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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133373
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240920BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G06T11/60 300
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117641
(22)【出願日】2024-07-23
(62)【分割の表示】P 2021031758の分割
【原出願日】2021-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】504192911
【氏名又は名称】株式会社トーラス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】木村 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】古橋 大地
(57)【要約】
【課題】高精度かつ容易に公図と住宅表示地図を重ね合わせる技術を提供する。
【解決手段】筆ポリゴンの面積に関する数値または歪み度に関する数値が閾値以下になる筆ポリゴンを抽出するフィルタリング部と、公共座標系座標が求められた基準点を基準として、前記筆ポリゴンと住宅地図と重ね合わせて地図データを作成する作成部と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆ポリゴンの面積に関する数値または歪み度に関する数値が閾値以下になる筆ポリゴンを抽出するフィルタリング部と、
公共座標系座標が求められた基準点を基準として、前記筆ポリゴンと住宅地図と重ね合わせて地図データを作成する作成部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
コンピュータを請求項1に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国には、公図とよばれる土地台帳付属地図が存在する。公図は、土地の区画を明確にするための資料であり、地番とよばれる一筆の土地ごとに登記所が付する番号が記載されている。不動産登記においては、この地番や土地の区画を明確にする必要があるため、公図は現在も土地取引の際に用いられている。この地番を調べるのを容易にする技術として、特許文献1が存在する。
【0003】
特許文献1では、電子住宅地図と電子地番地図とを重ね合わせて表示させることで、住居表示と公図に示される地番の対応関係を簡単に調査することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-99540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公図の多くは明治時代に作成されたものであり、当時の技術では正確な測量が難しく、現状の土地の位置や形状とは大きく誤差があることが多い。このため、特許文献1の技術では、GIS(Geographic Information System)を用いた住居表示地図と、高精度で重ね合わせるのは困難である。また、高精度で重ね合わせようとすると、人手に頼らざるを得ず、非常に手間がかかる。
【0006】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、高精度かつ容易に公図と住宅表示地図を重ね合わせる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筆ポリゴンの面積に関する数値または歪み度に関する数値が閾値以下になる筆ポリゴンを抽出するフィルタリング部と、公共座標系座標が求められた基準点を基準として、前記筆ポリゴンと住宅地図と重ね合わせて地図データを作成する作成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高精度かつ容易に公図と住宅表示地図を重ね合わせる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る地図生成システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る地図データの作成処理を示すフロー図である。
図4】第1の実施形態に係る基準点の生成処理を示すフロー図である。
図5】第1の実施形態に係る第1のフィルタリング処理を示すフロー図である。
図6】第1の実施形態に係るジオコーディング処理を示すフロー図である。
図7】第1の実施形態に係る重ね合わせ処理を示すフロー図である。
図8】第2の実施形態に係る地図生成システムの概略構成を示すブロック図である。
図9】第2の実施形態に係る地図データの生成処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の具体例は本発明に係る実施形態の一例ではあるが、本発明は以下の具体的形態に限定されるものではない。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る地図生成システム1の概略構成を示すブロック図である。地図生成システム1は、複数の筆ポリゴンを含む公図ポリゴンデータ30を処理して、GISを用いた住宅表示地図に重ね合わせた地図データ40を作成する。地図生成システム1は、情報処理装置10と、ジオコーディング装置20とを含む。なお、ここで、筆ポリゴンとは、公図ポリゴンデータ30に含まれる一筆(土地登記簿上の一区画)を示すポリゴンデータである。
【0012】
情報処理装置10は、切り分け部11、生成部12、フィルタリング部13、作成部14、および出力部15を含む。
【0013】
切り分け部11は、公図ポリゴンデータ30を所定の筆ポリゴングループ毎に切り分ける。
【0014】
生成部12は、各筆ポリゴンに対して基準点を生成する。また、各筆ポリゴンの面積の指数化および歪み度の指数化を行う。そして、指数化された面積および歪み度、ならびに筆ポリゴンの属性データを各基準点へ紐づける。なお、本明細書において、歪み度とは、筆ポリゴンの形状の歪みの度合いを数値化したものである。
【0015】
フィルタリング部13は、基準点に紐づけられた情報に基づいて、基準点のフィルタリングを行う。
【0016】
作成部14は、フィルタリングされた基準点が含まれる筆ポリゴンの公共座標系(平面直角座標系)座標をジオコーディング装置20から取得し、基準点の公共座標系座標を求める。そして、公共座標系が求められた基準点を用いて、筆ポリゴングループを住宅地図に重ね合わせて、地図データを作成する。
【0017】
出力部15は、例えば、表示装置や、その他の外部装置等に、作成された地図データを出力する。
【0018】
ジオコーディング装置20は、ジオコーダーとしての機能を含む。ジオコーディング装置20は、フィルタリング部13においてフィルタリングされた基準点データを、フィルタリング部13から取得する。ここで基準点データとは、基準点と該基準点に紐づけられた情報を含むデータである。そして、取得された基準点が含まれる各筆ポリゴンの地番住所を緯度経度に変換し、さらに所定の条件を満たす基準点を抽出するフィルタリングを行う。ジオコーディング装置20は、抽出された基準点が含まれる各筆ポリゴンの緯度経度を公共座標系に変換し、作成部14に出力する。
【0019】
次に、図2を用いて、情報処理装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、記憶部51、RAM52、ROM53、CPU54、および通信部55を備える。
【0020】
記憶部51は、後述のCPU54によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。また、記憶部51は、処理に用いる各種データや、作成された地図データ等を記憶しうる。
【0021】
CPU54は、ROM53又は記憶部51に格納されたプログラムに基づいて動作し、情報処理装置10の各部の制御を行う。ROM53は、情報処理装置10の起動時にCPU54によって実行されるブートプログラムや、情報処理装置10のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。CPU54は、例えば、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、後述するフローを実現する。なお、CPU54が、これらのプログラムを他の装置から、例えば、ネットワークを介して取得して、実行してもよい。
【0022】
通信部55は、例えば、ネットワークを介して他の機器等の外部からデータまたは指示を受信してCPU54へ送り、CPU54が生成したデータや指示を他の機器へ送信しうる。
【0023】
なお、情報処理装置10は、入力装置60および表示装置70と接続されていてもよい。入力装置60は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付けるタッチパネルやキーボード、マウス等である。表示装置70は、例えば、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネル等である。
【0024】
ジオコーディング装置20も、同様のハードウェア構成であってよいため、ジオコーディング装置20のハードウェア構成の説明は省略する。
【0025】
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る地図データの作成処理の全体の流れについて説明し、各工程の詳細については、後述する。図3は、第1の実施形態に係る地図データの作成処理を示すフロー図である。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、情報処理装置10のCPU54またはジオコーディング装置20のCPUの制御によって実行されうる。
【0026】
S110では、切り分け部11は公図ポリゴンデータ30に含まれる複数の筆ポリゴンの隣接関係を、トポロジーを用いて判別し、それらを包有する切り出し用ポリゴンを生成する。そして、切り分け部11は生成された切り出し用ポリゴンを用いて、隣接関係のある筆ポリゴングループ毎に分離し、複数の筆ポリゴンを含む筆ポリゴングループデータを生成する。
【0027】
S120では、生成部12は各筆ポリゴンに対して基準点を生成する。また、各筆ポリゴンの面積の指数化および歪み度の指数化を行う。そして、指数化された面積および歪み度、ならびに筆ポリゴンの属性データを各基準点へ紐づける。
【0028】
S130では、フィルタリング部13は第1のフィルタリングを行う。具体的には、フィルタリング部13は、基準点に紐づけられた情報に基づいて、基準点のフィルタリングを行う。そして、フィルタリング部13は、抽出された基準点データをジオコーディング装置20へ出力する。
【0029】
S140では、ジオコーディング装置20は、フィルタリングされた基準点データをフィルタリング部13から取得する。そして、ジオコーディング装置20は取得された基準点に紐づけられた地番住所を緯度経度に変換し、さらに所定の条件を満たす基準点を抽出するフィルタリングを行う。このフィルタリングを第2のフィルタリングとする。ジオコーディング装置20は、抽出された基準点を含む各筆ポリゴンの緯度経度を公共座標系に変換し、作成部14に出力する。
【0030】
S150では、作成部14は、ジオコーディング装置20においてフィルタリングされた基準点が含まれる筆ポリゴンの公共座標系座標をジオコーディング装置20から取得し、基準点の公共座標を求める。そして、公共座標系座標が求められた基準点を基準として、筆ポリゴングループを住宅地図に重ね合わせて、地図データを作成する。
【0031】
S160では、出力部15は、作成された地図データを作成部14から取得し、地図データを表示装置やその他の外部装置等に出力する。以上の流れによって、高精度に公図と住宅表示地図とが重ね合わせられた地図データが作成される。
【0032】
次に、上述した各工程の詳細な処理について説明する。まず、図4を用いて、基準点の生成処理(S120)の詳細な流れについて説明する。図4は、第1の実施形態に係る基準点の生成処理を示すフロー図である。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、情報処理装置10のCPU54の制御によって実行されうる。
【0033】
S121では、生成部12は各筆ポリゴンに対して、基準点を生成する。該基準点は、各筆ポリゴン内の任意の点であって良い。
【0034】
S122では、生成部12は、各筆ポリゴンの面積の指数化を行う。具体的には、生成部12は、各筆ポリゴンの面積を算出し、基準値に対する指数を求める。なお、面積の指数化をする方が後工程の処理が容易となるため好ましいが、指数化せずに、単に面積の数値を用いて処理を行うことも可能である。
【0035】
S123では、生成部12は、各筆ポリゴンの歪み度の指数化を行う。具体的には、生成部12は、まず、各筆ポリゴンの歪み度を数値化する。歪み度は、面積に対する周長の比率を求めることで数値化することができる。面積に対して周長の比率が小さいほど歪み度が小さいといえる。すなわち、筆ポリゴンの形状が正円形に近いほど、歪み度が小さくなる。次に、生成部12は数値化された各筆ポリゴンの歪み度の基準値に対する指数を求める。なお、歪み度の指数化をする方が後工程の処理が容易となるため好ましいが、指数化せずに、単に歪み度の数値を用いて処理を行うことも可能である。
【0036】
S124では、生成部12は、各基準点に、情報の紐づけを行う。具体的には、生成部12は、指数化された面積および歪み度、並びに筆ポリゴンの属性データを紐づける。ここで、筆ポリゴンの属性データには、筆ポリゴンの区画の所在地の地番(地番住所)および、該区画が道、河川または不明な区画に属する場合にはその情報が含まれる。S124の完了後、S130へ処理が進められる。
【0037】
次に、図5を用いて、第1のフィルタリング処理(S130)の詳細な流れについて説明する。図5は、第1の実施形態に係る第1のフィルタリング処理を示すフロー図である。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、情報処理装置10のCPU54の制御によって実行されうる。
【0038】
S131では、フィルタリング部13は、基準点に紐づけられた面積の指数が閾値以上となる基準点があるか否かを確認する。そして、面積の指数が閾値以上となる基準点がある場合(Yes)には、フィルタリング部13は、S132において面積の指数が閾値以上となる基準点を排除する。なお、上述のとおり、指数ではなく面積自体を用いて本工程を行うことも可能である。また、本工程において、閾値を小さくするほど後工程における重ね合わせ精度を向上させることができる。言い換えると、紐づけられた面積が小さい基準点を用いるほど重ね合わせ精度が向上する。
【0039】
S133では、フィルタリング部13は、基準点に紐づけられた歪み度の指数が閾値以上となる基準点があるか否かを確認する。そして、歪み度の指数が閾値以上となる基準点がある場合(Yes)には、フィルタリング部13は、S134において歪み度の指数が閾値以上となる基準点を排除する。なお、上述のとおり、指数ではなく歪み度自体を用いて本工程を行うことも可能である。また、本工程において、閾値を小さくするほど後工程における重ね合わせ精度を向上させることができる。言い換えると、紐づけられた歪み度が小さい基準点を用いるほど重ね合わせ精度が向上する。
【0040】
S135では、フィルタリング部13は、不要属性の基準点があるか否かを確認する。ここで、不要属性の基準点とは、道、河川または不明な区画である筆ポリゴンの基準点である。不要属性の基準点がある場合(Yes)には、フィルタリング部13は、S136において不要属性の基準点を排除する。
【0041】
S137では、フィルタリング部13は、S131~S136のフィルタリングによって排除されなかった基準点データ、言い換えると、残った基準点データをジオコーディング装置20へ出力する。S137の完了後、S140へ処理が進められる。
【0042】
次に、図6を用いて、ジオコーディング装置20におけるジオコーディング処理(S140)の詳細な流れについて説明する。図6は、第1の実施形態に係るジオコーディング処理を示すフロー図である。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、ジオコーディング装置20のCPUの制御によって実行されうる。
【0043】
S141では、ジオコーディング装置20は、フィルタリング部13から取得した各基準点に紐づけられた地番住所をジオコーディング処理用に1列(カラム)にマージし、最適化する。
【0044】
S142では、ジオコーディング装置20は地番住所を緯度経度に変換し、さらに、基準点が含まれる筆ポリゴンの区画の住居表示を取得する。
【0045】
S143では、ジオコーディング装置20は、第2のフィルタリングを行う。具体的には、ジオコーディング装置20は、S142で取得された住居表示のうち、枝番付き住所が取得された筆ポリゴンの基準点のみを抽出する。なお、ここで枝番付き住所とは、同じ住居番号の建物が複数ある場合に、住居番号に付される枝番を含む住居時表示のことである。例えば、1丁目2番3号に2以上の建物が存在する場合、「1丁目2番3-1号」、「1丁目2番3-2号」・・・と表記される。この「1丁目2番3-1号」、「1丁目2番3-2号」ように表示される住居表示を枝番付き住所という。
【0046】
S144では、ジオコーディング装置20は、S143において抽出された基準点が含まれる筆ポリゴンの区画の緯度経度座標を公共座標系座標に変換する。
【0047】
S145では、ジオコーディング装置20は、変換した公共座標系座標と、基準点を紐づけて、作成部14に出力する。S145の完了後、S140へ処理が進められる。
【0048】
次に、図7を用いて、重ね合わせ処理(S150)の詳細な流れについて説明する。図7は、第1の実施形態に係る重ね合わせ処理を示すフロー図である。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、情報処理装置10のCPU54の制御によって実行されうる。
【0049】
S151では、作成部14は、第1のフィルタリング(S130)および第2のフィルタリング(S143)を経て、最終的に残った基準点の任意座標系XY座標から、基準点の公共座標系座標を求め、基準点の任意座標系XY座標と求められた公共座標系座標とを対応させた評定点データセットを作成する。
【0050】
S152では、作成部14は評定点データセットを用いて幾何補正を行う。これにより、住宅表示地図上に各筆ポリゴングループが重ね合わせられる。
【0051】
S153では、作成部14をRMSE(Root Mean Squared Error)用いて重ね合わせ精度の評価を行う。ここで、重ね合わせ精度が閾値以下の筆ポリゴングループがある場合(S154、Yes)には、S130へ処理をすすめ、重ね合わせ精度が閾値より低い筆ポリゴングループに対して、S130~S150処理を繰り返す。このとき、例えば、S130において面積の閾値、または、歪み度の閾値を変更して処理を行う。第1のフィルタリング(S130)および第2のフィルタリング(S143)を経て、最終的に残った基準点が多いほど、重ね合わせ精度を向上させることができる。そして、全ての筆ポリゴングループの重ね合わせ精度が閾値を超えた場合(S154、No)は、S160に処理が進められ、作成された地図データが出力される。
【0052】
以上、本実施形態によれば、高精度かつ容易に公図と住宅表示地図を重ね合わせることが可能となり、公図と住宅表示地図とが高精度に重ね合わせられた地図を作成することが可能となる。
【0053】
なお、本実施形態では、S130において、面積の閾値と歪み度の閾値を用いて第1のフィルタリングを行ったが、面積と歪み度が閾値以下となる基準形状を用意し、基準形状との誤差を用いて、第1のフィルタリングを行ってもよい。また、各閾値および、該基準形状は、例えば機械学習を用いて、重ね合わせ精度がより高くなる値または形状を導き出してもよい。さらに、面積の閾値と歪み度の閾値の両方を用いて第1のフィルタリングを行う方が、重ね合わせ精度が高くなるため好ましいが、いずれか一方のみを用いても良い。
【0054】
また、第1のフィルタリングおよび第2のフィルタリングを行う方が、重ね合わせ精度が高くなるため好ましいが、第1のフィルタリングのみで地図データを生成することも可能である。
【0055】
さらに、本実施形態では、情報処理装置10とジオコーディング装置20とは異なる装置としたが、情報処理装置10がジオコーディング装置20の機能を備え、1つの装置としても良い。この場合、例えば、情報処理装置10は、ジオコーディング装置20の機能を有するジオコーディング部を備える。
【0056】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、機械学習を用いて、筆ポリゴングループをつなぎ合わせ、複数の筆ポリゴングループを含む筆ポリゴングループ群を作成する。本実施形態では、第1の実施形態と同様の構成および工程については、同一の符号を付して説明を省略し、差異を主に説明する。
【0057】
図8は、第2の実施形態に係る地図生成システム2の概略構成を示すブロック図である。地図生成システム2は、に含まれる情報処理装置80は、筆ポリゴングループ群作成部81を備える。
【0058】
筆ポリゴングループ群作成部81は、切り分け部11において切り分けられた筆ポリゴングループの形状から、隣接関係を判別し、判別された隣接関係に基づいて、筆ポリゴングループをつなぎ合わせ、複数の筆ポリゴングループを含む筆ポリゴングループ群を作成する。筆ポリゴングループ群の作成は、例えば、機械学習を用いて行われる。
【0059】
図9は、第2の実施形態に係る地図データの生成処理を示すフロー図である。本実施形態では、基準点の生成(S120)後に、筆ポリゴングループ群を作成する。S210では、筆ポリゴングループ群作成部81は、切り分け部11において切り分けられた筆ポリゴングループの形状から、隣接関係を判別し、判別された隣接関係に基づいて、筆ポリゴングループをつなぎ合わせ、複数の筆ポリゴングループを含む筆ポリゴングループ群を作成する。この工程を行うことで、重ね合わせ処理(S150)は、筆ポリゴングループ群ごとに行えばよいため、重ね合わせ処理の負荷を軽減することが可能となる。
【0060】
なお、筆ポリゴングループ群の作成処理(S210)は、筆ポリゴンの切り分け処理(S110)の後であって、幾何補正処理(S150)に行われていればよい。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態あについて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1,2 地図生成システム
10,80 情報処理装置
11 切り分け部
12 生成部
13 フィルタリング部
14 作成部
15 出力部
20 ジオコーディング装置
40 地図データ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9