(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133547
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法、光起電力システム
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20240925BHJP
H01L 31/0745 20120101ALI20240925BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/06 450
H01L29/44 S
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024106344
(22)【出願日】2024-07-01
(31)【優先権主張番号】202311561740.8
(32)【優先日】2023-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 成法
(72)【発明者】
【氏名】▲ゾウ▼ 楊
(72)【発明者】
【氏名】王 昆州
(72)【発明者】
【氏名】李 万里
(72)【発明者】
【氏名】張 雅倩
(72)【発明者】
【氏名】呉 暁鵬
(72)【発明者】
【氏名】張 帥
(72)【発明者】
【氏名】陸 玉剛
(72)【発明者】
【氏名】陳 紅
(57)【要約】 (修正有)
【課題】良好な電気的接続を保証したまま、パッシベーション構造への損傷及び再結合が小さく、高い光電変換効率を有する太陽電池を提供する。
【解決手段】基板層10は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1の表面及び第2の表面を含み、トンネリング酸化物層20、第1のドープポリシリコン層30及び第1のパッシベーション層40は、基板層10から徐々に離れる方向に沿って基板層10の第1の表面に順次設けられ、第1の微細ゲート層は、第1の方向xに沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲート50を含み、少なくとも1つの第1の微細ゲート50は、図示しない第1の接続孔に設けられ、第1の接続孔の孔底は、第1のドープポリシリコン層30に位置し、各第1の微細ゲート50は、それぞれの対応する第1の接続孔を貫通して第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1の表面及び第2の表面を含む基板層と、
前記基板層から徐々に離れる方向に沿って前記基板層の第1の表面に順次設けられたトンネリング酸化物層、第1のドープポリシリコン層及び第1のパッシベーション層と、
第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲートを含む第1の微細ゲート層と、を含み、
前記第1のパッシベーション層及び前記第1のドープポリシリコン層に少なくとも1つの第1の接続孔が設けられ、厚さ方向に沿って、前記第1の接続孔は、全ての第1のパッシベーション層を貫通し、且つ一部の第1のドープポリシリコン層を貫通し、前記第1の接続孔の孔底は、前記第1のドープポリシリコン層に位置し、各前記第1の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層に電気的に接続され、前記第1の方向において、各前記第1の接続孔の幅は、いずれも前記第1の接続孔に対応する第1の微細ゲートの幅よりも小さく、
各前記第1の接続孔の前記第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第1の表面への投影面積で、1mm2当たりの前記第1の微細ゲートは1~10万個の前記第1の接続孔を介して前記第1のドープポリシリコン層に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第1のパッシベーション層に少なくとも1つの第2の接続孔が設けられ、各前記第1の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第2の接続孔及び前記第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層に電気的に接続され、前記第1の方向において、各前記第2の接続孔の幅は、いずれも前記第2の接続孔に対応する第1の微細ゲートの幅以下であり、
各前記第1の接続孔の前記第1の表面への投影は、いずれも前記第2の接続孔の前記第1の表面への投影範囲内である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第2の接続孔の個数は、前記第1の接続孔の個数よりも小さい、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
(1)前記第1のパッシベーション層の厚さが40nm~100nmであること、及び
(2)前記第1のドープポリシリコン層の厚さが10nm~200nmであることのうちの1つ以上の組み合わせを満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
ボロンドープ層、第2のパッシベーション層及び第2の微細ゲート層をさらに含み、
前記ボロンドープ層及び前記第2のパッシベーション層は、前記基板層から徐々に離れる方向に沿って前記基板層の第2の表面に順次設けられ、前記第2の微細ゲート層は、第2の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第2の微細ゲートを含み、
前記第2のパッシベーション層及び前記ボロンドープ層に少なくとも1つの第3の接続孔が設けられ、厚さ方向に沿って、前記第3の接続孔は、全ての前記第2のパッシベーション層を貫通し、一部の前記ボロンドープ層を貫通し、前記第3の接続孔の孔底は、前記ボロンドープ層に位置し、各第2の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第3の接続孔を貫通して前記ボロンドープ層に電気的に接続され、前記第2の方向において、各前記第3の接続孔の幅は、いずれも前記第3の接続孔に対応する第2の微細ゲートの幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
各前記第3の接続孔の前記第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
各前記第3の接続孔の前記第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である、
ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第2の表面への投影面積で、1mm2当たりの前記第2の微細ゲートは1~10万個の前記第3の接続孔を介して前記ボロンドープ層に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記第2のパッシベーション層に少なくとも1つの第4の接続孔が設けられ、各前記第2の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第4の接続孔及び前記第3の接続孔を貫通して前記ボロンドープ層に電気的に接続され、前記第2の方向において、各前記第4の接続孔の幅は、いずれも前記第3の接続孔に対応する第2の微細ゲートの幅以下であり、
各前記第3の接続孔の前記第2の表面への投影は、いずれも前記第4の接続孔の前記第2の表面への投影範囲内である、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記第2のパッシベーション層の厚さは、2nm~20nmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項12】
反射防止層をさらに含み、
前記反射防止層は、前記第2のパッシベーション層の前記基板層から離れる側に設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項13】
前記反射防止層の厚さは、40nm~100nmである、
ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池。
【請求項14】
前記基板層は、N型単結晶シリコンウェーハである、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項15】
太陽電池の製造方法であって、
基板層の第1の表面にトンネリング酸化物層、第1のドープポリシリコン層及び第1のパッシベーション層を順次形成するステップと、
前記第1のパッシベーション層の前記基板層から離れる表面に第1のパターンを印刷するステップであって、前記第1のパターンの材料は、第1の金属ペーストを含み、前記第1のパターンは、第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1のゲートストライプを含むステップと、
前記第1のパターンを乾燥処理するステップと、
乾燥処理後の前記第1のパターンを焼結処理し、第1の微細ゲート層を製造するステップであって、前記第1の微細ゲート層は、第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲートを含み、各前記第1の微細ゲートは、1つの前記第1のゲートストライプに対応するステップと、を含み、
前記焼結処理において、前記第1のパターンの材料は、前記第1のパッシベーション層及び前記第1のドープポリシリコン層を腐食し、前記第1のパッシベーション層及び前記第1のドープポリシリコン層において少なくとも1つの第1のゲートストライプに対応する位置に少なくとも1つの第1の接続孔をエッチングし、前記第1の接続孔の孔底は、前記第1のドープポリシリコン層に位置し、製造した前記第1の微細ゲートのうち各第1の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層に接触し、
各前記第1の接続孔の前記第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記焼結処理のピーク温度は、700℃~900℃である、
ことを特徴とする請求項15に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
光起電力システムであって、
請求項1~5のいずれか一項に記載の太陽電池、又は請求項15~16のいずれか一項に記載の太陽電池の製造方法により製造された太陽電池を含む、
ことを特徴とする光起電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、太陽電池の技術分野に関し、具体的には、太陽電池及びその製造方法、光起電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
TOPCon電池(トンネリング酸化物層パッシベーションコンタクト電池)は、極薄の酸化物層をパッシベーション層構造として用いた太陽電池である。極薄のトンネリング酸化物層及び1層のドープしたポリシリコン薄層によって、両者は共同でパッシベーションコンタクト構造を形成し、表面再結合及び金属コンタクト再結合を効果的に低減することができ、シリコンウェーハの裏面に良好な表面パッシベーションを提供し、裏面再結合電流密度を効果的に低減し、電池の光電変換効率を向上させることができる。
【0003】
従来のTOPCon電池は、エッチング又はレーザーアブレーションによって一部のドープポリシリコン層を露出させ、さらに電極を製造してドープポリシリコン層とオーミックコンタクト(又は電気的接続と呼ばれる)を形成するが、エッチング又はレーザーアブレーションプロセスは、パッシベーション層及び反射防止層に対する損傷が比較的大きく、TOPCon電池の性能向上に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、本願は、パッシベーション層及び反射防止層に対する損傷及び再結合を減少し、光電変換効率の高い太陽電池及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様によれば、太陽電池を提供し、
その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1の表面及び第2の表面を含む基板層と、
前記基板層から徐々に離れる方向に沿って前記基板層の第1の表面に順次設けられたトンネリング酸化物層、第1のドープポリシリコン層及び第1のパッシベーション層と、
第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲートを含む第1の微細ゲート層と、を含み、
少なくとも1つの前記第1の微細ゲートは、第1の接続孔に設けられ、前記第1の接続孔の孔底は、前記第1のドープポリシリコン層に位置し、各前記第1の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層に電気的に接続され、前記第1の方向において、各前記第1の接続孔の幅は、いずれも前記第1の接続孔に対応する第1の微細ゲートの幅よりも小さい。
【0006】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第1の接続孔の前記第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。
【0007】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第1の接続孔の前記第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である。
【0008】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第1の表面への投影面積で、1mm2当たりの前記第1の微細ゲートは1~10万個の前記第1の接続孔を介して前記第1のドープポリシリコン層に電気的に接続されている。
【0009】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第1のパッシベーション層に少なくとも1つの第2の接続孔が設けられ、
各前記第1の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第2の接続孔及び前記第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層に電気的に接続され、前記第1の方向において、各前記第2の接続孔の幅は、いずれも前記第2の接続孔に対応する第1の微細ゲートの幅以下であり、
各前記第1の接続孔の前記第1の表面への投影は、いずれも前記第2の接続孔の前記第1の表面への投影範囲内である。
【0010】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第2の接続孔の個数は、前記第1の接続孔の個数よりも小さい。
【0011】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第2の接続孔の前記第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。
【0012】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第2の接続孔の前記第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である。
【0013】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第1のパッシベーション層の厚さは、40nm~100nmである。
【0014】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第1のドープポリシリコン層の厚さは、10nm~200nmである。
【0015】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記太陽電池は、ボロンドープ層、第2のパッシベーション層及び第2の微細ゲート層をさらに含み、
前記ボロンドープ層及び前記第2のパッシベーション層は、前記基板層から徐々に離れる方向に沿って前記基板層の第2の表面に順次設けられ、前記第2の微細ゲート層は、第2の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第2の微細ゲートを含み、
少なくとも1つの前記第2の微細ゲートは、第3の接続孔に設けられ、前記第3の接続孔の孔底は、前記ボロンドープ層に位置し、各第2の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第3の接続孔を貫通して前記ボロンドープ層に電気的に接続され、前記第2の方向において、各前記第3の接続孔の幅は、いずれも前記第3の接続孔に対応する第2の微細ゲートの幅よりも小さい。
【0016】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第3の接続孔の前記第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。
【0017】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第3の接続孔の前記第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である。
【0018】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第2の表面への投影面積で、1mm2当たりの前記第2の微細ゲートは1~10万個の前記第3の接続孔を介して前記ボロンドープ層に電気的に接続されている。
【0019】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第2のパッシベーション層に少なくとも1つの第4の接続孔が設けられ、各前記第2の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第4の接続孔及び前記第3の接続孔を貫通して前記ボロンドープ層に電気的に接続され、前記第2の方向において、各前記第4の接続孔の幅は、いずれも前記第3の接続孔に対応する第2の微細ゲートの幅以下であり、
各前記第3の接続孔の前記第2の表面への投影は、いずれも前記第4の接続孔の前記第2の表面への投影範囲内である。
【0020】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第4の接続孔の個数は、前記第3の接続孔の個数よりも小さい。
【0021】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第4の接続孔の前記第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。
【0022】
そのうちのいくつかの実施形態において、各前記第4の接続孔の前記第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である。
【0023】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第2のパッシベーション層の厚さは、2nm~20nmである。
【0024】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記第2の微細ゲートと前記基板層とは、少なくとも前記ボロンドープ層によって離間される。
【0025】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記太陽電池は、反射防止層をさらに含み、
前記反射防止層は、前記第2のパッシベーション層の前記基板層から離れる側に設けられる。
【0026】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記反射防止層の厚さは、40nm~100nmである。
【0027】
第2の態様によれば、本願は、太陽電池の製造方法をさらに提供し、
基板層の第1の表面にトンネリング酸化物層、第1のドープポリシリコン層及び第1のパッシベーション層を順次形成するステップと、
前記第1のパッシベーション層の前記基板層から離れる表面に第1のパターンを印刷するステップであって、前記第1のパターンの材料は、第1の金属ペーストを含み、前記第1のパターンは、第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1のゲートストライプを含むステップと、
前記第1のパターンを乾燥処理するステップと、
乾燥処理後の前記第1のパターンを焼結処理し、第1の微細ゲート層を製造するステップであって、前記第1の微細ゲート層は、第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲートを含み、各前記第1の微細ゲートは、1つの前記第1のゲートストライプに対応するステップと、を含み、
前記焼結処理において、前記第1のパターンの材料は、前記第1のパッシベーション層及び前記第1のドープポリシリコン層を腐食し、前記第1のパッシベーション層及び前記第1のドープポリシリコン層において少なくとも1つの第1のゲートストライプに対応する位置に少なくとも1つの第1の接続孔をエッチングし、前記第1の接続孔の孔底は、前記第1のドープポリシリコン層に位置し、製造した前記第1の微細ゲートのうち各第1の微細ゲートは、それぞれの対応する前記第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層に接触する。
【0028】
そのうちのいくつかの実施形態において、前記焼結処理のピーク温度は、700℃~900℃である。
【0029】
第3の態様によれば、本願は、上述した太陽電池又は上述した太陽電池の製造方法により製造された太陽電池を含む、光起電力システムをさらに提供する。
【発明の効果】
【0030】
本願は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本願の実施形態にて提供される太陽電池において、第1の微細ゲートは、第1のパッシベーション層上の接続孔を介して第1のドープポリシリコン層に接触し、且つ第1の接続孔の寸法は、いずれも第1の微細ゲートよりも小さく、良好な電気的接触を保証したまま、太陽電池のパッシベーション構造への損傷及び再結合が小さく、従来の太陽電池と比較して、本願の実施形態にて提供される太陽電池は高い光電変換効率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本願の一実施例の太陽電池の構造模式図である。
【
図2】
図1に示す太陽電池の第1の表面から第2の表面への方向における平面模式図である。
【
図3】
図1に示す太陽電池の第2の表面から第1の表面への方向における平面模式図である。
【
図4】本願の一実施例の太陽電池の構造模式図である。
【
図5】(a)は
図4に示す太陽電池の第2の微細ゲートの被覆領域下方の平面図であり、(b)は
図4に示す太陽電池の第1の微細ゲートの被覆領域下方の平面図である。
【
図6】本願の一実施例の太陽電池の構造模式図である。
【
図7】(a)は
図6に示す太陽電池の第2の微細ゲートの被覆領域下方の平面図であり、(b)は
図6に示す太陽電池の第1の微細ゲートの被覆領域下方の平面図である。
【
図8】本願の一実施例の太陽電池の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本願の理解を容易にするために、以下では、関連する図面を参照して、本願をより完全に説明する。本願のより好ましい実施例が、添付の図面に示されている。しかし、本願は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載された実施例に限定されない。むしろ、これらの実施例は、本願の開示内容の理解をより完全にすることを目的として提供される。
【0033】
本願の説明において、「中心」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明の便宜及び簡略化のためのものであり、示される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されなければならないことを示し又は暗示するものではなく、したがって、本願を限定するものとは理解できないことを理解されたい。
【0034】
なお、「第1の」、「第2の」という用語は、単に説明のためのものであり、相対的な重要性を示すか又は暗示するか、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解すべきではない。したがって、「第1の」、「第2の」と定義された特徴は、少なくとも1つのその特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」は、特に断りのない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0035】
本願において、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、別段の明示的な規定及び限定がない限り、広義に理解されるべきであり、例えば、特に明示的に限定されない限り、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的なものであってもよく、機械的接続でも電気的接続でもよく、直接的な連結でも介在媒体を介する間接的な連結でもよく、2つの要素の内部の連通、又は2つの要素の相互作用の関係であってもよい。本願における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0036】
なお、要素が別の要素に「固定されている」と称される場合、別の要素の上に直接あってもよく、又は介在する要素が存在してもよい。ある要素が別の要素に「接続されている」と見なされる場合、別の要素に直接接続されてもよく、又は介在する要素が同時に存在してもよい。
【0037】
本願において、別段の明示的な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴及び第2の特徴が直接接触していること、又は第1の特徴及び第2の特徴が介在媒体を介して間接的に接触していることであってもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、又は単に第1の特徴が第2の特徴よりも水平高さが高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴「の下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、又は単に第1の特徴が第2の特徴よりも水平高さが低いことを示す。
【0038】
さらに、図面は1対1の縮尺で描かれるものではなく、各要素の相対的な寸法は、本願の理解を容易にするために図面には例として描かれているだけであるが、必ずしも真の縮尺で描かれているわけではなく、図面の縮尺は本願を限定するものではない。
【0039】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において用いられる用語は、特定の実施例を説明するためのものであり、本願を限定することを意図していない。本明細書で用いられる「及び/又は」という用語は、関連して列記される項目のうちの1つ又は複数の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。
【0040】
本願において、オーミックコンタクトは、電気的接続と同じ意味を有し、好ましくは、電気的接続は、物理的接触であり、即ち電気的接続は、無線通信信号接続ではなく、物理的接触の回路接続を意味する。
【0041】
図1及び
図2を参照すると、本願の一実施形態は、太陽電池1を提供し、当該太陽電池1は、基板層10、トンネリング酸化物層20、第1のドープポリシリコン層30、第1のパッシベーション層40及び第1の微細ゲート50層を含み、
ここで、基板層10は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1の表面及び第2の表面を含み、
トンネリング酸化物層20、第1のドープポリシリコン層30及び第1のパッシベーション層40は、基板層10から徐々に離れる方向に沿って基板層10の第1の表面に順次設けられ、
第1の微細ゲート層は、第1の方向xに沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲート50を含み、
少なくとも1つの第1の微細ゲート50は、第1の接続孔に設けられ、第1の接続孔の孔底は、第1のドープポリシリコン層30に位置し(第1の微細ゲート及び第1の接続孔はダマシン構造を形成するため、
図1~
図3に第1の接続孔が示されていない)、各第1の微細ゲート50は、それぞれの対応する第1の接続孔を貫通して第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続され、第1の方向xにおいて、各第1の接続孔の幅W1は、いずれも第1の接続孔に対応する第1の微細ゲート50の幅W2よりも小さい。
【0042】
理解されるように、本願において、厚さ方向に沿って、第1の接続孔は全ての第1のパッシベーション層40を貫通し、且つ一部の第1のドープポリシリコン層30を貫通する。
【0043】
上述した太陽電池1において、第1の微細ゲート50は、第1の接続孔を介して第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続され、且つ第1の接続孔の寸法は、いずれも第1の微細ゲート50よりも小さく、良好な電気的接続を保証したまま、太陽電池1のパッシベーション構造への損傷及び再結合が小さく、且つ第1の微細ゲート50が第1のドープポリシリコン層30を貫通してトンネリング酸化物層20に接続されることがなく、さらに第1の微細ゲート層による太陽電池1のパッシベーション構造への損傷を低減し、さらにパッシベーション構造の損傷及び再結合を回避し、従来の太陽電池1と比較して、本願の実施形態にて提供される太陽電池1は、高い光電変換効率を有する。
【0044】
そのうちのいくつかの実施例では、各第1の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。さらに、各第1の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積は、10nm2~10μm2である。第1の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積を平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールに制御することで、第1の接続孔の寸法が小さく、第1の微細ゲート50と第1のドープポリシリコン層30との良好なオーミックコンタクト/電気的接続を保証したまま、第1のパッシベーション層40への損傷及び再結合をさらに低減することができ、従来の太陽電池と比較して、光電変換効率を向上させることができる。選択的に、各第1の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積は、10nm2、50nm2、100nm2、500nm2、0.1μm2、1μm2、10μm2又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0045】
そのうちのいくつかの実施例では、基板層10の第1の表面への投影面積で、1mm2当たりの第1の微細ゲート50は1~10万個の第1の接続孔を介して第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続されている。選択的に、基板層10の第1の表面への投影面積で、1mm2当たりの第1の微細ゲート50が第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続されている第1の接続孔の数は、1、10、100、200、500、1千、2千、3千、5千、8千、1万、2万、3万、5万、8万、10万又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0046】
そのうちのいくつかの実施例では、第1のパッシベーション層40の厚さは、40nm~100nmである。選択的に、第1のパッシベーション層40の厚さは、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0047】
そのうちのいくつかの実施例では、第1のドープポリシリコン層30の厚さは、10nm~200nmである。選択的に、第1のドープポリシリコン層30の厚さは、10nm、20nm、50nm、100nm、150nm、200nm又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0048】
図1及び
図3を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、太陽電池1は、ボロンドープ層60、第2のパッシベーション層70及び第2の微細ゲート層をさらに含む。
【0049】
ボロンドープ層60及び第2のパッシベーション層70は、基板層10から徐々に離れる方向に沿って基板層10の第2の表面に順次設けられ、第2の微細ゲート層は、第2の方向yに沿って間隔をあけて順次配列された複数の第2の微細ゲート80を含む。
【0050】
そのうちのいくつかの実施例では、第2のパッシベーション層70の厚さは、2nm~20nmである。選択的に、第2のパッシベーション層70の厚さは、2nm、5nm、10nm、15nm、20nm又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0051】
図4~
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、第1のパッシベーション層40に少なくとも1つの第2の接続孔が設けられ(第1の微細ゲート50及び第2の接続孔はダマシン構造を形成するため、
図4~
図8に第2の接続孔が示されていない)、各第1の微細ゲート50は、それぞれの対応する第2の接続孔及び第1の接続孔を貫通して前記第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続され、第1の方向において、各第2の接続孔の幅W02は、いずれも第2の接続孔に対応する第1の微細ゲート50の幅W2以下であり、
各第1の接続孔の第1の表面への投影は、いずれも第2の接続孔の第1の表面への投影範囲内である。
【0052】
理解されるように、厚さ方向に沿って、第2の接続孔は、一部又は全ての第1のパッシベーション層40を貫通するが、第1のドープポリシリコン層30まで貫通しておらず、即ち、第1の微細ゲートを除去すれば、第1の方向から第2の方向を見た場合、第2の接続孔は、少なくとも1つの第1の接続孔を含み、好ましくは、第2の接続孔は、複数の第1の接続孔を含む。
【0053】
第2の接続孔を設けることにより、第1の微細ゲート50は、第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続されている部分を除いて、第1の微細ゲート50は、単に部分的に第1のパッシベーション層40に埋め込まれるか又は第1のパッシベーション層40の表面を覆うので、第1の微細ゲート50による第1のパッシベーション層40への損傷が小さい。
【0054】
そのうちのいくつかの実施形態において、第2の接続孔の個数は、前記第1の接続孔の個数よりも小さい。
【0055】
そのうちのいくつかの実施形態において、各第2の接続孔の前記基板層10の第1の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。さらに、各第2の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積は、10nm2~10μm2である。第2の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積を平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールに制御することで、第2の接続孔の寸法が小さく(第1の接続孔よりも大きい)、第1の微細ゲート50と第1のドープポリシリコン層30との良好なオーミックコンタクト/電気的接続を保証したまま、第1のパッシベーション層40への損傷及び再結合をさらに低減することができ、従来の太陽電池と比較して、光電変換効率を向上させることができる。選択的に、各第2の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積は、10nm2、20nm2、50nm2、100nm2、500nm2、0.1μm2、1μm2、2μm2、3μm2、10μm2又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0056】
そのうちのいくつかの実施例では、基板層10の第1の表面への投影面積で、1mm2当たりの第1の微細ゲート50は1~10万個の第2の接続孔を介して第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続されている。選択的に、基板層10の第1の表面への投影面積で、1mm2当たりの第1の微細ゲート50が第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続されている第2の接続孔の数は、1、2、10、100、200、500、1千、2千、3千、5千、8千、1万、2万、3万、5万、8万、10万又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0057】
図1~
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、ボロンドープ層60、第2のパッシベーション層70及び第2の微細ゲート層を含む太陽電池1に対して、ボロンドープ層60及び第2のパッシベーション層70は、基板層10から徐々に離れる方向に沿って基板層10の第2の表面に順次設けられ、第2の微細ゲート層は、第2の方向yに沿って間隔をあけて順次配列された複数の第2の微細ゲート80を含み、
少なくとも1つの第2の微細ゲート80は、第3の接続孔に設けられ、第3の接続孔の孔底は、ボロンドープ層60に位置し(第2の微細ゲート及び第3の接続孔はダマシン構造を形成するため、
図1~
図3に第3の接続孔が示されていない)、各第2の微細ゲート80は、それぞれの対応する第3の接続孔を貫通してボロンドープ層60に電気的に接続され、第2の方向yにおいて、各第3の接続孔の幅W3は、いずれも第3の接続孔に対応する第2の微細ゲート80の幅W4よりも小さい。
図1に示すいくつかの実施例では、第1の方向x及び第2の方向yは同じである。理解されるように、そのうちのいくつかの他の実施例では、第1の方向x及び第2の方向yは異なってもよい。一例として、第1の方向xは、第2の方向yと垂直であってもよい。
【0058】
理解されるように、厚さ方向に沿って、第3の接続孔は、全ての第2のパッシベーション層70を貫通し、一部のボロンドープ層60を貫通する。
【0059】
そのうちのいくつかの実施例では、各第3の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。さらに、各第3の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である。第3の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積を平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールに制御することで、第3の接続孔の寸法が小さく、第2の微細ゲート80とボロンドープ層60との良好なオーミックコンタクト/電気的接続を保証したまま、第2のパッシベーション層70への損傷及び再結合をさらに低減することができ、従来の太陽電池と比較して、光電変換効率を向上させることができる。選択的に、各第3の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、10nm2、50nm2、100nm2、500nm2、0.1μm2、1μm2、10μm2又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0060】
そのうちのいくつかの実施例では、基板層10の第2の表面への投影面積で、1mm2当たりの第2の微細ゲート80は1~10万個の第3の接続孔を介してボロンドープ層60に電気的に接続されている。選択的に、基板層10の第2の表面への投影面積で、1mm2当たりの第2の微細ゲート80がボロンドープ層60に電気的に接続されている第3の接続孔の数は、1、10、100、200、500、1千、2千、3千、5千、8千、1万、2万、3万、5万、8万、10万又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0061】
図4~
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、第2のパッシベーション層70に少なくとも1つの第4の接続孔が設けられ(第2の微細ゲート及び第4の接続孔はダマシン構造を形成するため、
図4~
図8に第4の接続孔が示されていない)、各第2の微細ゲート80は、それぞれの対応する第4の接続孔及び第3の接続孔を貫通してボロンドープ層60に電気的に接続され、第2の方向yにおいて、各第4の接続孔の幅W04は、いずれも第3の接続孔に対応する第2の微細ゲート80の幅W4以下であり、
各第3の接続孔の基板層10の第2の表面への投影は、いずれも第4の接続孔の基板層10の第2の表面への投影範囲内である。
【0062】
理解されるように、厚さ方向に沿って、第4の接続孔は、一部又は全ての第2のパッシベーション層70を貫通するが、ボロンドープ層60まで貫通しておらず、即ち、第2の微細ゲートを除去すれば、第2の方向から第1の方向を見た場合、第4の接続孔は、少なくとも1つの第3の接続孔を含み、好ましくは、第4の接続孔は、複数の第3の接続孔を含む。
【0063】
第4の接続孔を設けることにより、第2の微細ゲート80は、ボロンドープ層60に電気的に接続されている部分を除いて、第2の微細ゲート80は、単に部分的に第2のパッシベーション層70に埋め込まれるか又は第2のパッシベーション層70の基板層10から離れる表面側に位置するので、第2の微細ゲート80による第2のパッシベーション層70への損傷が小さい。
【0064】
そのうちのいくつかの実施例では、各第4の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールである。さらに、各第4の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、それぞれ独立して10nm2~10μm2である。第4の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積を平方ナノメートルスケールから平方マイクロメートルスケールに制御することで、第4の接続孔の寸法が小さく(第3の接続孔よりも大きく)、第2の微細ゲート80とボロンドープ層60との良好なオーミックコンタクト/電気的接続を保証したまま、第2のパッシベーション層70への損傷及び再結合をさらに低減することができ、従来の太陽電池と比較して、光電変換効率を向上させることができる。選択的に、各第4の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、10nm2、20nm2、50nm2、100nm2、500nm2、0.1μm2、1μm2、2μm2、3μm2、10μm2又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0065】
そのうちのいくつかの実施例では、基板層10の第2の表面への投影面積で、1mm2当たりの第2の微細ゲート80は1~10万個の第4の接続孔を介してボロンドープ層60に電気的に接続されている。選択的に、基板層10の第2の表面への投影面積で、1mm2当たりの第2の微細ゲート80がボロンドープ層60に電気的に接続されている第3の接続孔の数は、1、10、100、200、500、1千、2千、3千、5千、8千、1万、2万、3万、5万、8万、10万又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0066】
そのうちのいくつかの実施例では、第2のパッシベーション層70の厚さは、2nm~20nmである。選択的に、第2のパッシベーション層70の厚さは、2nm、5nm、10nm、15nm、20nm又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0067】
図1~
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、太陽電池1は、反射防止層90をさらに含み、反射防止層90は、第2のパッシベーション層70の基板層10から離れる側に設けられる。
【0068】
そのうちのいくつかの実施例では、反射防止層90の厚さは、40nm~100nmである。選択的に、反射防止層90の厚さは、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0069】
理解されるように、反射防止層90を含む太陽電池に対して、接続孔を設けてもよいし、接続孔を設けなくてもよく、接続孔を含む態様では、その接続孔の設置思想は、第2のパッシベーション層70における第4の接続孔とは同様であるので、第4の接続孔とも呼ばれ、厚さ方向に沿って、反射防止層90における第4の接続孔は、一部又は全ての反射防止層90を貫通する。
【0070】
上述した第2のパッシベーション層における第4の接続孔に関する説明を参照し、且つ反射防止層90に少なくとも1つの第4の接続孔が設けられ(第2の微細ゲート及び第4の接続孔はダマシン構造を形成するため、
図4~
図8に第4の接続孔が示されておらず)、各第2の微細ゲート80は、それぞれの対応する第4の接続孔及び第3の接続孔を貫通してボロンドープ層60に電気的に接続され、第2の方向yにおいて、各反射防止層90における第4の接続孔の幅W04は、いずれも第3の接続孔に対応する第2の微細ゲート80の幅W4以下である。このようにすると、第2の微細ゲート80による反射防止層90への損傷が小さく、太陽電池1のパッシベーション構造への損傷及び再結合をさらに低減することができる。
【0071】
図4~
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、厚さ方向に沿って、第4の接続孔は、一部の反射防止層90及び全ての第2のパッシベーション層70を貫通する。
【0072】
図4~
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、第1のパッシベーション層40に少なくとも1つの第5の孔が設けられ、前記第5の孔の孔底は、第1のパッシベーション層40に位置し、各第5の孔の幅W05は、いずれも第1の接続孔に対応する第1の微細ゲート50の幅W2よりも小さい。
【0073】
図4を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、第2のパッシベーション層70に少なくとも1つの第6の孔が設けられ、前記第6の孔の孔底は、第2のパッシベーション層70に位置し、各第6の孔の幅W06は、いずれも第3の接続孔に対応する第2の微細ゲート80の幅W4よりも小さい。
【0074】
図6を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、反射防止層90に少なくとも1つの第6の孔が設けられ、前記第6の孔の孔底は、反射防止層90に位置し、各第6の孔の幅W06は、いずれも第3の接続孔に対応する第2の微細ゲート80の幅W4よりも小さい。
【0075】
図8を参照すると、そのうちのいくつかの実施例では、第2のパッシベーション層70及び反射防止層90に少なくとも1つの第6の孔が設けられ、前記第6の孔の孔底は、第2のパッシベーション層70に位置し、各第6の孔の幅W06は、いずれも第3の接続孔に対応する第2の微細ゲート80の幅W4よりも小さい。
【0076】
そのうちのいくつかの実施例では、太陽電池1は、少なくとも1つの第1のメインゲート(図示せず)をさらに含む。第1のメインゲートは、第1の微細ゲート層における各第1の微細ゲート50に接続されている。
【0077】
そのうちのいくつかの実施例では、太陽電池1は、少なくとも1つの第2のメインゲート(図示せず)をさらに含む。第2のメインゲートは、第2の微細ゲート層における各第2の微細ゲート80に接続されている。
【0078】
そのうちのいくつかの実施例では、上記太陽電池1は、TOPCon電池である。
【0079】
そのうちのいくつかの実施例では、基板層10は、N型単結晶シリコンウェーハである。
【0080】
そのうちのいくつかの実施例では、基板層10の第2の表面はテクスチャード構造を有する。テクスチャード構造の第2の表面は、太陽電池1の光の利用率を向上させ、光電変換効率を向上させることができる。
【0081】
そのうちのいくつかの実施例では、トンネリング酸化物層20は、極薄のシリコン酸化物薄膜である。
【0082】
そのうちのいくつかの実施例では、第1のパッシベーション層40の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化ケイ素のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施例では、第1のパッシベーション層40の材料は、窒化ケイ素である。
【0083】
そのうちのいくつかの実施例では、第1のドープポリシリコン層30の材料は、リンドープポリシリコンである。
【0084】
そのうちのいくつかの実施例では、第2のパッシベーション層70は、アルミナパッシベーション膜である。
【0085】
そのうちのいくつかの実施例では、反射防止層90の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化ケイ素のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施例では、反射防止層90の材料は、窒化ケイ素である。
【0086】
そのうちのいくつかの実施例では、第1の微細ゲート50は、金属単体及び金属合金のうちの少なくとも1つを含む。選択的に、第1の微細ゲート50は、銀単体、アルミニウム単体及び銀アルミニウム合金のいずれかを含む。さらに、第1のメインゲートは、銀単体を含む。
【0087】
そのうちのいくつかの実施例では、第2の微細ゲート80は、金属単体及び金属合金のうちの少なくとも1つを含む。選択的に、第2の微細ゲート80は、銀単体、アルミニウム単体及び銀アルミニウム合金のいずれかを含む。さらに、第2の微細ゲート80は、銀アルミニウム合金を含む。
【0088】
第2の態様によれば、本願は、太陽電池1の製造方法をさらに提供し、以下のステップS110~S140を含む。
【0089】
S110:基板層10の第1の表面にトンネリング酸化物層20、第1のドープポリシリコン層30及び第1のパッシベーション層40を順次形成する。
【0090】
S120:第1のパッシベーション層40の基板層10から離れる表面に第1のパターンを印刷し、第1のパターンの材料は、第1の金属ペーストを含み、第1のパターンは、第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1のゲートストライプを含む。
【0091】
S130:第1のパターンを乾燥処理する。
【0092】
S140:乾燥処理後の第1のパターンを焼結処理し、第1の微細ゲート層を製造し、第1の微細ゲート層50は、第1の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第1の微細ゲート50を含み、各第1の微細ゲート50は、1つの第1のゲートストライプに対応する。
【0093】
ここで、焼結処理において、第1のパターンの材料は、第1のパッシベーション層40及び第1のドープポリシリコン層30を腐食し、第1のパッシベーション層40及び第1のドープポリシリコン層30において少なくとも1つの第1のゲートストライプに対応する位置に少なくとも1つの第1の接続孔をエッチングし、前記第1の接続孔の孔底は、前記第1のドープポリシリコン層30に位置し、製造した第1の微細ゲート50のうち各第1の微細ゲート50は、それぞれの対応する第1の接続孔を貫通して第1のドープポリシリコン層30に接触する。
【0094】
上記太陽電池1の製造方法は、焼結処理において微細ゲートの製造原料を第1のパッシベーション層40に腐食させて第1の接続孔を形成することにより、第1の微細ゲート50は、第1の接続孔を貫通して第1のドープポリシリコン層30に接触し、製造過程においてエッチング又はレーザーアブレーション処理によって第1のパッシベーション層40を除去する必要がなく、焼結によって第1の微細ゲート50と第1のドープポリシリコン層30とのオーミックコンタクトを実現することができ、製造時における第1のパッシベーション層40への損傷及び再結合が小さく、製造した太陽電池1が高い光電変換効率を有する。
【0095】
そのうちのいくつかの実施例では、焼結処理のピーク温度は、700℃~900℃である。選択的に、焼結処理のピーク温度は、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃又は以上の任意の数値からなる範囲内である。
【0096】
そのうちのいくつかの実施例では、ステップS120の前に、さらに、
第1のパッシベーション層40の基板層10から離れる表面に第1のメインゲートパターンを印刷するステップS114と、
第1のメインゲートパターンを乾燥処理するステップS116と、を含む。
【0097】
そのうちのいくつかの実施例では、ステップS120の前に、さらに、
基板層10の第2の表面にボロンドープ層60及び第2のパッシベーション層70を順次形成するステップS210を含む。
【0098】
そのうちのいくつかの実施例では、ステップS112において、第2のパッシベーション層70の表面に反射防止層90を形成することをさらに含む。
【0099】
そのうちのいくつかの実施例では、ステップS140の前に、さらに、
第2のパッシベーション層70又は反射防止層90の基板層10から離れる表面に第2のパターンを印刷するステップS220であって、第2のパターンの材料は、第2の金属ペーストを含み、第2のパターンは、第2の方向に沿って間隔をあけて順次配列された複数の第2のゲートストライプを含むステップS220と、
第2のパターンを乾燥処理するステップS230と、を含む。
【0100】
そのうちのいくつかの実施例では、ステップS220の前に、さらに、
第2のパッシベーション層70又は反射防止層90の基板層10から離れる表面に第2のメインゲートパターンを印刷するステップS212と、
第2のメインゲートパターンを乾燥処理するステップS214と、を含む。
【0101】
そのうちのいくつかの実施例では、ステップS140において、乾燥処理後の第1のパターンを焼結処理すると同時に、乾燥処理後の第2のパターンを焼結処理し、第2の微細ゲート層を製造する。
【0102】
例として、本願は、TOPCon電池の製造方法を提供し、
N型単結晶シリコンウェーハを洗浄してテクスチャリングするステップ(1)と、
N型単結晶シリコンウェーハの正面をホウ素拡散プロセスで処理するステップ(2)と、
裏面洗浄し、ホウ珪酸ガラス層(BSG)を除去するステップ(3)と、
裏面酸化により極薄の酸化ケイ素層を製造し、リンドープポリシリコンを堆積し、n+ポリシリコン層を形成するステップ(4)と、
正面にパッシベーション層及び反射防止層を順次堆積するステップ(5)と、
裏面にパッシベーション層を堆積するステップ(6)と、
裏面メインゲート電極をスクリーン印刷し、乾燥し、その後、裏面微細ゲート電極を印刷し、乾燥するステップ(7)と、
正面メインゲート電極をスクリーン印刷し、乾燥し、その後、正面微細ゲート電極を印刷し、乾燥するステップ(8)と、
メインゲート、微細ゲート電極が印刷されたシリコンウェーハを焼結処理し、焼結処理のピーク温度を700℃~900℃に制御し、太陽電池を製造するステップ(9)と、
ステップ(9)で製造した太陽電池をテスト選別する(10)と、を含む。
【0103】
第3の態様によれば、本願は、上述した太陽電池1又は上述した太陽電池1の製造方法により製造した太陽電池1を含む、光起電力システムをさらに提供する。
【0104】
光起電力システムは、地上発電所、屋根発電所、水面発電所などの光起電力所に適用することができ、また、需要者太陽光電源、太陽光街灯、太陽光自動車、太陽光建物などの太陽光エネルギーを利用して発電する設備又は装置に適用することができる。もちろん、理解されるように、光起電力システムの適用場面はこれに限定されず、つまり、光起電力システムは、光起電力を必要とするあらゆる分野に適用可能である。光起電力システム網を例にとると、光起電力システムは、光起電力アレイ、コンバージェンスボックス及びインバータを含むことができ、光起電力アレイは、複数の太陽電池1のアレイの組合せであってもよく、例えば、複数の太陽電池1は、複数の光起電力アレイを構成することができ、光起電力アレイは、コンバージェンスボックスに接続され、コンバージェンスボックスは、光起電力アレイが発生する電流を合流することができ、合流された電流は、インバータを介して商用電力網に要求される交流電流に変換された後、商用電力網に接続されて太陽光エネルギーの供給を実現する。
【0105】
以下は、具体的な実施例である。
【0106】
実施例1
本実施例は、太陽電池1を提供し、その構造は、
図1~
図3を参照する。太陽電池1は、基板層10(N型単結晶シリコンウェーハ)、トンネリング酸化物層20、n+ポリシリコン層、第1のパッシベーション層40(窒化ケイ素)、ボロンドープ層60(p型エミッタ)、第2のパッシベーション層70(酸化アルミニウム)及び反射防止層90(窒化ケイ素)を含む。
【0107】
トンネリング酸化物層20、n+ポリシリコン層及び第1のパッシベーション層40(窒化ケイ素)は、基板層10から徐々に離れる方向に沿って基板層10の第1の表面に順次設けられている。
【0108】
ボロンドープ層60(p型エミッタ)、第2のパッシベーション層70(酸化アルミニウム)及び反射防止層90(窒化ケイ素)は、基板層10から徐々に離れる方向に沿って基板層10の第2の表面に順次設けられている。
【0109】
上記構造を有するチップは、基板層10に対して順次洗浄・テクスチャリング、正面ホウ素拡散、裏面洗浄、シリカ、ポリシリコンの裏面堆積、裏面リン拡散、洗浄、正面めっき、裏面メッキなどのプロセスにより製造される。
【0110】
本実施例の太陽電池1は、正面メインゲート、正面微細ゲート、裏面メインゲート及び裏面微細ゲートをさらに含む。第1の方向xにおいて、第1のパッシベーション層40の表面に第1の方向xに沿って間隔をあけて順次配列された複数の裏面微細ゲートが設けられている。第2の方向yにおいて、反射防止層90の表面に第1の方向yに沿って間隔をあけて順次配列された複数の正面微細ゲートが設けられている。
【0111】
第1のパッシベーション層40は、裏面微細ゲートに対応する位置にそれぞれ少なくとも1つの第1の接続孔が設けられ、裏面微細ゲートは、第1の接続孔を介して第1のドープポリシリコン層30に電気的に接続され、且つ第1の方向xにおいて、接続孔の幅W1は、裏面微細ゲートの幅W2よりも小さい。裏面メインゲートは、裏面微細ゲートに接続されている。第1の接続孔の基板層10の第1の表面への投影面積は、10nm2~10μm2である。
【0112】
反射防止層90及び第2のパッシベーション層70は、正面微細ゲートに対応する位置にそれぞれ少なくとも1つの第3の接続孔が設けられ、正面微細ゲートは、第3の接続孔を介してボロンドープ層60に電気的に接続され、且つ第2の方向yにおいて、第3の接続孔の幅W3は、正面微細ゲートの幅W4よりも小さい。正面メインゲートは、正面微細ゲートに接続されている。第3の接続孔の基板層10の第2の表面への投影面積は、10nm2~10μm2である。
【0113】
具体的には、上記太陽電池における正面メインゲート、正面微細ゲート、裏面メインゲート及び裏面微細ゲートの製造プロセスは、以下を含み、
(1)シリコンウェーハの裏面にメインゲート銀ペーストをスクリーン印刷し、裏面メインゲート電極を製造し、乾燥する。その後、裏面に微細ゲート銀ペーストを印刷し、裏面微細ゲート電極を製造し、乾燥する。
(2)シリコンウェーハの正面にメインゲートペーストをスクリーン印刷し、正面メインゲート電極を製造し、乾燥する。その後、正面に微細ゲートペーストを印刷し、正面微細ゲート電極を製造し、乾燥する。
(3)両面に電極が印刷された電池を焼結処理し、50℃/minを超えて700℃以上まで昇温し、その後、50℃/minを超えて室温まで降温し、本実施例の太陽電池を得る。
【0114】
比較例1
本比較例にて提供される太陽電池は、チップの構造が実施例1と同じである。実施例1との違いは、正面微細ゲート及び裏面微細ゲートの構造が異なる点である。
【0115】
本比較例の太陽電池において、
第1のパッシベーション層は、裏面微細ゲートに対応する位置にそれぞれ接続溝が設けられ、裏面微細ゲートは、接続溝を介して第1のドープポリシリコン層と接続され、且つ接続溝の幅は、裏面微細ゲートの幅に等しく、即ち裏面微細ゲートに対応する領域において、第1のドープポリシリコン層の表面は、第1のパッシベーション層で覆われていない。裏面メインゲートは、裏面微細ゲートに接続されている。
【0116】
反射防止層及び第2のパッシベーション層は、正面微細ゲートに対応する位置にそれぞれ接続溝が設けられ、正面微細ゲートは、接続溝を介してボロンドープ層と接続され、且つ接続溝の幅は、正面微細ゲートの幅に等しく、即ち正面微細ゲートに対応する領域において、ボロンドープ層の表面は、第2のパッシベーション層及び反射防止層で覆われていない。正面メインゲートは、正面微細ゲートに接続されている。
【0117】
具体的には、上記太陽電池における正面メインゲート、正面微細ゲート、裏面メインゲート及び裏面微細ゲートの製造プロセスは、以下を含み、
(1)シリコンウェーハの裏面にスクリーン印刷し、裏面メインゲート電極を製造し、乾燥する。その後、裏面に印刷し、裏面微細ゲート電極を製造し、乾燥する。
(2)チップの正面にペーストをスクリーン印刷し、正面メインゲート電極を製造し、乾燥する。その後、正面にペーストを印刷し、正面微細ゲート電極を製造し、乾燥する。
(3)両面に電極が印刷されたチップを焼結処理し、1500℃/minで800℃まで昇温して1分間保温し、その後、2500℃/minで25℃まで降温し、本実施例の太陽電池を得る。
【0118】
実施例1及び比較例1の太陽電池の電気的性能テストにより、実施例1の太陽電池の量産平均効率は25.5%であり、実施例1の太陽電池は比較例1の太陽電池に対して、開放電圧が2mV向上し、曲線因子が0.1%向上し、電池光電変換効率が0.1%向上することが分かった。
【0119】
以上に述べた実施例の各技術的特徴は任意の組合せが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の可能な全ての組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せに矛盾がない限り、全て本明細書に記載された範囲であると考えるべきである。
【0120】
以上に述べた実施例は、本願のいくつかの実施形態を表現しただけで、本願の技術案を具体的かつ詳細に理解するのに便利であるが、それによって発明特許の保護範囲を制限するものと理解することはできない。指摘すべきことは、当業者にとっては、本願の構想を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改良を加えることができ、これらは本願の保護範囲に属するということである。当業者が本願にて提供される技術案を基礎として、論理的な分析、推論又は限定的な試験によって得た技術案は、いずれも本願に記載された添付の特許請求の範囲の保護範囲内にあることを理解すべきである。したがって、本願専利の保護範囲は添付の特許請求の範囲の内容を基準とすべきであり、明細書及び添付図面は添付の特許請求の範囲の内容の解釈に用いることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 太陽電池、10 基板層、20 トンネリング酸化物層、30 第1のドープポリシリコン層、40 第1のパッシベーション層、50 第1の微細ゲート、501 第2の接続孔に対応する第1の微細ゲート、502 第5の孔に対応する第1の微細ゲート、60 ボロンドープ層、70 第2のパッシベーション層、80 第2の微細ゲート、801 第4の接続孔に対応する第2の微細ゲート、802 第6の孔に対応する第2の微細ゲート、90 反射防止層