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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133233
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112347
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2023079457の分割
【原出願日】2018-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】藤本 洋平
(57)【要約】
【課題】調剤の作業効率が良好で、短時間での作業を可能にする薬剤供給装置を提供する。
【解決手段】薬剤供給装置は、容器保管部と、薬剤排出部と、容器搬送部と、を備える。前記容器保管部には、薬剤を収容した薬剤容器が複数保管される。前記薬剤排出部は、複数設けられていて、前記薬剤容器をセット可能であり、セットされた前記薬剤容器内の薬剤を排出する。前記容器搬送部は、前記容器保管部と前記薬剤排出部との間で前記薬剤容器の搬送を行うことができる。複数のうち一部の前記薬剤排出部が薬剤の排出を行っている途中であり、かつ、残りの前記薬剤排出部が薬剤の排出を完了した状態で、前記容器搬送部は、薬剤の排出が完了した前記薬剤排出部にセットされている前記薬剤容器を、前記容器保管部に搬送し、前記薬剤容器が前記容器保管部に搬送されることで空いた前記薬剤排出部に対して、次の調剤に用いる前記薬剤容器を搬送する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を収容した薬剤容器が複数保管される容器保管部と、
前記薬剤容器をセット可能であり、セットされた薬剤容器内の薬剤を排出する複数の薬剤排出部と、
前記容器保管部と前記薬剤排出部との間で前記薬剤容器の搬送を行うことができる容器搬送部と、
を備え、
複数のうち一部の前記薬剤排出部が薬剤の排出を行っている途中であり、かつ、残りの前記薬剤排出部が薬剤の排出を完了した状態で、前記容器搬送部は、薬剤の排出が完了した前記薬剤排出部にセットされている前記薬剤容器を、前記容器保管部に搬送し、前記薬剤容器が前記容器保管部に搬送されることで空いた前記薬剤排出部に対して、次の調剤に用いる前記薬剤容器を搬送することを特徴とする薬剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、
前記薬剤排出部にセットされて薬剤を排出した前記薬剤容器が、次回の調剤でも薬剤を排出するために用いられる場合、当該薬剤容器を前記薬剤排出部にセットしたまま、次回の調剤に移行することを特徴とする薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬剤容器を保管することができ、かつ、薬剤容器に収容されている薬剤を自動的に供給することができる薬剤供給装置が知られている。特許文献1は、この種の薬剤供給装置を開示する。
【0003】
特許文献1の散薬分包装置は、容器保管部と、容器移動装置と、容器保持台と、重量測定手段と、を備える。容器保管部は、複数の薬品容器を保持する。容器移動装置は、薬品容器を保持可能となっており、容器移動装置は、容器保管部から所定の薬品容器を取り出して容器保持台に載置させる動作を実行可能である。容器保持台は、載置された薬品容器を振動させ、薬品容器に収容された散薬を分配皿に排出することが可能である。重量測定手段は、容器保持台に設けられており、薬品容器の重量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5953471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は、薬剤師の負担軽減、患者の待ち時間短縮等の観点から、調剤をより短時間で完了させることが求められている。上記特許文献1のような薬剤供給装置においても、作業効率の一層の向上が求められていた。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、調剤の作業効率が良好で、短時間での作業を可能にする薬剤供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の観点によれば、以下の構成の薬剤供給装置が提供される。即ち、この薬剤供給装置は、容器保管部と、薬剤排出部と、容器搬送部と、を備える。前記容器保管部には、薬剤を収容した薬剤容器が複数保管される。前記薬剤排出部は、複数設けられていて、前記薬剤容器をセット可能であり、セットされた薬剤容器内の薬剤を排出する。前記容器搬送部は、前記容器保管部と前記薬剤排出部との間で前記薬剤容器の搬送を行うことができる。複数のうち一部の前記薬剤排出部が薬剤の排出を行っている途中であり、かつ、残りの前記薬剤排出部が薬剤の排出を完了した状態で、前記容器搬送部は、薬剤の排出が完了した前記薬剤排出部にセットされている前記薬剤容器を、前記容器保管部に搬送し、前記薬剤容器が前記容器保管部に搬送されることで空いた前記薬剤排出部に対して、次の調剤に用いる前記薬剤容器を搬送する。
【0009】
これにより、複数のうち全ての薬剤排出部が薬剤を排出するのを待たずに、薬剤の排出を既に終えた薬剤排出部に配置されている薬剤容器を容器保管部に搬送し、空いた薬剤排出部に次の調剤に用いる薬剤容器を搬送するので、作業効率の向上を図ることができる。
【0010】
前記の薬剤供給装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記薬剤供給装置は、調剤のために前記薬剤排出部にセットされて薬剤を輩出した前記薬剤容器が、次回の調剤でも薬剤を排出するために用いられる場合、当該薬剤容器を前記薬剤排出部にセットしたまま、次回の調剤に移行する。
【0011】
これにより、複数回の調剤にわたって同じ調剤容器から薬剤を排出する場合、薬剤排出部にセットされている当該薬剤容器が、容器保管部へ搬送しないで使用される。従って、容器搬送部の動作を省略することができ、作業効率の更なる向上を図ることができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係る薬剤分包装置の全体的な構成を示す模式図。
図2】調剤処理において薬剤分包装置の各部の動作タイミングの関係を示すタイミングチャート。
図3】第2実施形態に係る薬剤分包装置の全体的な構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る薬剤分包装置の全体的な構成を示す模式図である。薬剤分包装置は、薬剤供給装置1と、包装部41と、を備える。
【0024】
図1に示す薬剤供給装置1は、薬剤(本実施形態では、散剤である。)を収容した薬剤容器を複数保管することができる。この薬剤供給装置1は、薬剤容器内の薬剤を用いた調剤処理を行うことができる。調剤された薬剤は、薬剤分包装置から外部に供与される。
【0025】
薬剤供給装置1が保管する各薬剤容器の外面には、磁性部材が設けられる。この磁性部材は、後述する容器搬送部15による薬剤容器の搬送に利用される。また、保管する各薬剤容器の外面には、情報タグが付される。この情報タグには、固有識別情報、収容する薬剤の情報、及び、薬剤容器内の薬剤の重量に関するデータが記憶される。
【0026】
薬剤供給装置1は、容器保管部11と、容器搬送部15と、薬剤排出部21と、分配皿31と、薬剤取出部35と、第1清掃部52と、計測処理部と、第1リーダライタ部71と、第2リーダライタ部75と、容器仮置部81と、インタフェース部91と、制御装置95と、を備える。インタフェース部91及び制御装置95は、薬剤分包装置のインタフェース部及び制御装置としても機能する。
【0027】
薬剤分包装置は、筐体を備える。この筐体には、薬剤供給装置1の各部(例えば、容器保管部11及び薬剤排出部21等)と、包装部41と、が収容される。
【0028】
容器保管部11は、複数の薬剤容器を保管することができる。容器保管部11は、回転部材12と、容器配置部(保管場所)13と、を備える。
【0029】
回転部材12は、起立した姿勢で設けられている。回転部材12は、モータの駆動力により、上下方向の軸を中心として回転することができる。
【0030】
容器配置部13は、回転部材12の外周部に複数並べて設けられている。それぞれの容器配置部13には、薬剤容器を配置することができる。容器配置部13は、例えば、薬剤容器を収納可能な載置板とすることができる。容器配置部13は、回転部材12の回転に伴って、当該回転部材12と一体的に回転する。
【0031】
1つの容器配置部13には、対応する薬剤容器が1つだけ配置される。薬剤容器が配置される容器配置部13は当該薬剤容器に応じて予め決まっており、他の容器配置部13に配置されることはない。なお、1つの容器配置部13に、異なる薬剤容器を配置できるように構成してもよい。この場合、薬剤容器に付された情報タグに記憶されたデータを読み取ることにより、容器配置部13に配置されている薬剤容器を特定する。
【0032】
容器搬送部15は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で薬剤容器を搬送する。容器搬送部15は、少なくとも以下の3つの動作を行うことができる。1つ目は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で移動する動作である(第1動作)。2つ目は、容器保管部11の容器配置部13の1つから薬剤容器を取り出す動作である(第2動作)。3つ目は、薬剤容器を容器配置部13の1つに戻す動作である(第3動作)。
【0033】
容器搬送部15は、保持アーム部16と、搬送動作機構17と、を備える。
【0034】
保持アーム部16は、薬剤容器の保持/保持解除を行うことができる。本実施形態において、保持アーム部16の先端部には、薬剤容器の外面の磁性部材に着脱することができる電磁石が設けられている。従って、保持アーム部16は、当該電磁石を利用して、薬剤容器を保持/解放することができる。保持アーム部16の基端部は、搬送動作機構17に接続されている。
【0035】
搬送動作機構17は、モータの駆動力により、容器保管部11と薬剤排出部21との間で保持アーム部16を動かすことができる。
【0036】
以上の構成で、搬送動作機構17によって保持アーム部16の先端部が容器保管部11の外周部に接近している状態で、保持アーム部16は、容器配置部13に配置されている薬剤容器を取り出すことができる。また、保持アーム部16の先端部が容器保管部11の外周部に接近している状態で、保持アーム部16は、保持している薬剤容器を容器配置部13に戻すことができる。
【0037】
一方、搬送動作機構17によって保持アーム部16の先端部が薬剤排出部21に接近している状態で、保持アーム部16は、薬剤排出部21に薬剤容器をセットすることができる。また、保持アーム部16の先端部が薬剤排出部21に接近している状態で、保持アーム部16は、セットされた薬剤容器のセットを解除し、薬剤排出部21から取り出すことができる。
【0038】
薬剤排出部21は、セットされている薬剤容器内の薬剤を排出させる処理を行うことができる。薬剤排出部21は、当該薬剤排出部21を振動させるための振動装置22を備える。薬剤排出部21にセットされている薬剤容器が振動すると、薬剤容器内の薬剤が振るい出される。
【0039】
薬剤供給装置1は、複数(本実施形態では、2つ)の薬剤排出部21を備える。1つの薬剤排出部21には、1つの薬剤容器をセット可能である。従って、複数の薬剤排出部21にそれぞれ薬剤容器がセットされた場合、複数の薬剤排出部21から薬剤が同時に排出することもあり得る。
【0040】
分配皿31は、薬剤排出部21の近傍に設けられている。分配皿31は、薬剤容器から振るい出される薬剤を受ける受け皿として機能する。
【0041】
分配皿31は、皿部32と、回転駆動部33と、を備える。
【0042】
皿部32は、水平な円板状に形成されている。皿部32は、上下方向の軸を中心として回転可能に支持されている。皿部32の上には、薬剤排出部21から排出された薬剤を載せることができる。
【0043】
回転駆動部33は、モータの駆動力によって、皿部32を周方向に回転させることができる。皿部32が回転しながら薬剤排出部21からの薬剤を受けることで、皿部32の上に、薬剤が周方向で均等に載った状態になる。
【0044】
薬剤取出部35は、分配皿31の近傍に設けられている。薬剤取出部35は、モータの駆動力により、皿部32の周方向における一部の領域を対象として、薬剤を掬い取る動作を行う(取出動作)。薬剤取出部35は、掬い取った薬剤を包装部41に供給することができる。
【0045】
包装部41は、薬剤を包装することができる。包装部41は、薬剤の投入口となるホッパ42を備える。薬剤取出部35が1回の服用分の薬剤をホッパ42に投入すると、包装部41は、当該薬剤を包装する。包装された薬剤は、薬剤分包装置の外部に供与される。
【0046】
清掃処理部は、第1清掃部52と、第2清掃部53と、を備える。
【0047】
第1清掃部52は、分配皿31の近傍に設けられている。第1清掃部52は、分配皿31上と薬剤取出部35を清掃することができる。
【0048】
第2清掃部53は、包装部41の近傍に設けられている。第2清掃部53は、包装部41(本実施形態では、ホッパ42の内部)を清掃することができる。
【0049】
第1清掃部52及び第2清掃部53の構成は何れも任意であるが、例えば、各部に付着した薬剤を負圧により吸い込むように構成することができる。
【0050】
計測処理部は、第1計測部62と、第2計測部63と、を備える。
【0051】
第1計測部62は、薬剤容器内の薬剤の重量を計測する装置である。第1計測部62は、薬剤排出部21に設けられている。なお、本実施形態では、第1計測部62は、それぞれの薬剤排出部21に1つずつ設けられている。
【0052】
第2計測部63は、第1計測部62と同様に、薬剤容器内の薬剤の重量を計測する装置である。第2計測部63は、後述する容器仮置部81に設けられている。
【0053】
第1リーダライタ部71は、薬剤容器に付された情報タグに記憶されているデータを読み取ることができる。また、第1リーダライタ部71は、当該情報タグにデータを書き込むことができる。第1リーダライタ部71は、それぞれの薬剤排出部21に設けられている。
【0054】
第2リーダライタ部75は、第1リーダライタ部71と同様の処理を行うことができる。第2リーダライタ部75は、容器仮置部81に設けられている。
【0055】
容器仮置部81は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で搬送する薬剤容器を一時的に配置することができる。容器仮置部81の構成は様々に考えられるが、例えば、薬剤容器を載置することができる載置台として構成することができる。
【0056】
インタフェース部91は、ユーザインタフェース機能を実現するものである。インタフェース部91は、例えば、調剤処理の状況やユーザの入力情報等を表示する表示装置と、ユーザが指示を入力するための操作装置と、を備える構成とすることができる。
【0057】
制御装置95は、CPU、ROM及びRAM等を備えるコンピュータである。ROMには、薬剤分包装置を動作させる制御プログラムが記憶される。容器保管部11、容器搬送部15、薬剤排出部21、分配皿31、薬剤取出部35、包装部41、清掃処理部、第1リーダライタ部71、第2リーダライタ部75、及びインタフェース部91の動作は、制御装置95によって制御される。
【0058】
制御装置95は、第1モード又は第2モードに基づいて、薬剤分包装置を動作させることができる。図1に示すように、第1モードに基づく制御を行う場合、制御装置95は、薬剤排出部21の薬剤容器を容器仮置部81に搬送させた後に、当該薬剤容器を容器保管部11に搬送させる。その一方で、第2モードに基づく制御を行う場合、制御装置95は、薬剤排出部21の薬剤容器を容器仮置部81に搬送させず、当該薬剤容器を容器保管部11に直接的に搬送させる。2つのモードは、ユーザがインタフェース部91を操作することにより切り替えることができる。
【0059】
次に、制御装置95の処理の一例について詳細に説明する。図2は、薬剤分包装置の調剤処理の一例を示すタイミングチャートである。以下で説明する例では、制御装置95は、第1モードに基づく制御を実行する。また、この例は、2つの薬剤容器を用いた調剤処理が行われる場合を示している。
【0060】
ユーザは、インタフェース部91を介して、調剤処理に使用する薬剤の種類、1包あたりの分包量、分包数等を処方データに応じて入力する。必要な情報の入力が完了して、調剤処理を開始させる指示をユーザが行うと、薬剤分包装置は調剤処理を開始する。
【0061】
調剤処理が開始した場合、ユーザに指定された薬剤を収容している薬剤容器を容器保管部11から取り出させるために、制御装置95は、当該薬剤容器が配置されている容器配置部13に、保持アーム部16の先端部を接近させる。なお、以下の説明では、当該薬剤容器を第1薬剤容器と呼ぶことがある。
【0062】
制御装置95は、回転部材12を回転させて、第1薬剤容器が配置されている容器配置部13の位置を調整する。これにより、容器搬送部15が備える保持アーム部16の先端部で容器配置部13から第1薬剤容器を取り出すことができる状態になる。なお、図2に示すタイミングT1では、制御装置95は、保持アーム部16を移動させている状態で、容器保管部11を回転させる。このように、保持アーム部16の移動と、容器配置部13の位置の調整と、を同時並行的に行うことによって、薬剤容器の搬送作業がスムーズになる。
【0063】
制御装置95は、容器搬送部15が容器配置部13から第1薬剤容器を取り出すように制御する。
【0064】
保持アーム部16の先端部が第1薬剤容器を保持すると、制御装置95は容器搬送部15を制御して、薬剤容器がセットされていない薬剤排出部21へ当該第1薬剤容器を搬送してセットする。本実施形態では、第1薬剤容器を第1薬剤排出部21にセットする。
【0065】
第1薬剤排出部21に第1薬剤容器がセットされた場合、制御装置95は、第1薬剤容器の情報タグに記憶されているデータを、第1薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に読み取らせる。このときに読み取られるデータは、例えば、固有識別情報、薬剤情報及び薬剤の重量に関するデータを含む。
【0066】
制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した固有識別情報に基づいて、第1薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が、ユーザに指定された薬剤を収容している薬剤容器(つまり、今回の調剤処理に用いる薬剤を収容する薬剤容器)と一致するか否かを判定する。また、制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した薬剤の重量データに基づいて、今回の調剤処理に必要な量の薬剤が薬剤容器内に収容されているか否かを判定する。
【0067】
第1薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が正しいこと、及び、調剤処理に必要な量の薬剤が薬剤容器に収容されていることを確認した場合、制御装置95は、第1薬剤排出部21の振動装置22に振動を開始させ、かつ、分配皿31を回転させる(タイミングT2の終わり)。これにより、第1薬剤容器から薬剤が振るい出される。
【0068】
第1薬剤容器の薬剤は、回転している分配皿31上に排出される。従って、当該薬剤は、分配皿31上で厚さが均一になるように、分配皿31に載せられる。
【0069】
第1薬剤排出部21が第1薬剤容器から薬剤を排出する過程で、第1計測部62は、第1薬剤容器内の薬剤の重量を計測し続ける。第1薬剤容器からの薬剤の振るい出しが進むに従って、第1薬剤容器内の薬剤の重量が徐々に減少する。第1薬剤容器内の薬剤の重量の減少値が調剤処理に使用する薬剤の重量値と等しくなった場合、制御装置95は、第1薬剤排出部21の振動装置22を停止させ、第1薬剤排出部21からの薬剤の排出を終了させる。このように、制御装置95は、排出動作中に第1薬剤容器内の薬剤の重量の変化を監視する。これにより、第1薬剤容器から正確に所定量の薬剤を排出させることができる。
【0070】
第1薬剤容器を第1薬剤排出部21にセットさせた後、制御装置95は容器搬送部15に、もう1つの、ユーザに指定された薬剤を収容している薬剤容器(つまり、今回の調剤処理に用いる薬剤容器)を容器保管部11から取り出させる。そのため、制御装置95は、当該薬剤を収容する薬剤容器が配置されている容器配置部13に、保持アーム部16の先端部を接近させる。以下の説明では、当該薬剤容器を第2薬剤容器と呼ぶことがある。
【0071】
制御装置95は、タイミングT1の場合と同様に、回転部材12を回転させて、第2薬剤容器が配置されている容器配置部13の位置を調整する。これにより、保持アーム部16の先端部で第2薬剤容器を取り出すことができる状態になる。なお、図2に示すタイミングT3では、タイミングT1と同様に、保持アーム部16の移動と並行して容器保管部11を回転させる。従って、薬剤容器の搬送作業がスムーズになる。
【0072】
制御装置95は、容器搬送部15が容器配置部13から第2薬剤容器を取り出すように制御する。
【0073】
保持アーム部16の先端部が第2薬剤容器を保持すると、制御装置95は容器搬送部15を制御して、薬剤容器がセットされていない薬剤排出部21へ当該第2薬剤容器を搬送してセットする。本実施形態では、第2薬剤容器を第2薬剤排出部21にセットする。
【0074】
第2薬剤排出部21に第2薬剤容器がセットされた場合、制御装置95は、第2薬剤容器の情報タグに記憶されているデータを、第2薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に読み取らせる。
【0075】
制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した固有識別情報に基づいて、第2薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が、ユーザに指定された薬剤を収容している薬剤容器と一致するか否かを判定する。また、制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した薬剤の重量データに基づいて、今回の調剤処理に必要な量の薬剤が薬剤容器内に収容されているか否かを判定する。
【0076】
第2薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が正しいこと、及び、調剤処理に必要な量の薬剤が薬剤容器に収容されていることを確認した場合、制御装置95は、第2薬剤排出部21の振動装置22に振動を開始させる(タイミングT4の終わり)。これにより、第1薬剤容器から薬剤が振るい出される。図2の例において、第1薬剤排出部21及び第2薬剤排出部21における薬剤の排出タイミングは互いに重複している。
【0077】
次に、第1薬剤容器から調剤処理に必要な量の薬剤が排出されると、制御装置95は、第1薬剤排出部21の振動装置22を停止させ、第1薬剤容器からの薬剤の振るい出しを終了させる。その後、制御装置95は、当該第1薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に書き込み処理を行わせる。即ち、制御装置95は、薬剤の振るい出し終了時における第1薬剤容器内の薬剤の重量データを、第1薬剤容器の情報タグに記憶させる(タイミングT5)。
【0078】
第1薬剤容器の情報タグに重量データが書き込まれた後に、制御装置95は容器搬送部15を制御して、第1薬剤容器を容器保管部11へ戻す。
【0079】
図2に示すように、薬剤供給装置1は、他の薬剤容器(この例では、第2薬剤容器)が薬剤を排出している時に、排出が終了した薬剤容器(第1薬剤容器)を元の位置に搬送することができる。このように、薬剤の排出と薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0080】
上記のように、薬剤供給装置1は、薬剤容器が薬剤を排出している際に、薬剤排出部21を空けることができる。そして、薬剤供給装置1は、薬剤容器(第2薬剤容器)が薬剤を排出している途中でも、次回の調剤処理に用いる薬剤容器を、空いた薬剤排出部21(第1薬剤排出部21)に予めセットしておくことができる。この意味でも、薬剤供給装置1は、調剤処理を効率良く行うことができるようになっている。
【0081】
第1薬剤容器を容器保管部11に戻す場合、制御装置95は容器搬送部15を制御して、第1薬剤排出部21にセットされている第1薬剤容器を保持アーム部16に保持する。この例では、制御装置95は、第1モードに基づく制御を行う。従って、制御装置95は、容器搬送部15に、先ず容器仮置部81へ当該第1薬剤容器を搬送させる。
【0082】
搬送された第1薬剤容器は、容器仮置部81に一時的に配置される。容器仮置部81に第1薬剤容器が配置された場合、制御装置95は、第1薬剤容器の情報タグに記憶されている重量データを、第2リーダライタ部75に読み取らせる(タイミングT6)。また、第2計測部63が、第1薬剤容器内の薬剤の重量を計測する。そして、制御装置95は、第2リーダライタ部75が取得した重量データ(つまり、第1計測部62の計測結果)と、第2計測部63による計測結果と、が整合しているか否かについて確認する。このように、薬剤供給装置1は、薬剤排出後に薬剤容器内の薬剤の重量を2回計測して、所定量の薬剤が正確に排出されたかどうかについて厳格にチェックしている。第2計測部63の計測結果を示す重量データは、第2リーダライタ部75により、第1薬剤容器の情報タグに記憶させても良い。
【0083】
薬剤の排出量の確認を行った後に、制御装置95は容器搬送部15に、容器仮置部81に配置されている第1薬剤容器を容器保管部11へ搬送させる。
【0084】
なお、薬剤容器を容器保管部11から取り出す場合と同様に、制御装置95は、回転部材12を回転させて、第1薬剤容器が戻されるべき容器配置部13の位置を調整する。これにより、保持アーム部16の先端部で容器配置部13に第1薬剤容器を戻すことができる状態になる。容器保管部11の回転は、上述の場合(タイミングT1、T3)と同様に、保持アーム部16の移動が終わるまでに行われる(タイミングT7)。これにより、薬剤容器の搬送作業がスムーズになる。
【0085】
次に、第2薬剤容器から調剤処理に必要な量の薬剤が排出されると、制御装置95は、第2薬剤排出部21の振動装置22を停止させ、第2薬剤容器からの薬剤の振るい出しを終了させる。その後、制御装置95は、当該第2薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に書き込み処理を行わせる。即ち、制御装置95は、薬剤の振るい出し終了時における第2薬剤容器内の薬剤の重量データを、第2薬剤容器の情報タグに記憶させる(タイミングT8)。
【0086】
第1薬剤容器及び第2薬剤容器からの薬剤の排出処理が終わり、調剤に必要な薬剤が分配皿31上に載置された場合、制御装置95は、薬剤取出部35に分配皿31上の薬剤を掬い取らせ、当該薬剤を包装部41のホッパ42へ投入させる(タイミングT9)。また、制御装置95は、薬剤取出部35に掬い取らせた薬剤を、包装部41に包装させる(タイミングT9)。図2では包装部41の動作タイミングが省略されているが、包装部41は、薬剤取出部35とほぼ同じタイミングで動作する。図2に示すように、薬剤供給装置1は、薬剤取出部35が薬剤を掬い取る動作(取出動作)を行っている時に、薬剤容器の搬送作業を行うことができる。このように、薬剤の掬取りと薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0087】
分配皿31から薬剤を掬い出す処理が終了した場合、分配皿31が停止する。そして、第1清掃部52は、分配皿31及び薬剤取出部35を清掃する(タイミングT10)。図2に示すように、薬剤供給装置1は、第1清掃部52が清掃作業(第1清掃動作)を行っている時に、薬剤容器の搬送作業を行うことができる。このように、清掃作業と薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0088】
包装部41が処理を終えた後に(言い換えれば、第1薬剤容器の薬剤と、第2薬剤容器の薬剤と、の供給終了後に)、第2清掃部53は、包装部41を清掃する(タイミングT11)。薬剤供給装置1は、第2清掃部53が清掃作業(第2清掃動作)を行っている時に、薬剤容器の搬送作業を行うことができる。このように、清掃作業と薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0089】
ところで、第1薬剤容器と第2薬剤容器とを用いた今回の調剤処理後に、次回の調剤処理を続けて実行する場合がある。本実施形態の薬剤供給装置1では、次回の調剤処理で同じ薬剤容器を続けて使用する場合、制御装置95は、当該薬剤容器を薬剤排出部21から容器保管部11に戻さないように制御することができる。
【0090】
図2の例では、今回の調剤処理で用いた第2薬剤容器を次回の調剤処理でも続けて用いる場合が示されている。この場合、制御装置95は容器搬送部15に、第2薬剤容器を容器保管部11に戻させない。従って、第2薬剤容器が第2薬剤排出部21にセットされた状態が維持される。
【0091】
このように、薬剤供給装置1は、繰り返して使用する薬剤容器を薬剤排出部21から容器保管部11へ戻さないので、薬剤供給装置1は、次回の調剤処理を行う際に、当該薬剤容器を容器保管部11から搬送しなくても良い。その結果、薬剤分包装置は、次回の調剤処理をスムーズに行うことができ、動作時間を短縮することができる。
【0092】
図2には示していないが、第2薬剤容器を次回の調剤処理で続けて用いる場合に、制御装置95が、当該第2薬剤容器を第2薬剤排出部21から容器仮置部81にいったん搬送させても良い。この場合、第2リーダライタ部75が取得した重量データ(つまり、第1計測部62の計測結果)と、容器仮置部81において第2計測部63が第2薬剤容器内の薬剤の重量を計測した結果と、が整合しているか否かについて確認することができる。その後、容器仮置部81の第2薬剤容器は、第2薬剤排出部21に搬送されて再びセットされる。第1薬剤排出部21が空いていれば、第2薬剤容器を第1薬剤排出部21にセットしても良い。
【0093】
次回の調剤処理時に用いる新たな薬剤容器を容器保管部11から取り出す場合、制御装置95は、回転部材12を回転させて、容器配置部13の位置を調整する。これにより、容器搬送部15が備える保持アーム部16の先端部で容器配置部13から当該薬剤容器を取り出すことができる状態になる。保持アーム部16の先端部は既に容器保管部11の近くに位置しているので、容器保管部11の回転は、保持アーム部16が停止している状態で行われる(図2のタイミングT12)。ただし、容器保管部11の回転を、保持アーム部16を移動させながら行っても良い。
【0094】
以上に説明したように、本実施形態の薬剤供給装置1は、容器保管部11と、薬剤排出部21と、容器搬送部15と、を備える。容器保管部11には、薬剤を収容した薬剤容器が複数保管される。薬剤排出部21は、薬剤容器をセット可能であり、セットされた薬剤容器内の薬剤を排出する。容器搬送部15は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で薬剤容器の搬送を行うことができる。そして、薬剤供給装置1は、調剤のために薬剤排出部21にセットされて薬剤を排出した薬剤容器が、次回の調剤でも薬剤を排出するために用いられる場合、当該薬剤容器を薬剤排出部21にセットしたまま、次回の調剤に移行する。
【0095】
これにより、複数回の調剤にわたって同じ薬剤容器から薬剤を排出する場合、薬剤排出部21にセットされている当該薬剤容器が、容器保管部11へ搬送しないで使用される。従って、容器搬送部15の動作を省略することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0096】
また、本実施形態の薬剤供給装置1において、薬剤排出部21は2つ設けられている。一方の薬剤排出部21が薬剤の排出を行っている途中であり、かつ、残りの薬剤排出部21が薬剤の排出を完了した状態で、容器搬送部15は、薬剤の排出が完了した薬剤排出部21にセットされている薬剤容器を、容器保管部11に搬送する。
【0097】
これにより、複数のうち全ての薬剤排出部21が薬剤を排出するのを待たずに、薬剤の排出を既に終えた薬剤排出部21に配置されている薬剤容器を容器保管部11に搬送するので、作業効率が更に向上する。
【0098】
また、本実施形態の薬剤供給装置1において、2つのうち一方の薬剤排出部21が薬剤の排出を行っている途中であり、かつ、残りの薬剤排出部21に薬剤容器がセットされていない状態で、容器搬送部15は、薬剤容器がセットされていない薬剤排出部21に薬剤容器を搬送する。
【0099】
これにより、薬剤の排出途中である薬剤排出部21があっても、薬剤容器がセットされていない薬剤排出部21に薬剤容器を搬送するので、作業効率が更に向上する。
【0100】
また、本実施形態の薬剤供給装置1において、容器保管部11は、薬剤容器をそれぞれ保管可能な複数の容器配置部13を有している。容器搬送部15は、第1動作と、第2動作と、第3動作と、を行うことができる。第1動作は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で移動する動作である。第2動作は、容器保管部11の容器配置部13の1つから薬剤容器を取り出す動作である。第3動作は、薬剤容器を容器配置部13の1つに戻す動作である。容器搬送部15が第1動作を行っている時に、容器保管部11は容器配置部13を動かして、第2動作又は第3動作の対象となる容器配置部13を変えることができる。
【0101】
これにより、容器保管部11と薬剤排出部21の間で容器搬送部15が移動する際に、容器保管部11が容器配置部13を動かして、容器搬送部15が目的の容器配置部13において薬剤容器を取り出したり戻したりできる状態にすることができる。従って、容器保管部11と薬剤排出部21の間で複数の薬剤容器を柔軟な順番で搬送できるとともに、薬剤容器の搬送が円滑になり、作業効率が向上する。
【0102】
また、本実施形態の薬剤供給装置1は、分配皿31と、薬剤取出部35と、を備える。分配皿31には、薬剤排出部21から排出された薬剤が載せられる。薬剤取出部35は、分配皿31の上の薬剤を取り出す動作である取出動作を行う。容器搬送部15は、薬剤取出部35が前記取出動作を行うのと並行して、薬剤容器を搬送可能である。
【0103】
これにより、薬剤取出部35が分配皿31から薬剤を取り出すのと同時並行的に薬剤容器の搬送を行うことができるので、作業効率が向上する。
【0104】
また、本実施形態の薬剤供給装置1は、分配皿31及び薬剤取出部35のほか、第1清掃部52を備える。第1清掃部52は、分配皿31及び薬剤取出部35を清掃する動作である第1清掃動作を行う。容器搬送部15は、第1清掃部52が第1清掃動作を行うのと並行して、薬剤容器を搬送可能である。
【0105】
これにより、第1清掃部52が分配皿31及び薬剤取出部35を清掃するのと同時並行的に薬剤容器の搬送を行うことができるので、作業効率が向上する。
【0106】
また、本実施形態の薬剤分包装置は、薬剤供給装置1と、包装部41と、第2清掃部53と、を備える。包装部41は、薬剤排出部21から排出された薬剤を包装する。第2清掃部53は、包装部41を清掃する動作である第2清掃動作を行う。容器搬送部15は、第2清掃部53が第2清掃動作を行うのと並行して、薬剤容器を搬送可能である。
【0107】
これにより、第2清掃部53が包装部41を清掃するのと同時並行的に薬剤容器の搬送を行うことができるので、作業効率が向上する。
【0108】
次に、第2実施形態を説明する。図3は、第2実施形態に係る薬剤分包装置の全体的な構成を示す模式図である。なお、本実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0109】
上記の第1実施形態の薬剤分包装置では、薬剤供給装置1は、第2計測部63及び第2リーダライタ部75を備えていた。この点、図3に示す第2実施形態の薬剤分包装置において、薬剤供給装置2は、第2計測部63及び第2リーダライタ部75を何れも備えていない。また、薬剤供給装置2は、容器仮置部81の代わりに容器取出部82を備えている。
【0110】
容器取出部82は、外部からユーザが容易にアクセスすることができるように設けられている。ユーザは、容器取出部82に搬送された薬剤容器を取り出すことができる。容器取出部82の構造は様々に考えられるが、例えば、薬剤容器が配置される台座とすることができる。この場合、薬剤供給装置2には、外部から容器取出部82にアクセスするための開閉扉が設けられる。容器取出部82は、例えば、薬剤供給装置2の内部と外部を連通するポートとして構成しても良い。
【0111】
本実施形態の薬剤供給装置2において、容器取出部82には、重量を計測するための装置が設けられていない。従って、容器取出部82に配置される薬剤容器内の薬剤の重量は計測されない。
【0112】
第1計測部62が計測を行った結果、薬剤容器に収容されている薬剤の量が調剤処理に必要な量に対して不足する場合、制御装置95は容器搬送部15を制御して、当該薬剤容器を容器取出部82へ搬送する。ユーザは、容器取出部82を介して、当該薬剤容器を回収して薬剤を補充することができる。また、容器配置部13や保持アーム部16にリーダライタ部を設け、このリーダライタ部が、薬剤容器の情報タグに記憶される薬剤の重量に関するデータを読み取る構成としても良い。このリーダライタ部が取得したデータに基づいて、当該薬剤容器に収容されている薬剤の量が調剤処理に必要な量に対して不足する場合に、制御装置95は容器搬送部15を制御して、当該薬剤容器を容器取出部82へ搬送することができる。
【0113】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置95は、薬剤排出部21にセットされている薬剤容器を容器保管部11に直接的に戻させる制御と、調剤処理に必要な量の薬剤が収容されていない薬剤容器を容器取出部82に搬送させる制御と、を行うことができる。本実施形態では第2計測部63が省略されているので、薬剤供給装置2は、薬剤排出部21に配置された第1計測部62の計測結果に基づいて調剤処理を行う。
【0114】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0115】
薬剤排出部21は、2つに限定されず、3つ以上設けても良い。複数の薬剤排出部21にそれぞれセットされた薬剤容器の全部又は一部が、今回だけでなく次回の調剤でも用いられる場合に、当該薬剤容器が容器保管部11に戻されずに次回の調剤で薬剤を排出すれば良い。
【0116】
薬剤排出部21の数が1つであっても良い。
【0117】
容器保管部11が回転する動作と、容器搬送部15が容器保管部11と薬剤排出部21との間で移動する動作(以下、移動動作という)との間に、時間的な重なりが無くても良い。
【0118】
第1清掃部52の清掃動作及び第2清掃部53の清掃動作のうち少なくとも何れかと、容器搬送部15の移動動作との間に、時間的な重なりが無くても良い。また、第1清掃部52及び第2清掃部53のうち少なくとも何れかを省略することもできる。
【0119】
薬剤取出部35の取出動作と、容器搬送部15の移動動作との間に、時間的な重なりが無くても良い。
【0120】
容器保管部11、薬剤排出部21、容器仮置部81等を、ユーザが外部から容易にアクセスすることができるように構成することができる。例えば、薬剤供給装置1に開閉扉を設けることが考えられる。これにより、例えば、ユーザが薬剤容器を各部に配置したり、各部から薬剤容器を取り出したりすることが容易になる。
【0121】
上記の実施形態では、保持アーム部16は、電磁力を利用して、薬剤容器を保持/解放している。しかしながら、保持アーム部16の先端部に例えばハンドを設け、当該ハンドによって薬剤容器の機械的な保持/解放を行っても良い。
【0122】
保持アーム部16を移動させる必要がない場合に、制御装置95は、所定の待機位置に保持アーム部16を位置させておく制御を行っても良い。
【0123】
分配皿31の数は、薬剤排出部21の数を考慮して適宜変更することができる。例えば、4~6つの薬剤排出部21が設けられる場合、2~3の薬剤排出部21から排出される薬剤を受け止める分配皿を2つ設けることができる。
【0124】
薬剤分包装置に、調剤処理の異常をユーザに報知するための報知部を設けても良い。薬剤排出部21にセットされた薬剤容器がユーザにより指定された薬剤を収容している薬剤容器であると確認できない場合、制御装置95は、報知部を介してその旨をユーザに報知しても良い。調剤処理に必要な量の薬剤を確認することができない場合、また、第1計測部62と第2計測部63の計測結果が一致しない場合等においても、報知部を動作させることができる。報知部の構成は特に限定されず、例えば、ブザー又はランプとすることができる。
【0125】
薬剤排出部21にセットされた薬剤容器がユーザにより指定された薬剤を収容している薬剤容器であると確認できない場合、制御装置95は容器搬送部15に、当該薬剤容器を容器保管部11へ搬送させても良い。薬剤容器に収容されている薬剤の量が調剤処理に必要な量に対して不足する場合も同様である。
【0126】
上記の実施形態では、薬剤排出部21にセットされている薬剤容器内に調剤処理に必要な量の薬剤が収容されているか否かについて、制御装置95は、情報タグに記憶されている重量データに基づいて判定を行っている。しかしながら、制御装置95は、第1計測部62の計測結果に基づいて判定しても良い。
【0127】
第2リーダライタ部75は、読取専用の装置(リーダ装置)に変更しても良い。この場合、容器保管部11に戻す薬剤容器の情報タグには、第2計測部63の計測結果に関するデータではなく、第1計測部62の計測結果に関するデータが記憶される。
【符号の説明】
【0128】
1,2 薬剤供給装置
11 容器保管部
15 容器搬送部
21 薬剤排出部
図1
図2
図3