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特開2024-133539インプラントとして使用するための装填可能な多孔質構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133539
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】インプラントとして使用するための装填可能な多孔質構造
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/00 20060101AFI20240925BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240925BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 27/16 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 27/54 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 27/56 20060101ALI20240925BHJP
   A61L 27/58 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240925BHJP
【FI】
A61K9/00
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/34
A61K47/40
A61L27/16
A61L27/18
A61L27/54
A61L27/56
A61L27/58
A61K47/36
A61K47/42
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024104022
(22)【出願日】2024-06-27
(62)【分割の表示】P 2020572459の分割
【原出願日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】62/689,733
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502197932
【氏名又は名称】タイタン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシュ エー.パテル
(57)【要約】
【課題】医薬物質を充填し、長期間にわたって医薬物質を放出するように患者に移植することができる事前形成された細孔を有する構造、ならびにそのような構造を製造及び使用する方法を提供すること。
【解決手段】事前形成された細孔を有する構造である、装填可能な多孔質構造は開示されている。装填可能な多孔質構造には、医薬物質及び任意成分の賦形剤が装填されうる。次に、装填された多孔質構造をインプラントとして使用して、長期間にわたって医薬物質を放出するように患者に移植することができる。そのような構造及びインプラントを製造及び使用する方法も開示されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性マトリックス材料とポロゲンとの混合物を押出して、マトリックス材料-ポロゲン押出物を形成すること、及び、
前記押出物から前記ポロゲンを除去して、装填可能な多孔質構造を形成すること
を含む、装填可能な多孔質構造を製造する方法。
【請求項2】
前記マトリックス材料はポリマーである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマーは非生分解性ポリマーである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記マトリックス材料は、アクリル、アガロース、アルギネート、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸) 、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、ポリスチレン、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)(EVA)、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン及び前述の任意の2つ以上の任意の組み合わせ又は混合物からなる群より選ばれる材料を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記マトリックス材料はエチレン酢酸ビニル(EVA)である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ポロゲンは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、固体有機酸、クエン酸、可溶性ポリマー及び低分子量ポリビニルピロリドン(低MW PVP)からなる群より選ばれる材料を含む、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ポロゲンはエチルセルロース又はメチルセルロースを含む、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記押出物から前記ポロゲンを除去することは、前記ポロゲンを除去する流体で前記押出物を処理することを含む、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記押出物を前記流体で処理することは、前記押出物を前記流体で洗浄すること、又は前記押出物を前記流体中に浸漬することを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記流体は、水、塩類溶液、水性緩衝液、アルコール、エタノール、イソプロパノール又は超臨界二酸化炭素を含む、請求項8又は請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記流体にアクセス可能なポロゲンの少なくとも約50%は前記押出物から除去される、請求項1~10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記ポロゲンは医薬活性物質又は薬物ではない、請求項1~11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項記載の方法によって製造される、装填可能な多孔質構造。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項記載の方法により、装填可能な多孔質構造を形成すること、
前記装填可能な多孔質構造の細孔にペイロード溶液を装填すること、ここで、前記ペイロード溶液は、溶媒、医薬物質及び任意成分の賦形剤を含む、及び、
前記装填可能な多孔質構造から前記溶媒を除去して、装填された多孔質構造を形成すること、
を含む、装填された多孔質構造を製造する方法。
【請求項15】
前記装填された多孔質構造が所定量の医薬物質及び任意成分の賦形剤を含むまで、装填及び除去の工程を繰り返すことをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記医薬物質は、タンパク質及び核酸からなる群より選ばれる物質を含む、請求項14又は請求項15記載の方法。
【請求項17】
任意成分の賦形剤は、糖アルコール、マンニトール、グリセロール、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、ソルビトール、ボレミトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、生分解性ポリマー又はポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)を含む、請求項14~16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
請求項14~17の方法のいずれか1項記載の方法によって製造される、装填された多孔質構造。
【請求項19】
生体適合性マトリックス材料とポロゲンとの混合物を押出して、マトリックス材料-ポロゲン押出物を形成すること、及び、
前記押出物から前記ポロゲンを除去して、装填可能な多孔質構造を形成すること
を含む方法によって調製される、装填可能な多孔質構造。
【請求項20】
請求項19記載の装填可能な多孔質構造、及び、
前記装填可能な多孔質構造の細孔中に装填された医薬物質、
を含む、装填された多孔質構造。
【請求項21】
前記装填可能な多孔質構造の細孔中に装填する前に、前記医薬物質は前記賦形剤と組み合わされる、請求項20記載の装填された多孔質構造。
【請求項22】
前記マトリックス材料はポリマーである、請求項19記載の装填可能な多孔質構造。
【請求項23】
前記マトリックス材料はポリマーである、請求項20又は請求項21記載の装填された多孔質構造。
【請求項24】
前記ポリマーは非生分解性ポリマーである、請求項22記載の装填可能な多孔質構造又は請求項23記載の装填された多孔質構造。
【請求項25】
前記マトリックス材料は、アクリル、アガロース、アルギネート、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸) 、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、ポリスチレン、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)(EVA)、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン及び前述の任意の2つ以上の任意の組み合わせ又は混合物からなる群より選ばれる、請求項22記載の装填可能な多孔質構造又は請求項23記載の装填された多孔質構造。
【請求項26】
前記マトリックス材料はエチレン酢酸ビニル(EVA)である、請求項22記載の装填可能な多孔質構造。
【請求項27】
前記ポロゲンは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、固体有機酸、クエン酸、可溶性ポリマー及び低分子量ポリビニルピロリドン(低MW PVP)からなる群より選ばれる材料を含む、請求項19、22又は24~26のいずれか1項記載の装填可能な多孔質構造。
【請求項28】
前記ポロゲンは医薬活性物質又は薬物ではない、請求項19、22又は24~26のいずれか1項記載の装填可能な多孔質構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は、2018年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/689,733号の優先権を主張する。その出願の全内容を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
技術分野
医薬物質を充填し、長期間にわたって医薬物質を放出するように患者に移植することができる事前形成された細孔を有する構造、ならびにそのような構造を製造及び使用する方法は提供される。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
多くの患者は、薬物又は医薬物質の長期的かつ規則的な投与を必要とする。経口摂取又は頻繁な投与を必要とする他の経路による薬物の長期投与中に、幾つかの問題が発生する可能性がある。長期投薬計画の順守は、しばしば不便又は困難である可能性がある。例えば、認知機能が損なわれている患者(アルツハイマー病又はその他の障害のために)は、薬物を確実に自己投与できない可能性があり、介護者は薬が適切に服用されていることを確認する必要がある。さらに、経腸ドラッグデリバリーは、時に、特定の適応症の患者では忍容性が低いか又は禁止されている。毎日の経口及び舌下デリバリーで発生するような頻繁又は周期的な投与は、薬物の血中濃度が初期投与後すぐにピークに達し、次の投与の前に急激に低下することがある。静脈内ドラッグデリバリーは、投与のために訓練された人員を必要とし、長期の外来治療には実用的でない。
【0004】
ドラッグデリバリーに使用されるインプラントは、薬物の経口、舌下又は静脈内投与に関する幾つかの問題を克服することができる。これらのインプラント可能なデバイスは、薬物の長期的かつ継続的なデリバリーをもたらし、患者に依存しないコンプライアンスを確保し、薬物の安定した血中濃度を維持し、偶発的な使用、乱用又は販売の転用の可能性を減らす。ポリマーマトリックス中にカプセル化された化合物を含むデバイスの移植を介して、長期間にわたるインビボでの化合物の連続放出を達成することができる。連続的な薬物放出のためのインプラント可能なポリマーデバイスの例は、例えば、米国特許第4,883,666号、同第5,114,719号及び同第5,601,835号明細書に記載されている。Patelらの米国特許第7,736,665号、米国特許出願公開第2004/0033250号、同第2007/0275031号及び同第2008/0026031号明細書、ならびにKleppnerらの2006 J.Pharm. Pharmacol. 58:295~302は、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)とブレンドされたブプレノルフィンを含むインプラント可能なデバイスを記載している。Patelらの米国特許出願公開第2005/0031668号明細書は、ナルメフェンの持続放出のためのインプラント可能なポリマーデバイスを記載している。Patelらの米国特許出願公開第2005/0031667号明細書は、ドーパミンアゴニストの持続放出のためのインプラント可能なポリマーデバイスを記載している。追加のドラッグデリバリーデバイスとしては、薬物を含む組成物でコーティングされたステントが挙げられる。様々なデバイス及びコーティングは、Harishの米国特許第6,506,437号明細書、Claudeの米国特許第7,364,748号明細書及びHossainyの米国特許第7,384,660号明細書に記載されている。米国特許第3,625,214号明細書は、スパイラル又は「ゼリーロール」様式で製造された、長期ドラッグデリバリーのためのドラッグデリバリーデバイスを記載している。米国特許第3,926,188号明細書は、薬物放出速度制御性ポリマーから作られた外層の間に挿入された、ポリマーマトリックス中に分散された低水溶性の結晶性薬物のコア層を含む三層ラミネート薬物ディスペンサーを記載している。米国特許第5,683,719号明細書は、活性材料及び賦形剤の押出コアを含み、該コアが水不溶性コーティングでコーティングされている制御放出性組成物を記載している。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、多種多様な用途での使用に適した装填可能なインプラントを記載している。
【0006】
発明の簡単な要約
本明細書に開示されるのは、生体適合性マトリックス材料とポロゲンとの混合物を押し出してマトリックス材料-ポロゲン押出物を形成すること、及び、該押出物からポロゲンを除去して、装填可能な多孔質構造を形成することを含む、装填可能な多孔質構造を製造する方法である。マトリックス材料は、非生分解性ポリマーなどのポリマーを含むことができる。マトリックス材料は、アクリル、アガロース、アルギネート、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸) 、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、ポリスチレン、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)(EVA)、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン及び前述の任意の2つ以上の任意の組み合わせ又は混合物からなる群より選ばれることができる。マトリックス材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)であることができる。
【0007】
ポロゲンは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、固体有機酸、クエン酸、可溶性ポリマー及び低分子量ポリビニルピロリドン(低MW PVP)からなる群より選ばれる材料を含むことができる。ポロゲンは、エチルセルロース又はメチルセルロースを含むことができる。
【0008】
押出物からポロゲンを除去することは、押出物を流体で洗浄するか又は押出物を流体中に浸漬することなどによって、ポロゲンを除去する流体で押出物を処理することを含むことができる。流体は、水、塩類溶液、水性緩衝液、アルコール、エタノール、イソプロパノール又は超臨界二酸化炭素を含むことができる。幾つかの実施形態において、流体にアクセス可能なポロゲンの少なくとも約50%は押出物から除去される。幾つかの実施形態において、ポロゲンは、医薬活性物質又は薬物ではない。
【0009】
本開示はまた、上記の方法など、本明細書に開示される方法のいずれかによって作製される、装填可能な多孔質構造を提供する。
【0010】
本開示はまた、上記の方法など、本明細書に開示される任意の方法によって装填可能な多孔質構造を形成すること、ペイロード溶液を装填可能な多孔質構造の細孔中に装填すること、ここで、ペイロード溶液は、溶媒、医薬物質及び任意成分の賦形剤を含む、及び、装填可能な多孔質構造から溶媒を除去して、装填された多孔質構造を形成することを含む。装填及び除去の工程は、装填された多孔質構造が所定量の医薬物質及び任意成分の賦形剤を含むまで繰り返すことができる。医薬物質は、タンパク質及び核酸からなる群より選ばれる物質を含むことができる。任意成分の賦形剤は、糖アルコール、マンニトール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、ソルビトール、ボレミトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、生分解性ポリマー又はポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)を含むことができる。
【0011】
本開示はまた、上記の方法などの本明細書に開示される方法のいずれかによって作製される、装填された多孔質構造を提供する。
【0012】
本開示はまた、装填可能な多孔質構造を提供し、ここで、該構造は、生体適合性マトリックス材料とポロゲンとの混合物を押出してマトリックス材料-ポロゲン押出物を形成すること、及び、前記押出物からポロゲンを除去して、装填可能な多孔質構造を形成することを含む方法によって調製される。医薬物質を装填可能な多孔質構造の細孔中に装填して、装填された多孔質構造を形成することができる。医薬物質は、場合により、装填可能な多孔質構造の細孔中に装填する前に、賦形剤と組み合わられる。
【0013】
装填可能な多孔質構造又は装填された多孔質構造のマトリックス材料はポリマーであることができる。装填可能な多孔質構造又は装填された多孔質構造のマトリックス材料は、非生分解性ポリマーであることができる。マトリックス材料は、アクリル、アガロース、アルギネート、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸)、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、ポリスチレン、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(エチレン-コ-ビニルアセテート)(EVA)、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン及び前述の任意の2つ以上の任意の組み合わせ又は混合物からなる群より選ばれることができる。マトリックス材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)であることができる。
【0014】
装填可能な多孔質構造で使用されるポロゲンは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、固体有機酸、クエン酸、可溶性ポリマー及び低分子量ポリビニルピロリドン(低MW PVP)からなる群より選ばれる材料を含むことができる。実施形態において、ポロゲンは、医薬活性物質又は薬物ではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面の簡単な説明
図1図1は、インプラントを製造する方法を概説するフローチャートを示している。
【0016】
図2図2は、ポロゲン物質を含むマトリックスを含む構造を示している。
【0017】
図3図3は、ほとんどのポロゲン物質を除去した後の図2の構造を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
定義及び一般的な説明
「薬物」と「医薬物質」は同等の用語であり、互換的に使用され、治療、診断又は栄養学的使用で、それを必要とする患者、個人又は対象における使用を目的としたあらゆる物質を包含する。「薬物」及び「医薬物質」としては、限定するわけではないが、診断剤、治療剤、ホルモン、栄養素、ビタミン及びミネラルが挙げられる。
【0019】
「ポロゲン」、「ポロゲン材料」又は「ポロゲン物質」は同等の用語であり、第二の材料中に埋め込まれている、又は混合されている第一の材料であって、第二の材料から除去することができる(例えば、溶解、拡散又は分解による)第一の材料を指す。ポロゲンを除去すると、第二の材料中での細孔の作製がもたらされる。
【0020】
「生体適合性」は、材料又はシステムを記載するために使用されるときに、ヒトなどの生物と接触したときに、材料又はシステムが有害反応を引き起こさないか、又は、最小限の許容できる有害作用しか引き起こさないことを示す。
【0021】
「患者」、「個人」又は「対象」とは、哺乳動物、好ましくはヒト、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの農業動物、又は、イヌ又はネコなどの家畜を指す。好ましい実施形態において、患者、個人又は対象はヒトである。
【0022】
本明細書に開示されるインプラント及び方法による疾患又は障害の「治療」は、本明細書に開示される1つ以上のインプラントを、それを必要とする患者に、追加の薬剤とともに又はそれを伴わずに、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状を低減し又は無くし、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の進行を遅らせ、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の重症度を低減又は排除するために、投与することとして定義される。本明細書に開示されるインプラント及び方法による疾患又は障害の「抑制」は、本明細書に開示される1つ以上のインプラントを、それを必要とする患者に、追加の薬剤とともに又はそれを伴わずに、疾患又は障害の臨床兆候を阻害し、又は、疾患又は障害の有害な症状の発現を阻害するために、投与することとして定義される。治療と抑制の違いは、治療は疾患又は障害の有害な症状が患者に現れた後に行われるのに対し、抑制は疾患又は障害の有害な症状が患者に現れる前に行われることである。抑制は、部分的、実質的に全体的又は全体的であることができる。幾つかの疾患又は障害は遺伝するために、遺伝子スクリーニングを使用して、疾患又は障害のリスクがある患者を特定できる。次に、本明細書に開示されるとおりのインプラント及び方法は、任意の有害な症状の出現を抑制するために、疾患又は障害の臨床症状を発症するリスクのある無症候性の患者に使用することができる。
【0023】
本明細書に開示されるインプラントの「治療的使用」は、上記に定義されるように、疾患又は障害を治療するために本明細書に開示される1つ以上のインプラントを使用することとして定義される。薬物、医薬物質又は治療剤の「治療有効量」は、患者に投与されたときに、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状を軽減又は排除し、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の進行を遅らせ、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の重症度を軽減するのに十分な薬物、医薬物質又は薬剤の量である。治療有効量は、単回投与として患者に投与することができ、又は分割して複数回投与として投与することができる。インプラント可能なデバイスの内容において、治療有効量は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状を軽減又は排除するのに、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の進行を遅らせるのに、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の重症度を軽減するために十分である、インプラントから放出される量を記載する。1つ以上のインプラントを使用して、治療有効量をデリバリーすることができる。
【0024】
本明細書に開示されるインプラントの「予防的使用」は、上記に定義されるように、疾患又は障害を抑制するために本明細書に開示される1つ以上のインプラントを使用することとして定義される。薬物、医薬物質又は治療剤の「予防的有効量」は、患者に投与されたときに、疾患又は障害の臨床症状の発症を抑制するのに、又は、疾患又は障害の有害な症状の発現を抑制するために十分である、薬物、医薬物質又は薬剤の量である。予防的有効量は、単回投与として患者に投与することができ、又は、分割して複数回投与として投与することができる。インプラント可能なデバイスの内容において、予防的有効量は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状を軽減又は排除する、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の進行を遅らせるのに、又は、疾患又は障害、又は、疾患又は障害の1つ以上の症状の重症度を軽減するために十分である、インプラントから放出される量を記載する。1つ以上のインプラントを使用して、予防的有効量をデリバリーすることができる。
【0025】
「血中濃度」は、本明細書で使用されるときに、対象の血中の薬物、医薬物質、治療剤、ホルモン、代謝産物又は他の物質の濃度を指す。血中濃度は、分析対象の物質の標準的な臨床検査室の慣行に従って、全血、血清又は血漿において測定できる。
【0026】
本明細書で使用されるときに、単数形「a」、「an」及び「the」は、他に示されない限り、又は文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。
【0027】
国際純正応用化学連合(IUPAC)によって定義されている微孔質材料は、最大2nmのサイズの細孔を有する。メソポーラス材料は、2nm~50nmのサイズの細孔を有する。マクロポーラス材料は、50nmを超えるサイズの細孔を有する。
【0028】
本明細書において、「約」又は「おおよそ」という用語を用いて数値を表すときに、指定された値と、指定された値に合理的に近い値の両方が含まれることが理解される。例えば、「約50℃」又は「およそ50℃」の記載は、50℃自体の開示と50℃に近い値の両方を含む。したがって、「約X」又は「およそX」という語句は、値X自体を含む。「およそ50℃~60℃」又は「約50℃~60℃」などの範囲が示されている場合は、末端で指定された両方の値は含まれており、各末端又は両方の末端について、各末端又は両方の末端に近い値は含まれることが理解される。すなわち、「およそ50℃~60℃」(「約50℃~60℃」)は、「50℃~60℃」及び「およそ50℃~およそ60℃」(又は「約50℃~60℃」)の両方を記載しているのと同等である。
【0029】
本記載に開示された数値範囲に関して、成分又はパラメータの開示された上限は、その成分又はパラメータの開示された下限と組み合わせて、範囲を提供することができる(ただし、上限はそれと組み合わせる下限よりも大きい)。開示された上限及び下限のこれらの組み合わせのそれぞれは、本明細書で明示的に想定される。例えば、特定の成分又はパラメータの量の範囲が10%~30%、10%~12%、及び15%~20%として指定されている場合に、10%~20%及び15%~30%の範囲も想定され、一方、15%の下限と12%の上限を組み合わせることは不可能であるため、想定されない。
【0030】
特に明記されていない限り、組成物中の成分の百分率は、質量パーセント又は質量/質量パーセントとして表される。組成物中の相対質量パーセントへの言及は、組成物中のすべての成分の総質量パーセントが合計で100になることを前提としていることが理解される。さらに、1つ以上の成分の相対質量パーセントは、特定の成分の質量パーセントがその成分について指定された範囲の制限を超えないという条件で、組成物中の成分の質量パーセントが合わせて総計で100になるように上方又は下方に調整されうることが理解される。
【0031】
化合物の分配係数Pは、有機溶媒と水の二相混合物(有機溶媒と水が非混和性である場合)における、有機溶媒中の化合物の濃度の、水中の化合物の濃度に対する比として定義される。分配係数の10を底とする対数logPはしばしば使用される。分配係数は、しばしば、オクタノール/水系で測定され、そのような系における分配係数は次のように定義される。
【0032】
Poct=[オクタノール中の濃度]÷[水中の濃度]
【0033】
イオン化できる化合物については、化合物の分布係数Dは、有機溶媒と水の二相混合物(有機溶媒と水が非混和性である場合)における、有機溶媒中の化合物のすべての種(イオン化及び非イオン化)の濃度の、水中の化合物のすべての種(イオン化及び非イオン化)の濃度に対する比として定義される。Log Dも使用できる。Dは、Dが測定されるpHによって異なり、好ましくは、Dは、7.4の生理学的pHで測定される。分布係数は、有機溶媒としてオクタノールを使用して測定することができる。Dを生理的pHで測定する場合、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の溶液を水性溶媒として使用することができる。(PBSは、約137mMのNaCl、約2.7mMのKCl、約10mMのNaHPO及び約1.8mMのKHPOを含む)。
【0034】
本明細書に記載される幾つかの実施形態は、それらの様々な要素に関して「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」と記載されている。代替の実施形態において、これらの要素は、それらの要素に適用されるときに、「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「から本質的になる(consists essentially of)」という遷移的な語句を用いて記載することができる。さらなる代替の実施形態において、これらの要素は、それらの要素に適用されるときに、「からなる(consisting of)」又は「からなる(consists of)」という遷移的な語句を用いて記載することができる。したがって、例えば、組成物又は方法がA及びBを含むものとして本明細書に開示される場合に、「A及びBから本質的になる」その組成物又は方法の代替実施形態、及び「A及びBからなる」その組成物又は方法の代替実施形態も本明細書に開示されたと考えられる。同様に、それらの様々な要素に関して「から本質的になる」又は「からなる」と記載されている実施形態は、それらの要素に適用されるときに、「含む」と記載することもできる。最後に、それらの様々な要素に関して「から本質的になる」と記載された実施形態は、それらの要素に適用されるときに、「からなる」と記載することもでき、それらの様々な要素に関して「からなる」と記載された実施形態は、それらの要素に適用されるときに、「から本質的になる」と記載することもできる。
【0035】
インプラント、デバイス、組成物又はシステムが列挙された要素「から本質的になる」と記載されるときに、インプラント、デバイス、組成物又はシステムは、明示的に列挙された要素を含み、処理される条件(処理条件のための組成)又は記載されたインプラント、デバイス又はシステムの特性に実質的に影響を及ぼさない他の要素を含むことができる、しかしながら、インプラント、デバイス、組成物又はシステムは、(システムを処理するための組成について)明示的に記載された要素以外に、処理される条件に実質的に影響を与える他の要素を含まないか、又は、インプラント、デバイス又はシステムの特性に実質的に影響を及ぼす他の要素を含まず、又は、インプラント、デバイス、組成物又はシステムが、処理される条件又はシステムの特性に実質的に影響を及ぼす可能性がある、列挙された要素以外の追加の要素を含むならば、インプラント、デバイス、組成物又はシステムは、組成物によって処理される条件、又は、インプラント、デバイス又はシステムの特性に実質的に影響を及ぼすのに十分な濃度又は量のこれらの追加な要素を含まない。方法が列挙された工程「から本質的になる」と記載されているときに、その方法は記載された工程を含み、方法によって処理される条件、又は、方法によって生成される又は使用されるインプラント、デバイス又はシステムの特性に実質的に影響を及ぼさない他の工程を含むことができる。しかし、この方法は、明示的に列挙された工程以外に、方法によって処理される条件、又は、製造又は使用されるインプラント、デバイス又はシステムに実質的に影響を及ぼす他の工程を含まない。
【0036】
本開示は幾つかの実施形態を提供する。任意の実施形態からの任意の特徴は、可能であれば、任意の他の実施形態からの任意の特徴と組み合わせることができるものと考えられる。このように、開示された特徴の複合構成は本開示の範囲内にある。
【0037】
インプラントとして使用するための装填可能な多孔質構造及び装填された多孔質構造の一般原則
本明細書に開示されているのは、長期にわたる持続的なドラッグデリバリーのためのインプラントである。インプラントは、マトリックス、1つ以上の医薬物質、及び、場合により1つ以上の賦形剤を含む。インプラントは、マトリックスに使用される材料を少なくとも1つのタイプのポロゲンと組み合わせ、次にポロゲンを除去してマトリックス中に細孔を残し、装填可能な多孔質構造を形成することによって形成される。ホットメルト押出成形は、マトリックス材料とポロゲンを組み合わせるために使用することができる。ポロゲンを除去した後に、装填可能な多孔質構造の細孔に、1つ以上の医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を装填して、インプラントとして使用するための装填された多孔質構造を調製することができる。ホットメルト押出成形を使用するときに、押出工程の後に医薬物質及び任意成分の賦形剤の装填が行われるため、本明細書に記載のインプラントは、押出に使用される高温で安定性がない医薬物質及び賦形剤での使用に非常に適している。
【0038】
理解されるように、相互接続された細孔及びチャネルを形成するために、マトリックス内に十分な細孔を作製しなければならない。ポリマー自体の単純な押出又はポリマー自体の単純な溶媒キャスティングは細孔のない中実ポリマー構造をもたらす。しかしながら、押出されたポリマー又はキャストされたポリマーから除去することができる材料を含めることで、多孔質構造を形成するための、押出物内における細孔のネットワークを作り出すことができる。また、理解されるように、ポロゲンが抽出されるために、1つ以上の医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を細孔に装填するために、そして、装填された多孔質構造が患者に移植された後に、1つ以上の医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を放出するために、マトリックスの細孔の少なくとも一部がマトリックスの表面に開放されていなければならない。
【0039】
図1は、本明細書に記載されるとおりのインプラントを作製する方法を記載するフローチャートを示す。マトリックス材料102及びポロゲン104は、工程105で一緒にブレンドされて、マトリックス材料-ポロゲンブレンド110を形成する。次に、マトリックス材料-ポロゲンブレンド110を、工程115で、ホットメルト押出によって押出されて、組み合わされたマトリックス材料及びポロゲンの押出物120を形成する。次に、押出物120は、工程125でポロゲン除去流体で処理されて、ポロゲンが除去された多孔質マトリックス材料を有する装填可能な多孔質構造130を提供する。工程125で十分なポロゲンが押出物から除去されない場合には、十分なポロゲンが除去されるまで工程125を繰り返すことができる。工程135で、1つ以上の医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を含む、ペイロードを、装填可能な多孔質構造130に装填して、装填された多孔質構造140を提供する。十分なペイロードが工程135で装填されなかった場合には、十分なペイロードが装填されるまで工程135を繰り返すことができる。次に、洗浄、乾燥、包装及び滅菌などのさらなる調製は、工程145で行われ、インプラント150を提供する。
【0040】
図2は、ポロゲン材料を含む押出構造220(図1の120に対応する)の例を示している。押出構造の領域202及び204はポロゲン(斜線で示されている)を含み、構造の黒い(ラベルされていない)部分はマトリックスを含む。図の右側に向かって、構造220の表面への経路を持たないポロゲンを含む小さな(ラベルされていない)領域が存在することに留意されたい。
【0041】
図3中の構造330(図1中の130に対応)は、ポロゲン物質を除去する流体(例えば、ポロゲン物質を溶解する溶媒)中への浸漬などによる、ポロゲン物質を除去するための処理の後の図2の押出構造220を示している。領域302及び304は、今や、ポロゲンの抽出に起因する空の細孔になっている。図の右側のラベルされていない領域には構造の表面に接続する経路がなかったため、ポロゲンを除去するために使用される流体はその領域に接触できず、ポロゲンで充填されたままになる(斜線)。図2の領域202及び204におけるポロゲン物質は、除去のための流体によってアクセスでき、そのような材料は、流体にアクセス可能なポロゲンと呼ばれる。図3の構造330の右側のラベルされていない領域に残っている、図2の構造220の右側のラベルされていない領域にあるポロゲン物質などの材料は流体にアクセス不能なポロゲンと呼ばれる。
【0042】
適量のマトリックス材料とポロゲンを混合し、それらを押出してマトリックス-ポロゲン押出物を形成し、ポロゲンを除去することにより、装填可能な多孔質構造を広範囲の多孔性で形成することができる。細孔は、構造の大部分で蛇行した様式で相互接続し、すなわち、細孔は、曲げ、ねじれ、方向の変更を繰り返すことによって相互接続する。装填可能な多孔質構造に存在する細孔のごく一部のみが図3に示されており、実際には、相互接続チャネル及び細孔の広範なネットワークが存在する。
【0043】
図3の装填可能な多孔質構造330などの図1の装填可能な多孔質構造130は、次に、本明細書中に記載されるように、1つ以上の医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を装填して、装填された多孔質構造を得ることができる。次に、この装填された多孔質構造は、1つ以上の医薬物質を、対象、患者又は個人にデリバリーするために、対象、患者又は個人においてインプラントとして使用することができる。
【0044】
多孔質構造及びインプラントの物理的パラメータ
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、ロッド状又はほぼロッド状であり、長さ約0.5cm~10cm、例えば、長さ約1cm~約6cm、又は長さ約1cm~約5cm、又は長さ約1cm~約4cm、又は長さ約1cm~3cm、又は長さ約1.5cm~3.5cm、又は長さ約2cm~4cm、又は長さ約2cm~約3cm、又は長さ約2cm~約5cm、又は長さ約2cm~約6cm、又は長さ約3cm~約5cm、又は長さ約3cm~約6cm、又は長さ約4cm~約5cm、又は長さ約4cm~約6cm、又は長さ約2.6cmである。幾つかの実施形態において、装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、ロッド状又はぼほロッド状であり、長さ約3cm~約5cm、又は約3.5cm~約4.5cm、又は約4cmである。幾つかの実施形態において、装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、ロッド状又はほぼロッド状であり、長さ約5cm~約7cm、又は約5.5cm~約6.5cm、又は約6cmである。
【0045】
幾つかの実施形態において、装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、ロッド状又はほぼロッド状であり、直径約1~約3mmである。幾つかの実施形態において、装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、ロッド状又はほぼロッド状であり、直径約0.5~約7mm、又は直径約2~約5mm、又は直径2~約3mm、又は直径約2.4mm、又は直径約3mmの寸法を含む。
【0046】
記載されている長さのいずれかを、記載されている直径のいずれかと組み合わせることができる。幾つかの実施形態において、装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、ロッド状又はほぼロッド状であり、全直径約2.4mm及び全長約2.6cmの寸法を含む。
【0047】
装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントの化学組成
本明細書に記載の装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントは、対象、患者又は個人に移植することができる任意の生体適合性物質から処方することができる。装填された多孔質構造又はインプラントに含まれる医薬物質、賦形剤及び他の物質のためのキャリアとして機能する、装填された多孔質構造又はインプラントの部分は、マトリックス又はマトリックス材料と呼ばれる。
【0048】
ポリマーはマトリックス材料として使用することができる。そのようなマトリックスの1つは、ポリマーのエチレン酢酸ビニル(EVA)である。EVAは、モノマーのエチレンと酢酸ビニルのコポリマーである。EVAの組成は、通常、存在する酢酸ビニルの質量パーセントとして指定され、残りの百分率はエチレンから構成される。モノマーの様々な比率を使用することができ、例えば、約10質量%~約50質量%の酢酸ビニルと、残りはエチレンであり、約20質量%~約45質量%の酢酸ビニル、約25質量%~約40質量%の酢酸ビニル、約30質量%~約36質量%の酢酸ビニル、又は約33質量%の酢酸ビニルである。
【0049】
本明細書に開示されるとおりの幾つかの実施形態において、インプラントは放射線不透過性物質をさらに含む。放射線不透過性物質は、好ましくは、X線放射に対して不透明である。放射線不透過性物質は、非侵襲的な様式で、例えば、X線又はCTスキャンでインプラントの位置を正確に特定するのに役立つ。硫酸バリウムなどのバリウム塩は、好ましい放射線不透過性物質である。使用できる他の放射線不透過性物質としては、限定するわけではないが、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、ビスマス塩及びタングステン酸カルシウムなどのタングステン化合物が挙げられる。
【0050】
本明細書に開示されるとおりの幾つかの実施形態において、インプラントは、MRIスキャン中にインプラントの位置を特定する際に使用するために、磁気共鳴画像法によって検出可能又は識別可能な物質をさらに含む。常磁性酸化鉄(Fe)などの酸化鉄は、MRIスキャンでインプラントを視覚化するための物質として使用することができる。
【0051】
本明細書に開示されるとおりの幾つかの実施形態において、インプラントは、放射線不透過性物質と磁気共鳴画像法によって検出可能な物質の両方をさらに含む。
【0052】
1つ以上の検出可能な物質は、混合がインプラントの調製又は薬物放出の薬物動態に実質的に影響を及ぼさないならば、インプラントのマトリックス中に混合することができる。あるいは、検出可能な物質は、インプラントの調製を妨害せず、又は、インプラントのコア内又はインプラントの一方又は両方の末端領域などの薬物放出の薬物動態を妨害しないインプラントの特定の場所に限定することができる。
【0053】
インプラントに使用するための医薬物質及び薬物
様々な医薬物質及び薬物を装填可能な多孔質構造に装填して、本明細書に開示される装填された多孔質構造及びインプラントを調製することができる。医薬物質又は薬剤は、押出プロセス中に使用される高温にさらされないため、インプラントは、温度感受性薬物のデリバリーに特に有用である。温度感受性薬物としては、限定するわけではないが、タンパク質及び核酸が挙げられる。冷蔵しなければならない薬物(いわゆる「コールドチェーンドラッグ」及び「クールチェーンドラッグ」)は、薬物の安定性を維持する適切な温度及びその他の条件下で、装填可能な多孔質構造中に装填することができる。医薬物質含有インプラントとして使用するための、装填された多孔質構造中に含まれる薬物もまた、インプラントが患者に留まる期間にわたって十分に安定であるべきである。ヒト患者の場合には、インプラントは37℃の体温又はその近くの環境にある。
【0054】
温度感受性薬物の1つの群には、抗体、操作された抗体変異体及び抗体フラグメントが含まれる。幾つかの実施形態において、モノクローナル抗体は、装填可能な多孔質構造中に装填されうる。幾つかの実施形態において、抗原結合フラグメント(Fab)、一本鎖可変フラグメント(scFv)、Fc領域、抗原結合Fc領域(Fcab)、単一ドメイン抗体(sdAb)、二重特異性抗体(bsAb又はBiAb)及び多重特異性抗体(三重特異性TriMabなどのmsAb)は、装填可能な多孔質構造中に装填されうる。
【0055】
冷蔵保存されるべき薬物の例は、以下のリストに記載されている。商標のブランド名の後に括弧内の一般名及び簡単な記載が続く。ORENCIA(登録商標)(アバタセプト)(ヒト免疫グロブリンG1の修飾Fc(ヒンジ、CH2、及びCH3ドメイン)部分に結合したヒト細胞毒性Tリンパ球関連抗原4の細胞外ドメインの融合タンパク質)、HUMIRA(登録商標)(アダリムマブ)(組換えヒトIgG1モノクローナル抗体)、KINERET(登録商標)(アナキンラ)(組換え型の非グリコシル化型のヒトインターロイキン-1受容体拮抗薬(IL-1Ra))、ENBREL(登録商標)(エタネルセプト)(ヒトIgG1のFc部分に結合したヒト75キロダルトン(p75)腫瘍壊死因子受容体(TNFR)の細胞外リガンド結合部分からなる二量体融合タンパク質)、INFLECTRA(登録商標)(インフリキシマブ-dyyb)(ヒト腫瘍壊死因子-α(TNFα)に特異的なキメラIgG1κモノクローナル抗体(ヒト定常領域とマウス可変領域から構成される)、REMSIMA(登録商標)(インフリキシマブ)(組換えDNA技術によってマウスハイブリドーマ細胞で産生されたキメラヒト-マウスIgG1モノクローナル抗体)、SIMPONI(登録商標)(ゴリムマブ)(複数のグリコフォームを示すヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)に特異的なヒトIgG1κモノクローナル抗体)、REMICAD(登録商標)E(インフリキシマブ)(ヒト腫瘍壊死因子-α(TNFα)に特異的なキメラIgG1κモノクローナル抗体(ヒト定常領域とマウス可変領域から構成される)、ENTYVIO(登録商標)(ベドリズマブ)(インテグリン受容体アンタゴニスト、ヒトα4β7インテグリンに結合する、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されるヒト化IgG1モノクローナル抗体)、STELARA(登録商標)(ウステキヌマブ)(IL-12及びIL-23サイトカインのp40サブユニットに対するヒトIgG1κモノクローナル抗体)、LEMTRADA(登録商標)(アレムツズマブ)(細胞表面糖タンパク質CD52に対する組換えヒト化IgG1カッパモノクローナル抗体)、TYSABRI(登録商標)(ナタリズマブ)(マウス骨髄腫細胞で産生される組換えヒト化IgG4κモノクローナル抗体、ナタリズマブには、ヒトフレームワーク領域とα4-インテグリンに結合するマウス抗体の相補性決定領域が含まれている)、HUMALOG(登録商標)(インスリンリスプロ注射)(血糖値を下げるために使用される速効型ヒトインスリンアナログであり、位置B28のアミノ酸プロリンがリジンに置き換えられ、位置B29のリジンがプロリンに置き換えられているという点で、ヒトインスリンと異なる。化学的には、Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリンアナログである)、INSUMANBASAL(登録商標)(注射用インスリン)(インスリン懸濁液)、LANTUS(登録商標)(インスリングラルギン注射)(長時間作用型の非経口血糖降下剤である組換えヒトインスリンアナログであり、位置A21のアミノ酸アスパラギンがグリシンに置き換えられ、2つのアルギニンがB鎖のC末端に付加されているという点でヒトインスリンと異なる)、OMNITROPE(登録商標)(ソマトロピン)(組換えDNA由来のポリペプチドホルモンであり、製品のアミノ酸配列は、下垂体由来のヒト成長ホルモンのアミノ酸配列と同じである)、GENOTROPIN(登録商標)(ソマトロピン)(組換えDNA由来のポリペプチドホルモンであるソマトロピンを含む凍結乾燥粉末であり、製品のアミノ酸配列は、下垂体由来のヒト成長ホルモン(ソマトロピン)のアミノ酸配列と同じである)、及び、HUMATROPE(登録商標)(ソマトロピン)(組換えDNA由来のポリペプチドホルモン)。
【0056】
インプラントは、単一の薬物又は医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を含むことができる。インプラントは、2つの薬物又は2つの医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を含むことができる。インプラントは、複数の薬物又は複数の医薬物質、及び、場合により、1つ以上の賦形剤を含むことができる。
【0057】
インプラントで使用するための賦形剤
賦形剤は、場合により、医薬物質と一緒にインプラントにおいて使用されうる。本明細書に記載の任意の2つ以上の賦形剤の混合物も使用することができる。
【0058】
インプラントにおいて賦形剤として使用できる糖アルコールとしては、限定するわけではないが、マンニトール、グリセロール、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、ソルビトール、ボレミトール、イソマルト、ラクチトール及びマルチトールが挙げられる。使用できる糖アルコールのサブセットには、6炭素化合物のマンニトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール及びソルビトールが含まれる。1つの実施形態において、マンニトールは賦形剤として使用される。
【0059】
インプラントにおいて賦形剤として使用することができるポリマーとしては、限定するわけではないが、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、侵食性又は生侵食性形態のポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸)、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)及びそれらの誘導体及び混合物が挙げられる。
【0060】
インプラントにおいて賦形剤として使用することができる追加のポリマーとしては、限定するわけではないが、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン及びそれらの誘導体及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
賦形剤:薬物比は、質量で5:1~1:10、例えば、1:1~1:6(例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5又は1:6)、又は1:3~1:6の範囲であることができる。1つの実施形態において、賦形剤:薬物比は1:4である。
【0062】
インプラントで使用するための例示的なポリマー
インプラントにおいて使用するのに好ましいポリマーは、エチレン酢酸ビニル(EVA;ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル))である。しかしながら、他の生体適合性ポリマーを、本明細書に開示されるインプラントに使用することができる。本明細書で使用されるときに、「ポリマー」又は「ポリマー材料」は、繰り返しのモノマー単位又はコモノマー単位を含む高分子を意味する。ポリマーは生体侵食性又は非生体侵食性であることができる。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーであることができ、又は、3つを超えるモノマーを含むことができる。ポリマーは好ましくは生体適合性である。
【0063】
インプラントの製造に使用することができる例示的なポリマーとしては、限定するわけではないが、アクリル、アガロース、アルギネート及び組み合わせ、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、例えば、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、例えば、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン及びそれらの組み合わせ、誘導体及び混合物が挙げられる。
【0064】
インプラントを製造するのに使用することができる例示的な侵食性又は生体侵食性ポリマーとしては、限定するわけではないが、侵食性又は生体侵食性形態のポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸)、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)及びそれらの誘導体及び混合物が挙げられる。
【0065】
インプラントはまた、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン及びそれらの誘導体及び組み合わせからなる群より選ばれる材料から形成される。
【0066】
本明細書において開示されるインプラントにおいて使用するためのポリマーの追加の代表的な例としては、限定するわけではないが、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、及び、カルボキシメチルセルロース、及び、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOH又は商品名EVALによって一般に知られている)、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、例えば、ナイロン66及びポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、例えば、ポリスチレン、ポリビニルエステル、例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、例えば、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、例えば、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)及びポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、例えば、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
幾つかの実施形態において、ポリマーは、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー及びそれらの組み合わせであることができる。
【0068】
本明細書において開示されるインプラントにおいて有用な非生体侵食性ポリマーの例としては、限定するわけではないが、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)(EVA)、ポリビニルアルコール及びポリウレタン、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタンが挙げられる。
【0069】
上述のように、インプラントに好ましいポリマーはエチレン酢酸ビニル(EVA)である。
【0070】
インプラントは、単一のタイプのポリマー又は2つ以上のポリマーの混合物を含むことができる。2つのポリマーの混合物は薬物の放出速度を調節することができる。本明細書に開示されるとおりのインプラントから有効治療量の薬物が合理的に長い期間放出されることが望ましい。Yangらの米国特許第6,258,121号明細書は、異なる放出速度を有する2つのポリマーをブレンドし、それらを単一の層に取り込むことによって放出速度を変更する方法を開示した。この技術は、移植時の薬物のバースト放出を減らすのにも役立つことができる。
【0071】
例示的なポロゲン
使用できるポロゲンの例としては、限定するわけではないが、エチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースなどのアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロース、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸及びリノール酸などの脂肪酸、塩化ナトリウム、塩化カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの生体適合性塩、クエン酸などの固体有機酸、及び、低分子量ポリビニルピロリドン(PVP)などの可溶性ポリマーが挙げられる。ポロゲン粒子は、好ましくは、細孔のサイズの制御を可能にするために狭いサイズ分布で使用される。使用されるポロゲンの平均直径は約1マイクロメートル~約300マイクロメートルであることができる。幾つかの実施形態において、ポロゲンの平均直径は、インプラントの直径の約5%である。
【0072】
ポロゲン(ポロゲン材料又はポロゲン物質とも呼ばれる)は、装填可能な多孔質構造、装填された多孔質構造及びインプラントのマトリックス材料中に細孔を作製するように機能し、好ましい実施形態において、ポロゲンは医薬活性物質又は薬物ではない。代替の好ましい実施形態において、ポロゲンは、インプラントが治療することを意図している疾患又は状態に対する医薬活性物質又は薬物ではない。したがって、例えば、ポロゲンがクエン酸であるときに、インプラントは、クエン酸が治療に有用である疾患又は状態を治療することが意図されない。
【0073】
幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は、球形粒子又はほぼ球形粒子を含み、粒子の少なくとも約90%は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルの直径を有する。幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は、平均直径が約1マイクロメートル~約50マイクロメートルの球形粒子又はほぼ球形粒子を含む。幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は、球形粒子又はほぼ球形粒子を含み、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下だけ変動する直径を有する。
【0074】
幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は粒子を含み、粒子の少なくとも約90%の最長寸法は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルである。幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は粒子を含み、粒子の最長寸法は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルである。幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は粒子を含み、粒子の少なくとも約90%の最長寸法は、粒子の平均最長寸法から10%以下だけ変動する。
【0075】
幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は粒子を含み、粒子の少なくとも約90%の平均寸法は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルであり、粒子の平均寸法は粒子の最長寸法と粒子の最短寸法の平均である。幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は粒子を含み、粒子の平均寸法は約1マイクロメートルから約50マイクロメートルである。幾つかの実施形態において、ポロゲン材料は粒子を含み、粒子の少なくとも約90%の平均寸法は、粒子の平均寸法の平均から10%以下で変動する。
【0076】
球形粒子又はほぼ球形粒子などのポロゲン粒子の平均直径は、約1マイクロメートル~約300マイクロメートルであることができる。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約300マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約200マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約100マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約30マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約25マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約20マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約10マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均直径から約10%以下で変動する直径を有し、ここで、平均直径は約1マイクロメートル~約5マイクロメートルである。
【0077】
1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約300マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約200マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約100マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約50マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約30マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約25マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約20マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約10マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約5マイクロメートル未満の直径を有する。
【0078】
1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約300マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約200マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約100マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約50マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約30マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約25マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約20マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約10マイクロメートル未満の直径を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約5マイクロメートル未満の直径を有する。
【0079】
針型粒子のような非球形又は不規則な形状の粒子について、粒子は最長寸法によって特性化されうる。ポロゲンの平均最長寸法は、約1マイクロメートル~約300マイクロメートルであることができる。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約300マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約200マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約100マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約30マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約25マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約20マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約10マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、平均最長寸法から約10%以下で変動する最長寸法を有し、ここで、平均最長寸法は約1マイクロメートル~約5マイクロメートルである。
【0080】
1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約300マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約200マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約100マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約50マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約30マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約25マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約20マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約10マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約5マイクロメートル未満の最長寸法を有する。
【0081】
1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約300マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約200マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約100マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約50マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約30マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約25マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約20マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約10マイクロメートル未満の最長寸法を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約5マイクロメートル未満の最長寸法を有する。
【0082】
針型粒子のような非球形又は不規則な形状の粒子について、粒子は、最長寸法と最短寸法の平均(「LDとSDの平均」)によっても特性化されうる。ポロゲンのLDとSDとの平均の平均値は、約1マイクロメートル~約300マイクロメートルであることができる。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約300マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約200マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約100マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約50マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約30マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均の平均値を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約25マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約20マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約10マイクロメートルである。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、LDとSDとの平均の平均値から約10%以下で変動するLDとSDとの平均を有し、ここで、LDとSDとの平均の平均値は約1マイクロメートル~約5マイクロメートルである。
【0083】
1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約300マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約200マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約100マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約50マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約30マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約25マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約20マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約10マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約75%は、約5マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。
【0084】
1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約300マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約200マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約100マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約50マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約30マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約25マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約20マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約10マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。1つの実施形態において、粒子の少なくとも約90%は、約5マイクロメートル未満のLDとSDとの平均を有する。
【0085】
単一の材料をポロゲンとして使用することができる。あるいは、2つ以上の異なるポロゲン材料を使用することができる。
【0086】
インプラントコーティング
本明細書に開示されるとおりのインプラントは、場合により、薬物放出を制御するためのコーティングで部分的又は全体的にコーティングすることができる。インプラントは、ディップコーティング、スプレイコーティング、パンコーティング又は流動床システムにおいてコーティングすることができる。インプラントが押出法で作られるときに、コーティングは同時押出によって適用することができる。しかしながら、ポロゲンの除去及び医薬物質及び任意成分の賦形剤の装填の前にコーティングが適用されるならば、コーティングは、インプラントからのポロゲンの除去及びその後の医薬物質及び任意成分の賦形剤の装填を可能にすべきである。したがって、コーティングはインプラント全体を覆わないようにするか(例えば、同時押出コーティングはインプラントの外面上にストライプとしてのみ適用されうるか)、又は、コーティングは、ポロゲンを除去することができる流体、また、除去流体中の溶解したポロゲンに対して透過性であり、ポロゲンをインプラントから除去して多孔質構造を作製することができ、また、医薬物質及び任意成分の賦形剤の溶液に対して透過性であり、それにより、多孔質構造の装填を可能にすべきである。
【0087】
ロッド状インプラントは、表面全体にコーティングを施した後、各ロッドの端の小さな部分を切断することができる。これにより、部分的にコーティングされたロッドが得られ、ロッドの両端の平面には薬物含有マトリックスが露出し、一方、湾曲した筒形の側面はコーティングされている。コーティングが同時押出によって湾曲した筒形の側面に適用されるならば、押出されたロッドをピースに切断して個々のインプラントを形成すると、ロッドの両端に薬物含有マトリックスが露出する。
【0088】
コーティングは薬物に対して不浸透性であることができ、その場合、薬物がインプラントのコーティングされていない部分から放出されるために、コーティングはインプラントを部分的にのみ覆うべきである。又は、コーティングは一定期間後に溶解又は分解して、新たに露出された薬物含有マトリックスから薬物が放出されることを可能にするべきである。あるいは、コーティングは、多かれ少なかれ薬物に対して透過性であることができ、薬物放出の調節を可能にする。
【0089】
装填可能な多孔質構造の製造
幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるインプラントの調製のための装填可能な多孔質構造は、ポリマーなどのマトリックス材料の粒子を所望のサイズのポロゲンの粒子とブレンドし、次いでブレンドを押出すことによって製造することができる。ブレンド混合物を、マトリックス材料の軟化点(例えば、マトリックス材料として使用されるポリマーの軟化点)などの押出に適した温度に加熱する。この時点で、場合により、必要に応じて、軟化した混合物を均質化することができる。次に、混合物を、例えば、マイクロトルーダスクリュー押出機、モデル番号RCP-025、Randcastle Extrusion Systems, Cedar Grove, NJ、又は、当業界で知られている他の押出装置を介して押出する。押出の直径、温度、圧力及びその他のパラメータは、各マトリックス材料及びポロゲンに対して適宜に制御されうる。
【0090】
押出物と呼ばれる、マトリックス材料及びポロゲンの押出混合物を水平に押出し、さらに処理するために回収することができる。押出物を、所望の長さ、例えば、約1~約3cmに切断することができる。
【0091】
次に、押出物を、押出物からポロゲンを除去するのに役立つ1つ以上のポロゲン除去流体で処理し、装填可能な多孔質構造の形成をもたらす。押出物に使用される材料は、ポロゲンの除去中に押出物の構造を溶解しないように、ポロゲンを除去するために使用される流体に不溶性であるべきである。ポロゲン除去流体による押出物の処理の例としては、限定するわけではないが、押出物を1つ以上の流体で洗浄すること、又は押出物を1つ以上の流体に浸漬することが挙げられる。押出物を1つ以上の流体に浸漬している間に、その1つ以上の流体を攪拌、攪乱又は超音波処理して、ポロゲンの除去を支援することができる。ポロゲンを除去するために使用される流体は、典型的に、液体又は超臨界流体である。押出物を処理してポロゲンを除去するために使用できる流体の例としては、限定するわけではないが、水、塩類溶液、水性緩衝液、エタノール又はイソプロパノールなどのアルコール及び超臨界二酸化炭素が挙げられる。エタノール-水混合物などの水とアルコールの混合物も使用できる。好ましい流体は、100%エタノール又は水-エタノール混合物である。
【0092】
ポロゲン除去流体による押出物の処理は、大気圧(約101,325又は約100,000パスカル)で、又は約2気圧(約202,650又は約200,000Pa)の圧力~約50気圧(約5,066,250又は約5,000,000Pa)の圧力などの高圧下で行うことができ、例えば、約3atm(約303,997又は約300,000Pa)、約5atm(約506,625又は約500,000Pa)、約10atm(約1,013,250又は約1,000,000パスカル)、約20atm(約2,026,500又は約2,000,000Pa)、又は約50atm(約5,066,250又は約5,000,000Pa)、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲である。ポロゲン除去流体による押出物の処理は、室温又は周囲温度で、又は高温、例えば、約30℃~約200℃、約50℃~約200℃、約100℃~約200℃、約30℃~約150℃、約50℃~約150℃、又は約50℃~約100℃で実施することができるが、ただし、ポロゲンを除去するために使用される流体の温度は、押出物の構造に悪影響を及ぼさないように、押出物に使用されるポリマーの溶融温度を下回るべきである。
【0093】
幾つかの実施形態において、流体にアクセス可能なポロゲンの少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又は少なくとも約99%は、押出物をポロゲン除去流体で処理することによって押出物から除去される。幾つかの実施形態において、流体にアクセス可能なポロゲンの約50%~約99%、約60%~約99%、約70%~約99%、約80%~約99%、又は約90%~約99%は、押出物をポロゲン除去流体で処理することにより、押出物から除去される。幾つかの実施形態において、流体にアクセス可能なポロゲンの実質的にすべては、押出物をポロゲン除去流体で処理することによって押出物から除去される。押出物をポロゲン除去流体で1回処理しても所望の量のポロゲン除去が得られないならば、所望の量のポロゲンが除去されるまで、必要に応じて処理を繰り返すことができる。
【0094】
押出物を洗浄してポロゲンを除去した後に、乾燥して残りの流体を除去することができる。乾燥は、典型的に、約30℃~約60℃で約6~約24時間、例えば、約40℃で約12時間行われる。
【0095】
形成された多孔質構造の多孔度と細孔サイズの分布は、様々な技術により測定されうる。多孔質構造は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡で調べることができる。コンピュータ断層撮影(CTスキャン)を使用できる。既知の密度の液体を構造中に導入し、多孔質構造の質量増加を測定することで、構造内の細孔の総体積を計算できる。多孔度を測定するための非破壊的技術としては、限定するわけではないが、示差走査熱量測定熱ポロメトリー、核磁気共鳴低温ポロメトリー(NMR低温ポロシメトリー)又は中性子回折低温ポロメトリーなどの熱ポロメトリー及び低温ポロメトリー(低温分光測定)が挙げられる。Brunauer-Emmett-Teller(BET)分析は、多孔質構造の利用可能な表面積を分析するために使用することができる。
【0096】
装填された多孔質構造を形成するための装填可能な多孔質構造の装填
ポロゲンの除去によって装填可能な多孔質構造が形成されると、医薬物質及び場合により賦形剤を装填可能な多孔質構造に装填して、医薬物質含有インプラントとして使用するための装填された多孔質構造を形成することができる。装填される材料、場合により1つ以上の賦形剤と組み合わせた1つ又はそれ以上の医薬物質は、インプラントのペイロードと呼ばれる。
【0097】
ペイロードは、ペイロードを可溶化できる適切な溶媒に溶解して、ペイロード溶液を形成することができる。次に、装填可能な多孔質構造にペイロード溶液を装填し、続いて多孔質構造から溶媒を除去し、構造の細孔中にペイロードを残し、したがって、インプラントとして使用される装填された多孔質構造を形成することができる。好ましい溶媒は水である。エタノール、酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトン、メタノール、イソプロパノール又はそれらの任意の組み合わせなどの有機溶媒を使用することができる。有機溶媒を使用するならば、その溶媒は、好ましくは、米国食品医薬品局のURL www.fda.gov/downloads/drugs/guidances/ucm073395.pdfのガイダンスに記載されているクラス3溶媒(とりわけ、エタノールアセトン及び酢酸エチルを含む)であるが、必要ならば、クラス2溶媒(とりわけ、ジクロロメタン及びメタノールを含む)を使用することができる。クラス1及びクラス4の溶媒は、ペイロードを適切なクラス3又はクラス2溶媒中に溶解できないときにのみ使用すべきである。マトリックス材料を損傷又は溶解する溶媒は避けるべきである。水/エタノールなどの水/有機溶媒などの溶媒の組み合わせも使用することができる。該当するときに、超臨界二酸化炭素をペイロードのための溶媒として使用することもできる。
【0098】
ペイロードを装填するために使用される溶媒は、蒸発、凍結乾燥又はその他の適切な方法で除去できる。
【0099】
ペイロード溶液を装填可能な多孔質構造に装填しそして溶媒を除去する単一のサイクルによって、不十分なペイロードが装填可能な多孔質構造に装填されるならば、ペイロード溶液を装填可能な多孔質構造に装填し、続いて溶媒を除去する追加のサイクルを、所定量のペイロードが構造中に装填されるまで繰り返すことができる。例えば、構造内に必要な所定量のペイロードが100mgであり、ペイロード溶液を装填しそして溶媒を除去する各サイクル中に構造に堆積するペイロードの量が25mgであるならば、4回の装填及び除去のサイクルを実施すべきである。
【0100】
場合により、装填された多孔質構造を洗浄して構造の表面から医薬物質を除去し、バースト放出を減らすことができる。装填された多孔質構造を洗浄するために使用することができる溶媒の例としては、限定するわけではないが、水、塩類溶液、水性緩衝液及びエタノール又はイソプロパノールなどのアルコールが挙げられる。エタノール-水混合物などの水とアルコールの混合物も使用することができる。好ましい溶媒は、100%エタノール又は水-エタノール混合物である。次に、装填された多孔質構造を、例えば、約30℃~約60℃の温度で約6~約24時間、例えば、約40℃で約12時間、乾燥させて、洗浄溶媒を除去することができる。
【0101】
インプラントを調製するために、乾燥後にパッケージング及び滅菌を行うことができる。インプラントとして使用するための装填された多孔質構造は、防湿ホイルパウチ中に真空パックされ、ヒートシール及び/又は真空シールされ、次いで、約20~30キログレイ、又は約25キログレイ、又は約2.5~約3.5メガラド、又は約2.9~約3.1メガラド、又は約3メガラドなどのガンマ線照射を使用して滅菌されうる。
【0102】
インプラントの挿入及び取り外し
本開示の別の態様は、医薬物質又は薬物をそれを必要とする患者にデリバリーするための方法であり、本明細書に開示されるとおりの1つ以上のインプラントを患者に挿入することを含み、ここで、前記医薬物質又は薬物は前記1つ以上のインプラントから患者へ放出される。本開示の好ましい方法において、本明細書に開示されるとおりのインプラントは皮下移植によって投与される。様々な実施形態において、インプラントは、上腕、肩甲骨領域、背部、脚部及び腹部からなる群より選ばれる部位に皮下移植される。移植前に、患者は、例えば、イソフルラン又は当該技術分野で知られている他の麻酔薬で軽く麻酔され、及び/又は、移植部位に局所、経皮又は皮下麻酔薬が適用されることができる。皮膚に小さな切開を入れ、トロカールを皮下に挿入してから、1つのインプラントを装着する。スタイレットを挿入してインプラントを所定の位置に保持し、トロカールを慎重に取り外して、インプラントを皮下空間に残す。各部位は縫合して閉じ、後で調べることができる。皮膚刺激、炎症、感染症又は他の部位特異的な副作用などの合併症を監視し、必要に応じて抗生物質などで治療することができる。
【0103】
様々な実施形態において、本明細書に開示されるとおりのインプラントを、最大約1年、約2年又はそれ以上の間、体内に残すことができる。インプラントを、最大約3か月、最大約6か月、最大約9か月、最大約12か月、最大約15か月、最大約18か月、最大約21か月又は最大約24か月又はそれ以上の間、体内に残すことができる。したがって、薬物の体内への持続放出の期間は、約1か月~約1年又はそれ以上、又は約3か月~約1年又はそれ以上、例えば、少なくとも約3か月、少なくとも約6か月、少なくとも約9か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、少なくとも約21か月、又は少なくとも約24か月又はそれ以上である。幾つかの実施形態において、インプラントを1年を超えて体内に残すことができる。インプラントは、治療期間の終わりに、鉗子を使用して切開部、例えば、3mmの切開部を通して体から取り外すことができる。
【0104】
本明細書に開示されるとおりのインプラントは、患者への移植後に、インプラントが最大約3か月、最大約6か月、最大約9か月、最大約12か月、最大約15か月、最大約18か月、最大約21か月又は最大約24か月又はそれ以上の間、薬物を放出するように構成されている。インプラントは、患者への移植後に、体内への薬物の持続放出の期間が約1か月~約1年又はそれ以上、又は、約3か月~約1年又はそれ以上、例えば、少なくとも約3か月、少なくとも約6か月、少なくとも約9か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、少なくとも約21か月、又は少なくとも約24か月又はそれ以上になるように構成されている。
【0105】
第二のインプラントは、例えば、第一のインプラントから放出される薬物によって引き起こされる副作用を打ち消すために医薬物質をデリバリーするために使用されうる。
【0106】
単一の薬剤のデリバリーを調節するために、又は複数の薬物をデリバリーするために、複数のインプラントを単一の患者に挿入することができる。
【0107】
本明細書に開示されるとおりのインプラントは、患者への移植後に、定常状態レベルで、最大約3か月、最大約6か月、最大約9か月、最大約12か月、最大約15か月、最大約18か月、最大約21か月又は最大約24か月又はそれ以上の間、薬物を放出することができる。インプラントは、患者への移植後に、薬物の体内への定常放出の期間が約1か月~約1年又はそれ以上、又は約3か月~約1年又はそれ以上、例えば、少なくとも約3か月、少なくとも約6か月、少なくとも約9か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、少なくとも約21か月又は少なくとも約24か月又はそれ以上になるように構成されている。定常状態は、移植後、約1、2、3、4、5、6又は7日後などの初期期間後に達成されうる。
【0108】
本明細書に開示されるとおりのインプラントは、患者への移植後に、薬物の一定の血漿レベル又は薬物のほぼ一定の血漿レベルを、最大約3か月、最大約6か月、最大約9か月、最大約12か月、最大約15か月、最大約18か月、最大約21か月又は最大約24か月又はそれ以上まで提供することができる。インプラントは、患者への移植後に、インプラントが、薬物の一定の血漿レベル又は薬物のほぼ一定の血漿レベルを、約1か月~約1年又はそれ以上、又は約3か月~約1年又はそれ以上、例えば、少なくとも約3か月、少なくとも約6か月、少なくとも約9か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、少なくとも約21か月又は少なくとも約24か月又はそれ以上の間、提供するように構成されている。薬物の一定の血漿レベル又は薬物のほぼ一定の血漿レベルは、移植後に、約1、2、3、4、5、6又は7日後などの初期期間後に達成されうる。
【0109】
上述の発明は、理解を明確にするために例示及び例として幾らか詳細に記載されてきたが、特定の変更及び修正は、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく実施されうることが当業者に明らかであろう。したがって、この記載は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0110】
本明細書で引用されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性マトリックス材料とポロゲンとの混合物を押出して、固体マトリックス材料-ポロゲン押出物であって、前記押出物内にポロゲンを有する押出物を形成すること、ここで、前記生体適合性マトリックス材料はポリマーであり、エチレン酢酸ビニルを含む、及び、
前記押出物から前記ポロゲンを除去して、装填可能な多孔質構造体であって、前記装填可能な多孔質構造体内に細孔を有する多孔質構造体を形成すること
を含む、装填可能な多孔質構造を製造する方法。
【請求項2】
前記装填可能な多孔質構造体は自己支持構造を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記装填可能な多孔質構造体はロッド状である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記装填可能な多孔質構造体の細孔は、移植環境において皮下移植される時に、放出のための医薬物質で装填されている、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記医薬物質は、少なくとも約3か月間、移植環境において持続放出される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記マトリックス材料は、アクリル、アガロース、アルギネート、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸) 、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、ポリスチレン、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン及び前述の任意の2つ以上の任意の組み合わせ又は混合物からなる群より選ばれる材料をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記マトリックス材料はエチレン酢酸ビニル(EVA)である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ポロゲンは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、固体有機酸、クエン酸、可溶性ポリマー及び低分子量ポリビニルピロリドン(低MW PVP)からなる群より選ばれる材料を含む、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記ポロゲンはエチルセルロース又はメチルセルロースを含む、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記押出物から前記ポロゲンを除去することは、前記ポロゲンを除去する流体で前記押出物を処理することを含む、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記押出物を前記流体で処理することは、前記押出物を前記流体で洗浄すること、又は前記押出物を前記流体中に浸漬することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記流体は、水、塩類溶液、水性緩衝液、アルコール、エタノール、イソプロパノール又は超臨界二酸化炭素を含む、請求項10又は請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記流体にアクセス可能なポロゲンの少なくとも約50%は前記押出物から除去される、請求項1~12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記ポロゲンは医薬活性物質又は薬物ではない、請求項1~13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記ポロゲンは、1マイクロメートル~約300マイクロメートルの平均直径を有する粒子を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項記載の方法によって製造される、装填可能な多孔質構造
【請求項17】
請求項1~15のいずれか1項記載の方法により、装填可能な多孔質構造を形成すること、
前記装填可能な多孔質構造の細孔にペイロード溶液を装填すること、ここで、前記ペイロード溶液は、溶媒、医薬物質及び任意成分の賦形剤を含む、及び、
前記装填可能な多孔質構造から前記溶媒を除去して、装填された多孔質構造を形成すること、
を含む、装填された多孔質構造を製造する方法。
【請求項18】
前記装填された多孔質構造が所定量の医薬物質及び任意成分の賦形剤を含むまで、装填及び除去の工程を繰り返すことをさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記医薬物質は、タンパク質及び核酸からなる群より選ばれる物質を含む、請求項17又は請求項18記載の方法。
【請求項20】
任意成分の賦形剤は、糖アルコール、マンニトール、グリセロール、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、ソルビトール、ボレミトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、生分解性ポリマー又はポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)を含む、請求項1719のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
請求項1720の方法のいずれか1項記載の方法によって製造される、装填された多孔質構造
【請求項22】
生体適合性マトリックス材料とポロゲンとの混合物を押出して、固体マトリックス材料-ポロゲン押出物であって、前記押出物内にポロゲンを有する押出物を形成すること、ここで、前記生体適合性マトリックス材料はポリマーであり、エチレン酢酸ビニルを含む、及び、
前記押出物から前記ポロゲンを除去して、装填可能な多孔質構造体であって、前記装填可能な多孔質構造体内に細孔を有する多孔質構造体を形成すること
を含む方法によって調製される、装填可能な多孔質構造
【請求項23】
前記装填可能な多孔質構造体はロッド状である、請求項22に記載の装填可能な多孔質構造体。
【請求項24】
請求項22に記載の装填可能な多孔質構造、及び、
前記装填可能な多孔質構造の細孔中に装填された医薬物質、
を含む、装填された多孔質構造
【請求項25】
前記装填可能な多孔質構造の細孔中に装填する前に、前記医薬物質は前記賦形剤と組み合わされる、請求項24記載の装填された多孔質構造
【請求項26】
前記ポリマーは非生分解性ポリマーである、請求項22記載の装填可能な多孔質構造又は請求項24記載の装填された多孔質構造
【請求項27】
前記マトリックス材料は、アクリル、アガロース、アルギネート、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメントを含むコポリマー(PEG/PBT)(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)とのそれらのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マレイン酸無水物コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリ-グリコール酸(PGA)コポリマー(ポリ(L-乳酸)-コ-グリコール酸又はPLGAとしても知られている)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸ベンジル)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL)及びポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-コ-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-コ-エチルグルタメート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-コ-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-コ-酢酸ビニル)、高分子量ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン-コ-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸及びそれらのコポリマー及び混合物、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)及びポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、プロピレンフマレート、多糖類、ヒアルロン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリーレート、チロシン由来ポリカーボネート、チロシン由来ポリイミノカーボネート、チロシン由来ポリホスホネート、ウレタン、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸) 、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリホスホエステル、ポリ(トリメチレンカーボネート)、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、シリコーン、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、セロファン、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ(グリセリルセバケート)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-コ-バレレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリホスホエステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、ポリスチレン、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名でのフッ化ビニリデン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-コ-HFP)、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-トリアセテート、シリコーン、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリ(乳酸)とグリコール酸とのコポリマー、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシン由来イミノカーボネート)、ポリ(チロシン由来アリーレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)とのコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン及び前述の任意の2つ以上の任意の組み合わせ又は混合物からなる群より選ばれる材料をさらに含む、請求項22記載の装填可能な多孔質構造又は請求項24記載の装填された多孔質構造
【請求項28】
前記マトリックス材料はエチレン酢酸ビニル(EVA)である、請求項24記載の装填可能な多孔質構造体又は請求項24記載の装填された多孔質構造体。
【請求項29】
前記ポロゲンは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、固体有機酸、クエン酸、可溶性ポリマー及び低分子量ポリビニルピロリドン(低MW PVP)からなる群より選ばれる材料を含む、請求項22及び26~28のいずれか1項記載の装填可能な多孔質構造
【請求項30】
前記ポロゲンは医薬活性物質又は薬物ではない、請求項22及び26~28のいずれか1項記載の装填可能な多孔質構造体。
【外国語明細書】