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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133463
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/03 20060101AFI20240925BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B60R16/03 A
G07C5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024090512
(22)【出願日】2024-06-04
(62)【分割の表示】P 2023073218の分割
【原出願日】2014-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】須野原 彰
(72)【発明者】
【氏名】田縁 正義
(72)【発明者】
【氏名】西澤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭三
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
(57)【要約】
【課題】別個の機器に実装されていた機能を連携して利用する。
【解決手段】ユーザに対して情報を出力するための制御及びユーザから操作を受け付けるための制御、の何れか又は双方の制御を行う第1の電力消費部と、第1の電力消費部とは異なる制御を行う第2の電力消費部とを備え、前記第1の電力消費部及び第2の電力消費部へ同時に電圧を印加すると、外部電源の定格電流を超える場合に、前記外部電源からの給電が開始されると、第1の電力消費部へ電圧を印加する第1-1の印加を行い、該第1-1の印加の後に第2の電力消費部へ電圧を印加する第2の印加を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電器と二次電池とを備えるシステムであって、
外部電源からの給電が開始された場合に、前記蓄電器への給電によって当該蓄電器の電圧が所定の電圧に上がるのを待ってから前記二次電池への給電を開始する機能を備えること
を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記外部電源からの給電が遮断された場合に前記蓄電器からの給電を受けて所定の動作終了処理を行う必要がある制御部を備えたこと
を特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御部は前記二次電池から給電は受けない構成とし、
前記制御部とは別の制御部を備え、
前記別の制御部は前記二次電池からの給電を受ける一方、前記蓄電器からの給電は受けない構成としたこと
を特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
制御部を備え、
移動体以外の機器から給電を受けているときは、前記蓄電器及び前記二次電池への救援は行う一方、前記制御部への給電を行わない機能を備えること
を特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記蓄電器はスーパーキャパシタであり、二次電池はリチウムイオンバッテリであること
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体にて使用される装置、及び移動体にて使用される装置を機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の移動体を使用するユーザに対して運行案内を行うカーナビゲーション装置が使用されることが一般的となっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、GPS(Global Positioning System)を使用した測位を行うことにより自車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路の種別情報等を記憶する記憶部と、画像の表示を行う表示部とを備えるカーナビゲーション装置が記載されている。
【0004】
そして、この特許文献1に記載のカーナビゲーション装置は、目的地の位置、自車両の現在位置及び道路の種別情報等にも基づいて運行案内用の情報を作成し、作成した運行案内用の情報を地図情報と重ねて表示部に表示する。これにより、ユーザは適切な経路を経由して目的地に到着することが可能となる。
【0005】
一方で、事故時発生時の状況分析等の目的で、自動車等の移動体にドライブレコーダを設置することも行われるようになってきている。
【0006】
ドライブレコーダは、例えば、車両の周囲を撮像するためのカメラと、衝突事故や急ブレーキ・急ハンドル等の異常を検出する加速度センサと、カメラが撮像することにより取得された画像データを記憶する記憶媒体を備えている。
【0007】
そして、カメラによって走行中の周囲の映像を常に記憶する。また、加速度センサからの出力に基づき、衝突事故や急ブレーキ・急ハンドル等の異常を検出すると、その時点から前後の所定時間の画像データを記憶する記憶媒体に保存する。これにより、ユーザは衝突事故や急ブレーキ・急ハンドル等の異常が発生した際の車両の周囲の様子を確認することができる。このようなドライブレコーダの一例は、例えば特許文献2に記載されている。
【0008】
また、このようにドライブレコーダで記憶媒体に保存された画像データは、例えば記憶媒体をパーソナルコンピュータのような再生用の再生装置に挿入することにより再生が可能である。また、記憶媒体をパーソナルコンピュータのような再生用の再生装置に挿入することにより画像データを記憶した場所を地図上に表示するようなことも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013-160679号公報
【特許文献2】特開2013-235395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、自動車等の運転時には、カーナビゲーション装置やドライブレコーダといった機器が使用される。また、例えばドライブレコーダにより記憶媒体に記憶された画像データを再生するために、パーソナルコンピュータなどの再生装置が使用される。
【0011】
これらの機器は共に表示機能を有しているというように一部の機能が重複している一方で、カーナビゲーション装置には測位機能や、地図情報等を用いた運行案内のための機能があり、ドライブレコーダには撮影機能や、加速度センサによる測定機能があり、外部装置にはドライブレコーダで記憶媒体に保存された画像データを再生する機能や、画像データを記憶した場所を地図上に表示する機能がある、というように、それぞれが独自の機能を備えていた。
【0012】
しかしながら、カーナビゲーション装置、ドライブレコーダ、及び再生装置はそれぞれ別個の機器として実現されており、これら移動体で使用される機器や、移動体使用後に使用される機器が備えているこれら独自の機能を連携して利用することは想定されていなかった。
【0013】
そこで、本発明は別個の機器に実装されていた機能を連携して利用することが可能な、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1-1) 移動体の移動に伴って変化する測定情報が、段階的に設けられた複数の条件の内の何れかの条件を満たす情報となった(以下「イベントが発生した」と称呼する)場合に、
前記イベントが発生した場所を特定する情報及び前記段階的に設けられた複数の条件の内の何れの条件を満たしたのかを表す情報の2つの情報をイベント毎に対応付けて出力することを特徴とする装置。
【0015】
こうすることにより、当該装置のみならず、「イベントが発生したと判断されたこと」、「イベントが発生した場所」及び「複数の条件の内の、どの条件を満たしたことによって、イベントが発生したと判断されたのかということ」を出力先において得ることができるのでよい。
【0016】
(1-2) 前記イベントが発生した場合に、前記2つの情報を記憶するための制御又は前記2つの情報を記憶させるための制御を行い、
所定の出力条件を満たした場合に、前記記憶している又は前記記憶させている、前記2つの情報をイベント毎に対応付けて出力することを特徴とする。
【0017】
こうすることにより、記憶する場合又は記憶させる場合の何れの場合であっても、後にこれら2つの情報を利用する必要が生じた際に、これら2つの情報を読み込んで利用することが可能となる。更に、前者であれば、例えば当該装置に挿入された記憶媒体が取り外された場合であっても、これら2つの情報を読み込んで利用することが可能となる。また、後者であれば例えば当該装置に挿入された記憶媒体の書き込み可能な容量が一杯になった場合に、新たな記憶媒体に入れ替えて使用するようなことが可能となる。
【0018】
前記2つの情報を記憶するための制御としては、例えば当該装置自身が備える記憶部に、これら2つの情報を書き込むようにするとよい。前記2つの情報を記憶させるための制御とは、例えば当該装置に挿入された記憶媒体や、例えば当該装置に接続された記憶装置にこれら2つの情報を書き込むようにするとよい。
【0019】
(1-3)前記所定の出力条件とは、前記イベントが発生した場所に前記移動体が接近したこと、及び前記イベントが発生した場所を含むイベント発生周辺場所に関連する情報を出力すること、の何れか又は双方であることを特徴とする。
【0020】
このように、情報を出力する条件である所定の出力条件を、前記イベントが発生した場所に前記移動体が接近したこととすることにより、移動体運転中に、過去に発生した箇所に接近した場合に、過去に発生したイベントに関する情報を出力することができる。更に、出力先を例えば表示部やスピーカとすることにより、ユーザは過去にイベントが発生した箇所に現在接近している、ということが把握できる。
【0021】
また、このように情報を出力する条件である所定の出力条件を、前記イベントが発生した場所を含むイベント発生周辺場所に関連する情報を出力することにより、イベント発生周辺場所に関連する情報を出力する場合に、過去に発生したイベントに関する情報を出力することができる。また、前記イベントが発生した場所を含むイベント発生周辺場所に関連する情報を出力するとはイベントが発生した場所を含む周辺地図を出力することとするとよい。こうすることにより、例えば、カーナビゲーション機能を使用しているユーザが経路を検索するような場合に、経路上に存在する過去のイベント発生箇所を周辺の地図と共に出力することができる。
【0022】
(1-4) 前記イベントが発生した場合した場合に、前記イベントの発生時、前記イベント発生前及び前記発生後何れか又はこれらの2つ以上の組み合わせのときに撮像された画像データを記憶するための制御又は前記画像データを記憶させるための制御を行うことにより、前記イベント発生後に前記画像データを再生可能とすることを特徴とする。
【0023】
こうすることにより、例えばイベント発生前後の一定期間に撮影された画像データを記憶しておけることから、その後、イベント発生前後の一定期間に撮影された画像データを再生することができる。また、これらの2つ以上の組み合わせとあることから、イベント発生時とイベント発生前の一定期間や、イベント発生時とイベント発生後の一定期間といった組み合わせとするとよい。また、画像データは静止画でもよい。また、画像データを動画とするのもよい。また画像データに静止画や動画以外の他のデータが含まれていてもよい。例えば、画像データに音声データが含まれるようにするとよい。
【0024】
また、画像データは撮像手段による撮像により生成されるようにするとよい。撮像手段と当該装置が接続されるようにしてもよい。更に、当該装置と同一筐体に含まれる装置を当該装置の制御対象とするのもよい。そして、かかる制御対象の装置に撮像手段が含まれていてもよい。
【0025】
また、記憶するための制御又は記憶させるための制御について、例えば(1-2)の項目で上述した2つの情報の書き込みと同様に行うようにするとよい。
【0026】
(1-5) 前記2つの情報に加えて、前記記憶した画像データ又は前記記憶させた画像データが存在することを表す情報も対応付けて出力することを特徴とする。
【0027】
出力先ではどのイベントについて対応する画像データが存在するのかを把握することができる。また、例えば出力先を表示部やスピーカにすることにより、出力された情報を参照したユーザは、どの場所でイベントが発生したのか等に加えて、「そのイベントに対応する画像データが現在再生できる状態であるか」も把握することが可能となる。
【0028】
(1-6) 前記イベントが発生したと判断した場合に、当該装置が制御対象とする装置が実行する機能であって前記画像データの撮像の障害となる機能を実行させないための制御を行うことを特徴とする。
【0029】
こうすることにより、障害のない状態で画像データを撮像することが可能となる。例えば、当該装置が制御対象とする装置をテレビ映像を再生可能な装置とし、当該装置が制御対象とする装置が実行する機能であって前記画像データの撮像の障害となる機能、をテレビの音声出力機能とするとよい。こうすることにより、画像データの撮像の際、少なくともイベントが発生したと判断された後はテレビの音声は停止され、画像データにテレビの音声が混入することを防止可能となる。また、例えば当該装置が制御対象とする装置を自動車のワイパーとし、当該装置が制御対象とする装置が実行する機能であって前記画像データの撮像の障害となる機能、をワイパーの動作とするとよい。こうすることにより、画像データの撮像の際、少なくともイベントが発生したと判断された後はワイパーの動作は停止され、画像データに動作しているワイパーが映り込むことを防止可能となる。
【0030】
(1-7) 前記記憶している又は前記記憶させている、前記画像データを削除する削除機能を備え、
或るイベントに対応する画像データが、前記削除機能により削除されたことによって再生不可能となった場合であっても
前記或るイベントが発生した場所を特定する情報及び前記段階的に設けられた複数の条件の内の何れの条件を満たしたのかを表す情報の2つの情報の出力は行うことを特徴とする。
【0031】
こうすることにより、画像データを削除した後であっても、2つの情報を出力することができる。また、出力先にてこれら2つの情報を利用することができる。そのため、画像データが削除されており、画像データは再生できない状況であっても、ユーザは、イベントが発生した場所や、イベント発生時の衝撃の度合いを確認することができる。
【0032】
(1-8) 前記複数の条件の内の第1の条件を満たした場合に前記画像データを記憶するための制御又は前記画像データを記憶させるための制御を行い、
前記複数の条件の内の第2の条件を満たした場合に前記画像データを記憶するための制御又は前記画像データを記憶させるための制御は行わないが、前記或るイベントが発生した場所を特定する情報及び前記段階的に設けられた複数の条件の内の何れの条件を満たしたのかを表す情報の2つの情報の出力は行うことを特徴とする。
【0033】
このように、複数の条件の何れかの条件については満たされたとしても画像データの記憶を行わないようにするとよい。これにより、例えば軽微な衝撃に基づいてイベントが発生したと判断されることが頻発するような場合には、軽微な衝撃に基づいてイベントが発生したと判断されたとしても画像データを記憶しない。そのため、画像データが増えすぎて、記憶媒体の容量をすぐに使いきってしまうような事態を防止する事が可能となる。例えば、車種や道路状況、運転の癖等によっては、一番敏感な閾値でのイベントが発生したとの判断が多発するような場合に、毎回録画をすると肝心な録画データもすぐ上書きされてしまう。そのため、このような場合は例えば一番敏感な閾値でのイベントが発生したと判断したとしても画像データを記憶しないようにするとよい。また、この場合に、画像データは記憶しないが2つの情報の出力は行うことから、ユーザは、イベントが発生した場所や、イベント発生時の衝撃の度合いを確認することができる。
【0034】
(1-9) 前記イベントが発生した場所を特定する記号を表示するための制御を行うと共に、前記画像データが記憶されているか否かに応じて前記記号の表示態様を異ならせるための制御を行うことを特徴とする。
【0035】
このようにすることにより、出力する情報を可視化することができ、例えばこれを参照したユーザが情報の内容を把握することが可能となる。具体的には、記号を参照したユーザが、イベントが発生した場所だけでなく、どのイベントについて画像データが記憶されているか否かを把握することが可能となる。ここで、記号が具体的にどのようなものであるかは任意であるが、例えば記号を地図上に表示するアイコンとするよい。これにより、ユーザは地図とイベントが発生した場所とを照らしあわせて参照できることから、イベントの発生した場所が何処であるのかを容易に認識することが可能となる。
【0036】
また、どのようにして前記記号の表示態様を異ならせるかも任意であるが、例えば、画像データが記憶されているイベントが発生した場所を特定する記号として丸型の形状のアイコンとし、画像データが記憶されていないイベントが発生した場所を特定する記号としては、矩形型の形状のアイコンとするとよい。また、イベントが発生した場所を特定する記号と、画像データが記憶されていないイベントが発生した場所を特定する記号とで色を異なるようにするとよい。また、イベントが発生した場所を特定する記号と、画像データが記憶されていないイベントが発生した場所を特定する記号とで、アイコンの形状及び色の双方が異なるようにするとよい。
【0037】
(1-9-1) 前記画像データが記憶されているイベントが発生した場所を特定する記号の大きさを、前記画像データが記憶されていないイベントが発生した場所を特定する記号の大きさよりも大きなものとして表示を行わせるための制御を行うことを特徴とする。
【0038】
このようにすることにより、出力する情報を可視化することができ、例えばこれを参照したユーザが情報の内容を把握することが可能となる。ここで、記号については上述の(1-9)と同様であり、例えば記号を地図上に表示するアイコンとするよい。
【0039】
また、どのようにして前記記号の形状を異ならせるかも任意であるが、例えば、画像データが記憶されているイベントが発生した場所を特定する記号として或る大きさの丸型の形状のアイコンとし、画像データが記憶されていないイベントが発生した場所を特定する記号としては、この或る大きさよりも小さな丸型の形状のアイコンとするとよい。
【0040】
また、上述の(1-9)と組み合わせることによって、アイコンの大きさ及びアイコン形状の双方を異ならせるようにするのもよい。
【0041】
何れの場合であっても、これを参照したユーザが、イベント発生場所のみならず、どのイベントについて画像データが記憶されているのかを把握することが可能となる。
【0042】
(1-10) 前記画像データの再生時に前記画像データの撮像を中止させるための制御を行い、前記画像データの再生終了後に前記画像データの撮像を再開させるための制御を、操作の受け付けを要することなく行うことを特徴とする。
【0043】
こうすることにより、画像データ再生中に新たにイベントが発生した判断した場合に再生中の画像データが上書きされてしまうような事態を防止することが可能となる。
【0044】
また、例えば、画像データそれぞれに番号を割り当ててリスト化して管理しているような場合であって、且つ、画像データ再生中に新たにイベントが発生した判断した場合に、新たな画像データに割り当てる番号と再生中の画像データに割り当てられている番号が重複してしまうような事態を防止することが可能となる。例えば、現在再生中の録画データを最新の画像データであるとして管理している場合に、新たな画像データが発生してしまうと、再生終了後に、何れのデータが最新のデータであるかが管理できなくなってしまうというような事態を防止することが可能となる。
【0045】
更に、このような事態を防止した後に、操作の受け付けを要することなく画像データの撮像を再開することにより、ユーザが録画開始のための操作を忘れてしまったような場合にも録画を再開することが可能となる。また、ユーザが操作を行う、という手間を省くことが可能となる。
【0046】
(1-11) 当該装置が制御対象とする装置は前記画像データを撮像するための撮像手段を備えており、
前記制御対象とする装置を前記移動体に設置後も、前記撮像手段に光を入射する入射部が、該入射部の入射位置及び向きの何れか又は双方を調整可能なように動かせることを特徴とする。
【0047】
こうすることにより、移動体に制御対象の装置を設置した後であっても入射位置の調整を行うことが可能となる。これにより、移動体の形状や設置位置に対応できるように、撮像される範囲を調整することができ、所望の範囲の画像データを撮像することが可能となる。当該装置と同一筐体に含まれる装置を当該装置の制御対象とするのもよい。そして、かかる制御対象の装置に撮像手段が含まれていてもよい。撮像手段は例えばカメラとし、入射部は例えばカメラレンズとするとよい。
【0048】
(1-12) 前記イベントが発生した場所を特定する記号を表示するための制御を行うと共に、前記段階的に設けられた複数の条件の内の何れの条件を満たしたのかに応じて前記記号の表示態様を異ならせるための制御を行うことを特徴とする。
【0049】
このようにすることにより、出力する情報を可視化することができ、例えばこれを参照したユーザが、各イベントが、どの条件を満たしたことにより発生したと判断されたイベントなのかを把握することが可能となる。ここで、記号については上述の(1-9)及び(1-9-1)と同様であり、例えば記号を地図上に表示するアイコンとするよい。
【0050】
また、どのような色を用いることにより記号の色を異ならせるかも任意であるが、例えば、微細な衝撃があったことからイベントが発生したと判断された場合には、そのイベントについては緑とするとよい。また、例えば、大きな衝撃があったことからイベントが発生したと判断された場合には、そのイベントについては赤とするとよい。また、例えば、これら微細な衝撃と大きな衝撃の中間の衝撃があったことからイベントが発生したと判断された場合には、そのイベントについては黄色とするとよい。また、衝撃の大きさに応じて、アイコンの大きさや形状を異ならせるようにしてもよい。
【0051】
また、上述の(1-9)や(1-9-1)と組み合わせることによって、更に画像データの有無に応じてアイコンの大きさ及びアイコン形状の双方を異ならせるようにするのもよい。
【0052】
また、上述の(1-9)や(1-9-1)の構成と関連させる際に、内容に応じて異ならせ方を異ならせるようにするとよい。例えば、画像データが存在するか否かに応じてアイコンの「形状」を異ならせ、衝撃の大きさに応じてアイコンの「色」を異ならせるようにするとよい。また、画像データが存在するか否かに応じてアイコンの「色」を異ならせ、衝撃の大きさに応じてアイコンの「形状」を異ならせるようにするとよい。
【0053】
(1-13) 所定の操作を受け付けたことを契機として、該所定の操作を受け付けた場所を特定する情報を前記イベントが発生した場所を特定する情報とは区別して記憶するための制御又は、該所定の操作を受け付けた場所を特定する情報を前記イベントが発生した場所を特定する情報とは区別して記憶させるための制御を行い、
前記操作を受け付けた場所を特定する記号を、前記イベントが発生した場所を特定する記号とは異なる表示態様で表示するための制御を行うことを特徴とする。
【0054】
これにより、イベントが発生したと判断していない場合であっても、位置情報を記憶する(記憶させる)ことが可能となる。そして、このようにすることにより、出力する情報を可視化することができ、そのため、これを参照したユーザはイベントが発生したと判断された場所と、操作が行われた場所とを区別して把握することが可能となる。
【0055】
ここで、記号については上述の(1-9)、(1-9-1)及び(12)と同様であり、例えば記号を地図上に表示するアイコンとするよい。
【0056】
また、どのような色を用いることにより記号の色を異ならせるかも任意であるが、例えば、操作を受け付けた場所を特定する記号を、青文字とするとよい。
【0057】
また、上述の(1-9)や(1-9-1)と組み合わせることによって、更に画像データの有無に応じてアイコンの大きさ及びアイコン形状の双方を異ならせるようにするのもよい。更に、上述の(1-12)と組み合わせることによって、更に、各イベントが、どの条件を満たしたことにより発生したと判断されたイベントなのかに応じてアイコンの色を異ならせるようにするのもよい。
【0058】
また、記憶するための制御又は記憶させるための制御について、例えば(2)の項目で上述した2つの情報の書き込みと同様に行うようにするとよい。
【0059】
(1-14) 前記出力する情報には、前記イベントが発生したと判断した順番を表すための情報が更に含まれることを特徴とする。
【0060】
こうすることにより、どのイベントが最近発生したと判断されたイベントであるのかということや、どのイベントが昔に発生したと判断されたイベントであるのかということが出力先で把握可能となる。
【0061】
例えば、古いイベントの画像データから上書き及び削除されるようにするとよい。この場合に情報の出力先を表示部とすることにより、ユーザはもうすぐ消えてしまうイベントデータがどれなのか分かる。よって、消えてしまいそうなデータから優先的に再生することが可能となる。
【0062】
また、上述の(1-9)や(1-9-1)や(1-12)や(1-13)と組み合わせるようにするのもよい。
【0063】
例えば、上述の(1-9-1)と組み合わせ、例えばアイコンを時系列に沿った番号を表示する丸付き数字とするのもよい。
【0064】
(1-15) 前記移動体の移動に伴って変化する測定情報は加速度センサによる測定値を備え、前記加速度センサによる測定値が段階的に設けられた閾値の何れの閾値を超えたかによって前記複数の条件の内の何れの条件を満たしたのかが決定されることを特徴とする。
【0065】
このようにすることにより、単に移動体が他の移動体や設置物に衝突したということのみならず、ユーザは衝突した際の衝撃がどの程度であったかも判断することができる。
【0066】
(1-16) 前記移動体の移動に伴って変化する測定情報が、段階的に設けられた複数の条件の内の何れかの条件を満たす情報となったとしても該条件が満たす情報となったのが、操作を受け付けたときを含む所定の期間の間であるのならば、前記イベントが発生したとはしない又はイベントは発生したと判断するがイベントが発生した旨の警告を出力するための制御を行わないことを特徴とする。
【0067】
操作とは、ユーザによる操作であり、この操作を受け付ける際の衝撃に基づいてイベントが発生したと誤った判断をしてしまうおそれがある。しかしながら、このようにすることにより、イベントが発生していないような場合に誤ってイベントが発生したと判断してしまうことを防止することが可能となる。
【0068】
装置の使用状況によっては所定の方向に対してイベントの発生とは無関係に、加速度センサによる測定値が上るような場合がある。例えば、装置の前面をタッチパネルとした場合には、ユーザによるタッチパネルの押下が行われることにより、装置の前面から後面方向に対応する測定軸において、加速度センサによる測定値が上る。これは、イベント発生とは関係しないため、このような場合にはイベントが発生したと判断しないようにするとよい。
【0069】
そこで、操作を受け付けたときを含む所定の期間の間であるのならば前記イベントが発生したとはしない。これにより、操作に伴う衝撃を加速度センサが測定した場合であっても、これに基づいてイベントが発生したという誤った判断を行ってしまうことを防止することができる。
【0070】
しかしながら、操作に前後して実際にイベントが発生するような場合も考えられる。そこで、イベントが発生したと判断しないのではなく、イベントが発生したと判断はするが警告は出力しないこととするとよい。これにより、イベント発生に伴って行われる処理を確実に行うことが可能となる。イベント発生に伴って行われる処理とは、例えば画像データの記憶処理とするとよい。また、一方で、操作に伴う衝撃を加速度センサが測定してイベントが発生したという誤った判断を行ってしまったにも関わらず、警告を出力してしまうという事態を防止することが可能となる。
【0071】
(1-17) 当該装置が制御対象とする装置が、第1の記憶媒体使用部と第2の記憶媒体使用部とを備えており、一方の記憶媒体使用部にて使用した記憶媒体を、他方の記憶媒体使用部で使用できるように制御することを特徴とする。
【0072】
このようにすることにより、2つの記憶媒体使用部を有効に使用することが可能となる。
【0073】
例えば、制御対象とする装置が、2つの機能を実現する基板を有しており、これら基板のそれぞれが、同一の規格に準拠した記憶媒体を使用できるようにするとよい。これにより、同一の記憶媒体を相互の基板で使用することが可能となる。
【0074】
例えば、カーナビゲーションシステムの機能を実現する基板とドライブレコーダの機能を実現する基板とするとよい。例えばドライブレコーダの機能を実現する基板で撮影した画像データをカーナビゲーションシステムの機能を実現する基板の能力で再生したり、片方の基板で使用していた記憶媒体の容量が一杯になった場合に、他方の記憶媒体を使用することが可能となる。
【0075】
(1-18) 前記イベントの発生時、前記イベント発生前及び前記発生後何れか又はこれらの2つ以上の組み合わせのときに測定された測定情報も出力する。
【0076】
こうすることにより、イベント発生前後の一定期間に測定された測定情報を出力先にて把握できる。また、これらの2つ以上の組み合わせとあることから、イベント発生時とイベント発生前の一定期間や、イベント発生時とイベント発生後の一定期間といった組み合わせとするとよい。
【0077】
例えば、測定情報を移動体の移動速度とし、出力先を表示部とするとよい。こうすることにより、ユーザはイベントが発生時に例えば法定速度以下であったことや、きちんと徐行をしていたことなどが証明できるようになる。なお、移動体の移動速度は、例えばGPSの位置情報を使用することにより算出できる。また、例えばOBD(On-board diagnostics)を使用することにより移動体の移動速度を取得するのもよい。
【0078】
(1-19) プログラムが、コンピュータを上述の(1)乃至(1-18)として記載の装置として機能させることを特徴とする。
【0079】
上述の(1-1)乃至(1-18)として記載の装置の機能の全部又は少なくとも一部をコンピュータにより実現することが可能となる。
【0080】
(1-a) 前記画像データを所定の数だけ記憶した状態にあるときに又は前記画像データを所定の数だけ記憶させた状態にあるときに、前記イベントが発生したと判断したならば、前記記憶した画像データ又は前記記憶させた画像データの一部又は全部を削除することを特徴とする。
【0081】
例えば、記憶媒体の容量に基づいて画像データの最大記憶可能件数を定めておき、この最大記憶可能件数に近い数だけ画像データが記憶している(又は、記憶されている)ような状態を、前記画像データを所定の数だけ記憶した(又は、記憶されている)状態とするとよい。
【0082】
このようにすることにより、最大記憶可能件数に近づけば画像データは削除される。そのため、最大記憶可能件数になってしまって次回のイベント発生時に画像データが記憶できない、というような事態を防止することが可能となる。
【0083】
(1-b) 前記閾値は測定軸毎に異なる値が設定可能であり、前記移動体の進行方向に対応する測定軸の閾値が、他の測定軸の閾値よりも高いことを特徴とする装置。
【0084】
このようにすることに、装置の利用状況に応じた閾値を使用でき、イベントが発生していないような場合に誤ってイベントが発生したと判断してしまうことを防止することが可能となる。
【0085】
この点、装置の使用状況によっては所定の方向に対してイベントの発生とは無関係に、加速度センサによる測定値が上るような場合がある。例えば、装置の前面をタッチパネルとした場合には、ユーザによるタッチパネルの押下が行われることにより、装置の前面から後面方向に対応する測定軸において、加速度センサによる測定値が上る。これは、イベント発生とは関係しないため、このような場合にはイベントが発生したと判断しないことが好ましい。そこで、例えば装置の前面から後面方向に対応する測定軸においては閾値を高くするとよい。これにより、多少の衝撃を検知したとしてもイベントが発生したと判断しないとすることが可能となる。
【0086】
また、例えば自動車に装置を設置する際は、タッチパネルが設けられた装置の前面はユーザの正面に向き、装置の後面は自動車の進行方向に向く。そこで、例えば移動体進行方向を前とした場合に移動体進行方向に対応する測定軸をX方向(前後)とし、移動体進行方向を前とした場合に移動体の左右に対応する測定軸をY方向(左右)とし、移動体進行方向を前とした場合に移動体の上下に対応する測定軸をZ方向(左右)とし、X方向(前後)の測定軸についての閾値を高くするようにするとよい。
【0087】
(1-c) 前記イベントが発生したと判断した場合に、通知部が点灯するための制御を行い、前記通知部は該通知部による点灯が前記移動体のフロントガラスに映り込む場所に設置されることを特徴とする。
【0088】
こうすることにより、フロントガラスに写り込んだ点灯又は点滅を見ることができ、ユーザはイベントが発生したことを、容易に認識することが可能となる。例えば、夜間に移動体を運転するような場合に、通知部が点灯するようにするとよい。
【0089】
(1-d) 前記移動体が前記イベントが発生した場所の近傍に位置している場合に、当該装置が制御対象とする装置が実行する機能の少なくとも一部を制限することを特徴とする。
【0090】
こうすることにより、前回イベントが発生した箇所において、ユーザは移動体の運転に集中することが可能となる。
【0091】
過去にイベントが発生した場所では気を引き締めて運転をすることが望まれることが多い。例えば、前回急ブレーキをかけてしまったことからイベントが発生したと判断された場所があったとする。この場合に、この場所の近傍では制御対象とする装置の機能を一部制限する。例えば、上述の(6)のように制御対象とする装置をテレビ映像を再生可能な装置とし、当該装置が制御対象とする装置が実行する機能であって前記画像データの撮像の障害となる機能、をテレビの音声出力機能とするとよい。こうすることにより、以前急ブレーキをかけた場所の近くでは、運転の邪魔となるテレビの音声の出力を取りやめることができ、ユーザが移動体の運転に集中することが可能となる。
【0092】
(2-1) ユーザに対して情報を出力するための制御及びユーザから操作を受け付けるための制御、の何れか又は双方の制御を行う第1の電力消費部と、第1の電力消費部とは異なる制御を行う第2の電力消費部とを備え、
前記第1の電力消費部及び第2の電力消費部へ同時に電圧を印加すると、外部電源の定格電流を超える場合に、前記外部電源からの給電が開始されると、第1の電力消費部へ電圧を印加する第1-1の印加を行い、該第1-1の印加の後に第2の電力消費部へ電圧を印加する第2の印加を行うことを特徴とする。
【0093】
このように、電圧の印加を順番に行うことによって段階的に電流を流すことにより、必要とする電流の合計値の最大値を下げることができる。これにより低電流の電源であっても装置を起動することが可能となる。また、ユーザに対して情報を出力するための制御及びユーザから操作を受け付けるための制御、の何れか又は双方の制御を行う第1の電力消費部を、先に印加の対象とすることから、ユーザが情報を参照することや操作を行うことが速やかに開始できる。
【0094】
また、例えば、移動体のカーチャージャーを使用して外部から電源を供給するようにするとよい。こうすると、低電流のカーチャージャーを使用でき、コストが削減可能となる。また、低電流のカーチャージャーのケーブルは細いので、ユーザにとって取り回しが楽になる。
【0095】
(2-2) 前記第2の電力消費部は、前記外部電源からの給電が遮断された場合に蓄電器からの給電を受けて所定の動作終了処理を行う必要がある部位を備えており、
前記第2の印加を行う前に、前記蓄電器へ電圧を印加する第1-2の印加を行うことを特徴とする。
【0096】
こうすることにより、第2の電力消費部を起動させる前に、蓄電器への給電が行われることとなり、第2の電力消費部が所定の動作終了処理を行うための電荷を蓄電器に蓄えておくことができる。そのため、必要な所定の動作終了処理を確実に実行できる。
【0097】
動作終了処理は、例えば第2の電力消費部が処理しているデータの記憶媒体への格納処理とするとよい。これにより、処理途中のファイルが破損してしまうことを防止することができる。
【0098】
(2-3) 当該装置は、前記外部電源から取り外された場合に駆動を継続するための二次電池を備えており、前記第2の印加の後に、前記二次電池へ電圧を印加する第3の印加を行うことを特徴とする。
【0099】
第2の電力消費部への印加が始まってすぐではまだ、電流を多く消費している。よってこの段階で二次電池に電流を流してしまうと外部電源の定格電流を上回ってしまう。
【0100】
そこで、このように第3の印加をすぐには行わないようにすることにより、外部電源の定格電流を上回ってしまうことを防止することを特徴とする。
【0101】
例えば、蓄電器の電圧が上がるのを待ってから印加を行う場合、蓄電器の電圧が上がった適切なタイミングで印加を開始することが可能となる。また蓄電器はスーパーキャパシタとするとよい。
【0102】
(2-4) 電圧を印加された前記第1の電力消費部によって当該装置が所定の機能を発揮するまでに要する時間が、電圧を印加された前記第2の電力消費部によって当該装置が所定の機能を発揮するまでに要する時間よりも長い。
【0103】
ユーザに各種の機能を提供する際に、機能を発揮するまでに時間を要する電力消費部に対しては、機能を発揮するまでに相対的には時間を要さない電力消費部よりも先に電圧を印加すべきである。そこで、このように、所定の機能を発揮するまでに要する時間が相対的に長い第1の電力消費部に対して、第2の電力消費部よりも先に電圧を印加する。これにより、ユーザは第1の電力消費部により発揮される機能を早期に使用することが可能となる、上記(2-1)の欄で述べたように、第1の電力消費部によって、ユーザに対して情報を出力するための制御及びユーザから操作を受け付けるための制御、の何れか又は双方の制御が行われることから、第1の電力消費部を先に印加の対象とすることにより、ユーザが情報を参照することや操作を行うことが速やかに開始できる。
【0104】
(2-5)前記第1の電力消費部によって当該装置は地図表示機能を発揮し、前記第2の電力消費部によって当該装置はドライブレコーダ機能を発揮し、前記ドライブレコーダ機能に関連して出力する情報を地図上に表示することを特徴とする。
【0105】
また、第1の電力消費部に対して先に印加を行うことから、速やかに地図表示機能を起動させることが可能となる。移動体のユーザは地図を確認してから、運転を開始する場合が多いと考えられる。また、運転を開始していないのであれば、ドライブレコーダを機能させる必要性は運転中よりも低くなる。そこで、例えばドライブレコーダ機能を先に起動させるのではなく、地図表示機能の起動後に、ドライブレコーダ機能を起動するとよい。これにより、ユーザの使用状況に適した起動順序とすることが可能となる。
【0106】
(2-6) 前記ドライブレコーダ機能に関連して取得した位置情報によって特定される場所への運行案内を行うための制御を行うことを特徴とする。
【0107】
こうすることにより、ユーザは、ドライブレコーダ機能に関連した場所への運行案内を受ける。例えば、過去に事故を起こした場所や、頻繁にイベントが発生する場所や、ユーザが手動で録画をした場所に簡単に再訪することが可能となる。
【0108】
(2-7) 前記地図が表示されていない状態であっても運行案内を継続するための制御を行うことを特徴とする。
【0109】
例えば、地図が表示されていない状態、すなわち、カメラの撮影したリアルタイム映像やテレビ映像を表示している場合であっても音声出力による運行案内を継続するようにするとよい。
【0110】
(2-8) 前記蓄電器の電圧が第1の所定の電圧を超えたのならば前記第2の印加が開始されるように制御し、前記蓄電器の電圧が第2の所定の電圧を超えたのならば前記第2の電力消費部が所定の機能を発揮可能となるように制御することを特徴とする。
【0111】
第2の電力消費部の起動処理が終わったからといって、すぐに第2の電力消費部が所定の機能を実行すると蓄電器への蓄電が不十分であることが考えられる。そこで、このようにすることにより、起動に必要な電圧となったら起動処理を開始し、所定の機能を実行可能な電圧となってから初めて所定の機能の実行を開始する。これにより、蓄電器への蓄電が不十分であるにも関わらず所定の機能を実行してしまうことを防止できる。所定の機能は例えばドライブレコーダ機能とするとよい。
【0112】
(2-9) 前記第2の電力消費部が、前記所定の機能を実行可能な状態となったことを契機として前記第3の印加が行われるように制御することを特徴とする。
【0113】
第2の電力消費部への印加が始まってすぐではまだ、蓄電器への蓄電は不十分であり、電流を多く消費している。よってこの段階で他のデバイスである二次電池に電流を流してしまうと電流の合計値の最大値が想定を上回ってしまう。
【0114】
そこで、こうすることにより所定の機能を実行可能な状態、すなわち蓄電器への蓄電が充分できてから他のデバイスである二次電池に電流を流すことが可能となる。そのため電流の合計値の最大値が電源供給元の定格電流を上回ってしまうことを防止することが可能となる。
【0115】
(2-10) 前記第1の電力消費部が、前記外部電源からの給電が開始されてから前記第3の印加が開始されるまでの間の、何れかの期間又は全ての期間において前記第2の電力消費部が前記所定の機能を発揮可能な状態にない旨を出力するための制御を行うことを特徴とする。
【0116】
上述した(2-1)の欄に記載のように、まずユーザに対して情報を出力するための、第1の電力消費部を起動することが好ましい。そこでまず、第1の電力消費部に電流を流す。そして、このようにすることにより、第1の電力消費部により、第2の電力消費部による所定の機能が未だ使用できない旨を出力することを可能となる。例えば表示部に「現在ドライブレコーダの機能は使用できません」等の表示を出力するようにするとよい。これにより、ユーザはきちんと給電が開始されていること、及び2の電力消費部による所定の機能は起動途中であることを認識することが可能となる。
【0117】
(2-11) 前記外部からの電源の供給が遮断された場合に、前記第2の制御部上で稼働する所定の機能を停止させるように制御することを特徴とする。
【0118】
これにより、外部からの電源の供給が遮断された場合に、消費電力量を削減することができる。例えば、移動体のカーチャージャーから取り外された場合にはドライブレコーダとしての機能は不要となる。そこで、このようにすることにより、不要な機能を停止でき、二次電池の消費を低減させることが可能となる。
【0119】
(2-12) 前記装置が、前記所定の外部電源から給電を受けているときに前記第1の電力消費部上で稼働する機能及び前記第2の電力消費部上で稼働する機能の双方の機能を停止させることを特徴とする。
【0120】
こうすることにより、消費電力量を削減することができ、効率よく二次電池への充電を行うことが可能となる。
【0121】
例えば、移動体以外の機器から給電を受けているときは、移動体で使用されておらず、パーソナルコンピュータのUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠した端子や、コンセントに接続状況であると考えられる。この場合には、ドライブレコーダとしての機能に加えて地図表示機能も不要となる。そこで、こうすることにより、不要な機能を停止でき、二次電池の消費を低減させることが可能となる。
【0122】
(2-13) プログラムが、コンピュータを上述の(2-1)乃至(2-13)として記載の装置として機能させることを特徴とする。
【0123】
上述の(2-1)乃至(2-13)として記載の装置の機能の全部又は少なくとも一部をコンピュータにより実現することが可能となる。
【0124】
(2-a) 前記外部電源からの給電が遮断された場合に、前記二次電池が前記第1の電力消費部に電圧を印加するように制御することを特徴とする装置。
遮断された場合、例えば、移動体のカーチャージャーから取り外された場合にはドライブレコーダとしての機能は不要となる。そこで、ドライブレコーダの機能を実現する第2の電力消費部ではなく、地図表示機能を実現する第1の電力消費部に二次電池から電圧を印加する。このようにすることにより、外部からの電源の供給が遮断されてもすぐに地図表示機能を使用することが可能となる。また、当該装置を携帯型とし、ユーザが持ち歩いて使用できるようにするとよい。
【発明の効果】
【0125】
本発明によれば、別個の機器に実装されていた機能を連携して利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
図1】本発明の実施形態の基本的構成を表すブロック図である。
図2】本発明の実施形態における、3つの録画について説明するイメージ図である 。
図3】本発明の実施形態における、マニュアル録画及びイベント録画に対応するア イコンのリストを表す表示例である。
図4】本発明の実施形態における、イベント発生時のポップアップ表示の表示例で ある。
図5】本発明の実施形態における、イベントアイコンの地図上での表示例の一例に ついて表す表示例である。
図6】本発明における、マニュアル録画及びイベント録画に対応するアイコンのリ ストと地図を表示する際の表示例である。
図7】本発明の実施形態における、履歴アイコンの地図上での表示例の一例につい て表す表示例である。
図8】本発明の実施形態における、画面遷移について表す図(1/3)である。
図9】本発明の実施形態における、画面遷移について表す図(2/3)である。
図10】本発明の実施形態における、画面遷移について表す図(3/3)である。
図11】本発明の実施形態における電源制御部の基本的構成を表すブロック図であ る。
図12】本発明の実施形態における電源制御時の基本的な動作を表すフローチャー ト(1/2)である。
図13】本発明の実施形態における電源制御時の基本的な動作を表すフローチャー ト(2/2)である。
図14】本発明の実施形態におけるドライブレコーダ未起動時の表示例である。
図15】本発明の実施形態においてナビゲーション機能を動作させている際の表示 例である。
図16】本発明の実施形態の実装例を表す六面図である。
図17】本発明の実施形態の実装例に設けられた切り欠けについて説明する図であ る。
図18】本発明の実施形態のスピーカスリットについて説明する図である。
図19】本発明の実施形態の実装例におけるクレードル及び台座部と接続された状 態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0127】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0128】
<機能ブロック>
まず、図1を参照して本実施形態である一体型装置1000の構成について説明する。図1は一体型装置1000に含まれる機能ブロックを表すブロック図である。
【0129】
図1を参照すると、一体型装置1000は、第1の制御部100、タッチパネル110、スピーカ120、報知用LED130、ボタン140、テレビチューナ150、GPSセンサ160、加速度センサ170、第1の記憶部180、主記憶部190、第2の制御部200、カメラ210、マイク220、第2の記憶部230、電源部310及びUSB端子320を含む。
【0130】
ここで、第1の制御部100は、もっぱらカーナビゲーション装置としての機能を実現する制御部である。一方で、第2の制御部200は、もっぱらドライブレコーダとしての機能を実現する制御部である。そして、第1の制御部100及び第2の制御部200は連携することにより一体型装置1000の制御を実現する。つまり、一体型装置1000は、カーナビゲーション装置としての機能とドライブレコーダとしての機能との双方を兼ね備えた装置である。以下の説明においては、一体型装置1000を自動車のダッシュボード上に設置して使用することを想定する。
【0131】
次に、これら各部の機能について、より詳細に説明する。
【0132】
第1の制御部100は、上述した各部のなかでも特に、タッチパネル110、スピーカ120、報知用LED130、ボタン140、テレビチューナ150、GPSセンサ160、加速度センサ170、第1の記憶部180及び主記憶部190を制御する。
【0133】
具体的には、第1の制御部100は、タッチパネル110が受け付けた操作の内容を入力する。また、表示すべき画像データをタッチパネル110に出力する。また、第1の制御部100は、出力すべき音楽や音声等の音をスピーカ120に出力する。更に、第1の制御部100は、報知用LED130(Light Emitting Diode)を点灯や点滅させることにより、ユーザに対する報知を行う。
【0134】
更に、第1の制御部100は、タッチパネル110が受け付けた操作に応じてテレビチューナ150の制御を行う。
【0135】
更に、第1の制御部100は、GPSセンサ160が測位した位置情報を入力する。更に、第1の制御部100は、加速度センサ170が測定した加速度を入力する。
【0136】
更に、第1の制御部100は、第1の記憶部180に情報を書き込む。更に第1の制御部100は第1の記憶部180より情報を読み込む。
【0137】
更に、第1の制御部100は、主記憶部190に情報を書き込む。更に第1の制御部100は主記憶部190より情報を読み込む。
【0138】
更に、第1の制御部100は、基板上に実装された通信線等で接続され第2の制御部200と相互に通信を行う。
【0139】
更に、第1の制御部100はUSB端子320を介して接続された外部装置と、相互に通信を行う。
【0140】
タッチパネル110は、ユーザから画面を押下されることにより操作を受け付け、受け付けた操作の内容を第1の制御部100に出力する。ここで、操作の内容とは押下を受け付けた位置が、タッチパネル110の画面上のどの位置であるのかを特定する情報である。また、タッチパネル110は、第1の制御部100から入力される画像データを画面上に表示する。更に、タッチパネル110は、テレビチューナ150から入力される画像データを画面上に表示する。
【0141】
スピーカ120は、第1の制御部100から入力される音楽や音声等の音を出力する。
【0142】
報知用LED130は、第1の制御部100の制御に基づいて点灯や点滅をする。
【0143】
ボタン140は、一体型装置1000の筐体に設けたれた物理的なボタン140であり、ユーザの操作を受け付ける。
【0144】
ここで、上述したように一体型装置1000を自動車に設置して使用する場合には、タッチパネル110、スピーカ120及び報知用LED130のそれぞれは、タッチパネル110、スピーカ120及び報知用LED130の出力をユーザが検知可能な位置に配置される。また、タッチパネル110及びボタン140はユーザが操作可能な位置に配置される。
【0145】
テレビチューナ150は、テレビ信号を受信し、受信したテレビ信号を所定の形式の画像データに変換してタッチパネル110に出力する。以下の説明では、このテレビチューナ150が変換した画像データを「テレビ映像」と呼ぶ。
【0146】
GPSセンサ160は、GPSを利用して一体型装置1000の現在位置を測位し、測位した位置情報を第1の制御部100に出力する。ここで、位置情報とは例えば、GPSの規格に準拠した座標情報により実現される。
【0147】
加速度センサ170は、加速度を測定し、測定した加速度を第1の制御部100に入力する。なお、加速度センサ170は、「Gセンサ」と呼ばれることもある。
【0148】
第1の記憶部180は、ユーザにより脱着可能な記憶媒体が挿入される部分である。第1の記憶部180には、例えば、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)形式の音楽ファイルや、第1の制御部100が書き込んだテレビ映像が格納された記憶媒体が挿入される。そして、第1の制御部100の制御により、これら音楽ファイルや、テレビ映像は記憶媒体より読み込まれ、スピーカ120やタッチパネル110から出力される。
【0149】
主記憶部190には、カーナビゲーション行うための情報が格納される。具体的には、地図情報、一定の目標物に関する情報、道路の種別を特定するための情報、施設の情報及び住所情報等が格納される。また、主記憶部190には、第1の制御部100による制御を実現するためのソフトウェアが格納される。
【0150】
また、一体型装置1000の出荷後に更新されたソフトウェアの最新データや目標物についての最新データ等を使用して、主記憶部190のソフトウェアをアップデートすることもできる。例えば、最新データが格納された記憶媒体を第1の記憶部180に挿入し、第1の記憶部180が、この記憶媒体から追加データを読み取って主記憶部190のソフトウェアをアップデートする。ここで、主記憶部190は、例えばフラッシュメモリにより実現される。
【0151】
また、上述したように一体型装置1000を自動車に設置して使用している場合には、GPSセンサ160が測位した現在位置は自動車の現在位置を表し、加速度センサ170が測定した加速度は自動車の加速度を表すこととなる。そして、第1の制御部100は、GPSセンサ160が測位した現在位置及び記憶部に格納されている地図情報等を照らし合わせることにより、自動車の現在位置を含んだ運行案内用の地図を作成し、タッチパネル110にこの運行案内用の地図を表示する。また、タッチパネル110、スピーカ120及び報知用LED130を使用して、所定の情報、警報及びメッセージを出力する。第1の制御部100がこれらの処理を行うことによりカーナビゲーション機能を実現する。
【0152】
一方、第2の制御部200は、上述した各部のなかでも特に、カメラ210、マイク220及び第2の記憶部230を制御する。
【0153】
そして、第2の制御部200は、カメラ210が撮像した映像信号及びマイク220が集音した音響信号を入力し、入力した映像信号及び音響信号を所定の形式の画像データに変換して記憶部に格納する。以下の説明では、この第2の制御部200が変換した画像データを「リアルタイム映像」と呼ぶ。
【0154】
また、第2の制御部200は、リアルタイム映像を第1の制御部100に出力する。出力されたリアルタイム映像は、タッチパネル110に表示される。
【0155】
カメラ210は、入射部211を含む。
【0156】
入射部211は、光が入射する部分である。入射部211に入射した光は映像信号に変換され第2の制御部200に出力される。
【0157】
更に、マイク220は集音を行う。マイク220が集音した音は音響信号に変換され第2の制御部200に出力される。
【0158】
ここで、一体型装置1000を自動車に設置して使用している場合には、入射部211に入射した光及びマイク220が集音した音は、ドライブレコーダとして撮像すべき対象となる。ここでドライブレコーダとして撮像すべき対象とは、例えば、自動車の車内からフロントガラス越しに撮像される進行方向の風景及び周囲の音である。そして、第2の制御部200は、かかるドライブレコーダとして撮像すべき対象を、所定の映像形式で第2の記憶部230に記憶することによりドライブレコーダとしての機能を実現する。
【0159】
電源部310は、一体型装置1000に含まれる各機能ブロックに電源を供給する。電源部310への電源の供給は外部装置からUSB端子320を介して行われる。なお図1では電源部310が各機能ブロックに対して給電を行うための配線については図示を省略する。
【0160】
USB端子320は、USB規格に準拠した端子である。USB端子320にはUSB規格に準拠したケーブルを介して外部装置と接続される。そして、外部装置からはケーブルを介して電源の供給が行われる。また、ケーブルを介して第1の制御部100と外部装置が通信を行うことも可能である。
【0161】
ここで、一体型装置1000を自動車に設置して使用している場合には、自動車のカーチャージャーに接続されたケーブルがUSB端子320に接続される。そして、一体型装置1000は自動車のカーチャージャーから電源を供給される。
【0162】
以上、本実施形態の機能ブロックについて説明した。
【0163】
なお、以上説明した第1の制御部100及び第2の制御部200は、それぞれCPU(Central Processing Unit)等の演算装置や、RAM(Random Access Memory)やROM(read only memory)等により実現される。そして、ROMや主記憶部190に記憶されているソフトウェアをCPUが読み込み、RAMに展開させながら演算処理を行うことにより第1の制御部100及び第2の制御部200による制御は実現される。
<本実施形態の処理>
次に本実施形態が行う処理のそれぞれについて、図を参照して詳細に説明する。
<リアルタイム映像の録画>
まず、第2の制御部200の制御により行われるリアルタイム映像の録画について図2を参照して説明する。本実施形態では、常時録画、マニュアル録画及びイベント録画の3つの録画方法が存在する。
【0164】
まず、前提として一体型装置1000が設置された自動車のエンジンの始動と共にリアルタイム映像の取得は開始される。そして、自動車のエンジンが止められることによりリアルタイム映像の取得は終了となる。
【0165】
ここで、自動車のエンジンが動作しているか否かは、例えば、USB端子320を介して自動車から電源の供給があるか否かに応じて判断するとよい。つまり、電源の供給が開始されたのならばリアルタイム映像の取得を開始し、電源の供給が終了されたのならばリアルタイム映像の取得を終了するようにする。
【0166】
次に、常時録画について説明する。リアルタイム映像の取得が開始されてから、リアルタイム映像の取得が終了するまでの間、リアルタイム映像は第2の記憶部230に保存される。つまり自動車のエンジンが動作している間は、常に常時録画が行われる
録画したリアルタイム映像は所定の長さの単位で複数のファイルに分割されて第2の記憶部230に保存される。所定の長さの単位は任意であるが、例えば30秒単位で1つのファイルとするよい。なお以下の説明ではこのファイルを「映像ファイル」と呼ぶ。
【0167】
図2左上の「起動から第2の記憶部230の容量が一杯となるまで」のように、第2の記憶部230の容量であって、常時録画用に割り当てられた容量が一杯となるまで映像ファイルの保存が継続される。常時録画用に割り当てる容量は任意であるが、例えば20分の長さに対応するだけの映像ファイルが録画可能な容量とするとよい。
【0168】
また、第2の記憶部230の容量であって、常時録画用に割り当てられた容量が一杯となってからも映像ファイルの保存は継続する。しかし、このままでは容量が足らず、新たな映像ファイルを保存することはできない。そのため、新たな映像ファイルを保存する際に、一番古い映像ファイルから削除するとよい。
【0169】
次に、マニュアル録画について説明する。ユーザによりボタン140の押下を検出するとマニュアル録画が実行される。そして、ボタン140の押下を検知した時点を含む映像ファイルと、その映像ファイルの一つ前の映像ファイルが保護される。つまり、一度の押下に応じて2つの映像ファイルが保護される。ここで保護されるとは、保護した映像ファイルを、常時録画による一番古い映像ファイルの削除の対象から外すということである。
【0170】
そして保護された2つの映像ファイル、2つの映像ファイルが撮像された日時及び2つの映像ファイルが撮像された位置を特定する位置情報を紐付けて組として第2の記憶部230に格納する。またこの組を識別するために識別符号も更に組に加える必要があるが、2つの映像ファイルが撮像された日時を、単に日時を確認するためだけに使用するではなく、識別符号としても使用するようにするとよい。また、位置情報としてはGPSセンサ160により測位された座標情報を第1の制御部100に要求し、要求に応じて第1の制御部100から送信される座標情報を使用するようにするとよい。
【0171】
更に、第2の制御部200はマニュアル録画が発生したことを第1の制御部100に通知する。具体的には、マニュアル録画が発生した旨、マニュアル録画が行われた日時及びマニュアル録画が行われた位置を特定する位置情報を紐付けて組として第1の制御部100に送信する。そして、第1の制御部100は、受信した、この組となった情報を主記憶部190に格納する。
【0172】
保護可能とする件数は第2の記憶部230の容量に応じて任意に定めてよいが、例えば、最大事件10件分、すなわち、映像ファイル20個分の容量とするとよい。映像ファイル20個分を保護している状態で、ユーザによるボタン140の押下を検出して、新たにマニュアル録画を実行する場合、及び後述のイベント録画を新たに実行する場合には、一番古い映像ファイル2つを保護の対象から外して削除する。これにより新たな映像ファイルを保護の対象とすることが可能となる。
【0173】
次に、イベント録画について説明する。第1の制御部100によりイベントが発生したと判断されるとイベント録画が実行される。なお、第1の制御部100が、イベントが発生したと判断する基準については、このイベント録画について説明の次に説明する。
【0174】
そして、イベントが発生した時点を含む映像ファイルと、その映像ファイルの一つ前の映像ファイルが保護される。つまり、一度のイベント発生に応じて2つの映像ファイルが保護される。
【0175】
そして保護された2つの映像ファイル、2つの映像ファイルが撮像された日時及び2つの映像ファイルが撮像された位置を特定する位置情報を紐付けて組として第2の記憶部230に格納する。またマニュアル録画と同様に、2つの映像ファイルが撮像された日時を、識別符号としても使用するようにするとよい。更に、位置情報についてもマニュアル録画と同様に、第1の制御部100から送信された座標情報を使用するようにするとよい。また、マニュアル録画と同様に、位置情報としては第1の制御部100から送信される座標情報を使用するようにするとよい。
【0176】
マニュアル録画と同様に、保護可能とする件数は第2の記憶部230の容量に応じて任意に定めてよいが、例えば、マニュアル録画の件数と合算して最大事件10件分、すなわち、映像ファイル20個分の容量とするとよい。マニュアル録画と同様に、映像ファイル20個分を保護している状態で、更に録画を実行する場合には、一番古い映像ファイル2つを保護の対象から外して削除するようにするとよい。
【0177】
このように録画された映像ファイルは、ユーザの操作に応じて再生可能なようにする。例えば、図3に表されるように、保護されている映像ファイルが撮像された日時を識別子として、タッチパネル110にリスト表示する。そして、ユーザによる選択をタッチパネル110にて受け付けて、選択に応じた映像ファイルをタッチパネル110上に再生する。なお、ユーザが、マニュアル録画とイベント録画を区別可能なように、マニュアル録画の場合は図3のi1のようなアイコンを付し、イベント録画の場合はi1とは異なる形状の図3のi2のようなアイコンを付すようにしている。
【0178】
<イベントの発生判断>
本実施形態では、第1の制御部100が、イベントが発生したことを判断する。
【0179】
このイベントの発生を判断するために、自動車の移動に伴って変化する測定情報である加速度センサ170により測定される加速度と、閾値を使用する。そして、測定した加速度が閾値を超えた場合にイベントが発生したと判断する。このようにすることにより、自動車が他の移動体や設置物に衝突したことや、自動車を運行するユーザの運転に基づく急停止や急発信及び急旋回があったということ、すなわちイベントが発生したことが判断できる。
【0180】
また、閾値は1つのみではなく段階的に複数設ける。そして、加速度センサ170の測定値が段階的に設けた閾値の何れを超えたかも判断することにより、単に自動車が他の移動体や設置物に衝突したということのみならず、衝突した際の衝撃がどの程度であったかも判断することができる。
【0181】
例えば、一番敏感な段階の閾値を0.5Gとし、そこから段階的に鈍感とする。つまり二番目に鈍感な段階の閾値を0.8G、中間の段階の閾値を1.1G、二番目に鈍感な段階の閾値を1.4G、もっとも鈍感な段階の閾値を1.7G、というように、段階的に例えば5段階設定する。
【0182】
そして、加速度センサ170の測定値が例えば0.5G未満であれば、イベントが発生したとは判断しない。また、加速度センサ170の測定値が例えば0.9Gであれば、二番目に鈍感な段階の閾値を超えているので、レベル2のイベントが発生したと判断する。また、例えば、加速度センサ170の測定値が例えば1.9Gであれば、一番鈍感な段階の閾値を超えているので、レベル5のイベントが発生したと判断する。このように加速度センサ170の測定値が高いほど、高レベルのイベントが発生したと判断する。これは言い換えると、イベントのレベルが高いほど、大きな衝撃が検知されたということとなる。
【0183】
イベントが発生したと判断された場合には、第1の制御部100は、イベントが発生した位置を特定するための位置情報、発生したイベントのレベル及びイベントが発生した日時を紐付けて組として主記憶部190に格納する。また、第2の制御部200がマニュアル録画やイベント録画の際に行っているのと同様にして、イベントが発生した日時を、各イベントを識別するための識別符号としても使用するようにするとよい。
【0184】
更に、イベントが発生したと判断された場合、第1の制御部100は、報知用LED130を点灯又は点滅させることにより、ユーザにイベントの発生を知らせる。また、第1の制御部100は、併せて「*****イベントが発生しました」のようなメッセージをタッチパネル110上にポップアップ表示する。
【0185】
例えば、ナビゲーション機能を使用している場合には地図上にメッセージをポップアップ表示する。このメッセージの表示例が図4に表されている。
【0186】
まず図4に表されるようにタッチパネル110全体には運行案内用の地図が表示されている。そして、図4に表されるi3がイベントの発生を表すためにポップアップ表示されているメッセージである。このメッセージの「*****」には、発生したイベントのレベルを表示する。例えば「レベルが3のイベントが発生しました」のように表示するとよい。また、かかるメッセージは緊急性があるものであり、ユーザには伝える重要度が高い。そのため、ナビゲーション機能以外の機能を使用しているとき、例えばテレビ映像を再生中であっても、テレビ映像上にメッセージをポップアップ表示するとよい。
【0187】
また図4に表されるi4のエリアには運行案内に用いる各種情報が表示されるエリアが設けられる。図4に表される例では、このエリアに上から、例えばGPS衛星から取得した現在時刻、GPS信号の受信強度及び方位、地図の縮尺を表す値、ショートカットボタン140が配置されている。
【0188】
ここで、ショートカットボタン140は、押下の度に画面を切り替えるボタン140である。画面の切り替え、すなわち、画面の遷移に関しては後述するので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0189】
また、図4に表されるi5には、一体型装置1000が設置されている自動車の現在の走行速度が表示される。
【0190】
また、図4に表されるi6には、一体型装置1000が設置されている自動車が現在走行している場所の住所や道路名称、緯度・経度が表示される。また、図4に表されるi6が押下されるとメニュー画面が表示されるようにするのもよい。
【0191】
また、上述したようにイベントが発生したと判断された場合にはイベント録画が行われる。
<表示方法>
次に、本実施形態における表示方法について説明する。本実施形態では、イベントが発生したためイベント録画を行った位置や、ユーザの操作に応じてマニュアル録画を行った位置をカーナビゲーションシステム機能により表示される運行案内用の地図上に例えばアイコンとして表示する。なお、以下の説明ではこのアイコンを「イベントアイコン」と呼ぶ。
【0192】
そして、ユーザがタッチパネル110上のかかるイベントアイコンを押下したことを契機として、対応する画像データを再生する。ここで、対応する画像データはドライブレコーダの機能により撮像されたものである。つまり、本実施形態ではカーナビゲーション機能とドライブレコーダの機能を連携させる。
【0193】
イベントアイコンは、単色であってもよいが、例えばイベントのレベルに応じて異なる色とするとよい。こうすることにより、イベントアイコンを参照したユーザは、単にイベントがあった位置が分かるだけではなく、「レベルがいくつの」イベントがあった、ということまでが分かるからである。
【0194】
更に、イベントが発生したためイベント録画を行った位置であるのか、ユーザの操作に応じてマニュアル録画を行った位置であるのかも、区別できるようにすることが好ましい。そこで、マニュアル録画を行った位置を表すイベントアイコンの色は、イベント録画を行った位置を表すイベントアイコンの色と異なる色とする。また、ユーザが直感的に認識できるように例えば信号標識に準じて色を割り当てるとよい。
【0195】
例えば、軽微な衝撃に基づくイベントであるレベル1のイベントのイベントアイコンは緑とする。また、中間レベルの衝撃に基づくイベントであるレベル1のイベントのイベントアイコンは黄色とする。更に、大きな衝撃に基づくイベントであるレベル5のイベントのイベントアイコンは赤とする。また、マニュアル録画に対応するイベントアイコンは藍色にする。
【0196】
この色の割り当ての例を表にしたものが以下の[表1]である。以下の説明においてはこの割り当てに基づいて説明を行う。
【0197】
【表1】
【0198】
そして、このように色を割り当てたイベントアイコンを図5のように運行案内用の地図上に重ねてタッチパネル110上に表示する。
【0199】
更に、図2を参照して上述したように、本実施形態では、マニュアル録画及びイベント録画のそれぞれについて録画可能な件数の上限が定まっている。例えば、マニュアル録画及びイベント録画について合計で映像ファイルが20個、つまり合計で10件が上限となっている。そして、新たな録画を行う際は、ユーザが未だ視聴していない場合であったとしても一番古いから削除されていく。そのため、ユーザにそろそろ削除されてしまう古いものがどれであるのかを把握させておくことが好ましい。そして、削除前に視聴しておくこと促すことが好ましい。
【0200】
また、ユーザには、どのイベントアイコンが、ついさっき起きたイベント録画に対応するものなのか、どのイベントアイコンが例えば3回前に行ったマニュアル録画に対応するものなのか、等も把握可能にさせておくことが好ましい。
【0201】
そこで、各イベントアイコンを単に色分け表示するだけではなく、例えばイベントアイコンを時系列に沿った番号を含んだ丸付き数字とする。これにより、ユーザは、どのイベントアイコンが新しいものであるか、古いものであるか、また、いくつ前のものであるか、の全てが把握可能となる。
【0202】
これらのイベントアイコンを表示するために、第1の制御部100は、主記憶部190に格納されている地図情報を用いる。また、マニュアル録画が発生した際に第2の制御部200から受信して、主記憶部190に格納した情報である「マニュアル録画が発生した旨、マニュアル録画が行われた日時及びマニュアル録画が行われた位置を特定する位置情報を紐付けて組としたもの」を用いる。更に、イベントが発生した際に主記憶部190に格納した情報である「イベントが発生した位置を特定するための位置情報、発生したイベントのレベル及びイベントが発生した日時を紐付けて組としたもの」を用いる。
【0203】
これらの内容でイベントアイコンを表示した場合の具体例が図5に表されている。
【0204】
図5を参照すると、まずタッチパネル110に運行案内用の地図が表示されている。そして、地図上のi8は、藍色でありマニュアル録画が行われた位置を表すイベントあいこんであることが分かる。また、その番号は1となっていることから直近にマニュアル録画が行われた位置を表すものであることも分かる。
【0205】
また、地図上のi9は、黄色でありレベル3のイベント録画が行われた位置を表すイベントあいこんであることが分かる。また、その番号は2となっていることから、地図上のi8で行われたマニュアルイベントの一つ前に行われたイベント録画の位置を表すものであることも分かる。
【0206】
更に、地図上のi10は、赤色でありレベル5のイベント録画が行われた位置を表すイベントあいこんであることが分かる。また、その番号は3となっていることから、地図上のi9に対応するイベント録画の一つ前に行われたイベント録画の位置を表すものであることも分かる。
【0207】
更に、地図上のi11は、緑色でありレベル1のイベント録画が行われた位置を表すイベントあいこんであることが分かる。また、その番号は4となっていることから、地図上のi10に対応するイベント録画の一つ前に行われたイベント録画の位置を表すものであることも分かる。
【0208】
更に、地図上のi12は一体型装置1000が設置されている自動車の現在位置及び進行方向を表すイベントアイコンである。
【0209】
図5に表示される情報を参照したユーザは、例えば「以前、レベル5のイベントを発生させてしまった場所に近づいているので、今回はイベントが発生するような運転をしないようにしよう。」等の判断や、「このまま進めば以前マニュアル録画を行った場所を通るな。」といった判断を行うことが可能となる。つまり、ユーザにとって有益な情報を提示することが可能となる。
【0210】
また、ユーザがイベントアイコンを押下した場合には、イベントアイコンに対応する映像ファイルの再生を行う。
【0211】
具体的には、何れかのイベントアイコンの押下があった場合に、図6のi13のように、そのイベントアイコンを含むイベントアイコンのリストをタッチパネル110の例えば右半分に表示する。そのために、図6のi14のように、地図は例えば左半分に表示する。
【0212】
そして、第1の制御部100がタッチパネル110の何処が押下されたかに基づいて、ユーザがイベントリスト内の何れのイベントアイコンが押下したかを判断する。そして、押下されたイベントアイコンに対応するイベントのイベント録画が行われた日時、又は押下されたイベントアイコンに対応するマニュアル録画が行われた日時を主記憶部190より読みだす。そして、読みだした日時を第2の制御部200に送信する。
【0213】
第2の制御部200は、受信した日時を検索キーとして第2の記憶部230を検索する。そして、日時に対応する映像ファイルを読み出す。ここで、映像ファイルは、各マニュアル録画及び各イベント録画毎に2つが組となっていることから、この組となっている2つの映像ファイルが読み出される。そして、第2の制御部200は読みだしたこれら2つの映像ファイルを復号して画像データとする。そして、画像データを第1の制御部100に送信する。
【0214】
第1の制御部100は、受信した画像データをタッチパネル110に出力することにより再生を行う。ユーザは再生された画像データを参照することにより、マニュアル録画やイベント録画が行われた際の様子を確認することが可能となる。
【0215】
次に、イベントアイコンとは別途のアイコンである履歴アイコンについて説明する。上述のように、マニュアル録画及びイベント録画について映像ファイルを保護できる件数には上限があることから、例えば10件を超えたような場合には、映像ファイルは古いものから順番に削除されていく。そのため、削除された映像ファイルに対応するイベントアイコンも削除されることとなる。
【0216】
ここで、映像ファイルを削除する理由は、第2の記憶部230の容量を考慮しているからであり、可能であれば10件より以前のマニュアル録画やイベント録画についての情報を地図に表示することが好ましい。
【0217】
この点、主記憶部190に格納されているマニュアル録画やイベント録画についての発生位置の情報等のデータサイズは、映像ファイルのデータサイズに比較すると、小さいサイズである。
【0218】
そのため、これらの情報を削除することなく主記憶部190に格納したままとしておく。そして、これらの情報を用いて、マニュアル録画やイベント録画についての発生位置や、イベント録画のレベルを表すアイコンを地図上に表示するようにする。以下の説明では、かかるアイコンをイベントアイコンと区別するために「履歴アイコン」と呼ぶ。
【0219】
なお、履歴アイコンを表示するために要するデータ量は上述のように少ない。かといってあまりにも過去のマニュアル録画やイベント録画についてまで履歴アイコンを表示することとしてしまうと、画面上に非常に多くのアイコンが表示されてしまい、運行案内の妨げとなる。
【0220】
そこで、表示対象とするアイコンの数に上限を設ける。例えば、イベントアイコン10件、履歴アイコン490件の計500件とする。
【0221】
また、履歴アイコンとイベントアイコンを区別する必要がある。そのために、例えば履歴アイコンの形状とイベントアイコンの形状や大きさを異ならせるようにする。例えば、丸型と矩形型のように形状を異ならせるようにする。または、共に同じ丸型であるが、イベントアイコンの方が大きく、履歴アイコンの方が小さい、というようにして大きさを異ならせる。また、何れの場合であっても、各履歴アイコンの色を判別できる形状及び大きさにする。以下の説明では履歴アイコンを菱型で表示するものとして説明する。
【0222】
なお、履歴アイコンを表示するために使用する情報は、具体的には、マニュアル録画が発生した際に第2の制御部200から受信して、主記憶部190に格納した情報である「マニュアル録画が発生した旨、マニュアル録画が行われた日時及びマニュアル録画が行われた位置を特定する位置情報を紐付けて組としたもの」を用いる。更に、イベントが発生した際に主記憶部190に格納した情報である「イベントが発生した位置を特定するための位置情報、発生したイベントのレベル及びイベントが発生した日時を紐付けて組としたもの」を用いる。
【0223】
これらの内容でイベントアイコンを表示した場合の具体例が図7に表されている。図7の具体例は、図5の具体例で示したイベントアイコンに対応する映像ファイルが古くなったことにより削除され、履歴アイコンに置き換わったものである。
【0224】
図7を参照すると、まずタッチパネル110に運行案内用の地図が表示されている。そして、地図上のi15は、藍色でありマニュアル録画が行われた位置を表す履歴アイコンである。
【0225】
また、地図上のi16は、黄色でありレベル3のイベント録画が行われた位置を表す履歴アイコンである。
【0226】
更に、地図上のi17は、赤色でありレベル5のイベント録画が行われた位置を表す履歴アイコンである。
【0227】
更に、地図上のi18は、緑色でありレベル1のイベント録画が行われた位置を表す履歴アイコンである。
【0228】
更に、地図上のi19は一体型装置1000が設置されている自動車の現在位置及び進行方向を表すアイコンである。
【0229】
このように、イベントアイコンのみならず履歴アイコンも表示することにより、ユーザはイベントが頻繁に発生している箇所等を把握することが可能となる。
<画面遷移>
次に、自動車の状況やユーザの操作に応じて画面がどのように遷移するのかについて図8乃至図10の遷移図を参照して説明する。
【0230】
まず、図8を参照する。第1の制御部100が起動すると、画面S1のようにメインメニューが表示される。メインメニュー画面では、ナビゲーション、テレビ、ミュージック、ピクチャー、及びドライブレコーダの各種機能が選択できる。このうち、本実施形態の特徴である、ナビ及びドライブレコーダの機能について説明する。
【0231】
画面S1において[ナビ]ボタン140が選択されると、ナビゲーション機能が起動し、画面S2に遷移する。
【0232】
画面S2では図5図7を参照して説明したように、運行案内用の地図上にイベントアイコンや履歴アイコンが表示され、音声出力を伴って運行案内が実行される。かかる表示の内容は、上述した<表示方法>の欄において説明した内容となる。また、第1の制御部100によるイベントの発生判断方法や、イベント発生時の時の動作等は、上述した<イベントの発生>の欄において説明した内容となる。ここで、ユーザが[ショートカット]ボタン140を押下したとする。ここで、[ショートカット]ボタン140には、「カメラ210映像」が対応付けられているとする。この場合、画面S3に遷移し、画面上には現在カメラ210が撮像している映像であるリアルタイム映像が表示される。この状態で、ユーザが[終了]ボタン140を押下すると、画面S2に遷移し、再度運行案内が実行される。
【0233】
また、画面S2の状態で何れかの[アイコン]ボタン140の押下があった場合には、押下されたイベントアイコン又は履歴アイコンに対応する映像ファイルを再生するための処理が開始される。具体的には、画面S4に遷移し、常時録画が一時中断されることになる旨のメッセージを出力すると共に、ユーザによる[はい]又は[いいえ]の何れかのボタン140の選択を受け付ける。
【0234】
ここで、常時録画を一時中断する理由であるが、こうすることにより、画像データ再生中に新たにイベントが発生した判断した場合に再生中の画像データが上書きされてしまうような事態を防止することが可能となるからである。
【0235】
また、画像データそれぞれに番号を割り当ててリスト化して管理しているような場合であって、且つ、画像データ再生中に新たにイベントが発生した判断した場合に、新たな画像データに割り当てる番号と再生中の画像データに割り当てられている番号が重複してしまうような事態を防止することも可能となる。例えば、現在再生中の録画データを最新の画像データであるとして管理している場合に、新たな画像データが発生してしまうと、再生終了後に、何れのデータが最新のデータであるかが管理できなくなってしまうというような事態を防止することが可能となるからである。
【0236】
ここで、ユーザが[いいえ]のボタン140を押下した場合には、画面S2に遷移し、運行案内を継続する。
【0237】
一方で、ユーザが[はい]のボタン140を押下した場合には、画面S5に遷移し、図6を参照して説明したようにイベントリストを画面の右半分に表示させる。ここで、今回ユーザは画面S5のイベントリストから選択したアイコンに対応する映像ファイルを再生するのではなく、画面S2で選択したアイコンに対応する映像ファイルを再生することを希望している。
【0238】
そこで、イベントリスト全体を[イベント項目]ボタン140として扱い、この[イベント項目]ボタン140の1回目の押下があった場合に、画面S2で選択したアイコンのある座標値に地図を移動する。そして、更に[イベント項目]ボタン140の2回目の押下があった場合に画面S6に遷移して動画再生を開始する。
【0239】
画面S6では、動画の生成のための処理を行う間「映像を再生します。」とのメッセージを表示させる。そして、「映像を再生します。」とのメッセージを、動画の生成のための処理を行うのに必要な所定時間以上の長さ表示すると、タイムアウトしたと判断して画面S7に遷移する。そして、画面S7上で、画面S2で選択したアイコンに対応する映像ファイルを再生する。
【0240】
そして、撮影中又は撮影後にユーザから[戻る]ボタン140の押下を受け付けると画面S5に遷移する。そして、画面S5にて[Back]ボタン140の押下を受け付けると、画面S2に遷移し、運行案内を継続する。また、常時録画をユーザの操作を要することなく再開する。
【0241】
次に、上述したように画面S2の状態で何れかの[アイコン]ボタン140の押下があった場合に、押下されたアイコンに対応する映像ファイルを再生するのではなく、ユーザがイベントリストからアイコンを選択し、このイベントリストから選択されたアイコンに対応する映像ファイルを再生する際の動作について説明をする。
【0242】
画面S2の状態で、画面下部に儲けられた[MENU]ボタン140の押下を受け付けると、ナビゲーション機能のメニュー画面である画面S8に遷移する。
【0243】
その後、画面S8の状態で[登録・編集]ボタン140の押下を受け付けると、登録・編集のメニュー画面である画面S9に遷移する。
【0244】
そして、画面S9の状態で[イベント]ボタン140の押下を受け付けると図9の画面S10に遷移する。
【0245】
画面S10では、画面S4と同様に、常時録画が一時中断されることになる旨のメッセージを出力すると共に、ユーザによる[はい]又は[いいえ]の何れかのボタン140の選択を受け付ける。常時録画が一時中断される理由は画面S4の説明の際に述べた通りである。
【0246】
ここで、ユーザが[いいえ]のボタン140を押下した場合には、登録・編集のメニュー画面である図8の画面S9に遷移する。
【0247】
一方で、ユーザが[はい]のボタン140を押下した場合には、画面S11に遷移し、図6を参照して説明したようにイベントリストを画面の右半分に表示させる。画面S5の場合と異なり、ユーザは画面S2でアイコンを選択していないため、画面S5のイベントリストからのユーザのアイコンの選択を受け付ける。
【0248】
そして、ユーザにより選択されたアイコンに対応する映像ファイルの再生を開始する。その後の画面S6及び画面S7での処理については、画面S5から画面S6に遷移した際の処理と同様なので、詳細な説明を省略する。なお、図9では画面S7で戻るボタン140の押下があった際に画面S5に戻ることとなっているが、画面S7ではなく画面S11も戻るようにするのもよい。
【0249】
以上カーナビゲーション機能を使用する際の画面遷移について説明した。次に、ドライブレコーダ機能を使用する際の画面遷移について説明する。
【0250】
まず、画面S1において[ドライブレコーダ]ボタン140が押下されると、図10に記載の画面S12又は画面S13に遷移する。ここで、何れの画面に遷移するかの条件であるが、一体型装置1000が自動車に設置されておらず、電源部310に含まれる二次電池から一体型装置1000が給電を受けている場合には、画面S12に遷移する。一方で、一体型装置1000が自動車に設置されており、一体型装置1000が自動車から給電を受けている場合には、画面S13に遷移する。
【0251】
まず、前者の一体型装置1000が自動車に設置されておらず、電源部310に含まれる二次電池から一体型装置1000が給電を受けていることから画面S12に遷移する場合について説明する。この場合、二次電池の電池容量には上限があることから、消費電力を抑える必要がある。また、この場合はユーザが一体型装置1000を持ち運んで使用していることとなり、カメラ210は固定されている訳ではないのでドライブレコーダの機能を有効に活用することは困難である。そこで、本実施形態では二次電池から給電されている場合にはドライブレコーダの機能を動作させないこととする。そして、その旨をユーザに伝えるため、画面S12に遷移すると、例えば「内蔵電池での本機駆動中は、ドライブレコーダの録画・再生機能は動作いたしません。」といったメッセージを表示する。そして、ユーザがこのメッセージを認識できると考えられる所定の時間が経過すると、タイムアウトしたと判断して画面S1に遷移する。
【0252】
次に、一体型装置1000が自動車に設置されており、一体型装置1000が自動車から給電を受けていることから画面S13に遷移する場合について説明する。
【0253】
画面S13ではカメラ210により撮像しているリアルタイム映像を全画面表示で再生する。そして、この状態でユーザよりタッチパネル110の押下を受け付けると、すなわち、画面の何れかがタッチされると、画面S14に遷移する。
【0254】
そして、画面S14では[アプリケーション終了]ボタン140を表示する。そして、ユーザから、この[アプリケーション終了]ボタン140の押下を受け付けると、ドライブレコーダ機能を実現するアプリケーションの動作を終了させ、画面S1に遷移する。一方で、画面S14において画面の押下を受け付けると再度画面S13に戻り、リアルタイム映像を全画面表示で再生する。なお、画面S14では、例えば設定変更用のボタン140を表示し、かかる設定変更用のボタン140が押下された場合には、例えばドライブレコーダ機能に関する各種設定を行うための画面に更に遷移するようにするとよい。
【0255】
また、画面S13及び画面S14が表示されている際にユーザの操作を受け付けると、これを契機として、図2の中段を参照して説明したマニュアル録画を開始するようにする。つまり、画面S13及び画面S14で再生されるリアルタイム映像は、マニュアル録画を行うためのプレビュー画像として利用される。
<バッテリ制御>
次に、本実施形態におけるバッテリの制御に関して説明する。
【0256】
本実施形態の一体型装置1000の電源部310は、図1を参照して説明したようにUSB端子320を介して外部の装置から電源の供給を受ける。ここで、外部の装置とは例えば一体型装置1000を設置する自動車である。
【0257】
具体的には、自動車のシガーライターソケットに、シガープラグコードの一方を差し込む。そして、シガープラグコードの他方をUSB端子320に接続する。また、シガープラグコードは、コンバータ付きのものを使用する。シガープラグコード及びコンバータは、例えば定格電圧5Vであって定格電流2Aであるとする。
【0258】
その後、自動車のエンジンが始動するとこれに連動してシガーライターソケットからの給電が開始される。そして、自動車のエンジンが停止すると、シガーライターソケットからの給電も停止する。
【0259】
次に図11を参照して、電源部310の詳細な構成について説明する。図11を参照すると電源部310は、電源制御部311、リチウムイオンバッテリ312及びスーパーキャパシタ313(登録商標)を含む。また、電源部310は第1の制御部100及び第2の制御部200と接続される。なお、図1に表された機能ブロックのうち、バッテリ制御の説明に直接関係しない機能ブロックについては、図11では図示を省略する。
【0260】
なお、スーパーキャパシタ313は本発明の「蓄電器」に相当する。また、リチウムイオンバッテリ312は本発明の「二次電池」に相当する。更に、自動車のシガーライターソケットから給電される電源は本発明の「外部電源」に相当する。
【0261】
ここで、電源制御部311は、何れのデバイスに対して電圧を印加するかを制御する機能を有する。電源制御部311は、例えば、パワーマネジメントICにより実現される。また、第1の制御部100が電源制御部311の制御の一部又は全部を行うようにするのもよい。図11では第1の制御部100が電源制御部311を制御するための信号を送受信するための信号線を破線で記載する。一方で、電圧を印加するための線については実線にて図11に記載する。
【0262】
リチウムイオンバッテリ312は、充電を行うことにより電気を蓄え、その後電池として使用可能な二次電池である。リチウムイオンバッテリ312は、電源制御部311の制御により充電される。そして、第1の制御部100は、一体型装置1000が外部装置から電源の供給を受けているときは、かかる外部装置から供給される電源により駆動する。
【0263】
一方で、第1の制御部100は、一体型装置1000が外部装置から電源の供給を受けていないときは、リチウムイオンバッテリ312が供給する電源により駆動する。また、<画面遷移>の説明の欄においても上述したが、一体型装置1000が外部装置から電源の供給を受けておらず、リチウムイオンバッテリ312が供給する電源により駆動しているときはドライブレコーダの機能を停止させる。これは消費電力を低減することが目的であるので、単に第2の制御部200にて動作するソフトウェアをシャッタダウンするだけではなく、第2の制御部200への電圧の印加自体を取り止めることとする。
【0264】
スーパーキャパシタ313は、蓄電器であり、一体型装置1000が外部装置から電源の供給を受けている際に蓄電される。
【0265】
この点、本実施形態では、一体型装置1000が自動車より取り外されると、第2の制御部200は、自身がキャッシュしている情報を不揮発性メモリである第2の記憶部230に格納する等のシャットダウン処理を行うことによりデータが破損しないようにする。
【0266】
しかしながら、上述したように一体型装置1000が自動車より取り外されると、第2の制御部200への電圧の印加が取り止められてしまう。そこで、第2の制御部200は、スーパーキャパシタ313に蓄えられた電荷を使用して、このシャットダウン処理を行う。そのため、スーパーキャパシタ313はこのようにシャットダウン処理を行うことを保証できる容量のものを使用する。
【0267】
なお、第2の制御部200がキャッシュしている情報とは、例えばキャッシュ済みであって、映像ファイルに変換前のリアルタイム映像である。
【0268】
第1の制御部100は、電源の制御も行う。例えば第1の制御部100は、図1に表される各部のなかでも特に、タッチパネル110、スピーカ120、報知用LED130、ボタン140、テレビチューナ150、GPSセンサ160、加速度センサ170、第1の記憶部180及び主記憶部190の電源制御を行う。また、電源制御部311の制御の一部又は全部を第1の制御部100が行うようにするのもよい。
【0269】
一方、第2の制御部200は、図1に表される各部のなかでも特に、カメラ210、マイク220及び第2の記憶部230の電源制御を行う。
【0270】
次に、本実施形態におけるバッテリ制御の基本的な考えについて説明する。本実施形態では第1の制御部100及び第2の制御部200の起動、並びにスーパーキャパシタ313及びリチウムイオンバッテリ312の充電の全てを並行して行うのではなく、行うタイミングを制御することにより、段階的に行う。これは、シガープラグコードの定格電流を超えることなく、第1の制御部100及び第2の制御部200の起動、並びにスーパーキャパシタ313及びリチウムイオンバッテリ312の充電を行うためである。
【0271】
ここで、シガープラグコードの定格電流は、例えば2Aである。この点、定格電流2Aを超えるシガープラグコードを使用することも考えられる。しかしながら、定格電流が大きくなるに従い、シガープラグコードを太くする必要が生じる。なぜならば、コードを形成する電線などの導体にも小さいながら抵抗があり、その発熱によって絶縁被覆が溶解するおそれ等があることから、電流を大きくするに従いコードも太くする必要があるからである。
【0272】
もっとも、コードを太くしてしまうと、コードの取り回しがしにくくなり、自動車内という限られた空間で一体型装置1000を使用するユーザにとって非常に不便である。また、太いコードを使用すると製造コストが上昇するという問題もある。
【0273】
そこで、本実施形態では、上述したように、第1の制御部100及び第2の制御部200の起動、並びにスーパーキャパシタ313及びリチウムイオンバッテリ312の充電の全てを並行して行うのではなく、行うタイミングを制御することにより、段階的に行う。これにより、本実施形態では、一体型装置1000起動時の、電流の最大値を抑える。
【0274】
次に、図12のフローチャート及び図13のフローチャートを参照して、本実施形態の電源制御処理について詳細に説明を行う。
【0275】
まず、一体型装置1000がシャットダウン状態である場合にカーチャージャーに接続されている状態で、自動車のエンジンが始動する。これに伴い、一体型装置1000への電源の供給が開始される(ステップA1においてYes)。
【0276】
すると、電源制御部311が第1の制御部100に対して電圧の印加を開始する。これにより第1の制御部100が起動処理を開始する(ステップA2)。かかる起動処理には、例えば、タッチパネル110やGPSセンサ160を起動させるための処理も含まれる。
【0277】
起動処理を行った第1の制御部100はタッチパネル110に表示を行う。この際表示されるのは、図8に表される画面S1である。そして、[ナビ]ボタン140の押下に応じて、ナビゲーション機能が実行される(ステップA3)。また、仮に[ドライブレコーダ]ボタン140が押下されたとしても、ドライブレコーダ機能はまだ実行されていない。そこで、図14に表される画面S14のように「ドライブレコーダを起動中です。しばらくお待ち下さい。」等のメッセージを画面に表示する。そして、ユーザがこのメッセージを認識できると考えられる所定の時間が経過すると、タイムアウトしたと判断して画面S1に遷移する。このように、まず、第1の制御部100を起動させてタッチパネル110に表示を行うことにより、起動処理が行われていることをユーザに伝達することが可能とする。
【0278】
また、電源制御部311はスーパーキャパシタ313へ電圧の印加を開始する。これに伴い、スーパーキャパシタ313は蓄電を開始し、スーパーキャパシタ313の電圧は上昇していく(ステップA4)。
【0279】
次に、現在のスーパーキャパシタ313の電圧が、所定の第1の電圧よりも大きくなったか否かの判定を行う(ステップA5)。そして、現在のスーパーキャパシタ313の電圧が、所定の第1の電圧よりも大きくなると(ステップA5においてYes)、電源制御部311は第2の制御部200に対して電圧の印加を開始する。これにより、第2の制御部200は起動処理を開始する。この起動処理にはカメラ210やマイク220が起動するための処理も含まれる。
【0280】
しかしながら、ドライブレコーダ機能を実行してしまうと、電流の最大値がシガープラグコードの定格電流を超えてしまう可能性がある。そこで、第2の制御部200は起動処理を行うが、未だドライブレコーダの機能は実行しないままとしておく。従って、この時点で[ドライブレコーダ]ボタン140が押下されたとしても、ステップA3同様に図14に表される画面S14のようなメッセージが表示され、ドライブレコーダの機能は実行されない。
【0281】
次に、現在のスーパーキャパシタ313の電圧が、所定の第2の電圧よりも大きくなったか否かの判定を行う(ステップA7)。ここで、所定の第2の電圧は、所定の第1の電圧よりも大きい値である。
【0282】
そして、現在のスーパーキャパシタ313の電圧が、所定の第2の電圧よりも大きくなると(ステップA7においてYes)、スーパーキャパシタ313へは充分蓄電されたこととなり、スーパーキャパシタ313への蓄電に多くの電流は必要ではなくなる。そこで、ステップA7においてYesとなったことを契機としてステップA8に移行し、第2の制御部200はドライブレコーダ機能を実行する(ステップA8)。更に、電源制御部311はリチウムイオンバッテリ312への電圧の印加を開始する。これによりリチウムイオンバッテリ312の充電が開始される(ステップA9)。
【0283】
以上申し述べたように、本実施形態では、一体型装置1000に含まれる各部へ電圧を印加するタイミングを制御する。これにより、一体型装置1000起動時の、電流の最大値を抑えることができ、シガープラグコードを必要以上に太くする必要もなくなる、という効果を奏する。
【0284】
この点について具体的な値を用いて説明する。例えば、ステップA2における第1の制御部100への電圧の印加に伴い、例えば、1.3Aが使用されるとする。また、ステップA4におけるスーパーキャパシタ313への電圧の印加に伴い、例えば、少なくてもステップA5においてYesとなるまでの間0.5Aが使用されるとする。更に、ステップA6における第2の制御部200への電圧の印加に伴い、例えば、0.2~0.3Aが使用されるとする。更に、ステップA9におけるリチウムイオンバッテリ312への電圧の印加に伴い、例えば、0.35Aが使用されるとする。
【0285】
これらの電流を合計すると、合計2.35~2.36Aが必要となり、上述したシガープラグコードの定格電流2Aを超えてしまう。しかしながら、本実施形態では、一体型装置1000に含まれる各部へ電圧を印加するタイミングを制御することにより、定格電流2Aを超えることなく一体型装置1000を起動させることが可能となる。
【0286】
次に、図13を参照して一体型装置1000起動後のバッテリ制御について説明する。
【0287】
ナビゲーション機能及びドライブレコーダ機能を実行させている一体型装置1000は、自動車のエンジンが停止したことに伴い、カーチャージャーからの電源の供給が中断したか否かの監視を継続する。また、USB端子320からシガープラグコードが外されることにより、又はシガープラグコードがカーチャージャーから外されることにより、一体型装置1000がカーチャージャーから取り外されたか否かの監視を継続する(ステップA10においてNo及びステップA12においてNo)。
【0288】
そして、自動車のエンジンが停止したことに伴い、カーチャージャーからの電源の供給が中断された場合(ステップA10においてYes)、第1の制御部100及び第2の制御部200のシャットダウン処理を行う。この際、第1の制御部100のシャットダウン処理はリチウムイオンバッテリ312による給電により行われ、第2の制御部200のシャットダウン処理はスーパーキャパシタ313による給電により行われる。そして、ステップA1に戻り、再度の電源の供給まで待機する。
【0289】
一方で、USB端子320からシガープラグコードが外されることにより、又はシガープラグコードがカーチャージャーから外されることにより、一体型装置1000がカーチャージャーから取り外された場合(ステップA12においてYes)、第2の制御部200は、スーパーキャパシタ313による給電によりシャットダウン処理を開始する。このようにすることにより、ユーザはドライブレコーダ機能を使用できなくなるが、第1の制御部100は特にシャットダウンを行わないため、引き続きナビ機能を使用することができる。つまり、一体型装置1000をポータブルナビとして使用することができる。なお、第1の制御部100はリチウムイオンバッテリ312からの給電により動作を継続する。このように、2つある制御部の一方のみをシャットダウンできることから、他方の制御部は特にシャットダウン処理をして再起動するような必要もなく、そのまま動作を継続することが可能となる。
【0290】
次に、再度自動車のカーチャージャーに接続されるか否か、及び自動車以外の外部装置に接続されるか否かを判定する。ここで、外部装置とは例えばUSB端子320にUSBケーブル経由で接続されるパーソナルコンピュータである。接続されたのが、自動車のカーチャージャーであるのかパーソナルコンピュータであるのかは、例えばUSBケーブルから出力される信号により判断するとよい。例えば、USBのコネクタは5本線(VBus/D-/D+/ID/GND)である。そして、このID線が、GND線にショート(短絡)されている場合には、パーソナルコンピュータに接続されていると判断できる。一方で、ID線が、オープン(無接続)であればカーチャージャーに接続されていると判断できる。
【0291】
自動車に接続された場合は(ステップA14においてYes:自動車)、ステップA1に戻り、再度の電源の供給まで待機する。
【0292】
一方で、外部装置に接続された場合は(ステップA14においてYes:外部装置)、ステップA15に進み、第1の制御部100をシャットダウンさせる。これは、一体型装置1000がパーソナルコンピュータに接続された場合には、これ以上ナビゲーション機能を実行させる必要がないと考えられるからである。また、パーソナルコンピュータのUSB端子320の出力では、一体型装置1000を駆動させるための電流を賄えない場合もありえるからである。
【0293】
そして、第1の制御部100をシャットダウンさせた後は、再度一体型装置1000をポータブルナビとして使用する場合に備えて、リチウムイオンバッテリ312への充電を開始する(ステップA16)。
【0294】
その後、外部装置から取り外されたか否かを監視する(ステップA17)。そして、外部装置から取り外された場合には(ステップA17においてYes)、ポータブルナビの機能を実現するために、第1の制御部100はリチウムイオンバッテリ312からの給電により起動処理を開始する(ステップA18)。
【0295】
そして、第1の制御部100はタッチパネル110に表示を行うと共に、ナビゲーション機能を実行する。
【0296】
以上、図13を参照して説明したように本実施形態では、自動車のエンジンが停止してカーチャージャーからの電源供給が中断した場合、カーチャージャーから取り外された場合、及び外部装置に接続された場合、のそれぞれの場合でそれぞれ適切なように、第1の制御部100及び第2の制御部200を駆動させたり、シャットダウンさせたりすることが可能となる。
<カーナビゲーション>
次に、第1の制御部100によるカーナビゲーション機能についてより詳細に説明する、第1の制御部100は、GPSセンサ160によって検出した現在位置と、主記憶部190に記憶している交通監視ポイント等の目標物の位置が、所定の位置関係にあるとき、所定の警報を出力する。そのため、主記憶部190には、検出対象の目標物に関する情報(経度・緯度を含む目標物の位置情報や目標物の種別情報等)や、事故多発地帯や交通取締り情報などのより注意を持って安全に運転するための交通安全情報や、ランドマークや運転に有益な各種の情報がある。各情報は、具体的な情報の種類(目標物の種類、交通取り締まりの種類、事故多発地帯、ランドマークの名称等)と位置情報とを関連づけて登録されている。
【0297】
警報を発する際の目標物までの距離は、目標物の種類ごとに変えることができる。警報の態様としては、上記と同様に、スピーカ120を用いた音声等による警報と、タッチパネル110を用いた警報等がある。本実施形態では、一体型装置1000がカーナビゲーション機能を実現するので、地図データを有している。
【0298】
そこで、基本画面として、第1の制御部100は、現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図をタッチパネル110に表示する機能を有する。そして、タッチパネル110に、現在表示中の画面に重ねて警告画面を表示する。地図を表示している際に、現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が例えば500mになった場合に警告画面を表示する。更に、第1の制御部100は、「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ120から出力する処理を行う。
【0299】
一方、ナビゲーション機能を実現するための第1の制御部100は、以下のような動作もする。まず、主記憶部190は、ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。
【0300】
第1の制御部100は、主記憶部190から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図をタッチパネル110に表示する機能を有する。この第1の制御部100は、この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索することができる。また、主記憶部190は、電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと、住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。また主記憶部190には、速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
【0301】
また、第1の制御部100は、一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。すなわち、タッチパネル110に現在位置周辺の地図を随時表示し、目的地設定ボタン140を表示する。第1の制御部100は、タッチパネル110によって、目的地設定ボタン140の表示位置に対応する位置のタッチを検出した場合に、目的地設定処理を行う。目的地設定処理では、目的地設定メニューをタッチパネル110に表示し、目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは、目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタン140と住所検索ボタン140とを有する。電話番号検索ボタン140がタッチされたことを検出した場合には、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する位置情報を主記憶部190から取得する。住所検索ボタン140がタッチされたことを検出した場合には、住所の選択入力画面を表示し、入力された住所に対応する位置情報を主記憶部190から取得する。そして、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、主記憶部190に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
【0302】
そして、第1の制御部100は、算出した推奨経路を、周辺の地図とともに表示する。例えば、図15に示すように、現在位置i21から目的地i22にいたるルートi23を推奨経路として、所定の色(例えば赤色)で表示する。これは、一般的なナビゲーションシステムと同様である。そして本実施形態では、第1の制御部100は、ルートi23上の位置情報と主記憶部190に記憶された交通監視ポイント等の目標物の位置情報とを比較し、ルートi23上に位置する交通監視ポイント等の位置を表示する。
【0303】
これにより、例えば、図15に示すように、道路上の位置から吹き出しを表示し、主記憶部190に記憶されたその位置の交通監視ポイントの種類を吹き出しの中に表示する。例えば、図15(a)は、警告ポイント検索画面の表示例であり、交通監視ポイントi25aからi25fを表示した例を示している。交通監視ポイントi25aは、Nシステムを示す「N」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイントi25b、i25c、i25eは、LHシステムを示す「LH」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイントi25dは、ループコイルを示す「ループ」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイントi25fは、Hシステムを示す「H」の文字を吹き出しの中に表示している。このように、吹き出しの中に文字を表示する簡略表示状態の吹き出し位置へのタッチをタッチパネル1108が検知した場合には、図4(b)に示すように、簡易表示を詳細表示へと切り替える。
【0304】
また、図4(a)に示すようにタッチパネル110内の右下側には、交通監視ポイント種別指定部i26を表示する。交通監視ポイント種別指定部i26は、ルートi23上に存在する交通監視ポイントの種別を列挙したボタン140表示を行う部分である。図4(a)の例では、交通監視ポイントi25aのNシステムを示す「N」の種別ボタン140i27aと、交通監視ポイントi25b、i25c、i25eのLHシステムを示す「LH」の種別ボタン140i27bと、交通監視ポイントi25dのループコイルを示す「ループ」の種別ボタン140i27cと、交通監視ポイントi25fのHシステムを示す「H」の種別ボタン140i27dを表示している。第1の制御部100は、この種別ボタン140の表示部へのタッチをタッチパネル1108から検出した場合、タッチされた種別ボタン140を反転表示するとともに、タッチされた種別ボタン140に対応する交通監視ポイントの表示態様を、簡易表示中であれば詳細表示に切り替え、詳細表示中であれば簡易表示中に切り替える。
【0305】
本実施形態の一体型装置1000は、目的地(以下、経由地も含む)の設定方法として、周辺検索機能を備えている。この周辺検索機能が選択されて起動された場合、第1の制御部100は、指定された条件に合致する施設であって、現在位置から近いものを抽出し、その抽出結果をタッチパネル110に描画する。そして、ユーザは、タッチパネル110に描画された候補の中からいずれかを選択し、確定することで目的地(経由地を含む)に指定することができる。
【0306】
すなわち、係る機能を実現するため、本実施形態の主記憶部190は、各施設についての情報を、その位置情報とともに施設の分類に関する情報と関連付けて記憶している。施設の分類に関する情報は、各施設が合致するジャンルの呼び名でまとめられた複数種類の項目である。
【0307】
本実施形態では、いずれかの項目が指定されると、第1の制御部100は、指定された項目に合致する施設であって、現在位置から近いものを抽出し、その抽出結果を目的地の候補としてタッチパネル110に描画する。ユーザは、タッチパネル110に描画された候補の中からいずれかを選択することによって、目的地として指定することができる。
【0308】
項目のいずれか選択された場合、第1の制御部100は、主記憶部190にアクセスし、現在位置を中心として、基準距離(たとえば、10km)以内に存在する施設であって、指定された項目の分類に一致するものを抽出する。そして、近いものから所定数(たとえば10個)の施設をタッチパネル110に描画されている地図上の対応する箇所に、当該施設を示すアイコン(マーク)を重ねて描画する。主記憶部190に格納した施設の情報として、各施設に対して、それぞれのアイコンを関連づけて登録しておき、描画に際しては、その関連づけられたアイコンを読み出してタッチパネル110の所定位置に描画する。
【0309】
なお、タッチパネル110に描画された地図上に、現在位置が存在している場合には、その現在位置に該当する位置に自車を示す自車アイコンを重ねて描画する。さらに、このような施設のアイコンを描画するに際し、自車から近い順に番号を付記して表示する。自車の移動に伴い、随時番号は更新する。
【0310】
そして、ユーザが、所望の施設を選択すると、それを認識した第1の制御部100が、係る施設を目的地とした推奨経路を求め、その結果をタッチパネル110の地図に重ねて描画する。
【0311】
さらに、第1の制御部100は、設定された目的地までのルート案内を行う機能を有する。つまり、第1の制御部100は、ユーザによる案内開始の選択に応じて、GPSや自律航法で自車位置を逐次検出しながら、道路などを表す地図情報をタッチパネル110に描画しつつ、目的地までの道案内を画像や音声を用いて行う。
【0312】
上記のユーザによる指定、選択等の指示入力は、タッチパネル110に項目や機能の名称が表示されたボタン140、施設のアイコンをタッチしたりしたことを第1の制御部100が検出することを契機として行うことができる。
<実装例>
以上説明した一体型装置1000は、例えば以下のように電子機器に実装することができる。
【0313】
図16は一体型装置1000を実装した電子機器の外観の一例を表す六面図である。図16では中央列の二段目に正面図が表されている。ここで、図16では、一体型装置1000を設置した際にタッチパネル110に正対する面を正面図としている。一体型装置1000の正面にはタッチパネル110が配置されている。また、タッチパネル110の周りを取り囲むベゼルにはボタン140等は配置されておらず、タッチパネル110の目視を妨げないようになっている。
【0314】
正面図の左には、左側面図が表されている。そして、一体型装置1000の左側面には第1の記憶部180、報知用LED130b及びUSB端子320が配置されている。第1の記憶部180はSDスロットにより実現され、かかるSDスロットに、記憶媒体であるSDカードが挿入される。報知用LED130bは電源が給電されているか否かを表すLEDであり、電源給電中は例えば緑に点灯する。USB端子320にはシガープラグコード504が接続されており、<バッテリ制御>の欄で述べたように、一体型装置1000は、かかるシガープラグコード504を介してカーチャージャーから給電を受ける。なお、一体型装置1000の形状を明示するために、図15ではシガープラグコードのソケットから延出するコード部分に関しては図示を省略する。
【0315】
正面図の右には、右側面図が表されている。そして、一体型装置1000の右側面には第2の記憶部230が配置されている。第2の記憶部230はSDスロットにより実現され、かかるSDスロットに、記憶媒体であるSDカードが挿入される。
【0316】
正面図の上には、上面図が表されている。そして、一体型装置1000の上面には、報知用LED130a、ボタン140a、ボタン140b及びボタン140cが配置されている。報知用LED130aは一体型装置1000による常時録画が行われているか否かを表す用途に用いられ、例えば常時録画が行われていない場合に赤色に点灯する。ボタン140aはマニュアル録画を開始するためのボタン140であり、ボタン140aの押下を契機としてイベント録画が開始される。ボタン140bは常時録画を停止又は再開させるためのボタン140であり、押下を受け付けるたびに、常時録画は停止又は再開される。ボタン140cは一体型装置1000をON又はOFFとするためのボタン140であり、電源がONの場合に押下を受け付けると一体型装置1000は電源OFFとなり、電源がOFFの場合に押下を受け付けると一体型装置1000は電源ONとなる。
【0317】
中央列の三段目には、背面図が表されている。そして、一体型装置1000の背面にはカメラ210及びジョイント部502が配置されている。また、一体型装置1000の背面にはエッジ501a、エッジ501b、エッジ501c及びエッジ501dが形成されている。カメラ210のユニットはボールジョイントにより一体型装置1000に組み込まれており、カメラ210は可動する。カメラ210の可動域は、例えば各方向に15度であるとする。つまり、カメラ210が中央にあるとするならば、例えば上方向に15度、下方向に15度可動する。ジョイント部は一体型装置1000を固定するためのクレードルに、一体型装置1000を取り付けるための部分である。また、エッジ501a、エッジ501b、エッジ501c及びエッジ501dは背面に形成された稜線である。エッジ501a、エッジ501b、エッジ501c及びエッジ501dは、湾曲しており、一体型装置1000を携帯するユーザの手に引っかからない形状となっている。
【0318】
中央列の三段目には、底面図が表されている。そして、一体型装置1000の底面にはスピーカスリット503が設けられている。スピーカスリット503は一体型装置1000のスピーカ120が出力する音が出力されるスリットである。スピーカスリット503とスピーカ120の詳細に関しては後述する。
【0319】
ここで、一体型装置1000は上述したように背面に、エッジ501a、エッジ501b、エッジ501c及びエッジ501dという4つの稜線を設けることにより、背面に4つの面を設けている。また、例えば底面図、上面図、左側面図及び右側面図を参照すると分かるように、カメラ210を頂点として背面の各端部に対して下りの傾斜が設けられた形状となっている。
【0320】
この点、このような傾斜を設けることなく各端部とカメラ210部の厚みを同等として、一体型装置1000の筐体を扁平な矩形状として実現することも考えられる。しかし、このような形状にすると一体型装置1000全体が大きくなってしまい、携帯性が欠けてしまう。
【0321】
また、カメラ210部分が厚くなってカメラ210部分が頂点となるのは、カメラ210を形成するカメラ210ユニットの大きさに起因するものである。そのためカメラ210部分を薄くすることはできない。一方で、他の回路はカメラ210部分に比べて薄くすることが可能である。よって、各端部とカメラ210部の厚みを同等としたとしても、一体型装置1000の筐体内に無駄なスペースが生じるだけのことになる。この観点からも、一体型装置1000の筐体を扁平な矩形状にする必要はない。
【0322】
そこで、本実装例ではカメラ210を頂点として背面の各端部に対して下りの傾斜を設けることにより、背面の厚みを薄くすることを実現している。これにより、不必要に厚くなり、携帯性に欠けてかけてしまうことや、筐体内に無駄なスペースが生じてしまうことを防止できる、という効果を奏する。
【0323】
また、図17を参照して、本実装例の他の特徴についても説明する。図17(a)には一体型装置1000の左側面が表されている。図16を参照して説明したように一体型装置1000の左側面には、シガープラグコード504を接続するためのUSB端子320が配置されている。そして、左側面から見た場合の、USB端子320の周辺右半分には切り欠き505が形成されている。ここで、左側面から見た場合の切り欠き505は、USB端子320の設けられている高さのあたりまでは上から下に略垂直であるが、USB端子320の設けられている高さよりも下の部分では弧を描くように左に湾曲した形状をしている。
【0324】
また、図17(b)には一体型装置1000の背面が表されている。背面から見た場合の切り欠け505は、上部分(例えば、全体の略三分の二)の左右の長さと、下部分(例えば、全体の略三分の一)の左右の長さが異なっている。具体的には、下部分の左右の長さが短くなっている。
【0325】
切り欠き505が、このような形状をしている理由について図17(c)を参照して説明する。図17(c)は、USB端子320に、シガープラグコード504を装着した状態を表す左側面図である。図17(c)を参照すると、シガープラグコード504及びシガープラグコード504から延出するコード部504-1が表されている。
【0326】
まず、図17(b)を参照して説明したように、背面から見た場合の切り欠け505は、下部分の左右の長さが短くなっており、ケーブルの太さに応じたものとなっている。そのため、背面から見た場合に、コード部504-1は、左右にズレることはなく、切り欠け505の形状に沿うこととなる。そして、コード部504-1は、切り欠き505の左側面から見ると弧を描くように左に湾曲した形状に沿って垂れている。つまり、切り欠き505の左側面から見ると弧を描くように左に湾曲した形状は、シガープラグコード504のコード部504-1を垂下させるのではなく、所望の方向に誘導している。
【0327】
このようにすることにより、コード部504-1が意図しない方向に向かっていくことを防止することが可能となる。また、弧を描くようにしていることから、コードが鋭角に曲がってしまうことを防止できる。これによりコードの寿命を延ばすことが可能となる。
【0328】
また、一体型装置1000の背面から見た場合の切り欠け505の左右の幅は、正面から一体型装置1000を見た場合にシガープラグコード504やコード部504-1がユーザから見えない幅にするとよい。これにより、ユーザには一体型装置1000の前面の矩形型の形状のみがユーザの目に見えることとなり、統一感が生まれる。
【0329】
更に、一体型装置1000の背面から見た場合の切り欠け505の左右の幅は、正面から一体型装置1000を見た場合にシガープラグコード504やコード部504-1がユーザから見える幅にするとよい。これにより、ユーザは、シガープラグコード504がUSB端子320に接続することを確認することが可能となる。
【0330】
また、図18を参照して、本実装例の他の特徴についても説明する。図18には一体型装置1000の背面図であって一体型装置1000の筐体を実現するカバーの背面部を取り除いた場合の形状が表されている。
【0331】
図18には、スピーカユニット506、スピーカ保持部507と、スピーカスリット503の位置に対応する位置をあらわすスピーカスリット対応位置508が表されている。
【0332】
スピーカユニット506は図1のスピーカ120に対応するものであり、運行案内用の音声や、警告音、音楽等の音を振動板により生成する。ここで一般的には、一体型装置1000の筐体を実現するカバーの背面のスピーカユニット506に対応する部分に、振動板が生成した音をカバー外部に導出させるための放音孔を設ける。
【0333】
しかしながら、本実装例では一体型装置1000を持ち運ぶことを想定しており、ユーザが背面を目にすることが考えられる。このような場合に、放音孔が設けられていると外観の美観を損ねる。
【0334】
そこで、本実装例ではスピーカ保持部507により、スピーカユニット506を保持するのみならず、スピーカユニット506の周辺を囲むようにする。もっとも、スピーカユニット506の下部については、スピーカユニット506を取り囲まない。これにより、振動板が生成した音は、スピーカユニット506の下部からスピーカスリット対応位置508へ導かれ、最終的にはスピーカスリット503から導出される。これにより、一体型装置1000の筐体を実現するカバーの背面のスピーカユニット506に対応する部分に、放音孔を設けることなく、外部に音を出力することが可能となる。これにより、放音孔により美観を損ねてしまうことを防止できる。
【0335】
次に、図19を参照して一体型装置1000をダッシュボード等に固定するために、一体型装置1000をクレードル2000及び台座部3000に装着した状態の図について説明する。本実装例では、クレードル2000を図16に表されるジョイント部502と着脱可能とし、クレードル2000と共に車両のダッシュボード上に設置して利用したり、クレードル2000から一体型装置1000を取り外してポータブルナビとして利用したりする。
【0336】
クレードル2000は更に台座部3000と接続されている。台座部3000は、
クレードル2000を任意の姿勢で支持する。台座部3000は、底面に設けた吸盤や吸着シート等で、ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部3000とクレードル2000とは、ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため、台座部3000とクレードル本体2000は、相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し、ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって、クレードル2000に取り付けられた一体型装置1000も、ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。
<変形例>
上述した実施形態及び実装例は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施をするようにしてもよい。
【0337】
例えば、上述した実施形態では、映像ファイルの有無に応じて地図上に表示するアイコンの形状を異ならせていた。また、イベントのレベルに応じて地図上に表示するアイコンの色を異ならせていた。更に、時系列に応じてイベントに番号を割り当てて、その順番を数字で表示していた。つまり、このような条件に応じて、各アイコンの表示態様を異ならせていた。ここで表示態様を異ならせるとは、例えば、アイコンの色、形状、大きさ、番号の表示等を、それぞれ異ならせることを含む。
【0338】
この点、表示態様の異ならせ方と表示態様を異ならせる条件の対応は必ずしも上述した実施形態の限りではない。例えば、映像ファイルの有無に応じて地図上に表示するアイコンの色を異ならせるようにするとよい。また、色と形状の双方を異ならせるようにするとよい。例えば、イベントのレベルに応じて地図上に表示するアイコンの番号を異ならせるようにしてもよい。また、映像ファイルの有無等の第1の条件と、イベントのレベル等という第2の条件とがあるとした場合に、条件によって、それぞれ表示態様の異ならせ方を異ならせるようにしてもよい。
【0339】
例えば、常時録画を行う際に一番古いファイルは削除しないようにするのもよい。これにより、新たなリアルタイム映像の保存はできないが、古いリアルタイム映像が消されてしまうことを防止できる。
【0340】
また、電源の供給と連動して、常時録画を開始及び停止するようにするとよい。これにより、ユーザの操作を要することなく、常時録画を常に行うことが可能となる。
【0341】
更に、マニュアル録画及びイベント録画において新たにイベントが発生した場合やユーザの操作があったとしても一番古いファイルは削除しないようにしてもよい。これにより、新たなファイルの保護はできないが、過去に保護したファイルが消されてしまうことを防止できる。
【0342】
更に、マニュアル録画及びイベント録画で保護対象とされたファイルであってもユーザの操作や設定に応じて削除できるようにするのもよい。これにより、内容を確認した上で不要と思われるファイルを削除し、記憶部の空き容量を増やすことが可能となる。
【0343】
更に、i13等のアイコンのリストでは地図上で押下されたイベントアイコン又は履歴アイコンをリストの最上部に配置するようにするのもよい。また、イベントの発生した日時に基づいて各イベントを時系列順に並び替えるようにするのもよい。
【0344】
更に、第1の記録部と第2の記憶部230が同一の種別の記憶媒体を利用可能とし、例えば、第2の記憶部230にて使用している記憶媒体の容量が最大となった場合に、第1の記憶部180で使用している記憶媒体と入れ替えて使用するようにするのもよい。これにより、2つの記憶媒体を状況に応じて使い分けることが可能となる。また、第2の制御部200にて映像ファイルを格納した記憶媒体を第1の記憶部180に挿入することにより、第1の制御部100により映像ファイルを再生することができるのでよい。
【0345】
更に、イベントが発生したと判断した場合に、リアルタイム映像の撮像の障害となる機能を実行させないための制御を行うとよい。リアルタイム映像の撮像の障害となる機能とは、例えば、をテレビの音声出力機能とする。こうすることにより、画像データの撮像の際、少なくともイベントが発生したと判断された後はテレビの音声は停止され、撮像するデータにテレビの音声が混入することを防止可能となる。
【0346】
更に、イベントが発生したと判断する場合に、加速度センサ170の測定値が、複数の閾値の何れかを超えたとしてもイベント録画を行わないようにしてもよい。これにより、例えば軽微な衝撃に基づいてイベントが発生したと判断されることが頻発するような場合には、軽微な衝撃に基づいてイベントが発生したと判断されたとしても映像ファイルを記憶しない。そのため、映像ファイルが増えすぎて、記憶媒体の容量をすぐに使いきってしまうような事態を防止する事が可能となる。例えば、車種や道路状況、運転の癖等によっては、一番敏感な閾値でのイベントが発生したとの判断が多発するような場合に、毎回録画をすると肝心な録画データもすぐ上書きされてしまう。そのため、このような場合は例えば一番敏感な閾値でのイベントが発生したと判断したとしても映像ファイルを記憶しないようにするとよい。
【0347】
更に、カメラ210が可動することから、カメラ210の入射部211の入射位置及び向きの何れか又は双方を調整可能なように動かせるようにするとよい。こうすることにより、自動車一体型装置1000を設置した後であっても入射位置の調整を行うことが可能となる。これにより、自動車の形状や設置位置に対応できるように、撮像される範囲を調整することができ、所望の範囲の画像データを撮像することが可能となる。
【0348】
更に、イベントが発生したと判断するための閾値は測定軸毎に異なる値が設定可能であり、自動車の進行方向に対応する測定軸の閾値が、他の測定軸の閾値よりも高いようにしてもよい。このようにすることに、一体型装置1000の利用状況に応じた閾値を使用でき、イベントが発生していないような場合に誤ってイベントが発生したと判断してしまうことを防止することが可能となる。
【0349】
この点、一体型装置1000の使用状況によっては所定の方向に対してイベントの発生とは無関係に、加速度センサ170による測定値が上るような場合がある。例えば、一体型装置1000の前面をタッチパネル110とした場合には、ユーザによるタッチパネル110の押下が行われることにより、一体型装置1000の前面から後面方向に対応する測定軸において、加速度センサ170による測定値が上る。これは、イベント発生とは関係しないため、このような場合にはイベントが発生したと判断しないことが好ましい。
【0350】
そこで、例えば一体型装置1000の前面から後面方向に対応する測定軸においては閾値を高くするとよい。例えば自動車に一体型装置1000を設置する際は、タッチパネル110が設けられた一体型装置1000の前面はユーザの正面に向き、一体型装置1000の後面は自動車の進行方向に向く。そこで、例えば自動車進行方向を前とした場合に自動車進行方向に対応する測定軸をX方向(前後)とし、自動車進行方向を前とした場合に自動車の左右に対応する測定軸をY方向(左右)とし、自動車進行方向を前とした場合に自動車の上下に対応する測定軸をZ方向(左右)とし、X方向(前後)の測定軸についての閾値を高くするようにするとよい。
【0351】
これにより、多少の衝撃を検知したとしてもイベントが発生したと判断しないとすることが可能となる。
【0352】
更に、加速度センサ170の測定値が、閾値を超えたとしても、閾値を超えたのがタッチパネル110により操作を受け付けたときを含む所定の期間の間であるのならばイベントが発生したとはしないようにするとよい。上述したように、例えば、一体型装置1000の前面から後面方向に対応する測定軸において、加速度センサ170による測定値が上る。これは、イベント発生とは関係しないため、このような場合にはイベントが発生したと判断しないことが好ましい。そこで、操作を受け付けたときを含む所定の期間の間であるのならばイベントが発生したとはしない。これにより、操作に伴う衝撃を加速度センサ170が測定した場合であっても、これに基づいてイベントが発生したという誤った判断を行ってしまうことを防止することができる。また、このような場合にはイベントが発生したと判断してイベント録画は行うが、例えば、イベントが発生した旨のポップアップ表示や警告音の出力は行わないようにするのもよい。これにより、操作に伴う衝撃を加速度センサ170が測定してイベントが発生したという誤った判断を行ってしまったにも関わらず、警告を出力してしまうという事態を防止することが可能となる。
【0353】
自動車が、イベントが発生した場所の近傍に位置している場合に、当該一体型装置1000が制御対象とする一体型装置1000が実行する機能の少なくとも一部を制限するようにするとよい。こうすることにより、前回イベントが発生した箇所において、ユーザは自動車の運転に集中することが可能となる。過去にイベントが発生した場所では気を引き締めて運転をすることが望まれることが多い。例えば、前回急ブレーキをかけてしまったことからイベントが発生したと判断された場所があったとする。この場合に、この場所の近傍では制御対象とする一体型装置1000の機能を一部制限する。例えば、テレビの音声出力機能を制限するとよい。こうすることにより、以前急ブレーキをかけた場所の近くでは、運転の邪魔となるテレビの音声の出力を取りやめることができ、ユーザが自動車の運転に集中することが可能となる。
【0354】
更に、イベント発生時に測定された加速度以外の測定情報として例えば自動車の移動速度も出力するようにするとよい。こうすることにより、ユーザはイベントが発生時に例えば法定速度以下であったことや、きちんと徐行をしていたことなどが証明できるようになる。なお、自動車の移動速度は、例えばGPSの位置情報を使用することにより算出できる。また、例えばOBD(On-board diagnostics)を使用することにより自動車の移動速度を取得するのもよい。
【0355】
以上の説明では、一体型装置1000が設置されている自動車の現在位置が含まれている地図上にイベントアイコンや履歴アイコンを表示することを説明した。つまり自動車周辺の地図について表示することを説明した。これに加えて、経路検索や目的地検索を行う際に、経路周辺や目的地周辺で起こったマニュアル録画及びイベント録画についてのイベントアイコンや履歴アイコンも表示するようにするとよい。これにより、ユーザは自動車の現在位置が含まれていない場所についてもアイコンを参照することが可能となる。
【0356】
更に、イベントアイコンや履歴アイコンの押下に応じて、イベントアイコンや履歴アイコンの位置まで運行案内をするようにするのもよい。こうすることにより、過去に事故を起こした場所や、頻繁にイベントが発生する場所や、ユーザが手動で録画をした場所に簡単に再訪することが可能となる。
【0357】
更に、主記憶部190に格納するナビゲーションのための情報は、出荷時において全国についてのすべての情報を格納しておいてもよい。また、地図データ等は、地方毎に記憶媒体に格納したものを提供するようにし、ユーザは必要な地図データ等が格納された記憶媒体を用意し、それを第1の記憶部180に装着して使用するようにしてもよい。なお、記憶媒体に格納された地図データ等は、主記憶部190に転送して格納してもよい。また、第1の制御部100が記憶媒体にアクセスし、そこから読み出して使用するようにしてもよい。
【0358】
上述した実施形態では、主記憶部190、第1の記憶部180及び第2の記憶部230のように3つの記憶部を設けたが、必ずしも3つの記憶部を設ける必要はない。例えば第1の制御部100を設けないようにするのもよい。
【0359】
上述した実施形態では、第1の制御部100による制御を実現するためのソフトウェアは主記憶部190に格納されると説明したが、そのソフトウェアの一部又は全部が主記憶部190ではなく第1の制御部100に含まれるROMに格納されるようにするのもよい。
【0360】
閾値はユーザ調整できるようにしてもよいが、一般的にユーザが閾値をどの程度調整するのか把握していないと考えられることを鑑みて、閾値を固定とするようにしてもよい。これにより、ユーザが不適切な閾値を設定しまうことが防止可能となる。
【0361】
上述した説明では、各アイコンを単に色分け表示するだけではなく、例えばアイコンを時系列に沿った番号を含んだ丸付き数字としていた。この際、番号は時系列に沿って降順で付しても昇順で付してもよい。つまり、最新のアイコンの番号が1、最古のアイコンの番号が10となってもよい。また、最新のアイコンの番号が10、最古のアイコンの番号が1となってもよい。
【0362】
上述の説明では、第1の制御部100を介して映像ファイルを再生していたが、第2の制御部200から直接タッチパネル110に出力されるようにするのもよい。また、2つの映像ファイルを復号して画像データとする処理は、第2の制御部200ではなく、第1の制御部100で行うようにしてもよい。
【0363】
上述の説明では、[ショートカット]ボタン140には「カメラ210映像」を対応付けるのではなく「テレビ映像」を対応付けるようにするのもよい。ユーザは、一体型装置1000の設置時には「カメラ210映像」を参照するが、取り付け後は「テレビ映像」を参照すると考えられるため、ユーザの使い勝手を向上させることが可能となる。
【0364】
また、[ショートカット]ボタン140が押下されて画面S3に遷移している場合であっても音声による運行案内は継続するようにするとよい。これにより、運行案内が中断されてしまうという不都合を防止できる。
【0365】
また、画面上に、つまりタッチパネル110上にマニュアル録画を行う契機となる操作を受け付けるためのボタン140を表示させるようにしてもよい。また、タッチパネル110上に表示するボタン140ではなく、ハードキーであるボタン140にてマニュアル録画を行う契機となる操作を受け付けるようにするとよい。これにより、タッチパネル110上にボタン140を設ける必要がなくなるため、例えば画面S13にて全画面表示されるリアルタイム映像が、ボタン140により一部見えなくなってしまうようなことを防止することが可能となる。
【0366】
図12の説明では、ステップA3を行ってからステップA4を行っていたが、シガープラグコードの定格電流の範囲内に収まるのであればステップA3とA4を同時に行うようにするのもよい。これにより、第2の制御部200が起動するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0367】
更に、個人の運転の仕方、車種、いつも走行する道路等の要因により、加速度センサ170が検知する加速度は異なる。そのため、場合によってはイベントが発生したと判断する基準としている閾値が低すぎる場合が考えられる。この場合には、イベントが発生していないにも関わらずイベントが発生したと誤検知してしまう可能性がある。一方で、場合によってはイベントが発生したと判断する基準としている閾値が高すぎる場合が考えられる。この場合には、イベントが発生しているにも関わらずイベントが発生していないと誤検知してしまう可能性がある。
【0368】
そこで、出荷時に設定されている閾値を、ユーザが修正することができるようにするのもよい。また、本実施形態では複数の閾値を設け、加速度センサ170が検知する加速度が何れの閾値を超えたかに応じて地図上に表示するアイコンの色を異ならせている。こうすることにより、ユーザは、個人の運転の仕方、車種、いつも走行する道路等による閾値の個人差を個人設定する時の目安として色が異なるアイコンを利用することができる。
【0369】
また、ユーザにとって閾値の設定が困難であると考えられるような場合には、出荷時に設定されている閾値をユーザが修正することはできないようにするのもよい。
【0370】
更に、第2の記憶部230に記憶媒体としてSDカード等を挿入する場合には、SDカードの記憶容量等に応じて保存した動画データ数に限りがあるので、地図上に表示したアイコン全てについて動画を見ることはできない。しかしながら、動画データが保存されている最新のファイルと、動画データが保存されていないそれより過去のファイルとの区別をするようにするとよい。区別は、例えばアイコンの形状や色を異ならせることにより実現するとよい。最新のファイルは、例えば10個とするとよい。
【符号の説明】
【0371】
100 第1の制御部
110 タッチパネル
120 スピーカ
130 報知用LED
140 ボタン
150 テレビチューナ
160 GPSセンサ
170 加速度センサ
180 第1の記憶部
190 主記憶部
200 第2の制御部
210 カメラ
211 入射部
220 マイク
230 第2の記憶部
310 電源部
320 USB端子
501 エッジ
502 ジョイント部
503 スピーカスリット
504 シガープラグコード
504-1 コード部
505 切り欠け
506 スピーカユニット
507 スピーカ保持部
508 スピーカスリット対応位置
1000 一体型装置
2000 クレードル
3000 台座部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19