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特開2024-133313改質ユニット、燃料電池モジュール及び燃料電池装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133313
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】改質ユニット、燃料電池モジュール及び燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240920BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20240920BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20240920BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/0612
H01M8/04014
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115102
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2020161469の分割
【原出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】内 一隆
(57)【要約】
【課題】セルスタックの温度ムラを抑制できる改質ユニット、燃料電池モジュール及び燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料電池セルスタック900の上方に離間して配置される改質ユニット100であって、燃料電池セルスタック900から排出されるオフガスを燃焼する燃焼部400と、燃焼部400の上方に配置されて、原料ガスを含む混合ガスを改質することによって、燃料電池セルスタック900に供給される水素を含む改質ガスを生成する改質部300と、燃焼部400及び改質部300を収容するハウジング110と、を備え、燃料電池セルスタック900とハウジング110の幅方向(y軸方向)及び長さ方向(x軸方向)の少なくとも一方の外寸が同一である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池セルスタックの上方に離間して配置される改質ユニットであって、
前記燃料電池セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部と、
燃焼部の上方に配置されて、原料ガスを含む混合ガスを改質することによって、前記燃料電池セルスタックに供給される水素を含む改質ガスを生成する改質部と、
前記燃焼部及び前記改質部を収容するハウジングと、
水蒸気を生成し前記改質部に供給する気化部と、を備え、
前記燃料電池セルスタックと前記気化部の幅方向及び長さ方向の少なくとも一方の外寸、又は、前記ハウジングと前記気化部の幅方向及び長さ方向の少なくとも一方の外寸が同一である、改質ユニット。
【請求項2】
前記ハウジングに供給される酸化剤ガスの外部からの導入口が長さ方向にある、請求項1に記載の改質ユニット。
【請求項3】
前記燃料電池セルスタックと前記ハウジングの幅方向及び長さ方向の外寸が同一である、請求項1又は2に記載の改質ユニット。
【請求項4】
前記ハウジングは、幅方向の外寸と長さ方向の外寸とが同一である、請求項1から3のいずれか一項に記載の改質ユニット。
【請求項5】
前記改質部は、前記原料ガスと霧化された水とが混合された前記混合ガスが供給される、請求項1から4のいずれか一項に記載の改質ユニット。
【請求項6】
前記改質部は、
鉛直方向から平面視したときに穴が設けられた形状であって、
前記混合ガスの流路である混合ガス導管と第1位置で接続され、
前記改質ガスの流路である改質ガス供給路と、前記第1位置に近接する第2位置で接続され、
前記改質部における前記第1位置から前記第2位置までの流路は、前記穴を周回するように設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の改質ユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の改質ユニットを備える、燃料電池モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料電池モジュールを備える、燃料電池装置。
【請求項9】
燃料電池セルスタックの上方に離間して配置される改質ユニットであって、
前記燃料電池セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部と、
燃焼部の上方に配置されて、原料ガスを含む混合ガスを改質することによって、前記燃料電池セルスタックに供給される水素を含む改質ガスを生成する改質部と、
前記燃焼部及び前記改質部を収容するハウジングと、を備え、
前記燃料電池セルスタックと前記ハウジングの幅方向及び長さ方向の少なくとも一方の外寸が同一であり、
前記改質部は、
鉛直方向から平面視したときに穴が設けられた形状であって、
前記混合ガスの流路である混合ガス導管と第1位置で接続され、
前記改質ガスの流路である改質ガス供給路と、前記第1位置に近接する第2位置で接続され、
前記改質部における前記第1位置から前記第2位置までの流路は、前記穴を周回するように設けられる、改質ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改質ユニット、燃料電池モジュール及び燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池に改質ガスを供給するための改質ユニットは、一般に、主な構成として、燃料電池のオフガスを燃焼する燃焼部、原料ガスと水蒸気の混合ガスから改質ガスを生成する改質部を有する。改質ユニットは、改質部と接続され、水を気化させる気化部をさらに有することがある。改質ユニットは、例えば燃焼部、改質部、気化部がこの順に積み重なって構成される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-91619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、改質ユニットの大きさ及び形状が、発電効率を含む燃料電池の動作性能に影響することが知られてきている。その原因の一つとして、改質ユニットの大きさ及び形状によっては、改質ユニットのハウジングからの輻射熱が不均一に燃料電池のセルスタックに伝わり、セルスタックに温度ムラを生じさせるためと考えられている。
【0005】
上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、セルスタックの温度ムラを抑制できる改質ユニット、燃料電池モジュール及び燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本開示の一実施形態に係る改質ユニットは、
燃料電池セルスタックの上方に離間して配置される改質ユニットであって、
前記燃料電池セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部と、
燃焼部の上方に配置されて、原料ガスを含む混合ガスを改質することによって、前記燃料電池セルスタックに供給される水素を含む改質ガスを生成する改質部と、
前記燃焼部及び前記改質部を収容するハウジングと、を備え、
前記燃料電池セルスタックと前記ハウジングの幅方向及び長さ方向の少なくとも一方の外寸が同一である。
【0007】
本開示の一実施形態に係る燃料電池モジュールは、上記の改質ユニットを備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る燃料電池装置は、上記の燃料電池モジュールを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、セルスタックの温度ムラを抑制できる改質ユニット、燃料電池モジュール及び燃料電池装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る改質ユニットを備える燃料電池モジュールの概略図である。
図2図2は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部及び燃焼部の平面図である。
図3図3は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部及び燃焼部の平面図である。
図4図4は、一実施形態に係る改質ユニットを備える燃料電池モジュールの概略図である。
図5図5は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部及び燃焼部の平面図である。
図6図6は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部の平面図である。
図7図7は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部の平面図である。
図8図8は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部の平面図である。
図9図9は、一実施形態に係る改質ユニットを備える燃料電池モジュールの概略図である。
図10図10は、一実施形態に係る改質ユニットで用いられる改質部及び燃焼部の平面図である。
図11図11は、一実施形態に係る改質ユニットを備える燃料電池モジュールの概略図である。
図12図12は、図11の燃料電池モジュールの側面図である。
図13図13は、図11の燃料電池モジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る改質ユニット100を備える燃料電池モジュール10の概略図である。燃料電池モジュール10は、燃料電池装置を構成するモジュールである。燃料電池モジュール10は、燃料電池モジュール10を動作させるための他の装置(例えばポンプ類及びセンサ類)とともに、燃料電池装置を構成し得る。図1の例において、燃料電池モジュール10は、改質ユニット100と、燃料電池セルスタック900と、を備える。ただし、燃料電池モジュール10の構成はこれに限定されない。
【0012】
改質ユニット100は、燃焼部400と、改質部300と、ハウジング110と、を備える。ただし、改質ユニット100の構成要素はこれらに限定されない。本実施形態において、改質ユニット100はさらに気化部200を備える。
【0013】
ここで、図1に示すように、改質ユニット100の向きに対応する直交座標が設定される。z軸方向は、改質ユニット100において、燃焼部400と改質部300とが積層される方向である。x軸方向は、燃焼部400、改質部300及び燃料電池セルスタック900の長さ方向に対応する。また、y軸方向は、燃焼部400、改質部300及び燃料電池セルスタック900の幅方向(換言すると奥行き方向)に対応する。以下において、z軸方向は、鉛直方向又は積層方向と称されることがある。上方はz軸正方向を意味する。下方はz軸負方向を意味する。x軸方向は長さ方向と称されることがある。また、y軸方向は幅方向と称されることがある。この直行座標は、図2以降の図面においても適宜用いられる。この直交座標の軸又は平面を用いて、位置関係を説明することがある。
【0014】
燃焼部400は、燃料電池セルスタック900から排出されるオフガスを燃焼する。燃焼部400はバーナーとも称される。オフガスは、燃料電池セルスタック900において反応しなかった水素を含むガスである。燃焼部400には、オフガス供給路440を通じて燃料電池セルスタック900から排出されたオフガスが供給される。燃焼部400は、オフガスに点火するために、例えば着火ヒータのような点火装置610を備える。
【0015】
改質部300は、原料ガスを含む混合ガスを改質することによって、燃料電池セルスタック900に供給される改質ガスを生成する。改質部300は改質触媒を収容し、改質触媒によって混合ガスを改質して、水素を含む改質ガスを生成する。ここで、原料ガスは、例えば炭化水素を含む天然ガス、LPG(Liquid Petroleum Gas)などの気体燃料であり得る。図1の例において、混合ガスは、原料ガスの他に、気化部200で水が気化して生じた水蒸気を含む。混合ガスは、混合ガス導管230を通って改質部300に供給される。また、改質ガスは、改質ガス供給路330を通って燃料電池セルスタック900に供給される。ここで、改質触媒は特定のものに限定されず、一般的に知られているものを用いることができる。また、改質部300の外形は特定のものに限定されず、例えば円形、楕円形、矩形などであり得る。
【0016】
ここで、改質部300において混合ガス導管230が接続される位置は、改質部300の上方の面の端部近傍であってよい。そして、混合ガス導管230は屈曲せずに延在してよい。このように改質部300と混合ガス導管230とが接続されることによって、改質ユニット100の構造が簡便になり、製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0017】
ハウジング110は、燃焼部400及び改質部300を収容する。図1の例において、改質部300が燃焼部400の上方に配置されており、ハウジング110はこれらを覆っている。ハウジング110の内部において、改質部300と燃焼部400とは一端が揃うように配置されてよい。別の例として、ハウジング110は、さらに気化部200及び混合ガス導管230を覆ってよい。
【0018】
ハウジング110には、燃料電池モジュール10の外部から酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガスは酸素を含有するガスであって、例えば空気であってよい。供給された酸化剤ガスは、ハウジング110の内部を通って、ハウジング110の下部に接続された酸化剤ガス導入路150を経由して、燃料電池セルスタック900に供給される。
【0019】
ハウジング110の内部を流れる間に、酸化剤ガスはハウジング110内の熱と熱交換されて温度が上昇した状態で燃料電池セルスタック900に供給される。ハウジング110は、オフガスの燃焼で生じた排ガスとの熱交換が効率的に行われるように、排ガスが誘導される区画(排ガス誘導室)と隣接する位置に、酸化剤ガスが流入する区画(酸化剤ガス室)を備えてよい。
【0020】
ハウジング110は、燃焼部400におけるオフガスの燃焼で生じた排ガスを排出する。ここで、ハウジング110は、排ガスが効率的に改質部300と熱交換できるように、改質部300の近くに上記の排ガス誘導室を備えてよい。例えば、改質部300に穴320が設けられる場合に(図5参照)、排ガス誘導室は改質部300の上方に設けられてよい。そして、排ガス誘導室の上方に隣接して酸化剤ガス室が設けられてよい。このとき、排ガスは、改質部300の穴を通って改質部300と熱交換する。そして、排ガスは、流入した排ガス誘導室において酸化剤ガス室の酸化剤ガスにも伝熱して、その後に燃料電池モジュール10の外部に排出される。
【0021】
ハウジング110の内部の温度は、熱電対620によってモニタリングされてよい。正確なモニタリングのために、熱電対620は点火装置610の近傍に設けられてよい。
【0022】
気化部200は水蒸気を生成し、水蒸気と原料ガスとを含む混合ガスを改質部300に供給する。図1の例において、気化部200はハウジング110の上方に設けられている。気化部200は、例えば電気ヒータを備え、電気ヒータによって加熱された混合ガスを改質部300に供給してよい。
【0023】
気化部200は、水・ガス供給管220が接続されており、水・ガス供給管220を介して燃料電池モジュール10の外部から水及び原料ガスを取得する。水・ガス供給管220は、多重管の形態で気化部200に接続されてよいし、水供給管とガス供給管とがそれぞれ別個に気化部200に接続されてよい。例えば多重管の場合に、中心軸に円筒状の水供給管が配置され、水供給管を取り囲むように円筒状のガス供給管が配置されてよい。供給された水は気化部200で熱せられて一部が水蒸気となる。気化部200は、水蒸気と原料ガスとの混合を促進するため、アルミナなどを原料とするセラミックスのボールなどが充填された混合層を備えてよい。
【0024】
図1に示すように、改質ユニット100は、燃料電池セルスタック900の上方に離間して配置される。図1に示すように、燃料電池モジュール10は、改質ユニット100及び燃料電池セルスタック900を、断熱材910によって一体的に覆って構成される。図1の例において、燃料電池セルスタック900は平板型であって、露出した燃料電池セルスタック900を改質ユニット100とともに断熱材910で保護している。ここで、燃料電池セルスタック900は例えば円筒型、円筒平板型などの別の形状であってよいが、露出して用いることができず、例えば容器に収容される必要がある。そのため、小型化の観点から、燃料電池セルスタック900は平板型であることが好ましい。
【0025】
図2は、図1の改質ユニット100で用いられる改質部300及び燃焼部400の平面図である。図2の平面図は、xy平面に平行な面の図であって、ハウジング110を含む改質部300及び燃焼部400の長さ方向の外寸Lxと、幅方向の外寸Lyとが示されている。また、これらに対応する燃料電池セルスタック900の外寸も示されている。図2に示すように、本実施形態において、燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸は同一である。
【0026】
燃料電池セルスタック900の上方に改質ユニット100を配置する場合に、燃料電池セルスタック900の上方の表面は、燃焼部400を含むハウジング110からの輻射熱を受ける。従来の改質ユニット100は、改質部300と燃焼部400との大きさ及び形状が大きく異なることが多い。従来の改質ユニット100では、例えば燃焼部400からの排ガスと改質部300との熱交換などについて長さ方向及び幅方向の偏りが生じたり、ハウジング110の形状がいびつになったりし得る。そのため、ハウジング110からの輻射熱についても場所による偏りがあり、燃料電池の動作性能を低下させることがある。
【0027】
本実施形態において、燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸は同一である。そのため、燃料電池セルスタック900の上方の表面は、ハウジング110からの輻射熱をほぼ均等に受けて温度ムラが生じにくい。つまり、本実施形態に係る改質ユニット100は、燃料電池セルスタック900の温度ムラを抑制して、燃料電池の動作性能の低下を抑制することができる。
【0028】
ここで、露出して用いられる平板型の燃料電池セルスタック900は、特に輻射熱の影響を受けやすい。そのため、本実施形態に係る改質ユニット100は、平板型の燃料電池セルスタック900とともに燃料電池モジュール10を構成する場合に、特に好適である。また、上記のように、燃料電池モジュール10は断熱材910によって覆って構成される。本実施形態において、燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸は同一であるため、従来技術のようにハウジング110の凹凸に合わせた特殊な形状の断熱材910を使用する必要がない。つまり、燃料電池モジュール10の断熱材910は、平板の断熱部材を組み合わせて構成され得る。そのため、燃料電池モジュール10の製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0029】
燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸が完全に同一であることが好ましいが、輻射熱がほぼ均等である限り、完全同一でなくてよい。例えば、燃料電池セルスタック900とハウジング110とで、長さ方向及び幅方向のそれぞれの外寸に5%の違いが生じても、従来技術に比べて温度ムラを抑制する効果があると考えられる。本開示において、同一は、完全同一に限定されない。例えば5%以内の外寸の違いがあっても、同一の範囲に含まれる。
【0030】
また、燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸が同一であることが好ましいが、長さ方向及び幅方向の少なくとも一方の外寸が同一であればよい。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る改質ユニット100は、以下に説明するように構成される。ただし、第1実施形態と同じ構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成が以下に説明される。
【0032】
図3は、本実施形態に係る改質ユニット100で用いられる改質部300及び燃焼部400の平面図である。本実施形態において、ハウジング110は、長さ方向の外寸と幅方向の外寸とが同一である。つまり、ハウジング110を含む改質部300及び燃焼部400について、長さ方向の外寸Lxyは幅方向の外寸Lxyと同じである。そして、燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸は同一である。つまり、燃料電池セルスタック900は長さ方向及び幅方向において外寸Lxyを有する。
【0033】
ここで、燃料電池セルスタック900及びハウジング110について、長さ方向の外寸と幅方向の外寸とが完全に同一でなくてよい。つまり、鉛直方向(z軸方向)から平面視したときに、燃料電池セルスタック900及びハウジング110の形状が、完全な正方形でなくても、略正方形であればよい。
【0034】
本実施形態に係る改質ユニット100は、第1実施形態と同様の効果に加えて、幅方向と長さ方向の外寸が同一であることによって、燃料電池を組み立てる場合に配置の自由度が高い燃料電池モジュール10を実現できるという効果を有する。
【0035】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る改質ユニット100は、以下に説明するように構成される。ただし、第1実施形態と同じ構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成が以下に説明される。
【0036】
図4は、本実施形態に係る改質ユニット100を備える燃料電池モジュール10の概略図である。本実施形態に係る改質ユニット100は気化部200を備えない。そして、改質部300は、混合ガス導管231を介して、燃料電池モジュール10の外部から原料ガスと霧化された水とが混合された混合ガスが供給される。ここで、霧化された水は、ハウジング110の内部の熱で水蒸気となる程度に微小粒子化された水である。本実施形態において、改質部300は、気化部200で生成される水蒸気でなく、微小粒子化された水がハウジング110の内部で気化した水蒸気を用いる。
【0037】
本実施形態に係る改質ユニット100は、第1実施形態と同様の効果に加えて、一般にサイズが大きい気化部200を省略することによって、さらに小型の燃料電池モジュール10を実現できるという効果を有する。ここで、本実施形態に係る改質ユニット100は、第2実施形態と同様に、さらに幅方向と長さ方向の外寸を同一とすることも可能である。
【0038】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る改質ユニット100は、以下に説明するように構成される。ただし、第2実施形態と同じ構成については説明を省略し、第2実施形態と異なる構成が以下に説明される。
【0039】
図5は、本実施形態に係る改質ユニット100で用いられる改質部300及び燃焼部400の平面図である。改質部300は、鉛直方向から平面視したときに、穴320が空いたドーナツ型の形状を有する。穴320は改質部300の中央部分に設けられてよい。また、燃焼部400は、改質部300の穴320に対応する位置に、少なくとも酸化剤ガス導入路150を通すための穴を有してよい。
【0040】
図5に示すように、改質部300から延びる改質ガス供給路330は、燃焼部400の側を通って、燃料電池セルスタック900の改質ガス供給用のマニホールドに接続される。また、燃料電池セルスタック900の改質ガス排出用のマニホールドから延びる改質ガス排出路331が、燃焼部400の側を通ってよい。このとき、改質ガス供給路330及び改質ガス排出路331は、燃焼部400の1つの辺の近くにあってよい。
【0041】
また、酸化剤ガス導入路150とともに、酸化剤ガス排出路151が燃焼部400の穴を通ってよい。ここで、酸化剤ガス導入路150及び酸化剤ガス排出路151に接続される燃料電池セルスタック900のマニホールドは、燃料電池セルスタック900の1つの辺に沿って設けられてよい。つまり、酸化剤ガス導入用のマニホールド及び酸化剤ガス排出用のマニホールドは、燃料電池セルスタック900の中心部分に設けられる必要がない。この場合に、酸化剤ガス導入路150及び酸化剤ガス排出路151は、改質ユニット100と燃料電池セルスタック900との間の空間において屈曲する形状であってよい。
【0042】
また、燃料電池セルスタック900は、鉛直方向から平面視したときに、正方形と異なる形状であってよい。図5に示すように、燃料電池セルスタック900は、幅方向及び長さ方向の最大の距離がハウジング110と同じであれば、角を斜めにカットしたり、一部の辺に切り欠きがあったりする形状であり得る。
【0043】
本実施形態に係る改質ユニット100は、形状が一致しない部分もあるが、燃料電池セルスタック900とハウジング110の長さ方向及び幅方向の外寸が同一であるため、従来技術に比べて、燃料電池セルスタック900の温度ムラを抑制することができる。また、本実施形態に係る改質ユニット100は、長さ方向と幅方向の外寸が同一であることによって、燃料電池を組み立てる場合に配置の自由度が高い燃料電池モジュール10を実現できる。
【0044】
また、本実施形態に係る改質ユニット100は、図6に示すように、気化部200を改質部300の穴320の部分に配置することができる。このような構成によって、本実施形態に係る改質ユニット100は、さらに小型の燃料電池モジュール10を実現できる。
【0045】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る改質ユニット100は、以下に説明するように構成される。ただし、第4実施形態と同じ構成については説明を省略し、第4実施形態と異なる構成が以下に説明される。
【0046】
図7は、第5実施形態に係る改質ユニット100で用いられる改質部300の平面図である。改質部300は、鉛直方向から平面視したときに穴320が設けられた形状であって、混合ガスの流路である混合ガス導管230と第1位置で接続され、改質ガスの流路である改質ガス供給路330と第2位置で接続される。ここで、第2位置は第1位置に近接するが、最も近い経路において仕切り部310が設けられている。仕切り部310は、例えば改質部300を部分的に切断する空間である。そのため、改質部300における第1位置から第2位置までの流路は、穴320を周回するように設けられる。改質部300において、仕切り部310が設けられることによって、第1位置から第2位置への流路を長くすることができ、改質部300における改質効率を高めることができる。
【0047】
本実施形態に係る改質ユニット100は、第4実施形態と同様の効果に加えて、改質部300が上記の構成を有することによって、小型でありながら改質効率を高めることができる。
【0048】
また、本実施形態に係る改質ユニット100は、図8に示すように、気化部200を改質部300の第1位置の部分に配置することができる。このとき、混合ガス導管230に代えて、水・ガス供給管220が第1位置で接続される。改質部300が気化部200を第1位置の部分に配置する場合に、図9に示すように、改質ユニット100は、オフガスを燃料電池モジュール10の外部にある熱交換器920に供給してよい。熱交換器920は、燃料電池モジュール10の側面に設置されてよい。また、熱交換器920にオフガスを供給する供給路441は、流路に燃焼触媒が配置されていてよい。
【0049】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る改質ユニット100は、以下に説明するように構成される。ただし、第2実施形態と同じ構成については説明を省略し、第2実施形態と異なる構成が以下に説明される。
【0050】
図10は、第6実施形態に係る改質ユニット100で用いられる改質部300及び燃焼部400の平面図である。改質ユニット100は、燃焼部400及び改質部300を収容するハウジング110が円筒形であってよい。このとき、ハウジング110の直径は、燃料電池セルスタック900の外寸と同一である。
【0051】
本実施形態に係る改質ユニット100は、燃料電池セルスタック900とハウジング110の形状が異なるが、ハウジング110の直径が燃料電池セルスタック900の外寸と同一であるため、従来技術に比べて、燃料電池セルスタック900の温度ムラを抑制することができる。また、本実施形態に係る改質ユニット100は、幅方向と長さ方向の外寸が同一であることによって、燃料電池を組み立てる場合に配置の自由度が高い燃料電池モジュール10を実現できる。
【0052】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る改質ユニット100は、以下に説明するように構成される。ただし、第1実施形態と同じ構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成が以下に説明される。
【0053】
図11は、本実施形態に係る改質ユニット100を備える燃料電池モジュール10の概略図である。図12は、図11の燃料電池モジュール10の側面図である。図13は、図11の燃料電池モジュール10の平面図である。図11図13に示すように、本実施形態に係る改質ユニット100は、気化部200を改質部300に一体化した構成を有する。
【0054】
本実施形態において、燃焼部400は、酸化剤オフガス燃焼部400Aと、改質オフガス燃焼部400Bと、で構成される。燃料電池セルスタック900から排出される酸化剤オフガス(酸化剤ガスを主に含むオフガス)は、オフガス供給路440を通って、酸化剤オフガス燃焼部400Aに供給される。また、燃料電池セルスタック900から排出される改質オフガス(改質ガスを主に含むオフガス)は、改質ガス排出路331を通って、改質オフガス燃焼部400Bに供給される。また、酸化剤ガス流路120が、ハウジング110の内壁に沿って設けられている。また、バスバー930は、燃料電池セルスタック900に接続され、燃料電池セルスタック900において発電された電力を取り出すのに用いられる。
【0055】
本実施形態に係る改質ユニット100は、第1実施形態と同様の効果に加えて、気化部200を改質部300に一体化することによって、さらに小型の燃料電池モジュール10を実現できるという効果を有する。ここで、本実施形態に係る改質ユニット100は、第2実施形態と同様に、さらに幅方向と長さ方向の外寸を同一とすることも可能である。
【0056】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0057】
10 燃料電池モジュール
100 改質ユニット
110 ハウジング
120 酸化剤ガス流路
150 酸化剤ガス導入路
151 酸化剤ガス排出路
200 気化部
220 水・ガス供給管
230 混合ガス導管
231 混合ガス導管
300 改質部
310 仕切り部
320 穴
330 改質ガス供給路
331 改質ガス排出路
400 燃焼部
400A 酸化剤オフガス燃焼部
400B 改質オフガス燃焼部
440 オフガス供給路
441 供給路
610 点火装置
620 熱電対
900 燃料電池セルスタック
910 断熱材
920 熱交換器
930 バスバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池セルスタックの上方に離間して配置される改質ユニットであって、
前記燃料電池セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部と、
燃焼部の上方に配置されて、原料ガスを含む混合ガスを改質することによって、前記燃料電池セルスタックに供給される水素を含む改質ガスを生成する改質部と、
前記燃焼部及び前記改質部を収容するハウジングと、を備え、
前記燃料電池セルスタックと前記ハウジングの幅方向及び長さ方向の外寸が同一である、改質ユニット。
【請求項2】
前記ハウジングは、幅方向の外寸と長さ方向の外寸とが同一である、請求項に記載の改質ユニット。
【請求項3】
前記改質部は、前記原料ガスと霧化された水とが混合された前記混合ガスが供給される、請求項1又は2に記載の改質ユニット。
【請求項4】
前記改質部は、
鉛直方向から平面視したときに穴が設けられた形状であって、
前記混合ガスの流路である混合ガス導管と第1位置で接続され、
前記改質ガスの流路である改質ガス供給路と、前記第1位置に近接する第2位置で接続され、
前記改質部における前記第1位置から前記第2位置までの流路は、前記穴を周回するように設けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の改質ユニット。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載の改質ユニットを備える、燃料電池モジュール。
【請求項6】
請求項に記載の燃料電池モジュールを備える、燃料電池装置。