(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133294
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】フッ素化アルコキシビニルエーテル及びフッ素化アルコキシビニルエーテルの調製方法
(51)【国際特許分類】
C11D 7/28 20060101AFI20240920BHJP
C07C 43/17 20060101ALI20240920BHJP
C11D 7/50 20060101ALI20240920BHJP
C11D 7/26 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C11D7/28
C07C43/17
C11D7/50
C11D7/26
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114783
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2021520409の分割
【原出願日】2019-10-10
(31)【優先権主張番号】62/745,733
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアチェスラフ エー.ペトロフ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ ジョセフ ナッパ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ディー.ロウゼンバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ピー.ステーマン
(57)【要約】
【課題】本発明は、特定のアルコキシビニルエーテルを使用した表面を処理するための方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、表面を処理するための方法であって、
表面を提供することと、
表面を処理組成物と接触させることと、を含み、
前記表面が、その上に堆積された処理可能な材料を含み、
前記処理組成物が、以下の何れか一つの化学構造を有するアルコキシビニルエーテルを含む、方法である:
CF3C(OCH3)=CHC2F5、
CF3C(OCH2CF3)=CHC2F5、
CF3C(OC2H5)=CHC2F5、
CF3C(OC3H7)=CHC2F5、
C2F5C(OCH3)=CHC3F7、及び
C3F7C(OCH3)=CHC2F5。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を処理するための方法であって、
表面を提供することと、
表面を処理組成物と接触させることと、を含み、
前記表面が、その上に堆積された処理可能な材料を含み、
前記処理組成物が、以下の何れか一つの化学構造を有するアルコキシビニルエーテルを含む、方法:
CF3C(OCH3)=CHC2F5、
CF3C(OCH2CF3)=CHC2F5、
CF3C(OC2H5)=CHC2F5、
CF3C(OC3H7)=CHC2F5、
C2F5C(OCH3)=CHC3F7、及び
C3F7C(OCH3)=CHC2F5。
【請求項2】
前記処理組成物が、処理可能な材料を実質的に溶解する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年10月15日に出願された米国特許出願第62/745733号の利益を主張する。米国特許出願第62/745733号の開示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、アルコキシビニルエーテル及びアルコキシビニルエーテルの調製方法を対象とする。より詳細には、本発明は、フッ素化アルコキシビニルエーテル及びフッ素化アルコキシビニルエーテルを調製するための方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
一般構造RfC(OCH3)=CFRf’の特定のフッ素化材料は既知であり、このような材料は、アルコールと、F-ペンテン-2(市販の中間体として知られている)又はF-ヘプテン(他の材料の生成物を形成する廃棄物流成分として知られている)などの様々なペルフルオロオレフィンとの反応で調製されることができる。例として、低毒性及び低い地球温暖化係数を有する溶媒として使用するために、F-ヘプテンとメタノール(HFX-110)との反応生成物が提案されている。
【0004】
しかしながら、これまでに、一般構造RfC(OR)=CHRf’(式中、Rf’は少なくとも2個の炭素原子を有する)を有するフッ素化された化学種は、科学文献に開示されていない。また、一般構造RfC(OR)=CHRf’(式中、Rは、アルキル官能基である)を有するフッ素化された化学種を調製するための、塩基性アルコール反応経路のいかなる開示もこれまでに存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、化学構造RfC(OR)=CHRf’[式中、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有する少なくとも部分的にフッ素化された官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有する少なくとも部分的にフッ素化された官能基であり、Rは官能基である]を有する。
【0007】
別の例示的実施形態では、アルコキシビニルエーテルを調製するための方法は、RfCFHCFHRf’+KOH/ROH→RfC(OR)=CHRf’[式中、Rfはペルフルオロ官能基であり、Rf’はペルフルオロ官能基であり、Rは、アルキル官能基である]を含む。
【0008】
別の例示的実施形態では、アルコキシビニルエーテルを調製するための方法は、RfCF=CHRf’+KOH/ROH→RfC(OR)=CHRf’[式中、Rfはペルフルオロ官能基であり、Rf’はペルフルオロ官能基であり、Rは、アルキル官能基である]を含む。
【0009】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、
Rf’が、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、
Rが、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0010】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、ペルフルオロアルキル官能基であり、
Rf’が、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル官能基であり、
Rが、アルキル官能基である、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0011】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、C1-12ペルフルオロアルキル官能基であり、
Rf’が、C2-12ペルフルオロアルキル官能基であり、
Rが、C1-12アルキル官能基である、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0012】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、CF3、C2F5、n-C3F7、イソ-C3F7、n-C4F9、sec-C4F9、イソ-C4F9、及びtert-C4F9からなる群から選択され、
Rf’が、C2F5、n-C3F7、イソ-C3F7、n-C4F9、sec-C4F9、イソ-C4F9、及びtert-C4F9からなる群から選択され、
Rが、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、n-C4H9、sec-C4H9、イソ-C4H9、及びtert-C4H9からなる群から選択される、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0013】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、
Rf’が、少なくとも2個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、 Rが、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0014】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、
Rf’が、少なくとも2個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、 Rが、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0015】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、
Rf’が、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、
Rが、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせに関する。
【0016】
本発明の別の実施形態は、
Rfが、CF3、CF2H、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、及びtert-C4F9、tert-C4F8Hからなる群から選択され、
Rf’が、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、及びtert-C4F9、tert-C4F8Hからなる群から選択され、 Rが、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、n-C4H9、sec-C4H9、イソ-C4H9、及びtert-C4H9からなる群から選択される、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0017】
本発明の別の実施形態は、RfとRf’とが同じである、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0018】
本発明の別の実施形態は、RfとRf’とが異なる、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0019】
本発明の別の実施形態は、アルコキシビニルエーテルがE異性体である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0020】
本発明の別の実施形態は、アルコキシビニルエーテルがZ異性体である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0021】
本発明の別の実施形態は、アルコキシビニルエーテルがE異性体とZ異性体との混合物である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0022】
本発明の別の実施形態は、化学構造が、CF3C(OCH3)=CHC2F5である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0023】
本発明の別の実施形態は、化学構造が、化学構造CF3C(OC2H5)=CHC2F5である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0024】
本発明の別の実施形態は、化学構造が、CF3C(OC3H7)=CHC2F5である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0025】
本発明の別の実施形態は、化学構造が、C2F5C(OCH3)=CHC3F7である、前述の実施形態の任意の組み合わせに関する。
【0026】
本発明の一実施形態は、アルコキシビニルエーテルを調製するための方法であって、
RfCFHCFHRf’+塩基/ROH→RfC(OR)=CHRf’
[式中、
Rfは、ペルフルオロ官能基であり、
Rf’は、ペルフルオロ官能基であり、
Rは、アルキル官能基である]を含む、方法に関する。
【0027】
本発明の別の実施形態は、アルコキシビニルエーテルを調製するための方法であって、 RfCF=CHRf’+塩基/ROH→RfC(OR)=CHRf’
[式中、
Rfは、ペルフルオロ官能基であり、
Rf’は、ペルフルオロ官能基であり、
Rは、アルキル官能基である]を含む、方法に関する。
【0028】
本発明の一実施形態は、前述のアルコキシビニルエーテルと、アルコール、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、アミド、又は芳香族溶媒からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとの任意の組み合わせを含む溶媒に関する。
【0029】
本発明の別実施形態は、
前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせと、
アルコール、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、アミド、又は芳香族溶媒のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの溶媒と
KOH、NaOH、LiOH、Ca(OH)2、三級アミン、又はアルカリ金属ROM(M=Li、Na、K、Cs)のアルコキシドのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの塩基と、を含む、アルコキシビニル組成物に関する。
【0030】
本発明の別の実施形態は、熱を伝達するためのプロセスであって、
物品を提供することと、
物品を伝熱媒体と接触させることと、を含み、
伝熱媒体が、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせを含む、プロセスに関する。
【0031】
本発明の別の実施形態は、アルコキシビニルエーテルの沸点が約72℃~約81℃である、前述のプロセスに関する。
【0032】
本発明の別の実施形態は、表面を処理するためのプロセスであって、
表面を提供することと、
表面を処理組成物と接触させることと、を含み、
表面が、その上に堆積された処理可能な材料を含み、
処理組成物が、アルコキシビニルエーテルの前述の組み合わせのいずれかを含む、プロセスに関する。
【0033】
本発明の別の実施形態は、処理組成物が、処理可能な材料を実質的に溶解する、前述のプロセスに関する。
【0034】
本発明の別の実施形態は、組成物を形成するためのプロセスであって、
溶質を提供することと、
溶質を溶媒と接触させることと、を含み、
溶媒が、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせを含む、プロセスに関する。
【0035】
本発明の別の実施形態は、電気絶縁を提供するためのプロセスであって、
第1の帯電面を提供することと、
第2の帯電面を提供することと、
第1の帯電面及び第2の帯電面を誘電体組成物と接触させることと、を含み、
誘電体組成物が、前述のアルコキシビニルエーテルの任意の組み合わせを含む、プロセスに関する。
【0036】
本発明の別の実施形態は、誘電体組成物が、第1の帯電面と第2の帯電面との間に連続する経路を形成する、前述のプロセスに関する。
【0037】
本発明の様々な実施形態は、単独で、又は互いに組み合わせて使用することができる。本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を例示する添付図面と併せてなされる、好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0038】
例示的なフッ素化アルコキシビニルエーテル及びフッ素化アルコキシビニルエーテルを調製するための方法が提供される。本開示の実施形態は、本明細書に開示される1つ以上の特徴を利用しない物質の組成物及び方法と比較して、有利な溶媒和特性、有利な沸点範囲、有利な脱脂特性、有利な伝熱特性、燃焼性の低下、大気寿命の短縮、極性の増加、又はこれらの組み合わせを有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、洗浄剤若しくは脱脂剤、伝熱媒体、溶媒、及び/又は誘電体として有用な用途を見出すことができる。
【0040】
一実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、次の化学構造を有する:
RfC(OR)=CHRf’
【0041】
Rfは、限定するものではないが、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基、部分的にフッ素化されたアルキル基、ペルフルオロアルキル基、C1-12の部分的にフッ素化されたアルキル官能基、C1-12ペルフルオロアルキル官能基、CF3、CF2H、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、tert-C4F9、又はtert-C4F8Hなどを含む、部分的にフッ素化された官能基又はペルフルオロ官能基であってもよい。
【0042】
Rf’は、限定するものではないが、少なくとも2個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基、少なくとも2個の炭素原子を有する部分的にフッ素化されたアルキル基、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基、C2-12の部分的にフッ素化されたアルキル官能基、C2-12ペルフルオロアルキル官能基、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、tert-C4F9、又はtert-C4F8Hなどを含む、部分的にフッ素化された官能基又はペルフルオロ官能基であってもよい。
【0043】
Rは、限定するものではないが、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基、アルキル官能基、C1-12アルキル官能基、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、n-C4H9、sec-C4H9、イソ-C4H9、又はtert-C4H9であってもよい、官能基である。
【0044】
アルコキシビニルエーテルは、本明細書に開示されるR、Rf、及びRf’の特定の種の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。Rf及びRf’は、互いに同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
【0045】
一実施形態では、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有する少なくとも部分的にフッ素化された官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有する少なくとも部分的にフッ素化された官能基であり、Rは、官能基である。
【0046】
別の実施形態では、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である。
【0047】
更に別の実施形態では、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル官能基であり、Rは、アルキル官能基である。
【0048】
更に別の実施形態では、Rfは、C1-12ペルフルオロアルキル官能基であり、Rf’は、C2-12ペルフルオロアルキル官能基であり、Rは、C1-12アルキル官能基である。
【0049】
別の実施形態では、Rfは、CF3、C2F5、n-C3F7、イソ-C3F7、n-C4F9、sec-C4F9、イソ-C4F9、及びtert-C4F9からなる群から選択され、Rf’は、C2F5、n-C3F7、イソ-C3F7、n-C4F9、sec-C4F9、イソ-C4F9、及びtert-C4F9からなる群から選択され、Rは、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、n-C4H9、sec-C4H9、イソ-C4H9、及びtert-C4H9からなる群から選択される。
【0050】
更に別の実施形態では、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である。
【0051】
更に別の実施形態では、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である。
【0052】
別の実施形態では、Rfは、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基であり、Rf’は、少なくとも2個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基であり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を有する官能基である。
【0053】
更に別の実施形態では、Rfは、CF3、CF2H、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、及びtert-C4F9、tert-C4F8Hからなる群から選択され、Rf’は、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、及びtert-C4F9、tert-C4F8Hからなる群から選択され、Rは、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、n-C4H9、sec-C4H9、イソ-C4H9、及びtert-C4H9からなる群から選択される。
【0054】
アルコキシビニルエーテルは、E異性体、Z異性体、又はE異性体とZ異性体との混合物であってもよい。
【0055】
アルコキシビニルエーテルは、限定するものではないが、CF3C(OCH3)=CHC2F5、CF3C(OC2H5)=CHC2F5、CF3C(OC3H7)=CHC2F5、及びC2F5C(OCH3)=CHC3F7などを含む、任意の好適な化学構造を有してもよい。
【0056】
一実施形態では、構造RfC(OR)=CHRf’を有するアルコキシビニルエーテルは、構造RfC(OR)=CFRf’を有するアルコキシビニルエーテルと比較して、可燃性が低くなっている。例として、CF3C(OCH3)=CHC2F5は、計算された生成熱に基づいて、CF3C(OCH3)=CHFC3の燃焼熱である2.58kcal/gと比較して、約2.08kcal/gの燃焼熱を有する。本発明のアルコキシビニルエーテルは、約2.1kcal/g未満の燃焼熱を有することができ、その結果、本発明の化合物は、低燃性又は不燃性の評価を有し得る。
【0057】
一実施形態では、構造RfC(OR)=CHRf’を有するアルコキシビニルエーテルは、構造RfC(OR)=CFRf’を有するアルコキシビニルエーテルと比較して、大気寿命が短くなっている。本発明のアルコキシビニルエーテルは、約10~200日間の範囲、典型的には100日未満の大気寿命を有し得る。
【0058】
一実施形態では、構造RfC(OR)=CHRf’を有するアルコキシビニルエーテルは、構造RfC(OR)=CFRf’を有するアルコキシビニルエーテルと比較して、極性が増加している。例として、計算された双極子モーメントに基づいて、CF3C(OCH3)=CHC2F5の双極子モーメントは2.5460Dであり、それと比べて、CF3C(OCH3)=CFC2F5の双極子モーメントは2.3965Dである。本発明のアルコキシビニルエーテルは、約2~約5D、場合によっては約2~約3Dの双極子モーメントを有することができる。
【0059】
一実施形態では、アルコキシビニルエーテルを調製するための方法は次を含む:
RfCFHCFHRf’+塩基/ROH→RfC(OR)=CHRf’
【0060】
方法は、次の先行工程を含んでもよい:
RfCF=CFRf’+H2→RfCFHCFHRf’
【0061】
別の実施形態では、アルコキシビニルエーテルを調製するための方法は次を含む:
RfCF=CHRf’+塩基/ROH→RfC(OR)=CHRf’
【0062】
アルコキシビニルエーテルを調製するための方法に関して、Rfは、限定するものではないが、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基、部分的にフッ素化されたアルキル基、ペルフルオロアルキル基、C1-12の部分的にフッ素化されたアルキル官能基、C1-12ペルフルオロアルキル官能基、CF3、CF2H、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、tert-C4F9、又はtert-C4F8Hを含む、部分的にフッ素化された官能基又はペルフルオロ官能基であってもよく、Rf’は、限定するものではないが、少なくとも1個の炭素原子を有する部分的にフッ素化された官能基、少なくとも1個の炭素原子を有するペルフルオロ官能基、部分的にフッ素化されたアルキル基、ペルフルオロアルキル基、C1-12の部分的にフッ素化されたアルキル官能基、C1-12ペルフルオロアルキル官能基、CF3、CF2H、C2F5、C2F4H、n-C3F7、n-C3F6H、イソ-C3F7、イソ-C3F6H、n-C4F9、n-C4F8H、sec-C4F9、sec-C4F8H、イソ-C4F9、イソ-C4F8H、tert-C4F9、又はtert-C4F8Hを含む、部分的にフッ素化された官能基又はペルフルオロ官能基であってもよく、Rは、限定するものではないが、アルキル官能基、C1-12アルキル官能基、CH3、C2H5、n-C3H7、イソ-C3H7、n-C4H9、sec-C4H9、イソ-C4H9、又はtert-C4H9であってもよい官能基である。本方法は、本明細書に開示されるR、Rf、及びRf’の特定の種の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。Rf及びRf’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0063】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのアルキオキシル(alkyoxyl)ビニルエーテルは、HFの除去と相互作用又は反応することができる。特定の実施形態では、HFの除去は、追加の二重結合を有する少なくとも1つのアルキオキシル(alkyoxyl)ビニルエーテルを生成することができる。特定の一実施形態では、以下の群のうちの少なくとも1つは、特定の反応条件下でHFを除去することができる:イソ-C3F6H、n-C4F8H、sec-C4F8H、イソ-C4F8H、又はtert-C4F8H。理論又は説明に束縛されるものではないが、過剰量の塩基は、HF除去を促進することができると考えられる。
【0064】
塩基は、限定するものではないが、KOH、NaOH、LiOH、Ca(OH)2、三級アミン、及び/又はアルカリ金属ROM(M=Li、Na、K、Cs)のアルコキシドを含む、任意の好適な塩基であってもよい。塩基の量は、反応物質1モル当たり少なくとも2モルである。所望であれば、反応物質の量は、塩基のモル量を超えてもよく、未反応材料(存在する場合)は、選択性を向上させるためにリサイクルすることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、反応組成物は、限定するものではないが、アルコール、エーテル(例えば、グリム、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、テトラヒドロフラン(THF)、アミド、及び/又は芳香族溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)を含む、任意の好適な溶媒を更に含んでもよい。溶媒の量は、反応物質1モル当たり約0.5~約500モルの範囲、場合によっては、溶媒の約5~約100モルの範囲であり得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、反応は、相間移動触媒(PTC)条件下で、溶媒の非存在下で実施されてもよい。好適な相間移動触媒としては、限定するものではないが、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩、及び/又はクラウンエーテルが挙げられる。触媒の量は、反応物質に対して約0.1~約50モルパーセントの範囲、場合によっては、約5~15モルパーセントの範囲であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、反応は、少なくとも-20℃、少なくとも0℃、少なくとも10℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、110℃未満、100℃未満、90℃未満、80℃未満、70℃未満、60℃未満、50℃未満、及びこれらの組み合わせの温度で実施され得る。反応圧力は、大気圧で実施することができ、所望であれば、圧力を大気圧よりも高くすることができる(例えば、約1~約100気圧)。
【0068】
アルコキシビニルエーテルは、様々な用途において有用であり得る。一実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、熱を伝達するための従来の装置及び方法に従って使用することができる。プロセスは、物品を提供することと、物品を、アルコキシビニルエーテルを含む伝熱媒体と接触させることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、物品としては、電気機器(例えば、回路基板、コンピュータ、ディスプレイ、半導体チップ、又は変圧器)、熱伝達面(例えば、ヒートシンク)、又は衣類の物品(例えば、ボディースーツ)を挙げることができる。
【0069】
別の実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、表面を処理するためのプロセスにおいて使用されてもよい。プロセスは、その上に堆積された処理可能な材料を有する表面を提供することと、表面を、アルコキシビニルエーテルを含む処理組成物と接触させることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、処理組成物は、処理可能な材料を実質的に溶解してもよい。本発明のアルコキシビニルエーテルは、任意の好適な装置及び方法で使用することができるが、そのような方法の例は、国際公開第2012/121749号及び同第2010/094019号に開示されており、これらの開示は、参照により本明細書に援用される。
【0070】
別の実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、組成物を形成するためのプロセスにおいて使用されてもよい。このプロセスは、溶質を提供することと、溶質を、アルコキシビニルエーテルを含む溶媒と接触させることとを含む。いくつかの実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、溶質を実質的に溶解することができる。水を除いて、本発明のアルコキシビニルエーテルは、従来の有機溶媒及びフッ素化溶媒と混和性である。
【0071】
一実施形態では、アルコキシビニルエーテルは、従来の装置において、及び電気絶縁を提供するためのプロセスにおいて使用されてもよい。プロセスは、第1の帯電面を提供することと、第2の帯電面を提供することと、第1の帯電面及び第2の荷電表面を、アルコキシビニルエーテルを含む誘電体組成物と接触させることとを含む。いくつかの実施形態では、誘電体組成物は、第1の帯電面と第2の帯電面との間に連続する経路を形成する。いくつかの実施形態では、第1の帯電面及び第2の帯電面は、誘電体組成物中に実質的に沈められてもよい。
【0072】
以下の実施例は、本発明の特定の態様を例示するために提供されるものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例0073】
実施例1.CF3CFHCFHC2F5(I)とCH3OH/KOHとの反応
【0074】
【0075】
1400mLのメタノール中の240g(4.27mol)のKOH溶液を、還流凝縮器、熱電対、添加漏斗、及び電磁撹拌棒を備えた3L丸底フラスコに入れた。フラスコを氷冷浴に浸漬させた。Vertrel(登録商標)XF(1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、I、504g、2モル)を、内部温度を10℃未満に維持しながら、冷却した溶液に滴下した(約3時間)。反応混合物が周囲温度まで温まるよう一晩おいた。次の朝、反応混合物を、分液漏斗内で大量の氷水で少しずつ分けて洗浄した。蛍光層を収集し、組み合わせ、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(1L×2)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過して、448gの粗生成物を得た。3回の連続した実験からの粗生成物を合わせ(合計1085g)、長さ16インチの蒸留カラムを使用して大気圧で蒸留した。蒸留データ及び留分の組成を表1に示す。
【0076】
【0077】
混合留分8~13(合計806g、収率55%)をNMRにより分析し、化合物IIa及びIIbの85:15の比における約99%純粋混合物であることが示された。
【0078】
化合物IIa:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):3.98(3H,s),5.74(1H,q,8.4),ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-55.34(3F,d,8.1),-83.23(3F,t,1.5),-119.34(2F,s)ppm
【0079】
化合物IIb:
1H NMR(CDCl3,δ,J,Hz):δ 3.92(3H,s),5.57(1H,t,13.3)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-69.42(3F,s,),-85.78(3F,t,2.5),-110.70(2F,dt,13.8,2.5)ppm
【0080】
化合物III:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):3.58(3H,s),5.62(1H,dd,28.1,15.6)ppm
19F(CDCl3,J,Hz):-60.66(3F,m,9.9,4.5),-80.36(3F,d,8.8),-118.90(1F,tm,28.1),-127.24(1F,dd,28.1,15.3)ppm
【0081】
化合物IV:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):2.84(2H,m),3.62(3H,q,1.2)ppm
19F(CDCl3,J,Hz):-73.41(3F,d,9.9),-83.86(3F,t,4.5),-124.71(2F,A:B q,286.0),-130.45(1F,m,9.1)ppm
【0082】
化合物V:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):3.41(6H,s),5.48(1H,d,33.2)ppm
19F(CDCl3,J,Hz):-73.24(3F,d,9.3),-78.23(3F,d,6.8),-120.87(1F,dm,Jd=33.2)ppm
【0083】
実施例2.CF3CFHCFHC2F5とCF3CH2OH/KOHとの反応
【0084】
【0085】
500mLの3首丸底フラスコに、添加漏斗、熱電対、及び還流凝縮器を装備した。窒素ブランケット下で、200mLの45重量%KOH/水溶液を、2gの触媒-テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB、相間移動触媒)と共に添加した。この混合物を氷浴中で約5℃まで冷却し、50g(約36mL、0.5mol)のトリフルオロエタノールを10℃で30分間にわたって滴下添加した。トリフルオロエタノールの添加に続いて、125g(0.5mol)のIを5~10℃でゆっくりと添加した(約30分間)。反応混合物をゆっくりと周囲温度にした(約4時間)。周囲温度で更に約3時間撹拌した後、反応混合物を500mLの水に注ぎ、多孔質層を分離し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、Vigreuxカラムを使用して蒸留した。87g(収率56%)の留分(b.p.95~98℃)を単離した。留分は、72:25の比で異性体VIa及びVIbそれぞれと、約3%の他の異性体生成物とを含有した。
【0086】
化合物VIa:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):4.39(2H,q,7.7)5.98(1H,q,7.6,),ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):δ -57.32(3F,dq,7.5,1.7),-75.19(3F,t,7.8),-83.16(3F,d,0.7),-118.83(2F,s)ppm
【0087】
化合物VIb:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):δ 5.80(1H,t,12.9),4.36(2H,q,7.9)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-69.20(3F,s),-75.1(3F,t,7.6),-85.54(3F,t,2.3),-112.23(2,F dm,12.9,2.1)ppm
【0088】
実施例3.CF3CFHCFHC2F5とCH3CH2OH/KOHとの反応
【0089】
【0090】
上記の実施例1の手順を用いて、126g(0.5mol)のIを、400mLのエタノール中の70g(1.07mol)のKOH溶液に添加した。得られた粗生成物を、反応混合物を水で洗浄した後に分離し、乾燥させ、濾過及び蒸留により、b.p.85~89℃の物質94.4g(収率73%)が得られ、これは、VIIa及びVIIbの75:25の比における混合物であり、約3%の異性体材料を含有することが見出された(NMR及びGC/MS)。
【0091】
化合物VIIa:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):1.36(3H,t,7.4),4.19(2H,q,7.4),5.74(1H,q,8.0)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-56.34(3F,dt,8.1,2.2),-83.18(3F,t,1.9),-119.23(2F,s)ppm
【0092】
化合物VIIb:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):1.35(3H,t,7.3),4.14(2H,q,7.3),5.74(1H,t,12.8)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-69.58(3F,s),-85.81(3F,t,2.5),-111.27(2F,dm,Jd=13.8)ppm
【0093】
実施例4.CF3CFHCFHC2F5と(CH3)2CHOH/KOHとの反応
【0094】
【0095】
上記の実施例1に記載の手順に従う。化合物I(126g、0.5mol)を、400mLのイソプロパノール中の70g(1.07mol)のKOH溶液に添加した。単離した粗生成物を蒸留して、b.p.98~99℃の79g(収率61%)の留分を得た。この留分は、VIIa及びVIIbの約70:30の比における混合物を含有し、3%の他の異性体材料を含有することが見出された(NMR及びGC/MS)。
【0096】
化合物VIIIa:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):1.31(6H,d,6.0),4.63(1H,quint.,6.0),5.76(1H,q,8.0,)ppm
19F NMR((CDCl3,J,Hz):-57.54(3F,dt,8.0,2.1),-83.00(3F,t,1.9),-117.99(2F,s)ppm
【0097】
化合物VIIIb:
1H NMR(CDCl3,J,Hz):1.31(6H,d,6.0),4.56(1H,quint.,6.0),5.56(1H,t,13.0)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-68.38(3F,s),-85.57(3F,t,2.5),-111.55(2F,dq,13.0,2.2)ppm
【0098】
実施例5.C3F7CH=CFC2F5/C3F7CF=CHC2F5とMeOH/KOHとの反応
【0099】
【0100】
上記の実施例1に記載の手順に従う。オレフィン(約1:1の比のC3F7CH=CFC2F5とC3F7CF=CHC2F5との混合物)を、300mLのMeOH中のKOH(20g、0.36mol)溶液に添加した。105gの粗生成物を単離し、蒸留して、b.p.107~110℃の61.5g(収率46%)の留分を得た。この留分は、IXa、IXb及び異性体材料の45:40:15の比における混合物を含有した(GC/MS、NMR)。
【0101】
主要異性体(混合物中の含量-45%):
1H NMR(CDCl3,J,Hz):3.96(3H,t,1.2),5.66(1H,t,14.5)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):-81.14(3F,t,9.5),-85.02(3F,t,1.9),-109.06(2F,dm,Jd=14.5),-116.39(2F,q,9.5),-127.05(2F,s)ppm
【0102】
副異性体(混合物中の含量-40%):
1H NMR(CDCl3,J,Hz):3.92(3H,t,1.2),5.73(1H,t,14.0)ppm
19F NMR(CDCl3,J,Hz):δ -80.78(3F,t,9.2),-83.55(3F,m),-107.16(2F,quint.,11.0),-118.55(2F,s),-128.09(2F,s)ppm
【0103】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、その要素の代わりに同等物を使用することができることが理解されるであろう。加えて、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。