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特開2024-13343照明ユニット及びこれを用いた照明パネル
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  • 特開-照明ユニット及びこれを用いた照明パネル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013343
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】照明ユニット及びこれを用いた照明パネル
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240125BHJP
【FI】
F21S2/00 494
F21S2/00 491
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115364
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】391021444
【氏名又は名称】株式会社ワーロン
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】230117259
【弁護士】
【氏名又は名称】綿貫 敬典
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 敬文
(72)【発明者】
【氏名】櫻本 武士
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA35
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244GA08
(57)【要約】
【課題】LED光源が故障した場合に容易に交換が可能であり、パネル全体に様々な明暗のパターンを与えることができる照明ユニットと照明パネルを提供する。
【解決手段】縦横の枠材11、12により枠体10を構成し、その表面に紙状シート40を貼り付けた照明ユニットである。枠体10を構成する対向する2辺の枠材11、11を、トンネル状の中空部13を備えた透光性樹脂からなるものとし、その内部に多数のLEDチップを備えたLEDテープ30を、長手方向に抜き差し可能に挿入した。LEDテープ30は容易に交換でき、紙状シート40を通した印影に富んだ柔らかな光による間接照明を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦横の枠材により枠体を構成し、その表面に紙状シートを貼り付けた照明ユニットであって、
枠体を構成する枠材のうち少なくとも対向する2辺を、トンネル状の中空部を備えた透光性樹脂からなるものとし、この中空部に、多数のLEDチップを備えたLEDテープを、長手方向に抜き差し挿入を可能にしたことを特徴とする照明ユニット。
【請求項2】
枠体を構成する枠材の全てを、透光性樹脂からなるものとしたことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
紙状シートが和紙の風合いを持つ半透光性の樹脂シートであることを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の照明ユニットを、複数枚連続配置したことを特徴とする照明パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切り、天井、扉、壁などに組み込んで、印影に富んだ柔らかな光による間接照明を行うことができる照明ユニット及びこれを用いた照明パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
障子や衝立などの間仕切りの内部に光源を組み込み、柔らかな光による間接照明を行うようにした光源付き建具は、特許文献1に示されるように従来から知られている。
【0003】
特許文献1の光源付き建具は、木製の枠体の下枠の部分に直管状のLED光源を取り付け、枠体の両面を障子紙で覆った構造のものである。しかしこのような光源付き建具は、LED光源が故障したり劣化した場合には、障子紙を剥がして修理するか、全体を廃棄し交換しなければならないという問題があった。特にLED光源が故障すると明るさが変化して目立ち易く、そのまま放置できないものであった。
【0004】
また特許文献1の光源付き建具は、下枠に直管状のLED光源を取り付けた構造であるから、下枠に近い部分は明るく、光源から遠い上枠に近い部分は暗くなる。このため、全体を明るくしたり、明るさの変化を付けることはできなかった。
【0005】
更に、枠体の内部を仕切る組子は木製であるから、組子の部分がくっきりと黒く見えてしまい、柔らかな光による間接照明という効果が削がれるという問題もあった。
【0006】
このほか特許文献2には、木製の桟に紫外線LEDを取付け、酸化チタンを含ませた障子紙に紫外線を照射して抗菌・消臭効果を発揮するようにした光源付き建具が記載されている。しかしこの構造では紫外線LEDを用いているため照明効果は得られないうえ、LED光源が故障したり劣化した場合の交換が困難であるという特許文献1と同じ問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011-026833号公報
【特許文献2】特開2003-106058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、LED光源が故障した場合に容易に交換が可能である照明ユニットと、これを用い、パネル全体に様々な明暗のパターンを与えることができる意匠的効果に優れた照明パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためになされた本発明の照明ユニットは、縦横の枠材により枠体を構成し、その表面に紙状シートを貼り付けた照明ユニットであって、枠体を構成する枠材のうち少なくとも対向する2辺を、トンネル状の中空部を備えた透光性樹脂からなるものとし、この中空部に、多数のLEDチップを備えたLEDテープを、長手方向に抜き差し挿入を可能にしたことを特徴とするものである。
【0010】
なお、枠体を構成する枠材の全てを、透光性樹脂からなるものとすることが好ましい。また紙状シートが、和紙の風合いを持つ半透光性の樹脂シートであることが好ましい。
【0011】
また本発明の照明パネルは、上記の照明ユニットを、複数個連続配置したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の照明ユニットは、枠体を構成する枠材のうち少なくとも対向する2辺を、トンネル状の中空部を備えた透光性樹脂からなるものとし、この中空部に、多数のLEDチップを備えたLEDテープを、長手方向に抜き差し可能に挿入した構造であるから、LED光源が故障したような場合には、枠材の端部からLEDテープを抜き出して容易に交換が可能である。また枠材を透光性樹脂材料からなるものとしたので、組子の部分がくっきりと黒く見えてしまうこともなく、意匠的効果に優れた間接照明が可能である。さらに本発明の照明パネルは、本発明の照明パネルを組み合わせたものであり、様々なパターンで明るさを変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の照明ユニットの単体を示す正面図である。
図2】透光性樹脂からなる枠材の断面構造を示す斜視図である。
図3】LEDテープの正面図である。
図4】非発光部分を持つLEDテープの正面図である。
図5】6枚の照明ユニットを組み合わせた照明パネルの斜視図である。
図6】21枚の照明ユニットを組み合わせた照明パネルの正面図である。
図7図6の照明パネルの発光状態を示す正面図である。
図8図6の照明パネルの他の発光状態を示す正面図である。
図9】本発明をドアに適用した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を示す。
図1は実施形態の照明ユニットの単体を示す正面図であり、10は縦横の枠材11、12により構成された四角形の枠体である。これらの枠材のうち対向する2辺の枠材11、11は、透光性樹脂からなる。この実施形態では枠材11はアクリル樹脂製であるが透光性樹脂であればよく、必ずしもアクリル樹脂に限定されるものではない。
【0015】
透光性樹脂からなる枠材11は、図2に示すように、長手方向に延びるトンネル状の中空部13を備えている。図2(A)に示すように、4枚の樹脂板を貼り合わせてその内部を中空部13としたものであっても、図2(B)に示すように押出成形により形成された中空部13であっても、図2(C)に示すように、断面コの字状の本体14とその開口部を覆う平板15とから形成された中空部13であってもよい。但し何れの場合にも長手方向に均一な断面形状とし、途中に引っ掛かりとなる部分がないようにしておく。
【0016】
なお、他の2辺を構成する枠材12はトンネル状の中空部13を備えたものとする必要はないが、やはり透光性樹脂製としておくことが好ましい。
【0017】
枠材11の中空部13の内部には、図3に示すような多数のLEDチップ31を備えたLEDテープ30が挿入されている。LEDテープ30は各種のものが市販されているが、基本的には樹脂テープの上に、LEDチップ31、抵抗32、端子33などを規則的に配置した構造となっている。LEDテープ30としては、昼白色、電球色など様々な色合いのものを選択することができるほか、接続された電源ボックスに設けた調光スイッチを操作して光の強度や色調を変えることもできる。また、枠材11の表面に着色フィルムを貼り付けて着色光としたり、赤、緑、青の3種類のLEDチップ31が搭載されたLEDテープ30を使用し、任意の色合いとすることもできる。
【0018】
LEDテープ30は一定間隔で形成されている切断箇所から切断して使用することができるものであるから、枠材11の長さに合わせて切断して用いる。端部の端子33には、電源供給用のリード線34を接続しておく。本発明ではLEDテープ30は枠材11の中空部13に、長手方向に抜き差し可能に挿入されており、故障した際には容易に引き出せるようにしておく。
【0019】
なお、LEDテープ30は切断して使用することができるので、図4に示すように途中にリード線34のみの非発光部分を形成することができる。このような非発光部分を形成したLEDテープ30を用いれば、同一直線上に非発光領域と発光領域とを形成することができる。
【0020】
図1に示すように、各LEDテープ30の端部から延びるリード線34は枠材11の端部から引き出され、電源線35に接続される。電源線35の端部にはプラグ36等を取り付けておき、外部の電源ボックス37に接続できるようにしておくことが好ましい。電源ボックス37としては市販品を用いることもできる。LEDテープ30に電源を供給すれば、透光性樹脂からなる枠材11の中空部13の内部でLEDチップ31が発光する。なお、透光性樹脂からなる枠材11の背面に透過する光量を抑制するため、枠材11の背面に非透光性のテープを貼ることもできる。
【0021】
枠体10の表面には、紙状シート40が貼り付けられ、パネル構造となっている。LEDチップ31からの光線は紙状シート40を透過し、柔らかな光による照明を行うことができる。紙状シート40は枠体10の片面のみに貼り付けても良いが、両面に貼り付けた構造とすることがより好ましい。枠体10の両面に紙状シート40を貼り付けるとその内部に空気層が形成され、建具として用いた場合に断熱効果を得ることができる。また内部構造が隠されるので、美観をより高めることができる。
【0022】
紙状シート40としては、和紙の風合いを持つ半透光性の樹脂シートを用いることが好ましい。この実施形態では出願人会社が製造販売している和風のシートを用いている。このシートは和紙と樹脂フィルムとをラミネート加工したものであり、和紙の外観を保ちつつ、且つ破れ易いという和紙の弱点をなくしている。また模様その他の様々な装飾加工を施すこともできる。このような和紙の風合いを持つ半透光性の樹脂シートを用いることにより、障子紙を通した光線のような印影に富んだ柔らかな光による照明を行うことができる。樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば強度に優れたPET樹脂を用いることができる。
【0023】
上記した照明ユニットは単独で使用することもできるが、例えば図5に示すように複数枚を連続配置して照明パネルとして用いることができる。図5の照明パネルは6枚の照明ユニットを一体化したものである。横方向に隣接する3枚の照明ユニットの枠材11の端面を一致させ、中空部13を連通させる。そして枠材11の3倍の長さを持つLEDテープ30を中空部13に挿入してある。このような構造とすれば、照明パネルの端面から横幅全長にわたる長さのLEDテープ30を抜き差しすることができるので、修理交換が容易となる。
【0024】
図6は上記した照明ユニットを多数枚組み合わせて建具状の照明パネルとした状態を示している。50は例えば木材、アルミ材などにより構成された分解可能な外枠であり、照明パネルとしての強度を高めるとともに、室内に設置した場合の美観を高めている。電源線35は外枠50の端部から引き出され、電源ボックス37に接続される。なお電源ボックスは建物の天井部に設置することもできる。
【0025】
図6の実施形態では、横方向の枠材11にそれぞれLEDテープ30が挿入されており、中央部ではLEDテープ30が上下に2重となる。図7は各照明ユニットの下側の枠材11のみを発光させた場合の、照明パネルの外観を示している。この場合にはLEDチップ31から上向きに光が出るので、下側の枠材11に近い部分が明るく、上方に離れると次第に暗くなる印影に富んだ外観を得ることができる。
【0026】
図8は照明パネルを市松模様に発光させた実施形態を示している。この場合には、図4に示したリード線34のみの区間を持つLEDテープ30を交互に挿入している。更に詳細には、上側の照明ユニットの枠材11には中央にリード線34のみの非発光部分を持つLEDテープ30を挿入し、下側の照明ユニットの枠材11には両端にリード線34のみの非発光部分を持ち、中央部が発光するLEDテープ30を挿入している。縦方向の枠材12の間隔と非発光部分の長さを一致させることにより、非発光部分が市松模様となった外観とすることができる。
【0027】
本発明の照明ユニットは、様々なサイズや形状に組み立てることができる。本発明の照明ユニットは、間仕切り、天井、壁などに取付けて建具として利用できるほか、図9に示すようにドアの一部に組み込んだり、内照式看板などとしても利用することができる。何れの場合にも、内部のLEDが故障した場合にはLEDテープ30を容易に引き抜いて修理したり交換することができ、従来よりもメンテナンス作業を容易化することができる。なお、発光パターンは図7図8のほかにも、様々に変えることができることはいうまでもない。
【0028】
なお、上記した各実施形態では枠体10の表裏両面に紙状シート40を貼り付けたが、照明パネルを壁面に密着配置して光壁として使用する場合には、壁面で光線を反射させることができるので、背面側の紙状シート40を省略することもできる。
【0029】
以上に説明したように、本発明の照明ユニット及び照明パネルは、LED光源が故障したような場合に容易に交換が可能であり、パネル全体に様々な明暗のパターンを与えることができる意匠的効果に優れたものである。
【符号の説明】
【0030】
10 枠体
11 枠材
12 枠材
13 中空部
14 本体
15 平板
30 LEDテープ
31 LEDチップ
32 抵抗
33 端子
34 リード線
35 電源線
36 プラグ
37 電源ボックス
40 紙状シート
50 外枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9