(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133438
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】光受容体保護のための音響光学変調
(51)【国際特許分類】
G02F 1/11 20060101AFI20240925BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20240925BHJP
G01J 1/04 20060101ALI20240925BHJP
B64C 1/14 20060101ALI20240925BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240925BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G02F1/11 502
G01J1/02 Q
G01J1/04 A
B64C1/14
G02B5/18
G02B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024013951
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】18/162,849
(32)【優先日】2023-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガンサー, ブライアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光受容体をレーザー源からの入射レーザービームから保護するための音響光学変調器システムを提供する。
【解決手段】音響光学変調器システムは、ガラス部分に接続されたトランスデューサアレイを含む。ガラス部分が、レーザー源と光受容体との間のレーザービームの予測される経路内に配置される。電子制御ユニット(「ECU」)が、トランスデューサアレイに選択的に通電し、トランスデューサアレイに音圧波をガラス部分の中に発させる。音圧波は、ビームを回折させるためにガラス部分の屈折率を変化させる所定の振動特性を有する。カメラシステムが、トランスデューサアレイ、ECU、及び撮像センサと予測される経路内に配置された外部レンズとを有するカメラを含む。ホスト航空機は、光受容体、胴体、1以上の主翼、ガラス部分、トランスデューサアレイ、及びECUを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光受容体(180)をレーザー源(25)からの入射レーザービーム(LL)から保護するための音響光学変調器システム(26)であって、
ガラス部分(30)の主要面(33)に接続されたトランスデューサアレイ(42)であって、前記ガラス部分(30)は、前記レーザー源(25)と前記光受容体(180)との間に配置されている、トランスデューサアレイ(42)、及び
前記トランスデューサアレイ(42)と通信する電子制御ユニット(「ECU」)(50)を備え、前記ECU(50)は、前記トランスデューサアレイ(42)に選択的に通電し、それによって、前記トランスデューサアレイ(42)に音圧波(35)を前記ガラス部分(30)の中に発させるように構成され、所定の振動特性を有する前記音圧波(35)は、前記入射レーザービーム(LL)を前記光受容体(180)から離すように回折させるのに十分に、前記ガラス部分(30)の屈折率を変化させるように構成されている、システム(26)。
【請求項2】
前記トランスデューサアレイ(42)は、1以上の圧電トランスデューサ(142)を含む、請求項1に記載のシステム(26)。
【請求項3】
前記ECU(50)は、前記所定の振動特性を変更するために、前記トランスデューサアレイ(42)への無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、請求項1に記載のシステム(26)。
【請求項4】
前記ECU(50)と通信するヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイス(500)を更に備え、前記ECU(50)は、前記HMIデバイス(500)からの周波数選択信号に応答して、前記トランスデューサアレイ(42)への前記RF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、請求項3に記載のシステム(26)。
【請求項5】
前記ガラス部分(30)は、凸状であり、前記レーザー源(25)に向かって突出している、請求項1に記載のシステム(26)。
【請求項6】
前記ガラス部分(30)は、カメラ(18)の外部レンズ(30L)であり、前記光受容体(180)は、前記カメラ(18)の撮像センサ(180)の一部である、請求項5に記載のシステム(26)。
【請求項7】
前記ガラス部分(30)は、航空機(10、10A)のキャノピー(160)の一部として構成されている、請求項5に記載のシステム(26)。
【請求項8】
前記ガラス部分(30)は、実質的に平面的又は平坦である、請求項1に記載のシステム(26)。
【請求項9】
前記ガラス部分(30)は、窓ガラス(30A)である、請求項8に記載のシステム(26)。
【請求項10】
カメラ(18)であって、
撮像センサ(180)として構成される光受容体(180)、及び
前記撮像センサ(180)と入射レーザービーム(LL)を発するレーザー源(25)との間の前記入射レーザービーム(LL)の予測される経路(31)内に配置された外部レンズ(30L)を有する、カメラ(18)、
前記外部レンズ(30L)の主要面(132)に接続されたトランスデューサアレイ(42)、並びに
前記トランスデューサアレイ(42)と通信する電子制御ユニット(「ECU」)(50)を備える、カメラシステム(11)であって、前記ECU(50)は、前記トランスデューサアレイ(42)に選択的に通電し、それによって、前記トランスデューサアレイ(42)に所定の振動特性を有する音圧波(35)を前記外部レンズ(30L)の中に発させるように構成され、前記所定の振動特性は、前記入射レーザービーム(LL)を前記撮像センサ(180)から離すように回折させるのに十分に、前記外部レンズ(30L)の屈折率を変化させるように構成されている、カメラシステム(11)。
【請求項11】
前記トランスデューサアレイ(42)は、1以上の圧電トランスデューサ(142)を含む、請求項10に記載のカメラシステム(11)。
【請求項12】
前記ECU(50)は、前記所定の振動特性を変更するために、前記トランスデューサアレイ(42)への無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、請求項10に記載のカメラシステム(11)。
【請求項13】
前記ECU(50)と通信するヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイス(500)を更に備え、前記ECU(50)は、前記HMIデバイス(500)からの周波数選択信号(CCF)に応答して、前記トランスデューサアレイ(42)への前記RF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、請求項12に記載のカメラシステム(11)。
【請求項14】
前記外部レンズ(30L)は凸状であり、それによって、前記外部レンズ(30L)は前記レーザー源(25)に向かって突出している、請求項10に記載のカメラシステム(11)。
【請求項15】
光受容体(180)、
胴体(12)、
前記胴体(12)に接続された1以上の主翼(22)、
レーザー源(25)からの入射レーザービーム(LL)の予測される経路(31)内に配置されたガラス部分(30)であって、前記予測される経路(31)は、前記レーザー源(25)と前記光受容体(180)との間で延在する、ガラス部分(30)、
前記ガラス部分(30)の表面(33)に接続されたトランスデューサアレイ(42)、及び
前記トランスデューサアレイ(42)と通信する電子制御ユニット(「ECU」)を備える、ホスト航空機(10、10A)であって、前記ECU(50)は、前記トランスデューサアレイ(42)に選択的に通電し、それによって、前記トランスデューサアレイ(42)に所定の振動特性を有する音圧波(35)を前記ガラス部分(30)の中に発させるように構成され、前記所定の振動特性は、前記入射レーザービーム(LL)を前記光受容体(180)から離すように回折させるのに十分に、前記ガラス部分(30)の屈折率を変化させるように構成されている、ホスト航空機(10、10A)。
【請求項16】
前記胴体(12)又は前記主翼(22)に取り付けられたカメラシステム(11)を更に備え、前記カメラシステム(11)は、外部レンズ(30L)及び撮像センサ(180)を有するカメラ(18)を含み、前記光受容体(180)は前記撮像センサ(180)の一部であり、前記ガラス部分(30)は前記外部レンズ(30L)として構成されている、請求項15に記載のホスト航空機(10、10A)。
【請求項17】
前記外部レンズ(30L)は凸状であり、それによって、前記外部レンズ(30L)は前記レーザー源(25)に向かって突出している、請求項16に記載のホスト航空機(10、10A)。
【請求項18】
前記ECU(50)は、前記所定の振動特性を変更するために、前記トランスデューサアレイ(42)への無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、請求項15に記載のホスト航空機(10、10A)。
【請求項19】
前記ECU(50)と通信するヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイス(500)を更に備え、前記ECU(50)は、前記HMIデバイス(500)からの周波数選択信号(CCF)に応答して、前記トランスデューサアレイ(42)への前記RF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、請求項18に記載のホスト航空機(10、10A)。
【請求項20】
前記胴体(12)に接続された凸状キャノピー(160)又は平坦な窓ガラス(30A)のうちの少なくとも一方を更に備え、前記ガラス部分(30)は、前記凸状キャノピー(160)又は前記平坦な窓ガラス(30A)の一部である、請求項15に記載のホスト航空機(10、10A)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、レーザービームから光受容体を保護するための自動化されたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 高エネルギーのコヒーレント光ビームが、幅広い用途で使用されている。例えば、単一波長の光源、例えばレーザーダイオードを使用して、可視及び赤外(「IR」)レーザービームを生成することができる。レーザーデバイスによって発されたレーザービームは、典型的には光ファイバや自由空間などの伝送媒体中を通って移動し、一定の断面サイズ及び形状を維持しながら直線で伝播する。その結果、レーザーは、ビークル航行、長距離光通信、測距、物体検出、及び遠隔撮像などの、精密な用途で特に有用である。しかし、レーザービームはまた、精密な撮像センサや他の人工的又は自然の光受容体に有害であり得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 普通であれば入射レーザービームによってもたらされ得るはずの損傷から1以上のデジタル又は生物学的光受容体を保護するための自動化された/コンピュータベースのシステム及び関連方法が、本明細書で開示される。提案される解決策は、入射レーザービームを光受容体から回折させる目的で、ガラスや別の適切な組成の構造体に音圧波を意図的に導入する。本明細書及び一般的な技術分野で音響光学効果と呼ばれるこの効果は、本明細書でガラス部分(例えば、外部カメラレンズ、窓、又はキャノピー)に適用される。付与された音圧波は、ガラス部分を周期的に膨張・収縮させて、その屈折率を変化させ、それによって、ガラス部分に回折格子を生成する。その結果、回折格子は、最終的には入射レーザービームを回折させ、それによって、(1以上の)光受容体を保護する。
【0004】
[0004] 本明細書で想定されるように、ホスト航空機には、外部レンズと集合的に撮像センサを形成する1以上の光受容体とを有するカメラが装備され得る。トランスデューサアレイが、外部レンズ上に配置されるか又はそれに接続される。想定されるシナリオとしては、入射レーザービームが、不注意又は故意にそのようなカメラに向けられたり、場合によってはホスト航空機のコックピットに向けられたりすることがある。
【0005】
[0005] 非限定的で例示的な一実施形態では、そのような光受容体を入射レーザービームから保護するための音響光学変調システムが、ガラス部分の表面に接続可能なトランスデューサアレイ、及び電子制御ユニット(「ECU」)を含む。ガラス部分は、レーザービームを発するレーザー源と(1以上の)光受容体との間の入射レーザービームの予測される経路内に配置される。ECUは、トランスデューサアレイに選択的に通電するように構成されている。この制御動作により、トランスデューサアレイの個々のトランスデューサが、所定の振動特性を有する音圧波をガラス部分の中に発する。所定の振動特性が、今度は、入射レーザービームを光受容体から離すように回折させるのに十分に、ガラス部分の屈折率を変化させるように構成されている。
【0006】
[0006] トランスデューサアレイは、可能な一実施態様において、1以上の圧電トランスデューサを含み得る。
【0007】
[0007] 1以上の実施形態におけるECUは、所定の振動特性を変更するために、トランスデューサアレイへの無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている。任意選択的なヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイスが、ECUと通信するように配置され得る。このような構成では、ECUが、HMIデバイスからのレーザー周波数選択信号に応答して、トランスデューサアレイへのRF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている。
【0008】
[0008] ガラス部分は、ガラス部分がレーザー源に向かって突出するように、幾つかの実施態様では、凸面を有し得る。例えば、ガラス部分は、カメラの外部レンズとして、又は代替的には航空機のコックピットキャノピーの一部として構成され得る。代替的には、ガラス部分が、平らな窓ガラスとして構成されているときなどに、実質的に平面的であり得る。
【0009】
[0009] 本開示の一態様はまた、カメラ、トランスデューサアレイ、及びECUを有するカメラシステムも含む。該カメラは、撮像センサの形態を採る光受容体、及び、レーザー源と撮像センサとの間の入射レーザービームの予測される経路内に配置された外部レンズを含む。トランスデューサアレイは、この実施形態では外部レンズの主要面に接続されている。ECUは、トランスデューサアレイに選択的に通電し、それによって、トランスデューサアレイに所定の振動特性を有する音圧波を外部レンズの中に発させるように構成されている。所定の振動特性は、入射レーザービームを撮像センサから離すように回折させるのに十分に、外部レンズの屈折率を変化させる。
【0010】
[0010] 胴体に接続された1以上の主翼を有するホスト航空機もまた、本明細書で開示される。ホスト航空機もまた、入射レーザービームのレーザー源と胴体内に位置付けられ又は胴体に接続された光受容体との間の入射レーザービームの予測される経路内に配置されたガラス部分を含む。トランスデューサアレイが、ガラス部分の表面に接続されている。ホスト航空機のこの代表的な実施形態の一部として、ECUは、トランスデューサアレイに選択的に通電し、それによって、トランスデューサアレイに所定の振動特性を有する音圧波を外部レンズの中に発させるように構成されている。上述されたように、所定の振動特性は、入射レーザービームを光受容体から離すように回折させるのに十分に、ガラス部分の屈折率を変化させるように構成されている。
【0011】
[0011] 上述の概要は、主開示の全ての実施形態又は全ての態様を表すことを意図していない。むしろ、この概要は、本明細書で開示される新規な態様及び特徴の幾つかを例示することを意図している。主開示の上述された及び可能な特徴及び利点は、主開示を実行するための代表的な実施形態及びモードの以下の詳細な説明を、付随する図面及び添付の特許請求の範囲と組み合わせたときに直ちに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】[0012] コックピットに近接して取り付けられたカメラを有する代表的なホスト航空機を示し、カメラは、本明細書で説明されるように、音響光学変調器デバイスによって入射レーザービームから保護される撮像センサを有する。
【
図1B】[0013]
図1B及び
図1Cは、
図1Aで示されるカメラの代替的な胴体搭載型及び主翼搭載型のバリエーションを示す。
【
図2A】[0014]
図2A及び
図2Bは、本開示の異なる実施形態において使用され得る代表的な湾曲ガラス部分及び平面ガラス部分である。
【
図2B】
図2A及び
図2Bは、本開示の異なる実施形態において使用され得る代表的な湾曲ガラス部分及び平面ガラス部分である。
【
図3】[0015] 本開示の一態様による音響光学変調器デバイスが装備されたカメラの側面図である。
【
図4】[0016]
図3のカメラ又は他の光受容体システムと共に使用される音響光学変調器デバイスの一部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0017] 本開示は、図面内の且つ以下で詳細に説明される実施例として示されている代表的な実施形態を用いて、変形形態及び代替形態に拡張することができる。本開示の発明の複数の態様は、開示される複数の実施形態に限定されない。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲内に入る代替例をカバーすることが企図される。
【0014】
[0018] 本開示の複数の実施形態が、本明細書で説明される。しかし、開示される複数の実施形態は例示な実施例であり、他の複数の実施形態が様々な代替形態を採り得ることを理解されたい。図面は必ずしも縮尺通には描かれておらず、概略的であり得る。説明される特徴の中には、例えば、特定の構成要素の詳細を示すために、誇張されたり最小化されたりしているものもある。したがって、本明細書で開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、本開示を様々に利用することを、当業者に教示するための代表的な原則にすぎない。
【0015】
[0019] 更に、図を参照して示され及び/又は説明される様々な特徴は、1以上の他の図で示される特徴と組み合わせて、明示的に示され又は説明されていない複数の実施形態を生成することができる。図示された特徴の組み合わせは、典型的な用途のための代表的な複数の実施形態を提供する。しかし、本開示の教示と一貫する特徴の様々な組み合わせ及び改変が、特定の用途又は実施態様に対して所望され得る。
【0016】
[0020] 以下の説明では、特定の用語が参照目的でのみ使用される場合があり、したがって、限定を意図するものではない。例えば、「上(above)」や「下(below)」といった用語は、参照される図面における方向を指す。「前部(front)」、「後部(back)」、「前(fore)」、「後(aft)」、「左(left)」、「右(right)」、「後部(rear)」、及び「側部(side)」などの用語は、一貫性はあるが任意の参照枠内での構成要素又は要素の部分の向き及び/又は位置を説明するものであり、これは、説明中の構成要素又は要素を説明する本文及び関連図面を参照することによって明確になる。更に、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、別々の構成要素を表すために使用されることもある。このような用語には、上記で特に言及した語句、その派生語、及び類似の語句が含まれ得る。
【0017】
[0021] 同様な参照番号が同様な構成要素を指す図面を参照すると、ホスト航空機10の形態を採る代表的なビークルが、
図1A、
図1B、及び
図1Cで示されている。
図1Aで示されているように、ホスト航空機10は、胴体12、機首13、及び機首13に近接して配置されたコックピット14を含む。1以上の前面窓16F及び側面窓16Sが、コックピット14内に着座しているパイロット及び他の飛行乗務員(図示せず)に視界を提供する。同様な側面窓16Sが、胴体12の特定の構成に応じて、例えば、ホスト航空機10のコックピット14と尾部(図示せず)との間の胴体12の他の場所に配置されてよい。
【0018】
[0022] 幾つかの実施形態では、カメラ18が、ホスト航空機10に接続されてよい。このようなカメラ18は、ホスト航空機10が飛行している間に、関心対象の物品をモニタ、監視、又は遠隔で検知するように構成され得る。その目的で、カメラ18には、撮像センサ180形態を採る1以上の光受容体が装備されている。ミッションに応じて、各撮像センサ180は、例えば、集積回路上のデジタル光受容体を提供する、電荷結合素子(「CCD」)又は相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)又は別のアクティブピクセルセンサ(「APS」)、又は代替的に短波長赤外(「SWIR」)センサ、量子ドット(「QDOT」)センサなどの、電気光学光受容体として様々に構成されてよい。このような撮像センサ180は、特定の波長帯域、例えば、赤外、赤緑青(「RGB」)/可視及び/又はマルチスペクトルにおいて画像データを収集するように調整され得る。
【0019】
[0023] その目的で、カメラ18は、潜在的な撮像される目標に面する位置において、ホスト航空機10に、例えば、機首13の近傍の胴体12(
図1A)、カメラハウジング19を介して胴体の下面17(
図1B)、又はカメラハウジング190を介して1以上の主翼22の下(
図1C)に固定的に取り付けられてよい。(1以上の)主翼22は、胴体12に接続されている。
図1Cで最も良く示されているように、ホスト航空機10は、カメラ18の遠隔撮像又は検知能力を利用するミッションを実行するときに、時々、レーザー源25から発さされるレーザービーム(LL)に意図的に標的にされ得るか、又は不注意で曝露され得る。入射レーザービーム(LL)による撮像センサ180の照射は、撮像センサ180に過負荷又は損傷を与え得る。幾つかの事例では、レーザービーム(LL)が、
図1Aのコックピット14内に着座している又はホスト航空機10の他の場所に搭乗している飛行乗務員の目に向けられ得る。したがって、損傷や干渉を防ぐために、カメラ18は、以下で詳細に説明され、
図3及び
図4で示されるように、音響光学変調デバイス(A-O変調器)26が装備される。
【0020】
[0024] より具体的には、本明細書で企図されるA-O変調器26が、入射レーザービーム(LL)からの損傷又は干渉から撮像センサ180を保護するのに役立つように、
図1A~
図1Cの代表的なホスト航空機10の構造及び制御アーキテクチャの中に組み込まれ得る。この目的のために、本実施形態におけるカメラ18のガラス部分30は、入射レーザービーム(LL)の予測される経路31内、すなわち、入射レーザービーム(LL)のソース(例えば、
図1Cのレーザー源25)とカメラ18との間に配置される。ガラス部分30は、硬化ガラス又はポリカーボネート若しくはゲルマニウムなどの別の用途に適した材料で構築されてよく、1以上の実施形態では凸状であってよい。このような構造では、ガラス部分30が、例えば
図1Cで示されているように、入射レーザービーム(LL)に向かって突出する。
【0021】
[0025] 例示であり限定するものではないが、凸面又は湾曲面構成を有するガラス部分30は、カメラ18の外部レンズとして構成され得る(
図1B及び
図1C)。代替的に、
図2Aで示されているように、ガラス部分30は、ホスト航空機10Aのコックピットキャノピー160、例えば胴体120に旋回可能に取り付けられたバブルキャノピーの一部として構成され、コックピット140を囲み、内部に着座している飛行乗務員(図示せず)を保護し得る一方で、周囲の空域の遮られない視界を提供する。このような実施態様は、曲線的又は湾曲的、したがって、
図1Cのレーザービーム(LL)の方向において依然として概して凸状であるとして説明され得る。他の複数の実施形態におけるガラス部分30は、実質的に平面的又は平坦であってよく、この構成の代替的なガラス部分30Aは、入射レーザービーム(LL)に向かって主面32を呈する窓ガラスの形態を採るように
図2Bで示されている。
【0022】
[0026] 次に本教示から利益を受ける例示的なシナリオである
図3を参照すると、A-O変調器26が装備されたカメラ18が、示されている。カメラ18は、この事例ではレーザー源25からの赤色光(「RR」)である入射レーザービーム(LL)が照射されている。他の波長の可視光、例えば青色光(「BB」)や緑色光(「GG」)は、物体41、例えばカメラ18の撮像目標から反射され得る。このシナリオでは、電磁スペクトルの青色及び緑色帯域の光の検出が望ましく、赤色帯域の光は、撮像センサ180にとって望ましくないか、又は撮像センサ180にとって有害である可能性がある。この事例では、A-O変調器26が、赤色光(RR)を撮像センサ180から離すように回折させるよう制御され得る。
【0023】
[0027] この目的のために、A-O変調器26のトランスデューサアレイ42が、上述されたカメラ18の構造内に統合される。例えば、トランスデューサアレイ42は、集合的にガラス部分30の表面33に接続される1以上の圧電トランスデューサ142(
図4)として実装され得る。ガラス部分30は、この事例では、カメラ18の外部カメラレンズ30Lとして構成される。入射レーザービーム(LL)は、外部カメラレンズ30Lの主要面132を通過する。
以下で説明されるようにトランスデューサ42が選択的に起動されると、トランスデューサアレイ42は、ガラス部分30に振動エネルギーを付与する。この振動エネルギーは、所定の振動特性を有する。これらの特性は、ガラス部分30/外部カメラレンズ30Lの屈折率を変化させ、それによって、所定の又は較正された波長の光(この事例では赤色光(RR))の回折をもたらす。回折された赤い光(RR*)は、したがって、
図3の右端において示されている撮像センサ180から安全に遠ざかる。
【0024】
[0028] A-O変調器26の例示的な一実施形態が、
図4で示されている。
図4では、電子制御ユニット(「ECU」)50を使用して、トランスデューサアレイ42のオン/オフ振動状態を制御する。ガラス部分30の中に圧力波35(
図4参照)を発し、所定の振動特性を有する圧力波35は、入射レーザービーム(LL)を撮像センサ180又は他の目標光受容体から離すように回折させるのに十分に、ガラス部分30の屈折率を変化させるように構成される。所望の回折は、赤色光(RR)に対してのみ生じ、したがって、青色光(BB)及び緑色光(GG)は、撮像センサ180による検出のためにカメラ40の撮像レンズ36を通過することが可能である。
【0025】
[0029]
図4を簡単に参照すると、本開示の一態様が、カメラシステム11、すなわち、
図1A~
図1C及び
図3のカメラ18及びその撮像センサ180、トランスデューサアレイ42、並びにECU50を含む。ECU50は、例えば、1以上のワイヤ又若しくは他の伝達導体(図示せず)を介して又は無線で、トランスデューサアレイ42と通信する。
図4のA-O変調器26は、トランスデューサアレイ42に対向して配置されたエネルギー吸収材料48、例えば、その存在がトランスデューサアレイ42に近接した主要面33に向かって戻る音圧波35の反射を低減させ又は除去する高分子又は他の受動高損失要素を含む。
【0026】
[0030] ECU50は、入力制御信号(CC42)、例えば電圧信号を介してトランスデューサアレイ42を選択的に起動する。トランスデューサアレイ42は、次いで、この信号を機械的振動に変換する。例えば上述されたように、トランスデューサアレイ42のトランスデューサ142は、圧電デバイスとして構成され得る。それによって、入力制御信号(CC42)の受信が、その中の圧電結晶(図示せず)にわたる電圧を効果的に印加し、そのような結晶を変形させ、それによって、制御された振動をもたらす。
【0027】
[0031] ECU50による入力制御信号(CC
42)の送信が、今度は、トランスデューサアレイ42に、音圧波35をガラス部分30の中に発させる。図示されているように、入射レーザービーム31の入射経路31は、レーザー目標、すなわち
図4の示されている例示的なシナリオにおける撮像センサ180に向けられる。レーザービーム(LL)が撮像センサ180に到達し得る前に、レーザービーム(LL)を回折させるために、A-O変調器26は、入射経路31内に配置され、ECU50の動作を介して制御される。
【0028】
[0032] 例えば、以下で説明されるようなハードウェア及びソフトウェア構成を有するECU50は、上述された所定の振動特性、特に振動の周波数及び可能性として振幅、したがって、ガラス部分30の材料を通って伝播する音圧波35の特性を変更するように構成されてよい。音圧波35は、ガラス部分30内の膨張及び収縮の移動する周期的な面として作用し、それによって、入射レーザービーム(LL)の望ましくない波長の錯乱及び干渉、並びに最終的には回折をもたらす。このような音圧波35は、レーザービーム(LL)がガラス部分30の中に入りガラス部分30を部分的に通過するときに、ガラス部分30の屈折率を変化させる。屈折率の変化は、入射レーザービーム(LL)を撮像センサ180から離すように回折させるのに十分なレベルでECU50によって命令され、したがって、ECU50がトランスデューサアレイ42の出力を制御する様態及び程度は、レーザービーム(LL)の特性に依存する。
【0029】
[0033] 回折は、周波数成分31‐0及び31‐1によって
図4で表されている。それらの周波数成分は、それぞれ、その入射経路31に沿って最初に伝播するレーザービーム(LL)の0次と1次の周波数成分を表す。ECU50がトランスデューサアレイ42への通電を停止すると、音圧波35は途切れる。この事例では、0次の周波数成分が、ガラス部分30を直線的に通過し、その後、撮像センサ180に入射する。したがって、A-O変調器26の性能は、入力制御信号(CC
42)を介してトランスデューサアレイ42に通電することにより、1次の周波数成分31‐1が得られ、したがって、レーザビーム(LL)が撮像センサ180から離れるように回折することをもたらすように調整されてよい。
【0030】
[0034] 1以上の任意選択的な実施形態では、ヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイス500が、ECU50と有線又は無線通信するように配置されてよい。このような複数の実施形態におけるECU50は、例えば、HMIデバイス500からのユーザが選択した又は自律的に選択された周波数選択信号(矢印CCF)に応答して、トランスデューサアレイ42に供給される無線周波数(RF)電圧レベルを選択的に変化させてよい。RF電力レベルの変更は、入力制御信号(CC42)を介して実現される。
【0031】
[0035]
図1及び
図2のECU50は、本明細書ではプロセスコントローラとして動作してよく、任意選択的に、コンピュータ可読指示命令を実行するように構成された1以上のデジタルコンピュータシステムとして具現化されてよい。本明細書で企図されるように、
図4のECU50は、例えば、マイクロコントローラ、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、電子回路、中央処理装置(CPU)などとして、実装される1以上のプロセッサ52を含む。
【0032】
[0036] ECU50はまた、メモリ54として概略的に図示されている、コンピュータ可読ストレージ媒体も含む。メモリ54が、今度は、(1以上の)関連付けられた一過性の及び非一過性のメモリ/ストレージ構成要素、例えば、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ、光及び/又は磁気メモリなどを含む。A-O変調器26を制御するためのコンピュータ可読指示命令が、例えば、機械可読コード/指示命令、ソフトウェア、及び/又はファームウェアプログラムとして、メモリ54内に記録されてよく、(1以上の)プロセッサ52によって実行されてよい。
【0033】
[0037]
図4のECU50の他のハードウェア構成要素は、簡略化のために省略されているが、組み合わせ論理回路、入力/出力回路、デジタル及びアナログ信号調整/バッファ回路、並びに本明細書で説明される制御機能を提供するために(1以上の)プロセッサ52によって必要に応じてアクセスされ得る他のハードウェア構成要素など、当技術分野で十分に理解されている。
【0034】
[0038] 上記で詳細に説明されたA-O変調器26は、
図1A~
図1Cのカメラ18及びその撮像センサ180のアーキテクチャとして本明細書で例示される、無数の感光システムの中に統合されてよい。A-O変調器26の使用によって、
図1Cの入射レーザービームLLからの損傷又は劣化に対する保護を追加した(1以上の)撮像センサ180が提供される。上記で提供される様々な例示的使用シナリオは、カメラ18に向けられているが、本教示は、幅広い電気及び電気機械シナリオ、ならびに人間の眼の自然な光受容体に拡張されてよいことを当業者は理解するだろう。
【0035】
[0039] 後者の場合、
図1の代表的なホスト航空機10と同様に、A-O変調器26は、
図1の前面窓16F若しくは側面窓16Sの一部分に統合され得るか、又はおそらく、例えば、軍用機は捜索救助機の飛行乗務員によって着用されることがある種類の同様に構成された透明バイザー(図示せず)に統合され得る。このような一実施形態におけるトランスデューサアレイ42の選択的起動は、そのようなレーザーエネルギーが以前に経験されたか、又は生じる可能性が高い特定の地上の場所の上空を飛行しているときなどに、迷走している又は向けられたレーザーエネルギーから視力を保護するために使用される可能性がある。本明細書で規定される音響光学変調のこれら及び他の潜在的な利点は、前述の開示に照らして当業者には明らかであろう。
【0036】
[0040] 「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包含的であり、しがたって、述べられている特徴、整数、ステップ、動作、要素、又は構成要素の存在を規定するが、1以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、又は構成要素の存在若しくは追加を排除しない。ステップ、プロセス、及び動作の順序は可能な限り変更してもよく、追加又は代替的なステップを採用してもよい。本明細書で使用されるときに、「又は(or)」という用語は、関連する列挙された項目の任意の組み合わせを含む。「のうちのいずれか(any of)」という用語は、参照される項目「のうちのいずれか1つ」を含む、参照される項目のあらゆる可能な組み合わせを含むと理解される。「のうちのいずれか(any of)」という用語は、添付の特許請求の範囲のうちの参照される請求項「のうちのいずれか1つ」を含む、参照される請求項のあらゆる可能な組み合わせを含むと理解される。
【0037】
[0041] 一貫性及び便宜のために、図示された複数の実施形態に対応するこの詳細な説明を通して、方向形容詞が採用される場合がある。当業者であれば、「上方」、「下方」、「上向き」、「下向き」、「上部」、「下部」などの用語は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に対する制限を表すことなしに、図に対して説明的に使用され得ることを認識するであろう。
【0038】
[0042] 以下の条項は、
図1A~
図4の例示的なシナリオで示され、本明細書で開示されているように、本開示に従って、レーザー源からの入射レーザー光から光受容体を保護するための音響光学変調器システム及び方法の例示的な構成を提供する。
【0039】
[0043] 条項1.光受容体をレーザー源からの入射レーザービームから保護するための音響光学変調器システムであって、ガラス部分の主要面に接続されたトランスデューサアレイであって、前記ガラス部分は、前記レーザー源と前記光受容体との間に配置されている、トランスデューサアレイ、及び、前記トランスデューサアレイと通信する電子制御ユニット(「ECU」)を備え、前記ECUは、前記トランスデューサアレイに選択的に通電し、それによって、前記トランスデューサアレイに音圧波を前記ガラス部分の中に発させるように構成され、所定の振動特性を有する前記音圧波は、前記入射レーザービームを前記光受容体から離すように回折させるのに十分に、前記ガラス部分の屈折率を変化させるように構成されている、システム。
【0040】
[0044] 条項2.前記トランスデューサアレイは、1以上の圧電トランスデューサを含む、条項1に記載のシステム。
【0041】
[0045] 条項3.前記ECUは、前記所定の振動特性を変更するために、前記トランスデューサアレイへの無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、条項1又は2に記載のシステム。
【0042】
[0046] 条項4.前記ECUと通信するヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイスを更に備え、前記ECUは、前記HMIデバイスからの周波数選択信号に応答して、前記トランスデューサアレイへの前記RF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、条項3に記載のシステム。
【0043】
[0047] 条項5.前記ガラス部分は、凸状であり、前記レーザー源に向かって突出している、条項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0044】
[0048] 条項6.前記ガラス部分は、カメラの外部レンズであり、前記光受容体は、前記カメラの撮像センサの一部である、条項5に記載のシステム。
【0045】
[0049] 条項7.前記ガラス部分は、航空機のキャノピーの一部として構成されている、条項5に記載のシステム。
【0046】
[0050] 条項8.前記ガラス部分は、実質的に平面的又は平坦である、条項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0047】
[0051] 条項9.前記ガラス部分は、窓ガラスである、条項8に記載のシステム。
【0048】
[0052] 条項10.撮像センサとして構成される光受容体、及び、前記撮像センサと入射レーザービームを発するレーザー源との間の前記入射レーザービームの予測される経路内に配置された外部レンズを有する、カメラ、前記外部レンズの主要面に接続されたトランスデューサアレイ、並びに、前記トランスデューサアレイと通信する電子制御ユニット(「ECU」)を備える、カメラシステムであって、前記ECUは、前記トランスデューサアレイに選択的に通電し、それによって、前記トランスデューサアレイに所定の振動特性を有する音圧波を前記外部レンズの中に発させるように構成され、前記所定の振動特性は、前記入射レーザービームを前記撮像センサから離すように回折させるのに十分に、前記外部レンズの屈折率を変化させるように構成されている、カメラシステム。
【0049】
[0053] 条項11.前記トランスデューサアレイは、1以上の圧電トランスデューサを含む、条項10に記載のカメラシステム。
【0050】
[0054] 条項12.前記ECUは、前記所定の振動特性を変更するために、前記トランスデューサアレイへの無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、条項10又は11に記載のカメラシステム。
【0051】
[0055] 条項13.前記ECUと通信するヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイスを更に備え、前記ECUは、前記HMIデバイスからの周波数選択信号に応答して、前記トランスデューサアレイへの前記RF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、条項12に記載のカメラシステム。
【0052】
[0056] 条項14.前記外部レンズは凸状であり、それによって、前記外部レンズは前記レーザー源に向かって突出している、条項10から13のいずれか一項に記載のカメラシステム。
【0053】
[0057] 条項15.光受容体、胴体、前記胴体に接続された1以上の主翼、及びレーザー源からの入射レーザービームの予測される経路内に配置されたガラス部分であって、前記予測される経路は、前記レーザー源と前記光受容体との間で延在する、ガラス部分、前記ガラス部分の表面に接続されたトランスデューサアレイ、及び、前記トランスデューサアレイと通信する電子制御ユニット(「ECU」)を備える、ホスト航空機であって、前記ECUは、前記トランスデューサアレイに選択的に通電し、それによって、前記トランスデューサアレイに所定の振動特性を有する音圧波を前記外部レンズの中に発させるように構成され、前記所定の振動特性は、前記入射レーザービームを前記光受容体から離すように回折させるのに十分に、前記ガラス部分の屈折率を変化させるように構成されている、ホスト航空機。
【0054】
[0058] 条項16.前記胴体又は前記主翼に取り付けられたカメラシステムを更に備え、前記カメラシステムは、外部レンズ及び撮像センサを有するカメラを含み、前記光受容体は前記撮像センサの一部であり、前記ガラス部分は前記外部レンズとして構成されている、条項15に記載のホスト航空機。
【0055】
[0059] 条項17.前記外部レンズは凸状であり、それによって、前記外部レンズは前記レーザー源に向かって突出している、条項16に記載のホスト航空機。
【0056】
[0060] 条項18.前記ECUは、前記所定の振動特性を変更するために、前記トランスデューサアレイへの無線周波数(「RF」)電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、条項15から17のいずれか一項に記載のホスト航空機。
【0057】
[0061] 条項19.前記ECUと通信するヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)デバイスを更に備え、前記ECUは、前記HMIデバイスからの周波数選択信号に応答して、前記トランスデューサアレイへの前記RF電力レベルを選択的に変化させるように構成されている、条項18に記載のホスト航空機。
【0058】
[0062] 条項20.前記胴体に接続された凸状キャノピー又は平坦な窓ガラスのうちの少なくとも一方を更に備え、前記ガラス部分は、前記凸状キャノピー又は前記平坦な窓ガラスの一部である、条項15に記載のホスト航空機。
【0059】
[0063] 様々な実施形態が説明されてきたが、この説明は限定的ではなく例示的であることが意図されている。更に多くの実施形態及び実施態様が、複数の本実施形態の範囲内に入ることが可能であることは、当業者にとって明らかであろう。任意の実施形態の任意の特徴は、特に制限されない限り、任意の他の実施形態内の任意の他の特徴又は要素と組み合わされて使用されてよく、又はそれらの代わりに使用されてよい。したがって、複数の本実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物を考慮すること以外で限定されるものではない。また、添付の特許請求の範囲に記載された範囲内において、様々な修正や変更を加えることができる。
【外国語明細書】