IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特開2024-133230情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図10
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図11
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図12
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図13
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図14
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図15
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図16
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図17
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図18
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図19
  • 特開-情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133230
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/695 20230101AFI20240920BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20240920BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20240920BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240920BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N23/695
H04N23/66
H04N5/222 100
H04N23/60 500
H04N7/18 E
H04N7/18 D
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112283
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2023015841の分割
【原出願日】2018-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】大網 亮磨
(57)【要約】
【課題】見逃しが発生しにくい監視を実現可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明は、コンピュータを、障害物に関する情報を含む環境情報を取得する手段、範囲を含む条件情報を取得する手段、前記環境情報と前記条件情報に基づいて、カメラを搭載したUAV(Unmanned Aerial Vehicle)に制御信号を送る手段、として機能させるプログラムを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
障害物に関する情報を含む環境情報を取得する手段、
範囲を含む条件情報を取得する手段、
前記環境情報と前記条件情報に基づいて、カメラを搭載したUAV(Unmanned Aerial Vehicle)に制御信号を送る手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、さらに、
前記カメラで撮像され、物体を示す画像を取得する手段、
前記画像が撮像された後、前記物体を撮像する角度を調整する手段、
として機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記角度を調整する手段は、
入力装置を介したリクエストの受領に応じて前記角度の調整を実行する請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記範囲は、前記UAVがタスクを実行可能なエリアを示す請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記タスクは監視を含む請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記範囲は、前記UAVがタスクを実行できないエリアを示す請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
1つ以上のコンピュータが、
障害物に関する情報を含む環境情報を取得する工程と、
範囲を含む条件情報を取得する工程と、
前記環境情報と前記条件情報に基づいて、カメラを搭載したUAVに制御信号を送る工程と、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
前記1つ以上のコンピュータが、さらに、
前記カメラで撮像され、物体を示す画像を取得する工程と、
前記画像が撮像された後、前記物体を撮像する角度を調整する工程と、
を実行する請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記角度を調整する工程において、
前記1つ以上のコンピュータは、入力装置を介したリクエストの受領に応じて前記角度の調整を実行する請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記範囲は、前記UAVがタスクを実行可能なエリアを示す請求項7から9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記タスクは監視を含む請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記範囲は、前記UAVがタスクを実行できないエリアを示す請求項7から9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
カメラを搭載したUAVと、
表示装置を有し、ユーザからの入力を受付けるとともに前記表示装置に前記カメラで撮像された画像を表示させる入出力インタフェースと、
無線接続で前記入出力インタフェースと接続されたサーバと、
を有し、
前記サーバは、
障害物に関する情報を含む環境情報を取得する手段、
範囲を含む条件情報を取得する手段、
前記環境情報と前記条件情報に基づいて、前記UAVに制御信号を送る手段、
を有するシステム。
【請求項14】
前記サーバは、
前記カメラで撮像され、物体を示す画像を取得する手段、
前記画像が撮像された後、前記物体を撮像する角度を調整する手段、
をさらに有する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記角度を調整する手段は、
リクエストの受領に応じて前記角度の調整を実行する請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記範囲は、前記UAVがタスクを実行可能なエリアを示す請求項13から15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記タスクは監視を含む請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記範囲は、前記UAVがタスクを実行できないエリアを示す請求項13から15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記タスクは監視を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記角度を調整する手段は、前記入出力インタフェースを介して前記リクエストを受付ける請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
障害物に関する情報を含む環境情報を取得する手段、
範囲を含む条件情報を取得する手段、
前記環境情報と前記条件情報に基づいて、カメラを搭載したUAVに制御信号を送る手段、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は評価装置、導出装置、監視方法、監視装置、評価方法、コンピュータプログラム、および導出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによる画像で監視を行うような場合、カメラの配置が監視の精度に影響する。すなわち、対象の領域をできるだけ漏れなく監視するためには、カメラを適切に配置する必要がある。
【0003】
特許文献1には、カメラで得られた画像を処理して物体を追跡する監視装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、監視のための画像処理を行いやすくするためのカメラ配置を導出する技術が記載されている。
【0005】
特許文献3には、監視対象を撮像した複数の撮像装置に対し、方向評価、遮蔽評価、画質評価を実行し、代表となる撮像装置を決定することが記載されている。
【0006】
特許文献4には、侵入者の軌跡情報等を元に、侵入者の次の行動を予測し、複数のカメラ画像から重要度の順位付けを行ったり、算出した侵入者の移動方向に応じて監視カメラの向き等を制御したりすることが記載されている。
【0007】
特許文献5には、非回折ボロノイ図を用いて、監視カメラの配置位置を評価する評価装置が開示されている。
【0008】
そして、特許文献6には、複数のカメラを切り替えて映像表示する方法において、表示に用いるカメラを選択する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-49952号公報
【特許文献2】国際公開第2014/002398号
【特許文献3】特開2016-127571号公報
【特許文献4】特開2014-36414号公報
【特許文献5】特開2011-86995号公報
【特許文献6】特開2017-139725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1から6の技術では、見逃しの発生しにくい監視装置を実現できない。たとえば、特許文献1には、オブジェクトを監視するために適したカメラ配置については記載されていない。また、特許文献2の技術は、画像処理に適した画像を得ようとするための技術であり、対象領域全体をくまなく撮影するための評価や最適化は難しい。特許文献3および6の技術は得られた画像から最良のものを選択する技術であり、すでに設けられている撮像装置の配置以外まで加味して撮像装置の配置を評価することはできない。特許文献4の技術は、特定の物体に注目して追跡する技術であり、対象領域全体における死角を減らすことはできない。そして特許文献5の技術では、対象領域や障害物の形状以外の条件を加味した評価が困難である。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、見逃しが発生しにくい監視を実現可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の評価装置は、
対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を評価する評価装置であって、
前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える。
【0013】
本発明の導出装置は、
対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を導出する導出装置であって、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段と、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段とを備え、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える。
【0014】
本発明の第1の監視装置は、
一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視装置であって、
前記撮像装置の配置を導出する導出手段と、
前記導出手段で導出された前記撮像装置の配置に基づいて前記撮像装置の配置を制御する配置制御手段とを備え、
前記導出手段は、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段と、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段とを備え、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える。
【0015】
本発明の評価方法は、
対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を評価する評価方法であって、
前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得ステップと、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出ステップと、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出ステップとを含む。
【0016】
本発明の第1のコンピュータプログラムは、
対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を評価する評価装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しにくさを示す監視指数を算出する指数算出手段、および
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段として機能させる。
【0017】
本発明の導出方法は、
対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を導出する導出方法であって、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得ステップと、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成ステップと、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択ステップとを含み、
前記評価ステップは、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出ステップと、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出ステップとを含む。
【0018】
本発明の第2のコンピュータプログラムは、
対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を導出する導出装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段、および
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段として機能させ、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える。
【0019】
本発明の監視方法は、
一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視方法であって、
前記撮像装置の配置を導出する導出ステップと、
前記導出ステップで導出された前記撮像装置の配置に基づいて前記撮像装置の配置を制御する配置制御ステップとを含み、
前記導出ステップは、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得ステップと、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成ステップと、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択ステップとを含み、
前記評価ステップは、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出ステップと、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出ステップとを含む。
【0020】
本発明の第3のコンピュータプログラムは、
一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の配置を導出する導出手段、および
前記導出手段で導出された前記撮像装置の配置に基づいて前記撮像装置の配置を制御する配置制御手段として機能させ、
前記導出手段は、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段と、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段とを備え、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える。
【0021】
本発明の第2の監視装置は、
一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視装置であって、
前記撮像装置で撮像された画像を解析する解析手段、および前記画像を表示する表示手段の少なくとも一方を備え、
前記撮像装置は、前記対象領域における監視指数の分布に基づき導出された配置情報に基づいて配置されており、
前記監視指数は、前記対象領域の環境を示す環境情報に基づき算出された指数であり、かつ、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す指数であり、
前記配置情報は、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、見逃しの発生しにくい監視を実現可能な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0024】
図1】第1の実施形態に係る評価装置の構成を例示するブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る評価方法について説明するための図である。
図3】第1の実施形態に係る評価方法を例示するフローチャートである。
図4】(a)および(b)は、指数算出手段が、撮像装置で撮像される対象物の明るさに基づいて、監視指数を算出する例について説明するための図である。
図5】明るさと監視不適性指数との関係を例示するグラフである。
図6】適性度算出手段が適性度を算出する方法を説明するための図である。
図7】統計値Dと適性度との関係を例示するすグラフである。
図8】撮像装置の配置の第2例を示す図である。
図9】(a)から(c)は、それぞれ撮像装置の配置の第3例から第5例を示す図である。
図10】(a)および(b)は、それぞれ撮像装置の配置の第6例および第7例を示す図である。
図11】(a)および(b)は、それぞれ撮像装置の配置の第8例および第9例を示す図である。
図12】評価装置を実現するための計算機を例示する図である。
図13】第4の実施形態に係る導出装置の構成を例示するブロック図である。
図14】第4の実施形態に係る導出方法を例示するフローチャートである。
図15】第4の実施形態に係る評価ステップの内容を例示するフローチャートである。
図16】第5の実施形態に係る監視装置の構成を例示するブロック図である。
図17】第6の実施形態に係る監視装置の構成を例示するブロック図である。
図18】第6の実施形態に係る監視方法を例示するフローチャートである。
図19】第7の実施形態に係る監視装置の構成を例示するブロック図である。
図20】第7の実施形態に係る監視装置で行われる、配置の更新のための処理内容を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る評価装置10の構成を例示するブロック図である。また、図2は、第1の実施形態に係る評価方法について説明するための図である。本実施形態に係る評価装置10は、対象領域60を監視する一以上の撮像装置50の配置を評価する装置である。評価装置10は、取得手段110、指数算出手段120、および適性度算出手段140を備える。取得手段110は、配置情報および環境情報を取得する。配置情報は、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを示す情報である。環境情報は、対象領域60の環境を示す情報である。指数算出手段120は、配置情報および環境情報を用いて、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物が位置した場合の、対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する。適性度算出手段140は、対象領域60における監視指数の分布に基づき、配置情報が示す撮像装置50の配置の、適性度を算出する。以下に詳しく説明する。
【0027】
対象領域60は、監視の対象とする領域である。対象領域60は屋内であっても屋外であっても良い。対象領域60は壁や扉等で囲われた領域であっても良いし、対象領域60よりも広い領域内の一部を任意に対象領域60と定めても良い。
【0028】
対象領域60は一以上の撮像装置50で監視される。対象領域60は一の撮像装置50で監視されても良いが、複数の撮像装置50で監視されることが好ましい。各撮像装置50は対象領域60の少なくとも一部を撮像可能に配置される。撮像装置50が撮像する画像は静止画であっても良いし、動画を構成していても良い。撮像装置50はたとえば防犯カメラまたはビデオカメラである。撮像装置50はアナログカメラであってもよいし、ネットワークカメラ(IPカメラ)であっても良い。また、撮像装置50は可視光カメラであっても良いし、赤外線カメラ等の可視光以外を検出するカメラであっても良い。
【0029】
本実施形態に係る評価装置10は、対象領域60における撮像装置50の配置を評価する。すなわち、評価装置10は撮像装置50の撮像領域を評価する。撮像装置50の撮像領域は、撮像装置50の配置により定まり、撮像装置50の配置には、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角が含まれる。評価装置10は、撮像装置50の配置として、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角を評価することができる。すなわち撮像装置50の位置、向き、および画角の組み合わせに対して適性度を算出することができる。
【0030】
また、対象領域60が複数の撮像装置50で監視される場合、評価装置10は、その複数の撮像装置50の配置の組み合わせに対して評価結果、すなわち監視に対する適性度を算出する。
【0031】
一方、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角のうちの一部が予め定められており、評価装置10が撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角のうちの残りを評価しても良い。たとえば撮像装置50の位置および画角が既に定められており、評価装置10が撮像装置50の向きのみを評価しても良い。すなわち、評価装置10は、予め定められた撮像装置50の位置および画角を前提として、撮像装置50の向きの適性度を算出しても良い。
【0032】
取得手段110は、配置情報および環境情報を、評価装置10の外部から、または評価装置10の内部で取得する。たとえばユーザが評価装置10に対して入力操作を行い、取得手段110がユーザの入力内容に基づく配置情報および環境情報を取得しても良い。また、取得手段110は、センサやカメラ等の検出手段から環境情報を取得しても良い。さらに、評価装置10の外部または内部に設けられた記憶手段100に配置情報および環境情報が予め保持されており、取得手段110がそれらを読み出して取得しても良い。記憶手段100は、任意の記憶装置である。図1は、評価装置10が記憶手段100を備えている例を示している。
【0033】
上記した通り、配置情報は、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを示す。撮像装置50の位置はたとえば撮像装置50の空間座標、すなわち平面位置座標および高さで表される。座標空間は、対象領域60に対する相対座標系であっても良いし、実空間上のある点を原点として定義される実世界座標系であっても良い。撮像装置50の向きはすなわち撮像装置50の姿勢であり、たとえば座標空間におけるベクトルで表される。また撮像装置50の向きは仰角または俯角と、水平方向への回転角との組み合わせで表されても良い。そして、撮像装置50が撮像装置50の向きを変更可能な駆動装置に取り付けられている場合、撮像装置50の向きは、駆動装置の制御パラメータで表されても良い。撮像装置50の画角はたとえば水平方向の角度と垂直方向の角度との組み合わせ、または対角線方向の角度で表される。また、撮像装置50のたとえば撮像装置50のズームの程度を表すカメラパラメータで表されても良い。
【0034】
対象領域60が複数の撮像装置50で監視される場合、配置情報には、全ての撮像装置50についての情報が含まれる。なお、取得手段110は、配置情報の一部を他の一部とは異なる方法で取得しても良い。たとえば、配置情報の一部は予め記憶手段100に保持されており、他の一部がユーザにより入力されても良い。
【0035】
環境情報は、対象領域60の形状、対象領域60の広さ、対象領域60に配置された物体660(たとえば図11に示す)の位置、物体660の形状、物体660の大きさ、および物体660の向きの少なくともいずれかを示す情報である。環境情報は、中でも対象領域60の形状、および対象領域60の広さを示す情報を少なくとも含むことが好ましい。環境情報は、対象領域の種類、または対象領域の少なくとも一部分の種類を示す情報をさらに含んでいても良い。対象領域の種類または対象領域の少なくとも一部分の種類はたとえば、室内、細長い通路、または屋外等である。対象領域60の形状、対象領域60の広さを示す情報は、たとえば図面情報である。また、環境情報は、対象領域60および物体660を示す三次元モデルデータであっても良い。
【0036】
対象領域60に配置された物体660は監視においていわゆる障害物となる。物体660はたとえば柱、壁、窓、什器、照明(たとえば天井からつり下がっている)、広告、ディスプレイ、または案内板等である。物体660の位置を示す情報は空間座標で表される。座標空間は、対象領域60に対する相対座標系であっても良いし、実世界座標系であっても良い。物体660の形状、物体660の大きさ、および物体660の向きを示す情報は、たとえば図面情報である。物体660は対象領域60に複数配置されても良い。また、環境情報には、対象領域60が店舗の売り場である場合に、什器に配置される商品の種類を示す情報が含まれても良い。さらに、対象領域60に階段、スロープ、または段差などが存在する場合、環境情報にはその長さや高さ、勾配を示す情報がさらに含まれても良い。
【0037】
物体660として照明が存在する場合、環境情報には照明の照度の分布を示す情報が含まれても良い。また、環境情報には太陽光の照射方向を示す情報が含まれても良い。
【0038】
配置情報は、環境情報に対応づけられている。したがって、対象領域60に対する撮像装置50の配置が配置情報および環境情報により示される。なお、撮像装置50は対象領域60の少なくとも一部を撮像できる限り、必ずしも対象領域60内に配置される必要は無い。
【0039】
ユーザが評価装置10に対して入力操作を行い、取得手段110がユーザの入力内容に基づく環境情報を取得する場合、たとえばユーザが表示装置の画面上にタッチパネル等の入力手段を用いて対象領域60を設定し、物体660等の配置、照明や太陽光の条件入力等を行えるようにしてもよい。また、ユーザが評価装置10に対して入力操作を行い、取得手段110がユーザの入力内容に基づく配置情報を取得する場合、たとえば対象領域60が示された画面上に、タッチパネル等の入力手段を用いて撮像装置50を配置し、さらに撮像装置50に対して向きや画角を入力できるようにしても良い。
【0040】
上記した通り、指数算出手段120は、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対して監視指数を算出する。監視指数はたとえばその位置pに対象物70(たとえば図4(a)に示す)が位置した場合に、対象物70の監視がしにくいほど大きな値とすることができる。または、監視指数はその位置pに対象物70が位置した場合に、対象物70の監視がしやすいほど大きな値としてもよい。指数算出手段120は配置情報および環境情報に基づいて、監視のしやすさ、または、しにくさを判定し、監視指数に反映させる。対象物70はたとえば人または車両である。
【0041】
監視指数は、撮像装置50で得られる画像を通じた対象物70の監視しにくさ、または、しやすさを示す。なお、対象領域60が複数の撮像装置50で監視される場合、各位置pの監視指数は、全ての撮像装置50の影響が加味されて導出される。
【0042】
監視指数には、撮像装置50により撮像された画像をたとえば監視員が目視でチェックする場合の、画像における対象物70の視認しにくさ、または、しやすさが反映される。たとえば画像内の対象物70が小さかったり、照明の状況が悪くはっきり見えなかったり、または、対象物70の一部或いは全部が画像に写っていなかったりする場合は、対象物70を視認しにくく、監視しにくいと言える。
【0043】
また、監視指数には、撮像装置50により撮像された画像に対し何らかの処理を行って監視を行う場合の、画像処理への適合度が反映される。画像に対する処理は、たとえば対象物70の検出、照合、追跡、および異常検知の少なくともいずれかである。たとえば、画像内の対象物70の部分の解像度が低かったり、撮像装置50から対象物70への俯角(注視点角度)が大きかったり、対象物70の一部或いは全部が画像に写っていなかったりする場合は、処理への適合度が低く、監視しにくいといえる。監視指数の算出方法は詳しく後述する。
【0044】
なお、以下では指数算出手段120が対象物の監視のしにくさを示す監視不適性指数を算出し、用いる例について説明することがあるが、本例に限定されず、指数算出手段120は、対象物70の監視のしやすさを示す監視適性指数を算出し、用いてもよい。対象物70の監視がしにくい位置pに関する監視不適性指数ほど、大きな値となる。そして、監視適性指数の大小は、監視不適性指数の大小とは逆である。監視適性指数および監視不適性指数はそれぞれ、たとえば0以上1以下の値とすることができる。
【0045】
適性度算出手段140は、指数算出手段120から監視指数を取得し、対象領域60における撮像装置50の配置の適性度を算出する。適性度が高いほど、その撮像装置50の配置により対象領域60の監視における対象物70の見逃しが生じにくいといえる。具体的には、適性度算出手段140は、監視不適性指数が高い位置pが、まとまって分布していないかを評価する。監視不適性指数が高い位置p、すなわち監視しにくい位置pが複数連続して存在する場合、その複数の位置pは監視がしにくい監視不適性領域620を形成する。その領域に対象物70が入ったときにその領域を通過するのに長い時間を要し、対象物70を見失いやすいからである。適性度算出手段140は、監視不適性指数が高い位置pがまとまって存在し、形成される監視不適性領域620の大きさが大きいほど、撮像装置50の配置について低い適性度を算出する。適性度の算出方法については詳しく後述する。
【0046】
適性度算出手段140で算出された適性度はたとえばディスプレイ等の表示手段で表示される。また、適性度は記憶手段100に保持されても良いし、評価装置10の外部の装置に入力されても良い。
【0047】
このように本実施形態に係る評価装置10は対象領域60内の各位置pに対して監視指数を算出し、対象領域60における監視指数の分布から撮像装置50の配置の適性度を求める。そうすることで、対象領域60全体に対する、撮像装置50の配置の良し悪しを評価することができる。ひいては、死角や、画像で対象物70が識別しにくい場所をできるだけ減らし、対象領域60において対象物70の見逃しが発生しにくい撮像装置50の配置を求めることができる。
【0048】
たとえば評価装置10のユーザは、候補となる複数の配置について評価装置10を用いて評価を行い、得られた評価結果が最も良い配置を採用することができる。
【0049】
図3は、第1の実施形態に係る評価方法を例示するフローチャートである。本実施形態に係る評価方法は、対象領域60を監視する一以上の撮像装置50の配置を評価する方法である。本評価方法は、取得ステップS110、指数算出ステップS120、および適性度算出ステップS130を含む。取得ステップS110では、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを含む配置情報と、対象領域60の環境を示す環境情報とが取得される。指数算出ステップS120では、配置情報および環境情報を用いて、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物70が位置した場合の、対象物70の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数が算出される。適性度算出ステップS130では、対象領域60における監視指数の分布に基づき、配置情報が示す撮像装置50の配置の、適性度が算出される。
【0050】
本実施形態に係る評価方法は、本実施形態に係る評価装置10により実現される。
【0051】
<監視指数の算出方法>
指数算出手段120が指数算出ステップS120において監視指数を算出する方法について以下に説明する。例えば対象領域60は複数の位置pに区画される。そして指数算出手段120はたとえば、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対象物70が位置した場合に、撮像装置50で撮像される対象物70の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、監視指数を算出する。
【0052】
図4(a)および図4(b)は、指数算出手段120が、撮像装置50で撮像される対象物70の明るさに基づいて、監視指数を算出する例について説明するための図である。本図の例では、天井に複数の照明640が設置されていることが環境情報に示されている。また、環境情報に各照明640の照度の分布を示す情報が含まれており、たとえば図4(b)のように、各位置pにおける明るさの分布が求められる。本図の例において位置Aは、位置Bよりも明るい。ここで明るさとは撮像装置50で対象物70を撮像したときの画像における対象物70の部分の輝度である。たとえば照度と輝度との関係を示す情報が予め記憶手段100に保持されており、指数算出手段120がその情報を読み出して、照度に基づく明るさの算出に用いることができる。照度と輝度との関係を示す情報は、数式、グラフ、または表等であり得る。
【0053】
また、輝度の分布は、たとえば、照明の特性に関する情報を用いて算出されても良い。照明の特性に関する情報は、照明の種類(たとえばLEDや蛍光灯等のタイプ、大きさ、型番等)毎に、照明の光の強度や拡散の程度を示す情報を含み、予め記憶手段100に保持される。そして照明の特性に関する情報に基づいて、個々の照明の輝度の分布を求めることができる。また、環境情報には、対象領域60に配置される照明の位置と種類を示す情報が含まれる。そして、環境情報に従って照明を配置したと仮定し、個々の照明の輝度の分布を重ね合わせることにより、全体の輝度の分布を算出できる。
【0054】
図5は、明るさと監視不適性指数との関係を例示するグラフである。記憶手段100にはさらに明るさと監視指数との関係を示す情報が予め保持されており、指数算出手段120はその情報と明るさに基づいて、監視指数を得ることができる。明るさと監視指数との関係を示す情報は数式、グラフ、または表等であり得る。明るさと監視指数との関係を示す情報は、予め明るさと、画像における対象物70の視認のしやすさおよび画像処理の精度との関係を調べることにより、得ることができる。
【0055】
充分な明るさがない場合、画像を目視する場合の対象物70の視認性が下がる。くわえて、画像処理による対象物70の検出率が低下する等の悪影響が生じる。一方、対象物70が明るすぎる場合、画像において対象物70の本来の色や模様等が白飛びしてしまう。したがって、いずれの場合も対象物70の監視がしにくく、これら以外の場合よりも監視不適性指数は高くなる。
【0056】
指数算出手段120はさらに日照の条件を考慮して明るさを求めたり、監視指数を求めたりしても良い。たとえば、対象領域60が屋外である場合、環境情報に含まれる物体660の位置や太陽光の照射方向から、指数算出手段120は太陽光の影響を推測し、明るさや監視指数に反映させることができる。たとえば、太陽光が向かってくる方向に撮像装置50が向いている場合、逆光により対象物70が暗くなる。したがって、対象物70の監視がしにくく、そうでない場合よりも監視不適性指数は高くなる。また、太陽光が向かってくる方向に撮像装置50が向いておらず、かつ、対象物70に直接太陽光が当たる場合にも、対象物70が明るくなりすぎる。したがって、対象物70の監視がしにくく、そうでない場合よりも監視不適性指数は高くなる。一方、太陽光が壁などで遮られ、直接対象物70に当たらない場合には、対象物70の明るさは適切な値に保たれる。したがって、対象物70の監視がしやすく、監視不適性指数は低くなる。
【0057】
また、対象領域60が屋内である場合でも、環境情報に含まれる窓の位置と太陽光の照射方向から、日照の条件を求めることができる。したがって、屋外である場合と同様に、太陽光の影響を明るさや監視指数に反映させることができる。
【0058】
次に、撮像装置50で撮像される対象物70の大きさに基づいて、指数算出手段120が監視指数を算出する方法について説明する。指数算出手段120は、たとえば撮像装置50から、監視指数を算出しようとする位置pである対象位置までの距離が長いほど、撮像装置50で撮像される画像内の対象物70が小さいと推定し、その対象位置の監視不適性指数を高くする。ただし、対象位置が撮像装置50に近すぎる場合、対象物70が撮像装置50の視野からはみ出すと推定されるため、後述のように対象物70の隠れ具合が増し、監視不適性指数が高くなる。指数算出手段120は配置情報および環境情報に基づき撮像装置50と対象位置の距離を算出する。そして、たとえば撮像装置50からの距離と監視指数との関係を示す情報が予め記憶手段100に保持されており、指数算出手段120はそれを読み出して監視指数の算出に用いることができる。距離と監視指数との関係を示す情報は数式、グラフ、または表等であり得る。
【0059】
また、撮像装置50のズーム率によっても、画像内での対象物70の大きさは変化する。よって、距離と監視指数との関係を示す情報は、ズーム率を表すパラメータ毎に準備されていても良い。この場合指数算出手段120は、配置情報が示すズーム率に基づき、距離と監視指数との関係を示す情報を選択して用いればよい。
【0060】
また、指数算出手段120は、対象位置に評価装置10を配置した場合に撮像装置50で撮像される画像をシミュレーションにより生成し、画像において対象物70に相当する部分の面積(画素の数)または、対象物70を囲む矩形の面積を算出することで、監視指数を求めても良い。これらの面積が大きい程、画像内の対象物70が大きいと言える。たとえば面積と監視指数との関係を示す情報が予め記憶手段100に保持されており、指数算出手段120はそれを読み出して監視指数の算出に用いることができる。面積と監視指数との関係を示す情報は数式、グラフ、または表等であり得る。
【0061】
次に、撮像装置50で撮像される対象物70の隠れ具合に基づいて、指数算出手段120が監視指数を算出する方法について説明する。まず、指数算出手段120は、対象物70が撮像装置50によって撮像されない位置pの監視不適性指数を、撮像装置50で撮像される位置pの監視不適性指数よりも高い値とする。ただし、撮像装置50によって対象物70が撮像されない位置pが複数ある場合、指数算出手段120は、撮像装置50の撮像領域から離れている位置pほど、その監視不適性指数を高くしてもよい。対象物70が撮像装置50の撮像領域から、対象物70が撮像装置50の撮像領域外の位置pまで移動する際、撮像領域から離れている位置pほど撮像装置50の撮像領域内で最後に撮像されてからその位置pに到達するまでの経過時間が長い。したがって、撮像領域から離れている位置pほど推測される対象物70の位置の曖昧さが高いと言える。
【0062】
指数算出手段120は具体的には、配置情報および環境情報を用い、撮像装置50の撮像領域(視野)を描画した画像に対する距離変換を行う。そして、撮像領域の外と内との境界から、対象位置までの最短距離を求め、対象位置の監視指数を導出することができる。また、指数算出手段120は、シミュレーションにより撮像装置50の撮像領域外に出てから対象位置に到達するまでの距離または推定時間を求め、その距離または時間に応じて対象位置の監視指数を定めてもよい。
【0063】
一方、指数算出手段120は、対象物70のうち撮像装置50で撮像される部分の、対象物70全体に対する割合が大きいほど監視不適性指数を小さくする。具体的には指数算出手段120は、対象位置に評価装置10を配置した場合に撮像装置50で撮像される画像をシミュレーションにより生成し、対象物70のうち、画像内に納まる部分の割合を導出する。一方、割合と監視指数との関係を示す情報が予め記憶手段100に保持されている。指数算出手段120は、導出された割合、および、記憶手段100から読み出した割合と監視指数との関係を示す情報を用いて監視指数を算出する。割合と監視指数との関係を示す情報は数式、グラフ、または表等であり得る。
【0064】
また、指数算出手段120は、対象物70を撮像する注視点角度に基づいて監視指数を算出しても良い。注視点角度は、撮像装置50と対象物70内の注視点とを結ぶ直線と、水平面との成す角度である。注視点は、対象物70の注目すべき位置であり、たとえば対象物70の重心または重心軸の中点である。たとえば、注視点角度が大きい程対象物70と物体660との重なりが小さくなることが推定される。したがって、注視点角度が大きい位置ほど、監視不適性指数を小さくしてもよい。また、画像に対して物体検出または物体認識を行う場合には、処理がしやすい特定の角度に注視点角度が近づくほど監視不適性指数を小さくしても良い。記憶手段100には予め注視点角度と監視指数との関係を示す情報が保持されており、指数算出手段120はそれを読み出して監視指数の算出に用いることができる。注視点角度と監視指数との関係を示す情報は数式、グラフ、または表等であり得る。
【0065】
対象領域60が複数の撮像装置50で監視される場合、上記のような監視指数を決める各要因(明るさ、大きさ、隠れ具合、注視点角度等)について、指数算出手段120はたとえば、以下のような処理を行う。すなわち、指数算出手段120は各位置pにおいて全ての撮像装置50に関する監視指数v(m=1,2,・・・M,Mは正の整数であり、撮像装置50の数)をそれぞれ上記したように算出する。そして、監視指数が監視のしにくさを表す監視不適性指数の場合には、監視指数v(m=1,2,・・・M)のうち、たとえば最も小さくなる監視指数vをその要因kに関する代表値としての監視指数Vとする。また、監視指数が監視のしやすさを表す監視適性指数の場合には、指数算出手段120は、監視指数v(m=1,2,・・・M)のうち、たとえば最も大きくなる監視指数vをその要因kについての監視指数Vとしてもよい。すなわち、監視指数v(m=1,2,・・・M)のうち、最も監視しやすいことを示す監視指数vをその要因kに関する代表値としての監視指数Vとすることができる。あるいは、監視指数vの単純な平均、または重み付け平均の結果を監視指数Vとしてもよい。ここで、監視指数vの単純な平均や重み付け平均には、対象位置に配置された対象物70を、撮像可能な撮像装置50に関する監視指数vのみを用いる。監視指数v(m=1,2,・・・M)から監視指数Vを得る方法は、要因毎に定めることができる。
【0066】
また、上記したように、監視指数を算出しうる要因は複数存在する。これらの要因を統合的に加味して最終的な監視指数を得ることが好ましい。複数の要因を反映させた監視指数Vを求める方法について、以下に説明する。
【0067】
要因kに基づく監視指数をV(k=1,2,・・・K,Kは正の整数であり、要因の数)とする。対象領域60が複数の撮像装置50で監視される場合、各Vは上記したように求めることができる。また、対象領域60が一つの撮像装置50で監視される場合、その撮像装置50について要因kで得られた監視指数をVとすればよい。その上で、V=F(V,・・・,V)のような関数を定義して、複数の要因を反映させた監視指数Vを求めることができる。たとえばV,・・・,Vがすべて0以上1以下の値をとる場合には、式(1)のような関数を用いてVを求めることができる。
【0068】
【数1】
【0069】
なお、Vが0以上1以下の範囲内ではない場合でも、Vがとり得る値の範囲内で正規化することにより、同様に式(1)を適用可能である。
【0070】
さらに、監視指数は時間帯(時刻範囲)によって変化することもあり得る。たとえば、店舗において、時間帯によってレイアウトを変更し、レジを増やす場合がある。また、照明や太陽光の状況は時刻により異なる。したがって、取得手段110が時間帯毎の環境情報を取得し、指数算出手段120が時間帯毎に監視指数を算出し、その各結果を適性度算出手段140が用いるようにしても良い。この際、環境情報、監視指数、および、適性度には、それぞれ、その環境情報、監視指数、および、適性度が有効である時刻範囲を示す有効情報が関連づけられてもよい。有効情報には、単位時間(1日または1週間など)に対する比率を示す情報がさらに含まれても良い。有効情報は環境情報と共に取得手段110で取得され、監視指数および適性度と共にそれぞれ指数算出手段120および適性度算出手段140から出力される。
【0071】
<適性度の算出方法>
図6は、適性度算出手段140が適性度を算出する方法を説明するための図である。図6では、図2における監視不適性領域620の一つ(領域S)が示され、監視不適性領域620における経路622の一例が矢印で示されている。適性度算出手段140が、適性度算出ステップS130において、撮像装置50の配置の適性度を算出する方法について以下に説明する。適性度算出手段140は、対象領域60における監視指数の分布に基づき、撮像装置50による対象物70の監視がしにくい監視不適性領域620を一以上特定する。そして適性度算出手段140は、監視不適性領域620を対象物70が通過する場合の経路622の長さを監視不適性領域620毎に導出する。さらに適性度算出手段140は、経路622の長さに基づいて、適性度を算出する。以下に、詳しく説明する。
【0072】
適性度算出手段140は対象領域60内の各位置pに対する監視指数を指数算出手段120から取得する。そして、適性度算出手段140は、監視指数に対する予め定められた基準に基づき、監視がしにくい位置pを抽出する。この基準を示す情報は予め記憶手段100に保持されており、適性度算出手段140はそれを読み出して抽出に用いることができる。監視しにくい位置pを抽出するための基準はたとえば閾値である。
【0073】
具体的には、監視指数が監視不適性指数である場合、監視不適性指数が閾値以上となる位置pを監視がしにくい位置pとして抽出する。一方、監視指数が監視適性指数である場合、監視適性指数が閾値以下となる位置pを監視がしにくい位置pとして抽出する。
【0074】
次いで、適性度算出手段140は抽出された位置pが互いに隣接するか否かを判定する。そして、適性度算出手段140は互いに隣接している複数の位置pをグループ化し、監視不適性領域620を生成する。対象領域60において監視不適性領域620は複数生成されても良い。各監視不適性領域620は互いにグループ化された複数の位置pにより構成される。各監視不適性領域620を、以下では監視不適性領域S(n=1,・・・,N,Nは正の整数であり、監視不適性領域620の数)とも呼ぶ。
【0075】
そして、適性度算出手段140は、生成された監視不適性領域620毎にその監視不適性領域Sを対象物70が通過する経路622の長さd(n=1,・・・,N)を求める。以下、dを領域通過経路長とも呼ぶ。ここで監視不適性領域Sを通過する経路が複数想定される場合には、適性度算出手段140はそれら複数の経路の長さに基づき経路長の代表値を求め、dとする。代表値は、たとえば複数の経路の長さの最大値、平均値、またはメディアン値である。また、適性度算出手段140は、各経路の長さを求める際に対象物70の大きさを考慮し、対象物70が完全に隠れる範囲の長さを、経路の長さとしてもよい。また、適性度算出手段140は経路の使用頻度を考慮して、最も高い頻度で使われると推定される経路の長さを代表値としても良いし、経路の使用頻度による重み付け平均により得られる値を代表値としても良い。経路の使用頻度はたとえば対象領域60の環境や実測データに基づきユーザが入力しても良いし、対象領域60内での経路の位置や、物体660との関係等に基づき適性度算出手段140が推定しても良い。
【0076】
次いで、適性度算出手段140は、dを統計処理し、得られた統計値Dに基づいて適性度Aを算出する。たとえば、式(2)に従って、得られた全てのdの最大値を統計値Dとする。
【0077】
【数2】
【0078】
また、適性度算出手段140は、式(2)の代わりに式(3)を用いて統計値Dを求めても良い。すなわち、適性度算出手段140は、得られた複数のdを重み付け平均した結果を統計値Dとしても良い。ここで、重みwは一様であっても良いし、推定される使用頻度が高い経路ほど重みwを高く設定しても良い。
【0079】
【数3】
【0080】
図7は統計値Dと適性度との関係を例示するグラフである。適性度算出手段140は、たとえば本図に示すような単調非増加関数f(D)を用いて、統計値Dから適性度Aを算出する。ここでA=f(D)である。すなわち、統計値Dが小さいほど、適性度Aが高くなる。
【0081】
また、適性度算出手段140は監視しにくい位置pを抽出するための基準を複数用い、適性度Aを算出しても良い。具体的には、予め基準としての閾値bが複数設定されており、適性度算出手段140は、各閾値bを用いた抽出結果から、上記した適性度Aの算出方法と同様の方法で、その閾値bに対する適性度Aを算出する。そして、得られた複数の適性度Aを統計処理して最終的な適性度Aを算出する。複数の適性度Aから適性度Aを求める統計処理としてはたとえば平均値、中央値、または最小値の算出が挙げられる。また、適性度算出手段140が基準を変化させたときの適性度Aの変化量をさらに求め、この変化量が適性度と合わせて評価に用いられるようにしても良い。たとえば、基準の変化に対する適性度Aの変化量が小さいほど、厳しい基準を設定しても適性度が下がりにくいことを意味する。したがって、この変化量が小さいほど好ましい配置であると言える。
【0082】
複数の配置を挙げ、適性度の算出の具体例について以下に説明する。以下では監視不適性領域620を通過する複数の経路の長さの最大値を領域通過経路長とする例について説明するが、領域通過経路長の算出方法はこれらの例に限らない。
【0083】
図2および図6を参照し、撮像装置50の配置の第1例について詳しく説明する。図2は、長方形の部屋を上から見た状態を示している。本例において対象領域60の平面形状は長方形であり、この長方形の対角のそれぞれに撮像装置50が位置している。本例の対象領域60は二つの撮像装置50で監視される。各撮像装置50は、その撮像装置50が位置する角に対向する短辺の中心に向いている。本図中、領域Sおよび領域Sはそれぞれ互いに異なる監視不適性領域620である。領域Sは撮像装置50aからは離れており、かつ、撮像装置50bの撮像領域には含まれていないため、監視がしにくく、監視不適性領域620となっている。同様に、領域Sは撮像装置50bからは離れており、かつ、撮像装置50aの撮像領域には含まれていないため、監視がしにくく、監視不適性領域620となっている。この様に、まず、領域Sおよび領域Sが特定される。
【0084】
次に適性度算出手段140は領域通過経路長を求める。対象物70が直線的に進むと仮定すると、領域Sについては図6にて矢印で示した経路622が最長経路となる。領域通過経路長として、経路長の最大値を用いる場合、この経路622の長さが領域通過経路長dとなる。同様に、領域Sについても領域通過経路長dを求めることができる。そして、適性度算出手段140は上記した式(2)または式(3)を用いて統計値Dを算出し、さらに適性度Aを算出できる。
【0085】
図8は、撮像装置50の配置の第2例を示す図である。第2例では環境情報が、対象領域60内に長方形の領域が含まれることを示す情報を含み、長方形の長辺のうち、端よりも中心に近い点の近傍に撮像装置50が配置されている。本図は、長方形の領域である対象領域60を上から見た状態を示している。本例においても、対象領域60の平面形状は長方形である。本例の対象領域60は二つの撮像装置50で監視される。本例では、撮像装置50はこの長方形の角ではなく、長方形のうち互いに対向する二つの長辺のそれぞれの途中の点の近傍(たとえば1m以内)に位置している。すなわち、本例において二つの撮像装置50は、第1例における二つの撮像装置50よりもそれぞれ長辺の中央に近い。また本例における二つの撮像装置50間の距離は、第1例における二つの撮像装置50間の距離よりも短い。なお、以下において「近傍」とは、距離がたとえば1m以内の範囲を言う。
【0086】
第2例においても、第1例と同様に領域Sおよび領域Sが特定され、領域通過経路長dおよび領域通過経路長dが得られる。ここで、第2例の領域通過経路長dは第1例の領域通過経路長dよりも短く、また、第2例の領域通過経路長dは第1例の領域通過経路長dよりも短いことが分かる。したがって、第2例の適性度Aは第1例の適性度Aよりも高くなり、第2例の撮像装置50の配置が第1例の撮像装置50の配置よりも好ましいと言える。
【0087】
図9(a)から図9(c)は、それぞれ撮像装置50の配置の第3例から第5例を示す図である。第3例から第5例において、対象領域60はたとえば通路であり、対象領域60の平面形状は細長い長方形である。すなわち、第3例から第5例においては、環境情報が、対象領域60内に細長い通路があることを示す情報を含む。図9(a)から図9(c)は、それぞれ、対象領域60である細長い長方形、具体的には細長い通路の領域を上から見た状態を示している。ここで細長い長方形および細長い通路とはそれぞれ、たとえば長辺の長さが短辺の長さの3倍以上の長方形および通路である。第3例および第4例において対象領域60は二つの撮像装置50で監視され、第5例において対象領域60は三つの撮像装置50で監視される。
【0088】
図9(a)に示す第3例では、二つの短辺の中点近傍にそれぞれ撮像装置50が位置する。二つの撮像装置50は対象領域60の中心を向いて互いに向かい合っている。本例では図9(a)のように複数の監視不適性領域620が特定される。そして、中でも中央の領域Sにおいて領域通過経路長が最大値をとる。本例のように撮像装置50を対象領域60の両端に設けると、対象領域60の中央に大きな監視不適性領域620が生じやすい。その結果、適性度Aが低下しやすい。
【0089】
図9(b)に示す第4例では、二つの撮像装置50が、対象領域60の中心近傍に、お互い逆方向に向くように配置されている。そして、対象領域60の両端に位置する領域Sおよび領域Sにおいて、領域通過経路長が最大値をとる。たとえば領域Sと領域Sとが線対称、またはほぼ線対称である場合、第4例の領域Sおよび領域Sの領域通過経路長は第3例の領域Sの領域通過経路長よりも短いと言える。したがって、第4例の適性度は第3例の適性度よりも高くなる。
【0090】
第4例では、細長い通路の中央近傍で、二つの撮像装置50が逆向きに配置されており、二つの撮像装置50のうち一方の撮像装置50aにより他方の撮像装置50bの少なくとも真下が撮像され、他方の撮像装置50bにより一方の撮像装置50aの少なくとも真下が撮像される。このような配置により、監視により適した撮像装置50の配置が実現される。
【0091】
また本例では、第1の領域(たとえば領域S)と第2の領域(たとえば領域S)とが互いに直接隣接せず、かつ、死角領域のみを挟んで互いに隣接しないように撮像装置50が配置されている。第1の領域は、監視指数が示す監視のしにくさが予め定められた基準より高い、または、監視指数が示す監視のしやすさが基準より低い領域である。かつ、第1の領域内に対象物70を配置した場合に、第1の撮像装置50aで対象物70が撮像される。第2の領域は、監視指数が示す監視のしにくさが基準より高い、または、監視指数が示す監視のしやすさが基準より低い領域である。かつ、第2の領域内に対象物70を配置した場合に、第1の撮像装置50aから予め定められた範囲内(たとえば30m以内)に位置する第2の撮像装置50bで対象物70が撮像される。また、死角領域内に対象物70を配置した場合には、対象物70の少なくとも一部が一以上の撮像装置50のいずれからも撮像されない。このような配置により、監視により適した撮像装置50の配置が実現される。
【0092】
図9(c)に示す第5例では、環境情報が、対象領域60内に細長い通路があることを示す情報を含む。そして、細長い通路において、撮像装置50の向きが一致するように撮像装置50が配置されている。本例では、全ての撮像装置50が同じ方向、具体的には長方形の長辺に平行な方向を向いている。また、一の撮像装置50から遠い領域のすぐそばに、他の撮像装置50から近い領域が存在している。具体的には、たとえば隣り合う二つの撮像装置50の間隔は5m以上30m以下である。このような配置では、監視不適性指数が高い領域が長く連続することを避けられる。したがって適性度Aが高くなりやすい。また、上記したように、適性度算出手段140が複数の基準を用いて適性度Aを算出し、基準の変化に対する適性度Aの変化量をさらに求める場合、第5例では第3例よりもこの変化量が小さくなる。すなわち、第5例では、厳しい基準を設定しても適性度が下がりにくいことを意味しており、第5例がより好ましい配置であると言える。
【0093】
図10(a)および図10(b)は、それぞれ撮像装置50の配置の第6例および第7例を示す図である。第6例および第7例において、対象領域60はたとえば通路であり、対象領域60の平面形状には折れ曲がり部601が存在する。そして、図10(a)および図10(b)は、それぞれ、折れ曲がり部601がある通路である対象領域60を上から見た状態を示している。折れ曲がり部601はたとえば通路の曲がり角である。図10(a)および図10(b)において折れ曲がり部601は90°の折れ曲がりであるが、折れ曲がる角度は特に限定されない。
【0094】
図10(a)に示す第6例では、二つの撮像装置50が折れ曲がり部601に向けて配置されている。また、二つの撮像装置50は対象領域60の端に位置している。そして、折れ曲がり部601およびその周辺で大きな監視不適性領域620が生じている。その結果、本例のような配置については適性度Aが低くなりやすい。
【0095】
図10(b)に示す第7例では、少なくとも一つの撮像装置50が折れ曲がり部601近傍に位置し、対象領域60の端に向いている。このような配置により、折れ曲がり部601付近の監視不適性領域620が大きくなることを避けられる。本図の例では対象領域60の一方の端に監視不適性領域620が生じているものの、この監視不適性領域620の領域通過経路長は第6例の折れ曲がり部601周辺の監視不適性領域620における領域通過経路長ほどは長くない。したがって、第7例の適性度Aは第6例の適性度Aより高い。また、一つの撮像装置50から遠い領域のすぐそばに他の撮像装置50から近い領域が存在することになるため、第7例の配置は好ましい配置であるといえる。
【0096】
図11(a)および図11(b)は、それぞれ撮像装置50の配置の第8例および第9例を示す図である。第8例および第9例においては、環境情報が、対象領域60内に配置された一以上の物体660を挟む複数の通路603が、対象領域60内にほぼ平行に存在することを示す情報を含む。これらの例において対象領域60はたとえば棚が並べられた部屋である。図11(a)および図11(b)は、この部屋を上から見た状態を示している。第8例および第9例において、対象領域60の平面形状は矩形であり、対象領域60には平面形状が矩形の物体660が平行に並んで位置している。物体660の長辺は対象領域60のいずれかの辺に平行である。対象領域60内には複数の通路603が存在する。各通路603は長方形であり、物体660と物体660との間、または物体660と対象領域60の端辺との間に挟まれている。
【0097】
図11(a)に示す第8例では、全ての通路603を同じ方向から撮像するように、通路603毎に撮像装置50が設けられている。すなわち、複数の撮像装置50が、対象領域60の同じ辺の近傍に並んでいる。その結果、撮像装置50が設けられた辺に対向する辺の周囲に広い監視不適性領域620が生じ、領域通過経路長が長くなる。したがってこの様な配置については適性度Aが低下しやすい。
【0098】
図11(b)に示す第9例では、複数の通路603のそれぞれに対して一の撮像装置50が設けられており、隣り合う通路603が互いに異なる方向から撮像されるよう撮像装置50が配置されている。すなわち、対象領域60の互いに対向する二辺の近傍にそれぞれ一以上の撮像装置50が位置している。その結果、監視不適性領域620が分断され、領域通過経路長が短くなるため、適性度Aが高くなりやすい。このように、第9例の配置は第8例の配置よりも好ましいと言える。
【0099】
<ハードウエア構成>
評価装置10のハードウエア構成について以下に説明する。評価装置10の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、評価装置10の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0100】
図12は、評価装置10を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば計算機1000は、Personal Computer(PC)、サーバマシン、タブレット端末、又はスマートフォンなどである。計算機1000は、評価装置10を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
【0101】
計算機1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0102】
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0103】
ネットワークインタフェース1120は、計算機1000をネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0104】
ストレージデバイス1080は、評価装置10の取得手段110、指数算出手段120、および適性度算出手段140を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0105】
また、記憶手段100が評価装置10の内部に設けられる場合、例えば記憶手段100は、ストレージデバイス1080を用いて実現される。
【0106】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態に係る評価装置10によれば、対象領域60内の各位置pに対して監視指数を算出し、対象領域60における監視指数の分布から撮像装置50の配置の適性度を求める。そうすることで、対象領域60全体の状況を加味して、撮像装置50の配置の良し悪しを評価することができる。ひいては、対象領域60において対象物70の見逃しが発生しにくい撮像装置50の配置を求めることができる。
【0107】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る評価装置10は、取得手段110が対象物70に関する情報である対象物情報をさらに取得し、指数算出手段120が対象物情報をさらに用いて監視指数を算出する点を除いて、第1の実施形態に係る評価装置10と同じである。
【0108】
対象物情報は、たとえば対象領域60内の、対象物70の移動特性を示す情報および複数の対象物70の密度を示す情報の少なくともいずれかを含む。対象物70の移動特性とはたとえば移動の向きおよび速さの少なくとも一方である。対象物情報が対象物70の移動の向きを示す情報を含む場合、対象物情報にはさらに各移動方向へ移動する対象物70の比率(頻度)を示す情報が含まれていても良い。
【0109】
移動特性を示す情報および密度を示す情報の少なくとも一方は、位置pごとに与えられてもよい。このとき、対象情報は対象領域60内での分布情報である。また、移動特性を示す情報および密度を示す情報の少なくとも一方は、各領域rにおける代表値として与えられていても良い。ここで、各領域rは連続した複数の位置pの集合であり、任意に定義することができる。対象領域60は複数の領域rに区画される。
【0110】
また、対象領域60内で予想される対象物70の移動経路が複数存在する場合、移動特性を示す情報および密度を示す情報の少なくとも一方は、経路毎に与えられていても良い。また、対象物情報には対象物70により各経路が選択される頻度を示す情報がさらに含まれても良い。各経路には、その経路に重なる複数の連続した位置pが関連づけられる。
【0111】
取得手段110は、対象物情報を評価装置10の外部から、または評価装置10の内部で取得することができる。たとえばユーザが評価装置10に対して入力操作を行い、取得手段110がユーザの入力内容に基づく対象物情報を取得しても良い。また、取得手段110は、センサやカメラ等の検出手段から対象物情報を取得しても良い。さらに、評価装置10の外部または内部に設けられた記憶手段100に対象物情報が予め保持されており、取得手段110がそれを読み出して取得しても良い。
【0112】
対象物情報は、たとえば事前の調査やシミュレーションにより得られる。具体的には、通路における対象物70の平均的な移動速度や密度に基づいて対象物情報を生成することができる。また、広場の様なオープンスペースでは、どちらの方向にどの様な経路でどれほどの対象物70が移動するかといったデータに基づいて対象情報を生成することができる。
【0113】
また、対象物情報は環境情報と参照情報とに基づいて生成されても良い。具体的には、対象物70が人である場合、階段やスロープにおける速度は、平坦な場所の速度とは異なる。そこで、勾配に応じて人の速度がどのように変化するかを示す情報を参照情報として準備しておく。そうすれば、環境情報に勾配を示す情報が含まれれば、その勾配と参照情報とを用いて人の速度を算出することができる。また、対象領域60内にエスカレータや動く歩道など、自動的に対象物70を動かす装置が設けられている場合、その装置による平均速度を参照情報として、対象物70の移動速度を求めることができる。たとえば予め参照情報が記憶手段100に保持されており、取得手段110は、評価装置10の外部または評価装置10の内部で生成された対象情報を取得することができる。
【0114】
さらに、対象物情報は時間帯(時刻範囲)毎に設けられていても良い。たとえば、朝と、昼と、晩とで、対象物70の移動量や主たる移動方向が異なりうる。したがって、取得手段110は時間帯毎の対象物情報を取得し、指数算出手段120が時間帯毎に監視指数を算出してもよい。
【0115】
また、対象物情報は、対象物70の停止に関する情報を含んでも良い。停止に関する情報は、対象領域60内の位置p毎、または領域r毎に対象物70がどの程度の頻度で停止し、その停止状態はどの程度継続するかといった情報である。この停止に関する情報は、対象物70の滞留情報として、他の対象物情報と区別して扱われてもよい。停止に関する情報は、どの程度の数の対象物70がどの程度の頻度でその位置pまたはその領域rに滞在し、滞在時間はどの程度であるかといった情報であっても良い。
【0116】
本実施形態に係る評価装置10において、対象物情報を用いて監視指数を算出する方法の第1例について以下に説明する。本例の取得ステップS110において取得手段110は、対象物70の移動の向きを示す情報を対象物情報として取得する。そして、指数算出ステップS120において指数算出手段120は、対象物70の移動の向きが、撮像装置50に向かう方向に近いほど対象物70の監視がしやすいとみなして監視指数を算出する。具体的には以下の通りである。
【0117】
一般的には、対象物70の識別のしやすさは、対象物70の向きによって変化する。たとえば、対象物70が人の場合、人が撮像装置50に対して正面を向いている場合は、顔が映るため識別がしやすい。一方、横向きや後ろ向きの場合には、識別がより難しい。したがって、位置pに関する対象物70の移動の向きが、撮像装置50に向かう方向に近いほど、位置pに位置する対象物70の監視がしやすいとみなすことができる。具体的には、撮像装置50に向かう方向の移動要素が大きい場合には監視不適性指数を下げ、撮像装置50から遠ざかる移動要素が大きい場合には監視不適性指数を上げる。
【0118】
また、位置pにおける移動の向きを示す情報に複数の方向の移動特性が混在する場合には、指数算出手段120は、複数の方向について統計処理(たとえば平均化)をすることにより、監視指数を算出する。この統計処理では、たとえば方向毎に移動する対象物70の密度を用いた重み付けを行う。また、指数算出手段120は、複数の方向のうち最も監視しにくい方向に基づいて監視指数を算出しても良い。
【0119】
本実施形態に係る評価装置10において、対象物情報を用いて監視指数を算出する方法の第2例について以下に説明する。本例の取得ステップS110において、取得手段110は、複数の対象物70の密度を示す情報を対象物情報として取得する。そして、指数算出ステップS120において指数算出手段120は、複数の対象物70の密度が高いほど、対象物70の監視がしにくいとみなして監視指数を算出することができる。具体的には以下の通りである。
【0120】
対象物70の密度が高くなると、撮像装置50で撮像した画像において対象物70同士の重なりが生じやすくなる。そのため、追跡対象を見失いやすくなる。また、複数の対象物70間で対応付けの間違いが生じやすくなる。よって、指数算出手段120は対象物70の密度が高いほど、監視不適性指数を高くする。なお、重なりの生じやすさ、および対象物70の隠れ具合には、対象物70の密度に加え、撮像装置50の俯角、および、撮像装置50の光軸と対象物70の移動方向とのなす角θが影響しうる。たとえば、俯角やθが小さくなると重なりが生じやすくなり、隠れ具合が増加するため、監視不適性度指数は高くなる。そこで、指数算出手段120は、これらの関係に基づいて監視指数を算出しても良い。たとえば対象物70の密度と、撮像装置50の俯角と、角度θと、監視指数との関係を示す参照データ(数式、グラフ、または表等)を事前に、実験、シミュレーション、または計算等に基づいて生成し、記憶手段100に保持させておく。そして、指数算出手段120は、対象物70の密度と、配置情報および対象物情報に基づく俯角および角度θと、記憶手段100から読み出した参照データとを用いて、監視指数を算出することができる。
【0121】
また、対象物情報に対象物70の滞留情報が含まれる場合、指数算出手段120は、対象物70の密度と平均的な滞留時間を用いて、対象物70同士が重なっている状態が継続する度合いを求め、この度合いを用いて監視指数を算出しても良い。
【0122】
なお、対象物情報は対象物70の移動の向きを示す情報と、密度を示す情報との両方を含んでも良い。そして、指数算出手段120は、対象物70の移動の向きを示す情報と、密度を示す情報との両方を用いて監視指数を算出しても良い。また、本実施形態に係る評価装置10において、指数算出手段120は、第1の実施形態で説明した方法と組み合わせて監視指数を算出しても良い。このような複数の情報や要因は、第1の実施形態で説明したのと同様の方法で、監視指数に反映させることができる。
【0123】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、指数算出手段120が対象物70に関する情報をさらに用いて各位置pの監視指数を算出することで、撮像装置50の配置をより高精度に評価できる。
【0124】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る評価装置10は、以下に説明する点を除いて第1および第2の実施形態の少なくともいずれかに係る評価装置10と同じである。
【0125】
本実施形態において、取得手段110は、対象物70の移動の速さを示す情報をさらに取得する。そして、適性度算出手段140は、経路の長さdと対象物70の移動の速さを示す情報とに基づいて、監視不適性領域を対象物70が通過するのにかかる通過時間tを算出し、通過時間tに基づいて適性度を算出する。
【0126】
適性度算出手段140は、監視不適性領域Sを通過する経路の長さdに基づいて適性度を算出する。ここで、経路の長さdが同じであっても、対象物70の速度が異なれば監視不適性領域Sを通過するのにかかる時間は異なる。監視不適性領域Sに追跡対象の対象物70が入った場合、通過にかかる時間が長いほど、その対象物70の位置推定の曖昧性が増し、追跡対象の対象物70を見失う可能性が高まる。したがって、領域通過経路長dそのもので評価するよりも、その経路を移動するのにかかる時間で評価することで、より高精度の評価が可能となる。
【0127】
具体的には、本実施形態の取得ステップS110において取得手段110は、対象物70の移動の速さを示す情報を対象物情報として取得する。対象物情報については第2の実施形態で説明した通りである。対象物情報において、各位置pまたは各領域rには、対象物70の速さが紐づけられている。次いで、指数算出ステップS120が第1および第2の実施形態の少なくともいずれかに係る方法と同様に行われる。そして、適性度算出ステップS130において適性度算出手段140は、まず各監視不適性領域Sにおける対象物70の速さを算出する。適性度算出手段140はたとえば、監視不適性領域Sに含まれるいずれかの位置pまたはいずれかの領域rに紐づけられた速さを代表値として監視不適性領域Sにおける対象物70の速さとすることができる。また、適性度算出手段140は、監視不適性領域Sに含まれる複数の位置pまたは複数の領域rに紐づけられた速さの平均値、最頻値、または中央値等を監視不適性領域Sにおける対象物70の速さとしてもよい。適性度算出手段140は、領域通過経路長dを監視不適性領域Sにおける対象物70の速さで除して、通過時間tを得る。
【0128】
また、監視不適性領域Sを通過する経路の区間毎に対象物70の速度が異なる場合には、経路を複数の区間に分割し、区間毎に通過時間を算出し、全区間の通過時間を合算することで通過時間tを得ることができる。ただし、一つの監視不適性領域Sに対して複数の経路が存在し、領域通過経路長dに相当する経路に従って移動する場合よりも通過時間がかかる経路が存在する場合もある。したがって、可能な経路全てについて通過時間を算出し、その代表値を監視不適性領域Sの通過時間tとしてもよい。
【0129】
次いで、適性度算出手段140は、tを統計処理し、得られた統計値τに基づいて適性度Aを算出する。たとえば、式(4)に従って、得られた全てのtの最大値を統計値τとする。
【0130】
【数4】
【0131】
また、適性度算出手段140は、式(4)の代わりに式(5)を用いて統計値τを求めても良い。すなわち、適性度算出手段140は、得られた複数のtを重み付け平均した結果を統計値τとしても良い。ここで、重みwは一様であっても良いし、推定される使用頻度が高い経路ほど重みwを高く設定しても良い。
【0132】
【数5】
【0133】
次いで適性度算出手段140は、単調非増加関数f(τ)を用いて、統計値τから適性度Aを算出する。ここでA=f(τ)である。すなわち、統計値τが小さいほど、適性度Aが高くなる。
【0134】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、適性度算出手段140が対象物70の移動の速さを示す情報をさらに用いて適性度を算出することで、撮像装置50の配置をより高精度に評価できる。
【0135】
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係る導出装置20の構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る導出装置20は、対象領域60を監視する一以上の撮像装置50の配置を導出する装置である。導出装置20は、取得手段220、配置情報生成手段240、評価手段260、および選択手段280を備える。取得手段220は、撮像装置50の配置に関する条件を示す条件情報と、対象領域60の環境を示す環境情報とを取得する。配置情報生成手段240は、条件情報および環境情報に基づいて、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを含む配置情報を複数生成する。評価手段260は、複数の配置情報が示す撮像装置50の配置をそれぞれ評価する。選択手段280は、評価手段260の評価結果に基づいて複数の配置情報から一以上の配置情報を選択する。評価手段260は、指数算出手段120および適性度算出手段140を備える。指数算出手段120は、配置情報および環境情報を用いて、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物70が位置した場合の、対象物70の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する。そして、適性度算出手段140は、対象領域60における監視指数の分布に基づき、配置情報が示す撮像装置50の配置の、適性度を算出する。
【0136】
本実施形態に係る指数算出手段120は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る指数算出手段120と同じである。また、本実施形態に係る適性度算出手段140は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る適性度算出手段140と同じである。
【0137】
図14は、第4の実施形態に係る導出方法を例示するフローチャートである。また、図15は、第4の実施形態に係る評価ステップS230の内容を例示するフローチャートである。本実施形態に係る導出方法は、対象領域60を監視する一以上の撮像装置50の配置を導出する方法である。本方法は、取得ステップS210、配置情報生成ステップS220、評価ステップS230、および選択ステップS240を含む。取得ステップS210では、撮像装置50の配置に関する条件を示す条件情報と、対象領域60の環境を示す環境情報とが取得される。配置情報生成ステップS220では、条件情報および環境情報に基づいて、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを含む配置情報が複数生成される。評価ステップS230では、複数の配置情報が示す撮像装置50の配置がそれぞれ評価される。選択ステップS240では、評価ステップS230での評価結果に基づいて複数の配置情報から一以上の配置情報が選択される。評価ステップS230は、指数算出ステップS232および適性度算出ステップS234を含む。指数算出ステップS232では、配置情報および環境情報を用いて、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物70が位置した場合の、対象物70の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数が算出される。適性度算出ステップS234では、対象領域60における監視指数の分布に基づき、配置情報が示す撮像装置50の配置の、適性度が算出される。
【0138】
本実施形態に係る導出方法は、導出装置20により実現される。本実施形態に係る指数算出ステップS232は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る指数算出ステップS120と同じである。また、本実施形態に係る適性度算出ステップS234は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る適性度算出ステップS130と同じである。以下に詳しく説明する。
【0139】
本実施形態に係る導出装置20は、対象領域60における撮像装置50の配置を導出する。導出装置20は、撮像装置50の配置として、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角を導出することができる。ただし、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角のうちの一部が予め定められており、導出装置20が撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角のうちの残りを導出しても良い。たとえば撮像装置50の位置および画角が既に定められており、それらの位置および画角を前提として、適した撮像装置50の向きを導出しても良い。
【0140】
取得手段220は、取得ステップS210において、条件情報および環境情報を、導出装置20の外部から、または導出装置20の内部で取得する。たとえばユーザが導出装置20に対して入力操作を行い、取得手段220がユーザの入力内容に基づく条件情報および環境情報を取得しても良い。また、導出装置20の外部または内部に設けられた記憶手段100に配置情報および環境情報が予め保持されており、取得手段220がそれらを読み出して取得しても良い。記憶手段100は、任意の記憶装置である。図13は、導出装置20が記憶手段100を備えている例を示している。なお、取得手段220は、取得ステップS210において、第2および第3の実施形態の取得ステップS110と同様に、対象物情報をさらに取得しても良い。また、取得手段220は、センサやカメラ等の検出手段から環境情報および対象物情報の少なくとも一方を取得しても良い。
【0141】
条件情報は、撮像装置50の配置に関する制約を示す情報である。たとえば、条件情報は、撮像装置50の配置が可能な領域の座標範囲、撮像装置50が採りうる向きの角度範囲、撮像装置50が採りうる画角の範囲、および、使用可能な撮像装置50の台数の範囲のうち、少なくともいずれかを含む。撮像装置50の配置が可能な領域は、たとえば撮像装置50への電源供給の可否や、撮像装置50の固定器具の取り付けの可否等に応じて定められる。なお、条件情報は、撮像装置50の配置が不可能な領域の座標範囲、および、撮像装置50が採れない向きの角度範囲のうち少なくともいずれかを含んでもよい。座標空間は、対象領域60に対する相対座標系であっても良いし、実世界座標系であっても良い。
【0142】
環境情報は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0143】
配置情報生成手段240は、配置情報生成ステップS220において、複数の配置情報を生成する。なお、一つの配置情報は、一パターンの配置を示す。各配置情報は、第1の実施形態で説明した通りである。対象領域60を複数の撮像装置50で監視する場合、各配置情報には、複数の撮像装置50の配置を示す情報が含まれる。配置情報生成手段240は、条件情報に示される条件を満たすような撮像装置50の配置パターンを示す配置情報を生成する。なお配置情報は、環境情報に対応づけられている。したがって、対象領域60に対する撮像装置50の配置が配置情報および環境情報により示される。なお、配置情報に示される撮像装置50の位置は対象領域60の少なくとも一部を撮像できる限り、必ずしも対象領域60内である必要は無い。
【0144】
具体的にはたとえば、配置情報生成手段240は、条件情報に示される条件を満たすような撮像装置50の配置点を一定間隔で複数配置し、それら複数の配置点の中から、使用可能な撮像装置50の台数分の点を選択する。そして、採りうる各撮像装置50の向き等の情報を付加して配置情報とする。また、条件情報に示される条件を満たす範囲内で、使用可能な台数の撮像装置50の位置および向き等をランダムに定めてもよい。
【0145】
評価手段260は評価ステップS230において、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る評価装置10により行われるのと同様の評価方法で、各配置情報に示された撮像装置50の配置を評価する。評価手段260は、各配置情報についての適性度を出力する。なお、評価手段260は配置情報生成手段240から、複数の配置情報の全てを取得した後に各配置情報について適性度を算出しても良いし、一部の配置情報の取得と適性度の算出を繰り返し行っても良い。
【0146】
選択手段280は、各配置の評価結果として評価手段260から適性度を取得する。また選択手段280は、配置情報生成手段240で生成された複数の配置情報も合わせて取得する。配置情報生成手段240で生成された複数の配置情報には、それぞれ適性度が関連づけられる。そして選択手段280は選択ステップS240において、複数の配置情報のうち、適性度が最大となる配置の配置情報を選択する。選択手段280からは、選択された配置情報が出力される。また、その配置情報の適性度が合わせて選択手段280から出力されても良い。出力された配置情報等は、たとえばディスプレイ等の表示手段で表示される。配置情報の表示は、たとえば対象領域60の平面図に撮像装置50の位置や向き等を示すマークが示された図面が表示されることで行われる。また、配置情報等は記憶手段100に保持されても良いし、導出装置20の外部の装置に入力されても良い。
【0147】
なお、選択手段280は、複数の配置情報を出力しても良い。選択手段280はたとえば適性度が高い順に、予め定められた数の範囲内で複数の配置情報を選択して出力することができる。出力すべき配置情報の数はたとえばユーザにより導出装置20に入力される。ユーザは出力された複数の配置情報が示す配置から、任意に選択した配置を採用することができる。
【0148】
また、評価手段260で算出された適性度が配置情報生成手段240へフィードバックされても良い。すなわち、配置情報生成手段240は評価手段260で算出された適性度を取得し、取得した適性度とその適性度に関連づけられた配置とに基づいて、異なる配置を示す配置情報を生成する。たとえば、配置情報生成手段240は、適性度が低かった配置に類似した配置の生成を抑制する。一例として配置情報生成手段240は、適性度が低かった配置の近傍において、配置の生成に用いるパラメータを粗く設定することができる。
【0149】
具体的には、たとえば上記したように複数の配置点の中から撮像装置50の台数分の点を選択する場合、全ての配置点に対する組み合わせについて配置情報を生成するのではなく、いくつかの配置点を除いた残りから配置点を選択する。除かれる配置点としては、たとえば適性度が低かった配置で選択された配置点が挙げられる。また、配置情報生成手段240は、適性度が低かった配置に近い配置について、複数の配置点の間隔を広げて配置情報を生成するようにしても良い。
【0150】
逆に、配置情報生成手段240は、適性度が高かった配置に類似した配置の生成を増やしても良い。一例として、配置情報生成手段240は、適性度が高かった配置の近傍において、配置の生成に用いるパラメータを細かく設定する。なお、適性度が高かった配置とは、たとえば予め定められた基準よりも適性度が高かった配置であり、適性度が低かった配置とは、たとえば予め定められた基準よりも適性度が低かった配置である。
【0151】
また、粗密探索のアプローチで配置情報の生成および適性度の算出が行われても良い。すなわち、初めに複数の配置を粗く設定し、それらの配置の適性度を算出する。そして、適性度が高かった配置の近傍でより細かい配置の設定および適性度の算出を行う。具体的にはたとえば、上記したように複数の配置点の中から撮像装置50の台数分の点を選択する場合、第1のステップでは複数の配置点を広い間隔で定め、適性度が高くなる配置を1つまたは複数求める。次に、第2のステップとして複数の配置点の間隔を第1ステップでの間隔より狭くし、第1のステップで求められた配置に類似した配置の配置情報を生成する。また、次のステップでさらに狭い配置点間隔で同様の処理を続けても良い。このようにすることで、適性度が高い配置を効率的に求められる。
【0152】
また、導出装置20は、複数の時刻範囲のそれぞれに対して撮像装置50の配置を導出してもよい。この場合、取得手段220が取得する情報のうち少なくともいずれかが複数の時刻範囲毎に定められている。ここで、取得手段220が取得する情報とは、条件情報および環境情報であるか、条件情報、環境情報および対象物情報である。条件情報および環境情報の少なくとも一方が時刻範囲毎に定められている場合、配置情報生成手段240は、時刻範囲毎に複数の配置情報を生成する。また、配置情報、環境情報、および対象物情報の少なくともいずれかが時刻範囲毎に定められている場合、評価手段260は時刻範囲毎の評価結果を出力する。そして、評価手段260が時刻範囲毎の評価結果を出力した場合、選択手段280は、時刻範囲毎の配置を選択して出力する。そうすることで、ユーザは、時刻範囲毎の適した配置を知ることが出来る。
【0153】
このように本実施形態に係る導出装置20は予め定められた条件を満たす範囲内で、対象領域60の監視に適した撮像装置50の配置を導出することができる。
【0154】
たとえば評価装置10のユーザは、監視したい対象領域60に関する情報と、撮像装置50の配置の条件とを導出装置20に入力し、出力された配置を採用することができる。本実施形態に係る導出装置20および導出方法によれば、たとえば第1の実施形態において、撮像装置50の配置の第1例から第9例に示したような配置が導出されうる。
【0155】
本実施形態に係る導出装置20は、たとえば図12に示したような計算機1000で実現することができる。ストレージデバイス1080は、導出装置20の取得手段220、配置情報生成手段240、評価手段260、指数算出手段120、適性度算出手段140、および選択手段280を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0156】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態に係る導出装置20によれば、対象領域60全体の状況を加味した評価結果に基づき、好ましい撮像装置50の配置を導出する。そうすることで、対象領域60において対象物70の見逃しが発生しにくい撮像装置50の配置を知ることができる。
【0157】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る監視方法は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る評価装置10、または、第4の実施形態に係る導出装置20を用いて決定した配置に基づいて撮像装置50を配置し、対象領域60を監視する方法である。
【0158】
評価装置10を用いる場合、ユーザは撮像装置50の配置の候補を複数準備する。そして、各候補の配置の情報を評価装置10に入力し、取得手段110が配置情報を取得する。また、ユーザは、対象領域60に関する情報を評価装置10に入力し、取得手段110が環境情報を取得する。ユーザはさらに対象物情報を評価装置10に入力してもよい。評価装置10は、各候補の適性度を出力する。ユーザは、出力された複数の候補の適性度を比較し、最も適性度が高い候補を撮像装置50の配置として決定する。そしてユーザは、決定した配置に従い、撮像装置50を設置する。
【0159】
一方、導出装置20を用いる場合、ユーザは撮像装置50の配置の条件を導出装置20に入力し、取得手段220が条件情報を取得する。また、ユーザは、対象領域60に関する情報を導出装置20に入力し、取得手段220が環境情報を取得する。ユーザはさらに対象物情報を導出装置20に入力してもよい。導出装置20は、対象領域60の監視に適した撮像装置50の配置を示す情報を出力する。ユーザは、導出装置20により出力された撮像装置50の配置に従い、撮像装置50を設置する。
【0160】
図16は、第5の実施形態に係る監視装置30の構成を例示するブロック図である。本図の例において、監視装置30は、解析手段380、表示手段360、記憶手段100および複数の撮像装置50を備える。撮像装置50は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る評価装置10、または、第4の実施形態に係る導出装置20を用いて決定した配置に基づいて配置されている。
【0161】
本実施形態に係る監視装置30および監視方法では、たとえば第1の実施形態において、撮像装置50の配置の第1例から第9例に示したように撮像装置50が配置されうる。
【0162】
各撮像装置50は、対象領域60の少なくとも一部を撮像する。なお、撮像装置50の位置や向き、画角等はユーザまたは監視員等によりさらに微調整されても良い。また、評価装置10または導出装置20の処理結果により、時間帯によって異なる配置が好ましいとされる場合、撮像装置50の配置はユーザまたは監視員等により適時変更されても良い。
【0163】
各撮像装置50から出力された画像情報は解析手段380に入力される。解析手段380は、撮像装置50からの画像情報を解析する。解析手段380が行う解析はたとえば、対象物70の検出または追跡等である。表示手段360には、たとえば撮像装置50により撮像された画像および解析手段380による解析結果が表示され、監視員に提示される。これにより、監視員が対象領域60における対象物70の状況を把握できる。
【0164】
表示手段360に表示される画像には、たとえば解析手段380による検出結果に基づき、対象物70を囲う枠が合わせて表示されたり、解析手段380による追跡結果に基づき対象物70に割り振られたIDが合わせて表示されたりしてもよい。また、対象物70を検出および追跡した結果に基づいて、対象物70の異常行動が検知され、アラートが挙げられてもよい。
【0165】
なお、表示手段360には、撮像装置50で撮像された画像自体は表示されず、解析手段380による解析結果のみが表示されても良い。たとえば、追跡結果に基づいて、対象物70の位置や移動軌跡が地図上に表示されてもよい。そして、監視員が特定の撮像装置50で撮像した画像を確認したいときに、表示処理コマンドを発行するための操作を行うことで、画像を表示させてもよい。
【0166】
なお、各撮像装置50から出力された画像情報は、記憶手段100に記憶されても良い。また、監視装置30は解析手段380を備えなくても良い。各撮像装置50から出力された画像情報は、解析手段380を経ずに直接表示手段360に入力され、表示されても良い。
【0167】
本実施形態に係る監視装置30は、たとえば図12に示したような計算機1000を用いて実現することができる。ストレージデバイス1080は、監視装置30の解析手段380を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0168】
表示手段360はたとえば入出力インタフェース1100に接続されるディスプレイ装置である。なお、表示手段360は、ネットワークインタフェース1120を介して計算機1000に接続されてもよい。
【0169】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態に係る監視装置30によれば、対象領域60全体の状況を加味した評価結果に基づき導出された、好ましい撮像装置50の配置で監視が行われる。そうすることで、対象領域60において対象物70の見逃しが発生しにくい監視が可能である。
【0170】
(第6の実施形態)
図17は、第6の実施形態に係る監視装置30の構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る監視装置30は、以下に説明する点を除いて第5の実施形態に係る監視装置30と同じである。
【0171】
本実施形態に係る監視装置30は、一以上の撮像装置50で対象領域60を監視する装置である。監視装置30は、導出手段320および配置制御手段340を備える。導出手段320は、撮像装置50の配置を導出する。配置制御手段340は、導出手段320で導出された撮像装置50の配置に基づいて撮像装置50の配置を制御する。導出手段320は、取得手段220、配置情報生成手段240、評価手段260、および選択手段280を備える。取得手段220は、撮像装置50の配置に関する条件を示す条件情報と、対象領域60の環境を示す環境情報とを取得する。配置情報生成手段240は、条件情報および環境情報に基づいて、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを含む配置情報を複数生成する。評価手段260は、複数の配置情報が示す撮像装置50の配置をそれぞれ評価する。選択手段280は、評価手段260の評価結果に基づいて複数の配置情報から一以上の配置情報を選択する。評価手段260は指数算出手段120および適性度算出手段140を備える。指数算出手段120は、配置情報および環境情報を用いて、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物70が位置した場合の、対象物70の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する。適性度算出手段140は、対象領域60における監視指数の分布に基づき、配置情報が示す撮像装置50の配置の、適性度を算出する。
【0172】
本実施形態において、監視装置30は、撮像装置50、解析手段380および表示手段360をさらに備える。
【0173】
本実施形態に係る監視装置30は、たとえば以下の様にも説明される。監視装置30は、一以上の撮像装置監視装置30で対象領域60を監視する装置である。撮像装置50で撮像された画像を解析する解析手段380、および画像を表示する表示手段360の少なくとも一方を備える。撮像装置50は、対象領域60における監視指数の分布に基づき導出された配置情報に基づいて配置されている。監視指数は、対象領域60の環境を示す環境情報に基づき算出された指数であり、かつ、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物70が位置した場合の、対象物70の監視のしにくさ、または、しやすさを示す指数である。また配置情報は、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを示す。
【0174】
本実施形態に係る指数算出手段120は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る指数算出手段120と同じである。また、本実施形態に係る適性度算出手段140は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る適性度算出手段140と同じである。本実施形態に係る取得手段220、配置情報生成手段240、評価手段260、および選択手段280は、それぞれ第4の実施形態に係る取得手段220、配置情報生成手段240、評価手段260、および選択手段280と同じである。そして、本実施形態に係る解析手段380および表示手段360は、それぞれ第5の実施形態に係る解析手段380および表示手段360と同じである。
【0175】
図18は、第6の実施形態に係る監視方法を例示するフローチャートである。なお、本実施形態における導出ステップS330の内容は、図14と同様のフローチャートで例示される。また、本実施形態における評価ステップS230の内容は、図15と同様のフローチャートで例示される。
【0176】
本実施形態に係る監視方法は、一以上の撮像装置50で対象領域60を監視する方法である。本方法は、導出ステップS330および配置制御ステップS340を含む。導出ステップS330では、撮像装置50の配置が導出される。配置制御ステップS340では、導出ステップS330で導出された撮像装置50の配置に基づいて撮像装置50の配置が制御される。導出ステップS330は、取得ステップS210、配置情報生成ステップS220、評価ステップS230、および選択ステップS240を含む。取得ステップS210では、撮像装置50の配置に関する条件を示す条件情報と、対象領域60の環境を示す環境情報とが取得される。配置情報生成ステップS220では、条件情報および環境情報に基づいて、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを示す配置情報が複数生成される。評価ステップS230では、複数の配置情報が示す撮像装置50の配置がそれぞれ評価される。選択ステップS240では、評価ステップS230での評価結果に基づいて複数の配置情報から一以上の配置情報が選択される。評価ステップS230は、指数算出ステップS232および適性度算出ステップS234を含む。指数算出ステップS232では、配置情報および環境情報を用いて、対象領域60内の複数の位置pのそれぞれに対し、その位置pに対象物70が位置した場合の、対象物70の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数が算出される。適性度算出ステップS234では、対象領域60における監視指数の分布に基づき、配置情報が示す撮像装置50の配置の、適性度が算出される。
【0177】
本実施形態に係る監視方法は、本実施形態にかかる監視装置30により実現される。本実施形態に係る指数算出ステップS232は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る指数算出ステップS120と同じである。また、本実施形態に係る適性度算出ステップS234は、第1から第3の実施形態の少なくともいずれかに係る適性度算出ステップS130と同じである。本実施形態に係る取得ステップS210、配置情報生成ステップS220、評価ステップS230、および選択ステップS240は、それぞれ第4の実施形態に係る取得ステップS210、配置情報生成ステップS220、評価ステップS230、および選択ステップS240と同じである。以下に詳しく説明する。
【0178】
本実施形態において、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかは配置制御手段340により制御可能に構成されている。たとえば、撮像装置50は位置および向きの少なくとも一方を可変とする駆動装置に取り付けられている。また、撮像装置50の画角は配置制御手段340からの信号により調整可能な構成とすることができる。具体的にはたとえば、撮像装置50は、外部からの制御で位置や姿勢を変更することが可能な移動型のカメラである。撮像装置50は、PZTカメラのように向きやズーム率を外部から制御可能なデバイスであっても良いし、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)のように、空中に浮揚して撮像することが可能なデバイスであっても良い。また、撮像装置50は、壁や天井に設置され、敷設されたレール状を移動できるように設けられたカメラでも良い。あるいは、撮像装置50は移動できるロボットに搭載されたカメラであってもよい。
【0179】
導出手段320は導出ステップS330において、第4の実施形態に係る導出装置20により行われるのと同様の導出方法で、撮像装置50の配置を導出する。ただし本実施形態において、取得手段220が取得する条件情報には、配置制御手段340により制御可能な範囲が撮像装置50を配置可能な範囲として反映されている。
【0180】
導出手段320から出力された配置情報は配置制御手段340に入力される。なお、導出手段320から出力された配置情報は一度記憶手段100に記憶され、配置制御手段340がそれを読み出して取得しても良い。配置制御手段340は、取得した配置情報に基づいて、撮像装置50の、撮像装置50の位置、撮像装置50の向き、および撮像装置50の画角の少なくともいずれかを制御する。具体的にはたとえば、配置制御手段340から撮像装置50が取り付けられた駆動装置等に対して制御信号が送られる。図17は、監視装置30が記憶手段100を備える例を示している。
【0181】
撮像装置50は、配置制御手段340により調整された配置で対象領域60を監視する。撮像装置50で撮像された画像は、第5の実施形態と同様に処理される。
【0182】
また、導出手段320は、複数の時刻範囲のそれぞれに対して撮像装置50の配置を導出し、配置制御手段340は、時刻範囲毎に配置を制御してもよい。時刻範囲毎の配置の評価方法および導出方法については、たとえば第1、第2、および第4の実施形態で説明した通りである。導出手段320は複数の時刻範囲のそれぞれに対して撮像装置50の配置を導出し、撮像装置50の配置のタイムテーブルを生成する。生成されたタイムテーブルはたとえば記憶手段100に保持される。配置制御手段340は、記憶手段100から読み出したタイムテーブルに従い、時刻範囲毎に撮像装置50の配置を変更する。こうすることで、いつでも好適な撮像装置50の配置で監視が行われる。
【0183】
本実施形態に係る監視装置30は、たとえば図12に示したような計算機1000を用いて実現することができる。ストレージデバイス1080は、監視装置30の導出手段320、取得手段220、配置情報生成手段240、評価手段260、指数算出手段120、適性度算出手段140、選択手段280、配置制御手段340、および解析手段380を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0184】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第5の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0185】
(第7の実施形態)
図19は、第7の実施形態に係る監視装置30の構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る監視装置30は、以下に説明する点を除いて第6の実施形態に係る監視装置30と同じである。本実施形態に係る監視装置30では、導出手段320が、予め定められた条件に基づき、複数のタイミングで撮像装置50の配置を導出する。そして、配置制御手段340は、導出手段320が撮像装置50の配置を導出する毎に撮像装置50の配置を制御する。以下に詳しく説明する。
【0186】
本実施形態に係る監視装置30は、その場で得られるリアルタイムの情報を取得し、撮像装置50の配置に反映させる。そうすることで、実際の状況に応じて適切な撮像装置50の配置を実現することができる。
【0187】
本実施形態に係る監視装置30は、検出手段330および更新判定手段310をさらに備える。検出手段330は、対象領域60の状況を検出するカメラまたはセンサ等である。検出手段330の一部は撮像装置50を兼ねていても良い。また、監視装置30は、複数の検出手段330を備えていても良い。検出手段330は、たとえば、対象領域60における対象物70の密度、分布、および移動の状況のうち少なくともいずれかを検出する。そして、得られた検出結果は、取得手段220に対象物情報として取得される。また、検出手段330は、たとえば対象領域60の少なくとも一部における照度や物体660の位置を検出しても良い。その場合、得られた検出結果は、取得手段220に環境情報として取得される。なお、検出手段330の検出対象は、これらの例に限定されない、検出手段330は、上記した配置情報または対象物情報に含まれうる情報を検出し、検出結果を取得手段220が配置情報または対象物情報の少なくとも一部として取得することができる。
【0188】
更新判定手段310は、撮像装置50の配置を更新すべきか否かの判定を行う。たとえば、記憶手段100には予め配置を更新すべきか否かの条件を示す更新条件情報が保持されており、更新判定手段310は記憶手段100から更新条件情報を読み出して判定に用いる。更新条件情報はたとえば、更新の間隔を示す時間、または、更新すべき時刻である。更新条件情報が更新の間隔を示す時間である場合、更新判定手段310は直前の配置情報の導出からの経過時間が更新の間隔を示す時間以上であるときに、再度導出手段320に配置を導出させる。更新条件情報が更新すべき時刻である場合、更新判定手段310は現在時刻が更新すべき時刻であるときに、再度導出手段320に配置を導出させる。
【0189】
また、更新条件情報はたとえば、直前の配置情報の導出に用いられた環境情報または対象物情報と、検出手段330で得られた最新の検出結果との差分に関する基準値であっても良い。更新判定手段310はたとえば、この差分が基準値以上の場合、再度導出手段320に配置を導出させる。差分が大きい場合には、配置が現状に適していない可能性があるからである。
【0190】
なお、監視装置30に対してユーザや監視員が配置を更新する旨の操作を行い、その操作が行われた場合に、更新判定手段310は更新条件が満たされたと判定しても良い。
【0191】
図20は、第7の実施形態に係る監視装置30で行われる、配置の更新のための処理内容を例示するフローチャートである。本実施形態に係る監視方法は、ステップS310、ステップS320、導出ステップS330、および配置制御ステップS340を含む。監視装置30が配置の更新を開始すると、更新判定手段310はステップS310において、終了操作がされたか否かを判定する。終了操作がされていない場合(ステップS310のN)、更新判定手段310は次いで、ステップS320を行う。
【0192】
ステップS320では、更新判定手段310は更新条件が満たされるか否かを判定する。更新条件が満たされない場合(ステップS320のN)、処理はステップS310に戻る。更新条件が満たされる場合(ステップS320のY)、更新判定手段310は、導出手段320に撮像装置50の配置を導出させる。導出手段320は、導出ステップS330において、撮像装置50の配置を導出し、次いで、配置制御手段340が配置制御ステップS340において、撮像装置50の配置を制御する。導出ステップS330および配置制御ステップS340の内容は、それぞれ第6の実施形態の導出ステップS330および配置制御ステップS340の内容と同じである。ただしこのとき、導出手段320は、検出手段330による最新の検出結果を用いて配置の導出を行う。なお、再度の導出の結果、同じ配置が適した配置として導出されることもあり得る。
【0193】
配置制御ステップS340に次いで、更新判定手段310は、ステップS310を再度行い、終了操作がされるまで上記の処理を繰り返す。なお、終了操作がされた場合(ステップS310のY)、監視装置30は配置の更新を終了する。
【0194】
なお、ステップS310、ステップS320、導出ステップS330、および配置制御ステップS340が行われている間にも、撮像装置50、解析手段380、および表示手段360は対象領域60の監視のための動作を続ける。
【0195】
本実施形態に係る監視装置30の更新判定手段310は、たとえば図12に示したような計算機1000で実現することができる。ストレージデバイス1080は、監視装置30の更新判定手段310を実現するプログラムモジュールをさらに記憶している。プロセッサ1040は、このプログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、このプログラムモジュールに対応する機能を実現する。また、検出手段330は、たとえば入出力インタフェース1100またはネットワークインタフェース1120に接続されたセンサ等であり得る。
【0196】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第5の実施形態と同様の作用および効果が得られる。くわえて、検出手段330によるリアルタイムの情報を反映させた配置の制御が可能である。
【0197】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上述の説明で用いたシーケンス図やフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0198】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
1. 対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を評価する評価装置であって、
前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える評価装置。
2. 1.に記載の評価装置において、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示す評価装置。
3. 1.または2.に記載の評価装置において、
前記指数算出手段は、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出する評価装置。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の評価装置において、
前記適性度算出手段は、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出する評価装置。
5. 4.に記載の評価装置において、
前記取得手段は、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出手段は、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出する評価装置。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の評価装置において、
前記取得手段は、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出する評価装置。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の評価装置において、
前記取得手段は、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出する評価装置。
8. 対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を導出する導出装置であって、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段と、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段とを備え、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える導出装置。
9. 8.に記載の導出装置において、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示す導出装置。
10. 8.または9.に記載の導出装置において、
前記指数算出手段は、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出する導出装置。
11. 8.から10.のいずれか一つに記載の導出装置において、
前記適性度算出手段は、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出する導出装置。
12. 11.に記載の導出装置において、
前記取得手段は、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出手段は、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出する導出装置。
13. 8.から12.のいずれか一つに記載の導出装置において、
前記取得手段は、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出する導出装置。
14. 8.から13.のいずれか一つに記載の導出装置において、
前記取得手段は、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出する導出装置。
15. 1.から7.のいずれか一つに記載の評価装置または8.から14.のいずれか一つに記載の導出装置を用いて決定した配置に基づいて前記撮像装置を配置し、前記対象領域を監視する監視方法。
16. 一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視装置であって、
前記撮像装置の配置を導出する導出手段と、
前記導出手段で導出された前記撮像装置の配置に基づいて前記撮像装置の配置を制御する配置制御手段とを備え、
前記導出手段は、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段と、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段とを備え、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備える監視装置。
17. 16.に記載の監視装置において、
前記導出手段は、複数の時刻範囲のそれぞれに対して前記撮像装置の配置を導出し、
前記配置制御手段は、前記時刻範囲毎に前記撮像装置の配置を制御する監視装置。
18. 16.に記載の監視装置において、
前記導出手段は、予め定められた条件に基づき、複数のタイミングで前記撮像装置の配置を導出し、
前記配置制御手段は、前記導出手段が前記撮像装置の配置を導出する毎に前記撮像装置の配置を制御する監視装置。
19. 16.から18.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示す監視装置。
20. 16.から19.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記指数算出手段は、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出する監視装置。
21. 16.から20.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記適性度算出手段は、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出する監視装置。
22. 21.に記載の監視装置において、
前記取得手段は、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出手段は、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出する監視装置。
23. 16.から22.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記取得手段は、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出する監視装置。
24. 16.から23.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記取得手段は、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出する監視装置。
25. 対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を評価する評価方法であって、
前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得ステップと、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出ステップと、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出ステップとを含む評価方法。
26. 25.に記載の評価方法において、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示す評価方法。
27. 25.または26.に記載の評価方法において、
前記指数算出ステップでは、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出する評価方法。
28. 25.から27.のいずれか一つに記載の評価方法において、
前記適性度算出ステップでは、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出する評価方法。
29. 28.に記載の評価方法において、
前記取得ステップでは、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出ステップでは、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出する評価方法。
30. 25.から29.のいずれか一つに記載の評価方法において、
前記取得ステップでは、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出ステップでは、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出する評価方法。
31. 25.から30.のいずれか一つに記載の評価方法において、
前記取得ステップでは、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出ステップでは、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出する評価方法。
32. 対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を評価する評価装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しにくさを示す監視指数を算出する指数算出手段、および
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段として機能させるコンピュータプログラム。
33. 32.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示すコンピュータプログラム。
34. 32.または33.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記指数算出手段は、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
35. 32.から34.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記適性度算出手段は、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出するコンピュータプログラム。
36. 35.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出手段は、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出するコンピュータプログラム。
37. 32.から36.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
38. 32.から37.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
39. 対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を導出する導出方法であって、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得ステップと、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成ステップと、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択ステップとを含み、
前記評価ステップは、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出ステップと、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出ステップとを含む導出方法。
40. 39.に記載の導出方法において、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示す導出方法。
41. 39.または40.に記載の導出方法において、
前記指数算出ステップでは、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出する導出方法。
42. 39.から41.のいずれか一つに記載の導出方法において、
前記適性度算出ステップでは、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出する導出方法。
43. 42.に記載の導出方法において、
前記取得ステップでは、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出ステップでは、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出する導出方法。
44. 39.から43.のいずれか一つに記載の導出方法において、
前記取得ステップでは、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出ステップでは、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出する導出方法。
45. 39.から44.のいずれか一つに記載の導出方法において、
前記取得ステップでは、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出ステップでは、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出する導出方法。
46. 対象領域を監視する一以上の撮像装置の配置を導出する導出装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段、および
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段として機能させ、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備えるコンピュータプログラム。
47. 46.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示すコンピュータプログラム。
48. 46.または47.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記指数算出手段は、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
49. 46.から48.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記適性度算出手段は、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出するコンピュータプログラム。
50. 49.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出手段は、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出するコンピュータプログラム。
51. 46.から50.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
52. 46.から51.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
53. 一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視方法であって、
前記撮像装置の配置を導出する導出ステップと、
前記導出ステップで導出された前記撮像装置の配置に基づいて前記撮像装置の配置を制御する配置制御ステップとを含み、
前記導出ステップは、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得ステップと、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成ステップと、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択ステップとを含み、
前記評価ステップは、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出ステップと、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出ステップとを含む監視方法。
54. 53.に記載の監視方法において、
前記導出ステップでは、複数の時刻範囲のそれぞれに対して前記撮像装置の配置を導出し、
前記配置制御ステップでは、前記時刻範囲毎に前記撮像装置の配置を制御する監視方法。
55. 53.に記載の監視方法において、
前記導出ステップでは、予め定められた条件に基づき、複数のタイミングで前記撮像装置の配置を導出し、
前記配置制御ステップでは、前記導出ステップで前記撮像装置の配置が導出される毎に前記撮像装置の配置を制御する監視方法。
56. 53.から55.のいずれか一つに記載の監視方法において、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示す監視方法。
57. 53.から56.のいずれか一つに記載の監視方法において、
前記指数算出ステップでは、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出する監視方法。
58. 53.から57.のいずれか一つに記載の監視方法において、
前記適性度算出ステップでは、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出する監視方法。
59. 58.に記載の監視方法において、
前記取得ステップでは、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出ステップでは、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出する監視方法。
60. 53.から59.のいずれか一つに記載の監視方法において、
前記取得ステップでは、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出ステップでは、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出する監視方法。
61. 53.から60.のいずれか一つに記載の監視方法において、
前記取得ステップでは、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出ステップでは、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出する監視方法。
62. 一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の配置を導出する導出手段、および
前記導出手段で導出された前記撮像装置の配置に基づいて前記撮像装置の配置を制御する配置制御手段として機能させ、
前記導出手段は、
前記撮像装置の配置に関する条件を示す条件情報と、前記対象領域の環境を示す環境情報とを取得する取得手段と、
前記条件情報および前記環境情報に基づいて、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す配置情報を複数生成する配置情報生成手段と、
前記複数の配置情報が示す前記撮像装置の配置をそれぞれ評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて前記複数の配置情報から一以上の前記配置情報を選択する選択手段とを備え、
前記評価手段は、
前記配置情報および前記環境情報を用いて、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す監視指数を算出する指数算出手段と、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記配置情報が示す前記撮像装置の配置の、適性度を算出する適性度算出手段とを備えるコンピュータプログラム。
63. 62.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記導出手段は、複数の時刻範囲のそれぞれに対して前記撮像装置の配置を導出し、
前記配置制御手段は、前記時刻範囲毎に前記撮像装置の配置を制御するコンピュータプログラム。
64. 62.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記導出手段は、予め定められた条件に基づき、複数のタイミングで前記撮像装置の配置を導出し、
前記配置制御手段は、前記導出手段が前記撮像装置の配置を導出する毎に前記撮像装置の配置を制御するコンピュータプログラム。
65. 62.から64.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記環境情報は、前記対象領域の形状、前記対象領域の広さ、前記対象領域に配置された物体の位置、前記物体の形状、前記物体の大きさ、および前記物体の向きの少なくともいずれかを示すコンピュータプログラム。
66. 62.から65.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記指数算出手段は、前記対象領域内の前記複数の位置のそれぞれに前記対象物が位置した場合に、前記撮像装置で撮像される前記対象物の、大きさ、明るさ、および隠れ具合のうち少なくともいずれかに基づいて、前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
67. 62.から66.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記適性度算出手段は、
前記対象領域における前記監視指数の分布に基づき、前記撮像装置による前記対象物の監視がしにくい監視不適性領域を一以上特定し、
前記監視不適性領域を前記対象物が通過する場合の経路の長さを前記監視不適性領域毎に導出し、
前記経路の長さに基づいて、前記適性度を算出するコンピュータプログラム。
68. 67.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記対象物の移動の速さを示す情報をさらに取得し、
前記適性度算出手段は、
前記経路の長さと前記対象物の移動の速さを示す情報とに基づいて、前記監視不適性領域を前記対象物が通過するのにかかる通過時間を算出し、
前記通過時間に基づいて前記適性度を算出するコンピュータプログラム。
69. 62.から68.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記対象物の移動の向きを示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記対象物の移動の向きが、前記撮像装置に向かう方向に近いほど前記対象物の監視がしやすいとみなして前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
70. 62.から69.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記取得手段は、複数の前記対象物の密度を示す情報をさらに取得し、
前記指数算出手段は、前記複数の対象物の密度が高いほど、前記対象物の監視がしにくいとみなして前記監視指数を算出するコンピュータプログラム。
71. 一以上の撮像装置で対象領域を監視する監視装置であって、
前記撮像装置で撮像された画像を解析する解析手段、および前記画像を表示する表示手段の少なくとも一方を備え、
前記撮像装置は、前記対象領域における監視指数の分布に基づき導出された配置情報に基づいて配置されており、
前記監視指数は、前記対象領域の環境を示す環境情報に基づき算出された指数であり、かつ、前記対象領域内の複数の位置のそれぞれに対し、当該位置に対象物が位置した場合の、前記対象物の監視のしにくさ、または、しやすさを示す指数であり、
前記配置情報は、前記撮像装置の位置、前記撮像装置の向き、および前記撮像装置の画角の少なくともいずれかを示す監視装置。
72. 71に記載の監視装置において、
前記環境情報が、前記対象領域内に細長い通路があることを示す情報を含み、
前記細長い通路において、前記撮像装置の向きが一致するように前記撮像装置が配置されている監視装置。
73. 71.または72.に記載の監視装置において、
前記環境情報が、前記対象領域内に細長い通路があることを示す情報を含み、
前記細長い通路の中央近傍で、二つの前記撮像装置が逆向きに配置されており、前記二つの撮像装置のうち一方の前記撮像装置により他方の前記撮像装置の少なくとも真下が撮像され、前記他方の撮像装置により前記一方の撮像装置の少なくとも真下が撮像される監視装置。
74. 71.から73.のいずれか一つに記載の監視装置において、
第1の領域と第2の領域とが互いに直接隣接せず、かつ、死角領域のみを挟んで互いに隣接しないように前記撮像装置が配置されており、
前記第1の領域は、前記監視指数が示す監視のしにくさが予め定められた基準より高い、または、前記監視指数が示す監視のしやすさが前記基準より低い領域であり、かつ、前記第1の領域内に前記対象物を配置した場合に、第1の前記撮像装置で前記対象物が撮像され、
前記第2の領域は、前記監視指数が示す監視のしにくさが前記基準より高い、または、前記監視指数が示す監視のしやすさが前記基準より低い領域であり、かつ、前記第2の領域内に前記対象物を配置した場合に、前記第1の撮像装置から予め定められた範囲内に位置する第2の前記撮像装置で前記対象物が撮像され、
前記死角領域内に前記対象物を配置した場合に、前記対象物の少なくとも一部が前記一以上の撮像装置のいずれからも撮像されない監視装置。
75. 71.から74.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記環境情報が、前記対象領域内に長方形の領域が含まれることを示す情報を含み、
前記長方形の長辺のうち、端よりも中心に近い点の近傍に前記撮像装置が配置されている監視装置。
76. 71.から75.のいずれか一つに記載の監視装置において、
前記環境情報が、前記対象領域内に配置された一以上の物体を挟む複数の通路が、前記対象領域内にほぼ平行に存在することを示す情報を含み、
前記複数の通路のそれぞれに対して一の前記撮像装置が設けられており、
隣り合う前記通路が互いに異なる方向から撮像されるよう前記撮像装置が配置されている監視装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20