面114bまで、その厚さ全体にわたって同じ材料で形成されてもよいが、必須ではない。流体多孔質体106は、第1の表面114aと第2の表面114bとの間の流体多孔質体106の多孔質特性を変化させる複合材料の複数の層または様々な配向を有し得ると考えられる。例えば、流体多孔質体106の1つの部分は、比較的多孔質な特性を有することができ、一方、流体多孔質体106の別の部分は、ある期間にわたり流体多孔質体106を通る流体の流れを制限すること、または特定の材料が流体多孔質体106を通過するのを阻害することが望ましい場合、多孔性が制限されるか、もしくは多孔性を有しないか、またはそのようにすることができる。
【0028】
流体多孔質体106の間隙空間110の少なくとも一部に洗浄試験土112を配置して、流体が流体経路108を介して流体多孔質体106を通り第1の本体102に移動するのを阻止または防止することができる。洗浄試験土は、本明細書でより詳細に説明するような任意の適切な方法で、間隙空間の少なくとも一部内、第1の表面114aの少なくとも一部上、および/または第2の表面114bの少なくとも一部上に堆積され得る。洗浄試験土112は、流体多孔質体106の間隙空間110内に配置され(例えば、間隙空間110の開口部において、間隙空間110の壁に埋め込まれ)、流体多孔質体106の間隙空間110を部分的または全体的に閉塞することができる。洗浄試験土112は、流体多孔質体106の第1の表面114aまたは第2の表面114bの少なくとも一部上に配置することができる。洗浄試験土112は、流体が流体多孔質体106の第1の表面114aまで、また流体多孔質体106を通って移動するのを阻止または防止することができる。第2の表面114b上に堆積されると、洗浄試験土112は、
図1に示される配向で流体多孔質体106から流体が流出するのを阻止または防止することができる。洗浄試験土112は、生体物質104とは別に位置付けられ得る。流体多孔質膜(
図1には示されていない)および/または空隙が、洗浄試験土112と生体物質104とを分離してもよい。
【0029】
洗浄試験土112は、処理プロセスに応答して流体多孔質体106の間隙空間110および/または第1の表面114aから除去されるように構成することができる。例えば、洗浄試験土112は、間隙空間110内に配置されて、流体経路108を通る流れを阻止することができるが、処理プロセスの一部であるプロセスおよび条件を介して除去され得る。例えば、洗浄試験土112は、流体(例えば、洗浄プロセス中に使用される流体)との接触により流体多孔質体106の間隙空間110から除去され得る。洗浄試験土112は、流体による機械的除去、流体への溶解、および流体への懸濁のうちの少なくとも1つによって間隙空間から除去され得る。処理プロセス(例えば、洗浄プロセス)に応答して流体多孔質体106の間隙空間110から洗浄試験土112を除去することにより、流体経路108を介して流体多孔質体106の間隙空間110を通して流体を通過させることができる。間隙空間110から洗浄試験土112を除去することにより、間隙空間110の開口部または断面内の空隙容積(例えば、洗浄試験土を含まない間隙空間内の容積)を少なくとも部分的に増加させることができ、間隙空間110を通して流体を駆動するのに必要な流体圧を減少させることができる。
【0030】
流体多孔質体106の間隙空間110および/または第1の表面114aから洗浄試験土112を除去することにより、流体が間隙空間110を横切って、間隙空間110内に、および/または間隙空間110を通って流れることができる。流体多孔質体106内の間隙空間110を通り抜けた後、流体は、第1の本体102および/または生体物質104と接触することができる。
【0031】
洗浄試験土112は、処理を必要とする装置が含み得る残渣を含み得る。洗浄試験土112は、残渣の特性(例えば物理的、化学的)をシミュレートまたは再現することができる。例えば、洗浄試験土は、残渣の溶解度、粘度、密度、付着性、および材料組成の少なくとも1つをシミュレートまたは再現することができる。洗浄試験土112は、患者への使用中に医療装置上に蓄積し得る物質をシミュレートまたは再現する様々な物質を含むことができる。よって、処理インジケータ100を、装置が受ける処理プロセスと比べて同様かまたは同じ処理プロセスにかけることにより、装置が十分に処理されたかどうか、または有効なレベルまで処理されたかどうかを示すことができる。例えば、処理インジケータ100から除去および/または排除された洗浄試験土は、残渣が装置から除去および/または排除されたことを示すことができ、生体物質の実質的な除去および/または排除は、バイオバーデンが装置から除去および/または排除されたことを示すことができる。
【0032】
洗浄試験土112は、タンパク質(および、その誘導体)、炭水化物、核酸、脂質(例えば、脂肪、ろう)、塩(例えば、無機塩)、ならびに酸のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機塩は、緩衝生理食塩溶液を含むことができる。酸は胆汁酸を含むことができる。タンパク質は、血液タンパク質(例えば、ヘモグロビン、アルブミン、フィブリン、フィブリノーゲン、免疫グロブリン)、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンの少なくとも1つとすることができる。間隙空間110からの洗浄試験土112の除去および/または排除のレベルは、使用される処理剤の種類、処理剤と洗浄試験土112との接触時間、処理剤の温度、および処理剤の活性を含む種々の要因に左右され得る。
【0033】
所望の処理プロセスで使用される流体は、水、リンス剤(例えば、水および/またはアルコール)、洗浄剤、消毒剤、ならびに滅菌剤のうちの少なくとも1つを含むことができる。洗浄剤は、洗剤、界面活性剤および溶剤の少なくとも1つを含むことができる。消毒剤は、第四級アンモニウム化合物、グルタルアルデヒド、イソプロパノール、エタノール、オルトフタルアルデヒド(OPA)(ベンゼン-1,2-ジカルボアルデヒド)、過酸化水素、フェノール、フェネート(例えば、フェノールの塩またはエステル)および過酢酸のうちの少なくとも1つを含むことができる。滅菌剤は、過酸化水素、エチレンオキシド、窒素酸化物、オゾン、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、過酢酸、塩素、ヨウ素、および水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0034】
図2Aは、第1の構成における処理インジケータ200を示す。処理インジケータ200は、流体多孔質体106および第1の本体102に機械的支持を提供することができるハウジング220を含むことができる。ハウジング220は、流体多孔質体106および第1の本体102を含むことができるキャビティ222を囲むことができる。ハウジング220は、第1のポート224および第2のポート226を含むことができる。各ポート224、226は、ハウジング220を貫通するボアとすることができる。第1のポート224および第2のポート226は、流体を受容し、それぞれのポート224、226全体にわたって流体を輸送するように構成することができる。ハウジング220は、単一のポート(不図示)を含むことができ、単一のポートは、流体をキャビティ222内に輸送するためと、流体をキャビティ222から輸送するための両方に使用することができる。ハウジング220は、ポート224、226または単一のポートを通して流体でキャビティ222を満たし、かつ/または空にすることを可能にする通気ポート(不図示)を含むことができる。例えば、流体がポート224、226または単一のポートを通してキャビティ222内に導入されるとき、通気ポートは、キャビティ222から空気を輸送する(例えば、キャビティ222の外部の圧力に対するキャビティ内の圧力を等しくする)ことができる。通気ポートは、流体がポート224、226または単一のポートを通してキャビティから除去されるときに、空気をキャビティ222内に輸送することができる。
【0035】
ハウジング220は、キャビティ222とキャビティ222の外部の環境との間で流体が移動するのを阻止または防止するのに適した材料で形成することができる。ハウジング220は、例えば、金属または金属合金、ポリマー(例えば、プラスチック)、セラミック、およびガラスのうちの少なくとも1つなどの材料を含むことができる。
【0036】
流体多孔質体106は、キャビティ222内に位置付けられ得る。流体多孔質体106は、ハウジング220の表面234から半径方向内方に延在し、キャビティ222を第1の領域222aと第2の領域222bとに分離することができる。流体多孔質体106は、表面234と係合して、(例えば、接着剤、摩擦嵌めを介して)シールを形成することができ、その結果、第1の領域222a内の流体は、流体経路108を通り抜けて第2の領域222bに入る必要がある。流体多孔質体106の間隙空間110の少なくとも一部に洗浄試験土112が存在する場合、第1の領域222aと第2の領域222bとの間の流体連通が阻止または防止され得る。第1の本体102は、第2の領域222b内に位置付けられ得る。
【0037】
流体多孔質体106は、キャビティ222の全体よりも狭い範囲にわたって延び、第1の本体102の表面116を取り囲むことができる。例えば、第1の本体102は、流体多孔質体106の内部キャビティ内に位置付けられ得る。流体多孔質体106および第1の本体102の少なくとも一方は、支持部材によって拘束され、ハウジング220に対する移動を防止することができる。流体多孔質体106および第1の本体102は、第1の本体102への流体の移動が流体経路108に制限され得るように、互いに対して任意の空間的構成で位置付けられ得る。
【0038】
処理インジケータ200は、滅菌剤中和剤218を含むことができる。滅菌剤中和剤218は、第1の本体102および流体多孔質体106の少なくとも一方と協働して配置することができる。第1の本体102および/または流体多孔質体106に対する滅菌剤中和剤218の場所は、滅菌剤中和剤218が流体経路108内の流体に接触することおよび/または流体経路108内の流体の少なくとも一部を中和することを可能にすることができる。例えば、滅菌剤中和剤218は、流体多孔質体106の第1の表面114aおよび/または第2の表面114b上、第1の本体102の表面116上、および/または間隙空間110の少なくとも一部内に堆積され得る。滅菌剤中和剤218は、洗浄試験土112と接触していてもよいし、離れていてもよい。滅菌剤中和剤218は、洗浄試験土112を完全にまたは部分的に封入するコーティング層に組み込むことができる。滅菌剤中和剤218は、洗浄試験土112の全体または一部に分散することができる。滅菌剤中和剤218は、生体物質104上の層に堆積され得る。
【0039】
滅菌剤中和剤218は、洗浄試験土112に対する二次段階であり得、流体経路108内に移動する消毒剤および/または滅菌剤の第1の部分を中和することによって、効果的な処理プロセスの誤った表示を阻止または防止することができる。滅菌剤中和剤218は、流体の滅菌効力および/または消毒効力を阻害することができる化学物質を含むことができる。したがって、滅菌剤中和剤218は、生体物質104を除去および/または排除する前に除去される必要があり得る。例えば、滅菌剤中和剤218は、チオ硫酸ナトリウムおよび/またはカタラーゼなどの消毒剤中和剤を含むことができる。滅菌剤中和剤218は、処理プロセスが有効であったか否かを判定する際に、処理インジケータ200のストリンジェンシー(例えば、正確さ)を増加させることができる。例えば、試験土112が間隙空間110から除去されない場合、滅菌剤中和剤も除去することができず、したがって、滅菌剤中和剤は、キャビティ222に入る可能性のある滅菌剤を部分的または完全に中和することができ、したがって、滅菌剤は、生体物質104を実質的に除去および/または排除しない可能性がある。次いで、生体物質104は、増殖培地との接触に応答して増殖することができ、これは、処理プロセスが有効でなかったことを示すことができる。
【0040】
キャビティ222は、生体物質104から離れて増殖培地を保持するように構成されたシール232を含むリザーバ228を含むことができる。シール232は、フィルム、膜、壁、およびバイアルのうちの少なくとも1つを含むことができる。シール232は、例えば、金属または金属合金、ポリマー(例えば、プラスチック)、セラミック、およびガラスのうちの少なくとも1つなどの様々な材料を含むことができる。リザーバ228は、生体物質104が活性であるかどうかを判定することが望ましくなり得るまで、増殖培地を処理インジケータ200内に貯蔵することができる。
【0041】
リザーバ228は、シール232の劣化時にキャビティ222に増殖培地を導入するように構成することができる。例えば、シール232は破壊され(例えば、切断され、突き刺され、切り取られ)得る。リザーバ228のシール232は、例えば、シール232に機械的力を加えることなどによって、増殖培地を生体物質104に導入するために破壊されるように構成することができる。シール232は、例えば、ガラスバイアルを含むことができ、ガラスバイアルは破壊され得る。
【0042】
増殖培地は、生体物質104の増殖(例えば、繁殖)および/または発芽(例えば、細菌胞子の発芽)に適した任意の培地とすることができる。増殖培地は、水、多量栄養素(例えば、炭素源、窒素源、硫黄源、リン源など)、微量栄養素(例えば、ビタミン、補因子、金属イオンなど)、pH調整剤、血液、血清または血漿、ホルモン、成長因子、ウイルス複製を支持する生宿主細胞(live host cells)、および生体物質104の検出のための酵素基質のうちの少なくとも1つを含むことができる。増殖培地は液体であり得る。
【0043】
図2Bは、第2の構成における処理インジケータ200を示す。第2の構成では、流体230が、ポート224および/またはポート226を通してキャビティ222の第1の領域222aに導入されている。流体230は、流体多孔質体106と接触して(例えば、洗浄試験土112と接触して)いてよい。例えば、流体230は、流体多孔質体106の第1の表面114a上および/または間隙空間110内で、存在する場合は洗浄試験土112に接触することができる。第2の構成では、洗浄試験土112は、流体230が流体多孔質体106を通過するのを阻止または防止するように作用することができる。洗浄試験土112は、所定期間にわたる流体への曝露を含む処理プロセスに応答して流体多孔質体106の間隙空間110から除去されるように構成することができる。
【0044】
図2Cは、第3の構成における処理インジケータ200を示す。第3の構成において、流体230は、洗浄試験土112の少なくとも一部を除去し、それによって、流体230が流体多孔質体106の間隙空間110を通り抜けることを可能にしている。流体230が間隙空間110を通り抜けた後、流体230は、
図2Bの滅菌剤中和剤218と接触してこれを除去および/または排除し、第1の本体102および生体物質104と接触することができる。流体230は、第1の本体102および生体物質104との接触に進む前に、
図2Bの滅菌剤中和剤218と接触することができる。
【0045】
図3は、処理器具340および処理インジケータ200を含むシステム300を示す。図示のように、処理器具340は、リザーバ346と流体連通する処理槽344を含むチャンバ342を含むことができる。処理槽344は、処理される装置348を受容するように構成することができる。チャンバ342は、処理槽344内の装置348に対して処理プロセスを実行するように構成することができる。チャンバ342は、ヒータ(例えば、加熱要素)、ポンプ、ウォッシュアーム、スプレーノズル、チューブ、および当業者に既知の他の特徴のうちの少なくとも1つを含むことができる。チャンバ342は、洗浄チャンバ、消毒チャンバ、および滅菌チャンバのうちの少なくとも1つであり得る。装置348は、例えば内視鏡などの医療装置を含むことができる。処理器具340は、内視鏡再処理装置(例えば、自動内視鏡再処理装置)を含むことができる。
【0046】
処理器具340は、蓋352を含むことができる。蓋352は、処理槽344を覆うように位置付けられ得る。蓋352は、第1の構成および第2の構成で位置付けられ得る。第1の構成は、装置348の装填および/または抜き取りのために処理槽344にアクセスすることを可能にすることができる。第2の構成は、処理槽344へのアクセスを制限することができ、過剰な流体が処理槽344から出るのを抑制することができる。例えば、第2の構成では、蓋352を処理槽344と密封可能な配置に位置付けて、装置348が処理されている間、処理槽344へのアクセスを阻止することができる。
【0047】
チャンバ342は、処理槽344から離れて位置付けられた容器350を含むことができる。容器350は、処理インジケータ200を受容するのに適したキャビティを含むことができる。容器350は、処理インジケータ200を、処理槽344内の装置348に対して行うことができる処理プロセスと同様かまたは同じ処理プロセスに供するように構成され得る。例えば、容器350は、処理インジケータ200を、装置が処理槽344内で受けるのと同様かまたは同じ処理プロセスパラメータ(例えば、温度、圧力、流体、持続時間)に供することができる。容器350は、容器350に流体を供給することができる処理槽344およびリザーバ346のうちの少なくとも1つと流体連通していてよい。処理インジケータ200の処理のレベルは、装置348の処理のレベルと相関させることができる。
【0048】
処理プロセスは、単一の流体または複数の異なる流体を含むことができる。容器350は、流体を処理インジケータ200に導入し、処理インジケータ200から流体を除去するように構成することができる。処理インジケータ200は、容器350から取り外すことができ、流体は、容器350の外部にある間に、処理インジケータ200から除去することができる。
【0049】
図2Cおよび
図3は、処理器具340における処理のレベルを示す方法を示す。この方法は、処理インジケータ100、200を処理器具340に導入することを含み得る。装置348は、処理器具340の処理槽344内に導入することができる。処理インジケータ100、200は、装置348と共に処理槽344内に、または処理器具340の容器350内に、装置348から離れて位置付けられ得る。蓋352は、処理槽344を覆うように位置付けられ得る。
【0050】
処理インジケータ100、200は、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、を受けることができる。流体は、装置348および処理インジケータ200のキャビティ222に導入することができる。流体は、処理インジケータ100、200の流体多孔質体106と接触可能である。接触に応答し、そして活性であれば(例えば、滅菌剤中和剤で中和されていない)、流体は、洗浄試験土112および/または処理インジケータ100、200の生体物質104を除去および/または排除することができる。処理プロセス中、単一の流体または複数の異なる流体が、処理インジケータ100、200および装置348に接触および/または作用し得る。例えば、第1の流体が、洗浄試験土112(例えば、洗浄プロセス)、および存在する場合は滅菌剤中和剤を除去および/または排除することができ、第2の流体が、生体物質104を除去および/または排除することができる(例えば、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方)。洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方とが終了した後、処理インジケータ100、200内の残留流体を除去することができる。
【0051】
第1の本体102内の活性生体物質の量は、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、に続いて測定することができる。本明細書で使用される「活性生体物質」とは、処理プロセスによって除去および/または排除されていない生体物質を意味する。例えば、処理プロセスの終了後の処理インジケータ内の活性生体物質は、増殖および/または発芽することができる生体物質であり得る。
【0052】
処理インジケータ100、200は、処理器具340内の装置348が受けた処理のレベルを決定するために使用することができる。例えば、処理プロセス後に処理インジケータ内(例えば、処理インジケータの第1の本体上/内)に残存する活性生体物質の量は、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、の効力に左右され得る。
【0053】
処理インジケータ100、200は、増殖培地と共にインキュベートされ得る。例えば、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方とに続いて、処理インジケータ100、200のシール232を破壊することができ、増殖培地を第1の本体102および第1の本体102内の活性生体物質と接触させることができる。シール232は、手動または自動で破壊することができる。シール232を破壊すると、リザーバ228から増殖培地が放出され得る。増殖培地は、栄養素および/または生物学的に適合する環境を活性生体物質に提供することができる。活性生体物質は、増殖培地との接触に応答して増殖および/または発芽することができる。インキュベーションは、活性生体物質の増殖および/または発芽に適した時間および温度で行うことができる。例えば、活性生体物質の増殖および/または発芽は、増殖培地中の基質との酵素反応、および光ルミネセンス性タンパク質(photoluminescent protein)をコードする遺伝子からのタンパク質の生物学的発現を生じさせることができる。酵素反応の生成物および/またはタンパク質は光ルミネセンス性であり得る。インキュベーションは、本開示による処理のための器具の内部または外部で行うことができる。様々な実施例において、第1の本体内には活性生体物質が存在しない場合がある(例えば、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方の間における生体物質の完全な排除)。
【0054】
活性生体物質の量を測定することは、活性生体物質および増殖培地の少なくとも1つの電磁特性を測定することを含むことができる。例えば、電磁特性は、吸収、透過率、散乱、反射率、および光ルミネセンスのうちの少なくとも1つであり得る。電磁特性は、処理インジケータ100、200内の生体物質の増殖速度および/または量を決定するために測定することができる。例えば、電磁放射線を処理インジケータ100、200内に放射することができ、電磁放射線を処理インジケータ100、200から検出することができる。放射および/または検出された電磁放射線に基づいて、電磁特性を決定することができる。電磁特性は、処理インジケータ100、200上の生体物質の増殖速度および/または量に対応することができ、したがって、測定された電磁特性を使用して、処理インジケータ100、200上の生体物質の速度および/または量、ならびに処理プロセス(例えば、洗浄プロセス、ならびに消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方)の有効性のレベルを決定することができる。電磁特性が閾値未満である場合、処理プロセスが有効であると判定することができる。電磁特性が少なくとも閾値であれば、処理プロセスが無効であると判定することができる。測定された電磁特性に基づいて、処理プロセスの有効性のレベルを決定することができる。
【0055】
電磁特性は、分光光度計または同様の装置を介した処理のために器具340から処理インジケータ100、200を除去した後に測定することができる。電磁特性は、100nm以上、例えば、200nm以上、400nm以上、または500nm以上の波長で測定することができる。電磁特性は、1000nm以下、例えば800nm以下、700nm以下、または600nm以下の波長で測定することができる。電磁特性は、100nm~1000nm、例えば、200nm~800nm、400nm~700nm、または500nm~600nmの波長で測定することができる。
【0056】
本開示による処理インジケータ100、200を準備する方法も提供される。この方法は、第1の本体102および流体多孔質体106を形成することを含むことができる。形成は、プラスチック射出成形、ポリマー押出、機械加工、および付加製造のうちの少なくとも1つを含むことができる。流体多孔質体102および第1の本体106は、同じ方法または異なる方法で形成することができる。
【0057】
洗浄試験土112は、流体多孔質体106の間隙空間110の少なくとも一部に配置されて、流体が流体経路108を介して流体多孔質体106を通って第1の本体102に移動するのを阻止または防止することができる。洗浄試験土112は、流体多孔質体106の間隙空間110上/内に液体溶液として堆積され、間隙空間110上/内で乾燥させることができる。液体溶液としての洗浄試験土112の堆積は、液体溶液を流体多孔質体106上に噴霧すること、液体溶液を流体多孔質体106上に流すこと、および流体多孔質体106を液体溶液中に浸漬することのうちの少なくとも1つを含むことができる。洗浄試験土112の堆積により、流体多孔質体106の間隙空間110の少なくとも一部を洗浄試験土112で閉塞することができる。洗浄試験土112は、単一の成分または複数の成分を含むことができる。洗浄試験土112は複数の成分の混合物として堆積させることができ、または、洗浄試験土112の成分を連続して堆積させることができる。
【0058】
生体物質104は、液体溶液として第1の本体102上/内に堆積され、第1の本体102上で乾燥させることができる。液体としての生体物質104の堆積は、第1の本体102上に液体溶液を噴霧し、液体溶液を第1の本体102上に流し、第1の本体102を液体溶液に浸漬することを含むことができる。生体物質104は、乾燥成分として堆積することができる。生体物質104の堆積は、生体物質104を第1の本体102に付着させることができる。生体物質104は、単一の成分または複数の成分を含み得る。生体物質104は複数の成分の混合物として堆積させることができ、または、生体物質104の成分を連続して堆積させることができる。
【0059】
流体多孔質体106は、流体経路108内で第1の本体102に対して位置付けられ得る。例えば、流体多孔質体106および第1の本体102は、ハウジング220内に位置付けられ、ハウジング220に動作可能に連結され得る。流体多孔質体106を(例えば、接着剤、摩擦嵌めを介して)ハウジング220の表面に係合させることによって、シールを形成することができ、流体は、流体多孔質体106を通り抜けて第1の本体102に接触しなければならない。
【0060】
流体多孔質体106は、第1の本体102の表面116を囲むように位置付けられ得る。例えば、第1の本体102は、流体多孔質体106の内部キャビティ内に位置付けられ得る。支持部材は、流体多孔質体106および第1の本体102のうちの少なくとも1つがハウジングに対して移動するのを抑制するように位置付けられ得る。
【0061】
本開示の様々な実施例は、以下の番号付きの項に列挙された実施例を含むがこれらに限定されない。
【0062】
1.処理インジケータであって、生体物質を含む第1の本体と;流体経路において第1の本体と流体連通する流体多孔質体と;流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを阻止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、を含む、処理インジケータ。
2.洗浄試験土は、流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを防止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置されている、第1項に記載の処理インジケータ。
3.洗浄試験土は、洗浄プロセスに応答して流体多孔質体の間隙空間から除去されるように構成されている、第1~2項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
4.洗浄プロセスに応答して流体多孔質体の間隙空間から洗浄試験土を除去することにより、流体多孔質体を通して第1の本体に流体を移動させることができる、第3項に記載の処理インジケータ。
5.洗浄試験土は、生体物質から離れて位置付けられている、第1~4項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
6.洗浄試験土は、タンパク質(およびその誘導体)、炭水化物、核酸、脂質、塩、ならびに酸のうちの少なくとも1つを含む、第1~5項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
7.洗浄試験土は、血液タンパク質、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、第1~6項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
8.第1の本体および流体多孔質体のうちの少なくとも1つと協働して配置された滅菌剤中和剤をさらに含む、第1~7項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
9.生体物質は、細菌胞子を含む、第1~8項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
10.ハウジングをさらに含み、ハウジングは、キャビティであって、第1の本体、流体多孔質体、および洗浄試験土がキャビティ内に位置付けられている、キャビティと;第1のポートと;第2のポートと、を含み、第1のポートおよび第2のポートは、キャビティと流体係合している、第1~9項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
【0063】
11.キャビティ内に位置付けられたリザーバをさらに含み、リザーバは、生体物質から離れて増殖培地を保持するように構成されたシールを含む、第10項に記載の処理インジケータ。
12.流体多孔質体は、第1の本体の外側表面を囲む、第1~11項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
13.流体多孔質体は、流体経路において第1の本体から上流に位置付けられている、第1~12項のいずれか一項に記載の処理インジケータ。
14.処理器具における処理のレベルを示す方法であって、処理器具に処理インジケータを導入することを含む、方法。処理インジケータは、生体物質を含む第1の本体と;流体経路において第1の本体と流体連通する流体多孔質体と;流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを阻止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、を含む。この方法は、処理インジケータを、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、に供することと;洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、の後に、第1の本体における活性生体物質の量を測定することと、をさらに含む。
15.増殖培地と共に処理インジケータをインキュベートすることをさらに含む、第14項に記載の方法。
16.第1の本体における活性生体物質の量を測定することは、増殖培地および活性生体物質のうちの少なくとも1つの電磁特性を測定することを含む、第14~15項のいずれか一項に記載の方法。
17.電磁特性は、吸収、透過率、散乱、反射率、および光ルミネセンスのうちの少なくとも1つである、第14~16項のいずれか一項に記載の方法。
18.電磁特性は、100nm~1000nmの範囲の波長で測定される、第14~17項のいずれか一項に記載の方法。
19.処理される装置を処理用の器具の処理槽に導入することと;処理インジケータを容器に導入することと、をさらに含む、第14~18項のいずれか一項に記載の方法。
20.容器は、処理槽から離れて位置付けられる、第19項に記載の方法。
【0064】
21.処理インジケータを準備する方法であって、生体物質を含む第1の本体を形成することと;洗浄試験土を含む流体多孔質体を形成することと、を含み、流体多孔質体は、流体経路において第1の本体と流体連通しており、洗浄試験土は、流体が流体経路を介して流体多孔質体を通って第1の本体に移動するのを阻止するために流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置される、方法。
22.洗浄試験土は、生体物質から離れて位置付けられる、第21項に記載の方法。
23.洗浄試験土は、タンパク質(およびその誘導体)、炭水化物、核酸、脂質、塩、ならびに酸のうちの少なくとも1つを含む、第21~22項のいずれか一項に記載の方法。
24.洗浄試験土は、血液タンパク質、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンからなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、第21~23項のいずれか一項に記載の方法。
25.滅菌剤中和剤を、第1の本体および流体多孔質体のうちの少なくとも1つと協働した配置で位置付けることをさらに含む、第21~24項のいずれか一項に記載の方法。
26.生体物質は、細菌胞子を含む、第21~25項のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
本明細書に記載の主題は、異なる他の構成要素内に収容されるか、または異なる他の構成要素に接続される、異なる構成要素を示すことがある。このように描かれたアーキテクチャは単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャを実装することができることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能性を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書において組み合わせられる任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように、互い「と関連付けられている」とみなすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に接続されている」かまたは「動作可能に連結されている」とみなすこともでき、そのように関連付けられることができる任意の2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に連結可能である」とみなすこともできる。動作可能に連結可能な具体例としては、物理的に嵌合可能かつ/もしくは物理的に相互作用する構成要素、および/または無線で相互作用可能かつ/もしくは無線で相互作用する構成要素、および/または論理的に相互作用し、かつ/または論理的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
当業者であれば、本明細書に記載の構成要素(例えば、動作)、装置、物体、およびそれらに付随する議論が、概念の明確化のための実施例として使用され、種々の構成の変更が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、記載される特定の典型および付随する議論は、それらのより一般的な種類を表すことを意図している。一般に、任意の特定の典型の使用は、その種類を表すことを意図しており、特定の構成要素(例えば、動作)、装置、および物体を含まないことが、限定とみなされるべきではない。
【0067】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、そこに記載された動作が一般に任意の順序で実行され得ることを理解するであろう。また、種々の動作フローがシーケンスで示されているが、種々の動作は、示されている順序以外の順序で実行されてもよく、または同時に実行されてもよいことを理解されたい。このような代替順序の例としては、文脈上別段の指示がない限り、重複、差し挟み(interleaved)、中断、順序変更、増加、予備、補足、同時、逆、または他の変形順序が挙げられる。さらに、「~に反応して(responsive to)」、「~に関連して(related to)」、または他の過去時制形容詞のような用語は、文脈上別段の指示がない限り、一般に、そのような変形を排除することを意図しない。
【0068】
当業者は、本明細書に記載される構成要素、装置、動作/アクション、および物体、ならびにそれらに付随する説明が、概念の明確化のための実施例として使用され、種々の構成の変更が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、記載される特定の実施例および付随する議論は、それらのより一般的な種類を表すことを意図している。一般に、任意の特定の典型の使用は、その種類を表すことを意図しており、特定の構成要素、装置、動作/アクション、および物体を含まないことが、限定とみなされるべきではない。本開示は、本開示の様々な実施例および/またはその潜在的な適用を説明する目的で様々な特定の実施例の説明を提供するが、変形例および修正が当業者に想到されることが理解される。したがって、本明細書に記載された1つまたは複数の発明は、少なくとも特許請求される範囲と同程度に広く、本明細書に提供される特定の例示的な実施例によってより狭く定義されることはないと理解されるべきである。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) 処理インジケータであって、
生体物質を含む第1の本体と、
流体経路において前記第1の本体と流体連通する流体多孔質体と、
流体が前記流体経路を介して前記流体多孔質体を通って前記第1の本体に移動するのを阻止するために前記流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、
を含む、処理インジケータ。
(2) 前記洗浄試験土は、流体が前記流体経路を介して前記流体多孔質体を通って前記第1の本体に移動するのを防止するために前記流体多孔質体の前記間隙空間の少なくとも一部に配置されている、実施態様1に記載の処理インジケータ。
(3) 前記洗浄試験土は、洗浄プロセスに応答して前記流体多孔質体の前記間隙空間から除去されるように構成されている、実施態様1または2に記載の処理インジケータ。
(4) 洗浄プロセスに応答して前記流体多孔質体の前記間隙空間から前記洗浄試験土を除去することにより、前記流体多孔質体を通して前記第1の本体に流体を移動させることができる、実施態様3に記載の処理インジケータ。
(5) 前記洗浄試験土は、前記生体物質から離れて位置付けられている、実施態様1~4のいずれかに記載の処理インジケータ。
【0070】
(6) 前記洗浄試験土は、タンパク質(およびその誘導体)、炭水化物、核酸、脂質、塩、ならびに酸のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1~5のいずれかに記載の処理インジケータ。
(7) 前記洗浄試験土は、血液タンパク質、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、実施態様1~6のいずれかに記載の処理インジケータ。
(8) 前記第1の本体および前記流体多孔質体のうちの少なくとも1つと協働して配置された滅菌剤中和剤をさらに含む、実施態様1~7のいずれかに記載の処理インジケータ。
(9) 前記細菌は、細菌胞子を含む、実施態様1~8のいずれかに記載の処理インジケータ。
(10) ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、
キャビティであって、前記第1の本体、前記流体多孔質体、および前記洗浄試験土が前記キャビティ内に配置されている、キャビティと、
第1のポートと、
第2のポートと、
を含み、
前記第1のポートおよび前記第2のポートは、前記キャビティと流体係合している、実施態様1~9のいずれかに記載の処理インジケータ。
【0071】
(11) 前記キャビティ内に位置付けられたリザーバをさらに含み、前記リザーバは、前記生体物質から離れて増殖培地を保持するように構成されたシールを含む、実施態様10に記載の処理インジケータ。
(12) 前記流体多孔質体は、前記第1の本体の外側表面を囲む、実施態様1~11のいずれかに記載の処理インジケータ。
(13) 前記流体多孔質体は、流体経路において前記第1の本体から上流に位置付けられている、実施態様1~12のいずれかに記載の処理インジケータ。
(14) 処理器具における処理のレベルを示す方法であって、
前記処理器具に処理インジケータを導入することであって、前記処理インジケータは、
生体物質を含む第1の本体と、
流体経路において前記第1の本体と流体連通する流体多孔質体と、
流体が前記流体経路を介して前記流体多孔質体を通って前記第1の本体に移動するのを阻止するために前記流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置された洗浄試験土と、を含む、
ことと、
前記処理インジケータを、洗浄プロセスと、消毒プロセスおよび滅菌プロセスのうちの少なくとも一方と、に供することと、
前記洗浄プロセスと、前記消毒プロセスおよび前記滅菌プロセスのうちの前記少なくとも一方と、の後に、前記第1の本体における活性生体物質の量を測定することと、
を含む、方法。
(15) 増殖培地と共に前記処理インジケータをインキュベートすることをさらに含む、実施態様14に記載の方法。
【0072】
(16) 前記第1の本体における前記活性生体物質の量を測定することは、前記増殖培地および前記活性生体物質のうちの少なくとも1つの電磁特性を測定することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記電磁特性は、吸収、透過率、散乱、反射率、および光ルミネセンスのうちの少なくとも1つである、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記電磁特性は、100nm~1000nmの範囲の波長で測定される、実施態様16または17に記載の方法。
(19) 処理される装置を処理用の前記器具の処理槽に導入することと、
前記処理インジケータを容器に導入することと、
をさらに含む、実施態様14~18のいずれかに記載の方法。
(20) 前記容器は、前記処理槽から離れて位置付けられる、実施態様19に記載の方法。
【0073】
(21) 処理インジケータを準備する方法であって、
生体物質を含む第1の本体を形成することと、
洗浄試験土を含む流体多孔質体を形成することと、
を含み、
前記流体多孔質体は、流体経路において前記第1の本体と流体連通しており、前記洗浄試験土は、流体が前記流体経路を介して前記流体多孔質体を通って前記第1の本体に移動するのを阻止するために前記流体多孔質体の間隙空間の少なくとも一部に配置される、方法。
(22) 前記洗浄試験土は、前記生体物質から離れて位置付けられる、実施態様21記載の方法。
(23) 前記洗浄試験土は、タンパク質(およびその誘導体)、炭水化物、核酸、脂質、塩、ならびに酸のうちの少なくとも1つを含む、実施態様21または22に記載の方法。
(24) 前記洗浄試験土は、血液タンパク質、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、およびムチンからなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、実施態様21~23のいずれかに記載の方法。
(25) 滅菌剤中和剤を、前記第1の本体および前記流体多孔質体のうちの少なくとも1つと協働した配置で位置付けることをさらに含む、実施態様21~24のいずれかに記載の方法。
【0074】
(26) 前記細菌は、細菌胞子を含む、実施態様21~25のいずれかに記載の方法。
【外国語明細書】