(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133325
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】眼内レンズインジェクタ用の折りたたみデバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 2/16 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115767
(22)【出願日】2024-07-19
(62)【分割の表示】P 2021533835の分割
【原出願日】2019-12-13
(31)【優先権主張番号】62/781,709
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】インホイ ウー
(57)【要約】
【課題】眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスを改良する。
【解決手段】眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイス、及びIOL又はその構成要素を折りたたむ方法が開示される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形折りたたみ用本体を含む眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスであって、
IOLを収容するように適合された中央区画であって、前記IOLは、
第1支持部と、
第2支持部と、
第1縁部と第2縁部とを含む基部と、を含む、中央区画と、
前記折りたたみ用本体の前記中央区画の上に配置される第1の回転可能なカバーであって、前記第1の回転可能なカバーは、第1スロットと第2スロットと第3スロットと第4スロットとを含む、第1の回転可能なカバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第1レバーであって、前記第1レバーは、前記第1スロット内に延びる第1ペグと第1枢着部とを含み、前記第1レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第1ペグが、前記第1スロットと摺動的に相互作用し、前記第1枢着部を中心に前記第1レバーを回転させ、前記IOLの前記第1支持部に接触し、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1レバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第2レバーであって、前記第2レバーは、前記第2スロット内に延びる第2ペグと第2枢着部とを含み、前記第2レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第2ペグが、前記第2スロットと摺動的に相互作用し、前記第2枢着部を中心に前記第2レバーを回転させ、前記IOLの前記第2支持部に接触し、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2レバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第3レバーであって、前記第3レバーは、前記第3スロット内に延びる第3ペグと第3枢着部とを含み、前記第3レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第3ペグが、前記第3スロットと摺動的に相互作用し、前記第3枢着部を中心に前記第3レバーを回転させ、前記IOLの前記第1縁部に接触し、前記IOLの前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3レバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第4レバーであって、前記第4レバーは、前記第4スロット内に延びる第4ペグと第4枢着部とを含み、前記第4レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第4ペグが、前記第4スロットと摺動的に相互作用し、前記第4枢着部を中心に前記第4レバーを回転させ、前記IOLの前記第2縁部に接触し、前記IOLの前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4レバーと、
を含む、眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイス。
【請求項2】
前記折りたたみ用本体の下に配置されており、前記折りたたみ用本体の近位端から前記折りたたみ用本体の遠位端まで延びる送達チャネルを更に含み、前記送達チャネルは、送達するための送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されており、IOLインジェクタの本体及びノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている、請求項1に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項3】
前記中央区画内に配置された前記IOLを更に含む、請求項1に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項4】
前記IOLは、前記基部内に配置された光学部品を更に含む、請求項3に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項5】
前記第1の回転可能なカバーの上方に配置されており、前記第1の回転可能なカバーに結合されている第2の回転可能なカバーを更に含む、請求項4に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項6】
眼内レンズ(IOL)インジェクタであって、
インジェクタ本体と、
前記インジェクタ本体の遠位端上に配置される中空内部を有するノズルと、
前記インジェクタ本体内で往復運動するように、及び前記IOLインジェクタ内に配置されたIOLに接触し、前記IOLインジェクタ内に配置されたIOLに力を加えるように適合されたプランジャであって、前記IOLは、
第1支持部と、
第2支持部と、
第1縁部と第2縁部とを含む基部と、
を含む、プランジャと、
折りたたみ用本体であって、
前記IOLを収容するように適合された中央区画と、
前記折りたたみ用本体内に配置された第1レバーであって、前記第1レバーは、前記IOLの前記第1支持部に接触し、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1レバーと、
前記折りたたみ用本体内に配置された第2レバーであって、前記第2レバーは、前記IOLの前記第2支持部に接触し、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2レバーと、
前記折りたたみ用本体内に配置された第3レバーであって、前記第3レバーは、前記IOL基部の前記第1縁部に接触し、前記IOL基部の前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3レバーと、
前記折りたたみ用本体内に配置された第4レバーであって、前記第4レバーは、前記IOL基部の前記第2縁部に接触し、前記IOL基部の前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4レバーと、を含む、折りたたみ用本体と、を含む、眼内レンズ(IOL)インジェクタ。
【請求項7】
前記折りたたみ用本体は、
第1スロットを含む第1側部と、
前記第1側部の反対側に配置されており、第2スロットを含む第2側部と、
前記第1スロット内に配置され、前記第1スロットを通って水平に延びる第1側部アクチュエータであって、前記第1側部アクチュエータは、
手動力の印加用に適合された第1側部アクチュエータ接触面と、
前記折りたたみ用本体の前記第1側部上の前記第1スロットを通って水平に延びる第1リンクであって、前記第1リンクは、前記第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第1レバーに回転自在に結合されており、前記第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第1レバーを水平に回転させ、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1リンクと、
前記折りたたみ用本体の前記第1側部上の前記第1スロットを通って水平に延びる第3リンクであって、前記第3リンクは、前記第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第3レバーに係合し、前記第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第3レバーを垂直に回転させ、前記IOLの前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3リンクと、を含む、第1側部アクチュエータと、
前記第2スロット内に配置され、前記第2スロットを通って水平に延びる第2側部アクチュエータであって、前記第2側部アクチュエータは、
手動力の印加用に適合された第2側部アクチュエータ接触面と、
前記折りたたみ用本体の前記第2側部上の前記第2スロットを通って水平に延びる第2リンクであって、前記第2リンクは、前記第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第2レバーに回転自在に結合されており、前記第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第2レバーを水平に回転させ、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2リンクと、
前記折りたたみ用本体の前記第2側部上の前記第2スロットを通って水平に延びる第4リンクであって、前記第4リンクは、前記第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第4レバーに係合し、前記第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第4レバーを垂直に回転させ、前記IOLの前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4リンクと、を含む、第2側部アクチュエータと、を更に含む、請求項6に記載のIOLインジェクタ。
【請求項8】
前記第1リンク及び前記第2リンクは、前記第3リンク及び前記第4リンクが前記第3レバー及び前記第4レバーに係合する前に、前記第1レバー及び前記第2レバーを回転させる、請求項7に記載のIOLインジェクタ。
【請求項9】
前記第1側部アクチュエータと前記第2側部アクチュエータは、手動力を同時に印加するように適合されている、請求項7に記載のIOLインジェクタ。
【請求項10】
前記折りたたみ用本体は、円形折りたたみ用本体であり、前記折りたたみ用本体の前記中央区画の上に配置される第1の回転可能なカバーを更に含み、前記第1の回転可能なカバーは、第1スロットと第2スロットと第3スロットと第4スロットとを含み、
前記第1レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第1スロット内に延びる第1ペグと第1枢着部とを含み、前記第1レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第1ペグが、前記第1スロットと摺動的に相互作用し、前記第1枢着部を中心に前記第1レバーを回転させ、前記IOLの前記第1支持部に接触し、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されており、
前記第2レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第2スロット内に延びる第2ペグと第2枢着部とを含み、前記第2レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第2ペグが、前記第2スロットと摺動的に相互作用し、前記第2枢着部を中心に前記第2レバーを回転させ、前記IOLの前記第2支持部に接触し、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されており、
前記第3レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第3スロット内に延びる第3ペグと第3枢着部とを含み、前記第3レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第3ペグが、前記第3スロットと摺動的に相互作用し、前記第3枢着部を中心に前記第3レバーを回転させ、前記IOLの前記第1縁部に接触し、前記IOLの前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されており、
前記第4レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第4スロット内に延びる第4ペグと第4枢着部とを含み、前記第4レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第4ペグが、前記第4スロットと摺動的に相互作用し、前記第4枢着部を中心に前記第4レバーを回転させ、前記IOLの前記第2縁部に接触し、前記IOLの前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、請求項6に記載のIOLインジェクタ。
【請求項11】
前記円形折りたたみ用本体は、第2の回転可能なカバーを更に含み、前記第2の回転可能なカバーは、前記第1の回転可能なカバーの上方に配置され、前記第1の回転可能なカバーに結合されている、請求項10に記載のIOLインジェクタ。
【請求項12】
前記インジェクタ本体は、送達チャネルを更に含み、前記送達チャネルは、前記折りたたみ用本体の下に配置されており、前記折りたたみ用本体の近位端から前記折りたたみ用本体の遠位端まで延び、前記送達チャネルは、送達するための送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されており、前記インジェクタ本体及びノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている、請求項11に記載のIOLインジェクタ。
【請求項13】
前記中央区画内に配置された前記IOLを更に含む、請求項11に記載のIOLインジェクタ。
【請求項14】
前記IOLは、前記基部内に配置された光学部品を更に含む、請求項13に記載のIOLインジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼内レンズインジェクタのためのシステム、装置、及び方法に関し、特に、眼内レンズを患者の眼内に送達する前に折りたたむためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の眼は、最も簡潔には、角膜と呼ばれる外側の透明部分を通して光を透過及び屈折し、更に、水晶体を介して眼の奥の網膜上に結像することによって視覚を与えるように機能する。結ばれる像の質は、眼の大きさ、形状、及び長さ、並びに角膜及び水晶体の形状及び透明度を含む多くの因子に依存する。外傷、加齢、又は疾患が原因で水晶体の透明度が低下すると、網膜に伝達され得る光が減少することにより視力が衰える。眼の水晶体のこの欠陥は、医学的には白内障として知られている。この状態の治療は、水晶体の外科的除去と人工眼内レンズ(「IOL」(intraocular lens))の埋め込みである。
【0003】
白内障の水晶体の多くは、超音波水晶体乳化吸引術と呼ばれる外科的手法によって除去される。この処置中に、眼の前嚢に開口部を作り、罹患した水晶体に超音波水晶体乳化吸引切除チップを挿入し、超音波振動させる。振動する切除チップによって水晶体を液化又は乳化し、水晶体を眼から吸引することができる。罹患した水晶体は除去されると、IOLに置換される。
【0004】
IOLは、小さな切開、時として、罹患した水晶体を除去するために使用したものと同じ切開を通して眼に射出することができる。IOLを眼内に送達するためにIOLインジェクタが使用され得る。眼に作る切開の大きさを最小限にし、それにより患者の回復時間を減少させるために、IOLは、IOLインジェクタを使用して、埋め込みのためのより小さな形態に折りたたまれ得る又は巻かれ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本開示は、眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスに関する。IOL折りたたみデバイスは、折りたたみ用本体を含み、折りたたみ用本体は、第1スロットを有する第1側部と、第1側部の反対側に配置されており、第2スロットを有する第2側部とを有する。折りたたみ用本体はまた、IOLを収容するように適合された中央区画を有し、IOLは、第1支持部と、第2支持部と、第1縁部と第2縁部とを有する基部と、を有する。IOL折りたたみデバイスは、折りたたみ用本体内に配置された第1レバーであって、IOLの第1支持部に接触し、IOLの第1支持部に対して力を加えるように適合されている、第1レバーと、折りたたみ用本体内に配置された第2レバーであって、IOLの第2支持部に接触し、IOLの第2支持部に対して力を加えるように適合されている、第2レバーと、折りたたみ用本体内に配置された第3レバーであって、IOL基部の第1縁部に接触し、IOL基部の第1縁部に対して力を加えるように適合されている、第3レバーと、折りたたみ用本体内に配置された第4レバーであって、第4レバーは、IOL基部の第2縁部に接触し、IOL基部の第2縁部に対して力を加えるように適合されている、第4レバーと、を有する。IOL折りたたみデバイスは、第1スロット内に配置され、第1スロットを通って水平に延びる第1側部アクチュエータを有し、第1側部アクチュエータは、手動力の印加用に適合された第1側部アクチュエータ接触面と、折りたたみ用本体の第1側部上のスロットを通って水平に延びる第1リンクであって、第1リンクは、第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、第1レバーに回転自在に結合されており、第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第1レバーを水平に回転させ、IOLの第1支持部に対して、第1支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1リンクと、折りたたみ用本体の第1側部上のスロットを通って水平に延びる第3リンクであって、第3リンクは、第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、第3レバーに係合し、第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第3レバーを垂直に回転させ、IOLの第1縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3リンクと、を含む。IOL折りたたみデバイスはまた、第2スロット内に配置され、第2スロットを通って水平に延びる第2側部アクチュエータを有し、第2側部アクチュエータは、手動力の印加用に適合された第2側部アクチュエータ接触面を含む。IOL折りたたみデバイスはまた、折りたたみ用本体の第2側部上のスロットを通って水平に延びる第2リンクを有し、第2リンクは、第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、第2レバーに回転自在に結合されており、第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第2レバーを水平に回転させ、IOLの第2支持部に対して、第2支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている。IOL折りたたみデバイスはまた、折りたたみ用本体の第2側部上のスロットを通って水平に延びる第3リンクを有し、第3リンクは、第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、第4レバーに係合し、第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第4レバーを垂直に回転させ、IOLの第2縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている。
【0006】
第2の態様によれば、本開示は、眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスに関する。IOL折りたたみデバイスは、IOLを収容するように適合された中央区画を有する円形折りたたみ用本体を含み、IOLは、第1支持部と、第2支持部と、第1縁部と第2縁部とを有する基部と、を有する。円形折りたたみ用本体は、折りたたみ用本体の中央区画の上に配置される回転可能なカバーを有し、回転可能なカバーは、第1スロットと第2スロットと第3スロットと第4スロットとを有する。IOL折りたたみデバイスは、円形折りたたみ用本体内に配置された第1レバーを有し、第1レバーは、第1スロット内に延びる第1ペグと第1枢着部とを含み、第1レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第1ペグが、第1スロットと摺動的に相互作用し、第1枢着部を中心に第1レバーを回転させ、IOLの第1支持部に接触し、IOLの第1支持部に対して、第1支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている。IOL折りたたみデバイスはまた、円形折りたたみ用本体内に配置された第2レバーを有し、第2レバーは、第2スロット内に延びる第2ペグと第2枢着部とを含み、第2レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第2ペグが、第2スロットと摺動的に相互作用し、第2枢着部を中心に第2レバーを回転させ、IOLの第2支持部に接触し、IOLの第2支持部に対して、第2支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている。IOL折りたたみデバイスはまた、円形折りたたみ用本体内に配置された第3レバーを有し、第3レバーは、第3スロット内に延びる第3ペグと第3枢着部とを含み、第3レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第3ペグが、第3スロットと摺動的に相互作用し、第3枢着部を中心に第3レバーを回転させ、IOLの第1縁部に接触し、IOLの第1縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている。IOL折りたたみデバイスはまた、円形折りたたみ用本体内に配置された第4レバーを有し、第4レバーは、第4スロット内に延びる第4ペグと第4枢着部とを含み、第4レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第4ペグが、第4スロットと摺動的に相互作用し、第4枢着部を中心に第4レバーを回転させ、IOLの第2縁部に接触し、IOLの第2縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている。
【0007】
第3の態様によれば、本開示は、眼内レンズ(IOL)インジェクタに関する。IOLインジェクタは、インジェクタ本体と、インジェクタ本体の遠位端上に配置される中空内部を有するノズルと、を有する。IOLインジェクタはまた、インジェクタ本体内で往復運動するように、及びIOLインジェクタ内に配置されたIOLに接触し、IOLインジェクタ内に配置されたIOLに力を加えるように適合されたプランジャを有し、IOLは、第1支持部と、第2支持部と、第1縁部と第2縁部とを有する基部と、を有する。IOLインジェクタはまた、折りたたみ用本体を有する。折りたたみ用本体は、IOLを収容するように適合された中央区画と、折りたたみ用本体内に配置された第1レバーであって、第1レバーは、IOLの第1支持部に接触し、IOLの第1支持部に対して、第1支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1レバーと、折りたたみ用本体内に配置された第2レバーであって、第2レバーは、IOLの第2支持部に接触し、IOLの第2支持部に対して、第2支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2レバーと、折りたたみ用本体内に配置された第3レバーであって、第3レバーは、IOL基部の第1縁部に接触し、IOL基部の第1縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3レバーと、折りたたみ用本体内に配置された第4レバーであって、第4レバーは、IOL基部の第2縁部に接触し、IOL基部の第2縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4レバーと、を有する。
【0008】
各種態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでいてもよい。眼内レンズ折りたたみデバイスは、送達チャネルを含んでもよく、送達チャネルは、折りたたみ用本体の下に配置されており、折りたたみ用本体の近位端から折りたたみ用本体の遠位端まで延び、送達チャネルは、送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されており、IOLインジェクタの本体及びノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている。第1リンク及び第2リンクは、第3リンク及び第4リンクが第3レバー及び第4レバーに係合する前に、第1レバー及び第2レバーを回転させてもよい。眼内レンズ折りたたみデバイスは、中央区画内に配置されたIOLを含んでもよい。IOLは、基部内に配置された光学部品を有してもよい。第1側部アクチュエータと第2側部アクチュエータは、手動力を同時に印加するように適合されていてもよい。眼内レンズ折りたたみデバイスは、第1の回転可能なカバーの上方に配置されており、第1の回転可能なカバーに結合されている第2の回転可能なカバーを含んでもよい。IOLインジェクタにおいては、折りたたみ用本体は、第1スロットを有する第1側部と、第1側部の反対側に配置されており、第2スロットを有する第2側部と、第1スロット内に配置され、第1スロットを通って水平に延びる第1側部アクチュエータと、を含んでいてもよく、第1側部アクチュエータは、手動力の印加用に適合された第1側部アクチュエータ接触面と、折りたたみ用本体の第1側部上のスロットを通って水平に延びる第1リンクであって、第1リンクは、第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、第1レバーに回転自在に結合されており、第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第1レバーを水平に回転させ、IOLの第1支持部に対して、第1支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1リンクと、を含み、折りたたみ用本体は、折りたたみ用本体の第1側部上のスロットを通って水平に延びる第3リンクであって、第3リンクは、第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、第3レバーに係合し、第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第3レバーを垂直に回転させ、IOLの第1縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3リンクを有してもよく、第2スロット内に配置され、第2スロットを通って水平に延びる第2側部アクチュエータであって、第2側部アクチュエータは、手動力の印加用に適合された第2側部アクチュエータ接触面と、折りたたみ用本体の第2側部上のスロットを通って水平に延びる第2リンクであって、第2リンクは、第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、第2レバーに回転自在に結合されており、第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第2レバーを水平に回転させ、IOLの第2支持部に対して、第2支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2リンクと、折りたたみ用本体の第2側部上のスロットを通って水平に延びる第3リンクであって、第3リンクは、第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、第4レバーに係合し、第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して第4レバーを垂直に回転させ、IOLの第2縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3リンクと、を有する。IOLインジェクタにおいては、第1リンク及び第2リンクは、第3リンク及び第4リンクが第3レバー及び第4レバーに係合する前に、第1レバー及び第2レバーを回転させてもよい。IOLインジェクタにおいては、第1側部アクチュエータと第2側部アクチュエータは、手動力を同時に印加するように適合されていてもよい。IOLインジェクタにおいては、折りたたみ用本体は、円形折りたたみ用本体であってもよく、折りたたみ用本体の中央区画の上に配置される回転可能なカバーを有し、回転可能なカバーは、第1スロットと第2スロットと第3スロットと第4スロットとを含み、第1レバーは、円形折りたたみ用本体内に配置されており、第1スロット内に延びる第1ペグと第1枢着部とを含み、第1レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第1ペグが、第1スロットと摺動的に相互作用し、第1枢着部を中心に第1レバーを回転させ、IOLの第1支持部に接触し、IOLの第1支持部に対して、第1支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されており、第2レバーは、円形折りたたみ用本体内に配置されており、第2スロット内に延びる第2ペグと第2枢着部とを含み、第2レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第2ペグが、第2スロットと摺動的に相互作用し、第2枢着部を中心に第2レバーを回転させ、IOLの第2支持部に接触し、IOLの第2支持部に対して、第2支持部をIOLの基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されており、第3レバーは、円形折りたたみ用本体内に配置されており、第3スロット内に延びる第3ペグと第3枢着部とを含み、第3レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第3ペグが、第3スロットと摺動的に相互作用し、第3枢着部を中心に第3レバーを回転させ、IOLの第1縁部に接触し、IOLの第1縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されており、第4レバーは、円形折りたたみ用本体内に配置されており、第4スロット内に延びる第4ペグと第4枢着部とを含み、第4レバーは、回転可能なカバーを回転させると、第4ペグが、第4スロットと摺動的に相互作用し、第4枢着部を中心に第4レバーを回転させ、IOLの第2縁部に接触し、IOLの第2縁部に対して、IOLの基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている。IOLインジェクタにおいては、円形折りたたみ用本体は、第2の回転可能なカバーを含んでもよく、第2の回転可能なカバーは、第1の回転可能なカバーの上方に配置されており、第1の回転可能なカバーに結合されている。IOLインジェクタにおいては、インジェクタ本体は、送達チャネルを有してもよく、送達チャネルは、折りたたみ用本体の下に配置されており、折りたたみ用本体の近位端から折りたたみ用本体の遠位端まで延び、送達チャネルは、送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されており、インジェクタ本体及びノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている。IOLインジェクタにおいては、円形折りたたみ用本体は、中央区画内に配置されたIOLを含んでもよい。円形折りたたみ用本体を有するIOLインジェクタにおいては、IOLは、基部内に配置された光学部品を含んでもよい。
【0009】
本開示をより完全に理解するために、ここで、添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。添付の図面は均一の縮尺でない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2は、例示的な眼内レンズ折りたたみデバイスの斜視図である。
【
図3】
図3は、一部作動させた状態の
図2の眼内レンズ折りたたみデバイスの斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2の眼内レンズ折りたたみデバイスの断面図である。
【
図5】
図5は、別の例示的な眼内レンズ折りたたみデバイスの斜視図である。
【
図6】
図6は、位置合わせガイド及び回転可能なカバーを示す、
図5の眼内レンズ折りたたみデバイスの分解図である。
【
図7】
図7は、例示的な眼内レンズインジェクタの斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7の眼内レンズインジェクタの長手方向断面図である。
【
図9】
図9は、IOLが内部にあり、休止位置に配置されている、IOLインジェクタの遠位端の図である。
【
図10】
図10は、基部と光学部品とを含む例示的な2部品IOLを示す。
【
図11】
図11は、別の例示的な眼内レンズ折りたたみデバイスの斜視図である。
【
図12】
図12は、回転可能な上カバーを有する
図11の例示的な眼内レンズ折りたたみデバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の原理の理解を促す目的のため、ここで図面に示す実装形態を参照し、特定の言語を用いてこれを説明する。それでもやはり、開示の範囲について何ら限定を意図していないことは理解されるであろう。説明するデバイス、機器、方法に対するあらゆる変更及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示に関連する当業者であれば通常想起されるものと十分に考えられる。特に、1つの実装形態に関して説明される特徴、構成要素、及び/又は工程は、本開示の他の実装形態に関して説明される特徴、構成要素、及び/又は工程と組み合わせてもよいと十分に考えられる。
【0012】
IOLの最近の設計は、2つの突出した支持部アームを備える中空基部と、基部内に置かれる光学部品とを含む。この設計は、単一部品IOLに比べてより複雑な折りたたみ挙動を有する。例えば、最も慣習的な単一部品IOLインジェクタは、IOLの光学部品又は支持部の縁部に力を直接加えることによってIOLを前進させる。この手法は、中空基部設計には十分に適応していない。なぜなら、基部の縁部に外力が加えられた場合、基部がつぶれる可能性があるからである。更に、従来、IOLは、鉗子を用いてIOLを拾い上げ、IOLを折りたたみチャンバ内に置くことによりインジェクタ内に手動で装填され、折りたたまれる。この手動工程により、IOL物体の損傷、IOLの装填における使用者の過失、及び工程中に全構成要素を無菌状態に維持することを確実にする上での過失の可能性が生じる。したがって、本開示は、中空基部を有するIOL、及びおそらくは、他の複数部分IOL又は従来の単一部品IOLにも対応し得る折りたたみ機構を提供する。折りたたみ機構は、また、IOLを患者の眼内に埋め込むまで無菌及び無傷の状態に維持することを確実にし得る。
【0013】
本開示は、IOLを折りたたむための、及び折りたたまれたIOLを眼内に送達するためのシステム、装置、並びに方法に関する。
図1は、例示的なIOL10を示す。IOL10は、光学部品20と、前支持部30と、後支持部40とを含む一体型IOLである。支持部30及び支持部40のそれぞれは、自由に延びる端部45を有する。
【0014】
いくつかの実装形態では、IOL10は、一体型IOLであってもよい。即ち、いくつかの実装形態では、IOL10は、
図1に示すように、光学部品20と支持部30及び支持部40とを含んでもよい。いくつかの実装形態では、光学部品20と支持部30及び支持部40は、単一材料片から一体形成されてもよい。他の実装形態では、光学部品20は、1つの材料片から形成されてもよく、支持部30及び支持部40は、別の材料片から形成されてもよく、光学部品20と支持部30及び支持部40は、眼内に送達する前に互いに結合されてもよい。いくつかの場合では、光学部品20と支持部30及び支持部40は、IOLインジェクタに挿入されて、眼内に送達される前に、互いにしっかりと固定されてもよい。
【0015】
他の実装形態では、IOL10は、例えば
図10に示されるように、複数部品IOLであってもよい。例えば、いくつかの実装形態では、IOL10は、2つ以上の別個の構成要素を含んでもよい。
図10は、2つの取り外し可能に取り付けられる構成要素を含む例示的なIOL10である。
図10に示すように、IOL10は、光学部品1060と、支持部1050を含む基部1061とを含む。基部1061は、中空基部であってもよい。光学部品1060と基部1061は、単一のIOLへと互いに結合され、その後、所望であれば、別個の構成要素へと互いに分離されるように適合されている。いくつかの場合では、
図10に示される、例えば2部品IOL10などの複数部品IOLの1つ以上の構成要素は、患者の眼内に別々に射出可能である。眼内に入れられたら、構成要素は、完全なIOLへと組み立てられてもよい。例えば、
図10に示される2部品IOL10の場合、光学部品1060と基部1061は、眼内に別々に射出可能である。射出されたら、光学部品1060は、基部1061に結合され、基部1061上に載るように適合されている。
【0016】
図2は、折りたたみ用本体210を含む例示的な眼内レンズ折りたたみデバイス200の斜視図を示す。折りたたみ用本体210は、第1側部220と、第2側部230と、遠位端211と、近位端212とを含む。第1側部220上のスロット240及び第2側部230上のスロット240内には、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260が配置されている。第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、スロット240を通って折りたたみ用本体210内にに(into to)移動可能である。例えば、いくつかの場合では、
図3に示すように、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、眼内レンズ10を折りたたむために、使用者の指によって移動させてもよい。他の実装形態では、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、例えばカムなどの別個の機構によって作動させてもよい。
【0017】
第1側部アクチュエータ250は、折りたたみ用本体210の第1側部220上のスロット240内に配置され、スロット240を通って水平に延びる。第1側部アクチュエータ250は、第1側部アクチュエータ250を、スロット240を通して折りたたみ用本体210に押し込むために、使用者による手動力の印加用に構成された接触面251を含む。第1側部アクチュエータ250は、折りたたみ用本体210内に回転自在に配置された第1レバー270に係合するように適合された第1リンク252を更に含む。第1側部アクチュエータ250は、第3リンク253も含む。第3リンク253は、折りたたみ用本体210内に配置された第3レバー290に係合するように構成されている。図示される例では、第1側部アクチュエータ250の第1リンク252及び第3リンク253は、折りたたみ用本体の第1側部220を貫通しているスロット240を通って水平に延びる。
【0018】
第2側部アクチュエータ260は、折りたたみ用本体210の第2側部230に形成されたスロット240内に配置され、スロット240を通って水平に延びる。第2側部アクチュエータ260は、第2側部アクチュエータ260を、スロット240を通して折りたたみ用本体210に押し込むために、使用者による手動力の印加用に構成された接触面261を含む。第2側部アクチュエータ260は、折りたたみ用本体210内に回転自在に配置された第2レバー280に係合するように適合された第2リンク262を更に含む。第2側部アクチュエータ260はまた、折りたたみ用本体210内に配置された第4レバー300と係合するように構成された第4リンク263を含む。第2側部アクチュエータ260の各リンクは、折りたたみ用本体210の第2側部230を貫通しているスロット240を通って水平に延びる。
【0019】
図2~
図4に示すように、折りたたみ用本体210は、IOL又はIOL構成要素(区別なく「IOL」10と呼ばれる)を収容するように構成された中央区画215を含む。第1レバー270及び第2レバー280はそれぞれ、折りたたみ用本体210内の、中央区画215の対向する側に配置されている。第1レバー270は、IOL10が折りたたみ用本体210の中央区画215に装填されるとIOL10の支持部に接触する。いくつかの実装形態では、第1レバー270は、IOL10が折りたたみ用本体210の中央区画215に装填されると前支持部30に接触する。第2レバー280もまた、IOL10が折りたたみ用本体210の中央区画215に装填されるとIOL10の支持部に接触する。いくつかの実装形態では、第2レバー280は、IOL10が折りたたみ用本体210の中央区画215に装填されると後支持部40に接触する。
【0020】
図3~
図4に示すように、使用者は、第1側部アクチュエータ250の接触面251に対して矢印80の方向に力を加え、第1側部アクチュエータ250を、スロット240を通して折りたたみ用本体210に押し込むことができる。同様に、使用者は、第2側部アクチュエータ260の接触面261に対して方向90に力を加え、第2側部アクチュエータ260を、スロット240を通して折りたたみ用本体210に押し込むことができる。使用者が第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260を、スロット240を通して押すと、それぞれ、第1側部アクチュエータ250の第1リンク252は第1レバー270に係合し、第2側部アクチュエータ260の第2リンク262は第2レバー280に係合する。第1側部アクチュエータ250の第1リンク252によって係合されると、第1レバー270は、水平面内で垂直軸線271を中心に矢印310の方向に回転する。その結果、第1レバー270は、前支持部30に対して力を加え、前支持部30をIOL10の基部50に押し付ける。
図3~
図6及び
図11~
図12に示されるIOL10は中空基部50を有し、取り付けられた又は一体形成された支持部30及び支持部40を備え、内側部分29及び内側部分31を含む。第2側部アクチュエータ260の第2リンク262によって係合されると、第2レバー280は、第1レバー270と同じ水平面内で垂直軸線273を中心に矢印320の方向に回転する。垂直軸線271と垂直軸線273は、互いに平行であってもよい。その結果、第2レバー280は、後支持部40に対して力を加え、前支持部40を基部50に押し付ける。したがって、支持部30、40を眼内に埋め込むための形態に折りたたむために、支持部30、40は押されて基部50の外縁部に接触する。
【0021】
図2~
図4に示すように、第3レバー290は、第1側部220に隣接して配置され、第4レバー300は、第2側部230に隣接して配置されている。第3レバー290と第4レバー300は、中央区画215の対向する側に、互いに対向して配置されている。IOL10が折りたたみ用本体210の中央区画215内に装填されているとき、非作動状態においては、第3レバー290は、基部50の縁部25に接触しており、第4レバー300は、基部50の縁部27に接触している。使用者が第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260を、スロット240を通して押すと、それぞれ、第1側部アクチュエータ250の第3リンク253は第3レバー290に係合し、第2側部アクチュエータ260の第4リンク263は第4レバー300に係合する。第1側部アクチュエータ250の第3リンク253によって係合されると、第3レバー290は、長手方向軸線291を中心に矢印330の方向に回転して、基部50の縁部25を押し、基部50を送達形態に折りたたむ。第2側部アクチュエータ260の第4リンク263によって係合されると、第4レバー300は、長手方向軸線293を中心に矢印340の方向に回転して、基部50の縁部27を押し、基部50を送達形態に折りたたむ。長手方向軸線291と長手方向軸線293は、互いに平行であってもよい。長手方向エース(longitudinal ace)291及び長手方向エース293のうちの1つ又は両方は、軸線271及び軸線273のうちの1つ又は両方に垂直であってもよい。
【0022】
図4は、眼内レンズ折りたたみデバイス200の断面図である。
図4は、眼内レンズ折りたたみデバイス200の作動の過程で回転されている第3レバー290及び第4レバー300を示す。示されるように、基部50を折りたたむために、それぞれ、第3レバー290は軸線291を中心に方向330に回転し、第4レバー300は軸線293を中心に方向340に回転する。IOL10は、基部50の内側部分29及び内側部分31(
図3及び
図4に示すような)を送達チャネル410に向けて押しながら、基部50の縁部25、27を互いに向けて且つIOL10の中央に向けて押すことにより送達形態に折りたたむことができる。したがって、折りたたまれると、基部50は、縁部25及び縁部27が内側部分29及び内側部分31の上方に、矢印330及び矢印340の方向に変位したU字形を形成する。第1レバー270及び第2レバー280はそれぞれ、折りたたみ用本体210に回転自在に受け入れられたピボットピンを含む。それぞれ、第1レバー270は、ピボットピンを軸にして(on the pivot pin)垂直軸線271を中心に回転し、第2レバー280は、ピボットピンを軸にして垂直軸線273を中心に回転する。それぞれ、第3レバー290は、折りたたみ用本体210にほぼ結合されたピボットピンを軸にして長手方向軸線291を中心に回転し、第4レバー300は、折りたたみ用本体210にほぼ結合されたピボットピンを軸にして長手方向軸線293を中心に回転する。いくつかの実装形態では、使用者による力の印加前に、それぞれ、第1アクチュエータ250の第1リンク252は、第1レバー270に結合されていてもよく、第2アクチュエータ260の第2リンク262は、第2レバー280に結合されていてもよい。いくつかの実装形態では、それぞれ、第1アクチュエータ250の第3リンク253は、第3レバー290に結合されなくてもよく、第2アクチュエータ260の第4リンク263は、第4レバー300に結合されなくてもよい。いくつかの実装形態では、使用者が力を加えて第1アクチュエータ250及び第2アクチュエータ260を折りたたみ用本体210内に押すと、第3リンク253及び第4リンク263が所定の距離を移動するまで、第1アクチュエータ250の第3リンク253は第3レバー290と係合しなくてもよく、第2アクチュエータ260の第4リンク263は第4レバー300と係合しなくてもよい。したがって、いくつかの実装形態では、第3リンク253の内側の端部と第3レバー290との間に、及び第4リンク263の内側の端部と第4レバー300との間に、それぞれ間隙が存在し得る。したがって、第3レバー290及び第4レバー300は、第3リンク253及び第4リンク263が間隙を横断し、それぞれ第3レバー290及び第4レバー300に係合したら、回転し始める。
【0023】
図示される例では、送達チャネル410は、開口部411とは反対側の、折りたたみ用本体210の下方部分に配置されている。送達チャネル410は、折りたたみ用本体210の近位端212から遠位端211に延びる。いくつかの実装形態では、送達チャネル410は、IOLインジェクタの本体内のチャネルと位置合わせされてもよい。送達チャネル410はまた、例えば
図7及び
図8に示されるように、IOLインジェクタの遠位端に配置されたノズルなどの、IOLインジェクタのノズル内の送達チャネルと位置合わせされるように構成され得る。IOL10が送達形態に折りたたまれたら、IOL10は、IOLインジェクタによる眼内への埋め込みのために、送達チャネル410内に押し下げられる。例えば、いくつかの実装形態では、IOLインジェクタのプランジャを前進させて、折りたたまれたIOL10に係合させ、IOL10を、ノズルを通して患者の眼内に前進させてもよい。いくつかの実装形態では、使用者が第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260に力を加えると、第3レバー290及び第4レバー300の回転が生じて、第3レバー290及び第4レバー300はIOL10の上で閉じ、折りたたまれた構成のIOL10を送達チャネル410に押し込む。その結果、ここで、折りたたまれたIOL10は、閉じられた第3レバー290及び第4レバー300と送達チャネル410との間に配置される。
【0024】
使用者による第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260の係合時に、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、第1レバー270及び第2レバー280に即座に係合してもよい。使用者が第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260に係合すると、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、第3レバー290及び第4レバー300にも即座に係合する。
【0025】
いくつかの実装形態では、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、第3レバー290及び第4レバー300に係合する前に、第1レバー270及び第2レバー280に係合してもよい。即ち、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260は、使用者による係合に応じて、スロット240内で、選択された距離を側方に変位し、第1側部アクチュエータ250及び第2側部アクチュエータ260が第3レバー290及び第4レバー30の作動を開始する前に、第1レバー270及び第2レバー270を変位させてもよい。レバーのこの逐次的な作動により、基部50が送達形態に折りたたまれる前に、支持部30、40がIOL10の基部50に押し付けられることを確実にすることができる。
【0026】
IOL10は、使用者に出荷する前に折りたたみデバイス200に予め装填することができ、それにより、使用者が折りたたみデバイス200にIOL10を挿入する必要がなくなる。これにより、IOL10の汚染のリスクを回避し、IOL10が、埋め込み前の折りたたみプロセスの全体を通して無菌状態に維持されることを確実にする。更に、IOL10を予め装填すると、折りたたみデバイス200及び/又はインジェクタに装填中にIOL10が破損する可能性が低下する。
【0027】
いくつかの実装形態では、折りたたみデバイス200は、IOLインジェクタ内に含まれていてもよい。
図7及び
図8に、折りたたみデバイスを含む例示的なIOLインジェクタが示される。
図7及び
図8に示される例示的なIOLインジェクタはまた、単回使用の使い捨てデバイスであってもよい。このようなデバイスは、使用者がIOLを折りたたみ、埋め込むことを、単一の使い捨てデバイスによって可能にする。いくつかの実装形態では、IOLインジェクタは、インジェクタ本体と、インジェクタ本体内を往復運動するように適合されたプランジャと、インジェクタ本体の遠位端に配置されたノズルとを含んでもよい。折りたたみデバイス200は、ノズルの近位端に配置されてもよい。
【0028】
図5及び
図6は、別の例示的な折りたたみデバイス500を示す。折りたたみデバイス500は、IOL10を保持するように適合された中央区画520を有する円形折りたたみ用本体510を含む。上述したように、IOL10は、前支持部30と、後支持部40と、基部50とを含む。第1レバー530と、第2レバー540と、第3レバー550と、第4レバー560とは、折りたたみ用本体510内に配置され、折りたたみ用本体510内で可動である。第1レバー530及び第2レバー540は、第1レバー530及び第2レバー540が、それぞれ、垂直軸線531及び垂直軸線541を中心に枢動可能であるように、折りたたみ用本体510とピン接続されている。第1レバー530及び第2レバー540はそれぞれ、第1部分533及び第2部分535を含み、第1部分533と第2部分535の間には、リビングヒンジ537が配置されている。第1部分533と第2部分535は、リビングヒンジ537を中心に互いに対して枢動可能である。動作時、第1レバー530及び第2レバー540は、ペグ532及びペグ542並びにレバー530及びレバー540の第1部分533の対応する端部がスロット692に沿って直線的に移動すると、折りたたみ用本体510に対して両方のピン接続を中心に、及びまた、内部ではリビングヒンジ537を中心に枢動するように動作可能である。これについては以下で更に詳細に説明する。第3レバー550及び第4レバー560は、それぞれ、スロット551及びスロット561内に配置されており、スロット551及びスロット561内で移動可能である。第3レバー550及び第4レバー560は、それらの内側の端部に配置された壁553を含む。第3レバー550及び第4レバー560の作動中、壁553は、IOLの対向する縁部に係合し、縁部を互いに向けて押すように適合されている。第1レバー530は垂直に延びるペグ532を含み、第2レバー540は垂直に延びるペグ542を含む。第3レバー550及び第4レバー560は、それぞれ、垂直に延びるペグ552及び垂直に延びるペグ562を含む。
【0029】
図5及び
図6に示すように、折りたたみデバイス500は、中央区画520の上に配置される回転可能なカバー610と、折りたたみ用本体510と回転可能なカバー610との間に配置された位置合わせガイド690とを更に含んでもよい。回転可能なカバー610は、第1スロット640及び第2スロット650を含む。位置合わせガイド690は、第3スロット691及び第4スロット692を含む。第1スロット640及び第3スロット691は、第1レバー530及び第1レバー540とともに動作し、第1レバー530及び第2レバー540を作動させる。同様に、第2スロット650及び第4スロット692は、第3レバー550及び第4レバー560とともに動作し、第3レバー550及び第4レバー560を作動させる。回転可能なカバー610は、折りたたみデバイス500を作動させ、IOL10を折りたたむために、矢印620の方向に回転可能である。回転可能なカバー610は、使用者により加えられる力によって回転させることができる。位置合わせガイド690は、折りたたみ用本体510に対して固定されている。したがって、回転可能なカバー610はまた、位置合わせガイド690及び折りたたみ用本体510に対して回転可能である。以下で説明するように、位置合わせガイド690及び回転可能なカバー610は、IOL10を折りたたむために、第1レバー530及び第2レバー540並びに第3レバー550及び第4レバー560ととともに動作する。
【0030】
図5及び
図6に示すように、第1スロット640は、弓形の形態であり、回転可能なカバー610の外周部651に隣接する第1端部を有し、回転可能なカバー610の中心653に向けて角度Aにわたって収束する。第2スロット650は蛇行形の形態である。第2スロット650は、回転可能なカバー610の外周部651に隣接する位置から延び、回転可能なカバー610の中心653に向けて角度Bにわたって収束する。図示される例では、角度A及び角度Bは90°であり、それにより回転可能なカバー610が回転できる量を制限する。しかしながら、他の実装形態では、角度A及び角度Bは、90°超であっても90°未満であってもよい。
【0031】
第1レバー530のペグ532及び第2レバー540のペグ542のそれぞれは、それぞれ、第4スロット640のうちの1つ及び第2スロット450のうちの1つを通って延びる。第3レバー550のペグ552及び第4レバー560のペグ526のそれぞれは、それぞれ、第1スロット640のうちの1つ及び第3スロット691のうちの1つを通って延びる。位置合わせガイド内に形成されたスロット691及びスロット692は、スロット691及びスロット692内に配置されたペグの半径方向の移動を抑制する。特に、図示される例と関連して以下で説明するように、回転可能なカバー610の回転は、ペグ532、ペグ542、ペグ552、及びペグ562を、対応する第3スロット691及び第4スロット692に沿って、折りたたみ用本体の中心に向けて内向きに移動させる。回転可能なカバー610の所与の回転速度に関して、第1スロット640及び第2スロット650は、第1レバー530及び第2レバー540が、位置合わせガイド690内に形成されたそれらの対応するスロット691及びスロット692に沿って第3レバー550及び第4レバー560に対しどのように移動するかと、これらレバーが移動する速度とを定義する。
【0032】
図示される例では、回転可能なカバー610内に形成された第1スロット640及び第2スロット650と、位置合わせガイド690内に形成された第3スロット691及び第4スロット692は、IOL10の対称的な折りたたみを生じさせるように、第1レバー530と第2レバー540の対称的な動作及び第3レバー550と第4レバー560の対称的な動作を生じさせるようなパターンで配置されている。初期状態においては、第1レバー530、第2レバー540、第3レバー550、及び第4レバー560は、折りたたみ用本体の外縁部515に隣接して配置されている。IOL10が折りたたみ用本体510の中央区画520に装填されると、第1レバー530は前支持部30に接触し、第2レバー530は後支持部40に接触する。同様に、IOL10が区画520に装填されることにより、第3レバー550及び第4レバー560は、基部50の対向する縁部25及び縁部27に接触する。
【0033】
回転可能なカバー610が回転すると、第2スロット650は、第3スロット691と一緒に、それぞれ、第1レバー530のペグ532及び第2レバー540のペグ542と相互作用し、ペグ532及びペグ542の両方を、折りたたみ用本体510の中心に向けて内向きに、及びリビングヒンジ537を中心に枢動させ、前支持部30及び後支持部40をIOLの基部50に向けて内側に折りたたむ。第3ペグ552及び第4ペグ562は、第1スロット640及び第3スロット691と相互作用し、第3レバー550及び第4レバー560を、第1スロット640の性質のために第1レバー530及び第2レバー540よりも遅い速度で、折りたたみ用本体510の中心に向けて前進させる。第3レバー550及び第4レバー560が作動されると、IOLの基部50の対向する側部が互いに強制的に近づけられ、IOL10を折りたたむ。
【0034】
折りたたみ中、前支持部30及び後支持部40は、基部50に押し付けるように折りたたまれる。前支持部30及び後支持部40が折りたたまれた状態で、第3レバー550及び第4レバー560を基部50の対向する縁部に押し付け、折りたたまれたIOL10が折りたたみ用本体510内の送達チャネル670に落下するように、基部50と支持部30及び支持部40とを折りたたむ。送達チャネル670内に配置されたら、プランジャを前進させて、折りたたまれたIOL10を折りたたみデバイス500から、例えば、IOLインジェクタのノズルに送り出してもよい。折りたたみデバイス500は、IOL10を送達形態に折りたたむことができる。回転可能なカバー610と位置合わせガイド690の協働スロットによって、回転可能なカバー610の回転運動は、レバー530、レバー540、レバー550、及びレバー560の直線運動に変換される。
【0035】
他の実装形態では、位置合わせガイド690は省略されてもよい。なぜなら、他の実装形態では、折りたたみ用本体510は、レバー530、レバー540、レバー550、及びレバー560がたどる溝を含み得るからである。例えば、
図5では、レバー550及びレバー560は、それぞれ、レバー550及びレバー560の、直線の、半径方向の移動を抑制するスロット551及びスロット561に受け入れられている。同様に、第1レバー530及び第2レバー540の、直線の、半径方向の移動を抑制するためのスロット517及びスロット519が、折りたたみ用本体510内に含まれていてもよい。
【0036】
したがって、使用者が回転可能なカバー610に回転力を加えると、回転可能なカバー610の回転は、レバー530、レバー540、レバー550、及びレバー560のペグ532、ペグ542、ペグ552、及びペグ562と回転可能なカバー610及び位置合わせガイド690内に形成されたスロットとの間の相互作用の結果、直線運動に変換され、レバー530、レバー540、レバー550、及びレバー560がIOL10に力を加え、IOL10を送達形態に折りたたむ。いくつかの実装形態では、第1レバー530及び第2レバー540は、回転可能なカバー610が回転し始めると直ちに内向きに移動し始める。回転可能なカバー610内に形成されたスロット640及びスロット650は、回転可能なカバー610の所与の量の角回転にわたって、第1レバー530及び第2レバー540が内向きに前進するのを遅らせるように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、第3レバー550及び第4レバー560は、回転可能なカバー610が回転し始めると直ちに内向きに移動している(being moving)。他の実装形態では、回転可能なカバー610内に形成されたスロット650、660は、回転可能なカバー610の所与の量の角回転にわたって、第3レバー550及び第4レバー560が内向きに前進するのを遅らせるように構成されてもよい。
【0037】
いくつかの実装形態では、回転可能なカバー610の回転に応じて、第1レバー530及び第2レバー540は、第3レバー550及び第4レバー560に先立って前進する。この逐次的な動きにより、基部20が送達形態に折りたたまれる前に、支持部30、40がIOL10の基部20に押し付けられることを確実にすることができる。
【0038】
上で説明したように、IOL10が送達形態に折りたたまれたら、IOL10は、眼内に埋め込まれる前に、プランジャにより送達チャネル670に沿って押されてもよい。送達チャネル670は、折りたたみ用本体510の近位端から遠位端に延びてもよい。送達チャネル670は、IOLインジェクタの本体内に形成されたチャネルと位置合わせされるように構成されていてもよい。送達チャネル670はまた、IOLインジェクタのノズル内の送達チャネルと位置合わせされるように構成されていてもよい。
【0039】
IOL10が送達形態に折りたたまれたら、IOL10は、眼内に埋め込むために、送達チャネル670内に押し下げられてもよい。いくつかの実装形態では、使用者による回転可能なカバー610の回転時、第3レバー550及び第4レバー560並びに第3レバー550及び第4レバー560は、区画520の中心に向けて集まり、IOL10を折りたたまれた形態に押す。その後、折りたたまれたIOL10は、送達チャネル670内に落下し、例えば、プランジャによって更に前進させる準備ができる。
【0040】
いくつかの実装形態では、IOL10は、折りたたみデバイス500内に予め装填されてもよい。IOL10を予め装填することで、IOL10が、埋め込み前の折りたたみプロセスの全体を通して無菌状態に維持されることを確実にすることができる。更に、IOL10を予め装填すると、折りたたみデバイス及び/又はインジェクタに装填中にIOL10が破損するリスクを低下させることができる。
【0041】
図11~
図12に、別の例示的な折りたたみデバイス1100が示される。折りたたみデバイス1100は、上述の折りたたみデバイス500と同様の手法で動作する。例えば、折りたたみデバイス500と同様に、折りたたみデバイス1100は、IOL10を受け入れるように適合された中心区画1104を画定する折りたたみ用本体1102を含む。送達チャネル1106が中心区画1104の床1108内に形成されている。送達チャネル1106は、折りたたみデバイス1100によって送達形態に折りたたまれたら、折りたたまれたIOLを運ぶように適合されている。
【0042】
折りたたみデバイス1100はまた、2セットのレバー1110及びレバー1112を含む。レバー1110は、第1レバー530及び第2レバー540に類似し、レバー1112は、第3レバー550及び第4レバー560に類似している。この例では、レバー1110及びレバー1112は全て、リビングヒンジ1114を含み、リビングヒンジ1114は、レバー1110及びレバー1112が延びることを可能にする。これは、レバー1110及びレバー1112が中心区画1104の中心に向けて進むにつれて、ヒンジ1114が
図11に示すような初期の折りたたまれた形態からレバーを展開させるからである。レバー1110及びレバー1112のそれぞれは、レバー1110及びレバー1112のそれぞれから垂直に延びるペグ1116を含む。
【0043】
折りたたみデバイス1100はまた、レバー1110のペグ1116を受け入れる第1スロット1118とレバー1112のペグ1116を受け入れる第2スロット1120とを含む回転可能なカバー1117を含む。しかし、折りたたみデバイス1110には、別個の位置合わせガイドがない。むしろ、スロット1122及びスロット1124は、それぞれ、レバー1110及びレバー1112を受け入れる折りたたみ用本体1102内に形成されていてもよい。スロット1122及びスロット1124は、それぞれ、レバー1110及びレバー1112の、直線の、半径方向の移動を抑制する。したがって、位置合わせガイドは省略されてもよい。
【0044】
折りたたみデバイス1100は、折りたたみデバイス500と同様に動作する。レバー1110のペグ1116及びレバー1112のペグ1116は、対応するスロット1118及びスロット1120に受け入れられ、回転可能なカバー1117の、矢印1126の方向のこのような回転により、レバー1110及びレバー1112を対応するスロット1122及びスロット1124に沿って内向きに移動させて、上述の手法に類似する手法でIOL10を折りたたむ。いくつかの実装形態では、スロット1118及びスロット1120は、レバー1110及びレバー1112を逐次的に移動させるように配置されていてもよく、且つそのような形状にされていてもよい。例えば、スロット1118及びスロット1120は、回転可能なカバー1117が矢印1126の方向に回転する際、レバー1110がレバー1112より先に内向きに移動するように構成されていてもよい。レバー1110及びレバー1112の逐次的な移動は、基部50を折りたたむ前に支持部30及び支持部40を基部50上に折りたたむために望ましい場合がある。
【0045】
折りたたみデバイス500は、IOLインジェクタに組み込まれていてもよい。
図7及び
図8に、例示的なIOLインジェクタ710が示される。いくつかの場合では、IOLインジェクタ710は、単回使用又は5回未満の使用後に廃棄可能であってもよい。これにより、使用者がIOLを折りたたみ、埋め込むことを、単一の使い捨てデバイスによって可能にする。
【0046】
図7及び
図8は、インジェクタ本体720と、インジェクタ本体720に形成されたボア740内を往復運動するように適合されたプランジャ730と、インジェクタ本体720の遠位端760に配置されたノズル755とを含む、IOLインジェクタ710の例示的な概略図である。ノズル755は、通路757を画定し、折りたたまれたIOLは、通路757内を前進し、開口部758を通して眼内に送達されてもよい。折りたたみデバイス500の送達チャネル670又は折りたたみデバイス1100の送達チャネル1106であり得る折りたたみデバイス776の送達チャネルは、ボア740及び/又は通路757と位置合わせされてもよい。折りたたみデバイス776は、
図7及び
図8に概略的に示されており、折りたたみデバイス776は、本開示の範囲内の任意の折りたたみデバイスであり得ると理解される。ボア740と、折りたたみデバイス776の送達チャネルと、通路757とは、組み合わされ、インジェクタ本体720の近位端750からインジェクタ本体720の遠位端760まで延びてもよい。プランジャ730は、プランジャ730がボア740内で摺動可能であるように、ボア740内に受け入れられ、ボア740内で移動可能である。特に、プランジャ730は、IOL770などのIOLを折りたたみデバイス776の送達チャネル及びノズル755の通路757内で前進させるために、ボア740内で摺動可能である。
【0047】
IOLインジェクタ710はまた、長手方向軸線775を含む。長手方向軸線775は、プランジャ730に沿って延び、プランジャ730の長手方向軸線を画定し得る。折りたたみデバイス776は、IOL770を眼内に挿入する前に収容するように動作可能な保管区画780を含んでもよい。いくつかの場合では、折りたたみデバイス776は、保管区画780へのアクセスを提供するための扉790を含んでもよい。扉790は、区画780を開くために扉790がヒンジ800を中心に枢動され得るように、ヒンジ800を含んでもよい。他の実装形態では、折りたたみデバイス776は、IOLを取り付けるための扉を排除してもよい。このような例では、IOLは、折りたたみデバイス776の組み立て時に折りたたみデバイス776に組み込まれてもよい。したがって、このような例では、IOLインジェクタ710は予装填式のIOLインジェクタであろう。
【0048】
インジェクタ本体720はまた、インジェクタ本体720の近位端750に形成されたタブ810を含んでもよい。タブ810は、ボア740内でプランジャ730を前進させるために、眼科医又は他の医療専門家など、使用者の指で操作されてもよい。プランジャ730は、本体部分900と、本体部分900から遠位に延びるプランジャロッド910と、プランジャロッド910の遠位端に形成されており、例えば、IOLインジェクタ710の折りたたみデバイス776のIOL保管区画780内に配置されている折りたたまれたIOLに接触するように適合されたプランジャチップ920とを含んでもよい。プランジャ730がボア740内で矢印778の方向に遠位に変位されると、プランジャ730は、区画780内に収容されたIOL770などの折りたたまれたIOLに係合し、前進させる。
【0049】
患者は、時折、IOLの交換を必要とする場合があり、IOLを交換する手順により眼の損傷がもたらされる可能性がある。2部品IOLの使用により、例えば、交換手順に光学部品の交換のみを含むことができ、基部を眼内の所定の位置に留めることを可能にする。
【0050】
上で説明したように、いくつかの実装形態では、IOL10は、例えば
図10に示されるように、2部品IOLであってもよい。IOL10は、患者の眼内に別々に射出される基部1061と光学部品1060とを含む。したがって、2部品IOLに関しては、基部1061と光学部品1060は、眼内に挿入するために別個のIOLインジェクタ内に収容されてもよい。他の実装形態では、2部品IOLの2つの構成要素は、単一のIOLインジェクタを使用して眼内に別々に挿入されてもよい。例えば、
図3~
図6及び
図11~
図12に示すように、IOL10は、基部50と支持部30及び支持部40とを含んでもよく、支持部30及び支持部40は、光学部品と別々に挿入することができ、中空基部内に置かれる。単一部品IOL(例えば
図1に示されるような)に関しては、光学部品20と支持部30及び支持部40とが単一のIOLを形成し、単一IOLインジェクタの使用によって、単一ユニットとして眼内に挿入可能である。
【0051】
したがって、いくつかの実装形態では、使用者は、例えば、扉を介してアクセスされるIOLインジェクタのIOL保管区画内にIOLを装填することによって、例えば、IOLインジェクタ内に一体型IOLを配置することができる。いくつかの実装形態では、IOLは、IOLインジェクタへの取り付け前に、圧縮された又は折りたたまれた構成へと手動で折りたたまれてもよい。
【0052】
2部品IOLの場合、いくつかの実装形態では、使用者は、基部(基部1061又は基部50に類似し得る)を、例えば扉を介してIOLインジェクタのIOL保管区画内に装填してもよい。光学部品(光学部品1060に類似し得る)は、例えば扉を介して別個のIOLインジェクタのIOL保管区画に導入されてもよい。いくつかの場合では、IOL保管区画は、扉790に類似する扉を通してアクセスされてもよい。いくつかの実装形態では、基部及び光学部品の1つ又は両方は、IOLインジェクタへの取り付け前に、圧縮された又は折りたたまれた構成へと手動で折りたたまれてもよい。
【0053】
いくつかの実装形態では、IOLは、例えば、製造中に、又はそうでなければ最終使用者への流通前に、IOLインジェクタの保管区画に予め装填されてもよい。したがって、一体型IOLに関しては、一体型IOLは、最終使用者が受け取る前に、IOLインジェクタの保管区画に予め装填されていてもよい。2部品IOLに関しては、基部は、1つのIOLインジェクタの保管区画に予め装填されていてもよく、光学部品は、別のIOLインジェクタのIOL保管区画に予め装填されていてもよい。本明細書で使用する場合、「予め装填される」という用語は、一体型構成であるか複数部品構成(例えば、2部品構成を含む)であるかを問わず、IOLが使用者によってIOLインジェクタに装填されるのではなく、むしろ、IOLがIOLインジェクタ内に前もって取り付けられており、IOLインジェクタが使用者により受け取られるときには既にIOLインジェクタ内に収容されていることを意味する。IOLインジェクタは、使用者によって受け取られる時には、無菌包装内に包装されていてもよい。
【0054】
当業者には理解されるように、IOLインジェクタに予め装填されるIOLは、使用者によって行われるIOLインジェクタへのIOLの手動での取り付け及び折りたたみに比べると利点を有する。例えば、IOLの手動での取り付け及び折りたたみにより、過失の機会が増えるおそれがあり、元々複雑な手順の最中に不必要な二次的操作又は補正を生じさせる可能性がある。IOLの手動での取り付け及び折りたたみはまた、人的エラー又は乏しい無菌技術などによって、IOLの汚染の可能性を導入するおそれがある。IOLの汚染は、患者の無菌環境を損ない、患者に感染又は他の危害のリスクを及ぼすおそれがある。
【0055】
図9は、IOL770が内部で休止位置777にあるIOLインジェクタの遠位端760の図を示す。
図9の休止位置777は、
図8に示される休止位置777に対応し得る。
図9に示すように、IOLの休止位置は、IOL770の光学部品450の遠位縁部が境
界部1900と実質的に位置合わせされる場所と定義され得る。支持部440又はその一部分は、境界部1900を越えて延びてもよい。
【0056】
本明細書に記載されており、本開示の範囲内のIOL折りたたみデバイスの各種実装形態は、複数部品IOLのIOL基部及び/若しくはIOL光学部品を折りたたむように構成され得る、又は単一部品IOLを折りたたむように構成され得る。IOL折りたたみデバイスの各種実装形態及び本明細書に記載される関連方法は、IOL折りたたみデバイスに使用者により手動で装填される又は使用者により送達される前にIOL折りたたみデバイスに予め装填されている、IOL基部及び/又は光学部品において使用され得る。
【0057】
本明細書に記載されるIOL折りたたみデバイスと共に使用するように適合され得るIOLインジェクタの非限定的な例としては、そのそれぞれの開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,156,854号明細書及び米国特許出願公開第2016/0256316号明細書に記載されているものが挙げられる。
【0058】
本開示は、2部品IOLを含む複数部品眼内レンズの構成要素の折りたたみデバイスを開示する。折りたたみデバイスは、複数部品IOLの折りたたまれた構成要素を埋め込むための眼内レンズインジェクタに結合されてもよい。IOLは、送達中、基部、光学部品、又は基部/光学部品アセンブリを送達形態に折りたたむために、使用者による作動動作を使用して折りたたまれてもよい。いくつかの実装形態では、リングの外縁部に対して支持部を押し付け、保持することによって、最初に、前光学部品及び後光学部品が送達形態及び位置に置かれる。その後、リングが、埋め込みのために眼内に前進させるための送達形態に折りたたまれる。
【0059】
いくつかの実装形態では、眼内レンズ折りたたみデバイスは、折りたたみ用本体を含んでもよく、第1側部アクチュエータが折りたたみ用本体内に配置され、折りたたみ用本体の第1側部上のスロットを通って水平に延びてもよい。第2側部アクチュエータは、折りたたみ用本体の第2側部上のスロット内に配置され、このスロットを通って水平に延びてもよい。折りたたみ用本体の中央区画は、IOLを収容するように構成されていてもよい。折りたたみ用本体内で、第1レバー及び第2レバーは、IOLの支持部に接触するように配置されており、使用者が第1側部アクチュエータ及び第2側部アクチュエータに力を入力すると、アクチュエータは、第1レバー及び第2レバーと係合し、レバーを回転させ、支持部に対して、支持部を基部に押し付けるための力を生成する。折りたたみ用本体は、IOLの基部に接触するように適合された第3レバー及び第4レバーを更に含んでもよい。使用者が第1の側部アクチュエータ及び第2側部アクチュエータに力を入力すると、アクチュエータは、第3レバー及び第4レバーと係合し、レバーを回転させ、基部に対して、送達のための送達形態に基部を折りたたむための力を生成する。
【0060】
別の実装形態では、眼内レンズ折りたたみデバイスは、IOLを収容するように構成された中央区画を含む円形折りたたみ用本体を含んでもよい。回転可能なカバーが、中央区画の上に配置されてもよい。折りたたみ用本体内で、第1レバーは、支持部に接触することができ、カバー内の第1スロットを通って垂直に延びるペグを有してもよい。第2レバーは、反対側の支持部に接触してもよく、カバー内の第2スロットを通って垂直に延びるペグを有してもよい。使用者がカバーに回転力を加えると、カバーは、ペグ並びに対応する第1レバー及び第2レバーを、支持部を基部に押し付けるための力を支持部に対して加えるように案内する。折りたたみ用本体は、第3レバー及び第4レバーを更に含んでもよい。第3レバー及び第4レバーのそれぞれは、それぞれ、カバー内の第3スロット及び第4スロットを通って垂直に延びるペグを有してもよい。カバーが使用者によって回転されると、カバーは、ペグ並びに第3レバー及び第4レバーを、送達のための送達形態に基部を折りたたむための力を基部に対して加えるように案内する。
【0061】
本明細書に開示される折りたたみデバイスは、IOLとIOLを折りたたむ使用者との間の直接接触を回避する。なぜなら、折りたたみデバイスは機械的リンク機構を用いてIOL物体の折りたたみを完了するからである。機械的リンク機構を使用すると、折りたたみエラーのリスクが低下すると共に、IOLの折りたたみ及び射出の全体を通して、折りたたみデバイスの構成要素及び折りたたみデバイス内に収容されたIOLに対する汚染導入のリスクが低下する。
【0062】
本開示は、多数の例を提供しているが、本開示の範囲はそのように限定されるものではない。むしろ、前述の開示においては、広範な修正、変更、及び置換が考えられる。このような変形が、本開示の範囲から逸脱することなく、前述のものに対してなされてもよいことは言うまでもない。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
円形折りたたみ用本体を含む眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスであって、
IOLを収容するように適合された中央区画であって、前記IOLは、
第1支持部と、
第2支持部と、
第1縁部と第2縁部とを含む基部と、
を含む、中央区画と、
前記折りたたみ用本体の前記中央区画の上に配置される第1の回転可能なカバーであって、前記第1の回転可能なカバーは、第1スロットと第2スロットと第3スロットと第4スロットとを含む、第1の回転可能なカバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第1レバーであって、前記第1レバーは、前記第1スロット内に延びる第1ペグと第1枢着部とを含み、前記第1レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第1ペグが、前記第1スロットと摺動的に相互作用し、前記第1枢着部を中心に前記第1レバーを回転させ、前記IOLの前記第1支持部に接触し、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1レバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第2レバーであって、前記第2レバーは、前記第2スロット内に延びる第2ペグと第2枢着部とを含み、前記第2レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第2ペグが、前記第2スロットと摺動的に相互作用し、前記第2枢着部を中心に前記第2レバーを回転させ、前記IOLの前記第2支持部に接触し、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2レバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第3レバーであって、前記第3レバーは、前記第3スロット内に延びる第3ペグと第3枢着部とを含み、前記第3レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第3ペグが、前記第3スロットと摺動的に相互作用し、前記第3枢着部を中心に前記第3レバーを回転させ、前記IOLの前記第1縁部に接触し、前記IOLの前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3レバーと、
前記円形折りたたみ用本体内に配置された第4レバーであって、前記第4レバーは、前記第4スロット内に延びる第4ペグと第4枢着部とを含み、前記第4レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第4ペグが、前記第4スロットと摺動的に相互作用し、前記第4枢着部を中心に前記第4レバーを回転させ、前記IOLの前記第2縁部に接触し、前記IOLの前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4レバーと、を含む、眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスである。
第2の態様は、
前記折りたたみ用本体の下に配置されており、前記折りたたみ用本体の近位端から前記折りたたみ用本体の遠位端まで延びる送達チャネルを更に含み、前記送達チャネルは、送達するための送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されており、IOLインジェクタの本体及びノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている、第1の態様におけるIOL折りたたみデバイスである。
第3の態様は、
前記中央区画内に配置された前記IOLを更に含む、第1の態様におけるIOL折りたたみデバイスである。
第4の態様は、
前記IOLは、前記基部内に配置された光学部品を更に含む、第3の態様におけるIOL折りたたみデバイスである。
第5の態様は、
前記第1の回転可能なカバーの上方に配置されており、前記第1の回転可能なカバーに結合されている第2の回転可能なカバーを更に含む、第4の態様におけるIOL折りたたみデバイスである。
第6の態様は、
眼内レンズ(IOL)インジェクタであって、
インジェクタ本体と、
前記インジェクタ本体の遠位端上に配置される中空内部を有するノズルと、
前記インジェクタ本体内で往復運動するように、及び前記IOLインジェクタ内に配置されたIOLに接触し、前記IOLインジェクタ内に配置されたIOLに力を加えるように適合されたプランジャであって、前記IOLは、
第1支持部と、
第2支持部と、
第1縁部と第2縁部とを含む基部と、
を含む、プランジャと、
折りたたみ用本体であって、
前記IOLを収容するように適合された中央区画と、
前記折りたたみ用本体内に配置された第1レバーであって、前記第1レバーは、前記IOLの前記第1支持部に接触し、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1レバーと、
前記折りたたみ用本体内に配置された第2レバーであって、前記第2レバーは、前記IOLの前記第2支持部に接触し、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2レバーと、
前記折りたたみ用本体内に配置された第3レバーであって、前記第3レバーは、前記IOL基部の前記第1縁部に接触し、前記IOL基部の前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3レバーと、
前記折りたたみ用本体内に配置された第4レバーであって、前記第4レバーは、前記IOL基部の前記第2縁部に接触し、前記IOL基部の前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4レバーと、を含む、折りたたみ用本体と、を含む、眼内レンズ(IOL)インジェクタである。
第7の態様は、
前記折りたたみ用本体は、
第1スロットを含む第1側部と、
前記第1側部の反対側に配置されており、第2スロットを含む第2側部と、
前記第1スロット内に配置され、前記第1スロットを通って水平に延びる第1側部アクチュエータであって、前記第1側部アクチュエータは、
手動力の印加用に適合された第1側部アクチュエータ接触面と、
前記折りたたみ用本体の前記第1側部上の前記第1スロットを通って水平に延びる第1リンクであって、前記第1リンクは、前記第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第1レバーに回転自在に結合されており、前記第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第1レバーを水平に回転させ、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第1リンクと、
前記折りたたみ用本体の前記第1側部上の前記第1スロットを通って水平に延びる第3リンクであって、前記第3リンクは、前記第1側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第3レバーに係合し、前記第1アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第3レバーを垂直に回転させ、前記IOLの前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第3リンクと、を含む、第1側部アクチュエータと、
前記第2スロット内に配置され、前記第2スロットを通って水平に延びる第2側部アクチュエータであって、前記第2側部アクチュエータは、
手動力の印加用に適合された第2側部アクチュエータ接触面と、
前記折りたたみ用本体の前記第2側部上の前記第2スロットを通って水平に延びる第2リンクであって、前記第2リンクは、前記第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第2レバーに回転自在に結合されており、前記第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第2レバーを水平に回転させ、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されている、第2リンクと、
前記折りたたみ用本体の前記第2側部上の前記第2スロットを通って水平に延びる第4リンクであって、前記第4リンクは、前記第2側部アクチュエータ接触面と隣接し、前記第4レバーに係合し、前記第2アクチュエータ接触面に対する手動力の印加に応答して前記第4レバーを垂直に回転させ、前記IOLの前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、第4リンクと、を含む、第2側部アクチュエータと、を更に含む、第6の態様におけるIOLインジェクタである。
第8の態様は、
前記第1リンク及び前記第2リンクは、前記第3リンク及び前記第4リンクが前記第3レバー及び前記第4レバーに係合する前に、前記第1レバー及び前記第2レバーを回転させる、第7の態様におけるIOLインジェクタである。
第9の態様は、
前記第1側部アクチュエータと前記第2側部アクチュエータは、手動力を同時に印加するように適合されている、第7の態様におけるIOLインジェクタである。
第10の態様は、
前記折りたたみ用本体は、円形折りたたみ用本体であり、前記折りたたみ用本体の前記中央区画の上に配置される第1の回転可能なカバーを更に含み、前記第1の回転可能なカバーは、第1スロットと第2スロットと第3スロットと第4スロットとを含み、
前記第1レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第1スロット内に延びる第1ペグと第1枢着部とを含み、前記第1レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第1ペグが、前記第1スロットと摺動的に相互作用し、前記第1枢着部を中心に前記第1レバーを回転させ、前記IOLの前記第1支持部に接触し、前記IOLの前記第1支持部に対して、前記第1支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されており、
前記第2レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第2スロット内に延びる第2ペグと第2枢着部とを含み、前記第2レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第2ペグが、前記第2スロットと摺動的に相互作用し、前記第2枢着部を中心に前記第2レバーを回転させ、前記IOLの前記第2支持部に接触し、前記IOLの前記第2支持部に対して、前記第2支持部を前記IOLの前記基部に押し付けるために十分な力を加えるように適合されており、
前記第3レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第3スロット内に延びる第3ペグと第3枢着部とを含み、前記第3レバーは、前記回転可能なカバーを回転させると、前記第3ペグが、前記第3スロットと摺動的に相互作用し、前記第3枢着部を中心に前記第3レバーを回転させ、前記IOLの前記第1縁部に接触し、前記IOLの前記第1縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されており、
前記第4レバーは、前記円形折りたたみ用本体内に配置されており、前記第4スロット内に延びる第4ペグと第4枢着部とを含み、前記第4レバーは、前記第1の回転可能なカバーを回転させると、前記第4ペグが、前記第4スロットと摺動的に相互作用し、前記第4枢着部を中心に前記第4レバーを回転させ、前記IOLの前記第2縁部に接触し、前記IOLの前記第2縁部に対して、前記IOLの前記基部を折りたたむために十分な力を加えるように適合されている、
第6の態様におけるIOLインジェクタである。
第11の態様は、
前記円形折りたたみ用本体は、第2の回転可能なカバーを更に含み、前記第2の回転可能なカバーは、前記第1の回転可能なカバーの上方に配置され、前記第1の回転可能なカバーに結合されている、第10の態様におけるIOLインジェクタである。
第12の態様は、
前記インジェクタ本体は、送達チャネルを更に含み、前記送達チャネルは、前記折りたたみ用本体の下に配置されており、前記折りたたみ用本体の近位端から前記折りたたみ用本体の遠位端まで延び、前記送達チャネルは、送達するための送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されており、前記インジェクタ本体及びノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている、第11の態様におけるIOLインジェクタである。
第13の態様は、
前記中央区画内に配置された前記IOLを更に含む、第11の態様におけるIOLインジェクタである。
第14の態様は、
前記IOLは、前記基部内に配置された光学部品を更に含む、第13の態様におけるIOLインジェクタである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスであって、
前記眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイスは、
折りたたみ用本体であって、
前記折りたたみ用本体は、
IOLを収容するように適合された中央区画と、
第1側部と、
前記第1側部から前記中央区画内へ延びている第1スロットと、
前記第1側部の反対側に配置された第2側部と、
前記第2側部から前記中央区画内へ延びている第2スロットとを備える、折りたたみ用本体と、
前記中央区画内に配置された第1レバーであって、前記IOLの第1支持部に係合するように適合されている、第1レバーと、
前記中央区画内で前記第1レバーとは反対に配置された第2レバーであって、前記IOLの第2支持部に係合するように適合されている、第2レバーと、
前記中央区画内に配置された第3レバーであって、前記IOLの基部の第1縁部に係合するように適合されている、第3レバーと、
前記中央区画内に配置された第4レバーであって、前記IOLの基部の第2縁部に係合するように適合されている、第4レバーと、
前記第1スロット内に移動可能に配置された第1側部アクチュエータであって、前記第1側部アクチュエータが前記中央区画に向けて内向きに変位するときに前記第1レバーを第1軸線の回りで作動させかつ前記第3レバーを前記第1軸線とは異なる第2軸線の回りで作動させるように適合されている、第1側部アクチュエータと、
前記第2スロット内に配置された第2側部アクチュエータであって、前記第2側部アクチュエータが前記中央区画に向けて内向きに変位するときに前記第2レバーを第3軸線の回りで作動させかつ前記第3レバーを前記第3軸線とは異なる第4軸線の回りで作動させるように適合されている、第2側部アクチュエータとを備える、眼内レンズ(IOL)折りたたみデバイス。
【請求項2】
前記IOL折りたたみデバイスは、前記折りたたみ用本体の床内に形成されておりかつ前記折りたたみ用本体の近位端から前記折りたたみ用本体の遠位端へ延びている送達チャネルであって、前記送達チャネルは、前記第1側部アクチュエータ及び前記第2側部アクチュエータの変位によって、送達のための送達形態に折りたたまれたIOLを受け入れるように適合されている、送達チャネルをさらに備える、請求項1に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項3】
前記送達チャネルは、IOLインジェクタのノズル内の送達チャネルと位置合わせするように適合されている、請求項2に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項4】
前記第1側部アクチュエータは前記第1スロットを通って延びている第1リンク及び第2リンクを備え、前記第1リンク及び前記第2リンクは、前記第2リンクが前記第1スロットを通して内向きに変位するときに前記第1レバー及び前記第2レバーのそれぞれを回転させるように適合されている、請求項1に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項5】
前記第1リンクは、前記第1リンクが前記第1スロットを通して内向きに変位するときに前記第2リンクが前記第2レバーを作動させる前に前記第1リンクが前記第1レバーを作動させる、請求項4に記載のIOL折りたたみデバイス。
【請求項6】
前記第2側部アクチュエータは第3リンク及び第4リンクを備え、前記第3リンク及び前記第4リンクは、前記第2リンクが前記第2スロットを通して内向きに変位するときに前記第3レバー及び前記第4レバーのそれぞれを回転させるように適合されている、請求項1に記載のIOL折りたたみデバイス。