(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133462
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】炎症性疾患を抱える患者の選択および処置のための方法ならびにシステム
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240925BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240925BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240925BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240925BHJP
C12Q 1/6883 20180101ALI20240925BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P29/00 ZNA
A61P37/06
A61P1/04
A61K39/395 D
C07K16/28
C12Q1/6883 Z
G01N33/53 M
A61P29/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090213
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2020560463の分割
【原出願日】2019-04-26
(31)【優先権主張番号】62/664,720
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/681,557
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/784,179
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
2.VISUAL BASIC
(71)【出願人】
【識別番号】513268380
【氏名又は名称】シーダーズ―シナイ メディカル センター
(71)【出願人】
【識別番号】523181802
【氏名又は名称】プロメテウス バイオサイエンシーズ,インク.
(71)【出願人】
【識別番号】523310446
【氏名又は名称】ドクター.フォーク ファーマ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビルズボロー,ジャニーン
(72)【発明者】
【氏名】マクガヴァン,ダーモット ピー.
(72)【発明者】
【氏名】タルガン,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ポダール,アルカ
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス,ジェフリー,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ディッカーソン,シンディー,ティー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを抱える患者の処置に使用する組成物を提供する。
【解決手段】被験体のCD30リガンド活性あるいは発現を阻害または低下させるために使用するためのCD30リガンドの阻害剤を含む組成物であって、前記被験体をrs911605に「A」アレルまたはrs1006026に「G」アレルを含む遺伝子型の保因者であると同定することと、およびここで、CD30リガンド活性または発現の阻害剤が、前記CD30リガンドあるいはCD30を標的とする抗体または抗原結合フラグメント、またはそれらの組み合わせであることを含む、組成物とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体のCD30リガンド活性または発現を阻害するか低下する方法であって、該方法は、
a)炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを抱える、またはその疑いのある被験体を選択する工程と、
b)前記被験体をrs911605およびrs1006026のうち少なくとも1つの多型を含む遺伝子型の保因者であると同定する工程と、
c)前記被験体のCD30リガンド活性または発現を阻害するか低下させるために、有効量の抗CD30リガンドの阻害剤を前記被験体に投与する工程と
を含む、方法。
【請求項2】
rs911605の多型がrs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含み、rs1006026の多型がrs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遺伝子型がrs911605の多型およびrs1006026の多型を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
rs911605の多型がrs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含み、rs1006026の多型がrs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記被験体を前記遺伝子型の保因者であると同定する工程が、
a)標準ハイブリダイゼーション条件下で、遺伝子材料を含む前記被験体から得たサンプルを、SEQ ID NO:1および3のうち少なくとも1つの核酸塩基400と核酸塩基500との間の少なくとも10個の連続核酸塩基にハイブリダイズ可能な核酸配列と接触させる工程であって、前記少なくとも10個の連続核酸塩基が、SEQ ID NO:1および3のうち少なくとも1つの位置501に核酸塩基を含む、工程と、
b)前記核酸配列と、SEQ ID NO:1および2のうち少なくとも1つの核酸塩基400と核酸塩基600との間の少なくとも10個の連続核酸塩基との結合を検出する工程と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記CD30リガンドの阻害剤が、CD30リガンドあるいはCD30を標的とする抗体あるいは抗原結合フラグメント、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の阻害剤の有効量を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記TL1Aの阻害剤がTL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのアンタゴニストである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
被験体の中等度から重度のクローン病を処置する方法であって、該方法は、
a)クローン病(CD)の被験体を、rs911605およびrs1006026のうち少なくとも1つの多型を含む遺伝子型の保因者であると同定する工程であって、前記遺伝子型は、閉塞性CDを含むCDの中等度から重度の形態を進行させるリスクに関連する、工程と、
b)CD30リガンド活性または発現の治療上有効な量の阻害剤を被験体に投与する工程と
を含む、方法。
【請求項10】
前記被験体が、標準処置に対する無反応または反応損失のうち少なくとも1つを有し、またはそれを進行させるかを定める工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記標準処置は、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
rs911605の多型がrs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含み、rs1006026の多型がrs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記遺伝子型がrs911605の多型およびrs1006026の多型を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記CD30リガンド活性の阻害剤が、CD30リガンドあるいはCD30を標的とする抗体あるいは抗原結合フラグメント、またはそれらの組み合わせである、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の阻害剤の有効量を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記TL1Aの阻害剤がTL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのアンタゴニストである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
被験体の炎症性疾患を特徴づける方法であって、該方法は、
a)rs911605およびrs1006026のうち少なくとも1つを含む遺伝子型の有無を検出するために、炎症性疾患の患者から得たサンプル中の遺伝子材料をアッセイする工程と、
b)前記遺伝子型の存在が工程(a)で検出された場合、前記炎症性疾患をクローン病(CD)として特徴づける工程と
を含む、方法。
【請求項18】
工程(a)のサンプル中の遺伝子材料のアッセイは、
(a)SEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6内の少なくとも15の核酸塩基を前記遺伝子材料から増幅する工程であって、前記少なくとも15の核酸塩基が、SEQ ID NO:5の[A/G]またはSEQ ID NO:6の[A/G]により示される位置に核酸塩基を含む、工程と、
(b)SEQ ID NO:5およびSEQ ID NO:6のうち少なくとも1つを含む核酸配列を含む核酸を前記遺伝子材料にハイブリダイズする工程と
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(a)のサンプル中の遺伝子材料のアッセイは、
(a)SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:8内の少なくとも15の核酸塩基を前記遺伝子材料から増幅する工程であって、前記少なくとも15の核酸塩基が、SEQ ID NO:7の[A/G]またはSEQ ID NO:8の[A/G]により示される位置に核酸塩基を含む、工程と、
(b)SEQ ID NO:7およびSEQ ID NO:8のうち少なくとも1つを含む核酸配列を含む核酸を前記遺伝子材料にハイブリダイズする工程と
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記核酸が検出可能な分子を含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記炎症性疾患が工程(b)で中等度から重度と特徴づけられた場合に、CD30リガンド活性または発現の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記CD30リガンド活性の阻害剤が、CD30リガンドあるいはCD30を標的とする抗体あるいは抗原結合フラグメント、またはそれらの組み合わせである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の阻害剤の有効量を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記TL1Aの阻害剤がTL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのアンタゴニストである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
工程(b)の前記炎症性疾患をCDと特徴づける工程は、前記炎症性疾患を、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療薬(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンからなる群から選択される標準処置が無効なものとして特徴づける工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記CDはさらに閉塞性CDとして特徴づけられる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
SEQ ID NO:2内の核位置501に「A」アレル、SEQ ID NO:4内の核位置501に「G」アレル、またはそれらの組み合わせを含む遺伝子型の保因者であると同定された被験体を処置するための、CD30リガンドの阻害剤を含む化合物の使用。
【請求項28】
SEQ ID NO:2内の核位置501に「A」アレル、SEQ ID NO:4内の核位置501に「G」アレル、またはそれらの組み合わせを含む遺伝子型の保因者であると同定された被験体を処置するための、CD30リガンドの阻害剤と腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の阻害剤とを含む併用療法の使用。
【請求項29】
前記CD30リガンドの阻害剤および前記TL1Aの阻害剤が別々に被験体に投与される、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
前記被験体が、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療薬(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンからなる群から選択される標準処置に対する無反応または反応損失のうち少なくとも1つを有する、またはそれを進行させる疑いがあると同定される、請求項27または28に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年4月30日出願の米国仮特許出願第62/664,720号、2018年6月6日出願の米国仮特許出願第62/681,557号、および2018年12月21日出願の米国仮特許出願第62/784,179号に基づく利益を主張するものであり、これら出願はすべてその全体を参照することで本明細書に引用される。
【0002】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照により本明細書で引用される配列表を含んでいる。2019年4月19日に作成された前記ASCIIのコピーの名称は52388-740_601_SL.txtであり、サイズは7,862,716バイトである。
【背景技術】
【0003】
影響を受けた莫大な数の個体、ならびに異質性疾患病因および様々な臨床症状が原因で、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患により世界中で相当な健康負荷が提起されている。このような疾患の1つは炎症性腸疾患(IBD)である。これには2つの一般的な形態としてクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)がある。IBDは胃腸管の慢性再発性炎症性障害で構成される。IBDの発生が流行しており、米国だけでも300万近くの個人に影響を及ぼしている。これら形態の各々には、CDおよびUC患者の亜母集団に存在する亜臨床的表現型として知られる様々な副疾病がある。このような疾病の1つは閉塞性のクローン病である。その原因は、腸壁内での瘢痕組織形成(線維狭窄(fibrostenosis))および膨張を引き起こしかねない長期的な炎症による場合がある。この両方の転帰により狭窄すなわち閉塞が引き起こされる場合がある。これらは線維性または炎症性いずれかの狭窄として知られている。狭窄が重度の場合では腸が詰まる場合があり、腹痛、鼓脹、悪心、および便通不能が引き起こされる。
【0004】
炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患に悩む患者に対する処置の選択肢はわずかである。ステロイドなどの既存の抗炎症性治療薬および腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤は通常、IBDを処置する第1線処置として使用される。あいにく相当数の患者が、既存の抗炎症性治療薬、特にTNF阻害剤に対する反応の欠如または損失を経験する。これら患者は無効な抗炎症性治療薬で処置されているが、疾患は悪化してしまう。狭窄形成術(structureplasty)(腸の再形成)または切除(腸の除去)の形で行われる手術が、第1線治療に反応しない患者に対する唯一の処置選択肢である。IBDの外科的処置は侵襲的なものであり、吻合部漏出、感染症、および出血など、手術を受ける患者の推計3分の1に術後リスクを引き起こす。
【0005】
IBDのような炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患の病因は、遺伝学的に影響を受けやすい宿主のある環境要因により引き起こされる場合がある未調節の免疫応答に関与していると考えられる。疾患病因および臨床経過の異質性は、処置およびその関連する副作用に対する様々な反応と合わせて、これら疾患を処置するオーダーメード医療方法が最良の処置戦略であることを示唆している。しかし、患者が利用可能なオーダーメード治療はごくわずかである。したがって、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患、ならびにそれらの亜臨床的表現型の処置のために標的とされた方法を同定する必要が存在し、かつ、任意の治療方法に反応する場合がある患者をその遺伝子型に基づき同定する確実な方法を開発することがさらに必要とされている。必要とされる方法はまた、疾患を進行させるリスクがあるとまだ診断されていない被験体を同定する。そのために予防的介入は、増えつつある健康負荷を減らすように処方することができる。
【発明の概要】
【0006】
CD30リガンド(CD30L)は、遺伝子腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー8、すなわち(TNFSF8)によりコードされるCD30のリガンドである。CD30Lは腫瘍壊死因子スーパーファミリーのメンバーであり、細胞増殖およびサイトカイン産生を誘導する免疫細胞の共刺激において重要とされている。場合によっては、CD30Lはインターロイキン6(IL-6)などの炎症促進性サイトカインに作用する。予備的研究で示唆されるところでは、CD30L経路は、特に疾患の複雑な形態(例えば狭窄性、浸潤性、または閉塞性の疾患表現型など)を抱える患者のある部分集合において、IBDなどの炎症性、線維性、および線維性狭窄疾患の病因の有力な経路である。
【0007】
本出願の態様は、CD30Lの阻害剤により被験体の炎症性疾患を処置するための方法とシステムを提供する。場合によってはこのCD30L阻害剤は、同族抗原であるCD30とのCD30L相互作用に関連する生体応答を阻害し、弱め、またはその他の方法で妨げる。したがって、場合によってはCD30L阻害剤での処置は、CD30リガンドもしくはCD30の発現または活性が関連する疾病を処置するのに有用である。
【0008】
また本明細書には、炎症性、線維性、または線維性狭窄疾患に関連する、TNFSF8遺伝子または遺伝子座にある多型およびそのハプロタイプが記載される。TNFSF8多型は、炎症性腸疾患(IBD)およびIBDの様々な亜臨床的表現型に関連する場合がある。加えてこれらの多型は、CD30Lの、および場合によってはCD30の発現に影響を及ぼす。本明細書に記載されるTNFSF8多型を含む遺伝子型は、IBDと診断されるか、または診断されない被験体から得たサンプル中で検出することができる。遺伝子型の検出は、既存の遺伝子型判定アッセイにより容易とされ、必要な時点で、または医療ケア施設で行うことができる。典型的な遺伝子型判定アッセイは、前記多型に特異的な核酸プローブを使用するハイブリダイゼーションアッセイを必要とする。
【0009】
本明細書に記載される遺伝子型と、個体のある集団での臨床的および亜臨床的な表現型の発生との関連性の実用化が、本明細書で提供される。例えば本開示の遺伝子型は、被験体が炎症性疾患、線維性狭窄疾患、または線維性疾患を進行させるリスクを予測するために使用することができる。この遺伝子型はさらに、炎症性、線維性、または線維性狭窄疾患の一部の形態と診断された患者が、亜臨床的表現型などの重度の疾患を進行させるかどうかを予測するのに有用である。さらに、または代替的に、本明細書に開示される遺伝子型は、CD30またはCD30Lの発現の変動に関連するものであり、このことは、場合により、標的とされたCD30L治療での処置に適した患者(例えば、CD30Lの増加に関連する遺伝子型を保因する患者が、抗CD30Lまたは抗CD30の治療薬での処置に適している場合がある)を同定するために、前記遺伝子型を使用できることを意味する。典型的な疾病としてクローン病(CD)および原発性硬化性胆管炎の両方が挙げられる。場合によっては、本明細書に開示される表現型が被験体から得たサンプル中で検出される場合に、治療薬(例えばCD30L阻害剤、TL1A阻害剤)が被験体に投与される。本明細書に開示される実用化のさらなる例として、量的PCR(qPCR)およびシーケンシング方法などの対象の遺伝子型を検出する研究所ベースの方法が挙げられる。
【0010】
本明細書に開示される態様は、被験体のCD30リガンド活性もしくは発現を阻害または減少する方法を提供し、該方法は、(a)炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを患う、またはその疑いのある被験体を選択する工程と、(b)rs911605及びrs1006026のうち少なくとも1つの多型を含む遺伝子型の保因者であると前記被験体を同定する工程と、(c)前記被験体のCD30リガンド活性もしくは発現を阻害または減少するために有効量のCD30リガンドの阻害剤を前記被験体に投与する工程とを含む。いくつかの実施形態では、rs911605の多型は、rs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含み、rs1006026の多型は、rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型は、rs911605の多型、およびrs1006026の多型を含む。いくつかの実施形態では、rs911605(SEQ ID NO:1)の多型は、rs911605内の核酸塩基501に「A」アレルを含み、rs1006026の多型は、rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型の保因者であると前記被験体を同定する工程は、(a)標準ハイブリダイゼーション条件下で、SEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:3のうち少なくとも1つの核酸塩基400と核酸塩基600との間の少なくとも10の隣接核酸塩基にハイブリダイズ可能な核酸配列に、遺伝子材料を含む被験体から得たサンプルを接触させる工程であって、前記少なくとも10の隣接核酸塩基がSEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:3のうち少なくとも1つの位置501に核酸塩基を含む、工程と、(b)前記核酸配列と、SEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:2のうち少なくとも1つの核酸塩基400と核酸塩基600との間の少なくとも10の隣接核酸塩基との結合を検出する工程とを含む。いくつかの実施形態では、前記CD30リガンドの阻害剤は、CD30リガンドもしくはCD30、あるいはその組み合わせを標的とする、抗体または抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、追加の治療薬を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、前記追加の治療薬は、遺伝子の発現、または遺伝子発現産物の発現か活性のモジュレーターであり、前記遺伝子は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ(MAP4K4)、プロスタグランジンE受容体4(PTGER4)、インターロイキン18受容体1(IL18R1)、6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2、6-ビホスファターゼ3(PFKFB3)、インターロイキン18受容体アクセサリータンパク質(IL18RAP)、アデニレートシクラーゼ7(ADCY7)、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、Gタンパク質結合受容体65(GPR65)、Sprouty関連EVH1ドメイン含有2(SPRED2)、Srcキナーゼ関連リンタンパク質2(SKAP2)、受容体相互作用セリン/トレオニンキナーゼ2(RIPK2)、およびTNFリガンドスーパーファミリーメンバー15(TNFSF15)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)Gタンパク質は受容体35(GPR35)、およびガスダーミンB(GSDMB)から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、前記方法は、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の有効量の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、TL1Aの阻害剤は、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントは表15に示される。
【0011】
本明細書に開示される態様は、被験体の中等度から重度のクローン病を処置する方法を提供し、該方法は、(a)rs911605およびrs1006026のうち少なくとも1つの多型を含む遺伝子型の保因者であると、クローン病(CD)の被験体を同定する工程であって、前記遺伝子型は、閉塞性CDを含むCDを中等度から重度の形態を被験体が進行させるリスクに関連する、工程と、(b)CD30リガンド活性または発現の治療上有効な量の阻害剤を前記被験体に投与する工程とを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、被験体が、標準処置に対する無反応または反応損失のうち少なくとも1つを有し、またはそれを進行させるかを定める工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記標準処置は、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、rs911605の多型は、rs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含み、rs1006026の多型は、rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型は、rs911605の多型、およびrs1006026の多型を含む。いくつかの実施形態では、前記CD30リガンド活性の阻害剤は、CD30リガンドもしくはCD30、あるいはその組み合わせを標的とする、抗体または抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、追加の治療薬を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、前記追加の治療薬は、遺伝子の発現、または遺伝子発現産物の発現か活性のモジュレーターであり、前記遺伝子は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ(MAP4K4)、プロスタグランジンE受容体4(PTGER4)、インターロイキン18受容体1(IL18R1)、6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2、6-ビホスファターゼ3(PFKFB3)、インターロイキン18受容体アクセサリータンパク質(IL18RAP)、アデニレートシクラーゼ7(ADCY7)、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、Gタンパク質結合受容体65(GPR65)、Sprouty関連EVH1ドメイン含有2(SPRED2)、Srcキナーゼ関連リンタンパク質2(SKAP2)、受容体相互作用セリン/トレオニンキナーゼ2(RIPK2)、およびTNFリガンドスーパーファミリーメンバー15(TNFSF15)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)Gタンパク質は受容体35(GPR35)、およびガスダーミンB(GSDMB)から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、前記方法は、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の有効量の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、TL1Aの阻害剤は、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントは表15に示される。
【0012】
本明細書に開示される態様は、被験体の炎症性疾患を特徴づける方法を提供し、該方法は、(a)rs911605およびrs1006026のうち少なくとも1つを含む遺伝子型の有無を検出するために、炎症性疾患の患者から得たサンプル中の遺伝子材料を分析する工程と、(b)前記遺伝子型の存在が工程(a)で検出された場合、前記炎症性疾患をクローン病(CD)として特徴づける工程とを含む。いくつかの実施形態では、工程(a)のサンプル中の遺伝子材料を分析する工程は、(a)SEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6内の少なくとも15の核酸塩基を前記遺伝子材料から増幅する工程であって、前記少なくとも15の核酸塩基が、SEQ ID NO:5の[A/G]またはSEQ ID NO:6の[A/G]により示される位置に核酸塩基を含む、工程と、(b)SEQ ID NO:5およびSEQ ID NO:6のうち少なくとも1つを含む核酸配列を含む核酸を前記遺伝子材料にハイブリダイズする工程とを含む。いくつかの実施形態では、工程(a)のサンプル中の遺伝子材料を分析する工程は、(a)SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:8内の少なくとも15の核酸塩基を前記遺伝子材料から増幅する工程であって、前記少なくとも15の核酸塩基が、SEQ ID NO:7の[A/G]またはSEQ ID NO:8の[A/G]により示される位置に核酸塩基を含む、工程と、(b)SEQ ID NO:7およびSEQ ID NO:8のうち少なくとも1つを含む核酸配列を含む核酸を前記遺伝子材料にハイブリダイズする工程とを含む。いくつかの実施形態では、前記核酸は検出可能な分子を含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記炎症性疾患が工程(b)で中等度から重度と特徴づけられた場合に、CD30リガンド活性または発現の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記CD30リガンド活性の阻害剤は、CD30リガンドもしくはCD30、あるいはその組み合わせを標的とする、抗体または抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、工程(b)の前記炎症性疾患をCDと特徴づける工程は、前記炎症性疾患を、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療薬(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンから成る群から選択される標準処置が無効なものとして特徴づける工程を含む。いくつかの実施形態では、前記CDは、閉塞性CDとさらに特徴づけられる。いくつかの実施形態では、前記方法はさらに、追加の治療薬を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、前記追加の治療薬は、遺伝子の発現、または遺伝子発現産物の発現か活性のモジュレーターであり、前記遺伝子は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ(MAP4K4)、プロスタグランジンE受容体4(PTGER4)、インターロイキン18受容体1(IL18R1)、6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2、6-ビホスファターゼ3(PFKFB3)、インターロイキン18受容体アクセサリータンパク質(IL18RAP)、アデニレートシクラーゼ7(ADCY7)、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、Gタンパク質結合受容体65(GPR65)、Sprouty関連EVH1ドメイン含有2(SPRED2)、Srcキナーゼ関連リンタンパク質2(SKAP2)、受容体相互作用セリン/トレオニンキナーゼ2(RIPK2)、およびTNFリガンドスーパーファミリーメンバー15(TNFSF15)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)Gタンパク質は受容体35(GPR35)、およびガスダーミンB(GSDMB)から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、前記方法は、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の有効量の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、TL1Aの阻害剤は、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントは表15に示される。
【0013】
SEQ ID NO:2内の核位置(nucleoposition)501に「A」アレル、SEQ ID NO:4内の核位置501に「G」アレル、またはそれらの組み合わせを含む遺伝子型の保因者であると同定された被験体を処置するための、CD30リガンドの阻害剤を含む化合物の使用。いくつかの実施形態では、前記被験体は、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療薬(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンから成る群から選択される標準処置に対する無反応または反応損失のうち少なくとも1つを有する、またはそれを進行させる疑いがあると同定される。
【0014】
SEQ ID NO:2内の核位置(nucleoposition)501に「A」アレル、SEQ ID NO:4内の核位置501に「G」アレル、またはそれらの組み合わせを含む遺伝子型の保因者であると同定された被験体を処置するための、CD30リガンドの阻害剤と腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)の阻害剤を含む併用療法の使用。いくつかの実施形態では、前記CD30リガンドの阻害剤および前記TL1Aの阻害剤は、被験体に個別に投与される。いくつかの実施形態では、前記被験体は、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療薬(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンから成る群から選択される標準処置に対する無反応または反応損失のうち少なくとも1つを有する、またはそれを進行させる疑いがあると同定される。いくつかの実施形態では、前記TL1Aの阻害剤は、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントのである。いくつかの実施形態では、TL1Aを標的とする抗体または抗原結合フラグメントは表15に示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】リスクアレルを保因しない個体(「非リスク、GG」)と比較して、rs911605(P=4.41×10
-4)(rs911605Aまたはrs911605AA)内のリスクアレル「A」が、シス形発現定量的形質遺伝子座(シス-eQTL)を使用した小腸の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー8(TNFSF8)mRNAの発現増加に関連することを示す。
【
図2】リスク遺伝子型を発現しない非リスク(「NR」)個体と比較して、CD30Lタンパク質発現が、rs911605Aまたはrs911605AAリスク遺伝子型を保因する被験体から得たサンプルのT細胞およびB細胞に対してアップレギュレートされることを示す。
【
図3】リスク遺伝子型を発現しない非リスク(「NR」)個体と比較した、被験体から得たサンプルのインターフェロンγ(IFN-ガンマまたはIFNg)の発現の増加を示す。
【
図4】リスク遺伝子型を発現しない非リスク(「NR」)個体と比較した、被験体から得たサンプルで腫瘍壊死因子α(TNFa)の発現の増加を示す。
【
図5】リスク遺伝子型を発現しない非リスク(「NR」)個体と比較した、被験体から得たサンプルのインターロイキン6(IL-6)の発現の増加を示す。
【
図6】CD30L発現が、rs911605AAとrs1006026のAA/GA/GGの遺伝子型(A)、rs911605AAとrs1006026GA/GGの遺伝子型(B)、およびrs911605AAとrs1006026GGの遺伝子型(C)を含む、様々な遺伝子型を保因する患者集団中の可溶性CD30(sCD30)のレベルと相関されることを示す。
【
図7】リスク遺伝子型rs911605AAとrs1006026AA/GA/GG(A)、rs911605AAとrs1006026GA/GG(B)、およびrs911605AAとrs1006026GG(C)が、B細胞中のsCD30のレベルおよびCD30Lの割合と相関されることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、被験体の特定の遺伝子型の有無を検出する方法およびシステムを提供する。これらは場合によっては、ある疾患もしくは疾病の特定の処置のために被験体を選択すること、臨床的もしくは亜臨床的な表現型を発達させるリスクを同定すること、またはそれらの組み合わせに有用である。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型は、rs911605(SEQ ID NO:1)の多型、および随意にrs1006026(SEQ ID NO:3)の多型を含む。一例として、前記遺伝子型は、rs911605とrs1006026との両方に多型を含むハプロタイプである。場合によっては、特定の遺伝子型の存在は、被験体のCD30リガンド(CD30L)の発現が上昇したことを示す。場合によっては、特定の遺伝子型の存在は、被験体の可溶性CD30のレベルが上昇したことを示す。場合によっては、特定の遺伝子型の存在は、被験体の腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーサイトカインTL1A(TNFSF15)の発現が上昇したことを示す。したがって、前記遺伝子型に陽性の被験体は、抗CD30L抗体などのCD30L阻害剤での処置に適している場合がある。前記遺伝子型に陽性の被験体はまた、TL1A阻害剤での処置に適している場合もある。例えば、CD30L阻害剤およびTL1A阻害剤は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つなど、CD30L/CD30またはTL1A活性に関連する疾患または疾病を処置するのに有用でもよい。炎症性疾患の非限定的な例として、胃腸管、肝臓、および胆嚢の疾患、クローン病(CD)が挙げられる。典型的な線維性疾患は原発性硬化性胆管炎(PSC)である。
【0017】
いくつかの実施形態では、被験体がrs911605および/またはrs1006026に多型を有するか否かを同定するための方法およびシステムが、提供される。場合によっては、前記多型は、rs911605(SEQ ID NO:2)の位置501に「A」アレルを含む。場合によっては、前記多型は、rs1006026(SEQ ID NO:4)の位置501に「G」アレルを含む。典型的な方法として、多型を含む核酸配列の少なくとも一部(例えば少なくとも約10の核酸塩基)にハイブリダイズ可能な核酸配列を含むプローブに被験体の遺伝子材料を接触させる工程を含む、ハイブリダイゼーションアッセイが挙げられる。一例として、方法は、rs911605(SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:2)の少なくとも約10の隣接核酸塩基を含むプローブに前記遺伝子材料を接触させる工程を含み、前記プローブは位置501に少なくとも核酸塩基を含む。別の例として、方法は、rs1006026(SEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4)の少なくとも約10の隣接核酸塩基を含むプローブに前記遺伝子材料を接触させる工程を含み、前記プローブは位置501に少なくとも核酸塩基を含む。追加のプローブとして、本明細書に記載される配列に逆相補的、例えばSEQ ID NO:1~4のいずれかに逆相補的である配列を有するプローブが挙げられる。場合によっては、方法は、2つ以上のプローブ、例えばrs911605の多型に特異的な1つ以上のプローブ、およびrs1006026の多型に特異的な1つ以上のプローブに遺伝子材料を接触させる工程を含む、多重アッセイを含む。適切なハイブリダイゼーションアッセイとして量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)が挙げられる。例えばqPCRはTaqMan(商標)アッセイである。
【0018】
さらに、特定の遺伝子型またはハプロタイプ、例えばrs911605および/またはrs1006026の多型の存在を検出するための組成物およびキットが提供される。場合によっては、前記キットは、被験体の遺伝子サンプルの遺伝子型を増幅および/または検出するように構成された、プライマーおよび/またはプローブなどの試薬を含む。場合によっては、前記キットはサンプル採取デバイスを備えている。そのようなデバイスの一部は、被験体の遺伝子材料を含むサンプルの入手に有用である。典型的な採取デバイスは綿棒である。サンプル採取に使用するために、ある方法は、検査される被験体の表面、例えば頬内部に前記綿棒を接触させる工程を含む。他の典型的な採取デバイスは、被験体から血液サンプルを採取するためのチューブである。場合によっては、前記チューブは、保存のため、および/または分析を容易にするために添加剤を含む。例えば前記チューブは、ヘパリン、シュウ酸カリウム、フッ化ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸ナトリウム、凝結を活性化もしくは減少させる試薬、血清を分離する試薬、またはそれらの組み合わせを含む。
【0019】
さらに、CD30L阻害剤などの他の治療薬が提供され、これらは、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維性疾患を抱える患者に投与されてもよい。場合によっては、前記他の治療薬はTL1A阻害剤を含んでもよい。CD30L阻害剤の非限定的な例は、本明細書中の他の場所で開示される抗体など、抗CD30L抗体である。TL1A阻害剤の非限定的な例は、本明細書に開示される抗体などの抗TL1A抗体である。いくつかの実施形態では、前記患者は、本明細書に開示される遺伝子型、例えばrs911605および/またはrs1006026の多型を含む。
【0020】
概要
本明細書に開示される態様は、被験体の遺伝子型を提供する。この遺伝子型は、被験体から得たサンプル中の遺伝子材料を分析することにより前記サンプル中で検出されてもよい。本明細書に開示される遺伝子型は、疾患もしくは疾病、または疾患もしくは疾病の亜臨床的表現型に関連する場合がある。本明細書に開示される遺伝子型は、遺伝子の発現、もしくは該遺伝子から発現された遺伝子発現産物の増加または減少に関連する場合がある。前記遺伝子型はさらに、血清学マーカーなどの他のバイオマーカーの存在に関連する場合がある。
【0021】
本明細書に開示される遺伝子型の存在の決定は、前記疾患もしくは疾病、またはその亜臨床的表現型もしくは症状を抱える被験体の診断、予測、監視、予防、および処置のうち少なくとも1つに有用な場合がある。本明細書に開示される遺伝子型はさらに、ある第1線治療(例えば抗TNF治療、ステロイド、または他の免疫修飾物質)などの標準処置に対して無反応または反応を損失する可能性が高い被験体を同定するのに有用な場合がある。同様に、本明細書に開示される遺伝子型は、本明細書に開示される治療薬または追加の治療薬(例えば抗TL1A治療薬)に対して陽性(例えば治療)反応を示す可能性が高い被験体を同定するために使用することができる。
【0022】
被験体
【0023】
本明細書に開示される被験体は、哺乳動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、非ヒト霊長類、家畜などであってもよい。いくつかの例では、前記被験体はヒトである。いくつかの例では、前記被験体は、本明細書に開示される疾患または疾病を抱えると診断される患者である。いくつかの例では、前記被験体は、前記疾患または疾病を抱えると診断されない。いくつかの例では、前記被験体は、本明細書に開示される疾患または疾病に関連する症状(例えば腹痛、痙攣、下痢、直腸出血、発熱、体重減少、疲労、食欲不振、脱水症状、および栄養失調、貧血、または潰瘍)を抱えている。いくつかの実施形態では、前記被験体は、チオプリン毒性、またはチオプリン毒性により引き起こされる疾患(膵臓炎または白血球減少症など)に対する感度が高いか、またはそれらに悩まされている。前記被験体は、標準処置(例えば抗TNFα治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療薬(ウステキヌマブ)、サリドマイド、またはサイトキシン)に対して無反応もしくは反応を損失するか、またはそうなる疑いがある。
【0024】
疾患または疾病
【0025】
本明細書に開示される疾患または疾病は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つである。炎症性疾患の非限定的な例として、胃腸(GI)管、肝臓、胆嚢、および関節の疾患が挙げられる。場合によっては、前記炎症性疾患は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、または関節リウマチである。被験体は、線維症、線維性狭窄、または線維性疾患を単独で、または炎症性疾患と合わせて抱えている場合がある。場合によっては、前記CDは閉塞性CDである。閉塞性CDは、腸壁の瘢痕組織形成(線維性狭窄)および/または膨張を引き起こす炎症から生じる場合がある。場合によっては、前記CDは、線維症および/または炎症性狭窄の存在を特徴とする。前記狭窄は、コンピューター断層撮影腸運動記録(CTE)および磁気共鳴撮像腸運動記録(MRE)により突き止めることができる。いくつかの実施形態では、前記疾患は原発性硬化性胆管炎(PSC)である。PSCを診断する典型的な方法として、磁気共鳴胆道膵管造影法(MRCP)、肝機能検査法、および組織学的検査が挙げられる。肝機能検査法は研究所精密検査で評価可能なものであり、血清アルカリ性フォスファターゼ値、血清アミノトランスフェラーゼ値、γグルタミルトランスペプチダーゼ値、および高ガンマグロブリン血症の存在の測定を含んでもよい。前記疾患または疾病は、チオプリン毒性、またはチオプリン毒性により引き起こされる疾患(膵臓炎もしくは白血球減少症など)を含む場合がある。提供されるさらなる実施形態では、前記被験体は、治療の誘導に対する反応がなく、または、治療の誘導が成功した後に治療に対する反応を損失する。標準処置の非限定的な例として、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンが挙げられる。
【0026】
遺伝子型
【0027】
本明細書には、いくつかの実施形態では、被験体から得た遺伝子材料を分析することにより前記サンプル中で検出される遺伝子型が開示される。いくつかの例では、前記被験体はヒトでもよい。いくつかの実施形態では、前記遺伝子材料は、本明細書開示される疾患または疾病を抱える被験体から得られる。場合によっては、前記遺伝子材料は、当業者に既知の技術により、血液、血清、血漿、汗、頭髪、涙液、尿から得られる。場合によっては、前記遺伝子材料は、生検のために、例えば被験体の消化管から得られる。
【0028】
本開示の遺伝子型は、デオキシリボ核酸(DNA)である遺伝子材料を含む。いくつかの例では、前記遺伝子型は変性DNA分子またはそのフラグメントを含む。いくつかの例では、前記遺伝子型は、ゲノムDNA、ウイルスDNA、ミトコンドリアDNA、プラスミドDNA、増幅DNA、環状DNA、循環DNA、無細胞DNA、またはエクソソームDNAから選択されるDNAを含む。いくつかの例では、前記DNAは、一本鎖DNA(ssDNA)、二本鎖DNA、変性二本鎖DNA、合成DNA、およびそれらの組み合わせである。前記環状DNAは切断されるか、または断片化されてもよい。
【0029】
本明細書に開示される遺伝子型は、本明細書に記載される遺伝子または遺伝子座に少なくとも1つの多型を含む。いくつかの例では、前記遺伝子または遺伝子座は、腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリーメンバー8(TNFSF8)を含む。いくつかの例では、前記遺伝子または遺伝子座は、TNFスーパーファミリーメンバー15(TNFSF15)を含む。いくつかの例では、前記多型は、遺伝子間にある遺伝子座に存在するものであり、TNFSF8とTNFSF15の両方にまたがっている。本明細書に開示される遺伝子型は、場合によってはハプロタイプである。いくつかの例では、前記遺伝子型は、特定の多型、該多型と連鎖不平衡(LD)にある多型、またはそれらの組み合わせを含む。場合によっては、LDは、少なくともあるいは約0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、または0.1のr2により定義される。本明細書に開示される遺伝子型は、少なくともあるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30以上の多型を含むことができる。
【0030】
本明細書に記載される多型は、一塩基多型、またはインデル(挿入/欠失)でもよい。いくつかの例では、前記多型は、少なくとも1つの核酸塩基の挿入または欠失(例えばインデル)である。いくつかの例では、前記遺伝子型はコピー数変異(CNV)を含んでもよく、これは、所与の集団中の個体間の多くの核酸配列における変異である。いくつかの例では、前記CNVは、少なくともあるいは約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、または50の核酸分子を含む。いくつかの例では、前記遺伝子型はヘテロ接合である。いくつかの例では、前記遺伝子型はホモ接合である。
【0031】
本明細書に提供される遺伝子型は、場合によっては血清学的マーカーの存在に関連する。血清学的マーカーは、被験体の身体中で微生物抗原に対する血清学的反応を表す、自己抗原などのバイオマーカーの一種である。血清学的マーカーの非限定的な例として、抗好中球細胞質抗体(ANCA)、抗Saccharomyces cerevisiae抗体(ASCA)、抗フラジェリン(CBir1)抗体、およびE.coli外膜ポリンタンパク質C(OmpC)が挙げられる。本明細書に開示される血清学的マーカーは、単独で、または本明細書に開示される遺伝子型と組み合わせて処置を行うための患者選択に有用である。本明細書に開示される血清学的マーカーはさらに、単独で、本明細書に開示される遺伝子型と組み合わせて、本明細書に開示される疾患または疾病の診断、予測、予防、処置、および/または監視に有用である。
【0032】
いくつかの例では、前記遺伝子型は、腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリーメンバー8(TNFSF8)および/またはTNFスーパーファミリーメンバー15(TNFSF15)を含む遺伝子または遺伝子座に1つ以上の多型を含む。本明細書には、以下の実施形態において、本明細書に開示される遺伝子型が開示される:
1. 遺伝子または遺伝子座に少なくとも1つの多型を含む遺伝子型。
2. 表1に示される多型、または該多型と連鎖不平衡(LD)にある多型を含む、実施形態1の遺伝子型。
3. 表2に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1または2の遺伝子型。
4. 表3に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から3のいずれかの遺伝子型。
5. 表4に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から4のいずれかの遺伝子型。
6. 表5に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から5のいずれかの遺伝子型。
7. 表6に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から6のいずれかの遺伝子型。
8. 表7に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から7のいずれかの遺伝子型。
9. 表8に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から8のいずれかの遺伝子型。
10. 表9に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から9のいずれかの遺伝子型。
11. 表10に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から10のいずれかの遺伝子型。
12. 表11に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から11のいずれかの遺伝子型。
13. 表12に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から12のいずれかの遺伝子型。
14. 表13に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から13のいずれかの遺伝子型。
15. 表14に示される多型、または該多型とLDにある多型を含む、実施形態1から14のいずれかの遺伝子型。
16. rs911605に一塩基多型(SNP)を含む、実施形態1から15のいずれかの遺伝子型。
17. rs911605のSNPがSEQ ID NO:1に提供される、実施形態16の遺伝子型。
18. rs911605のSNPがSEQ ID NO:2の位置501に「A」アレルを含む、実施例16の遺伝子型。
19. ヘテロ接合である、実施形態16から18のいずれかの遺伝子型。
20. ホモ接合である、実施形態16から18のいずれかの遺伝子型。
21. rs1006026にSNPを含む、実施形態1から20のいずれかの遺伝子型。
22. rs1006026のSNPがSEQ ID NO:3に提供される、実施形態21の遺伝子型。
23. rs100602のSNPがSEQ ID NO:4の位置501に「G」アレルを含む、実施例21の遺伝子型。
24. ヘテロ接合である、実施形態21から23のいずれかの遺伝子型。
25. ホモ接合である、実施形態21から23のいずれかの遺伝子型。
【0033】
本明細書に開示される態様は、特定の疾患もしくは疾病、またはその亜臨床的表現型を進行させる、またはその疑い(例えば、リスク)がある被験体に関連し、およびそれゆえ前記被験体を示す、遺伝子型を提供する。表1はCDに関連する典型的な多型を示す。表2はUCに関連する典型的な多型を示す。表3はIBDに関連する典型的な多型を示す。表4は抗TNF反応損失に関連する典型的な多型を示す。表5は原発性硬化性胆管炎(PSC)に関連する典型的な多型を示す。表6はASCAの存在に関連する典型的な多型を示す。表7はCbir1フラジェリンに対する抗原反応の存在に関連する典型的な多型を示す。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
一態様では、本明細書に開示される遺伝子型は、疾患または疾病の特定の亜臨床的表現型を持つか発達させる被験体に関連し、したがって前記被験体を示す。亜臨床的表現型は、疾患あるいは疾病、または疾患の重度あるいは異常な形態の特徴である疾患進行を測定するメトリックに関連する特異的な表現型であってもよい。いくつかの例では、前記亜臨床的表現型は診断可能である。いくつかの例では、前記亜臨床的表現型は診断可能ではない。IBD亜臨床的表現型の非限定的な例として、非狭窄性疾患、狭窄性疾患、狭窄性・浸透性疾患、肛門周囲クローン病(pCD)、パネート細胞の欠損、PSC、および血餅(例えば血栓)の発達が挙げられるが、これらに限定されない。最初の手術までの時間、および次の手術までの時間は、疾患の重度の形態のリスクがある被験体を同定するために使用される亜臨床的な表現型である。炎症性腸疾患の文脈において、最初の手術までの時間は、炎症性腸疾患の症状から手術までの時間であってもよい。最初の手術までの時間は、IBDの最初の診断から最初の手術時間までの時間であってもよい。次の手術までの時間は、最初の手術から次の手術までの時間であってもよい。最初および/または次の手術は、被験体の胃腸管の少なくとも一部に対する手術を含む場合がある。手術の非限定的な例として、腸切除、結腸切除、肛門周囲手術、および狭窄形成術が挙げられる。前記症状は本明細書に記載される症状であってもよい。前記胃腸管の一部は、肛門、結腸、大腸、小腸、胃、および食道から選択されてもよい。表8は、最初の手術までの時間に関連する典型的な多型を示す。表9は、次の手術までの時間に関連する典型的な多型を示す。表10は、様々なパネート細胞表現型に関連する典型的な多型を示す。表11は、血栓(Thrombis)の進行に関連する典型的なSNPを示す。表12は、小腸の様々な部分における非狭窄性および非浸透性の疾患または狭窄性および浸透性の疾患に関連する典型的な多型を示す。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
CD30、およびCD30をコードする核酸(TNFSF8)は、NCBI Entrez Gene ID 944を特徴とする。CD30はそのリガンドであるCD30Lの膜貫通受容体であり、それぞれ腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーに属している。いくつかの実施形態では、表13の1つ以上の多型を含む遺伝子型の存在は、この遺伝子型を持たない個体のCD30値と比較して減少したCD30値に関連する。いくつかの実施形態では、表14の1つ以上の多型を含む遺伝子型の存在は、この遺伝子型を持たない個体のCD30値と比較して増加したCD30値に関連する。いくつかの例では、被験体から得たサンプル中のCD30の減少に関連する遺伝子型の検出は、この遺伝子型を持たない個体と比較して、被験体のCD30値が減少したことを示す。いくつかの例では、被験体から得たサンプル中のCD30の増加に関連する遺伝子型の検出は、この遺伝子型を持たない個体と比較して、被験体のCD30値が増加したことを示す。CD30の増加または減少は、そのリガンドであるCD30Lの増加または減少に対応することが示される場合がある。
【0053】
いくつかの例では、CD30あるいはCD30Lの増加または減少は、倍率変化として表される。本明細書では、「倍率変化」とは、初期値から最終値までの、遺伝子あるいはその遺伝子発現産物の発現の量またはレベルの変化を指す。倍率変化は一定期間にわたり、1つの時点で、またはそれらの組み合わせで測定されてもよい。倍率変化は、初期値と比較した増加または減少であってもよい。いくつかの実施形態では、前記遺伝子はデオキシリボ核酸(DNA)を含む。いくつかの実施形態では、前記遺伝子発現産物はリボ核酸(RNA)、タンパク質、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、前記RNAはメッセンジャーRNA(mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、CD30あるいはCD30L倍率変化の増加または減少は、被験体から得たサンプルと、増加または減少の倍率変化に関連する遺伝子型を持たない個体におけるCD30またはCD30Lの発現との間で、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.0倍、3.0倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍以上の増加を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、被験体のCD30あるいはCD30Lの増加または減少は、被験体が特定の疾患または疾病を抱えている、または進行させることを示す。いくつかの例では、被験体のCD30あるいはCD30Lの値の増加に関連する遺伝子型の存在に関係する特定の疾患または疾病を抱える被験体は、抗CD30Lの抗体などのCD30Lの阻害剤での処置に適している。いくつかの例では、被験体のCD30あるいはCD30Lの値の減少に関連する遺伝子型の存在に関係する特定の疾患または疾病を抱える被験体は、CD30LまたはCD30のアゴニストでの処置に適している。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
いくつかの実施形態では、前記遺伝子型はホモ接合であり、これは同じSNPにある同じアレルの2つの複製が存在することを意味する。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型はヘテロ接合であり、これは同じSNPにあるアレルの1つの複製が存在することを意味する。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型はrs911605(SEQ ID NO:1)に多型を含む。例えば、SEQ ID NO:2により示されるように、前記遺伝子型はrs911605内の位置501に「A」アレルを含む。場合によっては、この遺伝子型を持つ被験体は、「A」アレル(rs911605AA)に対してホモ接合である。場合によっては、この遺伝子型を持つ被験体はヘテロ接合である(rs911605A)。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型はrs1006026(SEQ ID NO:3)に多型を含む。例えば、SEQ ID NO:4により示されるように、前記遺伝子型はrs1006026内の位置501に「G」アレルを含む。場合によっては、この遺伝子型を持つ被験体は、「G」アレル(rs1006026GG)に対してホモ接合である。場合によっては、この遺伝子型を持つ被験体はヘテロ接合である(rs1006026G)。
【0062】
さらに、rs911605(SEQ ID NO:1)およびrs1006026(SEQ ID NO:3)に多型を含むハプロタイプが提供される。本明細書では「ハプロタイプ」とは、いくつかの例では、共に遺伝性の傾向がある一組の多型を指す。場合によっては、SEQ ID NO:2により示されるように、rs911605の多型は、rs911605内の位置501に「A」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:4により示されるように、rs1006026の多型は、rs1006026内の位置501に「G」アレルを含む。場合によっては、前記ハプロタイプはrs911605AAおよびrs1006026GGを含む。
【0063】
方法
遺伝子型を検出する方法
【0064】
被験体のサンプル中の遺伝子型を検出するための本明細書に開示される方法は、対象の遺伝子型を包含する核酸配列の存在、欠如、および量のうち少なくとも1つを検出するためにサンプル中の遺伝子材料を分析する工程を含む。場合によっては、前記核酸配列はDNAを含む。いくつかの例では、前記核酸配列は変性DNA分子またはそのフラグメントを含む。いくつかの例では、前記核酸配列は、ゲノムDNA、ウイルスDNA、ミトコンドリアDNA、プラスミドDNA、増幅DNA、環状DNA、循環DNA、無細胞DNA、またはエクソソームDNAから選択されるDNAから選択されるDNAを含む。いくつかの例では、前記DNAは、一本鎖DNA(ssDNA)、二本鎖DNA、変性二本鎖DNA、合成DNA、およびそれらの組み合わせである。前記環状DNAは切断されるか、または断片化されてもよい。いくつかの例では、前記核酸配列はRNAを含む。いくつかの例では、前記核酸配列は断片化RNAを含む。いくつかの例では、前記核酸配列は部分的に分解されたRNAを含む。いくつかの例では、前記核酸配列はマイクロRNAまたはその一部を含む。いくつかの例では、前記核酸配列は、マイクロRNA(miRNA)、pre-miRNA、pri-miRNA、mRNA、pre-mRNA、ウイルスRNA、ウイロイドRNA、ウイルソイドRNA、環状RNA(circRNA)、リボソームRNA(rRNA)、転移RNA(tRNA)、pre-tRNA、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、循環RNA、無細胞RNA、エクソソームRNA、ベクター発現RNA、RNA転写物、合成RNA、およびそれらの組み合わせから選択される、RNA分子または断片化RNA分子(RNAフラグメント)を含む。
【0065】
本明細書中の方法に有用な場合がある核酸ベースの検出技法としては、量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)、ゲル電気泳動法、免疫化学、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)などのインサイツハイブリダイゼーション、細胞化学、および次世代シーケンシングが挙げられる。いくつかの実施形態では、前記方法はTaqMan(商標)qPCRを含む。これは、特異的なプライマー対との核酸増幅反応、および標的核酸に特異的な加水分解性プローブでの増幅核酸のハイブリダイゼーションに関与する。本開示は、rs911605内で標的核酸配列にハイブリダイズ可能な典型的なプローブを提供する。本開示はまた、rs1006026内で標的核酸配列にハイブリダイズ可能な典型的なプローブを提供する。
【0066】
いくつかの例では、前記方法は、サザンブロットあるいはノーザンブロット解析、ポリメラーゼ連鎖反応分析、およびプローブアレイを含むがこれらに限定されない、ハイブリダイゼーションおよび/または増幅アッセイを含む。非限定的な増幅反応としては、qPCR、自己配列複製、転写増幅システム、Q-βレプリカーゼ、ローリングサークル複製、または当該技術分野で既知の他のあらゆる核酸増幅が挙げられる。説明されるように、本明細書中のqPCRへの言及はTaqMan(商標)方法の使用を含む。さらなる典型的なハイブリダイゼーションアッセイとして、ビーズ、マルチウェルプレート、または他の基質に抱合、またはその他の方法で固定される核酸プローブの使用が挙げられる。ここで核酸プローブは、本明細書で提供される遺伝子型の標的核酸配列でハイブリダイズするように構成される。非限定的な方法は、Anal Chem.2013 Feb 5;85(3):1932-9にて利用される方法である。
【0067】
いくつかの実施形態では、遺伝子型の有無の検出は、被験体の遺伝子材料を配列決定する工程を含む。シーケンシングは、単一分子リアルタイム(SMRT)シーケンシング、ポロニーシーケンシング、ライゲーションシーケンシング、可逆的ターミネーターシーケンシング、プロトン検出シーケンシング、イオン半導体シーケンシング、ナノポアシーケンシング、電子シーケンシング、パイロシーケンシング、マクサム-ギルバートシーケンシング、連鎖停止(例えばサンガー)シーケンシング、+Sシーケンシング、または合成によるシーケンシングを含むがこれらに限定されない任意の適切なシーケンシング技術で実行することができる。シーケンシング方法には、次世代シーケンシング、例えばイルミナシーケンシング(例えばSolexa)、Roche 454シーケンシング、イオントレント(Ion torrent)シーケンシング、およびSOLiDシーケンシングなどの現代のシーケンシング技法も挙げられる。場合によっては、次世代シーケンシングは、高スループットシーケンシング方法に関与する。当業者に利用可能なさらなるシーケンシング方法を利用してもよい。
【0068】
いくつかの例では、配列決定されたヌクレオチドの数は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、300、400、500、2000、4000、6000、8000、10000、20000、50000、100000、または100000より多くのヌクレオチドである。いくつかの例では、配列決定されたヌクレオチドの数は、約1~約100000のヌクレオチド、約1~約10000のヌクレオチド、約1~約1000のヌクレオチド、約1~約500のヌクレオチド、約1~約300のヌクレオチド、約1~約200のヌクレオチド、約1~約100のヌクレオチド、約5~約100000のヌクレオチド、約5~約10000のヌクレオチド、約5~約1000のヌクレオチド、約5~約500のヌクレオチド、約5~約300のヌクレオチド、約5~約200のヌクレオチド、約5~約100のヌクレオチド、約10~約100000のヌクレオチド、約10~約10000のヌクレオチド、約10~約1000のヌクレオチド、約10~約500のヌクレオチド、約10~約300のヌクレオチド、約10~約200のヌクレオチド、約10~約100のヌクレオチド、約20~約100000のヌクレオチド、約20~約10000のヌクレオチド、約20~約1000のヌクレオチド、約20~約500のヌクレオチド、約20~約300のヌクレオチド、約20~約200のヌクレオチド、約20~約100のヌクレオチド、約30~約100000のヌクレオチド、約30~約10000のヌクレオチド、約30~約1000のヌクレオチド、約30~約500のヌクレオチド、約30~約300のヌクレオチド、約30~約200のヌクレオチド、約30~約100のヌクレオチド、約50~約100000のヌクレオチド、約50~約10000のヌクレオチド、約50~約1000のヌクレオチド、約50~約500のヌクレオチド、約50~約300のヌクレオチド、約50~約200のヌクレオチド、または約50~約100のヌクレオチドの範囲内にある。
【0069】
場合によっては、本明細書に提供される方法は、特定の遺伝子型から核酸配列の存在、欠如、および/または量を判定する工程を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子型を検出方法が提供され、該方法は、SEQ ID NO:5~8、またはそれらの組み合わせから選択される核酸配列またはその一部の存在、欠如、および/または量を判定する工程を含む。場合によっては、本明細書に提供される核酸配列の一部は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、または50の隣接核酸塩基を含む。場合によっては、本明細書に提供される核酸配列の一部は、約10~約50の隣接核酸塩基、約10~約40の隣接核酸塩基、約15~約50の隣接核酸塩基、約15~約40の隣接核酸塩基、約20~約50の隣接核酸塩基、および約20~約40の隣接核酸塩基を含む。場合によっては、本明細書に提供される核酸配列の一部は、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38。39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の隣接核酸塩基を含む。場合によっては、SEQ ID NO:5を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「A」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:5を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「G」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:6を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「A」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:6を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「G」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:7を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「A」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:7を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「G」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:8を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「A」アレルを含む。場合によっては、SEQ ID NO:8を含む核酸配列の一部は、括弧でくくられた位置に「G」アレルを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子材料中のSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:5の一部、SEQ ID NO:6の一部、またはそれらの組み合わせの有無を検出することにより判定されるように、被験体の遺伝子材料中のサンプルにおけるrs911605A遺伝子型の有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs911605A遺伝子型を含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs911605Aに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0071】
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子材料中のSEQ ID NO:5と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:5の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせの有無を検出することにより判定されるように、被験体の遺伝子材料中のサンプルにおけるrs911605A遺伝子型の有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs911605A遺伝子型を含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs911605Aに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0072】
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子材料中のSEQ ID NO:5と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:5の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせの有無を検出することにより判定されるように、被験体の遺伝子材料中のサンプルにおけるrs911605A遺伝子型の有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs911605A遺伝子型を含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs911605Aに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0073】
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子材料中のSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:7の一部、SEQ ID NO:8の一部、またはそれらの組み合わせの有無を検出することにより判定されるように、被験体の遺伝子材料中のサンプルにおけるrs1006026G遺伝子型の有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs1006026G遺伝子型を含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs1006026Gに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0074】
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子材料中のSEQ ID NO:7と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:7の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせの有無を検出することにより判定されるように、被験体の遺伝子材料中のサンプルにおけるrs1006026G遺伝子型の有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs1006026G遺伝子型を含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs1006026Gに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0075】
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子材料中のSEQ ID NO:7と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:7の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせの有無を検出することにより判定されるように、被験体の遺伝子材料中のサンプルにおけるrs1006026G遺伝子型の有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs1006026G遺伝子型を含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs1006026Gに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0076】
いくつかの実施形態では、前記方法は、(a)SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:5の一部、SEQ ID NO:6の一部、またはそれらの組み合わせと、(b)SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:7の一部、SEQ ID NO:8の一部、またはそれらの組み合わせとの遺伝子材料中での有無の検出により判定されるように、被験体の遺伝子材料のサンプルにおけるrs911605Aおよびrs1006026Gを含むハプロタイプの有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs911605Aおよびrs1006026Gを含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs911605Aに対してホモ接合であり、rs1006026Gに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0077】
いくつかの実施形態では、前記方法は、(a)SEQ ID NO:5と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:5の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせと、(b)SEQ ID NO:7と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:7の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8の一部と少なくともあるいは約90%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせとの遺伝子材料中での有無の検出により判定されるように、被験体の遺伝子材料のサンプルにおけるrs911605Aおよびrs1006026Gを含むハプロタイプの有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs911605Aおよびrs1006026Gを含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs911605Aに対してホモ接合であり、rs1006026Gに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、前記方法は、(a)SEQ ID NO:5と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:5の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:6の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせと、(b)SEQ ID NO:7と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:7の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、SEQ ID NO:8の一部と少なくともあるいは約95%同一の核酸配列、またはそれらの組み合わせとの遺伝子材料中での有無の検出により判定されるように、被験体の遺伝子材料のサンプルにおけるrs911605Aおよびrs1006026Gを含むハプロタイプの有無を判定する工程を含む。場合によっては、被験体がrs911605Aおよびrs1006026Gを含む場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。場合によっては、被験体がrs911605Aに対してホモ接合であり、rs1006026Gに対してホモ接合である場合、被験体はCD30Lの阻害剤を投与される。
【0079】
いくつかの例では、遺伝子型を検出する方法は、標的核酸配列の領域にハイブリダイズする核酸ポリマーに被験体のサンプルの核酸を接触させる工程を含む。場合によっては、前記標的核酸配列は、SEQ ID NO:1のうち少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、100、またはすべてを含む配列であり、ここで前記標的核酸配列は位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、標的核酸配列の領域は、SEQ ID NO:1の位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、前記標的核酸配列は、SEQ ID NO:2のうち少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、100、またはすべてを含む配列であり、ここで前記標的核酸配列は位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、標的核酸配列の領域は、SEQ ID NO:2の位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、前記標的核酸配列は、SEQ ID NO:3のうち少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、100、またはすべてを含む配列であり、ここで前記標的核酸配列は位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、標的核酸配列の領域は、SEQ ID NO:3の位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、前記標的核酸配列は、SEQ ID NO:4のうち少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、100、またはすべてを含む配列であり、ここで前記標的核酸配列は位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、標的核酸配列の領域は、SEQ ID NO:4の位置501に核酸塩基を含む。場合によっては、前記方法は、2つ以上の標的核酸配列が検出される多重アッセイである。一例として、前記方法は、SEQ ID NO:1の位置501の核酸塩基を含む標的核酸配列、およびSEQ ID NO:3の位置501の核酸塩基を含む標的核酸配列を検出する工程を含む。別の例として、前記方法は、SEQ ID NO:2の位置501の核酸塩基を含む標的核酸配列、およびSEQ ID NO:4の位置501の核酸塩基を含む標的核酸配列を検出する工程を含む。
【0080】
前記核酸ポリマーは、核酸塩基の長さが少なくともあるいは約5、10、15、20、25、30、35、40、45の、50、75、または100以上であり、かつ本明細書に記載されるような標的核酸配列に特異的にハイブリダイズするのに十分な、オリゴヌクレオチドを含むことができる。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、約10~約100のヌクレオチド、約10~約75のヌクレオチド、約10~約50のヌクレオチド、約15~約100のヌクレオチド、約15~約75のヌクレオチド、約15~約50のヌクレオチド、約20~約100のヌクレオチド、約20~約75のヌクレオチド、約20~約50のヌクレオチド、約25~約100のヌクレオチド、約25~約75のヌクレオチド、または約25~約50のヌクレオチドを含む。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:1~8のうち少なくとも1つの標的核酸配列の領域にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:1を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:2を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:3を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:4を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:5を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:6を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:7を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。いくつかの例では、前記核酸ポリマーは、SEQ ID NO:8を含む標的核酸配列にハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションは、標準PCRバッファー内で標準ハイブリダイゼーション温度、例えば約35℃~約65℃で行われてもよい。
【0081】
さらに、本明細書に記載される標的核酸の核酸を増幅するのに有用なプライマーが提供される。例えば、qPCRなどの増幅アッセイに使用するためのプライマーが提供される。いくつかの例では、前記プライマーはSEQ ID NO:1~8のうち1つの少なくとも一部にハイブリダイズする。いくつかの例では、SEQ ID NO:1の少なくとも約10の隣接塩基にハイブリダイズするフォワードプライマー、およびSEQ ID NO:1の少なくとも10の隣接塩基にハイブリダイズするリバースプライマーが提供され、それにより前記フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、SEQ ID NO:1の位置501の核酸塩基に隣接する。いくつかの例では、SEQ ID NO:2の少なくとも約10の隣接塩基にハイブリダイズするフォワードプライマー、およびSEQ ID NO:2の少なくとも10の隣接塩基にハイブリダイズするリバースプライマーが提供され、それにより前記フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、SEQ ID NO:2の位置501の核酸塩基に隣接する。いくつかの例では、SEQ ID NO:3の少なくとも約10の隣接塩基にハイブリダイズするフォワードプライマー、およびSEQ ID NO:3の少なくとも10の隣接塩基にハイブリダイズするリバースプライマーが提供され、それにより前記フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、SEQ ID NO:3の位置501の核酸塩基に隣接する。いくつかの例では、SEQ ID NO:4の少なくとも約10の隣接塩基にハイブリダイズするフォワードプライマー、およびSEQ ID NO:4の少なくとも10の隣接塩基にハイブリダイズするリバースプライマーが提供され、それにより前記フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、SEQ ID NO:4の位置501の核酸塩基に隣接する。
【0082】
場合によっては、SEQ ID NO:9を含むフォワードプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:9に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むフォワードプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:10を含むリバースプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:10に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むリバースプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:9を含むフォワードプライマーと、SEQ ID NO:10を含むリバースプライマーとを含むプライマー対が提供される。場合によっては、SEQ ID NO:9に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むフォワードプライマーと、SEQ ID NO:10に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むリバースプライマーとを含むプライマー対が提供される。
【0083】
場合によっては、SEQ ID NO:11を含むフォワードプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:11に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むフォワードプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:12を含むリバースプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:12に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むリバースプライマーが提供される。場合によっては、SEQ ID NO:11を含むフォワードプライマーと、SEQ ID NO:12を含むリバースプライマーとを含むプライマー対が提供される。場合によっては、SEQ ID NO:11に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むフォワードプライマーと、SEQ ID NO:12に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むリバースプライマーとを含むプライマー対が提供される。
【0084】
さらに、本明細書に記載される標的核酸にハイブリダイズするプローブまたはレポーター配列が提供される。非限定的な例として、rs911605および/またはrs1006026の標的核酸が挙げられる。場合によっては、前記プローブは、一端に色素標識を、他端にクエンチャーを含むレポーターである。前記プローブが標的核酸にハイブリダイズされると、追加されたDNAポリメラーゼは、それらハイブリダイズされたプローブを切断し、クエンチャーからレポーター色素を分割することで、前記レポーターにより蛍光を増大させることができる。場合によっては、上述される核酸ポリマー配列を含むプローブが提供される。このプローブは、所与のサンプル中の標的核酸の存在を検出および/または定量するために使用されてもよい。
【0085】
いくつかの例では、SEQ ID NO:13を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:13に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:14を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:14に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:15を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:15に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:16を含むプローブが提供される。いくつかの例では、SEQ ID NO:16に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含むプローブが提供される。
【0086】
プローブとして利用される分子の例としては、限定されないが、RNAとDNAが挙げられる。いくつかの実施形態では、核酸に関する用語「プローブ」は、特異的に意図した標的核酸配列に選択的に結合可能な任意の分子を指す。いくつかの例では、プローブは、例えば放射性標識、蛍光標識、酵素、化学発光タグ、比色定量タグ、または当該技術分野で知られている他の標識あるいはタグを用いて標識されるように特異的に設計されている。いくつかの例では、前記蛍光標識はフルオロフォアを含む。いくつかの例では、前記フルオロフォアは芳香族化合物または複素芳香族化合物である。いくつかの例では、前記フルオロフォアは、ピレン、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、ベンズオキサゾール、インドール、ベンズインドール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、ケイナイン(canine)、カルボシアニン、サリチラート、アントラニレート、キサンテン、色素、クマリンである。典型的なキサンテン色素として、例えばフルオレセイン色素やローダミン色素が挙げられる。フルオレセイン色素およびローダミン色素として、6-カルボキシフルオレスセイン(FAM)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレスセイン(JOE)、テトラクロロフルオレスセイン(TET)、6-カルボキシローダミン(R6G)、N,N,N;N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)が挙げられるがこれらに限定されない。適切な蛍光プローブとして、α位置またはβ位置にアミノ基があるナフチルアミン色素も挙げられる。例えばナフチルアミノ化合物として、1-ジメチルアミノナフチル-5-スルホネート、1-アニリノ-8-ナフタレンスルホネート、および2-p-トルイジニル-6-ナフタレンスルホネート、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)が挙げられる。典型的なクマリンとして例えば、3-フェニル-7-イソシアナートクマリン(isocyanatocoumarin);9-イソチアナートアクリジンおよびアクリジンオレンジなどのアクリジン;N-(p-(2-ベンズオキサゾリル)フェニル)マレイミド;シアニン、例えばインドジカルボシアニン3(Cy3)、インドジカルボシアニン5(Cy5)、インドジカルボシアニン5.5(Cy5.5)、3-(-カルボキシ-ペンチル)-3’-エチル-5,5’-ジメチルオキサカルボシアニン(CyA);1H、5H、11H、15H-Xantheno[2,3,4-ij:5,6,7-i’j’]ジキノリジン-18-イウム、9-[2(または4)-[[[6-[2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル)オキシ]-6-オキソヘキシル]アミノ]スルホニル]-4(または2)-スルホフェニル]-2,3,6,7,12,13,16,17-オクタヒドロ-分子内塩(TRまたはTexas Red);またはBODIPYTM色素が挙げられる。場合によっては、前記プローブは色素標識としてFAMを含む。
【0087】
いくつかの例では、標的核酸を検出するための本明細書に記載されるプライマーおよび/またはプローブは、増幅反応に使用される。いくつかの例では、この増幅反応はqPCRである。典型的なqPCRはTaqMan(商標)アッセイを利用する方法である。
【0088】
いくつかの例では、qPCRは挿入色素(intercalating dye)の使用を含む。挿入色素の例として、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、SYBRゴールド、臭化エチジウム、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、Blue View、またはフィコエリトリンが挙げられる。いくつかの例では、前記挿入色素はSYBRである。
【0089】
いくつかの例では、増幅アッセイにおいて標的核酸を検出する増幅サイクルの数は、約5~約30回のサイクルである。いくつかの例では、標的核酸を検出する増幅サイクルの数は少なくとも約5回のサイクルである。いくつかの例では、標的核酸を検出する増幅サイクルの数は多くとも約30回のサイクルである。いくつかの例では、標的核酸を検出する増幅サイクルの数は、約5~約10、約5~約15、約5~約20、約5~約25、約5~約30、約10~約15、約10~約20、約10~約25、約10~約30、約15~約20、約15~約25、約15~約30、約20~約25、約20~約30、または約25~約30回のサイクルである。
【0090】
一態様では、特定の遺伝子型から核酸配列の存在、不在、および/または量を判定するための本明細書で提供される方法は、qPCRなどの増幅反応を含む。典型的な方法では、遺伝子材料は被験体のサンプル、例えば血液または血清サンプルから得られる。ある実施形態では、核酸が抽出される場合、この核酸は後の分析に干渉しない任意の技術を使用して抽出される。ある実施形態において、この技術は、エタノール、メタノール、またはイソプロピルアルコールを用いるアルコール沈降反応を使用する。ある実施形態では、この技術はフェノール、クロロホルム、またはそれらの任意の組み合わせを使用する。ある実施形態では、この技術は塩化セシウムを使用する。ある実施形態では、この技術は、DNAを凝析するために一般的に使用されるナトリウム、カリウム、酢酸アンモニウム、または他の任意の塩を使用する。ある実施形態では、この技術は、一般的に市販されているものなどのカラムまたはレジンベースの核酸精製スキームを利用する。そのうち1つの非限定的な例は、Sigma Aldrichから入手可能なGenElute Bacterial Genomic DNA Kitである。ある実施形態では、抽出後、核酸は水、トリス緩衝液、またはトリスEDTA緩衝液に保管されてから、分析される。典型的な実施形態では、この核酸材料は水中で抽出される。場合によっては、抽出は核酸精製を含まない。
【0091】
典型的なqPCRアッセイでは、核酸サンプルは、サンプルおよびDNAポリメラーゼに存在する、または存在しない標的核酸に特異的なプライマーおよびプローブと組み合わされる。増幅反応は、核酸増幅のためにサンプルを暖めて冷却し、このサンプルを特定波長で照射することでプローブ上のフルオロフォアを励起させ、放射された蛍光を検出する、サーマルサイクラーで実行される。TaqMan(商標)方法では、前記プローブは、標的核酸にハイブリダイズされたときにDNAポリメラーゼにより加水分解されるフルオロフォアおよびクエンチャーを含む、加水分解可能なプローブでもよい。場合によっては、標的核酸の存在は、閾値に到達する増幅サイクルの数が30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、または20未満のサイクルであるときに判定される。場合によっては、標的核酸はSEQ ID NO:5を含み、標的核酸の存在はrs911605A遺伝子型を示す。場合によっては、標的核酸はSEQ ID NO:6を含み、標的核酸の存在はrs911605A遺伝子型を示す。場合によっては、標的核酸はSEQ ID NO:7を含み、標的核酸の存在はrs1006026G遺伝子型を示す。場合によっては、標的核酸はSEQ ID NO:8を含み、標的核酸の存在はrs1006026G遺伝子型を示す。アッセイ中のプライマーとプローブは、本明細書に記載されるプライマーとプローブの任意の組み合わせを含んでもよい。そのため、rs911605Aおよびrs1006026Gを含むハプロタイプがアッセイで検出可能な場合、多重アッセイが実行されてもよい。
【0092】
可溶性CD30を検出かつ定量する方法
【0093】
本明細書に提供される態様は、被験体のサンプルからCD30タンパク質値を検出かつ定量することにより被験体のCD30タンパク質値を分析する方法である。サンプル材料の非限定的な例として、血清、血漿、および/または全血が挙げられる。抗CD30の抗体が利用される場合、CD30は抗体ベースのアッセイの使用により検出されてもよい。抗体ベースの検出方法では、抗CD30抗体はCD30の任意の領域に結合してもよい。場合によっては、抗CD30抗体は、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、または任意のCD30タンパク質コーディングアイソフォームの配列(例えばP28908に対する)を有するCD30タンパク質の領域に結合する。場合によっては、抗CD30抗体は、SEQ ID NO:17と少なくともまたは約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するCD30タンパク質の領域に結合する。典型的な分析法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を実行する工程を含む。ELISAアッセイはサンドイッチELISAまたは直接ELISAでもよい。他の典型的な検出方法として、免疫組織化学的検査および側方流動アッセイが挙げられる。
【0094】
場合によっては、CD30タンパク質はCD30とCD30Lとの間の結合を検出することにより検出されてもよい。CD30とCD30Lとの間の結合を分析する方法は、インビボ、インビトロ、またはエクスビボでアッセイを実行する工程を含む。いくつかの例では、前記アッセイは、共免疫沈降法(co-IP)、プルダウンで、架橋タンパク質相互作用分析、標識トランスファータンパク質相互作用分析、またはファーウエスタンブロット分析、FRETベースのアッセイ、例えばFRET-FLIM、酵母ツーハイブリッドアッセイ(BiFC)、またはスプリットルシフェラーゼアッセイを含んでもよい。
【0095】
疾患、疾病、またはそれらの亜型を特徴づける方法
【0096】
本明細書には、被験体の疾患、疾病、あるいは前記疾患か疾病の亜型を特徴づける方法が開示される。場合によっては、前記疾患または疾病は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患の少なくとも1つである。いくつかの例では、前記炎症性疾患はクローン病(CD)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は潰瘍性大腸炎(UC)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は全身性エリテマトーデス(SLE)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は関節リウマチ(RA)である。いくつかの例では、前記線維性疾患は原発性硬化性胆管炎(PSC)である。前記被験体は前記疾患または疾病と診断されてもよく、本明細書に開示される実施形態は、前記疾患または疾病の重度の形態(例えば難治性疾患)として前記疾患または疾病を特徴づける方法を提供する。いくつかの例では、前記疾患の重度の形態は、例えば肛門周囲疾患(例えばpCD)、狭窄性疾患、浸透性疾患、狭窄性・浸透性疾患、回腸疾患、回腸結腸疾患などの疾患または疾病の亜臨床的表現型の存在、またはそれを進行させる疑いがあることを特徴とする。
【0097】
本明細書に開示される態様は、疾患、疾病、または前記疾患か疾病の亜型を特徴づける方法であり、該方法は、(a)遺伝子型の存在、不在、またはレベルを検出するよう構成されたアッセイに、被験体から得たサンプルをかける工程と、(b)前記遺伝子型の存在またはレベルが被験体から得たサンプルに検出される場合に、前記疾患または疾病の重度の形態であると前記疾患を特徴づける工程とを含む。いくつかの例では、遺伝子型は表1~14から選択された少なくとも1つの多型を含む。場合によっては、前記遺伝子型はrs911605A遺伝子型を含む(例えば、rs911605の位置501に「A」アレルを含む)。いくつかの例では、前記遺伝子型は、rs911605A遺伝子型を含むハプロタイプであり(例えば、rs911605の位置501に「A」アレルを含む)、rs1006026G遺伝子型(例えば、rs1006026の位置501に「G」アレルを含む)は被験体から得たサンプルに検出される。いくつかの例では、前記遺伝子型はrs1006026G遺伝子型を含む(例えば、rs1006026の位置501に「G」アレルを含む)。いくつかの例では、前記疾患または疾病の亜型は、非狭窄性疾患、狭窄性疾患、狭窄性・浸透性疾患、肛門周囲クローン病(pCD)、パネート細胞の欠損、PSC、および血餅(例えば血栓)の進行からなる群から選択される亜臨床的表現型を含む。いくつかの例では、前記遺伝子型の存在が被験体から得たサンプルに検出される場合、治療薬が被験体に投与される。いくつかの例では、前記治療薬は、CD30リガンド、TL1A、またはそれらの組み合わせの阻害剤である。いくつかの例では、前記遺伝子型は、例えば遺伝子型判定デバイス(例えばqPCR、シークエンサー、マイクロアレイなど)といった、本明細書に記載される方法を使用して、被験体から得たサンプルに検出される。
【0098】
診断と予測の方法
【0099】
本明細書には、被験体の疾患、疾病、または前記疾患か疾病の亜型あるいは症状を進行させる疑いを診断または判定する(例えば、その予測を送達する)方法が開示される。場合によっては、前記疾患または疾病は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つである。いくつかの例では、前記炎症性疾患はクローン病(CD)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は潰瘍性大腸炎(UC)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は全身性エリテマトーデス(SLE)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は関節リウマチ(RA)である。いくつかの例では、前記線維性疾患は原発性硬化性胆管炎(PSC)である。前記被験体は前記疾患または疾病と診断されてもよく、本明細書に開示される実施形態は、前記疾患または疾病の重度の形態(例えば難治性疾患)として前記疾患または疾病を特徴づける方法を提供する。いくつかの例では、前記疾患の重度の形態は、例えば肛門周囲疾患(例えばpCD)、狭窄性疾患、浸透性疾患、狭窄性・浸透性疾患、回腸疾患、回腸結腸疾患などの疾患または疾病の亜臨床的表現型の存在、またはそれを進行させる疑いがあることを特徴とする。
【0100】
本明細書に開示される態様は、被験体の疾患、疾病、または前記疾患か疾病の亜型を診断する方法であり、該方法は、(a)遺伝子型の存在、不在、またはレベルを検出するよう構成されたアッセイに、被験体から得たサンプルをかける工程と、(b)前記遺伝子型の存在またはレベルが被験体から得たサンプルに検出される場合に、前記疾患または疾病の重度の形態であると前記疾患を診断する工程とを含む。
【0101】
本明細書にはさらに、被験体の疾患、疾病、または前記疾患か疾病の亜型を進行させる疑いがあると判定する方法が提供され、該方法は、(a)遺伝子型の存在、不在、またはレベルを検出するよう構成されたアッセイに、被験体から得たサンプルをかける工程と、(b)前記遺伝子型の存在またはレベルが被験体から得たサンプルに検出される場合、前記疾患、疾患、または前記疾患か疾病の亜型を進行させる疑いがあると判定する工程とを含む。
【0102】
いくつかの例では、遺伝子型は表1~14から選択された少なくとも1つの多型を含む。場合によっては、前記遺伝子型はrs911605A遺伝子型を含む(例えば、rs911605の位置501に「A」アレルを含む)。いくつかの例では、前記遺伝子型は、rs911605A遺伝子型を含むハプロタイプであり(例えば、rs911605の位置501に「A」アレルを含む)、rs1006026G遺伝子型(例えば、rs1006026の位置501に「G」アレルを含む)は被験体から得たサンプルに検出される。いくつかの例では、前記遺伝子型はrs1006026G遺伝子型を含む(例えば、rs1006026の位置501に「G」アレルを含む)。いくつかの例では、前記疾患または疾病の亜型は、非狭窄性疾患、狭窄性疾患、狭窄性・浸透性疾患、肛門周囲クローン病(pCD)、パネート細胞の欠損、PSC、および血餅(例えば血栓)の進行からなる群から選択される亜臨床的表現型を含む。いくつかの例では、前記遺伝子型の存在は、前記遺伝子型を保因しない個体と比較して被験体のCD30リガンド値が増加している。いくつかの例では、前記遺伝子型の存在が被験体から得たサンプルに検出される場合、治療薬が被験体に投与される。いくつかの例では、前記治療薬は、CD30リガンド、TL1A、またはそれらの組み合わせの阻害剤である。いくつかの例では、前記遺伝子型は、例えば遺伝子型判定デバイス(例えばqPCR、シークエンサー、マイクロアレイなど)といった、本明細書に記載される方法を使用して、被験体から得たサンプルに検出される。
【0103】
処置の方法
【0104】
本明細書にはさらに、被験体の疾患または疾病を処置する方法が提供される。場合によっては、前記疾患または疾病は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つである。いくつかの例では、前記炎症性疾患はクローン病(CD)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は潰瘍性大腸炎(UC)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は全身性エリテマトーデス(SLE)である。いくつかの例では、前記炎症性疾患は関節リウマチ(RA)である。いくつかの例では、前記線維性疾患は原発性硬化性胆管炎(PSC)である。
【0105】
本明細書には、本明細書に開示される遺伝子型が被験体から得たサンプルに検出される場合に、CD30Lの阻害剤を前記被験体に投与することにより、前記被験体の本明細書に開示される疾患または疾病を処置する方法が開示される。前記遺伝子型は、限定されないが表1~14の多型のいずれか1つ、またはそれらの組み合わせを含む、本開示に提供される実施形態に記載される遺伝子型のうちいずれか1つであってもよい。場合によっては、前記遺伝子型はrs911605A遺伝子型を含む(例えば、rs911605の位置501に「A」アレルを含む)。いくつかの例では、本明細書には、rs911605A遺伝子型(例えばrs911605の位置501に「A」アレルを含む)およびrs1006026G遺伝子型(例えばrs1006026の位置501に「G」アレルを含む)を含むハプロタイプが被験体から得たサンプルに検出される場合に、CD30Lの阻害剤を前記被験体に投与することにより本明細書に開示される疾患または疾病に悩む被験体を処置する方法が開示される。場合によっては、前記遺伝子型は、本明細書に開示される検出方法を用いて、被験体から得たサンプルに検出される。
【0106】
本明細書に開示される態様は、CD30Lの阻害剤による被験体の処置の進行を監視する方法を提供する。いくつかの例では、監視は、CD30Lの阻害剤の投与前後に、被験体のサンプル中の可溶性CD30またはCD30Lの値を定量する工程を含む。本明細書にはさらに、被験体の処置を最適化する方法も開示され、該方法は、処置された被験体のサンプル中のCD30および/またはCD30Lの量を決定する工程と、前記量に基づいて処置を変更、中止、あるいは継続させる工程とを含む。
【0107】
CD30Lの阻害剤
【0108】
いくつかの例では、前記処置は、CD30Lの阻害剤を含む治療薬を個体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、CD30Lの阻害剤は、CD30L、CD30、またはCD30LとCD30との結合に直接あるいは間接的に干渉する分子に直接または間接的に、特異的に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるようにCD30Lの阻害剤は、CD30への結合などのCD30Lの少なくとも1つの機能的活性を調節する薬剤を含む。CD30Lの阻害剤の非限定的な例として、抗CD30L抗体またはその抗原結合フラグメントなどのポリペプチド、ならびに核酸、例えばアンチセンス構築物、siRNA、およびリボザイムを含む、CD30Lに特異的に結合する薬剤を含む。アンチセンス構築物は、細胞に転写されたときに、CD30LをコードするmRNAの一部に相補的なRNAを産生する発現プラスミド、およびCD30L mRNAとハイブリダイズすることによりタンパク質発現を阻害するオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、CD30Lの阻害剤は、CD30L活性に結合し、かつそれを阻害する活性薬剤として非ポリペプチド部分または非核酸部分を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、CD30Lの阻害剤は、CD30Lおよび/またはCD30に結合するポリペプチドである。場合によっては、前記ポリペプチドはCD30ポリペプチドまたはその一部であり、この一部はCD30L結合する能力を保持している。CD30ポリペプチドの一部は、SEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:18を有するヒトCD30に少なくとも約85%、90%、または95%の同一性を有する、約10、15、20、25、30、35、40、45、または50のアミノ酸を含む。例えばCD30Lの阻害剤は、ヒトCD30の細胞外領域のすべてまたは一部を含むCD30ポリペプチドを含んでいる。いくつかの実施形態では、CD30ポリペプチドは、CD30に対して少なくとも約85%、90%、または95%の配列同一性を有する、SEQ ID NO:18のアミノ酸19~390、またはその結合フラグメントを含む。いくつかの実施形態では、CD30ポリペプチドは哺乳動物CD30の同族体であり、例えば、CD30LのCD30ポリペプチド阻害剤はウイルスCD30ポリペプチドまたはそのフラグメントである。非限定的な例として、ウイルスCD30ポリペプチドは、エクトロメリアウイルスまたは牛痘ウイルスなどのポックスウイルス由来のウイルスCD30を含む。
【0110】
非限定的な例では、前記阻害剤は抗CD30L抗体または抗CD30抗体である。本明細書では、抗体は、完全長の抗体の抗原結合フラグメント、例えばFabまたはscFvを含む。いくつかの実施形態では、前記抗体はCD30Lの細胞外ドメインに結合する。いくつかの実施形態では、抗CD30L抗体は、3つの相補性決定領域、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖と、3つの相補性決定領域、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖とを含んでいる。いくつかの実施形態では、前記抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:100を含むHCDR1、SEQ ID NO:101を含むHCDR2、SEQ ID NO:102を含むHCDR3、SEQ ID NO:103を含むLCDR1、SEQ ID NO:104を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:105を含むLCDR3を含んでいる。
【0111】
いくつかの実施形態では、前記抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:106を含むHCDR1、SEQ ID NO:107を含むHCDR2、SEQ ID NO:108を含むHCDR3、SEQ ID NO:109を含むLCDR1、SEQ ID NO:110を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:111を含むLCDR3を含んでいる。
【0112】
いくつかの実施形態では、前記抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:112を含むHCDR1、SEQ ID NO:113を含むHCDR2、SEQ ID NO:114を含むHCDR3、SEQ ID NO:115を含むLCDR1、SEQ ID NO:116を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:117を含むLCDR3を含んでいる。
【0113】
いくつかの実施形態では、前記抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:118を含むHCDR1、SEQ ID NO:119を含むHCDR2、SEQ ID NO:120を含むHCDR3、SEQ ID NO:121を含むLCDR1、SEQ ID NO:122を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:123を含むLCDR3を含んでいる。
【0114】
いくつかの実施形態では、前記抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:124を含むHCDR1、SEQ ID NO:125を含むHCDR2、SEQ ID NO:126を含むHCDR3、SEQ ID NO:127を含むLCDR1、SEQ ID NO:128を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:129を含むLCDR3を含んでいる。
【0115】
いくつかの実施形態では、前記抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:130を含むHCDR1、SEQ ID NO:131を含むHCDR2、SEQ ID NO:132を含むHCDR3、SEQ ID NO:133を含むLCDR1、SEQ ID NO:134を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:135を含むLCDR3を含んでいる。
【0116】
場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:136を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:137を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:138を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:139を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:140を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:141を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:142を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:143を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:144を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:145を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:146を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:147を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:148を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:149を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:150を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:151を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:152を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗CD30L抗体は、SEQ ID NO:153を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:154を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0117】
いくつかの実施形態では、抗CD30抗体は、SEQ ID NO:19を含む重鎖可変領域、およびSEQ ID NO:20を含む軽鎖可変領域を含んでいる。抗CD30抗体の非限定的な例として、MDX-60、Ber-H2、SGN-30(cAC10)、Ki-4.dgA HRS-3/A9、AFM13、およびH22xKi-4が挙げられる。
【0118】
いくつかの実施形態では、CD30L抱合体は、少なくとも1つのアミノ酸を含む抗CD30L抗体、および少なくとも1つのアミノ酸に結合した抱合部分を含む。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのアミノ酸は、N末端付近(例えばN末端残部の付近)に位置する。例えば前記少なくとも1つのアミノ酸は、随意にN末端から最初の10、20、30、40、または50残部内に位置する。場合によっては前記少なくとも1つのアミノ酸はN末端に位置する(すなわち、前記少なくとも1つのアミノ酸はCD30LポリペプチドのN末端残部である)。他の実施形態では、前記少なくとも1つのアミノ酸は、C末端付近(例えばC末端残部の付近)に位置する。例えば前記少なくとも1つのアミノ酸は、随意にC末端から最初の10、20、30、40、または50残部内に位置する。場合によっては前記少なくとも1つのアミノ酸はC末端に位置する(すなわち、前記少なくとも1つのアミノ酸はCD30LポリペプチドのC末端残部である)。いくつかの例では、前記CD30L抱合体の血漿半減期、たとえば本明細書に記載される半減期は向上されている。いくつかの実施形態では、前記CD30L抱合体は機能的に活性である(例えば活性を保持している)。いくつかの実施形態では、前記CD30L結合体は機能的に活性ではない(例えば活性が不足している)。いくつかの実施形態では、前記抱合部分は、ポリエチレングリコール(PEG)を含むポリマーを含んでいる。いくつかの実施形態では、前記抱合部分は、本明細書に開示される追加の治療剤などの薬物である。いくつかの実施形態では、前記抗CD30の抗体は抗体薬物複合体を含む。非限定的な例として、抗体薬物複合体は、ブレンツキシマブ、すなわちモノメチルオーリスタチンEに抱合した抗CD30の抗体である。
【0119】
追加の治療薬
【0120】
本明細書に記載される方法に有用な処置は、単独で、またはCD30Lの阻害剤と組み合わせて使用可能な治療薬を含む。いくつかの実施形態では、処置は、第1の治療薬、次にCD30Lの阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、処置は、第1の治療薬とCD30Lの阻害剤とを一体的に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、処置は、CD30Lの阻害剤、次に第1の治療薬を投与する工程を含む。併用療法薬は同じ日に投与されてもよいか、または1日、1週間、1か月、または1年以上の間隔を空けて投与されてもよい。場合によっては、前記被験体が、例えばTNF阻害剤および/またはステロイドなどの第1線治療に反応しないと判断される場合に、CD30Lの阻害剤が投与される。このような判断は、第1線治療での処置、および、前記被験体が前記第1線治療に反応しない疾患状態および/または診断の監視により、行われてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、前記治療薬は抗TNF治療薬、例えば抗TNFα治療薬を含む。いくつかの実施形態では、前記治療薬は、抗TNF治療に対する第2線治療を含む。いくつかの実施形態では、前記治療薬は、免疫抑制薬、または免疫系の強度を抑えるあるいは減らす薬物のクラスを含む。いくつかの実施形態では、前記免疫抑制薬は抗体である。免疫抑制薬治療薬の非限定的な例として、STELARA(登録商標)(ウステキヌマブ)アザチオプリン(AZA)、6-メルカプトプリン(6-MP)、メトトレキサート、シクロスポリンA(CsA)が挙げられる。
【0122】
いくつかの実施形態では、前記治療薬は選択的な抗炎症性薬物、または体内の炎症促進性分子を特異的に標的とする薬物のクラスを含む。いくつかの実施形態では、前記抗炎症薬物は抗体を含む。いくつかの実施形態では、前記抗炎症薬物は小分子を含む。抗炎症性薬物の非限定的な例として、ENTYVIO(ベドリズマブ)、コルチコステロイド、アミノサリチレート、メサラミン、バルサラジド(Colazal)、およびオルサラジン(Dipentum)が挙げられる。
【0123】
いくつかの実施形態では、前記治療薬は幹細胞治療薬を含む。前記幹細胞治療は、胚性または体性幹細胞でもよい。前記幹細胞は、ドナー(同種異系)から単離されるか、または被験体(自己由来)から単離されてもよい。前記幹細胞は、拡大脂肪由来幹細胞(eASC)、造血幹細胞(HSC)、間葉系幹(間質)細胞(MSC)、または被験体の細胞由来の人工多能性幹細胞(iPSC)でもよい。いくつかの実施形態では、前記治療薬はCx601/Alofisel(登録商標)(ダルバドストロセル)を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、前記治療薬は小分子を含む。前記小分子は、炎症性疾患あるいは疾病、線維性狭窄疾患、または線維性疾患を処置するために使用されてもよい。小分子の非限定的な例として、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、アリカホルセン、またはオザニモド(RPC-1063)が挙げられる。
【0125】
いくつかの実施形態では、前記治療薬は、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、プロスタグランジンE受容体4(PTGER4)、インターロイキン18受容体1(IL18R1)、6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2,6-ビホスファターゼ3(PFKFB3)、インターロイキン18受容体アクセサリータンパク質(IL18RAP)、アデニレートシクラーゼ7(ADCY7)、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、Gタンパク質結合受容体65(GPR65)、Sprouty関連EVH1ドメイン含有2(SPRED2)、Srcキナーゼ関連リンタンパク質2(SKAP2)、受容体相互作用セリン/トレオニンキナーゼ2(RIPK2)、およびTNFリガンドスーパーファミリーメンバー15(TL1A)、ヤーヌスキナーゼ1(JAK1)Gタンパク質結合受容体35(GPR35)、ガスダーミンB(GSDMB)、および、炎症性、線維性、または線維性狭窄疾患の病因に関与する遺伝子由来の遺伝子発現産物のアゴニストを含む。前記治療薬は、MAP4K4、PTGER4、IL18R1、PFKFB3、IL18RAP、ADCY7、GPR65、SPRED2、SKAP2、RIPK2、TL1A、JAK1、GPR35、およびGSDMBのアロステリックモジュレーター、および、炎症性、線維性、または線維性狭窄疾患の病因に関与する遺伝子由来の遺伝子発現産物であってもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、前記治療薬はアンタゴニストを含む。前記アンタゴニストは。MAP4K4、PTGER4、IL18R1、PFKFB3、IL18RAP、ADCY7、GPR65、SPRED2、SKAP2、RIPK2、TL1A、JAK1、GPR35、およびGSDMBの活性と発現の阻害剤、ならびに、炎症性、線維性、または線維性狭窄疾患の病因に関与する遺伝子由来の遺伝子発現産物でもよい。JAK1阻害剤の非限定的な例として、ルキソリチニブ(INCB018424)、S-ルキソリチニブ(INCB018424)、バリシチニブ(LY3009104、INCB028050)、フィルゴチニブ(GLPG0634)、モメロチニブ(CYT387)、セルドゥラチニブ(PRT062070、PRT2070)、LY2784544、NVP-BSK805、2HCl、トファシチニブ(CP-690550、タソシチニブ)、XL019、パクリチニブ(SB1518)、またはZM 39923 HClが挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、TL1A発現または活性の阻害剤を含む。場合によっては、前記TL1A発現または活性の阻害剤は、TL1A-DR3結合を阻害するのに有効である。いくつかの実施形態では、前記TL1A発現または活性の阻害剤は、TL1Aのアロステリックモジュレーターを含む。TL1Aのアロステリックモジュレーターは、DR3上のTL1A、またはTL1AあるいはDR3上のTR6/DcR3に間接的に影響を及ぼす場合がある。TL1Aの発現または活性の阻害剤は直接阻害剤または間接阻害剤であってもよい。TL1A発現の阻害剤の非限定的な例として、RNA-タンパク質TL1A翻訳阻害剤、TNFSF15 mRNA(miRNA、またはsiRNAなど)を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、エピゲノム編集(TNFSF15のDNA結合ドメインの標的化、またはヒストン尾部および/またはDNA分子の翻訳後修飾など)が挙げられる。TL1A活性の阻害剤の非限定的な例として、TL1A受容体に対するアンタゴニスト(DR3およびTR6/DcR3)、TL1A抗原に対するアンタゴニスト、およびTL1A媒介性疾患に関与する遺伝子発現産物に対するアンタゴニストが挙げられる。本明細書に記載されるようなアンタゴニストとしては、抗TL1A抗体、抗TL1A結合抗体フラグメント、または小分子が挙げられるが、これらに限定されない。前記小分子はTL1AまたはDR3に結合する小分子であってもよい。前記抗TL1A抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体であってもよい。前記抗TL1A抗体はヒト化またはキメラ抗体であってもよい。前記抗TL1A抗体は融合タンパク質であってもよい。前記抗TL1A抗体はブロッキング抗TL1A抗体であってもよい。ブロッキング抗体は、2つのタンパク質、例えばリガンドおよびその受容体の結合を遮断する。それゆえTL1Aブロッキング抗体は、TL1AのDR3またはTR6/DcR3受容体への結合を妨げる抗体を含む。非限定的な例では、前記TL1Aブロッキング抗体はDR3に結合する。別の例では、前記TL1Aブロッキング抗体はDcR3に結合する。場合によっては、前記TL1A抗体はTL1Aに特異的に結合する抗TL1A抗体である。
【0128】
前記抗TL1A抗体は、表16および/または表17の抗体配列のうち1つ以上を含んでもよい。抗DR3抗体は、SEQ ID NO:200258~200270のいずれか1つに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列と、SEQ ID NO:200271~200275のいずれか1つに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列とを含んでもよい。抗DR3抗体は、SEQ ID NO:200258~200270のいずれか1つのHCDR1、HCDR2、HCDR3ドメインと、SEQ ID NO:200271~200275のいずれか1つのLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む、アミノ酸配列を含んでもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、抗TL1A抗体は、3つの相補性決定領域、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖と、3つの相補性決定領域、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖とを含んでいる。 いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200109を含むHCDR1、SEQ ID NO:200110を含むHCDR2、SEQ ID NO:200111を含むHCDR3、SEQ ID NO:200112を含むLCDR1、SEQ ID NO:200113を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200114を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200115を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200116を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0130】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200117を含むHCDR1、SEQ ID NO:200118を含むHCDR2、SEQ ID NO:200119を含むHCDR3、SEQ ID NO:200120を含むLCDR1、SEQ ID NO:200121を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200122を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200123を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200124を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0131】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200125を含むHCDR1、SEQ ID NO:200126を含むHCDR2、SEQ ID NO:200127を含むHCDR3、SEQ ID NO:200128を含むLCDR1、SEQ ID NO:200129を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200130を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200131を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200132を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0132】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200133を含むHCDR1、SEQ ID NO:200134を含むHCDR2、SEQ ID NO:200135を含むHCDR3、SEQ ID NO:200139を含むLCDR1、SEQ ID NO:200140を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200141を含むLCDR3を含んでいる。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:2000136を含むHCDR1、SEQ ID NO:200137を含むHCDR2、SEQ ID NO:200138を含むHCDR3、SEQ ID NO:200139を含むLCDR1、SEQ ID NO:200140を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200141を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200142を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200143を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、前記抗TL1Aの抗体はSEQ ID NO:200144を含む重鎖を含んでいる。場合によっては、前記抗TL1Aの抗体はSEQ ID NO:200145を含む軽鎖を含んでいる。
【0133】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200146を含むHCDR1、SEQ ID NO:200147を含むHCDR2、SEQ ID NO:200148を含むHCDR3、SEQ ID NO:200149を含むLCDR1、SEQ ID NO:200150を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200151を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200152を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200153を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0134】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200154を含むHCDR1、SEQ ID NO:200155を含むHCDR2、SEQ ID NO:200156を含むHCDR3、SEQ ID NO:200157を含むLCDR1、SEQ ID NO:200158を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200159を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200160を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200161を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0135】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200162を含むHCDR1、SEQ ID NO:200164を含むHCDR2、SEQ ID NO:200165を含むHCDR3、SEQ ID NO:200167を含むLCDR1、SEQ ID NO:200169を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200170を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200175を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200176を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200177を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200178を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0136】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200162を含むHCDR1、SEQ ID NO:200164を含むHCDR2、SEQ ID NO:200165を含むHCDR3、SEQ ID NO:200168を含むLCDR1、SEQ ID NO:200169を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200170を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200179を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200180を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200181を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200171を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200182を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0137】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200162を含むHCDR1、SEQ ID NO:200164を含むHCDR2、SEQ ID NO:200165を含むHCDR3、SEQ ID NO:200167を含むLCDR1、SEQ ID NO:200169を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200170を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200175を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200176を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200177を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200178を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0138】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200162を含むHCDR1、SEQ ID NO:200164を含むHCDR2、SEQ ID NO:200165を含むHCDR3、SEQ ID NO:200168を含むLCDR1、SEQ ID NO:200169を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200170を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200179を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200180を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200181を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200172を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200182を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0139】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200163を含むHCDR1、SEQ ID NO:200164を含むHCDR2、SEQ ID NO:200166を含むHCDR3、SEQ ID NO:200167を含むLCDR1、SEQ ID NO:200169を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200170を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200175を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200176を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200177を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200178を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200179を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200180を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200181を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200173を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200182を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0140】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200163を含むHCDR1、SEQ ID NO:200164を含むHCDR2、SEQ ID NO:200166を含むHCDR3、SEQ ID NO:200168を含むLCDR1、SEQ ID NO:200169を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200170を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200179を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200180を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200181を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200182を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200175を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200176を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200177を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200174を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200178を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0141】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200183を含むHCDR1、SEQ ID NO:200184を含むHCDR2、SEQ ID NO:200185を含むHCDR3、SEQ ID NO:200186を含むLCDR1、SEQ ID NO:200187を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200188を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200189を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200194を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200189を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200195を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200189を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200196を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200189を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200197を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200190を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200194を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200190を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200195を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200190を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200196を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200190を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200197を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200191を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200194を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200191を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200195を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200191を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200196を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200191を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200197を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200192を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200194を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200192を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200195を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200192を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200196を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200192を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200197を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200193を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200194を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200193を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200195を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200193を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200196を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200193を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200197を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0142】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200198を含むHCDR1、SEQ ID NO:200199を含むHCDR2、SEQ ID NO:200200を含むHCDR3、SEQ ID NO:200201を含むLCDR1、SEQ ID NO:200202を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200203を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200204を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200205を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200206を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200207を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200208を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200209を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200210を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200211を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200212を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200213を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200214を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200215を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200216を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200217を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200218を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200219を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200220を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200221を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200222を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200223を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200224を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200225を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200226を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200227を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0143】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200228を含むHCDR1、SEQ ID NO:200229を含むHCDR2、SEQ ID NO:200230を含むHCDR3、SEQ ID NO:200231を含むLCDR1、SEQ ID NO:200232を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200233を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200234を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200235を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0144】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200236を含むHCDR1、SEQ ID NO:200237を含むHCDR2、SEQ ID NO:200238を含むHCDR3、SEQ ID NO:200239を含むLCDR1、SEQ ID NO:200240を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200241を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200242を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200243を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0145】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200246を含むHCDR1、SEQ ID NO:200247を含むHCDR2、SEQ ID NO:200248を含むHCDR3、SEQ ID NO:200249を含むLCDR1、SEQ ID NO:200250を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200251を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200244を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200245を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200252を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200253を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200254を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200255を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200256を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200257を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0146】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200276を含むHCDR1、SEQ ID NO:200277を含むHCDR2、SEQ ID NO:200278を含むHCDR3、SEQ ID NO:200279を含むLCDR1、SEQ ID NO:200280を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200281を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200282を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200283を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0147】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200284を含むHCDR1、SEQ ID NO:200285を含むHCDR2、SEQ ID NO:200286を含むHCDR3、SEQ ID NO:200287を含むLCDR1、SEQ ID NO:200288を含むLCDR2、およびSEQ ID NO:200299を含むLCDR3を含んでいる。場合によっては、抗TL1A抗体は、SEQ ID NO:200290を含む重鎖(HC)可変ドメイン、およびSEQ ID NO:200291を含む軽鎖(LC)可変ドメインを含んでいる。
【0148】
いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体は、表15のA101~A177のうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA100である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA101である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA102である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA103である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA104である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA105である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA106である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA107である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA108である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA109である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA110である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA111である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA112である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA113である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA114である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA115である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA116である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA117である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA118である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA119である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA120である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA121である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA122である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA123である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA124である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA125である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA126である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA127である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA128である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA129である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA130である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA131である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA132である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA133である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA134である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA135である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA136である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA137である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA138である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA139である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA140である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA141である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA142である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA143である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA144である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA145である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA146である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA147である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA148である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA149である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA150である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA151である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA152である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA153である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA154である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA155である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA156である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA157である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA158である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA159である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA160である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA161である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA162である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA163である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA164である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA165である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA166である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA167である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA168である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA169である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA170である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA171である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA172である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA173である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA174である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA175である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA176である。いくつかの実施形態では、前記抗TL1A抗体はA177である。
【0149】
いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA178である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA179である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA180である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA181である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA182である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA183である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA184である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA185である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA186である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA187である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA188である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA189である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA190である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA191である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA192である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA193である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA194である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA195である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA196である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA197である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA198である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA199である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA200である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA201である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA202である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA203である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA204である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA205である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA206である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA207である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA208である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA209である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA210である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA211である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA212である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA213である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA214である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA215である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA216である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA217である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA218である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA219である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA220である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA221である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA222である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA223である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA224である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA225である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA226である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA227である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA228である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA229である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA230である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA231である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA232である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA233である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA234である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA235である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA236である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA237である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA238である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA239である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA240である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA241である。いくつかの実施形態では、前記抗DR3はA242である。
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
場合によっては、前記抗TL1A抗体は、本明細書に記載される抗体と同じヒトTL1Aの残部のうち少なくとも1つ以上に結合する。例えば、前記抗TL1A抗体は、表17のA100~A177から選択される抗体と同じヒトTL1Aの残部のうち少なくとも1つ以上に結合する。場合によっては、前記抗TL1A抗体は、A100~A177から選択される抗体と同じヒトTL1Aのエピトープに結合する。場合によっては、前記抗TL1A抗体は、A100~A177から選択される抗体と同じヒトTL1Aの領域に結合する。
【0154】
ある実施形態では、抗TL1A抗体または抗原結合フラグメントは、(a)SEQ ID NO:491、493、495、497、499、501、503、505、507、509、511、513、515、517、519、521、523、525、527、529、531、533、535、537、539、または541のうちいずれか1つに対して少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、および(b)SEQ ID NO:490、492、494、496、498、500、502、504、506、508、510、512、514、516、518、520、522、524、526、528、530、532、534、536、538、または540のうちいずれか1つに対して少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、抗TL1A抗体は、以下の実施形態1~547のいずれか1つを含む。
1. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
4つの重鎖フレームワーク領域(HFR1、HFR2、HFR3、HFR4)と、3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、HCDR3)とを含む重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:100100を含むHFR1、(ii)SEQ ID NO:100108を含むHFR1、および(iii)SEQ ID NO:100100と100108からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHFR1から選択される、HFR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:100100を含むHFR2、および(ii)SEQ ID NO:100100とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHFR2から選択される、HFR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:100102を含むHFR3、(ii)SEQ ID NO:100109を含むHFR3、および(iii)SEQ ID NO:100102と100109からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHFR3から選択される、HFR3と、
(d)(i)SEQ ID NO:100103を含むHFR4、および(ii)SEQ ID NO:100103とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHFR4から選択される、HFR4と、
(e)(i)SEQ ID NO:1009を含むHCDR1、(ii)X1がDおよびEから選択され、X2がI、P、およびVから選択され、X3がG,Q、S、およびVから選択され、X4がFおよびYから選択され、X5がIおよびMから選択される、SEQ ID NO:100150を含むHCDR1、(iii)SEQ ID NO:100200~100295から選択されるHCDR1、ならびに(iv)SEQ ID NO:1009、100150、および100200~100295からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR1から選択される、HCDR1と、
(f)(i)SEQ ID NO:10012を含むHCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR2から選択される、HCDR2と、
(g)(i)SEQ ID NO:10015を含むHCDR3、(ii)X1がLおよびMから選択され、X2がE、I、K、L、M、Q、T、V、W、およびYから選択される、SEQ ID NO:100152を含むHCDR3、(iii)SEQ ID NO:100296~100314から選択されるHCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10015、100152、および100296~100314からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される、HCDR3とを含んでおり、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに、4つの軽鎖フレームワーク領域(LFR1、LFR2、LFR3、LFR4)と、3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、LCDR3)とを含む軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:100104を含むLFR1、および(ii)SEQ ID NO:100104とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLFR1から選択される、LFR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:100105を含むLFR2、および(ii)SEQ ID NO:100105とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLFR2から選択される、LFR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:100106を含むLFR3、(ii)SEQ ID NO:100110を含むLFR3、および(iii)SEQ ID NO:100106と100110からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLFR3から選択される、LFR3と、
(d)(i)SEQ ID NO:100107を含むLFR4、および(ii)SEQ ID NO:100107とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLFR4から選択される、LFR4と、
(e)(i)SEQ ID NO:10018を含むLCDR1、および(ii)SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR1から選択される、LCDR1と、
(f)(i)SEQ ID NO:10021を含むLCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR2から選択される、LCDR2と、
(g)(i)SEQ ID NO:10024を含むLCDR3、(ii)X1がQおよびNから選択され、X2がD、E、H,N、Q、およびSから選択され、X3がAおよびGから選択され、X4がD、F、K、N、R、S、およびTから選択される、SEQ ID NO:100155を含むLCDR3、(iii)SEQ ID NO:100315~100482から選択されるLCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10024、100155、および100315~100482からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される、LCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
2. HFR1がSEQ ID NO:100100を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
3. HFR1がSEQ ID NO:100108を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
4. HFR1が、SEQ ID NO:100100とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
5. HFR1が、SEQ ID NO:100108とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
6. HFR2がSEQ ID NO:100101を含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
7. HFR2が、SEQ ID NO:100101とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
8. HFR3がSEQ ID NO:100102を含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
9. HFR3がSEQ ID NO:100109を含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
10. HFR3が、SEQ ID NO:100102とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
11. HFR3が、SEQ ID NO:100109とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
12. HFR4がSEQ ID NO:100103を含む、実施形態1から11のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
13. HFR4が、SEQ ID NO:100103とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から11のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
14. HFR4がSEQ ID NO:1009を含む、実施形態1から13のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
15. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含む、実施形態1から13のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
16. X1がEである、実施形態15に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
17. X2がPおよびVから選択される、実施形態15または16に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
18. X3がG、S、およびVから選択される、請求項15から17のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
19. X4がFである、請求項15から18のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
20. X5がIである、実施形態15から19のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
21. HCDR1は、SEQ ID NO:100200~100295から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から13のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
22. HCDR2がSEQ ID NO:10012を含む、実施形態1から21のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
23. HCDR2が、SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から21のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
24. HCDR3がSEQ ID NO:10015を含む、実施形態1から23のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
25. HCDR3がSEQ ID NO:100152を含む、実施形態1から23のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
26. X1がMである、実施形態25に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
27. X2がE、I、K、L、M、Q、T、W、およびYから選択される、実施形態25または26のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
28. HCDR3がSEQ ID NO:100296~100314から選択される配列を含む、実施形態1から23のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
29. LFR1がSEQ ID NO:100104を含む、実施形態1から28のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
30. LFR1が、SEQ ID NO:100104とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から28のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
31. LFR2がSEQ ID NO:100105を含む、実施形態1から30のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
32. LFR2が、SEQ ID NO:100105とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から30のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
33. LFR3がSEQ ID NO:100106を含む、実施形態1から32のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
34. LFR3がSEQ ID NO:100110を含む、実施形態1から32のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
35. LFR3が、SEQ ID NO:100106とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から32のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
36. LFR3が、SEQ ID NO:100110とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から32のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
37. LFR4がSEQ ID NO:100107を含む、実施形態1から36のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
38. LFR4が、SEQ ID NO:100107とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から36のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
39. LCDR1がSEQ ID NO:10018を含む、実施形態1から38のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
40. LCDR1が、SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から38のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
41. LCDR2がSEQ ID NO:10021を含む、実施形態1から40のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
42. LCDR2が、SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1から40のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
43. LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態1から42のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
44. LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態1から42のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
45. X1がNである、実施形態44に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
46. X2がD、E、H、N、およびQから選択される、実施形態44または45に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
47. X3がAである、実施形態44から46のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
48. X4がD、F、K、R、S、およびTから選択される、実施形態44から47のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
49. LCDR3がSEQ ID NO:100315~100482から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1から42のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
50. HFR1がSEQ ID NO:100100を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100102を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100106を含み、LFR4が100107を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
51. HFR1がSEQ ID NO:100108を含み、HFR2がSEQ ID NO:100109を含み、HFR3がSEQ ID NO:100103を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100110を含み、LFR4が100107を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
52. HFR1がSEQ ID NO:100108を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100109を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100106を含み、LFR4が100107を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
53. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態1、および50から52のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
54. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態1、および50から52のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
55. HFR1がSEQ ID NO:100100を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100102を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100106を含み、LFR4が100107を含み、HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
56. HFR1がSEQ ID NO:100100を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100102を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100106を含み、LFR4が100107を含み、HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
57. HFR1がSEQ ID NO:100108を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100109を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100110を含み、LFR4が100107を含み、HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
58. HFR1がSEQ ID NO:100108を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100109を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100110を含み、LFR4が100107を含み、HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
59. HFR1がSEQ ID NO:100108を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100109を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100106を含み、LFR4が100107を含み、HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
60. HFR1がSEQ ID NO:100108を含み、HFR2がSEQ ID NO:100101を含み、HFR3がSEQ ID NO:100109を含み、HFR4がSEQ ID NO:100103を含み、LFR1がSEQ ID NO:100104を含み、LFR2がSEQ ID NO:100105を含み、LFR3がSEQ ID NO:100106を含み、LFR4が100107を含み、HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態1に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
61. SEQ ID NO:100150のX1がDである、実施形態1、54、56、58、および60のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
62. SEQ ID NO:100150のX1がEである、実施形態1、54、56、58、および60のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
63. SEQ ID NO:100150のX2がIである、実施形態1、54、56、58、および60から62のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
64. SEQ ID NO:100150のX2がPである、実施形態1、54、56、58、および60から62のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
65. SEQ ID NO:100150のX2がVである、実施形態1、54、56、58、および60から62のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
66. SEQ ID NO:100150のX3がGである、実施形態1、54、56、58、および60から65のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
67. SEQ ID NO:100150のX3がQである、実施形態1、54、56、58、および60から65のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
68. SEQ ID NO:100150のX3がSである、実施形態1、54、56、58、および60から65のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
69. SEQ ID NO:100150のX3がVである、実施形態1、54、56、58、および60から65のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
70. SEQ ID NO:100150のX4がFである、実施形態1、54、56、58、および60から69のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
71. SEQ ID NO:100150のX4がYである、実施形態1、54、56、58、および60から69のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
72. SEQ ID NO:100150のX5がIである、実施形態1、54、56、58、および60から71のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
73. SEQ ID NO:100150のX5がMである、実施形態1、54、56、58、および60から71のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
74. SEQ ID NO:100152のX1がLである、実施形態1、54、56、58、および60から73のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
75. SEQ ID NO:100152のX1がMである、実施形態1、54、56、58、および60から73のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
76. SEQ ID NO:100152のX2がEである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
77. SEQ ID NO:100152のX2がIである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
78. SEQ ID NO:100152のX2がKである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
79. SEQ ID NO:100152のX2がLである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
80. SEQ ID NO:100152のX2がMである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
81. SEQ ID NO:100152のX2がQである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
82. SEQ ID NO:100152のX2がTである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
83. SEQ ID NO:100152のX2がVである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
84. SEQ ID NO:100152のX2がWである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
85. SEQ ID NO:100152のX2がYである、実施形態1、54、56、58、および60から75のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
86. SEQ ID NO:100155のX1がQである、実施形態1、54、56、58、および60から85のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
87. SEQ ID NO:100155のX1がNである、実施形態1、54、56、58、および60から85のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
88. SEQ ID NO:100155のX2がDである、実施形態1、54、56、58、および60から87のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
89. SEQ ID NO:100155のX2がEである、実施形態1、54、56、58、および60から87のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
90. SEQ ID NO:100155のX2がHである、実施形態1、54、56、58、および60から87のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
91. SEQ ID NO:100155のX2がNである、実施形態1、54、56、58、および60から87のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
92. SEQ ID NO:100155のX2がQである、実施形態1、54、56、58、および60から87のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
93. SEQ ID NO:100155のX2がSである、実施形態1、54、56、58、および60から87のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
94. SEQ ID NO:100155のX3がAである、実施形態1、54、56、58、および60から93のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
95. SEQ ID NO:100155のX3がGである、実施形態1、54、56、58、および60から93のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
96. SEQ ID NO:100155のX4がDである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
97. SEQ ID NO:100155のX4がFである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
98. SEQ ID NO:100155のX4がKである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
99. SEQ ID NO:100155のX4がNである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
100. SEQ ID NO:100155のX4がKである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
101. SEQ ID NO:100155のX4がSである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
102. SEQ ID NO:100155のX4がTである、実施形態1、54、56、58、および60から95のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
103. ヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態1から102のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
104. Kdが1×10-9M以下のヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態103に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
105. 標準ELISAアッセイおよびSPRから選択される方法を用いてKdが測定される、実施形態104に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
106. DR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態1から105のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
107. DcR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態1から106のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
108. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、Fab、ScFv、またはそれらの組み合わせである、実施形態1から107のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
109. ヒトCH1ドメインを含む、実施形態1から108のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
110. ヒトCH2ドメインを含む、実施形態1から109のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
111. 前記CH2ドメインが、Kabatを用いてナンバリングされるようなL234A、L235A、およびG237Aから選択される少なくとも1つの変異を含む、実施形態110に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
112. ヒトCH3ドメインを含む、実施形態1から111のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
113. 実施形態1から112のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
114. 被験体の炎症性疾患を処置する方法であって、実施形態1から113のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
115. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患である、実施形態114に記載の方法。
116. 前記炎症性腸疾患がクローン病を含む、実施形態115に記載の方法。
117. 前記被験体が、抗TNFα治療に反応しないと判定されている、実施形態116に記載の方法。
118. 前記被験体が、非狭窄性/非浸透性、狭窄性、狭窄性かつ浸透性、または単離された内部浸透性(isolated internal penetrating)を含む疾患表現型を含むと判定されている、実施形態116または117に記載の方法。
119. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO:100100~100103を含む4つの重鎖フレームワーク領域(HFR1、HFR2、HFR3、HFR4)と、3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、HCDR3)とを含む重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:1009を含むHCDR1、(ii)X1がDおよびEから選択され、X2がI、P、およびVから選択され、X3がG,Q、S、およびVから選択され、X4がFおよびYから選択され、X5がIおよびMから選択される、SEQ ID NO:100150を含むHCDR1、(iii)SEQ ID NO:100200~100295から選択されるHCDR1、ならびに(iv)SEQ ID NO:1009、100150、および100200~100295からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR1から選択される、HCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10012を含むHCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR2から選択される、HCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10015を含むHCDR3、(ii)X1がLおよびMから選択され、X2がE、I、K、L、M、Q、T、V、W、およびYから選択される、SEQ ID NO:100152を含むHCDR3、(iii)SEQ ID NO:100296~100314から選択されるHCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10015、100152、および100296~100314からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される、HCDR3とを含んでおり、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに、SEQ ID NO:100104~100107を含む4つの軽鎖フレームワーク領域(LFR1、LFR2、LFR3、LFR4)と、3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、LCDR3)とを含む軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:10018を含むLCDR1、および(ii)SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR1から選択される、LCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10021を含むLCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR2から選択される、LCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10024を含むLCDR3、(ii)X1がQおよびNから選択され、X2がD、E、H,N、Q、およびSから選択され、X3がAおよびGから選択され、X4がD、F、K、N、R、S、およびTから選択される、SEQ ID NO:100155を含むLCDR3、(iii)SEQ ID NO:100315~100482から選択されるLCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10024、100155、および100315~100482からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される、LCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
120. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含む、実施形態119に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
121. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含む、実施形態119に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
122. X1がEである、実施形態121に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
123. X2がPおよびVから選択される、実施形態121または122に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
124. X3がG、S、およびVから選択される、請求項121から123のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
125. X4がFである、請求項121から124のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
126. X5がIである、実施形態121から125のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
127. HCDR1は、SEQ ID NO:100200~100295から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態119に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
128. HCDR2がSEQ ID NO:10012を含む、実施形態119から127のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
129. HCDR2が、SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態119から127のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
130. HCDR3がSEQ ID NO:10015を含む、実施形態119から129のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
131. HCDR3がSEQ ID NO:100152を含む、実施形態119から129のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
132. X1がMである、実施形態131に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
133. X2がE、I、K、L、M、Q、T、W、およびYから選択される、実施形態131または132のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
134. HCDR3がSEQ ID NO:100296~100314から選択される配列を含む、実施形態119から129のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
135. LCDR1がSEQ ID NO:10018を含む、実施形態119から134のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
136. LCDR1が、SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態119から134のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
137. LCDR2がSEQ ID NO:10021を含む、実施形態119から136のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
138. LCDR2が、SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態119から136のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
139. LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態119から138のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
140. LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態119から138のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
141. X1がNである、実施形態140に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
142. X2がD、E、H、N、およびQから選択される、実施形態140または141に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
143. X3がAである、実施形態140から142のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
144. X4がD、F、K、R、S、およびTから選択される、実施形態140から143のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
145. LCDR3がSEQ ID NO:100315~100482から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態119から138のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
146. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態119に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
147. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態119に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
148. SEQ ID NO:100150のX1がDである、実施形態119または147に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
149. SEQ ID NO:100150のX1がEである、実施形態119または147に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
150. SEQ ID NO:100150のX2がIである、実施形態119、147から149のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
151. SEQ ID NO:100150のX2がPである、実施形態119、147から149のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
152. SEQ ID NO:100150のX2がVである、実施形態119、147から149のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
153. SEQ ID NO:100150のX3がGである、実施形態119、147から152のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
154. SEQ ID NO:100150のX3がQである、実施形態119、147から152のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
155. SEQ ID NO:100150のX3がSである、実施形態119、147から152のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
156. SEQ ID NO:100150のX3がVである、実施形態119、147から152のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
157. SEQ ID NO:100150のX4がFである、実施形態119、147から156のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
158. SEQ ID NO:100150のX4がYである、実施形態119、147から156のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
159. SEQ ID NO:100150のX5がIである、実施形態119、147から158のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
160. SEQ ID NO:100150のX5がMである、実施形態119、147から158のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
161. SEQ ID NO:100152のX1がLである、実施形態119、147から160のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
162. SEQ ID NO:100152のX1がMである、実施形態119、147から160のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
163. SEQ ID NO:100152のX2がEである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
164. SEQ ID NO:100152のX2がIである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
165. SEQ ID NO:100152のX2がKである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
166. SEQ ID NO:100152のX2がLである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
167. SEQ ID NO:100152のX2がMである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
168. SEQ ID NO:100152のX2がQである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
169. SEQ ID NO:100152のX2がTである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
170. SEQ ID NO:100152のX2がVである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
171. SEQ ID NO:100152のX2がWである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
172. SEQ ID NO:100152のX2がYである、実施形態119、147から162のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
173. SEQ ID NO:100155のX1がQである、実施形態119、147から172のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
174. SEQ ID NO:100155のX1がNである、実施形態119、147から172のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
175. SEQ ID NO:100155のX2がDである、実施形態119、147から174のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
176. SEQ ID NO:100155のX2がEである、実施形態119、147から174のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
177. SEQ ID NO:100155のX2がHである、実施形態119、147から174のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
178. SEQ ID NO:100155のX2がNである、実施形態119、147から174のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
179. SEQ ID NO:100155のX2がQである、実施形態119、147から174のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
180. SEQ ID NO:100155のX2がSである、実施形態119、147から174のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
181. SEQ ID NO:100155のX3がAである、実施形態119、147から180のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
182. SEQ ID NO:100155のX3がGである、実施形態119、147から180のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
183. SEQ ID NO:100155のX4がDである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
184. SEQ ID NO:100155のX4がFである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
185. SEQ ID NO:100155のX4がKである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
186. SEQ ID NO:100155のX4がNである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
187. SEQ ID NO:100155のX4がRである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
188. SEQ ID NO:100155のX4がSである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
189. SEQ ID NO:100155のX4がTである、実施形態119、147から182のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
190. ヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態119から189のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
191. Kdが1×10-9M以下のヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態190に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
192. 標準ELISAアッセイおよびSPRから選択される方法を用いてKdが測定される、実施形態104に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
193. DR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態119から192のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
194. DcR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態119から193のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
195. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、Fab、ScFv、またはそれらの組み合わせである、実施形態119から194のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
196. ヒトCH1ドメインを含む、実施形態119から195のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
197. ヒトCH2ドメインを含む、実施形態1から196のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
198. 前記CH2ドメインが、Kabatを用いてナンバリングされるようなL234A、L235A、およびG237Aから選択される少なくとも1つの変異を含む、実施形態197に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
199. ヒトCH3ドメインを含む、実施形態119から198のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
200. 実施形態119から199のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
201. 被験体の炎症性疾患を処置する方法であって、実施形態119から199のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
202. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患である、実施形態201に記載の方法。
203. 前記炎症性腸疾患がクローン病を含む、実施形態202に記載の方法。
204. 前記被験体が、抗TNFα治療に反応しないと判定されている、実施形態203に記載の方法。
205. 前記被験体が、非狭窄性/非浸透性、狭窄性、狭窄性かつ浸透性、または単離された内部浸透性を含む疾患表現型を含むと判定されている、実施形態203または204に記載の方法。
206. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO:100108、100101、100109、および100103をそれぞれ含む4つの重鎖フレームワーク領域(HFR1、HFR2、HFR3、HFR4)と、3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、HCDR3)とを含む重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:1009を含むHCDR1、(ii)X1がDおよびEから選択され、X2がI、P、およびVから選択され、X3がG,Q、S、およびVから選択され、X4がFおよびYから選択され、X5がIおよびMから選択される、SEQ ID NO:100150を含むHCDR1、(iii)SEQ ID NO:100200~100295から選択されるHCDR1、ならびに(iv)SEQ ID NO:1009、100150、および100200~100295からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR1から選択される、HCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10012を含むHCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR2から選択される、HCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10015を含むHCDR3、(ii)X1がLおよびMから選択され、X2がE、I、K、L、M、Q、T、V、W、およびYから選択される、SEQ ID NO:100152を含むHCDR3、(iii)SEQ ID NO:100296~100314から選択されるHCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10015、100152、および100296~100314からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される、HCDR3とを含んでおり、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに、SEQ ID NO:100104、100105、100110、および100107をそれぞれ含む4つの軽鎖フレームワーク領域(LFR1、LFR2、LFR3、LFR4)と、3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、LCDR3)とを含む軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:10018を含むLCDR1、および(ii)SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR1から選択される、LCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10021を含むLCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR2から選択される、LCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10024を含むLCDR3、(ii)X1がQおよびNから選択され、X2がD、E、H,N、Q、およびSから選択され、X3がAおよびGから選択され、X4がD、F、K、N、R、S、およびTから選択される、SEQ ID NO:100155を含むLCDR3、(iii)SEQ ID NO:100315~100482から選択されるLCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10024、100155、および100315~100482からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される、LCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
207. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含む、実施形態206に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
208. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含む、実施形態206に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
209. X1がEである、実施形態208に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
210. X2がPおよびVから選択される、実施形態208または209に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
211. X3がG、S、およびVから選択される、請求項208から210のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
212. X4がFである、請求項208から211のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
213. X5がIである、実施形態208から212のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
214. HCDR1は、SEQ ID NO:100200~100295から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態206に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
215. HCDR2がSEQ ID NO:10012を含む、実施形態206から214のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
216. HCDR2が、SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態206から214のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
217. HCDR3がSEQ ID NO:10015を含む、実施形態206から216のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
218. HCDR3がSEQ ID NO:100152を含む、実施形態206から216のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
219. X1がMである、実施形態218に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
220. X2がE、I、K、L、M、Q、T、W、およびYから選択される、実施形態218または219のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
221. HCDR3がSEQ ID NO:100296~100314から選択される配列を含む、実施形態206から220のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
222. LCDR1がSEQ ID NO:10018を含む、実施形態206から221のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
223. LCDR1が、SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態206から221のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
224. LCDR2がSEQ ID NO:10021を含む、実施形態206から223のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
225. LCDR2が、SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態206から223のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
226. LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態206から225のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
227. LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態206から225のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
228. X1がNである、実施形態227に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
229. X2がD、E、H、N、およびQから選択される、実施形態227または228に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
230. X3がAである、実施形態227から229のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
231. X4がD、F、K、R、S、およびTから選択される、実施形態227から230のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
232. LCDR3がSEQ ID NO:100315~100482から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態227から231のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
233. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態206に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
234. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態206に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
235. SEQ ID NO:100150のX1がDである、実施形態206または234に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
236. SEQ ID NO:100150のX1がEである、実施形態206または234に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
237. SEQ ID NO:100150のX2がIである、実施形態206、234から236のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
238. SEQ ID NO:100150のX2がPである、実施形態206、234から236のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
239. SEQ ID NO:100150のX2がVである、実施形態206、234から236のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
240. SEQ ID NO:100150のX3がGである、実施形態206、234から239のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
241. SEQ ID NO:100150のX3がQである、実施形態206、234から239のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
242. SEQ ID NO:100150のX3がSである、実施形態206、234から239のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
243. SEQ ID NO:100150のX3がVである、実施形態206、234から239のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
244. SEQ ID NO:100150のX4がFである、実施形態206、234から243のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
245. SEQ ID NO:100150のX4がYである、実施形態206、234から243のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
246. SEQ ID NO:100150のX5がIである、実施形態206、234から245のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
247. SEQ ID NO:100150のX5がMである、実施形態206、234から245のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
248. SEQ ID NO:100152のX1がLである、実施形態206、234から247のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
249. SEQ ID NO:100152のX1がMである、実施形態206、234から247のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
250. SEQ ID NO:100152のX2がEである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
251. SEQ ID NO:100152のX2がIである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
252. SEQ ID NO:100152のX2がKである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
253. SEQ ID NO:100152のX2がLである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
254. SEQ ID NO:100152のX2がMである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
255. SEQ ID NO:100152のX2がOである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
256. SEQ ID NO:100152のX2がTである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
257. SEQ ID NO:100152のX2がVである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
258. SEQ ID NO:100152のX2がWである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
259. SEQ ID NO:100152のX2がYである、実施形態206、234から249のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
260. SEQ ID NO:100155のX1がQである、実施形態206、234から259のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
261. SEQ ID NO:100155のX1がNである、実施形態206、234から259のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
262. SEQ ID NO:100155のX2がDである、実施形態206、234から261のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
263. SEQ ID NO:100155のX2がEである、実施形態206、234から261のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
264. SEQ ID NO:100155のX2がHである、実施形態206、234から261のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
265. SEQ ID NO:100155のX2がNである、実施形態206、234から261のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
266. SEQ ID NO:100155のX2がQである、実施形態206、234から261のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
267. SEQ ID NO:100155のX2がSである、実施形態206、234から261のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
268. SEQ ID NO:100155のX3がAである、実施形態206、234から267のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
269. SEQ ID NO:100155のX3がGである、実施形態206、234から267のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
270. SEQ ID NO:100155のX4がDである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
271. SEQ ID NO:100155のX4がFである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
272. SEQ ID NO:100155のX4がKである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
273. SEQ ID NO:100155のX4がNである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
274. SEQ ID NO:100155のX4がRである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
275. SEQ ID NO:100155のX4がSである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
276. SEQ ID NO:100155のX4がTである、実施形態206、234から269のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
277. ヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態206から276のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
278. Kdが1×10-9M以下のヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態277に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
279. 標準ELISAアッセイおよびSPRから選択される方法を用いてKdが測定される、実施形態278に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
280. DR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態206から279のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
281. DcR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態206から280のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
282. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、Fab、ScFv、またはそれらの組み合わせである、実施形態206から281のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
283. ヒトCH1ドメインを含む、実施形態206から282のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
284. ヒトCH2ドメインを含む、実施形態206から283のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
285. 前記CH2ドメインが、Kabatを用いてナンバリングされるようなL234A、L235A、およびG237Aから選択される少なくとも1つの変異を含む、実施形態284に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
286. ヒトCH3ドメインを含む、実施形態206から285のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
287. 実施形態206から286のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
288. 被験体の炎症性疾患を処置する方法であって、実施形態206から287のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
289. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患である、実施形態288に記載の方法。
290. 前記炎症性腸疾患がクローン病を含む、実施形態289に記載の方法。
291. 前記被験体が、抗TNFα治療に反応しないと判定されている、実施形態290に記載の方法。
292. 前記被験体が、非狭窄性/非浸透性、狭窄性、狭窄性かつ浸透性、または単離された内部浸透性を含む疾患表現型を含むと判定されている、実施形態290または291に記載の方法。
293. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO:100108、100101、100109、および100103をそれぞれ含む4つの重鎖フレームワーク領域(HFR1、HFR2、HFR3、HFR4)と、3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、HCDR3)とを含む重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:1009を含むHCDR1、(ii)X1がDおよびEから選択され、X2がI、P、およびVから選択され、X3がG,Q、S、およびVから選択され、X4がFおよびYから選択され、X5がIおよびMから選択される、SEQ ID NO:100150を含むHCDR1、(iii)SEQ ID NO:100200~100295から選択されるHCDR1、ならびに(iv)SEQ ID NO:1009、100150、および100200~100295からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR1から選択される、HCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10012を含むHCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR2から選択される、HCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10015を含むHCDR3、(ii)X1がLおよびMから選択され、X2がE、I、K、L、M、Q、T、V、W、およびYから選択される、SEQ ID NO:100152を含むHCDR3、(iii)SEQ ID NO:100296~100314から選択されるHCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10015、100152、および100296~100314からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される、HCDR3とを含んでおり、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに、SEQ ID NO:100104~100107を含む4つの軽鎖フレームワーク領域(LFR1、LFR2、LFR3、LFR4)と、3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、LCDR3)とを含む軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:10018を含むLCDR1、および(ii)SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR1から選択される、LCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10021を含むLCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR2から選択される、LCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10024を含むLCDR3、(ii)X1がQおよびNから選択され、X2がD、E、H,N、Q、およびSから選択され、X3がAおよびGから選択され、X4がD、F、K、N、R、S、およびTから選択される、SEQ ID NO:100155を含むLCDR3、(iii)SEQ ID NO:100315~100482から選択されるLCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10024、100155、および100315~100482からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される、LCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
294. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含む、実施形態293に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
295. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含む、実施形態293に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
296. X1がEである、実施形態295に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
297. X2がPおよびVから選択される、実施形態295または296に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
298. X3がG、S、およびVから選択される、請求項295から297のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
299. X4がFである、請求項295から298のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
300. X5がIである、実施形態295から299のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
301. HCDR1は、SEQ ID NO:100200~100295から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態293に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
302. HCDR2がSEQ ID NO:10012を含む、実施形態293から301のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
303. HCDR2が、SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態293から301のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
304. HCDR3がSEQ ID NO:10015を含む、実施形態293から303のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
305. HCDR3がSEQ ID NO:100152を含む、実施形態293から303のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
306. X1がMである、実施形態305に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
307. X2がE、I、K、L、M、Q、T、W、およびYから選択される、実施形態305または306のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
308. HCDR3がSEQ ID NO:100296~100314から選択される配列を含む、実施形態293から303のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
309. LCDR1がSEQ ID NO:10018を含む、実施形態293から308のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
310. LCDR1が、SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態293から308のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
311. LCDR2がSEQ ID NO:10021を含む、実施形態293から310のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
312. LCDR2が、SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含む、実施形態293から310のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
313. LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態293から312のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
314. LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態293から312のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
315. X1がNである、実施形態314に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
316. X2がD、E、H、N、およびQから選択される、実施形態314または315に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
317. X3がAである、実施形態314から316のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
318. X4がD、F、K、R、S、およびTから選択される、実施形態314から317のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
319. LCDR3がSEQ ID NO:100315~100482から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態314から312のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
320. HCDR1がSEQ ID NO:1009を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:10015を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:10024を含む、実施形態293に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
321. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態293に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
322. SEQ ID NO:100150のX1がDである、実施形態293または321に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
323. SEQ ID NO:100150のX1がEである、実施形態293または321に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
324. SEQ ID NO:100150のX2がIである、実施形態293、321から323のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
325. SEQ ID NO:100150のX2がPである、実施形態293、321から323のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
326. SEQ ID NO:100150のX2がVである、実施形態293、321から323のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
327. SEQ ID NO:100150のX3がGである、実施形態293、321から326のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
328. SEQ ID NO:100150のX3がQである、実施形態293、321から326のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
329. SEQ ID NO:100150のX3がSである、実施形態293、321から326のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
330. SEQ ID NO:100150のX3がVである、実施形態293、321から326のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
331. SEQ ID NO:100150のX4がFである、実施形態293、321から330のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
332. SEQ ID NO:100150のX4がYである、実施形態293、321から330のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
333. SEQ ID NO:100150のX5がIである、実施形態293、321から332のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
334. SEQ ID NO:100150のX5がMである、実施形態293、321から332のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
335. SEQ ID NO:100152のX1がLである、実施形態293、321から334のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
336. SEQ ID NO:100152のX1がMである、実施形態293、321から334のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
337. SEQ ID NO:100152のX2がEである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
338. SEQ ID NO:100152のX2がIである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
339. SEQ ID NO:100152のX2がKである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
340. SEQ ID NO:100152のX2がLである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
341. SEQ ID NO:100152のX2がMである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
342. SEQ ID NO:100152のX2がQである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
343. SEQ ID NO:100152のX2がTである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
344. SEQ ID NO:100152のX2がVである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
345. SEQ ID NO:100152のX2がWである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
346. SEQ ID NO:100152のX2がYである、実施形態293、321から336のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
347. SEQ ID NO:100155のX1がQである、実施形態293、321から346のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
348. SEQ ID NO:100155のX1がNである、実施形態293、321から346のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
349. SEQ ID NO:100155のX2がDである、実施形態293、321から348のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
350. SEQ ID NO:100155のX2がEである、実施形態293、321から348のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
351. SEQ ID NO:100155のX2がHである、実施形態293、321から348のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
352. SEQ ID NO:100155のX2がNである、実施形態293、321から348のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
353. SEQ ID NO:100155のX2がQである、実施形態293、321から348のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
354. SEQ ID NO:100155のX2がSである、実施形態293、321から348のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
355. SEQ ID NO:100155のX3がAである、実施形態293、321から354のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
356. SEQ ID NO:100155のX3がGである、実施形態293、321から354のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
357. SEQ ID NO:100155のX4がDである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
358. SEQ ID NO:100155のX4がFである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
359. SEQ ID NO:100155のX4がKである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
360. SEQ ID NO:100155のX4がNである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
361. SEQ ID NO:100155のX4がRである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
362. SEQ ID NO:100155のX4がSである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
363. SEQ ID NO:100155のX4がTである、実施形態293、321から356のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
364. ヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態293から363のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
365. Kdが1×10-9M以下のヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態364に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
366. 標準ELISAアッセイおよびSPRから選択される方法を用いてKdが測定される、実施形態365に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
367. DR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態293から366のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
368. DcR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態293から367のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
369. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、Fab、ScFv、またはそれらの組み合わせである、実施形態293から368のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
370. ヒトCH1ドメインを含む、実施形態293から369のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
371. ヒトCH2ドメインを含む、実施形態293から370のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
372. 前記CH2ドメインが、Kabatを用いてナンバリングされるようなL234A、L235A、およびG237Aから選択される少なくとも1つの変異を含む、実施形態371に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
373. ヒトCH3ドメインを含む、実施形態293から372のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
374. 実施形態293から373のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
375. 被験体の炎症性疾患を処置する方法であって、実施形態293から373のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
376. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患である、実施形態375に記載の方法。
377. 前記炎症性腸疾患がクローン病を含む、実施形態376に記載の方法。
378. 前記被験体が、抗TNFα治療に反応しないと判定されている、実施形態377に記載の方法。
379. 前記被験体が、非狭窄性/非浸透性、狭窄性、狭窄性かつ浸透性、または単離された内部浸透性を含む疾患表現型を含むと判定されている、実施形態377または378に記載の方法。
380. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、HCDR3)を含む重鎖可変領域であって、該重鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:1009を含むHCDR1、(ii)X1がDおよびEから選択され、X2がI、P、およびVから選択され、X3がG,Q、S、およびVから選択され、X4がFおよびYから選択され、X5がIおよびMから選択される、SEQ ID NO:100150を含むHCDR1、(iii)SEQ ID NO:100200~100295から選択されるHCDR1、ならびに(iv)SEQ ID NO:1009、100150、および100200~100295からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR1から選択される、HCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10012を含むHCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10012とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR2から選択される、HCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10015を含むHCDR3、(ii)X1がLおよびMから選択され、X2がE、I、K、L、M、Q、T、V、W、およびYから選択される、SEQ ID NO:100152を含むHCDR3、(iii)SEQ ID NO:100296~100314から選択されるHCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10015、100152、および100296~100314からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される、HCDR3とを含んでおり、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに、3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を含む軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(a)(i)SEQ ID NO:10018を含むLCDR1、および(ii)SEQ ID NO:10018とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR1から選択される、LCDR1と、
(b)(i)SEQ ID NO:10021を含むLCDR2、および(ii)SEQ ID NO:10021とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR2から選択される、LCDR2と、
(c)(i)SEQ ID NO:10024を含むLCDR3、(ii)X1がQおよびNから選択され、X2がD、E、H,N、Q、およびSから選択され、X3がAおよびGから選択され、X4がD、F、K、N、R、S、およびTから選択される、SEQ ID NO:100155を含むLCDR3、(iii)SEQ ID NO:100315~100482から選択されるLCDR3、ならびに(iv)SEQ ID NO:10024、100155、および100315~100482からなる群から選択される配列とは最大5、4、3、または2つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される、LCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
381. HCDR1がSEQ ID NO:100150を含み、HCDR2がSEQ ID NO:10012を含み、HCDR3がSEQ ID NO:100152を含み、LCDR1がSEQ ID NO:10018を含み、LCDR2がSEQ ID NO:10021を含み、LCDR3がSEQ ID NO:100155を含む、実施形態380に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
382. SEQ ID NO:100150のX1がDである、実施形態380または381に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
383. SEQ ID NO:100150のX1がEである、実施形態380または381に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
384. SEQ ID NO:100150のX2がIである、実施形態380から383のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
385. SEQ ID NO:100150のX2がPである、実施形態380から383のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
386. SEQ ID NO:100150のX2がVである、実施形態380から383のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
387. SEQ ID NO:100150のX3がGである、実施形態380から386のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
388. SEQ ID NO:100150のX3がQである、実施形態380から386のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
389. SEQ ID NO:100150のX3がSである、実施形態380から386のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
390. SEQ ID NO:100150のX3がVである、実施形態380から386のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
391. SEQ ID NO:100150のX4がFである、実施形態380から390のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
392. SEQ ID NO:100150のX4がYである、実施形態380から390のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
393. SEQ ID NO:100150のX5がIである、実施形態380から392のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
394. SEQ ID NO:100150のX5がMである、実施形態380から392のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
395. SEQ ID NO:100152のX1がLである、実施形態380から394のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
396. SEQ ID NO:100152のX1がMである、実施形態380から394のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
397. SEQ ID NO:100152のX2がEである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
398. SEQ ID NO:100152のX2がIである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
399. SEQ ID NO:100152のX2がKである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
400. SEQ ID NO:100152のX2がLである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
401. SEQ ID NO:100152のX2がMである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
402. SEQ ID NO:100152のX2がQである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
403. SEQ ID NO:100152のX2がTである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
404. SEQ ID NO:100152のX2がVである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
405. SEQ ID NO:100152のX2がWである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
406. SEQ ID NO:100152のX2がYである、実施形態380から396のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
407. SEQ ID NO:100155のX1がQである、実施形態380から406のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
408. SEQ ID NO:100155のX1がNである、実施形態380から406のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
409. SEQ ID NO:100155のX2がDである、実施形態380から408のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
410. SEQ ID NO:100155のX2がEである、実施形態380から408のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
411. SEQ ID NO:100155のX2がHである、実施形態380から408のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
412. SEQ ID NO:100155のX2がNである、実施形態380から408のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
413. SEQ ID NO:100155のX2がQである、実施形態380から408のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
414. SEQ ID NO:100155のX2がSである、実施形態380から408のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
415. SEQ ID NO:100155のX3がAである、実施形態380から414のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
416. SEQ ID NO:100155のX3がGである、実施形態380から414のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
417. SEQ ID NO:100155のX4がDである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
418. SEQ ID NO:100155のX4がFである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
419. SEQ ID NO:100155のX4がKである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
420. SEQ ID NO:100155のX4がNである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
421. SEQ ID NO:100155のX4がRである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
422. SEQ ID NO:100155のX4がSである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
423. SEQ ID NO:100155のX4がTである、実施形態380から416のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
424. ヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態380から423のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
425. Kdが1×10-9M以下のヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態424に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
426. 標準ELISAアッセイおよびSPRから選択される方法を用いてKdが測定される、実施形態425に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
427. DR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態380から426のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
428. DcR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態380から427のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
429. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、Fab、ScFv、またはそれらの組み合わせである、実施形態380から428のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
430. ヒトCH1ドメインを含む、実施形態380から429のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
431. ヒトCH2ドメインを含む、実施形態380から430のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
432. 前記CH2ドメインが、Kabatを用いてナンバリングされるようなL234A、L235A、およびG237Aから選択される少なくとも1つの変異を含む、実施形態431に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
433. ヒトCH3ドメインを含む、実施形態380から432のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
434. 実施形態380から433のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
435. 被験体の炎症性疾患を処置する方法であって、実施形態380から433のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
436. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患である、実施形態435に記載の方法。
437. 前記炎症性腸疾患がクローン病を含む、実施形態436に記載の方法。
438. 前記被験体が、抗TNFα治療に反応しないと判定されている、実施形態437に記載の方法。
439. 前記被験体が、非狭窄性/非浸透性、狭窄性、狭窄性かつ浸透性、または単離された内部浸透性を含む疾患表現型を含むと判定されている、実施形態437または438に記載の方法。
440. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054を含む重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10053を含む軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
441. 前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:10052を含む、実施形態440に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
442. 前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:10054を含む、実施形態440に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
443. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX1がDである、実施形態440から442のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
444. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX1がEである、実施形態440から442のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
445. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX2がIである、実施形態440から444のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
446. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX2がPである、実施形態440から444のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
447. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX2がVである、実施形態440から444のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
448. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX3がGである、実施形態440から447のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
449. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX3がQである、実施形態440から447のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
450. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX3がSである、実施形態440から447のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
451. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX3がVである、実施形態440から447のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
452. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX4がFである、実施形態440から451のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
453. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX4がYである、実施形態440から451のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
454. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX5がIである、実施形態440から453のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
455. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX5がMである、実施形態440から453のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
456. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX6がLである、実施形態440から455のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
457. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX6がMである、実施形態440から455のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
458. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がEである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
459. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がIである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
460. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がKである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
461. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がLである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
462. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がMである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
463. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がQである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
464. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がTである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
465. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がVである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
466. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がWである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
467. SEQ ID NO:10052またはSEQ ID NO:10054のX7がYである、実施形態440から457のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
468. SEQ ID NO:10053のX1がQである、実施形態440から467のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
469. SEQ ID NO:10053のX1がNである、実施形態440から467のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
470. SEQ ID NO:10053のX2がDである、実施形態440から469のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
471. SEQ ID NO:10053のX2がEである、実施形態440から469のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
472. SEQ ID NO:10053のX2がHである、実施形態440から469のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
473. SEQ ID NO:10053のX2がNである、実施形態440から469のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
474. SEQ ID NO:10053のX2がQである、実施形態440から469のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
475. SEQ ID NO:10053のX2がSである、実施形態440から469のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
476. SEQ ID NO:10053のX3がAである、実施形態440から475のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
477. SEQ ID NO:10053のX3がGである、実施形態440から475のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
478. SEQ ID NO:10053のX4がDである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
479. SEQ ID NO:10053のX4がFである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
480. SEQ ID NO:10053のX4がKである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
481. SEQ ID NO:10053のX4がNである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
482. SEQ ID NO:10053のX4がRである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
483. SEQ ID NO:10053のX4がSである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
484. SEQ ID NO:10053のX4がTである、実施形態440から477のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
485. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10036の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
486. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10042の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
487. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
488. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10044の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
489. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10043の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
490. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10045の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
491. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10046の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
492. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10047の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
493. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10048の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
494. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10049の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
495. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10050の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
496. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10051の軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
497. ヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態440から496のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
498. Kdが1×10-9M以下のヒトTL1Aに特異的に結合する、実施形態497に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
499. 標準ELISAアッセイおよびSPRから選択される方法を用いてKdが測定される、実施形態498に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
500. DR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態440から499のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
501. DcR3のヒトTL1Aへの結合を阻害する、実施形態440から500のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
502. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、Fab、ScFv、またはそれらの組み合わせである、実施形態440から501のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
503. ヒトCH1ドメインを含む、実施形態440から502のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
504. ヒトCH2ドメインを含む、実施形態440から503のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
505. 前記CH2ドメインが、Kabatを用いてナンバリングされるようなL234A、L235A、およびG237Aから選択される少なくとも1つの変異を含む、実施形態504に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
506. ヒトCH3ドメインを含む、実施形態440から505のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
507. 実施形態440から506のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントと、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
508. 被験体の炎症性疾患を処置する方法であって、実施形態440から506のいずれか1つに記載の治療上有効な量の抗体または抗原結合フラグメントを前記被験体に投与する工程を含む、方法。
509. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患である、実施形態508に記載の方法。
510. 前記炎症性腸疾患がクローン病を含む、実施形態509に記載の方法。
511. 前記被験体が、抗TNFα治療に反応しないと判定されている、実施形態510に記載の方法。
512. 前記被験体が、非狭窄性/非浸透性、狭窄性、狭窄性かつ浸透性、または単離された内部浸透性を含む疾患表現型を含むと判定されている、実施形態510または511に記載の方法。
513. 実施形態1から112、119から199、206から286、293から373、380から433、および440から506のいずれかに記載の抗体として、ヒトTL1A抗体の同じ領域に結合する抗体または抗原結合フラグメント。
514. SEQ ID NO:10036の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む基準抗体としてヒトTL1Aの同じ領域に結合する、抗体または抗原結合フラグメント。
515. SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10042の軽鎖可変領域とを含む基準抗体としてヒトTL1Aの同じ領域に結合する、抗体または抗原結合フラグメント。
516. SEQ ID NO:10040の重鎖可変領域と、SEQ ID NO:10038の軽鎖可変領域とを含む基準抗体としてヒトTL1Aの同じ領域に結合する、抗体または抗原結合フラグメント。
517. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)SEQ ID NO:553に記載のアミノ酸配列を含むHCDR1と、
(b)SEQ ID NO:554~564または574~577のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むHCDR2と、
(c)SEQ ID NO:565~568または578~581のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むHCDR3とを含み、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(d)SEQ ID NO:569または570に記載のアミノ酸配列を含むLCDR1と、
(e)SEQ ID NO:488に記載のアミノ酸配列を含むLCDR2と、
(f)SEQ ID NO:571~573または582~585のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むLCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
518. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)SEQ ID NO:553に記載のアミノ酸配列を含むHCDR1と、
(b)SEQ ID NO:559に記載のアミノ酸配列を含むHCDR2と、
(c)SEQ ID NO:567に記載のアミノ酸配列を含むHCDR3とを含み、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(d)SEQ ID NO:569に記載のアミノ酸配列を含むLCDR1と、
(e)SEQ ID NO:488に記載のアミノ酸配列を含むLCDR2と、
(f)SEQ ID NO:573に記載のアミノ酸配列を含むLCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
519. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)SEQ ID NO:553に記載のアミノ酸配列を含むHCDR1と、
(b)SEQ ID NO:563に記載のアミノ酸配列を含むHCDR2と、
(c)SEQ ID NO:568に記載のアミノ酸配列を含むHCDR3とを含み、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(d)SEQ ID NO:569に記載のアミノ酸配列を含むLCDR1と、
(e)SEQ ID NO:488に記載のアミノ酸配列を含むLCDR2と、
(f)SEQ ID NO:572に記載のアミノ酸配列を含むLCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
520. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)SEQ ID NO:553に記載のアミノ酸配列を含むHCDR1と、
(b)SEQ ID NO:555に記載のアミノ酸配列を含むHCDR2と、
(c)SEQ ID NO:566に記載のアミノ酸配列を含むHCDR3とを含み、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(d)SEQ ID NO:569に記載のアミノ酸配列を含むLCDR1と、
(e)SEQ ID NO:488に記載のアミノ酸配列を含むLCDR2と、
(f)SEQ ID NO:572に記載のアミノ酸配列を含むLCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
521. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)SEQ ID NO:553に記載のアミノ酸配列を含むHCDR1と、
(b)SEQ ID NO:558に記載のアミノ酸配列を含むHCDR2と、
(c)SEQ ID NO:566に記載のアミノ酸配列を含むHCDR3とを含み、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(d)SEQ ID NO:569に記載のアミノ酸配列を含むLCDR1と、
(e)SEQ ID NO:488に記載のアミノ酸配列を含むLCDR2と、
(f)SEQ ID NO:572に記載のアミノ酸配列を含むLCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
522. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
(a)SEQ ID NO:553に記載のアミノ酸配列を含むHCDR1と、
(b)SEQ ID NO:564に記載のアミノ酸配列を含むHCDR2と、
(c)SEQ ID NO:568に記載のアミノ酸配列を含むHCDR3とを含み、
前記抗体または抗原結合フラグメントはさらに軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
(d)SEQ ID NO:569に記載のアミノ酸配列を含むLCDR1と、
(e)SEQ ID NO:488に記載のアミノ酸配列を含むLCDR2と、
(f)SEQ ID NO:572に記載のアミノ酸配列を含むLCDR3とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
523. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:491、493、495、497、499、501、503、505、507、509、511、513、515、517、519、521、523、525、527、529、531、533、535、537、539、または541のいずれか1つからHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:490、492、494、496、498、500、502、504、506、508、510、512、514、516、518、520、522、524、526、528、530、532、534、536、538、または540のいずれか1つからLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む、軽鎖可変領域とを含み、
前記CDRは、Kabat、Chotia、あるいはIMGT方法、またはそれらの組み合わせにより定められる、抗体または抗原結合フラグメント。
524. SEQ ID NO:545に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト重鎖フレームワーク領域1を含む、実施形態517から523のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
525. SEQ ID NO:546に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト重鎖フレームワーク領域2を含む、実施形態517から524のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
526. SEQ ID NO:545、または586から588に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト重鎖フレームワーク領域3を含む、実施形態517から525のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
527. SEQ ID NO:548に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト重鎖フレームワーク領域4を含む、実施形態517から526のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
528. SEQ ID NO:549に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域1を含む、実施形態517から527のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
529. SEQ ID NO:550に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域2を含む、実施形態517から528のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
530. SEQ ID NO:551に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域3を含む、実施形態517から529のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
531. SEQ ID NO:552に記載のものと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域4を含む、実施形態517から530のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
532.(a)SEQ ID NO:545に記載のものと少なくとも90%同一のヒト重鎖フレームワーク領域1と、
(b)SEQ ID NO:546に記載のものと少なくとも90%同一のヒト重鎖フレームワーク領域2と、
(c)SEQ ID NO:547、または586から588に記載のものと少なくとも90%同一のヒト重鎖フレームワーク領域3と、
(d)SEQ ID NO:548に記載のものと少なくとも90%同一のヒト重鎖フレームワーク領域4と、
(e)SEQ ID NO:549に記載のものと少なくとも90%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域1と、
(f)SEQ ID NO:550に記載のものと少なくとも90%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域2と、
(g)SEQ ID NO:551に記載のものと少なくとも90%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域3と、
(h)SEQ ID NO:552に記載のものと少なくとも90%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域4とを含む、実施形態517から513のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
533.(a)SEQ ID NO:545に記載のものと少なくとも95%同一のヒト重鎖フレームワーク領域1と、
(b)SEQ ID NO:546に記載のものと少なくとも95%同一のヒト重鎖フレームワーク領域2と、
(c)SEQ ID NO:547、または586から588に記載のものと少なくとも95%同一のヒト重鎖フレームワーク領域3と、
(d)SEQ ID NO:548に記載のものと少なくとも95%同一のヒト重鎖フレームワーク領域4と、
(e)SEQ ID NO:549に記載のものと少なくとも95%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域1と、
(f)SEQ ID NO:550に記載のものと少なくとも95%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域2と、
(g)SEQ ID NO:551に記載のものと少なくとも95%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域3と、
(h)SEQ ID NO:552に記載のものと少なくとも95%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域4とを含む、実施形態532に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
534.(a)SEQ ID NO:545に記載のものと少なくとも97%同一のヒト重鎖フレームワーク領域1と、
(b)SEQ ID NO:546に記載のものと少なくとも97%同一のヒト重鎖フレームワーク領域2と、
(c)SEQ ID NO:547、または586から588に記載のものと少なくとも97%同一のヒト重鎖フレームワーク領域3と、
(d)SEQ ID NO:548に記載のものと少なくとも97%同一のヒト重鎖フレームワーク領域4と、
(e)SEQ ID NO:549に記載のものと少なくとも97%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域1と、
(f)SEQ ID NO:550に記載のものと少なくとも97%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域2と、
(g)SEQ ID NO:551に記載のものと少なくとも97%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域3と、
(h)SEQ ID NO:552に記載のものと少なくとも97%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域4とを含む、実施形態532に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
535.(a)SEQ ID NO:545に記載のものと少なくとも98%同一のヒト重鎖フレームワーク領域1と、
(b)SEQ ID NO:546に記載のものと少なくとも98%同一のヒト重鎖フレームワーク領域2と、
(c)SEQ ID NO:547、または586から588に記載のものと少なくとも98%同一のヒト重鎖フレームワーク領域3と、
(d)SEQ ID NO:548に記載のものと少なくとも98%同一のヒト重鎖フレームワーク領域4と、
(e)SEQ ID NO:549に記載のものと少なくとも98%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域1と、
(f)SEQ ID NO:550に記載のものと少なくとも98%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域2と、
(g)SEQ ID NO:551に記載のものと少なくとも98%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域3と、
(h)SEQ ID NO:552に記載のものと少なくとも98%同一のヒト軽鎖フレームワーク領域4とを含む、実施形態532に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
536. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:491、493、495、497、499、501、503、505、507、509、511、513、515、517、519、521、523、525、527、529、531、533、535、537、539、または541のいずれか1つと少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:490、492、494、496、498、500、502、504、506、508、510、512、514、516、518、520、522、524、526、528、530、532、534、536、538、または540のいずれか1つと少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
537. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:503と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:502と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
538. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:511と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:510と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
539. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:493と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:492と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
540. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:501と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:500と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
541. TL1Aに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、該抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)SEQ ID NO:515と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域と、
(b)SEQ ID NO:514と少なくとも約85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域とを含む、抗体または抗原結合フラグメント。
542. キメラまたはヒト化である、実施形態517から541のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
543. IgG抗体である、実施形態517から541のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
544. Fab、F(ab)2、単一ドメイン抗体、単鎖可変フラグメント(scFv)、またはナノボディを含む、実施形態517から541のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
545. SEQ ID NO:542または543に記載されるようなアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、実施形態517から544のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
546. SEQ ID NO:542に記載されるようなアミノ酸配列を含む重鎖定常領域を含む、実施形態517から544のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
547. SEQ ID NO:544に記載されるようなアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、実施形態517から544のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【0156】
抗TL1Aの抗体が基準抗体の同じ領域に結合するかどうか判定する非限定的な方法は、当技術分野で知られている。例示的な方法は競合アッセイを含む。例えばこの方法は、基準抗体が基準抗体とTL1Aタンパク質またはその一部との結合と競合可能かどうかを判定する工程、または、基準抗体が基準抗体とTL1Aタンパク質またはその一部との結合と競合可能かどうかを判定する工程を含む。例示的な方法は、抗TL1A抗体がTL1Aと別の抗TL1A抗体との結合と競合可能かどうかを評価するための表面プラズモン共鳴の使用を含む。場合によっては、表面プラズモン共鳴は競合アッセイに利用される。
【0157】
医薬組成物、製剤、および投与方法
一態様では、処置を必要とする被験体の本明細書に記載される疾患または疾病のいずれかを処置する方法は、治療上有効な量で本明細書に記載される治療薬、例えばCD30Lの阻害剤を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療薬は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維性疾患を処置するための薬剤の調製に使用される。本明細書で使用されるような医薬組成物は、CD30Lの阻害剤と随意に追加の治療薬とを含む組成物を含んでいる。
【0158】
ある実施形態では、本明細書に記載される治療薬を含む組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。ある治療用途では、前記組成物は、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するか少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、前記疾患または疾病を既に患う患者に投与される。この使用に有効な量は、前記疾患または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依存する。治療上有効な量は、投与量増加臨床試験などを含むがこれらに限定されない方法により随意に決定される。場合によっては、CD30Lの阻害剤は、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維性疾患を患う患者に投与される。
【0159】
予防用途では、本明細書に記載される治療薬を含む組成物は、特定の疾患、障害、または疾病、例えば炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維性疾患の疑いがあるか、またはそのリスクがある患者に投与される。このような量は、「予防に有効な量または投与量」であると定義される。この用途では、正確な量は患者の健康状態や体重などにも依存する。患者に使用されると、この用途に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、および薬物への反応、ならびに処置を行う医師の判断に依存する。一態様では、予防処置は、疾患または疾病の症状の再発を防ぐために、処置されている疾患の少なくとも1つの症状を以前に経験しており現在は寛解期にある哺乳動物に、CD30Lの阻害剤を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0160】
患者の状態が改善されないある実施形態では、患者の疾患あるいは疾病の症状を改善、またはその他の方法で抑制か制限するために、医師の裁量により治療薬の投与は、慢性的に、つまり、患者の生存時間全体を含む長時間にわたり投与される。
【0161】
患者の状況が改善するある実施形態では、投与される治療薬の投与量は、一時的に減らされるか、一定時間にわたり一時的に停止されてもよい(すなわち「休薬期間」)。特定の実施形態では、休薬期間の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、または28日以上を含む、2日から1年の間である。休薬期間中の投与量の減少は、ほんの一例として10%~100%であり、例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%が挙げられる。
【0162】
ある実施形態では、投与されている薬物の投与量は、一時的に減らされるか、または一定時間にわたり一時的に停止されてもよい(すなわち「薬物転用」)。特定の実施形態では、薬物転用の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、または28日間以上を含む、2日間~1年間の間である。薬物転用中の投与量の減少は、ほんの一例として10%~100%であり、例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%が挙げられる。適切な期間の経過後、場合によっては正常な投薬スケジュールに戻される。
【0163】
いくつかの実施形態では、一旦患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。続いて特定の実施形態では、投与の用量あるいは頻度、またはその両方は、症状に応じて、疾患、障害、または疾病の改善が保持されるレベルまで減少される。しかしある実施形態では、患者は、症状の再発時に長期間にわたり間欠的処置を必要とする。
【0164】
このような量に相当する所与の治療薬の量は、特定の治療薬、処置が必要とされている被験体の疾患状態およびその重症度、アイデンティティ(例えば体重、性別)などの要因に応じて変動するが、それにもかかわらず、例えば投与される特定の薬剤、投与経路、処置される疾病、および処置される被験体または宿主を含む、症例を取り囲む特定の環境に応じて定めることができる。しかし一般的に、ヒト成人の処置に使用される投与量は通常、1日当たり0.01mg~5000mgの範囲である。一態様では、成人の処置に利用される投与量は、1日当たり約1mg~約1000mgである。1つの実施形態では、所望の投与量は、単回投与で、または同時に(あるいは短時間にわたり)投与される分割用量で、または適切な間隔(例えば1日に2回、3回、4回、あるいはそれ以上の下位投与量)で、好都合に提供される。
【0165】
いくつかの実施形態では、患者が治療薬のレジメンを開始すると、患者は第2の処置レジメンを中止される(例えば段階的に投与量が減らされる)。
【0166】
一実施形態では、本明細書中のCD30Lの阻害剤に適切な1日量は、体重1kgにつき約0.01~10mg/kgである。特定の実施形態では、ヒトに限定されない大型哺乳動物における1日当たりの指示用量は、約0.5mg~約1000mgの範囲であり、最大1日4回に限定されない分割用量で好都合に投与される。いくつかの実施形態では、1日量は拡張放出形態で投与される。ある実施形態では、経口投与に適切な単位剤形は約1~500mgの有効成分を含む。いくつかの実施形態では、剤形中の有効成分の1日量は、個々の処置レジメンに関する多くの変数に基づいて、本明細書に示される範囲より少ないか、または高い。様々な実施形態では、1日量と単位用量は、限定されないが使用される治療薬の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、個々の被験体の要件、処置されている疾患または疾病の重症度、および主治医の判断を含む、多くの変数に依存して変更される。
【0167】
こうした治療レジメンの毒性と治療効果は、限定されないがLD50とED50の判定を含む、細胞培養物または実験動物における標準的な製薬手順によって判定される。毒性と治療効果との用量比が治療指数であり、これはLD50とED50との比として表される。ある実施形態では、細胞培養アッセイと動物研究から得たデータは、ヒトを含む哺乳動物に使用するための治療上有効な1日量の範囲および/または治療上有効な単位用量を製剤するのに使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療薬の1日量は、毒性が最小限のED50を含む血中濃度の範囲内にある。ある実施形態では、1日量の範囲および/または単位用量は、使用される剤形および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動する。
【0168】
本明細書には、医薬組成物へと製剤される治療薬が開示される。前記医薬組成物は抗CD30Lの阻害剤を含んでもよい。前記医薬組成物は抗体を含んでもよい。前記医薬組成物は抗CD30L抗体を含んでもよい。
【0169】
医薬組成物は、活性治療薬を薬学的に使用可能な製剤へと処理するのを容易にする1つ以上の薬学的に許容可能な不活性成分を用いる従来の様式で製剤される。適切な製剤は、選択される投与経路に左右される。本明細書に記載される医薬組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins,1999)で見出すことができ、当該文献は開示のために参照により本明細書に引用される。
【0170】
本明細書には、CD30Lの阻害剤と少なくとも1つの薬学的に許容可能な不活性成分とを含む医薬組成物が提供される。場合によっては、前記組成物は本明細書に記載されるような他の治療薬を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療薬は、併用療法で使用されように、本明細書に記載される治療薬を他の有効成分と混合した医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、他の医療薬または医薬品、担体、アジュバント、防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、および/または緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は他の有用な物質を含む。
【0171】
本明細書でが、医薬組成物は、治療薬、例えばCD30Lの阻害剤と、担体、賦形剤、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味料、甘味料、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、抗酸化剤、防腐剤、またはこれらの1つ以上の組み合わせなどの他の化学成分(すなわち薬学的に許容可能な不活性成分)との混合物を指す。場合によっては、前記組成物は、本明細書に記載されるような2つ以上の治療薬を含む。本明細書に提供される処置または使用の方法を実施する際に、本明細書に記載される治療上有効な量の治療薬は、医薬組成物の中に含めて、処置される疾患、障害、または疾病、例えば炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維性疾患を抱える哺乳動物に投与される。いくつかの実施形態では、前記哺乳動物はヒトである。治療上有効な量は、疾患の重症度、被験体の年齢と相対的な健康状態、使用される治療薬の効能、および他の要因に依存して変化する。本明細書で記載される治療薬は、単一で、または混合物の成分として1つ以上の治療薬と組み合わせて使用される。
【0172】
本明細書に記載される医薬製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬側、局所、直腸、または経皮の投与経路を含むがこれらに限定されない多くの投与経路によって被験体に投与される。本明細書に記載される医薬製剤として、水性液体分散、自己乳化分散、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固形剤形、粉末剤、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、拡張放出製剤、パルス放出製剤、多重微粒子製剤、ならびに即時混合および制御放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
治療薬、例えば抗CD30Lの阻害剤を含む医薬組成物は、ほんの一例ではあるが、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、粉砕、乳化、封入、包括、または圧縮プロセスなどを用いる従来の様式で製造される。場合によっては、前記組成物は他の治療薬、例えば本明細書に記載されるような治療薬を含む。
【0174】
前記医薬組成物は、遊離酸あるいは遊離塩基の形態、または薬学的に許容可能な塩の形態での有効成分として少なくとも1つの治療薬、例えば抗CD30Lの阻害剤を含んでもよい。加えて、本明細書に記載される方法と医薬組成物は、N-オキシド(適切な場合)、結晶形態、非結晶相に加え、同じタイプの活性を有する先述の化合物の活性代謝物の使用を含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、非溶媒和形態、または水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を含む溶媒和形態で存在する。前記治療薬の溶媒和形態は、本明細書に開示されるものとしても考慮される。
【0175】
いくつかの実施形態では、治療薬は互変異性体として存在する。互変異性体はすべて、本明細書で提供される薬剤の範囲内に含まれる。そのため、治療薬またはその塩は互変異性の現象を示す場合があり、それにより2つの化学化合物は2つの原子間で水素原子を交換することにより容易に相互転換することができ、そのいずれかに対して共有結合を形成することを理解されたい。互変異性体化合物が互いに平衡移動状態で存在するため、このような化合物はその異なる異性体の形態としみなされてもよい。
【0176】
いくつかの実施形態では、治療薬はエナンチオマー、ジアステレオマー、または他の立体異性体の形態として存在する。本明細書に開示される薬剤は、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびエピマーの形態のほか、それらの混合物も含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療薬はプロドラッグとして調製されてもよい。「プロドラッグ」とはインビボで親薬物へと変換される薬剤を指す。プロドラッグが有効な場合が多い理由としては、状況に応じてプロドラッグは親薬物よりも投与が容易な場合があるからである。プロドラッグは、例えば経口投与によって生物学的に利用可能な場合があるが、親薬物はそうではない。プロドラッグはまた、親薬物以上に改善された溶解度を医薬組成物中に有していてもよい。プロドラッグの非限定的な例は本明細書に記載される治療薬である。該治療薬は、水溶解度が移動度に対して有害である細胞膜全体にわたる伝達を容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、水溶性が有益となる細胞内部に入ると活性部分であるカルボン酸へ代謝的に加水分解される。プロドラッグのさらなる例は、ペプチドが代謝されることで活性部分を明らかにする、酸基に結合された短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であってもよい。ある実施形態では、インビボでの投与に際し、プロドラッグは治療薬の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態へと化学変換される。ある実施形態では、プロドラッグは1つ以上の工程またはプロセスにより、治療薬の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態へと酵素代謝される。
【0178】
プロドラッグがインビボで代謝されると本明細書に明記されるような薬剤を生成する、治療薬のプロドラッグ形態は、特許請求の範囲内に含まれる。プロドラッグがインビボで代謝されると本明細書に明記されるような薬剤を生成する、本明細書に記載の治療薬のプロドラッグ形態は、特許請求の範囲内に含まれる。場合によっては、本明細書に記載される治療薬の一部は、別の誘導体または活性化合物に対するプロドラッグであってもよい。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ヒドラゾンはインビボで代謝されることで治療薬を産生する。
【0179】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物は、微生物活性を阻害するために1つ以上の防腐剤を含む。適切な防腐剤とし、メルフェン(merfen)やチオメルサールなどの水銀含有物質;安定した二酸化塩素;ならびに塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジウムなどの第四アンモニウム化合物が挙げられる。
【0180】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製剤は、抗酸化剤、金属キレート剤、チオール含有化合物、および他の一般的な安定化剤から利益を得る。そのような安定化剤の例として、限定されないが:(a)約0.5%~約2%w/vのグリセロール、(b)約0.1%~約1%w/vのメチオニン、(c)約0.1%~約2%w/vのモノチオグリセロール、(d)約1mM~約10mMのEDTA、(e)約0.01%~約2%w/vのアスコルビン酸、(f)0.003%~約0.02%w/vのポリソルベート80、(g)0.001%~約0.05%w/vのポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルフェートなどのヘパリノイド、(m)マグネシウムや亜鉛などの二価カチオン、または(n)それらの組み合わせが挙げられる。
【0181】
CD30Lの阻害剤などの治療薬を含む、本明細書に記載される医薬組成物は、限定されないが、水溶性の経口分散液、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、懸濁液、固体経口剤形、エアロゾル剤、制御放出製剤、速溶製剤、発泡製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、粉末剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、遅延放出製剤、拡張放出製剤、パルス放出製剤、多微粒子製剤、ならびに即時放出および制御放出製剤の混合を含む、任意の好適な剤形へと製剤される。一態様では、本明細書に記載されるような治療薬、例えばCD30Lの阻害剤は、筋肉内、皮下、または静脈内注入に適切な医薬組成物へ製剤される。一態様では、筋肉内、皮下、または静脈内注入に適切な製剤として、生理学的に許容可能な滅菌水溶液あるいは非水溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、および滅菌した注射剤あるいは分散剤へと再構築される滅菌粉末剤が挙げられる。適切な水溶性および非水溶性の担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、クレモホールなど)、それらの適切な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合には所望の粒径の維持、および界面活性剤の使用により維持することができる。いくつかの実施形態では、皮下注射に適切な製剤はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの添加剤を含有する。微生物の成長の予防は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの様々な抗菌剤および抗真菌剤によって確実にすることができる。場合によっては、糖や塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことが望ましい。注射可能な剤形の長期間の吸収は、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤の使用により引き起こすことができる。
【0182】
静脈内注射、点滴、または注入のために、本明細書に記載される治療薬は、水溶液、好ましくはハンクス液、リンガー液、または緩衝生理食塩水などの生理学的に相溶性のある緩衝液中で製剤される。口腔粘膜投与のために、浸透される障壁に適切な浸透剤が製剤中で使用される。こうした浸透剤は全体として当該技術分野で知られている。他の非経口注射のために、適切な製剤は、好ましくは生理学的に適合性のある緩衝液または賦形剤と共に、水溶液または非水溶液を含む。そのような賦形剤は既知の賦形剤である。
【0183】
非経口注入はボーラス注入または持続注入を必要とする場合がある。注入用の製剤は、追加の防腐剤と共に、単位剤形で、例えば、アンプルまたは複数回用量容器に入れて提供されてもよい。本明細書に記載される医薬組成物は、油性あるいは水性のビヒクル中の無菌の懸濁液、溶液、またはエマルジョンとして非経口注入に適した形態であってもよく、かつ懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤などの調合剤を含んでもよい。一態様では、前記有効成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、発熱性物質除去蒸留水を含む構成のための粉末形態である。
【0184】
吸入による投与のために、治療薬はエアロゾル、ミスト、または粉末剤としての使用のために製剤される。本明細書に記載される医薬組成物は、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体を用いて、加圧パックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー提供の形態で好都合に送達される。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、バルブを設けて計量した量を送達することにより決定されてもよい。ほんの一例として、吸入器または注入器に使用されるゼラチンなどのカプセル剤およびカートリッジは、本明細書に記載される治療薬と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基材との粉末混合物を含んで製剤されてもよい。
【0185】
代表的な鼻腔内製剤は、例えば米国特許第4,476,116号、5,116,817号、および6,391,452号に記載されている。治療薬を含む製剤は、当該技術分野で既知のベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、フルオロカーボン、および/または他の可溶化剤または分散剤を利用して、生理食塩水中の溶液として調製される。例えば、Ansel,H.C.et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Sixth Ed.(1995)を参照。好ましくは、これらの組成物と製剤は、適切な無毒の薬学的に許容可能な成分と共に調製される。これら成分は鼻腔剤形の調製において当業者に知られており、これらの一部はREMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY,21st edition,2005に見出すことができる。適切な担体の選択は、所望の鼻腔剤形、例えば溶液、懸濁液、軟膏、またはゲルの正確な性質に依存する。鼻用剤形は全体として、有効成分に加えて大量の水を含んでいる。pH調節剤、乳化剤あるいは分散剤、防腐剤、界面活性剤、ゲル化剤、または緩衝剤、ならびに他の安定化剤および可溶化剤などの少量の他の成分も、随意に存在する。鼻用剤形は鼻の分泌物と等張であることが好ましい。
【0186】
経口用の医薬調製物は、1つ以上の固体の賦形剤を、本明細書に記載される1つ以上の治療薬と混合し、随意に結果として得た混合物を粉砕し、必要に応じて錠剤または糖衣錠コア(dragee cores)を得るために適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理することによって得られる。適切な賦形剤として、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填材;例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;またはポリビニルピロリドン(PVPあるいはポビドン)あるいはリン酸カルシウムなどの他のものが挙げられる。必要に応じて、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、または、アルギン酸、あるいはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩といった崩壊剤が添加される。いくつかの実施形態では、活性な治療薬の投与量の同定のために、またはそれらの様々な組み合わせを特徴づけるために、染料または色素が錠剤または糖衣錠のコーティングに添加される。
【0187】
いくつかの実施形態では、治療薬の医薬製剤は、ゼラチン製の押し込み式カプセルのほか、ゼラチン、およびグリセロールやソルビトールなどの可塑剤で作られた柔らかい密封カプセルを含む、カプセルの形態である。押し込み式カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクあるいはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに随意に安定剤との混合物中に有効成分を含む。ソフトカプセルでは、活性治療薬は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解または懸濁される。いくつかの実施形態では、安定剤が添加される。カプセルは、例えばカプセルの内部に前記治療薬の製剤の大量の混合物を入れることにより調製されてもよい。いくつかの実施形態では、製剤(非水性の懸濁液および溶液)は、ソフトゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態では、製剤は、HPMCを含むカプセルなどの、標準のゼラチンカプセルまたは非ゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態では、製剤はスプリンクル(sprinkle)カプセルに入れられ、該カプセルは、その全体が飲み込まれるか、または開封してから食事前に食物の上に中身が散布される(sprinkled)。
【0188】
経口投与用の製剤はすべて、このような投与に適した剤形である。一態様では、固形経口剤形は、治療薬と、抗酸化剤、芳香剤、ならびに、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、および希釈剤などの担体物質(carrier materials)のうち1つ以上とを混合することにより調製される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される固形剤形は、錠剤(懸濁液の錠剤、速溶錠剤、咬合崩壊錠剤(bite-disintegration tablet)、急速崩壊錠剤(rapid-disintegration tablet)、発泡錠剤、またはカプレットを含む)、丸剤、粉末剤、カプセル剤、固形分散剤、固溶体、生体内分解性の剤形、制御放出製剤、パルス放出剤形、多微粒子剤形、ビーズ、ペレット剤、果粒剤の形態である。他の実施形態では、前記医薬製剤は粉末剤の形態である。圧縮錠剤は、上述の製剤の大量の混合物の圧縮により調製される固形剤形である。様々な実施形態では、錠剤は1つ以上の芳香剤を含む。他の実施形態では、前記錠剤は、最終的な圧縮錠剤を囲むフィルムを含む。いくつかの実施形態では、フィルムコーティングは、製剤からの治療薬の放出を遅くすることができる。他の実施形態では、フィルムコーティングは患者のコンプライアンスを補助する(例えばOpadry(登録商標)コーティングまたは糖衣)。Opadry(登録商標)を含むフィルムコーティングは通常、錠剤の約1重量%~約3重量%変動する。いくつかの実施形態では、固形剤形、例えば錠剤、発泡錠剤、およびカプセル剤は、治療薬の粒子を1つ以上の医薬賦形剤と混合してバルク混合組成物を形成することにより、調製される。バルク混合物は、錠剤、丸剤、およびカプセル剤などの等しく有効な単位剤形へと容易に細分化される。いくつかの実施形態では、個々の単位用量はフィルムコーティングを含む。これら製剤は従来の製剤技術により製造される。
【0189】
別の態様では、剤形はマイクロカプセル化製剤を含んでいる。いくつかの実施形態では、その他1つ以上の互換性をもつ材料がマイクロカプセル化材料に存在する。典型的な材料として、限定されないが、pH調整剤、侵食促進剤、消泡剤、抗酸化剤、香味料、ならびに、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、および希釈剤などの担体材料が挙げられる。典型的に有用なマイクロカプセル化材料として、限定されないが、Klucel(登録商標)またはNisso HPCなどのヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)、低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L-HPC)、Seppifilm-LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)-E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、およびBenecel MP843などのヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)、Methocel(登録商標)-A、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアラートAqoat(HF-LS、HF-LG、HF-MS)、およびMetolose(登録商標)などのメチルセルロースポリマー、エチルセルロース(EC)とその混合物、例えば、E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease(登録商標)、Opadry AMBなどのポリビニルアルコール(PVA)、Natrosol(登録商標)などのヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩、例えばAqualon(登録商標)-CMCなど、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールコポリマー、例えば、Kollicoat IR(登録商標)、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、修飾食物デンプン、アクリルポリマー、およびアクリルポリマーとEudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D-55、Eudragit(登録商標)FS 30D Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D、およびEudragit(登録商標)NE 40Dなどのセルロースエーテルとの混合物、酢酸フタル酸セルロース、セピフィルム(sepifilms)(HPMCとステアリン酸の混合物など)、シクロデキストリン、ならびにこれら材料の混合物を含む。
【0190】
経口投与用の液体製剤の剤形は随意に、限定されないが、薬学的に許容可能な経口分散水溶液、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ゲル剤、およびシロップ剤を含む群から選択された懸濁水溶液である。例えば、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.754-757(2002)を参照。治療薬に加えて、液体剤形は随意に、(a)崩壊剤、(b)分散剤、(c)湿潤剤、(d)少なくとも1つの防腐剤、(e)粘性促進剤、(f)少なくとも1つの甘味剤、および(g)少なくとも1つの香料などの添加剤を含む。いくつかの実施形態では、分散水溶液は結晶形成阻害剤をさらに含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤は、自己乳化式薬物送達システム(SEDDS)である。エマルジョンは、別の形態、通常は液滴の形態にある1つの不混和相の分散液である。通常、エマルジョンは活発な機械的分散によって作成される。SEDDSは、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンとは対照的に、任意の外部の機械的分散または撹拌を必要とすることなく過剰量の水に添加されたときにエマルジョンを自発的に形成する。SEDDSの利点は、溶液の全体に液滴を分布させるには軽く混合だけでよいということである。加えて、水または水相は随意に投与直前に添加され、これにより不安定または疎水性の有効成分の安定性が確保される。ゆえにSEDDSは、疎水性有効成分の経口および非経口の送達に効果的な送達システムを提供する。いくつかの実施形態では、SEDDSは疎水性有効成分のバイオアベイラビリティを改善する。自己乳化式の剤形を産生する方法として、限定されないが、米国特許第5,858,401号、6,667,048号、および6,960,563号が挙げられる。
【0192】
治療薬を含む頬側剤形は、当該分野で既知の様々な剤形を用いて投与される。例えばこのような製剤として、限定されないが、米国特許第4,229,447号、4,596、795号、4,755,386号、および5,739,136号が挙げられる。加えて、本明細書に記載される頬側剤形は、頬粘膜に剤形を付着させる役目も果たす生体内分解性(加水分解性)のポリマー担体をさらに含むことができる。頬側または舌下の投与のために、前記組成物は、従来の方法で製剤された錠剤、ロゼンジ、またはゲル剤の形態を呈してもよい。
【0193】
静脈内注射のために、治療薬は、水溶液中で、好ましくはハンク溶液、リンガー溶液、または緩衝生理食塩水などの生理学的に互換性を持つ緩衝剤に入れて製剤される。口腔粘膜投与のために、浸透される障壁に適切な浸透剤が製剤中で使用される。他の非経口注入のために、適切な製剤は、好ましくは生理学的に適合性のある緩衝液または賦形剤と共に、水溶液または非水溶液を含む。
【0194】
非経口注入は随意にボーラス注入または持続注入を含む。注入用の製剤は随意に、単位剤形、例えば、アンプルまたは複数回用量の容器の中に、追加の防腐剤と共に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、油性または水溶性のビヒクル中の滅菌懸濁液、水溶液、またはエマルションとして非経口注射に適切な形態であり、懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤などの調合剤を含有する。非経口投与のための医薬製剤は、水溶液の形態で頚動脈小体の活性を調節する薬剤の水溶液を含む。加えて、頚動脈小体の活性を調節する薬剤の懸濁液は随意に、適切なもの、例えば油性注射懸濁液として調製される。
【0195】
従来の製剤技術として、例えば以下の方法の1つまたは組み合わせが挙げられる:(1)乾燥混合、(2)直接圧縮、(3)ミリング、(4)乾燥あるいは非水性の造粒、(5)湿式造粒法、または(6)融合。他の方法として、例えば噴霧乾燥、パンコーティング、溶解造粒(melt granulation)、造粒、流動床噴霧乾燥あるいはコーティング(例えばウースターコーティング)、接点コーティング(tangential coating)、頂部噴霧(top spraying)、錠剤化、押し出しなどが挙げられる。
【0196】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な担体として、限定されないが、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼイン酸ナトリウム、ダイズレシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトールなどが挙げられる。
【0197】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な充填剤として、限定されないが、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストラート、デキストラン、デンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0198】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な崩壊剤として、限定されないが、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなどの天然デンプン、α化デンプン、またはデンプングリコール酸ナトリウム、セルロース、例えば、メチル結晶性セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、クロスカルメロース、または架橋結合セルロース、例えば架橋結合ナトリウムカルボキシメチルセルロース、架橋結合カルボキシメチルセルロース、または架橋結合クロスカルメロース、架橋デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋結合ポリマー、例えばクロスポビドン、架橋結合ポリビニルピロリドン、アルギネート、例えばアルギン酸またはアルギン酸の塩、例えばアルギン酸ナトリウム、ガム、例えば寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、またはトラガント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0199】
結合剤は固形経口剤形製剤に粘着性を付与する。粉末を充填したカプセル製剤では、この製剤は、ソフトシェルまたはハードシェルのカプセルに充填可能な栓の形成を補助するものであり、錠剤製剤では、圧縮後に錠剤が確実に無傷で残るようにし、圧縮または充填の工程前に均一な混合の確保を支援する。本明細書に記載される固形剤形中の結合剤としての使用に適切な材料として、限定されないが、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、および微結晶性セルロース、微結晶性デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、多糖酸、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/ビニル酢酸塩コポリマー、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、α化デンプン、トラガント、デキストリン、糖、例えばスクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクトース、天然または合成ガム、例えばアカシア、トラガント、ガティガム、イサポールハスクの粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0200】
一般に、20~70%の結合剤レベルが、粉末を充填したゼラチンカプセル製剤に使用される。錠剤製剤における結合剤の使用レベルは、直接圧縮、湿式造粒法、ローラー圧縮、または、それ自体が中程度の結合剤として作用し得る充填剤などの他の賦形剤の使用の何れかで変動する。錠剤製剤における最大70%の結合剤レベルが一般的である。
【0201】
本明細書に記載される固形剤形に使用するのに適切な滑沢剤または流動促進剤として、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、フマル酸ステアリルナトリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えばアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール、またはメトキシポリエチレングリコール、例えばCarbowax(登録商標)、PEG4000、PEG5000、PEG6000、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリン(glyceryl palmitostearate)、安息香酸グリセリル、マグネシウム、あるいはラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な希釈剤として、限定されないが、糖(ラクトース、スクロース、およびデキストロースを含む)、多糖類(デキストラートおよびバクガデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、およびソルビトールを含む)、シクロデキストリンなどが挙げられる。
【0203】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な湿潤剤として、例えばオレイン酸、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、四級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ビタミンE TPGSなどが挙げられる。
【0204】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な界面活性剤として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリソルベート、ポロクサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、例えばPluronic(登録商標)(BASF)などが挙げられる。
【0205】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な懸濁剤として、限定されないが、ポリビニルピロリドン、例えばポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール(例えばポリエチレングリコールは約300~約6000、約3350~約4000、または約7000~約5400の分子量を有する)、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ガム、例えばトラガカントガム、アカシアガム、グアーガム、キサンタンガムを含むキサンタンなど、糖、セルロース系のも、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシレートソルビタンモノラウリン酸、ポリエトキシレートソルビタンモノラウリン酸、ポビドンなどが挙げられる。
【0206】
本明細書に記載される固形剤形に使用される適切な抗酸化剤として、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、およびトコフェロールが挙げられる。
【0207】
本明細書に記載される固形剤形に使用される添加剤間には相当な重なりが存在することを、理解されたい。ゆえに上で列記した添加剤は、本明細書に記載される医薬組成物の固形剤形に含めることができる添加剤の種類の単なる例示に過ぎず、限定的なものと解釈されるべきではない。そのような添加剤の量は、所望される特定の特性に従い当業者によって容易に決定することができる。
【0208】
様々な実施形態では、治療薬および1つ以上の賦形剤の粒子は、乾燥混合され、錠剤等の塊に圧縮される。この塊は、経口投与後、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、または約60分未満以内でほぼ分解され、それにより製剤を胃腸液へ放出する医薬組成物を提供するのに十分な硬さを持つ。
【0209】
他の実施形態では、治療薬を含む粉末剤は、1つ以上の医薬賦形剤および香料を含むように製剤される。このような粉末剤は、例えば治療薬と場合によっては医薬賦形剤とを混合してバルク混合組成物を形成することにより調製される。追加の実施形態は、懸濁化剤および/または湿潤剤も含む。このバルク混合物は、単位用量パッケージまたは複数回用量パッケージの単位へと均一に細分化される。
【0210】
また他の実施形態では、発泡散剤も調製される。発泡塩は、経口投与のために水中で薬を分散させるために使用されている。
【0211】
いくつかの実施形態では、医薬剤形は治療薬の制御放出を提供するために製剤される。制御放出とは、長期間にわたり所望の特性に従い組み込まれる剤形からの治療薬の放出を指す。制御放出特性として、例えば持続放出、長期放出、パルス放出、および遅延放出の特性が挙げられる。即時放出組成物とは対照的に、制御放出組成物により、予め定めた特性に従い長期間にわたる被験体への薬剤送達が可能となる。このような放出速度により長期間にわたり治療上有効なレベルの薬剤を提供することができ、こうしてさらに長期間の薬理反応がもたらされる一方で、従来の急速放出剤形と比較して副作用が最小限となる。こうした長期間の反応により、対応する短時間作用性の即時放出調製物では達成されない多くの固有の利益がもたらされる。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固形剤形は、腸溶コーティングされた遅延放出経口剤形として、すなわち、小腸または大腸での放出に影響を及ぼす腸溶コーティングを利用する、本明細書に記載されるような医薬組成物の経口剤形として製剤される。一態様では、腸溶コーティングされた剤形は、有効成分および/または他の組成物成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズ、または粒子を含む、圧縮、成形、または押し出された錠剤/モールド(コーティングあり、またはコーティングなし)であり、これらそのものはコーティングされる、またはコーティングされない。一態様では、腸溶コーティングされた経口剤形は、ペレット剤、ビーズ、または顆粒剤を含むカプセル剤の形態であり、その中には、コーティングされる、またはコーティングされない治療薬が含まれる。
【0213】
コーティング全体が約5未満のpHでは胃腸液に溶けないが、5以上のpHでは溶けるように、コーティングは十分な厚みで適用されねばならない。コーティングは通常、以下のいずれかから選択される:セラック(このコーティングはpH>7の媒体中で溶解する);アクリルポリマー(アクリルポリマーの例として、メタクリル酸コポリマーおよびメタクリル酸アンモニウムコポリマーが挙げられる)。EudragitシリーズE、L、S、RL、RS、およびNE(Rohm Pharma)は、有機溶媒、水分散液、または乾燥粉末中で可溶化されるように、利用可能である。EudragitシリーズRL、NE、およびRSは、胃腸管では不溶性であるが、透過性であり、かつ主として結腸の標的化に使用される。EudragitシリーズEは胃で溶解する。EudragitシリーズL、L-30D、およびSは、胃では不溶性であり、腸で溶ける。ポリ酢酸ビニルフタレート(PVAP)は、pH>5で溶解し、水蒸気および胃液に対してあまり透過性がない。スプレーコーティングまたはパンコーティングなどの従来のコーティング技法が、コーティングを施すために使用される。コーティングの厚みは、腸管での局所送達の所望部位に到達するまで、経口剤形が確実に完全な状態であるように十分な厚みでなければならない。
【0214】
他の実施形態では、本明細書に記載される製剤はパルス剤形を使用して送達される。パルス剤形は、制御された遅延時間後の所定の時点で、または特定の部位にて1つ以上の即時放出パルスを提供することができる。典型的なパルス剤形およびその製造方法は、米国特許第5,011,692号、5,017,381号、5,229,135号、5,840,329号、および5,837,284号に開示されている。一実施形態では、前記パルス剤形は粒子の少なくとも2つの群(すなわち多微粒子)を含み、各々が本明細書に記載される製剤を含有している。粒子の第1の群は、哺乳動物による摂取後に実質的に即時の投与量の治療薬を提供する。粒子の第1の群は、コーティングされないか、またはコーティングおよび/あるいはシーラントを含む場合がある。一態様でが、粒子の第2の群は、コーティングされた粒子を含む。粒子の第2の群上のコーティングは、第2の投与量の放出前の摂取後、約2時間~約7時間の遅延をもたらす。医薬組成物に適切なコーティングは、本明細書に記載されるもの、または当該技術分野で知られるものである。
【0215】
いくつかの実施形態では、被験体への経口投与のために治療薬および少なくとも1つの分散剤または懸濁化剤を含む医薬製剤が提供される。この製剤は懸濁用の粉末および/または顆粒であってもよく、水との混合後に実質的に均一な懸濁液が得られる。
【0216】
いくつかの実施形態では、制御放出のために製剤された粒子は、ゲル、パッチ、または創傷包帯に組み込まれる。
【0217】
一態様では、経口投与のための、および/または洗剤としての局所投与のための液体製剤の剤形は、限定されないが、薬学的に許容可能な経口分散水溶液、エマルション、溶液、エリキシル剤、ゲル、およびシロップを含む群から選択される水性懸濁液の形態である。例えば、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.754-757(2002)を参照。治療薬の粒子に加えて、液体剤形は、(a)崩壊剤、(b)分散剤、(c)湿潤剤、(d)少なくとも1つの防腐剤、(e)粘性促進剤、(f)少なくとも1つの甘味剤、および(g)少なくとも1つの香料などの添加剤を含む。いくつかの実施形態では、分散水溶液は結晶阻害剤をさらに含むことができる。
【0218】
いくつかの実施形態では、液体製剤はまた、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤などの当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含む。典型的な乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクセートナトリウム、コレステロール、コレステロールエステル、タウロコール酸、ホスファチジルコリン、綿実油などの油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれら物質の混合物などである。
【0219】
さらに、医薬組成物は随意に、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリスヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;ならびにシトラート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、および塩化アンモニウムなどの緩衝液を含む、1つ以上のpH調節剤または緩衝剤を含む。このような酸、塩基、および緩衝液は、組成物のpHを許容可能な範囲に維持することを必要とする量で含まれる。
【0220】
加えて、医薬組成物は、医薬組成物の重量モル浸透圧濃度を許容可能な範囲にするのに必要な量で1つ以上の塩を随意に含む。このような塩として、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、またはアンモニウムカチオン、および塩化物アニオン、クエン酸塩アニオン、アスコルビン酸塩アニオン、ホウ酸塩アニオン、リン酸塩アニオン、重炭酸塩アニオン、硫酸塩アニオン、チオ硫酸塩アニオン、又は亜硫酸水素塩アニオンを有するものが挙げられ、適切な塩として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0221】
他の医薬組成物は、微生物の活性を阻害する1つ以上の防腐剤を随意に含む。適切な防腐剤として、メルフェン(merfen)やチオメルサールなどの水銀含有物質;安定した二酸化塩素;ならびに塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジウムなどの第四アンモニウム化合物が挙げられる。
【0222】
一実施形態では、本明細書に記載される懸濁水溶液と分散液は、少なくとも4時間、The USP Pharmacists’ Pharmacopeia(2005 edition,chapter 905)に規定されるように均質な状態で残る。一実施形態では、懸濁水溶液は、1分未満持続する物理的撹拌により均質な懸濁液へと再懸濁される。また別の実施形態では、均質な分散水溶液を維持するために撹拌は必要ではない。
【0223】
水性の懸濁液および分散液に使用するための崩壊剤の例として、限定されないが、デンプン、例えば、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなどの天然デンプン、α化デンプン、またはデンプングリコール酸ナトリウム;セルロース、例えばメチル結晶性セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋結合セルロース、例えば架橋結合ナトリウムカルボキシメチルセルロース、架橋結合カルボキシメチルセルロース、または架橋結合クロスカルメロース;デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋ポリビニルピロリドン;アルギン酸などのアルギン酸塩またはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩;寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、またはトラガカントなどのガム;デンプングリコール酸ナトリウム;ベントナイト;天然のスポンジ;界面活性剤;陽イオン交換樹脂などの樹脂;柑橘類の果肉;ラウリル硫酸ナトリウム;組み合わせたデンプン中のラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される水性の懸濁液および分散液に適した分散剤として、例えば、親水性ポリマー、電解液、Tween(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン、および炭水化物ベースの分散剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチル-セルロースアセテートステアレート、非結晶セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、酸化エチレンおよびホルムアルデヒド(チロキサポールとしても知られる)を含む4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールポリマー、ポロクサマー;ならびにポロキサミンが挙げられる。他の実施形態では、前記分散剤は、以下:親水性ポリマー;電解質;Tween(登録商標)60または80;PEG;ポリビニルピロリドン(PVP);ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースエーテル;ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル;カルボキシメチルセルロースナトリウム;メチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチル-セルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチル-セルロースアセテートステアレート;非結晶セルロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;トリエタノールアミン;ポリビニルアルコール(PVA);酸化エチレンおよびホルムアルデヒドを含む4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールポリマー;ポロクサマー;またはポロキサミンの薬剤のうち1つを含まない群から選択される。
【0225】
本明細書に記載される水性の懸濁液および分散液に適した湿潤剤として、限定されないが、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween 20(登録商標)およびTween 80(登録商標)などの市販のTween(登録商標))、ポリエチレングリコール、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクセート、トリアセチン、ビタミンE TPGS、タウロコール酸ナトリウム、シメチコン、ホスファチジルコリンなどが挙げられる。
【0226】
本明細書に記載される水性の懸濁液または分散液に適した防腐剤として、例えばソルビン酸カリウム、パラベン(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン)、安息香酸およびその塩、ブチルパラベンなどのパラオキシ安息香酸の他のエステル、エチルアルコールあるいはベンジルアルコールなどのアルコール、フェノールなどのフェノール化合物、または塩化ベンザルコニウムなどの四級化合物が挙げられる。防腐剤は、本明細書で使用されるように、微生物増殖を阻害するのに十分な濃度で剤形に組み込まれる。
【0227】
本明細書に記載される水性の懸濁液または分散液に適した粘度増強剤として、限定されないが、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Plasdon(登録商標)S-630、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギネート、アカシア、キトサン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。粘度増強剤の濃度は、選択される薬剤および所望の粘度に左右される。
【0228】
本明細書に記載される水性の懸濁液または分散液に適した甘味剤の例として、例えばアカシアシロップ、アセスルファムK、アリターム、アスパルテーム、チョコレート、シナモン、シトラス、ココア、シクラメート、デキストロース、フルクトース、ショウガ、グリシルレチネート、カンゾウ(リコリス)シロップ、グリチルリチン酸モノアンモニウム(MagnaSweet(登録商標))、マルトール(malitol)、マンニトール、メントール、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、Prosweet(登録商標)Powder、サッカリン、ソルビトール、ステビア、スクラロース、スクロース、ナトリウムサッカリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、スクラロース、タガトース、タウマチン、バニラ、キシリトール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0229】
いくつかの実施形態では、治療薬は経皮剤形として調製される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される経皮製剤は少なくとも3つの成分:(1)治療薬と、(2)浸透促進剤と、(3)随意に水性アジュバントとを含む。いくつかの実施形態では、経皮製剤として、限定されないがゲル化剤、クリーム剤、および軟膏基剤などの追加の化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、経皮製剤はパッチまたは創傷包帯として提供される。いくつかの実施形態では、経皮製剤は、吸収を促進するとともに皮膚から経皮製剤が取り除かれるのを防ぐために、織り込まれた裏当て材または不織裏当て材をさらに含む。他の実施形態では、本明細書に記載される経皮製剤は、皮膚への拡散を促すために飽和または過飽和された状態を維持することができる。
【0230】
一態様では、本明細書に記載される治療薬の経皮投与に適した製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを利用するものであり、ポリマーあるいは接着剤中で溶解および/あるいは分散される脂溶性のエマルションまたは緩衝水溶液であってもよい。一態様では、このようなパッチは、医薬品の連続送達、パルス送達、またはオンデマンド送達のために構築される。また更に、本明細書に記載される治療薬の経皮送達は、イオン泳動的なパッチなどにより達成することができる。一態様では、経皮パッチは治療薬を制御送達する。一態様では、経皮デバイスは、裏当て部材(backing member)、随意に担体を含む治療薬を含有するリザーバー、場合によっては長期間にわたり制御され、かつ所定の速度で治療薬を宿主の皮膚に送達するための律速バリア、ならびに装置を皮膚に固定するための手段を含む、包帯(bandage)の形態である。
【0231】
さらなる実施形態では、局所製剤はゲル化製剤(例えば、皮膚に付着するゲルパッチ)を含む。そのような実施形態の一部では、ゲル組成物は、身体と接触したときにゲルを形成する任意のポリマーを含む(例えば、ヒアルロン酸、プルロニック(登録商標)ポリマー、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ベースのポリマーなどを含む、ゲル製剤)。組成物のいくつかの形態では、前記製剤は、限定されないが脂肪酸グリセリドの混合物などの低融点ワックスを、場合によっては最初に融解されココアバターと組み合わせて含んでいる。場合によっては、前記製剤は保湿剤をさらに含む。
【0232】
ある実施形態では、例えばリポソームおよびエマルジョンなどの医薬治療薬のための送達システムが使用されてもよい。ある実施形態では、本明細書に提供される組成物は、例えばカルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム、およびデキストランから選択される粘膜付着性ポリマーも含むことができる。
【0233】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療薬は局所投与されてもよく、かつ、溶液、懸濁液、ローション剤、ゲル、ペースト剤、薬用スティック、鎮痛剤、クリーム、または軟膏などの局所投与可能な様々な組成物へと製剤することもできる。このような医薬治療薬は、可溶化剤、安定剤、等張増強剤、緩衝剤、および防腐剤を含むことができる。
【0234】
処置の監視方法
ある実施形態では、本明細書は、本明細書に記載される処置の効果を評価する方法が記載される。いくつかの例では、前記処置は、CD30Lの阻害剤、および場合により1つ以上の追加の治療剤の投与を含む。いくつかの例では、前記処置は、CD30Lの阻害剤などの治療薬の投与前および/または投与後の被験体におけるCD30の量を評価することにより監視される。
【0235】
本明細書のいくつかの実施形態では以下が開示される。
1. 炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを抱える、またはその疑いのある被験体のCD30リガンド活性または発現を阻害するか低下させる方法であって、該方法は、
a)rs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501の「A」アレル、または該アレルとの連鎖不平衡中の多型の保因者として前記被験体を同定する工程と、
b)治療上有効な量の抗CD30リガンド抗体を前記被験体に投与する工程であって、それにより前記被験体のCD30リガンド活性または発現を阻害するか低下させる工程とを含む、方法。
2. 前記炎症性疾患がクローン病を含む、実施形態1に記載の方法。
3. 前記クローン病が慢性閉塞性クローン病を含む、実施形態2に記載の方法。
4. 前記線維性疾患が肝臓の疾患を含む、実施形態1に記載の方法。
5. 前記線維性疾患が原発性硬化性胆管炎である、実施形態4に記載の方法。
6. 工程(a)においてrs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501の「A」アレルの保因者として前記被験体を同定する工程が、
a)標準ハイブリダイゼーション条件下で被験体由来の遺伝子材料を含むサンプルを、SEQ ID NO:1の核酸塩基400と核酸塩基600との間の少なくとも10個の連続核酸塩基にハイブリダイズ可能な核酸配列を接触させる工程であって、前記少なくとも10個の連続核酸塩基が位置501に核酸塩基を含む、工程と、
b)前記核酸配列と、SEQ ID NO:1の核酸塩基400と核酸塩基600との間の少なくとも10個の連続核酸塩基との結合を検出する工程とを含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
7. 前記標準ハイブリダイゼーション条件が約35℃~約65℃のアニーリング温度を含む、実施形態6に記載の方法。
8. 前記標準ハイブリダイゼーション条件がTaqManマスターミックス溶液で行われる、実施形態6または7に記載の方法。
9. 前記核酸配列が検出可能な分子に抱合される、実施形態6から8のいずれか1つに記載の方法。
10. 前記検出可能な分子がフルオロフォアを含む、実施形態9に記載の方法。
11. 前記核酸配列がクエンチャーに抱合される、実施形態6から10のいずれか1つに記載の方法。
12. 前記被験体由来の遺伝子材料を含むサンプルが、核酸増幅アッセイから得た遺伝子材料を増幅する、実施形態6から11のいずれか1つに記載の方法。
13. 前記核酸増幅アッセイが、rs911605内の少なくとも15個の連続核酸塩基を増幅可能な一対のプライマーによる前記被験体由来のDNAの増幅を含み、rs911605内の核酸塩基のうち1つが位置501にある、実施形態12に記載の方法。
14. 前記核酸増幅アッセイが、SEQ ID NO:9~10を含むプライマー対による被験体由来のDNAの増幅を含む、実施形態12に記載の方法。
15. 前記被験体が、DNAシーケンシングを含むプロセスにより「A」アレルの保因者であると判定されている、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
16. 前記被験体が、非病変個体または非病変個体の集団由来の対照レベルよりも大きなレベルの可溶性CD30をさらに含む、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法。
17. 前記被験体が「A」アレルに対してホモ接合である、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
18. 前記被験体がrs1006026(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501の「G」アレルの保因者である、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
19. 前記被験体が「G」アレルに対してホモ接合である、実施形態18に記載の方法。
20. 前記被験体が、SEQ ID NO:7および8のうち少なくとも1つを含む遺伝子型を有する、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
21. 炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを抱える、またはその疑いのある被験体のCD30リガンド活性または発現を阻害するか低下させる方法であって、該方法は、
a)SEQ ID NO:5および6のうち少なくとも1つを含む遺伝子型、および該遺伝子型との連鎖不平衡中に多型を有するものとして前記被験体を同定する工程と、
b)治療上有効な量の抗CD30リガンド抗体を前記被験体に投与する工程であって、それにより前記被験体のCD30リガンド活性または発現を阻害するか低下させる工程とを含む、方法。
22. 前記炎症性疾患がクローン病を含む、実施形態21に記載の方法。
23. 前記クローン病が慢性閉塞性クローン病を含む、実施形態22に記載の方法。
24. 前記線維性疾患が肝臓の疾患を含む、実施形態21に記載の方法。
25. 前記線維性疾患が原発性硬化性胆管炎である、実施形態24に記載の方法。
26. SEQ ID NO:5および6のうち少なくとも1つを含む遺伝子型を有するものとして前記被験体を同定する工程が、
a)標準ハイブリダイゼーション条件下で前記被験体由来の遺伝子材料を含むサンプルを、SEQ ID NO:5および6のうち少なくとも1つにそれぞれハイブリダイズ可能な核酸配列と接触させる工程と、
b)前記核酸配列とSEQ ID NO:5および6のうち少なくとも1つとの結合を検出する工程とを含む、実施形態21から25のいずれか1つに記載の方法。
27. 前記標準ハイブリダイゼーション条件が約35℃~約65℃のアニーリング温度を含む、実施形態26に記載の方法。
28. 前記標準ハイブリダイゼーション条件がTaqManマスターミックス溶液で行われる、実施形態26または27に記載の方法。
29. 前記核酸配列が検出可能な分子に抱合される、実施形態26から28のいずれか1つに記載の方法。
30. 前記検出可能な分子がフルオロフォアを含む、実施形態29に記載の方法。
31. 前記核酸配列がクエンチャーに抱合される、実施形態26から30のいずれか1つに記載の方法。
32. 前記被験体由来の遺伝子材料を含むサンプルが、核酸増幅アッセイから得た遺伝子材料を増幅する、実施形態26から31のいずれか1つに記載の方法。
33. 前記核酸増幅アッセイが、rs911605内の少なくとも15個の連続核酸塩基を増幅可能な一対のプライマーによる前記被験体由来のDNAの増幅を含み、rs911605内の少なくとも15個の核酸塩基がSEQ ID NO:5および/または6を含む、実施形態32に記載の方法。
34. 前記核酸増幅アッセイが、SEQ ID NO:9~10を含むプライマー対による被験体由来のDNAの増幅を含む、実施形態32に記載の方法。
35. 前記被験体が、DNAシーケンシングによりSEQ ID NO:5および/または6を含む遺伝子型を有すると判定されている、実施形態21から25のいずれか1つに記載の方法。
36. 前記被験体が可溶性CD30をさらに含む、実施形態21から35のいずれか1つに記載の方法。
37. 前記被験体がrs1006026(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501の「G」アレルの保因者である、実施形態21から36のいずれか1つに記載の方法。
38. 前記被験体が「G」アレルに対してホモ接合である、実施形態37に記載の方法。
39. 前記被験体が、SEQ ID NO:7および8のうち少なくとも1つを含む遺伝子型を有する、実施形態21から36のいずれか1つに記載の方法。
40. 被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維症性疾患を特徴付ける方法であって、rs911605内の核酸塩基501の「A」アレルの有無を同定するために前記被験体由来の遺伝子材料をアッセイする工程を含む、方法。
41. 前記「A」アレルが存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤による処置に、より好ましい予後を割り当てる工程をさらに含む、実施形態40に記載の方法。
42. 前記「A」アレルが存在しない場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤による処置に、あまり好ましくない予後を割り当てる工程をさらに含む、実施形態40に記載の方法。
43. 前記「A」アレルが存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤による処置に、前記被験体を割り当てる工程をさらに含む、実施形態40に記載の方法。
44. 前記「A」アレルが存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤を前記被験体に処方する工程をさらに含む、実施形態40に記載の方法。
45. 前記「A」アレルが存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む、実施形態40に記載の方法。
46. 前記抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤が抗CD30リガンド抗体またはその抗原結合フラグメントである、実施形態41から45のいずれか1つに記載の方法。
47. アッセイする工程が、rs911605内の少なくとも15個の核酸塩基を前記遺伝子材料から増幅する工程を含み、前記核酸塩基のうち1つがrs911605内の位置501にある、実施形態40から46のいずれか1つに記載の方法。
48. アッセイする工程が、前記遺伝子材料とSEQ ID NO:9~10を含むプライマー対との接触を含む核酸増幅アッセイを行う工程を含む、実施形態40から47のいずれか1つに記載の方法。
49. アッセイする工程が、SEQ ID NO:5および/または6を含む核酸を前記遺伝子材料にハイブリダイズする工程を含む、実施形態40から48のいずれか1つに記載の方法。
50. 前記核酸配列が検出可能な分子に抱合される、実施形態49に記載の方法。
51. 前記検出可能な分子がフルオロフォアを含む、実施形態50に記載の方法。
52. 前記核酸配列がクエンチャーに抱合される、実施形態49から51のいずれか1つに記載の方法。
53. アッセイする工程がDNAシーケンシングを含む、実施形態40から52のいずれか1つに記載の方法。
54. 前記被験体のCD30のレベルを測定する工程をさらに含む、実施形態40から53のいずれか1つに記載の方法。
55. アッセイする工程が、rs911605内の核酸塩基501の「A」アレルに対するホモ接合遺伝子型の有無を同定する、実施形態40から54のいずれか1つに記載の方法。
56. rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501の「G」アレルの有無を同定するために前記被験体由来の遺伝子材料をアッセイする工程をさらに含む、実施形態40から55のいずれか1つに記載の方法。
57. アッセイする工程が、rs1006026内の核酸塩基501の「G」アレルに対するホモ接合遺伝子型の有無を同定する、実施形態56に記載の方法。
58. SEQ ID NO:7および/または8の有無を同定するために前記被験体由来の遺伝子材料をアッセイする工程をさらに含む、実施形態40から57のいずれか1つに記載の方法。
59. 前記炎症性疾患がクローン病を含む、実施形態40から58のいずれか1つに記載の方法。
60. 前記クローン病が慢性閉塞性クローン病を含む、実施形態59に記載の方法。
61. 前記線維性疾患が肝臓の疾患を含む、実施形態40から58のいずれか1つに記載の方法。
62. 前記線維性疾患が原発性硬化性胆管炎である、実施形態61に記載の方法。
63. 実施態様40から62のいずれか1つに記載の被験体をCD30リガンド活性または発現の阻害剤で処置する工程を含む方法であって、前記被験体がrs911605内の核酸塩基501に「A」アレルを含む、方法。
64. 前記CD30リガンド活性の阻害剤が抗CD30リガンド抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、実施形態63に記載の方法。
65. 被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを特徴づける方法であって、SEQ ID NO:5および6のうち少なくとも1つを含む遺伝子型の有無を同定するために前記被験体由来の遺伝子材料をアッセイする工程を含む、方法。
66. 前記遺伝子型が存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤による処置に、より好ましい予後を割り当てる工程をさらに含む、実施形態65に記載の方法。
67. 前記遺伝子型が存在しない場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤による処置に、あまり好ましくない予後を割り当てる工程をさらに含む、実施形態65に記載の方法。
68. 前記遺伝子型が存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤による処置に、前記被験体を割り当てる工程をさらに含む、実施形態65に記載の方法。
69. 前記遺伝子型が存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤を前記被験体に処方する工程をさらに含む、実施形態65に記載の方法。
70. 前記遺伝子型が存在する場合に、抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む、実施形態65に記載の方法。
71. 前記抗CD30リガンド活性または発現の阻害剤が抗CD30リガンド抗体またはその抗原結合フラグメントである、実施形態65から70のいずれか1つに記載の方法。
72. アッセイする工程が、rs911605内の少なくとも15個の核酸塩基を前記遺伝子材料から増幅する工程を含み、前記核酸塩基のうち1つがrs911605内の位置501にある、実施形態65から71のいずれか1つに記載の方法。
73. アッセイする工程が、前記遺伝子材料とSEQ ID NO:9~10を含むプライマー対との接触を含む核酸増幅アッセイを行う工程を含む、実施形態65から72のいずれか1つに記載の方法。
74. アッセイする工程が、SEQ ID NO:5および/または6を含む核酸を前記遺伝子材料にハイブリダイズする工程を含む、実施形態65から73のいずれか1つに記載の方法。
75. 前記核酸配列が検出可能な分子に抱合される、実施形態74に記載の方法。
76. 前記検出可能な分子がフルオロフォアを含む、実施形態75に記載の方法。
77. 前記核酸配列がクエンチャーに抱合される、実施形態74から76のいずれか1つに記載の方法。
78. アッセイする工程がDNAシーケンシングを含む、実施形態65から77のいずれか1つに記載の方法。
79. 前記被験体のCD30のレベルを測定する工程をさらに含む、実施形態65から78のいずれか1つに記載の方法。
80. rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501の「G」アレルの有無を同定するために前記被験体由来の遺伝子材料をアッセイする工程をさらに含む、実施形態65から79のいずれか1つに記載の方法。
81. アッセイする工程が、rs1006026内の核酸塩基501の「G」アレルに対するホモ接合遺伝子型の有無を同定する、実施形態80に記載の方法。
82. SEQ ID NO:7および/または8の有無を同定するために前記被験体由来の遺伝子材料をアッセイする工程をさらに含む、実施形態65から81のいずれか1つに記載の方法。
83. 前記遺伝子型が存在する場合、クローン病(CD)として炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを特徴づける工程をさらに含む、実施形態65から82のいずれか1つに記載の方法。
84. 前記CDが慢性閉塞性CDを含む、実施形態83に記載の方法。
85. 前記遺伝子型が存在する場合、肝臓の疾患として炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを特徴づける工程をさらに含む、実施形態65から82のいずれか1つに記載の方法。
86. 前記線維性疾患が原発性硬化性胆管炎である、実施形態85に記載の方法。
87. 実施形態65から86のいずれか1つに記載の被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを処置する工程を含む方法であって、
a)実施形態65から86aのいずれか1つに記載の被験体に、CD30リガンド活性または発現の治療上有効な量の阻害剤を投与する工程であって、前記被験体がSEQ ID NO:5および6のうち少なくとも1つを含む遺伝子型を含んでいる、工程を含む、方法。
88. 前記CD30リガンド活性の阻害剤が抗CD30リガンド抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、実施形態87に記載の方法。
89. 炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを含む被験体における対象の遺伝子型を検出する方法であって、該方法は、
(a)被験体由来の遺伝子材料を、対象の遺伝子型に十分に相補的であり、かつ前記遺伝子型にハイブリダイズ可能な組成物と接触させる工程であって、前記組成物が、
(i)SEQ ID NO:5を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、
(ii)SEQ ID NO:6を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、
(iii)SEQ ID NO:7を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、
(iv)SEQ ID NO:8を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、
(v)(i)~(iv)からなる群から選択されるプローブとは最大3つの核酸塩基だけ異なる核酸配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブであって、対象の遺伝子型にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドプローブ、
(vi)(i)~(v)からなる群から選択されるプローブに相補的な核酸配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、または
(vii)(i)~(vi)からなる群から選択されるプローブの組み合わせを含む、工程と、
(b)前記検出可能に標識されたプローブを用いて前記組成物による前記遺伝子材料のハイブリダイゼーションの有無を検出する工程であって、それにより前記組成物による前記遺伝子材料のハイブリダイゼーションが被験体における対象の遺伝子型の存在を示す、工程とを含む、方法。
90. 前記対象の遺伝子型の存在が、CD30リガンドのレベル上昇を含む被験体を示す、実施形態89に記載の方法。
91. 前記炎症性疾患がクローン病(CD)を含む、実施形態89または90に記載の方法。
92. 前記CDが慢性閉塞性CDを含む、実施形態91に記載の方法。
93. 前記線維性疾患が肝臓の疾患を含む、実施形態89から92のいずれか1つに記載の方法。
94. 実施形態85から93のいずれか1つに記載の被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、または線維性疾患のうち少なくとも1つを処置する方法であって、
a)実施態様85から93のいずれか1つに記載の被験体に、CD30リガンド活性または発現の治療上有効な量の阻害剤を投与する工程であって、前記被験体が対象の遺伝子型を含む、工程を含む、方法。
95. 前記CD30リガンド活性の阻害剤が抗CD30リガンド抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、実施形態94に記載の方法。
96. SEQ ID NO:2の少なくとも10から50未満の連続核酸塩残基、またはその補体を含む組成物であって、前記連続核酸塩残基がSEQ ID NO:2の位置501に核酸塩基を含み、前記連続核酸塩残基が検出可能な分子に接続される、組成物。
97. 前記検出可能な分子がフルオロフォアである、実施形態96に記載の組成物。
98. 前記核酸塩基残基がクエンチャーに接続される、実施形態96または97に記載の組成物。
99. 前記連続核酸塩基残基がSEQ ID NO:5を含む、実施形態96から98のいずれか1つに記載の組成物。
100. 前記連続核酸塩基残基がSEQ ID NO:6を含む、実施形態96から99のいずれか1つに記載の組成物。
101. 実施形態96から100のうちいずれか1つに記載の組成物と、SEQ ID NO:9から10を有するプライマー対とを含むキット。
102. 実施形態96から101のうちいずれか1つに記載の組成物と、SEQ ID NO:11から12を有するプライマー対とを含むキット。
103. 実施形態96から102のうちいずれか1つに記載の組成物と、SEQ ID NO:7を含むプローブとを含むキット。
104. 実施形態96から103のうちいずれか1つに記載の組成物と、SEQ ID NO:8を含むプローブとを含むキット。
105. DNAが実施形態96から100のいずれか1つに記載の組成物に相補的な配列を含む場合に、前記組成物を前記DNAにハイブリダイズするように構成された条件下で、被験体由来のDNAを前記組成物、または実施形態100から104のいずれか1つに記載のキットと接触させる工程を含む、方法。
106. CD30リガンド活性または発現の阻害剤により実施形態105に記載の被験体を処置する工程を含む方法であって、前記被験体由来のDNAが前記組成物に相補的な配列を含む、方法。
107. 前記CD30リガンドの阻害剤が抗CD30リガンド抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、実施形態106に記載の方法。
108. 被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを進行させるリスクを同定する方法であって、該方法は
a)rs1006026およびrs911605のうち少なくとも1つと連鎖不平衡(LD)にあるCD30リガンド発現の増加に関連する多型を含む遺伝子型の存在を同定するために、前記被験体から得たサンプルをアッセイする工程と、
b)前記遺伝子型の存在が工程(a)で同定される場合、被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維疾患のうち少なくとも1つを進行させるリスクを同定する工程とを含む、方法。
109. 被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを特徴づける方法であって、該方法は
a)rs1006026およびrs911605のうち少なくとも1つと連鎖不平衡(LD)にあるCD30リガンド発現の増加に関連する多型を含む遺伝子型の存在を同定するために、前記被験体から得たサンプルをアッセイする工程と、
b)前記遺伝子型の存在が工程(a)で同定される場合、前記炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維疾患のうち少なくとも1つを炎症性腸疾患(IBD)または肝臓疾患として特徴づける工程とを含む、方法。
110. 被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを処置する方法であって、該方法は
a)rs1006026およびrs911605のうち少なくとも1つと連鎖不平衡(LD)にあるCD30リガンド発現の増加に関連する多型を含む遺伝子型の存在を同定するために、前記被験体から得たサンプルをアッセイする工程と、
b)前記遺伝子型の存在が工程(a)で同定される場合、前記被験体に治療上有効な量のCD30リガンドの阻害剤を投与する工程とを含む、方法。
111. rs1006026の前記多型が、rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む、実施形態108から110のいずれか1つに記載の方法。
112. 前記遺伝子型が「G」アレルに対してホモ接合である、実施形態111に記載の方法。
113. rs911605の前記多型が、rs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含む、実施形態108から112のいずれか1つに記載の方法。
114. LDが、(i)少なくとも約0.70のD’値、または(ii)0のD’値および少なくとも約0.70のR2値によって定められる、実施形態108から113のいずれか1つに記載の方法。
115. LDが、(i)少なくとも約0.80のD’値、または(ii)0のD’値および少なくとも約0.80のR2値によって定められる、実施形態108から113のいずれか1つに記載の方法。
116. LDが、(i)少なくとも約0.90のD’値、または(ii)0のD’値および少なくとも約0.90のR2値によって定められる、実施形態108から113のいずれか1つに記載の方法。
117. LDが、(i)少なくとも約0.95のD’値、または(ii)0のD’値および少なくとも約0.95のR2値によって定められる、実施形態108から113のいずれか1つに記載の方法。
118. 前記炎症性疾患、前記線維性狭窄疾患、および前記線維性疾患のうち少なくとも1つがクローン病(CD)である、実施形態108から117のいずれか1つに記載の方法。
119. 前記CDが閉塞性CDである、実施形態118に記載の方法。
120. 前記炎症性疾患、前記線維性狭窄疾患、および前記線維性疾患のうち少なくとも1つが肝臓疾患である、実施形態118に記載の方法。
122. 前記肝臓疾患が原発性硬化性胆管炎である、実施形態120に記載の方法。
【0236】
キット
本開示はさらに、本明細書に記載される標的核酸の存在、不在、および/または量を検出するためのキットを提供する。いくつかの例では、位置501に「A」を伴うrs911605の多型を含む、本明細書に開示される遺伝子型の核酸配列を検出および/または定量するためのキットが提供される。場合によっては、前記キットは、被験体がrs911605の「A」アレルに対してホモ接合またはヘテロ接合であるか否かの検出を提供する。いくつかの例では、rs1106026にアレルを含む核酸配列を検出および/または定量するためのキットが提供される。場合によっては、rs1106026のアレルは「G」を含む。場合によっては、前記キットは、被験体がrs1006026の「G」アレルに対してホモ接合またはヘテロ接合であるか否かの検出を提供する。
【0237】
いくつかの実施形態では、前記キットは核酸またはポリペプチドの単離試薬を含む。いくつかの実施形態では、前記キットは、1つ以上の検出試薬、例えば炎症性腸疾患、線維性狭窄疾患、および/または線維性疾患などの疾患または疾病に関連する標的核酸配列の増幅、または該標的核酸配列へのハイブリダイゼーションのためのプローブおよび/またはプライマーを含む。いくつかの実施形態では、前記キットは、ハウスキーピング遺伝子などの遺伝子を制御するためのプライマーおよびプローブを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子を制御するためのプライマーおよびプローブは、例えばΔCt計算に使用される。いくつかの実施形態では、前記プローブまたはプライマーは、酵素標識、蛍光標識、または放射性核種標識で標識される。
【0238】
いくつかの例では、キットは、rs911605の多型を同定するためのプライマーを含む。いくつかの例では、キットは、rs1006026の多型を同定するためのプライマーを含む。いくつかの例では、キットは、rs911605を同定するための第1のプライマー対と、rs1006026を同定するための第2のプライマー対とを含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:1の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:1の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:2の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:2の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:3の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:3の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:4の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:4の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:5の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:5の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:6の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:6の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:7の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:7の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:8の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。場合によっては、プライマーは、SEQ ID NO:8の逆相補の少なくとも約10個の連続核酸塩基の配列を含む。
【0239】
いくつかの例では、プライマー対はSEQ ID NO:9および10を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:9に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:10に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。いくつかの例では、プライマー対はSEQ ID NO:11および12を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:11に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。いくつかの例では、プライマーは、SEQ ID NO:12に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。
【0240】
いくつかの例では、本明細書に記載されるキットはプローブを含む。いくつかの例では、前記プローブは、rs911605にアレルを含むポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする。場合によっては、rs911605のアレルは「A」アレルである。いくつかの例では、前記プローブは、rs1006026にアレルを含むポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする。場合によっては、rs1006026のアレルは「G」アレルである。場合によっては、前記プローブはSEQ ID NO:13を含む。いくつかの例では、前記プローブは、SEQ ID NO:13に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。場合によっては、前記プローブはSEQ ID NO:14を含む。いくつかの例では、前記プローブは、SEQ ID NO:14に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。場合によっては、前記プローブはSEQ ID NO:15を含む。いくつかの例では、前記プローブは、SEQ ID NO:15に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。場合によっては、前記プローブはSEQ ID NO:16を含む。いくつかの例では、前記プローブは、SEQ ID NO:16に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。
【0241】
本明細書に記載されるキットは、特定の遺伝子型を同定するために使用されてもよい。いくつかの例では、前記キットは、rs911605A遺伝子型の標的核酸配列を含むか、またはその疑いのある核酸材料を増幅するために使用される。いくつかの例では、前記キットは、rs1006026G遺伝子型の標的核酸配列を含むか、またはその疑いのある核酸材料を増幅するために使用される。いくつかの例では、前記キットは、rs911605A遺伝子型の標的核酸配列およびrs1006026G遺伝子型の標的核酸配列を含むか、またはその疑いのある核酸材料を増幅するために使用される。
【0242】
いくつかの実施形態では、キットは、バイアルやチューブなどの1つ以上の容器を受けるように区画されている運搬体、パッケージ、または容器を含み、その容器の各々は、本明細書に記載される方法に使用される個別の要素の1つを含む。適切な容器として、例えばボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が挙げられる。他の実施形態では、前記容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成される。
【0243】
いくつかの実施形態では、前記キットは1つ以上の追加の容器を含んでおり、その各々は、本明細書に記載されるの使用のための商用およびユーザーの観点から望ましい、様々な材料(随意に高濃度の試薬、及び/又はデバイスなど)の1つ以上を有している。このような材料の非限定的な例として、緩衝液、プライマー、酵素、希釈液、フィルター、運搬体、パッケージ、容器、バイアル、および/または、内容物および/または使用説明を列記するチューブラベル、ならびに使用説明を含むパッケージインサートが挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては一組の指示書が含まれる。さらなる実施形態では、ラベルは、容器の上にあるか、または容器に付随されている。またさらなる実施形態では、ラベルを形成する文字、数字、または他の文字が容器自体に取り付けられ、成型され、またはエッチングされる場合、ラベルは容器の上にある。例えばパッケージインサートとして、容器を保持するレセプタクルまたは運搬体内に存在するとき、ラベルは容器に付随される。他の実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用されることを示すために使用される。また別の実施形態では、ラベルはまた、本明細書に記載される方法などにおける内容物の使用に関する方向性を示す。
【0244】
システム
本明細書には、いくつかの実施形態では、被験体の特定の遺伝子型を検出するためのシステムが開示される。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型はrs911605に多型を含む。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型はrs1006026に多型を含む。いくつかの実施形態では、前記遺伝子型は、rs911605の多型とrs1006026の多型とを含むハプロタイプである。前記システムは、被験体がCD30Lの阻害剤による処置に適しているかどうかを判定するために特定の遺伝子型の存在を検出することを含むがこれに限定されない、本開示に記載される方法を実施するように構成される。
【0245】
いくつかの実施形態では、本明細書には、被験体の遺伝子型を検出するためのシステムが開示され、該システムは、(a)場合によってはコンピューターネットワークに接続されるコンピューター処理装置と、(b)被験体由来のサンプル中のrs911605および/またはrs1006026に多型を含む遺伝子型の標的核酸配列を分析するためにコンピューター処理装置により実行されるソフトウェアモジュールとを含む。いくつかの例では、前記遺伝子型はrs911605Aおよび/またはrs1006026Gを含む。いくつかの例では、前記システムは中央処理装置(CPU)、メモリー(例えばランダムアクセスメモリー、フラッシュメモリー)、電子記憶装置、コンピュータープログラム、1つ以上の他のシステムと通信する通信インターフェース、およびそれらの任意の組み合わせを備える。いくつかの例では、前記システムは、コンピューターネットワーク、例えばインターネット、イントラネット、および/またはインターネット、電気通信、あるいはデータネットワークと通信するエクストラネットにつながれる。いくつかの実施形態では、前記システムは、本開示に記載される方法の任意の態様に関するデータおよび情報を記憶するための記憶装置を備える。前記システムの様々な態様は、製品、物品、または製造品である。
【0246】
コンピュータープログラムの1つの特徴は、デジタル処理装置のCPUにて実行可能であり、特別なタスクを実行するために書かれた一連の命令を含む。いくつかの実施形態では、コンピューター可読命令は、特定のタスクを実行するか特定の抽象データ型を実装する、機能、特徴、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、データ構造などのプログラムモジュールとして実施される。いくつかの実施形態では、前記コンピュータープログラムは、(a)被験体の遺伝子型の有無に対応するデータを受信し、(b)rs911605および/またはrs1006026(例えば、rs911605Aおよび/またはrs1006026G)の有無を検出し、(c)前記被験体が疾患または障害を抱えるか進行させる、および/または本明細書に記載される治療薬に反応するリスクを示すスコアを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、前記スコアは、疾患あるいは障害、および/または治療薬への反応に対して陽性あるいは陰性である。いくつかの実施形態では、前記コンピュータープログラムは複数の訓練サンプルで訓練され、前記被験体由来のサンプルは複数の訓練サンプルから独立している。いくつかの実施形態では、前記訓練サンプルは、前記疾患または障害と診断された個体の基準集団、および、正常である(例えば、疾患または障害と診断されておらず、疾患または障害を有していない)個体の基準集団に由来する。いくつかの実施形態では、ポリネジックリスクスコア(PRS)が計算される。いくつかの実施形態では、前記PRSは、被験体に存在する遺伝子型内の多数のリスクアレルと、前記遺伝子型と疾患または疾病との関連性のベータ値またはオッズ比に比例する重みとの正規化された加重合計を含む。遺伝子型の不在が検出される程度まで、本明細書に開示されるシステムは、PRSを検出するためにサロゲート遺伝子型の有無に対応するデータを含む。いくつかの実施形態では、サロゲート遺伝子型は、少なくとも約0.8、約0.85、約0.90、約0.95、または約1.0のr2値により判定されるように、不在遺伝子型との連鎖不平衡(LD)である場合に選択される。
【0247】
前記コンピューター可読命令の機能性は、様々な環境において望ましいものとして組み合わせられるか、または分布されてもよい。いくつかの例では、コンピュータープログラムは、命令の1つのシーケンス、または命令の複数のシーケンスを含む。コンピュータープログラムは1つの位置から提供されてもよい。コンピュータープログラムは複数の位置から提供されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータープログラムは1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータープログラムは、部分的または全体的に、1つ以上のウェブアプリケーション、1つ以上のモバイルアプリケーション、1つ以上の独立型アプリケーション、1つ以上のウェブ・ブラウザ・プラグイン、エクステンション、アドイン、あるいはアドオン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0248】
ウェブアプリケーション
【0249】
いくつかの実施形態では、コンピュータープログラムはウェブアプリケーションを備える。本明細書で提供される開示に照らして、当業者は、ウェブアプリケーションが1つ以上のソフトウェアフレームワークおよび1つ以上のデータベースシステムを利用する場合があることを認識する。ウェブアプリケーションは例えば、Microsoft(登録商標).NETまたはRuby on Rails(RoR)などのソフトウェアフレームワーク上で作成される。いくつかの例では、ウェブアプリケーションは、限定されないがリレーショナル、非リレーショナル、機能指向、連想型、およびXMLのデータベースシステムを含む、1つ以上のデータベースシステムを利用する。適切なリレーショナルデータベースシステムとして、限定されないが、Microsoft(登録商標)SQL Server、mySQL(商標)、およびOracle(登録商標)が挙げられる。当業者は、ウェブアプリケーションが1つ以上の言語の1以上のバージョンで書かれる場合があることも認識する。いくつかの実施形態では、ウェブアプリケーションは、1つ以上のマークアップ言語、プレゼンテーション定義言語、クライアント側スクリプト言語、サーバー側コーディング言語、データベース問い合わせ言語、またはそれらの組み合わせで書かれる。いくつかの実施形態では、ウェブアプリケーションは、Hypertext Markup Language(HTML)、Extensible Hypertext Markup Language(XHTML)、またはeXtensible Markup Language(XML)などのマークアップ言語で、ある程度書かれる。いくつかの実施形態では、ウェブアプリケーションは、Cascading Style Sheets(CSS)などのプレゼンテーション定義言語で、ある程度書かれる。いくつかの実施形態では、ウェブアプリケーションは、Asynchronous Javascript and XML(AJAX)、Flash(登録商標)Actionscript、Javascript、またはSilverlight(登録商標)などのクライアント側スクリプトで、ある程度書かれる。いくつかの実施形態では、ウェブアプリケーションは、Active Server Pages(ASP)、ColdFusion(登録商標)、Perl、Java(商標)、JavaServer Pages(JSP)、Hypertext Preprocessor(PHP)、Python(商標)、Ruby、Tcl、Smalltalk、WebDNA(登録商標)、またはGroovyなどのサーバー側コード化言語で、ある程度書かれる。いくつかの実施形態では、ウェブアプリケーションは、Structured Query Language(SQL)などのデータベース照会言語で、ある程度書かれる。ウェブアプリケーションは、IBM(登録商標)Lotus Domino(登録商標)などの企業サーバー製品を統合していてもよい。ウェブアプリケーションはメディアプレイヤー要素を備えてもよい。メディアプレイヤー要素は、限定されないが、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)、HTML 5、Apple(登録商標)QuickTime(登録商標)、Microsoft(登録商標)Silverlight(登録商標)、Java(登録商標)、およびUnity(登録商標)を含む、多くの適切なマルチメディア技術製品のうち1つ以上を利用してもよい。
【0250】
モバイルアプリケーション
【0251】
いくつかの例では、コンピュータープログラムは、モバイルデジタル処理装置に設けられるモバイルアプリケーションを備える。該モバイルアプリケーションは、製造時にモバイルデジタル処理装置に設けられてもよい。前記モバイルアプリケーションは、本明細書に記載されるコンピューターネットワークを介してモバイルデジタル処理装置に設けられてもよい。
【0252】
モバイルアプリケーションは、当該技術分野で既知のハードウェア、言語、および開発環境を使用する、当業者に既知の技術によって作成される。当業者は、モバイルアプリケーションが様々な言語で書かれてもよいことを認識する。適切なプログラミング言語として、限定されないが、C、C++、C#、Featureive-C、Java(商標)、Javascript、Pascal、Feature Pascal、Python(商標)、Ruby、VB.NET、WML、および、CSSの有無にかかわらずXHTML/HTML、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0253】
適切なモバイルアプリケーション開発環境は様々なソースから利用可能である。市販で入手可能な開発環境として、限定されないが、AirplaySDK、alcheMo、Appcelerator(登録商標)、Celsius、Bedrock、Flash Lite、.NET Compact Framework、Rhomobile、およびWorkLight Mobile Platformが挙げられる。他の開発環境はコスト無しで利用可能であり、限定されないが、Lazarus、MobiFlex、MoSync、およびPhonegapが挙げられる。また、モバイルデバイスのメーカーは、iPhone(登録商標)およびiPad(登録商標)(iOS)SDK、Android(商標)SDK、BlackBerry(登録商標)SDK、BREW SDK、Palm(登録商標)OS SDK、Symbian SDK、webOS SDK、およびWindows(登録商標)Mobile SDKを含むがこれらに限定されない、ソフトウェア開発キットを流通させている。
【0254】
当業者は、様々な商用のフォーラムが、Apple(登録商標)App Store、Android(商標)Market、BlackBerry(登録商標)App World、Palm devicesのApp Store、webOSのApp Catalog、MobileのWindows(登録商標)Marketplace、Nokia(登録商標)デバイスのOvi Store、Samsung(登録商標)Apps、およびNintendo(登録商標)DSi Shopを含むがこれらに限定されない、モバイルアプリケーションの流通に利用可能であることを認識する。
【0255】
独立型アプリケーション
【0256】
いくつかの実施形態では、コンピュータープログラムは独立型アプリケーションを備えており、該アプリケーションは、既存のプロセスへのアドオン、例えばプラグインではなく、独立したコンピュータプロセスとして実行されてもよいプログラムである。当業者は、独立型アプリケーションが時にコンパイルされることを認識する。いくつかの例では、コンパイラーは、プログラミング言語で書かれたソースコードを、アセンブリ言語または機械コードなどのバイナリコード(binary feature code)へ変換させるコンピュータープログラムである。コンパイルされた適切なプログラミング言語として、限定されないが、C、C++、Featureive-C、COBOL、Delphi、Eiffel、Java(商標)、Lisp、Python(商標)、Visual Basic、およびVB.NET、またはそれらの組み合わせが挙げられる。コンパイルは、実行可能なプログラムを作成するために少なくとも部分的に行われることが多い。いくつかの例では、コンピュータープログラムは1つ以上の実行可能なコンパイルされたアプリケーションを備える。
【0257】
ウェブ・ブラウザ・プラグイン
【0258】
コンピュータープログラムは、いくつかの態様ではウェブ・ブラウザ・プラグインを備える。コンピューティングでは、プラグインはいくつかの例では、より大きなソフトウェアアプリケーションに特手の機能性を加える1つ以上のソフトウェアコンポーネントである。ソフトウェアアプリケーションのメーカーは、第三者である開発者が、アプリケーションを拡張させる性能を作り出し、新たな機能の容易な追加を支援し、かつアプリケーションのサイズを減らすことを可能にするように、プラグインを支持してもよい。支持されるとプラグインは、ソフトウェアアプリケーションの機能性のカスタマイズを可能にする。例えばプラグインは、ビデオを再生し、対話性を生成し、ウイルスをスキャンし、および特定のファイルタイプを表示するために、ウェブブラウザで一般的に使用される。当業者は、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)Player、Microsoft(登録商標)Silverlight(登録商標)、およびApple(登録商標)QuickTime(登録商標)を含む、様々なウェブブラウザのプラグインに精通している。ツールバーは、1つ以上のウェブブラウザの拡張、アドイン、またはアドオンを備えてもよい。前記ツールバーは、1つ以上のエクスプローラーバー、ツールバンド、またはデスクバンドを備えてもよい。
【0259】
本明細書で提供される開示を考慮して、当業者の認識では、様々なプラグインフレームワークが、C++、Delphi、Java(商標)、PHP、Python(商標)、およびVB.NET、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々なプログラミング言語でプラグインの開発を可能にするように利用可能である。
【0260】
いくつかの実施形態では、ウェブブラウザ(インターネットブラウザとも呼ばれる)は、ワールドワイドウェブ上で情報資源を検索、提示、およびトラバースする(traversing)ために、ネットワーク接続されたデジタル処理装置を使用するように設計されたソフトウェアアプリケーションである。適切なウェブブラウザとして、限定されないが、Microsoft(登録商標)Internet Explorer(登録商標)、Mozilla(登録商標)Firefox(登録商標)、Google(登録商標)Chrome、Apple(登録商標)Safari(登録商標)、Opera Software(登録商標)Opera(登録商標)、およびKDE Konquerorが挙げられる。ウェブブラウザはいくつかの例では、モバイルウェブブラウザである。モバイルウェブブラウザ(マイクロブラウザ、ミニブラウザ、および無線ブラウザとも呼ばれる)は、ハンドヘルドコンピューター、タブレットコンピューター、ネットブックコンピューター、サブノートブックコンピューター、スマートフォン、音楽プレーヤー、携帯情報端末(PDA)、およびハンドヘルドビデオゲームシステムを含むがこれらに限定されない、モバイルデジタル処理装置と共に使用するために設計される。適切なモバイルウェブブラウザとして、限定されないが、Google(登録商標)Android(登録商標)ブラウザ、RIM BlackBerry(登録商標)ブラウザ、Apple(登録商標)Safari(登録商標)、Palm(登録商標)Blazer、Palm(登録商標)WebOS(登録商標)Browser、携帯用のMozilla(登録商標)Firefox(登録商標)、Microsoft(登録商標)Internet Explorer(登録商標)Mobile、Amazon(登録商標)Kindle(登録商標)Basic Web、Nokia(登録商標)Browser、Opera Software(登録商標)Opera(登録商標)Mobile、およびSony(登録商標)PSP(商標)Browserが挙げられる。
【0261】
ソフトウェアモジュール
【0262】
本明細書に開示される媒体、方法、およびシステムは、1つ以上のソフトウェア、サーバー、およびデータベースモジュール、またはそれらの使用を含む。本明細書で提供される開示を考慮して、ソフトウェアモジュールは、当該技術分野で既知のマシン、ソフトウェア、および言語を使用する、当業者に既知の技術製品により作成されてもよい。本明細書に開示されるソフトウェアモジュールは多数の方法で実施されてもよい。様々な実施形態では、ソフトウェアモジュールは、ファイル、コードのセクション、プログラミング特徴、プログラミング構造、またはそれらの組み合わせを備える。ソフトウェアモジュールは、複数のファイル、複数のコードのセクション、複数のプログラムミング特徴、複数のプログラムミング構造、またはそれらの組み合わせを備えてもよい。非限定的な例として、1つ以上のソフトウェアモジュールは、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、および/または独立型アプリケーションを備える。ソフトウェアモジュールは1つのコンピュータープログラムまたはアプリケーションにあってもよい。ソフトウェアモジュールは1より多くのコンピュータープログラムまたはアプリケーションにあってもよいソフトウェアモジュールは1つのマシンにホストされてもよい。ソフトウェアモジュールは1より多くのマシンにホストされてもよい。ソフトウェアモジュールはクラウド・コンピューティング・プラットフォームにホストされてもよい。ソフトウェアモジュールは、1つの場所で1つ以上のマシンにホストされてもよい。ソフトウェアモジュールは、1より多くの場所で1つ以上のマシンにホストされてもよい。
【0263】
データベース
【0264】
本明細書に開示される媒体、方法、およびシステムは、1つ以上のデータベース、またはその使用を含む。本明細書に提供される開示を考慮して、当業者は、多くのデー夕ベースが、地質特性、演算子活動、パーセル(parcel)、および/またはロイヤルティ所有者の接触情報の記憶と検索に適切であることを認識する。様々な実施形態では、適切なデータベースとして、リレーショナルデータベース、非リレーショナルデータベース、特徴指向データベース、特徴データベース、実体関連モデルデータベース、連想データベース、およびXMLデータベースが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、デー夕ベースはインターネットベースである。いくつかの実施形態では、デー夕ベースはウェブベースである。いくつかの実施形態では、デー夕ベースはクラウドコンピューティングベースである。データベースは、1つ以上の局所的コンピューター・ストレージ・デバイスをベースとしてもよい。
【0265】
データ伝送
【0266】
特定の遺伝子型を検出する方法を含む、本明細書に記載される発明特定事項は、1つ以上の場所にある1つ以上の施設で行われるように構成される。施設の場所は国により限定されず、あらゆる国または領域を含む。いくつかの例では、1つ以上の工程は、方法の別の工程が行われる国とは異なる国で行われる。いくつかの例では、サンプルを得るための1つ以上の工程は、サンプルからの特定の遺伝子型の有無を検出するための1つ以上の工程が行われる国とは異なる国で行われる。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムに関与する1つ以上の方法の工程は、本明細書に提供される方法の別の工程が行われる国とは異なる国で行われる。いくつかの実施形態では、データ処理および分析は、本明細書に記載される方法の1つ以上の工程が行われる国または場所とは異なる国または場所で行われる。いくつかの実施形態では、1つ以上の物品、製品、またはデータは、分析またはさらなる分析のために、施設の1つ以上から、1つ以上の異なる施設へと送られる。物品として、被験体から得られる1つ以上の成分、例えば、加工された細胞材料を含むが、これらに限定されない。加工された細胞材料は、RNAから逆転写されたcDNA、増幅RNA、増幅cDNA、配列決定DNA、単離および/または精製RNA、単離および/または精製DNA、ならびに単離および/または精製ポリペプチドを含むが、これらに限定されない。データとして、被験体の遺伝子型、CD30の量、および本明細書に開示される方法により産生される任意のデータに関する情報が挙げられる、これらに限定されない。本明細書に記載される方法およびシステムのいくつかの実施形態では、分析が実行され、その後のデータ送信工程は分析の結果を伝達または送信する。
【0267】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の方法の工程は、コンピューター上のソフトウェアプログラムまたはモジュールにより行われる。付加的またはさらなる実施形態では、本明細書に記載される任意の方法の工程からのデータは、同じまたは異なる国にある施設に、または該施設から送信されるものであり、特定の場所の1つの施設にて行われた分析、および同じまたは異なる国の別の施設か、あるいは個人に直接送られるデータが挙げられる。付加的またはさらなる実施形態では、本明細書に記載される任意の方法の工程からのデータは、同じまたは異なる国にある施設に送られ、および/または該施設から受け取られるものであり、特定の場所の1つの施設にて行われる遺伝子または加工細胞材料などのデータ入力の分析、および同じまたは異なる国の別の施設か、あるいは個人に直接送られる、診断、予後、治療反応などに関連するデータといった対応データが挙げられる。
【0268】
本明細書には、いくつかの実施形態では以下が開示される。
1. 被験体由来のサンプルを評価するためのコンピューターシステムであって、
a)中央コンピューティング環境と、
b)前記中央コンピューティング環境に動作可能に接続された入力装置であって、前記入力装置が、前記サンプル中の疾患状態と相関する遺伝子型の有無を受け取るように構成されている、入力装置と、
c)前記中央コンピューティング環境により実行される訓練アルゴリズムであって、前記訓練アルゴリズムが、前記サンプルを疾患サンプルまたは正常サンプルとして分類するために前記遺伝子型の有無を使用するように構成される、訓練アルゴリズムと、
d)前記中央コンピューティング環境に動作可能に接続された出力装置であって、前記出力装置が前記分類に関する情報をユーザーに提供するよう構成される、出力装置とを備えている、コンピューターシステム。
2. 前記疾患状態が、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを含む、実施形態1に記載のコンピューターシステム。
3. 前記疾患状態は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、閉塞性CD、潰瘍性大腸炎(UC)、腸線維症、腸線維狭窄症、および原発性硬化性胆管炎からなる群から選択される、実施形態1または2に記載のコンピューターシステム。
4. 前記サンプルが全血、血漿、血清、または組織を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
5. 前記遺伝子型は、表1~14のいずれか1つから選択される少なくとも1つの多型、該多型と連鎖不平衡(LD)にある多型、およびそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
6. 前記遺伝子型は、rs1006026の多型、rs911605の多型、および前記多型と連鎖不平衡(LD)にある多型、またはそれらの任意の組み合わせのうち少なくとも1つを含む、実施形態1から5のいずれかコンピューターシステム。
7. rs1006026の前記多型が、rs1006026(SEQ ID NO:3)内の核酸塩基501に「G」アレルを含む、実施形態6に記載のコンピューターシステム。
8. 前記遺伝子型が「G」アレルに対してホモ接合である、実施形態7に記載のコンピューターシステム。
9. rs911605の前記多型が、rs911605(SEQ ID NO:1)内の核酸塩基501に「A」アレルを含む、実施形態6に記載のコンピューターシステム。
10. LDが、少なくとも0.80、0.85、0.90、0.95、または1.0のr2値により定められる、実施形態5から9のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
11. 前記遺伝子型が、前記疾患状態を多くとも約1.0×10-6、約1.0×10-7、約1.0×10-8、約1.0×10-9、約1.0×10-10、約1.0×10-20、約1.0×10-30、約1.0×10-40、約1.0×10-50、約1.0×10-60、約1.0×10-70、約1.0×10-80、約1.0×10-90、または約1.0×10-100のP値まで抱えているか、またはそれを進行させるリスクに関連している、実施形態1から10のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
12. 前記出力装置が、前記分類に関する前記情報を要約したレポートを提供する、実施形態1から11のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
13. 前記報告が、前記疾患状態の処置の推奨を含む、実施形態1から12のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
14. 前記処置が、CD30リガンド活性または発現の阻害剤の投与を含む、実施形態13に記載のコンピューターシステム。
15. 前記CD30リガンド活性または発現の阻害剤が、抗体あるいは抗原結合フラグメント、ペプチド、または小分子を含む、実施形態14に記載のコンピューターシステム。
16. 前記遺伝子型は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、定量的逆転写PCR(qpcr)、自動シーケンシング、遺伝子型アレイ、またはそれらの組み合わせを含むアッセイにより判定される、実施形態1から16のいずれか1つに記載のコンピューターシステム。
17. 被験体由来のサンプルを疾患状態または非疾患状態として分類する報告を作成するための、1つ以上の結合剤を含む組成物の使用であって、前記1つ以上の結合剤は、rs1006026(SEQ ID NO:4)、rs911605(SEQ ID NO:2)、それらの補体、それらと連鎖不平衡にある多型、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つに特異的に結合する、使用。
18. 前記報告を作成することはさらに、
a)被験体由来のサンプルを提供することと、
b)1つ以上の遺伝子中の1つ以上の多型の存在を検出するために被験体由来のサンプルをアッセイすることと、
c)工程(b)の結果に基づいて報告を作成することと、
d)工程(b)の結果に基づいて前記被験体が前記疾患を抱えているか、またはその可能性があるかを判定すること
とを含む、実施形態17に記載の使用。
19. 前記疾患状態が、炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを含む、実施形態17または18に記載の使用。
20. 前記疾患状態は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、閉塞性CD、潰瘍性大腸炎(UC)、腸線維症、腸線維狭窄症、および原発性硬化性胆管炎からなる群から選択される、実施形態17から19のいずれか1つに記載の使用。
21. 前記サンプルが全血、血漿、血清、または組織を含む、実施形態17から20のいずれか1つに記載の使用。
22. 工程(b)の1つ以上の多型の存在を検出するための前記被験体由来のサンプルをアッセイすることは、
a)前記サンプルを1つ以上の多型に特異的に結合する1つ以上の結合剤と接触させることと、
b)前記サンプルが前記1つ以上の結合剤に特異的に結合するかどうかを判定することであって、前記1つ以上の結合剤への前記サンプルの結合が被験体の多型の存在を示す、判定すること
とを含む、実施形態18に記載の使用。
23. 工程(b)の1つ以上の多型の存在を検出するための前記被験体由来のサンプルをアッセイすることは、前記サンプルのシーケンシングを含む、実施形態18に記載の使用。
24. 工程(b)の1つ以上の多型の存在を検出するために被験体由来のサンプルをアッセイすることは、rs1006026(SEQ ID NO:4)またはrs911605(SEQ ID NO:2)のうち少なくとも1つを含むDNAの量を定量することを含む、実施形態18に記載の使用。
25. 前記定量がPCRを含む、実施形態24に記載の使用。
26. 前記PCRがリアルタイムPCRを含む、実施形態25に記載の使用。
27. 前記定量がハイブリダイゼーションを含む、実施形態24に記載の使用。
28. rs1006026(SEQ ID NO:4)またはrs911605(SEQ ID NO:2)のうち少なくとも1つに特異的に結合する1つ以上の結合剤、またはその補体を含む組成物であって、前記1つ以上の結合剤は、サンプルを疾患状態または非疾患状態として分類するように選択される、組成物。
29. 前記1つ以上の結合剤がオリゴヌクレオチドを含む、実施形態28に記載の組成物。
30. 前記1オリゴヌクレオチドがRNAまたはDNAを含む、実施形態29に記載の組成物。
31. 前記1つ以上の結合剤が、アプタマー、抗体、ペプチド核酸、またはピラノシルRNAを含む、実施形態29に記載の組成物。
32. 被験体の炎症性疾患、線維性狭窄疾患、および線維性疾患のうち少なくとも1つを検出するためのキットであって、該キットは、
a)rs1006026(SEQ ID NO:4)またはrs911605(SEQ ID NO:2)のうち少なくとも1つに特異的に結合する少なくとも1つの結合剤、またはその補体であって、前記少なくとも1つの結合剤は、疾患状態または非疾患状態を検出するように選択される、結合剤またはその補体と、
b)被験体由来のDNAサンプルへの前記少なくとも1つの結合剤の結合を検出するための試薬とを含む、キット。
33. 前記少なくとも1つの結合剤が少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む、実施形態32に記載のキット。
34. 前記少なくとも1つの結合剤が、少なくとも1つのアプタマー、抗体、ペプチド核酸、またはピラノシルRNAを含む、実施形態32に記載のキット。
35. 前記少なくとも1つの結合剤が、検出可能な標識で標識される、実施形態32から34のいずれか1つに記載のキット。
36. 前記少なくとも1つの結合剤が表面に固定される、実施形態32から35のいずれか1つに記載のキット。
37. サンプルを疾患状態または非疾患状態に分類する報告を作成するためのシステムであって、該システムは、
a)コンピューターシステムであって、
i.少なくとも1つの多型またはその補体の存在に基づいてDNAサンプルの分子プロファイルを作成し、
ii.前記分子プロファイルに基づいて前記サンプルを分類する報告を作成する、コンピューターシステムと、
b)前記レポートを表示するコンピュータースクリーンとを備える、システム。
38. 前記少なくとも1つの多型の存在が、前記DNAサンプルのアッセイの結果に基づいており、前記結果がデータベースに入力される、実施形態37に記載のシステム。
39. 前記結果に対する入力をさらに含む、実施形態37または38に記載のシステム。
40. 前記少なくとも1つの多型が表1~14のうちいずれか1つから選択される、実施形態37から39のいずれか1つに記載のシステム。
41. 前記少なくとも1つの多型が、rs1006026(SEQ ID NO:4)の多型、rs911605(SEQ ID NO:2)の多型、および該多型と連鎖不平衡にある多型のうち少なくとも1つを含む、実施形態37から41のいずれか1つに記載のシステム。
42. rs1006026の多型がホモ接合である、請求項41に記載のシステム。
【0269】
定義
以下の記載では、ある具体的な詳細が、様々な実施形態に対する徹底的な理解をもたらすために説明される。しかし、当業者は、提供される実施形態はこれらの詳細無しでも実施できることを理解するであろう。文脈で他に要求されない限り、本明細書と以下の請求項の全体にわたり、語「含む(comprise)」および「含む(comprises)」や「含むこと(comprising)」などの変形は、開放的かつ包括的な意味、つまり、「~を含むが、限定されない(including,but not limited)」として解釈されるべきである。本明細書と添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、他に明記されない限り、複数の指示物を含む。用語「または」は全体として、内容が他に明確に支持しない限り、「および/または」を含む意味で利用されることにも留意されたい。さらに、本明細書に提供される見出しは利便性のためだけに提供されるものであり、請求された実施形態の範囲または意味を解釈するものではない。
【0270】
本明細書では、用語「相同」、「相同性」、または「相同率」は、基準配列に対してアミノ酸配列または核酸配列について記述するべく使用されたとき、Karlin and Altschulに記載される式を使用して求めることができる(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-2268,1990,modified as in Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5877,1993)。このような式は、Altschul et alのbasic local alignment search toule(BLAST)プログラムに組み込まれる(J Mol Biol.1990 Oct 5;215(3):403-10;Nucleic Acids Res.1997 Sep 1;25(17):3389-402)。配列の相同率は、本出願の出願日時点で最新バージョンのBLASTを用いて求めることができる。配列の同一率は、本出願の出願日時点で最新バージョンのBLASTを用いて求めることができる。
【0271】
用語「増加した」または「増加する」は、本明細書では全体として、統計的に相当な量の増加を意味するように使用される。いくつかの実施形態では、用語「増加した」または「増加する」は、基準レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、基準レベル、標準レベル、または対照レベルと比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、あるいは最大100%の増加、または10~100%の間の任意の増加を意味する。「増加する」の他の例として、基準レベルと比較して少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍、またはそれ以上の増加が挙げられる。
【0272】
用語「減少した」または「減少する」は、本明細書では全体として、統計的に相当な量の減少を意味するように使用される。いくつかの実施形態では、用語「減少した」または「減少する」は、基準レベルと比較して少なくとも10%の減少、例えば、基準レベルと比較して少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、あるいは最大100%の減少(例えば、基準レベルと比較して存在しないまたは検出不能なレベル)、または10~100%の間の任意の減少を意味する。マーカーまたは症状の文脈では、これらの用語は、そのようなレベルにおける統計的に有意な減少を意味する。この減少は、例えば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%以上であってもよく、好ましくは所与の疾患がない個体に対して正常な範囲内で容認されるレベルに低下する。
【0273】
用語「被験体」は哺乳動物を含む。哺乳動物の非限定的な例として、哺乳動物クラスの任意のメンバー:ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、および他の類人猿やサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物;ラット、マウス、およびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物が挙げられる。一態様では、前記哺乳動物はヒトである。本明細書では、用語「動物」は人間および非ヒト動物を含む。一実施形態では、「非ヒト動物」は哺乳動物、例えばラットまたはマウスなどのげっ歯類である。いくつかの例では、ヒト被験体は「患者」である。本明細書では「患者」は、本明細書に開示される疾患または疾病と診断される被験体を指す。
【0274】
本明細書では、用語「遺伝子」は、場合によってはプロモーター、オペレーター、ターミネーターなどの関連制御領域と共に、個々のタンパク質またはRNA(「コード配列」または「コード領域」とも称される)をコードする核酸のセグメントを随意に指すものである。前記関連制御領域は、コード配列の上流または下流に位置していてもよい。本明細書で言及される「遺伝子座」は遺伝子内の特定の位置である。
【0275】
本明細書に開示されるような用語「遺伝子型」は、個体のゲノム内のポリヌクレオチド配列の化学組成を指す。いくつかの実施形態では、この遺伝子型は一塩基多型(SNP)およびインデル(ポリヌクレオチド配列内の核酸塩基の挿入または欠失)。いくつかの実施形態では、特定のSNPまたはインデルの遺伝子型はヘテロ接合である。いくつかの実施形態では、特定のSNPまたはインデルの遺伝子型はホモ接合である。
【0276】
本明細書では「多型」は、基準集団の核酸配列と比較した、核酸配列における異常(例えば突然変異)、または該核酸配列の異常(例えば挿入/欠失)を指す。いくつかの実施形態では、前記多型は基準集団において一般的である。いくつかの実施形態では、前記多型は基準集団において稀である。
【0277】
本明細書に開示されるような用語「一塩基多型」またはSNPは、ポリヌクレオチド配列内の単一のヌクレオチドの変形を指す。この用語は、所与の集団中のSNPの頻度に対して制限をかけるものとは解釈されるべきでない。SNPの変形は複数の異なる形態を有していてもよい。SNPの単一形態は「アレル」と呼ばれる。SNPはモノアレル、ビアレル、トリアレル、またはテトラアレルであってもよい。SNPは「リスクアレル」、「保護アレル」、またはそのどちらかを含んでもよい。例として、基準ポリヌクレオチドシーケンスリーディング5’~3’はTTACGである。(5’-TTACG-3’の)アレル位置3のSNPは、基準アレル「A」の非基準アレル「C」への置換を含む。SNPの「C」アレルが表現型特性の発達の可能性増加に関連する場合、アレルは「リスク」アレルと考慮される。しかし、同じSNPはさらに、位置3に「A」アレルから「T」アレルへの置換を含んでもよい。SNPのTアレルが表現型特性の発達の可能性減少に関連する場合、アレルは「保護」アレルと考慮される。SNPは所与の集団の少なくとも1%に観察されてもよい。いくつかの実施形態では、SNPは「rs」数により表される。この数は、本特許出願の出願日時点でdbSNPバイオインフォマティクスデータベースに提出された1つ以上のSNPの基準クラスターの受入を指すものであり、5’~3’の核酸塩基の合計数を含む配列内に含まれている。いくつかの実施形態では、SNPは、dbSNP配列内のSNP(核酸塩基)の位置によりさらに定められてもよく、その位置は常に、配列の5’長さに1を加えたものを指す。いくつかの実施形態では、SNPは、基準ゲノムにおけるゲノムの位置、およびアレル変化として定められる(例えば、基準ヒトゲノムビルド37中のGアレルからAアレルまでの位置234、123、567における染色体7)。いくつかの実施形態では、SNVは、本明細書に開示される配列中の[括弧]または「N」で同定されたゲノム位置として定められる。
【0278】
本明細書に開示されるような用語「インデル」は、ポリヌクレオチド配列内の核酸塩基の挿入または欠失を指す。インデルはモノアレル、ビアレル、トリアレル、またはテトラアレルであってもよい。インデルは、表現型特性に対して「リスク」、「保護」、またはそのどちらかであってもよい。いくつかの実施形態では、インデルは「rs」数により表される。この数は、本特許出願の出願日時点でdbSNPバイオインフォマティクスデータベースに提出された1つ以上のインデルの基準クラスターの受入を指すものであり、5’~3’の核酸塩基の合計数を含む配列内に含まれている。いくつかの実施形態では、インデルは、dbSNP配列内の挿入/欠失の位置によりさらに定められてもよく、その位置は常に、配列の5’長さに1を加えたものを指す。いくつかの実施形態では、インデルは、基準ゲノム中のゲノム位置およびアレル変化として定められる。いくつかの実施形態では、インデルは、本明細書に開示される配列中の[括弧]または「N」で同定されたゲノム位置として定められる。
【0279】
本明細書では、「ハプロタイプ」は1つ以上の遺伝子型の群を含む。この群は、基準集団中で共に遺伝性の傾向がある。いくつかの実施形態では、ハプロタイプは、特定の多型、または該多型と連鎖不平衡(LD)にある別の多型を含む。
【0280】
本明細書では、「連鎖不平衡」または「LD」は、所与の集団中の異なる遺伝子座におけるアレルまたはインデルの作為的な関連性を指す。LDは、集団中の観察されたアレルまたはインデル頻度と予測されたアレルまたはインデル頻度との差異に相当するD’値により定められてもよい(D=Pab-PaPb)。LDは、Dの理論極大値によりスケーリングされる。LDは、集団中の観察されたリスク単位(unit of risk)頻度と予測されたリスク単位頻度との差異に相当するr2値により定められてもよい(D=Pab-PaPb)。LDは、異なる遺伝子座の個々の頻度によりスケーリングされる。いくつかの実施形態では、D’は少なくとも0.20を含む。いくつかの実施形態では、r2は少なくとも0.70を含む。
【0281】
本明細書では、用語「医学的に難治性」または「難治性」は、疾患の寛解を誘導するための標準処置が効かないことを指す。いくつかの実施形態では、この疾患は本明細書に開示される炎症性疾患を含む。難治性炎症性疾患の非限定的な例として、難治性クローン病、および難治性潰瘍性大腸炎(例えばmrUC)が挙げられる。標準処置の非限定的な例として、グルココルチコステロイド、抗TNF治療薬、抗-a4-b7治療薬(ベドリズマブ)、抗IL12p40治療(ウステキヌマブ)、サリドマイド、およびサイトキシンが挙げられる。
【0282】
本明細書では、用語「処置する」、「処置すること」、および「処置」は、障害、疾患、あるいは疾病、もしくは障害、疾患、あるいは疾病に関連する症状の1つ以上を緩和または阻害すること、または、障害、疾患、あるいは疾病自体の原因を緩和または根絶することを指す。望ましい治療効果として、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の直接または間接的な任意の病的結果の減少、転移の予防、疾患進行の速度の低下、病状の改善または緩和、および予後の寛解または改善を挙げることができる。
【0283】
用語「治療上有効な量」は、投与に際して障害、疾患、あるいは疾病の症状のうち1つ以上の進行を防ぐ、あるいはある程度まで緩和するのに十分な化合物あるいは治療薬の量、または、研究者、獣医、医師、あるいは臨床医により求められている細胞、組織、系、動物、あるいはヒトの生物学的あるいは医学的反応を誘発するのに十分な化合物の量を指す。
【0284】
用語「薬学的に許容可能な担体」、「薬学的に許容可能な賦形剤」、「生理学的に許容可能な担体」、または「生理学的に許容可能な賦形剤」は、液体あるいは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤、または封入材料などの、薬学的に許容可能な材料、組成物、またはビヒクルを指す。化合物は、医薬製剤の他の成分と適合している意味で「薬学的に許容可能」であり得る。化合物はさらに、合理的なベネフィット・リスク比と比例して、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題あるいは合併症がないヒトおよび動物の組織または器官に接して使用するのに適している場合がある。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th Edition;Rowe et al.,Eds.,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;およびHandbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition;Ash and Ash Eds.,Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,Gibson Ed.,CRC Press LLC:Boca Raton,FL,2004)を参照。
【0285】
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示される化合物と、希釈剤または担体などの他の化学成分との混合物を指す。前記医薬組成物は、生物体への化合物の投与を容易にすることができる。化合物投与のあらゆる技術が当該技術分野に存在しており、経口投与、注入、エアロゾル投与、非経口投与、および局所投与が挙げられるがこれらに限定されない。
【0286】
本明細書では、用語「炎症性腸疾患」または「IBD」は、胃腸管の胃腸障害を指す。IBDの非限定的な例として、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)、不確定大腸炎(IC)、微視的大腸炎、転換大腸炎、ベーチェット病、およびIBDの他の非決定的形態が挙げられる。いくつかの例では、IBDは、線維症、線維性狭窄、狭窄性および/または浸透性疾患、閉塞性疾患、難治性の疾患(例えばmrUC、難治性CD)、肛門周囲のCD、またはIBDの他の複雑な形態を含む。
【0287】
「サンプル」の非限定的な例として、核酸および/またはタンパク質を得ることができる任意の材料が挙げられる。非限定的な例として、サンプルには、全血、末梢血、血漿、血清、唾液、粘液、尿、精液、リンパ液、糞の抽出物、頬の採取物(cheek swab)、細胞、または外科的生検あるいは外科的切除を介して得られた組織を含むがこれに限定されない他の体液あるいは組織が挙げられる。様々な実施形態では、前記サンプルは、大腸および/または小腸の組織を含む。様々な実施形態では、前記大腸サンプルは盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、およびS状結腸)、直腸、および/または肛門管を含む。いくつかの実施形態では、小腸サンプルは十二指腸、空腸、および/または回腸を含む。代替的にサンプルは、主要な患者由来の細胞株、保存されたサンプルの形で収録された患者サンプル、または新鮮な凍結サンプルを介して得ることができる。
【0288】
用語「バイオマーカー」は被験体中の測定可能な物質を含む。その存在、レベル、または活性は現象(例えば、表現型発現または活性;疾患、疾病、疾患または疾病の亜臨床的表現型、感染症、または環境刺激)を示す。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは遺伝子、遺伝子発現産物(例えばRNAあるいはタンパク質)または細胞型(例えば免疫細胞)を含む。
【0289】
本明細書では、用語「血清学マーカー」、被験体の血清に検出可能な被験体中の抗原反応を表す一種のバイオマーカーを指す。いくつかの実施形態では、血清学は、様々な真菌抗原に対する抗体を含む。血清学マーカーの非限定的な例として、抗Saccharomyces cerevisiae抗体(ASCA)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)、E.coli外膜ポリンタンパク質C(OmpC)、抗Malassezia restricta抗体、抗Malassezia pachydermatis抗体、抗Malassezia furfur抗体、抗Malassezia globasa抗体、抗Cladosporium albicans抗体、抗ラミナリビオース抗体(ALCA)、抗キトビオシド抗体(ACCA)、抗ラミナリン抗体、抗キチン抗体、pANCA抗体、抗I2抗体、および抗Cbir1フラジェリン抗体が挙げられる。
【0290】
本明細書で使用される用語「マイクロバイオーム」およびその変形は、被験体の胃腸管を整える細菌、菌類、原生生物、およびウイルスの集団および相互作用を記載する。IBDに悩む被験体は、健康な被験体に比べてマイクロバイオームの存在、不在、過剰、減少、またはそれらの組み合わせを有する場合がある。
【0291】
本明細書では、用語「非反応」または「反応損失」は、被験体または患者が標準処置(例えば抗TNF治療)の誘導に反応しないか、または治療の成功の誘導後に標準処置に対する反応を損失する現象を指す。標準処置の誘導は、治療薬の1、2、3、4、または5回の投与を含むことができる。治療の「成功の誘導」は、治療により得られる初期の治療反応または利益であってもよい。反応の損失は、治療の成功の誘導後に発赤と一貫する症状の再発を特徴とする場合がある。
【実施例0292】
好ましい実施形態が本明細書に示され記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されていることは当業者には明らかである。多数の変形、変更、および置換は、提供される実施形態から逸脱することなく当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0293】
実施例1:遺伝子型の同定
IBDの患者をCedars-Sinai Inflammatory Bowel Disease Centerに動員した。各患者の診断は、標準の内視鏡的、組織学的、およびX線写真的な特徴に基づくものであった。登録時点で患者から血液サンプルを採取した。IBDのない個体からも血液サンプルを採取した。製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina,San Diego,CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて採取したサンプルすべてに遺伝子型判定を行った。次のような場合にマーカー/SNPを分析から除外した:p≦0.0001である対照のハーディー・ワインベルグ平衡において偏差があった;SNPの欠損>2%、マイナーアレル頻度<1%。家系同一性を用いて関連する個体(Pi-hatスコア>0.25)を同定し、分析(PLINK)から除外した。混合を使用し、全個体に対する民族性比率評価を作成した。白人(比率<0.75)として混合により同定された被験体のみを分析に含めた。
【0294】
遺伝子ベースの一塩基多型(SNP)マーカーを使用して、白人集団の炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(UC)に関与する多数の大規模症例・対照相関解析を行った。この解析の対象は、炎症性腸疾患(IBD)(n=9360)、クローン病(CD)(n=7965)、および潰瘍性大腸炎(UC)(n=6864)を患う、Cedars-Sinai Inflammatory Bowel Disease Centersに動員した患者であった。この解析にはさらに、International Inflammatory Bowel Diseases Genetic Consortium(IIBDGC)にから得たGWASデータが含まれていた。0.05のP値カットオフを使用した。表2は、IBDに関連すると同定されたSNPを示す。表1は、CDに関連すると同定されたSNPを示す。表3は、UCに関連すると同定されたSNPを示す。rs911605(rs911605A)SNP内のアレル「A」は、IBD(P=5.21×10-4)、クローン病(CD)(rP=1.70×10-3)、および潰瘍性大腸炎(UC)(P=4.54×10-2)に著しく関連すると示された。rs1006026Gは、IBD(P=6.67×10-1)、CD(P=4.43×10-1)、およびUC(P=8.92×10-1)に適度に関連すると示された。
【0295】
実施例2:小腸切除におけるeQTLはCD30Lタンパク質発現に機能的に関連するような多型を同定する。
小腸切除を受けたクローン病(CD)の白人患者85人をCedars-Sinai Inflammatory Bowel Disease Centersに動員した。各患者の診断は、標準の内視鏡的、組織学的、およびX線写真的な特徴に基づくものであった。CDとの診断、および疾患に対する小腸切除を受けている事実に基づいて患者を選択した。手術後に小腸切除から得た未関与組織切片から組織生検サンプルを採取した。これらのサンプルに対し発現量的形質遺伝子座マッピング(eQTL)を行った。表13は、CD30の減少に関連する多型を示す。表14は、CD30の増加に関連する多型を示す。負のベータ値は組織サンプル中の遺伝子発現の減少を表し、一方で正のベータ値は遺伝子発現の増加を表す。多型rs911605(SEQ ID NO:2)およびrs1006026(SEQ ID NO:4)に対し、正のベータ値を観察した。
図1に示されるところでは、rs911605(P=4.41×10
-4)-rs911605A(X=1)またはrs911605AA(X=2)内のリスクアレル「A」が、リスクアレルを保因しない個体、または「非リスクGG」(X=0)と比較して、シス-eQTLを使用する小腸内でのTNFSF8 mRNAの発現増加に関連する。いかなる特定の理論に縛られるものではないが、このことから、これら多型の発現がCDの被験体におけるCD30Lタンパク質発現の増加に関連することが大いに示唆される。CD30Lの増加は、非疾患個体、またはその集団に由来する対照の平均CD30Lレベルを超える+2の標準偏差として定められる。
【0296】
実施例3.多型発現は末梢血中のCD30Lおよび炎症促進性サイトカインの発現と機能に影響を及ぼす
クローン病(CD)の患者をCedars-Sinai Inflammatory Bowel Disease Centerに動員した。各患者の診断は、標準の内視鏡的、組織学的、およびX線写真的な特徴に基づくものであった。CDの診断に基づき患者を選択した。登録時点で患者から末梢血のサンプルを採取した。末梢血単核細胞(PBMC)を標準フィコールハイパック密度勾配上で単離した。CD30L(フォルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)およびイオノマイシン)またはCD30(抗CD3抗体および抗CD28抗体)のいずれかを72時間アップレギュレートする条件下で、PBMCをインビトロで刺激した。上清を集めてからサイトカインを6、24、および72時間に分析し、72時間後に細胞を採取し、フローサイトメトリーによるCD30およびCD30Lの発現について分析した。T細胞とB細胞の両方は、rs911605(rs911605Aまたはrs911605AA)に対してリスク多型を保因していた(ホモ接合またはヘテロ接合)被験体のCD30Lレベルの増加を表した(
図2)。培養物の上清中のTNFα、インターロイキン6(IL-6)、およびインターフェロンγ(IFN-γ)の分析により、rs911605に対する多型を保因していた患者の細胞が、刺激後に炎症促進性サイトカインのレベル上昇をもたらしたことが示された(
図3~5)。いかなる特定の理論に縛られるものではないが、これらの所見から、rs911605Aまたはrs911605AAを含む遺伝子型が、IBDの病因に関与するCD30Lおよび炎症促進性サイトカインの発現増加に相関することが大いに示唆される。
【0297】
実施例4.可溶性CD30(sCD30)レベルは、洗練された患者選択遺伝子型を保因する被験体のT細胞およびB細胞上でのCD30L発現に相関する
CD30L(フォルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)およびイオノマイシン)またはCD30(抗CD3抗体および抗CD28抗体)のいずれかを72時間アップレギュレートする条件下で、PBMCをインビトロで刺激した。上清を集めてからsCD30を72時間に分析し、72時間後に細胞を採取し、フローサイトメトリーによるCD30およびCD30Lの発現について分析した。分析により、sCD30レベルは遺伝学的に洗練された患者集団(rs911605AA+rs1006026GG)におけるT細胞とB細胞上でのCD30L発現と相関することが示された。
図6のAは、sCD30レベルが、rs911605AA+rs1006026AA/GA/GGにより定められる遺伝学的に洗練された患者集団におけるT細胞上でのCD30L発現と相関することを示す。
図6のBは、sCD30レベルが、rs911605AA+rs1006026GA/GGにより定められる遺伝学的に洗練された患者集団におけるT細胞上でのCD30L発現と相関することを示す。
図6のCは、sCD30レベルが、rs911605AA+rs1006026GGにより定められる遺伝学的に洗練された患者集団におけるT細胞上でのCD30L発現と相関することを示す。
図7のAは、sCD30レベルが、rs911605AA+rs1006026AA/GA/GGにより定められる遺伝学的に洗練された患者集団におけるB細胞上でのCD30L発現と相関することを示す。
図7のBは、sCD30レベルが、rs911605AA+rs1006026GA/GGにより定められる遺伝学的に洗練された患者集団におけるB細胞上でのCD30L発現と相関することを示す。
図7のCは、sCD30レベルが、rs911605AA+rs1006026GGにより定められる遺伝学的に洗練された患者集団におけるB細胞上でのCD30L発現と相関することを示す。
【0298】
実施例5.炎症性腸疾患の亜臨床的表現型に関連する多型(Cedars-Sinaiコホート)
IBDの患者をCedars-Sinai Inflammatory Bowel Disease Centerに動員した。各患者の診断は、標準の内視鏡的、組織学的、およびX線写真的な特徴に基づくものであった。登録時点で患者から血液サンプルを採取した。IBDのない個体からも血液サンプルを採取した。製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて採取したサンプルすべてに遺伝子型判定を行った。次のような場合にマーカー/SNPを分析から除外した:p≦0.0001である対照のハーディー・ワインベルグ平衡において偏差があった;SNPの欠損>2%、マイナーアレル頻度<1%。家系同一性を用いて関連する個体(Pi-hatスコア>0.25)を同定し、分析(PLINK)から除外した。混合を使用し、全個体に対する民族性比率評価を作成した。白人(比率<0.75)として混合により同定された被験体のみを分析に含めた。
【0299】
血清学に関連する多型
【0300】
全患者から血清サンプルを得て、これをSaccharomyces cerevisiaeに対する抗体(ASCA)およびCbir1フラジェリンの存在について検査した。製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、患者から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。表6に示す結果から、潰瘍性大腸炎と診断された患者のASCAの存在に著しく関連する多型が示された。表7に示す結果から、潰瘍性大腸炎と診断された患者の抗Cbir1抗体の存在に著しく関連する多型が示された。
【0301】
抗TNF治療に対する反応損失に関連する多型
【0302】
製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、抗TNF治療に対する二次的な反応損失に悩むUC患者(n=99)から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。二次的な非反応、または「反応損失」は、抗TNF治療の成功の誘導後、維持中に反応損失を指す。表4は、UC患者の抗TNF治療に対する反応損失に関連する多型を列記したものである。
【0303】
原発性硬化性胆管炎に関連する多型
【0304】
製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、原発性硬化性胆管炎(PSC)に悩むUC患者(n=115)から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。表5は、UC患者のPSCに関連する多型を列記したものである。
【0305】
最初の手術から次の手術までの時間に関連する多型
【0306】
製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、最初の手術、通常は小腸切除を受けるCD患者(n=1091)から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。次の手術を受けたUC患者(n=181)から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。最初の手術は、CDの最初の診断からCDを処置する最初の外科的介入までの時間と定められる。次の手術は、最初の手術からCDを処置する第2の外科的介入までの時間と定められる。表8と9は、CD患者における最初の手術までの時間、次の手術までの時間それぞれに関連する多型を列記したものである。
【0307】
パネート細胞欠損に関連する多型
【0308】
製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用して(Illumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、D0(n=297)、D1234(n=297)、D2(n=297)、D3(n-297)、およびD5(n=155)、「VanDussen et al., Genetic Variants Synthesize to Produce Paneth Cell Phenotypes That Define Subtypes of Crohn’s Disease, Gastroenterology 2014;146:200-209」に定められるようなパネート細胞表現型を伴うCD患者から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。表10は、CD患者の上記パネート細胞表現型に関連する多型を列記したものである。
【0309】
血栓進行に関連する多型
【0310】
製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用してIllumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、血栓形成を伴うUC患者(n=116)から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。表11は、US患者の上記血栓形成に関連する多型を列記したものである。
【0311】
狭窄性および/または浸透性疾患に関連する多型
【0312】
製造者のプロトコルに従いIllumina全ゲノムアレイを使用してIllumina, San Diego, CA)、Cedars-Sinai Medical Centerにて、小腸の回腸に非狭窄性および非浸透性疾患(n=2906)、回腸に狭窄性および浸透性疾患(n=6002)、ならびに腸の回腸結腸領域に狭窄性および浸透性疾患(n=6064)を伴うCD患者から採取した血液サンプルに遺伝子型判定を行った。表12は、CD患者の狭窄性および/または浸透性疾患に関連する多型を列記したものである。
【0313】
実施例6.量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)による遺伝子型判定
被験体のrs911605A遺伝子型の有無を量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)により判定する(performed)。場合によっては被験体のrs1006026Gの有無をqPCRにより判定する。被験体は閉塞性クローン病を呈する。
【0314】
ゲノムDNAを被験体の血清サンプルから精製する。DNAを等分してPCRプレートのウェルまたはPCR管に入れる。プライマー(SEQ ID NO:9、10)、および随意に、(SEQ ID NO:11、12)とTaqManマスターミックスを含む混合物を調製し、混合物のアリコートを、DNAを含むPCRウェルまたは管に添加する。次のようにqPCRを行う:10分間95℃;0.15秒間95℃と1分間60℃を40回繰り返し;4℃で維持。レポーター色素はFAMであり、クエンチング色素はMGB-NFQである。
【0315】
サイクル閾値(Ct)に達するのに必要なサイクル数を評価する。ここで30サイクル未満のCt値は遺伝子型の存在を示す。被験体のCt値は30サイクル未満である。
【0316】
実施例7.抗CD30L抗体での処置
実施例3のrs911605A遺伝子型が存在する被験体を、以下から選択される抗CD30L抗体で処置する:SEQ ID NO:136を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:137を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:138を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:139を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:140を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:141を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:142を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:143を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:144を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:145を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:146を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:147を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:148を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:149を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:150を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:151を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:152を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、ならびにSEQ ID NO:153を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメインを含んでいる抗体。
【0317】
実施例8.可溶性CD30の定量化
可溶性CD30の量を被験体由来の血清のサンプルから求める。アッセイは、96-ウェルプレート上に被覆されたヒトCD30に特異的な抗体を利用する。標準および被験体由来のサンプルをウェルに分注し、サンプルに存在するCD30を、固定された抗体によりウェルに結合させる。ウェルを洗浄し、ビオチン化抗ヒトCD30抗体を添加する。結合していないビオチン化抗体を洗い流した後、HRP抱合ストレプトアビジンをウェルに分注する。ウェルを再び洗浄し、TMB基質溶液をウェルに添加すると、結合したCD30の量に比例して発色が生じる。停止液は青色から黄色に変化し、色の強度を450nmで測定する。被験体由来のサンプル中のCD30の量を標準曲線の比較により求める。CD30レベルが上昇した場合に被験体を処置する。この上昇は、非疾患個体、またはその集団由来の対照に対する平均より+2多い標準偏差により定めることができる。
【0318】
実施例9.抗CD30L抗体での処置
CD30が上昇した被験体を、以下から選択される抗CD30L抗体で処置する:SEQ ID NO:136を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:137を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:138を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:139を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:140を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:141を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:142を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:143を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:144を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:145を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:146を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:147を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:148を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:149を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:150を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:151を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、SEQ ID NO:152を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメイン、ならびにSEQ ID NO:153を含むHC可変ドメインおよびSEQ ID NO:154を含むLC可変ドメインを含んでいる抗体。
【0319】
実施例10:第1A相臨床試験
第1相臨床試験を行い、rs911605A陽性クローン病を抱える被験体(SEQ ID NO:1の位置501にある「A」の保因者)における抗CD30L抗体の安全性、耐容性、薬物動態、および薬動力学を評価する。
【0320】
単回用量漸増(SAD)群(arms):各群の被験体(被験体はrs911605A遺伝子型の有無に基づいて分類される)は、単回用量の抗体またはプラセボを投与される。抗体の典型的な投与量は、1、3、10、30、100、300、600、および800mgである。安全性モニタリングとPK評価を所定時間にわたり行う。PKデータの評価に基づいて、および抗体の耐用性が十分であると見なされる場合、同じ群内で、または健康な被験体の別の群内で用量を漸増させる。所定の最大曝露に到達しない、または耐えられない副作用が生じない限り、最大用量に到達するまで用量漸増を継続する。
【0321】
複数回用量漸増(MAD)群:各群の被験体(被験体はrs911605A遺伝子型の有無に基づいて分類される)は、複数回用量の抗体またはプラセボを投与される。投与レベルと投与間隔を、SADデータから安全であると予測されるものとして選択する。投与レベルと投薬頻度を選択し、数日間定常状態で維持される体循環内の治療薬レベルを達成することで、適切で安全パラメーターのモニタリングが可能となる。サンプルを採取し分析することでPKプロファイルを求める。
【0322】
包含基準:閉塞性クローン病を患う、妊娠の可能性がない18~55歳の被験体。妊娠の可能性がない女性被験体は、以下の基準のうち少なくとも1つを満たす必要がある:(1)以下のように定義される閉経後状態を満たしている:代替的な病理学的または生理学的な原因によるものではない、少なくとも12か月連続する規則的な月経の停止;および血清濾胞刺激ホルモン(FSH)レベルが閉経後の女性に関する研究所の基準範囲内である;(2)文書で立証された子宮摘出および/または両側卵巣摘出を受けている;(3)卵巣の欠陥が医学的に確認されている。他の女性被験体(卵管結紮が行われた女性、ならびに文書で立証された子宮摘出、両側卵巣摘出、および/または卵巣の欠陥がない女性を含む)はすべて、妊娠の可能性があると考慮される。肥満度指数(BMI)17.5~30.5kg/m2;および総体重>50kg(110lbs)。被験体(または法的代理人)が研究の関連態様をすべて知らされていることを示す、個人で署名と日付を記入したインフォームドコンセント文書の証拠。
【0323】
被験体の2つの群を選択する:rs911605A遺伝子型を持つ被験体、およびこの遺伝子型を欠く被験体。
【0324】
除外基準:臨床的に著しい血液、腎臓、内分泌腺、肺、胃腸、心臓血管、肝臓、精神医学、神経系、あるいはアレルギー性の疾患(薬物アレルギーを含むが、投与時点で処置されていない無症状の季節性アレルギーは除く)、もしくはクローン病の証拠または履歴。以下の血清検査のいずれかに関する陽性結果の履歴、または現時点でそのような結果である被験体:B型肝炎表面抗原(HBsAg)、B型肝炎コア抗体(HBcAb)、抗C型肝炎抗体(HCV Ab)、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)。治療薬に対するアレルギー反応またはアナフィラキシー反応の履歴がある被験体。研究薬の1回目の投与に先行するバイオロジクスについて30日(あるいは局所的要件により決定される、いずれか長い方)、5半減期、または180日以内の治験薬での処置。妊娠している女性;授乳中の女性;および妊娠の可能性がある女性。
【0325】
主要評価項目:投与量制限または不耐用性の処置関連の有害事象(AE)の発生[時間枠:12週]。処置により発現したAE(TEAE)の発生、重症度、および因果関係、ならびに処置により発現した有害事象を原因とする中止[時間枠:12週]。異常な検査所見の発生と規模[時間枠:12週]。バイタルサイン、血圧(BP)、および心電図(ECG)のパラメーターにおける異常かつ臨床的に関連のある変化[時間枠:12週]。
【0326】
副次的評価項目:
【0327】
単回の漸増用量:観察された最大血漿濃度(Cmax)[時間枠:12週]。単回の漸増用量:観察された最大血漿濃度までの時間(Tmax)[時間枠:12週]。単回の漸増用量:時間0から14日までの血漿濃度-時間プロファイル下の面積(AUC14日)[時間枠:12週]。単回の漸増用量:推定された時間0から無限時間までの血漿中濃度-時間プロファイル下の面積(AUCinf)[時間枠:12週]。単回の漸増用量:時間0から最後の定量化可能な濃度の時間までの血漿中濃度-時間プロファイル下の面積(AUClast)[時間枠:12週]。単回の漸増用量:投与量を正常化した最大血漿中濃度(Cmax[dn])[時間枠:12週]。単回の漸増用量:推定された時間0から無限時間までの血漿中濃度-時間プロファイル下の、投与量を正常化した面積(AUCinf[dn])[時間枠:12週]。単回の漸増用量:時間0から最後の定量化可能な濃度の時間までの血漿中濃度-時間プロファイル下の、投与量を正常化した面積(AUClast[dn])[時間枠:12週]。単回の漸増用量:血漿減衰半減期(t1/2)[時間枠:12週]。血漿減衰半減期は、2分の1に減少するまでの血漿濃度に対して測定された時間である。単回の漸増用量:平均滞留時間(MRT)[時間枠:12週]。単回の漸増用量:定常状態での分布容積(Vss)[時間枠:6週間]。分布容積は、薬物の所望の血中濃度をもたらすために薬物の総量を均一に分布する必要がある理論的容積として定められる。定常状態分布容積(Vss)は定常状態の明白な分布容積である。単回の漸増用量:全身クリアランス(CL)[時間枠:6]。CLは、薬物が身体から取り除かれる速度の定量的尺度である。
【0328】
複数回漸増用量の最初の投与量:観察された最大血漿濃度(Cmax)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の最初の投与量:観察された最大血漿濃度までの時間(Tmax)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の最初の投与量:時間0から時間τまでの血漿中濃度-時間プロファイル下の面積、τ=2週間の投与間隔(AUCτ)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の最初の投与量:投与量を正常化した最大血漿中濃度(Cmax[dn])[時間枠:12週]。複数回漸増用量の最初の投与量:時間0から時間τまでの血漿中濃度-時間プロファイル下の用量により標準化された面積、τ=2週間の投与間隔(AUCτ[dn])[時間枠:12週]。血漿減衰半減期(t1/2)[時間枠:12週]。血漿減衰半減期は、2分の1に減少するまでの血漿濃度に対して測定された時間である。複数回漸増用量の最初の投与量:平均滞留時間(MRT)[時間枠:12週]。明らかな分布容積(Vz/F)[時間枠:12週]。分布容積は、薬物の所望の血將中濃度をもたらすために薬物の総量が均一に分配される必要がある理論的容積として定められる。経口投与の後の明白な分布容積(Vz/F)は吸収された分画の影響を受ける。複数回漸増用量の最初の投与量:定常状態(Vss)の分布容積[時間枠:12週間]。分布容積は、薬物の所望の血中濃度をもたらすために薬物の総量を均一に分布する必要がある理論的容積として定められる。定常状態分布容積(Vss)は定常状態の明白な分布容積である。複数回漸増用量の最初の投与量:明白な経口クリアランス(CL/F)[時間枠:12週]。薬物のクリアランスは、薬物が正常な生物学的方法により代謝または排除される速度の尺度である。経口投与後に得られるクリアランス(明らかな経口クリアランス)は、吸収された投薬の分画の影響を受ける。クリアランスは集団薬物動態(PK)モデリングから評価される。薬物クリアランスは、薬物が血液から取り除かれる速度の定量的尺度である。複数回漸増用量の最初の投与量:全身クリアランス(CL)[時間枠:12週]。CLは、薬物が身体から取り除かれる速度の定量的尺度である。
【0329】
複数回漸増用量の複数回用量:観察された最大血漿濃度(Cmax)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回用量:観察された最大血漿濃度までの時間(Tmax)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回用量:時間0から時間τまでの血漿中濃度-時間プロファイル下の面積、τ=2週間の投与間隔(AUCτ)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回用量:投与量を正常化した最大血漿中濃度(Cmax[dn])[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回用量:時間0から時間τまでの血漿中濃度-時間プロファイル下の用量により標準化された面積、τ=2週間の投与間隔(AUCτ[dn])[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回用量:血漿減衰半減期(t1/2)[時間枠:12週]。血漿減衰半減期は、2分の1に減少するまでの血漿濃度に対して測定された時間である。複数回漸増用量の複数回用量:明らかな分布容積(Vz/F)[時間枠:12週]。分布容積は、薬物の所望の血將中濃度をもたらすために薬物の総量が均一に分配される必要がある理論的容積として定められる。経口投与の後の明白な分布容積(Vz/F)は吸収された分画の影響を受ける。複数回漸増用量の複数回用量:定常状態(Vss)の分布容積[時間枠:12週間]。分布容積は、薬物の所望の血中濃度をもたらすために薬物の総量を均一に分布する必要がある理論的容積として定められる。定常状態分布容積(Vss)は定常状態の明白な分布容積である。
【0330】
複数回漸増用量の複数回投与量:明白な経口クリアランス(CL/F)[時間枠:12週]。薬物のクリアランスは、薬物が正常な生物学的方法により代謝または排除される速度の尺度である。経口投与後に得られるクリアランス(明らかな経口クリアランス)は、吸収された投薬の分画の影響を受ける。クリアランスは集団薬物動態(PK)モデリングから評価された。薬物クリアランスは、薬物が血液から取り除かれる速度の定量的尺度である。複数回漸増用量の複数回投与量:全身クリアランス(CL)[時間枠:12週]。CLは、薬物が身体から取り除かれる速度の定量的尺度である。複数回漸増用量の複数回投与量:観察された最小血漿トラフ濃度(Cmin)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回投与量:定常状態の平均濃度(Cav)[時間枠:12週間]。複数回漸増用量の複数回投与量:観察された蓄積比(Rac)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の複数回投与量:ピークートラフ濃度の変動率(Peak to trough fluctuation)(PTF)[時間枠:12週]。複数回漸増用量の追加パラメーター:対応する静脈内投与量での皮下投与に対するバイオアベイラビリティの推定(F)[時間枠:12週]。単回漸増用量と複数回漸増用量両方の免疫原性:抗薬物抗体の発達(ADA)[時間枠:12週]。
【0331】
実施例11:第1B相臨床試験
第1b相非盲検臨床試験を行い、rs911605A遺伝子型を持ち(SEQ ID NO:1の位置501にある「A」の保因者)、かつ閉塞性クローン病を抱える患者に対する、抗CD30L抗体の効果を評価する。
【0332】
群:rs911605Aに対し陽性の患者10人に抗体を投与する。rs911605Aに対し陰性の患者5~10人に抗体を投与する。患者をリアルタイムで監視する。内視鏡検査および生検のCentral readyを利用し、読み手は処置およびエンドポイントの時点まで盲検される。
【0333】
包含基準:被験体の2つの群を選択する:rs911605A遺伝子型を持つ被験体、およびこの遺伝子型を欠く被験体。
【0334】
主要評価項目:クローン病の単純内視鏡スコア(SESCD)、クローン病活動係数(CDAI)、および患者により報告された結果(PRO)。rs911605A遺伝子型がベースラインから50%低下を示す場合、第2a相臨床試験を行う。
【0335】
包含基準:PRO参加基準:2以上の腹痛スコアおよび/または4以上の排便回数スコアがある。主要評価項目は、ベースラインから悪化していない、0または1の疼痛スコア(core)、および3以下の排便回数スコアである。内視鏡検査参加基準:結腸が含まれる場合、4および6のスコアにあるSESCD回腸のみの参加。最初の内視鏡結果は平均SESCDの40-50%のデルタである。
【0336】
実施例12:第2A相臨床試験
第2a相非盲検臨床試験を行い、rs911605A遺伝子型を持ち(SEQ ID NO:1の位置501にある「A」の保因者)、かつ閉塞性クローン病を抱える患者に対する、抗CD30L抗体の効果を評価する。
【0337】
群:1つの群(抗体およびプラセボの群)につき40人の患者を12週間、抗体またはプラセボで処置する。各群から20人の患者を最高投与量で処置した後に中間解析を行い、主要評価項目においてプラセボ群と処置群との間の40-50%のデルタを求める(SESCD、CDAI、およびPROにおいてベースラインから50%低下)。
【0338】
主要評価項目:クローン病の単純内視鏡スコア(SESCD)、クローン病活動係数(CDAI)、および患者により報告された結果(PRO)。
【0339】
包含基準:PRO参加基準:2以上の腹痛スコアおよび/または4以上の排便回数スコアがある。主要評価項目は、ベースラインから悪化していない、0または1の疼痛スコア(core)、および3以下の排便回数スコアである。内視鏡検査参加基準:結腸が含まれる場合、4および6のスコアにあるSESCD回腸のみの参加。最初の内視鏡結果は平均SESCDの40-50%のデルタである。
【0340】
好ましい実施形態が本明細書に示され、かつ記載されてきたが、こうした実施形態はほんの一例として提供されていることは、当業者に明白であろう。多くの変形、変更、および置換が、本出願の範囲から逸脱することなく当業者に想到される。本明細書に記載される実施形態の様々な代替案が、本出願の範囲の実施に利用されてもよい。