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特開2024-133282薬液注入システム、制御装置及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133282
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】薬液注入システム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/145 20060101AFI20240920BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20240920BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20240920BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20240920BHJP
【FI】
A61M5/145 506
A61M5/168 500
A61B5/055 383
A61B6/50 511E
A61B6/50 511G
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114542
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2019105905の分割
【原出願日】2019-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2018114684
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391039313
【氏名又は名称】株式会社根本杏林堂
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】根本 茂
(57)【要約】
【課題】薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を抑制する。
【解決手段】本発明は、薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、薬液情報を受信する第1の受信部21と、薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から指示薬情報を受信する中継装置と通信し、指示薬情報を受信する第2の受信部22と、第1の受信部21が受信した薬液情報と、第2の受信部22が受信した指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部23と、照合部23による照合の結果を出力する出力部24と、を有する制御装置20を提供する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液注入実行装置と、制御装置と、中継装置と、を有し、
前記薬液注入実行装置は、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記薬液情報を前記制御装置に送信する送信部と、
を有し、
前記中継装置は、
指示薬情報管理装置から薬液名称を示す指示薬情報を受信し、受信した前記指示薬情報を前記制御装置に送信する第1の中継部を有し、
前記制御装置は、
前記薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
前記中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する薬液注入システム。
【請求項2】
請求項1に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入システムは、前記薬液注入実行装置と物理的に分かれた薬液情報取得装置をさらに有し、
前記薬液情報取得装置は、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記薬液情報を前記中継装置に送信する送信部と、
を有し、
前記中継装置は、
前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する第2の中継部を有し、
前記制御装置は、
前記第2の受信部が、前記中継装置から前記薬液情報を受信し、
前記照合部は、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する薬液注入システム。
【請求項3】
請求項2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入実行装置は、前記薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記制御装置は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する薬液注入システム。
【請求項4】
請求項2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入実行装置は、前記薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記薬液情報取得装置は
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行する薬液注入システム。
【請求項5】
請求項2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入実行装置は、前記薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記中継装置は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する処理を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する処理を実行する薬液注入システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の薬液注入システムにおいて、
前記中継装置と前記制御装置とは物理的及び/又は論理的に一体となっている薬液注入システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記指示薬情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記照合部は、薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の中の少なくとも1つが一致するか否かを判断する薬液注入システム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記指示薬情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記照合部は、薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の全部が一致するか否かを判断する薬液注入システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずか1項に記載の薬液注入システムにおいて、
前記照合部による照合の結果に関わらず、前記薬液注入実行装置が前記薬液充填部材から取得した前記薬液情報に基づき、前記薬液注入実行装置に保持された前記薬液充填部材に充填された薬液が被験者にとって不適か否かを判断し、出力する判断出力部を有する薬液注入システム。
【請求項10】
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する制御装置。
【請求項11】
コンピュータが、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信工程と、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信工程と、
前記第1の受信工程で受信した前記薬液情報と、前記第2の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合工程と、
前記照合工程での照合の結果を出力する出力工程と、
を実行する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入システム、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、透視画像を撮影する被験者に薬液を注入するシステムが開示されている。当該システムは、薬液シリンジから取得した薬液の製品ID(identifier)と、その被験者に注入できない薬液の製品IDである不適IDとを照合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-202347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬液を注入する実務においては、注入内容決定者(例:医者等)が被験者に注入する薬液、薬液の濃度及び薬液の容量等を決定し、他の作業者がその決定に従い注入作業を行う場合がある。この場合、他の作業者は、注入内容決定者の決定内容通りに注入作業を行う必要がある。特許文献1は、当該課題を解決する手段を開示していない。
【0005】
本発明は、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
薬液注入実行装置と、制御装置と、中継装置と、を有し、
前記薬液注入実行装置は、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記薬液情報を前記制御装置に送信する送信部と、
を有し、
前記中継装置は、
指示薬情報管理装置から薬液名称を示す指示薬情報を受信し、受信した前記指示薬情報を前記制御装置に送信する第1の中継部を有し、
前記制御装置は、
前記薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
前記中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する薬液注入システムが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する制御装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信工程と、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信工程と、
前記第1の受信工程で受信した前記薬液情報と、前記第2の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合工程と、
前記照合工程での照合の結果を出力する出力工程と、
を実行する制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の薬液注入システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】本実施形態の薬液注入実行装置及び制御装置の外観の一例を示す図である。
図3】本実施形態の薬液注入実行装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図4】本実施形態の中継装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図5】本実施形態の制御装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図6】本実施形態の制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態の制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態の薬液注入システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図9】本実施形態の薬液情報取得装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図10】本実施形態の中継装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図11】本実施形態の制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態の制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】本実施形態の薬液情報取得装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】本実施形態の薬液情報取得装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】本実施形態の中継装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16】本実施形態の各装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
「全体像及び概要」
図1を用いて本実施形態の薬液注入システム1の全体像及び概要を説明する。図示するように、薬液注入システム1は、薬液注入実行装置10と、制御装置20と、中継装置30とを有する。そして、薬液注入システム1は、指示薬情報管理装置40と有線及び/又は無線で通信可能に構成されている。なお、薬液注入実行装置10と制御装置20は、有線及び/又は無線で互いに通信可能に構成されている。また、制御装置20と中継装置30は、有線及び/又は無線で互いに通信可能に構成されている。
【0012】
薬液注入実行装置10は、薬液充填部材である薬液シリンジを保持し、保持した薬液シリンジのプランジャーを押圧することで薬液の注入を実行する。また、薬液注入実行装置10は、保持した薬液シリンジから薬液情報を取得する。薬液情報は、薬液シリンジに充填されている薬液に関する情報であり、薬液名称、薬液濃度、薬液容量、製造メーカ等を示す。薬液注入実行装置10は、取得した薬液情報を制御装置20に送信する。以降、薬液注入実行装置10が薬液シリンジから取得した薬液情報を「薬液情報10A」という。
【0013】
指示薬情報管理装置40は、指示薬情報を記憶する。指示薬情報は、注入内容決定者(例:医者等)が被験者に注入することを決定した薬液に関する情報であり、薬液名称、薬液濃度、薬液容量、製造メーカ等を示す。指示薬情報管理装置40は、中継装置30に指示薬情報を送信する。
【0014】
中継装置30は、指示薬情報管理装置40から受信した指示薬情報を制御装置20に送信する。
【0015】
制御装置20は、薬液注入実行装置10から受信した薬液情報10Aと、中継装置30を介して指示薬情報管理装置40から受信した指示薬情報とに基づく照合を実行し、照合結果を出力する。
【0016】
このように、本実施形態の薬液注入システム1は、薬液注入実行装置10に保持され、被験者に注入されようとしている薬液に関する薬液情報10Aと、注入内容決定者が決定した内容を示す指示薬情報とに基づく照合を実行し、その結果を出力することができる。
【0017】
例えば、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容通りの薬液シリンジを薬液注入実行装置10に保持させた場合、上記照合の結果、「薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジは注入内容決定者の決定内容通りのものである旨を示す情報」が出力される。
【0018】
一方、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容の薬液シリンジを薬液注入実行装置10に保持させた場合、上記照合の結果、「薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジは注入内容決定者の決定内容と異なるものである旨を示す情報(例:警告情報)」が出力される。
【0019】
薬液の注入作業を行う作業者は、薬液注入システム1から出力された情報を確認することで、注入内容決定者の決定内容通りに作業を行っているか否かを確認できる。結果、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を抑制できる。
【0020】
「詳細説明」
以下、薬液注入システム1の構成を詳細に説明する。まず、図2を用いて、薬液注入実行装置10及び制御装置20の基本動作を説明する。図2は、薬液注入実行装置10及び制御装置20の外観の一例を示す。なお、図示する薬液注入実行装置10はあくまで一例であり、これに限定されない。
【0021】
図2に示すように、薬液注入実行装置10は、薬液シリンジを保持する薬液保持部11と、薬液保持部11に保持された薬液シリンジのプランジャーを押圧する押圧部15と、を有する。図示するように、薬液注入実行装置10は、物理ボタンやディスプレイを有してもよい。押圧部15の動作(移動又は停止、移動方向、移動速度等)は、制御装置20に設定された内容に従い、又は、物理ボタンを介したユーザ入力に従い制御される。
【0022】
薬液注入実行装置10と制御装置20とは互いに通信可能に構成される。図示する例では、薬液注入実行装置10と制御装置20は有線で通信しているが、無線で通信してもよい。
【0023】
制御装置20は、不図示の中継装置30を介して、各種装置と通信可能に構成される。各種装置は、放射線科の各種情報を管理するRIS(radiology information systems)、病院内の各種情報を管理するHIS(hospital information systems)、データ保存装置であるPACS(picture archiving and communication systems)、透視撮像装置であるCT(computed tomography)スキャナ、MR(magnetic resonance)スキャナ、AG(angiography)装置、画像閲覧装置、会計装置等が例示されるが、これらに限定されない。なお、これら各種装置は、DICOM(digital imaging and communications in medicine)の規約で各種データを有線及び/又は無線で相互通信することができる。
【0024】
制御装置20は、中継装置30経由でRISから撮像オーダデータを受信し、1つの撮像オーダデータを処理対象として設定する。また、制御装置20は、各種設定(例:注入速度、注入時間等)を行うユーザ入力を受付けることができる。そして、制御装置20は、設定内容に基づき、薬液注入実行装置10の動作を制御する。撮像オーダデータは、例えば固有の識別情報である撮像作業ID、CTスキャナの識別情報、撮像開始および終了の予定日時、被験者ごとの被験者ID、被験者の体重や性別や年齢などの個人データ、被験者の疾病に関する各種データ(造影剤のアレルギー、副作用、腎機能等)、身体区分または撮像部位、注入圧力や注入速度等の制御情報の中の一部又は全部を含む。撮像オーダデータは、その他の情報を含んでもよい。
【0025】
次に、「全体像及び概要」で説明した照合処理を実現する薬液注入システム1の構成を詳細に説明する。
【0026】
図3に、薬液注入実行装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、薬液注入実行装置10は、薬液保持部11と、薬液情報取得部12と、送信部13とを有する。
【0027】
薬液保持部11は、薬液シリンジを保持する。例えば、薬液保持部11は、図2に示すように薬液シリンジが嵌る窪み等で構成されてもよい。
【0028】
薬液シリンジには、薬液情報が付与される。薬液情報は、薬液名称、薬液濃度、薬液容量、製造メーカ等を示す。薬液情報は、薬液名称、薬液濃度、薬液容量、製造メーカ等そのものを示してもよいし、又は、これらを示すコードを示してもよい。例えば、薬液情報は、テキストデータ等で薬液名称(例:「ABCD液」)そのものを示してもよいし、又は、各薬液に対応したコード(例:「01325」)を示してもよい。また、薬液名称各々に対応して1つのコードが定義されていてもよいし、薬液名称と薬液濃度の組み合わせ毎に1つのコードが定義されていてもよいし、薬液名称と薬液容量の組み合わせ毎に1つのコードが定義されていてもよいし、薬液名称と薬液濃度と薬液容量との組み合わせ毎に1つのコードが定義されていてもよいし、その他であってもよい。なお、薬液シリンジには、薬液情報に加えて、シリンジ耐圧等の他の情報が付与されてもよい。例えば、薬液情報等を記憶したRFID(radio frequency identifier)タグが薬液シリンジに取り付けられる。なお、RFIDタグに加えて、薬液情報等を示すコード(例:バーコード、2次元コード等)が薬液シリンジに取り付けられてもよい。
【0029】
薬液情報取得部12は、薬液保持部11に保持された薬液シリンジから薬液情報を取得する。薬液情報取得部12は、RFIDタグと通信するRFIDリーダを有する。RFIDリーダは、薬液保持部11に保持された薬液シリンジに取り付けられたRFIDタグと無線通信し、RFIDタグに記憶されている薬液情報を取得する。なお、RFIDリーダは、薬液シリンジが薬液保持部11に適正に保持された場合のみその薬液シリンジに取り付けられたRFIDタグと無線通信する位置に搭載されてもよい。
【0030】
送信部13は、制御装置20と通信し、制御装置20に各種情報を送信する。送信部13は、薬液情報取得部12が取得した薬液情報10Aを制御装置20に送信する。
【0031】
なお、薬液情報取得部12は、RFIDリーダから電波を送信し、その返答を受信する処理を、所定時間毎に繰り返し実行することができる。送信部13は、上記処理が実行されると、その都度、処理の結果を制御装置20に送信してもよい。薬液情報取得部12が薬液情報を取得できた場合、送信部13は処理の結果として、薬液情報取得部12が取得した薬液情報10Aを送信する。一方、薬液情報取得部12が薬液情報を取得できなかった場合、送信部13は処理の結果として、薬液情報を取得できなかった旨を示す情報を送信する。なお、送信部13は、今回の処理の結果が前回の処理の結果と異なる場合のみ、今回の処理の結果を制御装置20に送信してもよい。すなわち、送信部13は、処理の結果がそれまでの結果から変わった場合のみ、新たな処理の結果を制御装置20に送信してもよい。
【0032】
図4に、中継装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、中継装置30は、第1の中継部31を有する。
【0033】
第1の中継部31は、指示薬情報管理装置40から指示薬情報を受信し、受信した指示薬情報を制御装置20に送信する。上述の通り、指示薬情報は、注入内容決定者(例:医者等)が被験者に注入することを決定した薬液に関する情報であり、薬液名称、薬液濃度、薬液容量、製造メーカ等を示す。指示薬情報は、薬液名称、薬液濃度、薬液容量、製造メーカ等そのものを示してもよいし、又は、これらを示すコードを示してもよい。例えば、指示薬情報は、テキストデータ等で薬液名称(例:「ABCD液」)そのものを示してもよいし、又は、各薬液に対応したコード(例:「01325」)を示してもよい。また、薬液名称各々に対応して1つのコードが定義されていてもよいし、薬液名称と薬液濃度の組み合わせ毎に1つのコードが定義されていてもよいし、薬液名称と薬液容量の組み合わせ毎に1つのコードが定義されていてもよいし、薬液名称と薬液濃度と薬液容量との組み合わせ毎に1つのコードが定義されていてもよいし、その他であってもよい。
【0034】
第1の中継部31は、ホワイトリストを保持しており、当該ホワイトリストに記載された薬液名称を示す指示薬情報のみを制御装置20に送信し、当該ホワイトリストに記載されていない薬液名称を示す指示薬情報を制御装置20に送信しなくてもよい。このように構成することで、誤った情報を示す指示薬情報が制御装置20に送信される不都合を抑制できる。なお、当該ホワイトリストは、制御装置20への指示薬情報の送信を許可する薬液名称そのものを示してもよいし、当該薬液名称を示すコードを示してもよい。また、ホワイトリストは、コードと各コードが示す情報(薬液名称、薬液濃度、薬液容量等)との対応関係を示してもよい。そして、第1の中継部31は、指示薬情報管理装置40からコードを示す指示薬情報を受信すると、ホワイトリストに基づき当該コードを薬液名称、薬液濃度、薬液容量等に変換し、変換後の薬液名称、薬液濃度、薬液容量等そのものを示す指示薬情報を制御装置20に送信してもよい。その他、第1の中継部31は、指示薬情報管理装置40から受信した薬液名称等そのものを示す指示薬情報、又は、コードを示す指示薬情報を、そのまま(上記変換を行わず)、制御装置20に送信してもよい。
【0035】
なお、本実施形態の指示薬情報管理装置40は、RISである。すなわち、RISに、指示薬情報が登録されている。そして、中継装置30は、RISから指示薬情報を取得し、制御装置20に送信する。
【0036】
RISには、複数の撮像オーダデータが記憶されており、その中の1つ又は複数が中継装置30を介して制御装置20に送信される。そして、制御装置20は、受信した撮像オーダデータの中の1つを処理対象として設定する。本実施形態では、この撮像オーダデータの中に指示薬情報が含まれる。そして、RISは指示薬情報を含む撮像オーダデータを、中継装置30を介して制御装置20に送信する。なお、撮像オーダデータの送受信とは別れた処理で、指示薬情報がRISから制御装置20に送信されてもよい。
【0037】
図5に、制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置20は、第1の受信部21と、第2の受信部22と、照合部23と、出力部24とを有する。
【0038】
第1の受信部21は、薬液注入実行装置10と通信し、各種情報を受信する。第1の受信部21は、薬液注入実行装置10から薬液情報10Aを受信する。
【0039】
第2の受信部22は、中継装置30と通信し、各種情報を受信する。第2の受信部22は、指示薬情報管理装置40が中継装置30に送信した指示薬情報を受信する。
【0040】
照合部23は、第1の受信部21が受信した薬液情報10Aと、第2の受信部22が受信した指示薬情報とに基づく照合を実行する。照合部23は、薬液情報10A及び指示薬情報が示す薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の中の少なくとも1つ、又は、全部が一致するか否かを判断する。照合部23は、さらに製造メーカが一致するか否かを判断してもよい。照合は、薬液名称、薬液濃度、薬液容量等そのものを示すテキストデータどうしの照合であってもよいし、薬液名称、薬液濃度、薬液容量等を示すコードどうしの照合であってもよい。また、薬液情報10A及び指示薬情報の一方が薬液名称、薬液濃度、薬液容量等そのものを示し、他方がこれらに対応したコードを示す場合、照合部23は、コードと各コードが示す情報(薬液名称、薬液濃度、薬液容量等)との対応関係を示す情報に基づき薬液情報10A及び指示薬情報の一方を変換し、変換後の情報に基づき照合を実行してもよい。
【0041】
出力部24は、照合部23による照合の結果、すなわち、第1の受信部21が受信した薬液情報10Aと、第2の受信部22が受信した指示薬情報との照合の結果(一致または不一致)を出力する。照合の結果が不一致の場合に出力される情報は、警告情報であってもよい。出力部24は、制御装置20が有する出力装置を介して、照合の結果を出力することができる。制御装置20が有する出力装置は、ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ等であるが、これらに限定されない。
【0042】
その他、出力部24は、照合の結果を外部装置に向けて送信してもよい。そして、外部装置は、自装置が有する出力装置を介して、照合の結果を出力してもよい。外部装置が有する出力装置は、ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ等であるが、これらに限定されない。外部装置は、薬液注入実行装置10、RIS、HIS、会計装置等が例示されるが、これらに限定されない。なお、出力部24は、薬液注入処理が終了した後に、照合の結果を外部装置に送信してもよい。
【0043】
その他、出力部24は、薬液注入実行装置10に向けて動作を制御する情報を送信してもよい。具体的には、出力部24は、照合の結果が不一致の場合、薬液注入動作の実行を禁止する制御情報を送信し、照合の結果が一致の場合、薬液注入動作の実行を許可する制御情報を送信してもよい。この場合、薬液注入実行装置10は、制御装置20から受信した制御情報に基づき制御される。例えば、薬液注入実行装置10は、薬液注入動作の実行を禁止する制御情報を受信した場合、当該制御が解除されるまで薬液注入動作を実行しない。当該制御の解除は、薬液注入動作の実行を許可する制御情報の受信や、薬液注入実行装置10や制御装置20等への所定の入力操作等が例示されるが、こられに限定されない。
【0044】
次に、図6のフローチャートを用いて、制御装置20が薬液注入実行装置10から薬液情報10Aを受信した時の処理の流れの一例を説明する。
【0045】
第1の受信部21が薬液注入実行装置10から薬液情報10Aを受信すると(S10のYes)、S11以降の処理が実行される。
【0046】
例えば、薬液の注入作業を行う作業者が、薬液注入実行装置10の薬液保持部11に薬液シリンジを保持させる。すると、薬液注入実行装置10の薬液情報取得部12は、通信可能な状態になった薬液シリンジのRFIDタグと通信し、当該RFIDタグに記憶されている薬液情報を取得する。そして、当該取得に応じて、薬液注入実行装置10の送信部13は、薬液情報取得部12により取得された薬液情報10Aを制御装置20に送信する。第1の受信部21は、このようにして薬液注入実行装置10から送信された薬液情報10Aを受信する。
【0047】
S11では、照合部23は、その時点で1つの撮像オーダデータが処理対象として制御装置20に設定されているか判断する。
【0048】
設定されている場合(S11のYes)、照合部23は、設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報と、S10で第1の受信部21が受信した薬液情報10Aとに基づく照合を実行する(S12)。そして、出力部24は、S12における照合の結果を出力する(S13)。
【0049】
一方、設定されていない場合(S11のNo)、照合部23は、S10で第1の受信部21が受信した薬液情報10Aに基づく照合をその時は実行しない。設定されていない場合(S11のNo)、制御装置20は、撮像オーダデータの設定を促す情報を出力してもよい。また、出力部24は、照合を行わなかった旨を示す情報を出力してもよい。また、出力部24は、薬液注入動作の実行を禁止する制御情報を薬液注入実行装置10に送信してもよい。
【0050】
このように、撮像オーダデータが設定されている状態で薬液注入実行装置10に薬液シリンジを保持させると、保持させた薬液シリンジに充填された薬液に関する薬液情報10Aと、その時点で設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報とに基づく照合が実行される。
【0051】
しかし、撮像オーダデータが設定されていない状態で薬液注入実行装置10に薬液シリンジを保持させても、保持させた薬液シリンジに充填された薬液に関する薬液情報10Aに基づく照合がその時は実行されない。
【0052】
次に、図7のフローチャートを用いて、制御装置20が中継装置30を介して指示薬情報管理装置40から指示薬情報を受信した時の処理の流れの一例を説明する。
【0053】
第2の受信部22は指示薬情報管理装置40から中継装置30を介して指示薬情報を受信すると(S20のYes)、照合部23は、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されているか否かを判断する(S21)。
【0054】
上述の通り、薬液注入実行装置10のRFIDリーダは、電波を送信し、その返答を受信する処理を、所定時間毎に繰り返し実行する。そして、薬液注入実行装置10は、処理の結果を制御装置20に送信する。薬液情報10Aが取得できた場合の処理の結果は、取得した薬液情報10Aを示す情報である。薬液情報10Aが取得できなかった場合の処理の結果は、薬液情報10Aが取得できなかった旨を示す情報である。
【0055】
例えば、照合部23は、最新の処理の結果が「薬液情報10Aを示す情報」である場合、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されていると判断し、最新の処理の結果が「薬液情報10Aが取得できなかった旨を示す情報」である場合、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されていないと判断することができる。
【0056】
その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている場合(S21のYes)、照合部23は、保持されている薬液シリンジから取得した薬液情報10A(薬液注入実行装置10から受信した最新の薬液情報10A)と、S20で第2の受信部22が受信した指示薬情報とに基づく照合を実行する(S22)。そして、出力部24は、S22における照合の結果を出力する(S23)。
【0057】
一方、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されていない場合(S21のNo)、照合部23は、S20で第2の受信部22が受信した指示薬情報に基づくを用いた照合をその時は実行しない。この場合、出力部24は、照合を行わなかった旨を示す情報を出力してもよい。また、出力部24は、薬液注入動作の実行を禁止する制御情報を薬液注入実行装置10に送信してもよい。
【0058】
このように、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている状態で指示薬情報が指示薬情報管理装置40から制御装置20に送信されると、保持されている薬液シリンジに付与された薬液情報10Aと、受信した指示薬情報とに基づく照合が実行される。
【0059】
しかし、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されていない状態で指示薬情報が指示薬情報管理装置40から制御装置20に送信されても、受信した指示薬情報に基づく照合がその時は実行されない。
【0060】
以上、説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、被験者に注入されようとしている薬液に関する薬液情報10Aと、注入内容決定者が決定した内容を示す指示薬情報とに基づく照合を実行し、その結果を出力することができる。薬液の注入作業を行う作業者は、薬液注入システム1から出力された情報を確認することで、注入内容決定者の決定内容通りに作業を行っているか否かを確認できる。結果、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を抑制できる。
【0061】
また、本実施形態の薬液注入システム1によれば、指示薬情報と照合する薬液情報を、薬液注入実行装置10に保持されている薬液シリンジから取得することができる。薬液注入実行装置10に保持させた後は、薬液シリンジの取り違い等のミスは生じにくい。このように構成することで、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を効果的に抑制できる。
【0062】
また、本実施形態の薬液注入システム1によれば、指示薬情報と薬液注入実行装置10に保持された薬液に関する薬液情報とに基づく照合の結果を、外部装置、例えば会計装置に送信することができる。かかる場合、会計装置は、指示薬情報と、薬液注入実行装置10に保持され実際に注入された薬液に関する薬液情報との照合結果を把握できる。結果、実際には注入されていない誤った指示薬情報に基づき会計処理を行う不都合を回避できる。
【0063】
<第2の実施形態>
「全体像及び概要」
図8を用いて本実施形態の薬液注入システム1の全体像及び概要を説明する。図示するように、薬液注入システム1は、薬液情報取得装置50を有する点で、第1の実施形態の薬液注入システム1と異なる。
【0064】
薬液情報取得装置50は、薬液注入実行装置10と物理的に分かれた装置である。このため、薬液注入実行装置10と薬液情報取得装置50とは異なる場所に設置することができる。例えば、薬液注入実行装置10は検査室に設置され、薬液情報取得装置50は検査室と異なる部屋に設置されてもよい。
【0065】
薬液情報取得装置50は、薬液注入実行装置10に保持される前の薬液シリンジから薬液情報を取得する。そして、薬液情報取得装置50は、取得した薬液情報を、中継装置30を介して制御装置20に送信する。中継装置30と薬液情報取得装置50は、有線及び/又は無線で互いに通信可能に構成される。以降、薬液情報取得装置50が薬液シリンジから取得した薬液情報を「薬液情報50A」という。
【0066】
制御装置20は、中継装置30を介して薬液情報取得装置50から受信した薬液情報50Aと、中継装置30を介して指示薬情報管理装置40から受信した指示薬情報とに基づく照合を実行し、照合結果を出力する。
【0067】
このように、本実施形態の薬液注入システム1は、薬液注入実行装置10に保持させる前に、薬液の注入作業を行う作業者がピックアップした薬液シリンジに充填された薬液に関する薬液情報と、注入内容決定者が決定した内容を示す指示薬情報とに基づく照合を実行し、その結果を出力することができる。
【0068】
「詳細説明」
以下、薬液注入システム1の構成を詳細に説明する。薬液注入実行装置10及び制御装置20の基本動作は第1の実施形態で説明した通りである。また、薬液注入実行装置10の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0069】
図9に薬液情報取得装置50の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、薬液情報取得装置50は、薬液情報取得部51と、送信部52とを有する。
【0070】
薬液情報取得部51は、薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない薬液シリンジから薬液情報を取得する。
【0071】
薬液情報取得部51は、RFIDタグと通信するRFIDリーダ、及び、コード(例:バーコード、2次元コード)から情報を読み取るコードリーダの少なくとも一方を有する。RFIDリーダは、薬液シリンジに取り付けられたRFIDタグと無線通信し、RFIDタグに記憶されている薬液情報を取得する。また、コードリーダは、薬液シリンジに取り付けられたコードのパターンを取得し、当該パターンを解析することで、当該パターンが示す薬液情報を取得する。
【0072】
送信部52は、薬液情報取得部51が取得した薬液情報50Aを中継装置30に送信する。
【0073】
図10に、中継装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、中継装置30は、第1の中継部31と、第2の中継部32とを有する。第1の中継部31の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0074】
第2の中継部32は、薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信し、受信した薬液情報50Aを制御装置20に送信する。
【0075】
第2の中継部32は、ホワイトリストを保持しており、当該ホワイトリストに記載された薬液名称を示す薬液情報50Aを制御装置20に送信し、当該ホワイトリストに記載されていない薬液名称を示す薬液情報50Aを制御装置20に送信しなくてもよい。このように構成することで、誤った情報を示す指示薬情報が制御装置20に送信される不都合を抑制できる。なお、当該ホワイトリストは、制御装置20への指示薬情報の送信を許可する薬液名称そのものを示してもよいし、当該薬液名称を示すコードを示してもよい。また、ホワイトリストは、コードと各コードが示す情報(薬液名称、薬液濃度、薬液容量等)との対応関係を示してもよい。そして、第2の中継部32は、薬液情報取得装置50からコードを示す指示薬情報を受信すると、ホワイトリストに基づき当該コードを薬液名称、薬液濃度、薬液容量等に変換し、変換後の薬液名称、薬液濃度、薬液容量等そのものを示す薬液情報50Aを制御装置20に送信してもよい。その他、第2の中継部32は、薬液情報取得装置50から受信した薬液名称等そのものを示す指示薬情報、又は、コードを示す指示薬情報を、そのまま(上記変換を行わず)、制御装置20に送信してもよい。
【0076】
図5に、制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置20は、第1の受信部21と、第2の受信部22と、照合部23と、出力部24とを有する。
【0077】
第1の受信部21の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0078】
第2の受信部22は、中継装置30と通信し、各種情報を受信する。第2の受信部22は、薬液情報取得装置50が中継装置30に送信した薬液情報50Aを受信する。第2の受信部22のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0079】
照合部23は、第2の受信部22が受信した薬液情報50Aと、第2の受信部22が受信した指示薬情報とに基づく照合を実行する。照合部23は、薬液情報50A及び指示薬情報が示す薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の中の少なくとも1つ、又は、全部が一致するか否かを判断する。照合は、薬液名称、薬液濃度、薬液容量等そのものを示すテキストデータどうしの照合であってもよいし、薬液名称、薬液濃度、薬液容量等を示すコードどうしの照合であってもよい。また、薬液情報50A及び指示薬情報の一方が薬液名称、薬液濃度、薬液容量等そのものを示し、他方がこれらに対応したコードを示す場合、照合部23は、コードと各コードが示す情報(薬液名称、薬液濃度、薬液容量等)との対応関係を示す情報に基づき薬液情報50A及び指示薬情報の一方を変換し、変換後の情報に基づき照合を実行してもよい。照合部23のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0080】
出力部24は、照合部23による照合の結果、すなわち、第2の受信部22が受信した薬液情報50Aと、第2の受信部22が受信した指示薬情報との照合の結果(一致または不一致)を出力する。照合の結果が不一致の場合に出力される情報は、警告情報であってもよい。出力部24は、制御装置20が有する出力装置を介して、照合の結果を出力することができる。制御装置20が有する出力装置は、ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ等であるが、これらに限定されない。
【0081】
その他、出力部24は、薬液情報50Aと指示薬情報との照合の結果を外部装置に向けて送信してもよい。そして、外部装置は、自装置が有する出力装置を介して、照合の結果を出力してもよい。外部装置が有する出力装置は、ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ等であるが、これらに限定されない。外部装置は、薬液注入実行装置10、RIS、HIS、会計装置等が例示されるが、これらに限定されない。なお、出力部24は、薬液注入処理が終了した後に、照合の結果を外部装置に送信してもよい。
【0082】
その他、出力部24は、薬液注入実行装置10に向けて動作を制御する情報を送信してもよい。具体的には、出力部24は、薬液情報50Aと指示薬情報との照合の結果が不一致の場合、薬液注入動作の実行を禁止する制御情報を送信し、照合の結果が一致の場合、薬液注入動作の実行を許可する制御情報を送信してもよい。この場合、薬液注入実行装置10は、制御装置20から受信した制御情報に基づき制御される。例えば、薬液注入実行装置10は、薬液注入動作の実行を禁止する制御情報を受信した場合、当該制御が解除されるまで薬液注入動作を実行しない。当該制御の解除は、薬液注入動作の実行を許可する制御情報の受信や、薬液注入実行装置10や制御装置20等への所定の入力操作等が例示されるが、こられに限定されない。
【0083】
出力部24のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0084】
次に、図11のフローチャートを用いて、制御装置20が中継装置30を介して薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信した時の処理の流れの一例を説明する。
【0085】
第2の受信部22が中継装置30を介して薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信すると(S30のYes)、S31以降の処理が実行される。
【0086】
例えば、薬液の注入作業を行う作業者が、薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持させる薬液シリンジをピックアップし、薬液保持部11に保持させる前に、その薬液シリンジに付与されている薬液情報を薬液情報取得装置50に入力する。
【0087】
薬液注入実行装置10は検査室に設置され、薬液情報取得装置50は薬液シリンジの保管室に設置されてもよい。この場合、薬液の注入作業を行う作業者は、薬液シリンジの保管室で1つの薬液シリンジをピックアップした後、その薬液シリンジを検査室に持っていく前に、薬液シリンジの保管室にて、その薬液シリンジに付与されている薬液情報を薬液情報取得装置50に入力する。
【0088】
薬液の注入作業を行う作業者は、ピックアップした薬液シリンジに取り付けられたRFIDタグを薬液情報取得装置50が有するRFIDリーダに近接又は接触させることで、RFIDタグに記憶されている薬液情報を薬液情報取得装置50に入力してもよい。その他、薬液の注入作業を行う作業者は、薬液シリンジに取り付けられたコードを薬液情報取得装置50が有するコードリーダに近接又は接触させることで、コードリーダにコードを読み取らせてもよい。
【0089】
薬液情報取得装置50は、薬液情報の入力に応じて、入力された薬液情報50Aを中継装置30に送信する。第1の受信部21は、このようにして薬液情報取得装置50から送信された薬液情報50Aを、中継装置30を介して受信する。
【0090】
S31では、照合部23は、その時点で1つの撮像オーダデータが処理対象として制御装置20に設定されているか判断する。
【0091】
設定されている場合(S31のYes)、照合部23は、設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報と、S30で第2の受信部22が受信した薬液情報50Aとに基づく照合を実行する(S32)。そして、出力部24は、S32における照合の結果を出力する(S33)。
【0092】
一方、設定されていない場合(S31のNo)、照合部23は、S30で第2の受信部22が受信した薬液情報50Aに基づく照合をその時は実行しない。設定されていない場合(S31のNo)、制御装置20は、撮像オーダデータの設定を促す情報を出力してもよい。また、出力部24は、照合を行わなかった旨を示す情報を出力してもよい。
【0093】
このように、撮像オーダデータが設定されている状態で薬液情報取得装置50に薬液情報が入力されると、入力された薬液情報50Aと、その時点で設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報とに基づく照合が実行される。
【0094】
しかし、撮像オーダデータが設定されていない状態で薬液情報取得装置50に薬液情報が入力されても、入力された薬液情報50Aを用いた照合がその時は行われない。
【0095】
以上説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、第1の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0096】
また、本実施形態の薬液注入システム1によれば、薬液の注入作業を行う作業者は、ピックアップした薬液シリンジを薬液注入実行装置10に保持させる前に、ピックアップした薬液シリンジに充填された薬液に関する薬液情報と、注入内容決定者が決定した内容を示す指示薬情報とに基づく照合の結果を得ることができる。
【0097】
薬液シリンジを開封し、薬液注入実行装置10に保持させた後に注入内容決定者が決定した内容と異なることが判明した場合、当然その薬液シリンジはその時点では使用できないが、場合によってはその薬液シリンジをそのまま破棄することになる。薬液注入実行装置10に保持させる前に上記照合の結果を得ることができる本実施形態の薬液注入システム1によれば、このような不都合を回避できる。破棄する費用は高額であるため、破棄を回避できると金銭的メリットが大きい。
【0098】
また、本実施形態の薬液注入システム1によれば、薬液シリンジを薬液注入実行装置10に保持させる前と、保持させた後の2回、上記照合を行うことができる。このようなダブルチェックにより、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を効果的に抑制できる。
【0099】
ここで、本実施形態と同様の作用効果を実現する変形例を説明する。薬液情報取得装置50は、中継装置30に接続される例(図8参照)を説明したが、薬液情報取得装置50はその他の装置に接続されてもよい。例えば、薬液情報取得装置50は、制御装置20に接続されてもよいし、指示薬情報管理装置40に接続されてもよい。
【0100】
また、制御装置20は、薬液注入実行装置10が取得した薬液情報10Aと、指示薬情報とに基づく照合を実行しない構成であってもよい。この場合、第1の受信部21は薬液注入実行装置10から薬液情報10Aを受信しない構成であってもよい。また、薬液注入実行装置10は、薬液シリンジから薬液情報を取得しない構成であってもよい。なお、当該変形例の場合、ダブルチェックの効果は得られないが、薬液情報取得装置50が取得した薬液情報50Aと指示薬情報とに基づく照合を実行することで、薬液の注入作業を行う作業者が、注入内容決定者の決定内容と異なる内容で注入作業を行う不都合の発生を抑制できる。
【0101】
<第3の実施形態>
「全体像及び概要」
本実施形態の薬液注入システム1の全体像は、第2の実施形態と同様である(図8参照)。そして、薬液注入システム1は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている場合、第2の実施形態で説明した薬液情報50Aと指示薬情報とに基づく照合が実行されないようにする機能を有する点で、第2の実施形態と異なる。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0102】
「詳細説明」
以下、薬液注入システム1の構成を詳細に説明する。薬液注入実行装置10及び制御装置20の基本動作は第1の実施形態で説明した通りである。また、薬液注入実行装置10、中継装置30及び薬液情報取得装置50の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0103】
図5に、制御装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御装置20は、第1の受信部21と、第2の受信部22と、照合部23と、出力部24とを有する。
【0104】
第1の受信部21、第2の受信部22及び出力部24の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0105】
照合部23は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されている場合、第2の受信部22が受信した薬液情報50Aと、第2の受信部22が受信した指示薬情報とに基づく照合を実行しない。このため、出力部24は、薬液情報50Aと指示薬情報との照合結果を出力しない。そして、照合部23は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない場合、第2の受信部22が受信した薬液情報50Aと、第2の受信部22が受信した指示薬情報とに基づく照合を実行する。このため、出力部24は、薬液情報50Aと指示薬情報との照合結果を出力する。照合部23のその他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0106】
薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否か判断する方法の一例は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0107】
次に、図12のフローチャートを用いて、制御装置20が中継装置30を介して薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信した時の処理の流れの一例を説明する。
【0108】
第2の受信部22が中継装置30を介して薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信すると(S40のYes)、S41以降の処理が実行される。
【0109】
S41では、照合部23は、その時点で1つの撮像オーダデータが処理対象として制御装置20に設定されているか判断する。
【0110】
設定されている場合(S41のYes)、照合部23は、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか判断する(S42)。保持されていない場合(S42のNo)、照合部23は、設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報と、S40で第2の受信部22が受信した薬液情報50Aとに基づく照合を実行する(S43)。そして、出力部24は、S43における照合の結果を出力する(S44)。
【0111】
一方、設定されていない場合(S41のNo)、また、保持されている場合(S42のYes)、照合部23は、S40で第2の受信部22が受信した薬液情報50Aに基づく照合をその時は実行しない。設定されていない場合(S41のNo)、制御装置20は、撮像オーダデータの設定を促す情報を出力してもよい。また、出力部24は、照合を行わなかった旨を示す情報を出力してもよい。
【0112】
このように、撮像オーダデータが設定されており、かつ、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されていない状態で薬液情報取得装置50に薬液情報が入力されると、入力された薬液情報50Aと、その時点で設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報とに基づく照合が実行される。
【0113】
しかし、撮像オーダデータが設定されていない状態、又は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている状態で薬液情報取得装置50に薬液情報が入力されても、入力された薬液情報50Aを用いた照合がその時は実行されない。
【0114】
なお、S41とS42の処理の順番は、逆であってもよい。
【0115】
以上説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、第1及び第2の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0116】
また、本実施形態の薬液注入システム1によれば、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている状態で薬液情報取得装置50に薬液情報が入力されても、入力された薬液情報50Aと指示薬情報とに基づく照合は実行されない。このため、その薬液情報50Aと指示薬情報との照合結果は出力されない。
【0117】
薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている場合、保持されている薬液シリンジが薬液注入処理の対象であり、その他の薬液シリンジは薬液注入処理の対象外と考えることができる。薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている状態で、他の薬液シリンジに充填された薬液に関する薬液情報と指示薬情報とに基づく照合の結果が出力されると、薬液の注入作業を行う作業者は混同する。例えば、薬液の注入作業を行う作業者は、その照合結果を、薬液注入実行装置10に保持されている薬液シリンジに関する照合結果と混同してしまう恐れがある。本実施形態の薬液注入装置によれば、このような不都合を回避できる。
【0118】
<第4の実施形態>
「全体像及び概要」
本実施形態の薬液注入システム1の全体像は、第2の実施形態と同様である(図8参照)。そして、薬液注入システム1は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている場合、第2の実施形態で説明した薬液情報50Aと指示薬情報とに基づく照合が実行されないようにする機能(第3の実施形態と異なる実現手段)を有する点で、第2の実施形態と異なる。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0119】
「詳細説明」
以下、薬液注入システム1の構成を詳細に説明する。薬液注入実行装置10及び制御装置20の基本動作は第1の実施形態で説明した通りである。また、薬液注入実行装置10、制御装置20及び中継装置30の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0120】
図9に、薬液情報取得装置50の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、薬液情報取得装置50は、薬液情報取得部51と、送信部52とを有する。
【0121】
薬液情報取得装置50は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されている場合、薬液シリンジから薬液情報を取得する処理を実行しない。そして、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない場合、薬液情報取得装置50は、薬液シリンジから薬液情報を取得する処理を実行する。
【0122】
例えば、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されている場合、薬液情報取得装置50は、RFIDリーダ及び/又はコードリーダの動作をOFFにし、RFIDタグやコードから情報を取得する処理を実行しなくてもよい。一方、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない場合、薬液情報取得装置50は、RFIDリーダ及び/又はコードリーダの動作をONにし、RFIDタグやコードから情報を取得する処理を実行してもよい。
【0123】
その他、RFIDリーダ及び/又はコードリーダの動作は常時ONにしておいてもよい。そして、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されている場合、薬液情報取得装置50は、RFIDタグやコードから取得した薬液情報50Aを中継装置30に送信しなくてもよい。一方、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない場合、薬液情報取得装置50は、RFIDタグやコードから取得した薬液情報50Aを中継装置30に送信してもよい。
【0124】
薬液情報取得装置50は、制御装置20から受信した情報に基づき、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否かを判断することができる。制御装置20は、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否かを示す情報を、中継装置30を介して薬液情報取得装置50に送信する。制御装置20が、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否か判断する方法の一例は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0125】
薬液情報取得装置50のその他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0126】
次に、図13のフローチャートを用いて、薬液情報取得装置50が行う処理の一例、具体的には、薬液情報を取得した時の薬液情報取得装置50の処理の流れの一例を説明する。
【0127】
薬液情報取得部51が薬液シリンジに付与されたRFIDタグ又はコードから薬液情報を取得すると(S50のYes)、送信部52は、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか判断する(S51)。保持されていない場合(S51のNo)、送信部52は、S50で取得された薬液情報50Aを中継装置30に送信する(S52)。
【0128】
一方、保持されている場合(S51のYes)、送信部52は、S50で取得された薬液情報50Aを中継装置30に送信しない。
【0129】
次に、図14のフローチャートを用いて、薬液情報取得装置50が行う処理の他の一例、具体的には薬液情報取得部51の動作を切り替える処理の流れの一例を説明する。
【0130】
その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない場合(S60のNo)、薬液情報取得部51は、リーダ(RFIDリーダ及び/又はコードリーダ)の動作をONにする(S61)。一方、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されている場合(S60のYes)、薬液情報取得部51は、リーダ(RFIDリーダ及び/又はコードリーダ)の動作をOFFにする(S62)。
【0131】
以上説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、第1乃至第3の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0132】
また、本実施形態の薬液注入システム1では、制御装置20と異なる装置(薬液情報取得装置50)が、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否かに応じて処理内容を異ならせる。結果、制御装置20の処理負担を軽減できる。
【0133】
また、本実施形態の薬液注入システム1は、薬液情報取得装置50への入力を不可にしたり、また、薬液情報取得装置50から中継装置30に情報を送信しなくすることで、薬液情報50Aと指示薬情報とに基づく照合の実行を回避する。このため、不要な情報が薬液注入システム1に入力されたり、薬液注入システム1内で送受信されたりする不都合を回避できる。
【0134】
<第5の実施形態>
「全体像及び概要」
本実施形態の薬液注入システム1の全体像は、第2の実施形態と同様である(図8参照)。そして、薬液注入システム1は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10に保持されている場合、第2の実施形態で説明した薬液情報50Aと指示薬情報とに基づく照合が実行されないようにする機能(第3及び第4の実施形態と異なる実現手段)を有する点で、第2の実施形態と異なる。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0135】
「詳細説明」
以下、薬液注入システム1の構成を詳細に説明する。薬液注入実行装置10及び制御装置20の基本動作は第1の実施形態で説明した通りである。また、薬液注入実行装置10、制御装置20及び薬液情報取得装置50の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0136】
図10に、中継装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、中継装置30は、第1の中継部31と、第2の中継部32とを有する。第1の中継部31の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0137】
第2の中継部32は、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されている場合、薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信し、受信した薬液情報50Aを制御装置20に送信する中継処理を実行しない。例えば、第2の中継部32は、薬液情報取得装置50から受信した薬液情報50Aを、制御装置20に送信しない。一方、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されていない場合、第2の中継部32は上記中継処理を実行する。
【0138】
中継装置30は、制御装置20から受信した情報に基づき、薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否かを判断することができる。制御装置20は、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否かを示す情報を、中継装置30に送信する。制御装置20が、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか否かを判断する手法の一例は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0139】
次に、図15のフローチャートを用いて、薬液情報50Aを受信した時の中継装置30の処理の流れの一例を説明する。
【0140】
第2の中継部32は、薬液情報取得装置50から薬液情報50Aを受信すると(S70のYes)、その時点で薬液シリンジが薬液注入実行装置10の薬液保持部11に保持されているか判断する(S71)。保持されていない場合(S71のNo)、第2の中継部32は、S70で受信した薬液情報50Aを制御装置20に送信する(S72)。
【0141】
一方、保持されている場合(S71のYes)、第2の中継部32は、S70で受信した薬液情報50Aを制御装置20に送信しない。
【0142】
以上説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、第1乃至第4の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0143】
<第6の実施形態>
本実施形態の薬液注入システム1は、制御装置20と中継装置30とが、物理的及び/又は論理的に一体となって構成される。その他の構成は、第1乃至第5の実施形態と同様である。以上説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、第1乃至第5の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0144】
<第7の実施形態>
本実施形態の薬液注入システム1は、照合処理を実行する主体が第1乃至第6の実施形態と異なる。すなわち、制御装置20と異なる装置が、照合部23を有する。その他の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。
【0145】
例えば、照合部23を有する照合実行主体は、薬液注入実行装置10、中継装置30又は指示薬情報管理装置40であってもよい。照合実行主体は、任意の手段で制御装置20に設定されている撮像オーダデータに含まれる指示薬情報を取得する。また、薬液注入システム1に含まれる複数の装置が情報を中継することで、照合実行主体は、薬液注入実行装置10が取得した薬液情報10A及び/又は薬液情報取得装置50が取得した薬液情報50Aを取得する。
【0146】
以上説明した本実施形態の薬液注入システム1によれば、第1乃至第6の実施形態と同様な作用効果を実現できる。また、制御装置20と異なる装置が照合処理を行うことで、制御装置20の処理負担を軽減できる。
【0147】
<第8の実施形態>
本実施形態の薬液注入システム1は、薬液注入実行装置10が取得する薬液情報10Aと、指示薬情報管理装置40から取得する撮像オーダデータに基づき、薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジがその被験者にとって不適な薬液に関するものか否かを判断する。不適な薬液は、例えば、過去に副作用が生じた薬液等である。
【0148】
例えば、撮像オーダデータは、各被験者にとっての不適な薬液を示す情報(薬液名称、コード等)を含んでもよい。そして、薬液注入システム1は、薬液情報10Aが示す薬液が、撮像オーダデータが示す不適な薬液に該当するか否かを判断してもよい。その他、撮像オーダデータは、各被験者にとって不適な薬液の含有成分や化学分類を示す情報を含んでもよい。そして、薬液注入システム1は、薬液情報10Aが示す薬液の含有成分や化学分類が、撮像オーダデータが示す不適な薬液の含有成分や化学分類に該当するか否かを判断してもよい。そして、薬液注入システム1は、上記判断の結果を、ディスプレイ等の出力装置を介して出力する。この判断の主体は、制御装置20であってもよいし、薬液注入実行装置10であってもよいし、中継装置30であってもよい。また、上記判断の結果を出力する主体は、制御装置20であってもよいし、薬液注入実行装置10であってもよいし、中継装置30であってもよい。
【0149】
薬液注入システム1は、照合部23による薬液情報10Aと指示薬情報とに基づく照合の結果が「一致」である場合に、上述した「薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジがその被験者にとって不適な薬液に関するものか否かの判断」及び「判断結果の出力」を行い、「不一致」である場合には当該判断及び出力を行わなくてもよい。薬液情報10Aと指示薬情報とに基づく照合の結果が「不一致」の場合、すなわち薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジが注入内容決定者により決定されたものと異なる場合、薬液注入実行装置10に保持される薬液シリンジは正しいものに取り換えられることになる。このため、「薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジがその被験者にとって不適な薬液に関するものか否かの判断」及び「判断結果の出力」は不要であると考えることができる。このように構成した場合、不要な処理の実行を回避できるので、コンピュータの処理負担が軽減する。
【0150】
他の例として、薬液注入システム1は、照合部23による薬液情報10Aと指示薬情報とに基づく照合の結果が「一致」及び「不一致」のいずれであるかに関わらず、上述した「薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジがその被験者にとって不適な薬液に関するものか否かの判断」及び「判断結果の出力」を行ってもよい。すなわち、薬液情報10Aと指示薬情報とに基づく照合の結果が「不一致」の場合も上記処理を行ってもよい。「薬液情報10Aと指示薬情報とに基づく照合の結果が不一致」という情報に加えて、「薬液注入実行装置10に保持された薬液シリンジがその被験者にとって不適な薬液に関するもの」という情報を出力することで、薬液の注入作業を行う作業者によりインパクトのある警告を行うことができる。結果、誤った薬液が被験者に注入される不都合をより効果的に抑制できる。
【0151】
本実施形態の薬液注入システム1のその他の構成は、第1乃至第7の実施形態のいずれかと同様である。そして、本実施形態の薬液注入システム1によれば、上記作用効果に加えて、第1乃至第7の実施形態と同様な作用効果が実現される。
【0152】
<変形例>
次に、すべての実施形態に適用可能な変形例を説明する。これら変形例においても、上記実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0153】
薬液注入システム1は、中継装置30を有さなくてもよい。この場合、制御装置20は、中継装置30を介さずに、指示薬情報管理装置40や薬液情報取得装置50等の他の装置から各種情報を取得することができる。
【0154】
また、上記実施形態では、薬液充填部材が薬液シリンジである例を説明したが、薬液充填部材はボトルやパック等の他の部材であってもよい。この場合、薬液注入実行装置10はローラポンプやフィンガーポンプのような薬液シリンジを用いないタイプの装置であってもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、薬液注入実行装置10と制御装置20とが物理的及び論理的に分かれて構成されたが、薬液注入実行装置10と制御装置20とは、物理的及び/又は論理的に一体となって構成されてもよい。
【0156】
また、薬液注入実行装置10の薬液情報取得部12は、RFIDリーダに代えて又は加えて、コード(例:バーコード、2次元コード)から情報を読み取るコードリーダを有してもよい。コードリーダは、薬液シリンジに取り付けられたコードのパターンを取得し、当該パターンを解析することで、当該パターンが示す薬液情報を取得する。なお、コードリーダは、薬液シリンジが薬液保持部11に適正に保持された場合のみその薬液シリンジに取り付けられたコードのパターンを取得する位置に搭載されてもよい。
【0157】
また、上記実施形態では、薬液注入実行装置10は薬液保持部11に保持された薬液充填部材から薬液情報を取得する手段を有したが、当該手段に代えて又は加えて、薬液注入実行装置10は、薬液保持部11に保持されていない薬液充填部材から薬液情報を取得する手段を有してもよい。例えば、薬液注入実行装置10にRFIDリーダ及び/又はバーコードリーダが有線及び/又は無線で接続され、当該RFIDリーダ及び/又はバーコードリーダは取得した情報を薬液注入実行装置10に入力してもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、指示薬情報管理装置40はRISであることを前提にしたが、指示薬情報管理装置40は他の装置であってもよい。例えば、指示薬情報管理装置40は、HISやCTスキャナであってもよい。
【0159】
<ハードウエア構成>
最後に、第1乃至第7の実施形態の薬液注入システム1が備える各装置のハードウエア構成の一例を説明する。各装置が備える各機能部の少なくとも一部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0160】
図16は、各装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。図16に示すように、各装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。各装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。
【0161】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサー等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0162】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 薬液注入実行装置と、制御装置と、中継装置と、を有し、
前記薬液注入実行装置は、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記薬液情報を前記制御装置に送信する送信部と、
を有し、
前記中継装置は、
指示薬情報管理装置から薬液名称を示す指示薬情報を受信し、受信した前記指示薬情報を前記制御装置に送信する第1の中継部を有し、
前記制御装置は、
前記薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
前記中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する薬液注入システム。
2. 1に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入システムは、前記薬液注入実行装置と物理的に分かれた薬液情報取得装置をさらに有し、
前記薬液情報取得装置は、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記薬液情報を前記中継装置に送信する送信部と、
を有し、
前記中継装置は、
前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する第2の中継部を有し、
前記制御装置は、
前記第2の受信部が、前記中継装置から前記薬液情報を受信し、
前記照合部は、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する薬液注入システム。
3. 2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入実行装置は、前記薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記制御装置は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する薬液注入システム。
4. 2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入実行装置は、前記薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記薬液情報取得装置は
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行する薬液注入システム。
5. 2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液注入実行装置は、前記薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記中継装置は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する処理を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する処理を実行する薬液注入システム。
6. 1から5のいずれかに記載の薬液注入システムにおいて、
前記中継装置と前記制御装置とは物理的及び/又は論理的に一体となっている薬液注入システム。
7. 1から6のいずれかに記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記指示薬情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記照合部は、薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の中の少なくとも1つが一致するか否かを判断する薬液注入システム。
8. 1から6のいずれかに記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記指示薬情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記照合部は、薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の全部が一致するか否かを判断する薬液注入システム。
9. 1から8のいずかに記載の薬液注入システムにおいて、
前記照合部による照合の結果に関わらず、前記薬液注入実行装置が前記薬液充填部材から取得した前記薬液情報に基づき、前記薬液注入実行装置に保持された前記薬液充填部材に充填された薬液が被験者にとって不適か否かを判断し、出力する判断出力部を有する薬液注入システム。
10. 薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する制御装置。
11. コンピュータが、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信工程と、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信工程と、
前記第1の受信工程で受信した前記薬液情報と、前記第2の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合工程と、
前記照合工程での照合の結果を出力する出力工程と、
を実行する制御方法。
12. コンピュータを、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液注入実行装置と通信し、前記薬液情報を受信する第1の受信手段、
薬液名称を示す指示薬情報を記憶する指示薬情報管理装置から前記指示薬情報を受信する中継装置と通信し、前記指示薬情報を受信する第2の受信手段、
前記第1の受信手段が受信した前記薬液情報と、前記第2の受信手段が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合手段、
前記照合手段による照合の結果を出力する出力手段、
として機能させるプログラム。
13. 薬液情報取得装置と、中継装置と、制御装置とを有し、
前記薬液情報取得装置は、
薬液充填部材を保持して薬液注入を実行する薬液注入実行装置と物理的に分かれており、
前記薬液充填部材から薬液名称を示す薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記薬液情報を前記中継装置に送信する送信部と、
を有し、
前記中継装置は、
指示薬情報管理装置から薬液名称を示す指示薬情報を受信し、受信した前記指示薬情報を前記制御装置に送信する第1の中継部と、
前記薬液情報取得装置から前記薬液情報を受信し、受信した前記薬液情報を前記制御装置に送信する第2の中継部と、
を有し、
前記制御装置は、
前記中継装置と通信し、前記指示薬情報及び前記薬液情報を受信する受信部と、
前記薬液情報と前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
前記照合部による照合の結果を出力する出力部と、
を有する薬液注入システム。
【符号の説明】
【0163】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 薬液注入システム
10 薬液注入実行装置
11 薬液保持部
12 薬液情報取得部
13 送信部
15 押圧部
20 制御装置
21 第1の受信部
22 第2の受信部
23 照合部
24 出力部
30 中継装置
31 第1の中継部
32 第2の中継部
40 指示薬情報管理装置
50 薬液情報取得装置
51 薬液情報取得部
52 送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液注入実行装置と、制御装置と、薬液情報取得装置とを有し、
前記薬液注入実行装置は、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第1の薬液情報取得部と、
前記薬液充填部材を保持する薬液保持部と、
を有し、
前記薬液情報取得装置は、
前記薬液注入実行装置と物理的に分かれており、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第2の薬液情報取得部を有し、
前記制御装置は、
前記第1の薬液情報取得部が取得した前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
前記第2の薬液情報取得部が取得した前記薬液情報を受信する第2の受信部と、
指示薬情報管理装置で管理されている薬液名称を示す指示薬情報を受信する第3の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と前記第の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合、及び前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
を有し、
前記照合部は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する薬液注入システム。
【請求項2】
薬液注入実行装置と、制御装置と、薬液情報取得装置とを有し、
前記薬液注入実行装置は、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第1の薬液情報取得部と、
前記薬液充填部材を保持する薬液保持部と、
を有し、
前記薬液情報取得装置は、
前記薬液注入実行装置と物理的に分かれており、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第2の薬液情報取得部を有し、
前記制御装置は、
前記第1の薬液情報取得部が取得した前記薬液情報を受信する第1の受信部と、
前記第2の薬液情報取得部が取得した前記薬液情報を受信する第2の受信部と、
指示薬情報管理装置で管理されている薬液名称を示す指示薬情報を受信する第3の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合、及び前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
を有し、
前記第2の薬液情報取得部は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行する薬液注入システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記指示薬情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記照合部は、薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の中の少なくとも1つが一致するか否かを判断する薬液注入システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の薬液注入システムにおいて、
前記薬液情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記指示薬情報は、薬液名称と、薬液濃度と、薬液容量とを示し、
前記照合部は、薬液名称、薬液濃度及び薬液容量の全部が一致するか否かを判断する薬液注入システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずか1項に記載の薬液注入システムにおいて、
前記照合部による照合の結果に関わらず、前記薬液注入実行装置が前記薬液充填部材から取得した前記薬液情報に基づき、前記薬液注入実行装置に保持された前記薬液充填部材に充填された薬液が被験者にとって不適か否かを判断し、出力する判断出力部を有する薬液注入システム。
【請求項6】
前記指示薬情報管理装置はRIS(radiology information systems)であり、
前記照合部は、前記薬液情報と、前記RISから受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する請求項1から5のいずれか1項に記載の薬液注入システム。
【請求項7】
取得した前記薬液情報に関する情報を会計装置に送信する送信部をさらに有する請求項1から6のいずれか1項に記載の薬液注入システム。
【請求項8】
薬液注入実行装置と、制御装置と、薬液情報取得装置とを有する薬液注入システムが実行する処理方法であって、
薬液充填部材を保持する薬液保持部を有する前記薬液注入実行装置が、
薬液名称を示す薬液情報を付与された前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第1の薬液情報取得工程を実行し、
前記薬液注入実行装置と物理的に分かれている前記薬液情報取得装置が、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第2の薬液情報取得工程を実行し、
前記制御装置が、
前記第1の薬液情報取得工程で取得された前記薬液情報を受信する第1の受信工程と、
前記第2の薬液情報取得工程で取得された前記薬液情報を受信する第2の受信工程と、
指示薬情報管理装置で管理されている薬液名称を示す指示薬情報を受信する第3の受信工程と、
前記第1の受信工程で受信した前記薬液情報と前記第3の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合、及び前記第2の受信工程で受信した前記薬液情報と前記第3の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合工程と、
を実行し、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記制御装置は、前記第2の受信工程で受信した前記薬液情報と前記第3の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記制御装置は、前記第2の受信工程で受信した前記薬液情報と前記第3の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する処理方法。
【請求項9】
薬液注入実行装置と、制御装置と、薬液情報取得装置とを有する薬液注入システムが実行する処理方法であって、
薬液充填部材を保持する薬液保持部を有する前記薬液注入実行装置が、
薬液名称を示す薬液情報を付与された前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第1の薬液情報取得工程を実行し、
前記薬液注入実行装置と物理的に分かれている前記薬液情報取得装置が、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第2の薬液情報取得工程を実行し、
前記制御装置が、
前記第1の薬液情報取得工程で取得された前記薬液情報を受信する第1の受信工程と、
前記第2の薬液情報取得工程で取得された前記薬液情報を受信する第2の受信工程と、
指示薬情報管理装置で管理されている薬液名称を示す指示薬情報を受信する第3の受信工程と、
前記第1の受信工程で受信した前記薬液情報と前記第3の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合、及び前記第2の受信工程で受信した前記薬液情報と前記第3の受信工程で受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合工程と、
を実行し、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液情報取得装置は、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液情報取得装置は、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行する処理方法。
【請求項10】
薬液充填部材を保持する薬液保持部を有する薬液注入実行装置が前記薬液充填部材から取得した薬液名称を示す薬液情報を受信する第1の受信部と、
前記薬液注入実行装置と物理的に分かれている薬液情報取得装置が前記薬液充填部材から取得した前記薬液情報を受信する第2の受信部と、
指示薬情報管理装置で管理されている薬液名称を示す指示薬情報を受信する第3の受信部と、
前記第1の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合、及び前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
を有し、
前記照合部は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記第2の受信部が受信した前記薬液情報と前記第3の受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する制御装置。
【請求項11】
薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、かつ前記薬液充填部材から薬液名称を示す薬液情報を取得する薬液注入実行装置と物理的に分かれており、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する第2の薬液情報取得部を有し、
前記第2の薬液情報取得部は、
前記薬液注入実行装置の前記薬液保持部に前記薬液充填部材が保持されている場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行せず、
前記薬液注入実行装置の前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する処理を実行する薬液情報取得装置。
【請求項12】
薬液注入実行装置と、制御装置と、薬液情報取得装置とを有し、
前記薬液注入実行装置は、
薬液名称を示す薬液情報を付与された薬液充填部材を保持する薬液保持部を有し、
前記薬液情報取得装置は、
前記薬液注入実行装置と物理的に分かれており、
前記薬液充填部材から前記薬液情報を取得する薬液情報取得部を有し、
前記制御装置は、
前記薬液情報取得部が取得した前記薬液情報を受信する薬液情報受信部と、
指示薬情報管理装置で管理されている薬液名称を示す指示薬情報を受信する指示薬情報受信部と、
前記薬液情報受信部が受信した前記薬液情報と前記指示薬情報受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する照合部と、
を有する薬液注入システム。
【請求項13】
請求項12に記載の薬液注入システムにおいて、
前記照合部は、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されている場合、前記薬液情報受信部が受信した前記薬液情報と前記指示薬情報受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行せず、
前記薬液充填部材が前記薬液保持部に保持されていない場合、前記薬液情報受信部が受信した前記薬液情報と前記指示薬情報受信部が受信した前記指示薬情報とに基づく照合を実行する薬液注入システム。