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特開2024-133174血液成分を分離するための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133174
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】血液成分を分離するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61M1/02 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】69
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024111206
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2020571846の分割
【原出願日】2019-06-27
(31)【優先権主張番号】62/695,631
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516353294
【氏名又は名称】ハヌマン ペリカン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ドリアン,ランディー
(72)【発明者】
【氏名】リーチ,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ストーズ,リチャード ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】キング,スコット アール.
(57)【要約】
【課題】血液から成分を分離除去するための単純かつ効果的な方法および装置を提供する。
【解決手段】血液成分を分離するための装置および方法が開示されており、血液を分離する装置は、チャネルを形成するとともに所定の量の血液を受承するように構成されたチューブと、チューブ内に収容されるフロートとを含み、フロートは、血液の第1の分画成分から形成された第1の層と、血液の第2の分画成分から形成された第2の層との間で平衡状態に維持されるように、予め定義された密度を有する。遠心分離が完了すると、第1の層は、フロートが第1の層から第2の層を分離している間に、チューブから除去されてもよい。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルを形成するチューブであって、所定量の血液を受承するように構成されたチューブと、
前記チューブ内に含まれるとともに予め定められた密度を有するフロートであって、前記フロートが、前記血液の第1の分画成分から形成された第1の層と前記血液の第2の分画成分から形成された第2の層との間で平衡状態に維持される、フロートと、を備える、血液を分離するための装置。
【請求項2】
前記フロートが、球形、楕円形、および円筒形からなる群から選択される形状を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フロートが、少なくとも1つのテーパ面または傾斜面を形成する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記フロートが、前記フロートの法線面に対して少なくとも1つの非直交面を形成する、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記フロートが1.0乃至1.1グラム/mlの密度を有する、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記フロートが1.03乃至1.07グラム/mlの密度を有する、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フロートが、RBC層からなる前記第1の層およびPRP層からなる前記第2の層の中間の密度を有する、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記フロートの外径が前記チャネルの内面の98乃至101%である、請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記フロートが赤血球の層を保持するように構成された表面を有する、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記フロートが、赤血球の層の付着を抑制するように構成された表面を有する、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記チューブ内に抗凝固剤をさらに備える、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記密度が、前記血液の第3の分画成分から形成された第3の層の下で平衡状態に維持されるようにさらに予め定められている、請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記密度が、前記血液の第3の分画成分から形成された第3の層の表面の下で平衡状態に維持されるようにさらに予め定められている、請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第3の層がバフィーコート層からなる、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記チューブの近位端をシールするセプタムをさらに備える、請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記チューブが、その長手方向軸線に対して第1の直径から拡張された第2の直径まで径方向に拡張するように構成されており、前記フロートが、前記第1の直径と同じかそれよりも大きいが、前記拡張された第2の直径よりも小さいフロート直径を有する、請求項1乃至15のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記フロート内に埋め込まれた第1の誘引要素をさらに備える、請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の誘引要素に近接して前記チューブの外部に配置された第2の誘引要素をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記フロートに近接した前記チューブの外面に圧縮力を加えて、前記チューブに対する前記フロートの位置を固定するように構成されたクランプをさらに備える、請求項1乃至18のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記チューブの内部に延び、前記チューブ内での前記フロートの位置を維持するために、前記フロートの上面に接触する支柱をさらに備える、請求項1乃至19のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記支柱が、前記チューブの開口部に取り外し可能に取り付け可能なキャップ内に組み込まれている、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記フロートが、前記フロートの中間線が平衡状態に維持されるように予め定められた密度を有する、請求項1乃至21のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記フロートが、血小板の付着を実質的に防止するように構成された表面形状を有する、請求項1乃至22のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記フロートが、血小板の付着を実質的に防止するために、角度をなして先端ほど細くなる表面形状および表面を有するように構成されている、請求項3乃至23のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記フロートが複数の材料からなる、請求項1乃至24のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記フロートが複数のポリマ材料からなる、請求項1乃至25のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記フロートが第1のポリマ材料および第2のポリマ材料からなる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のポリマ材料および前記第2のポリマ材料が、1.0乃至1.1グラム/mlの密度を提供するのに有効な重量比で存在する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のポリマ材料および前記第2のポリマ材料が、1.03乃至1.07グラム/mlの密度を提供するのに有効な重量比で存在する、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
前記フロートのサイズおよび形状が実質的に固定されたままである、請求項1乃至29のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記フロートが膨潤性材料を含まない、請求項1乃至30のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記フロートが突起物を含まない、請求項1乃至31のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記フロートが、1つ以上の血小板への損傷を実質的に回避する表面形状および形状を有する、請求項1乃至32のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記フロートが、1つ以上の血小板を損傷することを防止する表面形状および形状を有する、請求項1乃至33のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記赤血球の層が、1つ以上の血小板の損傷を実質的に回避するのに有効な厚みを有する、請求項9乃至34のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
予め定義された密度を有するフロートを包囲するチューブのチャネルに所定量の血液を導入する工程と、
前記血液が、少なくとも前記血液の第1の分画成分から形成された第1の層および前記血液の第2の分画成分から形成された第2の層に分離されるように、前記チューブを遠心分離する工程と、を含み、
前記フロートが、前記第1の層と前記第2の層との間で平衡状態に維持されている、血液を分離する方法。
【請求項37】
前記フロートが、球形、楕円形、および円筒形からなる群から選択される形状を形成する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記フロートが、少なくとも1つのテーパ面または傾斜面を形成する、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記フロートが1.0乃至1.1グラム/mlの密度を有する、請求項36乃至38のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記フロートが1.03乃至1.07グラム/mlの密度を有する、請求項36乃至39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記フロートが、RBC層からなる前記第1の層およびPRP層からなる前記第2の層の中間の密度を有する、請求項36乃至40のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記フロートの外径が、前記チャネルの内面の98乃至101%である、請求項36乃至41のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記チューブを遠心分離する工程は、赤血球の層を前記フロートの表面に保持することをさらに含む、請求項36乃至42のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記チューブを遠心分離する工程は、前記フロートの表面上に赤血球の層が付着するのを抑制することをさらに含む、請求項36乃至43のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
抗凝固剤を前記チューブ内に導入する工程をさらに含む請求項36乃至44のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記血液がバフィーコート層から形成された第3の層にさらに分離されるように、前記チューブを第2の遠心分離に付す工程をさらに含む、請求項36乃至45のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記密度が、前記第3の層の下で平衡状態に維持されるようにさらに予め定められている、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記所定量の血液を導入するに先だって、真空シールされて前記フロートの上面に接触している前記チューブの内部に延びる支柱を取り払う工程をさらに含む、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記支柱を前記チューブの前記内部から取り払う間に、前記チューブ内の真空シールを破る工程をさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記チューブを遠心分離する工程は、前記フロートが前記チャネル内を自由に移動できるように、前記チューブをその長手方向軸線に対して第1の直径から拡張された第2の直径へと径方向に拡張する工程を含む、請求項46乃至49のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記チューブが、その拡張した第2の直径からその第1の直径に戻って収縮するとともに前記チャネルに対してその平衡位置に前記フロートを固定するように遠心分離を停止する工程をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記チューブを遠心分離するに先だって、前記フロート内に埋め込まれた第1の誘引要素および前記チューブの外部で前記第1の誘引要素に近接して配置された第2の誘引要素を介して、前記チューブ内の前記フロートの位置を固定する工程をさらに含む、請求項36乃至51のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記フロートに近接した前記チューブの外面に圧縮力を加えるように構成されたクランプを介して、前記チューブ内の前記フロートの位置を固定する工程をさらに含む、請求項36乃至52のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記フロートの中間線が平衡状態に維持される、請求項36乃至53のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
請求項1乃至35のうちのいずれか一項に記載の装置および血液サンプルを提供する工程と、
前記血液サンプルを赤血球からなる第1の相および血漿からなる第2の相に分離するために十分な所定の時間および速度で、前記血液サンプルを前記装置内で遠心分離する工程と、
多血小板血漿を調製するために前記第2の相の一部を除去する工程と、を含む、多血小板血漿を調製する方法。
【請求項56】
前記第2の相から除去された部分が乏血小板血漿からなる、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記多血小板血漿を再懸濁する工程をさらに含む、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記フロートが、前記第1の相と前記第2の相との間で平衡状態に維持される、請求項55乃至57のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
請求項1乃至35のうちのいずれか一項に記載の装置に所定量の血液を導入する工程と、
生物学的サンプルを第1の相および第2の相に分離するように前記装置を遠心分離する工程と、を含み、
前記フロートを前記第1の相と前記第2の相との間で平衡状態に維持する、生物学的サンプルを分離する方法。
【請求項60】
前記装置が、前記血液サンプルを第1の相、第2の相、および第3の相に分離するのに十分な所定の時間および速度で遠心分離される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
請求項1乃至35のうちのいずれか一項に記載の装置に所定量の血液を導入する工程と、
前記血液が、少なくとも前記血液の第1の分画成分から形成された第1の層および前記血液の第2の分画成分から形成された第2の層に分離されるように、前記装置を遠心分離する工程と、を含み、
前記フロートを前記第1の層と前記第2の層との間で平衡状態に維持する、血液を分離する方法。
【請求項62】
にきび、脱毛症、疼痛、歯周病、歯周欠損、慢性創傷、糖尿病性足潰瘍、外傷、瘢痕、失禁、および/またはしわに関連付けられる症状を治療、予防、または改善する方法であって、請求項55乃至61のうちのいずれか一項に記載の方法により製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項63】
にきび、脱毛症、疼痛、歯周病、歯周欠損、慢性創傷、糖尿病性足潰瘍、外傷、瘢痕、失禁、および/またはしわに関連付けられる症状を治療、予防または改善する方法であって、本明細書に記載された方法のうちのいずれか1つの方法によって製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項64】
毛髪の成長、組織治癒、組織再生、性的健康、骨の成長、骨の再生、および/または歯周再生を増加、増強、または促進する方法であって、請求項55乃至61のうちのいずれか一項の方法により製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項65】
毛髪の成長、組織治癒、組織再生、性的健康、骨の成長、骨の再生、および/または歯周再生を増加、増強、または促進するための方法であって、本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つによって製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与することを含む、方法。
【請求項66】
請求項55乃至61のうちのいずれか一項に記載の方法により製造された生成物と、美容的に許容される担体と、を含む、組成物。
【請求項67】
本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つにより製造された生成物と、美容的に許容される担体と、を含む、組成物。
【請求項68】
請求項55乃至61のうちのいずれか一項に記載の方法により製造された生成物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項69】
本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つにより製造された生成物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液成分を分離するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、血液から特定の成分を効果的に分離および除去するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液は分画可能であり、医療上の必要性に応じて異なる分画が使用される。例えば、貧血(赤血球レベルが低い)の場合は、赤血球の輸液で治療可能である。血小板減少症(血小板レベルが低い)は、血小板濃縮物の輸液で治療可能である。
【0003】
各種血球および血漿の沈降は、細胞の比重の違いおよび培地の粘度の違いによって行われる。沈降して平衡状態になると、比重(濃度)が最も高い成分は最終的に底部に沈降し、最も軽い成分は上部に上昇する。重力や遠心力の影響下で、血液は自然に3層に沈降する。平衡状態では、最上層の低密度層は血漿と呼ばれる麦わら色の透明な流体である。血漿は、塩類、代謝物、ペプチド、および小さなもの(インスリン)から非常に大きなもの(補体成分)までの多くのタンパク質の水溶液である。血漿自体の医学的用途は限られているが、例えば血友病(第VIII因子)の治療や止血剤(フィブリノーゲン)として使用されるタンパク質を得るために、さらに分画することができる。全血中の血漿タンパク質および血小板のほとんどが緩慢な遠心分離後の血漿中にあるため、血漿中の血小板の濃度が上澄み血漿中に懸濁した状態で上昇していることから、多血小板血漿(PRP)という用語がこの成分に用いられている。遠心分離後の最上層は、典型的には血漿タンパク質のみを含み、「ハードスピン」の結果として血小板が存在しないか、または数が少ないことから、典型的には乏血小板血漿(PPP)と呼ばれる。
【0004】
下部の高濃度層は、酸素輸送に特化した核赤血球(RBC)からなる深紅色の粘性流体である。赤い色は、赤血球の高比重の原因である高濃度のキレートされた鉄またはヘムによって付与される。血液型にマッチしたパッケージ化赤血球は、例えば出血に起因する貧血の治療に有用である。赤血球からなる全血の相対量をヘマトクリットといい、正常なヒトでは約38%乃至約54%の範囲になり得る。
【0005】
中間層は最も小さな層で、赤血球層の上から血漿の下に肉薄な白い帯状に現れ、バフィーコートと呼ばれている。バフィーコート自体は、核化した白血球と、血小板と呼ばれる核の小体の2つの主要な構成要素を有する。白血球は免疫力を付与するとともにデブリーの掃き出しに貢献している。血小板は血管の裂け目をシールして止血するとともに成長因子および創傷治癒因子を創傷部位に輸送する。血漿から血小板がパッケージ化赤血球上に沈降し、白血球がパッケージ化赤血球を通って赤血球と血漿との間の界面まで浸透するように、全血を十分にハードに長く回転させる「ハードスピン」を全血が受けると、バフィーコートは全血から分離されてもよい。
全血を低速(例えば、1,000gまで)で短時間(例えば、2乃至4分)遠心分離すると、白血球は赤血球よりも迅速に沈降し、両者とも血小板よりもはるかに迅速に沈降する。高速では、より短時間で同じ分布が得られる。全血からPRPを採取する方法は、この原理に基づいている。パッケージ化赤血球およびPRPへの分離と同じくらいの分画のみを取る遠心沈降は、赤血球は沈降するが血小板は懸濁状態のままである遠心分離条件を記載するために一般的に使用される「ソフトスピン」と呼ばれている。「ハードスピン」は、典型的には、赤血球が沈降し、血小板が赤血球の層のすぐ上の層に沈降する遠心分離条件を記載するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自家血小板濃縮物を形成するために使用される自動輸血装置は、熟練した操作者並びに相当の時間および費用を必要とし、これらの装置は、大量の血液の原液量を必要とする。これらの装置の多くは、多少コストおよび時間が低減されたとはいえ、熟練した操作者および時間がなお必要とされている。従って、全血から成分を分離除去するための単純かつ効果的な方法および装置の必要性が残されている。本発明の実施形態は、これらおよび他のニーズを満たすように構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、血液をその異なる成分、例えば赤血球画分、血漿画分、および血小板画分に迅速に分画するための装置および方法に関する。記載された装置および方法は、例えば、治癒を補助するために、または治癒を迅速にするために、自己濃縮血小板画分を迅速に調製するために特に利点がある。
【0008】
全血は、全血とともにチューブ内で自由にかつアンカー固定されない状態で浮遊することができる密度調整されたフロート機構を備える通気性チューブ内で回転されてもよい。フロート機構の密度は、全血が分離されたときに、平衡状態にあるフロートが沈降した赤血球(RBC)パックの上に静止し、PRP上清を分離するように調整されてもよい。フロートは、PRPがチューブから引き出されたときに、RBCによる汚染を防止するためのバリアとして機能してもよい。
【0009】
一変形例では、一般に、例えば全血サンプルを収集するためのチャネルを形成するシリンジまたは遠心分離容器チューブを含むセパレータアセンブリを含んでもよい。セパレータフロートは、例えば、球形、楕円形、円筒形などの非侵襲的な円弧状の形状を有してもよく、フロートがチャネルの長手方向部分内で自由に移動できるようにチャネルの内径に対応する直径を有してもよく、これにより、フロートの外径とチャネルの内面との間に形成された環状空間を血液成分が通過できる。しかしながら、この環状空間はまた、血液成分の自由で妨げられない通過を阻害するように十分に小さいものであってもよい。
【0010】
球形状を有するフロートは、上下の流体分画を分離するために使用できるのみならず、遠心分離中にフロートが曲がったり、詰まったりする可能性を低減することができる。加えて、かつ/または任意により、フロートの選択された表面またはすべての表面も同様に任意に処理されてもよい。例えば、オーバーモールドスキン、シリコーンコーティング、ラザリン、界面活性剤プロテイン等の湿潤剤等をフロートの選択面に塗布してもよいし、フロートの全体にわたって塗布してもよい。一変形例では、フロートの上面は、PRP層の血小板が上に沈降する赤血球の薄い層を捕捉または保持するように処理されてもよい。赤血球の存在により、潜在的に接触する血小板をめくったり損傷させる可能性のあるフロートの表面に直接接触することからあらゆる血小板を緩衝したり、最小限にしてもよい。
【0011】
一変形例では、フロートの密度は、例えば「ソフトスピン」の後にRBC層が完全にフロートの上面の下にあるように設定することができる。これに代えて、フロートの上のRBC層を少量捕捉するようにフロートの密度を設定してもよい。バフィーコートが望ましい場合、フロートの密度は、「ハードスピン」の後にバフィーコートおよび少量のRBC層がフロートの上にあるように設定することができる。同じフロートは、「ソフトスピン」の後に、フロートがRBC層とPRP層との間に、例えば、その中間線またはフロートに沿った任意の位置に存在し、続いて「ハードスピン」の後に、その中間線またはフロートに沿った任意の位置に、例えば、バフィーコートの下に存在するように、その密度が設定されてもよい。一部の血漿は、より濃縮された最終製品を生成するために、バフィーコートを採取する前に、個別に引き出されることができる。
【0012】
上述したように、平衡状態にあるフロートは、沈降した赤血球(RBC)パックの上に静止して、「ソフトスピン」の後などにPRP上清を分離してもよい。平衡状態のフロートは、それに応じて、PRP層および/またはバフィーコートがチューブの近位端または上端に向かってフロートの上方(例えば、フロートの外径よりも上方)に存在する上部チャネルと、RBC層がチューブの遠位端または下端に向かってフロートの下方(例えば、フロートの外径よりも下方)に存在する下部チャネルとの間のチャネルを分離してもよい。他の変形例では、フロートの密度は、バフィーコートがフロートの周縁部、例えば、フロートの中間線の上、または「ハードスピン」後のフロートに沿った任意の場所に形成されるように調整されてもよい。PRP層をRBC層から分離することにより、RBC層からの赤血球がフロートの上に含まれる上澄みPRP層から確実に完全に分離されることが支援される。
【0013】
別の変形例では、チューブは任意により無菌性を維持するためのシールを含むことができる。また、シールは、シールを通して形成された引出チューブチャネルに接続された引出チューブを組み込んでもよい。チューブに対するシールの位置は、任意に調整され、これにより、一旦処理が完了し、フロートが上部流体分画および下部流体分画に対して平衡状態に配置されると、PRP層がチューブを通して引き抜かれるように、引き抜きチューブの開口部をフロートに対して接触または近接して配置するように、シールがチューブに押圧されたり、ねじ込まれたり、または他の方法で押し下げられたりする。
【0014】
別の代替案では、フロートは、必要に応じて、その除去を容易にするためにフロートに取り付けられたテザーを任意に組み込むことができ、他の変形例では、テザーは、PRP層の除去のための開口部に接続されるか接続可能なチューブの長手方向部分、例えばシリコーンチューブから構成されてもよい。さらなる別の変形例において、RBC層の比較的高い粘度は、上清PRP層が倒立チューブの上部キャップまたは上部キャップ上のセプタムルアーから引き抜くことができるように、チューブが倒立されたときに分離を維持するために利用されてもよい。また、チューブは、遠心分離中にその長手方向軸線に対して半径方向に膨張するように構成されてもよく、これにより、フロートが遠心分離された分画層に対してその平衡位置までチューブ内を自由に移動することができるようにしてもよい。しかしながら、遠心分離を停止すると、チューブの内径が収縮してフロートをその所定の平衡位置に捕捉してもよい。フロート自体は、これに代えて、遠心力で生成された圧力の下で圧縮可能であるが、遠心分離が停止した後に再び膨張し、その平衡位置でチューブの内面に対するフロートの位置をロックするようにすることができる。
【0015】
上述したように、フロート自体は別の形状であってもよい。フロートの別の特定の変形例は、血液成分への損傷を最小限に抑えるように、非侵襲性の形状、例えば、鈍化された形状であってもよい頂点で終端する円錐形状に形成された先端ほど細くなる界面を含んでもよい。先端ほど細くなる界面は、任意により、チューブ内部の先端ほど細くなる形状を反映するような形状であってもよい。また、先端ほど細くなる界面は、遠心分離中にフロートの上面に赤血球が蓄積するのを防ぐことができる。先端ほど細くなる界面は、フロートの正常な表面に対して傾斜したまたは非直交な表面を有してもよく、これにより、血小板は、傾斜した界面上を容易に移動または滑落することができる。非直交面の度合いは、存在する流体の体積などの要因に応じて変化してもよいが、傾斜の度合いは、例えば、約2度乃至約45度までの任意の範囲であってもよい。さらに、表面は、比較的粗いポリマから、例えば、ポリマコーティング、ナノ粒子などを利用して、磨かれた表面に平滑化されてもよい。加えて、かつ/またはこれに代えて、フロートの底面は、赤血球がパック化され、膨らんだパックから血小板を絞り出すときに、血小板が底面上に堆積するのを防ぐために、同様に先端ほど細くされてもよい。
【0016】
さらなる別の変形例では、上澄み画分を分離し、次いで回収するために、シリンジまたは容器チューブを真空引きシステムで使用してもよい。移動可能なプランジャは、チャネル内に摺動可能に配置されてもよく、プルロッドは、フロートとは反対側のプランジャの側面でプランジャに取り付けられたプランジャロックを介してプランジャに結合されてもよい。プルロッドロックは、プルロッド開口部を通してプルロッドが移動可能であるプルロッド開口部の周囲のチューブの遠位側表面でチューブと一体的に設けられてもよい。ルアーアセンブリは、バルブと、ルアーをシールするために使用可能なキャップまたはセプタムルアーとともに、チューブの近位端で一体的に設けられてもよい。
【0017】
ルアーアセンブリの直下のチューブの近位端はまた、チューブから引き出し可能なPRP層の量を最適化するために、対応する方法でフロートを受承するように先端ほど細くなる形状または所定の形状に形成可能な界面を形成してもよい。
【0018】
容器チューブを利用するための一変形例では、全血を受承するに先だって、フロートがチューブの界面に対して接触するように押圧されている初期位置にプランジャおよびフロートを移動させるために押圧可能なプルロッドを利用してもよい。チューブは、チャネル内に含まれる、例えば、抗凝固剤または他の任意の薬剤を予め装填した状態で供給されてもよい。チューブに抗凝固剤をあらかじめ装填しておけば、追加の処理をすることなく、血液を直接チューブに取り入れることができる。バルブが閉じた状態で、プルロッドは、プランジャをチューブ内の遠位側位置に移動させるために張引されたり、押圧されたりしてもよい。バルブが閉じているので、チューブ内に真空が形成可能である。プルロッドは、チューブに対するプルロッドの位置をロックし、真空のためにプランジャが近位側に所定の位置に戻ってくるのを防ぐように、チューブおよびプランジャに対してその長手方向軸線を中心として部分的に回転させてもよい。
【0019】
シリンジまたは血液ラインをルアーに接続し、続いてバルブを開いて、チューブ内に形成された真空によってルアーを通って(全)血液をチャネルに引き込むことができるようにしてもよい。一旦血液がチューブのチャネルを満たすと、バルブは再び閉鎖され、血液ラインは切り離されるとともに除去されてもよい。プルロッドは、チューブ、フロート、および全血を遠心分離することができるように、プルロッドが完全に取り外されるように、プルロッドロックと同様にプランジャロックから分離されてもよいし、取り外されてもよい。全血がチャネルまたはチューブ内に導入された状態で、フロートは、アセンブリを遠心分離する前に、その遠位側位置に沈降した状態を保持してもよい。
【0020】
一旦チューブとその内容物が十分に遠心分離されると、全血はその分画成分に分離され、フロートは、個々の分画層の濃度の違いにより、チャネル内での位置を変化させることができる。PRP層を効果的に除去するために、シリンジまたはラインがルアーに結合されてもよく、バルブは、その後、ラインを通してPRP層を引き抜きできるように開かれてもよい。RBC層は、プランジャとフロートとの間に残っていてもよく、フロートは、PRP層がルアーを介して引き出される際に、PRP層とRBC層との界面に残っていてもよい。PRP層が完全に引き出されると、フロートの上面がチューブの界面に接触して、フロートおよび界面がフロート界面を形成して、チューブをシールし、ルアーを介したそれ以上の引き抜きを防止することができるようにしてもよい。従って、RBC層は、フロートの下面とプランジャとの間に捕捉されたままであってもよい。
【0021】
チューブの出荷および保管のために、フロートは、全体的または部分的にフロート内に埋め込まれた磁石のような誘引要素を組み込んでもよい。外部に配置された誘引要素は、チューブの出荷時またはチューブの取り扱い時にフロートが移動しないように、フロート内に埋め込まれた要素を引き付けるために、チューブの底部の近傍など、チューブの外部に配置されてもよい。チューブの使用に先立って、外部の誘引要素は、チューブ内のフロートの位置を解放するために取り外されてもよい。
【0022】
さらなる別の変形例では、チューブ上の外部クランプを使用して、特にチューブ内に任意の予め装填した抗凝固剤が存在する場合に、フロートがその位置に確実に固定された状態を保持するように、チューブの底部でフロートの位置を捕捉してもよい。クランプは、血液導入前または血液導入後、または遠心分離前に取り外してもよい。
【0023】
一変形例において、血液を分離するための装置は、一般に、チャネルを形成し、所定の量の血液を受承するように構成されたチューブと、チューブ内に含まれ、血液の第1の分画成分から形成された第1の層と、血液の第2の分画成分から形成された第2の層との間でフロートが平衡状態に維持されるように予め定められた密度を有するフロートとを備えてもよい。
【0024】
別の変形例において、血液を分離するための方法は、一般に、予め定義された密度を有するフロートを包囲するチューブのチャネルに所定量の血液を導入することと、血液が、少なくとも血液の第1の分画成分から形成される第1の層と、血液の第2の分画成分から形成される第2の層とに分離されるようにチューブを遠心分離することとを含み、フロートは、第1の層と第2の層との間で平衡状態に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A図1Aは、フロートセパレータアセンブリの一変形例を示す斜視図である。
図1B図1Bは、引き抜きチューブを有するフロートセパレータアセンブリの別の変形例を示す部分断面側面図である。
図1C図1Cは、遠心分離が完了した後にチューブ内のフロートの相対位置をロックするための代替的な変形例を示す斜視図である。
図1D図1Dは、遠心分離が完了した後にチューブ内のフロートの相対位置をロックするための代替的な変形例を示す斜視図である。
図2A】上側テーパ状界面、並びに上側テーパ状界面および下側テーパ状界面の両者を有するフロートセパレータの別の変形例を示す斜視図である。
図2B】上側テーパ状界面、並びに上側テーパ状界面および下側テーパ状界面の両者を有するフロートセパレータの別の変形例を示す側面図である。
図3】フロートセパレータアセンブリの別の変形例を示す斜視図である。
図4A図4Aは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図4B図4Bは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図4C図4Cは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図4D図4Dは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図4E図4Eは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図4F図4Fは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図4G図4Gは、異なる血液成分を分離するとともに選択的に収集するために使用されるフロートセパレータアセンブリの一例を示す図である。
図5A】分離された血液成分間に配置されたフロートセパレータを示す斜視図である。
図5B】分離された血液成分間に配置されたフロートセパレータを示す斜視図である。
図6】フロートを固定された構成に維持することを可能にするチューブアセンブリを示す斜視図である。
図7A】フロートがチューブ内部の底部内に配置された状態のチューブを示す斜視図である。
図7B】誘引要素がフロート内またはフロートに沿って全体的に含まれた状態でチューブから取り外されたフロートを示す斜視図である。
図8A】誘引要素がフロート内に埋め込まれたチューブの底部に対して隣接するフロートの異なる実施形態の側面図を示す。
図8B】誘引要素がフロート内に埋め込まれたチューブの底部に対して隣接するフロートの異なる実施形態の側面図を示す。
図9】PPPの層をRBCから分離するために再配置された解放されたフロートを示す斜視図である。
図10】チューブ内のフロートの位置を固定するために配置された取り外し可能な梱包支柱を有するチューブを示す側面図である。
図11】クランプまたは他の外部圧縮機構によりチューブ内の所定の位置に保持されたフロートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書を通して、「top」、「above」、「bottom」、「below」などの用語は、例えば、血液の分画成分を有する容器チューブの長手方向軸線が直立または非水平に配置されたときに、容器チューブが位置決めされたときに、成分の相対的な配置に関して文脈を提供するために使用される。このような記述は、例示目的でのみ使用される。
【0027】
一変形例によるセパレータアセンブリでは、全血は、全血とともにチューブ内で自由にかつアンカー固定されずに浮遊することができる密度調整フロート機構を有する通気されるチューブ内で回転されてもよい。フロート機構の密度は、様々な方法論、例えば、異なる比率の異なるポリマを組み合わせること、重量を積分すること、質量を除去することなどを使用して定義されるか、または予め定義されてもよく、これにより、全血が分離されたときに、平衡状態にあるフロートは、沈降した赤血球(RBC)パックの上に静止し、PRP上清を分離することができる。フロートは、PRPがチューブから引き出されたときに、RBCによる汚染を防止するためのバリアとして機能してもよい。
【0028】
図1Aの斜視図に、一般的に例えば全血サンプルを収集するためのチャネル18を形成するシリンジまたは遠心分離容器チューブ12を備える一態様によるセパレータアセンブリ10を示す。容器チューブ12は、任意の様々な生体適合性材料で形成可能であり、また、一般的に寸法の範囲は、一例に過ぎないが、例えば、1.5乃至3.0cmの内径、6乃至12cmの長さを有する。セパレータフロート20は、例えば、球形、楕円形、円筒形などの非外傷性かつ円弧状の形状を有してもよく、また、チャネル18の内径に対応する直径を有してもよく、これにより、フロート20は、チャネル18の長さ内で妨害されることなく自由に移動することができ、これにより、フロート20の外径とチャネル18の内面との間に形成された環状空間を血液成分が通過することができる。しかしながら、この環状空間はまた、血液成分の自由で妨げられない通過を阻害するように十分に小さいものであってもよい。それゆえ、フロート20の外径は、例えば、一般的に、チャネル18の内面の98乃至101%の外径を有するような範囲にあってもよい。
【0029】
静止時にフロート20が収容されるチャネル18の内径と等しいかそれ以上の外径を有するフロート20については、そのようなフロート20は、ガラスではなくプラスチックやポリマなどの可撓性材料で形成された容器チューブ12を使用してもよい。チャネル18の内径は、例えば分離処理で回転されたときに、比較的大きな内径を得られるように、半径方向に拡大するように再構成されてもよい。この回転処理の間に、フロート20は、チャネル18内に含まれる血液成分に対して平衡状態にある所定の位置までチャネル18内を自由に移動してもよい。容器チューブ12が回転を停止したか、または減速したときに、チャネル18の内径は、それ自体比較的狭小な直径に収縮されるように半径方向に再構成され、これにより、続いてフロート20の外径に対してクランプダウンまたは圧縮してもよい。
【0030】
他の変形例では、フロート20は、特定の用途に応じて、数十マイクロメートル乃至数百マイクロメートルの間隙(または干渉)の範囲のチャネル18の内面に対する外径を有してもよい。
【0031】
図1Aに示す変形例は、上部流体画分と下部流体画分とを分離するために使用することができるのみならず、遠心分離の間にフロート20がコッキングまたはジャムする可能性を低減する可能性がある球状の形状を有するフロート20を例示している。また、フロート20は、フロート20の密度が本願のために望ましく調整されているか、または調整可能である限り、任意の様々な生体適合性材料から形成されてもよい。したがって、フロート20は、固体で一様な物体(適当な密度を有する)として形成されてもよいし、他の変形例では、フロート20は、フロート20の密度を変化させたり、望ましくは調整したりすることを可能にする材料で注入または充填されるように中空にされてもよい。この変形例では、セパレータフロート20は、全血で使用するために特に調整された密度、例えば、25℃で1.0乃至1.1グラム/mlの密度)を有してもよく、他の変形例では、フロート20は、異なる密度、例えば、1.03乃至1.07グラム/mlなどを有するように形成されてもよい。
【0032】
加えて、かつ/または任意に、フロート20の選択された表面またはすべての表面も同様に任意に処理されてもよい。例えば、オーバーモールドスキン、シリコーンコーティングや、ラザリン、界面活性剤プロテイン等の湿潤剤等をフロートの選択面に塗布してもよいし、フロートの全体にわたって塗布してもよい。一変形例では、フロート20の上面は、PRP層中の血小板が沈降する赤血球の薄い層を捕捉または保持するように処理されてもよい。赤血球の存在は、潜在的にめくり返されて、接触する血小板を損傷する可能性があるフロート20の表面に直接接触することから、任意の血小板のクッションになるとともにこれらの任意の血小板を隔離することができる。この例では、血小板にクッション性を提供するのに、フロート20の表面上の赤血球の少なくとも1つの層で十分であってもよい。
【0033】
なお、フロート20は球状の形状を有するものとして図示されるが、様々な形状を有するものであってもよい。例えば、他の実施形態では、フロートは、長さと、フロートの底部または遠位部に沿って湾曲した、ドーム状の、または凸状の形状とを有する円筒体を有するように形成されてもよい。また、フロートの上部または近位部は、フロートの長手方向軸線に対して湾曲していてもよく、ドーム状であってもよく、凸状であってもよく、凹状であってもよく、あるいは角度をなしていてもよい。
【0034】
一変形例では、フロート20の密度は、例えば「ソフトスピン」の後に、RBC層がフロート20の上面の下に完全に位置されるように設定することができる。これに代えて、フロート20の密度は、フロート20の上のRBC層を少量捕捉するように設定されてもよい。バフィーコートが所望の場合、フロート20の密度は、「ハードスピン」の後にバフィーコートおよび少量のRBC層がフロート20の上に位置するように設定することができる。同じフロート20は、「ソフトスピン」の後に、フロート20がRBC層とPRP層との間に、例えば、その中間線またはフロートに沿った任意の位置に存在し、その後「ハードスピン」の後に、その中間線またはフロートに沿った任意の位置に、例えば、バフィーコートの下に存在するように、その密度が設定されてもよい。一部の血漿は、より濃縮された最終製品を生成するために、バフィーコートを採取する前に、個別に引き出されることができる。
【0035】
議論の目的のために、「ハードスピン」は、例えば、2乃至20分間で2000乃至4000xgの範囲であり得、一方、「ソフトスピン」は、例えば、5乃至20分間で500乃至1000xgの範囲であり得る。
【0036】
上述したように、平衡状態にあるフロート20は、沈降した赤血球(RBC)パックの上に静止してもよく、これにより、「ソフトスピン」後などにPRP上清を単離可能である。平衡状態のフロート20は、したがって、チューブ12の近位端または上端14に向かってPRP層および/またはバフィーコートがフロート20の上方(例えば、フロート20の外径よりも上方)に存在する上部チャネル22と、チューブ12の遠位端または下端16に向かってRBC層がフロート20の下方(例えば、フロート20の外径よりも下方)に存在する下部チャネル24との間でチャネル18を分離してもよい。他の変形例では、フロート20の密度は、バフィーコートがフロート20の周縁部、例えば「ハードスピン」後のフロート20の中間線34の上、またはフロートに沿った任意の箇所に形成されるように調整されてもよい。PRP層をRBC層から分離することにより、RBC層からの任意の赤血球がフロート20の上に含まれる上澄みPRP層から確実に完全に分離されることが支援される。チューブ12はまた、カバーまたはシール、および取り外し可能なキャップまたはセプタムルアー26を有してもよく、このキャップまたはセプタムルアー26を通して、PRP層および/またはバフィーコートを除去するためにこれらの層および/またはコートにアクセスされてもよい。キャップは、引き抜きのためのアクセスを提供するために取り外し可能であってもよいが、セプタムルアー26を使用することにより、セプタムルアー26は、例えば、チューブ50内に血液を導入するために、所定の位置に留まることができる。
【0037】
これに代えて、チューブ12は、任意のルアー取付具を省略した従来のセプタムでシールされてもよい。チューブ12をシールするためにセプタムを利用することにより、チューブ12を使用するまで真空シールしてもよい。
【0038】
密度は、フロート20が分画層間の所定の位置で平衡状態に配置されるように調整されてもよいが、フロート20としての密度の許容範囲は比較的大きい自由さがある。例えば、フロート20が「ハードスピン」後に中間バフィーコート層を分離するために使用された場合、PRP層またはRBC層と比較してバフィーコートの層が比較的肉薄であることを考慮すると、フロート20上の密度許容範囲ははるかに狭くなるであろう。一方、「ソフトスピン」後にPRP層とRBC層とを分離するためにフロート20を用いた場合には、フロート20の密度範囲に関する自由さは比較的大きくなる。
【0039】
図1Bの部分断面側面図に別の変形例を示すが、これは、内部にフロート20を有するチューブ12を図示している。フロートニュートラルライン34(例えば、外径)の一例を説明のために示す。チューブ12は、任意に、上述したように、無菌性を維持するためのシール28を含んでもよい。また、シール28は、図示のように、シール28により形成された引き抜きチューブチャネル32に接続された引き抜きチューブ30を組み込んでもよい。一旦処理が完了し、フロート20が上部流体分画および下部流体分画に対して平衡状態に配置されると、引き抜きチューブ30を介してPRP層を引き抜くことができるように、引き抜きチューブ30の開口部をフロート20に対して接触または近接して配置するように、シール28をチューブ12に押し付けたり、ねじ込んだり、または他の方法で押し下げたりするように、チューブ12に対するシール28の位置を任意に調整してもよい。
【0040】
別の代替案では、フロート20は、必要に応じて、容易にこれを除去できるようにフロート20に取り付けられたテザー(図示しない)を任意に組み込んでもよく、他の変形例では、テザーは、PRP層の除去のための開口部に接続されたまたは接続可能な所定の長さのチューブ、例えばシリコーンチューブから構成されてもよい。さらなる別の変形例において、RBC層の比較的高い粘度は、上澄みPRP層が倒立チューブ12の上部のキャップまたはセプタムルアー26から引き抜かれるように、チューブ12が倒立されたときに分離を維持するために利用されてもよい。図1Cに示すように、RBC層の粘度が、チューブを倒立させたときに分離を確実に維持するのに不十分である場合、チューブ12は、遠心分離中にその長手方向軸線に対して半径方向に拡張して、フロート20が遠心分離された分画層に対してその平衡位置までチューブ12内を自由に移動することができるように構成され得る。換言すれば、チューブ12は、遠心分離される際に、静止した第1の直径から拡張した第2の直径に拡張してもよい。フロート20は、チューブ12の第1の直径と等しいか、またはこれよりもわずかに大きいが、チューブ12の拡張した第2の直径よりも小さいフロート直径を有してもよい。しかしながら、遠心分離を停止すると、チューブ12の内径が拡張した第2の直径からその第1の直径に戻って収縮し、フロート20をその平衡位置の所定の箇所に捕捉してもよい。図1Dに示すように、フロート20自体は、これに代えて、遠心力で生成された圧力下で圧縮可能であるが、チューブ12の内面に対するフロート20の位置をその平衡位置でロックするように、遠心分離が停止した後に再拡張することができる。
【0041】
上述したように、フロート自体は別の形状であってもよい。図2Aの斜視図に、フロートの別の特定の変形例を示すが、これは、血液成分への損傷を最小限に抑えるように、頂点44で終端する円錐形の構造体で形成された、または非侵襲性を備える形状に、例えば鈍化される凸状の構造体で形成されたテーパ状の界面42を有する、テーパ状のフロート40を例示する。テーパ状の界面42は、任意に、チューブ内部のテーパ状の形状を反映するような形状であってもよい。また、テーパ状の界面42は、遠心分離中にフロート40の上面に赤血球が堆積するのを防止してもよい。加えて、かつ/またはこれに代えて、図2Bの側面図に示すように、フロート40’の底面42’もまた、赤血球がパック化する際に、血小板が下面に堆積するのを防止するように、先端ほど細くなっていてもよく、これにより、血小板は、膨らんだパックから絞り出される。
【0042】
いくつかの実施形態では、傾斜の程度は、フロートの法線表面に対して、例えば、約2度乃至約45度、任意に、約2度乃至約40度、約2度乃至約35度、約2度乃至約30度、約2度乃至約25度、約2度乃至約20度、約2度乃至約15度、約2度乃至約10度、または約2度乃至約5度の範囲内の任意の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、傾斜の程度は、フロートの法線表面に対して、例えば、約2度乃至約45度、任意に、約5度乃至約40度、約7.5度乃至約35度、約10度乃至約30度、約12.5度乃至約25度、または約15度乃至約20度の範囲内の任意の範囲にあってもよい。他の実施形態では、傾斜の程度は、フロートの法線表面に対して約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、または45度であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、フロートは、血小板の付着を実質的に防止するように構成された表面形状を有する。他の実施形態では、フロートは、血小板の付着を実質的に防止するために、表面形状および表面が角度をなしてテーパ状になるように構成されている。本発明者らは、表面形状とテーパ角との最適な関係を見出した。
【0044】
さらなる別の態様では、図3の斜視図に示すように、シリンジまたは容器チューブ50は、上澄み画分を分離し、次いで収集するために、真空引きシステムにおいて使用されてもよい。容器チューブ50のチャネル内にセパレータフロート72が収容された状態で示されている。フロート72の外径52は、本明細書に記載されているように、環状のチャネルを形成するように示される。移動可能なプランジャ54は、チャネル内に摺動可能に配置されてもよく、プルロッド58は、フロート72に対向するプランジャ54の側でプランジャ54に取り付けられたプランジャロック56を介してプランジャ54に結合されてもよい。プルロッドロック60は、これを通してプルロッド58が移動可能なプルロッド開口部62の周囲のチューブ50の遠位側表面でチューブ50と一体的に設けられてもよい。ルアーアセンブリ64は、バルブ66と、ルアー64をシールするために使用可能なキャップまたはセプタムルアー68とともに、チューブ50の近位端で一体的に設けられてもよい。
【0045】
上述したように、キャップは、引き抜きのためのアクセスを提供するために取り外し可能であってもよく、セプタムルアー68を使用することにより、セプタムルアー68は、例えば、チューブ50内に血液を導入するために所定の位置に留まることができる。遠心分離後、セプタムルアー68は、引き抜きシリンジに対して接続可能となるように、任意に取り払われてもよい。加えて、セプタムルアー68を使用することにより、個別のバルブ66の使用または必要性がさらに省略されてもよい。
【0046】
ルアーアセンブリ64の直下のチューブ50の近位端はまた、チューブ50から引き出し可能なPRP層の量を最適化するために、フロート72を受承するようにこれに応じて先端ほど細くなるか、形状を形成される界面70を形成してもよい。
【0047】
図4A乃至4Gは、容器チューブ50を利用するための一変形例の側面図である。図4Aに示すように、プルロッド58は、全血を受承する前に、プランジャ54およびフロート72を、フロート72がチューブ50の界面70に対して接触する初期位置に移動させるために押圧されてもよい。チューブ50は、チャネル内に含まれる、例えば、抗凝固剤または他の任意の薬剤を予め装填して供給されてもよい。チューブ50に抗凝固剤を予め装填しておくことにより、追加の処理を必要とせずに、血液を直接チューブ50に引き込むことができる。図4Bに示すように、バルブ66が閉鎖した状態で、プルロッド58は、プランジャ54をチューブ50内の遠位側位置に移動させるために張引されてもよいし、押圧されてもよい。フロート72は、プランジャ54とともにチューブ50のチャネル74を通って落下しているように示される。バルブ66は閉鎖されているので、チューブ50内に真空が形成されてもよい。プルロッド58は、チューブ50に対するプルロッド58の位置をロックするように、および真空のためにプランジャ54が近位側の位置に戻されるのを防ぐように、チューブ50およびプランジャ54に対してその長手方向軸線を中心として部分的に回転されてもよい。
【0048】
シリンジまたは血液ラインをルアー64に取り付けてもよく、バルブ66を開いて、図4Cに示すように、チューブ50内に形成された真空によって、(全)血液76がルアー64を通ってチャネル74内に引き込ませてもよい。一旦血液76がチューブ50のチャネル74を満たすと、バルブ66は再び閉じられ、血液ラインは切り離されて取り外されてもよい。図4Dに示すように、プルロッド58は、チューブ50、フロート72、および全血76を遠心分離することができるように、プルロッド58が完全に取り外されるように、プルロッドロック60と同様に、プランジャロック56からも分離されてもよいし、取り外されてもよい。全血76がチャネル74またはチューブ50内に導入された状態で、フロート72は、アセンブリを遠心分離する前に、その遠位側位置に沈降したままであってもよい。
【0049】
一旦チューブ50およびその内容物が十分に遠心分離されると、全血76は、その分画成分に分離されてもよく、フロート72は、個々の分画層の密度が異なるために、それに応じてチャネル74内の位置を変化させてもよい。図4Eに示す変形例は、第1の層、例えばPRP層76’と第2の層、例えばRBC層76”との間の界面に配置された、平衡状態におけるフロート72を例示している。図4Fに示すように、PRP層76’を効果的に取り払うために、シリンジまたはライン78がルアー64に結合されてもよく、バルブ66は、その後、ライン78を通して、PRP層76’を引き抜くことができるように開放されてもよい。RBC層76”は、プランジャ54とフロート72との間に残ってもよく、フロート72は、PRP層76’がルアー64を通して引き抜かれる際に、PRP層76’とRBC層76”との界面に残ってもよい。図示のように、フロート72およびプランジャ54の両者は、それに応じて、チャネル74を通って上方に移動してもよい。図4Gに示すように、PRP層76’が完全に引き抜かれると、フロート72の上面がチューブ50の界面70に対して接触し、これにより、フロート72および界面70は、チューブ50をシールするとともにルアー64を通したそれ以上の引き抜きを防止し得るフロート界面80を形成する。RBC層76”は、したがって、フロート72の下面とプランジャ54との間に捕捉されたままであってもよい。
【0050】
フロート72がRBC層76”に対してシールしているため、引き抜かれたPRP層76’がチューブ50内に再び導入されたとしても、RBC層76”はフロート72の下に収容されたままであり、その体積は変化しない。
【0051】
図5Aおよび図5Bは、遠心分離後にチューブ50内に含まれる層の間に平衡状態で配置されたフロート72を有する、得られた分画層76’,76”の別の例を示す。図5Bは、シリンジ78がルアー64に結合され、RBC層76”がチューブ50内のフロート72とプランジャ54との間に捕捉されたままである間に、PRP層76’がシリンジ78内に引き込まれている様子を示している。一旦PRP層76’が十分に引き抜かれると、シリンジ78は、RBC層76”をチューブ50内に残して更なる処理および使用のためにルアー64から取り外されてもよい。
【0052】
本明細書で議論されるように、全血76は、フロートの中間線34の上またはフロートに沿った任意の箇所にバフィーコートを得るために「ハードスピン」されてもよい。PRP層76’の上に形成されてもよい、所定量の得られる乏血小板血漿(PPP)は、チューブ50から引き抜かれてもよい。チューブ50内に収容されたバフィーコートは、最小限の剪断または泡立ちで、シリンジ78内の残りの上澄み液を数回往復させることによって、より小さい残りの容積に再懸濁されてもよい。係止部は、バフィーコートが再懸濁される上澄み液の量を予め設定された量に規定するために、フロートとチューブ50の界面70との間の距離が固定されるように、チューブ50に着脱可能に取り付けられてもよい。その後、バフィーコートは、再懸濁されて、係止部を取り外すことにより、引き抜かれてもよい。
【0053】
特に出荷および取り扱い中にフロート96を固定された構成に維持するために使用されてもよいシステムのさらなる別の変形例において、図6は、チューブ92が所定量の抗凝固剤などの薬剤、例えばACD-Aで充填されてもよい場合にフロート96を固定された構成に維持することを可能にするチューブアセンブリ90の斜視図を示す。チューブ92は、セプタム94で真空下でシールされてもよく、これにより、血液は、患者から直接、抗凝固剤で予め充填されていてもよいチューブ92内に吸引されることができる。チューブ92は、チューブから、そして例えば保管中の封入された所定量の抗凝固剤内への異物の浸出の潜在的な問題を防止するために、ガラスから形成されてもよい。
【0054】
図示のように、フロート96は、所定量の抗凝固剤とともにチューブ92内に封入されてもよい。しかしながら、抗凝固剤との密度差により、フロート96がチューブ92内で上昇する可能性があり、フロート96は出荷や取り扱いのために不動の位置に固定されるのが望ましい。この変形例では、フロート96は、HDPEなどの任意の数の生体適合性材料から形成されてもよく、この変形例では、例えば1.03乃至1.07、または1.04のすぐ下の密度を有してもよい。ガラスチューブ92の硬度のため、外部クランプは、ガラスチューブ92内のフロート96の位置を固定するのに不適切な場合がある。チューブ92がプラスチック材料から形成された場合、クランプは、チューブ92の壁部がわずかに変形してフロート96に対して圧縮してフロート96の所定の位置を維持するとともにその動きを防止するように、フロート96に近接してチューブ92の外面を覆うように単純に配置されてもよい(以下でさらに詳細に説明するように);しかしながら、圧縮力を加えることは、ガラスのような比較的硬い材料から形成されたチューブ92では実行可能ではないであろう。フロート96は、したがって、チューブ92の内部の遠位端または底部に近接したフロート96の遠位端または遠位部のようなフロート96内に一体的に設けられた磁石のような誘引要素98を有してもよい。誘引要素98は、フロート96の位置を保持するための所望の誘引力に応じて、寸法(例えば、長さ3.175mm、直径3.175mm)および磁力の強さを変化させてもよい。
【0055】
誘引要素98は、チューブ92内のいかなる流体との直接的な接触を防止するために、フロート96内に完全に埋め込まれてもよく、またはフロート96の表面を越えて突出するように構成されてもよい。対応する外部誘引要素102(後述)は、フロート96内またはフロート96に沿って含まれる誘引要素98、例えば、チューブ92を覆って配置された、またはチューブ92を含む包装材内または包装材に沿って配置された取り外し可能な外部磁石に並置して、チューブ92の外部に沿ってまたはそれに対して配置されてもよい。外部誘引要素102はチューブ92の外部に配置されているので、外部誘引要素102は、要素間の磁気吸引力を切断するためにチューブ92から距離を置いて単純に取り払われてもよく、それによって、フロート96がチューブ92内でそれに応じて自由に再配置されるように、チューブ92内で血液を受承する前または後にフロート96の位置を解放してもよい。
【0056】
図7Aは、誘引要素98が全体的にフロート96内にまたはフロート96に沿って含まれている状態で、フロート96がチューブ内部の底部内に配置されたチューブ92の斜視図を示している。図7Bは、チューブ92から取り外されたフロート96の斜視図を示し、誘引要素98が、完全に内部に埋め込まれたままで、フロート96の遠位端または遠位部の近傍に配置され得ることを示している。
【0057】
図8Aは、誘引要素98がフロート96内に埋め込まれ、かつチューブ92の底部に近接している状態で、フロート96がチューブ92の底部に対して隣接している側面図を示している。外部誘引要素102は、チューブ92の底部の外部に配置され、フロート96の位置がチューブ92内に確実に維持されるように、フロート96および誘引要素98に近接して配置されるように図示されている。フロート96の底部は、チューブ92の底部の内部と対応するように密接に嵌合するように構成された界面100を有する形状であってもよい。図8Bは、図示のように、界面108が、誘引要素106が埋め込まれた平坦化されたプロファイルのような不適合な形状で構成されてもよく、依然として外部誘引要素102に近接してもよい、フロート104の別の変形例を示している。
【0058】
使用時には、外部誘引要素102は、本明細書に記載されているように、層分離の間にフロート96がそれ自身を再配置することを可能にするために取り払われてもよい。図9は、PPP110の層をRBC112から分離するために再配置された解放フロート96を示す斜視図である。内部に埋め込まれた誘引要素98を有するフロート96の変形例は、本明細書に記載されたフロートのうちの任意のものとの任意の数の組み合わせで利用されることが意図されている。
【0059】
図10の側面図に示すように、フロート内に埋め込まれた誘引要素の有無にかかわらず使用されてもよいさらなる別の変形例において、取り外し可能な梱包支柱120は、チューブの開口部に取り外し可能に取り付けられてもよいキャップ124、例えばルアーキャップ内に組み込まれてもよい。梱包支柱120は、キャップ124からチューブの内部に延び、かつフロート122の上面に対して接触して、出荷および取り扱い中にフロート122の位置を維持するようにしてもよい。チューブが使用のために準備されると、キャップ124およびその伸長する梱包支柱120は、フロート122がチューブの内部で移動できるように、チューブから取り外されてもよい。梱包支柱120を取り外すと、チューブ内の真空シールが破られる可能性があるが、梱包支柱120は、本明細書に記載されているフロートの変形例のうちの任意のものと組み合わせて使用されてもよい。
【0060】
図11の斜視図に示されるように、出荷および取り扱い中にフロート130の位置を維持するためのさらなる別の変形例では、チューブ92は、プラスチック材料から形成されてもよく、1つ以上の圧縮部材132a、132bを有するクランプまたは他の圧縮機構が、フロート130に近接してチューブ92の外面を覆って単純に配置されてもよい。チューブ92は、セプタム94(ルアー取付具の有無にかかわらず)がチューブ92の内部を包囲して真空シールされてもよい。クランプの圧縮部材132a,132bは、チューブ92の壁部がわずかに変形してフロート130に圧縮されて所定の位置を維持し、使用前の移動を防止するような圧縮力134を加えるために、チューブの外装に対して固定されてもよい。フロート130の圧縮により、特に任意の抗凝固剤がチューブ92内に予め装填されている場合に、フロート130がチューブ92内の所定の位置に確実に留まることが補助される。クランプは、使用前または血液導入後、遠心分離前に取り外してもよい。
本開示の付記
【0061】
付記1.
血液を分離するための装置であって、チャネルを形成するとともに所定の量の血液を受承するように構成されたチューブと、前記チューブ内に収容され、前記フロートが、前記血液の第1の分画成分から形成された第1の層と、前記血液の第2の分画成分から形成された第2の層との間で平衡状態に維持されるように、予め定義された密度を有するフロートと、を備える、装置。
【0062】
付記2.
前記フロートが、球形、楕円形、および円筒形からなる群から選択される形状を形成する、付記1に記載の装置。
【0063】
付記3.
前記フロートが、少なくとも1つのテーパ面または傾斜面を形成する、付記1または2に記載の装置。
【0064】
付記4.
前記フロートが、前記フロートの法線面に対して少なくとも1つの非直交面を形成する、付記1乃至3のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0065】
付記5.
前記フロートが1.0乃至1.1グラム/mlの密度を有する、付記1乃至4のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0066】
付記6.
前記フロートが1.03乃至1.07グラム/mlの密度を有する、付記1乃至5のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0067】
付記7.
前記フロートが、RBC層からなる前記第1の層とPRP層からなる前記第2の層の中間の密度を有する、付記1乃至6のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0068】
付記8.
前記フロートの外径が、前記チャネルの前記内面の98乃至101%である、付記1乃至7のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0069】
付記9.
前記フロートが、赤血球の層を保持するように構成された表面を有する、付記1乃至8のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0070】
付記10.
前記フロートが、赤血球の層の付着を抑制するように構成された表面を有する、付記1乃至9のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0071】
付記11.
前記チューブ内に含まれる抗凝固剤をさらに備える、付記1乃至10のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0072】
付記12.
前記密度が、前記血液の第3の分画成分から形成された第3の層の下で平衡状態に維持されるようにさらに予め定められている、付記1乃至11のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0073】
付記13.
前記密度が、前記血液の第3の分画成分から形成された第3の層の表面の下で平衡状態に維持されるようにさらに予め定められている、付記1乃至12のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0074】
付記14.
前記第3の層がバフィーコート層からなる、付記12または13に記載の装置。
【0075】
付記15.
前記チューブの近位端をシールするセプタムをさらに備える、付記1乃至14のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0076】
付記16.
前記チューブが、その長手方向軸線に対して第1の直径から拡張された第2の直径まで径方向に拡張するように構成されており、前記フロートが、前記第1の直径と同じかそれよりも大きいが、前記拡張された第2の直径よりも小さいフロート直径を有する、付記1乃至15のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0077】
付記17.
前記フロート内に埋め込まれた第1の誘引要素をさらに備える、付記1乃至16のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0078】
付記18.
前記チューブの外部に配置され、かつ前記第1の誘引要素に近接している第2の誘引要素をさらに備える、付記17に記載の装置。
【0079】
付記19.
前記フロートに近接した前記チューブの外面に圧縮力を加えて、前記チューブに対する前記フロートの位置を固定するように構成されたクランプをさらに備える、付記1乃至18のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0080】
付記20.
前記チューブの内部に延び、前記チューブ内での前記フロートの位置を維持するために前記フロートの上面に接触する支柱をさらに備える、付記1乃至19のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0081】
付記21.
前記支柱が、前記チューブの開口部に取り外し可能に取り付け可能なキャップ内に組み込まれている、付記20に記載の装置。
【0082】
付記22.
前記フロートが、前記フロートの中間線が平衡状態に維持されるように予め定められた密度を有する、付記1乃至21のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0083】
付記23.
前記フロートが、血小板の付着を実質的に防止するように構成された表面形状を有する、付記1乃至22のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0084】
付記24.
前記フロートが、血小板の付着を実質的に防止するために、角度をなして先端ほど細くなる表面形状および表面を有するように構成されている、付記1乃至23のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0085】
付記25.
前記フロートが複数の材料からなる、付記1乃至24のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0086】
付記26.
前記フロートが複数のポリマ材料からなる、付記1乃至25のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0087】
付記27.
前記フロートが第1のポリマ材料および第2のポリマ材料からなる、付記26に記載の装置。
【0088】
付記28.
前記第1のポリマ材料および前記第2のポリマ材料が、1.0乃至1.1グラム/mlの密度を提供するのに有効な重量比で存在する、付記26に記載の装置。
【0089】
付記29.
前記第1のポリマ材料および前記第2のポリマ材料が、1.03乃至1.07グラム/mlの密度を提供するのに有効な重量比で存在する、付記27または28に記載の装置。
【0090】
付記30.
前記フロートのサイズおよび形状が実質的に固定されたままである、付記1乃至29のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0091】
付記31.
前記フロートが流体膨潤性材料を含まない、付記1乃至30のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0092】
付記32.
前記フロートが突起物を含まない、付記1乃至31のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0093】
付記33.
前記フロートが、1つ以上の血小板の損傷を実質的に回避する表面形状および形状を有する、付記1乃至32のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0094】
付記34.
前記フロートが、1つ以上の血小板を損傷することを防止する表面形状および形状を有する、付記1乃至33のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0095】
付記35.
前記赤血球の層が、1つ以上の血小板の損傷を実質的に回避するのに有効な厚みを有する、付記9乃至34のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0096】
付記36.
所定量の血液を、予め定められた密度を有するフロートを包囲するチューブのチャネルに導入することと、前記血液が、少なくとも前記血液の第1の分画成分から形成される第1の層と、前記血液の第2の分画成分から形成される第2の層とに分離されるように前記チューブを遠心分離することと、を含み、前記フロートが前記第1の層と前記第2の層との間で平衡状態に維持される、血液を分離する方法。
【0097】
付記37.
前記フロートが、球形、楕円形、および円筒形からなる群から選択される形状を形成する、付記36に記載の方法。
【0098】
付記38.
前記フロートが、少なくとも1つのテーパ面または傾斜面を形成する、付記36または37に記載の方法。
【0099】
付記39.
前記フロートが1.0乃至1.1グラム/mlの密度を有する、付記36乃至38のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0100】
付記40.
前記フロートが1.03乃至1.07グラム/mlの密度を有する、付記36乃至39のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0101】
付記41.
前記フロートが、RBC層からなる前記第1の層とPRP層からなる前記第2の層との中間の密度を有する、付記36乃至40のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0102】
付記42.
前記フロートの外径が、前記チャネルの内面の98乃至101%である、付記36乃至41のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0103】
付記43.
前記チューブを遠心分離することは、赤血球の層を前記フロートの表面に保持することをさらに含む、付記36乃至42のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0104】
付記44.
前記チューブを遠心分離することは、前記フロートの表面上に赤血球の層が付着するのを抑制することをさらに含む、付記36乃至43のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0105】
付記45.
抗凝固剤を前記チューブ内に導入することをさらに含む、付記36乃至44のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0106】
付記46.
前記血液がバフィーコート層から形成された第3の層にさらに分離されるように、前記チューブを第2の遠心分離に付すことをさらに含む、付記36乃至45のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0107】
付記47.
前記フロートの前記密度が、前記第3の層の下で平衡状態に維持されるようにさらに予め定められている、付記46に記載の方法。
【0108】
付記48.
前記所定量の血液を導入するに先だって、真空シールされて前記フロートの上面に接触している前記チューブの内部に延びる支柱を取り払うことをさらに含む、付記46または47に記載の方法。
【0109】
付記49.
前記支柱を前記チューブの前記内部から取り払う間に、前記チューブ内の真空シールを破ることをさらに含む、付記48に記載の方法。
【0110】
付記50.
前記チューブを遠心分離することは、前記フロートが前記チャネル内を自由に移動できるように、前記チューブをその長手方向軸線に対して第1の直径から拡張された第2の直径へと径方向に拡張することを含む、付記46乃至49のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0111】
付記51.
前記チューブが、その拡張した第2の直径からその第1の直径に戻って収縮するとともに前記チャネルに対してその平衡位置に前記フロートを固定するように遠心分離を停止することをさらに含む、付記50に記載の方法。
【0112】
付記52.
前記チューブを遠心分離するに先だって、前記フロート内に埋め込まれた第1の誘引要素および前記チューブの外部で前記第1の誘引要素に近接して配置された第2の誘引要素を介して、前記チューブ内の前記フロートの位置を固定することをさらに含む、付記46乃至51のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0113】
付記53.
前記フロートに近接した前記チューブの外面に圧縮力を加えるように構成されたクランプを介して、前記チューブ内の前記フロートの位置を固定することをさらに含む、付記46乃至51のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0114】
付記54.
前記フロートの中間線が平衡状態に維持される、付記36乃至52のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0115】
付記55.
付記1乃至35のうちのいずれか1つに記載の装置と、血液サンプル(例えば、全血)とを提供することと、前記血液サンプルを赤血球からなる第1の相および血漿からなる第2の相に分離するために十分な所定の時間および速度で、前記血液サンプルを前記装置内で遠心分離することと、多血小板血漿を調製するために前記第2の相の一部を除去することと、を含む、多血小板血漿を調製する方法。
【0116】
付記56.
前記第2の相から除去された部分が乏血小板血漿からなる、付記55に記載の方法。
【0117】
付記57.
前記多血小板血漿を再懸濁することをさらに含む、付記55または56に記載の方法。
【0118】
付記58.
前記フロートが、前記第1の相と前記第2の相との間で平衡状態に維持される、付記55乃至57のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0119】
付記59.
前記装置が、前記血液サンプルを第1の相、第2の相、および第3の相に分離するのに十分な所定の時間および速度で遠心分離される、付記55乃至58のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0120】
付記60.
付記1乃至36のうちのいずれか1つに記載の装置に所定量の血液を導入することと、生物学的サンプルを第1の相および第2の相に分離するように前記装置を遠心分離することと、を含み、前記フロートを前記第1の相と前記第2の相との間で平衡状態に維持する、生物学的サンプルを分離する方法。
【0121】
付記61.
付記1乃至36のうちのいずれか1つに記載の装置に所定量の血液を導入することと、前記血液が、少なくとも前記血液の第1の分画成分から形成される第1の層、および前記血液の第2の分画成分から形成される第2の層に分離されるように前記装置を遠心分離することと、を含み、前記フロートが、前記第1の層と前記第2の層との間で平衡状態に維持される、血液を分離する方法。
【0122】
付記62.
にきび、脱毛症、疼痛、歯周病、歯周欠損、慢性創傷、糖尿病性足潰瘍、外傷、瘢痕、失禁、および/またはしわに関連付けられる症状を治療、予防、または改善する方法であって、付記55乃至61のうちのいずれか1つに記載の方法により製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与することを含む、方法。
【0123】
付記63.
にきび、脱毛症、疼痛、歯周病、歯周欠損、慢性創傷、糖尿病性足潰瘍、外傷、瘢痕、失禁、および/またはしわに関連付けられる症状を治療、予防または改善する方法であって、本明細書に記載された方法のうちのいずれか1つの方法によって製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与することを含む、方法。
【0124】
付記64.
毛髪の成長、組織治癒、組織再生、性的健康、骨の成長、骨の再生、および/または歯周再生を増加、増強、または促進する方法であって、付記55乃至61のうちのいずれか1つの方法により製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与することを含む、方法。
【0125】
付記65.
毛髪の成長、組織治癒、組織再生、性的健康、骨の成長、骨の再生、および/または歯周再生を増加、増強、または促進するための方法であって、本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つによって製造された生成物を、それを必要とする哺乳動物の対象に投与することを含む、方法。
【0126】
付記66.
付記55乃至61のうちのいずれか1つに記載の方法により製造された生成物と、美容的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0127】
付記67.
本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つにより製造された生成物と、美容的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0128】
付記68.
付記55乃至61のうちのいずれか1つに記載の方法により製造された生成物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【0129】
付記69.
本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つにより製造された生成物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【実施例0130】
記載された装置および方法を利用した一実施例では、ヒト血液のサンプルを、抗凝固剤(ACD-A)で充填されたチューブに採取した。各チューブをスイングバケット遠心分離機中で3200rpm(1500xg)で5分間回転させた。採取チューブ内に含まれるフロートは、1.04g/mlの予め定められた密度を有していた。
【0131】
血液サンプルを構成成分に回転スピンした後に、採血チューブを数回倒立させて血小板および採取した上部分画層を再懸濁させた。チューブ内に導入された全血の量、収穫されたPRPの量、相対的なベースラインカウント、および倍数増加および回収率を記録し、以下の表1に示すように計算した。
【0132】
【表1】
【0133】
上記の表1に示すように、1.04g/mlの予め定められた密度を有するフロートを使用することは、採取チューブからの採取のために全血から成分層を分離することに有効であることが証明された。
【0134】
上記に開示された装置および方法は、開示または記載されている個々の実施形態に限定されるものではなく、異なる変形例の間に個々の要素を組み込んだ組み合わせを含んでもよい。本発明を実施するための上述の装置および方法の改変、実施可能なような異なる変形の間の組み合わせ、および当業者には自明な本発明の態様の変形は、特許請求の範囲の範囲内であることが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11