(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133311
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】発電システム及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240920BHJP
H01M 8/04664 20160101ALI20240920BHJP
H01M 8/04694 20160101ALI20240920BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20240920BHJP
F24D 18/00 20220101ALI20240920BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/108 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/16 20220101ALI20240920BHJP
F24D 101/30 20220101ALN20240920BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04664
H01M8/04694
F24H1/00 631A
F24D18/00
F24H1/18 G
F24H15/395
F24H15/457
F24H15/269
F24H15/108
F24H15/16
F24D101:30
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115095
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2022558911の分割
【原出願日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2020180664
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 道忠
(57)【要約】
【課題】ユーザの意図しない停止状態を回避できる燃料電池装置が提供される。
【解決手段】燃料電池装置(10)は、燃料電池(11)と、ユーザへ報知を行い、ユーザの操作によって燃料電池の排熱を利用した温水を出湯させる第1の電子機器(30)を制御する制御部(15)と、を備え、制御部(15)は、燃料電池(11)が停止中の場合に、第1の電子機器(30)に停止中である旨の表示を報知し、報知後において燃料電池(11)の再起動がされていない場合であって、ユーザが第1の電子機器(30)を操作した場合に、第1の電子機器(30)に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
ユーザへ報知を行い、前記ユーザの操作によって前記燃料電池の排熱を利用した温水を出湯させる第1の電子機器を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料電池が停止中の場合に、前記第1の電子機器に停止中である旨の表示を報知し、該報知後において前記燃料電池の再起動がされていない場合であって、前記ユーザが前記第1の電子機器を操作した場合に、前記第1の電子機器に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させる、燃料電池装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記燃料電池の停止の開始から所定期間が経過した場合に、前記第1の電子機器と通信可能な第2の電子機器への情報伝送を、前記第1の電子機器に実行させる、請求項1に記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記制御部は、所定回数に達するまで前記第2の電子機器への情報伝送を繰り返し実行させる、請求項2に記載の燃料電池装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記燃料電池の再起動による利益を計算し、前記所定期間が経過した場合であって、かつ、利益があると判定する場合に、前記第2の電子機器への情報伝送を、前記第1の電子機器に実行させる、請求項2又は3に記載の燃料電池装置。
【請求項5】
前記第2の電子機器は、前記ユーザが携帯可能な携帯通信端末である、請求項2から4のいずれか一項に記載の燃料電池装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記燃料電池の再起動による利益を計算し、利益があると判定する場合であって、前記ユーザが前記第1の電子機器を操作した場合に、前記第1の電子機器に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させる、請求項1に記載の燃料電池装置。
【請求項7】
前記第1の電子機器は、屋内に設置される給湯リモコンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、日本国特許出願2020-180664号(2020年10月28日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【0002】
本開示は、燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、燃料電池を備える発電システムが普及してきている。燃料電池は、水素などの燃料ガス及び酸素などの酸化剤ガスを用いて電気化学反応により発電する。このような発電システムでは、燃料電池が動作していなくても、電力会社から供給される電力が出力される。そのため、ユーザは燃料電池が動作していないことに気付きにくい。例えば特許文献1は、発電システムが発電していない期間が一定期間以上になった場合に、ユーザに気付かせるための情報を報知する発電システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
一実施形態に係る燃料電池装置は、
燃料電池と、
ユーザへ報知を行い、前記ユーザの操作によって前記燃料電池の排熱を利用した温水を出湯させる第1の電子機器を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料電池が停止中の場合に、前記第1の電子機器に停止中である旨の表示を報知し、該報知後において前記燃料電池の再起動がされていない場合であって、前記ユーザが前記第1の電子機器を操作した場合に、前記第1の電子機器に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る燃料電池装置の概念的な構成と、燃料電池装置を備える発電システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の電子機器の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の電子機器のユーザへの報知を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第2の電子機器の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、第2の電子機器のユーザへの報知を説明するための図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る燃料電池装置の制御部が実行する処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態が説明される。以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法比率などは現実のものと必ずしも一致していない。
【0008】
図1は、本開示の一実施形態に係る燃料電池装置10の概念的な構成と、燃料電池装置10を備える発電システム1の構成例を示す図である。
【0009】
燃料電池装置10は、系統に連系又は解列可能である。燃料電池装置10は、系統に連系した状態で、パワーコンディショナを介して負荷(例えば一般の機器など)に電力を供給できる。パワーコンディショナは、燃料電池装置10で発電した電力を、系統への出力に適した特性の電力に変換する装置である。また、燃料電池装置10は、系統から解列した状態で、燃料電池装置10を構成する各補機類などに電力を供給できる。
【0010】
発電システム1は、燃料電池装置10と、第1の電子機器30と、第2の電子機器40と、を備える。
【0011】
第1の電子機器30は、発電システム1のユーザ(以下、単に「ユーザ」という)へ報知を行い、ユーザの操作によって燃料電池11の排熱を利用した温水を出湯させる装置である。第1の電子機器30は、このような機能を備える装置であれば、その種類が限定されるものでないが、本実施形態において給湯リモコンである。給湯リモコンは、住宅などの屋内に設置されて、ユーザの操作によって温水を浴槽などに出湯させる。別の例として、第1の電子機器30は、工場などで、温水の出湯及び温度などを管理するコンピュータであってよい。このとき、ユーザは発電システム1の管理者であってよい。第1の電子機器30の構成の詳細については後述する。
【0012】
第2の電子機器40は、第1の電子機器30と通信可能な装置である。第2の電子機器40は、このような機能を備える装置であれば、その種類が限定されるものでないが、本実施形態において携帯通信端末である。携帯通信端末は、ユーザが携帯可能な端末であって、具体例としてスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット端末、ゲーム機又は電子書籍リーダなどである。別の例として、第2の電子機器40は、第1の電子機器30と通信可能なカーナビゲーションシステムなどであってよい。第2の電子機器40の構成の詳細については後述する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池装置10は、燃料電池11、熱交換器12、循環路13、液体の流路14及び制御部15を含んで構成される。
図1の例において、燃料電池装置10は、さらに改質水タンク16、改質水ポンプ17、熱媒タンク18及び熱媒ポンプ19を含んで構成されるが、これらの一部又は全部が燃料電池装置10に含まれない構成又は異なる構成であってよい。つまり、燃料電池装置10は、
図1に示す構成要素の全てを含まなくてよい。また、燃料電池装置10は、
図1に示す以外の構成要素を備えてよい。例えば、熱媒タンク18に貯水されたお湯が、後述する給湯路21を介して直接出湯されるようにしてよい。
【0014】
燃料電池11は、供給されるガス、空気及び改質水を用いて発電する。燃料電池11は、発電に伴い、高熱の排ガスを排出する。燃料電池11は、排出路を有する。燃料電池11は、排出路を介して熱交換器12に排ガスを送出する。
【0015】
熱交換器12は、燃料電池11が排ガスを介して排出する排熱を、熱媒と熱交換させる。熱媒は、例えば、水、不凍液などの比熱の大きな流体である。熱交換器12において熱媒との熱交換により排ガスから凝縮した改質水は、改質水タンク16に貯留される。改質水タンク16は、改質水を一時的に貯留してよい。改質水タンク16は、保温材により覆われていてよい。改質水タンク16に貯留される改質水は、改質水ポンプ17により昇圧されて、燃料電池11に供給される。熱交換器12において凝縮されない排ガスは燃料電池装置10から、排気される。
【0016】
循環路13は、熱媒を、熱交換器12を通過させながら循環させる。循環路13は、熱媒を熱交換器12及び熱媒タンク18の間で循環させてよい。熱媒タンク18は、熱媒を貯留してよい。熱媒タンク18は、保温材により覆われていてよい。
【0017】
循環路13には、熱媒ポンプ19が設けられてよい。熱媒ポンプ19は、熱媒を昇圧することにより、循環路13を循環させる。熱媒ポンプ19は、制御部15により制御されることにより、稼働してよい。
【0018】
液体の流路14は、燃料電池11の稼働に関連する、循環路13以外の流路である。液体の流路14は、例えば、燃料電池11に改質水を供給する供給路20、熱媒から得られる熱を利用して温水を出湯する給湯路21を含む。供給路20は、改質水タンク16から改質水ポンプ17を介して燃料電池11に接続される。給湯路21は、例えば、熱媒タンク18内を通過する。給湯路21に供給される水は、熱媒タンク18中の熱媒と熱交換することにより、加熱される。
【0019】
制御部15は、1以上のプロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部15は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。
【0020】
制御部15は、燃料電池11を含む燃料電池装置10の各構成要素を制御する。例えば、制御部15は燃料電池11を動作又は停止させる。また、制御部15は、第1の電子機器30と通信可能であって、第1の電子機器30を制御することができる。例えば、制御部15は、第1の電子機器30から必要なデータを取得し、第1の電子機器30に対して必要な動作を実行させる制御信号を出力する。
【0021】
本実施形態において、制御部15は、燃料電池11が停止中の場合に、第1の電子機器30に停止中である旨の表示を報知し、報知後において燃料電池11の再起動がされていない場合であって、ユーザが第1の電子機器30を操作した場合に、第1の電子機器30に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させる。第1の電子機器30は、例えば屋内に設置される給湯リモコンである。燃料電池11が停止中の場合に、第1の電子機器30に停止中である旨の表示を報知しても燃料電池11が再起動されない場合、ユーザが第1の電子機器30に報知された表示に気づいていない可能性が高い。一方で、ユーザが第1の電子機器30を操作した時に、ユーザは第1の電子機器30の近くにいるか、少なくとも屋内にいる可能性が高い。制御部15は、このようなタイミングで、第1の電子機器30を用いて、ユーザに燃料電池11が停止中であることを示す情報を知らせる。ユーザは、この警告音などによって、第1の電子機器30に停止中である旨の表示がされていることに気づいていなくても、意図しない燃料電池11の停止状態が継続していることに容易に気付くことができる。
【0022】
また、制御部15は、燃料電池11の停止の開始から所定期間(一例として1週間)が経過した場合に、第2の電子機器40への情報伝送を、第1の電子機器30に実行させてよい。第2の電子機器40は、例えばスマートフォンなどの携帯通信端末である。そのため、ユーザは、この情報伝送に基づく第2の電子機器40からの報知によって、例えば外出先であっても、意図しない燃料電池11の停止状態が継続していることに気付くことができる。また、制御部15は、所定回数に達するまで、第2の電子機器40への情報伝送を繰り返し実行させてよい。ユーザは、例えば旅行など長期の外出の場合であっても、意図しない燃料電池11の停止状態が継続していることに気付くことができる。
【0023】
図2は、第1の電子機器30の構成例を示す図である。
図3は、第1の電子機器30のユーザへの報知を説明するための図である。
図2に示すように、第1の電子機器30は、第1の通信部31と、第1の報知部32と、第1の制御部33と、を備えてよい。
【0024】
第1の通信部31は、燃料電池装置10及び第2の電子機器40と有線及び無線の少なくとも一方によって通信するためのインタフェースである。第1の通信部31は、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などのモバイル通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格及び無線LAN規格などのそれぞれに対応する通信インタフェースを含み得る。第1の通信部31は、一例として、燃料電池装置10と有線で、第2の電子機器40と無線で通信してよい。
【0025】
第1の報知部32は、ユーザに対して情報を報知する。第1の報知部32は、画像を表示するディスプレイを含んで構成されてよい。ディスプレイは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)又は有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)などであってよい。本実施形態において、ディスプレイは、入力機能を備えるタッチパネルディスプレイ(タッチスクリーンディスプレイ)である。本実施形態において、第1の報知部32は、音を出力するスピーカーも備える。
図3に示すように、例えば燃料電池11が停止中であってユーザが第1の電子機器30を操作した場合に、第1の報知部32は警告音を発してよい。また、第1の報知部32は、燃料電池11が停止中であることを示す表示(例えば警告表示であってよい)を示してよい。この場合、燃料電池11が停止して最初に表示する停止中よりも、より視覚的に訴える表示とすることがよい。警告音と警告表示は同時に報知されてよい。
【0026】
第1の制御部33は、制御部15からの制御信号に基づいて、第1の通信部31及び第1の報知部32の動作を制御する。第1の制御部33は、ユーザによって情報の伝送先として登録された第2の電子機器40の情報(以下、「登録情報」という)を管理してよい。第1の制御部33は、登録情報をアクセス可能な記憶装置(例えばメモリ又はHDDなど)に記憶し、管理情報を燃料電池装置10の制御部15に出力してよい。また、第1の制御部33は、ユーザの操作に基づいて、温水の出湯に関する制御及び制御部15への情報の出力を実行してよい。例えばユーザの操作が、浴槽に温水をためるためにボタンを押すことであれば、第1の制御部33は、温水を出湯させるとともに、ユーザが第1の電子機器30を操作したとの情報を制御部15に出力してよい。また、例えばユーザの操作が、タッチパネルディスプレイの設定画面で燃料電池11を再起動させるものであれば、第1の制御部33は、ユーザが燃料電池11を再起動させる操作をしたとの情報を制御部15に出力してよい。
【0027】
図4は、第2の電子機器40の構成例を示す図である。
図5は、第2の電子機器40のユーザへの報知を説明するための図である。
図4に示すように、第2の電子機器40は、第2の通信部41と、第2の報知部42と、第2の制御部43と、を備えてよい。
【0028】
第2の通信部41は、第1の電子機器30と有線及び無線の少なくとも一方によって通信するためのインタフェースである。第2の通信部41は、4G及び5Gなどのモバイル通信規格、有線LAN規格及び無線LAN規格などのそれぞれに対応する通信インタフェースを含み得る。本実施形態において、第2の通信部41は、第1の電子機器30と無線通信を行う。
【0029】
第2の報知部42は、ユーザに対して情報を報知する。第2の報知部42は、画像を表示するディスプレイを含んで構成されてよい。ディスプレイは、液晶ディスプレイ又は有機ELパネルなどであってよい。ディスプレイは、入力機能を備えるタッチパネルディスプレイであってよい。第2の報知部42は、音を出力するスピーカーを備えてよい。
図5に示すように、例えば燃料電池11の停止の開始から所定期間が経過した場合に、第2の報知部42は燃料電池11の再起動を促すメッセージを表示してよい。また、第2の報知部42は警告音を発してよい。
【0030】
第2の制御部43は、第1の電子機器30から伝送される燃料電池11の停止状態に関する情報に基づいて、第2の通信部41及び第2の報知部42の動作を制御する。また、第2の制御部43は、データ通信、音声通話などの携帯通信端末としての機能を実現するために、第2の電子機器40の全体を制御する。
【0031】
図6は、燃料電池装置10の制御部15が実行する処理を説明するためのフローチャートである。
【0032】
制御部15は、燃料電池11の状態を判定し、燃料電池11が停止中であれば(ステップS1のYes)、第1の電子機器30に燃料電池11が停止中であることを示す表示をさせる(ステップS2)。制御部15は、燃料電池11の停止の開始から燃料電池11が再起動するまで、ユーザの在宅又は外出に関係なく、第1の電子機器30に停止中の表示を報知させてよい。ここで、制御部15は、燃料電池11が動作中であれば、ユーザへの報知の処理を特に行わない(ステップS1のNo)。
【0033】
続いて、燃料電池11が再起動されたかどうかを確認する(ステップS3)。制御部15は、燃料電池11が再起動した場合に(ステップS3のYes)、一連の処理を終了する。制御部15は、燃料電池11が再起動しない場合に(ステップS3のNo)、ステップS4の処理に進む。ここで、このステップS3の判定は、例えば燃料電池11が停止してから1日以内とすることができる。
【0034】
続いて、制御部15は、第1の電子機器30へのユーザ操作がある場合に(ステップS4のYes)、第1の電子機器30に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させる(ステップS5)。ユーザは、例えば警告音によって燃料電池11の停止に気付いた場合に、第1の電子機器30の設定画面で燃料電池11を再起動させてよい。制御部15は、燃料電池11が再起動した場合に(ステップS6のYes)、一連の処理を終了する。
【0035】
制御部15は、第1の電子機器30へのユーザ操作がない場合(ステップS4のNo)又は燃料電池11が再起動しない場合に(ステップS6のNo)、ステップS7の処理に進む。
【0036】
制御部15は、燃料電池11の停止が開始してから所定期間が経過していなければ(ステップS7のNo)、ステップS4の処理に戻る。ここで、所定期間は一例として1週間であるが、これに限定されない。
【0037】
制御部15は、燃料電池11の停止が開始してから所定期間が経過した場合に(ステップS7のYes)、第2の電子機器40が登録されているかを判定する(ステップS8)。制御部15は、第2の電子機器40が登録されていなければ(ステップS8のNo)、一連の処理を終了する。
【0038】
制御部15は、第2の電子機器40が登録されている場合に(ステップS8のYes)、第2の電子機器40への情報伝送を第1の電子機器30に実行させる(ステップS9)。第2の電子機器40は、第1の電子機器30から伝送された情報に基づいて、例えば燃料電池11の再起動を促すメッセージを表示する(
図5参照)。ユーザは、例えば第2の電子機器40のメッセージによって燃料電池11の停止に気付いた場合に、在宅時に第1の電子機器30の設定画面で燃料電池11を再起動させてよい。また、ユーザは、遠隔操作が可能である場合に、第2の電子機器40を使って第1の電子機器30を操作することによって、燃料電池11を再起動させてよい。
【0039】
制御部15は、燃料電池11が再起動した場合に(ステップS10のYes)、一連の処理を終了する。制御部15は、燃料電池11が再起動しない場合に(ステップS10のNo)、第2の電子機器40への情報伝送が所定回数に達したかを判定する(ステップS11)。ここで、所定回数は一例として3回であるが、これに限定されない。
【0040】
制御部15は、第2の電子機器40への情報伝送が所定回数に達していれば(ステップS11のYes)、一連の処理を終了する。制御部15は、第2の電子機器40への情報伝送が所定回数に達していない場合に(ステップS11のNo)、ステップS9の処理に戻る。つまり、制御部15は、第2の電子機器40への情報伝送を第1の電子機器30に再び実行させる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る燃料電池装置10は、上記の構成によって、ユーザの意図しない燃料電池11の停止状態を回避できる。燃料電池11が停止していると、ユーザはCO2(二酸化炭素)の削減、一次エネルギー削減、電気代削減などの発電システム1の利点及び利益を十分に享受することができない。本実施形態に係る燃料電池装置10は、ユーザのこのような不利益を回避させることができる。
【0042】
また、本実施形態に係る燃料電池装置10は、第2の電子機器40への情報伝送を第1の電子機器30に実行させることによって、ユーザが第1の電子機器30における報知に気付かない場合及び第1の電子機器30の近くにいない場合であっても、燃料電池11の停止状態をユーザに報知することが可能である。そのため、ユーザに燃料電池11の再起動を促し、燃料電池11の停止状態を回避する効果を高めることができる。
【0043】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0044】
例えば、制御部15は、第2の電子機器40への情報伝送を、燃料電池11の停止の開始から所定期間が経過することだけでなく、燃料電池11の再起動による利益に基づいて実行させてよい。つまり、制御部15は、燃料電池11の再起動による利益を計算し、所定期間が経過した場合であって、かつ、利益があると判定する場合に、第2の電子機器40への情報伝送を、第1の電子機器30に実行させてよい。利益の計算は、例えば電力会社から供給される電力価格、温水を出湯させる時間などに基づいて実行されてよい。制御部15は、計算した利益が閾値を超える場合に利益があると判定してよい。閾値は、例えば1000円などの固定の値であってよいし、季節などによって変動する値であってよい。例えば、第2の電子機器40が報知するメッセージに計算された利益を含めることによって、ユーザに対してさらに燃料電池11の再起動を促すことができる。
【0045】
例えば、制御部15は、第1の電子機器30へのユーザ操作がある場合に、第1の電子機器30に警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知させるにあたり、燃料電池11の再起動による利益に基づいて実行させてよい。
【0046】
例えば、制御部15は、第2の電子機器40への情報伝送を繰り返す場合に、情報伝送の間隔を変更させてよい。例えば、制御部15は、1回目と2回目の情報伝送の時間間隔よりも、2回目と3回目の情報伝送の時間間隔を短くさせてよい。また、制御部15は、季節などによって第2の電子機器40への情報伝送の間隔を変更させてよい。例えば冬季の方が、夏季よりも温水を出湯させることが多いため、燃料電池11の停止によるユーザの不利益が大きい。そのため、制御部15は、冬季に第2の電子機器40への情報伝送を繰り返す場合に、夏季よりも短い時間間隔で再伝送させてよい。
【符号の説明】
【0047】
1 発電システム
10 燃料電池装置
11 燃料電池
12 熱交換器
13 循環路
14 流路
15 制御部
16 改質水タンク
17 改質水ポンプ
18 熱媒タンク
19 熱媒ポンプ
20 供給路
21 給湯路
30 第1の電子機器
31 第1の通信部
32 第1の報知部
33 第1の制御部
40 第2の電子機器
41 第2の通信部
42 第2の報知部
43 第2の制御部
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
ユーザへ報知を行い、前記ユーザの操作によって前記燃料電池の排熱を利用した温水を出湯させる第1の電子機器と、を備え、
前記第1の電子機器は、前記燃料電池が停止中の場合に、前記第1の電子機器に停止中である旨の表示を報知し、該報知後において前記燃料電池の再起動がされていない場合であって、前記ユーザが前記第1の電子機器を操作した場合に、前記第1の電子機器は、警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知する、発電システム。
【請求項2】
燃料電池と、
ユーザへ報知を行い、前記ユーザの操作によって前記燃料電池の排熱を利用した温水を出湯させる第1の電子機器と、を備え、
前記第1の電子機器は、前記燃料電池が停止中の場合に、前記第1の電子機器に停止中である旨の表示を報知し、該報知後において前記燃料電池の再起動がされていない場合であって、前記ユーザが前記第1の電子機器を操作した場合に、前記第1の電子機器は、再度燃料電池が停止中であることを示す表示を報知する、発電システム。
【請求項3】
報知部と、
通信部と、を備え、
前記通信部は、燃料電池装置と通信可能であり、
前記報知部は、前記燃料電池装置における燃料電池が停止中の場合に、停止中である旨の表示を報知し、前記報知部は、該報知後において前記燃料電池の再起動がされていない場合であって、ユーザが電子機器を操作した場合に、前記報知部は、警告音及び警告表示の少なくとも1つを報知する、電子機器。
【請求項4】
報知部と、
通信部と、を備え、
前記通信部は、燃料電池装置と通信可能であり、
前記報知部は、前記燃料電池装置における燃料電池が停止中の場合に、停止中である旨の表示を報知し、前記報知部は、該報知後において前記燃料電池の再起動がされていない場合であって、ユーザが電子機器を操作した場合に、再度前記燃料電池が停止中であることを示す表示を報知する、電子機器。
【請求項5】
前記第1の電子機器は、屋内に設置される給湯リモコンである、請求項1又は2に記載の発電システム。
【請求項6】
前記電子機器は、屋内に設置される給湯リモコンである、請求項3又は4に記載の電子機器。