(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133493
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20240925BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240925BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240925BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240925BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240925BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240925BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 691D
G09G3/20 680H
G09G3/20 633L
G09G3/20 624B
G09G3/20 622D
G09G3/20 622G
G02F1/1368
G02F1/133 550
G02F1/1333
G06F3/041 412
G06F3/044 120
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095054
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2023121727の分割
【原出願日】2017-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2016207008
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 博之
(72)【発明者】
【氏名】福留 貴浩
(57)【要約】
【課題】タッチセンサの検知時間を短くすることでタッチ検知の応答性を向上させる。
【解決手段】ゲートドライバと、複数のタッチセンサと、複数のタッチ用配線を有する表
示装置であって、ゲートドライバは、複数のタッチ用配線に、同じタイミングで走査信号
を与える機能を有し、異なる位置のタッチセンサが、複数のタッチの有無を同じタイミン
グで検知することで応答性を向上させる表示装置。また、ゲートドライバは、表示の更新
を行う走査信号と、タッチセンサが検知に用いる走査信号を制御する機能を有した表示装
置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと、画素と、を有し、
前記画素は、トランジスタと、第1の容量素子と、液晶素子と、を有し、
前記スイッチは、第1の信号線と電気的に接続され、
前記スイッチの第1の端子は、コモン線と電気的に接続され、
前記スイッチの第2の端子は、配線と電気的に接続され、
前記スイッチの第3の端子は、第1のタッチ用配線と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの一方は、第2の信号線と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の容量素子の第1の電極と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記液晶素子の第1の電極と電気的に接続され、
前記トランジスタのゲートは、走査線と電気的に接続され、
前記配線は、前記第1の容量素子の第2の電極と電気的に接続され、
前記配線は、前記液晶素子の第2の電極と電気的に接続され、
前記配線は、第2の容量素子の第1の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量素子の第2の電極は、第2のタッチ用配線と電気的に接続され、
前記第1の信号線の電位がLのとき、前記スイッチの第1の端子と前記スイッチの第2の端子とが導通状態となり、
前記第1の信号線の電位がHのとき、前記スイッチの第2の端子と前記スイッチの第3の端子とが導通状態となる半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、タッチセンサ、表示装置、表示モジュール、及び電子機器に関する
。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明
の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関する。又は、本発明は、プロセス
、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する
。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、タ
ッチパネル、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法に関する。
【0003】
なお、本明細書等において、半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる素
子、回路、又は装置等を指す。一例としては、トランジスタ、ダイオード等の半導体素子
は半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路は、半導体装置で
ある。また別の一例としては、半導体素子を有する回路を備えた装置は、半導体装置であ
る。
【背景技術】
【0004】
スマートフォン、タブレット、電子ブック等のモバイル機器が普及している。電子機器
には、小型化、薄型化、軽量化、可撓性、もしくは操作性を求められている。また、電子
機器は、屋外環境や室内環境など利用する環境の明るさに適した表示をすることが求めら
れている。さらに、スマートフォン、タブレット、電子ブックなどで、タッチ入力による
操作性の向上が求められている。
【0005】
例えば、特許文献1では自然光や室内照明光など、十分な明るさの外光がある環境では
反射光を利用した表示を行い、十分な明るさを得られない環境では透光素子を利用した表
示を行うことで、低電力化を実現する表示装置が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献2では、モバイル機器の消費電力を削減するために、デコーダ回路に
より特定の領域の表示を選択的に更新することが開示されている。
【0007】
例えば、特許文献3では、1つの画素に、液晶素子を制御する画素回路と、発光素子を
制御する画素回路とが設けられている、ハイブリッド(複合型)表示装置が開示されてい
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011-154357号公報
【特許文献2】特開2011-085918号公報
【特許文献3】国際公開第2007/041150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電子機器において、タッチ入力による操作性を向上させるためには、タッチ検知周波数
を上げることで対応することができる。しかしながら、タッチ検知周波数を上げると、表
示装置の駆動信号などがノイズとなり、タッチの検知精度が低下してしまう、という課題
がある。
【0010】
電子機器には、小型化、薄型化、軽量化、可撓性、もしくは操作性を求められている。
操作性の向上のためには、タッチセンサを有した表示装置が求められ、小型化、薄型化、
軽量化においては部品数の削減が求められている。また、可撓性を得るためには、表示装
置の厚さを薄くすることが求められている。
【0011】
明るい外光が得られる場所でスマートフォン、タブレット、電子ブック、及びパーソナ
ルコンピュータなどが使用されることが多くなってきた。その中でも、スマートフォン、
タブレットなど、明るい外光が得られる場所で使用されるモバイル機器は、視認性を上げ
るために高輝度で表示される。そのため電力を消費しやすい。したがって、長時間の使用
に耐えられるようにバッテリの容量を大きくする必要がある。ただしバッテリの容量を大
きくすると、モバイル機器が重くなる課題がある。
【0012】
スマートフォン、タブレット、及び電子ブックなどで長時間の使用をするとき、消費電
力を小さくする必要がある。消費電力を制御する代表的な方法としてパワーゲーティング
やクロックゲーティングなどの制御方法がある。表示装置の場合は、表示の更新回数を減
らすなどの方法が提案されている。しかしながら表示の更新間隔が長くなると、データを
保持するスイッチトランジスタで電荷のリークが発生する。電荷のリークによって保持さ
れているデータが劣化しちらつきが発生することで、視認性が低下する課題がある。
【0013】
上記問題に鑑み、本発明の一態様は、タッチ入力の操作性を向上させる表示装置を提供
することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、タッチセンサを有した新規な構成
の表示装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、消費電力を低減
させる電子機器を提供することを課題の一とする。
【0014】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課
題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、
図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【0015】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は
、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目
で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又
は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる
。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び/又は他の課題のうち、少なくとも
一つの課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、ゲートドライバと、複数のタッチセンサと、複数の配線を有する表
示装置であって、複数の配線はそれぞれ、複数のタッチセンサに接続され、ゲートドライ
バは、複数の配線に、同じタイミングで走査信号を与える機能を有し、異なる位置の複数
のタッチセンサが、複数のタッチの有無を同じタイミングで検知する機能を有することを
特徴とする表示装置である。
【0017】
本発明の一様態は、表示領域と、ゲートドライバと、を有する表示装置であって、表示
領域は、複数の画素と、複数のタッチセンサ、複数の走査線と、複数のタッチ用配線と、
を有し、ゲートドライバは、第1の走査信号を、複数の走査線に与える機能を有し、ゲー
トドライバは、タッチを検知するための第2の走査信号を、複数のタッチ用配線に与える
機能を有する表示装置である。
【0018】
上記各構成において、画素は、第1の表示素子を有し、第1の表示素子は、透過型の液
晶素子である表示装置が好ましい。
【0019】
上記各構成において、画素は、第1の表示素子を有し、第1の表示素子は、反射型の液
晶素子である表示装置が好ましい。
【0020】
上記構成において、画素は、第1の表示素子及び第2の表示素子を有し、第1の表示素
子は、可視光を反射する機能を有し、第2の表示素子は、可視光を発する機能を有する表
示装置が好ましい。
【0021】
上記構成において、第2の表示素子は、発光素子である表示装置が好ましい。
【0022】
上記各構成において、トランジスタを有し、トランジスタは、半導体層にポリシリコン
を有する表示装置が好ましい。
【0023】
上記各構成において、トランジスタを有し、トランジスタは、半導体層に金属酸化物を
有する表示装置が好ましい。
【0024】
上記各構成において、第1の表示素子が反射する第1の光、及び第2の表示素子が発す
る第2の光のうち、いずれか一方又は両方により、画像を表示する機能を有する表示装置
が好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様は、タッチ入力の操作性を向上させる表示装置を提供することができる
。又は、本発明の一態様は、タッチセンサを有した新規な構成の表示装置を提供すること
ができる。又は、本発明の一態様は、消費電力を低減させる電子機器を提供することがで
きる。
【0026】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は
、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目
で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又
は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる
。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び/又は他の効果のうち、少なくとも
一つの効果を有するものである。したがって、本発明の一態様は、場合によっては、上記
列挙した効果を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】(A)タッチセンサの駆動タイミング。(B)表示装置を説明するブロック図。
【
図3】表示装置のタッチセンサと画素とを説明する回路図。
【
図4】表示装置のタッチセンサと画素とを説明する回路図。
【
図7】表示装置のタッチセンサの構成を説明する上面図。
【
図15】表示装置の構成を説明する上面図及び断面図。
【
図20】表示装置の反射膜の構成を説明する断面図。
【
図21】表示装置の反射膜の構成を説明する上面図。
【
図22】表示装置の画素と副画素を説明する上面図。
【
図23】表示装置の光学素子の形状を説明する断面図及び斜視図。
【
図27】試料のXRDスペクトルの測定結果を説明する図。
【
図28】試料のTEM像、及び電子線回折パターンを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの
異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形
態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明
は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0029】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている
場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を
模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
【0030】
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の
混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0031】
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位
置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関
係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明し
た語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0032】
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含
む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイ
ン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチ
ャネル領域を有しており、チャネル領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流す
ことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主とし
て流れる領域をいう。
【0033】
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路
動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明
細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとす
る。
【0034】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するも
の」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するも
の」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない
。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジス
タなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有
する素子などが含まれる。
【0035】
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角
度で配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、
「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう
。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0036】
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ
替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変
更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」と
いう用語に変更することが可能な場合がある。
【0037】
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ
状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態と
は、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧V
gsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソ
ースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル
型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vt
hよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
【0038】
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオ
フ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在
することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態
、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、又は、十分に低減されたオフ電流が得られる
Vgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
【0039】
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイ
ン電流が1×10-9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10-1
3Aであり、Vgsが-0.5Vにおけるドレイン電流が1×10-19Aであり、Vg
sが-0.8Vにおけるドレイン電流が1×10-22Aであるようなnチャネル型トラ
ンジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが-0.5Vにおいて
、又は、Vgsが-0.5V乃至-0.8Vの範囲において、1×10-19A以下であ
るから、当該トランジスタのオフ電流は1×10-19A以下である、と言う場合がある
。当該トランジスタのドレイン電流が1×10-22A以下となるVgsが存在するため
、当該トランジスタのオフ電流は1×10-22A以下である、と言う場合がある。
【0040】
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅
Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あ
たりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次
元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
【0041】
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流
は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、又は125℃におけるオフ電
流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証さ
れる温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、
5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジス
タのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該ト
ランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタ
が含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度
)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場
合がある。
【0042】
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある
。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、
1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、又は
20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装
置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等にお
いて使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流が
I以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5
V、3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半
導体装置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置
等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの
値が存在することを指す場合がある。
【0043】
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電
流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
【0044】
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。ま
た、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに
、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
【0045】
なお、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場
の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。た
だし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差
のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多
い。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし
、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
【0046】
(実施の形態1)
本実施の形態では、タッチ検知の操作性を向上させたインセル型のタッチセンサについ
て、
図1乃至
図9を用いて説明する。
【0047】
図1(A)は、タッチセンサを有する表示装置10の駆動タイミングを示している。図
1(B)は、表示装置10のブロック図を示している。例として、
図1(A)は、1秒間
に60フレームを表示したときを示す。1フレームとは、表示装置が有する画素のデータ
が全て更新される期間を表している。1フレーム期間とは、約16.6msを意味してい
る。
【0048】
図1(A)は、1フレーム期間に、表示を更新する期間T0-T1と、タッチセンサを
用いて、被検知体からのタッチの検知を行う期間T1―T3を有している。表示を更新す
る期間T0-T1と、タッチの検知を行う期間T1―T3は、同じ長さの期間でもよいし
、表示を更新する期間T0-T1より、タッチの検知を行う期間T1―T3が長くてもよ
い。もしくは、タッチを検知する期間T1―T3より表示を更新する期間T0―T1が長
くてもよい。
図1(A)は、表示を更新する期間T0―T1と、タッチの検知を行う期間
T1―T3が同じ長さの期間として制御された例について説明をすすめる。
【0049】
図1(A)では、1フレーム期間T0―T3において、期間T0―T1を用いて表示の
更新を行い、また残りの期間T1―T3を用いてタッチの検知を行う例を示している。タ
ッチを検知する期間以内には、さらに2回のタッチを検知する期間T1―T2及びT2―
T3を設けている。タッチ検知回数を2回もしくは複数回設けることで、タッチの検知精
度を向上させることができる。ただし、タッチを検知する期間を1回だけにしてもよい。
【0050】
タッチの検知精度は、1フレーム期間内に、タッチを検知する期間を何回設けるかで精
度が決定される。
図1(A)の例では、非検知期間として約8msを有し、検知期間4m
sを2回設けている。タッチを検知する期間を複数回設けることで、タッチ検知精度を向
上させることができる。
【0051】
表示を更新するときに与えられる制御信号がノイズになり、タッチセンサが誤検知する
ため、表示を更新している期間は、タッチの検知を停止させることが好ましい。また、タ
ッチを検知する期間においては、表示の更新は行われない。従って、タッチを検知する期
間は、表示を更新するための回路は、駆動を停止していることが好ましい。さらに、表示
するデータを保持するための選択トランジスタは、選択トランジスタがオフ状態ではリー
ク電流が小さいものが好ましい。画素については、
図3にて詳細を説明する。リーク電流
が小さいトランジスタについては、実施の形態4にて詳細に説明する。
【0052】
タッチセンサは、動作原理の違いにより、投影型静電容量方式、表面型静電容量方式、
抵抗膜方式、光学式など、任意の検知方式を利用することができる。いずれの方式におい
ても、被検知物がタッチセンサにタッチもしくは近接することでデータを入力することが
できる。本実施の形態においては、投影型静電容量方式を用いたタッチセンサを例に説明
をする。
【0053】
図1(B)に示した表示装置10は、タッチセンサを動作させるための行方向の信号線
を制御するゲートドライバ61と、タッチを検知するレシーバ回路62と、複数のタッチ
センサ63と、を有している。ゲートドライバ61は、タッチセンサ63と、画素64と
が電気的に接続されている。
図1(B)では、タッチセンサ63(1,6)が設けられた
位置と重なる位置に複数の画素64が設けられた例を示している。
【0054】
タッチセンサ63は、画素と、タッチセンサのための走査信号が与えられるタッチ用配
線COM-Txと、タッチの検知を電気信号として伝えるタッチ用配線COM-Rxと、
を有している。
図3で画素について詳細な説明をするが、画素は、表示を更新するための
走査線と、信号線と、配線CSCOMと、が電気的に接続されている。タッチセンサ63
については、
図3にて詳細に説明する。
図1(B)では、タッチセンサ63が6×6で配
置された例を示しているが、タッチセンサ63は、適宜、最適な数を選択することができ
る。
【0055】
図1(B)では、
図1(A)で示した駆動タイミングの詳細についてブロック図を用い
て説明する。
図1(A)で示した駆動タイミングでは、タッチセンサ63(1,1)と、
タッチセンサ63(1,4)とが、同時にタッチを検知する例を示している。
【0056】
離れた位置に配置されたタッチセンサ63(1,1)とタッチセンサ63(1,4)と
が検知する場合、同じタイミングで走査信号を与えても、二つのタッチセンサ63間が離
れているため信号が干渉しない。よって、同じタイミングで二つのタッチセンサ63のタ
ッチを検知することができる。
【0057】
従って、表示領域に設けられたタッチセンサの走査を、半分の時間で行うことができる
。言い換えると、一行ずつ走査するときに比べると、倍の周波数でタッチセンサを走査す
ることができる。
図1(A)及び
図1(B)では、同時に2行のタッチ用配線COM-T
xに走査信号を与えた例を示したが、タッチ検知領域が広いときは、同時に3行以上の複
数の行のタッチ用配線に走査信号を与えてもよい。
【0058】
図2は、ゲートドライバ61について説明する。ゲートドライバ61は、表示を更新す
るための走査信号を走査線に与える機能と、タッチセンサに与える走査信号をタッチ用配
線に与える機能を有している。図中で示した、nは、1以上の整数である。
【0059】
ゲートドライバ61は、デコーダ61aと、複数の選択回路61bと、複数のバッファ
61gと、を有している。選択回路61bは、シフトレジスタ61cと、スイッチ61d
と、スイッチ61eと、スイッチ61fと、を有している。
【0060】
スイッチ61dの端子2は、バッファ61gを介して、走査線65(1)と電気的に接
続されている。スイッチ61eの端子2は、バッファ61gを介して、走査線65(2)
と電気的に接続されている。スイッチ61fの端子2は、バッファ61gを介して、タッ
チ用配線COM-Txと電気的に接続されている。
【0061】
デコーダ61aには、配線ADDと、配線CTRLと、が電気的に接続されている。出
力信号DEは、配線ADDに与えられる信号Addressから生成される。信号Add
ressは、複数の配線ADDに複数の信号Addressが与えられることが好ましい
。さらに、配線CTRLに与えられる信号Selによって、表示を更新するための走査信
号と、タッチを検知するための走査信号を切り替えて出力することができる。例えば、表
示を更新するときは、信号Selに“L”を与え、タッチセンサを制御するときには、信
号Selに“H”を与えることで、出力信号DEを異なる走査信号として用いることがで
きる。
【0062】
選択回路61bは、バッファ61gを介して複数の走査信号GOUTを複数の走査線に
与えることができる。選択回路61bに電気的に接続される走査線の数は、一つのタッチ
センサ63に接続される画素の数に応じて、適宜設定することができる。
【0063】
信号Selに“L”が与えられるときは、シフトレジスタ61cは信号SR(1)乃至
信号SR(6)を順次出力する機能を有している。
【0064】
信号Selに“L”が与えられるときは、スイッチ61dが有する端子1と端子2との
間が導通状態になり、信号SR(1)を配線ND1へ出力する。配線ND1に与えられた
信号は、バッファ61gを介して走査信号GOUT(1)として走査線65(1)に与え
られる。
【0065】
信号Selに“L”が与えられるときは、スイッチ61eが有する端子1と端子2との
間が導通状態になり、信号SR(2)を配線ND2へ出力する。配線ND2に与えられた
信号は、バッファ61gを介して走査信号GOUT(2)として走査線65(2)に与え
られる。
【0066】
信号Selに“L”が与えられるときは、スイッチ61fが有する端子3と端子2との
間が導通状態になり、配線COMに与えられたコモン電位を、バッファ61gを介してタ
ッチ用配線COM-Txに与えることができる。
【0067】
信号Selに“H”が与えられるときは、スイッチ61dが有する端子3と端子2との
間が導通状態になり、配線GVSSに与えられるL1電位を配線ND1へ出力する。配線
ND1に与えられたL1電位は、バッファ61gを介して走査信号GOUT(1)として
走査線65(1)に与えられる。L1電位とは、走査線に与えられるもっとも小さな電位
を示している。
【0068】
信号Selに“H”が与えられるときは、スイッチ61eが有する端子3と端子2との
間が導通状態になり、配線GVSSに与えられるL1電位を配線ND2へ出力する。配線
ND2に与えられたL1電位は、バッファ61gを介して走査信号GOUT(2)として
走査線65(2)に与えられる。
【0069】
信号Selに“H”が与えられるときは、スイッチ61fが有する端子1と端子2との
間が導通状態になり、信号DE(1)を、配線ND3へ出力する。配線ND3に与えられ
た信号は、バッファ61gを介してタッチ用配線COM-Txに走査信号として与えるこ
とができる。
【0070】
信号Selが“H”の期間は、タッチを検知する期間であり、それぞれの走査線には、
L1電位が与えられ、タッチ用配線COM-Txには、デコーダの出力が走査信号として
与えられる。
【0071】
図3では、タッチセンサ63は、複数の画素64を有している。
図3で示す例では、1
つのタッチセンサ63に6つの画素64を有した例を示している。
図2のゲートドライバ
61を用いて制御するときは、シフトレジスタ61cは2段構成であることが好ましい。
【0072】
画素64は、選択トランジスタ64aと、容量素子64bと、液晶表示素子64cを有
している。液晶表示素子64cは、画素電極68(
図7で説明する)と、画素電極68と
配線CSCOMとの電位差によって、配向方向が変わる液晶を有している。
【0073】
ここでは、タッチセンサ63(1,1)を例にして説明をする。選択トランジスタ64
aのゲートは、走査線65(1)と電気的に接続されている。選択トランジスタ64aの
ソース又はドレインのいずれか一方は、信号線66と電気的に接続されている。選択トラ
ンジスタ64aのソース又はドレインのいずれか他方には、画素電極68と、容量素子6
4bの電極の一方とが電気的に接続されている。容量素子64bの電極の他方は、配線C
SCOMと電気的に接続されている。
【0074】
タッチ用配線COM-Rx(1)は、タッチセンサ63(1,1)に配置されている。
タッチ用配線COM-Rx(1)は、タッチセンサの検知素子の電極の一方としての機能
が与えられ、タッチ用配線COM-Tx(1)は、タッチセンサの検知素子の電極の他方
としての機能が与えられる。従って、タッチセンサ63(1,1)は、タッチ用配線CO
M-Tx(1)と、タッチ用配線COM-Rx(1)とを一対の電極として、検知素子と
して容量素子67が形成される。
【0075】
タッチ用配線COM-Txと、タッチ用配線COM-Rxと、が、タッチセンサ63の
一部として動作するとき、
図2で示したように、タッチ用配線COM-Txには走査信号
が与えられる。従って、タッチ用配線COM-Rxが伝える電気信号の変化量に基づき、
タッチの有無を検知することができる。よって、タッチセンサ63は、それぞれ独立して
タッチの有無を検知することができる。
【0076】
図3に示した構成では、
図1(B)で示したように、タッチセンサ63(1,1)とタ
ッチセンサ63(1,4)を同時にタッチの検知をすることができる。検知素子の電極の
一方が独立しているため、他のタッチセンサの影響を受けない。また、一例としてタッチ
センサ63(1,1)と、タッチセンサ63(2,1)と、タッチセンサ63(3,4)
と、タッチセンサ63(4,4)と、を、同時に検知することもできる。
【0077】
従って、特定の領域に配置されたタッチセンサ63を、選択的に検知することができる
ため、表示が一部だけ更新されるようなときにおいて、表示に合わせて、部分的にタッチ
センサの機能を有効もしくは無効にすることができる。
【0078】
図4では、
図3で説明したタッチセンサ63と異なる構成について説明をする。
【0079】
配線CSCOMが、スイッチ61hの端子2に電気的に接続されていることが異なって
いる。スイッチ61hの端子1は、配線COMと電気的に接続されている。スイッチ61
hの端子3は、タッチ用配線COM-Rxと電気的に接続されている。
【0080】
スイッチ61hは、配線CTRLと電気的に接続され、信号Selが与えられる。信号
Selが“L”の期間は、スイッチ61hの端子1と端子2が電気的に導通し、配線CO
Mに与えられるコモン電位を、配線CSCOMに与える。信号Selが“H”の期間は、
スイッチ61hの端子2と端子3が電気的に導通し、配線CSCOMの検知信号Senを
タッチ用配線COM-Rxに出力する。
【0081】
従って、配線CSCOMには、画素が表示をするときに液晶表示素子64cの基準電位
としてコモン電位が与えられる。配線CSCOMがタッチセンサの一部として動作すると
きは、タッチセンサの検知素子の電極の一方としての機能が与えられ、また、タッチ用配
線COM-Txは、タッチセンサの検知素子の電極の他方としての機能が与えられる。
【0082】
タッチセンサ63は、タッチ用配線COM-Txと、配線CSCOMとを一対の電極と
して、検知素子として容量素子67が形成される。信号Selが“L”の期間は、タッチ
用配線COM-Txと、配線CSCOMとに、配線COMを介してコモン電位が与えられ
るため、容量素子67の容量値をキャンセルできるため表示の品質に影響を及ぼさない。
【0083】
信号Selが“H”の期間は、配線CSCOMがタッチセンサの検知素子の電極の一方
として動作するため、画素64の選択トランジスタ64aは、低いオフ電流を求められる
。
【0084】
タッチ用配線COM-Txと、配線CSCOMと、が、タッチセンサの一部として動作
するとき、
図2で示したように、タッチ用配線COM-Txには走査信号が与えられる。
液晶表示素子64cは、画素電極と、配線CSCOMとの電位差によって、配向方向が変
わる液晶により表示の階調が表される。従って、容量素子64bに保持している階調電圧
が変化しないことが好ましい。選択トランジスタ64aのオフ電流が小さいことで、選択
トランジスタ64aを介したリークを抑えることができる。もし、配線CSCOMの電圧
値が変化しても、選択トランジスタのオフ電流が小さいため、階調の変化を抑えることが
できる。
【0085】
図2に示すゲートドライバ61は、表示と、タッチの検知とを、一つのゲートドライバ
61で制御することができる。表示と、タッチの検知とは、異なるタイミングで制御する
ことができる。従って、タッチセンサのSN比(Signal/Noise ratio
)を大きくすることができるため、検知精度を向上することができる。
【0086】
図5に、表示装置10のタッチセンサについて断面模式図を示す。なお、
図5に示す断
面模式図は、タッチセンサの動作を説明する上で必要な構成要素のみが描かれている。例
えば、基板11上にトランジスタなどの素子が設けられる場合もあるが、ここでは省略す
ることにする。
【0087】
図5(A)に示すタッチセンサは、基板11、基板12、FPC13、導電層14、液
晶素子20、着色膜31等を有する。
【0088】
液晶素子20は、導電層21、導電層22、及び液晶23により構成される。導電層2
1上には絶縁層24を介して導電層22が配置されている。導電層21は液晶素子20の
画素電極として機能し、導電層22はコモン電極として機能する。
【0089】
導電層21及び導電層22は、液晶23の厚さ方向(図中A1‐A2方向)と交差する
電界を形成するように配置される。
【0090】
タッチセンサは、基板11側に設けられた液晶素子20の一対の電極の一方として機能
する導電層22aもしくは導電層22bと、タッチ用配線COM-Txとして機能する導
電層22cとの間に形成される容量を利用して検知することができる。
【0091】
図5(B)においては、液晶素子20の画素電極として機能する導電層21a及び導電
層21bが、タッチセンサの一対の電極として機能する例を示す。
【0092】
図5(C)においては、液晶素子20のコモン電極として機能する導電層22aと、導
電層22bが、タッチセンサの一対の電極として機能する例を示す。
【0093】
図5(A)では、タッチセンサの電極の一方を、液晶素子20の一方の電極で兼ねるこ
とができる。
図5(B)又は(C)に示す構成とすることで、タッチセンサの一対の電極
の両方を、液晶素子20の一方の電極で兼ねることができる。
【0094】
さらに、導電層22aと、導電層22bと、導電層22cと、を同一の導電層で形成す
ることができるため工程を簡略化することができる。また、導電層21aと、導電層21
bと、についても、同一の導電層で形成できるため工程を簡略化することができる。
【0095】
図6(A)に示す断面模式図は、
図5(A)を用いて、光の取り出し方法について説明
する。
【0096】
図6(A)は、導電層21及び導電層22に透光性を有する導電層を用いた例を示して
いる。従って、表示装置10は、基板11の下側に設けられた可視光L1を放出する光源
を有していることが好ましい。基板11の方向から入射した可視光L1は、基板11と基
板12に挟まれた液晶素子によって階調が制御され、基板12の方向に液晶素子によって
階調が制御された光を放出することができる。
【0097】
図6(B)は、
図6(A)と異なり導電層21は可視光を反射する導電層で形成されて
いる。従って、基板12より入射した光L2は、導電層21で反射することで基板12か
ら放出される。
【0098】
外光を利用した表示を行うことで、
図6(A)で示した表示装置のように光源を必要と
せず、表示を行うことができるため、表示装置を構成する部品の数を減らすことができる
。また光源に使用する電力を削減することができる。さらに、太陽光の下など明るい環境
下では、外光の輝度に比例して反射光の輝度は増大するため、視認性を向上させることが
できる。
【0099】
可視光を反射する導電層は、反射率が高いことが好ましい。反射率を高くすることで、
外光によって反射表示を行うとき、高い輝度を得られる機能を有している。
【0100】
可視光の透光性を有する導電性材料として、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn
)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化イン
ジウム、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸
化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜
鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、
酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などが挙げ
られる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例え
ば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
【0101】
可視光を反射する導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銀、又はこれらの金属
材料を含む合金等が挙げられる。そのほか、金、白金、ニッケル、タングステン、クロム
、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材
料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料又は合金に、ランタン、ネオジ
ム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。アルミニウムとチタンの合金、アルミ
ニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及
びランタンの合金(Al-Ni-La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金
)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、APCとも記す)、
銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いてもよい。
【0102】
図7(A)は、
図3で示したタッチセンサ63の上面図を示す。
図3で示した例を用い
て、6つの画素64を有したタッチセンサ63を説明する。タッチセンサ63は複数の画
素64を有してもよく、数は限定されないものとする。
図7(A)の上面図では、ストラ
イプ状に、R素子、G素子、B素子(
図5の着色膜31)を配置した例を示している。
【0103】
図7(A)は、複数の走査線65、複数の信号線66、配線CSCOM、タッチ用配線
COM-Tx、タッチ用配線COM-Rx、及び複数の画素64を有している。それぞれ
の画素64は、選択トランジスタ64a、容量素子64b、画素電極68を有している。
【0104】
一例として、走査線65aに接続される画素64について説明をする。画素64が有す
る選択トランジスタ64aのゲートは、走査線65aに電気的に接続されている。また、
選択トランジスタ64aのソースもしくはドレインの一方が、信号線66Rに電気的に接
続されている。また、選択トランジスタ64aのソースもしくはドレインの他方と同一の
導電層によって、容量素子64bの電極の一方が形成されている。容量素子64bは、配
線CSCOMと重なる領域に形成されている。また、選択トランジスタ64aのソースも
しくはドレインの他方と同一の導電層によって画素電極68が形成されている。
【0105】
容量素子64bの電極の他方は、コンタクト64dを介してコモン電極64fが電気的
に接続されている。画素電極68と、コモン電極64fとの電位差によって、配向方向が
変わる液晶により表示の階調は制御される。従って、液晶23は、
図5(A)で示したよ
うにコモン電極64f上に配置されている。
【0106】
また、タッチ用配線COM-Rxは、コンタクト64gを介して、配線64hと電気的
に接続されている。タッチセンサ63は、配線64hと、タッチ用配線COM-Txとで
、一対の電極として、検知機能を有する容量素子67を構成している。従って、タッチ用
配線COM-Txと、タッチ用配線COM-Rxと、は同じ導電層で形成されていること
が好ましい。
【0107】
図7(A)では、タッチ用配線COM-Rx(2)、タッチ用配線COM-Rx(3)
を示しているが、
図7(A)で示したタッチセンサ63とは、異なる位置に配置されたタ
ッチセンサに電気的に接続されている。タッチ用配線COM-Rxは、タッチセンサ63
が有する画素64の数により、必要に応じて適宜、設ければよい。従って、タッチセンサ
63が多くの画素64を有するときは、
図7(A)に示したタッチ用配線COM-Rx(
2)、タッチ用配線COM-Rx(3)は、設けなくてもよい。
【0108】
タッチセンサ63は、検知機能を有する容量素子67の大きさによって、検知感度を制
御することができる。タッチセンサ63が有する画素数と容量素子67の大きさは比例す
るため、適宜、最適な大きさの容量素子67になるように画素64の数と、タッチ用配線
COM-Txの数を選択することができる。
【0109】
図7(B)は、
図4で示したタッチセンサ63の上面図を示す。
図7(A)と異なる構
成について説明をする。
【0110】
図7(B)は、複数の走査線65、複数の信号線66、複数の配線CSCOM、タッチ
用配線COM-Tx、及び複数の画素64を有している。それぞれの画素64は、選択ト
ランジスタ64a、容量素子64b、画素電極68を有している。
【0111】
また、容量素子64bの電極の一方が、コンタクト64eを介して、配線CSCOM(
1)に電気的に接続されている点が異なる。配線CSCOM(1)は、タッチセンサ63
が有するそれぞれの画素64において共通電極の機能を有している。
【0112】
図7(B)では、配線CSCOM(2)、配線CSCOM(3)を示しているが、
図7
(B)で示したタッチセンサ63とは、異なる位置に配置されたタッチセンサに電気的に
接続されている。配線CSCOMは、タッチセンサ63が有する画素64の数により、必
要に応じて設ければよい。従って、タッチセンサ63が多くの画素64を有するときは、
図7(B)に示した配線CSCOM(2)、配線CSCOM(3)は、設けなくてもよい
。
【0113】
タッチ用配線COM-Txは、それぞれの画素が有するコモン電極64fと等しい距離
にあり、タッチ用配線COM-Txとコモン電極64fとを一対の電極として、検知機能
を有する容量素子67が形成される。従って、タッチ用配線COM-Txとコモン電極6
4fは同じ導電層で形成されていることが好ましい。
【0114】
<表示装置の断面構造>
表示装置の断面構造の一例として、インセル型のタッチパネルとして機能する表示装置
について説明する。インセル型のタッチパネルとしては、代表的にはハイブリッドインセ
ル型と、フルインセル型とがある。以下では、液晶素子を表示素子とするフルインセル型
のタッチパネルについて断面構造を説明する。液晶素子を表示素子とするフルインセル型
のタッチパネルは、液晶表示装置として機能する。
【0115】
なおフルインセル型のタッチパネルとして機能する液晶表示装置は、対向基板の構成を
簡略化できるため、好ましい。また当該液晶表示装置は、表示素子を構成する電極が、検
知素子を構成する電極を兼ねるため、作製工程を簡略化でき、かつ、作製コストを低減で
き、好ましい。
【0116】
図8(A)に、タッチパネルとして機能しうる液晶表示装置200の上面図を示し、図
8(B)に、
図8(A)における一点鎖線A-B間及び一点鎖線C-D間の断面図を示す
。
【0117】
図8(A)に示すように、液晶表示装置200は、表示部201及びゲート線駆動回路
202を有する。表示部201は、複数の画素203、複数のソース線、及び複数のゲー
ト線を有し、画像を表示する機能を有する。また、表示部201は、入力部でもある。つ
まり、表示部は、被検知体の液晶表示装置200へのタッチ又は近接を検知する複数の検
知素子を有し、タッチセンサとしての機能を有する。ゲート線駆動回路202は、表示部
201が有するゲート線に、走査信号を出力する機能を有する。画素203は複数の副画
素を有する。
図8(A)では、画素203が3つの副画素を有する例を示すが、本発明の
一態様はこれに限られない。
【0118】
図8(A)では、液晶表示装置200が、ゲート線駆動回路を有する例を示すが、本発
明の一態様はこれに限られない。液晶表示装置200は、ゲート線駆動回路、ソース線駆
動回路、及びセンサ駆動回路の全てを有していなくてもよいし、いずれか一以上を有して
いてもよい。
【0119】
液晶表示装置200では、IC368がCOG方式などの実装方式により、基板311
に実装される。IC368は、例えば、ソース線駆動回路、ゲート線駆動回路、及びセン
サ駆動回路のうち、いずれか一以上を有していればよい。
【0120】
また、液晶表示装置200には、FPC369が接続される。FPC369を介して、
IC368及びゲート線駆動回路には外部から信号が供給される。また、FPC369を
介して、IC368から外部に信号を出力することができる。
【0121】
FPC369には、ICが実装されていてもよい。例えば、FPC369には、ソース
線駆動回路、ゲート線駆動回路、及びセンサ駆動回路のうち、いずれか一以上を有するI
Cが実装されていてもよい。例えば、COF方式やTAB(Tape Automate
d Bonding)方式などの実装方式により、FPC369にICを実装することが
できる。
【0122】
例えば、IC368が、ソース線駆動回路及びセンサ駆動回路を有していてもよい。又
は、例えば、IC368が、ソース線駆動回路を有し、FPC369に実装されたICが
、センサ駆動回路を有していてもよい。
【0123】
図8(B)に示すように、液晶表示装置200は、基板311上に、トランジスタ38
0a、トランジスタ370a、接続部305a、及び液晶素子307a等を有する。
【0124】
図8(B)では、表示部201の例として、1つの副画素の断面を示している。例えば
、赤色を呈する副画素、緑色を呈する副画素、及び青色を呈する副画素によって1つの画
素が構成されることで、表示部201ではフルカラーの表示を行うことができる。なお、
副画素が呈する色は、赤、緑、及び青に限られない。画素には、例えば、白、黄、マゼン
タ、又はシアン等の色を呈する副画素を用いてもよい。
【0125】
トランジスタ380a、370aは、導電層373、絶縁層312、絶縁層315、絶
縁層313、ポリシリコン膜372、導電層374a、及び導電層374bを有する。
【0126】
導電層373は、ゲート、又はバックゲートとして機能することができる。導電層37
4aは、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能することができる。導電層374
bは、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能することができる。
【0127】
ポリシリコン膜372は、不純物元素を添加することで形成される不純物領域を有する
。なおポリシリコン膜372は、不純物元素を低濃度に添加することで形成される低濃度
不純物領域(LDD:Lightly Doped Drain)を有していてもよい。
【0128】
なおポリシリコン膜372は、スパッタ法、LPCVD法、又はプラズマCVD法等に
よりアモルファスシリコン膜を形成した後、結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法
、又はニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)によって結晶化を行った結晶構造を有
する半導体膜を用いる。
【0129】
トランジスタ380a、370aは、半導体層にポリシリコン膜を有する。ポリシリコ
ン膜を有するトランジスタは、アモルファスシリコンを有するトランジスタと比較して電
界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果
、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには回路部の占有面積を縮小する
ことが可能となる。
【0130】
トランジスタ380a、370aは、絶縁層317及び絶縁層319に覆われている。
なお、絶縁層317、さらには絶縁層319を、トランジスタ380a、370aの構成
要素とみなすこともできる。
【0131】
液晶素子307aは、FFS(Fringe Field Switching)モー
ドが適用された液晶素子である。液晶素子307aは、導電層351、導電層352、及
び液晶349を有する。導電層351と導電層352との間に生じる電界により、液晶3
49の配向を制御することができる。導電層351は、画素電極として機能することがで
きる。導電層352は、共通電極として機能することができる。
【0132】
導電層351及び導電層352に、可視光を透過する導電性材料を用いることで、液晶
表示装置200を、透過型の液晶表示装置として機能させることができる。また、導電層
351に、可視光を反射する導電性材料を用い、導電層352に可視光を透過する導電性
材料を用いることで、液晶表示装置200を、反射型の液晶表示装置として機能させるこ
とができる。
【0133】
画素電極として機能する導電層351は、トランジスタ370aのソース又はドレイン
と電気的に接続される。ここでは、導電層351が導電層374bと電気的に接続される
例を示す。
【0134】
導電層352は、櫛歯状の上面形状(平面形状ともいう)、又はスリットが設けられた
上面形状を有する。導電層351と導電層352の間には、絶縁層353が設けられてい
る。導電層351は、絶縁層353を介して導電層352と重なる部分を有する。また、
導電層351と着色膜341とが重なる領域において、導電層351上に導電層352が
配置されていない部分を有する。
【0135】
接続部305aは、ゲート線駆動回路202に外部からの信号(ビデオ信号、クロック
信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接
続する。ここでは、外部入力端子としてFPC369を設ける例を示している。
【0136】
接続部305aは、絶縁層313上に導電層331を有し、導電層331上に導電層3
33を有し、導電層333上に導電層335を有する。導電層331は導電層333を介
して導電層335と電気的に接続される。そして、導電層335は、接続体367を介し
てFPC369と電気的に接続される。
【0137】
導電層331は、トランジスタ380a、370aが有する導電層374a及び導電層
374bと同一の材料、同一の工程で形成することができる。導電層333は、液晶素子
307aが有する導電層351と同一の材料、同一の工程で形成することができる。導電
層335は、液晶素子307aが有する導電層352と同一の材料、同一の工程で形成す
ることができる。このように、接続部305aを構成する導電層を、表示部や駆動回路部
に用いる電極や配線と同一の材料、同一の工程で作製すると、工程数の増加を防ぐことが
でき好ましい。
【0138】
基板361には、着色膜341、遮光膜343、及び絶縁層345が設けられている。
図8(B)では、基板361の厚さが基板311の厚さよりも薄い例を示すが、本発明の
一態様はこれに限られない。基板361と基板311は、一方が他方よりも薄くてもよい
し、同一の厚さであってもよい。表示面側(被検知体に近い側)の基板を薄くすると、検
知素子の検知感度を上げることができ、好ましい。
【0139】
着色膜341は、液晶素子307aと重なる部分を有する。遮光膜343は、トランジ
スタ380a、370aのうち、少なくとも一方と重なる部分を有する。
【0140】
絶縁層345は、着色膜341や遮光膜343等に含まれる不純物が液晶349に拡散
することを防ぐオーバーコートとしての機能を有することが好ましい。絶縁層345は、
不要であれば設けなくてもよい。
【0141】
なお、基板311及び基板361の液晶349と接する表面には、配向膜が設けられて
いてもよい。配向膜は、液晶349の配向を制御することができる。例えば、
図8(B)
において、導電層352を覆う配向膜を形成してもよい。また、
図8(B)において、絶
縁層345と液晶349の間に、配向膜を有していてもよい。また、絶縁層345が、配
向膜としての機能と、オーバーコートとしての機能の双方を有していてもよい。
【0142】
また、液晶表示装置200は、スペーサ347を有する。スペーサ347は、基板31
1と基板361との距離が一定以上近づくことを防ぐ機能を有する。
【0143】
図8(B)では、スペーサ347は、絶縁層353上及び導電層352上に設けられて
いる例を示すが、本発明の一態様はこれに限られない。スペーサ347は、基板311側
に設けられていてもよいし、基板361側に設けられていてもよい。例えば、絶縁層34
5上にスペーサ347を形成してもよい。また、
図8(B)では、スペーサ347が、絶
縁層353及び絶縁層345と接する例を示すが、基板311側又は基板361側のいず
れかに設けられた構造物と接していなくてもよい。
【0144】
スペーサ347として粒状のスペーサを用いてもよい。粒状のスペーサとしては、シリ
カなどの材料を用いることもできるが、樹脂やゴムなどの弾性を有する材料を用いること
が好ましい。このとき、粒状のスペーサは上下方向に潰れた形状となる場合がある。
【0145】
基板311及び基板361は、接着層365によって貼り合わされる。基板311、基
板361、及び接着層365に囲まれた領域に、液晶349が封止される。
【0146】
なお、液晶表示装置200を、透過型の液晶表示装置として機能させる場合、偏光板を
、表示部を挟むように2つ配置する。偏光板よりも外側に配置されたバックライトからの
光は偏光板を介して入射される。このとき、導電層351と導電層352の間に与える電
圧によって液晶349の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち
、偏光板を介して射出される光の強度を制御することができる。また、入射光は着色膜3
41によって特定の波長領域以外の光が吸収されるため、射出される光は例えば赤色、青
色、又は緑色を呈する光となる。
【0147】
また、偏光板に加えて、例えば円偏光板を用いることができる。円偏光板としては、例
えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。円偏光板に
より、液晶表示装置の表示の視野角依存を低減することができる。
【0148】
なお、ここでは液晶素子307aとしてFFSモードが適用された素子を用いたが、こ
れに限られず様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えば、VA(
Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nemati
c)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(Axi
ally Symmetric aligned Micro-cell)モード、OC
B(Optically Compensated Birefringence)モー
ド、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、A
FLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード
、VA-IPS(Vertical Alignment In-Plane-Swit
ching)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
【0149】
また、液晶表示装置200にノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(
VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用してもよい。垂直配向モードとして
は、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モー
ド、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、A
SVモードなどを用いることができる。
【0150】
なお、液晶素子は、液晶の光学変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子で
ある。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界
又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては
、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Po
lymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反
強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、ブルー相、コ
レステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を
示す。
【0151】
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶又はネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適
用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
【0152】
ここで、基板361よりも上部に、指又はスタイラスなどの被検知体が直接触れる基板
を設けてもよい。またこのとき、基板361と当該基板との間に偏光板又は円偏光板を設
けることが好ましい。その場合、当該基板上に保護層(セラミックコート等)を設けるこ
とが好ましい。保護層は、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの無機絶縁材料を用いることができる。また
、当該基板に強化ガラスを用いてもよい。強化ガラスは、イオン交換法や風冷強化法等に
より物理的、又は化学的な処理が施され、その表面に圧縮応力を加えたものを用いること
ができる。
【0153】
また、
図9に、隣り合う2つの副画素の断面図を示す。
図9に示す2つの副画素はそれ
ぞれ異なる画素が有する副画素である。
【0154】
図9では、副画素が有する液晶素子307bが有する導電層352と、配線352aとの
間に形成される容量と、隣り合う副画素が有する液晶素子307aが有する導電層352
と、配線352aとの間に形成される容量を利用して、被検知体の近接又はタッチ等を検
知することができる。配線352aは、二つの導電層352間に配置される。すなわち本
発明の一態様の液晶表示装置において、導電層352は、液晶素子の共通電極と、検知素
子の電極と、の両方を兼ねる。
【0155】
このように、本発明の一態様の液晶表示装置では、液晶素子を構成する電極が、検知素
子を構成する電極を兼ねるため、作製工程を簡略化でき、かつ作製コストを低減できる。
また、液晶表示装置の薄型化、軽量化を図ることができる。
【0156】
また、検知素子の電極と信号線との間の容量が大きすぎると、検知素子の電極の時定数
が大きくなる場合がある。そのため、トランジスタと検知素子の電極との間に、平坦化機
能を有する絶縁層を設け、検知素子の電極と信号線との間の容量を削減することが好まし
い。例えば、
図9では、平坦化機能を有する絶縁層として絶縁層319を有する。絶縁層
319を設けることで、導電層352と信号線との容量を小さくすることができる。これ
により、検知素子の電極の時定数を小さくすることができる。前述の通り、検知素子の電
極の時定数が小さいほど、検知感度を高めることができ、さらには、検知の精度を高める
ことができる。
【0157】
例えば、検知素子の電極の時定数は、0秒より大きく1×10-4秒以下、好ましくは
0秒より大きく5×10-5秒以下、より好ましくは0秒より大きく5×10-6秒以下
、より好ましくは0秒より大きく5×10-7秒以下、より好ましくは0秒より大きく2
×10-7秒以下であるとよい。特に、時定数を1×10-6秒以下とすることで、ノイ
ズの影響を抑制しつつ高い検知感度を実現することができる。
【0158】
次に、本実施の形態の液晶表示装置の各構成要素に用いることができる材料等の詳細に
ついて、説明を行う。
【0159】
≪基板≫
液晶表示装置200が有する基板の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の
熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミッ
ク基板、石英基板、サファイア基板等を用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンか
らなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基
板、SOI基板等を適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられ
たものを、基板311、361として用いてもよい。なお、基板311、361として、
ガラス基板を用いる場合、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(187
0mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(240
0mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の大面積基板を
用いることで、大型の表示装置を作製することができる。また、基板311、361とし
て、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタ、容量素子等を形成してもよ
い。
【0160】
厚さの薄い基板を用いることで、液晶表示装置の軽量化、薄型化を図ることができる。
さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する液晶表示装置
を実現できる。
【0161】
これらの他にも、基板311、361として、様々な基板を用いて、トランジスタを形
成することができる。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一
例としては、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチ
ル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓
性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガ
ラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又は
ソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES
)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼
り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、
又はポリ塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基
板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、
又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造
することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電
力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
【0162】
なお、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転
置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一
例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロフ
ァン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン
、ポリウレタン、ポリエステル)もしくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、
再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を
用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形
成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
【0163】
≪ポリシリコン膜を用いたトランジスタ≫
本発明の一態様の液晶表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例え
ば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし
、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型の
いずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルの上下にゲート電極が設けられ
ていてもよい。
【0164】
またポリシリコン膜を用いたトランジスタは、電界効果移動度が高いことから、いろい
ろな機能回路、例えばシフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、バッファ回路、サンプリ
ング回路を形成することが可能である。
【0165】
≪絶縁層≫
液晶表示装置が有する各絶縁層、オーバーコート、スペーサ等に用いることのできる絶
縁材料としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いることができる。樹脂としては、
例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる
。無機絶縁層としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒
化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジル
コニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、
酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等が挙げられる。
【0166】
≪導電層≫
トランジスタのゲート、ソース、ドレインのほか、液晶表示装置が有する各種配線及び
電極等の導電層には、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジ
ルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成
分とする合金を単層構造又は積層構造として用いることができる。例えば、アルミニウム
膜上にチタン膜を積層する二層構造、タングステン膜上にチタン膜を積層する二層構造、
モリブデン膜上に銅膜を積層した二層構造、モリブデンとタングステンを含む合金膜上に
銅膜を積層した二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二
層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミ
ニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構
造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に
重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデ
ン膜を形成する三層構造等がある。例えば、導電層を三層構造とする場合、一層目及び三
層目には、チタン、窒化チタン、モリブデン、タングステン、モリブデンとタングステン
を含む合金、モリブデンとジルコニウムを含む合金、又は窒化モリブデンでなる膜を形成
し、2層目には、銅、アルミニウム、金又は銀、或いは銅とマンガンの合金等の低抵抗材
料でなる膜を形成することが好ましい。なお、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを
含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含
むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸
化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を用いてもよい
。
【0167】
なお、酸化物半導体の抵抗率の制御方法を用いて、導電層を形成してもよい。
【0168】
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み
合わせて用いることができる。
【0169】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成について、
図10乃至
図24を参
照しながら説明する。
【0170】
図10は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図10(A)は画素
の投影図であり、
図10(B)は
図10(A)に示す画素の構成の一部を説明する分解立
体図である。また、
図10(C)は画素の構成の一部を説明する、
図10(A)に示す切
断線Y1-Y2における断面図である。
図10(D)は
図10(A)に示す画素を説明す
る上面図である。
【0171】
図11は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図11(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2における画素の断面図であり、
図11(B)は
図11(
A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0172】
図12は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図12(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、
図12(
B)は
図12(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0173】
図13は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図13(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、
図13(
B)は
図13(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0174】
図14は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図14(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、
図14(
B)は
図14(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0175】
図15は本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図15(A)は表示装
置の上面図であり、
図15(B)は
図15(A)に示す表示装置の画素の一部を説明する
上面図である。
図15(C)は
図15(A)に示す表示装置の断面の構成を説明する模式
図である。
【0176】
図16及び
図17は表示装置の構成を説明する断面図である。
図16(A)は
図15(
A)の切断線X1-X2、切断線X3-X4、
図15(B)の切断線X5-X6における
断面図であり、
図16(B)及び
図16(C)はいずれも
図16(A)の一部を説明する
図である。
【0177】
図17は
図15(B)の切断線X7-X8、
図15(A)の切断線X9-X10におけ
る断面図を説明する図である。
【0178】
図18は
図15(A)に示す表示装置に用いることができる画素の一部を説明する下面
図である。
【0179】
図19は本発明の一態様の表示装置が備える画素回路の構成を説明する回路図である。
【0180】
なお、本明細書において、1以上の整数を値にとる変数を符号に用いる場合がある。例
えば、1以上の整数の値をとる変数pを含む(p)を、最大p個の構成要素のいずれかを
特定する符号の一部に用いる場合がある。また、例えば、1以上の整数の値をとる変数m
及び変数nを含む(m,n)を、最大m×n個の構成要素のいずれかを特定する符号の一
部に用いる場合がある。
【0181】
<表示装置の構成例1.>
本実施の形態で説明する表示装置700は、画素702(i,j)を有する(
図15(
A)参照)。
【0182】
《画素の構成例1.》
画素702(i,j)は、機能層520、第1の表示素子750(i,j)及び第2の表
示素子550(i,j)を備える(
図15(A)参照)。
【0183】
機能層520は画素回路530(i,j)を含み、機能層520は第1の表示素子75
0(i,j)及び第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0184】
画素回路530(i,j)は第1の表示素子750(i,j)及び第2の表示素子55
0(i,j)と電気的に接続される。
【0185】
《第1の表示素子750(i,j)の構成例1.》
第1の表示素子750(i,j)は、第1の電極751(i,j)、第2の電極752、
液晶材料を含む層753及び反射膜751Bを備える(
図10(B)及び
図11(B)参
照)。また、第1の表示素子750(i,j)は、反射膜751Bが反射する光の強度を
制御する機能を備える。
【0186】
第2の電極752は、液晶材料を含む層753の厚さ方向と交差する方向の電界を、第
1の電極751(i,j)との間に形成するように配置される(
図10(B)及び
図11
(A)参照)。例えば、櫛歯状の形状を第2の電極752に用いることができる。これに
より、液晶材料を含む層753の厚さ方向と交差する方向の電界を、第1の電極751(
i,j)との間に形成することができる。又は、例えば、VA-IPSモードで動作する
表示素子を第1の表示素子に用いることができる。
【0187】
なお、櫛歯状の形状を備える第2の電極752が行列状に配設された外観を
図22(B
)に示す。
【0188】
反射膜751Bは、第2の表示素子550(i,j)が射出する光を遮らない形状を備
える。例えば、光を遮らない領域751Hを備える形状を反射膜751Bに用いることが
できる。
【0189】
《第2の表示素子550(i,j)の構成例1.》
第2の表示素子550(i,j)は光を射出する機能を備え、第2の表示素子550(i
,j)は第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を視認できる範囲の一部において
、第2の表示素子を用いた表示を視認できるように配設される(
図11(A)参照)。
【0190】
これにより、第1の表示素子を用いて、反射膜が反射する光の強度を制御して、表示を
することができる。又は、第2の表示素子を用いて、第1の表示素子を用いた表示を補う
ことができる。その結果、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供することがで
きる。
【0191】
《画素の構成例2.》
また、本実施の形態で説明する表示装置700は、画素702(i,j)が光学素子56
0及び被覆膜565を備える。
【0192】
《光学素子の構成例1.》
光学素子560は透光性を備え、光学素子560は第1の領域560A、第2の領域56
0B及び第3の領域560Cを備える(
図10(B)、
図10(C)及び
図11(B)参
照)。
【0193】
第1の領域560Aは光を供給される領域を含む。例えば、第1の領域560Aは第2
の表示素子550(i,j)から光を供給される。
【0194】
第2の領域560Bは被覆膜565と接する領域を含む。
【0195】
第3の領域560Cは光の一部を射出する機能を備え、第3の領域は第1の領域560
Aの光を供給される領域の面積以下の面積を備える。
【0196】
《被覆膜の構成例》
被覆膜565は光に対する反射性を備え、被覆膜565は光の一部を反射して第3の領域
560Cに供給する機能を備える。例えば、第2の表示素子550(i,j)が射出する
光を第3の領域560Cに向けて反射することができる。具体的には、実線の矢印で図示
するように、第1の領域560Aから光学素子560に入射した光の一部は、第2の領域
560Bに接する被覆膜565によって反射され、第3の領域560Cから射出すること
ができる(
図11(B)参照)。
【0197】
《第1の表示素子750(i,j)の構成例2.》
反射膜751Bは、第3の領域560Cが射出する光を遮らない形状を備える。
【0198】
これにより、第1の表示素子を用いて、反射膜が反射する光の強度を制御して、表示を
することができる。又は、第2の表示素子を用いて、第1の表示素子を用いた表示を補う
ことができる。又は、第1の領域に供給した光を、効率よく第3の領域から射出すること
ができる。又は、第1の領域に供給される光を集光して、第3の領域から射出することが
できる。例えば、第2の表示素子に発光素子を用いる場合、発光素子の面積を第3の領域
の面積より広くすることができる。又は、第3の領域より広い面積の発光素子が供給する
光を第3の領域に集光することができる。又は、第3の領域が射出する光の強度を保ちな
がら、発光素子に流す電流の密度を下げることができる。又は、発光素子の信頼性を高め
ることができる。例えば、有機EL素子又は発光ダイオードを発光素子に用いることがで
きる。その結果、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。
【0199】
《画素の構成例3.》
また、画素702(i,j)は、機能層520の一部と、第1の表示素子750(i,j
)と、第2の表示素子550(i,j)と、を有する(
図15(C)参照)。
【0200】
《機能層520》
機能層520は、第1の導電層、第2の導電層、絶縁膜501C及び画素回路530(i
,j)を含む。また、機能層520は、光学素子560及び被覆膜565を含む(
図11
(A)および
図16(A)参照)。なお、画素回路530(i,j)は、例えばトランジ
スタMを含む。
【0201】
機能層520は、第1の表示素子750(i,j)及び第2の表示素子550(i,j
)の間に挟まれる領域を備える(
図16(C)参照)。第1の表示素子750(i,j)
及び第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域は30μm未満、好ましくは1
0μm未満、さらに好ましくは5μm未満の厚さを備える。
【0202】
これにより、第2の表示素子550(i,j)を第1の表示素子750(i,j)に近
づけることができる。又は、第1の表示素子750(i,j)を用いる表示と第2の表示
素子550(i,j)を用いる表示との間に生じる視差を少なくすることができる。又は
、隣接する画素、例えば、画素702(i,j+1)を用いる表示が、第2の表示素子5
50(i,j)を用いる表示によって乱されにくくすることができる。又は、隣接する画
素、例えば、画素702(i,j+1)を用いる表示色と、第2の表示素子550(i,
j)を用いる表示色の混合が起こりにくくすることができる。又は、第2の表示素子55
0(i,j)が射出する光の減衰を抑制することができる。又は、表示装置の重量を軽く
することができる。又は、表示装置の厚さを薄くすることができる。又は、表示装置を曲
げやすくすることができる。
【0203】
また、機能層520は、絶縁膜528、絶縁膜521A、絶縁膜521B、絶縁膜51
8及び絶縁膜516を含む。
【0204】
《画素回路》
画素回路530(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)及び第2の表示素子55
0(i,j)を駆動する機能を備える(
図19参照)。
【0205】
これにより、例えば同一の工程を用いて形成することができる画素回路を用いて、第1
の表示素子と、第1の表示素子とは異なる方法を用いて表示をする第2の表示素子と、を
駆動することができる。具体的には、反射型の表示素子を第1の表示素子に用いて、消費
電力を低減することができる。又は、外光が明るい環境下において高いコントラストで画
像を良好に表示することができる。又は、光を射出する第2の表示素子を用いて、暗い環
境下で画像を良好に表示することができる。又は、絶縁膜を用いて、第1の表示素子及び
第2の表示素子の間又は第1の表示素子及び画素回路の間における不純物の拡散を抑制す
ることができる。その結果、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供することが
できる。
【0206】
スイッチ、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、インダクタ又は容量素子等を画素回
路530(i,j)に用いることができる。
【0207】
例えば、単数又は複数のトランジスタをスイッチに用いることができる。又は、並列に
接続された複数のトランジスタ、直列に接続された複数のトランジスタ、直列と並列が組
み合わされて接続された複数のトランジスタを、一のスイッチに用いることができる。
【0208】
例えば、画素回路530(i,j)は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線
G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM及び配線ANOと電気的に接続される(
図19参照)。なお、導電層512Aは、図示しないが信号線S1(j)と電気的に接続
される。
【0209】
画素回路530(i,j)は、スイッチSW1、容量素子C11を含む(
図19参照)
。
【0210】
画素回路530(i,j)は、スイッチSW2、トランジスタM及び容量素子C12を
含む。
【0211】
例えば、走査線G1(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S1(j)と電
気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW1に用いること
ができる。
【0212】
容量素子C11は、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続
される第1の電極と、配線CSCOMと電気的に接続される第2の電極と、を有する。
【0213】
例えば、走査線G2(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S2(j)と電
気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW2に用いること
ができる。
【0214】
トランジスタMは、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続
されるゲート電極と、配線ANOと電気的に接続される第1の電極と、を有する。
【0215】
なお、半導体膜をゲート電極との間に挟むように設けられた導電層を備えるトランジス
タを、トランジスタMに用いることができる。例えば、トランジスタMのゲート電極と同
じ電位を供給することができる配線と電気的に接続される導電層を当該導電層に用いるこ
とができる。
【0216】
容量素子C12は、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続
される第1の電極と、トランジスタMの第1の電極と電気的に接続される第2の電極と、
を有する。
【0217】
なお、第1の表示素子750(i,j)の第1の電極を、スイッチSW1に用いるトラ
ンジスタの第2の電極と電気的に接続する。また、第1の表示素子750(i,j)の第
2の電極752を、配線VCOM1と電気的に接続する。これにより、第1の表示素子7
50を駆動することができる。
【0218】
また、第2の表示素子550(i,j)の電極551(i,j)をトランジスタMの第
2の電極と電気的に接続し、第2の表示素子550(i,j)の電極552を導電層VC
OM2と電気的に接続する。これにより、第2の表示素子550(i,j)を駆動するこ
とができる。
【0219】
《絶縁膜501C》
絶縁膜501Cは、第1の導電層及び第2の導電層の間に挟まれる領域を備え、絶縁膜5
01Cは開口部591Aを備える(
図17参照)。
【0220】
《第1の導電層》
第1の導電層は、第1の表示素子750(i,j)と電気的に接続される。具体的には、
第1の表示素子750(i,j)の第1の電極751(i,j)と電気的に接続される。
なお、第1の電極751(i,j)を、第1の導電層に用いることができる。
【0221】
《第2の導電層》
第2の導電層は、第1の導電層と重なる領域を備える。第2の導電層は、開口部591A
において第1の導電層と電気的に接続される。例えば、導電層512Bを第2の導電層に
用いることができる。
【0222】
ところで、絶縁膜501Cに設けられた開口部591Aにおいて第2の導電層と電気的
に接続される第1の導電層を、貫通電極ということができる。
【0223】
第2の導電層は、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。例えば、画素回路
530(i,j)のスイッチSW1に用いるトランジスタのソース電極又はドレイン電極
として機能する導電層を、第2の導電層に用いることができる。
【0224】
《第2の表示素子550(i,j)の構成例2.》
また、第2の表示素子550(i,j)は、画素回路530(i,j)と電気的に接続さ
れる(
図16(A)及び
図19参照)。第2の表示素子550(i,j)は、機能層52
0に向けて光を射出する機能を備える。第2の表示素子550(i,j)は、例えば、絶
縁膜501Cまたは絶縁膜501Cに設けられた開口に向けて光を射出する機能を備える
。
【0225】
第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を
視認できる範囲の一部において当該第2の表示素子550(i,j)を用いた表示を視認
できるように配設される。例えば、外光を反射する強度を制御して画像情報を表示する第
1の表示素子750(i,j)に外光が入射し反射する方向を、破線の矢印を用いて図中
に示す(
図17参照)。また、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を視認でき
る範囲の一部に第2の表示素子550(i,j)が光を射出する方向を、実線の矢印を用
いて図中に示す(
図16(A)参照)。
【0226】
これにより、第1の表示素子を用いた表示を視認することができる領域の一部において
、第2の表示素子を用いた表示を視認することができる。又は、表示装置の姿勢等を変え
ることなく使用者は表示を視認することができる。又は、第1の表示素子が反射する光が
表現する物体色と、第2の表示素子が射出する光が表現する光源色とを掛け合わせること
ができる。又は、物体色及び光源色を用いて絵画的な表示をすることができる。その結果
、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。
【0227】
例えば、第2の表示素子550(i,j)は、電極551(i,j)と、電極552と
、発光性の材料を含む層553(j)と、を備える(
図16(A)参照)。
【0228】
電極552は、電極551(i,j)と重なる領域を備える。
【0229】
発光性の材料を含む層553(j)は、電極551(i,j)及び電極552の間に挟
まれる領域を備える。
【0230】
電極551(i,j)は、接続部522において、画素回路530(i,j)と電気的
に接続される。なお、電極552は、導電層VCOM2と電気的に接続される(
図16(
A)および
図19参照)。
【0231】
《絶縁膜521、絶縁膜528、絶縁膜518、絶縁膜516等》
絶縁膜521は、画素回路530(i,j)及び第2の表示素子550(i,j)の間に
挟まれる領域を備える。
【0232】
例えば、積層膜を絶縁膜521に用いることができる。例えば、絶縁膜521A、絶縁
膜521B及び絶縁膜521Cの積層膜を絶縁膜521に用いることができる。
【0233】
絶縁膜528は、絶縁膜521及び基板570の間に挟まれる領域を備え、第2の表示
素子550(i,j)と重なる領域に開口部を備える。電極551(i,j)の周縁に沿
って形成される絶縁膜528は、電極551(i,j)及び電極552の短絡を防止する
。
【0234】
なお、単層の膜又は積層膜を絶縁膜518に用いることができる。例えば、絶縁膜51
8A及び絶縁膜518Bを絶縁膜518に用いることができる。又は、例えば、絶縁膜5
18A1及び絶縁膜518A2を絶縁膜518に用いることができる。
【0235】
絶縁膜518は、絶縁膜521及び画素回路530(i,j)の間に挟まれる領域を備
える。
【0236】
絶縁膜516は、絶縁膜518及び画素回路530(i,j)の間に挟まれる領域を備
える。
【0237】
また、表示装置700は、絶縁膜501Bを有することができる。絶縁膜501Bは、
開口部592Bを備える(
図16(A)参照)。
【0238】
開口部592Bは、導電層511Bと重なる領域を備える。
【0239】
<表示装置の構成例2.>
また、本実施の形態で説明する表示装置700は、表示領域231を有する(
図15参
照)。
【0240】
《表示領域231》
表示領域231は、詳細には図示しないが一群の複数の画素702(i,1)乃至画素7
02(i,n)と、他の一群の複数の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)と
、走査線G1(i)と、信号線S1(j)と、を有する。一例として
図15には、画素7
02(i,j)を示している。また、走査線G2(i)と、配線CSCOMと、配線AN
Oと、信号線S2(j)と、を有する(
図15および
図19参照)。なお、iは1以上m
以下の整数であり、jは1以上n以下の整数であり、m及びnは1以上の整数である。
【0241】
一群の複数の画素702(i,1)乃至画素702(i,n)は画素702(i,j)
を含み、一群の複数の画素702(i,1)乃至画素702(i,n)は行方向(図中に
矢印R1で示す方向)に配設される。
【0242】
他の一群の複数の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)は画素702(i,
j)を含み、他の一群の複数の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)は行方向
と交差する列方向(図中に矢印C1で示す方向)に配設される。
【0243】
走査線G1(i)及び走査線G2(i)は、行方向に配設される一群の複数の画素70
2(i,1)乃至画素702(i,n)と電気的に接続される。
【0244】
信号線S1(j)及び信号線S2(j)は、列方向に配設される他の一群の複数の画素
702(1,j)乃至画素702(m,j)と電気的に接続される。
【0245】
<表示装置の構成例3.>
本実施の形態で説明する表示装置700は、色相が異なる色を表示する機能を備える複
数の画素を備えることができる。又は、色相が異なる色を表示することができる複数の画
素を用いて、それぞれの画素では表示できない色相の色を、加法混色により表示すること
ができる。
【0246】
なお、色相が異なる色を表示することができる複数の画素を混色に用いる場合において
、それぞれの画素を副画素と言い換えることができる。また、複数の副画素を一組にして
、画素と言い換えることができる。具体的には、画素702(i,j)を副画素と言い換
えることができ、画素702(i,j)、画素702(i,j+1)及び画素702(i
,j+2)を一組にして、画素703(i,k)と言い換えることができる(
図22(A
)参照)。
【0247】
例えば、青色を表示する副画素、緑色を表示する副画素及び赤色を表示する副画素を一
組にして、画素703(i,k)に用いることができる。
【0248】
また、例えば、シアンを表示する副画素、マゼンタを表示する副画素及びイエローを表
示する副画素を一組にして、画素703(i,k)に用いることができる。
【0249】
また、例えば、白色を表示する副画素等を上記の一組に加えて、画素に用いることがで
きる。
【0250】
また、例えば、シアンを表示する第1の表示素子750(i,j)と青色を表示する第
2の表示素子550(i,j)を備える副画素、イエローを表示する第1の表示素子75
0(i,j+1)と緑色を表示する第2の表示素子550(i,j+1)を備える副画素
及びマゼンタを表示する第1の表示素子750(i,j+2)と赤色を表示する第2の表
示素子550(i,j+2)を備える副画素を一組にして、画素703(i,k)に用い
ることができる。これにより、第1の表示素子750(i,j)乃至第1の表示素子75
0(i,j+2)を用いる表示を、明るくすることができる。又は、第2の表示素子55
0(i,j)乃至第2の表示素子550(i,j+2)を用いる表示を、鮮やかにするこ
とができる。
【0251】
<表示装置の構成例4.>
また、本実施の形態で説明する表示装置700は、駆動回路GD又は駆動回路SDを備
えることができる(
図15(A)参照)。
【0252】
《駆動回路GD》
駆動回路GDは、制御情報に基づいて選択信号を供給する機能を有する。
【0253】
一例を挙げれば、制御情報に基づいて、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度
で一の走査線に選択信号を供給する機能を備える。これにより、動画像をなめらかに表示
することができる。
【0254】
例えば、制御情報に基づいて、30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一
分に一回未満の頻度で一の走査線に選択信号を供給する機能を備える。これにより、フリ
ッカーが抑制された状態で静止画像を表示することができる。
【0255】
また、表示装置は、複数の駆動回路を有することができる。例えば、表示装置700B
は、駆動回路GDA及び駆動回路GDBを有する(
図15参照)。
【0256】
また、例えば、複数の駆動回路を備える場合、駆動回路GDAが選択信号を供給する頻
度と、駆動回路GDBが選択信号を供給する頻度とを、異ならせることができる。具体的
には、静止画像を表示する一の領域に選択信号を供給する頻度より高い頻度で、動画像を
表示する他の領域に選択信号を供給することができる。これにより、一の領域にフリッカ
ーが抑制された状態で静止画像を表示し、他の領域に滑らかに動画像を表示することがで
きる。
【0257】
《駆動回路SD》
駆動回路SDは、図示しないが駆動回路SD1と、駆動回路SD2と、を有する。駆動回
路SD1は、情報V11に基づいて画像信号を供給する機能を有し、駆動回路SD2は、
情報V12に基づいて画像信号を供給する機能を有する(
図15参照)。
【0258】
駆動回路SD1又は駆動回路SD2は、画像信号を生成する機能と、当該画像信号を一
の表示素子と電気的に接続される画素回路に供給する機能を備える。具体的には、極性が
反転する信号を生成する機能を備える。これにより、例えば、液晶表示素子を駆動するこ
とができる。
【0259】
例えば、シフトレジスタ等のさまざまな順序回路等を駆動回路SDに用いることができ
る。
【0260】
例えば、駆動回路SD1及び駆動回路SD2が集積された集積回路を、駆動回路SDに
用いることができる。具体的には、シリコン基板上に形成された集積回路を駆動回路SD
に用いることができる。
【0261】
例えば、COG(Chip on glass)法又はCOF(Chip on Fi
lm)法を用いて、集積回路を端子に実装することができる。具体的には、異方性導電層
を用いて、集積回路を端子に実装することができる。
【0262】
<表示装置の構成例5.>
また、本実施の形態で説明する表示装置700は、機能層720、端子519B、基板
570、基板770、接合層505、封止材705、構造体KB1、機能膜770P、機
能膜770D等を備える(
図16(A)又は
図17参照)。
【0263】
《機能層720》
また、本実施の形態で説明する表示装置は、機能層720を有する。機能層720は、基
板770及び絶縁膜501Cの間に挟まれる領域を備える。機能層720は、遮光膜BM
と、絶縁膜771と、着色膜CF1と、を有する(
図16(A)又は
図17参照)。
【0264】
遮光膜BMは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域に開口部を備える。
【0265】
着色膜CF1は、基板770及び第1の表示素子750(i,j)の間に挟まれる領域
を備える。
【0266】
絶縁膜771は、着色膜CF1と液晶材料を含む層753の間に挟まれる領域又は遮光
膜BMと液晶材料を含む層753の間に挟まれる領域を備える。これにより、着色膜CF
1の厚さに基づく凹凸を平坦にすることができる。又は、遮光膜BM又は着色膜CF1等
から液晶材料を含む層753への不純物の拡散を、抑制することができる。
【0267】
単層又は積層膜を絶縁膜771に用いることができる。例えば、絶縁膜771A及び絶
縁膜771Bを絶縁膜771に用いることができる。
【0268】
《端子519B》
また、本実施の形態で説明する表示装置は、端子519Bを有する(
図16(A)参照)
。
【0269】
端子519Bは、導電層511Bを備える。端子519Bは、例えば、信号線S1(j
)と電気的に接続される。
【0270】
《基板570、基板770》
また、本実施の形態で説明する表示装置は、基板570と、基板770と、を有する。
【0271】
基板770は、基板570と重なる領域を備える。基板770は、基板570との間に
機能層520を挟む領域を備える。
【0272】
基板770は、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。例えば、複屈
折が抑制された材料を当該領域に用いることができる。
【0273】
《接合層505、封止材705、構造体KB1》
また、本実施の形態で説明する表示装置は、接合層505と、封止材705と、構造体K
B1と、を有する。
【0274】
接合層505は、機能層520及び基板570の間に挟まれる領域を備え、機能層52
0及び基板570を貼り合せる機能を備える。
【0275】
封止材705は、機能層520及び基板770の間に挟まれる領域を備え、機能層52
0及び基板770を貼り合わせる機能を備える。
【0276】
構造体KB1は、機能層520及び基板770の間に所定の間隙を設ける機能を備える
。
【0277】
《機能膜770PA、機能膜770PB、機能膜770D等》
また、本実施の形態で説明する表示装置は、機能膜770PAと、機能膜770PBと、
機能膜770Dと、を有する。
【0278】
機能膜770PA及び機能膜770PBは、第1の表示素子750(i,j)と重なる
領域を備える。
【0279】
機能膜770Dは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。機能膜7
70Dは、第1の表示素子750(i,j)との間に基板770を挟むように配設される
。これにより、例えば、第1の表示素子750(i,j)が反射する光を拡散することが
できる。
【0280】
<構成要素の例>
表示装置700は、基板570、基板770、構造体KB1、封止材705又は接合層
505を有する。
【0281】
また、表示装置700は、機能層520、光学素子560、被覆膜565、絶縁膜52
1又は絶縁膜528を有する。
【0282】
また、表示装置700は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、
走査線G2(i)、配線CSCOM又は配線ANOを有する。
【0283】
また、表示装置700は、第1の導電層又は第2の導電層を有する。
【0284】
また、表示装置700は、端子519B又は導電層511Bを有する。
【0285】
また、表示装置700は、画素回路530(i,j)又はスイッチSW1を有する。
【0286】
また、表示装置700は、第1の表示素子750(i,j)、第1の電極751(i,
j)、反射膜、開口部、液晶材料を含む層753又は第2の電極752を有する。
【0287】
また、表示装置700は、配向膜AF1、配向膜AF2、着色膜CF1、遮光膜BM、
絶縁膜771、機能膜770P又は機能膜770Dを有する。
【0288】
また、表示装置700は、第2の表示素子550(i,j)、電極551(i,j)、
電極552又は発光性の材料を含む層553(j)を有する。
【0289】
また、表示装置700は、絶縁膜501B又は絶縁膜501Cを有する。
【0290】
また、表示装置700は、駆動回路GD又は駆動回路SDを有する。
【0291】
《基板570》
作製工程中の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する材料を基板570等に用いることが
できる。例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を基板570に用いるこ
とができる。具体的には、厚さ0.1mm程度まで研磨した材料を用いることができる。
【0292】
例えば、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×220
0mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×280
0mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の面積が大きなガラス基板を基
板570等に用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる
。
【0293】
有機材料、無機材料又は有機材料と無機材料等の複合材料等を基板570等に用いるこ
とができる。例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を基板570等に用いる
ことができる。
【0294】
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、
アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス、石英又はサファイア等を、基板57
0等に用いることができる。具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜又は無機酸窒化物
膜等を、基板570等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜
、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を、基板570等に用いることができる。
ステンレス・スチール又はアルミニウム等を、基板570等に用いることができる。
【0295】
例えば、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリ
コンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を基板570等に用いることがで
きる。これにより、半導体素子を基板570等に形成することができる。
【0296】
例えば、樹脂、樹脂フィルム又はプラスチック等の有機材料を基板570等に用いるこ
とができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リカーボネート又はアクリル樹脂等の樹脂フィルム又は樹脂板を、基板570等に用いる
ことができる。
【0297】
例えば、金属板、薄板状のガラス板又は無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせ
た複合材料を基板570等に用いることができる。例えば、繊維状又は粒子状の金属、ガ
ラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基板570等に用いるこ
とができる。例えば、繊維状又は粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した
複合材料を、基板570等に用いることができる。
【0298】
また、単層の材料又は複数の層が積層された材料を、基板570等に用いることができ
る。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁膜等が積層された材料を、基
板570等に用いることができる。具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散
を防ぐ酸化シリコン層、窒化シリコン層又は酸化窒化シリコン層等から選ばれた一又は複
数の膜が積層された材料を、基板570等に用いることができる。又は、樹脂と樹脂を透
過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜等が
積層された材料を、基板570等に用いることができる。
【0299】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板又は積層材料等を基板570等に用
いることができる。
【0300】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、
ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂もしくはシ
リコーン等のシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を基板570等に用いることができ
る。
【0301】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(P
EN)、ポリエーテルサルフォン(PES)又はアクリル等を基板570等に用いること
ができる。又は、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(
COC)等を用いることができる。
【0302】
また、紙又は木材などを基板570等に用いることができる。
【0303】
例えば、可撓性を有する基板を基板570等に用いることができる。
【0304】
なお、トランジスタ又は容量素子等を基板に直接形成する方法を用いることができる。
また、例えば作製工程中に加わる熱に耐熱性を有する工程用の基板にトランジスタ又は容
量素子等を形成し、形成されたトランジスタ又は容量素子等を基板570等に転置する方
法を用いることができる。これにより、例えば可撓性を有する基板にトランジスタ又は容
量素子等を形成できる。
【0305】
《基板770》
例えば、基板570に用いることができる材料を基板770に用いることができる。例え
ば、基板570に用いることができる材料から選択された透光性を備える材料を、基板7
70に用いることができる。又は、片側の表面に、例えば1μm以下の反射防止膜が形成
された材料を基板770に用いることができる。具体的には、誘電体を3層以上、好まし
くは5層以上、より好ましくは15層以上積層した材料を基板770に用いることができ
る。これにより、反射率を0.5%以下好ましくは0.08%以下に抑制することができ
る。又は、基板570に用いることができる材料から選択された複屈折が抑制された材料
を、基板770に用いることができる。
【0306】
例えば、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス又はサファイア等を、表示
装置の使用者に近い側に配置される基板770に好適に用いることができる。これにより
、使用に伴う表示装置の破損や傷付きを防止することができる。
【0307】
例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC
)、トリアセチルセルロース(TAC)等の樹脂フィルムを、基板770に好適に用いる
ことができる。これにより、重量を低減することができる。又は、例えば、落下に伴う破
損等の発生頻度を低減することができる。
【0308】
また、例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を基板770に用いるこ
とができる。具体的には、厚さを薄くするために研磨した基板を用いることができる。こ
れにより、機能膜770Dを第1の表示素子750(i,j)に近づけて配置することが
できる。その結果、画像のボケを低減し、画像を鮮明に表示することができる。
【0309】
《構造体KB1》
例えば、有機材料、無機材料又は有機材料と無機材料の複合材料を構造体KB1等に用い
ることができる。これにより、所定の間隔を、構造体KB1等を挟む構成の間に設けるこ
とができる。
【0310】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等又はこれらから選択された複数の樹脂の複
合材料などを構造体KB1に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形
成してもよい。
【0311】
《封止材705》
無機材料、有機材料又は無機材料と有機材料の複合材料等を封止材705等に用いること
ができる。
【0312】
例えば、熱溶融性の樹脂又は硬化性の樹脂等の有機材料を、封止材705等に用いるこ
とができる。
【0313】
例えば、反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤又は/及び嫌気型接着剤
等の有機材料を封止材705等に用いることができる。
【0314】
具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイ
ミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチ
ラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を含む接着剤を封止材705等
に用いることができる。
【0315】
《接合層505》
例えば、封止材705に用いることができる材料を接合層505に用いることができる。
【0316】
《絶縁膜521》
例えば、絶縁性の無機材料、絶縁性の有機材料又は無機材料と有機材料を含む絶縁性の複
合材料を、絶縁膜521等に用いることができる。
【0317】
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜又は無機酸化窒化物膜等又はこれらから選ば
れた複数を積層した積層材料を、絶縁膜521等に用いることができる。例えば、酸化シ
リコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等又はこれらから
選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜521等に用いることができる。
【0318】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等又はこれらから選択された複数の樹脂の積
層材料もしくは複合材料などを絶縁膜521等に用いることができる。また、感光性を有
する材料を用いて形成してもよい。
【0319】
これにより、例えば絶縁膜521と重なるさまざまな構造に由来する段差を平坦化する
ことができる。
【0320】
《光学素子560》
光学素子560は光軸Zを備える(
図10(C)参照)。光軸Zは第1の領域560Aの
可視光が供給される領域の中心及び第3の領域560Cの中心を通る。また、第2の領域
560Bは、光軸Zと直交する平面に対し45°以上の傾きθ、好ましくは75°以上8
5°以下の傾きθを有する傾斜部を備える。例えば、図示されている第2の領域560B
は光軸Zと直交する平面に対し約60°の傾きを全体に備える。
【0321】
また、第2の領域560Bは、当該傾斜部を第1の領域560Aの可視光を供給される
領域の端から0.05μm以上0.2μm以下の範囲に備える。なお、第1の領域560
Aに第2の表示素子550(i,j)が接する場合、第1の領域560Aの可視光が供給
される領域は、第2の表示素子550(i,j)の可視光を供給することができる領域の
面積と等しい。例えば、図示されている第2の領域560Bの傾斜部は、第1の領域56
0Aの可視光を供給される領域の端から距離dにある。
【0322】
また、第1の領域560Aの可視光が供給される領域は、画素702(i,j)の面積
の10%より大きい面積を備える(
図10(D)参照)。
【0323】
第3の領域560Cは、画素702(i,j)の面積の10%以下の面積を備える。
【0324】
反射膜751Bは、画素702(i,j)の面積の70%以上の面積を備える。
【0325】
第1の領域560Aの可視光が供給される領域の面積及び反射膜751Bの面積の和は
、画素702(i,j)の面積より大きい。
【0326】
例えば、横27μm縦81μmの矩形の画素は、2187μm2の面積を備える。第1
の領域560Aの324μm2の面積に可視光を供給する。また、第3の領域560Cは
81μm2の面積を備え、反射膜751Bは1894μm2の面積を備える。
【0327】
この構成において、第1の領域560Aの可視光が供給される領域の面積は、画素の面
積の約14.8%に相当する。
【0328】
反射膜751Bの面積は、画素の面積の約86.6%に相当する。
【0329】
第1の領域560Aの可視光が供給される領域の面積及び反射膜751Bの面積の和は
、2218μm2である。
【0330】
これにより、第2の領域は、第1の領域にさまざまな角度で入射する光を集光すること
ができる。その結果、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる
。
【0331】
なお、複数の材料を光学素子560に用いることができる。例えば、屈折率の差が0.
2以下の範囲になるように選択された複数の材料を光学素子560に用いることができる
。これにより、光学素子の内部における反射又は散乱を抑制することができる。又は、光
の損失を抑制することができる。
【0332】
また、さまざまな形状を光学素子560に用いることができる。例えば、円又は多角形
を光学素子560の光軸と直交する切断面の形状に用いることができる。又は、平面又は
曲面を光学素子560の第2の領域560Bに用いることができる。
【0333】
例えば、光軸と直交する切断面の形状に四角形を用いた光学素子560の光軸に沿った
断面図を
図23(A-1)、
図23(B-1)又は
図23(C-1)に示す。また、その
斜視図を
図23(A-2)、
図23(B-2)又は
図23(C-2)に示す。
【0334】
例えば、光軸と直交する切断面の形状に円形を用いた光学素子560の光軸に沿った断
面図を
図23(D-1)、
図23(E-1)又は
図23(F-1)に示す。また、その斜
視図を
図23(D-2)、
図23(E-2)又は
図23(F-2)に示す。
【0335】
《被覆膜565》
単層の膜又は積層膜を被覆膜565に用いることができる。例えば、透光性を備える膜及
び反射性を備える膜を積層した材料を被覆膜565に用いることができる。
【0336】
例えば、酸化物膜、フッ化物膜、硫化物膜等の無機材料が透光性を備える膜として用い
ることができる。
【0337】
例えば、金属が反射性を備える膜に用いることができる。具体的には、銀を含む材料を
被覆膜565に用いることができる。例えば、銀及びパラジウム等を含む材料又は銀及び
銅等を含む材料を反射膜に用いることができる。また、誘電体の多層膜が反射性を備える
膜として用いることができる。
【0338】
《絶縁膜528》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜528等に用いることができる
。具体的には、厚さ1μmのポリイミドを含む膜を絶縁膜528に用いることができる。
【0339】
《絶縁膜501B》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜501Bに用いることができる
。また、例えば、水素を供給する機能を備える材料を絶縁膜501Bに用いることができ
る。
【0340】
具体的には、シリコン及び酸素を含む材料と、シリコン及び窒素を含む材料と、を積層
した材料を、絶縁膜501Bに用いることができる。例えば、加熱等により水素を放出し
、放出した水素を他の構成に供給する機能を備える材料を、絶縁膜501Bに用いること
ができる。具体的には、作製工程中に取り込まれた水素を加熱等により放出し、他の構成
に供給する機能を備える材料を絶縁膜501Bに用いることができる。
【0341】
例えば、原料ガスにシラン等を用いる化学気相成長法により形成されたシリコン及び酸
素を含む膜を、絶縁膜501Bに用いることができる。
【0342】
具体的には、シリコン及び酸素を含む厚さ200nm以上600nm以下の材料と、シ
リコン及び窒素を含む厚さ200nm程度の材料と、を積層した材料を絶縁膜501Bに
用いることができる。
【0343】
《絶縁膜501C》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜501Cに用いることができる
。具体的には、シリコン及び酸素を含む材料を絶縁膜501Cに用いることができる。こ
れにより、画素回路又は第2の表示素子等への不純物の拡散を抑制することができる。
【0344】
例えば、シリコン、酸素及び窒素を含む厚さ200nmの膜を絶縁膜501Cに用いる
ことができる。
【0345】
《配線、端子、導電層》
導電性を備える材料を配線等に用いることができる。具体的には、導電性を備える材料を
、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線C
SCOM、配線ANO、端子519B又は導電層511B等に用いることができる。
【0346】
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属又は導電性セラミックスなどを配線等
に用いることができる。
【0347】
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、銅、クロム、タンタル、チタン、モリブデ
ン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム又はマンガンから選ばれた金属
元素などを、配線等に用いることができる。又は、上述した金属元素を含む合金などを、
配線等に用いることができる。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用い
た微細加工に好適である。
【0348】
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタ
ン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タ
ンタル膜又は窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、
そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造
等を配線等に用いることができる。
【0349】
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛
、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を、配線等に用いることができる。
【0350】
具体的には、グラフェン又はグラファイトを含む膜を配線等に用いることができる。
【0351】
例えば、酸化グラフェンを含む膜を形成し、酸化グラフェンを含む膜を還元することに
より、グラフェンを含む膜を形成することができる。還元する方法としては、熱を加える
方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
【0352】
例えば、金属ナノワイヤーを含む膜を配線等に用いることができる。具体的には、銀を
含むナノワイヤーを用いることができる。
【0353】
具体的には、導電性高分子を配線等に用いることができる。
【0354】
なお、例えば、導電材料ACF1を用いて、端子519Bとフレキシブルプリント基板
FPC1を電気的に接続することができる。
【0355】
《第1の導電層、第2の導電層》
例えば、配線等に用いることができる材料を第1の導電層又は第2の導電層に用いること
ができる。
【0356】
また、第1の電極751(i,j)又は配線等を第1の導電層に用いることができる。
【0357】
また、スイッチSW1に用いることができるトランジスタのソース電極又はドレイン電
極として機能する導電層512B又は配線等を第2の導電層に用いることができる。
【0358】
《第1の表示素子750(i,j)》
例えば、光の反射又は透過を制御する機能を備える表示素子を、第1の表示素子750(
i,j)に用いることができる。例えば、液晶素子と偏光板を組み合わせた構成又はシャ
ッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子等を用いることができる
。反射型の表示素子を用いることにより、表示装置の消費電力を抑制することができる。
例えば、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウエッティング方式などを用
いる表示素子を、第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。具体的には、
反射型の液晶表示素子を第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。
【0359】
例えば、IPS(In-Plane-Switching)モード、TN(Twist
ed Nematic)モード、FFS(Fringe Field Switchin
g)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micr
o-cell)モード、OCB(Optically Compensated Bir
efringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid
Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liqui
d Crystal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用
いることができる。
【0360】
また、例えば垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi-Domai
n Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned V
ertical Alignment)モード、ECB(Electrically C
ontrolled Birefringence)モード、CPA(Continuo
us Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced S
uper-View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用
いることができる。
【0361】
第1の表示素子750(i,j)は、第1電極と、第2電極と、液晶材料を含む層と、
を有する。液晶材料を含む層は、第1電極及び第2電極の間の電圧を用いて配向を制御す
ることができる液晶材料を含む。例えば、液晶材料を含む層の厚さ方向(縦方向ともいう
)、縦方向と交差する方向(横方向または斜め方向ともいう)の電界を、液晶材料の配向
を制御する電界に用いることができる。
【0362】
《液晶材料を含む層753》
例えば、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性
液晶、反強誘電性液晶等を、液晶材料を含む層に用いることができる。又は、コレステリ
ック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶
材料を用いることができる。又は、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
【0363】
例えば、ネガ型の液晶材料を、液晶材料を含む層に用いることができる。
【0364】
例えば、1.0×1013Ω・cm以上、好ましくは1.0×1014Ω・cm以上、
さらに好ましくは1.0×1015Ω・cm以上の抵抗率を備える液晶材料を、液晶材料
を含む層753に用いる。これにより、第1の表示素子750(i,j)の透過率の変動
を抑制することができる。又は、第1の表示素子750(i,j)のチラツキを抑制する
ことができる。又は、第1の表示素子750(i,j)の書き換える頻度を低減すること
ができる。
【0365】
《第1の電極751(i,j)》
例えば、配線等に用いる材料を第1の電極751(i,j)に用いることができる。具体
的には、反射膜を第1の電極751(i,j)に用いることができる。例えば、透光性を
備える導電層と、開口部を備える反射膜と、を積層した材料を第1の電極751(i,j
)に用いることができる。
【0366】
《反射膜》
例えば、可視光を反射する材料を反射膜に用いることができる。具体的には、銀を含む材
料を反射膜に用いることができる。例えば、銀及びパラジウム等を含む材料又は銀及び銅
等を含む材料を反射膜に用いることができる。
【0367】
反射膜は、例えば、液晶材料を含む層753を透過してくる光を反射する。これにより
、第1の表示素子750を反射型の液晶素子にすることができる。また、例えば、表面に
凹凸を備える材料を、反射膜に用いることができる。これにより、入射する光をさまざま
な方向に反射して、白色の表示をすることができる。
【0368】
例えば、第1の導電層又は第1の電極751(i,j)等を反射膜に用いることができ
る。
【0369】
例えば、液晶材料を含む層753との間に透光性を備える導電層751Aを挟む領域を
備える膜を、反射膜751Bに用いることができる(
図20(A)参照)。
【0370】
例えば、液晶材料を含む層753と透光性を備える導電層751Cの間に挟まれる領域
を備える膜を、反射膜751Bに用いることができる(
図20(B)参照)。
【0371】
例えば、透光性を備える導電層751Aと透光性を備える導電層751Cの間に挟まれ
る領域を備える膜を、反射膜751Bに用いることができる(
図20(C)参照)。
【0372】
例えば、可視光に対し反射性を備える膜を、第1の電極751(i,j)に用いてもよ
い(
図20(D)参照)。
【0373】
反射膜は、第2の表示素子550(i,j)が射出する光を遮らない領域751Hが形
成される形状を備える(
図21(A)乃至
図21(C)参照)。
【0374】
例えば、単数又は複数の開口部を備える形状を反射膜に用いることができる。具体的に
は、多角形、四角形、楕円形、円形又は十字等の形状を領域751Hに用いることができ
る。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状を領域751Hに用いることがで
きる。
【0375】
反射膜の総面積に対する領域751Hの総面積の比の値が大きすぎると、第1の表示素
子750(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。
【0376】
また、反射膜の総面積に対する領域751Hの総面積の比の値が小さすぎると、第2の
表示素子550(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。又は、第2の表示素子55
0(i,j)の信頼性が損なわれてしまう場合がある。
【0377】
例えば、画素702(i,j+1)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j
)に設けられた領域751Hを通る行方向(図中に矢印R1で示す方向)に延びる直線上
に配設されない(
図21(A)参照)。又は、例えば、画素702(i+1,j)に設け
られた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hを通る、列方向
(図中に矢印C1で示す方向)に延びる直線上に配設されない(
図21(B)参照)。
【0378】
例えば、画素702(i,j+2)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j
)に設けられた領域751Hを通る行方向に延びる直線上に配設される(
図21(A)参
照)。また、画素702(i,j+1)に設けられた領域751Hは、画素702(i,
j)に設けられた領域751H及び画素702(i,j+2)に設けられた領域751H
の間において当該直線と直交する直線上に配設される。
【0379】
又は、例えば、画素702(i+2,j)に設けられた領域751Hは、画素702(
i,j)に設けられた領域751Hを通る、列方向に延びる直線上に配設される(
図21
(B)参照)。また、例えば、画素702(i+1,j)に設けられた領域751Hは、
画素702(i,j)に設けられた領域751H及び画素702(i+2,j)に設けら
れた領域751Hの間において当該直線と直交する直線上に配設される。
【0380】
このように配置された光を遮らない領域に重なるように第2の表示素子を配設すること
により、一の画素に隣接する他の画素の第2の素子を、一の画素の第2の表示素子から遠
ざけることができる。又は、一の画素に隣接する他の画素の第2の表示素子に、一の画素
の第2の表示素子が表示する色とは異なる色を表示する表示素子を配設することができる
。又は、異なる色を表示する複数の表示素子を、隣接して配設する際に生じる難易度を軽
減することができる。その結果、利便性又は信頼性に優れた新規な表示装置を提供するこ
とができる。
【0381】
又は、領域751Hが形成されるように、端部が短く切除されたような形状を反射膜に
用いることができる(
図21(C)参照)。具体的には、列方向(図中に矢印C1で示す
方向)が短くなるように端部が切除された形状を用いることができる。
【0382】
《第2の電極752》
例えば、配線等に用いることができる材料を、第2の電極752に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された、透光性を備える材料を、第2
の電極752に用いることができる。
【0383】
例えば、導電性酸化物、光が透過する程度に薄い金属膜又は金属ナノワイヤー等を第2
の電極752に用いることができる。
【0384】
具体的には、インジウムを含む導電性酸化物を第2の電極752に用いることができる
。又は、厚さ1nm以上10nm以下の金属薄膜を第2の電極752に用いることができ
る。また、銀を含む金属ナノワイヤーを第2の電極752に用いることができる。
【0385】
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛
、ガリウムを添加した酸化亜鉛、アルミニウムを添加した酸化亜鉛などを、第2の電極7
52に用いることができる。
【0386】
《配向膜AF1、配向膜AF2》
例えば、ポリイミド等を含む材料を配向膜AF1又は配向膜AF2に用いることができる
。具体的には、液晶材料が所定の方向に配向するようにラビング処理された材料又は光配
向技術を用いて形成された材料を用いることができる。
【0387】
例えば、可溶性のポリイミドを含む膜を配向膜AF1又は配向膜AF2に用いることが
できる。これにより、配向膜AF1又は配向膜AF2を形成する際に必要とされる温度を
低くすることができる。その結果、配向膜AF1又は配向膜AF2を形成する際に他の構
成に与える損傷を軽減することができる。
【0388】
《着色膜CF1》
所定の色の光を透過する材料を着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜
CF1を例えばカラーフィルターに用いることができる。
【0389】
例えば、青色の光を透過する材料、緑色の光を透過する材料又は赤色の光を透過する材
料を、着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜CF1を透過する光のス
ペクトルの幅を狭くすることができ、表示を鮮やかにすることができる。
【0390】
また、例えば、青色の光を吸収する材料、緑色の光を吸収する材料又は赤色の光を吸収
する材料を、着色膜CF1に用いることができる。具体的には、イエローの光を透過する
材料、マゼンタの光を透過する材料又はシアンの光を透過する材料を、着色膜CF1に用
いることができる。これにより、着色膜CF1に吸収される光のスペクトルの幅を狭くす
ることができ、表示を明るくすることができる。
【0391】
《遮光膜BM》
例えば、光の透過を抑制する材料を遮光膜BMに用いることができる。これにより、遮光
膜BMを例えばブラックマトリクスに用いることができる。
【0392】
具体的には、顔料又は染料を含む樹脂を遮光膜BMに用いることができる。例えば、カ
ーボンブラックを分散した樹脂を遮光膜に用いることができる。
【0393】
又は、無機化合物、無機酸化物、複数の無機酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を遮光
膜BMに用いることができる。具体的には、黒色クロム膜、酸化第2銅を含む膜、塩化銅
又は塩化テルルを含む膜を遮光膜BMに用いることができる。
【0394】
《絶縁膜771》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜771に用いることができる。
例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を絶縁膜771に用いることができ
る。又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜
等又はこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜771に用いるこ
とができる。
【0395】
《機能膜770P、機能膜770D》
例えば、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム又は集光フ
ィルム等を機能膜770P又は機能膜770Dに用いることができる。
【0396】
具体的には、2色性色素を含む膜を機能膜770P又は機能膜770Dに用いることが
できる。又は、基材の表面と交差する方向に沿った軸を備える柱状構造を有する材料を、
機能膜770P又は機能膜770Dに用いることができる。これにより、光を軸に沿った
方向に透過し易く、他の方向に散乱し易くすることができる。
【0397】
また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に
伴う傷の発生を抑制するハードコート膜などを、機能膜770Pに用いることができる。
【0398】
具体的には、円偏光フィルムを機能膜770Pに用いることができる。また、光拡散フ
ィルムを機能膜770Dに用いることができる。
【0399】
《第2の表示素子550(i,j)》
例えば、光を射出する機能を備える表示素子を第2の表示素子550(i,j)に用いる
ことができる。具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネ
ッセンス素子、発光ダイオードまたはQDLED(Quantum Dot LED)等
を、第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。
【0400】
例えば、発光性の有機化合物を発光性の材料を含む層553(j)に用いることができ
る。
【0401】
例えば、量子ドットを発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。これ
により、半値幅が狭く、鮮やかな色の光を発することができる。
【0402】
例えば、青色の光を射出するように積層された積層材料、緑色の光を射出するように積
層された積層材料または赤色の光を射出するように積層された積層材料等を、発光性の材
料を含む層553(j)に用いることができる。
【0403】
例えば、信号線S2(j)に沿って列方向に長い帯状の積層材料を、発光性の材料を含
む層553(j)に用いることができる。
【0404】
また、例えば、白色の光を射出するように積層された積層材料を、発光性の材料を含む
層553(j)に用いることができる。具体的には、青色の光を射出する蛍光材料を含む
発光性の材料を含む層と、緑色及び赤色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層また
は黄色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層と、を積層した積層材料を、発光性の
材料を含む層553(j)に用いることができる。
【0405】
例えば、配線等に用いることができる材料を電極551(i,j)に用いることができ
る。
【0406】
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された、可視光について透光性を有
する材料を、電極551(i,j)に用いることができる。
【0407】
具体的には、導電性酸化物またはインジウムを含む導電性酸化物、酸化インジウム、イ
ンジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛など
を、電極551(i,j)に用いることができる。または、光が透過する程度に薄い金属
膜を電極551(i,j)に用いることができる。または、光の一部を透過し、光の他の
一部を反射する金属膜を電極551(i,j)に用いることができる。これにより、微小
共振器構造を第2の表示素子550(i,j)に設けることができる。その結果、所定の
波長の光を他の光より効率よく取り出すことができる。
【0408】
例えば、配線等に用いることができる材料を電極552に用いることができる。具体的
には、可視光について反射性を有する材料を、電極552に用いることができる。
【0409】
《駆動回路GD》
シフトレジスタ等のさまざまな順序回路等を駆動回路GDに用いることができる。例えば
、トランジスタMD、容量素子等を駆動回路GDに用いることができる。具体的には、ス
イッチSW1に用いることができるトランジスタまたはトランジスタMと同一の工程で形
成することができる半導体膜を備えるトランジスタを用いることができる。
【0410】
例えば、スイッチSW1に用いることができるトランジスタと異なる構成をトランジス
タMDに用いることができる。
【0411】
なお、トランジスタMと同一の構成を、トランジスタMDに用いることができる。
【0412】
《トランジスタ》
例えば、同一の工程で形成することができる半導体膜を駆動回路及び画素回路のトランジ
スタに用いることができる。
【0413】
例えば、ボトムゲート型のトランジスタまたはトップゲート型のトランジスタなどを駆
動回路のトランジスタまたは画素回路のトランジスタに用いることができる。
【0414】
ところで、例えば、アモルファスシリコンを半導体に用いるボトムゲート型のトランジ
スタの製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製
造ラインに容易に改造できる。また、例えばポリシリコンを半導体に用いるトップゲート
型の製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるトップゲート型のトランジスタの製造
ラインに容易に改造できる。いずれの改造も、既存の製造ラインを有効に活用することが
できる。
【0415】
例えば、14族の元素を含む半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することが
できる。具体的には、シリコンを含む半導体を半導体膜に用いることができる。例えば、
単結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどを半導
体膜に用いたトランジスタを用いることができる。
【0416】
なお、半導体にポリシリコンを用いるトランジスタの作製に要する温度は、半導体に単
結晶シリコンを用いるトランジスタに比べて低い。
【0417】
また、ポリシリコンを半導体に用いるトランジスタの電界効果移動度は、アモルファス
シリコンを半導体に用いるトランジスタに比べて高い。これにより、画素の開口率を向上
することができる。また、極めて高い精細度で設けられた画素と、ゲート駆動回路及びソ
ース駆動回路を同一の基板上に形成することができる。その結果、電子機器を構成する部
品数を低減することができる。
【0418】
ポリシリコンを半導体に用いるトランジスタの信頼性は、アモルファスシリコンを半導
体に用いるトランジスタに比べて優れる。
【0419】
また、化合物半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、ガリ
ウムヒ素を含む半導体を半導体膜に用いることができる。
【0420】
また、有機半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、ポリア
セン類またはグラフェンを含む有機半導体を半導体膜に用いることができる。
【0421】
例えば、酸化物半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体
的には、インジウムを含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物
半導体を半導体膜に用いることができる。なお、酸化物半導体の一例については、実施の
形態4にて詳細に説明する。
【0422】
一例を挙げれば、オフ状態におけるリーク電流が、半導体膜にアモルファスシリコンを
用いたトランジスタより小さいトランジスタを用いることができる。具体的には、酸化物
半導体を半導体膜に用いたトランジスタを用いることができる。
【0423】
これにより、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回
路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる
。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは
1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、上
記画素回路を有する情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また
、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
【0424】
例えば、半導体膜508、導電層504、導電層512A及び導電層512Bを備える
トランジスタをスイッチSW1に用いることができる(
図16(B)参照)。なお、絶縁
膜506は、半導体膜508及び導電層504の間に挟まれる領域を備える。
【0425】
導電層504は、半導体膜508と重なる領域を備える。導電層504はゲート電極の
機能を備える。絶縁膜506はゲート絶縁膜の機能を備える。
【0426】
導電層512A及び導電層512Bは、半導体膜508と電気的に接続される。導電層
512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電層512Bは
ソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
【0427】
また、導電層524を有するトランジスタを、駆動回路または画素回路のトランジスタ
に用いることができる(
図16(B)参照)。導電層524は、導電層504との間に半
導体膜508を挟む領域を備える。なお、絶縁膜516は、導電層524及び半導体膜5
08の間に挟まれる領域を備える。また、例えば、導電層504と同じ電位を供給する配
線に導電層524を電気的に接続することができる。
【0428】
例えば、タンタル及び窒素を含む厚さ10nmの膜と、銅を含む厚さ300nmの膜と
、を積層した導電層を導電層504に用いることができる。なお、銅を含む膜は、絶縁膜
506との間に、タンタル及び窒素を含む膜を挟む領域を備える。
【0429】
例えば、シリコン及び窒素を含む厚さ400nmの膜と、シリコン、酸素及び窒素を含
む厚さ200nmの膜と、を積層した材料を絶縁膜506に用いることができる。なお、
シリコン及び窒素を含む膜は、半導体膜508との間に、シリコン、酸素及び窒素を含む
膜を挟む領域を備える。
【0430】
例えば、インジウム、ガリウム及び亜鉛を含む厚さ25nmの膜を、半導体膜508に
用いることができる。
【0431】
例えば、タングステンを含む厚さ50nmの膜と、アルミニウムを含む厚さ400nm
の膜と、チタンを含む厚さ100nmの膜と、を積層した導電層を、導電層512Aまた
は導電層512Bに用いることができる。なお、タングステンを含む膜は、半導体膜50
8と接する領域を備える。
【0432】
<表示装置の構成例6.>
本発明の一態様の表示装置の構成について、
図12を参照しながら説明する。
【0433】
図12は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図12(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、
図12(
B)は
図12(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0434】
本構成例で説明する表示装置の構成は、レンズ580を備える点が異なる他は、
図11
を参照しながら説明する表示装置700と同様の構成を備える。ここでは、異なる部分に
ついて詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分について上記の説明を援用す
る。
【0435】
本実施の形態で説明する表示装置は、レンズ580を備え、レンズ580は、光学素子
560と第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域を備える(
図12(A)及
び
図12(B)参照)。
【0436】
レンズ580は1.5以上2.5以下の屈折率を備える材料を含み、レンズ580は凸
レンズである。
【0437】
これにより、第2の表示素子が射出する光を、例えば、光学素子の光軸に向けて集光す
ることができる。または、第2の表示素子が射出する光を効率よく利用することができる
。または、発光素子に流す電流の密度を下げることができる。または、第2の表示素子の
面積を広くすることができる。または、発光素子の信頼性を高めることができる。例えば
、有機EL素子または発光ダイオードを発光素子に用いることができる。その結果、利便
性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。
【0438】
例えば、平凸レンズをレンズ580に用いることができる。
【0439】
《レンズ580》
平凸レンズまたは両凸レンズをレンズ580に用いることができる。
【0440】
光を透過する材料をレンズ580に用いることができる。または、1.3以上2.5以
下の屈折率を備える材料をレンズ580に用いることができる。例えば、無機材料または
有機材料をレンズ580に用いることができる。
【0441】
例えば、酸化物または硫化物を含む材料をレンズ580に用いることができる。
【0442】
具体的には、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化
ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、インジウムとスズを
含む酸化物またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物などを、レンズ580に用い
ることができる。または、硫化亜鉛などを、レンズ580に用いることができる。
【0443】
例えば、樹脂を含む材料をレンズ580に用いることができる。具体的には、塩素、臭
素またはヨウ素が導入された樹脂、重金属原子が導入された樹脂、芳香環が導入された樹
脂、硫黄が導入された樹脂などをレンズ580に用いることができる。または、樹脂と当
該樹脂より屈折率の高い材料のナノ粒子を含む材料をレンズ580に用いることができる
。酸化チタンまたは酸化ジルコニウムなどをナノ粒子に用いることができる。
【0444】
<表示装置の構成例.7>
本発明の一態様の表示装置の構成について、
図13を参照しながら説明する。
【0445】
図13は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図13(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、
図13(
B)は
図13(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0446】
本構成例で説明する表示装置の構成は、ゲスト・ホスト液晶モードを用いて駆動するこ
とができる液晶素子を第1の表示素子750(i,j)に用いる点及びボトムゲート型の
トランジスタを用いる点が異なる他は、
図11を参照しながら説明する表示装置700と
同様の構成を備える。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いる
ことができる部分について上記の説明を援用する。
【0447】
本実施の形態で説明する表示装置は、ゲスト・ホスト液晶モードを用いて駆動すること
ができる液晶素子を第1の表示素子750(i,j)に用いる。これにより、偏光板を用
いることなく反射型の表示装置を提供することができる。または、表示装置の表示を明る
くすることができる。
【0448】
《液晶材料を含む層753》
例えば、ネマチック液晶、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散
型液晶等を、液晶材料を含む層に用いることができる。または、コレステリック相等を示
す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができ
る。
【0449】
また、例えば、液晶材料を含む層753に二色性色素を含むことができる。なお、二色
性色素を含む液晶材料をゲスト・ホスト液晶という。
【0450】
具体的には、分子の長軸方向に大きな吸光度を備え、長軸方向と直交する短軸方向に小
さな吸光度を備える材料を、二色性色素に用いることができる。好ましくは、10以上の
二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができ、より好ましくは、20以上の二
色性比を備える材料を二色性色素に用いることができる。
【0451】
例えば、アゾ系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素等を、二色性色素に
用いることができる。
【0452】
また、ホモジニアス配向した二色性色素を含む二層の液晶層を、配向方向が互いに直交
するように重ねた構造を、液晶材料を含む層に用いることができる。これにより、全方位
について光を吸収しやすくすることができる。または、コントラストを高めることができ
る。
【0453】
また、相転移型ゲスト・ホスト液晶や、ゲスト・ホスト液晶を含む液滴を高分子に分散
した構造を、液晶材料を含む層753に用いることができる。
【0454】
<表示装置の構成例.8>
本発明の一態様の表示装置の構成について、
図14を参照しながら説明する。
【0455】
図14は、本発明の一態様の表示装置の構成を説明する図である。
図14(A)は
図1
0(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、
図14(
B)は
図14(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0456】
本構成例で説明する表示装置の構成は、レンズ580を備える点が異なる他は、
図13
を参照しながら説明する表示装置700と同様の構成を備える。
【0457】
<表示装置の動作例>
本発明の一態様の表示装置の動作について、
図24を参照しながら説明する。
【0458】
図24は、本発明の一態様の表示装置の動作を説明する図である。
図24(A)は
図1
1(A)に示す画素の一部の動作状態を説明する断面図であり、
図24(B)は
図24(
A)に示す動作状態とは異なる動作状態を説明する断面図である。また、
図24(C)は
図24(A)または
図24(B)に示す動作状態と異なる動作状態を説明する断面図であ
る。なお、第1の表示素子750(i,j)に外光が入射し反射する方向を、破線の矢印
を用いて図中に示す。また、第2の表示素子550(i,j)が光を射出する方向を、実
線の矢印を用いて図中に示す。
【0459】
《動作状態1.》
液晶材料を含む層753の厚さ方向に液晶材料LCが配向する動作状態を
図24(A)に
示す。例えば、配向膜を用いて液晶材料LCの配向を制御する。
【0460】
例えば、円偏光板、反射膜751B及びVA-IPSモードを利用する場合、電界を印
加しないこの動作状態において、暗い階調を表示することができる。言い換えると、ノー
マリーブラックの液晶表示素子の動作をすることができる。
【0461】
なお、図示しないが、例えば、反射膜751B及びゲスト・ホスト液晶モードを利用す
る場合、電界を印加しないこの動作状態において、明るい階調を表示することができる。
言い換えると、ノーマリーホワイトの液晶表示素子の動作をすることができる。
【0462】
《動作状態2.》
液晶材料を含む層753の厚さ方向に液晶材料LCを配向させながら、第2の表示素子5
50が光を射出する動作状態を
図24(B)に示す。なお、第2の表示素子550(i,
j)が射出する光は液晶材料を含む層753を透過することなく構造体KB1を透過する
。
【0463】
例えば、円偏光板、反射膜751B及びVA-IPSモードを利用する場合、電界を印
加しないこの動作状態の第1の表示素子750(i,j)に暗い階調を表示しながら、第
2の表示素子550を用いて表示をすることができる。これにより、高いコントラストで
画像を表示することができる。または、鮮やかな色彩で画像を表示することができる。
【0464】
《動作状態3.》
液晶材料を含む層753の厚さ方向と交差する方向に液晶材料LCが配向する動作状態を
図24(C)に示す。例えば、電界を用いて液晶材料LCの配向を制御する。
【0465】
例えば、円偏光板、反射膜751B及びVA-IPSモードを利用する場合、明るい階
調を表示することができる。
【0466】
なお、図示しないが、例えば、反射膜751B及びゲスト・ホスト液晶モードを利用す
る場合、偏光板を用いることなく暗い階調を表示することができる。
【0467】
なお、
図22及び
図24で示した櫛歯状の形状を備えた電極を設けることで、実施の形
態1で示したタッチセンサを、第1の表示素子に容易に組み込むことができる。
【0468】
また、ハイブリッド表示方法とは、同一画素又は同一サブ画素において複数の光を表示
し、文字又は/及び画像を表示する方法である。また、ハイブリッドディスプレイとは、
表示部に含まれる同一画素又は同一サブ画素において複数の光を表示し、文字又は/及び
画像を表示する集合体である。
【0469】
ハイブリッド表示方法の一例としては、同一画素又は同一サブ画素において、第1の光
と、第2の光の表示タイミングを異ならせて表示する方法がある。このとき、同一画素又
は同一サブ画素において、同一色調(赤、緑、又は青、もしくはシアン、マゼンタ、又は
イエローのいずれかの一)の第1の光及び第2の光を同時に表示し、表示部において文字
又は/及び画像を表示させることができる。
【0470】
また、ハイブリッド表示方法の一例としては、反射光と自発光とを同一画素又は同一サ
ブ画素で表示する方法がある。同一色調の反射光及び自発光(例えば、OEL光、LED
光等)を、同一画素又は同一サブ画素で、同時に表示させることができる。
【0471】
なお、ハイブリッド表示方法において、同一画素又は同一サブ画素ではなく、隣接する
画素又は隣接するサブ画素において、複数の光を表示してもよい。また、第1の光及び第
2の光を同時に表示するとは、人の目の感覚でちらつきを感知しない程度に第1の光及び
第2の光を同じ期間表示することをいい、人の目の感覚でちらつきを感知しなければ、第
1の光の表示期間と第2の光の表示期間がずれていてもよい。
【0472】
また、ハイブリッドディスプレイは、同一の画素又は同一のサブ画素において、複数の
表示素子を有し、同じ期間に複数の表示素子それぞれが表示する集合体である。また、ハ
イブリッドディスプレイは、同一の画素又は同一のサブ画素において、複数の表示素子と
、表示素子を駆動する能動素子とを有する。能動素子として、スイッチ、トランジスタ、
薄膜トランジスタ等がある。複数の表示素子それぞれに能動素子が接続されているため、
複数の表示素子それぞれの表示を個別に制御することができる。
【0473】
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。又は、他の実施の形態
において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定さ
れない。つまり、本実施の形態及び他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されて
いるため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様とし
て、表示装置に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。
場合によっては、又は、状況に応じて、本発明の一態様は、表示装置に適用しなくてもよ
い。例えば、本発明の一態様は、別の機能を有する半導体装置に適用してもよい。例えば
、本発明の一態様として、トランジスタのチャネル形成領域、ソースドレイン領域などが
、酸化物半導体を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。
場合によっては、又は、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、ト
ランジスタのチャネル形成領域、又は、トランジスタのソースドレイン領域などは、様々
な半導体を有していてもよい。場合によっては、又は、状況に応じて、本発明の一態様に
おける様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、又は、トランジスタのソ
ースドレイン領域などは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭
化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム
、又は、有機半導体などの少なくとも一つを有していてもよい。又は例えば、場合によっ
ては、又は、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタ
のチャネル形成領域、又は、トランジスタのソースドレイン領域などは、酸化物半導体を
有していなくてもよい。
【0474】
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み
合わせて用いることができる。
【0475】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、
図25及び
図26
を参照しながら説明する。
【0476】
図25及び
図26は、本発明の一態様の情報処理装置の構成を説明する図である。
図2
5(A)は情報処理装置のブロック図であり、
図25(B)乃至
図25(E)は情報処理
装置の構成を説明する斜視図である。また、
図26(A)乃至
図26(E)は情報処理装
置の構成を説明する斜視図である。
【0477】
<情報処理装置>
本実施の形態で説明する情報処理装置5200Bは、演算装置5210と、入出力装置
5220とを、有する(
図25(A)参照)。
【0478】
演算装置5210は、操作情報を供給される機能を備え、操作情報に基づいて画像情報
を供給する機能を備える。
【0479】
入出力装置5220は、表示部5230、入力部5240、検知部5250、通信部5
290、操作情報を供給する機能及び画像情報を供給される機能を備える。また、入出力
装置5220は、検知情報を供給する機能、通信情報を供給する機能及び通信情報を供給
される機能を備える。
【0480】
入力部5240は操作情報を供給する機能を備える。例えば、入力部5240は、情報
処理装置5200Bの使用者の操作に基づいて操作情報を供給する。
【0481】
具体的には、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセン
サ、音声入力装置、視線入力装置などを、入力部5240に用いることができる。
【0482】
表示部5230は表示装置及び画像情報を表示する機能を備える。例えば、実施の形態
1において説明する表示装置を表示部5230に用いることができる。
【0483】
検知部5250は検知情報を供給する機能を備える。例えば、情報処理装置が使用され
ている周辺の環境を検知して、検知情報として供給する機能を備える。
【0484】
具体的には、照度センサ、撮像装置、姿勢検出装置、圧力センサ、人感センサなどを検
知部5250に用いることができる。
【0485】
通信部5290は通信情報を供給される機能及び供給する機能を備える。例えば、無線
通信または有線通信により、他の電子機器または通信網と接続する機能を備える。具体的
には、無線構内通信、電話通信、近距離無線通信などの機能を備える。
【0486】
《情報処理装置の構成例1.》
例えば、円筒状の柱などに沿った外形を表示部5230に適用することができる(
図25
(B)参照)。また、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。また
、人の存在を検知して、表示内容を変更する機能を備える。これにより、例えば、建物の
柱に設置することができる。または、広告または案内等を表示することができる。または
、デジタル・サイネージ等に用いることができる。
【0487】
《情報処理装置の構成例2.》
例えば、使用者が使用するポインタの軌跡に基づいて画像情報を生成する機能を備える(
図25(C)参照)。具体的には、対角線の長さが20インチ以上、好ましくは40イン
チ以上、より好ましくは55インチ以上の表示装置を用いることができる。または、複数
の表示装置を並べて1つの表示領域に用いることができる。または、複数の表示装置を並
べてマルチスクリーンに用いることができる。これにより、例えば、電子黒板、電子掲示
板、電子看板等に用いることができる。
【0488】
《情報処理装置の構成例3.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図25(D)参照
)。これにより、例えば、スマートウオッチの消費電力を低減することができる。または
、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をス
マートウオッチに表示することができる。
【0489】
《情報処理装置の構成例4.》
表示部5230は、例えば、筐体の側面に沿って緩やかに曲がる曲面を備える(
図25(
E)参照)。または、表示部5230は表示装置を備え、表示装置は、例えば、前面、側
面及び上面に表示する機能を備える。これにより、例えば、携帯電話の前面だけでなく、
側面及び上面に画像情報を表示することができる。
【0490】
《情報処理装置の構成例5.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図26(A)参照
)。これにより、スマートフォンの消費電力を低減することができる。または、例えば、
晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートフォ
ンに表示することができる。
【0491】
《情報処理装置の構成例6.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図26(B)参照
)。これにより、晴天の日に屋内に差し込む強い外光が当たっても好適に使用できるよう
に、映像をテレビジョンシステムに表示することができる。
【0492】
《情報処理装置の構成例7.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図26(C)参照
)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるよ
うに、画像をタブレットコンピュータに表示することができる。
【0493】
《情報処理装置の構成例8.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図26(D)参照
)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に閲覧できるよ
うに、被写体をデジタルカメラに表示することができる。
【0494】
《情報処理装置の構成例9.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図26(E)参照
)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるよ
うに、画像をパーソナルコンピュータに表示することができる。
【0495】
(実施の形態4)
〔トランジスタ〕
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として
機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する
絶縁層と、を有する。
図13では、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示
している。
【0496】
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例
えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよい
し、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型
のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルの上下にゲート電極が設けら
れていてもよい。
【0497】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、
結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領
域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トラン
ジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0498】
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、
好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることが
できる。代表的には、インジウムを含む金属酸化物などであり、例えば、後述するCAC
-OSなどを用いることができる。
【0499】
シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい金属酸化物を用いた
トランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に
蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
【0500】
半導体層は、例えばインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲル
マニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジム又はハフ
ニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0501】
半導体層を構成する金属酸化物がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化
物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M
、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の
原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In
:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.
1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:
1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタ
リングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0502】
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるた
め好ましい。またこのとき金属酸化物を用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成
でき、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を
用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積
のガラス基板などを好適に用いることができる。
【0503】
半導体層としては、キャリア密度の低い金属酸化物膜を用いる。例えば、半導体層は、
キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さら
に好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さ
らに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上の金属酸化
物を用いることができる。そのような金属酸化物を、高純度真性又は実質的に高純度真性
な金属酸化物と呼ぶ。これにより不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特
性を有する金属酸化物であるといえる。
【0504】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効
果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とす
るトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥
密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好まし
い。
【0505】
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が
含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体
層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×
1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とす
る。
【0506】
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成
する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体
層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃
度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm
3以下にする。
【0507】
また、半導体層を構成する金属酸化物に窒素が含まれていると、キャリアである電子が
生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化
物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における
二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下
にすることが好ましい。
【0508】
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配
向した結晶を有するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystall
ine Oxide Semiconductor、又は、C-Axis Aligne
d and A-B-plane Anchored Crystalline Oxi
de Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、又は非晶質構造を含む
。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も
欠陥準位密度が低い。
【0509】
非晶質構造の金属酸化物膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない
。又は、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない
。
【0510】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAA
C-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混
合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、又は積層
構造を有する場合がある。
【0511】
<CAC-OSの構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(C
loud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0512】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属
の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む
)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)な
どに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸
化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合におい
ては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0513】
本明細書において、金属酸化物が、導電体の機能を有する領域と、誘電体の機能を有す
る領域とが混合し、金属酸化物全体では半導体として機能する場合、CAC(Cloud
-Aligned Composite)-OS(Oxide Semiconduct
or)、又はCAC-metal oxideと定義する。
【0514】
つまり、CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上
10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで偏在し
た材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上
の元素が偏在し、該元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0
.5nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッ
チ状ともいう。
【0515】
特定の元素が偏在した領域は、該元素が有する性質により、物理特性が決定する。例え
ば、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、絶縁体となる傾向がある元素が偏在した
領域は、誘電体領域となる。一方、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、導体とな
る傾向がある元素が偏在した領域は、導電体領域となる。また、導電体領域、及び誘電体
領域がモザイク状に混合することで、材料としては、半導体として機能する。
【0516】
つまり、本発明の一態様における金属酸化物は、物理特性が異なる材料が混合した、マ
トリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材
(metal matrix composite)の一種である。
【0517】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム
及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、元素M(Mは、ガリウム、アル
ミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄
、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム
、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は
複数種)が含まれていてもよい。
【0518】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-
Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化
物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸
化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)と
する。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。
)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は
0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モ
ザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以
下、クラウド状ともいう。)である。
【0519】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2
、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体
である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比
が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第
2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0520】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場
合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1
+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表さ
れる結晶性の化合物が挙げられる。
【0521】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、
CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面において
は配向せずに連結した結晶構造である。
【0522】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、
Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状領域
が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、それぞれモザイク状
にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次
的な要素である。
【0523】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする
。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含
まない。
【0524】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が
主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0525】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バ
ナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデ
ン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネ
シウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に
該元素を主成分とするナノ粒子状領域が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状
領域が観察され、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0526】
<CAC-OSの解析>
続いて、各種測定方法を用い、基板上に成膜した酸化物半導体について測定を行った結
果について説明する。
【0527】
≪試料の構成と作製方法≫
以下では、本発明の一態様に係る9個の試料について説明する。各試料は、それぞれ、
酸化物半導体を成膜する際の基板温度、及び酸素ガス流量比を異なる条件で作製する。な
お、試料は、基板と、基板上の酸化物半導体と、を有する構造である。
【0528】
各試料の作製方法について、説明する。
【0529】
まず、基板として、ガラス基板を用いる。続いて、スパッタリング装置を用いて、ガラ
ス基板上に酸化物半導体として、厚さ100nmのIn-Ga-Zn酸化物を形成する。
成膜条件は、チャンバー内の圧力を0.6Paとし、ターゲットには、酸化物ターゲット
(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いる。また、スパッタリング装
置内に設置された酸化物ターゲットに2500WのAC電力を供給する。
【0530】
なお、酸化物を成膜する際の条件として、基板温度を、意図的に加熱しない温度(以下
、室温又はR.T.ともいう。)、130℃、又は170℃とした。また、Arと酸素の
混合ガスに対する酸素ガスの流量比(以下、酸素ガス流量比ともいう。)を、10%、3
0%、又は100%とすることで、9個の試料を作製する。
【0531】
≪X線回折による解析≫
本項目では、9個の試料に対し、X線回折(XRD:X-ray diffracti
on)測定を行った結果について説明する。なお、XRD装置として、Bruker社製
D8 ADVANCEを用いた。また、条件は、Out-of-plane法によるθ/
2θ走査にて、走査範囲を15deg.乃至50deg.、ステップ幅を0.02deg
.、走査速度を3.0deg./分とした。
【0532】
図27にOut-of-plane法を用いてXRDスペクトルを測定した結果を示す
。なお、
図27において、上段には成膜時の基板温度条件が170℃の試料における測定
結果、中段には成膜時の基板温度条件が130℃の試料における測定結果、下段には成膜
時の基板温度条件がR.T.の試料における測定結果を示す。また、左側の列には酸素ガ
ス流量比の条件が10%の試料における測定結果、中央の列には酸素ガス流量比の条件が
30%の試料における測定結果、右側の列には酸素ガス流量比の条件が100%の試料に
おける測定結果、を示す。
【0533】
図27に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度を高くする、又は、成膜時の酸素
ガス流量比の割合を大きくすることで、2θ=31°付近のピーク強度が高くなる。なお
、2θ=31°付近のピークは、被形成面又は上面に略垂直方向に対してc軸に配向した
結晶性IGZO化合物(CAAC(c-axis aligned crystalli
ne)-IGZOともいう。)であることに由来することが分かっている。
【0534】
また、
図27に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度が低い、又は、酸素ガス流
量比が小さいほど、明確なピークが現れなかった。従って、成膜時の基板温度が低い、又
は、酸素ガス流量比が小さい試料は、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見
られないことが分かる。
【0535】
≪電子顕微鏡による解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した試料を
、HAADF(High-Angle Annular Dark Field)-ST
EM(Scanning Transmission Electron Micros
cope)によって観察、及び解析した結果について説明する(以下、HAADF-ST
EMによって取得した像は、TEM像ともいう。)。
【0536】
HAADF-STEMによって取得した平面像(以下、平面TEM像ともいう。)、及
び断面像(以下、断面TEM像ともいう。)の画像解析を行った結果について説明する。
なお、TEM像は、球面収差補正機能を用いて観察した。なお、HAADF-STEM像
の撮影には、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM-ARM200Fを用
いて、加速電圧200kV、ビーム径約0.1nmφの電子線を照射して行った。
【0537】
図28(A)は、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した試
料の平面TEM像である。
図28(B)は、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流
量比10%で作製した試料の断面TEM像である。
【0538】
≪電子線回折パターンの解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した試料に
、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで、電子
線回折パターンを取得した結果について説明する。
【0539】
図28(A)に示す、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製し
た試料の平面TEM像において、黒点a1、黒点a2、黒点a3、黒点a4、及び黒点a
5で示す電子線回折パターンを観察する。なお、電子線回折パターンの観察は、電子線を
照射しながら0秒の位置から35秒の位置まで一定の速度で移動させながら行う。黒点a
1の結果を
図28(C)、黒点a2の結果を
図28(D)、黒点a3の結果を
図28(E
)、黒点a4の結果を
図28(F)、及び黒点a5の結果を
図28(G)に示す。
【0540】
図28(C)、
図28(D)、
図28(E)、
図28(F)、及び
図28(G)より、
円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複
数のスポットが観測できる。
【0541】
また、
図28(B)に示す、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で
作製した試料の断面TEM像において、黒点b1、黒点b2、黒点b3、黒点b4、及び
黒点b5で示す電子線回折パターンを観察する。黒点b1の結果を
図28(H)、黒点b
2の結果を
図28(I)、黒点b3の結果を
図28(J)、黒点b4の結果を
図28(K
)、及び黒点b5の結果を
図28(L)に示す。
【0542】
図28(H)、
図28(I)、
図28(J)、
図28(K)、及び
図28(L)より、
リング状に輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測
できる。
【0543】
ここで、例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC-OSに対し、試料面に平
行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、InGaZnO4の結晶の(00
9)面に起因するスポットが含まれる回折パターンが見られる。つまり、CAAC-OS
は、c軸配向性を有し、c軸が被形成面又は上面に略垂直な方向を向いていることがわか
る。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させ
ると、リング状の回折パターンが確認される。つまり、CAAC-OSは、a軸及びb軸
は配向性を有さないことがわかる。
【0544】
また、微結晶を有する酸化物半導体(nano crystalline oxide
semiconductor。以下、nc-OSという。)に対し、大きいプローブ径
(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折を行うと、ハローパターンのような
回折パターンが観測される。また、nc-OSに対し、小さいプローブ径の電子線(例え
ば50nm未満)を用いるナノビーム電子線回折を行うと、輝点(スポット)が観測され
る。また、nc-OSに対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状
に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域に複数の輝点が観
測される場合がある。
【0545】
成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した試料の電子線回折パ
ターンは、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点を有する。従って、
成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した試料は、電子線回折パ
ターンが、nc-OSになり、平面方向、及び断面方向において、配向性は有さない。
【0546】
以上より、成膜時の基板温度が低い、又は、酸素ガス流量比が小さい酸化物半導体は、
アモルファス構造の酸化物半導体膜とも、単結晶構造の酸化物半導体膜とも明確に異なる
性質を有すると推定できる。
【0547】
≪元素分析≫
本項目では、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersi
ve X-ray spectroscopy)を用い、EDXマッピングを取得し、評
価することによって、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した
試料の元素分析を行った結果について説明する。なお、EDX測定には、元素分析装置と
して日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分析装置JED-2300Tを用いる。な
お、試料から放出されたX線の検出にはSiドリフト検出器を用いる。
【0548】
EDX測定では、試料の分析対象領域の各点に電子線照射を行い、これにより発生する
試料の特性X線のエネルギーと発生回数を測定し、各点に対応するEDXスペクトルを得
る。本実施の形態では、各点のEDXスペクトルのピークを、In原子のL殻への電子遷
移、Ga原子のK殻への電子遷移、Zn原子のK殻への電子遷移及びO原子のK殻への電
子遷移に帰属させ、各点におけるそれぞれの原子の比率を算出する。これを試料の分析対
象領域について行うことにより、各原子の比率の分布が示されたEDXマッピングを得る
ことができる。
【0549】
図29には、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製した試料の
断面におけるEDXマッピングを示す。
図29(A)は、Ga原子のEDXマッピング(
全原子に対するGa原子の比率は1.18乃至18.64[atomic%]の範囲とす
る。)である。
図29(B)は、In原子のEDXマッピング(全原子に対するIn原子
の比率は9.28乃至33.74[atomic%]の範囲とする。)である。
図29(
C)は、Zn原子のEDXマッピング(全原子に対するZn原子の比率は6.69乃至2
4.99[atomic%]の範囲とする。)である。また、
図29(A)、
図29(B
)、及び
図29(C)は、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で作製
した試料の断面において、同範囲の領域を示している。なお、EDXマッピングは、範囲
における、測定元素が多いほど明るくなり、測定元素が少ないほど暗くなるように、明暗
で元素の割合を示している。また、
図29に示すEDXマッピングの倍率は720万倍で
ある。
【0550】
図29(A)、
図29(B)、及び
図29(C)に示すEDXマッピングでは、画像に
相対的な明暗の分布が見られ、成膜時の基板温度R.T.、及び酸素ガス流量比10%で
作製した試料において、各原子が分布を持って存在している様子が確認できる。ここで、
図29(A)、
図29(B)、及び
図29(C)に示す実線で囲む範囲と破線で囲む範囲
に注目する。
【0551】
図29(A)では、実線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含み、破線で囲む範囲
は、相対的に明るい領域を多く含む。また、
図29(B)では実線で囲む範囲は、相対的
に明るい領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含む。
【0552】
つまり、実線で囲む範囲はIn原子が相対的に多い領域であり、破線で囲む範囲はIn
原子が相対的に少ない領域である。ここで、
図29(C)では、実線で囲む範囲において
、右側は相対的に明るい領域であり、左側は相対的に暗い領域である。従って、実線で囲
む範囲は、In
X2Zn
Y2O
Z2、又はInO
X1などが主成分である領域である。
【0553】
また、実線で囲む範囲はGa原子が相対的に少ない領域であり、破線で囲む範囲はGa
原子が相対的に多い領域である。
図29(C)では、破線で囲む範囲において、左上の領
域は、相対的に明るい領域であり、右下側の領域は、相対的に暗い領域である。従って、
破線で囲む範囲は、GaO
X3、又はGa
X4Zn
Y4O
Z4などが主成分である領域で
ある。
【0554】
また、
図29(A)、
図29(B)、及び
図29(C)より、In原子の分布は、Ga
原子よりも、比較的、均一に分布しており、InO
X1が主成分である領域は、In
X2
Zn
Y2O
Z2が主成分となる領域を介して、互いに繋がって形成されているように見え
る。このように、In
X2Zn
Y2O
Z2、又はInO
X1が主成分である領域は、クラ
ウド状に広がって形成されている。
【0555】
このように、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はI
nOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有するIn-Ga-Zn
酸化物を、CAC-OSと呼称することができる。
【0556】
また、CAC-OSにおける結晶構造は、nc構造を有する。CAC-OSが有するn
c構造は、電子線回折像において、単結晶、多結晶、又はCAAC構造を含むIGZOに
起因する輝点(スポット)以外にも、数か所以上の輝点(スポット)を有する。又は、数
か所以上の輝点(スポット)に加え、リング状に輝度の高い領域が現れるとして結晶構造
が定義される。
【0557】
また、
図29(A)、
図29(B)、及び
図29(C)より、GaO
X3などが主成分
である領域、及びIn
X2Zn
Y2O
Z2、又はInO
X1が主成分である領域のサイズ
は、0.5nm以上10nm以下、又は1nm以上3nm以下で観察される。なお、好ま
しくは、EDXマッピングにおいて、各元素が主成分である領域の径は、1nm以上2n
m以下とする。
【0558】
以上より、CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造
であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3な
どが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域
と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0559】
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3
などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY
2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物
半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が
主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動
度(μ)が実現できる。
【0560】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX
1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが
主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なス
イッチング動作を実現できる。
【0561】
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と
、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用するこ
とにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することがで
きる。
【0562】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、
ディスプレイをはじめとする様々な半導体装置に最適である。
【0563】
また、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタは電界効果移動度が高く、且つ駆
動能力が高いので、該トランジスタを、駆動回路、代表的にはゲート信号を生成するゲー
ト線駆動回路に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供すること
ができる。また、該トランジスタを、表示装置が有する信号線からの信号の供給を行う信
号線駆動回路(特に、信号線駆動回路が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデ
マルチプレクサ)に用いることで、表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供
することができる。
【0564】
また、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタは低温ポリシリコンを用いたトラ
ンジスタのように、レーザ結晶化工程が不要である。このため、大面積基板を用いた表示
装置であっても、製造コストを低減することが可能である。さらに、ウルトラハイビジョ
ン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」)、スーパーハイビジョン(「8K解像度
」、「8K4K」、「8K」)のよう高解像度であり、且つ大型の表示装置において、半
導体層にCAC-OSを有するトランジスタを駆動回路及び表示部に用いることで、短時
間での書き込みが可能であり、表示不良を低減することが可能であり好ましい。
【0565】
又は、トランジスタのチャネルが形成される半導体にシリコンを用いてもよい。シリコ
ンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いる
ことが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用い
ることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、
且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
【0566】
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるた
め好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも
低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐
熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例え
ば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、トップゲート型
のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを
低減することができるため好ましい。このとき、特に、多結晶シリコンや単結晶シリコン
などを用いる場合に適している。
【0567】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0568】
ACF1 導電材料
ADD 配線
AF1 配向膜
AF2 配向膜
ANO 配線
BM 遮光膜
C11 容量素子
C12 容量素子
CF1 着色膜
COM 配線
COM-Rx 配線
COM-Tx 配線
CSCOM 配線
CTRL 配線
G1 走査線
G2 走査線
GVSS 配線
KB1 構造体
L1 可視光
L2 光
ND1 配線
ND2 配線
ND3 配線
R1 矢印
S1 信号線
S2 信号線
SD1 駆動回路
SD2 駆動回路
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
V11 情報
V12 情報
VCOM1 配線
VCOM2 導電層
10 表示装置
11 基板
12 基板
13 FPC
14 導電層
20 液晶素子
21 導電層
21a 導電層
21b 導電層
22 導電層
22a 導電層
22b 導電層
22c 導電層
23 液晶
24 絶縁層
31 着色膜
61 ゲートドライバ
61a デコーダ
61b 選択回路
61c シフトレジスタ
61d スイッチ
61e スイッチ
61f スイッチ
61g バッファ
61h スイッチ
62 レシーバ回路
63 タッチセンサ
64 画素
64a 選択トランジスタ
64b 容量素子
64c 液晶表示素子
64d コンタクト
64e コンタクト
64f コモン電極
64g コンタクト
64h 配線
65 走査線
66 信号線
67 容量素子
68 画素電極
200 液晶表示装置
201 表示部
202 ゲート線駆動回路
203 画素
231 表示領域
305a 接続部
307a 液晶素子
307b 液晶素子
311 基板
312 絶縁層
313 絶縁層
315 絶縁層
317 絶縁層
319 絶縁層
331 導電層
333 導電層
335 導電層
341 着色膜
343 遮光膜
345 絶縁層
347 スペーサ
349 液晶
351 導電層
352 導電層
352a 配線
353 絶縁層
361 基板
365 接着層
367 接続体
368 IC
369 FPC
370a トランジスタ
372 ポリシリコン膜
373 導電層
374a 導電層
374b 導電層
380a トランジスタ
501B 絶縁膜
501C 絶縁膜
504 導電層
505 接合層
506 絶縁膜
508 半導体膜
511B 導電層
512A 導電層
512B 導電層
516 絶縁膜
518 絶縁膜
518A 絶縁膜
518A1 絶縁膜
518A2 絶縁膜
518B 絶縁膜
519B 端子
520 機能層
521 絶縁膜
521A 絶縁膜
521B 絶縁膜
521C 絶縁膜
522 接続部
524 導電層
528 絶縁膜
530 画素回路
550 表示素子
551 電極
552 電極
553 発光性の材料を含む層
560 光学素子
560A 領域
560B 領域
560C 領域
565 被覆膜
570 基板
580 レンズ
591A 開口部
592B 開口部
700 表示装置
700B 表示装置
702 画素
703 画素
705 封止材
720 機能層
750 表示素子
751 第1の電極
751A 導電層
751B 反射膜
751C 導電層
751H 領域
752 第2の電極
753 液晶材料を含む層
770 基板
770D 機能膜
770P 機能膜
770PA 機能膜
770PB 機能膜
771 絶縁膜
771A 絶縁膜
771B 絶縁膜
5200B 情報処理装置
5210 演算装置
5220 入出力装置
5230 表示部
5240 入力部
5250 検知部
5290 通信部