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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133409
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/263 20060101AFI20240920BHJP
   E06B 3/267 20060101ALI20240920BHJP
   E06B 3/26 20060101ALI20240920BHJP
   E06B 3/58 20060101ALI20240920BHJP
   E06B 3/66 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E06B3/263 F
E06B3/263 M
E06B3/267
E06B3/26
E06B3/58 B
E06B3/66 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024118708
(22)【出願日】2024-07-24
(31)【優先権主張番号】63/551,540
(32)【優先日】2024-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】山下 富広
(57)【要約】
【課題】断熱性を向上させることができる建具を提供する。
【解決手段】建具は、金属部材33Aと金属部材33Aの屋内側Y2に設けられた樹脂部材33Bとが連結されるとともに、見付け方向の内側に開口するパネル溝34が形成された枠状部材33と、周縁部がパネル溝34に配置されるパネル50と、パネル50の屋内側Y2を向く面50bとパネル溝34との間に設けられた封止材62と、を備え、樹脂部材33Bは、パネル溝34の開口端343から見付け方向の外側に延びるとともに、封止材62に当たる当接壁部344を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材と前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材とが連結されるとともに、見付け方向の内側に開口するパネル溝が形成された枠状部材と、
周縁部が前記パネル溝に配置されるパネルと、
前記パネルの屋内側を向く面と前記パネル溝との間に設けられた封止材と、を備え、
前記樹脂部材は、前記パネル溝の開口端から見付け方向の外側に延びるとともに、前記封止材に当たる当接壁部を有する建具。
【請求項2】
前記封止材は、シーリング材である請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記封止材は、グレージングチャンネル及びビート材の少なくとも一方である請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記金属部材は、前記当接壁部の見付け方向の外側に配置される外側壁部を有し、
前記当接壁部及び前記外側壁部は、見付け方向に沿う略同一平面上に配置されている請求項1または2に記載の建具。
【請求項5】
前記金属部材は、前記当接壁部の屋内側に配置されるとともに、前記当接壁部を支持する支持壁部を有する請求項1または2に記載の建具。
【請求項6】
前記当接壁部は、先端部に設けられ前記金属部材に向けて突出する突出部を有する請求項1または2に記載の建具。
【請求項7】
前記金属部材は、前記樹脂部材側を押圧する押圧部を有する請求項1または2に記載の建具。
【請求項8】
前記押圧部は、前記パネル溝の底部よりも見付け方向の内側に配置されている請求項7に記載の建具。
【請求項9】
前記枠状部材の縦材の長手方向の端部と前記枠状部材の横材の長手方向の端部とが接合される接合部を備え、
前記接合部は、前記縦材の前記金属部材と前記横材の前記樹脂部材との間に配置される気密材を有する請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の開口に設置される建具として、アルミ合金等からなる金属部材と樹脂部材とが連結された框や枠等の枠状部材を備えるアルミ樹脂複合サッシのような建具が知られている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-147795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の建具では、枠状部材の金属部材が、ガラスパネルの端部を覆うグレージングチャンネル等の封止材に当たっているため、屋外の冷気の温度がグレージングチャンネルから金属部材を伝わって、屋内側にまで伝わってしまい、断熱性が不十分であるという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、断熱性を向上させることができる建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具は、金属部材と前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材とが連結されるとともに、見付け方向の内側に開口するパネル溝が形成された枠状部材と、周縁部が前記パネル溝に配置されるパネルと、前記パネルの屋内側を向く面と前記パネル溝との間に設けられた封止材と、を備え、前記樹脂部材は、前記パネル溝の開口端から見付け方向の外側に延びるとともに、前記封止材に当たる当接壁部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態に係る建具を屋外側から見た正面図である。
図2】第一実施形態に係る建具の外障子部分の鉛直断面図である。
図3】第一実施形態に係る建具の内障子部分の鉛直断面図である。
図4】第一実施形態に係る建具の水平断面図である。
図5図3のV部拡大図である。
図6図3のVI部拡大図である。
図7図4のVII部拡大図である。
図8】第一実施形態に係る建具の下框の押圧部を示す図である。
図9】第二実施形態に係る建具の下框を示す鉛直断面図である。
図10】第三実施形態に係る建具の外障子部分の鉛直断面図である。
図11】第三実施形態に係る建具の内障子部分の鉛直断面図である。
図12】第三実施形態に係る建具の水平断面図である。
図13図11のXIII部拡大図である。
図14】第四実施形態に係る建具を屋内側から見た正面図である。
図15】第四実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図16】第四実施形態に係る建具の水平断面図である。
図17図15のXVII部拡大図である。
図18】第四実施形態に係る建具の下枠の押圧部を示す図である。
図19】第四実施形態に係る建具の縦枠と下枠との接合部を示す図である。
図20】第五実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図21】第五実施形態に係る建具の水平断面図である。
図22図20のXXII部拡大図である。
図23】第六実施形態に係る建具を屋内側から見た正面図である。
図24】第六実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図25】第六実施形態に係る建具の水平断面図である。
図26図24のXXVI部拡大図である。
図27】第六実施形態に係る建具の下框の押圧部を示す図である。
図28】第六実施形態に係る建具の縦框と下框との接合部を示す図である。
図29】第七実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図30】第七実施形態に係る建具の水平断面図である。
図31図29のXXXI部拡大図である。
図32】第八実施形態に係る建具の下框の鉛直断面図である。
図33】第八実施形態に係る建具の上框の鉛直断面図である。
図34】第八実施形態に係る建具の戸先框の水平断面図である。
図35】第八実施形態の戸先框と下框との接合部を屋内側から見た斜視図である。
図36】第八実施形態の戸先框と下框との接合部を屋外側から見た斜視図である。
図37】第八実施形態の戸先框と下框との接合部を屋内側から見た分解斜視図。
図38】第八実施形態の戸先框と下框との接合部を屋外側から見た分解斜視図。
図39】第九実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図40】第九実施形態に係る建具の水平断面図である。
図41図39のXLI部拡大図である。
図42】第十実施形態に係る建具の水平断面図である。
図43】第十一実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図44】第十一実施形態に係る建具の水平断面図である。
図45図43のXLV部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る建具について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、ビル用建具の引違い窓を用いて説明する。図2に示すように、引違い窓100は、建物9の開口部9Wに固定されている。引違い窓100は、枠体1と、アングル2と、外障子3Aと、内障子3Bと、を備えている。外障子3A及び内障子3Bは、枠体1の内側に配置されている。外障子3A及び内障子3Bは、幅方向にスライド可能とされている。外障子3A及び内障子3Bを合わせて、障子3と称する場合がある。
【0010】
以下の説明では、引違い窓100を正面から見た左右方向を、幅方向Xと称する。幅方向Xに直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向Yと称する。幅方向X及び屋内外方向Yに直交する方向を、上下方向Zと称する。屋内外方向Yの屋外側を屋外側Y1と称し、屋内側を屋内側Y2と称する。幅方向X及び上下方向Zを合わせて、見付け方向と称する場合がある。枠体1、アングル2の各構成部材において、幅方向X、上下方向Z及び見付け方向で枠体1の中心から離れる側を外側と称し、枠体1の中心に向かう側を内側と称する場合がある。障子3の各構成部材において、幅方向X、上下方向Z及び見付け方向で障子3の中心から離れる側を外側と称し、障子3の中心に向かう側を内側という場合がある。
【0011】
図1に示すように、枠体1は、四方枠状をしている。枠体1は、上枠11と、下枠12と、一対の縦枠13,14と、を有している。各枠11,12,13,14は、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。
【0012】
上枠11は、幅方向Xに延びている。図2に示すように、上枠11は、金属上枠11Aと、樹脂上枠11Bと、を有している。樹脂上枠11Bは、金属上枠11Aの屋内側Y2且つ下側に取り付けられている。樹脂上枠11Bは、外障子3A及び内障子3Bが閉じた状態で、外障子3Aの屋内側Y2の部分で内障子3Bが配置されていない箇所に設けられている。
【0013】
金属上枠11Aの上部には、屋内外方向Yの中間から下方に延びる中間レール部111が設けられている。中間レール部111における屋外側Y1を向く面には、気密材66が設けられている。中間レール部111の気密材66は、外障子3Aの金属上框31Aに当たっている。これによって、上枠11と外障子3Aの上框31との間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0014】
図3に示すように、金属上枠11Aの上部には、屋内側Y2の端部から下方に延び、下端部が屋外側Y1に向かって開口する係合部112が設けられている。係合部112には、気密材66が設けられている。係合部112の気密材66は、内障子3Bの金属上框31Aに当たっている。これによって、上枠11と内障子3Bの上框31との間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0015】
図2に示すように、下枠12は、幅方向Xに延びている。下枠12は、金属下枠12Aと、樹脂下枠12Bと、を有している。樹脂下枠12Bは、金属下枠12Aの屋内側Y2且つ上側に取り付けられている。樹脂下枠12Bは、外障子3A及び内障子3Bが閉じた状態で、外障子3Aの屋内側Y2の部分で内障子3Bが配置されていない箇所に設けられている。
【0016】
金属下枠12Aの屋内外方向Yの中間には、屋外側Y1に向かって延びる水平片121が設けられている。水平片121は、中空部S11の屋外側Y1に配置されている。水平片121の屋外側Y1の端部には、屋外側Y1に向かって開口する係合部122が設けられている。係合部122には、気密材66が設けられている。係合部122の気密材66は、外障子3Aの金属下框33Aに当たっている。これによって、下枠12と外障子3Aの下框33との間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0017】
図3に示すように、金属下枠12Aの屋内側Y2の部分には、屋外側Y1に向かって開口する係合部122が設けられている。係合部122には、気密材66が設けられている。係合部122の気密材66は、内障子3Bの金属下框33Aに当たっている。これによって、下枠12と内障子3Bの下框33との間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0018】
図4に示すように、縦枠13,14は、上下方向Zに延びている。縦枠13,14は、上枠11の幅方向Xの端部と下枠12の幅方向Xの端部とを連結している。外障子3A及び内障子3Bが閉じた状態で、外障子3Aの戸先框35が近接する縦枠を、縦枠13とする。外障子3A及び内障子3Bが閉じた状態で、内障子3Bの戸先框35が近接する縦枠を、縦枠14とする。縦枠13,14は、それぞれ金属縦枠13A,14Aと、樹脂縦枠13B,14Bと、を有している。樹脂縦枠13B,14Bは、金属縦枠13A,14Aの幅方向Xの内側且つ屋内側Y2に取り付けられている。
【0019】
金属縦枠13Aの屋内外方向Yの中間には、屋外側Y1に向かって開口する係合部131が設けられている。係合部131には、気密材66が設けられている。係合部131の気密材66は、外障子3Aの金属戸先框35Aに当たっている。これによって、縦枠13と外障子3Aの戸先框35との間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0020】
金属縦枠14Aの屋内側Y2の端部には、屋外側Y1に向かって開口する係合部141が設けられている。係合部141には、気密材66が設けられている。係合部141の気密材66は、内障子3Bの金属戸先框35Aに当たっている。これによって、縦枠13と内障子3Bの戸先框35との間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0021】
気密材66は、枠11,12,13,14の長手方向に連続して配置されている。気密材66の長手方向の両端部どうしが接触している。気密材66は、弾性変形可能な軟質の樹脂材料で構成されている。
【0022】
金属枠11A,12A,13A,14Aは、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂枠11B,12B,13B,14Bは、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。
【0023】
図2に示すように、金属上枠11Aと樹脂上枠11Bとの間には、中空部S1~S9を有している。中空部S1~S9は、上枠11の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S1~S6は、順に上方から下方に向かって上下方向Zに並んで配置されている。中空部S1~S6は、内障子3Bよりも屋外側Y1に配置されている。中空部S2,S7~S9は、順に屋外側Y1から屋内側Y2に向かって屋内外方向Yに並んで配置されている。中空部S7~S9は、内障子3Bの上方に配置されている。上枠11は、中空部S1~S9を備えることによって、断熱性が高められている。
【0024】
金属下枠12Aは、中空部S11を有している。中空部S11は、金属下枠12Aの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。金属下枠12Aと樹脂下枠12Bとの間には、中空部S12~S15を有している。中空部S12~S15は、下枠12の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S12~S15は、順に屋外側Y1から屋内側Y2に向かって屋内外方向Yに並んで配置されている。S12~S15は、内障子3Bの下方に配置されている。下枠12は、中空部S11~S15を備えることによって、断熱性が高められている。
【0025】
図4に示すように、樹脂縦枠13Bは、中空部S31,S32を有している。中空部S31,S32は、樹脂縦枠13Bの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S32は、中空部S31の幅方向Xの内側に配置されている。金属縦枠13Aと樹脂縦枠13Bとの間には、中空部S33~37を有している。中空部S33~37は、縦枠13の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。空間部S33~S37,S31は、順に屋外側Y1から屋内側Y2に向かって屋内外方向Yに並んで配置されている。縦枠13は、中空部S31~S37を備えることによって、断熱性が高められている。
【0026】
アングル2は、樹脂材料の形材で形成されている。アングル2は、図2に示す上アングル21と、下アングル22と、を有している。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。
【0027】
上アングル21は、幅方向Xに延びている。上アングル21は、樹脂上枠11Bの屋内側Y2且つ下側に取り付けられている。上アングル21は、開口部9Wの上側に固定具21aで固定されている。固定具21aは、例えば螺子である。
【0028】
下アングル22は、幅方向Xに延びている。下アングル22は、樹脂下枠12Bの屋内側且つ上側に取り付けられている。下アングル22は、開口部9Wの下側に固定具22aで固定されている。固定具22aは、例えば螺子である。
【0029】
外障子3Aは、枠体1の屋外側Y1に配置されている。内障子3Bは、枠体1の屋内側Y2に配置されている。
【0030】
障子3は、框体30と、ガラスパネル50と、を有している。框体30は、上框31と、下框33と、戸先框35と、召合せ框37と、を有している。各框31,33,35,37は、金属框と樹脂框とが連結されて構成されている。上框31、下框33、戸先框35及び召合せ框37は、特許請求の範囲の枠状部材に対応する。
【0031】
上框31は、幅方向Xに延びている。上框31は、金属上框31Aと、樹脂上框31Bと、を有している。樹脂上框31Bは、金属上框31Aの屋内側Y2且つ下側に取り付けられている。金属上框31Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上框31Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0032】
下框33は、幅方向Xに延びている。下框33は、金属下框33Aと、樹脂下框33Bと、を有している。樹脂下框33Bは、金属下框33Aの屋内側Y2且つ上側に取り付けられている。金属下框33Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下框33B、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0033】
図4に示すように、戸先框35は、上下方向Zに延びている。戸先框35は、上框31の幅方向Xの一方側である戸先側の端部と下框33の戸先側の端部とを連結している。戸先框35は、金属戸先框35Aと、樹脂戸先框35Bと、を有している。樹脂戸先框35Bは、金属戸先框35Aの屋内側Y2に取り付けられている。金属戸先框35Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂戸先框35Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0034】
召合せ框37は、上下方向Zに延びている。召合せ框37は、上框31の幅方向Xの他方側である召合せ側の端部と下框33の召合せ側の端部とを連結している。召合せ框37は、金属召合せ框37Aと、樹脂召合せ框37Bと、を有している。樹脂召合せ框37Bは、金属召合せ框37Aの屋内側Y2に取り付けられている。金属召合せ框37Aは、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂召合せ框37Bは、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0035】
金属框31A,33A,35A,37Aは、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂框31B,33B,35B,37Bは、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。
【0036】
上框31、下框33、戸先框35及び召合せ框37には、ガラスパネル50の周縁部が嵌め込まれるガラス溝が形成されている。図2及び図3に示すように、上框31には、下方に開口する上框ガラス溝32が幅方向Xの略全長にわたって形成されている。上框ガラス溝32には、ガラスパネル50の上端部50uが嵌め込まれている。下框33には、上方に開口する下框ガラス溝34が幅方向の略全長にわたって形成されている。下框ガラス溝34には、ガラスパネル50の下端部50dが嵌め込まれている。図4に示すように、戸先框35には、幅方向Xの内側に開口する戸先框ガラス溝36が上下方向Zの略全長にわたって形成されている。戸先框ガラス溝36には、ガラスパネル50の幅方向Xの端部50sが嵌め込まれている。召合せ框37には、幅方向Xの内側に開口する召合せ框ガラス溝38が上下方向Zの略全長にわたって形成されている。召合せ框ガラス溝38には、ガラスパネル50の幅方向Xの端部50sが嵌め込まれている。ガラス溝32,34,36,38は、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0037】
ガラス溝32,34,36,38の底面には、框31,33,35,37の長手方向にわたって不図示の孔が形成されている。これによって、ガラス溝32,34,36,38の内部に外気を導入することが可能になっている。
【0038】
ガラスパネル50は、平板状に形成されている。ガラスパネル50は、屋外側ガラス51と、屋内側ガラス52と、スペーサー53と、を有している。スペーサー53は、屋外側ガラス51の四辺の周縁部の略全長と屋内側ガラス52の四辺の周縁部の略全長との間に配置されている。ガラスパネル50は、2枚のガラス51,52を有するペアガラスである。ガラスパネル50は、単層ガラスや複層ガラスであってもよい。ガラスパネル50は、板状部材であれば、樹脂製の板材等ガラスパネル以外であってもよい。ガラスパネル50は、特許請求の範囲のパネルに対応する。
【0039】
ガラスパネル50の四辺の周縁部の屋外側Y1を向く面50aとガラス溝32,34,36,38との間には、バックアップ材56及びシーリング材61が設けられている。シーリング材61は、バックアップ材56の見付け方向の内側に隣り合って配置されている。ガラスパネル50の四辺の周縁部の屋内側Y2を向く面50bとガラス溝32,34,36,38との間には、バックアップ材57及びシーリング材62が設けられている。シーリング材62は、バックアップ材57の見付け方向の内側に隣り合って配置されている。バックアップ材56,57及びシーリング材61,62は、ガラスパネル50の四辺の周縁部の略全長にわたって設けられている。シーリング材61,62は、不定形または定形形状であり、不定形形状の場合は例えばシリコーン、変成シリコーン、ウレタン、ブチル等を採用することがで、定形形状の場合は例えば塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム等を採用することができる。シーリング材62は、特許請求の範囲の封止材に対応する。
【0040】
内障子3Bの下框33の構成について詳細に説明する。図5に示すように、下框33の金属下框33Aは、溝底板部331と、溝屋外側板部332と、外側壁部333と、下板部334と、を有している。
【0041】
溝底板部331は、略平板状に形成されている。溝底板部331の板面は、上下方向Zを向いている。溝底板部331の上面は、ガラスパネル50の下端部50dの下方に対向している。
【0042】
溝屋外側板部332は、略平板状に形成されている。溝屋外側板部332の板面は、屋内外方向Yを向いている。溝屋外側板部332の上端部は、シーリング材61に当たっている。溝屋外側板部332の上端部とガラスパネル50の面50aとの間にシーリング材61が挟み込まれている。
【0043】
外側壁部333は、略平板状に形成されている。外側壁部333の板面は、屋内外方向Yを向いている。外側壁部333は、溝屋外側板部332の屋内側Y2に、溝屋外側板部332と空間を空けて配置されている。
【0044】
下板部334は、平板状に形成されている。下板部334の板面は、上下方向Zを向いている。下板部334は、溝底板部331の下方に配置されている。下板部334は、溝屋外側板部332の下部と外側壁部333の下部とを接続している。
【0045】
溝底板部331、溝屋外側板部332の上部、及び外側壁部333の上部によって、下框ガラス溝34が形成されている。
【0046】
外側壁部333の上端部は、バックアップ材57に当たっている。外側壁部333は、段部336と、支持壁部337と、を有している。段部336は、外側壁部333の上端部から屋内側Y2に向かって延びている。支持壁部337は、段部336の屋内側Y2の端部から上方に延びている。支持壁部337は、板状に形成されている。支持壁部337の板面は、屋内外方向Yを向いている。段部336があることによって、支持壁部337は、外側壁部333よりも屋内側Y2に配置されている。
【0047】
外側壁部333の上下方向Zの中間には、屋内側Y2に向かって延びる第1折曲壁部338が設けられている。第1折曲壁部338の屋内側Y2の端部には、下方に向かって延びる第2折曲壁部339が設けられている。
【0048】
外側壁部333の下端部には、屋内側Y2に向かって延びる下端壁部335が設けられている。
【0049】
下框33の樹脂下框33Bは、樹脂屋内側板部341と、樹脂屋外側板部342と、樹脂内側板部343と、当接壁部344と、樹脂外側板部345と、を有している。
【0050】
樹脂屋内側板部341は、略平板状に形成されている。樹脂屋内側板部341の板面は、屋内外方向Yを向いている。樹脂屋外側板部342は、樹脂屋内側板部341の屋外側Y1に樹脂屋内側板部341と間隔を空けて配置されている。樹脂内側板部343は、樹脂屋内側板部341の上端部と樹脂屋外側板部342の上端部とを連結している。樹脂内側板部343の屋外側Y1の端部は、樹脂屋外側板部342よりも屋外側Y1に張り出している。樹脂内側板部343の屋外側Y1の端部は、シーリング材62に当たっている。樹脂内側板部343は、下框ガラス溝34の上端部に位置し、特許請求の範囲の開口端に対応する。
【0051】
当接壁部344は、樹脂内側板部343の屋外側Y1の端部から見付け方向の外側に延びている。当接壁部344は、樹脂内側板部343の屋外側Y1の端部から下方に延びている。当接壁部344の屋外側Y1を向く面344aは、シーリング材62に当たっている。当接壁部344における幅方向X及び上下方向Zに沿う面344aは、シーリング材62に面接触している。金属下框33Aは、シーリング材62に当たっていない。
【0052】
金属下框33Aの外側壁部333は、当接壁部344の見付け方向の外側に配置されている。外側壁部333は、当接壁部344の下方に配置されている。外側壁部333の上端部は、当接壁部344の下方に僅かに間隔を空けて配置されている。当接壁部344の面344aと外側壁部333の屋外側Y1を向く面333aとは、見付け方向に沿う略同一平面上に配置されている。当接壁部344の面344aと外側壁部333の屋外側Y1を向く面333aとは、幅方向X及び上下方向Zに沿う略同一平面上に配置されている。当接壁部344の面344aと外側壁部333の屋外側Y1を向く面333aとは、幅方向X及び上下方向Zに沿う略同一平面上に配置されていなくてもよい。
【0053】
当接壁部344の下端部には、屋内側Y2に向かって延びる折曲片348が設けられている。金属下框33Aの支持壁部337は、当接壁部344の屋内側Y2に配置されている。金属下框33Aの支持壁部337は、当接壁部344の折曲片348に当たって、当接壁部344を支持している。金属下框33Aの支持壁部337は、当接壁部344の折曲片348に当たっていなくてもよい。
【0054】
樹脂外側板部345は、樹脂屋内側板部341の下部と樹脂屋外側板部342の下部とを連結している。
【0055】
樹脂屋外側板部342の上下方向Zの中間には、屋外側Y1に向かって延びる第1折曲壁部346が設けられている。第1折曲壁部346の屋外側Y1の端部には、上方に向かって延びる第2折曲壁部347が設けられている。第2折曲壁部347は、金属下框33Aの外側壁部333と樹脂下框33Bの第2折曲壁部339との間に挟まれている。
【0056】
図8に示すように、金属下框33Aの幅方向Xの両端部では、金属下框33Aの第2折曲壁部339の下端部が屋外側Y1に向かってかしめられている。第2折曲壁部339は、下方に向かうにしたがって次第に屋外側Y1に向かうように傾斜している。第2折曲壁部339がかしめられると、第2折曲壁部339の上端部と接続された第1折曲壁部338の屋内側Y2の端部も下方に向かって変形する。第2折曲壁部339が樹脂下框33Bの第2折曲壁部347に喰い込んで係合して、第2折曲壁部347を屋外側Y1に向かって押圧する。第2折曲壁部339が第2折曲壁部347に喰い込むことによって、金属下框33Aと樹脂下框33Bとは幅方向Xにスライド不能に接合される。第2折曲壁部339の幅方向Xの端部の部分は、特許請求の範囲の押圧部に対応する。金属下框33Aの幅方向Xの両端部で、金属下框33Aの第2折曲壁部339の下端部が屋外側Y1に向かってかしめられていなくてもよい。
【0057】
図5に示すように、金属下框33Aは、中空部S51を有している。中空部S51は、溝底板部331、溝屋外側板部332、下板部334及び外側壁部333で囲まれた空間である。中空部S51は、金属下框33Aの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。樹脂下框33Bは、中空部S52を有している。中空部S52は、樹脂内側板部343、樹脂屋外側板部342、樹脂外側板部345及び樹脂屋内側板部341で囲まれた空間である。中空部S52は、樹脂下框33Bの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。金属下框33Aと樹脂下框33Bとの間には、中空部S53~S57を有している。中空部S53~S57は、下框33の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S53~S56は、順に上方から下方に向かって上下方向Zに並んで配置されている。中空部S53~S56は、中空部S52の屋外側Y1に配置されている。中空部S53~S56は、中空部S51の屋内側Y2に配置されている。中空部S57は、中空部S56の屋内側Y2に配置されている。中空部S57は、中空部S52の下方に配置されている。下框33は、S51~S57を備えることによって、断熱性が高められている。
【0058】
外障子3Aの下框33は、内障子3Bの下框33と同様の構成であり、図2に同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
内障子3Bの上框31の構成について詳細に説明する。図6に示すように、上框31の金属上框31Aは、溝底板部311と、溝屋外側板部312と、外側壁部313と、上板部314と、を有している。
【0060】
溝底板部311は、略平板状に形成されている。溝底板部311の板面は、上下方向Zを向いている。溝底板部311の下面は、ガラスパネル50の上端部50uの上方に対向している。
【0061】
溝屋外側板部312は、略平板状に形成されている。溝屋外側板部312の板面は、屋内外方向Yを向いている。溝屋外側板部312の下端部は、シーリング材61に当たっている。溝屋外側板部312の下端部とガラスパネル50の面50aとの間にシーリング材61が挟み込まれている。
【0062】
外側壁部313は、略平板状に形成されている。外側壁部313の板面は、屋内外方向Yを向いている。外側壁部313は、溝屋外側板部312の屋内側Y2に、溝屋外側板部312と空間を空けて配置されている。
【0063】
溝底板部311、溝屋外側板部312の下部及び外側壁部313の下部によって、上框ガラス溝32が形成されている。
【0064】
上板部314は、平板状に形成されている。上板部314は、溝底板部311の上方に配置されている。上板部314は、溝屋外側板部312の上部と外側壁部313の上部とを接続している。
【0065】
外側壁部313の下端部は、バックアップ材57に当たっている。外側壁部313は、段部316と、第1壁部317aと、第2壁部317bと、を有している。段部316は、外側壁部313の下端部から屋内側Y2に向かって延びている。第1壁部317aは、段部316の屋内側Y2の端部から下方に向かって延びている。第2壁部317bは、第1壁部317aの下端部から屋外側Y1に向かって延びている。
【0066】
外側壁部313の上下方向Zの中間には、屋内側Y2に向かって延びる第1折曲壁部318が設けられている。第1折曲壁部318の屋内側Y2の端部には、上方に向かって延びる第2折曲壁部319が設けられている。
【0067】
上框31の樹脂上框31Bは、樹脂屋内側板部321と、樹脂屋外側板部322と、樹脂内側板部323と、当接壁部324と、樹脂外側板部325と、を有している。
【0068】
樹脂屋内側板部321は、平板状に形成されている。樹脂屋内側板部321の板面は、屋内外方向Yを向いている。樹脂屋外側板部322は、樹脂屋内側板部321の屋外側Y1に樹脂屋内側板部321と間隔を空けて配置されている。樹脂内側板部323は、樹脂屋内側板部321の下端部と樹脂屋外側板部322の下端部とを連結している。樹脂内側板部323の屋外側Y1の端部は、樹脂屋外側板部322よりも屋外側Y1に張り出している。樹脂内側板部323の屋外側Y1の端部は、シーリング材62に当たっている。
【0069】
当接壁部324は、樹脂内側板部323の屋外側Y1の端部から見付け方向の外側に延びている。当接壁部324は、樹脂内側板部323の屋外側Y1の端部から上方に延びている。当接壁部324の屋外側Y1を向く面324aは、シーリング材62に当たっている。当接壁部324における幅方向X及び上下方向Zに沿う面324aは、シーリング材62に面接触している。金属上框31Aは、シーリング材62に当たっていない。
【0070】
金属上框31Aの外側壁部313は、当接壁部324の見付け方向の外側に配置されている。外側壁部313は、当接壁部324の上方に配置されている。当接壁部324の面324aと外側壁部313の屋外側Y1を向く面313aとは、見付け方向に沿う略同一平面上に配置されている。当接壁部324の面324aと外側壁部313の面313aとは、幅方向X及び上下方向Zに沿う略同一平面上に配置されている。当接壁部324の面324aと外側壁部313の面313aとは、幅方向X及び上下方向Zに沿う略同一平面上に配置されていなくてもよい。
【0071】
当接壁部324の上端部には、屋内側Y2に向かって延びる折曲片328が設けられている。当接壁部324の上端部及び折曲片328は、金属上框31Aの段部316の下面に当たっている。下框33と同様に、金属上框31Aに支持壁部が設けられていて、支持壁部が折曲片328に当たって、折曲片328を支持する構成であってもよい。
【0072】
樹脂外側板部325は、樹脂屋内側板部321の上部と樹脂屋外側板部322の上端部とを連結している。樹脂外側板部325の屋外側Y1の端部は、樹脂屋外側板部322よりも屋外側Y1に張り出している。樹脂外側板部325の屋外側Y1の端部には、下方に向かって延びる折曲壁部327が設けられている。折曲壁部327は、金属上框31Aの外側壁部313と樹脂上框31B第2折曲壁部319との間に挟まれている。
【0073】
金属上框31Aの幅方向Xの両端部では、金属上框31Aの第2折曲壁部319の上端部が屋外側Y1に向かってかしめられている。第2折曲壁部319は、上方に向かうにしたがって次第に屋外側Y1に向かうように傾斜している。第2折曲壁部319がかしめられると、第2折曲壁部319の下端部と接続された第1折曲壁部318の屋内側Y2の端部も上方に向かって変形する。第2折曲壁部319が樹脂上框31Bの折曲壁部327に喰い込んで係合して、折曲壁部327を屋外側Y1に向かって押圧する。第2折曲壁部319が折曲壁部327に喰い込むことによって、金属上框31Aと樹脂上框31Bとは幅方向Xにスライド不能に接合される。第2折曲壁部319の幅方向Xの端部の部分は、特許請求の範囲の押圧部に対応する。金属上框31Aの幅方向Xの両端部で、金属上框31Aの第2折曲壁部319の上端部が屋外側Y1に向かってかしめられていなくてもよい。
【0074】
金属上框31Aは、中空部S61を有している。中空部S61は、溝底板部311、溝屋外側板部312、上板部314及び外側壁部313で囲まれた空間である。中空部S61は、金属上框31Aの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。樹脂上框31Bは、中空部S62を有している。中空部S62は、樹脂内側板部323、樹脂屋外側板部322、樹脂外側板部325及び樹脂屋内側板部321で囲まれた空間である。中空部S62は、樹脂上框31Bの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。金属上框31Aと樹脂上框31Bとの間には、中空部S63~S66を有している。中空部S63~S66は、上框31の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S63~S66は、順に上方から下方に向かって上下方向Zに並んで配置されている。中空部S64~S66は、中空部S62の屋外側Y1に配置されている。中空部S63は、中空部S62,S64の上方に配置されている。上框31は、S61~S66を備えることによって、断熱性が高められている。
【0075】
外障子3Aの上框31は、内障子3Bの上框31と同様の構成であり、図2に同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
内障子3Bの戸先框35の構成について詳細に説明する。図7に示すように、戸先框35の金属戸先框35Aは、溝底板部351と、溝屋外側板部352と、外側壁部353と、側板部354と、を有している。
【0077】
溝底板部351は、略平板状に形成されている。溝底板部351の板面は、幅方向Xを向いている。溝底板部351の幅方向Xの内側の面は、ガラスパネル50の端部50sの幅方向Xの外側に対向している。
【0078】
溝屋外側板部352は、略平板状に形成されている。溝屋外側板部352の板面は、屋内外方向Yを向いている。溝屋外側板部352の幅方向Xの内側の端部は、シーリング材61に当たっている。溝屋外側板部352の幅方向Xの内側の端部とガラスパネル50の面50aとの間にシーリング材61が挟み込まれている。
【0079】
外側壁部353は、略平板状に形成されている。外側壁部353の板面は、屋内外方向Yを向いている。外側壁部353は、溝屋外側板部352の屋内側Y2に、溝屋外側板部352と空間を空けて配置されている。
【0080】
溝底板部351、溝屋外側板部352の幅方向Xの内側の端部及び外側壁部353の幅方向Xの内側の端部によって、戸先框ガラス溝36が形成されている。
【0081】
側板部354は、平板状に形成されている。側板部354は、溝底板部351の幅方向Xの外側に配置されている。側板部354は、溝屋外側板部352の幅方向Xの外側の部分と外側壁部353の幅方向Xの外側の部分とを接続している。
【0082】
外側壁部353の幅方向Xの内側の端部近傍は、バックアップ材57に当たっている。外側壁部353の幅方向Xの内側の端部には、凹部355が形成されている。凹部355は外側壁部353の幅方向Xの内側の端部であって屋外側Y1を向く面に、屋内側Y2に凹むように形成されている。
【0083】
戸先框35の樹脂戸先框35Bは、樹脂屋内側板部361と、樹脂内側板部363と、当接壁部364と、を有している。
【0084】
樹脂屋内側板部361は、略平板状に形成されている。樹脂屋内側板部361の板面は、屋内外方向Yを向いている。樹脂内側板部363は、樹脂屋内側板部361の幅方向Xの内側の端部から屋外側Y1に延びている。樹脂内側板部363の屋外側Y1の端部は、シーリング材62に当たっている。
【0085】
当接壁部364は、樹脂内側板部363の屋外側Y1の端部から見付け方向の外側に延びている。当接壁部364は、樹脂内側板部363の屋外側Y1の端部から幅方向Xの外側に延びている。当接壁部364の屋外側Y1を向く面364aは、シーリング材62に当たっている。当接壁部364における幅方向X及び上下方向Zに沿う面364aは、シーリング材62に面接触している。金属戸先框35Aは、シーリング材62に当たっていない。
【0086】
金属戸先框35Aの外側壁部353は、当接壁部364よりも屋内側Y2に配置されている。これによって、外側壁部353がシーリング材62に当たることが抑制されている。
【0087】
当接壁部364の幅方向Xの外側の端部には、屋内側Y2に向かって延びる折曲片368が設けられている。折曲片368の先端部である屋内側Y2の端部は、金属戸先框35Aの凹部355に当たって、凹部355に支持されている。凹部355は、特許請求の範囲の支持壁部に対応する。
【0088】
戸先框35も下框33と同様に、金属戸先框35Aの上下方向Zの端部がかしめられて、金属戸先框35Aが樹脂戸先框35Bを押圧する構成であってもよい。
【0089】
金属戸先框35Aは、中空部S71を有している。中空部S71は、溝底板部351、溝屋外側板部352、側板部354及び外側壁部353で囲まれた空間である。中空部S71は、金属戸先框35Aの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。金属戸先框35Aと樹脂戸先框35Bとの間には、中空部S72~S74を有している。中空部S72~S74は、戸先框35の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S72~S74は、順に幅方向Xの内側から外側に向かって並んで配置されている。中空部S72~S74は、金属戸先框35Aの外側壁部353の屋内側Y2に配置されている。戸先框35は、中空部S71~S74を備えることによって、断熱性が高められている。
【0090】
外障子3Aの戸先框35は、内障子3Bの戸先框35と同様の構成であり、図4に同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
召合せ框37の樹脂召合せ框37Bにおいても、戸先框35と同様に、当接壁部364がシーリング材62に当たっている。
【0092】
内障子3Bの召合せ框37の金属召合せ框37Aにおける屋外側Y1を向く面には、気密材69が設けられている。気密材69は、外障子3Aの召合せ框37の金属召合せ框37Aに当たっている。気密材69は、外障子3Aの召合せ框37の樹脂召合せ框37Bに当たっていてもよい。
【0093】
内障子3Bの召合せ框37では、金属召合せ框37Aは、中空部S81を有している。中空部S81は、框ガラス溝38の幅方向Xの外側に配置されている。中空部S81は、金属召合せ框37Aの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。金属召合せ框37Aと樹脂召合せ框37Bとの間には、中空部S82~S85を有している。中空部S82~S85は、召合せ框37の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S82は、中空部S81の幅方向Xの外側に配置されている。中空部S83は、中空部S81の幅方向Xの外側且つ屋内側Y2に配置されている。中空部S84,S85は、中空部S81の屋内側Y2に配置されている。中空部S84,85は、順に幅方向Xの外側から内側に向かって並んで配置されている。内障子3Bの召合せ框37は、S81~S85を備えることによって、断熱性が高められている。
【0094】
外障子3Aの召合せ框37では、金属召合せ框37Aは、中空部S91を有している。中空部S91は、框ガラス溝38の幅方向Xの外側に配置されている。中空部S91は、金属召合せ框37Aの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。金属召合せ框37Aと樹脂召合せ框37Bとの間には、中空部S92~S94を有している。中空部S92~S94は、召合せ框37の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S94は、中空部S91の幅方向Xの内側に配置されている。中空部S92,S93は、中空部S94の幅方向Xの内側に配置されている。中空部S92は、中空部S93の屋外側Y1に配置されている。外障子3Aの召合せ框37は、S91~S94を備えることによって、断熱性が高められている。
【0095】
内障子3Bの召合せ框37の煙返し379及び外障子3Aの召合せ框37の煙返し379の下方に位置する下枠12には、屋外に通じる孔が形成されている。この孔から流入した外気は、内障子3Bの下框33の下板部334に形成された戸車固定用の孔を通って下框33の中空部S51に導入される。その後、框ガラス溝38の溝底板部331に形成された孔を通り、下框33と連続している戸先框35及び召合せ框37にも外気が導入される。
【0096】
樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364の面344a,344a,364aは、幅方向X及び上下方向Zに沿っていなくてもよい。当接壁部324,344,364の面344a,344a,364aは、見付け方向の外側に向かうにしたがって次第に屋外側Y1または屋内側Y2に向かって傾斜していてもよい。当接壁部324,344,364の面344a,344a,364aには、平面状に形成されていなくてもよい。当接壁部324,344,364の面344a,344a,364aは、湾曲して形成されていてもよい。当接壁部324,344,364の面344a,344a,364aには、屋外側Y1に向かって突出する凸部及び屋内側Y2に向かって凹む凹部の少なくとも一方が形成されていてもよい。
【0097】
引違い窓100では、樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属框自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364がシーリング材62に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A,33A,35A,37Aは、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0098】
ガラス溝32,34,36,38とガラスパネル50との間に設けられる封止材はシーリング材61,62であるため、封止材の耐久性を向上させることができる。樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364がシーリング材62に面接触で当たっている。よって、当接壁部324,344,364とシーリング材62との隙間、及びシーリング材62とガラスパネル50との隙間を抑えて気密性を高めることができる。
【0099】
下框33の樹脂下框33Bの当接壁部344の面344aと金属下框33Aの外側壁部333の屋外側Y1を向く面333aとは、幅方向X及び上下方向Zに沿う略同一平面上に配置されている。上框31の樹脂上框31Bの当接壁部324の面324aと金属上框31Aの外側壁部313の屋外側Y1を向く面313aとは、幅方向X及び上下方向Zに沿う略同一平面上に配置されている。ガラス溝32,34とガラスパネル50との間にバックアップ材57を挿入しやすい。
【0100】
下框33の金属下框33Aの支持壁部337は、当接壁部344の折曲片348に当たって、当接壁部344を支持している。戸先框35及び召合せ框37の金属戸先框35Aの凹部355は、樹脂戸先框35Bの当接壁部364の折曲片368の先端部に当たって、当接壁部364を支持している。金属框33A,35A,37Aが樹脂框33B,35B,37Bを支持して補強することで、耐風圧性を向上させることができる。
【0101】
下框33の金属下框33Aの第2折曲壁部339の幅方向Xの両端部は、樹脂下框33Bの第2折曲壁部347を屋外側Y1に向かって押圧する。上框31の金属上框31Aの第2折曲壁部319の幅方向Xの両端部は、樹脂上框31Bの折曲壁部327を屋外側Y1に向かって押圧する。樹脂材料と金属材料とでは線膨張係数が異なるが、金属框31A,33Aと樹脂框31B,33Bとが幅方向Xの両端部で確実に接合されているため、樹脂框31B,33Bが金属框31A,33Aに対して相対的に幅方向Xに伸縮してシーリング材62が切れたり、損傷したりすることが抑制され、引違い窓100の耐久性を高めることができる。
【0102】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る建具について、主に図9を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0103】
図9に示すように、本実施形態に係る内障子3Bの樹脂下框33Bの当接壁部344は、バックアップ材57よりも見付け方向の外側にまで延びている。内障子3Bの樹脂下框33Bの当接壁部344は、バックアップ材57よりも下方まで延びている。当接壁部344の面344aは、シーリング材62及びバックアップ材57に当たっている。
【0104】
内障子3Bの他の框31,35,37及び外障子3Aの框31,33,35,37においても、上記に示す下框33の当接壁部344と同様に構成であり、説明を省略する。
【0105】
引違い窓100では、樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属框自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364がシーリング材62に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A,33A,35A,37Aは、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0106】
樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364は、バックアップ材57よりも見付け方向の外側にまで延びている。これによって、金属框31A,33A,35A,37Aがシーリング材62に当たることがない。樹脂材料と金属材料とでは線膨張係数が異なるため、樹脂框及び金属框の両方がシーリング材に当たっていると、伸びの相違によってシーリング材に切れや損傷を生じる虞がある。本実施形態では、金属框31A,33A,35A,37Aがシーリング材62に当たっていないため、シーリング材62が切れたり、損傷したりすることが抑制され、引違い窓100の耐久性を高めることができる。
【0107】
(第三実施形態)
第三実施形態に係る建具について、主に図10から図13を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0108】
図10から図12に示すように、本実施形態に係る引違い窓100では、ガラスパネル50の四辺の周縁部に、グレージングチャンネル63が設けられている。グレージングチャンネル63は、ガラスパネル50の四辺の周縁部の略全長にわたって設けられている。グレージングチャンネル63は、樹脂材料で構成され、例えば塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム等を採用することができる。
【0109】
図13に示すように、下框33に設けられるグレージングチャンネル63の断面は、上方に開口する断面略U字状である。グレージングチャンネル63は、端面支持部631と、一対の側縁部636,636と、を有している。
【0110】
端面支持部631は、ガラスパネル50の下端部50dに沿って配置されている。側縁部636は、端面支持部631の屋内外方向Yの両端部から見付け方向の内側である上方に向かって延びている。屋外側Y1の側縁部636は、ガラスパネル50の面50aに沿って配置されている。屋内側Y2の側縁部636は、ガラスパネル50の面50bに沿って配置されている。
【0111】
側縁部636には、ガラスパネル50の対応する面50a,50bに向けて延びる一対の内側ヒレ部637,637が設けられている。一対の内側ヒレ部637,637は、上下方向Zに離れて配置されている。内側ヒレ部637の先端部は、ガラスパネル50の面50a,50bに当たっている。内側ヒレ部637の個数は、適宜設定可能である。
【0112】
側縁部636には、内側ヒレ部637と反対側に延びる外側ヒレ部638が設けられている。外側ヒレ部638の上下方向の位置は、一対の内側ヒレ部637,637の間である。屋外側Y1の外側ヒレ部638の先端部は、溝屋外側板部332の屋内側Y2を向く面に当たっている。
【0113】
側縁部636の先端部には、先端ヒレ部639が設けられている。屋外側Y1の先端ヒレ部639の屋内側Y2の端部は、ガラスパネル50の面50aに当たっている。屋外側Y1の先端ヒレ部639の屋外側Y1の端部は、金属下框33Aの溝屋外側板部332の上端部に当たっている。屋内側Y2の先端ヒレ部639の屋外側Y1の端部は、ガラスパネル50の面50bに当たっている。屋内側Y2の先端ヒレ部639の屋内側Y2の端部は、樹脂下框33Bの樹脂内側板部343と当接壁部344との角部に当たっている。樹脂下框33Bの当接壁部344は、屋内側Y2の側縁部636の上部に面接触で当たっている。
【0114】
図10に示すように、外障子3Aの下框33においても、内障子3Bの下框33と同様に、当接壁部344がグレージングチャンネル63の側縁部636に面接触で当たっている。
【0115】
外障子3A及び内障子3Bの上框31では、グレージングチャンネル63の端面支持部631がガラスパネル50の上端部50uに沿う向きで、グレージングチャンネル63は配置されている。樹脂上框31Bの当接壁部324は、グレージングチャンネル63の側縁部636に面接触で当たっている。
【0116】
図12に示すように、外障子3A及び内障子3Bの戸先框35及び召合せ框37では、グレージングチャンネル63の端面支持部631がガラスパネル50の幅方向Xの端部50sに沿う向きで、グレージングチャンネル63は配置されている。樹脂戸先框35B及び召合せ框37Bの当接壁部364は、グレージングチャンネル63の側縁部636に面接触で当たっている。
【0117】
引違い窓100では、樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364が、グレージングチャンネル63の側縁部636に面接触で当たって側縁部636を支持している。一般的に、金属框自体がグレージングチャンネルに当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているグレージングチャンネル、及びグレージングチャンネルに当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B,33B,35B,37Bの当接壁部324,344,364がグレージングチャンネル63に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A,33A,35A,37Aは、グレージングチャンネル63に当たっていない方が好ましい。
【0118】
外気の低い温度がグレージングチャンネル63を介してガラスパネル50の端部50d,50s,50uに伝わり、端部50d,50s,50uの温度が低下して、ガラスパネル50が結露する場合がある。第一実施形態のようなシーリング材62が設けられたシール仕様の場合には、ガラスパネル50とシーリング材62とが面で接触、及びガラスパネル50とバックアップ材57とが面で接触している。これに対して、本実施形態では、グレージングチャンネル63は先端ヒレ部639及び内側ヒレ部637のような凸状のリブが接触するため、熱伝達が少なく、ガラスパネル50への温度の伝達が少なくなる。その結果として、結露を抑制することができるとともに、断熱性を向上させることができる。
【0119】
(第四実施形態)
第四実施形態に係る建具について、主に図14から図19を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0120】
図10から図12に示すように、本実施形態に係る建具は、FIX窓100Dである。FIX窓100Dは、建物9の開口部9Wに固定されている。四方枠状の枠体1Dには、見付け方向の内側にむかって開口するガラス溝15が形成されている。ガラスパネル50の四辺の周縁部は、枠体1Dのガラス溝15の内側に配置されている。
【0121】
図15に示すように、上枠11Dは、幅方向Xに延びている。金属上枠11A1は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B1は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。樹脂上枠11B1は、金属上枠11A1の屋内側Y2且つ下側に連結されている。金属上枠11A1は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上枠11B1は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0122】
下枠12Dは、幅方向Xに延びている。金属下枠12A1は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B1は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。樹脂下枠12B1は、金属下枠12A1の屋内側Y2且つ上側に連結されている。金属下枠12A1は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下枠12B1は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0123】
図16に示すように、縦枠13Dは、上下方向Zに延びている。金属縦枠13A1は、金属上枠11A1の幅方向Xの端部と金属下枠12A1の幅方向Xの端部とを連結している。金属縦枠13A1は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。金属縦枠13A1には、金属押縁15A1が連結されている。樹脂縦枠13B1は、樹脂上枠11B1の幅方向Xの端部と樹脂下枠12B1の幅方向Xの端部とを連結している。樹脂縦枠13B1は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。樹脂縦枠13B1は、金属縦枠13A1の屋内側Y2且つ幅方向Xの内側に連結されている。金属縦枠13A1は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂縦枠13B1は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0124】
図17に示すように、金属下枠12A1は、溝底板部123と、溝屋外側板部124と、溝屋内側板部125と、を有している。
【0125】
溝底板部123は、ガラスパネル50の下端部50dの下方に配置されている。溝底板部123には、スペーサー58が設置されている。スペーサー58の上側には、ガラスパネル50が設置されている。溝底板部123は、スペーサー58を介してガラスパネル50を支持している。
【0126】
溝屋外側板部124は、溝底板部123の屋外側Y1の端部から上方に延びている。溝屋外側板部124は、バックアップ材56に当たっている。溝屋外側板部124とガラスパネル50の面50aとの間に、バックアップ材56が挟み込まれている。
【0127】
溝屋外側板部124の上端部には、屋内側Y2に延びる折曲壁部124aが設けられている。折曲壁部124aの屋内側Y2の端部には、下方に延びる下向き壁部124bが設けられている。下向き壁部124bとガラスパネル50の面50aとの間に、シーリング材61が挟み込まれている。
【0128】
溝屋内側板部125は、溝底板部123の屋内外方向Yの中間から上方に延びている。溝屋内側板部125は、平板状に形成されている。溝屋内側板部125の板面は、屋内外方向Yを向いている。溝屋内側板部125の上部は、支持壁部126である。
【0129】
溝屋内側板部125は、バックアップ材57に当たっている。溝屋内側板部125とガラスパネル50の面50bとの間に、バックアップ材57が挟み込まれている。溝屋内側板部125には、屋外側Y1に向かって延びる下側壁部127が設けられている。下側壁部127は、バックアップ材57の下面に沿って配置されている。下側壁部127は、バックアップ材57の下面を支持している。
【0130】
樹脂下枠12B1は、内側板部133と、中間板部134と、屋内板部135と、屋外板部136と、を有している。
【0131】
内側板部133は、金属下枠12A1の上側に配置されている。内側板部133の板面は、上下方向Zを向いている。内側板部133は、屋外側Y1の部分が屋内側Y2の部分よりも上段に配置されて階段状に形成されている。
【0132】
図18に示すように、内側板部133の屋外側Y1の端部には、下方に延びる当接壁部137が設けられている。当接壁部137の下端部には、屋内側Y2に向かって延びる折曲片138が設けられている。図17に示すように、当接壁部137は、シーリング材62に面接触で当たっている。当接壁部137とガラスパネル50の面50bとの間に、シーリング材62が挟み込まれている。
【0133】
図18に示すように、金属下枠12A1の支持壁部126は、当接壁部137の折曲片138に当たって、当接壁部137を支持している。
【0134】
図17に示すように、中間板部134は、内側板部133の屋内外方向Yの中間から下方に延びている。中間板部134の下端部は、金属下枠12A1に当たっている。屋内板部135は、内側板部133の屋内側Y2の部分から下方に延びている。屋内板部135の下端部は、金属下枠12A1に係止されている。屋外板部136は、内側板部133の屋外側Y1の端部近傍から下方に延びている。
【0135】
図18に示すように、金属下枠12A1の溝屋内側板部125には、屋内側Y2に延びる下側折曲壁部128が設けられている。溝屋内側板部125には、屋内側Y2に延びる上側折曲壁部129が設けられている。上側折曲壁部129は、水平に延び、先端部が屋内側Y2に向かうにしたがって次第に上方に延びている。
【0136】
樹脂下枠12B1の屋外板部136の下端部には、屋外側Y1に向かって延びる被係止壁部139が設けられている。
【0137】
金属下枠12A1の幅方向Xの両端部では、金属下枠12A1の下側折曲壁部128が上方に向かってかしめられている。下側折曲壁部128がかしめられると、下側折曲壁部128の先端部が樹脂下枠12B1の被係止壁部139に喰い込んで係合して、被係止壁部139を上方に向かって押圧する。図17に示すように、下側折曲壁部128は、ガラス溝15の底部である溝底板部123よりも見付け方向の内側に配置されている。下側折曲壁部128は、溝底板部123よりも上方に配置されている。下側折曲壁部128は、特許請求の範囲の押圧部に対応する。
【0138】
金属下枠12A1と樹脂下枠12B1との間には、中空部S101~S103を有している。中空部S101~S103は、下枠12Dの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S101~S103は、順に屋外側Y1から屋内側Y2に屋内外方向Yに並んで配置されている。中空部S101は、樹脂下枠12B1の屋外板部136よりも屋外側Y1に配置されている。中空部S102は、中間板部134よりも屋外側Y1に配置されている。中空部S103は、中間板部134と屋内板部135との間に配置されている。下枠12Dは、中空部S101~S103を備えることによって、断熱性が高められている。
【0139】
図15に示すように、上枠11Dにおいても、下枠12Dと同様に、樹脂上枠11B1の当接壁部137は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0140】
金属上枠11A1の折曲壁部114の幅方向Xの両端部は、屋外側Y1にかしめられている。折曲壁部114は、樹脂上枠11B1の折曲壁部115に喰い込んで係合して、折曲壁部115を屋外側Y1に押圧している。折曲壁部114は、ガラス溝15の底部よりも見付け方向の内側に配置されている。下側折曲壁部128は、ガラス溝15の底部よりも下方に配置されている。金属上枠11A1の折曲壁部114は、特許請求の範囲の押圧部に対応する。
【0141】
樹脂上枠11B1は、中空部S111~S114を有している。中空部S111~S114は、樹脂上枠11B1の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S111は、中空部S112の上側に配置されている。中空部S113は、中空部S112の屋内側Y2に配置されている。中空部S114は、中空部S113の下側に配置されている。金属上枠11A1と樹脂上枠11B1との間には、中空部S115,S116を有している。中空部S115,S116は、上枠11Dの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S115は、中空部S111,S112の屋外側Y1に配置されている。中空部S114は、中空部S115の下側に配置されている。中空部S116は、中空部S114の屋外側Y1に配置されている。上枠11Dは、中空部S111~S116を備えることによって、断熱性が高められている。
【0142】
図16に示すように、縦枠13Dにおいても、下枠12Dと同様に、樹脂縦枠13B1の当接壁部137は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0143】
金属押縁15A1の折曲壁部151の上下方向Zの両端部は、屋外側Y1にかしめられている。折曲壁部151は、樹脂縦枠13B1の折曲壁部142に喰い込んで係合して、折曲壁部142を屋外側Y1に押圧している。折曲壁部151は、ガラス溝15の底部よりも見付け方向の内側に配置されている。折曲壁部151は、ガラス溝15の底部よりも幅方向Xの内側に配置されている。金属押縁15A1の折曲壁部151は、特許請求の範囲の押圧部に対応する。
【0144】
樹脂縦枠13B1は、中空部S121,S122,S123を有している。中空部S121,S122,S123は、樹脂縦枠13B1の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。金属縦枠13A1と樹脂縦枠13B1との間には、中空部S124,S125を有している。中空部S124,S125は、縦枠13Dの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S124は、中空部S121の幅方向Xの外側に配置されている。中空部S122,S125は、中空部S124の屋内側Y2に配置されている。中空部S125は、中空部S122の幅方向Xの外側に配置されている。中空部S123は、中空部S122の屋内側Y2に配置されている。縦枠13Dは、中空部S121~S125を備えることによって、断熱性が高められている。
【0145】
上枠11D及び下枠12Dの幅方向Xの端部と縦枠13Dとの接合部について説明する。下枠12Dの幅方向Xの端部と縦枠13Dとの接合部A1の分解断面を示す図19を用いる。図19に示すように、金属縦枠13A1と下枠12Dとの接合面13aには、コーキングシーラー17が設けられている。コーキングシーラー17は、金属縦枠13A1と樹脂下枠12B1との間にも設けられている。金属縦枠13A1と上枠11Dとの接合面にも、同様にコーキングシーラー17が設けられている。コーキングシーラー17は、圧縮されると止水効果を発揮するブチルゴム等のコーキングシーラーである。上枠11D及び下枠12Dは、特許請求の範囲の横材に対応する。縦枠13Dは、特許請求の範囲の縦材に対応する。上枠11D及び下枠12Dの幅方向Xは、特許請求の範囲の長手方向に対応する。縦枠13Dの上下方向Zは、特許請求の範囲の長手方向に対応する。コーキングシーラー17は、特許請求の範囲の気密材に対応する。
【0146】
FIX窓100Dでは、樹脂枠11B1,12B1,13B1の当接壁部137が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属枠自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属枠の温度が低下すると、金属枠に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂枠11B1,12B1,13B1の当接壁部137がシーリング材62に面接触で当たたるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属枠11A1,12A1,13A1は、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0147】
下枠12Dの金属下枠12A1の下側折曲壁部128の幅方向Xの両端部は、樹脂下枠12B1の被係止壁部139を上方に向かって押圧する。樹脂材料と金属材料とでは線膨張係数が異なるが、金属下枠12A1と樹脂下枠12B1とが幅方向Xの両端部で確実に接合されているため、樹脂下枠12B1が金属下枠12A1に対して相対的に幅方向Xに伸縮してシーリング材62が切れたり、損傷したりすることが抑制され、FIX窓100Dの耐久性を高めることができる。
【0148】
上枠11Dの金属上枠11A1の折曲壁部114の幅方向Xの両端部は、樹脂上枠11B1の折曲壁部115を屋外側Y1に押圧している。樹脂材料と金属材料とでは線膨張係数が異なるが、金属上枠11A1と樹脂上枠11B1とが幅方向Xの両端部で確実に接合されているため、樹脂上枠11B1が金属上枠11A1に対して相対的に幅方向Xに伸縮してシーリング材62が切れたり、損傷したりすることが抑制され、FIX窓100Dの耐久性を高めることができる。
【0149】
縦枠13Dの金属押縁15A1の折曲壁部151の上下方向Zの両端部は、樹脂縦枠13B1の折曲壁部142を屋外側Y1に押圧している。樹脂材料と金属材料とでは線膨張係数が異なるが、金属押縁15A1と樹脂縦枠13B1とが上下方向Zの両端部で確実に接合されているため、樹脂縦枠13B1が金属押縁15A1に対して相対的に上下方向Zに伸縮してシーリング材62が切れたり、損傷したりすることが抑制され、FIX窓100Dの耐久性を高めることができる。
【0150】
金属下枠12A1の下側折曲壁部128、金属上枠11A1の折曲壁部114及び金属押縁15A1の折曲壁部151は、ガラス溝15の底部よりも見付け方向の内側に配置されている。ガラス溝15に配置されるシーリング材62が切れたり、損傷したりすることがより一層抑制される。
【0151】
金属縦枠13A1と樹脂下枠12B1及び樹脂上枠11B1との接合面13aにおいて、コーキングシーラー17が設けられている。金属縦枠13A1と樹脂下枠12B1及び樹脂上枠11B1との間にコーキングシーラー17を挟むことで、金属縦枠13A1と樹脂下枠12B1及び樹脂上枠11B1との接合部の水密性を高めることができる。
【0152】
(第五実施形態)
第五実施形態に係る建具について、主に図20から図22を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0153】
図20及び図21に示すように、本実施形態に係るFIX窓100Cでは、ガラスパネル50の四辺の周縁部の屋内外方向Yの両側に、ビート材64,65が設けられている。ビート材64,65は、ガラスパネル50の四辺の周縁部の略全長にわたって設けられている。ビート材64は、ガラスパネル50の面50aとガラス溝15との間に挟み込まれている。ビート材65は、ガラスパネル50の面50bとガラス溝15との間に挟み込まれている。ビート材64,65は、例えば軟質の樹脂材料で構成され、塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム等を採用することができる。
【0154】
図22に示すように、下枠12Dでは、ビート材64は、金属下枠12A1の溝屋外側板部124の壁部124bに係止されている。ビート材64は、ガラスパネル50の面50aに当たっている。ビート材65の上部には、屋内側Y2に突出する突起651が設けられている。突起651は、当接壁部137の上端部に係止されている。樹脂下枠12B1の当接壁部137には、ビート材65の屋内側Y2を向く面に面接触で当たっている。ビート材65の屋外側Y1を向く面は、ガラスパネル50の面50bに当たっている。ビート材65は、金属下枠12A1に当たっていない。
【0155】
図20に示すように、上枠11Dでは、下枠12Dを上下反転させた向きでビート材64,65が配置されている。樹脂上枠11B1の当接壁部137は、ビート材65に面接触で当たっている。金属上枠11A1は、ビート材65に当たっていない。
【0156】
図21に示すように、縦枠13Dでは、下枠12Dを見付け方向に沿って90°反転させた向きで配置されている。樹脂縦枠13B1の当接壁部137は、ビート材65に面接触で当たっている。金属縦枠13A1は、ビート材65に当たっていない。
【0157】
FIX窓100Cでは、樹脂枠11B1,12B1,13B1の当接壁部137が、ビート材65に面接触で当たって、ビート材65を支持している。一般的に、金属枠自体がビート材に当たっている場合には、外気によって金属枠の温度が低下すると、金属枠に当たっているビート材、及びビート材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂枠11B1,12B1,13B1の当接壁部137がビート材65に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属枠11A1,12A1,13A1は、ビート材65に当たっていない方が好ましい。
【0158】
外気の低い温度がビート材65を介してガラスパネル50の端部50d,50s,50uに伝わり、端部50d,50s,50uの温度が低下して、ガラスパネル50が結露する場合がある。第一実施形態のようなシーリング材62が設けられたシール仕様の場合には、ガラスパネル50とシーリング材62とが面で接触、及びガラスパネル50とバックアップ材57とが面で接触している。これに対して、本実施形態では、ビート材65は凸状のリブが接触するため、熱伝達が少なく、ガラスパネル50への温度の伝達が少なくなる。その結果として、結露を抑制することができるとともに、断熱性を向上させることができる。
【0159】
(第六実施形態)
第四実施形態に係る建具について、主に図23から図28を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0160】
図23から図25に示すように、本実施形態に係る建具は、縦滑り出し窓100Fである。
【0161】
図24に示すように、上枠11Eは、幅方向Xに延びている。金属上枠11A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B2は、金属上枠11A2の屋内側Y2且つ下側に設けられている。
【0162】
樹脂上枠11B2は、中空部S141~S143を有している。中空部S141~S143は、樹脂上枠11B2の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S141は、樹脂上枠11B2の屋内側Y2に沿って配置されている。中空部S142は、中空部S141の屋外側Y1に配置されている。中空部S143は、中空部S142の下側に配置されている。金属上枠11A2と樹脂上枠11B2との間には、中空部S144を有している。中空部S144は、上枠11Eの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。上枠11Eは、中空部141~144を備えることによって、断熱性が高められている。
【0163】
金属上枠11A2の屋外側Y1を向く面には、気密材67が設けられている。気密材67は、障子3Eの上框31Eに当たっている。樹脂上枠11B2の屋外側Y1を向く面には、ヒレ部68が設けられている。ヒレ部68は、例えば軟質樹脂材料で構成されている。ヒレ部68は、障子3Eの上框31Eに当たっている。これによって、上枠11Eと上框31Eとの間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0164】
下枠12Eは、幅方向Xに延びている。金属下枠12A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B2は、金属下枠12A2の屋内側Y2且つ上側に設けられている。
【0165】
金属下枠12A2の屋外側Y1を向く面には、気密材67が設けられている。気密材67は、障子3Eの下框33Eに当たっている。樹脂下枠12B2の屋外側Y1を向く面には、ヒレ部68が設けられている。ヒレ部68は、例えば軟質樹脂材料で構成されている。ヒレ部68は、障子3Eの下框33Eに当たっている。これによって、下枠12Eと下框33Eとの間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0166】
図25に示すように、縦枠13Eは、上下方向Zに延びている。金属縦枠13A2は、金属上枠11A2の幅方向Xの端部と金属下枠12A2の幅方向Xの端部とを連結している。金属縦枠13A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂縦枠13B2は、樹脂上枠11B2の幅方向Xの端部と樹脂下枠12B2の幅方向Xの端部とを連結している。樹脂縦枠13B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂縦枠13B2は、金属縦枠13A2の屋内側Y2且つ幅方向Xの内側に設けられている。
【0167】
樹脂縦枠13B2は、中空部S151~S156を有している。中空部S151~S156は、上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S151は、中空部S152の幅方向Xの内側に配置されている。中空部S152は、中空部S153の屋内側Y2に配置されている。中空部S154は、樹脂縦枠13B2の屋内側Y2に沿って配置されている。中空部S155,S156は、中空部S154の屋外側Y1に配置されている。中空部S156は、中空部S155の幅方向Xの外側に配置されている。金属縦枠13A2と樹脂縦枠13B2との間には、中空部S157,S158を有している。中空部S157,S158は、縦枠13Eの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S157は、中空部S158の屋内側Y2に配置されている。縦枠13Eは、中空部151~158を備えることによって、断熱性が高められている。
【0168】
金属縦枠13A2の屋外側Y1を向く面には、気密材67が設けられている。障子3Eの戸先側の気密材67は、障子3Eの戸先框35Eに当たっている。障子3Eの吊元側の気密材67は、障子3Eの吊元框37Eに当たっている。樹脂縦枠13B2の屋外側Y1を向く面には、ヒレ部68が設けられている。ヒレ部68は、例えば軟質樹脂材料で構成されている。障子3Eの戸先側のヒレ部68は、障子3Eの戸先框35Eに当たっている。障子3Eの吊元側のヒレ部68は、障子3Eの吊元框37Eに当たっている。これによって、上枠11Eと上框31Eとの間の気密性及び断熱性が確保されている。
【0169】
気密材67及びヒレ部68は、枠11E,12E,13Eの長手方向に連続して配置されている。気密材67の長手方向の両端部どうしが接触している。ヒレ部68の長手方向の両端部どうしが接触している。
【0170】
図24に示すように、障子3Eの框体30Eの上框31Eは、幅方向Xに延びている。金属上框31A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂上框31B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。樹脂上框31B2は、金属上框31A2の屋内側Y2且つ下側に設けられている。金属上框31A2は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上框31B2は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0171】
下框33Eは、幅方向Xに延びている。金属下框33A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂下框33B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。樹脂下框33B2は、金属下框33A2の屋内側Y2且つ上側に設けられている。金属下框33A2は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下框33B2は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0172】
図25に示すように、戸先框35E及び吊元框37Eは、上下方向Zに延びている。金属戸先框35A2は、金属上框31A2の戸先側の端部と金属下框33A2の戸先側の端部とを連結している。金属吊元框37A2は、金属上框31A2の吊元側の端部と金属下框33A2の吊元側の端部とを連結している。金属戸先框35A2及び金属吊元框37A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂戸先框35B2は、樹脂上框31B2の戸先側の端部と樹脂下框33B2の戸先側の端部とを連結している。樹脂吊元框37B2は、樹脂上框31B2の吊元側の端部と樹脂下框33B2の吊元側の端部とを連結している。樹脂戸先框35B2及び樹脂吊元框37B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂材料は、例えば塩化ビニルを主成分とする材料である。樹脂戸先框35B2は、金属戸先框35A2の屋内側Y2に設けられている。樹脂吊元框37B2は、金属吊元框37A2の屋内側Y2に設けられている。金属戸先框35A2及び金属吊元框37A2は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂戸先框35B2及び樹脂吊元框37B2は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0173】
框31E,33E,35E,37Eには、それぞれ見付け方向の外側に凹むガラス溝39が形成されている。ガラス溝39には、ガラスパネル50の周縁部が配置されている。
【0174】
図26に示すように、樹脂下框33B2は、溝底板部381と、溝屋外側板部382と、溝屋内側壁部383と、下板部384と、を有している。
【0175】
溝底板部381は、略平板状に形成されている。溝底板部381の板面は、上下方向Zを向いている。溝底板部381の上面は、ガラスパネル50の下端部50dの下方に配置されている。ガラスパネル50は、溝底板部381に設置されたスペーサー58の上側に設置されている。
【0176】
溝屋外側板部382は、略平板状に形成されている。溝屋外側板部382の板面は、屋内外方向Yを向いている。溝屋外側板部382の上端部は、シーリング材61に当たっている。溝屋外側板部382の上端部とガラスパネル50の面50aとの間にシーリング材61が挟み込まれている。
【0177】
溝屋内側壁部383は、略平板状に形成されている。溝屋内側壁部383の板面は、屋内外方向Yを向いている。溝屋内側壁部383は、溝屋外側板部382の屋内側Y2に、溝屋外側板部382と空間を空けて配置されている。
【0178】
溝底板部381、溝屋外側板部382の上部及び溝屋内側壁部383の上部によって、ガラス溝39が形成されている。
【0179】
下板部384は、平板状に形成されている。下板部384の板面は、上下方向Zを向いている。下板部384は、溝底板部381の下方に配置されている。下板部384は、溝屋外側板部382の下部と溝屋内側壁部383の下端部とを接続している。
【0180】
溝屋内側壁部383の上部は、バックアップ材57に当たっている。溝屋内側壁部383の上端部は、支持壁部385である。
【0181】
溝屋内側壁部383の上下方向Zの中間には、屋内側Y2に向かって延びる第1折曲壁部388が設けられている。第1折曲壁部388の屋内側Y2の端部には、下方に向かって延びる第2折曲壁部389が設けられている。
【0182】
溝屋内側壁部383の上下方向Zの中間には、屋内側Y2に向かって延びる延出壁部386が設けられている。延出壁部386は、第1折曲壁部388の下方に配置されている。延出壁部386は、ガラス溝39の底部である溝底板部381よりも見付け方向の内側に配置されている。延出壁部386は、ガラス溝39の底部よりも上方に配置されている。
【0183】
下框33の樹脂下框33B2は、樹脂屋内側板部391と、樹脂屋外側板部392と、樹脂内側板部393と、当接壁部394と、樹脂外側板部395と、を有している。
【0184】
樹脂屋内側板部391は、略平板状に形成されている。樹脂屋内側板部391の板面は、屋内外方向Yを向いている。樹脂屋外側板部392は、樹脂屋内側板部391の屋外側Y1に樹脂屋内側板部391と間隔を空けて配置されている。樹脂内側板部393は、樹脂屋内側板部391の上端部と樹脂屋外側板部392の上端部とを連結している。樹脂内側板部393の屋外側Y1の端部は、樹脂屋外側板部392よりも屋外側Y1に張り出している。樹脂内側板部393の屋外側Y1の端部は、シーリング材62に当たっている。
【0185】
当接壁部394は、樹脂内側板部393の屋外側Y1の端部から見付け方向の外側に延びている。当接壁部394は、樹脂内側板部393の屋外側Y1の端部から下方に延びている。当接壁部394の屋外側Y1を向く面394aは、シーリング材62に当たっている。当接壁部394における幅方向X及び上下方向Zに沿う面394aは、シーリング材62に面接触している。金属下框33A2は、シーリング材62に当たっていない。
【0186】
金属下框33A2の支持壁部385は、当接壁部394の屋内側Y2に配置されている。金属下框33Aの支持壁部385は、当接壁部394に当たって、当接壁部394を支持している。
【0187】
樹脂外側板部395は、樹脂屋内側板部391の下部と樹脂屋外側板部392の下部とを連結している。
【0188】
樹脂屋外側板部392の上下方向Zの中間には、屋外側Y1に向かって延びる第1折曲壁部396が設けられている。第1折曲壁部396の屋外側Y1の端部には、上方に向かって延びる第2折曲壁部397が設けられている。第2折曲壁部397は、金属下框33A2の溝屋内側壁部383と樹脂下框33B2の第2折曲壁部389との間に挟まれている。
【0189】
図27に示すように、金属下框33A2の幅方向Xの両端部では、金属下框33A2の延出壁部386が上方に向かってかしめられている。延出壁部386が樹脂下框33B2の第1折曲壁部396に喰い込んで係合して、第1折曲壁部396を上方に向かって押圧する。第1折曲壁部396は、金属下框33A2の延出壁部386と第2折曲壁部389とによって挟み込まれる。延出壁部386の幅方向Xの端部の部分は、特許請求の範囲の押圧部に対応する。
【0190】
図26に示すように、金属下框33A2は、中空部S171を有している。中空部S171は、溝底板部381、溝屋外側板部382、下板部384及び溝屋内側壁部383で囲まれた空間である。中空部S171は、金属下框33A2の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。樹脂下框33B2は、中空部S172,S173を有している。中空部S172,S173は、樹脂下框33B2の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S172は、中空部S173の上側に配置されている。金属下框33A2と樹脂下框33B2との間には、中空部S174~176を有している。中空部S174~176は、下框33Eの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S174は、中空部S175の上側に配置されている。中空部S174,S175は、中空部S172,S173の屋外側Y1に配置されている。中空部S176は、中空部S173の下側に配置されている。下框33Eは、S171~S176を備えることによって、断熱性が高められている。
【0191】
図24に示すように、上框31Eにおいても、下框33Eと同様に、樹脂上框31B2の当接壁部394は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0192】
樹脂上框31B2は、中空部S181を有している。中空部S181は、樹脂上框31B2の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。金属上框31A2と樹脂上框31B2との間には、中空部S182~S184を有している。中空部S182~S184は、上框31Eの幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S182は、中空部S181の上側に配置されている。中空部S183は、中空部S182の上側に配置されている。中空部S184は、中空部S181の屋外側Y1に配置されている。上框31Eは、中空部S181~S184を備えることによって、断熱性が高められている。
【0193】
図25に示すように、戸先框35E及び吊元框37Eにおいても、下框33Eと同様に、樹脂戸先框35B2及び樹脂吊元框37B2の当接壁部394は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0194】
樹脂戸先框35B2は、中空部S191~S193を有している。中空部S191~S193は、樹脂戸先框35B2の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S191~S193は、順に幅方向Xの外側から内側に並んで配置されている。金属戸先框35A2と樹脂戸先框35B2との間には、中空部S194を有している。中空部S194は、戸先框35Eの上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S194は、中空部S193の屋外側Y1に配置されている。戸先框35Eは、中空部S191~S194を備えることによって、断熱性が高められている。吊元框37Eは、戸先框35Eと同様に中空部を有している。
【0195】
上框31E、戸先框35E及び吊元框37Eも、下框33Eと同様に、金属框31A2,35A2,37A2がかしめられて樹脂框33B2,35B2,37B2側に押圧する構成であってもよい。
【0196】
上框31E及び下框33Eの幅方向Xの端部と戸先框35E及び吊元框37Eとの接合部について説明する。下框33Eの幅方向Xの端部と吊元框37Eとの接合部A2の分解断面を示す図28を用いる。図28に示すように、金属吊元框37A2と下框33Eとの接合面13bには、コーキングシーラー17が設けられている。コーキングシーラー17は、金属吊元框37A2と樹脂下框33B2との間にも設けられている。金属吊元框37A2と上框31Eとの接合面にも、同様にコーキングシーラー17が設けられている。金属戸先框35A2と下框33E及び上框31Eとの接合面にも、同様にコーキングシーラー17が設けられている。上框31E及び下框33Eは、特許請求の範囲の横材に対応する。吊元框37E及び戸先框35Eは、特許請求の範囲の縦材に対応する。上框31E及び下框33Eの幅方向Xは、特許請求の範囲の長手方向に対応する。吊元框37E及び戸先框35Eの上下方向Zは、特許請求の範囲の長手方向に対応する。コーキングシーラー17は、特許請求の範囲の気密材に対応する。
【0197】
縦滑り出し窓100Eでは、樹脂框31B2,33B2,35B2,37B2の当接壁部394が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属框自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B2,33B2,35B2,37B2の当接壁部394が、シーリング材62に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A2,33A2,35A2,37A2は、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0198】
下框33Eの金属下框33A2の延出壁部386の幅方向Xの両端部は、樹脂下框33B2の第1折曲壁部396を上方に向かって押圧する。樹脂材料と金属材料とでは線膨張係数が異なるが、金属下框33A2と樹脂下框33B2とが幅方向Xの両端部で確実に接合されているため、樹脂下框33B2が金属下框33A2に対して相対的に幅方向Xに伸縮してシーリング材62が切れたり、損傷したりすることが抑制され、縦滑り出し窓100Eの耐久性を高めることができる。
【0199】
金属下框33A2の延出壁部386は、ガラス溝39の底部よりも見付け方向の内側に配置されている。ガラス溝39に配置されるシーリング材62が切れたり、損傷したりすることがより一層抑制される。
【0200】
金属戸先框35A2及び金属吊元框37A2と樹脂上框31B2及び樹脂下框33B2との接合面において、コーキングシーラー17が設けられている。金属戸先框35A2及び金属吊元框37A2と樹脂上框31B2及び樹脂下框33B2との間にコーキングシーラー17を挟むことで、金属戸先框35A2及び金属吊元框37A2と樹脂上框31B2及び樹脂下框33B2との接合部の水密性を高めることができる。
【0201】
(第七実施形態)
第七実施形態に係る建具について、主に図29から図31を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0202】
図29及び図30に示すように、本実施形態に係る縦滑り出し窓100Gでは、ガラスパネル50の四辺の周縁部の屋内外方向Yの両側に、ビート材64,65が設けられている。ビート材64,65は、ガラスパネル50の四辺の周縁部の略全長にわたって設けられている。ビート材64は、ガラスパネル50の面50aとガラス溝39との間に挟み込まれている。ビート材65は、ガラスパネル50の面50bとガラス溝39との間に挟み込まれている。
【0203】
図31に示すように、下框33Eでは、ビート材64は、金属下框33A2の溝屋外側板部382とガラスパネル50の面50aとの間に挟み込まれている。ビート材65の突起651は、樹脂下框33B2の当接壁部394の上端部に係止されている。樹脂下框33B2の当接壁部394には、ビート材65の屋内側Y2を向く面に面接触で当たっている。ビート材65の屋外側Y1を向く面は、ガラスパネル50の面50bに当たっている。ビート材65は、金属下框33A2に当たっていない。
【0204】
図29に示すように、上框31Eでは、下框33Eを上下反転させた向きでビート材64,65が配置されている。樹脂上框31B2の当接壁部394は、ビート材65に面接触で当たっている。金属上框31A2は、ビート材65に当たっていない。
【0205】
図30に示すように、戸先框35E及び吊元框37Eでは、下框33Eを見付け方向に沿って90°反転させた向きで配置されている。樹脂戸先框35B2及び樹脂吊元框37B2の当接壁部394は、ビート材65に面接触で当たっている。金属戸先框35A2及び金属吊元框37A2は、ビート材65に当たっていない。
【0206】
縦滑り出し窓100Gでは、樹脂框31B2,33B2,35B2,37B2の当接壁部394が、ビート材65に面接触で当たって、ビート材65を支持している。一般的に、金属框自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B2,33B2,35B2,37B2の当接壁部394がビート材65に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A2,33A2,35A2,37A2は、ビート材65に当たっていない方が好ましい。
【0207】
外気の低い温度がビート材65を介してガラスパネル50の端部50d,50s,50uに伝わり、端部50d,50s,50uの温度が低下して、ガラスパネル50が結露する場合がある。第一実施形態のようなシーリング材62が設けられたシール仕様の場合には、ガラスパネル50とシーリング材62とが面で接触、及びガラスパネル50とバックアップ材57とが面で接触している。これに対して、本実施形態では、ビート材65は凸状のリブが接触するため、熱伝達が少なく、ガラスパネル50への温度の伝達が少なくなる。その結果として、結露を抑制することができるとともに、断熱性を向上させることができる。
【0208】
(第八実施形態)
第八実施形態に係る建具について、主に図32から図38を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0209】
図32に示すように、本実施形態に係る引違い窓100の下框33Hは、金属下框33Aと、樹脂下框33B3と、を有している。
【0210】
樹脂下框33B3の当接壁部344の先端部には、金属下框33Aに向けて突出する突出部349が設けられている。突出部349は、見付け方向の外側に向かうにしたがって次第に屋内側Y2に向かうように傾斜している。突出部349は、下方に向かうにしたがって次第に屋内側Y2に向かうように傾斜している。突出部349の先端部は、金属下框33Aの支持壁部337に当たっている。突出部349は、樹脂下框33B3の幅方向Xの略全長にわたって設けられている。突出部349は、当接壁部344の下端部と樹脂下框33B3の段部336及び支持壁部337との間に形成される僅かな隙間を封止している。
【0211】
図33に示すように、上框31Hは、金属上框31Aと、樹脂上框31B3と、を有している。
【0212】
樹脂上框31B3の当接壁部324の先端部には、金属上框31Aに向けて突出する突出部329が設けられている。突出部329は、見付け方向の外側に向かうにしたがって次第に屋内側Y2に向かうように傾斜している。突出部329は、上方に向かうにしたがって次第に屋内側Y2に向かうように傾斜している。突出部329の先端部は、金属上框31Aの支持壁部326に当たっている。突出部329は、樹脂上框31B3の幅方向Xの略全長にわたって設けられている。突出部329は、当接壁部324の上端部と樹脂上框31B3の段部及び支持壁部337との間に形成される僅かな隙間を封止している。
【0213】
図34に示すように、戸先框35Hは、金属戸先框35Aと、樹脂戸先框35B3と、を有している。
【0214】
樹脂戸先框35B3の当接壁部364の先端部には、金属戸先框35Aに向けて突出する突出部369が設けられている。突出部369は、見付け方向の外側に向かうにしたがって次第に屋内側Y2に向かうように傾斜している。突出部369は、幅方向Xの外側に向かうにしたがって次第に屋内側Y2に向かうように傾斜している。突出部369の先端部は、金属戸先框35Aの外側壁部353に当たっている。突出部369は、樹脂戸先框35B3の上下方向Zの略全長にわたって設けられている。召合せ框においても、戸先框35Hと同様に、突出部369が設けられている。
【0215】
図35から図38に、下框33Hと戸先框35Hとの接合部において、金属下框33Aと樹脂下框33B3との接合、及び金属戸先框35Aと樹脂戸先框35B3との接合を示す。金属框及び樹脂框では、それぞれ戸先框及び召合せ框の側面に下框及び上框が突きつけられる縦とおしの構成になっている。図37に示すように、樹脂戸先框35B3には、切欠き部370が形成されている。切欠き部370に、樹脂下框33B3の幅方向Xの端部がのみ込まれている。図36に示すように、組み立て時には、樹脂戸先框35B3の当接壁部364及び樹脂下框33B3の当接壁部344は、同一面でつながっている。
【0216】
引違い窓100では、樹脂框31B3,33B3,35B3,37B3の当接壁部324,344,364が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属框自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B3,33B3,35B3,37B3の当接壁部324,344,364が、シーリング材62に面接触で当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A,33A,35A,37Aは、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0217】
樹脂框31B3,33B3,35B3,37B3に突出部329,349,369を設けることによって、樹脂框31B3,33B3,35B3,37B3と金属框31A,33A,35A,37Aとの間に形成される僅かな隙間を小さくすることができる。当該隙間から屋内に抜ける隙間風を抑制して、気密性を高めることができる。
【0218】
(第九実施形態)
第九実施形態に係る建具について、主に図39から図41を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0219】
図39及び図40に示すように、本実施形態に係る建具は、FIX窓100Hである。図40に示すように、枠体1Hの屋外側Y1には、押縁18が設けられている。押縁18は、ガラスパネル50の屋外側Y1に配置されている。
【0220】
枠体1Hは、上枠11Hと、下枠12Hと、一対の縦枠13H,13Hと、を有している。図39に示すように、上枠11Hは、金属上枠11A3と、樹脂上枠11B3と、を有している。下枠12Hは、金属下枠12A3と、樹脂下枠12B3と、を有している。図40に示すように、縦枠13Hは、金属縦枠13A3と、樹脂縦枠13B3と、を有している。金属枠11A3,12A3,13A3は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂枠11B3,12B3,13B3は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0221】
図41に示すように、金属下枠12A3の溝屋外側板部124には、屋内側Y2に延びる係止片221,222が設けられている。係止片222は、係止片221の上方に配置されている。係止片221とガラスパネル50の面50aとの間に、バックアップ材56が挟み込まれている。係止片222とガラスパネル50の面50aとの間に、シーリング材61が挟み込まれている。
【0222】
金属下枠12A3の溝屋内側板部125には、屋外側Y1に延びる係止片223,224,225が設けられている。係止片224は、係止片223の上方に配置されている。係止片225は、係止片224の上方に配置されている。係止片224とガラスパネル50の面50bとの間に、バックアップ材57が挟み込まれている。
【0223】
樹脂下枠12B3の内側板部133の屋外側Y1の端部には、下方に延びる当接壁部137が設けられている。当接壁部137は、シーリング材62に面接触で当たっている。当接壁部137とガラスパネル50の面50bとの間に、シーリング材62が挟み込まれている。
【0224】
当接壁部137の下端部には、屋内側Y2に延びる係止片231が設けられている。係止片231は、金属下枠12A3の係止片225の下側に配置され、係止片225に係止されている。係止片225の先端部は、当接壁部137に当たって、当接壁部137を支持している。係止片225は、特許請求の範囲の支持壁部に対応する。
【0225】
樹脂下枠12B3は、中空部S201,S202を有している。中空部S201,S202は、樹脂下枠12B3の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S202は、中空部S201の屋内側Y2に配置されている。金属下枠12A3と樹脂下枠12B3との間には、中空部S203を有している。中空部S203は、中空部S201の屋外側Y1、下側及び屋内側Y2にわたって形成されている。下枠12Hは、S201~S203を備えることによって、断熱性が高められている。
【0226】
図39に示すように、上枠11Hにおいても、下枠12Hと同様に、樹脂上枠11B3の当接壁部137は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0227】
樹脂上枠11B3は、中空部S211,S212を有している。中空部S211,S212は、樹脂上枠11B3の幅方向Xの略全長にわたって形成されている。中空部S212は、中空部S211の屋内側Y2に配置されている。金属上枠11A3と樹脂上枠11B3との間には、中空部S213を有している。中空部S203は、中空部S201の屋外側Y1からS211,S212の上側にわたって形成されている。上枠11Hは、中空部S211~213を備えることによって、断熱性が高められている。
【0228】
図40に示すように、押縁18は、金属縦枠13A3の屋外側Y1に係止されている。押縁18は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。押縁18は、上下方向Zに延びている。押縁18は、金属縦枠13A3の上下方向Zの略全長にわたって配置されている。押縁18とガラスパネル50の面50aとの間に、バックアップ材56及びシーリング材61が挟み込まれている。
【0229】
縦枠13Hにおいても、下枠12Hと同様に、樹脂縦枠13B3の当接壁部137は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0230】
樹脂縦枠13B3は、中空部S221,S222を有している。中空部S221,S222は、樹脂縦枠13B3の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S222は、中空部S221の屋内側Y2に配置されている。金属縦枠13A3と樹脂縦枠13B3との間には、中空部S223,S224を有している。中空部S223は、中空部S221の屋外側Y1に配置されている。中空部S224は、中空部S221,S222,S223の幅方向Xの外側に配置されている。縦枠13Hは、中空部S221~224を備えることによって、断熱性が高められている。
【0231】
FIX窓100Hでは、樹脂枠11B3,12B3,13B3の当接壁部137が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属枠自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属枠の温度が低下すると、金属枠に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂枠11B3,12B3,13B3の当接壁部137がシーリング材62に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属枠11A3,12A3,13A3は、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0232】
(第十実施形態)
第十実施形態に係る建具について、主に図42を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0233】
図42に示すように、本実施形態に係るFIX窓100Iでは、枠体1Iの屋内側Y2に、押縁19が設けられている。押縁19は、ガラスパネル50の屋内側Y2に配置されている。
【0234】
ガラス溝15の屋外側Y1では、金属縦枠13A4とガラスパネル50の面50aとの間に、バックアップ材56及びシーリング材61が挟み込まれている。押縁19は、金属縦枠13A4の屋内側Y2に係止されている。押縁19は、樹脂材料の形材で形成されている。押縁19は、上下方向Zに延びている。押縁19は、金属縦枠13A4の上下方向Zの略全長にわたって配置されている。
【0235】
押縁19には、幅方向Xの内側から外側に向かって延びる当接壁部191が設けられている。当接壁部191は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0236】
樹脂縦枠13B3は、S222を有している。金属縦枠13A4と樹脂縦枠13B3との間には、S224を有している。押縁19は、中空部S231,S232を有している。中空部S231,S232は、押縁19の上下方向Zの略全長にわたって形成されている。中空部S232は、中空部S231の幅方向Xの内側に配置されている。押縁19と金属縦枠13A4との間には、中空部S233を有している。中空部S233は、中空部S231の幅方向Xの外側に配置されている。縦枠13I及び押縁19は、中空部S222,224、231,231,233を備えることによって、断熱性が高められている。
【0237】
FIX窓100Iでは、樹脂枠11B3,12B3の当接壁部137及び押縁19の当接壁部191が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属枠自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属枠の温度が低下すると、金属枠に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂枠11B3,12B3の当接壁部137及び押縁19の当接壁部191がシーリング材62に当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属枠11A3,12A3,13A4は、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0238】
(第十一実施形態)
第十一実施形態に係る建具について、主に図43から図45を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0239】
図43及び図45に示すように、本実施形態に係る建具は、縦滑り出し窓100Jである。障子3Jの框体30Jは、上框31Jと、下框33Jと、戸先框35Jと、吊元框37Jと、を有している。図43に示すように、上框31Jは、金属上框31A4と、樹脂上框31B4と、を有している。下框33Jは、金属下框33A4と、樹脂下框33B4と、を有している。図44に示すように、戸先框35Jは、金属戸先框35A4と、樹脂戸先框35B4と、を有している。吊元框37Jは、金属吊元框37A4と、樹脂吊元框37B4と、を有している。金属框31A4,33A4,35A4,37A4は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂框31B4,33B4,35B4,37B4は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0240】
図45に示すように、金属下框33A4のガラス溝39の屋外側Y1に配置される溝屋外側板部480には、屋内側Y2に延びる係止片481,482が設けられている。係止片482は、係止片481の上方に配置されている。係止片481とガラスパネル50の面50aとの間に、バックアップ材56が挟み込まれている。係止片482とガラスパネル50の面50aとの間に、シーリング材61が挟み込まれている。
【0241】
金属下框33A4のガラス溝39の屋内側Y2に配置される溝屋内側板部485と、ガラスパネル50の面50bとの間に、バックアップ材57が挟み込まれている。溝屋内側板部485には、屋内側Y2に凹む係止溝486が形成されている。
【0242】
樹脂下框33B4の樹脂内側板部393の屋外側Y1の端部には、下方に延びる当接壁部394が設けられている。当接壁部394は、シーリング材62に面接触で当たっている。当接壁部394とガラスパネル50の面50bとの間に、シーリング材62が挟み込まれている。
【0243】
当接壁部394の下端部には、屋内側Y2に延びる係止片398が設けられている。係止片398は、金属下框33A4の係止溝486に係止されている。
【0244】
図43に示すように、上框31Jにおいても、下框33Jと同様に、樹脂上框31B4の当接壁部394は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0245】
図44に示すように、戸先框35J及び吊元框37Jにおいても、下框33Jと同様に、樹脂戸先框35B4及び樹脂吊元框37B4の当接壁部394は、シーリング材62に面接触で当たっている。
【0246】
縦滑り出し窓100Jでは、樹脂框31B4,33B4,35B4,37B4の当接壁部394が、シーリング材62に面接触で当たって、シーリング材62を支持している。一般的に、金属框自体がシーリング材に当たっている場合には、外気によって金属框の温度が低下すると、金属框に当たっているシーリング材、及びシーリング材に当たっているガラスパネルを伝わって、低い外気の温度が屋内側Y2にまで伝達してしまう。本実施形態では、樹脂框31B4,33B4,35B4,37B4の当接壁部394が、シーリング材62当たるため、外気の温度が伝達されにくく、断熱性を向上させることができる。金属框31A4,33A4,35A4,37A4は、シーリング材62に当たっていない方が好ましい。
【0247】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0248】
例えば、上記に示す実施形態では、引違い窓、縦滑り出し窓、FIX窓を例に挙げて説明したが、これに限られない。テラスドア、横滑り出し窓、片引き窓、突き出し窓、片開きドア等の建具にも適用可能である。
【0249】
第二実施形態では、樹脂下框33Bの当接壁部344がバックアップ材57よりも下方まで延びているが、これに限られない。樹脂下框33Bの当接壁部344は、バックアップ材57の上下方向Zの途中までやバックアップ材57の下端部まで延びていてもよい。あるいは、樹脂下框33Bの当接壁部344は、下框ガラス溝34の底面である溝屋外側板部332に到達するまで延びていてもよい。
【0250】
第九実施形態及び第十実施形態では、FIX窓にシーリング材61,62が設けられているが、これに限られない。シーリング材61,62に替えて、第五実施形態のように、FIX窓にビート材64,65が設けられていてもよい。
【0251】
第十一実施形態では、縦滑り出し窓にシーリング材61,62が設けられているが、これに限られない。シーリング材61,62に替えて、第七実施形態のように、縦滑り出し窓にビート材64,65が設けられていてもよい。
【0252】
本開示は以下の態様を含む。
【0253】
(1)金属部材と前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材とが連結されるとともに、見付け方向の内側に開口するパネル溝が形成された枠状部材と、
周縁部が前記パネル溝に配置されるパネルと、
前記パネルの屋内側を向く面と前記パネル溝との間に設けられた封止材と、を備え、
前記樹脂部材は、前記パネル溝の開口端から見付け方向の外側に延びるとともに、前記封止材に当たる当接壁部を有する建具。
【0254】
(2)前記封止材は、シーリング材である(1)に記載の建具。
【0255】
(3)前記封止材は、グレージングチャンネル及びビート材の少なくとも一方である(1)に記載の建具。
【0256】
(4)前記金属部材は、前記当接壁部の見付け方向の外側に配置される外側壁部を有し、
前記当接壁部及び前記外側壁部は、見付け方向に沿う略同一平面上に配置されている(1)から(3)のいずれか一に記載の建具。
【0257】
(5)前記金属部材は、前記当接壁部の屋内側に配置されるとともに、前記当接壁部を支持する支持壁部を有する(1)から(4)のいずれか一に記載の建具。
【0258】
(6)前記当接壁部は、先端部に設けられ前記金属部材に向けて突出する突出部を有する(1)から(5)のいずれか一に記載の建具。
【0259】
(7)前記金属部材は、前記樹脂部材を押圧する押圧部を有する(1)から(6)のいずれか一に記載の建具。
【0260】
(8)前記押圧部は、前記パネル溝の底部よりも見付け方向の内側に配置されている(7)に記載の建具。
【0261】
(9)前記枠状部材の縦材の長手方向の端部と前記枠状部材の横材の長手方向の端部とが接合される接合部を備え、
前記接合部は、前記縦材の前記金属部材と前記横材の前記樹脂部材との間に配置される気密材を有する(1)から(8)のいずれか一に記載の建具。
【符号の説明】
【0262】
11A,12A,13A,14A 金属枠(金属部材)、11B,12B,13B,14B 樹脂枠(樹脂部材)、11,12,13,14 枠(枠状部材)、31A,33A,35A,37A 金属框(金属部材)、31B,33B,35B,37B 樹脂框(樹脂部材)、62 シーリング材(封止材)、63 グレージングチャンネル(封止材)、65 ビート材(封止材)、324,344,364 当接壁部、313,333,353 外側壁部、支持壁部 126,137,191
図1
図2
図3
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