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特開2024-133139ワイヤレス通信ネットワークにおけるマルチ送受信ポイント通信用の物理アップリンク共有チャネルのための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133139
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信ネットワークにおけるマルチ送受信ポイント通信用の物理アップリンク共有チャネルのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240920BHJP
   H04B 7/0456 20170101ALI20240920BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240920BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240920BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20240920BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240920BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04L27/26 113
H04B7/0456 110
H04W72/23
H04W72/0446
H04W72/1268
H04W16/28
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110668
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2022554539の分割
【原出願日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】20162487.1
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラタラージャン、スターシュン
(57)【要約】
【課題】
UEによって実行される方法が開示される。
【解決手段】UEのための2以上のPUSCH送信機会をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを、ネットワーク・ノードから受信する工程であって、全スケジューリングされたPUSCH送信機会は、同じPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、2以上のグループのSRSリソースであって、各グループは、少なくとも1つのSRSリソースを備え、各グループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられ、SRSリソース・セットは、1以上のSRSリソースを備える上位層構成である、2以上のグループのSRSリソース、2以上のTPCコマンド、および1以上のDMRSポートを提供する、工程と、スケジューリングされたPUSCH送信を実行する工程とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(800)によって実行される方法であって、
前記UEのための少なくとも2つの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信機会をスケジューリングする単一の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または上位層グラントを、ネットワーク・ノード(600)から受信する工程であって、
すべての前記スケジューリングされたPUSCH送信機会は、同じPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ、
前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、
少なくとも2つのグループのサウンディング基準信号(SRS)リソースであって、各グループは、少なくとも1つのSRSリソースを備え、各グループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられ、SRSリソース・セットは、1つまたは複数のSRSリソースを備える上位層構成である、少なくとも2つのグループのSRSリソース、
少なくとも2つの送信電力制御(TPC)コマンド、および
1つまたは複数の復調基準信号(DMRS)ポート
を提供する、工程と、
前記スケジューリングされたPUSCH送信を実行する工程であって、各PUSCH送信は、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた任意の他のPUSCH送信とは異なるシンボルのセットにおいて、前記指し示されたグループのSRSリソースのうちの1つのSRSポートと、前記指し示されたDMRSポートとを使用して実行され、前記指し示されたTPCコマンドのうちの1つに関連付けられる、工程と
を備える方法。
【請求項2】
DMRSポートの数とSRSポートの数が同じであるとき、前記PUSCH送信のために前記UEによって使用されるプリコーダ行列またはベクトルが、単位行列または対角行列によって与えられ、x個のアンテナ・ポートにマッピングされるx個のDMRSポートに関連付けられたi番目のPUSCHについての前記プリコーディング行列またはベクトルは、
【数1】

または
【数2】

によって与えられ、ここで、
【数3】

であり、ここで、xは、前記DMRSポートの数または前記アンテナ・ポートの数を表す整数値である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
任意の前記関連付けられたSRSリソース・セットにおけるSRSリソースが、1つのアンテナ・ポート/SRSポートを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UEは、PUSCHの最大R個の層をサポートし、すべての前記リソース・セットは、それらの中にR≧R個のリソースを有し、前記UEは、前記ネットワーク・ノードによって、前記1つまたは複数のSRSリソース・セットのそれぞれからl個のリソースを指し示すことにより、PUSCHの1≦l≦R個の層でスケジューリングされ、各PUSCH送信機会について同じ数のデータ層またはストリームを可能にする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントにおける1つまたは複数のSRIフィールドを介して、最大n’≦n個のグループのSRSリソースを指し示し、各グループは、1つまたは複数のSRSリソースを備え、すべてのグループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
PUSCH送信機会の繰り返しの数が、前記指し示されたSRSリソースのグループの数よりも大きい場合、前記UEは、前記指し示されたSRSリソースのグループと前記PUSCH送信機会との間の周期的または順次的な関連付けのパターンを適用する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
PUSCHの2n回の送信が実行され、前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが、1つまたは複数のSRSリソースを各グループが備える2個のグループのSRSリソースを指し示す場合、第1の前記グループのSRSリソースは、第1の前記PUSCH送信機会に関連付けられ、第2の前記グループのSRSリソースは、第2の前記送信機会に関連付けられ、関連付けの同じパターンが、残りの前記PUSCH送信機会で繰り返される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
PUSCHの2n回の送信が実行され、前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが、1つまたは複数のSRSリソースを各グループが備える2個のグループのSRSリソースを指し示す場合、第1の前記グループのSRSリソースは、奇数回目、すなわち、1回目、3回目、…、(2n-1)回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、かつ第2の前記グループのSRSリソースは、偶数回目、すなわち、2回目、4回目、…、(2n)回目のPUSCH送信機会に関連付けられる、または、第1の前記グループのSRSリソースは、前記1回目および2回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2の前記グループのSRSリソースは、前記3回目および4回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、前記パターンが、残りの前記送信機会について繰り返される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを、前記ネットワーク・ノードから受信する工程であって、各PUSCH送信機会は、異なるスロットにおいてスケジューリングされる、工程を備える、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
単一のPDCCHまたは上位層グラントによる少なくとも2つのPUSCH送信機会の前記スケジューリングは、PHY層または上位層を介する繰り返しパラメータの表示を介して可能にされる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ネットワーク・ノードから、前記UEが単一のPDCCHを受信することを指し示す上位層パラメータ、またはn(n≧1)回のPUSCH送信機会をスケジューリングする上位層グラントを受信する工程を備え、前記PUSCH送信の送信構成が、1つもしくは複数のPUSCH送信をスケジューリングする単一のPDCCHを前記UEが受信することを指し示す「multiPUSCH」パラメータに設定される、または、前記PUSCHの上位層構成が、単一のPDCCHまたは上位層グラントを使用する1つもしくは複数のPUSCH送信の前記スケジューリングを指し示す追加のパラメータを備える、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたPUSCH送信に関連付けられた以下のパラメータのうちの少なくとも1つは、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた他のPUSCH送信に関連付けられた前記パラメータとは異なり、前記以下のパラメータは、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係である、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記PUSCH送信に使用される前記空間的関係は、ダウンリンク制御情報(DCI)におけるUL-TCIフィールド、またはUL-TCI状態を指し示す上位層パラメータを介して指し示される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
PUSCH送信機会の繰り返しまたは送信の数が、前記PUSCH送信機会のために提供された前記指し示されたTPCコマンドまたはプリコーダ表示またはRVの数よりも大きい場合、前記UEは、前記PUSCH送信機会のための前記TPCコマンド、プリコーダ表示、または冗長バージョンの適用の周期的または順次的なパターンを可能にするように構成される、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
PUSCHの2n回の送信がPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされ、2個のTPCコマンド/プリコーダ表示/RVが前記PUSCH送信機会のために提供される場合、第1の前記TPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、奇数回目、すなわち、1回目、3回目、…、(2n-1)回目の前記PUSCH送信機会に関連付けられ、かつ第2の前記TPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、偶数回目、すなわち、2回目、4回目、…、(2n)回目の前記PUSCH送信機会に関連付けられる、または、前記第1のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、前記1回目および2回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、前記第2のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、前記3回目および4回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、前記パターンが、残りの前記PUSCH送信機会について繰り返される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数のPUSCH送信機会をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが、1つまたは複数のSRIフィールドを介して、1つまたは複数のSRSリソースを各グループが備える1つまたは複数のグループのSRSリソースを指し示す場合、前記SRSリソースが属するまたは関連付けられた前記SRSリソース・セットが、
前記SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第1のグループが、ID sを有するSRSリソース・セットに関連付けられ、前記SRIフィールドによる表示の順序で前記第1のグループのSRSリソースの後である、前記SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第2のグループが、ID sを有するSRSリソース・セットに関連付けられ、ここで、s>sまたはs<sであり、前記SRIは、前記SRSリソース・セット表示の前記順序を使用して前記SRSリソース・セットの直近の送信に関連付けられることと、
前記SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第1のグループが、SRSリソース・セットに関連付けられ、前記SRSリソース・セットのリソースは、基準時間t’の前または後で直近に送信されたものであり、前記SRIフィールドによる表示の順序で前記第1のグループの1つまたは複数のSRSリソースの後である、前記SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第2のグループが、前記特定の時間または基準時間t’の前または後で2番目に直近に送信されたSRSリソース・セットに関連付けられ、前記SRIフィールドが、1つのSRSリソース・セットのみからのSRSリソースを指し示す場合、または前記SRSリソース・セットのうちの1つからの1つもしくは複数のSRSリソースからなる単一のグループの表示が、有効であり、もしくは選択され、もしくは考慮される場合、前記特定の時間または基準時間t’に対して直近に送信されたSRSリソース・セットが、参照されまたは関連付けられた前記SRSリソース・セットであることと
のうちの少なくとも一方に基づいて決定される、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
n>1回の送信をスケジューリングする前記受信されたPDCCHまたは上位層グラントは、n’≦n個のSRIフィールドを備え、bビット・フィールドが、前記SRIフィールド内に、または前記SRIフィールドと一緒に、または別個のフィールドとしてあり、ここで、b≧1であり、前記bビット・フィールドは、
前記SRIフィールドにより指し示された前記SRSリソースのいずれも、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた前記PUSCH送信機会のために使用されないこと、
前記SRIフィールドのうちの少なくとも1つにより指し示された前記SRSリソースが、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた前記PUSCH送信機会のいずれについても使用されないこと、
前記SRIフィールドのうちの少なくとも1つのビット・フィールドが、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた前記PUSCH送信機会のいずれについても、対応する前記SRSリソース・セットから前記SRSリソースを決定するために使用されないこと、
前記PDCCHまたは上位層グラントにおける前記SRIフィールドの適切なサブセットのみのビット・フィールドが、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた少なくとも1つのPUSCH送信機会のために使用されること、
前記PDCCHまたは上位層グラントにおけるすべてのSRIフィールドにより指し示される前記SRSリソースが、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた少なくとも1つのPUSCH送信機会のために使用されること
のうちの少なくとも1つを指し示す、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
プロセッサ(810)およびメモリ(820)を備えるユーザ機器(UE)(800)であって、前記メモリ(820)は、前記プロセッサ(810)によって実行可能な命令を含み、
前記UEのための少なくとも2つの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信機会をスケジューリングする単一の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または上位層グラントを、ネットワーク・ノード(600)から受信する工程であって、
すべての前記スケジューリングされたPUSCH送信機会は、同じPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ、
前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、
少なくとも2つのグループのサウンディング基準信号(SRS)リソースであって、各グループは、少なくとも1つのSRSリソースを備え、各グループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられ、SRSリソース・セットは、1つまたは複数のSRSリソースを備える上位層構成である、少なくとも2つのグループのSRSリソース、
少なくとも2つの送信電力制御(TPC)コマンド、および
1つまたは複数の復調基準信号(DMRS)ポート
を提供する、工程と、
前記スケジューリングされたPUSCH送信を実行する工程であって、各PUSCH送信は、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた任意の他のPUSCH送信とは異なるシンボルのセットにおいて、前記指し示されたグループのSRSリソースのうちの1つのSRSポートと、前記指し示されたDMRSポートとを使用して実行され、前記指し示されたTPCコマンドのうちの1つに関連付けられる、工程と
を実行するように構成されるUE(800)。
【請求項19】
前記UE(800)は、請求項2乃至17のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている、請求項18に記載のUE(800)。
【請求項20】
ネットワーク・ノード(600)によって実行される方法であって、
UE(800)を、前記UEのための少なくとも2つの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信機会をスケジューリングする単一の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または上位層グラントを受信するように構成する工程であって、
すべての前記スケジューリングされたPUSCH送信機会は、同じPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ、
前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、
少なくとも2つのグループのサウンディング基準信号(SRS)リソースであって、各グループは、少なくとも1つのSRSリソースを備え、各グループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられ、SRSリソース・セットは、1つまたは複数のSRSリソースを備える上位層構成である、少なくとも2つのグループのSRSリソース、
少なくとも2つの送信電力制御(TPC)コマンド、および
1つまたは複数の復調基準信号(DMRS)ポート
を提供する、
前記スケジューリングされたPUSCH送信を前記UE(800)が実行することを可能にするために行う工程を備え、各PUSCH送信は、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた任意の他のPUSCH送信とは異なるシンボルのセットにおいて、前記指し示されたグループのSRSリソースのうちの1つのSRSポートと、前記指し示されたDMRSポートとを使用して実行され、前記指し示されたTPCコマンドのうちの1つに関連付けられる、方法。
【請求項21】
プロセッサ(610)およびメモリ(620)を備えるネットワーク・ノード(600)であって、前記メモリ(620)は、前記プロセッサ(610)によって実行可能な命令を含み、前記ネットワーク・ノード(600)は、
UE(800)を、前記UEのための少なくとも2つの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信機会をスケジューリングする単一の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または上位層グラントを受信するように構成する工程であって、
すべての前記スケジューリングされたPUSCH送信機会は、同じPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ、
前記スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、
少なくとも2つのグループのサウンディング基準信号(SRS)リソースであって、各グループは、少なくとも1つのSRSリソースを備え、各グループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられ、SRSリソース・セットは、1つまたは複数のSRSリソースを備える上位層構成である、少なくとも2つのグループのSRSリソース、
少なくとも2つの送信電力制御(TPC)コマンド、および
1つまたは複数の復調基準信号(DMRS)ポート
を提供する、
前記スケジューリングされたPUSCH送信を前記UE(800)が実行することを可能にするために行う工程を実行するように構成され、各PUSCH送信は、前記PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた任意の他のPUSCH送信とは異なるシンボルのセットにおいて、前記指し示されたグループのSRSリソースのうちの1つのSRSポートと、前記指し示されたDMRSポートとを使用して実行され、前記指し示されたTPCコマンドのうちの1つに関連付けられる、ネットワーク・ノード(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信の分野に関し、特に、5Gなどのワイヤレス通信ネットワークにおけるマルチ送受信ポイント(TRP)通信のための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を可能にするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の送受信ポイント(TRP)からユーザ機器(UE)へまたは単一のUEから複数のTRPへのワイヤレス送信は、送信のカバレッジ、信頼性、およびスループットの改善に役立つ。TRPは基地局を意味することがあり、1つまたは複数の基地局はネットワーク・ノード(例えば、gNodeBすなわちgNB)と関連付けられ得る。TRPはアンテナパネルを意味することもある。例えば、基地局は2つのパネルを備えてよく、各パネルはTRPに対応することがある。
【0003】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト・リリース16(3GPP(登録商標) Rel.16)は、ダウンリンクではマルチTRP送信の方法を指定するが、アップリンクでは単一のTRP送信のみが可能である。ダウンリンクにおけるマルチTRP送信と同様に、アップリンクにおいて複数のTRPに送信することによって送信のカバレッジ、信頼性、およびスループットがやはり改善されることが可能である。ULにおけるマルチTRP送信のスケジューリングにおける問題は、DLマルチTRP送信において直面する問題とはかなり異なる。それは、DLでは非コヒーレント送信シナリオであるが、アップリンクでは非コヒーレント受信シナリオである。マルチTRP UL送信のスケジューリングにおいて考慮されるべき問題のいくつかは、UEにおけるアンテナ・ポートの表示、UL送信のための電力制御、時間周波数リソース使用状態、使用される多重化方法、およびビーム管理などである。
【0004】
ミリ波(mmWave)周波数(周波数範囲2(FR2))、すなわち6GHzを上回る周波数では、一般に、通信デバイス間のワイヤレス通信は、ビームと呼ばれる空間選択的/指向性送信および受信を用いて行われる。したがって、ビーム管理は、FR2におけるリンク確立、適応、および回復のための重要なフレームワークである。
【0005】
3GPP Re.16では、アップリンク(UL)でのビーム管理は、種々のULチャネルおよびUL基準信号に対して別々に処理される。ULビーム管理フレームワークの機能性は、3つの通信層、すなわち、物理(PHY)層[非特許文献1~4]、媒体アクセス制御(MAC)層[非特許文献5]、および無線リソース制御(RRC)層[非特許文献6]にわたって分散されている。UEと無線ネットワーク・ノード(gNB)との間のビームフォーミング・アップリンク送信を可能にするために、ビーム管理はUL送信のためのビーム方向の表示と、それに関連付けられた送信電力設定の表示という2つのタスクを実行する。2つのタスクは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、およびサウンディング基準信号(SRS)に対して、異なる方法で処理される。
【0006】
他方で、ダウンリンク(DL)では、DLチャネルまたは基準信号(RS)の受信に関する遅延拡散、平均遅延、DopplerおよびRxビーム方向などの種々のパラメータを得るために、UEに指示が与えられなければならない。
【0007】
「ビーム」という用語は、以下では、係数の特定のセットでデバイスのアンテナ・ポートにおいて信号をプリコーディング/フィルタリングすることによって達成される空間選択的/指向性の発信信号の送信および着信信号の受信を表すために使用される。プリコーディングまたはフィルタリングという用語は、アナログまたはデジタル領域における信号の処理を指すことがある。送信/受信を特定の方向に空間的に向けるために使用される係数のセットは、方向によって異なり得る。「Txビーム」という用語は、空間選択的/指向性送信を表し、「Rxビーム」は、空間選択的/指向性受信を表す。送信または受信をプリコーディング/フィルタリングするために使用される係数のセットは、「空間フィルタ」という用語で表される。空間フィルタ係数が、送信/受信が空間的に向けられる方向を決定するので、「空間フィルタ」という用語は、本明細書では「ビーム方向」という用語と交換可能に使用される。
【0008】
DLまたはUL基準信号(RS)「R」に対するもしくは準拠するULチャネル「Uc」もしくはRS「Ur」についての「空間的関係」は、UEが、ULチャネル「Uc」もしくはRS「Ur」を送信するためにRS「R」を受信もしくは送信するのに使用される空間フィルタを使用することを意味し、またはUEが、ULチャネル「Uc」もしくはRS「Ur」を送信するために使用される空間フィルタを決定するための基準としてRS「R」を受信もしくは送信するために使用される空間フィルタを使用することを意味する。
【0009】
「上位層」という用語は、独立して使用されるとき、以下では、プロトコル・スタックにおける物理層より上の任意の通信層を表す。
サービング・セルとキャリア・コンポーネント(CC)という用語は、本開示において、UEのために構成されたサービング・セルとして交換可能に使用され、通常、特定のキャリア周波数を有する個別の物理キャリアである。コンポーネント・キャリア/サービング・セルの周波数に応じて、セルのサイズおよびビームフォーミングされた基準信号は変化し得る。
【0010】
以下では、DLチャネル、SRS、およびPUSCHに関する先行技術(SoTA)が提示される。次いで、複数のTRPへのPUSCH送信をスケジューリングするために考慮されるべき問題が論じられ、その後、関係する問題に対処するための解決策が論じられる。
【0011】
<ダウンリンク送信構成表示>
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)および物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)はそれぞれ、DL制御情報およびDLデータをUEに搬送する[非特許文献1~6]。
【0012】
PDCCHは、基地局またはネットワーク・ノードまたはgNodeB(gNB)によって無線リソース制御(RRC)層レベルで構成される。gNBは、RRCレベルで構成された1つまたは複数の制御リソース・セット(CORESET:Control Resource Set)上でPDCCHを送信する。CORESETは、制御情報を搬送するリソース・ブロックのセットである。各CORESETは1つまたは複数のPDCCHを含み、各々が探索空間構成にリンクされる。UEは、構成された探索空間を監視してPDCCHを取得する。PDCCHは、共通探索空間(CSS:common search space)またはUE固有探索空間(USS:UE-specific Search Space)の一部である。CSSに属するPDCCHは、通常、システム情報ブロードキャストまたはページング情報のような、gNBによってすべてのUEにブロードキャストされる情報を含んでいる。USSに属するPDCCHは、PDSCHまたはPUSCHまたはSRSトリガなどをスケジューリングするためのダウンリンク制御情報(DCI)などのUE固有の情報を含んでいる。
【0013】
PDCCHとDCIという用語は、本開示において交換可能に使用され得ることに留意されたい。両方の用語は、物理層を介して得られるダウンリンク制御チャネル情報を指している。
【0014】
復調基準信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)が、UEにおけるPDCCH/PDSCHのコヒーレント復調のために埋め込まれる。DMRSは、1組のDMRSポートからなる。PDSCHの場合、DMRSポートの数が、PDSCHに含まれる送信層の数を決定する。DMRSは、PDSCHまたはPDCCHをコヒーレントに復調するためにUEでチャネル推定に使用される。PDCCHの場合、それらの1つまたは複数がCORESET上で送信され得る。したがって、CORESET上のPDCCHのコヒーレント復調のためのDMRSは、CORESET上で送信されるPDCCHにわたって埋め込まれ得る。
【0015】
<サウンディング基準信号(SRS)>
サウンディング基準信号(SRS)は、その名前が示唆するように、ULチャネルのサウンディングのために使用される。SRSの基本単位はSRSリソースである。SRSリソースは、ULチャネルをサウンディングするためにULにおけるUEのアンテナ・ポートのすべてまたはサブセットによって送信される、時間、周波数、およびコードにおける基準シンボルの特定のパターンである。UEは、1つまたは複数のSRSリソース・セットを有するRRCを介してgNBによって構成され、各SRSリソース・セットは1つまたは複数のSRSリソースからなる。SRS-SpatialRelationInfoを用いてSRSリソース・セットおよびSRSリソースを構成するRRC情報要素(IE)がそれぞれ図1および図2に示されている[非特許文献6]。
【0016】
図1に提供されたSRSセット構成に指し示されているように、パラメータ「usage」はSRSが使用される目的を指し示す。
1) Usage = ‘codebook’:コードブック・ベースのPUSCH送信がUEにより実行される前にULチャネルをサウンディングする。
2) Usage = ‘non-codebook’:非コードブック・ベースのPUSCH送信がUEにより実行される前にULチャネルをサウンディングする。
3) Usage = ‘beamManagement’:適切なULビームを識別するために、ビームフォーミングされたSRSリソースでULチャネルをサウンディングする。
4) Usage = ‘antennaSwitching’:DLチャネル情報を得るためにULチャネルをサウンディングする。
【0017】
コードブックおよび非コードブック・ベースのSRS送信の場合、gNBはSRSリソースを測定し、その後のPUSCH送信のためにUEに対してデジタル・プリコーディング/ポート選択情報を提供する。「beamManagement」SRSの場合、UEは、適切なULビームを決定するために、gNBについて様々な方向にSRSをビームフォーミングする。選ばれたビームは、空間的関係、すなわち、PUCCHおよび/またはPUSCHおよび/または他のSRSリソースについてのビーム方向を指し示すために使用される(パラメータ「spatialRelationInfo」は、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS:Channel State Information Reference Signal)、同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)、またはSRSであり得るSRSリソースについての空間的関係として使用されるRSを指し示すために使用されるRSを含む)。「antennaSwitching」SRSは、gNBがより正確なCSIでDL送信をプリコーディングし得るように、チャネル相反性を利用するために、およびULサウンディングを介してチャネルDL情報を得るために使用される。
【0018】
<物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)>
UEからのPUSCH送信は、PDCCHに指し示されたULグラントを介してネットワーク・ノードによって動的にスケジューリングされ、または、上位層で構成されたグラントconfiguredGrantConfigを用いて半永続的/静的にスケジューリングされることが可能である。構成されたグラントType1 PUSCH送信は、PDCCHにおけるULグラントの検出なしに、rrc-ConfiguredUplinkGrantを含むconfiguredGrantConfigの上位層パラメータを受信すると動作するように準静的に構成される。構成されたグラントType 2 PUSCH送信は、rrc-ConfiguredUplinkGrant[非特許文献4]を含まない上位層パラメータconfiguredGrantConfigの受信の後に、有効なアクティブ化DCI/PDCCH[非特許文献3]におけるULグラントによって半永続的にスケジューリングされる。
【0019】
New Radio(NR)仕様によるPUSCHおよびconfiguredGrantConfigの上位層構成が以下に示される。
<PUSCHの上位層構成[非特許文献6]>
【0020】
【表1】

<configuredGrantConfigの上位構成[非特許文献6]>
【0021】
【表2】

前述のように、PDCCHまたはDCIという用語は、物理層を介して得られるダウンリンクにおける制御情報を表すために交換可能に使用されてよい。
【0022】
PUSCHの送信のモードは、上位層パラメータ「txConfig」によって決定される。このパラメータは「codebook」もしくは「nonCodebook」のいずれかに設定されることが可能であり、または構成されないことがある。PUSCHがPDCCHを介してスケジューリングされる場合、2つの異なるダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットがスケジューリングPDCCHにおいてDCIフォーマット0_0またはDCIフォーマット0_1で使用され得る。コードブックおよび非コードブック・ベースのPUSCH送信は、PDCCHを介してスケジューリングされる場合、DCIフォーマット0_1[非特許文献4]を使用してスケジューリングされる。「txConfig」が構成されない場合、UEは、DCIフォーマット0_1を使用してPUSCHがスケジューリングされることを期待しない。PUSCHがDCIフォーマット0_0でスケジューリングされる場合、UEは、PUSCH送信のために単一のポートを使用する[非特許文献4]。
【0023】
以下の一連のイベントが、コードブック・モードまたは非コードブック・モードのPUSCHのスケジューリングにおいて発生し得る(UEにより実行されるアクションは、ネットワーク・ノードを介して構成される)。
【0024】
0) 任意選択の工程「0」が特定のUEにおいて発生し得る:UEは、両方のTRPでULチャネルのサウンディングのためにビーム管理SRSを使用し、両方のTRPに適したビーム方向を決定する。この工程は、DLビームとULビームを整列させるためにビーム対応なしでUEに必要とされ得る。UEは、DL測定のみに基づいてULでビーム方向を整列できるときにビーム対応を満たすことを指し示すことがある[非特許文献7~8]。UEは、ULビームを整列させるためにULサウンディングを必要とするとき、ビーム対応を満たさない。
【0025】
1) 「codebook」または「nonCodebook」構成されたSRSリソース・セットが、UEとTRP/基地局(gNBに対応することもある)の間のチャネルをサウンディングするために、UEによって送信される。リソース・セットにおけるSRSリソースは、適切な空間的関係が割り当てられる(それらは、工程0でのSRSサウンディングから得られるビーム方向から借りられ得る)。さらに、SRSリソース・セットは、TRP/gNBに関連付けられたパスロス基準RSが割り当てられる。
【0026】
2) ネットワーク・ノードは、PUSCHの送信を指し示すために、工程1でULサウンディングに使用されるSRSリソース・セットからの1つまたは複数のSRSリソースを指し示すことによって、PUSCHをスケジューリングする。本開示では、SRSリソース・セットは、「PUSCHスケジューリングに関連付けられたSRSリソース・セット」、または単に「関連付けられたSRSリソース・セット」と呼ばれることがある。
【0027】
PUSCHをスケジューリングするとき、種々の送信パラメータが、PUSCHをスケジューリングする上位層グラントもしくはDCI/PDCCHのいずれかで、または他の上位層シグナリングを介して指し示される必要がある。いくつかの送信パラメータが以下に簡単に説明される。
【0028】
<冗長バージョン>
PUSCHは、トランスポート・ブロックの単位で送信され、トランスポート・ブロック(TB)は、送信のために上の層から物理層によって受信されるBビットのブロックである。Bの許容値は[非特許文献4]で与えられている。トランスポート・ブロックに対して、L個の巡回冗長検査(CRC)パリティ・ビットのセットが追加される。したがって、CRCを伴うTBのサイズは、Btot=B+Lである。次いで、PUSCHのBtotビットに対して低密度パリティチェック(LDPC)符号化を使用してチャネル符号化が実行され、符号化されたビットの数がPUSCHの所定の符号レートと一致するように、符号化されたビットがレート・マッチャ(rate matcher)によって処理される。レート・マッチャは、基本的に、所定の符号レートに一致するようにビット・ストリームから特定のビットをパンクチャする。パンクチャされたビットのパターンまたはレート・マッチャによって選択されたビットのセットは、「冗長バージョン」によって決定される。PUSCH TBに適用される冗長バージョンは、PUSCHをスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントにおいて指し示される。符号化およびレート・マッチングは、到来TBのサイズに応じて、(対応するCRCパリティ・ビットと共に)到来TBを1つまたは複数の符号ブロックに分割し得る。特定のトランスポート・ブロックのセグメント化された符号ブロックについてのエンコーダおよびレート・マッチャの出力が「符号語」に連結される。したがって、トランスポート・ブロックは、エンコーダ-レート・マッチャ・モジュールへの入力におけるビット・ストリームであり、モジュールの出力は、符号語である。次いで、符号語はスクランブルされ、所与の変調順序で変調され、送信前に所与の数の層にマッピングされる[非特許文献1~4]。
【0029】
PUSCH TBの送信をスケジューリングするとき、UEはハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスIDを指し示す。プロセスIDは、TBの識別子として使用される。UEにより送られたTBの受信の確認応答、またはgNBによりスケジューリングされたトランスポート・ブロックの再送が、HARQプロセスIDに関連付けられる。確認応答および再送は、PUSCHの信頼性を改善するのに役立つ。冗長バージョンは、PUSCH信頼性においても重要な役割を持つ。PUSCHトランスポート・ブロックが送信されて、TRP/基地局またはgNBにおいて誤って復号された場合、TRP/基地局またはgNBは、対応するHARQプロセスIDを使用して、PUSCHの最初の送信に対して異なる冗長バージョンで適用されるPUSCHの再送を指し示すことが可能である。異なる冗長バージョンのPUSCHの2回目の送信を受信すると、gNBは、PUSCHの復号化のために適切に2つのPUSCHを組み合わせることが可能である。2つの送信のための異なるチャネルによって提供されるダイバーシティが、チャネル復号化のための改善されたSNRを提供する。
【0030】
<アンテナ・ポート、DMRSポート、プリコーディング、および層の数>
異なるタイプのアンテナ・ポートが、PUSCH送信のためのUEにおいて定義される。UEにおけるDMRSポートが、送信のためのデータ層へのデータ・ストリームのマッピングを指し示すために使用され、すなわち、送信に使用されるDMRSポートの数は、送信に使用される空間層を表す。PUSCH送信に使用されるDMRSポートは、スケジューリングDCIの「Antenna ports」フィールドによって指し示される。異なるポートに対応するDMRSリソース要素のシンボルは、符号分割多重化される(CDM-ed)ことが可能である。各ポートは、[非特許文献1~4]に指定されるような特定の符号分割多重グループ(CDM group)に属する。DMRSポートから、データ層は、PUSCHが送信される元のプリコーダによってアンテナ・ポート(またはSRSポート)にマッピングされる。
【0031】
- コードブックおよび非コードブックPUSCH送信:「codebook」または「nonCodebook」PUSCHがDCIフォーマット0_1または上位層グラントを使用してスケジューリングされる、すなわち、上位層パラメータ「txConfig」が「codebook」または「nonCodebook」に設定される場合、UEは1つまたは複数のアンテナ・ポートを使用してPUSCHを送信し得る。アンテナ・ポートは、「codebook」または「nonCodebook」SRSリソース・セットに関連付けられた1つまたは複数のSRSリソースを指し示すSRIによって、コードブックおよび非コードブック・ベースのPUSCHに関して指し示される。指し示されたSRSリソースに関連付けられたSRSポートは、データ層(DMRSポートにおけるデータ・ストリーム)がマッピングされるアンテナ・ポートである。PUSCH送信のモードに応じて、プリコーディング方式は明示的に指し示されまたは暗黙的に決定され[非特許文献1~4]、コードブック・ベースのPUSCHについては、プリコーディング方式は、「プリコーディングと層数フィールド」によって明示的に指し示され(指し示されたプリコーディング行列Fは、サイズP×Lであり、L個のDMRSポートからP個のアンテナ・ポートに対してデータ・ストリームをマッピングする)、非コードブック・ベースのPUSCHについては、プリコーディング方式は指し示されず、したがって、予め決定され、またはUE実装に委ねられる[非特許文献1~4]。本開示では、「DMRSポート」という用語は、データ(コーディングされ、レート・マッチされ、変調されたシンボル、すなわち、変調された符号語)が層にマッピングされるポートを表し、「アンテナ・ポート」または「SRSポート」という用語は、DMRSポートがプリコーディング方式を介してマッピングされるポートを表す。
【0032】
- 単一ポートPUSCH送信:PUSCHがDCIフォーマット0_0を使用してスケジューリングされる場合、UEは単一のアンテナ・ポートを使用し、これが単一のDMRSポート(port 0)にマッピングされる[非特許文献4]。この場合、プリコーダは指し示されず、PUSCHの単一の層がUEによって送信される。
【0033】
<送信電力制御(TPC)コマンド>
送信電力制御コマンドは、PUSCHをスケジューリングするDCIにおいて提供される。これは、以前のPUSCH送信に関連するPUSCH送信のために行われる必要のあるパワー・ランピングまたはダウンスケーリングを提供する[非特許文献3]。上位層パラメータ「tpc-Accumulation」が有効にされた場合、パワー・ランピングまたはダウンスケーリングは各PUSCH送信にわたって累積されてよい。gNBは、そのような電力制御を用いて、干渉の量、UEスループット、リンク信頼性などを制御する。
【0034】
<空間的関係およびパスロス基準RS>
FR2(周波数範囲2:6GHzより高い周波数)配置では、指向性UL送信が必要とされ、したがって、ビーム方向は、PUSCHについて指し示される重要なパラメータである。PUSCHのビーム方向/空間的関係は、PUSCH送信のモードに応じて、SRSまたはPUCCHリソースのビームの方向/空間的関係から決定される。
【0035】
- コードブックまたは非コードブック・ベースのPUSCH送信はSRSリソースで指し示される。UEは、(コードブック/非コードブック送信モードに専用に構成される)SRSリソースを用いてULチャネルをサウンディングし、次いで、gNBが、SRSリソースの表示を介してPUSCHをスケジューリングする。それにより、UEは、SRSリソースが送信された同じポートからPUSCHを送信し、SRSリソースの送信と同じビーム方向/空間的関係をPUSCHの送信に使用する。
【0036】
- UEがDCIフォーマット0_0(単一ポートPUSCH)によってスケジューリングされる場合、PUSCHの送信に使用される空間的関係は、現在アクティブなUL帯域幅部分(BWP)において最も低いIDを有するPUCCHリソースの送信に使用されるものと同じである。
【0037】
上位層を介して構成される/指し示されるパスロス基準RSを、PUSCHの電力制御設定において使用して、PUSCHの送信のためのパスロス推定値を決定する[非特許文献3]。PUSCHのパスロス基準RSは、異なるPUSCH送信モードに対して異なる方法で決定される。PUSCHは、「PUSCH-PathlossReferenceRS」IEにおいてパスロス基準RSのリストを用いて構成され、ほとんどの場合、パスロス基準RSを得るために、そのリストを使用する。
【0038】
- PDCCHによってスケジューリングされたコードブックまたは非コードブック・ベースのPUSCH送信のために、パスロス基準RSは、「SRI-PUSCH-PowerControl」IE(下記のPUSCHのための電力制御パラメータの上位層構成に示される)において構成される。これらのIEは、PUSCH-pathlossReferenceのID、「alpha」値(パスロス補償係数)、および閉ループ電力制御インデックスなど、PUSCHの電力制御設定を含む。PUSCH-pathlossReferenceRS IEとSRI-PUSCH-PowerControl IEとの間のマッピングは、MAC-CEメッセージを使用して修正されることが可能である[非特許文献3]。コードブック/非コードブックPUSCH送信に対して言及されたSRSリソース・インジケータが、これらの電力制御設定を提供する「SRI-PUSCH-PowerControl」IEにマッピングされる。スケジューリングPDCCHにSRIフィールドがないとき、UEは、ID値が0に設定されたSRI-PUSCH-PowerControlを使用する。
【0039】
- (DCIフォーマット0_0を介してPDCCHによってスケジューリングされた)単一ポートPUSCHの場合、パスロス基準RSは、それが空間的関係を得る同じPUCCHリソースから得られる。
【0040】
- PUSCHが上位層グラントによってスケジューリングされる場合、使用されるべきパスロス基準RSは、PUSCH-pathlossReferenceRS IEを指すpathlossReferenceIndexを介して指し示され、またはSRIフィールドがないときにID値が0に設定されたSRI-PUSCH-PowerControlから取得される。
【0041】
PUSCHに関する電力制御パラメータの上位層構成[非特許文献6]が以下の図に示される。
【0042】
【表3】

<PUSCHの送信電力>
PUSCHの送信電力は、開ループおよび閉ループ電力制御パラメータの組み合わせから決定される。UEが、インデックスjを有するパラメータセット構成とインデックスlを有するPUSCH電力制御調整状態とを使用して、サービング・セルcのキャリアfのアクティブUL BWP bにおいてPUSCHを送信する場合、UEは、PUSCH送信機会iにおけるPUSCH送信電力を、
PUSCH,b,f,c(i,j,q,l)=
【0043】
【数1】

として決定する。ここで、
CMAX, f,c(i)は、[非特許文献7]および[非特許文献8]で定義される構成された最大UE送信電力であり、
O_PUSCH, b,f,c(j)は、公称PUSCH送信電力PO_NOMINAL_ PUSCH, f,c(j)およびPO_UE_PUSCH, b,f,c(j)の合計からなるパラメータであり、両方ともgNBによって上位層を介して構成され[非特許文献3]、
【0044】
【数2】

は、リソース・ブロックの数で表されるPUSCHリソース割り当ての帯域幅であり、
PLb,f,c(q)は、DL基準信号(RS)インデックスq(パスロス基準RSの構成/表示は上述された通りである)を使用してUEによって計算されたdBのダウンリンクパスロス推定値であり、
αb,f,c(j)は、gNBによって上位層を介して構成されるパスロス補償係数であり、
b,f,c(i,l)は、gNBからの送信電力制御(TPC)フィードバックに依存する閉ループ電力補正関数である。
【0045】
3GPP Rel.16では、PDSCH送信の信頼性およびロバスト性を改善するマルチTRP送信が標準化された。(同じまたは異なる冗長バージョンで適用される)同じトランスポート・ブロックを搬送する複数のTRPから送信される複数のPDSCHは、単一のPDCCHを使用してスケジューリングされることが可能であり、これにより、UEは、異なるTRPから受信されたデータを適切に組み合わせて、PDSCHの信頼性を改善することができる。送信は、時間領域または周波数領域または空間領域において多重化され得る。各PDSCHマルチTRP信頼性方式の有効化および表示が、上位層とPHY層表示の組み合わせを使用して管理される。しかしながら、アップリンクにおいて直面するスケジューリング問題は、ダウンリンクのものとは異なる。本開示では、仕様に関するアップリンク・スケジューリングにおける主要な問題を論じ、次いで、単一TRPおよびマルチTRPのための信頼性ベースのPUSCHスケジューリングの一般的なフレームワークを提供する。
【0046】
3GPP Rel.16仕様は、単一のPDCCHによってスケジューリングされた複数のダウンリンクPDSCH送信を多重化するための手順を説明している[非特許文献4]。しかしながら、現在の仕様は、マルチTRPシナリオで活用され得るPUSCHのためのそのような多重化方法を説明していない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0047】
【非特許文献1】3GPP TS 38.211 V16.0.0: 「3GPP; TSG RAN; NR;物理チャネルおよび変調(Rel. 16)(3GPP; TSG RAN; NR; Physical channels and modulation (Rel. 16))」, Jan. 2020
【非特許文献2】3GPP TS 38.212 V16.0.0: 「3GPP; TSG RAN; NR;多重化およびチャネル符号化(Rel. 16)(3GPP; TSG RAN; NR; Multiplexing and channel coding (Rel. 16))」, Jan. 2020
【非特許文献3】3GPP TS 38.213 V16.0.0: 「3GPP; TSG RAN; NR;制御についての物理層手順(Rel. 16)(3GPP; TSG RAN; NR; Physical layer procedures for control (Rel. 16))」, Jan. 2020
【非特許文献4】3GPP TS 38.214 V16.0.0: 「3GPP; TSG RAN; NR; データについての物理層手順(Rel. 16)(3GPP; TSG RAN; NR; Physical layer procedures for data (Rel. 16))」, Jan. 2020
【非特許文献5】3GPP TS 38.321 V15.8.0: 「3GPP; TSG RAN; NR;媒体アクセス制御(MAC)プロトコル仕様(Rel. 15)(3GPP; TSG RAN; NR; Medium Access Control (MAC) protocol specification (Rel. 15))」, Jan. 2020
【非特許文献6】3GPP TS 38.331 V15.8.0: 「3GPP; TSG RAN; NR; 無線リソース制御(RRC);プロトコル仕様(Rel.15)(3GPP; TSG RAN; NR; Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Rel. 15))」, Jan. 2020
【非特許文献7】3GPP TS 38.101-1 V16.2.0: 「3GPP; TSG RAN;ユーザ機器(UE)無線送信および受信;パート1:範囲1 スタンドアロン(Rel. 16)(3GPP; TSG RAN; User Equipment (UE) radio transmission and reception; Part 1: Range 1 Standalone (Rel. 16))」, Jan. 2020
【非特許文献8】3GPP TS 38.101-2 V16.2.0: 「3GPP; TSG RAN;ユーザ機器(UE)無線送信および受信;パート2:範囲2 スタンドアロン(Rel. 16)(3GPP; TSG RAN; User Equipment (UE) radio transmission and reception; Part 2: Range 2 Standalone (Rel. 16))」, Jan. 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
上記の欠点に鑑みて、本明細書の実施形態の目的は、単一TRPと複数TRPの両方のシナリオに適用される改善された送信方式およびその構成を通じてPUSCHのロバスト性および性能を改善するための少なくとも方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0049】
本明細書のいくつかの実施形態の態様によれば、方法請求項1乃至6の主題のいずれか1つまたは方法請求項7乃至39の主題のいずれか1つに従って、UEによって実行される方法が提供される。
【0050】
本明細書の実施形態の別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるUEであって、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより、方法請求項1乃至6の主題のいずれか1つまたは方法請求項7乃至39の主題のいずれか1つを実行するUEが提供される。
【0051】
また、命令を備えるコンピュータ・プログラムであって、命令は、UEの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、方法請求項1乃至6のいずれか1項または方法請求項7乃至39のいずれか1項に記載の方法を、少なくとも上記のプロセッサに実施させる、コンピュータ・プログラムが提供される。
【0052】
本明細書のいくつかの実施形態の別の態様によれば、方法請求項40または方法請求項41の主題に従って、ネットワーク・ノードによって実行される方法が提供される。
本明細書の実施形態の別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるネットワーク・ノードであって、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより、方法請求項40または方法請求項41の主題を実行するように構成されるネットワーク・ノードが提供される。
【0053】
また、命令を備えるコンピュータ・プログラムであって、命令は、ネットワーク・ノードの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、少なくとも上記のプロセッサに方法請求項40または方法請求項41の主題を実施させる、コンピュータ・プログラムが提供される。
【0054】
また、コンピュータ・プログラムを含むキャリアであって、コンピュータ可読記憶媒体、電子信号、光信号、または無線信号のうちの1つであるキャリアが提供される。
【発明の効果】
【0055】
本明細書の実施形態の利点は、マルチTRPシナリオにおけるPUSCHの信頼性および性能を改善することである。
本明細書の実施形態の別の利点は、PUSCH送信のスケジューリングを改善することである。
【0056】
本明細書のいくつかの実施形態の別の利点は、多重化方式を使用してPUSCH送信のダイバーシティを増大させることである。
本明細書の実施形態のさらなる利点は、発明を実施するための形態において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】SRSリソース・セット構成(SoTA)を示す図。
図2】SRSリソース構成(SoTA)を示す図。
図3】いくつかの実施形態による多重化方式間の動的スイッチングの例を示す図。
図4】いくつかの実施形態による多重化方式間の動的スイッチングの別の例を示す図。
図5】いくつかの実施形態によるネットワーク・ノードによって実行される方法の流れ図。
図6】いくつかの例示的実施形態によるネットワーク・ノードのブロック図。
図7】いくつかの実施形態によるUEによって実行される方法の流れ図。
図8】いくつかの例示的実施形態によるUEのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下では、例示的実施形態の詳細な説明が図面と共に説明され、いくつかのシナリオにおいて本明細書に記載される解決策の理解を容易にすることができる。
PUSCH送信のスケジューリングに関与する送信パラメータは先に取り上げられている。本明細書における解決策は、複数のPUSCH送信をスケジューリングする、または単一のPUSCHのセグメント化された送信をスケジューリングする文脈で提供され、したがって、スケジューリングは、必要に応じて単一TRPまたはマルチTRPのいずれかのシナリオで実装されることが可能である。
【0059】
本明細書の実施形態によるスケジューリングは、PUSCHの信頼性およびロバスト性を改善する目的で実行される。異なるTRPに対する同じPUSCHデータの送信は、PUSCHデータの非コヒーレントな結合において役立ち、したがって、受信されたPUSCHデータの全体的なSNRを改善し得る。本開示において、マルチTRPシナリオにおけるPUSCH送信の種々の方法がスケジューリングにおける柔軟性を提供するために論じられる。
【0060】
本明細書における実施形態は、単一のPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされた1つまたは複数のPUSCH送信のための送信方式およびその構成に焦点を当てる。スケジューリングされたPUSCHは、各送信に使用される送信設定または送信パラメータに基づいて、単一のTRPまたは複数のTRPに送信され得る。そのような送信のスケジューリングの目的は、PUSCHのメトリクス、すなわち、信頼性、ダイバーシティ、および待ち時間のうちの1つまたは複数を改善することである。本開示では、そのような目的のためのPUSCHのスケジューリングに関する種々の問題が取り扱われる。
1) PUSCHのスケジューリングの表示(スケジューリングされたPUSCHの数、リソース割り振りなど)
2) SRSおよびDMRSポート表示、
3) 冗長バージョン(RV)、
4) 送信電力制御(TPC)、
5) 時分割多重化(TDM)または周波数分割多重化(FDM)または空間分割多重化(SDM)といった多重化方式の1つまたは組み合わせのスケジューリング
6) 信頼性のためのPUSCH繰り返し
7) ULにおける設定のようなTCI状態を有する送信設定の送信パラメータの表示
本開示を通して、単一のPDCCHまたは単一の上位層グラントを介したn個のPUSCHまたはn回のPUSCH送信のスケジューリングは、PDCCHまたは上位層グラントが、同じまたは異なるトランスポート・ブロックに関連付けられ得るn回のPUSCH送信機会またはn個のPUSCH符号語をスケジューリングすることを意味する。
【0061】
<複数のPUSCH送信またはセグメント化PUSCH送信の構成および表示>
マルチTRPコンテキストにおけるPUSCHの信頼性、ダイバーシティ、および待ち時間の改善は、上位層構成とPHY層シグナリングの組み合わせを用いて行われ得る。UEは、複数のPUSCH送信またはセグメント化PUSCH送信のスケジューリング要求を受信してよく、ここで、各PUSCH送信またはPUSCHセグメントは、送信設定の異なる(1つまたは複数の)送信パラメータに関連付けられ、送信設定は、後述されるように送信パラメータのセットを含む。
【0062】
本明細書のいくつかの実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノード(またはgNB)によって、1つまたは複数のPUSCH送信機会をスケジューリングする単一のPDCCH/DCIまたは上位層グラントを受信するように構成される。
【0063】
- 1つのPUSCH送信機会がスケジューリングされる場合、UEは、PUSCHの少なくとも2つのセグメント/部分を送信するようにスケジューリングされてよく、1つのセグメントについて、セグメントに関連付けられた以下の送信パラメータ、すなわち、DMRSポート、アンテナ・ポート、パスロス基準RS、TPCコマンド、空間的関係、周波数領域リソース、および時間領域リソースのうちの少なくとも1つは、PUSCHの少なくとも1つの他のセグメント/部分に関連付けられた対応するパラメータとは異なる。したがって、PUSCHの各セグメントは、送信パラメータのセットを含む送信設定に関連付けられ、PUSCHのセグメントのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの送信パラメータは、PUSCHの少なくとも1つの他のセグメントに関連付けられた対応する送信パラメータとは異なる。
【0064】
- 複数のPUSCH送信機会がスケジューリングされる場合、各PUSCH送信機会は、送信パラメータを含む送信設定に関連付けられ、PUSCH送信機会のうちの1つに関連付けられた少なくとも1つの送信パラメータは、少なくとも1つの他のPUSCH送信機会に関連付けられた対応する送信パラメータとは異なる。送信パラメータは、DMRSポート、アンテナ・ポート、送信に関して推定されるパスロスを決定するためのパスロス基準RS、TPCコマンド、空間的関係またはビーム方向、周波数領域リソース、および時間領域リソースを含む。
【0065】
PUSCH送信機会のセグメント、またはPUSCH送信のセグメント、またはPUSCHセグメントは、関連付けられたPUSCH符号語の一部として定義されてよく、部分またはセグメントに関連付けられた送信設定の以下のパラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、パスロス基準RS、TPCコマンド、空間的関係、周波数領域リソース、および時間領域リソースのうちの少なくとも1つは、同じPUSCH符号語の少なくとも1つの他の部分またはセグメントの少なくとも1つの対応する送信パラメータとは異なる。
【0066】
送信パラメータを含む送信設定は、PDCCH(またはDCI)または上位層グラントにおいて指し示されることが可能である。UEは、上位層を介して、PDCCHまたは上位層グラントが複数のPUSCH送信をスケジューリングし得ることを通知されることが可能である。
【0067】
したがって、1つのPUSCH送信機会がスケジューリングされ、PDCCH(もしくはDCI)または上位層グラントが、例えば、2つの送信設定を含む場合、これは、UEがPUSCHの2つのセグメントを送信するようにスケジューリングされることを意味し、PUSCHの各セグメントは前述されたように送信設定に関連付けられる。
【0068】
上記の実施形態で説明されたPUSCH繰り返し、すなわち、複数のPUSCH送信機会のスケジューリングの場合、スケジューリングの特殊な方式が可能であり得る。
実施形態によれば、単一のPDCCH/DCIまたは上位層グラントは、UEからのn>1回のPUSCHまたはPUSCH送信機会をスケジューリングし、同じPUSCHトランスポート・ブロックは、次のようにUEによってn回送信されるようにスケジューリングされる。すなわち、n回の送信のうちのn’<n回は、アップリンク送信パラメータの第1のセットを用いてスケジューリングされ、残りのn-n’回の送信は、他のn’回の送信に使用される送信パラメータの第1のセットからの対応する送信パラメータとは異なる少なくとも1つのアップリンク送信パラメータを用いてスケジューリングされる。例えば、n回の送信のうちのn’<n回は、第1のセットのアンテナ・ポート、パスロス基準RS、TPCコマンドなどを用いてスケジューリングされてよい。残りのn-n’回の送信は、他のn’回の送信とは異なるセットのアンテナ・ポート、パスロス基準RS、TPCコマンドを用いてスケジューリングされる。n回の全送信のうちで第1セットのn’回の送信および第2セットのn-n’回の送信がスケジューリングされる順序は、gNBまたはネットワーク・ノードによって指し示されてよく、または仕様で固定されてよい。この方法の使用事例は、例えば、2つの異なるTRPに対して同じPUSCH TBの繰り返しである。第1のn’回の送信は第1のTRPに向けられてよく、残りのn-n’回の送信は第2のTRPに向けられてよい。
【0069】
セグメント化PUSCH送信の場合、例えば、PUSCHの1つのセグメントに関連付けられた1つの送信設定における送信パラメータの空間的関係は、同じPUSCHの他のセグメントに関連付けられた他の送信設定における対応する送信パラメータの空間的関係とは異なる。したがって、同じPUSCHの異なるセグメントは、異なる方向にビームフォーミングされ、各方向は特定のTRPに対応し得る。
【0070】
一実施形態によれば、UEは、上位層パラメータをgNBまたはネットワーク・ノードから受信するように構成され、この上位層パラメータは、n(n≧1)回のPUSCH送信機会または単一のPUSCHのn(n≧1)個のPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントをUEが受信し得ることを指し示す。例えば、コードブックおよび非コードブックPUSCH送信と共に、PUSCH送信の新しい送信構成が「txConfig」に導入されることが可能である。例えば、パラメータ「txConfig」が「multiPUSCH」に設定された場合、それは、1つまたは複数のPUSCH送信をスケジューリングする単一のPDCCHをUEが受信し得ることを指し示す。別の例では、PUSCHの上位層構成は、単一のPDCCHまたは上位層グラントを使用して1つまたは複数のPUSCH送信のスケジューリングを指し示す「enabledMultiPUSCHscheduling」と題される追加のパラメータを含んでよい。
【0071】
別の方法では、パラメータ「txConfig」が設定されていないとき、UEは、PDCCHが複数のPUSCH送信機会または単一のPUSCHの複数のPUSCHセグメントをスケジューリングすることを期待し得る。3GPP Rel.16では、UEがパラメータ「txConfig」を用いて構成されていないとき、UEは、DCIフォーマット0_1 でスケジューリングされることを期待しない。以下の方法では、このシナリオが、複数のPUSCH送信をスケジューリングするために利用される。
【0072】
例示的な実施形態によれば、UEが上位層パラメータ「txConfig」を用いて構成されない場合、UEは、n(n≧1)回のPUSCH送信または単一のPUSCHのn(n≧1)個のPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHを受信することを期待する。
【0073】
例えば、UEが上位層パラメータ「txConfig」を用いて構成されない場合、UEは、n回のPUSCH送信(n≧1)または単一のPUSCHのn個(n≧1)PUSCHセグメントをスケジューリングするDCIフォーマット0_1または新しく導入されたDCIフォーマットを使用して、PDCCHを受信し得る。この方法によって、gNBは、前述のDCIフォーマットを介した複数PUSCHスケジューリングと、DCIフォーマット0_0を介した単一PUSCHスケジューリングとを切り替え得る。PHY層を介したそのような動的スケジューリングは、上位層を介した単一/マルチTRP PUSCHスケジューリングの表示と比較して、待ち時間をかなり減少させる。さらに、UEと各TRPとの間のチャネル状態に関するPUSCHのスケジューリングをgNBが物理層を介して動的に調整することを可能にする。
【0074】
PDCCHまたは上位層グラントが複数のPUSCH送信またはセグメント化PUSCH送信をスケジューリングする場合、多重化技術がUEに対して指し示される。PUSCH送信機会を複数のTRPに送信する様々な可能性がある。以下の実施形態は、PUSCH送信の信頼性を高める様々な多重化方式を提案する。
【0075】
<TDMベースのPUSCH多重化>
一実施形態によれば、スロット内TDMベースPUSCHスケジューリングの場合、ネットワーク・ノードは、UEに対して、少なくとも2つのPUSCHセグメントまたは少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングするように構成され、ここで、すべてのPUSCHセグメントまたはすべてのPUSCH送信機会は、同じスロット内でスケジューリングされ、各PUSCHセグメントまたは各PUSCH送信機会は、他のPUSCHセグメントまたはPUSCH送信機会がスケジューリングされるシンボルのセットとは異なるシンボルのセットにおいてスケジューリングされる。
【0076】
スロット内TDMベース送信に関係付けられた異なる方式が以下に論じられる。
(方式1-1:スロット内TDMベースPUSCH送信)
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信機会をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成される。n回のPUSCH送信は、同じスロット内で時分割多重化され(TDMed)、ここで、i番目のPUSCH送信はシンボルaからシンボルbまで行われ、a≦b∀i、b<a∀i<jである。n回のPUSCH送信機会は、同じまたは異なるPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられてよい。複数のPUSCH送信機会のこのタイプのTDMベースのスロット内スケジューリングは、UEに対する上位層パラメータの構成を介して可能にされ得る。パラメータがUEに対して構成された場合、UEは、同じ(時間)スロットでTDMされたn(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングする単一のPDCCHを受信することを期待し得る。
【0077】
スロット内TDM方式は、送信の信頼性を高めることが可能である。例えば、UEは、n回のPUSCH送信機会のための同じTBに関連付けられた符号語を、バックホール・ネットワークを介して受信符号語を組み合わせることができるn個の異なるTRPに対して送信することが可能である。異なるTRPに対して送信が実行される場合、各PUSCH送信は、異なる送信設定またはパラメータに関連付けられ得る。
【0078】
例示的な実施形態によれば、PUSCH送信に関連付けられた以下のパラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つは、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた他のPUSCH送信に関連付けられたパラメータとは異なり得る。これは、異なる電力制御および/またはビームフォーミング設定が異なるTRPに対する送信に使用されるマルチTRP送信の場合に使用される。
【0079】
(方式1-2:TBセグメント化を伴うスロット内TDMベースPUSCH送信)
例示的な実施形態では、UEは、単一のPUSCH送信機会をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、スケジューリングされたPUSCH送信は、n(n>1)個のセグメントを含んでよく、PUSCHのi番目のセグメントが所与のスロット内でシンボルaからシンボルbまで送信され、ここで、a≦b∀i、b<a∀i<jである。これは、PUSCH送信のセグメントが、スロット内の異なるシンボル・セットにTDMされることを意味する。スロット内ベースでTDMベースであるPUSCH送信のこの方法は、例えば、UEに対する上位層シグナリングを介して可能にされ得る。
【0080】
単一のPUSCH符号語の異なるセグメントが、異なるTRPに送信されてよく、したがって、各送信は異なる送信設定を有してよい。個々のセグメントは、バックホール・ネットワークを介してTRP間で結合される。この種の多重方式は、送信のダイバーシティを増大させる。符号語セグメント化を伴うスロット内TDMベースPUSCH送信は、例えば、UEに対する上位層表示を介して可能にされ得る。
【0081】
例示的な実施形態によれば、PUSCH送信のセグメントに関連付けられた以下のパラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つは、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた同じPUSCH送信の他のセグメントに関連付けられたパラメータとは異なり得る。異なる送信設定が、異なるTDMされたセグメントに対して設定されたとき、各セグメントは異なるTRPに送信され得る。
【0082】
(方式2-1:スロット間TDMベースPUSCH送信)
スロット間TDMベース送信シナリオでは、ネットワーク・ノードは、UEに対して、少なくとも2つの異なるPUSCH送信機会をスケジューリングするように構成され、各PUSCH送信機会は、以下に説明されるように、異なるスロットにおいてスケジューリングされる、
実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、i番目のPUSCH送信はスロットpにおいてシンボルaからシンボルbまで行われ、ここで、a≦b∀i、およびp<p∀i<jである。n回のPUSCH送信機会は、同じまたは異なるPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられてよい。このタイプのスロット間マルチTRP PUSCH送信は、例えば、UEに対する上位層パラメータの構成を介して可能にされ得る。パラメータが構成された場合、UEは、複数のスロットまたは異なるスロットにわたってTDMされたn(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHを受信することを期待する。
【0083】
マルチTRPコンテキストにおいて、このスロット間TDM方式は、同じTBに関連付けられた符号語が、n回のスケジューリングされたPUSCH送信機会で送信されるときに、送信の信頼性を高める。従来の多重化技術と同様に、各PUSCH送信機会に対して異なる送信設定の適用が可能である。
【0084】
例示的な実施形態によれば、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたPUSCH送信に関連付けられた以下のパラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つは、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた他のPUSCH送信に関連付けられたパラメータとは異なり得る。これは、スロット間のTDMされたPUSCHのマルチTRPベース送信のための道を開く。
【0085】
<FDMベースのPUSCH多重化>
一実施形態によれば、ネットワーク・ノードは、UEに対して、少なくとも2つのPUSCHセグメントまたは少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングするように構成され、少なくとも1つのPUSCHセグメントまたはPUSCH送信機会がスケジューリングされるPRBのセットは、他の1つのPUSCHセグメントまたは他の1つのPUSCH送信機会がスケジューリングされるPRBのセットと部分的または完全に異なる。以下に、FDMベースのPUSCH多重化方式に関係付けられたいくつかの実施形態が説明される。
【0086】
(方式3-1:FDMベースのPUSCH送信)
実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、i番目のPUSCH送信は、スケジューリングされたスロット内でPRB Ψ={ai,1,…ai,P}において行われる。n回のPUSCH送信のためのPRBは、部分的に重複すること、または重複しないことがあり、すなわち、一部もしくは全部のi≠jについてΨ∩Ψ≠φ、またはΨ∩Ψ=φ∀i≠jであり得る。すべてのPUSCH送信は、スケジューリングされたスロットにおいてシンボルsstartからシンボルsendまで行われ得る。n回のPUSCH送信機会は、同じまたは異なるPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられてよい。このタイプの周波数分割多重化(FDM)ベース複数PUSCH送信方式は、例えば、UEに対する上位層パラメータの構成を介して可能にされ得る。パラメータが構成された場合、UEは、所与のスロットにおいてFDMされたn(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングする単一のPDCCHを受信することを期待し得る。
【0087】
例えば、重複しない周波数割当てが、PUSCHに利用可能な帯域幅(またはPUSCHが送信されるUL BWP(帯域幅部分))を、各PUSCH送信に対する等しい部分に分割することによって行われ得る。各PUSCHに割り当てられる部分は、上位層構成または表示に応じて連続する場合と連続しない場合がある。
【0088】
PUSCHを異なるTRPに対して送信するとき、PUSCH送信機会に対して異なる送信設定が適用され得る。
例示的な実施形態によれば、PUSCH送信に関連付けられた以下のパラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つは、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた他のPUSCH送信に関連付けられたパラメータとは異なり得る。
【0089】
(方式3-2:TBセグメント化を伴うFDMベースのPUSCH送信)
一実施形態によれば、UEは、単一のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、スケジューリングされたPUSCH送信は、n(n>1)個のセグメントを含んでよく、i番目のセグメントはPRB Ψ={ai,1,…ai,P}において送信され、各部分に対するPRBは、部分的に重複すること、または重複しない(すなわち、互いに異なる)ことがあり、すなわち、一部もしくは全部のi≠jについてΨ∩Ψ≠φ、またはΨ∩Ψ=φ∀i≠jであり得る。すべてのPUSCH送信は、スケジューリングされたスロットにおいてシンボルsstartからシンボルsendまで行われ得る。単一のPUSCH TBのこのダイバーシティ・ベースでFDMベースの送信は、例えばUEに対する上位層構成または表示を介して、gNBまたはネットワーク・ノードによって可能にされ得る。
【0090】
例えば、前述されたように、重複しない周波数割当てが、PUSCHに利用可能な帯域幅(またはPUSCHが送信されるUL BWP)を、個々のセグメントに対する等しい部分に分割することによって行われ得る。各セグメントに割り当てられる部分は、上位層シグナリングに応じて連続する場合と連続しない場合がある。
【0091】
前述の方法と同様に、UEが各セグメントを異なるTRPに送信するとき、異なる送信パラメータがセグメント毎に必要とされ得る。
例示的な実施形態によれば、PUSCH送信のセグメントに関連付けられた以下のパラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つは、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたPUSCH送信の他のセグメントに関連付けられたパラメータとは異なり得る。
【0092】
<SDMベースのPUSCH多重化>
このシナリオでは、ネットワーク・ノードは、UEに対して、少なくとも2つのPUSCH送信機会またはUSCH送信機会の少なくとも2つのPUSCHセグメントをスケジューリングするように構成され、各PUSCHセグメントまたは各PUSCH送信機会は、以下に説明されるように、異なるセットのDMRSポートおよび/またはアンテナ・ポートに関連付けられる。
【0093】
(方式4-1:SDMベースのPUSCH送信)
実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、各PUSCH送信は、異なるアンテナおよび/またはDMRSポートに対して行われる。すべてのPUSCH送信は、スケジューリングされたスロットにおいて同じ時間および周波数領域リソースに関連付けられ得る。複数のPUSCH送信を空間多重化するこの方法は、例えば、UEに対して指し示された上位層構成または上位層パラメータを介して可能にされ得る。一例では、n(n>1)回のPUSCH送信がスケジューリングされる場合、n’<n回の送信が、同じセットのアンテナおよび/またはDMRSポートに関連付けられ得る一方、残りのn-n’回の送信のうちの少なくとも1つは、上記のn’回の送信とは異なるアンテナまたはDMRSポートのセットに関連付けられ得る。
【0094】
例えば、空間分割多重化された(SDMed)2つのPUSCH送信は、d個のDMRSポートおよびa+a個のアンテナ・ポートを指し示すPDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされてよく、第1のセットのa個のアンテナ・ポートは、第1のSRSリソースまたは第1のDL RSの受信に関連付けられ、第1のセットのアンテナ・ポートとは異なる第2のセットのa個のアンテナ・ポートは、第2のSRSリソースまたは第2のDL RSの受信に関連付けられる。i番目のPUSCHは、i番目のセットのDMRSおよびアンテナ・ポートを使用して送信される(アンテナ・ポート・セットは、上述のような関連付けられたSRSリソースまたはDL RSに基づいて決定される)。DMRSポートは、ポートが関連付けられる符号分割多重(CDM)グループに従って、またはi番目のPUSCH送信に使用されるアンテナ・ポートの数を基準にして、セットに分割され得る。例えば、4個のアンテナ・ポートおよび3個のDMRSポートが、2つのPUSCH送信に対して定義され、3つのDMRSポートを2つの異なるCDMグループにグループ化されることが可能であり(例えば、3つのポートp、p、pが指し示され、ポートpおよびpはCDMグループ0に属し、ポートpはCDMグループ1に属する)、第1のPUSCHは、第1の2つのアンテナ・ポートおよびDMRSポートp、pを使用して送信され、第2のPUSCHは、第2の2つのアンテナ・ポートおよびDMRSポートpを使用して送信される。この例では、各PUSCHは、対応するDMRSおよびアンテナ・ポートを使用して、異なるTRPに対して送信され得る。
【0095】
信頼性ベースのSDMは、n個のPUSCHがn個の異なるTRPに対してスケジューリングされたときに実行されることができ、すべての送信は、同じトランスポート・ブロック(TB)に関連付けられる。他の方法と同様に、各PUSCHの送信設定は、例えば、各PUSCHを異なるTRPに対して送信するときに異なり得る。
【0096】
例示的な実施形態によれば、PUSCH送信に関連付けられた以下のパラメータ(または送信設定)、すなわち、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つは、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた他のPUSCH送信に関連付けられたパラメータ(または送信設定)とは異なり得る。
【0097】
(方式4-2:TBセグメント化を伴うSDMベースのPUSCH送信)
実施形態によれば、UEは、単一のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、PUSCHは、n(n>1)個のセグメントを含んでよく、各セグメントは、異なるアンテナおよび/またはDMRSポートを使用して送信される。上記のPUSCH送信のすべてのセグメントは、スケジューリングされたスロットにおいて同じ時間および周波数領域リソースに関連付けられ得る。この方法と従来の空間多重化方式との違いは、PUSCH送信のセグメントに関連付けられた以下のパラメータ、すなわち、送信電力制御(TPC)コマンド、パスロス基準RS、および空間的関係のうちの少なくとも1つが、PUSCH送信の他のセグメントに関連付けられたパラメータとは異なることである。一例では、n(n>1)個のPUSCHセグメントがスケジューリングされる場合、n’<n個のセグメントが、同じセットのアンテナおよび/またはDMRSポートに関連付けられ得る一方、残りのn-n’個のセグメントのうちの少なくとも1つは、上記のn’個のセグメントとは異なるアンテナおよび/またはDMRSポートのセットに関連付けられ得る。
【0098】
例えば、セグメント化されたSDMされたPUSCH送信は、d個のDMRSポートおよびa+a個のアンテナ・ポートを指し示すPDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされてよく、第1のセットのa個のアンテナ・ポートは、第1のSRSリソースまたは第1のDL RSの受信に関連付けられ、第1のセットのアンテナ・ポートとは異なる第2のセットのa個のアンテナ・ポートは、第2のSRSリソースまたは第2のDL RSの受信に関連付けられる。PUSCHのi番目のセグメントは、i番目のセットのDMRSおよびアンテナ・ポートを使用して送信される(アンテナ・ポート・セットは、上述のような関連付けられたSRSリソースまたはDL RSに基づいて決定される)。DMRSポートは、(DMRS)ポートが関連付けられるCDMグループに従って、またはi番目のPUSCHセグメントに使用されるアンテナ・ポートの数を基準にして、セットに分割され得る。例えば、4個のアンテナ・ポートおよび3個のDMRSポートが、2つのPUSCHセグメントに対して定義され、3つのDMRSポートを2つの異なるCDMグループにグループ化されることが可能であり(3つのポートp、p、pが指し示され、ポートpおよびpはCDMグループ0に属し、ポートpはCDMグループ1に属する)、第1のPUSCHは、第1の2つのアンテナ・ポートおよびDMRSポートp、p上で送信され、第2のPUSCHは、第2の2つのアンテナ・ポートDMRSポートp上で送信される。この例では、各PUSCHセグメントは、対応するDMRSおよびアンテナ・ポートを使用して、異なるTRPに対して送信され得る。
【0099】
SDMベースのPUSCH送信方式は、UEに対する上位層構成または表示を介して可能にされ得る。
<PUSCH多重化方式の有効化>
実施形態によれば、多重化方式(例えば、TDMもしくはFDMもしくはSDMベースの方式、またはTDMもしくはFDMもしくはSDMベースの方式の組み合わせ)は、1つまたは複数の上位層パラメータを介してUEに対して構成または指し示され得る。これは、1つもしくは複数の新しい上位層パラメータを導入すること、または既存のNRリリース16上位層パラメータ、例えば、PUSCHの構成におけるパラメータ「txConfig」を再利用することによって実行され得る。例えば、上位層パラメータが「multiPUSCHTDMintraSlotA」または「multiPUSCHTDMintraSlotB」を用いて構成されたとき、UEは、TDMベースのスロット内PUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを期待する。同様に、上位層パラメータが「multiPUSCHTDMinterSlot」を用いて構成されたとき、UEは、TDMベースのスロット間PUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを期待する。同様に、「multiPUSCHFDMSchemeA」、「multiPUSCHFDMSchemeB」、「multiPUSCHSDMSchemeA」、または「multiPUSCHSDMSchemeB」を用いて上位層パラメータを構成することによって、他の多重化方式が指し示される。また、2つ以上の多重化方式の組み合わせを指し示すことも可能であり得る。そのような表示では、UEは、上述された方法の適切な組み合わせを使用してよい。例えば、UEは、上位層を介して、時間と空間の両方で多重化された複数のPUSCHまたはPUSCHセグメントをUEが送信できることを指し示され得る。
【0100】
<PUSCH多重化のためのアンテナ・ポート表示>
以下の実施形態では、ネットワーク・ノードがUEに対する1つまたは複数のPUSCH送信をスケジューリングする場合の前述された多重化方式のためのアンテナ・ポート表示を論じる。
【0101】
一実施形態によれば、UEは、gNBによって、上記に提案された多重化方式の1つを使用してn(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成される。単一のPDCCHまたは上位層グラントが、n個の異なるSRSリソースを指し示し、各SRSリソースはPUSCH送信機会に関連付けられ得る。各PUSCH送信機会は、UEによって、対応するSRSリソースに関連付けられたSRSポートを使用して実行される。n個のSRSリソースは、SRSリソース・インジケータ、SRIフィールド、またはスケジューリングPDCCHもしくは上位層グラントにおける新しいフィールドを介して指し示され得る。n個のSRSリソースは、同じSRSリソース・セットまたは異なるSRSリソース・セットに関連付けられることがある。この方法の特別なケースは、最大n個のSRSリソースの表示である。第1の例では、単一のPDCCHまたは上位層グラントは、1<n’≦n個の異なるSRSリソースを指し示すことができ、各PUSCH送信機会がn’個のSRSリソースのうちの1つと関連付けられる。n’≦nである場合、単一のSRSリソースが複数のPUSCH送信機会に関連付けられ得る。第2の例では、単一のPDCCHまたは上位層グラントは、SRSリソースの1<n’≦n個のグループを指し示すことができ、各グループは、1つまたは複数のSRSリソースを含み、各PUSCH送信機会は、1つまたは複数のSRSリソースのグループのうちの1つと関連付けられる。n’<nであるとき、SRSリソースのグループが複数のPUSCH送信機会に関連付けられ得る。ここで、SRSリソースの各グループは、異なるSRSリソース・セットに属することができる。特別な場合、SRSリソースは、1つまたは複数のSRIフィールドを介して指し示され得る。
【0102】
例えば、PUSCHの2回のPUSCH送信機会が、2つのSRSリソースを指し示すPDCCHを介してスケジューリングされ、第1のSRSリソースおよび第2のSRSリソースがそれぞれ、アンテナ・ポート
【0103】
【数3】

および
【0104】
【数4】

、に関連付けられた場合、第1のPUSCH機会は、ポート
【0105】
【数5】

(第1のSRSリソースに関連付けられる)を使用して送信され、第2のPUSCH機会は、ポート
【0106】
【数6】

(第2のSRSリソースに関連付けられる)を使用して送信される。
【0107】
ダイバーシティ・ベースのPUSCH送信は、以下のように構成され/指し示される。
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)個のSRSリソースの表示と共に単一のPUSCH送信機会をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、SRSリソースの表示は、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおけるSRSリソース・インジケータ・フィールドまたは新しいフィールドを使用して実行され得る。i番目のPUSCHセグメントの送信は、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示されるi番目のSRSリソースに関連付けられたSRSポートを使用して実行される。UEは、前述の方式(1-2)または方式(3-2)または方式(4-2)を用いて構成されることが可能である。
【0108】
例えば、PUSCHが、2つのSRSリソースを指し示すPDCCHを介してスケジューリングされ、第1のSRSリソースおよび第2のSRSリソースがそれぞれ、アンテナ・ポート
【0109】
【数7】

および
【0110】
【数8】

、に関連付けられた場合、第1のPUSCHセグメントは、ポート
【0111】
【数9】

(第1のSRSリソースに関連付けられる)を使用して送信され、第2のPUSCHセグメントは、ポート
【0112】
【数10】

(第2のSRSリソースに関連付けられる)を使用して送信される。
【0113】
別の方法では、すべてのPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)が、単一のSRSリソースに関連付けられたアンテナ・ポートを介して実行されてよい。
【0114】
一実施形態によれば、UEは、n(n≧1)回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、PDCCHまたは上位層グラントは、単一のSRSリソースのみを指し示す。すべてのPUSCH送信は、指し示されたSRSリソースに関連付けられたSRSポートに対応する同じアンテナ・ポート上で実行される。
【0115】
そのようなスケジューリングは、単一のアンテナ・ポートのみを備えるUE、または関連付けられたSRSリソース・セットに単一のSRSリソースのみが構成されたUEにおいて行われ得る。また、所望のアンテナ・ポート・セット内の時間/周波数/空間でPUSCHを多重化するオプションを提供することが、スケジューラの観点から望ましい可能性があり、ここで、すべてのポートが同じリソースに関連付けられてよい。
【0116】
また、UEが備えるアンテナ・ポートまたはUEが構成できるSRSリソースもしくはSRSリソース・セットの数に関して制約を有して、UEに対するスケジューリングPDCCHまたは上位層グラントに命令が含まれてもよい(UE性能は、SRSに関して受信できる上位層構成を制限し得る)。以下の実施形態は関連する制限を提示する。
【0117】
例示的な実施形態によれば、UEが、n(n≧1)回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信したとき、UEは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントがSRSリソースを指し示さないことを期待する。SRSリソースは、UEに事前に知られ、すなわち、仕様で定義されたデフォルトのSRSリソースをUEが使用するか、または、スケジューリングPDCCHもしくは上位層グラントに関連付けられたSRSリソース・セットにおいてUEに対し上位層を介して構成されたSRSリソースのみが存在する。PUSCHスケジューリングPDCCHまたは上位層グラントに関連付けられたSRSリソース・セットは、PUSCHをスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントの受信の前で直近に、ULチャネルをサウンディングするのに使用されるものである(使用状態パラメータが、対応するPUSCH送信構成と一致する必要があり得る)。
【0118】
例示的な実施形態によれば、UEは、スケジューリングPDCCHもしくは上位層グラントに関連付けられたSRSリソース・セット内の1つのSRSリソースのみまたは1つのSRSポートのみを用いて構成された場合にスケジューリングされたPUSCH送信のためのSRSリソースを指し示す単一のPDCCHまたは単一の上位層グラントを受信することを期待しない。
【0119】
別の例示的な実施形態によれば、1つもしくは複数のSRSリソース・セットが、PUSCH送信機会をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントに関連付けられた場合、または1つもしくは複数のSRSリソース・セットが、PUSCH送信機会のいずれかに関連付けられた場合、UEは、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントにおいて、1つのみのSRSリソースを備える関連付けられたSRSリソースからのSRSリソースを指し示す1つもしくは複数のインジケータまたは1つもしくは複数のフィールドを提供されることを期待しない。
【0120】
PUSCHのスケジューリングに関するそのような制限により、上記の多重化技法のすべてが適用可能であるとは限らない。例えば、単一ポートUEまたは上位層を介して1つのSRSリソース構成のみで構成され得るUEでは、FDMまたはTDMベースの複数のPUSCH送信のみが可能であり得る。複数のPUSCH送信の空間多重化は、UEが十分な数の指し示されるアンテナ・ポートまたはSRSリソースを有していないため、不可能であり得る。
【0121】
上記では、UEが備えるアンテナ・ポートまたはUEが構成できるSRSリソースもしくはSRSリソース・セットの数に関して制約を有してUEに対してスケジューリングPDCCHまたは上位層グラントで制限が提案された(UE性能は、SRSに関して受信できる上位層構成を制限し得る)。
【0122】
<PUSCH多重化のためのアップリンク送信構成表示>
以下では、アップリンク送信構成表示(UL-TCI)状態フレームワークに基づく1つまたは複数のPUSCH送信のための空間的関係、アンテナ・ポート、およびパスロス基準RSの表示のためのフレームワークが提案される。UL TCI状態は、DLの対応するものと同様に、1つまたは複数のPUSCH送信に使用される以下の送信パラメータのうちの少なくとも1つ、すなわち、DMRSポート、アンテナ・ポート、空間的関係、およびパスロス基準RSのうちの少なくとも1つを含む、アップリンク送信のための構成を指し示すことが可能である。アンテナまたはDMRSポートは、ULまたはDLにおける基準信号またはチャネル・リソースを介してUL-TCIで指し示され得る。UL-TCIは、上記のパラメータに加えて、アルファ、p0、または閉ループ電力制御インデックスなどの1つまたは複数の電力制御パラメータを提供することもある。
【0123】
例えば、UL-TCI状態が基準としてDL RS(CSI-RSまたはSSB)またはDLチャネル(CORESET)を指し示す場合、UEは、PUSCHの送信のために上記DL RSまたはDLチャネルの受信に使用されるアンテナ・ポートを使用するものとする。同様に、UL-TCI状態が基準としてUL RS(SRS)またはULチャネル(PUCCHリソース)を含む場合、UEは、PUSCHの送信のために上記UL RSまたはULチャネルの送信に使用されるアンテナ・ポートを使用するものとする。したがって、本開示における「UL-TCI状態によって指し示されるアンテナ・ポート」の言及は、UL-TCI状態によって指し示されるRSまたはチャネル・リソースの送信または受信に関連付けられたアンテナ・ポートを意味する。同様に、UL-TCI状態は、DLまたはUL基準信号および/またはチャネル・リソースを使用してUL送信のためのパスロス基準または空間的関係を指し示すことがある。
【0124】
UL TCI状態がUEに対して構成されてよく、任意選択で、上位層を介して絞り込んで選択されてPDCCHを介して指し示されてよい。したがって、PDCCHは、UL-TCI状態表示フィールド(例えば、DCI)を備え、1つまたは複数のPUSCH送信をスケジューリングすることが可能である。UL-TCI状態は、スタンドアロンとして、またはSRIベースのポート表示と共に、PUSCH送信のスケジューリングに使用され得る。
【0125】
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)をスケジューリングする単一のPDCCHを受信するように構成され、スケジューリングするPDCCHは、UL-TCIフィールド(DCI内)を備え、フィールドの各コードポイントは、最大n個のUL-TCI状態にマッピングされ、各UL-TCI状態は、以下の送信パラメータ、すなわち、DMRSポート、アンテナ・ポート、空間的関係、およびパスロス基準RSのうちの少なくとも1つを指し示す。これは、コードポイントによって指し示される第1のUL-TCI状態が第1のPUSCH送信に関連付けられてよく、コードポイントによって指し示される第2のUL-TCI状態が第2のPUSCH送信に関連付けられてよく、以下同様であることを意味する。各PUSCH送信は、関連付けられたUL-TCI状態で指し示される送信設定を使用して行われる。
【0126】
同様のパラメータが、複数のPUSCH送信をスケジューリングする上位層グラントに導入されてよい。
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)をスケジューリングする上位層グラントを受信するように構成され、構成におけるパラメータは、最大n個のUL-TCI状態を指し示し、各UL-TCI状態は、以下の送信パラメータ、すなわち、DMRSポート、アンテナ・ポート、空間的関係、およびパスロス基準RSのうちの少なくとも1つを指し示す。これは、コードポイントによって指し示される第1のUL-TCI状態が第1のPUSCH送信に関連付けられてよく、コードポイントによって指し示される第2のUL-TCI状態が第2のPUSCH送信に関連付けられてよく、以下同様であることを意味する。
【0127】
代替形態では、各PUSCH送信に適用されるアンテナ・ポートは、UL-TCI状態フィールドの代わりに、(DCIまたは上位層グラントの)SRSリソース・インジケータ・フィールドによって指し示されてよい。例えば、n回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが、DCIまたは上位層グラントのSRIフィールドを介して最大n個のSRSリソースを指し示すことによって、各PUSCH送信に使用されるアンテナ・ポートを指し示してよく、n回のPUSCH送信に使用される空間的関係が、UL-TCI状態を指し示すDCIのUL-TCIフィールドまたは上位層パラメータを介して指し示されてよい。SRIフィールド(DCIのフィールドまたは上位層グラントのSRIパラメータ)は、最大n個のSRSリソースに対してマッピングし得る。これは、SRIフィールドの第1の値が第1のグループのn≦n個のSRSリソースに関連付けられてよく、SRIフィールドの第2の値が第2のグループのn≦n個のSRSリソースに関連付けられてよく、以下同様であることを意味する。SRIフィールドまたはSRIフィールドのコードポイントにより提供されるSRSリソースによって指し示されるアンテナ・ポートは、n回のスケジューリングされたPUSCH機会のうちの少なくとも1つにおいてPUSCHの送信のために使用され得る。これは、指し示されたSRSリソースの数がn未満であるとき、複数のPUSCH送信機会がSRSリソースに関連付けられ得ることを意味する。
【0128】
別の例では、n回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、
【0129】
【数11】

個のSRSリソースを指し示すことが可能である。表示は、1≦n’≦n個のSRSリソース表示フィールドによって提供され得る。i番目のSRIフィールドのコードポイントは、最大ni,max≧n個のSRSリソース、または各グループに1つまたは複数のリソースを有する最大n’個グループのSRSリソースを指し示すことが可能である。所与のSRIフィールド(すなわち、SRIフィールドを介して指し示されたSRSリソースに関連付けられたSRSポート)または所与のグループのSRSリソース(すなわち、SRSリソースに関連付けられたSRSポート)によって指し示されたアンテナ・ポートは、n回のスケジューリングされたPUSCH機会のうちの少なくとも1つにおいてPUSCHの送信に関連付けられ得る。n’<nのとき、所定のSRIフィールド(すなわち、SRIフィールドを介して指し示されたSRSリソースに関連付けられたSRSポート)または所与のグループのSRSリソース(すなわち、SRSリソースに関連付けられたSRSポート)によって指し示されたアンテナ・ポートは、スケジューリングされた機会の複数においてPUSCHの送信のために使用され得る。
【0130】
代替形態では、n回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、UL-TCI状態を指し示すDCIにおけるUL-TCIフィールドまたは上位層グラントの構成におけるパラメータを介して、n回のPUSCH送信に使用されるアンテナ・ポートおよび空間的関係の両方を指し示してよい。DCIにおけるUL-TCIフィールドのコードポイント、または上位層グラントの構成におけるパラメータの値は、最大n個のUL-TCI状態を指し示し/マッピングしてよく、各UL-TCI状態は、対応するPUSCH送信に使用されるポートおよび空間的関係を指し示す。これは、上記DCIフィールドの第1のコードポイントまたは上記上位層パラメータの第1の値が、第1のグループのn≦n個のUL-TCI状態およびn≦n個のSRSリソースに関連付けられてよく、上記DCIフィールドの第2のコードポイントまたは上記上位層パラメータの第2の値が、第2のグループのn≦n個のUL-TCI状態およびn≦n個のSRSリソースに関連付けられてよく、以下同様であることを意味する。
【0131】
i番目のPUSCHの送信は、SRIフィールドによって指し示されるi番目のSRSリソースに関連付けられたアンテナ・ポート、またはスケジューリングDCIのUL-TCIフィールドによって指し示されるi番目のUL-TCI状態によって指し示されるアンテナ・ポートを介して行われる。
【0132】
ダイバーシティ・ベースのPUSCH送信は、上記のUL-TCI状態手法を使用して、以下のように構成され/指し示されてよい。
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)個の異なるUL-TCI状態の表示と共に単一のPUSCH送信機会をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、i番目のUL-TCI状態は、スケジューリングされたPUSCHのi番目のセグメントに関連付けられる。UEは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示されたi番目のUL-TCI状態で指し示された送信構成を用いて、PUSCHのi番目のセグメントの送信を実行する。UEは、前述の方式(1-2)または方式(3-2)または方式(4-2)を用いて構成されることが可能である。SRIおよびUL-TCI状態表示の様々な組み合わせを伴う空間的関係およびアンテナ・ポートの表示に関する上述された代替形態は、n回のPUSCH送信の代わりにn(n>1)個のPUSCHセグメントがスケジューリングされる場合にも適用可能である。
【0133】
<複数のPUSCH送信のためのDMRSポートの表示>
以下の実施形態では、PUSCH送信の層マッピングに必要とされるDMRSポート表示を説明する。DMRSおよびアンテナ・ポートの表示およびマッピングに関する様々な例が、複数のPUSCHおよび/またはセグメント化PUSCH送信のための以下の実施形態で提示される。
【0134】
一実施形態によれば、UEは、PUSCHのためのPDCCHまたは上位層グラントを介して、p(p≧1)個のDMRSポートおよびq(q≧1)個のアンテナ(SRS)ポートを指し示され、DMRSポートは、n(n≧1)回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)のために、m≦p個の符号分割多重化された(CDMed)DMRSポートグループにグループ化される。送信に使用されるアンテナ・ポートは、(a)最大l≦q個のSRSリソースを指し示し得るPDCCHもしくは上位層グラントのSRSリソース・インジケータ・フィールド、または(b)最大l≦q個のUL-TCI状態を指し示すDCIフィールドもしくは上位層パラメータを介して指し示され得る。
【0135】
アンテナ・ポートの表示に依存して、指し示されたDMRSポートのCDMグループ、および他の種々の基準に応じて、DMRSポートとアンテナ・ポートとの間のマッピングが決定され得る。
【0136】
(単一ポート送信)
一実施形態によれば、UEは、n(n≧1)回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)のためにp個のDMRSポートおよびq=p個のアンテナ・ポートを指し示すPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、q個のアンテナ・ポートは、PUSCHをスケジューリングするDCIまたは上位層グラントに存在するSRSリソース・インジケータ・フィールド(SRI)を介して指し示される。アンテナ・ポートは、SRIフィールドを使用して指し示されるq個のSRSリソースに関連付けられ、各SRSリソースは、1つのSRSポートを用いて構成される。したがって、アンテナ・ポートとDM-RSポートとの間の一対一マッピングが実行されることが可能である。DMRSおよびアンテナ・ポートがn>1回のPUSCH送信機会について指し示され、n=pである場合、各PUSCHは、単一のDM-RSポートおよび関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。DMRSおよびアンテナ・ポートが単一のn=1回のPUSCH送信機会について指し示され、q>1個のポートがq個のSRSリソースを介して指し示された場合、PUSCHのq個のセグメントがUEによって送信され、各セグメントは、単一のDM-RSポートおよび関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。
【0137】
別の実施形態によれば、UEは、n=p回のPUSCH送信(セグメント化または完全なPUSCH送信機会)のためにp個のDMRSポートおよびq=p個のアンテナ・ポートを指し示すPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、q個のアンテナ・ポートは、DCIまたは上位層グラントにおける最大n個のUL-TCI状態を指し示すフィールドを介して指し示される。アンテナ・ポートは、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示されたUL-TCI状態に関連付けられ、各UL-TCI状態は、1つのアンテナ・ポートを指し示す。したがって、アンテナ・ポートとDM-RSポートとの間の一対一マッピングが実行されることが可能である。DMRSおよびアンテナ・ポートがn>1回のPUSCH送信機会について指し示された場合、各PUSCHは、単一のDM-RSポートおよび関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。DMRSおよびアンテナ・ポートが単一のn=1回のPUSCH送信機会について指し示され、q>1個のポートがq個のSRSリソースを介して指し示された場合、PUSCHのq個のセグメントがUEによって送信され、各セグメントは、単一のDM-RSポートおよび関連付けられたアンテナ・ポートを使用する。
【0138】
(単一/マルチポート送信)
一実施形態によれば、UEは、m(m≧1)個のCDMグループに属するp個のDMRSポート、およびq個のアンテナ・ポートを指し示され、q個のアンテナ・ポートは、l=m個のSRSリソースに関連付けられ、l個のSRSリソースは、PUSCHをスケジューリングするDCIまたは上位層グラントに存在するSRSリソース・インジケータ・フィールド(SRI)を介して指し示される。i番目のCDMグループに関連付けられたDMRSポートは、指し示されたi番目のSRSリソースに関連付けられたSRSポートに対応するアンテナ・ポートに対してマッピングされる。
【0139】
DMRSおよびアンテナ・ポートがn>1回のPUSCH送信機会について指し示され、n=mである場合、i番目のPUSCHは、i番目のCDMグループに対応するDMRSポート、および指し示されたi番目のSRSリソースに関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。DMRSおよびアンテナ・ポートがn=1回のPUSCH送信機会について指し示され、PUSCHのl個のセグメントが送信され、l=mである場合、i番目のPUSCHセグメントは、i番目のCDMグループに対応するDMRSポート、およびi番目のSRSリソースに関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。
【0140】
別の実施形態によれば、UEは、m(m≧1)個のCDMグループに属するp個のDMRSポート、およびq個のアンテナ・ポートを指し示され、q個のアンテナ・ポートは、l=m個のUL-TCI状態に関連付けられ、l個のUL-TCI状態は、PUSCHをスケジューリングするDCIまたは上位層グラントにおける最大l個のUL-TCI状態を指し示すフィールドを介して指し示される。i番目のCDMグループに関連付けられたDMRSポートは、指し示されたi番目のUL-TCI状態に関連付けられたアンテナ・ポートに対応するアンテナ・ポートに対してマッピングされる。
【0141】
DMRSおよびアンテナ・ポートがn>1回のPUSCH送信機会について指し示され、n=mである場合、i番目のPUSCHは、i番目のCDMグループに対応するDMRSポート、およびi番目のUL-TCI状態に関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。DMRSおよびアンテナ・ポートがn=1回のPUSCH送信機会について指し示され、PUSCHのl個のセグメントが送信され、l=mである場合、i番目のPUSCHセグメントは、i番目のCDMグループに対応するDMRSポート、およびi番目のUL-TCI状態に関連付けられたアンテナ・ポートを使用して送信される。
【0142】
上記の方法は、前述された多重化技法(TDM、FDM、またはSDM)のいずれかを使用して、PUSCH送信をスケジューリングするために使用され得る。
別の実施形態によれば、UEは、単一のPDCCHを受信するように構成され、またはn(n≧1)回のPUSCH送信機会をスケジューリングする上位層グラントを用いて構成されて、UEは、m個のDMRSポート(m≧1)の表示を受信し、m個の指し示されたDMRSポートを使用して各PUSCH送信を実行するように構成され、すなわち、すべてのn回のPUSCH送信の送信のために、同じセットのDMRSポートが使用される。スケジューリングされたPUSCH送信の数および/またはアンテナ・ポート表示に応じて、DMRSとアンテナ・ポートのマッピングが決定され得る。これは、すべてのPUSCH送信が、同じ数のデータ層またはストリームを有することを意味する。
【0143】
n>1回のPUSCH送信がスケジューリングされ、最大l=n個のSRSリソースまたはUL-TCI状態をそれぞれ指し示すスケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおけるSRIフィールドまたはUL-TCI状態表示フィールドを介して、q個のアンテナ・ポートが指し示された場合、各PUSCH送信は、i番目のSRSリソースまたはi番目のUL-TCI状態に関連付けられた同じセットのm個の指し示されたDMRSポートおよびアンテナ・ポートを使用して実行される。
【0144】
n=1回のPUSCH送信がスケジューリングされ、最大l>n個のSRSリソースまたはUL-TCI状態をそれぞれ指し示すスケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおけるSRIフィールドまたはUL-TCI状態表示フィールドを介して、q個のアンテナ・ポートが指し示された場合、UEは、PUSCHのl個のセグメントの送信を実行し、各PUSCHセグメントは、i番目のSRSリソースまたはi番目のUL-TCI状態に関連付けられた同じセットのm個の指し示されたDMRSポートおよびアンテナ・ポートにおいて送信される。
【0145】
上記の方法では、すべての送信機会に対して1つだけのDMRSポートが使用され得る。
次の実施形態では、UEがDMRSポートとアンテナ/SRSポートとの間にプリコーディングを適用し得ることが提案される。
【0146】
一実施形態によれば、UEが、単一のPDCCHまたは上位層グラントを介して1つもしくは複数のPUSCH送信または1つもしくは複数のPUSCHセグメントの送信を実行するように構成され、上記の方法のうちの1つまたは複数に説明されるように、DMRSとアンテナ・ポートとの間の特定のマッピングがPUSCH送信のためにUEに知らされ、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントが、スケジューリングされたPUSCH(またはPUSCHセグメント)送信のうちの少なくとも1つに対して適用されるべきプリコーディング・ベクトルまたは行列を提供しない場合、UEは、指定されたデフォルトのプリコーダ行列もしくはベクトルを適用してよく、またはプリコーダ行列もしくはベクトルがUEの実装に委ねられてよい。
【0147】
例えば、DMRSポートとSRSポートの数が同じ場合、PUSCH送信のためにUEによって使用されるプリコーダ行列またはベクトルは、単位行列または対角行列によって与えられ、すなわち、x個のアンテナ・ポートにマッピングされるx個のDMRSポートに関連付けられたi番目のPUSCHについてのプリコーディング行列またはベクトルは、
【0148】
【数12】

または
【0149】
【数13】

によって与えられ、ここで、
【0150】
【数14】

である。xは、任意の整数値のような任意の適切な値をとることができる。この例は、非コードブック・ベースのPUSCHの場合にたいてい適用するが、その理由は、この場合、PUSCHに関連付けられたSRS/アンテナ・ポートの数が、送信されるPUSCHの層の数に等しく、それがDMRSポートの数にも等しいからである。非コードブックの場合におけるPUSCH送信機会に関連付けられたSRSリソースは、リソース当たり1つだけのSRS/アンテナ・ポートを含み、リソースの数は、送信されたPUSCHの層の数を指し示すこともできる。
【0151】
別の例では、上記PUSCH送信のためのプリコーディング行列またはベクトルが、上記送信のための所定数のDMRSおよびアンテナ・ポートについてのコードブック内のプリコーディング行列またはベクトルのうちの1つから得られることが指定され得る。
【0152】
別の実施形態によれば、UEは、単一のPDCCHを介してまたは上位層グラントを介して、n(n>1)回のPUSCH送信または単一のPUSCH送信のn(n>1)個のセグメントのためのp個のアンテナ・ポートに対してm個のDMRSポートをマッピングする、最大m≧n個のDMRSポート、p≧m個のアンテナ・ポート、およびn個のプリコーディング行列またはベクトル{F,…,F}の表示を受信するように構成され、アンテナ・ポートは、スケジューリングDCIもしくは上位層グラントに存在するSRSリソース・インジケータ・フィールド(SRI)を介して、またはスケジューリングDCIもしくは上位層グラントにおける最大n個のUL-TCI状態を指し示すフィールドを介して指し示される。プリコーディング行列は、ネットワーク・ノードによって、スケジューリングDCIまたは上位層グラントにおける「Precoding and number of layers(プリコーディングおよび層数)」フィールドを介して指し示されてよく、ここで、DCIのフィールドにおけるコードポイントまたは上位層グラントにおけるパラメータの値は、最大n個のプリコーディング行列を指し示してよい。例えば、第1のプリコーディング行列は、第1のPUSCH(またはPUSCHセグメント)送信に関連付けられ、第2のプリコーディング行列は、第2のPUSCH(またはPUSCHセグメント)送信に関連付けられ、以下同様である。別の例では、プリコーディング行列は、ネットワーク・ノードによって、スケジューリングDCIまたは上位層グラントにおける「Precoding and number of layers」フィールドを介して指し示されてよく、ここで、フィールドは、複数の部分またはパーティションに分割され、各部分はプリコーディング行列を提供し、各プリコーディング行列は、少なくとも1つのPUSCH送信機会またはセグメントに関連付けられてよい。
【0153】
例示的なシナリオでは、PDCCHまたは上位層グラントは、2つのPUSCH送信をスケジューリングしてよく、それは、(上述のようにSRIまたはUL-TCI表示を介して)4つのアンテナ・ポートと共にDMRSポート{p,p,p}を指し示す。スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントはまた、2つのPUSCH送信のためのプリコーダ
【0154】
【数15】

および
【0155】
【数16】

を指し示す。第1のPUSCHは、プリコーディング行列Fを使用して最初の2つのSRSポートにマッピングされるDMRSポートpおよびpを使用して送信され、第2のPUSCHは、プリコーディング行列Fを使用して他の2つのSRSポートにマッピングされるDMRSポートpを使用して送信される。別の例では、PDCCHまたは上位層グラントは、1つのPUSCH送信をスケジューリングしてよく、それは、(上述のようにSRIまたはUL-TCI表示を介して)4つのアンテナ・ポートと共にDMRSポート{p,p,p}を指し示す。スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントはまた、PUSCH送信のためのプリコーダ
【0156】
【数17】

および
【0157】
【数18】

を指し示す。PUSCHの2つのセグメントが送信され、DMRSポートpおよびpは、第1のセグメントのためのプリコーディング行列Fを使用して最初の2つのSRSポートにマッピングされ、DMRSポートpは、第2のセグメントのためのプリコーディング行列Fを使用して他の2つのSRSポートにマッピングされる。
【0158】
与えられた例では、DMRSポートは、指し示されたDMRSポートのCDMグループを考慮することによって、複数のPUSCH送信または単一のPUSCHの複数のセグメントの間で分割され得る。
【0159】
上記のDMRSおよびアンテナ・ポート表示方法は、セグメント化されたPUSCH送信または複数のPUSCH送信をスケジューリングするために、上述された多重化方式のいずれかと組み合わせられてよい。
【0160】
上記のポート表示方法では、コードブック・ベースと非コードブック・ベースのPUSCH送信のための単一TRP送信とマルチTRP送信を動的に切り替えるための方法を指定できることがある。
【0161】
いくつかの例示的な実施形態によれば、UEは、「codebook」または「nonCodebook」に値が設定された上位層パラメータ「txConfig」を用いて構成された場合、n(n≧1)回のPUSCH送信(複数のPUSCH送信または単一のPUSCH送信の複数のセグメント)をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信することを期待する。
【0162】
例えば、UEが上位層パラメータ「txConfig」に対して「codebook」または「nonCodebook」を用いて構成された場合、DCIフォーマット0_1を使用して、またはn回のPUSCH送信(n≧1)をスケジューリングする新しく導入されたDCIフォーマットもしくは上位層グラントを使用して、PDCCHを受信してよい。スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントによって、以下のパラメータ、すなわち、DMRSポート、アンテナ・ポート、プリコーディング情報、TPCコマンドのうちの1つまたは複数の表示に応じて、コードブック・ベースまたは非コードブック・ベースのPUSCHを用いてUEが構成された場合、UEは、セグメント化なしで単一のPUSCHを送信し、またはセグメント化された/複数のPUSCH送信を実行し得る。例えば、UEがコードブック・ベースのPUSCHスケジューリングのための2つのプリコーディング行列を指し示される場合、UEはセグメント化された/複数のPUSCH送信を実行してよく、UEがコードブック・ベースのPUSCHスケジューリングのための1つのプリコーディング行列を指し示される場合、UEは単一のセグメント化されていないPUSCH送信を実行してよい。
【0163】
別の例では、UEが非コードブック・ベースのPUSCHスケジューリングのための複数のCDMグループからのDMRSポートを指し示される場合、UEはセグメント化された/複数のPUSCH送信を実行することが可能であり、UEが非コードブック・ベースのPUSCHスケジューリングのための同じCDMグループ内のDMRSポートを指し示された場合、UEは単一のセグメント化されていないPUSCH送信を実行することが可能である。この方法は、PUSCHのコードブック/非コードブック・ベースの単一TRPとマルチTRPのスケジューリング間の動的スイッチングの道を開くことが可能である。
【0164】
<複数のPUSCH送信のための電力制御の表示>
関心のある別のパラメータは、PUSCH送信を前の送信に対して電力増大または低減させる送信電力制御コマンドである。これは、PUSCH送信毎に独立して実行され、このことは、スケジューリングPDCCHが、スケジューリングされたPUSCHまたはPUSCHセグメントの数と同じ数のTPCコマンドを指し示すことを意味する。
【0165】
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)個のセグメントを有するn(n>1)回のPUSCH送信または単一のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、スケジューリングするPDCCHは、n回のPUSCH送信または単一のPUSCH送信のn個のセグメントに対応するn個のTPCコマンドを指し示し得る。スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、pビット・フィールドを備えてよく、pビット・フィールドは、既存のTPCコマンド・フィールドまたは別のフィールドであってよく、そのコードポイントは、PDCCHによりスケジューリングされたn回のPUSCH送信またはn個のPUSCHセグメントについての最大n個のTPCコマンドに対してマッピングする。上記フィールドのコードポイントのn個のTPCコマンドへのマッピングは、既にUEに知られている(各コードポイントは、デフォルトでそれらがマッピングするTPCコマンドで指定される)場合があり、またはマッピングは、上位層(例えば、MAC(媒体アクセス制御)、RRC(無線リソース制御)シグナリング)を介してUEに対して構成もしくは指し示される場合がある。
【0166】
別の実施形態によれば、複数のPUSCH送信(またはPUSCH送信のセグメント)のためのTPCコマンドが、PUCCHまたはPUSCHのためのTPCコマンドを指し示すために専ら使用されるDCIフォーマット2_2を介して指し示され得る。
【0167】
一実施形態によれば、UEは、DCIフォーマット2_2を用いてPDCCHを受信するように構成され、DCIは、最大n(n>1)個のTPCコマンドを指し示す。DCIにおけるn個のTPCコマンドを指し示すフィールドは、既存のTPCコマンド・フィールドまたは新しいフィールドである。指し示される最大n個のTPCコマンドは、単一のPDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされ得る、最大n回のPUSCH送信またはPUSCH送信のn個のセグメントに適用されてよい。DCIにおける上記フィールドのコードポイントのn個のTPCコマンドへのマッピングは、既にUEに知られている(各コードポイントは、デフォルトでそれらがマッピングするTPCコマンドで指定される)場合があり、またはマッピングは、上位層(例えば、MAC、RRC)を介してUEに対して構成もしくは指し示される場合がある。
【0168】
例示的な実施形態によれば、DCIフォーマットにおけるn(n>1)個のTPCコマンドを指し示すフィールドは、pビット・フィールドからnpビット・フィールドに拡張されてよく、ここで、i番目のpビット・パターンは、i番目のPUSCH送信のためのTPCコマンドを指し示し、TPCコマンドに対するpビット・パターンのマッピングは指定されてUEに知られる。例えば、pの値は2に等しくてよく、電力増大/縮小が2回のPUSCH送信について指し示された場合、DCI表示はサイズが4ビットであってよく、最初の2ビットは第1のPUSCH送信のためのTPCコマンドを指し示し、次の2ビットは第2のPUSCH送信に対応し、ここで、TPCコマンドに対する2ビットのマッピングは[非特許文献2~3]の仕様の通りでよい。npビット・フィールドは、各フィールドにpビットを有するn個の別個のフィールドを含み得る。
【0169】
<PUSCH多重化のための種々のパラメータの表示>
(冗長バージョン)
同じPUSCHトランスポート・ブロックの複数の送信が、単一のPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされる場合、各PUSCH送信が関連付けられる冗長バージョンは異なり得る。同じPUSCHトランスポート・ブロックが様々な冗長バージョンで送信される場合、受信機は、PUSCHトランスポート・ブロックの復号化においてダイバーシティを提供するチャネル・エンコーダによって追加された異なるセットのパリティ・ビットを取得し、それにより復号性能を改善する。PUSCHのための冗長バージョンの表示は、上位層およびPHY層シグナリングの組み合わせを使用して実行され得る。
【0170】
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成される。最大n個の冗長バージョン(RV)がn回のPUSCH送信について指し示され得る。すべてのRV値は、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおいて指し示され得る。代替形態では、RV値は、物理層と上位層のシグナリングの組み合わせを介して指し示されてよい。RVの表示のための異なる方式が以下で提案される。
【0171】
一方法では、PUSCH送信のうちの1つのRVは、上位層を介して構成されまたは指し示されてよく、残りのPUSCH送信についてのRVは、PDCCHまたは上位層グラントにおけるRV表示フィールドを介して指し示されてよく、RVフィールドの値は、第1のPUSCH送信のRVに対する特定のRVオフセット値(RVの指し示されたRV値からの差)にマッピングし得る。
【0172】
別の方法では、PUSCH送信のうちの1つに対するRVは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示され、残りのPUSCH送信の冗長バージョンは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示されたものに対する残りのPUSCH送信のRVのオフセットを指し示す上位層を介して構成された1つまたは複数のRVオフセット値を使用して決定され得る。一例では、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたn’<n回のPUSCH送信のRVは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して提供されてよく、残りのn-n’回の送信のRVは、上位層を介して構成された指し示されたRV値および/または1つもしくは複数のRVオフセット値に基づいて決定され得る。
【0173】
(TDMされたPUSCH送信における送信間のギャップ)
(方式1-1および方式1-2で先に提示された)スロット内のTDMされたPUSCH送信の場合、PUSCHの送信のシンボルの表示は、適用可能な場合、上位層およびPHY層シグナリングの組み合わせで実行されてよい。一方法では、PUSCHのうちの1つについてスケジューリングされたシンボルが指し示されてよく、残りのPUSCHのスケジューリングは、以前のPUSCH送信からのPUSCHのオフセットを使用して決定されてよい。
【0174】
一実施形態によれば、UEがPDCCHまたは上位層グラントを介してn(n>1)回のPUSCH送信でスケジューリングされ、すべてのPUSCH送信が、異なる時間領域リソース上で同じスロット内でスケジューリングされる場合、UEは、2つのPUSCH送信機会の間のシンボル数、すなわち、シンボルの数に関する以前のPUSCH送信からのPUSCH送信のオフセットを指し示す上位層パラメータを、ネットワーク・ノードまたはgNBから受信するように構成される。複数のPUSCH送信がスロット内でスケジューリングされるときにパラメータが構成されない場合、UEは、2つのPUSCH送信の間のシンボルの数のデフォルト値を仮定してよい。例えば、パラメータが構成されない場合、UEは、単一のPDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされた任意の2つのPUSCH送信機会の間のシンボルの数がゼロであると仮定してよい。
【0175】
別の実施形態によれば、UEが、PUSCH送信のn(n>1)個のセグメントを有するPDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされ、すべてのセグメントが異なる時間領域リソース上で同じスロット内でスケジューリングされる場合、UEは、PUSCH送信の2つのセグメントの間のシンボルの数、すなわち、シンボルの数に関する以前のPUSCHセグメントからのPUSCHセグメントのオフセットを指し示す上位層パラメータを受信するように構成される。複数のPUSCH送信がスロット内でスケジューリングされるときにパラメータが構成されない場合、UEは、2つのPUSCHセグメントの間のシンボルの数のデフォルト値を仮定してよい。例えば、パラメータが構成されない場合、UEは、単一のPDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされた任意の2つのPUSCHセグメントの間のシンボルの数がゼロであると仮定してよい。
【0176】
<PUSCH送信、PUSCH繰り返し、および繰り返しパターンの数の表示>
UEは、明示的な上位層シグナリングを介して、またはスケジューリングPDCCHもしくは上位層グラントを介して間接的に、PDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされたPUSCH送信の数を決定し得る。
【0177】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードまたはgNBから、単一のPDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされ得るPUSCH送信の数またはPUSCH送信のセグメントの数について上位層を介して表示を受信するように構成されてよい。表示を受信すると、UEは、指し示された数のPUSCH送信機会または指し示された数のPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを期待し得る。すべてのスケジューリングされたPUSCH送信機会は、同じPUSCHトランスポート・ブロックまたは異なるPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ得る。
【0178】
一実施形態によれば、PDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされたPUSCH送信の数または単一のPUSCH送信のセグメントの数は、UEに対して指し示されたUL-TCI状態の数またはSRSリソースの数またはTPCコマンドの数またはDMRSポートのCDMグループの数を介して決定され得る。
【0179】
例えば、PDCCHまたは上位層グラントがn個のUL-TCI状態を指し示す場合、UEは、n個のPUSCHまたは単一のPUSCHのn個のセグメントの送信を実行するように構成され、i番目のPUSCH送信機会または上記単一のPUSCHのi番目のセグメントは、i番目の指し示されたUL-TCI状態に関連付けられる。
【0180】
別の例では、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントが、(SRIフィールド、もしくはSRSリソースを指し示す他の任意のフィールドを介する)n個のSRSリソース、またはn個のCDMグループに属するn個のTPCコマンドもしくはDMRSポートを指し示す場合、UEは、n個のPUSCHまたは単一のPUSCHのn個のセグメントの送信を実行するように構成され、i番目のPUSCH送信機会または上記単一のPUSCHのi番目のセグメントは、i番目の指し示されたSRSリソースまたはi番目の指し示されたTPCコマンドまたはi番目のCDMグループに属するDMRSポートに関連付けられる。このシナリオにおけるすべてのn回のPUSCH送信は、同じPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられ得る。
【0181】
別の方法では、指し示されたRVの数を使用して、スケジューリングされたPUSCH送信機会またはPUSCHセグメントの数を決定してよい。
別の実施形態によれば、PDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされたPUSCH送信の数または単一のPUSCH送信のセグメントの数は、スケジューリングPDCCHもしくは上位層グラントで指し示されたRVの数を介して、または物理および上位層シグナリングの組み合わせを介して決定され得る。
【0182】
例えば、UEが、PUSCHをスケジューリングするPDCCHにおける単一のRVを指し示され、他の2つのPUSCHに対するRVオフセット値が上位層を介してUEに対して指し示された場合、UEは、それが合計3つのPUSCH送信を実行しなければならないことを理解する。
【0183】
PUSCHの信頼性は、PUSCHの繰り返しによって改善され得る。マルチTRPのコンテキストでは、PUSCHトランスポート・ブロックの繰り返しは、指定されたまたは指し示されたシーケンス/パターンを使用して、異なるTRPに対して実行され得る。以下の実施形態では、PUSCH繰り返しのための様々な方法を提供する。
【0184】
一実施形態によれば、PUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが受信され、ここで、PUSCH送信機会のn-1回の繰り返しが上位層を介して指し示され、すなわち、合計n(n>1)回のPUSCH送信が実行されることになり、また、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントがp≦n個のUL-TCI状態またはp≦n個のSRSリソースを指し示す場合、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示された第1のUL-TCI状態またはSRSリソースが、m<n回のPUSCH送信機会に関連付けられ、指し示された第2のUL-TCI状態またはSRSリソースが、m<n回のPUSCH送信機会に関連付けられ、以下同様であり、また、m+m+…+m=nである。各PUSCH送信は、関連付けられたUL-TCI状態で提供される送信設定(アンテナ・ポートを含み得る)を使用して、または関連付けられたSRSリソースに対応するアンテナ/SRSポートを使用して実行される。
【0185】
指し示されたSRSリソースまたはUL-TCI状態のPUSCH送信機会とのマッピングが、上位層シグナリングを介して指し示されてよく、および/または、デフォルトのマッピング方法がUEに対して指定される。このマッピングは、PUSCHトランスポート・ブロックが各TRPに対して送信されるパターンに影響を与える。
【0186】
別の実施形態によれば、UEに対して構成されたPUSCH繰り返しの数が、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントを介して指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースの数と等しい場合、指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースは、PUSCH送信機会の順序に従ってよく、すなわち、第1のUL-TCI状態またはSRSリソースは第1のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のUL-TCI状態またはSRSリソースは第2のPUSCH送信機会に関連付けられ、以下同様である。各PUSCH送信は、関連付けられたUL-TCI状態で提供される送信設定(アンテナ・ポートを含み得る)を使用して、または関連付けられたSRSリソースに対応するアンテナ/SRSポートを使用して実行される。
【0187】
別の実施形態によれば、PUSCH送信機会の繰り返しの構成された数が、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおける指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースの数よりも大きい場合、UEは、PUSCH送信機会の(例えば、上位層を介して構成される)特定のパターンを可能にするように構成される。一例では、パターンは、指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースとPUSCH送信機会との間の周期的マッピングに従う。
【0188】
例えば、PUSCHの2n回の送信が実行される必要があり、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントが2個のUL-TCI状態または2個のSRSリソースを指し示す場合、第1のUL-TCI状態またはSRSリソースは第1のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のUL-TCI状態またはSRSリソースは第2の送信機会に関連付けられ、さらに、関連付けの同じパターンが残りのPUSCH送信機会で繰り返される(すなわち、第1のUL-TCI状態またはSRSリソースが第3のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のUL-TCI状態またはSRSリソースが第4の送信機会に関連付けられ、以下同様である)。一例では、繰り返されるブロック・パターンが、UL-TCI状態またはSRSリソースの関連付けのために使用される。PUSCHの2n回の送信が実行される必要があり、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントが2個のUL-TCI状態または2個のSRSリソースを指し示す場合、第1のUL-TCI状態またはSRSリソースは、奇数回目(1回目、3回目、…、(2n-1)回目)のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のTCI状態は、偶数回目(2回目、4回目、…、(2n)回目)のPUSCH送信機会に関連付けられる。代替形態では、UEは、指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースとPUSCH送信機会の関連付けの指定されたパターンを、その上位層表示なしに適用してよく、すなわち、適用される関連付けのパターンは仕様で固定される。第2の例では、PUSCHの2n回の送信を実行される必要があり、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントが2個のUL-TCI状態または2個のSRSリソースを指し示す場合、第1のUL-TCI状態またはSRSリソースは、1回目および2回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のUL-TCI状態またはSRSリソースは、3回目および4回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、このパターンが残りのPUSCH送信機会について繰り返される。
【0189】
一実施形態によれば、PUSCH送信機会の繰り返しの構成された数が、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおける指し示されたSRSリソースのグループの数よりも大きく、各グループは1つまたは複数のSRSリソースを含む場合、UEは、PUSCH送信機会の(例えば、上位層を介して構成される)特定のパターンを可能にするように構成される。一例では、パターンは、指し示されたグループのSRSリソースとPUSCH送信機会との間の周期的マッピングに従う。
【0190】
一例では、PUSCHの2n回の送信が実行される必要があり、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントが、1つまたは複数のSRSリソースを各グループが備える2個のグループのSRSリソースを指し示す場合、第1のグループのSRSリソースは、第1のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のグループのSRSリソースは、第2の送信機会に関連付けられ、関連付けの同じパターンが、残りのPUSCH送信機会で繰り返される (すなわち、第1のグループのSRSリソースが第3のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のグループのSRSリソースが第4の送信機会に関連付けられ、以下同様である)。第2の例では、繰り返されるブロック・パターンが使用される。PUSCHの2n回の送信が実行される必要があり、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが、1つまたは複数のSRSリソースを各グループが備える2個のグループのSRSリソースを指し示す場合、第1のグループのSRSリソースは、奇数回目(1回目、3回目、…、(2n-1)回目)のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のグループのSRSリソースは、偶数回目(2回目、4回目、…、(2n)回目)のPUSCH送信機会に関連付けられる。第3の例では、PUSCHの2n回の送信が実行される必要があり、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントが、1つまたは複数のSRSリソースを各グループが備える2個のグループのSRSリソースを指し示す場合、第1のグループのSRSリソースは、1回目および2回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のグループのSRSリソースは、3回目および4回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、このパターンが残りの送信機会について繰り返される。代替形態では、UEは、PUSCH送信機会の関連付けの指定されたパターンを、その上位層表示なしに適用してよく、すなわち、適用される関連付けのパターンは仕様で固定される。注意点は、指し示されたSRSリソースの上記2つのグループが、2つの異なるSRSリソース・セットに関連付けられ得ることである。
【0191】
上記の実施形態では、UEは、PHY層もしくは上位層を介しネットワーク・ノードによって、または仕様で固定された所定の挙動によって提供される上記パターンの構成または表示を介して、スケジューリングされるPUSCH送信機会に対する提供された設定(SRSリソース、UL-TCI状態など)の適用の上記の与えられたパターンのいずれかを使用するように構成される。
【0192】
上記に指し示されたマッピング方法は、m<n個のTPCコマンド、TPMI値、または冗長バージョンがn回のPUSCH送信機会またはn個のPUSCHセグメントについて指し示される場合にも適用され得る。
【0193】
別の実施形態によれば、PUSCHの繰り返し/送信/機会の構成されまたは指し示されまたはスケジューリングされた数が、上記PUSCH送信機会のために提供された指し示されたTPCコマンド、プリコーダ表示(例えば、RIおよび/もしくはTPMI)、または冗長バージョンの数よりも大きい場合、UEは、PUSCH送信機会に対するTPCコマンド、TPMI値、または冗長バージョンの適用の(例えば、上位層を介して構成される)特定のパターンを可能にするように構成される。一例では、パターンは、上記パラメータ(TPCコマンド、プリコーダ表示、または冗長バージョン)とPUSCH送信機会との間の周期的マッピングに従う。
【0194】
例えば、PUSCHの2n回の送信がPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされ、これらのPUSCH送信機会について、2個のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンが提供される場合、第1のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、第1のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、第2の送信機会に関連付けられ、関連付けの同じパターンが、残りのPUSCH送信機会で繰り返される (すなわち、第1のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンが第3のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンが第4の送信機会に関連付けられ、以下同様である)。一例では、繰り返されるブロック・パターンが、TPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンの関連付けに使用される。PUSCHの2n回の送信がPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされ、2個のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンが提供される場合、第1のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、奇数回目(1回目、3回目、…、(2n-1)回目)のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、偶数回目(2回目、4回目、…、(2n)回目)のPUSCH送信機会に関連付けられる。第2の例では、PUSCHの2n回の送信がPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされ、2個のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンが提供される場合、第1のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、1回目および2回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、第2のTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンは、3回目および4回目のPUSCH送信機会に関連付けられ、このパターンが残りのPUSCH送信機会について繰り返される。代替形態では、UEは、指し示されたTPCコマンド/プリコーダ表示/冗長バージョンとPUSCH送信機会の関連付けの指定されたパターンを、その上位層表示なしに適用してよい。
【0195】
上記の方法/例では、UEは、PHY層もしくは上位層を介しネットワーク・ノードによって、または仕様で固定された所定の挙動によって提供される上記パターンの構成または表示を介して、スケジューリングされるPUSCH送信機会に対する提供された設定(RV、プリコーディング表示、TPCコマンドなど)の適用の上記の与えられたパターンのいずれかを使用するように構成される。
【0196】
PUSCHの繰り返しで関心のある別のパラメータは、いわゆる開始および長さ表示ベクトル(SLIV:start and length indication vector)である。SLIVは、スロットにおけるPUSCH送信のために使用される開始シンボルおよびシンボルの数を指し示すために使用される。
【0197】
一実施形態によれば、n回のPUSCH送信機会が、PDCCHまたは上位層グラントを介してn個の異なるスロットで送信されるようにスケジューリングされる場合、すべてのPUSCH送信機会は、同じ開始および長さ表示ベクトルに従い得る。SLIVは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントによって指し示されてよく、またはそれは上位層を介してUEに対して構成されてよい。
【0198】
上述のすべての方法/実施形態において、単一のPDCCHまたは上位層グラントによるn回のPUSCH送信(n>1)のスケジューリングは、繰り返しパラメータの表示を介して可能にされ得る。PDCCHまたは上位層グラントによってPUSCH送信機会がスケジューリングされ、繰り返し値が上位層を介して構成されまたは指し示される場合、UEは、指し示された回数の送信を繰り返す。したがって、すべての上記の方法および以下の方法において、「n回のPUSCH送信機会」、「n個のPUSCH」、または「n回のPUSCH機会」のスケジューリングの説明は、合計n回の送信でPDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされたPUSCHを指すことができ(これは、第1のPUSCH送信のn-1回の繰り返し、または単にn回のPUSCH送信の繰り返しを伴うスケジューリングとして理解され得る)、ここで、nまたはn-1の値は上位層を介して指し示されるものである。代替形態では、繰り返しパラメータまたは値は、同様にPHY層を介して構成されおよび/または指し示されてよい。
【0199】
<マルチTRP送信のためのアップリンク・チャネル・サウンディング>
UEが複数のTRPに対するアップリンクPUSCH送信を実行する前に、UEは1つまたは複数のSRSリソース・セットを使用してSRSベースのチャネル・サウンディングを適用することが可能である。そのようなアップリンク・チャネル・サウンディングのために、送信されたSRSのビーム方向(または空間的関係)および電力制御設定が、TRP毎に調整される必要がある。SRS構成のための様々な方法が以下で論じられる。
【0200】
最初に、SRS送信に続くサウンディング処理およびPUSCHのスケジューリングのタイムラインが論じられる。UEが2つのTRPに対してUL送信を実行しようとするシナリオの例を考えると、以下の一連のイベントまたは工程が続く可能性がある。
0) UEがビーム対応性を満たさない場合、UEは、SRS送信を使用してアップリンク・ビーム掃引を実行するように構成され、SRSは「ビーム管理」として構成される。UEは、両方のTRPに対してULチャネル・サウンディングを実行し、このようにして両方のTRPに適したビーム方向を決定する。
1) 第1のTRPに関連付けられたSRSリソース・セットにおけるSRSリソースが、UEと第1のTRPとの間のチャネルをサウンディングするために、UEによって送信される。SRSリソースは、1つまたは複数の空間的関係(例えば、工程0におけるSRSサウンディング・イベントから得られる空間的関係)が割り当てられる。SRSリソース・セットは、第1のTRPに関係付けられたパスロス基準RSに関連付けられる。
2) 第2のTRPについて工程1を繰り返す。
3) ネットワーク・ノードは、2つのTRPに対するPUSCHの送信のために、工程1および工程2で使用されるSRSリソース・セットから1つまたは複数のSRSリソースをUEに対して指し示す。
【0201】
1つまたは複数のTRPに対するチャネル・サウンディングに使用されるSRSリソースは、同じまたは異なるSRSリソース・セットからのものであり得る。
第1の方法では、工程1および工程2におけるSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられてよく、PUSCHをスケジューリングするDCIにおけるSRSリソースが指し示される必要がある。
【0202】
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信またはn(n>1)個のPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、PDCCHは、n個の異なるSRSリソース・セットからのn個のSRSリソースを指し示す。SRSリソースは、例えば、既存のフィールド(例えば、SRIフィールド)を介して、またはDCIの新しく定義されたフィールドを介して指し示されてよい。指し示された各SRSリソースは、PUSCH送信またはPUSCHセグメントに関連付けられ、その送信は、SRSリソースに関連付けられたSRSポートを使用して、UEによって実行される。特別の場合において、PDCCHまたは上位層グラントが最大n個のSRSリソースを提供することができ、すなわち、指し示されたSRSリソースの数はn’≦nである。一例では、n’個のSRIを含むフィールドが、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおいて提供され得る。このフィールドは、
【0203】
【数19】

ビットを含むことができ、bビットは、単一のSRIに使用され、各SRIは、異なるSRSリソース・セットからのSRSを指し示す。第2の例では、SRIフィールドは、n’個のSRSリソースに対してマッピングすることができ、各SRSリソースは、異なるSRSリソース・セットからのものである。n’<nのとき、指し示されたSRSリソースは、複数のPUSCH送信機会またはPUSCHセグメントに関連付けられ得る。
【0204】
以下の方法も非コードブック・ベースのPUSCHに使用されてよい。
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信またはn(n>1)個のPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、PDCCHは、i番目のセットから最大1≦l≦R個のリソースを選択しながら、n’≦n個の異なるSRSリソース・セットからのSRSリソースを指し示す。i=1…nのときの値Rおよび/またはlは、iのすべての値について同じことがあり、または異なることがある。それは、UEに対しスケジューリングされた層の最大数、またはUEによってサポートされる層の最大数、またはi番目のSRSリソース・セット内のリソースの最大数を表し得る。それは、UEによって報告され、またはPHY層もしくは上位層構成もしくは信号を介して取得/決定され、またはNR仕様で固定され得る。SRSリソースは、例えば、既存のフィールド(例えば、SRIフィールド)を介して、またはDCIの新しく定義されたフィールドを介して指し示されてよい。SRSリソース・セットからの各指し示されたグループのSRSリソースは、PUSCH送信またはPUSCHセグメントに関連付けられ、その送信は、SRSリソースのグループに関連付けられたSRS/アンテナ・ポートを使用してUEによって実行される。一例では、n’個のSRIを含むフィールドが、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおいて提供され得る。このフィールドは、
【0205】
【数20】

ビットを含むことができ、bビットは、i番目のSRIに使用され、各SRIは、少なくとも1つの他のSRIに関連付けられたSRSリソース・セットとは異なるSRSリソース・セットからの1つまたは複数のSRSリソースを指し示す。第2の例では、SRIフィールドのコードポイントが、SRSリソースのn’個のグループにマッピングしてよく、各グループは、SRSリソースの少なくとも1つの他のグループに関連付けられたSRSリソース・セットとは異なるSRSリソース・セットから選ばれた1つまたは複数のSRSリソースからなる。一例では、UEは、PUSCHの最大R個の層をサポートしてよく、すべてのリソース・セットはR≧R個のリソースを含んでよい。ネットワーク・ノードは、上記1つまたは複数のSRSリソース・セットのそれぞれからl個のリソースを指し示すことにより、PUSCHの1≦l≦R個の層をスケジューリングすることができ、それにより、各PUSCH送信機会について同じ数のデータ層またはストリームを可能にする。特別の場合において、関連付けられたSRSリソース・セットのいずれにおけるSRSリソースも、1つのアンテナ/SRSポートのみを含むことができる。したがって、PUSCH送信機会に対してスケジューリングされる層の数は、PUSCH送信機会に関連付けられたSRSリソースの数と同じことになる。これは、PUSCH送信機会について指し示されたDMRSポートの数が、それに関連付けられたSRSリソースの数と同じであることを意味する。
【0206】
複数のSRSリソース・セットが、各TRPに対するアップリンク・チャネル・サウンディングに使用される場合、各SRSリソース・セットに対するパスロス基準RSおよび空間的関係は、UEに対して個別に構成されまたは指し示されてよい。ネットワーク・ノードは、以下の例示的実施形態で提案されるように、マルチTRPアップリンク・チャネル・サウンディングのためのSRSリソース・セットを一緒にトリガし得る。
【0207】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードまたはgNBから上位層を介して、共通インデックス(例えば、トリガ状態インデックス)に1つまたは複数のSRSリソース・セットを関連付ける表示を受信するように構成される。トリガ状態は、複数のSRSリソース・セットに関連付けられてよく、そうすることにより、PHY層(他の任意のDCIフォーマットを使用してDCIまたはPDCCHをスケジューリングするPUSCH/PDSCH)を介して、または関連付けられたトリガ状態を指し示す上位層を介して、複数のSRSリソース・セットの送信が単一のメッセージで可能にされ得る。複数のSRSリソース・セットとトリガ状態との関連付け、および上記トリガ状態によるSRSリソース・セットの送信のトリガが、同じまたは異なる通信層を介して実行され得る。例えば、SRSリソース・セットのトリガ状態は、MAC-CEメッセージによって指し示されてよく、ネットワーク・ノードからの別のMAC-CEメッセージは、トリガ状態を使用して、トリガ状態に関連付けられた1つまたは複数のSRSリソース・セットをトリガし得る。別の例では、SRSリソース・セットのトリガ状態は、RRCを介して指し示されてよく、ネットワーク・ノードからのMAC-CEメッセージまたはPHY層表示は、トリガ状態を使用して、トリガ状態に関連付けられた1つまたは複数のSRSリソース・セットをトリガし得る。SRSリソース・セットの送信をトリガまたはアクティブ化するためのトリガ状態の使用と同様に、それらは、アクティブ化または送信されているSRSリソース・セットの送信を非アクティブ化または終了するために使用されてもよい。トリガ状態は、MAC-CEメッセージ、PHY層表示、もしくはRRCメッセージにおいて、またはそれらの2つ以上の組み合わせにおいて、トリガ状態に関連付けられたSRSリソース・セットの送信の非アクティブ化または無効化または終了を指し示すために使用されてよい。
【0208】
第2の方法では、同じSRSリソース・セットが、工程1および工程2で前述されたように、2つのTRPにサウンディングするために使用され得る。この場合、SRSリソース・セットに関連付けられたパスロス基準RSおよび空間的関係は、TRPに関係付けられる必要がある。1つの方法は、上位層を介して、一方のTRPから他方のTRPへのSRSの送信の間のSRSのパスロス基準RSおよび空間的関係を再構成することである。しかしながら、そのような方法は、長い待ち時間およびシグナリング・オーバヘッドを生じる可能性があり、異なるTRPに対するSRSの送信間の間隔を指定する必要がある。代替的方法では、送信機会の間の再構成を必要とせずに、異なる送信機会に対して異なる空間的関係およびパスロス基準RS仮定に関連付けられたSRSリソース・セットを定義することになる。
【0209】
第3の方法では、複数のSRSリソース・セットの送信をトリガまたはアクティブ化する単一のメッセージまたは単一のシグナリングが、ネットワーク・ノードまたはgNBからUEによって受信され得る。例えば、MAC-CEメッセージが、複数のSRSリソース・セットの送信をアクティブ化またはトリガするUEによって受信され得る。MAC-CEメッセージは、複数のアクティブ化またはトリガされたSRSリソース・セットのそれぞれにマッピングする少なくとも識別子またはインデックスを含み得る。別の例では、アクティブ化またはトリガは、PHY層シグナリング(例えば、ダウンリンク制御情報)に含まれてよく、シグナリングは、複数のアクティブ化またはトリガされたSRSリソース・セットのそれぞれにマッピングするインデックスまたは識別子を含み得る。同様に、アクティブ化または送信されているSRSリソース・セットの非アクティブ化または終了が、単一のPHY層メッセージ、単一のMAC-CEメッセージ、もしくはRRCメッセージ、またはそれらの2つ以上の組み合わせを介して行われてよく、終了されるべき複数のSRSリソース・セットのそれぞれにマッピングする識別子またはインデックスは、通信層の少なくとも1つからのメッセージまたはシグナリングに存在する。
【0210】
一実施形態によれば、UEは、n(n>1)回のPUSCH送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントにおける1つまたは複数のSRIフィールドを介してSRSリソースを指し示す。PDCCHまたは上位層グラントにより指し示される1つまたは複数のSRSリソースに関連付けられたアンテナ/SRSポートが、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた少なくとも1つのPUSCH送信機会のために使用される。UEは、最大n’≦n個のグループのSRSリソースを指し示されてよく、各グループは、1つまたは複数のSRSリソースを備え、すべてのグループのSRSリソースは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられる。SRIフィールドを介した1つまたは複数のSRSリソースの指し示されたグループについて、SRSリソースが属するまたは関連付けられたSRSリソース・セットは、以下の方法のうちの少なくとも1つに基づいて決定されることが可能である。
【0211】
- SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第1のグループが、ID sを有するSRSリソース・セットに関連付けられ、SRIフィールドによる表示の順序で上記第1のグループのSRSリソースの後である、SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第2のグループが、ID sを有するSRSリソース・セットに関連付けられ、ここで、s>sまたはs<sである。これは、1つまたは複数のSRSリソースのグループが指し示される順序は、(例えば、昇順または降順の)それらのSRSリソース・セットID値によるSRSリソース・セットの順序付けられたセットと一対一のマッピングを有し、この規則はNR仕様で固定され得ることを意味する。SRIは、SRSリソース・セット表示の上記順序付けを使用して上記SRSリソース・セットの直近の送信に関連付けられ得る。
【0212】
- SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第1のグループが、SRSリソース・セットに関連付けられ、SRSリソース・セットのリソースは、特定の時間または基準時間t’の前または後で直近に送信されたものであり、SRIフィールドによる表示の順序で第1のグループの1つまたは複数のSRSリソースの後である、SRIフィールドにより指し示された1つまたは複数のSRSリソースの第2のグループが、特定の時間または基準時間t’の前または後で2番目に直近に送信されたSRSリソース・セットに関連付けられる。特別の場合において、SRIフィールドが、1つのSRSリソース・セットのみからのSRSリソースを指し示す場合、またはSRSリソース・セットのうちの1つからの1つもしくは複数のSRSリソースからなる単一のグループの表示が、有効であり、もしくは選択され、もしくは考慮される場合、特定の時間または基準時間t’に対して直近に送信されたSRSリソース・セットが、参照されまたは関連付けられたSRSリソース・セットである。
【0213】
1つまたは複数のSRIフィールドによって指し示されたSRSリソースに関連付けられたアンテナ・ポートは、n回のスケジューリングされたPUSCH機会のうちの少なくとも1つにおいてPUSCHの送信のために使用される。PUSCH送信機会に対するSRIフィールドのマッピングは、本開示の関係する実施形態のいずれかに従い得る。
【0214】
時間基準t’は、特に以下のうちの少なくとも1つに基づいて決定または仮定され得る。
- スケジューリングされたPUSCH送信のうちの1つの最初または最後のスロット/シンボル、
- PUSCHをスケジューリングするPDCCHのうちの1つの最初または最後のスロット/シンボル(PUSCH送信をスケジューリングするPDCCH/DCIが、PDCCHの信頼性のために複数のPDCCHを介して繰り返され得る)。参照としてPUSCHスケジューリングのための複数のPDCCH/DCI繰り返しの最初のPDCCH/DCIを使用することは、後続のPDCCH/DCIも同じSRI参照を与えるので、より良い選択であろうことを意味することになる。後のPDCCH/DCIのいずれかが使用される場合、基準点の前のPDCCH/DCIは、参照点の後のPDCCH/DCIとは異なるSRI基準を与え得る、
- SRSリソース・セットをトリガするPDCCHのうちの1つの最初または最後のスロット/シンボル、
- SRSリソース・セットをアクティブ化するMAC-CEコマンドを備えるPDSCHのうちの1つの最初または最後のスロット/シンボル、
- SRSリソース・セットをアクティブ化するMAC-CEコマンドを備えるPDSCHのためのHARQ ACKを搬送するPUCCHリソースのうちの1つの最初または最後のスロット/シンボル。
【0215】
注:送信の開始または終了に対応する時点がt…tであるn個の異なるUL/DL送信では、時点t’の前または後の直近の送信は、|t’-t|,i=1…nで最小値を有するものとなる。
【0216】
スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントのSRIフィールドに対応するSRSリソース・セットは、上記の実施形態に従って、異なる時間領域挙動に関連付けられ得る。送信時間に応じて、SRIフィールドに対応するSRSリソースは、それらの時間領域挙動に関係なく決定されてよい。しかしながら、どのタイプのSRSリソース・セットが選ばれるべきかに関して競合が生じる場合、異なる周期性の様々なリソース・セットが同じ使用状態で存在する場合、UEのための対応する指示が必要である。
【0217】
一実施形態によれば、第1のSRIフィールドに関連付けられたSRSリソース・セットの以下のプロパティのうちの少なくとも1つは、スケジューリングPDCCHまたは上位層グラントにおける他の1つのSRIフィールドに対応するSRSリソース・セットのそれと同じである:SRSリソース・セットの使用状態(それらのすべては、コードブックまたは非コードブックSRSリソース・セットのいずれかであってよい)、時間領域挙動(それらのすべては、非周期的、周期的、または半永続的リソース・セットのいずれかであってよい)。これは、複数の方法で確実にされ得る。第1の例では、UEは、SRIフィールドを、上記時間t’の前または後で直近に送信されるSRSリソース・セットと同じ時間領域挙動のSRSリソース・セットに関連付けるように構成され、時間t’は、前述の基準点のいずれかであり得る。第2の例では、UEは、SRIフィールドを、SRSリソース・セットSと同じ時間領域挙動のSRSリソース・セットと関連付けるように構成され、SRSリソース・セットSは、以下の規則のうちの少なくとも1つに基づいて決定される:SRSリソース・セットSは、時間領域挙動に関してより高い優先度を有する。優先規則は、特定の時間
【0218】
【数21】

の前または後の送信に適用され得る。例えば、所定の優先度規則が、ネットワーク・ノードを介してUEに対して提供され、UEに知られ、または仕様で固定され得る(非周期的>半永続的>周期的)。UEは、所与の時間
【0219】
【数22】

の後に送信される最も高い優先度を有するSRSリソース・セットによって、SRIフィールドを関連付け得るSRSリソース・セットを決定してよい。
【0220】
- SRSリソース・セットSは、上位層を介して構成される。MAC-CEまたはRRCシグナリングは、所与のPDCCH/DCIまたは上位層グラントに対して選択すべきSRSリソースを、UEに指し示すために提供され得る。上位層グラントについては、上位層グラント自体で提供され得る。
【0221】
注:上記の実施形態では、複数のSRIフィールドに関連付けられた複数のSRSリソース・セットに適用可能な方法は、複数のSRSリソース・セットに関連付けられた単一のSRIフィールドを使用する場合にも適用可能であり得る。
【0222】
一実施形態によれば、UEは、SRSリソース・セットの上位層構成を受信するように構成され、SRSリソース・セットは1つまたは複数のSRSリソースを含む。各SRSリソースは、1つまたは複数のSRSポートに関連付けられる。さらに、SRSリソース・セットは、複数のパスロス基準RSに関連付けられ得る。さらに、構成されたSRSリソース・セットにおける各SRSリソースは、該当する場合、複数の空間的関係パラメータに関連付けられ得る。この実施形態の変形例では、SRSリソース・セットまたはSRSリソースと複数のパスロス基準RSまたは空間的関係との関連付けは、MAC-CEメッセージまたは他の任意の上位層を介して実行されてよい。
【0223】
例えば、UEは、4つのSRSリソースを含む上位層を介して、1つの上記SRSリソース・セットを用いて構成され得る。SRSリソース・セットは、2つのパスロス基準RSを用いて構成されてよく、セット内の各SRSリソースは、2つの空間的関係パラメータを用いて構成されてよい。SRSリソースが送信のためにトリガされたとき、UEは、SRS構成で提供された第1の空間的関係およびパスロス基準RS仮定を伴う第1の送信機会、ならびにSRS構成で提供された第2の空間的関係およびパスロス基準RS仮定を伴う第2の送信機会において、SRSリソース・セットにおけるSRSリソースを送信する。
【0224】
UEが2つの機会において上記SRSリソース・セットの送信を実行した後、UEは、2つの機会のサウンディングで使用されるSRSリソース・セットからの1つまたは複数のSRSリソースを指し示し、それにより、PUSCH送信に使用されるアンテナ・ポートを指し示すことによって、1つまたは複数のPUSCH送信をスケジューリングすることができる。
【0225】
注:本開示の任意の実施形態において、ダウンリンク制御情報または上位層グラントにおいて、パラメータに対応する「1つまたは複数のフィールド」という用語(該当する場合)、またはパラメータに対応するフィールドもしくはフィールドのコードポイントによる「1つまたは複数の値」という表示(該当する場合)は、異なる方法で解釈され得る。フィールドは、該当する場合、特定のパラメータについて1つまたは複数の値を指し示すために使用されるx≧1ビットの集まりと解釈される。フィールドがy≧1個の値を提供するといわれる場合、それは以下の2つの異なる方法によって実行され得る。
【0226】
- フィールドの単一のコードポイント、すなわちフィールドの所与のxビットのパターンが、y個の値を提供し得る。単一のコードポイントはy個の値に対してマッピングされ、このマッピングは、上位層シグナリングのPHY層を介してネットワーク・ノードによってUEに対して指し示され、またはUEに対して事前設定されもしくは知らされ、すなわちNR仕様で固定される。
【0227】
- フィールドの所与のxビット・パターン、すなわちフィールドのコードポイントは、y個のパーティションまたは部分を含み、i番目の部分(i=1,…,y)はi番目の値を指し示す。xビット・パターンは全体でy個の値を提供し、i番目のパーティションまたは部分は、単一の値を提供するまたは指し示すzビットからなる。フィールド・サイズzは、i=1,…yは、
【0228】
【数23】

を満たす。このケースは、パラメータのための複数のフィールド(パラメータのための合計y個のフィールド)の存在として解釈されてもよく、ここで、各フィールドは、パラメータに対する1つの値を提供する。
【0229】
複数のフィールドが上記パラメータに対する複数の値を提供するといわれる場合、各フィールドは、フィールドのパーティションを介して、または上述のようなフィールドの単一のコードポイントに対する1つもしくは複数の値のマッピングを介して、1つまたは複数の値を提供してよく、ここで、個々の値を解釈するためのフィールドのパーティションは不可能であり得る。このように、本開示におけるフィールドおよびそれらの指し示された値の解釈は、上記の方法のいずれかで行われ得る。
【0230】
注:本開示におけるSRSリソース・セットの送信への言及は、SRSリソース・セット内の少なくとも1つのリソースの送信を指す。
<SRI表示>
PDCCHまたは上位層グラントを介してスケジューリングされたn≧1回のPUSCH送信のSRSリソースの表示は、1つまたは複数のSRIフィールドを介して行われる。1つのSRIフィールドが使用されるとき、フィールドの各コードポイントはn回のPUSCH送信機会のために最大n’≦n個のSRSリソースを提供し得る。複数のSRIフィールドが使用されるとき、各SRIフィールドは単一のSRSリソースを指し示し得る。両方のSRI表示方法において、重要な問題点は、単一TRPベースとマルチTRPベースのPUSCH送信スケジューリング間の動的スイッチングの可能性である。SRSリソースの表示のために単一のSRIフィールドが使用される場合、1つのSRSリソース・セットからの1つだけのSRSリソースを指し示すコードポイントがフィールドに存在することがあり、それにより、単一のTRPに対するPUSCH送信を可能にし得る。複数のSRIフィールドが使用されるとき、単一TRPとマルチTRPとの間の動的スイッチングは他の手段によって行われる必要がある。
【0231】
実施形態によれば、UEは、n’≦n個のSRIフィールドを含むn>1回の送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、SRIフィールドのうちの少なくとも1つは、以下のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0232】
- SRIフィールドに対応する1つまたは複数のSRSリソース・セットからSRSリソースが選ばれないことを指し示す、SRIフィールド内の予約されたコードポイント、
- SRIフィールドの残りのビットによって提供され得る対応する1つまたは複数のSRSリソース・セットにおけるSRIフィールドによって指し示されるSRSリソースが、PDCCHまたは上位層グラントによってスケジューリングされたPUSCH送信機会のうちの少なくとも1つのため使用されるかどうかを指し示す1ビット値。特別の場合において、SRSリソース・セットに対応するSRIフィールドが0ビットを有する場合、これはSRSリソース・セットが1つだけのリソースを有するときに生じ得るが、1ビット値が、SRSリソース・セットが使用されているかどうかを指し示すために依然として存在し得る。
【0233】
実施形態によれば、UEは、n’≦n個のSRIフィールドを含むn>1回の送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、bビット・フィールドが、SRIフィールド内に、またはSRIフィールドと一緒に、または別個のフィールドとしてあることが可能であり、ここで、b≧1であり、bビット・フィールドは、以下のうちの少なくとも1つを指し示す。
【0234】
- SRIフィールドにより指し示されたSRSリソースのいずれも、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたPUSCH送信機会のために使用されないこと。
【0235】
- SRIフィールドのうちの少なくとも1つにより指し示されたSRSリソースが、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたPUSCH送信機会のいずれについても使用されないこと。
【0236】
- SRIフィールドのうちの少なくとも1つのビット・フィールドが、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされたPUSCH送信機会のいずれについても、対応するSRSリソース・セットからSRSリソースを決定するために使用されないこと。
【0237】
- PDCCHまたは上位層グラントにおけるSRIフィールドの適切なサブセットのみのビット・フィールドが、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた少なくとも1つのPUSCH送信機会のために使用されること。
【0238】
- PDCCHまたは上位層グラントにおけるすべてのSRIフィールドにより指し示されるSRSリソースが、PDCCHまたは上位層グラントによりスケジューリングされた少なくとも1つのPUSCH送信機会のために使用されること。
【0239】
PUSCHをスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントにおけるSRIのうちの1つが、PUSCH送信機会のいずれについても使用されない場合、他の対応するパラメータも「無効」にされ得る。上記対応するパラメータの例は、RV値および/またはプリコーダ・インデックス/値および/またはTPCコマンドなどを含み得る。例えば、PDCCHまたは上位層グラントにより指し示される第1のSRIが、いずれのPUSCH送信機会にも使用されないことを指し示された場合、またはPDCCHまたは上位層グラントにより指し示される第1のSRIが、いずれのPUSCH送信機会にも関連付けられない場合、PDCCHまたは上位層グラントにより指し示される、第1のSRIとの対応を有することも有しないこともある、第1のRV値および/またはプリコーダ・インデックス/値および/またはTPCコマンドも、いずれのPUSCH送信機会にも関連付けられない。PDCCHまたは上位層グラントにより指し示される第2のSRIが、いずれのPUSCH送信機会にも使用されないことを指し示された場合、またはPDCCHまたは上位層グラントにより指し示される第2のSRIが、いずれのPUSCH送信機会にも関連付けられない場合、PDCCHまたは上位層グラントにより指し示される、第2のSRIとの対応を有することも有しないこともある、第2のRV値および/またはプリコーダ・インデックス/値および/またはTPCコマンドも、いずれのPUSCH送信機会にも関連付けられない。
【0240】
注:上記の実施形態における「SRIフィールド」の使用状態は、複数のパーティションまたは部分からなる単一のSRIフィールドの使用状態を意味することもでき、ここで、各パーティションまたは部分はSRIを指し示す。この場合、各指し示されるSRIは、異なるSRSリソース・セットに関連付けられ得る。
【0241】
非コードブックPUSCHの場合、異なる送信機会において層の数が同じに保たれるとき、SRIフィールドも、異なるPUSCH送信機会について同じ数のSRSリソースを指し示し得る。
【0242】
実施形態によれば、UEは、n’≦n個のSRIフィールドを含むn>1回の送信をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントを受信するように構成され、所与のSRIフィールドは、少なくとも1つの他のSRIフィールドと同じ数のSRSリソースを指し示す。
【0243】
スケジューリングされた送信機会の数は、2または任意の特定の数に限定されないことに留意されたい。したがって、先に提示された例は、提示されている実施形態の主題を限定しない。
【0244】
上記の上位層構成およびPHY層シグナリングを用いて、様々なPUSCH信頼性技法が多重化の種々の方法を介して可能にされ得る。以下では、先に説明された実施形態を使用して実現され得るマルチTRPベースのPUSCHフレームワークを論じる2つの例が提示される。
【0245】
(例1:上位層表示およびDMRSポート表示ベースのマルチ/セグメント化PUSCH)
この例では、マルチPUSCHまたはセグメント化PUSCHの上位層表示支援スケジューリングが提供される。多重化方式は、DMRSポート表示と上位層シグナリングとの組み合わせによって決定される。
【0246】
- UEは、上記層を介して、以下をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントをUEが受信できることを指し示され得る:
・n回のPUSCH送信機会(n>1)、または
・n(n>1)個のセグメントを有する1つのPUSCH送信機会。
【0247】
- 1つまたは複数の上位層を介して、例えば、特定の多重化方式に必要とされる特定の多重化方式表示またはパラメータについて、指し示されたいくつかのパラメータに応じて、多重化方式が決定され得る。したがって、方式間のスイッチングは上位層表示を必要とする。図3の図示は、要求されたパラメータの上位層表示と共に指し示されたDMRSポートのCDMグループ化が送信で使用される多重化方式を決定する、例を提供する。図3に以下のように示されている。
301. マルチPUSCH送信(機会)またはセグメント化PUSCH送信のスケジューリングを指し示す上位層シグナリングが、例えばPDCCHで、UE(図示せず)によって受信され、任意選択で多重化方式を指し示す上位層シグナリングが受信される。
【0248】
302. PDCCHがn(n>1)個のCDMグループでDMRSポートを指し示す場合、以下が行われ得る:
302a. 上位層がFDM送信を指し示す場合、UEは、FDMされたマルチPUSCH送信またはセグメント化PUSCH送信を実行する、
302b. 多重化方式の上位層シグナリングが受信されない場合、UEは、SDMされたマルチPUSCH送信またはセグメント化PUSCH送信を実行する。
【0249】
303. PDCCHがn=1個のCDMグループでDMRSポートを指し示す場合、以下が行われ得る:
303a. スケジューリングがスロット内であり、および/または上位層シグナリングが2つの送信機会/セグメントの間のシンボル・オフセットを指し示す場合、UEは、マルチPUSCHまたはセグメント化PUSCHのスロット内TDMを実行する、
303b. 上位層シグナリングがPUSCHの数の繰り返し値を指し示す場合、UEは、マルチPUSCHのスロット間TDMを実行する。
【0250】
(例2:多重化方式間の動的スイッチング)
この例では、指し示された数のDMRSポートを介して所望の多重化方式の動的スケジューリングを使用する方法が、図4を参照して提示される。
【0251】
図4は、以下の多重化方式の各々に必要とされる表示を示す:
- マルチPUSCHもしくはセグメント化PUSCH SDM、
- マルチPUSCHもしくはセグメント化PUSCH FDM、
- マルチPUSCHおよびセグメント化PUSCHのスロット内TDM、または
- マルチPUSCHのスロット間TDM
この例示的なシナリオでは、多重化方式は、セグメント化SDMおよびFDM間で動的に切り替えられる。追加の上位層パラメータがそれらの送信に必要とされないからである。CDMグループの数に応じて、SDMとFDMとの間の適切な多重化方式がスケジューリングされ得る。選択されるTDM方式が、適切な上位層パラメータを介して指し示されてもよい。このフレームワークは、DMRSポートのPHY層シグナリングを介した動的スイッチングを用いてスケジューリングの柔軟性を提供する。
【0252】
図4に以下のように示されている。
401. セグメント化/マルチPUSCHスケジューリングを指し示す上位層シグナリングが、例えばPDCCHで、UE(図示せず)によって受信される。
402. PDCCHがn(n>1)個のCDMグループでDMRSポートを指し示す場合、
402a. 各CDMグループが1つのセグメントまたはPUSCH送信機会に関連付けられた、セグメント化PUSCH/マルチPUSCH SDM送信が、UEによって実行される。
403. PDCCHがn=1個のCDMグループでDMRSポートを指し示す場合、以下が行われ得る:
403a. 上位層シグナリングがPUSCH送信間のシンボル・オフセットと共にマルチPUSCH/セグメント化PUSCHを指し示す場合に、UEは、マルチPUSCH/セグメント化PUSCH送信のスロット内TDMを実行する、
403b. 上位層シグナリングがPUSCHの数の繰り返し値と共にマルチPUSCHを指し示す場合に、UEは、マルチPUSCH送信のスロット間TDMを実行する、
403c. 追加の上位層パラメータが受信されない場合に、上位層シグナリングがセグメント化PUSCH/マルチPUSCHを指し示す場合、UEは、各セグメントまたは各PUSCH送信機会に関連付けられたn個の異なるセットのPRBでのセグメント化PUSCH/マルチPUSCH FDM送信を実行する。
【0253】
マルチPUSCHまたはセグメント化PUSCH送信のための上記の2つの例は、本開示の前述された実施形態を使用して実現され得る。
図5を参照すると、先に説明されたいくつかの例示的実施形態による、ネットワーク・ノードによって実行される方法のフローチャートが示されている。図示されるように、方法は、
(501)UEのための少なくとも1つのPUSCH送信機会をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントを受信するようにUEを構成する工程を備え、
(502)1つのPUSCH送信機会がスケジューリングされる場合、方法は、
(502a)PUSCHの少なくとも2つのセグメントを送信するようにUEをスケジューリングする工程を備え、PUSCHの各セグメントは、送信パラメータのセットを備える送信設定に関連付けられ、PUSCHのセグメントのうちの1つに関連付けられた少なくとも1つの送信パラメータは、PUSCHの少なくとも1つの他のセグメントに関連付けられた対応する送信パラメータとは異なり、
(503)複数のPUSCH送信機会がスケジューリングされる場合、方法は、
(503a)UEのための少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングする工程を備え、各PUSCH送信機会は、送信パラメータのセットを備える送信設定に関連付けられ、PUSCH送信機会のうちの1つに関連付けられた少なくとも1つの送信パラメータは、少なくとも1つの他のPUSCH送信機会に関連付けられた対応する送信パラメータとは異なる。
【0254】
前述のように、送信パラメータを含む送信設定は、PDCCH(またはDCI)または上位層グラントに含まれる。
一実施形態によれば、PUSCHセグメントまたはPUSCH送信機会に関連付けられた送信は、以下の送信パラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信のためのパスロス推定値を決定するためのパスロス基準RS、送信のための1つまたは複数のTPCコマンド、空間的関係またはビーム方向、周波数領域リソースおよび時間領域リソースなどを含む。
【0255】
前述のように、方法は、UEに対して、少なくとも2つのPUSCHセグメントまたは少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングする工程を備え、少なくとも1つのPUSCHセグメントまたはPUSCH送信機会がスケジューリングされるPRBのセットは、少なくとも他の1つのPUSCHセグメントまたは他の1つのPUSCH送信機会がスケジューリングされるPRBのセットと部分的または完全に異なる。
【0256】
方法はさらに、UEに対して、少なくとも2つのPUSCHセグメントまたは少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングする工程を備え、すべてのPUSCHセグメントまたはすべてのPUSCH送信機会は、同じスロット内でスケジューリングされ、各PUSCHセグメントまたは各PUSCH送信機会は、他のPUSCHセグメントまたはPUSCH送信機会がスケジューリングされるシンボルのセットとは異なるシンボルのセットにおいてスケジューリングされる。同じスロットは、同じ時間スロットを意味する。
【0257】
前述のように、UEに対して、少なくとも2つのPUSCHセグメントまたは少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングする工程を備え、各PUSCHセグメントまたは各PUSCH送信機会は、異なるセットのDMRSポートおよび/またはアンテナ・ポートに関連付けられる。
【0258】
方法はさらに、UEに対して、少なくとも2つのPUSCH送信機会をスケジューリングする工程を備え、各PUSCH送信機会は、異なるスロットにおいてスケジューリングされる。
【0259】
PUSCH送信機会は、同じまたは異なるPUSCHトランスポート・ブロックに関連付けられてよい。
一実施形態によれば、方法は、UEに対して、少なくとも2つのPUSCH送信機会または少なくとも2つのPUSCHセグメントをスケジューリングする工程を備え、各PUSCH送信機会またはPUSCHセグメントは、異なるアンテナ・ポートおよび/またはDMRSポートに関連付けられ、第1のセットのアンテナ・ポートは第1のSRSリソースに関連付けられ、第2のセットのアンテナ・ポートは第2のSRSリソースに関連付けられる。
【0260】
前述のように、少なくとも2つのPUSCH送信機会または少なくとも2つのPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントは、1つもしくは複数のSRSリソースにマッピングするまたは1つもしくは複数のSRSリソースを指し示すSRSリソース・インジケータ・フィールドを含み、各SRSリソースは、少なくとも1つのPUSCH送信機会またはPUSCHセグメントに関連付けられ、各PUSCH送信機会またはPUSCHセグメントは、関連付けられたSRSリソースのSRSポートを使用して送信される。
【0261】
少なくとも2つのPUSCH送信機会または少なくとも2つのPUSCHセグメントをスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントは、アップリンク送信構成表示(UL-TCI)フィールドを備えてよく、UL-TCIフィールドの値またはコードポイントは、1つもしくは複数のUL-TCI状態にマッピングするまたは1つもしくは複数のUL-TCI状態を指し示し、各指し示されたUL-TCI状態は、1つまたは複数のPUSCH送信機会またはPUSCHセグメントに関連付けられ、各UL-TCI状態は、以下の送信パラメータ、すなわち、DMRSポート、アンテナ・ポート、空間的関係、およびパスロス基準RSのうちの少なくとも1つを提供し、各PUSCH送信機会またはPUSCHセグメントは、関連付けられたUL-TCI状態によって提供された送信パラメータを使用して送信される。
【0262】
1つまたは複数のPUSCH送信機会をスケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、1つまたは複数のSRSリソースを指し示すSRSリソース・インジケータ・フィールドによってPUSCHのために使用される少なくとも1つのアンテナ・ポートと、1つまたは複数のUL-TCI状態を指し示すUL-TCIフィールドによってPUSCHのために使用される少なくとも1つの空間的関係またはビーム方向とを指し示し得る。
【0263】
一実施形態によれば、方法は、UEに対して、上位層を介して、少なくとも1つのスケジューリングされたPUSCH送信機会の繰り返しの数を構成する工程を備え、スケジューリングするPDCCHまたは上位層グラントは、1つまたは複数のUL-TCI状態および/または1つもしくは複数のSRSリソースを指し示し、各PUSCH送信機会は、指し示されたUL-TCI状態のうちの1つおよび/または指し示されたSRSリソースのうちの1つに関連付けられる。繰り返しの数は、指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースの数と等しくてよい。PUSCH送信機会の繰り返しの数が、UL-TCI状態の数よりも大きい、またはSRSリソース数よりも大きい場合、方法は、指し示されたUL-TCI状態またはSRSリソースとPUSCH送信機会との間の周期的または順次的な関連付けのパターンを適用するようにUEを構成する工程を含む。
【0264】
実施形態によれば、前述のように、PDCCHまたは上位層グラントは、スケジューリングされたPUSCH送信機会またはPUSCHセグメントの数と同じ数のTPCコマンドまたはSRSリソースまたはUL-TCI状態またはDMRSポートのセットまたは冗長バージョン(RV)値を指し示すことができ、各PUSCH送信機会またはPUSCHセグメントは、異なるTPCコマンドまたはSRSリソースまたはUL-TCI状態またはセットのDMRSポートまたは冗長バージョン値に関連付けられる。
【0265】
一実施形態によれば、1つまたは複数のRVオフセット値は、PDCCHにおいて、または上位層グラントにおいて、または他の上位層シグナリングによって指し示されてよく、少なくとも1つのPUSCH送信機会のRVは、指し示されたRVオフセット値、および別のスケジューリングされたPUSCH送信機会のRVのうちの1つを使用して決定される。
【0266】
一実施形態によれば、方法は、UEに対して、2つのPUSCH送信機会または2つのPUSCHセグメントの間のシンボルの数に関するオフセットを指し示す上位層パラメータを構成する工程を備え得る。
【0267】
一実施形態によれば、方法は、UEに対して、上位層を介して、1つまたは複数のSRSリソース・セットについての共通インデックスまたはトリガ状態の表示を構成し、物理層または上位層を介して、共通インデックスまたはトリガ状態に関連付けられたSRSリソース・セットの送信を有効にする工程を備え得る。
【0268】
一実施形態によれば、SRSリソース・セットは、上位層シグナリングまたは構成を介して、複数のパスロス基準RSに関連付けられ、上記SRSリソース・セットにおける少なくとも1つのSRSリソースは、上位層シグナリングまたは構成を介して、複数の空間的関係に関連付けられ、第1のパスロス基準RSおよび/または空間的関係は、第1のSRS送信機会に使用され、第2の構成されたパスロス基準RSおよび/または空間的関係は、第2のSRS送信機会に使用される。
【0269】
ネットワーク・ノードによって実行される前述のプロセスまたは方法工程を実行するために、ネットワークも提供される。図6は、ネットワーク・ノードを示すブロック図を示す。ネットワーク・ノード600は、プロセッサ610または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段610と、受信回路または受信モジュール640と、送信回路または送信モジュール650と、メモリ・モジュール620と、送信回路650および受信回路640を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバ・モジュール1330とを備える。ネットワーク・ノード600はさらに、少なくともUEとの間で信号を送信および受信するためのアンテナ回路を含むアンテナ・システム660を備える。アンテナ・システムは、前述のようにビームフォーミングを利用する。ネットワーク・ノードによって実行される動作は既に説明されている。ネットワーク・ノードはTRPとみなされてもよい。
【0270】
処理モジュール/回路610は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ」と呼ばれることがある。プロセッサ610は、ネットワーク・ノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)620は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、および/またはプロセッサ610によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリを含む。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるネットワーク・ノードは、本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて動作を実行するように構成された、固定またはプログラムされた回路を含むことが理解されよう。
【0271】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ610は、処理回路内にあるかまたは処理回路にアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ・プログラムからコンピュータ・プログラム命令を実行するように構成された、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」は、必ずしも永久記憶装置または不変記憶装置を意味するものではなく、ワーキング・メモリまたは揮発性メモリの記憶装置を含んでよいが、少なくともいくらかの持続性の記憶装置を含意する。プログラム命令の実行は、本開示に開示された動作を実行するように処理回路を特に適合させまたは構成する。さらに、ネットワーク・ノードが追加の構成要素を備えてよいことは理解されよう。
【0272】
ネットワーク・ノード600は、ビームフォーミング技術をサポートする4GもしくはLTE(登録商標)、LTE-A、5G、advanced 5G、またはそれらの組み合わせを含む、任意の無線アクセス技術に属してよい。プロセッサおよびメモリを備えるネットワーク・ノードは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより、ネットワーク・ノード600は、ネットワーク・ノードによって実行される方法とネットワーク・ノードによって実行される動作に関して開示された上記の方法工程とに関係付けられた添付の特許請求の範囲に従う方法を含む、本開示に開示された主題のいずれか1つを実行するように動作し/構成される。
【0273】
図7を参照すると、上述のいくつかの例示的実施形態に従ってUEによって実行される方法のフローチャートが示されている。図示されるように、方法は、
(701)UEのための少なくとも1つのPUSCH送信機会をスケジューリングする単一のPDCCHまたは上位層グラントをネットワーク・ノードから受信する工程を備え、(702)1つのPUSCH送信機会がスケジューリングされる場合、方法は、
(702a)少なくともPUSCHの少なくとも2つのセグメントを送信する工程を備え、PUSCHの各セグメントは、送信パラメータのセットを備える送信設定に関連付けられ、PUSCHのセグメントのうちの1つに関連付けられた少なくとも1つの送信パラメータは、PUSCHの少なくとも1つの他のセグメントに関連付けられた対応する送信パラメータとは異なり、
(703)複数のPUSCH送信機会がスケジューリングされる場合、方法は、
(703a)少なくとも2つのPUSCHを送信する工程を備え、各PUSCH送信は、送信パラメータのセットを備える送信設定に関連付けられ、PUSCH送信機会の1つに関連付けられた少なくとも1つの送信パラメータは、少なくとも1つの他のPUSCH送信機会に関連付けられた対応する送信パラメータとは異なる。
【0274】
前述のように、PUSCHセグメントまたはPUSCH送信機会に関連付けられた送信設定は、以下の送信パラメータ、すなわち、アンテナ・ポート、DMRSポート、送信のためのパスロス推定値を決定するためのパスロス基準RS、送信のためのTPCコマンド、空間的関係またはビーム方向、周波数領域リソースおよび時間領域リソースを含む。
【0275】
UEによって実行される追加の動作は、既に詳細に説明されている。
前述の実施形態に従ってUEによって実行される前述のプロセスまたは方法工程を実行するために、UE800も提供される。図8は、UEを示すブロック図を示す。UE800はプロセッサ810または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段810と、受信回路または受信モジュール840と、送信回路または送信モジュール850と、メモリ・モジュール820と、送信回路850および受信回路840を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバ・モジュール830とを含む。UE800はさらに、少なくともネットワーク・ノードとの間で信号を送信および受信するためのアンテナ回路を含むアンテナ・システム860を備える。アンテナ・システム860は、前述のようにビームフォーミングを利用する。UEによって実行される動作は既に説明されている。
【0276】
UE800は、ビームフォーミング技術をサポートする4GもしくはLTE、LTE-A、5G、advanced 5G、またはそれらの組み合わせを含む、任意の無線アクセス技術に属してよい。プロセッサ810およびメモリを備えるUEは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより、UE800は、少なくとも請求項22および23の主題を実行するように動作し/構成される。
【0277】
処理モジュール/回路810は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ」と呼ばれることがある。プロセッサ810は、UEおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)820は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、および/またはプロセッサ810によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリを含む。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるUEは、本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて動作を実行するように構成された、固定またはプログラムされた回路を含むことが理解されよう。
【0278】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ810は、処理回路内にあるかまたは処理回路にアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ・プログラムからコンピュータ・プログラム命令を実行するように構成された、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」は、必ずしも永久記憶装置または不変記憶装置を意味するものではなく、ワーキング・メモリまたは揮発性メモリの記憶装置を含んでよいが、少なくともいくらかの持続性の記憶装置を含意する。プログラム命令の実行は、UEによって実行される方法に関係付けられた添付の特許請求の範囲のいずれか1項による方法を含む、本開示に開示された動作を実行するように、処理回路を特に適合させまたは構成する。さらに、UE800が追加の構成要素を備えてよいことは理解されよう。
【0279】
本明細書を通して「例」または「例示的」への言及は、例に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における「例では」または「例示的」という表現の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照するものではない。
【0280】
本開示を通して、「備える」または「備えている」という用語は、非限定的意味で使用されており、すなわち「少なくとも構成される(consist at least of)」を意味している。本明細書では特定の用語が使用されることがあるが、それらは、限定のためではなく一般的および記述的な意味のみで使用されている。本明細書の実施形態は、LTEまたは4G、LTE-A(またはLTE-Advanced)、5G、advanced 5G、WiMAX(登録商標)、WiFi(登録商標)、衛星通信、テレビ放送などを含む、任意のワイヤレス・システムに適用され得る。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8