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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133477
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】合成フィロケイ酸塩を調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/20 20060101AFI20240925BHJP
   B01D 11/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C01B33/20
B01D11/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091788
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2020536142の分割
【原出願日】2018-12-21
(31)【優先権主張番号】17306972.5
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】319006807
【氏名又は名称】イメルテック ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(71)【出願人】
【識別番号】509169549
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ポール サバティエ トゥールーズ トロワジエム
(71)【出願人】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】クラヴリー マリー
(72)【発明者】
【氏名】アイモニエ シリル
(72)【発明者】
【氏名】カレム クリステル
(72)【発明者】
【氏名】マルタン フランソワ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法および任意に官能化する方法を提供する。
【解決手段】合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法は、反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップを含み、合成タルク、合成葉ろう石、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される乾燥合成フィロケイ酸塩が、400m/g以上のBET表面積を有する、方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法であって、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記混合物を液体二酸化炭素と組み合わせるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節して二酸化炭素ガスを形成するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップが、
合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を用意するステップ、および
二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒と組み合わせて、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を形成するステップを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
合成フィロケイ酸塩を作製するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を、液体二酸化炭素と組み合わせるステップの前に、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物に官能化剤を添加するステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
合成フィロケイ酸塩が、合成タルク、合成葉ろう石、合成雲母、合成スメクタイト、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
有機溶媒が、アルコール、例えばエタノールである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
水性溶媒が水である、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
官能化剤が、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒に混和性または可溶性の官能化剤である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
官能化剤が、有機官能化剤、無機官能化剤、疎水性官能化剤、親水性官能化剤、両親媒性官能化剤および/または電荷を帯びた官能化剤である、請求項7または11に記載の方法。
【請求項13】
官能化剤が、トリオキシシランである、請求項7、11または12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法により得られた、および/または得ることができる、乾燥合成フィロケイ酸塩。
【請求項15】
約400m2/g以上のBET表面積、
約10以下のd90/d10
約600nm以下のd50、および/または
約50以下の形状因子
を有する、合成フィロケイ酸塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法および任意に官能化する方法、ならびに前記方法により得られた、および/または得ることができる、合成フィロケイ酸塩に関する。特に、本発明は、一般に、合成タルクなどの合成フィロケイ酸塩を乾燥するための、二酸化炭素、例えば超臨界二酸化炭素の使用であって、合成フィロケイ酸塩が乾燥前に官能化されてもよい、使用に関する。
【背景技術】
【0002】
タルクなどの合成フィロケイ酸塩は、例えば、ゴム、熱可塑性プラスチック、製紙、塗料、医薬品、化粧品およびサニタリー製品などの様々な工業分野において幅広く使用されている。合成フィロケイ酸塩は、不活性充填材(例えば、他のより高価な充填材の必要量を削減するため)として、または機能性充填材(例えば、配合される組成物の機械特性を増強するため)として使用することができる。所望の特性を有する合成フィロケイ酸塩を提供するため、例えば、マトリックスへの合成フィロケイ酸塩の分散を改善するため、官能化剤により合成フィロケイ酸塩の表面をコーティングすることが望ましいことがある。したがって、様々な合成フィロケイ酸塩を調製するための、代替的および/または改善された方法を実現することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法であって、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含む方法が提供される。
ある種の実施形態では、本方法は、混合物を液体二酸化炭素および/またはガス状二酸化炭素と組み合わせるステップを含む。ある種の実施形態では、本方法は、反応容器の温度および/または圧力を調節して、液体二酸化炭素を形成するステップをさらに含む。ある種の実施形態では、本方法は、反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含む。
ある種の実施形態では、本方法は、混合物を超臨界二酸化炭素と組み合わせるステップを含む。
【0004】
次に、二酸化炭素は、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物と組み合わせた後に、容器から除去するおよび/または放出させることができる。二酸化炭素は、例えば、液体形態で除去され得る/放出され得る。代替的に、二酸化炭素は、ガス形態で除去され得る/放出され得る。例えば、本方法は、反応容器の温度および圧力を調節して二酸化炭素ガスを形成するステップを含んでもよく、次いでこの二酸化炭素ガスを除去する/放出させる。
ある種の実施形態では、本方法は、二酸化炭素の臨界点より高い反応容器の温度および圧力から、二酸化炭素の臨界点未満の温度および圧力まで調節して、液体二酸化炭素および/または二酸化炭素ガスを形成するステップをさらに含む。本方法は、容器から液体二酸化炭素および/または二酸化炭素ガスを除去するおよび/または放出させるステップをさらに含むことができる。ある種の実施形態では、温度および圧力を調節して、二酸化炭素ガスを形成する。次に、二酸化炭素ガスを反応容器から除去することができる/放出することができる。
ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を含む組成物を用意するステップ、および二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒と組み合わせて、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を形成するステップを含む。
【0005】
ある種の実施形態では、本方法は、反応容器に二酸化炭素ガスを導入するステップ、ならびに反応容器の温度および/または圧力を調節して、二酸化炭素ガスを液体二酸化炭素に変化させるステップを含む。ある種の実施形態では、本方法は、反応容器に液体二酸化炭素を導入するステップを含む。
したがって、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒と合成フィロケイ酸塩との混合物は、二酸化炭素ガスおよび/または液体二酸化炭素および/または超臨界二酸化炭素と直接、組み合わせることができる。
【0006】
ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩を作製するステップを含む。
ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を、二酸化炭素と組み合わせるステップの前に、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物に官能化剤を添加するステップを含む。代替としてまたはさらに、官能化剤は、水性溶媒または二酸化炭素に添加されてもよい。
本発明の第2の態様によれば、その任意の実施形態を含む、本発明の第1の態様の方法により得た、および/または得ることができる、合成フィロケイ酸塩が提供される。
本発明の第3の態様によれば、合成フィロケイ酸塩が提供される。合成フィロケイ酸塩は、例えば、約400m2/g以上のBET表面積、約10以下のd90/d10、約600nm以下のd50、および/または約50以下の形状因子を有することができる。合成フィロケイ酸塩は、例えば、その任意の実施形態を含む、本発明の第2の態様によるものとすることができる。
【0007】
本発明の任意の態様のある種の実施形態は、以下の利点のうちの1つまたは複数を実現することができる:
・ 乾燥および/または官能化無機物を得るための工程数の削減
・ 単一容器中での完全な方法の実施
・ 乾燥のためにかかる時間の短縮
・ 乾燥により引き起こされる無機粒子への損傷の低減
・ 無機粒子の集塊(例えば、積層化)の低減
・ 無機粒子の表面積の増加
・ 様々な官能基を有する無機物の取得
・ 狭い粒子サイズ分布を有する無機粒子の取得(すなわち、より均一な粒子サイズを有する無機粒子の取得)
・ 様々な形態(例えば、ゲルまたは粉末)にある無機物の生成
・ 様々な媒体(例えば、油または水)中で再分散させることができる無機物の生成。
本発明の明記されている態様のうち1つまたは複数の任意の事項に関連して提供される詳細説明、実施例および選好は、本明細書にさらに記載されており、本発明のすべての態様に等しく当てはまる。で本明細書に記載されている実施形態、実施例および選好のそのすべての可能な変形形態での任意の組合せは、本明細書において特に示さない限り、または特に文脈により明確に矛盾しない限り、本発明により包含される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に記載される方法の概略図である。
図2】溶媒蒸発(1)による従来的な乾燥後、および実施例1(2)の方法による超臨界乾燥後の合成タルクのX線回折パターンを示す図である。
図3】溶媒蒸発(1)による従来的な乾燥後、および実施例1(2)の方法による超臨界乾燥後の合成タルクの近赤外スペクトルを示す図である。
図4】実施例1の方法による超臨界乾燥後の合成タルクの走査型電子顕微鏡(SEM)によって得られた顕微鏡写真である。
図5】実施例1の方法による超臨界乾燥後の合成タルクのサイズ分布ヒストグラム分析を示す図である。
図6】超臨界乾燥後のTEOSにより官能化された合成タルク(TS+TEOS)の固体状態1H、29Siおよび13C核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
図7】超臨界乾燥後の合成タルク(TS)、超臨界乾燥後にTEOSにより官能化した合成タルク(TS+TEOS)、およびTEOS(TEOS)の赤外スペクトルを示す図である。
図8】超臨界乾燥後の合成タルク、ならびに超臨界乾燥およびTEOSによる官能化後の合成タルクの熱質量分析を示す図である。
図9】超臨界乾燥後であるが官能化していない合成タルク、TEOSにより官能化して超臨界乾燥した後の合成タルク(実施例2)、およびBEMTにより官能化して超臨界乾燥した後の合成タルク(実施例3)のX線回折パターンを示す図である。
図10】超臨界乾燥後の合成タルク(TS)、BEMTにより官能化した合成タルク(TS+BEMT)、およびBEMT(BEMT)の赤外スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
乾燥および任意に官能化する方法
本発明者らは、合成フィロケイ酸塩が、二酸化炭素、例えば液体二酸化炭素または超臨界二酸化炭素による処理を使用して乾燥することができることを驚くべきことに、および有利なことに見いだした。本方法は、有利なことに、溶媒蒸発、凍結乾燥または噴霧などの従来的な無機物の乾燥技法よりも迅速である。さらに、理論によって拘泥されることを望むものではないが、超臨界二酸化炭素処理を使用する乾燥は、表面張力によって引き起こされる毛細管圧および乾燥中の他の物理的制約をなくし、こうして、乾燥中の無機粒子への損傷が低減する、またはなくなると考えられる。
【0010】
したがって、二酸化炭素、例えば液体二酸化炭素および/または超臨界二酸化炭素を使用する、合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法が本明細書において提供される。本方法は、合成フィロケイ酸塩を含む組成物中の二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒を二酸化炭素により置き換えるステップを一般に含む。次に、温度および/または圧力を調節して、液体二酸化炭素を形成することができる。次に、代替としてまたはさらに、温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して、超臨界二酸化炭素を形成することができる。次に、二酸化炭素は、液体および/またはガスとして、除去され得るか、または放出され得る。次に、温度および/または圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節することができ、その結果、二酸化炭素は、液体および/またはガスとして、除去されまたは放出され得、こうして乾燥生成物が残り得る。特に、次に、温度および/または圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節することができ、その結果、二酸化炭素は、ガスとして除去され得るか、または放出され得る。
【0011】
ある種の態様では、本方法は、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含む。
上記の混合物は、例えば、二酸化炭素ガス、液体二酸化炭素または超臨界二酸化炭素と直接、組み合わせてもよい。
上記の混合物を二酸化炭素ガスと組み合わせる場合、本方法は、反応容器の温度および/または圧力を調節して、液体二酸化炭素を形成するステップをさらに含んでもよい。
上記の混合物を二酸化炭素ガスおよび/または液体二酸化炭素と組み合わせる場合、本方法は、反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含んでもよい。
【0012】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、合成タルク、合成葉ろう石、合成雲母、合成スメクタイト(例えばベントナイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、サポナイト)、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される。ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、合成タルクである。本発明は、合成タルクに関して議論される傾向があり得る。しかし、本発明は、このようなものとして限定されるものと解釈されるべきではない。
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、Claverie et al., "Synthetic Talc and Talc-Like Structures: Preparation, Features and Applications", Chem. Eur. J., 2017, 23, DOI: 10.1002/chem.201702763に記載されている方法の1つまたは複数によって合成される。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「合成タルク」とは、人工合成法を使用して合成したタルクを意味する。ある種の実施形態では、合成タルク微粒子は、以下のうちの1つまたは複数である:
(1)それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2008/009800号および米国特許出願公開第2009/0253569号により調製される合成タルク。より詳細には、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する合成無機粒子を含む滑石組成物は、結晶構造およびラメラ構造を有しており、以下に定義されている膨張性TOT-TOT(四面体-八面体-四面体)層間粒子を含む組成物に、調製されることになるケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記合成無機粒子に対して望ましい結晶化度および安定性が得られるよう選択された適切な条件を用いて、ある期間、および300℃より高い処理温度で、5bar未満の圧力で行われる無水熱処理を施すステップを含む方法により得ることができる、式-(SixGe1-x4310(OH)2-(Mは、少なくとも1つの二価金属であり、化学式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有しており、y(i)は、それぞれ、
【0014】
【数1】
のような、区間[0;1]の実数を表しており、
xは、区間[0;1]の実数である)である。
【0015】
膨張性TOT-TOT(四面体-八面体-四面体)層間粒子を含む組成物は、以下の間:
2/1フィロゲルマノケイ酸塩タイプの元素性薄層(elementary laminae)であって、化学式-(SixGe1-x4310(OH)2-を有する元素性薄層の積層によって形成する、少なくとも1つの非膨張性無機相、および
2/1フィロゲルマノケイ酸塩タイプの元素性薄層および2つの連続する元素性薄層間の少なくとも1つの葉間(interfoliar)空間の積層によって形成される少なくとも1つの膨張性無機相であって、化学式-(SixGe1-x43-ε10(OH)2,(M2+ε’・nH2O-を有しており、M、y(i)およびxは、上で定義されている通りであり、εおよびε’は、それぞれ、膨張性相の元素性薄層の陽イオン欠陥、および葉間空間に存在する陽イオンに関するものである、前記膨張性無機相
に層間形成させることにより形成され、
前記組成物は、前記膨張性TOT-TOT層間粒子のX線回折分析により、以下の特徴的な回折ピーク:
前記膨張性無機相を表す、14~15Å程度の距離に位置する面(001)、
前記非膨張性無機相を表す面:9.60~10.50Å程度の距離に位置する面(001)、4.50~4.60Åに位置する面(020)、3.10~3.20Åに位置する面(003)、および1.50~1.55Åに位置する面(060)
を有することを特徴とする。
【0016】
膨張性TOT-TOT(四面体-八面体-四面体)層間粒子を含む組成物は、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有するゲルであって、液体状態の化学式-(SixGe1-x4311・n’(H2O)-(n’は、正の整数である)を有するゲルに、好適な期間、および150℃~300℃の温度で行われる水熱処理を施すステップを含む方法により調製することができる。得られたコロイド状組成物を回収して、乾燥工程、次いで、任意に機械的磨砕工程を施すと、個別化された膨張性TOT-TOT層間粒子を含む固体組成物が得られる。
ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有するゲル組成物は、塩酸溶液の存在下、以下:
メタケイ酸ナトリウム(Na2OSiO2)溶液およびメタゲルマニウム酸ナトリウム(Na2OGeO2)溶液から選択される、少なくとも1つの塩溶液を含む液体組成物であって、以下のモル濃度比:
【0017】
【数2】
を有する液体組成物と、
塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化コバルト(CoCl2)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化銅(CuCl2)、塩化マンガン(MnCl2)、塩化鉄(FeCl2)、塩化クロム(CrCl2)から選択される、少なくとも1つの二価金属塩化物を含む、金属塩化物(MCl2)の溶液であって、
以下:
【0018】
【数3】
のような前記金属塩化物の各々に対するモル濃度比を有する溶液と
の間の共沈殿反応によって調製される。
【0019】
(2)それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2008/009801号および米国特許出願公開第2009/0252963号により調製される合成タルク。より詳細には、式Si4Mg310(OH)2のタルク粒子を含む合成タルク組成物であって、前記組成物が、前記タルク粒子のX線回折分析が、以下の特徴的な回折ピーク:面(001)に対応する9.40~9.68Åに位置するピーク、面(020)に対応する4.50~4.60Åに位置するピーク、面(003)に対応する3.10~3.20Åに位置するピーク、面(060-330)に対応する1.50~1.55Åに位置するピークを有するディフラクトグラムを与えることを特徴とする合成タルク組成物。ある種の実施形態では、面(001)に対応する回折ピークは、9.40~9.43Åの程度の距離に位置する。ある種の実施形態では、前記タルク粒子は、透過型電子顕微鏡、または実質的に同じ結果を与える任意の好適な方法によって決定すると、500nm未満の粒子サイズ、例えば、20nm~100nmの粒子サイズを有する。ある種の実施形態では、タルク粒子は、個別化された粉末形態で存在する。ある種の実施形態では、タルク粒子は、相互に凝集した形態で存在し、凝集物を形成する。
【0020】
上記の(2)で記載されている合成タルク組成物は、ケロライト組成物が、式Si4Mg310(OH)2の熱的に安定な合成タルク粒子を得るように選択された適切な条件を用いて、ある期間、および200℃より高い、例えば、300℃より高い処理温度で、5bar未満の圧力で行われる無水熱処理を施す方法によって調製することができる。ある種の実施形態では、無水熱処理は、500℃~550℃の温度で行われ、この処理時間は、5時間より長くてもよい。ある種の実施形態では、無水熱処理は、るつぼの内側で、周囲空気中で行われる。ある種の実施形態では、前記合成タルク組成物の機械的磨砕は、粉末組成物を得るために行われる。ある種の実施形態では、前記ケロライト組成物は、飽和水蒸気圧、および100℃~400℃、例えば、100℃~350℃、または150℃~325℃、または200℃~300℃、または100℃~240℃の温度で、1日間~数か月間の期間、水熱処理を施された、式Si4Mg311・n’H2Oであるシリコメタル(silicometallic)ゲルから調製され、ケロライト組成物を乾燥して磨砕した後に、このケロライト組成物に無水熱処理を施して、粉末組成物を得てもよい。ある種の実施形態では、シリコメタルゲルは、以下の反応:
【0021】
【数4】

(式中、m、n’および(m-n’+1)は、正の整数である)
による共沈殿によって調製される。
【0022】
(3)それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2008/009799号および米国特許出願第2009/0261294号により調製される合成タルク。より詳細には、式-(SixGe1-x4310(OH)2-である、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する合成無機粒子を含む滑石組成物であって、Mは、少なくとも1つの二価金属であり、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有しており、y(i)は、それぞれ、
【0023】
【数5】
のような、区間[0;1]の実数であり、
xは、区間[0;1]の実数であり、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記合成無機粒子のX線回折分析において、以下の特徴的な回折ピーク:面(001)に関して9.40~9.68Åの程度の距離に位置するピーク、面(020)に関して4.50~4.75Åに位置するピーク、面(003)に関する3.10~3.20Åに位置するピーク、面(060)に関する1.50~1.55Åに位置するピークを有するディフラクトグラムが得られることを特徴とする、前記滑石組成物。
【0024】
ある種の実施形態では、面(001)に対応する回折ピークは、9.55~9.65Åの程度の距離に位置する。ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する合成粒子は、10nm~10μmとなる単峰性および単分散性粒子サイズ分布を有する。ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記合成粒子は、個別化された粉末形態で存在する。ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記合成粒子は、液体中に分散されている個別化形態で存在する。ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記合成粒子は、相互に凝集した形態で存在し、凝集物を形成する。
ある種の実施形態では、滑石組成物は、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有するゲルであって、液体状態の化学式-(SixGe1-x4311・n’(H2O)-(n’は、正の整数である)を有するゲルに、好適な期間、および300℃~600℃の温度で行われる水熱処理を施すステップを含む方法により調製される。
【0025】
前記水熱処理後に、コロイド状滑石組成物が回収されて、乾燥工程、次いで、機械的磨砕工程を施して、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する個別化された無機粒子を含む、滑石組成物を得ることができる。
ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記ゲルは、塩酸溶液の存在下、メタケイ酸ナトリウム(Na2OSiO2)溶液およびメタゲルマニウム酸ナトリウム(Na2OGeO2)溶液から選択される、少なくとも1つの塩溶液を含む液体組成物であって、以下のモル濃度比:
【0026】
【数6】
を有する液体組成物と、
塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化コバルト(COCl2)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化銅(CuCl2)、塩化マンガン(MnCl2)、塩化鉄(FeCl2)、塩化クロム(CrCl2)から選択される、少なくとも1つの二価金属塩化物を含む、金属塩化物(MCl2)の溶液であって、
以下:
【0027】
【数7】
のような前記金属塩化物の各々に対するモル濃度比を有する溶液と
の間の共沈殿反応によって調製される。
ある種の実施形態では、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記ゲルの水熱処理は、オートクレーブによって行われる。ある種の実施形態では、水熱処理は、0.83の程度の液体/固体比を有する、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する液化ゲルを用いて行われ、液体の量は、cm3で表され、固体の量はグラムで表される。ある種の実施形態では、水熱処理は、300℃の程度の温度で行われる。ある種の実施形態では、水熱処理は、400℃の程度の温度で行われる。ある種の実施形態では、水熱処理は、500℃~600℃の程度の温度で行われる。ある種の実施形態では、水熱処理は、16barの程度の制御圧力で行われる。ある種の実施形態では、水熱処理は、撹拌しながら行われる。ある種の実施形態では、式(SixGe1-x4311・n’H2Oであるケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記ゲルを調製するため、以下の工程を連続して行う:
一体積分の水中に、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化コバルト(COCl2)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化銅(CuCl2)、塩化マンガン(MnCl2)、塩化鉄(FeCl2)、塩化クロム(CrCl2)から選択される少なくとも1つの金属塩化物の吸湿性結晶の組成物を適量で溶解することにより、金属塩化物の酸性組成物を調製する、
次に、上記に塩酸(HCl)を加える、
適切な体積分の水中に、メタケイ酸ナトリウムおよびメタゲルマニウム酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの塩をある量で溶解することにより液体組成物を調製する、
共沈殿ゲルの形成を引き起こすよう選択された割合で、上記2種の水性組成物を混合する、
使用される様々な試薬の量を、共沈殿反応後にNa+イオンおよびCl-イオンが、等モル量で存在するように選択する、
任意に、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記ゲルの水熱処理を行う前に、共沈殿反応の間に形成する塩化ナトリウムをここから除去するため、ゲルを蒸留水で洗浄する。
【0028】
(4)それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2012/0852391号により調製される合成タルク。より詳細には、前記合成無機粒子のヒドロゲル前駆体を調製するステップ、前記ヒドロゲルに水熱処理を施すステップであって、処理媒体中に少なくとも1つのカルボン酸塩を添加することによる前記水熱処理ステップの少なくとも1つを行うことを特徴とするステップを含む方法によって得ることができる、合成タルク無機粒子を含む組成物であり、前記カルボン酸塩が、式R-COOM’を有し、M’は、NaおよびKからなる群から選択される金属であり、Rは、H、および10個未満の炭素原子を有するアルキル基から選択される。ある種の実施形態では、Rは、H、CH3-および-CH3-CH2-CH2-からなる群から選択される。温度は、150℃~600℃の間、例えば、200℃~400℃の間とすることができる。
【0029】
ある種の実施形態では、前記前駆体ヒドロゲルは、ケイ素/ゲルマニウムを含有するゲルであって、式(SixGe1-x4311・n’H2Oを有するゲルであり、Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1つの二価金属であり、y(i)はそれぞれ、
【0030】
【数8】
のような区間[0;1]の実数であり、xは、区間[0;1]の実数であり、n’は、ケイ素/ゲルマニウムを含有する前記ゲルに結合した水の分子数を指す。
【0031】
ある種の実施形態では、式R-COOM’の塩は、ヒドロゲルに対する前記R-COOM’のモル比が0.4~100の間となるよう、前記処理媒体に添加される。ある種の実施形態では、Siに対するR-COOM’のモル比は、ケイ素に対して、0.1~25の間となる。ある種の実施形態では、式R-COOM’の塩は、水熱処理の開始時に、処理媒体に添加される。ある種の実施形態では、式R-COOM’の塩の量は、そのpHが8~12の間の値に調節するよう、処理媒体に添加される。ある種の実施形態では、式R-COOM’の塩は、処理媒体中の式R-COOM’の塩の濃度が、0.2mol/L~10mol/Lの間となるよう、処理媒体に加えられる。
ある種の実施形態では、前記水熱処理は、飽和蒸気圧に達する。
ある種の実施形態では、本処理は、凍結乾燥を含む。
ある種の実施形態では、水熱処理の後に、300℃~600℃の間で、乾燥工程が続く。
【0032】
ある種の実施形態では、前記ゲルは、以下の反応:
【数9】

(式中、m、nおよび(m-n’+1)は、正の整数である)
による共沈殿反応によって調製される。
【0033】
ある種の実施形態では、ゲルは、式Si4311・n’H2Oを有する。
ある種の実施形態では、合成無機粒子は、化学式(SixGe1-x)M310(OH)2を有するフィロケイ酸塩タイプ2/1の元素性層からなる積層から形成される、少なくとも1つの非膨張性構成成分を含む。
ある種の実施形態では、前記組成物は、ケイ素、ゲルマニウムおよび金属を含有する前記合成無機粒子のX線回折分析において、以下の特徴的な回折ピーク:9.50Å~10.25Åの間の距離に位置する面(001)、4.50Å~4.61Åの間の距離に位置する面(020)、3.10Å~3.20Åの間の距離に位置する面(003)、および1.50Å~1.55Åの間の距離に位置する面(060)を有するディフラクトグラムが得られることを特徴とする。
【0034】
(5)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムと、例えば、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウムまたは硫酸マグネシウムなどの水溶性マグネシウム塩との沈殿反応によって形成される合成タルク。
(6)それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれている、国際特許出願PCT/FR2012/051594により調製される合成タルク。より詳細には、合成無機微粒子を含む合成タルク組成物であって、前記タルク粒子のX線回折分析が、以下の特徴的な回折ピーク:面(001)に対応する9.40~9.90Åに位置するピーク、面(002)に対応する4.60~4.80Åに位置するピーク、面(003)に対応する3.10~3.20Åに位置するピーク、面(060)に対応する1.51~1.53Åに位置するピークを有するディフラクトグラムを与えることを特徴とする合成タルク組成物であり、面(002)に特徴的な回折ピークの強度が、4.40~4.60Åに位置する面(020)の対応するシグナルの強度よりも大きく、面(001)に特徴的な回折ピークの強度と、面(003)に特徴的な回折ピークの強度との間の比が、0.60~1.50の間からなる。
【0035】
ある種の実施形態では、前記タルク組成物の合成無機粒子は、2/1フィロゲルマノケイ酸塩タイプの元素性薄層の積層により形成される少なくとも1つの非膨張性相を示し、かつ化学式(SixGe1-x4310(OH)2を有するフィロケイ酸塩化無機粒子であり、xは、区間[0;1]の実数を表し、Mは、少なくとも1つの二価金属を表し、化学式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有しており、y(i)は、それぞれ、
【0036】
【数10】
のような、区間[0;1]の実数を表す。
【0037】
ある種の実施形態では、前記組成物は、近赤外分光法において、薄層の縁部において結合している水の存在に対応する5,000cm-1~5,500cm-1の間に位置する、振動バンドを示すことを特徴とする。
上記の(6)に記載されている合成タルク組成物は、少なくとも1つのケイ素含有化合物と少なくとも1つの金属元素を含む1つの化合物との共沈殿による、前記合成無機粒子のヒドロゲル前駆体を調製するステップを含む方法によって得ることができ、前記共沈殿反応は、式R2-COOM’を有する少なくとも1つのカルボン酸塩の存在下で行われ、M’は、NaおよびKからなる群から選択される金属であり、R2は、H、および5個未満の炭素原子を有するアルキル基から選択される。
ある種の実施形態では、少なくとも1つの金属元素を含む前記化合物は、式M(R1-COO)2を有する二カルボン酸塩である。R1は、H、および5個未満の炭素原子を有するアルキル基から選択され、Mは、少なくとも1つの二価金属を表し、化学式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有し、y(i)はそれぞれ、
【0038】
【数11】
のような区間[0;1]の実数である。
ある種の実施形態では、前記ヒドロゲルには、前記合成無機粒子を得るために水熱処理が施される。
ある種の実施形態では、前記ヒドロゲル前駆体の共沈殿反応混合物は、水熱処理に直接、施される。
ある種の実施形態では、R1およびR2は、CH3-、CH3-CH2-およびCH3-CH2-CH2-からなる群から選択され、R1およびR2は、同一であってもよい。
ある種の実施形態では、ケイ素含有化合物は、メタケイ酸ナトリウムである。
ある種の実施形態では、前記合成無機粒子は、ケイ酸塩および/またはフィロケイ酸塩化無機粒子である。
ある種の実施形態では、前記前駆体ヒドロゲルは、式(SixGe1-x4311・n’H2Oを有する、ケイ素/ゲルマニウムを含有するゲルであり、xは、区間[0;1]の実数であり、n’は、ケイ素/ゲルマニウムを含有する前記ゲルに結合した水の分子数を指す。
ある種の実施形態では、式R2-COOM’の塩は、Siに対するR2-COOM’のモル比が0.1~9の間となるよう、前記処理媒体に添加される。
ある種の実施形態では、前記水熱処理は、150℃~400℃の間、または150℃~370℃の間、または200℃~350℃の間の温度で行われ、かつ/または5~200barの間の圧力で行われる。一部の実施形態では、前記水熱処理は、1時間~15日間、または2時間~24時間などの、30分間~30日間、適用され得る。
【0039】
ある種の実施形態では、本合成フィロケイ酸塩は、合成されて、次に、一連続法で、本明細書に記載されている方法により官能化および乾燥されてもよい。したがって、ある種の実施形態では、乾燥方法は、合成フィロケイ酸塩を作製するステップをさらに含む。合成フィロケイ酸塩の作製は、合成フィロケイ酸塩の乾燥前に、すなわち、反応容器中に合成フィロケイ酸塩および有機溶媒からなる混合物を用意する前に行われる。代替的に、本合成フィロケイ酸塩は、乾燥前に、すなわち、反応容器中に合成フィロケイ酸塩および有機溶媒からなる混合物を用意する前に、製造業者から得ることができる。
【0040】
本合成フィロケイ酸塩は、有機溶媒との混合物中で、例えば、合成されてもよく、保管されてもよく、かつ/または用意されてもよい。代替的に、本合成フィロケイ酸塩は、水性溶媒との混合物中で、合成されてもよく、保管されてもよく、かつ/または用意されてもよい。したがって、ある種の実施形態では、本方法は、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を含む組成物を用意するステップ、および水性溶媒を有機溶媒に置き換えて、有機溶媒中で合成フィロケイ酸塩の混合物を作製するステップを含んでもよい。水性溶媒の少なくとも約90体積%が、交換され得る。例えば、水性溶媒の少なくとも約92体積%、または少なくとも約94体積%、または少なくとも約95体積%、または少なくとも約96体積%、または少なくとも約98体積%、または少なくとも約99体積%が、置き換えられてもよい。例えば、水性溶媒のすべて(100体積%)が、交換されてもよい。水性溶媒は、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を、有機溶媒と組み合わせることにより、例えば混合することにより、例えば置き換えられてもよい。有機溶媒の連続流は、例えば、所望の体積%の水性溶媒が除去されるまで、反応容器に供給されて、ここから除去されてもよい。これにより、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物が形成する。合成フィロケイ酸塩と水性および/または有機溶媒との混合物を含む組成物は、例えば、均質組成物とすることができる。水性溶媒または有機溶媒中の合成フィロケイ酸塩の混合物を含む組成物は、例えば、コロイド状懸濁液などの懸濁液することができる。
【0041】
水性溶媒は、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を有機溶媒と組み合わせた後に、除去されてもよい。言い換えると、水性溶媒は、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物から分離され得る。したがって、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物は、水性溶媒をなんら含み得ない。例えば、水性溶媒および有機溶媒が混和性ではない場合、水性溶媒は、分離カラムまたは漏斗を使用して除去され得る。例えば、有機溶媒の連続流は、所望の体積%の水性溶媒が除去されるまで、反応容器内におよびここから供給されてもよい。水性溶媒は、有機溶媒との混合物中で除去されてもよい。
【0042】
有機溶媒は、例えば、二酸化炭素と混和性の有機溶媒のいずれかとすることができる。これは、有機溶媒と二酸化炭素とが任意の割合で混合されて、均質な混合物を形成することが可能にならなければならないことを意味する。有機溶媒は、例えば、アルコールとすることができる。例えば、有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロパノール、またはそれらのうち1つもしくは複数の組合せとすることができる。ある種の実施形態では、有機溶媒は、エタノールである。有機溶媒は、例えば、ケトンとすることができる。例えば、有機溶媒は、プロパノン(アセトン)、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、またはそれらのうち1つまたは複数の組合せとすることができる。ある種の実施形態では、有機溶媒はアセトンである。
本明細書に記載されているすべての態様および実施形態において、上記有機溶媒の代わりに、二酸化炭素と混和性の非有機溶媒(これらは、任意の割合で混合されて、均質な混合物を形成することができる)を使用することができる。非有機溶媒は、例えば、イオン性液体とすることができる。
【0043】
水性溶媒は、例えば、有機溶媒と混和性ではないことがある。水性溶媒は、例えば、水(100%の水)であってもよく、または水とアルコールなどの別の構成成分との混合物であってもよい。例えば、アルコールは、約50体積%未満の量、例えば約3体積%~約30体積%、例えば約5体積%~約20体積%で、水性溶媒中で存在してもよい。水性溶媒の少なくとも約90体積%が、有機溶媒によって置き換えられる場合、このことは、水性溶媒の非有機構成成分の少なくとも約90体積%が置き換えられることを意味する。
【0044】
次に、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物は、二酸化炭素と組み合わせて、有機溶媒を除去する。次に、二酸化炭素を除去して、乾燥生成物を残すことができる。例えば、次に、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物は、超臨界二酸化炭素と組み合わせて、有機溶媒を除去することができる。次に、超臨界二酸化炭素は、二酸化炭素ガスに変換されてもよく、これにより、二酸化炭素ガスが放出されて、乾燥生成物を残すことができる。
二酸化炭素は、有機溶媒の少なくとも約90体積%と置き換わってもよい。例えば、二酸化炭素は、少なくとも約91体積%、または少なくとも約92体積%、または少なくとも約93体積%、または少なくとも約94体積%、または少なくとも約95体積%、または少なくとも約96体積%、または少なくとも約97体積%、または少なくとも約98体積%、または少なくとも約99体積%の有機溶媒と置き換わることができる。二酸化炭素は、例えば、有機溶媒の最大で約100体積%と置き換わってもよい。二酸化炭素は、例えば、所望の体積%または有機溶媒が除去されるまで、反応容器に、およびここから二酸化炭素の連続流を供給することにより有機溶媒に置き換わることができる。有機溶媒は、二酸化炭素との混合物中、反応容器から除去されてもよい。次に、反応容器への二酸化炭素の流れが停止されて、こうして、二酸化炭素が除去される、および/または反応容器から放出される。
【0045】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物は、まず、液体二酸化炭素と組み合わせ、次に、温度および圧力条件を、二酸化炭素の臨界点よりも高く調節して、超臨界二酸化炭素を形成する。次に、温度および圧力は、二酸化炭素の臨界点未満となるように調節して、例えば、二酸化炭素ガスを形成することができる。次に、二酸化炭素ガスを放出させて、こうして、乾燥生成物を残すことができる。二酸化炭素の臨界点は、相平衡曲線の端部点を指し、この場合、相の境界は消失し、特に、液体二酸化炭素と二酸化炭素ガスとの間の相境界が消失する。二酸化炭素の臨界温度は、304.25K、31℃、87.98°Fである。二酸化炭素の臨界圧は、72.9atm、7.38MPa、1,071psiである。
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物を超臨界二酸化炭素と直接、組み合わせる。
【0046】
温度および圧力は、これらの条件が安定化することが可能なほどに好適な時間量の間、または有機溶媒が除去されるまで、二酸化炭素は液体二酸化炭素であるようにすることができる。温度および圧力は、温度および圧力が二酸化炭素の臨界点未満に再度、調節される前に、これらの条件が安定化することが可能なほどに好適な時間量の間、二酸化炭素の臨界点より高くてもよい。温度および圧力は、乾燥生成物が得られるまで、二酸化炭素の臨界点より高くてもよい。例えば、温度および圧力条件は、少なくとも約10分間、維持されてもよい。例えば、温度および圧力条件は、少なくとも約15分間、または少なくとも約20分間、または少なくとも約25分間、または少なくとも約30分間、または少なくとも約35分間、または少なくとも約40分間、または少なくとも約45分間、または少なくとも約50分間、または少なくとも約55分間、または少なくとも約60分間、維持されてもよい。例えば、温度および圧力条件は、最大で約120分間、維持されてもよい。例えば、温度および圧力条件は、最大で約115分間、または最大で約110分間、または最大で約105分間、または最大で約100分間、または最大で約95分間、または最大で約90分間、または最大で約85分間、または最大で約80分間、または最大で約75分間、または最大で約70分間、または最大で約65分間、維持されてもよい。
【0047】
最終温度(例えば、二酸化炭素の臨界温度より高い最終温度)は、例えば、約20℃~約100℃とすることができる。最終温度とは、この条件が調節されて、乾燥生成物を取り出すよう低下するまでに到達される反応容器中の最大温度を指す(例えば、条件が調節されて、二酸化炭素の臨界点未満にまで低下されるまで)。例えば、二酸化炭素の臨界温度より高い最終温度は、例えば、約22℃~約100℃、または約25℃~約95℃、または約30℃~約90℃、または約32℃~約90℃、または約32℃~約80℃、または約32℃~約70℃、または約32℃~約60℃とすることができる。
【0048】
最終圧(例えば、二酸化炭素の臨界圧より高い最終圧)は、例えば、約5.5MPa~約15MPaとすることができる。最終圧(例えば、二酸化炭素の臨界圧より高い最終圧)とは、この条件が調節されて、乾燥生成物を取り出すよう低下させるまでに到達される反応容器中の最大圧を指す(例えば、条件が調節されて、二酸化炭素の臨界点未満にまで低下されるまで)。例えば、二酸化炭素の臨界圧より高い最終圧は、約5.5MPa~約15MPa、または約5.72MPa~約15MPa、または約6MPa~約15MPa、または約7MPa~約15MPa、または約7.4MPa~約15MPa、または約7.4MPa~約14MPa、または約7.4MPa~約13MPa、または約7.4MPa~約12MPa、または約7.4MPa~約11MPa、または約7.4MPa~約10MPaとすることができる。
【0049】
温度および圧力は、二酸化炭素の臨界点未満まで比較的ゆっくりと調節されて、ナノ細孔中に二酸化炭素が凝縮するのを回避してもよい。これは、例えば、少なくとも約2分間、かかることがある。例えば、これは、少なくとも約5分間、または少なくとも約10分間、または少なくとも約15分間、または少なくとも約20分間、または少なくとも約25分間、または少なくとも約30分間かかることがある。例えばこれは、最大で約60分間、または最大で約55分間、または最大で約50分間、または最大で約45分間、または最大で約40分間、または最大で約35分間、または最大で約30分間かかることがある。
本方法における最終温度および最終圧(例えば、二酸化炭素の臨界温度未満の最終温度および最終圧)は、例えば、IUPACにより定義されている標準温度および圧力(STP)とすることができる(0℃および100kPa)。本方法における最終温度および最終圧(例えば、二酸化炭素の臨界温度未満の最終温度および最終圧)とは、乾燥生成物が反応容器から取り出される前に到達する反応容器の最小温度および最小圧を指す。最終温度は、例えば、約0℃~約30℃、例えば約15℃~約30℃、または約20℃~約30℃とすることができる。最終圧は、例えば、約0.1MPa~約7MPa、または約0.1MPa~約6MPa、または約0.1MPa~約5MPa、または約0.1MPa~約4MPa、または約0.1MPa~約3MPa、または約0.1MPa~約2MPaとすることができる。
【0050】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物は、まず、二酸化炭素ガスと組み合わせ、温度および/または圧力を調節して、二酸化炭素ガスから液体二酸化炭素に変化させる。これは、反応溶液に二酸化炭素ガスを導入するステップ、ならびに反応容器の圧力および/または温度を調節して、二酸化炭素ガスを液体二酸化炭素に変化させるステップを含むことができる。液体二酸化炭素を形成するために使用される温度は、例えば、約0℃~約30℃とすることができる。例えば、液体二酸化炭素を形成するために使用される温度は、約0℃~約25℃、または約5℃~約25℃、または約10℃~約25℃、または約15℃~約25℃、または約10℃~約20℃、または約15℃~約20℃の範囲とすることができる。液体二酸化炭素を形成するために使用される圧力は、例えば、約1MPa~約8MPaとすることができる。
【0051】
例えば、液体二酸化炭素を形成するために使用される圧力は、約2MPa~約7MPa、または約3MPa~約6MPa、または約4MPa~約6MPa、または約5MPa~約6MPaとすることができる。
【0052】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物は、液体二酸化炭素と直接組み合わせる。
液体二酸化炭素は、拡散現象により、有機溶媒と交換される。合成フィロケイ酸塩およびいかなる任意の官能化剤も保存される。有機溶媒は、二酸化炭素への可溶化、次いで二酸化炭素の抽出によって除去され得る。
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、乾燥前に官能化される。このことは、合成フィロケイ酸塩の表面が、そこに官能化剤を固定するよう修飾されることを意味する。官能化剤は、新規な機能、特徴、能力または特性を合成フィロケイ酸塩に付与する。
【0053】
ある種の実施形態では、官能化剤は、乾燥前に、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物に添加する。ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物を液体二酸化炭素と組み合わせる前に、官能化剤をこの混合物に添加する。官能化剤は、例えば撹拌によって、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物に混合されてもよい。ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物を形成するため、官能化剤を有機溶媒に添加した後、この有機溶媒を合成フィロケイ酸塩と組み合わせる。例えば、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物を形成するため、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を有機溶媒と組み合わせるステップにおいて、有機溶媒は、官能化剤を含んでもよい。水性溶媒が反応容器から除去される実施形態では、官能化剤は、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物中に留まる。
【0054】
代替としてまたはさらに、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物を形成する前に、官能化剤を、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との任意の混合物に添加してもよい。官能化剤は、例えば、撹拌によって、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物に混合されてもよい。ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を形成するため、官能化剤を水性溶媒に添加した後、この水性溶媒を合成フィロケイ酸塩と組み合わせる。水性溶媒が反応容器から除去される実施形態では、官能化剤は、合成フィロケイ酸塩と有機溶媒との混合物中に留まる。
代替としてまたはさらに、官能化剤は、二酸化炭素に添加されてもよい。ある種の実施形態では、官能化剤を二酸化炭素に添加した後に、二酸化炭素を、合成フィロケイ酸塩と組み合わせる。
【0055】
官能化剤は、例えば、少なくとも約1分間、合成フィロケイ酸塩と接触されてもよい。例えば、官能化は、少なくとも約5分間、または少なくとも約10分間、または少なくとも約15分間、または少なくとも約20分間、または少なくとも約25分間、または少なくとも約30分間、合成フィロケイ酸塩と接触させてもよい。官能化剤は、例えば、最大で約120分間、または最大で約110分間、または最大で約100分間、または最大で約90分間、または最大で約80分間、または最大で約70分間、または最大で約60分間、合成フィロケイ酸塩と接触させてもよい。
官能化剤は、例えば、有機溶媒に混和性または可溶性の任意の官能化剤とすることができる。官能化剤は、合成フィロケイ酸塩と相互作用する(物理的または化学的に)ことができる任意の官能化剤とすることができる。官能化剤は、例えば、有機官能化剤、無機官能化剤、疎水性官能化剤、親水性官能化剤、両親媒性官能化剤および/または電荷を帯びた官能化剤とすることができる。
官能化剤は、例えば、トリオキソイシラン(trioxoysilane)、例えばトリエトキシシランまたはトリエチルオキシ(triethyoxy)(オクチル)シランなどのトリアルコキシシランとすることができる。官能化剤は、例えば、テトラオルトシリケート、例えば、テトラエチルオルトシリケートなどのテトラアルキルオルトシリケートとすることができる。官能化剤は、例えば、トリアジン、例えばビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンとすることができる。官能化剤は、例えば、銀塩などの金属塩であってもよい。官能化剤は、例えば、金属であってもよい。官能化剤は、例えば、酸化物であってもよい。官能化剤は、例えば、リン化物であってもよい。官能化剤は、例えば、スルフィドであってもよい。官能化剤は、例えば、抗UV官能化剤であってもよい。
【0056】
合成フィロケイ酸塩
本発明者は、本明細書に記載されている乾燥および任意の官能化の方法により作製される合成フィロケイ酸塩は、有利なことに、慣用的な方法(例えば、溶媒蒸発、凍結乾燥または噴霧)で乾燥した合成フィロケイ酸塩よりも高いBET表面積を有することを驚くべきことに見いだした。したがって、合成フィロケイ酸塩が、本明細書において提供される。合成フィロケイ酸塩は、例えば、本明細書に記載されている乾燥および任意の官能化の方法により得られてもよい、および/または得ることができる。
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、乾燥合成フィロケイ酸塩である。用語「乾燥した」とは、合成フィロケイ酸塩が、約5質量%以下の水分、例えば約4質量%以下、または約3質量%以下、例えば約2質量%以下、例えば約1質量%以下の水分を含むことを意味する。これは、合成フィロケイ酸塩を加熱して、加熱前後の質量の差異を測定することにより測定することができる。ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、粉末またはゲルの形態にある。
【0057】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、約400m2/g以上のBET表面積を有する。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約450m2/g以上、または約500m2/g以上、または約550m2/g以上、または約600m2/g以上、または約650m2/g以上、または約700m2/g以上、または約750m2/g以上、または約800m2/g以上のBET表面積を有することができる。合成フィロケイ酸塩は、官能化合成フィロケイ酸塩であってもよく、または官能化合成フィロケイ酸塩でなくてもよい。
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、最大で約1500m2/gのBET表面積を有する。例えば、合成フィロケイ酸塩は、最大で約1400m2/g、または最大で約1300m2/g、または最大で約1200m2/g、または最大で約1100m2/g、または最大で約1000m2/gのBET表面積を有することができる。合成フィロケイ酸塩は、官能化合成フィロケイ酸塩であってもよく、または官能化合成フィロケイ酸塩でなくてもよい。
合成フィロケイ酸塩が、官能化合成フィロケイ酸塩である場合、合成フィロケイ酸塩は、例えば、約700m2/g以上のBET表面積を有することができる。例えば、官能化合成フィロケイ酸塩は、約750m2/g以上、または約800m2/g以上のBET表面積を有することができる。官能化合成フィロケイ酸塩は、例えば、最大で約1500m2/g、または最大で約1400m2/g、または最大で約1300m2/g、または最大で約1200m2/g、または最大で約1100m2/g、または最大で約1000m2/gのBET表面積を有することができる。
【0058】
BET表面積とは、タルク微粒子の粒子の表面を完全に被覆する単分子層を形成するよう、前記粒子の表面に吸着された窒素量によるBET法に準拠して決定した、単位質量に対する前記微粒子の粒子の表面の面積を指す(BET法、AFNOR規格X11-621および622またはISO9277に準拠した測定)。ある種の実施形態では、比表面積は、ISO9277に準拠して、またはそれと等価な任意の方法に準拠して決定する。
【0059】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、約10以下のd90/d10を有する。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約9以下、または約8以下、または約7以下、または約6以下、または約5以下となるd90/d10を有することができる。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約1以上、または約2以上、または約3以上のd90/d10を有することができる。
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、約600nm以下のd50を有する。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約550nm以下、または約500nm以下、または約450nm以下、または約400nm以下のd50を有することができる。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約50nm以上、または約100nm以上、または約150nm以上、または約200nm以上のd50を有することができる。
【0060】
光子相関分光法(PCS)は、粒子サイズ測定に使用することができる。この技法は、粒子のブラウン運動により引き起こされる散乱光のゆらぎの分析に基づくものであり、この原理は、所与の角度における、時間の関数として、液体中に懸濁した粒子によって散乱されるコヒーレントレーザー光のゆらぎを分析することにある。分析は、Cordouan Technology社のVASCO-2粒子サイズ分析器を使用して行うことができる。合成無機物は、水中で分散させることができ、試料は、濃度効果を回避するため、0.01質量%まで希釈する。試料のサイズ分散に関する統計学的情報を手に入れるため、VASCOのNanoQTMソフトウェアを、Pade-Laplace反転アルゴリズムにより処理される各コレログラムアクイジション(correlogram acquisition)を用いるマルチアクイジションモードで操作することができる。試料はすべて、20回、測定した。
【0061】
ある種の実施形態では、合成フィロケイ酸塩は、約50以下のアスペクト比を有する。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約45以下、または約40以下、または約35以下、または約30以下のアスペクト比を有することができる。例えば、合成フィロケイ酸塩は、約5以上、または約10以上、または約15以上、または約20以上のアスペクト比を有することができる。
合成フィロケイ酸塩のアスペクト比は、粒子のSEM画像またはTEM画像を観察することにより、ならびに粒子の長さおよび厚さを測定することにより測定することができる。アスペクト比は、長さ/厚さとして計算される。少なくとも20個の粒子を測定し、その平均アスペクト比を計算して、合成フィロケイ酸塩のアスペクト比を得る。
【実施例0062】
(実施例1)
図1は、実施例1に記載されている方法の概略図を示す。
約10ミリリットル(ml)の合成タルクゲル(10質量%の乾燥抽出物)を、円筒形の多孔質焼成済み容器(1.3センチメートル(cm)の直径および5.7cmの高さを有する)に注ぎ入れ、これを反応器(3.4cmの直径および9.8cmの高さを有する)に入れた。このゲルを、エタノールの注入によって、エタノールを使用して約5分間、洗浄した。この工程は、水(ゲルに含まれている)を、CO2に混和性のエタノールで置き換えるものであり、フィロケイ酸塩のアルコールをベースとするゲルが形成した。次に、CO2を注入した。この系に、液体CO2(温度=18℃、および圧力>55bar(5.5MPa))を用いて室温で加圧した。次に、この系を温めて(温度=60℃および圧力=100bar(10MPa))、CO2の臨界温度および圧力(Tc=31℃およびpc=73.8bar(7.38MPa))を超過させた。これらの条件にある系に1時間、CO2を流した。次に、等温条件で、この系をゆっくりと除圧し、室内圧で冷却して、ナノ細孔中のCO2の凝縮を回避した。これらの工程を完了する全時間は、約2時間であった。
【0063】
図2は、溶媒蒸発(1)による従来的な乾燥後、および実施例1(2)の方法による超臨界乾燥後の合成タルクのX線回折パターンを示している。これは、溶媒蒸発後および超臨界乾燥後に、乾燥物質の構造は同一であることを示している。
図3は、溶媒蒸発(1)による従来的な乾燥後、および実施例1(2)の方法による超臨界乾燥後の合成タルクの近赤外スペクトルを示している。これは、溶媒蒸発後および超臨界乾燥後に、乾燥物質の構造は同一であることを示している。
図4は、実施例1の方法による超臨界乾燥後の合成タルクの走査型電子顕微鏡写真(SEM)の画像を示している。これは、粒子サイズが小さいこと、およびそれらは膨張する特性があることを示している。
図5は、実施例1の方法による超臨界乾燥後の合成タルクのサイズ分布ヒストグラム分析を示している。これは、粒子サイズが小さいこと、および溶媒蒸発による乾燥後に通常、観察される微小サイズ(micrometric)の凝集物が観察されないので、凝集は限定的であることを示している。
【0064】
(実施例2)
テトラエチルオルトシリケート(TEOS)により官能化したタルクを、実施例1に記載されている方法に準拠して調製した。この官能化したエアロゲルの調製は、5gの合成タルクゲル、1.4gのTEOSおよび100mlのエタノール中で、合成タルクゲルとエタノールおよびTEOS(TEOS5molに対して、1molのタルク)とを混合することを含む。次に、この混合物を遠心分離にかけ、遠心分離の下部(タルク-TEOSおよびエタノールを含有する)を反応器に入れた。次に、CO2を注入し、実施例1に記載されているプロトコルに従った。
【0065】
図6は、超臨界乾燥後にTEOSにより官能化された合成タルク(TS+TEOS)の固体状態の1H、29Siおよび13C核磁気共鳴スペクトルを示している。これは、この物質の構造が同一であり、TEOSが、最終生成物中に存在していることを実証するものである(合成タルク表面への吸着)。
図9は、官能化のない超臨界乾燥後の合成タルク(1)、およびTEOSによる官能化を伴う超臨界乾燥後の合成タルク(2)のX線回折パターンを示している。これは、解凝集または剥離を示しており、したがって、官能化を証拠付けるものである。
図7は、超臨界乾燥後の合成タルク(TS)、超臨界乾燥後にTEOSにより官能化した合成タルク(TS+TEOS)、およびTEOS(TEOS)の赤外スペクトルを示している。これは、官能化が成功したことを示す。グラフ(A)~(C)は、NMRスペクトルを示す一方、グラフ(D)は、赤外スペクトルを示す。
図8は、超臨界乾燥後の合成タルク、ならびに超臨界乾燥およびTEOSによる官能化後の合成タルクの熱質量分析を示している。
実施例1および2によって作製された生成物のBET表面積も決定した。溶媒蒸発後の合成タルクのBET表面は、150m2/gであった。超臨界乾燥後の合成タルクのBET表面積は(実施例1)、約400m2/gであった。TEOSおよび超臨界乾燥(実施例2)による官能化後の合成タルクのBET表面積は、約700m2/gであった。
【0066】
(実施例3)
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(BEMT)により官能化したタルクは、5gの合成タルクゲル、4.1gのBEMTおよび100mlのエタノール(5molのBEMTに対して1molのタルク)の量で、実施例2と同じ方法に準拠して調製した。
図9は、超臨界乾燥後であるが官能化していない合成タルク(実施例1)、TEOSにより官能化して超臨界乾燥した後の合成タルク(実施例2)、およびBEMTにより官能化して超臨界乾燥した後の合成タルク(実施例3)のX線回折パターンを示す図である。これは、解凝集または剥離を示しており、したがって、官能化を証拠付けるものである。
図10は、超臨界乾燥後の合成タルク(TS)、BEMTにより官能化した合成タルク(TS+BEMT)、およびBEMT(BEMT)の赤外スペクトルを示している。これは、官能化が成功したことを示している。
上述は、本発明のある種の実施形態を非限定的に幅広く記載している。当業者に容易に明白な変形および修正が、添付の特許請求の範囲に定義されている、およびこれらによる本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0067】
(比較例)
タルクは、水中、および超臨界状態にある水と二酸化炭素との混合物中で合成した(乾燥工程前)。超臨界水中のタルクの合成に成功した。しかし、水と二酸化炭素の混合物中の合成は炭酸塩、酢酸塩およびアモルファス相からなる混合物が得られたので、不成功であった。
【0068】
以下の番号を付けた段落は、本発明の具体的な実施形態を定義する。
1.合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法であって、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
該混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含む、方法。
2.混合物を液体二酸化炭素と組み合わせるステップを含む、段落1の方法。
3.反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含む、段落1または2の方法。
4.反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節して二酸化炭素ガスを形成するステップをさらに含む、段落3の方法。
5.合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を用意するステップが、合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を用意するステップ、および二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒と組み合わせて、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を形成するステップを含む、前記段落のいずれかの方法。
【0069】
6.合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を、二酸化炭素と組み合わせるステップが、二酸化炭素ガスを反応容器に導入するステップ、および反応容器の圧力および/または温度を調節して、二酸化炭素ガスを液体二酸化炭素に変化させるステップを含むか、または上記混合物を液体二酸化炭素と直接、組み合わせる、前記段落のいずれかの方法。
7.合成フィロケイ酸塩を作製するステップを含む、前記段落のいずれかの方法。
8.合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物を、液体二酸化炭素と組み合わせるステップの前に、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒との混合物に官能化剤を添加するステップをさらに含む、前記段落のいずれかの方法。
9.合成フィロケイ酸塩が、合成タルク、合成葉ろう石、合成雲母、合成スメクタイト、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される、前記段落のいずれかの方法。
10.合成フィロケイ酸塩が、約10以下のd90/d10を有する、前記段落のいずれかの方法。
【0070】
11.合成フィロケイ酸塩が、約600nm以下のd50を有する、前記段落のいずれかの方法。
12.合成フィロケイ酸塩が、約50以下のアスペクト比を有する、前記段落のいずれかの方法。
13.有機溶媒が、アルコール、例えばエタノールである、前記段落のいずれかの方法。
14.水性溶媒が水である、段落5の方法。
15.官能化剤が、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または非有機溶媒に混和性または可溶性の官能化剤である、段落8の方法。
【0071】
16.官能化剤が、有機官能化剤、無機官能化剤、疎水性官能化剤、親水性官能化剤、両親媒性官能化剤および/または電荷を帯びた官能化剤である、段落8または15の方法。
17.官能化剤が、トリオキシシランである、段落8、15または16の方法。
18.乾燥合成フィロケイ酸塩が、約400m2/g以上、例えば約700m2/g以上のBET表面積を有する、前記段落のいずれかの方法。
19.段落1~18のうちのいずれか1つの方法により得られた、および/または得ることができる、乾燥合成フィロケイ酸塩。
20.約400m2/g以上のBET表面積、
約10以下のd90/d10
約600nm以下のd50、および/または
約50以下の形状因子
を有する、合成フィロケイ酸塩。
【0072】
21.官能化合成フィロケイ酸塩ではない、段落20の合成フィロケイ酸塩。
22.官能化合成フィロケイ酸塩である、段落20の合成フィロケイ酸塩。
23.約700m2/g以上のBET表面積を有する、段落20~22のいずれか1つの合成フィロケイ酸塩。
24.合成フィロケイ酸塩が、合成タルク、合成葉ろう石、合成雲母、合成スメクタイト、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される、段落20~23のいずれか1つの合成フィロケイ酸塩。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成フィロケイ酸塩を乾燥する方法であって、
反応容器中で、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップ、および
混合物を二酸化炭素と組み合わせるステップ
を含み、
合成タルク、合成葉ろう石、合成カオリナイト、合成蛇紋石、合成緑泥石、およびそれらのうち1つまたは複数の混合物から選択される乾燥合成フィロケイ酸塩が、400m 2 /g以上のBET表面積を有する、前記方法。
【請求項2】
前記混合物を液体二酸化炭素と組み合わせるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点より高く調節して超臨界二酸化炭素を形成するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
反応容器の温度および圧力を二酸化炭素の臨界点未満に調節して二酸化炭素ガスを形成するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を用意するステップが、
合成フィロケイ酸塩と水性溶媒との混合物を用意するステップ、および
二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒と組み合わせて、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を形成するステップを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
合成フィロケイ酸塩を作製するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物を、液体二酸化炭素と組み合わせるステップの前に、合成フィロケイ酸塩と、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒との混合物に官能化剤を添加するステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
有機溶媒が、アルコールである、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
有機溶媒が、エタノールである、請求項8に記載の方法
【請求項10】
水性溶媒が水である、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
官能化剤が、二酸化炭素と混和性の有機溶媒または二酸化炭素と混和性の非有機溶媒に混和性または可溶性の官能化剤である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
官能化剤が、有機官能化剤、無機官能化剤、疎水性官能化剤、親水性官能化剤、両親媒性官能化剤および/または電荷を帯びた官能化剤である、請求項7又は11に記載の方法。
【請求項13】
官能化剤が、トリオキシシランである、請求項7、11または12に記載の方法。
【請求項14】
乾燥合成フィロケイ酸塩が、700m 2 /g以上のBET表面積を有する、請求項1~13のいずれか1項記載の方法
【外国語明細書】