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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133339
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/32 20060101AFI20240920BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01G4/32 531
H01G4/228 Q
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024116703
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2020157935の分割
【原出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】今村 武志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 寿久
(72)【発明者】
【氏名】金谷 英里子
(57)【要約】
【課題】絶縁部材の成形不良が生じにくいコンデンサを提供する。
【解決手段】フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子400と、コンデンサ素子400に接続された第1バスバー500および第2バスバー600と、第1バスバー500および第2バスバー600の間に介在した板状の絶縁部材700と、を備える。絶縁部材700は、第2バスバー600と対向する後面710bと、第1バスバー500と対向する前面710aとを有する。絶縁部材700の後面710bは、前面710aの方向に凹んだ凹部714aと、凹部714aに設けられたゲート跡715と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、
前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、
を備えたコンデンサであって、
前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有し、
前記絶縁部材の前記第1表面は、前記第2表面の方向に凹んだ凹部と、前記凹部に設けられたゲート跡と、を有する、
コンデンサ。
【請求項2】
前記第2表面は、前記凹部に対応する部分に設けられ、前記第1表面とは反対側に突出した突出部を有する、
請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、
前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、
を備えたコンデンサであって、
前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有し、
前記絶縁部材の前記第1表面は、ゲート跡を有し、
前記絶縁部材の前記第2表面は、前記ゲート跡に対応する部分に設けられ、前記第1表面とは反対方向に突出した突出部を有する、
コンデンサ。
【請求項4】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、
前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、
を備えたコンデンサであって、
前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有し、
前記絶縁部材の前記第1表面は、前記第2表面とは反対方向に突出した突出部と、前記突出部に設けられたゲート部と、を有する、
コンデンサ。
【請求項5】
前記第2バスバーには、前記ゲート跡と重なる位置に開口部が形成される、
請求項1ないし4の何れか一項に記載のコンデンサ。
【請求項6】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、
前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した絶縁部材と、
を備えたコンデンサであって、
前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有し、
前記絶縁部材の前記第1表面は、ゲート跡を有し、
前記第2バスバーには、前記ゲート跡と重なる位置に開口部が形成される、
コンデンサ。
【請求項7】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、
前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した絶縁部材と、
を備えたコンデンサであって、
前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有し、
前記絶縁部材は、前記絶縁部材の端部から離間した前記第1表面の位置に、ゲート跡をさらに有する、
コンデンサ。
【請求項8】
前記ゲート跡は、前記第1表面において、前記第2表面から前記第1表面へ向かう方向に突出している、
請求項1ないし7の何れか一項に記載のコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサ素子の両端面にメタリコン電極を形成し、それぞれのメタリコン電極にバスバーを接続し、一対のバスバーの一部を、絶縁性樹脂により形成された保持部材を間に挟んで重ね合わせ、相互インダクタンス(等価直列インダクタンス)を低減させるようにしたフィルムコンデンサが、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1のフィルムコンデンサでは、一対のバスバーの各第1部分が保持部材の平板部を挟んで重なる。各第1部分の一端には、外部接続端子部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/027462号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のフィルムコンデンサにおいて、平板部の厚みが小さくされると、重なり方向における2つのバスバーの間隔が小さくなるため、等価直列インダクタンスの低減効果が高まる。
【0006】
しかしながら、平板部の厚みが小さくなると、保持部材が射出成形により製造される際、金型における平板部を形成する型部分を樹脂が流れにくくなるため、当該型部分に樹脂が行き渡りにくくなり、成形不良が発生することが懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、絶縁部材の成形不良が生じにくいコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、を備えたコンデンサに関する。本態様に係るコンデンサにおいて、前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有する。前記絶縁部材の前記第1表面は、前記第2表面の方向に凹んだ凹部と、前記凹部に設けられたゲート跡と、を有する。
【0009】
本発明の第2の態様は、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、を備えたコンデンサに関する。本態様に係るコンデンサにおいて、前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有する。前記絶縁部材の前記第1表面は、ゲート跡を有する。前記絶縁部材の前記第2表面は、前記ゲート跡に対応する部分に設けられ、前記第1表面とは反対方向に突出した突出部を有する。
【0010】
本発明の第3の態様は、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、を備えたコンデンサに関する。本態様に係るコンデンサにおいて、前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有する。前記絶縁部材の前記第1表面は、前記第2表面とは反対方向に突出した突出部と、前記突出部に設けられたゲート部と、を有する。
【0011】
本発明の第4の態様は、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、を備えたコンデンサに関する。本態様に係るコンデンサにおいて、前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有する。前記絶縁部材の前記第1表面は、ゲート跡を有する。前記第2バスバーには、前記ゲート跡と重なる位置に開口部が形成される。
【0012】
本発明の第5の態様は、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続された第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの間に介在した板状の絶縁部材と、を備えたコンデンサに関する。本態様に係るコンデンサにおいて、前記絶縁部材は、前記第2バスバーと対向する第1表面と、前記第1バスバーと対向する第2表面とを有する。前記絶縁部材は、前記絶縁部材の端部から離間した前記第1表面の位置に、ゲート跡をさらに有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、絶縁部材の成形不良が生じにくいコンデンサを提供できる。
【0014】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサの斜視図である。
図2図2(a)は、実施の形態に係る、前方上方から見たコンデンサ素子ユニットの斜視図であり、図2(b)は、実施の形態に係る、後方上方から見たコンデンサ素子ユニットの斜視図である。
図3図3(a)は、実施の形態に係る、第1バスバーの斜視図であり、図3(b)は、実施の形態に係る、第2バスバーの斜視図である。
図4図4(a)は、実施の形態に係る、前方上方から見た絶縁部材の斜視図であり、図4(b)は、実施の形態に係る、後方上方から見た絶縁部材の斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る、コンデンサ素子ユニットの要部の正面図である。
図6図6(a)は、実施の形態に係る、コンデンサ素子ユニットの要部の背面図であり、図6(b)は、図6(a)のA-A´断面図である。
図7図7は、実施の形態に係る、絶縁部材の射出成形に用いられる金型の断面図である。
図8図8(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、金型を構成する第1部材および第2部材を、それらの分割面側から見た平面図である。
図9図9は、変更例に係る、金型を構成する第1部材を、その分割面側から見た平面図である。
図10図10(a)および(c)は、変更例に係る、金型の要部の断面図であり、図10(b)および(d)は、変更例に係る、絶縁部材の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のコンデンサの一実施形態であるフィルムコンデンサ1について図を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、前後、左右および上下の方向が付記されている。なお、図示の方向は、あくまでフィルムコンデンサ1の相対的な方向を示すものであり、絶対的な方向を示すものではない。また、説明の便宜上、「前面」、「後面」など、一部の構成において、図示の方向に従った名称がつけられる場合がある。
【0017】
本実施の形態において、フィルムコンデンサ1が、特許請求の範囲に記載の「コンデンサ」に対応する。また、第1バスバー500および第2バスバー600が、特許請求の範囲に記載の「バスバー」に対応する。さらに、開口部516が、特許請求の範囲に記載の「第1開口部」に対応し、開口部614が、特許請求の範囲に記載の「第2開口部」に対応する。さらに、前面710aが、特許請求の範囲に記載の「第2表面」に対応し、後面710bが、特許請求の範囲に記載の「第1表面」に対応する。さらに、突出部714が、特許請求の範囲に記載の「第2突出部」に対応し、突出部813が、特許請求の範囲に記載の「第1突出部」に対応する。
【0018】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0019】
<フィルムコンデンサの構成>
図1は、フィルムコンデンサ1の斜視図である。
【0020】
フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子ユニット100と、コンデンサ素子ユニット100が収容されるケース200と、ケース200内に充填される充填樹脂300と、を備える。コンデンサ素子ユニット100の充填樹脂300に埋没した部分、特にコンデンサ素子400が、ケース200と充填樹脂300とにより、湿気や衝撃から保護される。
【0021】
図2(a)は、前方上方から見たコンデンサ素子ユニット100の斜視図であり、図2(b)は、後方上方から見たコンデンサ素子ユニット100の斜視図である。
【0022】
コンデンサ素子ユニット100は、コンデンサ素子400と、第1バスバー500と、第2バスバー600と、絶縁部材700とを含む。
【0023】
コンデンサ素子400は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層し、扁平状に押圧することにより形成される。コンデンサ素子400には、一方の端面に、亜鉛等の金属の吹付けにより第1電極410が形成され、他方の端面に、同じく亜鉛等の金属の吹付けにより第2電極420が形成される。
【0024】
なお、本実施の形態のコンデンサ素子400は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムにより形成されたが、これ以外にも、亜鉛、マグネシウム等の他の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。あるいは、コンデンサ素子400は、これらの金属のうち、複数の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよいし、これらの金属どうしの合金を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。
【0025】
図3(a)は、第1バスバー500の斜視図である。
【0026】
第1バスバー500は、所定形状の導電性材料である金属板、たとえば、銅板に、適宜切り起し、折り曲げ等の加工を施すことにより形成される。
【0027】
第1バスバー500は、方形の平板状を有する本体部510を備える。本体部510は、上下方向において、第1重合部511となる部分と、第1重合部511と連続する非重合部512となる部分に分けられる。非重合部512は、第1重合部511の上方に位置する。図3(a)には、便宜上、第1重合部511と非重合部512との境界が二点鎖線により示されている。
【0028】
非重合部512に含まれる本体部510の上部には、本体部510の一部が切り起されることにより、方形状の4つの接続端子部520が左右方向に並ぶように形成される。本体部510の各接続端子部520が切り起された部分には、接続端子部520よりも大きな方形状の開口部513が形成される。各開口部513は、対応する接続端子部520に隣接し、左右方向に並ぶ。
【0029】
第1重合部511に含まれる本体部510の中間部には、左右方向において4つの開口部513と同じ位置に、4つの方形状の開口部514が形成される。4つの開口部514は、4つの開口部513と同じ大きさを有する。また、本体部510の中間部には、左右の端部に、上下に長い方形状の貫通孔515が形成される。
【0030】
第1重合部511に含まれる本体部510の下部には、中央部に、円形の開口部516が形成される。
【0031】
さらに、第1バスバー500は、本体部510の下端部から、本体部510に対して直角に折れ曲がる電極端子部530を備える。電極端子部530は、左右方向に細長い方形の板状を有する。
【0032】
さらに、第1バスバー500は、本体部510、即ち第1重合部511および非重合部512の左端部と左端部のそれぞれから、本体部510に対して直角に折れ曲がる折曲部540を備える。各折曲部540は、上下方向に細長い方形の板状を有する。各折曲部540に各貫通孔515が接する。
【0033】
図3(b)は、第2バスバー600の斜視図である。
【0034】
第2バスバー600は、所定形状の導電性材料である金属板、たとえば、銅板に、適宜切り起し、折り曲げ等の加工を施すことにより形成される。
【0035】
第2バスバー600は、方形の平板状を有する本体部610を備える。本体部610は、上下方向において、第2重合部611となる部分と、第2重合部611と連続する非重合部612となる部分に分けられる。非重合部612は、第2重合部611の下方に位置する。図3(b)には、便宜上、第2重合部611と非重合部612との境界が二点鎖線により示されている。
【0036】
第2重合部611に含まれる本体部610の上部には、本体部610の一部が切り起されることにより、方形状の4つの接続端子部620が左右方向に並ぶように形成される。本体部610の各接続端子部620が切り起された部分には、接続端子部620よりも大きな方形状の開口部613が形成される。各開口部613は、対応する接続端子部620に隣接し、左右方向に並ぶ。4つの開口部613は、第1バスバー500の4つの開口部514と同じ大きさを有する。
【0037】
第2重合部611に含まれる本体部610の中間部には、中央部に、円形の開口部614が形成される。
【0038】
さらに、第2バスバー600は、本体部610の下端部から、本体部610に対して直角に折れ曲がる電極端子部630を備える。電極端子部630は、左右方向に細長い方形の板状を有する。
【0039】
図4(a)は、前方上方から見た絶縁部材700の斜視図であり、図4(b)は、後方上方から見た絶縁部材700の斜視図である。
【0040】
絶縁部材700は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂を材料として、後述する射出成形により形成される。
【0041】
絶縁部材700は、左右方向に長いほぼ方形の板状を有する本体部710を備える。本体部710は、上下方向において、第1部分711と、第1部分711と連続する第2部分712と、第1部分711と連続する第3部分713とに分けられる。第2部分712は、第1部分711の上方に位置し、第3部分713は、第1部分711の下方に位置する。図4(a)および(b)には、便宜上、第1部分711と第2部分712の境界および第1部分711と第3部分713の境界が二点鎖線により示されている。
【0042】
本体部710の第1部分711には、中央部に、本体部710の前面710aの一部が突出し、本体部710の後面710bの一部が凹むことにより、ほぼ円柱状の突出部714が形成される。突出部714は、裏側に凹部714aを有する。本体部710の後面710bには、突出部714によって凹んだ面、即ち凹部714aの底面に、ほぼ円柱状のゲート跡715が形成される。ゲート跡715は、射出成形により形成される。突出部714の外径は、第1バスバー500の開口部516および第2バスバー600の開口部614の内径よりも小さくされている。
【0043】
さらに、第1部分711には、上部に、左右方向に並ぶ4つの方形状の開口部716が形成される。4つの開口部716は、第1バスバー500の4つの開口部514と同じ大きさを有する。
【0044】
本体部710の第2部分712には、後面710bに、後方へ突出し、左端部から右端部に亘って左右方向に延びる2本の第1リブ717が形成される。2本の第1リブ717は、上下方向に、所定の間隔を開けて並ぶ。所定の間隔は、沿面距離に係る規定により2本の第1リブ717が離れていると見做される間隔(1mm)以上の間隔に設定される。
【0045】
2本の第1リブ717は、左端と右端の位置において、第2リブ718により連結される。各第2リブ718の高さは、各第1リブ717の高さと同じにされている。
【0046】
さらに、絶縁部材700は、本体部710の前面710a側の左端部と右端部とにそれぞれ、挟持部720を備える。挟持部720は、絶縁部材700において外側に位置する第1接触部721と内側に位置する第2接触部722により構成される。第1接触部721は、上下方向に細長い方形の板状を有する。第2接触部722は、上下方向に長い直方体の形状を有する。第1接触部721の上下方向の寸法は、第2接触部722の上下方向の寸法よりも大きく、第1接触部721の左右方向の寸法は、第2接触部722の左右方向の寸法よりも小さい。第1接触部721と第2接触部722は、前後方向の寸法同士が等しくされる。なお、第1バスバー500の折曲部540の前後方向の寸法は、第1接触部721と第2接触部722の前後方向の寸法よりも大きくされる。
【0047】
第1接触部721には、2本の第1リブ721aが含まれる。2本の第1リブ721aは、第1接触部721の第2接触部722に対向する側面であって第2接触部722の上部と下部の位置にそれぞれ形成され、前後方向に延びる。第2接触部722には、1本の第2リブ722aが含まれる。第2リブ722aは、第2接触部722の第1接触部721に対向する側面であって2本の第1リブ721aの間の位置に形成され、前後方向に延びる。第1リブ721aと第2リブ722aとの間の隙間は、第1バスバー500の折曲部540の厚み(左右方向の寸法)よりも僅かに小さくされている。
【0048】
図2(a)および(b)に示すように、第1バスバー500は、絶縁部材700の前側に装着される。第1バスバー500の本体部510が、絶縁部材700の本体部710の前面710aに接する。絶縁部材700の突出部714が第1バスバー500の開口部516を貫通する。第1バスバー500の左右両側の折曲部540が絶縁部材700の挟持部720により挟持される。第1バスバー500の4つの開口部514が絶縁部材700の4つの開口部716に重なる。
【0049】
第2バスバー600は、絶縁部材700の後側に装着される。第2バスバー600の本体部610が、絶縁部材700の本体部710の後面710bに接する。絶縁部材700の凹部714aが、第2バスバー600の開口部614に重なり、ゲート跡715が開口部614と重なる。ゲート跡715の高さには、ある程度のばらつきが生じ得る。ゲート跡715が高くなって凹部714aから後方に突出した場合、突出したゲート跡715の先端部は、開口部614内に挿入され、第2バスバー600の本体部610とは干渉しない。
【0050】
第2バスバー600の4つの開口部613が絶縁部材700の4つの開口部716に重なり、第2バスバー600の各接続端子部620が、重なった3つの各開口部514、716、613を通って第1バスバー500の前方に突出する。4つの接続端子部620の端子列が、4つの接続端子部520の下方に位置する。4つの接続端子部520の前端の位置と、4つの接続端子部620の前端の位置とが揃った状態となる。
【0051】
第1バスバー500の第1重合部511と第2バスバー600の第2重合部611が前後方向に重なり合う。第1バスバー500の非重合部512は第2重合部611と重なり合わず、第2バスバー600の非重合部612は第1重合部511と重なり合わない。絶縁部材700の第1部分711が第1重合部511と第2重合部611との間に介在する。絶縁部材700の第2部分712が第1バスバー500の非重合部512に重なる。絶縁部材700の第3部分713が第2バスバー600の非重合部612と、コンデンサ素子400の周面との間に介在する。
【0052】
第1バスバー500の電極端子部530と第2バスバー600の電極端子部630との間に、コンデンサ素子400が配置される。電極端子部530が、コンデンサ素子400の第1電極410に半田付け等の接合方法で接合される。これにより、第1バスバー500が第1電極410に電気的に接続される。同様に、電極端子部630が、コンデンサ素子400の第2電極420に半田付け等の接合方法で接合される。これにより、第2バスバー600が第2電極420に電気的に接続される。なお、電極端子部530、630にピン状の端子が形成され、この端子が電極410、420に半田付け等により接合されるようにしてもよい。
【0053】
図5は、コンデンサ素子ユニット100の要部の正面図である。
【0054】
図5に示すように、絶縁部材700の各挟持部720では、第1接触部721の第1リブ721aが第1バスバー500の外側から折曲部540に接触し、第1バスバー500の貫通孔515を貫通した第2接触部722の第2リブ722aが第1バスバー500の内側から折曲部540に接触する。第1リブ721aと第2リブ722aは、いわゆるクラッシュリブであり、折曲部540が第1接触部721と第2接触部722の間に挿入されたときに、折曲部540により、その先端部が削られたり変形したりする。第1接触部721と第2接触部722が両側から折曲部540に接触することにより、絶縁部材700に、前後方向において第1バスバー500を保持する力(動きを抑制する力)が生じる。
【0055】
第1バスバー500は、折曲部540と挟持部720とによる位置決め構造により、絶縁部材700に対して、前後および左右方向に位置決めされる。
【0056】
貫通孔515の上下方向の寸法は、第2接触部722の上下方向の寸法よりも大きく、第2接触部722と貫通孔515との間には、上方と下方に比較的大きな隙間が生じている。よって、本実施の形態では、第1バスバー500と絶縁部材700との間に、図示しない他の位置決め構造が設けられ、この位置決め構造により、第1バスバー500が絶縁部材700に対して、上下方向に位置決めされる。さらに、第2バスバー600と絶縁部材700の間にも、図示しない位置決め構造が設けられ、この位置決め構造により、第2バスバー600が絶縁部材700に対して、上下、前後および左右方向に位置決めされる。
【0057】
図6(a)は、コンデンサ素子ユニット100の要部の背面図であり、図6(b)は、図6(a)のA-A´断面図である。
【0058】
図6(a)および(b)に示すように、第1バスバー500の4つの接続端子部520は、非重合部512から絶縁部材700の第2部分712と反対側(前側)に突出する。第2部分712の上端は、第1バスバー500の4つの開口部513の下端と同じ高さ位置を有しており、第2部分712は、前後方向において、4つの開口部513および4つの接続端子部520と重ならない。なお、第2部分712は、僅かであれば、4つの開口部513の下端部に重なってもよい。
【0059】
絶縁部材700の第2部分712において、2本の第1リブ717は、第1バスバー500の非重合部512と反対側(後側)に突出し、上下方向から見て非重合部512と第2バスバー600の第2重合部611とが重なる重複範囲Rに存在するよう、左右方向に重複範囲Rよりも少し長くなる寸法を有する。また、2本の第2リブ718は、左右方向における重複範囲Rの外側において、2本の第1リブ717を連結する。
【0060】
図6(b)に太線で示されるように、上下方向において、第1バスバー500の非重合部512と第2バスバー600の第2重合部611との間には、絶縁部材700の第2部分712と2本の第1リブ717により、沿面距離Dが確保される。第2部分712の後面側は、2本の第1リブ717によって凹凸面状となる。このため、第2部分712の後面側が平面状である場合に比べて、沿面距離Dが長くなる。
【0061】
図1を参照して、ケース200は、樹脂製であり、たとえば、熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(PPS)により形成される。ケース200は、ほぼ直方体の箱状に形成され、上面に開口部201を有する。
【0062】
ケース200には、左右の外側面と外底面とに取付タブ210が設けられる。各取付タブ210には、前後方向に貫通する挿通孔211が形成される。挿通孔211には、孔の強度を上げるために金属製のカラー212が嵌め込まれる。フィルムコンデンサ1が外部装置等の設置部に設置される際、これら取付タブ210がネジ等によって設置部に固定される。
【0063】
充填樹脂300は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂である。
【0064】
ケース200内に、開口部201を通じて、コンデンサ素子ユニット100が収容される。コンデンサ素子ユニット100が収容されたケース200内に、開口部201を通じて、液相状態の充填樹脂300が注入される。充填樹脂300は、開口部201の近傍までケース200内に満たされ、充填樹脂300の注入が完了すると、ケース200が加熱される。これにより、ケース200内の充填樹脂300が硬化する。こうして、フィルムコンデンサ1が完成する。
【0065】
フィルムコンデンサ1は、外部装置等に搭載される。外部装置等には、たとえばバスバーの形態をとる正極側の4つの外部端子2aと負極側の4つの外部端子2bとが備えられる。たとえば、第1バスバー500が正極側のバスバーであり、第2バスバー600が負極側のバスバーである場合、図1に示すように、4つの外部端子2aが、後方から、開口部513を通って第1バスバー500の4つの接続端子部520に接触し、それら接続端子部520に半田付け等の接合方法により接続される。さらに、4つの外部端子2bが、後方から、前後に重なる3つの開口部613、716、514を通って第2バスバー600の4つの接続端子部620に接触し、それら接続端子部620に半田付け等の接合方法により接続される。
【0066】
<絶縁部材の製造方法>
次に、絶縁部材700の製造方法について説明する。
【0067】
図7は、絶縁部材700の射出成形に用いられる金型800の断面図である。図8(a)および(b)は、それぞれ、金型800を構成する第1部材801および第2部材802を、それらの分割面側から見た平面図である。なお、図8(a)には、便宜上、第1成形面811の外形が破線で示されており、図8(b)には、便宜上、ゲート820が破線で示されている。
【0068】
絶縁部材700は、成形工程において、金型800を用いて射出成形により形成される。
【0069】
金型800は、鋼材により形成され、コアである第1部材801と、キャビティである第2部材802とが結合されることにより構成される。金型800の内部には、絶縁部材700の形状を有する型部810が形成される。型部810は、絶縁部材700の本体部710の後面710bを形成するための第1成形面811と、後面710bに背向する本体部710の前面710aを形成するための第2成形面812と、を含む。
【0070】
第1成形面811は、本体部710の中央部に相当する位置に、第2成形面812側に突出するほぼ円柱状の突出部813を含む。また、第2成形面812は、突出部813を収容するほぼ円柱状の凹部814を含む。突出部813と凹部814との間には隙間が形成される。突出部813の先端面813aと凹部814の底面814aとの間の間隔は、その周囲の第1成形面811と第2成形面812との間隔よりも大きくされ、これら先端面813aと底面814aとの間の部分が大間隔部815となる。
【0071】
第1成形面811には、突出部813の先端面813aに、型部810内への樹脂の注入口であるゲート820が形成される。ゲート820は、円形であり、大間隔部815に開口する。金型800には、第1部材801に、ゲート820に繋がるランナー830が形成される。
【0072】
成形工程では、図示しないバルブによりゲート820が開放され、溶融状態の樹脂が、ランナー830を通じてゲート820から型部810内に注入される。図7および図8の矢印に示すように、樹脂は、まず、型部810の大間隔部815に流れ込む。その後、樹脂は、大間隔部815から放射状に流れて周囲に拡がる。これにより、型部810内全体に樹脂が充填される。
【0073】
ここで、ゲート820は、絶縁部材700の本体部710の表面(後面710b)を構成する型部810の第1成形面811に設けられているため、板状の本体部710における中央に近い部分から樹脂を注入できる。これにより、型部810内で樹脂が流れる距離を短くできるので、型部810内全体に樹脂が行き渡りやすくなる。さらに、大間隔部815が、ゲート820から型部810内に流入した樹脂の溜り場となるため、型部810内での樹脂の流動性が良くなって、型部810内全体に樹脂が行き渡る時間が短くなる。
【0074】
型部810内に充填された樹脂が冷えて絶縁部材700が形成される。型部810内への樹脂の充填が完了すると、バルブによりゲート820が閉塞される。この際、ゲート820の近傍に樹脂が残り、この樹脂が冷えてゲート跡715となる。その後、金型800が分離されて、内部から絶縁部材700が取り出される。
【0075】
こうして、図4(a)および(b)に示す絶縁部材700が完成する。絶縁部材700の本体部710には、型部810の突出部813と凹部814の間に樹脂が充填されることにより、突出部714が形成される。突出部714の先端部は、本体部710の他の部分よりも肉厚となる。突出部714の裏側の凹んだ面に、後方へ突出するゲート跡715が形成される。
【0076】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
【0077】
絶縁部材700は、第1バスバー500と第2バスバー600との間に介在する部分を有する板状の本体部710を含み、成形工程において、金型800を用いて射出成形により製造される。金型800の内部には、絶縁部材700の形状を有する型部810が形成される。型部810は、本体部710の後面710bを形成するための第1成形面811と、後面710bに背向する本体部710の前面710aを形成するための第2成形面812と、を含む。成形工程では、第1成形面811に設けられたゲート820から型部810内に溶融状態の樹脂が注入されて絶縁部材700が形成される。
【0078】
絶縁部材700の本体部710の表面(後面710b)を構成する型部810の第1成形面811にゲート820が設けられているため、板状の本体部710における中央に近い部分から樹脂を注入できる。これにより、型部810内で樹脂が流れる距離を短くできるので、型部810内全体に樹脂が行き渡りやすくなり、絶縁部材700の成形不良が生じにくくなる。
【0079】
また、型部810は、第1成形面811と第2成形面812との間隔がその周囲よりも大きくされた大間隔部815を含み、ゲート820は、大間隔部815に開口する。
【0080】
大間隔部815が、ゲート820から型部810内に流入した樹脂の溜り場となるため、型部810内での樹脂の流動性が良くなって、型部810内全体に樹脂が行き渡る時間が短くなる。これにより、絶縁部材700の成形不良が、一層生じにくくなる。
【0081】
さらに、第1成形面811は、第2成形面812側に突出する突出部813を含み、第2成形面812は、突出部813を収容する凹部814を含む。突出部813の先端面813aにゲート820が設けられる。絶縁部材700の本体部710には、突出部813と凹部814の間に樹脂が充填されることにより、後面710bの一部が凹み、前面710aの一部が突出した突出部714が形成される。後面710bには、凹んだ面にゲート跡715が形成される。
【0082】
突出部714の裏側に形成された凹部714a内にゲート跡715が収容されるため、ゲート跡715が本体部710の後面710bから突出しにくくなる。
【0083】
さらに、本体部710の前面710aに接する第1バスバー500には、突出部714が貫通する開口部516が形成される。これにより、突出部714と第1バスバー500との干渉を回避できる。
【0084】
本体部710の後面710bに接する第2バスバー600には、後面710bに形成されるゲート跡715と整合する位置に開口部614が形成される。これにより、ゲート跡715と第2バスバー600との干渉を回避できる。
【0085】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の適用例も、上記実施の形態の他に、種々の変更が可能である。
【0086】
たとえば、上記実施の形態では、金型800の型部810の1か所にゲート820が設けられた。しかしながら、型部810の複数か所、たとえば、2か所にゲート820が設けられてもよい。たとえば、絶縁部材700の本体部710は、左右方向に長いため、図9に示すように、型部810において、本体部710の右半分の中央位置と左半分の中央位置に相当する2か所の位置に、ゲート820が設けられてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、金型800の型部810が、第1成形面811に突出部813を有し、第2成形面812に凹部814を有する。この結果、絶縁部材700の本体部710には、前面710aから突出し、裏面に凹部714aを有する突出部714が形成され、凹部714aの底面にゲート跡715が形成される。これにより、ゲート跡715が本体部710の後面710bから突出しない、あるいは、突出しにくい。
【0088】
しかしながら、ゲート跡715が本体部710の後面710bから突出することが許容される場合、図10(a)に示すように、金型800の型部810には、第2成形面812に、大間隔部815を構成するための凹部816が形成され、第1成形面811に突出部813が形成されなくてもよい。この場合、図10(b)に示すように、絶縁部材700の本体部710には、他の部分よりも肉厚が大きい分だけ前面710aから突出する突出部719aが形成され、後面710bからゲート跡715が突出する。突出部719aの突出量は、上記実施の形態の突出部714の突出量より少なくなる。第1バスバー500、第2バスバー600および絶縁部材700が組み合わされると、突出部719aが、第1バスバー500の開口部516を貫通し、ゲート跡715が、第2バスバー600の開口部614を貫通する。
【0089】
あるいは、図10(c)に示すように、金型800の型部810には、第1成形面811に、大間隔部815を構成するための凹部817が形成され、突出部813が形成されなくてもよい。この場合、図10(d)に示すように、絶縁部材700の本体部710には、他の部分よりも肉厚が大きい分だけ後面710bから突出する突出部719bが形成され、この突出部719bからゲート跡715が突出する。この場合、本体部710の前面710aが平坦となるため、第1バスバー500に開口部516が形成されなくなる。第1バスバー500、第2バスバー600および絶縁部材700が組み合わされると、突出部719bおよびゲート跡715が、第2バスバー600の開口部614を貫通する。
【0090】
さらに、上記実施の形態では、樹脂の溜り場を形成するために、金型800の型部810内に大間隔部815が設けられた。しかしながら、溜り場が無くても樹脂の流動性が十分に得られる場合は、型部810内に大間隔部815が設けられなくてもよい。
【0091】
さらに、上記実施の形態では、第2バスバー600の本体部610に開口部614が形成された。しかしながら、絶縁部材700の本体部710において、凹部714aの深さ、即ち突出部714の突出量が、ゲート跡715が、その高さがばらついても、本体部710の後面710bから突出しない程度に大きくされた場合は、第2バスバー600の本体部610に開口部614が形成されなくてもよい。
【0092】
さらに、上記実施の形態では、絶縁部材700の本体部710の後面710bおよび前面710aが、それぞれ、金型800の型部810の第1成形面811および第2成形面812により形成された。しかしながら、反対に、絶縁部材700の本体部710の前面710aおよび後面710bが、それぞれ、型部810の第1成形面811および第2成形面812により形成されてもよい。この場合、絶縁部材700には、本体部710の後面710b側に突出部714が形成され、前面710a側にゲート跡715が形成される。
【0093】
さらに、上記実施の形態では、フィルムコンデンサ1に1個のコンデンサ素子400が備えられた。しかしながら、コンデンサ素子400の個数は、2個以上であってもよく、適宜、変更されてよい。
【0094】
さらに、上記実施の形態では、コンデンサ素子400は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層することで形成されたものであるが、これ以外にも、誘電体フィルムの両面にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムと絶縁フィルムとを重ね、これを巻回または積層することにより、これらコンデンサ素子400が形成されてもよい。
【0095】
さらに、上記実施の形態では、本発明のコンデンサの一例として、フィルムコンデンサ1が挙げられた。しかしながら、本発明は、フィルムコンデンサ1以外のコンデンサに適用することもできる。
【0096】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0097】
なお、上記実施の形態の説明において「上方」「下方」等の方向を示す用語は、構成部材の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示すものであり、鉛直方向、水平方向等の絶対的な方向を示すものではない。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、車両の電装等に使用されるコンデンサに有用である。
【符号の説明】
【0099】
1 フィルムコンデンサ(コンデンサ)
400 コンデンサ素子
500 第1バスバー(バスバー)
516 開口部(第1開口部)
600 第2バスバー(バスバー)
614 開口部(第2開口部)
700 絶縁部材
710 本体部
710a 前面(第2表面)
710b 後面(第1表面)
714 突出部(第2突出部)
715 ゲート跡
800 金型
810 型部
811 第1成形面
812 第2成形面
813 突出部(第1突出部)
813a 先端面
814 凹部
820 ゲート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10