IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133585
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】移動可能なディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20240925BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024107669
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2022512304の分割
【原出願日】2020-08-21
(31)【優先権主張番号】62/890,844
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー,チャールズ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ルーク,スコット オー.
(72)【発明者】
【氏名】ワルド,マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン,アレン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ,ランダル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リー,ぺリング ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒンウィー,プッシュカー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー,ロートン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】リンチ,ゴーラン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード,ラッセル エル.イー.
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】実装は、可動ディスプレイシステムに関する。幾つかの実装では、制御ユニットが、第1の支持体と、第1の支持体に結合された第2の支持体とを含む。第2の支持体は、第1の支持体に対して第1の自由度で第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、第2の支持体の少なくとも一部分は、第1の支持体に対して第2の自由度で第2の軸に沿って直線的に並進可能である。制御ユニットは、第2の支持体に回転可能に結合されるディスプレイユニットを含む。ディスプレイユニットは、第2の支持体に対して第3の自由度で第3の軸について回転可能であり、ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む。
【選択図】図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の支持体と、
前記第1の支持体に結合される第2の支持体と、
前記第2の支持体に回転可能に結合されるディスプレイユニットと、を含み、
前記第2の支持体は、前記第1の支持体に対して第1の自由度において第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、前記第2の支持体の少なくとも一部分は、前記第1の支持体に対して第2の自由度において第2の軸に沿って直線的に並進可能であり、
前記ディスプレイユニットは、前記第2の支持体に対して第3の自由度において第3の軸について回転可能であり、前記ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む、
制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2019年8月23日に出願された「Moveable Display System」という名称の米国仮特許出願第62/890,844号の優先権を主張し、その全文が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイスクリーン、ウェアラブルディスプレイデバイス、プロジェクタなどを含むディスプレイデバイスは、様々なデバイス及び用途において使用される。幾つかの用途において、ディスプレイデバイスは、シーンのビュー(眺望)を提供するカメラによってキャプチャされた画像を出力する。
【0003】
幾つかの用途において、ディスプレイデバイスは、他のデバイスと共に使用されることができ、ユーザが、例えば、他のデバイスを操作することと連動してディスプレイデバイスによって提供される表示されるビューを観察することを可能にする。例えば、遠隔操作システムでは、ユーザが、典型的には、作業場所で、マニピュレータシステムのような制御されたデバイスの動き及び/又は他の機能を遠隔制御する(例えば、遠隔操作する)ために、制御入力デバイスを作動させる。幾つかの例において、遠隔操作手術システムでは、ユーザが、制御入力デバイスを作動させて、外科器具及び他のデバイスを操作して、手術部位で外科手術を行う。制御入力デバイスは、しばしば、ピンチャーグリップ、ジョイスティック、外骨格グローブ、又は同等物のような、手入力デバイスを含む。外科的又は他の医療タスクの幾つかの例において、手入力デバイスは、針の保持もしくは駆動、血管の把持、又は組織の解離、焼灼もしくは凝固のような機能を行う、組織グラスパ、ニードルドライバ、電気外科的焼灼プローブ、カメラなどのような、様々な外科器具を制御することがある。他のアプリケーションは、遠隔操作システムを使用して作業場所で実行される様々な遠隔操作されるタスクを含むことができる。
【0004】
様々な遠隔操作システムでは、ディスプレイユニットが制御入力デバイスと共に使用される。例えば、ディスプレイユニットは、作業部位でカメラによって取り込まれるような遠隔作業場所又はその部分のビューを示す画像を表示するディスプレイデバイスを含むことができる。ユーザが、制御入力デバイスを操作し、マニピュレータデバイスを制御して、ディスプレイユニットによって表示される作業部位のビューを観察しながら、作業部位でタスクを行うことができるように、ディスプレイユニットは、機械的に接地された支持体によって保持されることができる。他のシステムは、例えば、作業部位で発生するタスク又はイベントを監視するために、ユーザが制御入力デバイスを使用することなく、作業部位の表示されるビューをそのユーザに提供するディスプレイユニットを含むこともある。これらのシステムの幾つかにおいて、ユーザは、手入力デバイスを操作してカメラを操作することによって表示されるビューを調節する、例えば、カメラのビューを回転、パン及びズームして、作業部位の所望の倍率及び視認角(angles of view)を得ることができる。これは、作業部位のビューが、より明確なプレゼンテーションのためにカスタマイズされることを可能にし、作業部位でのタスクが、ユーザによってカスタマイズされるビューに基づいて正確に行われることを可能にする。
【0005】
しかしながら、遠隔操作システムは、限定的な視認領域(viewing area)を有し(例えば、ユーザがビューポート又は接眼レンズを通じて見なければならず)、ユーザに対するその位置において静的且つ剛性である、視認デバイス(viewing device)を提供することがある。ユーザは、視認デバイスを使用し得るように、システム動作中に、ユーザの頭及び身体の位置を視認デバイスに対して適合させなければならない。例えば、ユーザにより近い物体を見るために下を見ることを望むユーザは、ユーザが視認デバイスの限定的な視認領域内で画像を見続けることができるように、自分の頭を傾けることなく自分の眼を下方に調節しなければならない。
【0006】
更に、視認デバイスにおいて表示されるビューの操作は、幾つかのシステムのユーザにとって挑戦的であり得る。例えば、ユーザが、作業部位でマニピュレータ器具を動かすために制御入力デバイスの手入力デバイスを把持しているならば、視認デバイスにおけるビューを調整することは、ユーザが、制御入力デバイスに手入力を提供し、且つ/或いは異なる制御モードに入って、表示されるビューを変更することを必要とすることがある。そのような動作は、典型的には、ユーザが、ビュー調整を行うために、マニピュレータ器具の操作を中断及び一時停止することを必要とし、よって、タスクを実行するときに注意散漫及び潜在的な不正確さを生じさせる。更に、眼追跡センサ又は音声コマンドのような、表示されるビューを制御する幾つかのハンズフリーな方法は、しばしば、正確でなく、信頼性もなく、ユーザから提供されるコマンドに曖昧さを持ち込む可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本出願の実装は、可動ディスプレイシステムに関する。幾つかの実装では、制御ユニットが、第1の支持体と、第1の支持体に結合される第2の支持体とを含む。第2の支持体は、第1の支持体に対して第1の自由度において第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、第2の支持体の少なくとも一部分は、第1の支持体に対して第2自由度において第2の軸に沿って直線的に並進可能である。制御ユニットは、第2の支持体に回転可能に結合されるディスプレイユニットを含み、ディスプレイユニットは、第2の支持体に対して第3の自由度において第3の軸について回転可能であり、ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む。
【0008】
制御ユニットの幾つかの実装において、第1の軸は、第2の軸に対して直交し、第3の軸は、第1の軸に対して直交し、第2の軸に対して直交する。幾つかの実装において、第1の支持体及び第2の支持体は、互いに対する向きにおいて固定される。幾つかの実装において、第1の支持体は、第1の伸縮自在なベース部分と、第2の伸縮自在なベース部分とを含み、第2の伸縮自在なベース部分は、第1の伸縮自在なベース部分に対して第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、第2の支持体は、第1の伸縮自在なアーム部分と、第2の伸縮自在なアーム部分とを含み、第2の伸縮自在なアーム部分は、第1の伸縮自在なアーム部分に対して第2の軸に沿って直線的に並進可能であり、第1の支持体の第2の伸縮自在なベース部分は、第2の支持体の第1の伸縮自在なアーム部分に強固に結合される。幾つかの実装において、第2の支持体は、中間支持体によって第1の支持体に結合され、中間支持体は、互いに直交する垂直部分に強固に結合される水平部分を含み、第2の支持体は、中間支持体に対して第2の自由度において水平に並進可能であり、中間支持体及び第2の支持体は、第1の支持体に対して第1の自由度において垂直に並進可能である。
【0009】
幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、第2の支持体の端に回転可能に結合される傾斜部材を含み、傾斜部材は、第3の自由度において第3の軸について回転可能であり、ディスプレイユニットは、傾斜部材に結合され、第4の自由度において傾斜部材に対して移動可能である。例えば、ディスプレイユニットは、第4の自由度において傾斜部材に対して第4の軸について回転可能であり、第4の軸は、第3の軸に対して直交する。幾つかの例において、制御ユニットは、第4の自由度において第4の軸についてディスプレイユニットに対して力を出力するように構成されるアクチュエータを更に含む。幾つかの実装において、第2の支持体の部分は、2つのヨーク部材を含むヨーク部分を含み、ディスプレイユニットは、2つのヨーク部材に回転可能に結合され、2つのヨーク部材の間に位置付けられる。幾つかの実装において、制御ユニットは、第1のアクチュエータと、第2のアクチュエータと、第3のアクチュエータとを更に含み、第1のアクチュエータは、第1の自由度においてディスプレイユニットに対して第1の力を出力するように構成され、第2のアクチュエータは、第2の自由度においてディスプレイユニットに対して第2の力を出力するように構成され、第3のアクチュエータは、第3の自由度においてディスプレイユニットに対して第3の力を出力するように構成される。例えば、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ及び第3のアクチュエータは、第1の力、第2の力及び第3の力を組み合わせにおいて出力して、画定されたピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を引き起こすように構成されることができる。
【0010】
幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、ディスプレイユニットに設けられ、ユーザの頭から入力を受信するように構成される、頭入力デバイス、及び/又は、ディスプレイユニットに設けられ、ユーザの手から入力を受信するように構成される、手入力デバイスを含む。幾つかの実装において、制御ユニットは、遠隔操作マニピュレータシステムの1つ以上の機能を制御するためにユーザによって操作可能な制御入力デバイスを含むデバイスに結合される。
【0011】
幾つかの実装では、遠隔操作システム制御ユニットが、第1の部分と、第2の部分とを有する、垂直部材と、第1の部分と、第2の部分とを有する、水平部材と、水平部材の第2の部分に回転可能に結合され、水平部材に対して傾斜軸について回転可能である、ディスプレイユニットと、を含み、垂直部材の第2の部分は、垂直部材の第1の部分に対して垂直軸に沿って直線的に並進可能であり、水平部材の第1の部分は、垂直部材の第2の部分に強固に結合され、水平部材の第2の部分は、水平部材の第1の部分に対して水平軸に沿って直線的に並進可能であり、ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む。
【0012】
遠隔操作システム制御ユニットの様々な実装において、垂直部材の第1の部分及び垂直部材の第2の部分は、伸縮自在に結合され、水平部材の第1の部分及び水平部材の第2の部分は、伸縮自在に結合される。幾つかの実装では、傾斜部材が、ディスプレイユニットに結合され、水平部材の第2の部分に回転可能に結合される、ディスプレイユニット及び傾斜部材は、傾斜軸について回転可能である。幾つかの実装において、水平部材の第2の部分は、2つの平行な部材を含むヨーク部分を含み、ディスプレイユニットは、2つの平行な部材に回転可能に結合され、2つの平行な部材の間に位置付けられる。幾つかの実装において、遠隔操作システム制御ユニットは、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、第3のアクチュエータ及び/又は第4のアクチュエータを更に含み、第1のアクチュエータは、垂直部材の第2の部分に対して第1の力を出力するように構成され、第2のアクチュエータは、水平部材の第2の部分に対して第2の力を出力するように構成され、第3のアクチュエータは、傾斜軸についてディスプレイユニットに対して第3の力を出力するように構成され、第4のアクチュエータは、第4の自由度において第4の軸についてディスプレイユニットに対して第4の力を出力するように構成され、ディスプレイユニットは、第4の自由度において傾斜部材に対して回転可能である。
【0013】
幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、画定されたピボット軸について回転可能であり、画定されたピボット軸についてのディスプレイユニットの回転は、垂直部材の第2の部分の直線的な移動、水平部材の第2の部分の直線的な移動及びディスプレイユニットの回転的な移動の協調された組み合わせによって引き起こされる。例えば、画定されたピボット軸は、ユーザがディスプレイユニットを作動させるときに画定されたピボット軸がユーザの首を通じて延びるような場所に位置付けられることができ、頭入力デバイスを作動させるユーザの前頭部と接触するように構成される点でディスプレイユニットに設けられる頭入力デバイスを通じて延びることができ、ディスプレイユニットを作動させるユーザの眼を通じて延びる眼軸と一致することができ、或いはディスプレイユニットに設けられる手入力デバイス、例えば、ユーザがディスプレイユニットを作動させるときにユーザの手によって作動されるように構成される手入力デバイスを通じて延びることができる。幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、第4の自由度において水平部材に対してヨー軸について回転可能であり、ヨー軸は、傾斜軸に対して直交する。幾つかの実装において、遠隔操作システム制御ユニットは、遠隔操作マニピュレータシステムの1つ以上の機能を制御するためにユーザによって操作可能な制御入力デバイスを含むデバイスに結合される。
【0014】
幾つかの実装では、制御ユニットが、支持機構と、制御システムとを含む。前持機構は、複数のリンクを含む支持リンク機構と、支持リンク機構に結合されるディスプレイユニットと、支持リンク機構に結合される複数のアクチュエータとを含む。ディスプレイユニットは、複数のリンクの間の相対的な移動に基づいて複数の自由度において移動可能であり、ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む。制御システムは、支持機構と通信し、複数のアクチュエータのうちの1つ以上に制御信号を提供して、ディスプレイユニットを画定されたピボット軸について回転させるように構成される。画定されたピボット軸についての回転は、複数の自由度のうちの少なくとも2つにおけるディスプレイユニットの移動に起因する。
【0015】
制御ユニットの様々な実装において、複数のリンクは、複数のリンクの異なるリンクに回転可能に結合される傾斜部材を含み、傾斜部材は、傾斜軸について回転可能であり、ディスプレイユニットは、傾斜部材に回転可能に結合され、画定されたピボット軸と傾斜軸との間の距離は、画定されたピボット軸についてのディスプレイユニットの回転中に固定されている。様々な実装において、支持リンク機構の複数の自由度は、直線的な第1の自由度、直線的な第2の自由度、回転的な第3の自由度又は回転的な第4の自由度のうちの2つ以上を含む。幾つかの例において、画定されたピボット軸は、ディスプレイユニットを作動させるユーザの首を通じて延びる水平軸であり、ディスプレイユニットを作動させるユーザの眼を通じて延びる軸と整列させられる水平軸であり、ディスプレイユニットに設けられる入力デバイスの部分を通じて延びる軸と整列させられる水平軸であり、入力デバイスの部分は、ディスプレイユニットを作動させる前記ユーザの前頭部と接触するように構成され、或いはディスプレイユニットに設けられる手入力デバイスの部分を通じて延びる軸と整列させられる水平軸であり、手入力デバイスは、ディスプレイユニット及び手入力デバイスを作動させるユーザの手によって作動されるように構成される。更なる例において、画定されたピボット軸は、制御ユニットへのユーザ入力に基づいて空間内で調整可能である。
【0016】
幾つかの実装において、制御システムは、アクチュエータを制御する制御信号を提供して、ディスプレイユニットを画定されたピボット軸について移動させて、制御ユニットを作動させるユーザの頭の動きに従うように構成される。幾つかの例示的な実装において、ディスプレイユニットは、ユーザの頭に取り付けられない。幾つかの実装において、制御システムは、制御入力デバイスと通信し、制御入力デバイスからコマンドを受信して、コマンドに基づく信号を遠隔操作マニピュレータシステムに送信するように構成される。
【0017】
幾つかの実装では、制御ユニットが、支持体と、支持体に結合される湾曲トラックと、湾曲トラックに結合されるディスプレイユニットとを含み、ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含み、回転自由度においてヨー軸について回転可能であるように湾曲トラックによって案内される。幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、ディスプレイユニットを作動させるユーザに対して湾曲トラックに沿って左右に移動可能であり、ヨー軸は、ユーザに対して垂直に延びる。幾つかの実装において、支持体は、互いに対して移動可能な複数のリンクを有するリンク機構を含み、複数のリンクは、ディスプレイユニットが少なくとも1つの追加的な自由度において移動することを可能にし、アクチュエータが、ディスプレイユニットに結合され、ディスプレイユニットを回転自由度において移動させる回転自由度における力を出力するように構成される。幾つかの例において、ディスプレイユニットは、湾曲トラックに強固に結合されることができ、湾曲トラックは、支持体に摺動可能に結合され、或いは、ディスプレイユニットは、湾曲トラックに摺動可能に結合されることができ、湾曲トラックは、支持体に強固に結合される。
【0018】
幾つかの実装では、方法が、第1の入力デバイスでユーザ入力を受信することと、ディスプレイユニットに結合される支持リンク機構によって提供される1つ以上の自由度においてディスプレイユニットの移動を引き起こすこととを含む。ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む。移動は、第1のユーザ入力に基づき、移動を引き起こすことは、支持リンク機構の第2のリンクを、第1の自由度において第1の軸に沿って支持リンク機構の第1のリンクに対して直線的に並進させることと、第2のリンクの部分を、第2の自由度において第2の軸に沿って第1のリンクに対して直線的に並進させることと、ディスプレイユニットを、第2のリンクに対して第3の自由度において第3の軸についての回転させることとを含む。
【0019】
幾つかの実装において、第1のユーザ入力は、ユーザの頭から入力を受信するディスプレイユニットに設けられる頭入力デバイス、及び/又はユーザの手から入力を受信するディスプレイユニットに設けられる手入力デバイスのうちの少なくとも1つから受信される。幾つかの実装において、ディスプレイユニットの移動を引き起こすことは、ディスプレイユニットを、第4の自由度において第2のリンクに対して第4の軸について回転させることを含み、第4の軸は、第3の軸に対して直交する。幾つかの実装において、方法は、(例えば、支持リンク機構に結合される)第2の入力デバイスで第2のユーザ入力を受信することと、第2のユーザ入力に基づいて、器具アクチュエータを制御してマニピュレータ器具を空間内で移動させることとを含む。例えば、ディスプレイユニットは、マニピュレータ器具が作動する作業空間のビュー(眺望)を表示することができる。幾つかの実装において、方法は、第1のユーザ入力に従って(或いはさもなければディスプレイユニットの移動に従って)ディスプレイユニットのディスプレイデバイスによって表示される画像を更新することを更に含む。幾つかの実装において、方法は、マニピュレータシステムのアクチュエータに、第1のユーザ入力に従ってマニピュレータシステムの画像キャプチャデバイスを移動させることを含み、画像データが画像キャプチャデバイスから受信され、ディスプレイユニットのディスプレイデバイスによって表示される。
【0020】
幾つかの実装では、制御ユニットが、第1の入力デバイスで第1のユーザ入力を受信する手段と、第1のユーザ入力に基づいて、ディスプレイユニットに結合される支持リンク機構によって提供される1つ以上の自由度においてディスプレイユニットの移動を引き起こす手段とを含む。ディスプレイユニットは、ディスプレイデバイスを含む。ディスプレイユニットの移動を引き起こす手段は、支持リンク機構の第2のリンクを、第1の自由度において第1の軸に沿って第1のリンクに対して直線的に並進させる手段と、第2のリンクの一部分を、第2の自由度において第2の軸に沿って第1のリンクに対して直線的に並進させる手段と、ディスプレイユニットを、第2のリンクに対して第3の自由度において第3の軸について回転させる手段とを含む。幾つかの実装において、制御ユニットは、第2のユーザ入力を受信する手段と、第2のユーザ入力に基づいて、スレーブ器具アクチュエータを制御して空間内でスレーブ器具を移動させる手段とを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】幾つかの実装に従った、制御入力デバイス、ディスプレイシステム、及びマニピュレータデバイスを含む、例示的な遠隔操作手術システムの概略図である
【0022】
図2】幾つかの実装に従った、制御入力デバイスと、ディスプレイシステムとを含む、ユーザ制御システムの正面図である;
【0023】
図3】幾つかの実装に従った、例示的なディスプレイシステムの斜視図側面図である。
図4】幾つかの実装に従った、例示的なディスプレイシステムの正面図である。
図5】幾つかの実装に従った、例示的なディスプレイシステムの側面図である。
【0024】
図6】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムの一部分の別の例の側面図である。
【0025】
図7】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムの一部分の更に別の例の側面図である
【0026】
図8】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図9】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図10】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図11】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
【0027】
図12】幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す図8のディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図13】幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す図8のディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図14】幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す図8のディスプレイシステムの一部分の側面図である。
【0028】
図15】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムのための例示的なベース支持体の斜視図である。
図16】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムのための例示的なベース支持体の側面図である。
【0029】
図17】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムのための例示的なアーム支持体の斜視図である。
図18】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムのための例示的なアーム支持体の側面図である。
【0030】
図19】幾つかの実装に従った、例示的な傾斜機構の側面図である。
図20】幾つかの実装に従った、例示的な傾斜機構の正面図である。
図21】幾つかの実装に従った、例示的な傾斜機構の斜視図である。
【0031】
図22】幾つかの実装に従った、例示的なディスプレイユニット機構の斜視図である。
【0032】
図23】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムの別の実装の斜視図である。
図24】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムの別の実装の正面図である。
図25】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムの別の実装の側面図である。
【0033】
図26】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図27】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図28】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図29】幾つかの実装に従った、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示すディスプレイシステムの一部分の側面図である。
【0034】
図30】幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す図26のディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図31】幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す図26のディスプレイシステムの一部分の側面図である。
【0035】
図32】幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムの別の実装の斜視図である。
【0036】
図33】幾つかの実装に従った、図32のディスプレイシステムの一部分の正面図である。
図34】幾つかの実装に従った、図32のディスプレイシステムの一部分の側面図である。
図35】幾つかの実装に従った、図32のディスプレイシステムの一部分の頂面図である。
図36】幾つかの実装に従った、図32のディスプレイシステムの一部分の底面図である。
【0037】
図37】幾つかの実装に従った、図32のディスプレイシステムの一部分の斜視図である。
図38】幾つかの実装に従った、図32のディスプレイシステムの一部分の斜視図である。
【0038】
図39】幾つかの実装に従った、画定されたピボット軸を示す図32のディスプレイシステムの一部分nの側面図である。
【0039】
図40】幾つかの実装に従った、記載のディスプレイシステムと共に使用されることができる制御入力デバイスの例示的な部分の斜視図である。
【0040】
図41】幾つかの実装に従った、本明細書に記載する1つ以上の構成を含むディスプレイシステムを作動させるための例示的な方法を示すフロー図である。
【0041】
図42】本明細書に記載する1つ以上の実装と共に使用されることができる例示的なマスタ-スレーブシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
実装は、見ている(viewing)ユーザに対応する及び/又は応答する可動ディスプレイシステムに関する。例えば、幾つかの実装において、ディスプレイシステムは、ユーザが遠隔操作システムの制御入力デバイスのような1つ以上の他のデバイスを作動させる間に、作業部位又は環境の表示されたビューをユーザに提供するように、ユーザ制御システムにおいて使用される。本明細書でより詳細に記載するように、実装は、ユーザの頭の動きに順応し且つ/或いは追従する方法において見られるディスプレイユニットを動かすようにユーザの動きに応答する、ディスプレイシステムを提供する。様々な例において、ディスプレイシステムは、画像を表示し、機械的に接地される、ディスプレイユニットを含むことができることで、ユーザが、ディスプレイユニットの出力を見ながら、手作動及び/又は足作動制御入力デバイスのような、他のデバイスを操作することを可能にする。幾つかの実装は、ディスプレイシステムを介して提供されるユーザ入力に応答するカメラ画像を介してディスプレイユニットによって作業部位の様々なビュー(眺望)を提供することができる。
【0043】
ディスプレイシステムの記述する構成は、ディスプレイユニットに複数の自由度を提供する支持リンク機構を含む。支持リンク機構は、第1の部分と第2の部分とを有する第1の(例えば、垂直な)支持体を含み、第2の部分は、第1の部分(例えば、伸縮部分)に対して垂直軸に沿って直線的に並進可能である。支持リンク機構は、垂直支持体に強固に(rigidly)結合され、第1の部分と第2の部分とを有する第2の(例えば、水平の)支持体を含み、第1の部分は、垂直部材の第2の部分に強固に結合され、第2の部分は、第1の部分(例えば、伸縮部分)に対して水平軸に沿って直線的に並進可能である。幾つかの実装において、支持リンク機構は、第2の支持体の遠位端に回転可能に結合される傾斜部材を含み、傾斜部材は、第3の自由度で第3の軸について回転可能である。幾つかの実装では、ディスプレイユニットが、傾斜部材に結合される。幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、第4の(ヨー)軸について第4の自由度、例えば、回転運動において傾斜部材に対して並進可能である。モータのようなアクチュエータが、これらのコンポーネントのうちの1つ以上に結合されて、制御システムがコンポーネントを移動させ、それによって、ディスプレイユニットを特定の自由度において作業空間内で移動させることを可能にする。ディスプレイユニット上のユーザ入力デバイスは、ユーザが、ユーザ入力を提供して、ディスプレイユニットの移動、例えば、位置及び方向の変化を指示することを可能にする。ディスプレイシステムは、制御入力デバイスと共に使用されることができ、制御入力デバイスは、遠隔操作システム内のマニピュレータシステムに制御信号を提供して、マニピュレータシステム機能、例えば、マニピュレータ器具の移動及び他の機能を制御する。
【0044】
記載する構成は、様々な利益を提供する。例えば、支持リンク機構及びアクチュエータは、ディスプレイシステムが、例えば、ユーザの頭及び眼の角度及び動きの変化に順応するために、或いは、ユーザの手、頭、眼などによって入力されるコマンドに応答するために、受信するユーザの入力に基づいてディスプレイユニットの位置及び向きを変更することを可能にする。例えば、ディスプレイユニットは、ユーザの眼と一致することができる、或いは、ユーザの首のピボット軸と一致することができる、画定されたピボット軸について回転させられることができ、それによって、ユーザの自然な体の動きと整合するディスプレイユニットの動きを提供することができる。これらの構成は、ユーザが、処置の間にディスプレイユニットを容易に再配向して、異なる快適な視角(viewing angles)を得ること又はディスプレイユニットを使用することの物理的制約を低減することを可能にし、それによって、関連する処置中のユーザの疲労を低減することを可能にする。提供される傾斜、水平、及び垂直自由度におけるディスプレイユニットの動き、例えば、画定されたピボット軸及びヨー軸についての動きを提供することは、ディスプレイユニットが、ユーザの頭の動きの間に、ユーザの頭及び/又は眼に追従し且つユーザの頭及び/又は眼の近くに留まること(ディスプレイユニットの動きはユーザの頭及び/又は眼の動きを反映する或いは模倣する)及び/又はユーザの前頭とディスプレイユニットとの間の物理的接続を維持することを可能にする。幾つかの実装において、これは、ディスプレイユニットが、ディスプレイユニットをユーザの頭に物理的に取り付けることを必要としないで、ユーザの頭及び眼の動きに追従することを可能にし、よって、そのような取り付けによるユーザの刺激及び疲労を回避することを可能にする。
【0045】
更に、ディスプレイユニットの画定されるピボット軸は、ディスプレイシステムの機械的コンポーネントの運動の物理軸に制限される必要のない仮想軸であることができる。これは、画定されるピボット軸の場所が、様々な使用条件に合わせて調整されること、及び/又は、例えば、特定のユーザの高さ、アームリーチ、首又は頭のサイズなどに合わせて、特定のユーザに合わせてカスタマイズされることを可能にして、ディスプレイシステムを作動させる際により大きな快適さを可能にする。更に、ディスプレイユニット上の頭センサのようなセンサは、ユーザが、制御入力デバイスのような他の入力デバイスを操作していることがある手を使用しないで、ユーザ入力を容易に提供することを可能にする。
【0046】
加えて、ユーザ入力によって指示されるディスプレイユニットの位置及び/又は向きの変化を使用して、ディスプレイユニットによる画像の表示を修正することができる。例えば、表示される画像又はユーザインターフェースは、類似の又は対応する動きを実行するようディスプレイユニットに指示するディスプレイデバイスへの対応する受信ユーザ入力に基づいて、スクロール、傾斜、パン、又はズームされることができる。幾つかの実装では、遠隔作業部位での画像キャプチャデバイス(又は他の器具又はデバイス)の機能は、ディスプレイユニットへのユーザ入力、例えば、画像キャプチャデバイスの動き、又はパンニング、傾斜、及びズームのような他のデバイス機能に基づいて操作される。ディスプレイユニット上の頭センサは、ユーザが、手又は足によって操作される制御入力デバイスのような他のユーザ入力デバイスを使用する遠隔操作処置を中断又は一時停止することを必要としないで、そのようなユーザ入力を提供することを可能にする。
【0047】
「線形(linear)」、「中心(center)」、「平行(parallel)」、「直交(orthogonal)」、「垂直(perpendicular)」、「整列(aligned)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」又は本明細書で使用されるような特定の測定値又は他の単位を含む様々な用語は、近似的であることができ、正確である必要はなく、典型的なエンジニアリング公差を含むことができる。
【0048】
本明細書中の幾つかの実装は、三次元空間内の器具の状態に関する様々な器具及び器具の部分に関することがある。本明細書で使用するとき、「位置(position)」という用語は、3次元空間(例えば、デカルトX、Y、Z座標に沿うつの並進自由度)における物体(オブジェクト)又は物体の一部分の場所(location)を意味する。本明細書で使用するとき、「向き(orientation)」という用語は、物体又は物体の一部分の回転配置(3つの回転自由度、例えば、デカルトX、Y、Z軸の周りのロール、ピッチ、及びヨー)を意味する。本明細書で使用するとき、「姿勢(pose)」という用語は、少なくとも1つの並進自由度における物体又は物体の一部分の位置を意味し、少なくとも1つの回転自由度(最大で6つの自由度)における物体又は物体の一部分の向きを意味する。
【0049】
本明細書で言及するとき、機械的に接地されたユニット又はデバイスは、大きな作業環境(例えば、手術領域又は手術室)内の可能な位置及び向き運動に関して制約される。また、このようなユニットは、地面に運動学的に結合される(例えば、コンソール、支持体、又は地面に取り付けられた他の物体によって機械的に支持される)。本明細書で使用するとき、「近位(proximal)」という用語は、機械的接地に近い(又はより近い)要素を意味し、「遠位(distal)」という用語は、機械的接地から離れている(又はより遠い)要素を意味する。
【0050】
本明細書に記載する様々な構成を使用して、コンピュータ支援遠隔操作システムの制御能力を増強することができる。幾つかの実装において、遠隔操作システムは、様々な処置(極限環境における外科処置又は他の処置)におけるマニピュレータ器具制御、命令(instruction)、監視(supervision)、監督(proctoring)及び他のフィードバックをシステムのユーザに提供するための、1つ以上の(例えば、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の)制御入力デバイスを含む。
【0051】
図1は、本明細書に開示する1つ以上の構成と共に使用することができる例示的な遠隔操作手術システム100の概略図である。図示のように、遠隔操作手術システム100は、ユーザ制御システム(例えば、コンソール又はワークステーション)102と、マニピュレータシステム104とを含むことがある。
【0052】
この例において、ユーザ制御システム102は、ユーザの手によって触れられて操作される1つ以上の制御入力デバイス、例えば、各手に対して1つの制御入力デバイスを含む。図2及び図40は、以下により詳細に記載する、制御入力デバイスの幾つかの例示的な実装を示している。制御入力デバイスは、ユーザ制御システム102によって支持され、機械的に接地されることができる。人間工学的支持体110(例えば、前腕レスト)が、幾つかの実装で提供されることができ、ユーザ108は、制御入力デバイスを把持しながら、自分の前腕を前腕レストの上に置くことができる。例えば、制御入力デバイスは、支持体110を越えて内側に(ユーザ108から離れて)配置された作業空間内に位置決めされることができる。幾つかの例において、ユーザ108は、制御入力デバイスを使用してマニピュレータシステム104を制御することによって、外科的処置中にマニピュレータシステム104の近くの作業部位で外科的タスクを実行することがある。
【0053】
ディスプレイユニット112が、ユーザ制御システム102に含められる。ディスプレイユニット112は、ユーザ108による視認(viewing)のために画像を表示することができる。例えば、画像は、1つ以上のディスプレイスクリーン、プロジェクタ、又は他のデバイスのような、ディスプレイユニット内のディスプレイデバイスによって表示されることができる。ディスプレイユニット112は、以下により詳細に記載するように、ユーザの視認位置に順応するために並びに/或いは制御機能を提供するために、様々な自由度で移動されることができる。遠隔操作システム100の例において、表示される画像は、ユーザが制御入力デバイスの制御を介して様々なタスクを実行している作業部位を描写することができる。幾つかの例において、ディスプレイユニット112によって表示される画像は、遠隔作業場所に配置された1つ以上の画像キャプチャデバイスから、ユーザ制御システム102によって受信されることができる。他の例において、ディスプレイユニットによって表示される画像は、ディスプレイユニットによって(又は接続された他のデバイス又はシステムによって)生成されることができる。遠隔操作システム100を使用する外科処置の例において、ディスプレイユニット112は、マニピュレータシステム104の近くの患者における物理的手術部位の画像、又は手術部位もしくは物理的及び仮想的部位の組み合わせの生成された仮想表現(例えば、拡張現実)を表示することができ、ユーザ制御システム102の制御入力デバイスによって制御されるマニピュレータシステム104の現実の又は仮想の器具を表示することができる。ディスプレイユニット112は、例えば、マニピュレータ器具126のエンドエフェクタ及び手術部位の二次元画像及び/又は三次元画像を提供することができる。三次元画像は、ユーザ108が、器具の相対的な深さ及び患者の解剖学的構造を評価し、制御入力デバイスを使用してマニピュレータ器具126を操縦して特徴(features)を正確に標的付けて制御するために視覚的フィードバックを使用することを可能にするために、三次元的な深さの手がかりを提供することができる。
【0054】
ユーザ制御システム102を使用するとき、ユーザ108は、ユーザ制御システム102の前の椅子又は他の支持体に座り、自分の眼をディスプレイユニット112の前に位置付け(且つ/或いはディスプレイユニット112を自分の眼の位置/向きに移動させ)、制御入力デバイスを、例えば、各々の手に1つずつ把持して操作し、ユーザの前腕を所望に人間工学的支持体110の上に置くことができる。幾つかの実装において、ユーザは、ユーザ制御システムに立つか或いは他の姿勢を取ることができ、ディスプレイユニット112及び制御入力デバイスは、様々なユーザ身体姿勢及び個々のユーザの好みに順応するように位置(高さ、深さなど)を調節されることができる。
【0055】
遠隔操作システム100は、ユーザ制御システム102によって制御されることができるマニピュレータシステム104を含むこともできる。この例において、マニピュレータシステム104は、患者が位置決めされることがある手術台106(例えば、テーブル、ベッド、又は他の支持体)に又はその近くに取り付けられる。作業場所130は、手術台106上に、例えば、患者、模擬患者又はモデルなど(図示せず)に設けられることができる。他の実装において、作業場所は、マニピュレータシステムを使用してタスクが実行される異なる場所又は領域であることができる。遠隔操作マニピュレータシステム104は、複数のマニピュレータアーム120を含み、各マニピュレータアーム120は、器具アセンブリ122に結合される。器具アセンブリ122は、例えば、器具126を含むことがある。幾つかの例において、器具126は、外科器具を含むことがある。幾つかの実装では、外科器具は、例えば、患者の組織を処置するために、その遠位端に外科エンドエフェクタを含むことができる。
【0056】
様々な実装において、器具126のうちの1つ以上は、作業場所の一部分(例えば、外科的タスクが実行されている患者の領域又は部分)のキャプチャされた画像を提供することができる、内視鏡アセンブリ124に含められるカメラのような、画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)を含むことができる。幾つかの実装において、キャプチャされた画像は、出力のために、ユーザ制御システム102のディスプレイユニット112に送信されることができる。幾つかの実装では、キャプチャされた画像及び/又は作業場所で行われている処置に関連する他の情報を表示するために、ディスプレイデバイス128をマニピュレータシステム104に含めることができる。幾つかの実装では、例えば、カメラを保持するマニピュレータアーム120の部分の並進及び回転に基づいて、画像キャプチャデバイスを多数の自由度で移動させることができる。
【0057】
遠隔操作システム100を使用する外科処置の例において、マニピュレータシステム104は、手術のために患者(又は模擬患者)の近くに位置決めされることができ、そこで、マニピュレータシステム104は、特定の外科処置又は処置の段階が完了するまで静止したままであることができる。様々な実装において、ユーザ制御システム102は、マニピュレータシステム104に対する様々な位置において、例えば、マニピュレータシステム104及び作業場所130に近い滅菌手術野において、マニピュレータシステム104及び作業場所130と同じ部屋において、或いはマニピュレータシステム104及び作業場所130から離れて、例えば、異なる部屋、建物、又は他の地理的場所に位置付けられることができる。一度に使用される遠隔操作器具126の数、及び/又はマニピュレータシステム104で使用されるアーム120の数は、とりわけ、実行されるべき処置、及び利用可能な領域内の空間的制約に依存することがある。
【0058】
幾つかの実装において、マニピュレータアーム120及び/又は器具アセンブリ122は、ユーザ108が作業場所130でタスクを実行できるように、ユーザ108による制御入力デバイスの操作に応答して、器具126を移動させて関節作動させるように制御されることがある。例えば、ユーザは、最小侵襲性の外科的孔を通じて、内部手術部位での外科処置を指示することができる。幾つかの実装では、制御入力デバイスから受信される制御信号に応答して、マニピュレータアーム120及び/又は器具アセンブリ122に結合された1つ以上のアクチュエータが力を出力して、リンク又はアーム120及び/又は器具126の他の部分を特定の自由度で移動させることができる。
【0059】
遠隔操作システム100の幾つかの実装は、異なる動作モードを提供することができる。幾つかの例において、遠隔操作システム100の非制御モード(例えば、安全モード)では、制御入力デバイスの移動及び他の操作がマニピュレータシステム104の動きを引き起こさないように、マニピュレータシステム104の制御された動作は、切断された構成で制御入力デバイスから制御可能に分離される(切り離される)。遠隔操作システム100の制御モード(例えば、追従モード)では、制御入力デバイスの移動及び他の操作が、例えば、外科処置中に、マニピュレータシステム104の動きを引き起こすように、マニピュレータシステム104の動きは、制御入力デバイスに制御可能に結合される(接続される)ことができる。例えば、各マニピュレータアーム120及びそのアーム120によって制御される遠隔操作器具アセンブリ122は、そのアームの移動及び/又は他の機能に対する制御を可能にするために、1つ以上の制御入力デバイスに制御可能に結合されてよく、1つ以上の制御入力デバイスから制御可能に分離されてよい。
【0060】
幾つかの例において、マニピュレータシステムに対する制御は、ユーザが、最小侵襲性の外科的孔を通じて内部手術部位で外科処置を指示することを可能にする。例えば、制御入力デバイスによって提供される制御信号に応答して、マニピュレータアーム120に結合された1つ以上のアクチュエータは力を出力して、リンク又はアームの他の部分を特定の自由度で移動させることができる。制御入力デバイスは、マニピュレータシステムも収容する部屋(例えば、手術室)及び(例えば、手術台に近い滅菌手術野の内側又は外側の)作業場所内で使用されることができ、或いはマニピュレータシステムからより離れて、例えば、マニピュレータシステムとは異なる部屋、建物又は他の場所に位置付けられることができる。
【0061】
幾つかの実装では、(図1には示されていない)制御システムが、ユーザ制御システム102内に設けられ、且つ/或いは(例えば、ユーザ制御システムと通信して)ユーザ制御システム102の外部に設けられる。ユーザ108が制御入力デバイスを移動すると、感知された空間情報及び感知された向き情報が、制御入力デバイスの移動に基づいて制御システムに提供される。他のユーザ入力、例えば、ディスプレイユニット112で受信されたユーザ入力、及び/又は他の入力デバイスのアクティブ化(起動)も、制御システムに提供される。制御システムは、受信した情報及びユーザ入力に基づいて、アーム120、器具アセンブリ122、及び器具126の動きを制御するために、制御信号をマニピュレータシステム104に提供することができる。例えば、制御システムは、空間内の制御入力デバイスを記述する感知された空間運動データ及び感知された向きデータを共通基準フレームにマッピングすることができる。制御システムは、マッピングされたデータを処理し、1つ以上の制御入力デバイスの移動(例えば、位置及び/又は向きの変化)に基づいてマニピュレータシステム104の器具126、例えば、エンドエフェクタ又は先端を適切に位置決めするためのコマンドを生成することができる。制御システムは、ユーザ108がマニピュレータシステム104の器具126を操作できるように、遠隔操作サーボ制御システムを使用して、制御コマンドを通じて、制御入力デバイスの感知された動きをマニピュレータシステム104の関連するアーム120に変換及び転送することができる。制御システムは、マニピュレータシステム104及び/又は器具126の他の機能を実行するために、例えば、器具エンドエフェクタのジョーを移動させる、切断ツールをアクティブ化させる或いはエネルギを出力する、吸引又は洗浄機能をアクティブ化させるなどのために、制御入力デバイスの入力制御装置のアクティブ化又は操作に基づいて、コマンドを同様に生成することができる。幾つかの実装において、制御システムは、マニピュレータシステム104及び/又は器具126の他の機能を実行するために、ディスプレイユニット112の入力制御装置のアクティブ化又は操作に基づいて、コマンドを同様に生成することができる。1つの実施形態において、制御システムは、Bluetooth、IrDA、HomeRF、IEEE802.11、DECT、及びWirelessTelemetryのような、1つ以上の無線通信プロトコルをサポートする。制御システムの幾つかの例は、図34に関して以下に記載される。
【0062】
幾つかの実装において、ディスプレイユニット112は、運動学的に接地されていない制御入力デバイス、例えば、追加的な支持体を用いないでユーザの手によって保持される制御入力デバイスである、1つ以上の接地されていない制御入力デバイスの動作と共に、ユーザによって作動させられることができる。例えば、ユーザは、自分の手の中で接地されていない制御入力デバイスを把持して操作しながら、座るか或いは立つことができ、ディスプレイユニット112内で画像を見る(view)ことができる。接地されていない制御入力デバイスの幾つかの例は、(2013年8月27日に発効した「Patient-side Surgeon Interface For a Minimally Invasive, Teleoperated Surgical Instrument」という名称の)米国特許第8,521,331 B2号に開示されており、その全体が参照により本明細書に援用される。幾つかの実装では、ユーザがディスプレイユニット112によって表示された画像を見ながら、腹腔鏡器具又はステープラのような手動手術器具を作業場所で作動させることができるように、ユーザは、作業場所の近くに位置付けられるディスプレイユニット112を使用することができる。
【0063】
幾つかの実装において、遠隔操作システム100は、追加のユーザがシステムに入力を提供することを可能にする1つ以上の追加の入力システムを含んでもよい。例えば、処置を監視及び/又は支援するために、第2の(又は第3のなどの)ディスプレイユニット112が、追加のユーザによって使用されることができる。第2のユーザ制御システム102が、例えば、マニピュレータシステム104の制御を変更し或いはマニピュレータシステム104の同時制御などを提供するよう、訓練のために、第2のユーザによる使用のために提供されることができる。追加の接地されていない制御入力デバイス、ディスプレイデバイスを備えたサイドカート及び他のコンポーネントを、遠隔操作システム100において使用することができる。
【0064】
幾つかの実装では、物理的マニピュレータシステム104の代わりに、例えば、遠隔操作システム100に結合されたコンピューティングデバイスによって提供されるグラフィカルトレーニングシミュレーションにおいて提示される、マニピュレータシステム104の仮想表現が制御されることができる。例えば、ユーザは、恰もエンドエフェクタが物理的マニピュレータシステムに結合された物理的物体であるかのように、シミュレーションの仮想空間内でエンドエフェクタの表示される表現を制御するために、制御入力デバイスを操作することができる。幾つかの実装は、訓練において制御入力デバイスを使用することができ、例えば、制御入力デバイスを含むユーザ制御システムの制御装置及び器具の使用を実証することができる。
【0065】
幾つかの実装において、非遠隔操作システムは、本明細書に記載するようなユーザ制御システム及び/又はディスプレイユニット112の1つ以上の構成を使用することもできる。例えば、様々なタイプの制御システム及びデバイス、周辺装置などを、記載するディスプレイユニットシステムと共に使用することができる。幾つかの例において、ディスプレイユニット112は、例えば、ユーザがマニピュレータシステムを操作しない遠隔作業場所又は物理的シーンを見るために、物理的マニピュレータシステム又は物理的作業場所に関係のない表示された仮想環境を見るなどのために、幾つかの非遠隔操作システムにおいて使用されることができる。これらのシステムの一部において、ユーザ制御システム102及びマニピュレータシステム104は省略されることができ、ディスプレイユニット112はスタンドアローンのディスプレイシステムにおいて使用されることができる。
【0066】
幾つかの実装は、Sunnyvale, CaliforniaのIntuitive Surgical, Inc.によって商業化された、da Vinci(登録商標)Surgical System(例えば、da Vinci(登録商標)Si又はda Vinci(登録商標)Xi(登録商標)Surgical Systemとして市販されたModel IS3000又はIS4000)のような遠隔操作医療システムの1つ以上のコンポーネントを含むことができる。本明細書に開示する構成は、少なくとも部分的にコンピュータ制御された、電子制御信号を介して制御された、直接的な物理的操作を介して手動制御されるなどした実装を含む、様々な方法で実装されることがある。da Vinci(登録商標)Surgical Systemでの実装は、単なる例であり、本明細書に開示する構成の範囲を限定するものとはみなされてはならない。例えば、作業場所にマニピュレータシステムを有する異なるタイプの遠隔操作システムが、本明細書に記載する構成を利用することができる。他の非遠隔操作システムも、1つ以上の記載の構成、例えば、様々なタイプの制御システム及びデバイス、周辺デバイスなどを使用することができる。
【0067】
図2は、幾つかの実装に従った、制御入力デバイスと、ディスプレイシステムとを含む、例示的なユーザ制御システム200の正面図である。例えば、ユーザ制御システム200は、図1について記載したユーザ制御システム102に類似することができる。
【0068】
ユーザ制御システム200は、例えば、図1のディスプレイユニット112について記載したのと同様に、遠隔操作システム100によって実施される処置の間に画像を表示することができる、ディスプレイユニット204を含む。画像は、画像キャプチャデバイスによってキャプチャされることができ、外科処置の間に表示される手術部位のような、タスクが実行される物理的な作業場所を描写することができ、或いは仮想作業場所の生成された表現を描写することができる。ディスプレイユニット204は、コマンド及び機能の選択を可能にするグラフィカルユーザインターフェース、状態情報、警報及び警告、通知などのような、他の情報を表示することもできる。そのような情報は、作業現場のビューとの組み合わせにおいて(例えば、作業場所のビュート重ね合わせて)或いは作業場所のビューを伴わないで表示されることができる。
【0069】
図示の例において、ディスプレイユニット204は、2つのビューポート205を含む。ユーザは、ユーザの眼がディスプレイユニット204によって表示される画像を見るためにビューポート205と整列されるように、ユーザの頭を位置決めすることができる。更に、本明細書に記載するように、ディスプレイユニット204は、ユーザがディスプレイユニットのビューポート及びディスプレイユニットの視角をユーザの眼と整列させることができるように、ユーザの入力に基づいて画定された作業空間内で移動可能(並進可能及び/又は回転可能)である。幾つかの例では、画像を表示するビューポートの背後に、1つ以上のディスプレイスクリーンを設けることができる。幾つかの実装では、ビューポート205の代わりに、1つ以上のディスプレイスクリーン又は他のディスプレイデバイスを使用することができる。ディスプレイユニット204は、支持機構に接続され、1つ以上の自由度で移動させられることができ、その例は以下により詳細に記載される。
【0070】
幾つかの実装において、ユーザ制御システム200は、ユーザがディスプレイユニット204の位置及び/又は向きをユーザ制御システム200の他の部分に対して(例えば、後述する制御入力デバイス210及び212に対して)調整する或いは他の方法で操作することを可能にする、1つ以上の入力制御デバイスを含む。この例では、手入力デバイス206aがディスプレイユニット204の左側に位置付けられ、手入力デバイス206bがディスプレイユニット204の右側に位置付けられている。幾つかの実装において、手入力デバイス206a及び206bは、例えば、より大きなユーザの快適さのための人間工学的調整を提供するために、ユーザ入力を受信して、ディスプレイユニット204の向き及び/又は位置を変更させることができる。そのような手入力デバイスは、代替的に又は追加的に、ユーザ制御システム200の他の領域又はコンポーネントに位置付けられることができる。手入力デバイス206a及び206bの例は、以下により詳細に記載される。
【0071】
幾つかの実装では、頭入力デバイス208は、ユーザに向いているディスプレイユニット204の側面に位置付けられる。頭入力デバイス208は、ディスプレイユニット204をユーザ入力に従って移動させる、例えば、ディスプレイユニット204の向き及び/又は位置を変更させるユーザ入力として、ユーザの頭(例えば、前頭)を感知することができる、例えば、存在及び/又はユーザの頭部との接触を感知することができる。追加的に又は代替的に、制御システムは、頭入力デバイス208へのユーザ入力に従って、ユーザ制御システム102及び/又はマニピュレータシステム104の1つ以上のコンポーネント、状態の変化、又はプロセスを命令することができる。頭入力デバイス208の例は、以下により詳細に記載される。
【0072】
2つの制御入力デバイス210及び212が、ユーザ操作のためにユーザ制御システム200に設けられる。例えば、ユーザは、各手に1つの制御入力デバイスで、2つの制御入力デバイス210及び212の部分を把持しながら、ユーザの前腕を人間工学的支持体214の上に置くことができる。(例えば、制御入力デバイス210及び212は、支持体214より上方の位置に移動されることができ、且つ/或いは支持体214は、制御入力デバイス210及び212よりも低い位置に移動されることができる)。幾つかの実装において、人間工学的支持体214は、異なるユーザについて高さを調節可能であることができる。ユーザは、制御入力デバイス210、212を操作しながら、上述のように、ディスプレイユニット204を見るために、ユーザの頭も位置決めする。制御入力デバイスは、運動学的にリンクされた(機械的に接地された)ハンドグリップ、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガガン、手コントローラ、音声認識デバイス、タッチスクリーン、及び同等物のような、ユーザによって操作可能な任意の数の様々な入力デバイスのうちの1つ以上を含むことがある。
【0073】
幾つかの実装において、各制御入力デバイス210及び212は、複数の自由度で移動可能なグリップ部分を含むことができる。例えば、各制御入力デバイス210及び212は、図1に示すマニピュレータシステム104の関連するアームアセンブリ120の動き及び機能を制御することができる。幾つかの例において、制御入力デバイス210は、マニピュレータシステム104の1つの対応するエンドエフェクタ126を対応する自由度で動かすために複数の自由度で動かされることができ、制御入力デバイス212は、マニピュレータシステム104の異なる対応するエンドエフェクタ126を対応する自由度で動かすために複数の自由度で動かされることができる。幾つかの実装において、制御入力デバイス210及び212は、操作者にテレプレゼンス、例えば、操作者が恰も作業場所にいるかのように器具を直接的に制御しているという強い感覚を有するような、制御入力デバイスが器具と一体的であるという認識を提供するために、マニピュレータシステムの器具126と同じ自由度を有する。他の実装において、制御入力デバイス210及び212は、関連する器具126よりも多い又は少ない自由度を有することがある。幾つかの実装において、制御入力デバイスは、全ての6つのデカルト自由度で動き、マニピュレータ器具を作動させるために、例えば、把持ジョーを閉じること、電極に電位を印加すること、医療処置を送達すること、及び同等のことのために、作動可能なグリップ部分(例えば、ハンドル)も含むこともある、手動入力デバイスである。幾つかの実装では、ピンチャ動作において制御入力デバイスの2つのグリップ部分を互いに並びに離間するように移動させるようなグリップ機能が、追加の機械的な自由度(すなわち、グリップDOF)を提供することができる。幾つかの例示的な実装において、制御入力デバイス210及び212は、外科環境における1つ以上の手術器具126又は仮想環境におけるプロキシ手術器具の制御をもたらすことがある。制御入力デバイスの幾つかの実装の例が図32に関して記載される。
【0074】
ユーザ制御システム200の幾つかの実装は、制御入力デバイス210及び212より下方に位置付けられる1つ以上の足制御装置220を含むことができる。足制御装置220は、ユーザがユーザ制御システム200を操作している間に、遠隔操作システムの制御システムに様々なコマンドを入力するために、ユーザの足によって押し下げられることができ、摺動されることができ、且つ/或いは他の方法で操作されることができる。幾つかの実装において、足制御装置220又は他の制御装置は、マニピュレータシステム104の1つ以上の機能又は動作を制御することができる「制御入力デバイス」とみなされることができる。
【0075】
幾つかの実装では、ユーザ制御システム200を操作している及び/又はユーザ制御システム200の隣に又はその近くに位置するユーザの存在を検出するために、1つ以上のユーザ存在センサをユーザ制御システム200の1つ以上の場所に位置付けることができる。例えば、ユーザ存在センサは、ディスプレイユニット204に位置付けられることができ、ビューポート205と整列させられたユーザの頭の存在を感知することができる。例えば、光学センサが存在センサのために使用されることができ、その場合、光学センサは、エミッタと、検出器とを含み、ユーザの頭がディスプレイユニット204の出力を見るために位置決めされ、ユーザが制御入力デバイス210及び212を使用するための適切な位置にあるときに、光ビームの遮断が検出器によって感知される。幾つかの実装では、手入力デバイス206及び/又はヘ頭入力デバイス208を使用して、ユーザの存在を感知することができる。追加的な又は代替的なタイプの存在センサを様々な実装において使用することができる。
【0076】
図3は、幾つかの実装に従った例示的なディスプレイシステム300の斜視図であり、図4は、正面図であり、図5は、側面図である。幾つかの例において、ディスプレイシステム300は、遠隔操作システムのユーザ制御システム、例えば、図1の遠隔操作システム100のユーザ制御システム102で使用されることができ、或いは、例えば、ユーザが作業場所又は他の物理的場所、表示された仮想環境などを見ることを可能にするよう、他のシステムにおいて或いはスタンドアローンのシステムとして使用されることができる。
【0077】
ディスプレイシステム300は、ベース支持体302と、アーム支持体304おt、及びディスプレイユニット306とを含む。以下により詳細に記載するように、ディスプレイユニット306は、ベース支持体302と、ベース支持体302に結合されたアーム支持体304と、アーム支持体304に結合された(以下に記載する)傾斜部材324とを含む支持リンク機構によって提供される複数の移動自由度を備える。ディスプレイユニット306は、傾斜部材に結合される。
【0078】
ベース支持体302は、この例において、機械的に接地された、例えば、地面に結合された垂直部材である。例えば、ベース支持体302は、ベース支持体302に安定性を提供するために地面に結合される(例えば、地面の上に位置する)支持構造310に機械的に結合されることができる。ベース支持体302は、第1のベース部分312と、第2のベース部分314とを含む。第1のベース部分312は、機械的に接地されることができるベース支持体302の近位部分であり、第2のベース部分314は、第2のベース部分314が第1のベース部分312に対して線形自由度で並進可能であるように、第1のベース部分312に直線的に結合されるベース支持体302の遠位部分である。幾つかの例では、第1のベース部分312又は第2のベース部分314の一方が中空の内部を有するチューブ又はスリーブとして構成され、第1のベース部分312又は第2のベース部分314の他方が中空の内部を通じて延びるように、第1のベース部分312及び第2のアーム部分314は入れ子式に(telescopically)結合され、例えば、第1のベース部分312は、第1の伸縮自在な(telescoping)ベース部分であり、第2のベース部分314は、第2の伸縮自在なベース部分である。図3図5の例において、第2のベース部分314は、線形自由度316で第1のベース部分312の内部を通して直線的に並進可能である。第1のベース部分312に対する第2のベース部分314の線形並進は、以下により詳細に記載されるように、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動させられることができる。他の実装は、異なる構成を使用することができる。例えば、第1のベース部分312は、第2のベース部分314が第1のベース部分312に対して直線的に並進可能であるように、第2のベース部分314の内部を通じて延びることができる。他の例において、ベース部分312及び314は、線形並進を可能にするために、それらの垂直方向の長さに沿って互いに隣接して位置付けられることができる。
【0079】
アーム支持体304は、ベース支持体302に機械的に結合される水平部材である。アーム支持体304は、第1のアーム部分318と、第2のアーム部分320とを含むことができる。第2のアーム部分320が線形自由度で第1のアーム部分318に対して直線的に並進可能であるように、第1のアーム部分318は、ベース支持体302の第2のベース部分314に強固に結合さるアーム支持体304の近位部分であり、第2のアーム部分320は、第1のアーム部分318に直線的に結合されるアーム支持体304の遠位部分である。幾つかの例では、第1のアーム部分318又は第2のアーム部分320の一方が中空の内部を有するチューブ又はスリーブとして構成され、第1のアーム部分318又は第2のアーム部分320の他方が中空の内部を通じて延びるように、第1のアーム部分318及び第2のアーム部分320は入れ子式に結合され、例えば、第1のアーム部分318は、第1の伸縮自在なアーム部分であり、第2のアーム部分320は、第2の伸縮自在なアーム部分である。図3図5の例において、第2のアーム部分320は、線形自由度322で第1のアーム部分318の内部を直線的に並進可能である。第1のアーム部分318に対する第2のアーム部分320の線形並進は、以下により詳細に記載されるように、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。他の実装は、異なる構成を使用することができ、例えば、第1のアーム部分318は、第2のアーム部分320が第1のアーム部分318に対して直線的に並進可能であるように、第2のアーム部分320の内部を通じて延びることができる。他の例において、アーム部分318及び320は、線形並進を可能にするために、それらの垂直方向の長さに沿って互いに隣接して位置付けられることができる。
【0080】
幾つかの実装において、第1のアーム部分318及び第2のベース部分314は、一体成形品(single piece)、例えば、第1のベース部分312と第2のアーム部分320との間に結合される中間支持体又は中間部分であるとみなされることができる。中間支持体は、互いに対して直交して方向付けられる垂直な第2のベース部分314に強固に結合された水平な第1のアーム部分318を含む。第2のアーム部分320は、中間支持体に対して自由度322で水平方向に並進可能であり、中間支持体及び第2のアーム部分320は、第1のベース部分312に対して自由度316で垂直方向に移動可能である。
【0081】
図示の幾つかの例において、アーム支持体304は、ベース支持体302が延びる垂直軸に対して直交する水平軸に沿って延びる。幾つかの例において、ベース支持体302及びアーム支持体304は、互いに対して向きにおいて固定され、例えば、それらは並進するが、互いに対して向きを変えない。幾つかの例において、アーム支持体304は、ディスプレイユニットを作動するユーザより上方の軸に沿って延び、ベース支持体302を通じて延びる垂直軸は、アーム支持体302の第1のアーム部分318を通って延びる。他の実装において、アーム支持体304は、他の高さ及び/又は構成で、例えば、ユーザの頭又は身体より下方で、ユーザの頭の高さで、ユーザの背後及びユーザの周囲のヨーキング(yoking)などして延在することができる。
【0082】
ディスプレイシステム300の支持体及び部材における振動を低減することは、ディスプレイユニット306を作動するユーザにとってのより平滑な体験を生じさせることができる。幾つかの実装は、これらの支持体302及び304を含む支持リンク機構内の振動を減少させる減衰をもたらすために、ベース支持体302及び/又はアーム支持体304内に1つ以上のコンポーネントを含むことができる。例えば、レバーアームの一部分が、アーム支持体304における振動を減少させるために、ベース支持体302内に設けられた高度に減衰された材料を擦る(brushes)或いは圧縮するアーム支持体304に内部的に強固に結合されることができる。例えば、ソルボセイン(登録商標)材料、粘性材料、又は特定の閾値を超える減衰係数を有する他の材料を使用することができる。類似の減衰コンポーネントを、ディスプレイユニット306と傾斜部材324との間、傾斜部材324とアーム支持体302との間などに設けることができる。
【0083】
ディスプレイユニット306は、アーム支持体304に機械的に結合される。ディスプレイユニット306は、第2のベース部分314及び第2のアーム部分320の線形並進によって提供される2つの線形自由度で移動可能である。幾つかの実装において、これらの線形自由度は、垂直平面内に設けられることができる。幾つかの例では、図示のように、垂直平面は、ベース支持体302及びアーム支持体304によって画定されることができる。
【0084】
ディスプレイユニット306は、デジタル画像を表示することができるディスプレイデバイス、例えば、1つ以上のディスプレイスクリーン、プロジェクタ、又は他のディスプレイデバイスを含む。幾つかの実装では、図3図5におけるように、ディスプレイユニット306は、2つのビューポート323を含み、ディスプレイデバイスは、ビューポートの背後に設けられるか、或いはビューポートに含まれる。幾つかの実装では、ビューポート323の代わりに、1つ以上のディスプレイスクリーン又は他のディスプレイデバイスをディスプレイユニット306の上に位置付けることができる。
【0085】
ディスプレイユニット306は、傾斜部材324によってアーム支持体304に回転的に結合される。図3図5の例において、傾斜部材324は、第1の端で、第2のアーム部分320に対する傾斜軸326についての傾斜部材324及びディスプレイユニット306の回転運動をもたらす回転結合によって、アーム支持体304の第2のアーム部分320に回転的に結合される。幾つかの実装において、傾斜軸326は、ベース支持体302及びアーム支持体304によってディスプレイユニット306にもたらされる線形自由度に対して直交して方向付けられる。例えば、傾斜部材324は、自由度316及び322がベース支持体302及びアーム支持体304によってもたらされる垂直平面と同じ又は平行な垂直平面内にあるディスプレイユニット306に回転自由度をもたらすことができる。幾つかの実装において、傾斜軸326は、自由度316及び322によって画定される平面に対して直交する。幾つかの実装において、傾斜軸326は、ディスプレイユニット306内でディスプレイデバイスより上方に位置付けられる。幾つかの実装において、傾斜軸326は、ユーザがディスプレイユニット306を作動させるときに、ユーザの頭の位置より上方に位置決めされる。他の実装では、傾斜軸をユーザにより近く、例えば、以下に記載するように、ユーザの首のピボット軸よりも低く且つより近くに位置付けることができる。幾つかの例において、アーム支持体304は、ユーザの頭の両側に延びる2つの分岐を有することができ、その場合、傾斜軸326は、2つの分岐の端の間に延在し、ユーザの頭又は首における画定されたピボット点と整列させられる。
【0086】
この例では、傾斜部材324の延長部分が、傾斜軸326からベース支持体302に向かって延び、ディスプレイユニット306が、延長部分で傾斜部材の第2の端に結合される。傾斜軸326についての傾斜部材324及びディスプレイユニット306の回転運動は、以下により詳細に記載するように、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。幾つかの実装において、ベース支持体302、アーム支持体304及び傾斜部材324は、支持リンク機構であるとみなされることができ、支持リンク機構の遠位端で結合されたディスプレイユニット306を有する。例えば、モータは、ディスプレイユニット306を傾斜軸326について傾斜自由度327の特定の向きに移動させるために、制御回路(例えば、制御システム)からの制御信号によって制御されることができる。
【0087】
幾つかの実装において、ディスプレイユニット306は、傾斜部材324に回転的に結合され、ヨー軸(例えば、横方向回転軸)330について回転することがある。例えば、これは、ビューポート323を介してディスプレイユニット306の画像を見るユーザの視点(view point)からの横方向又は左右方向の回転であることができる。図3図5の例において、ディスプレイユニット306は、幾つかの実装では、トラック機構を含むことができる、回転機構によって傾斜部材に結合される。例えば、幾つかの実装において、トラック機構は、湾曲トラック328を含み、湾曲トラック328は、ディスプレイユニット306に結合される。トラック328は、傾斜部材324に結合される溝部材と摺動可能に係合して、ディスプレイユニット306が、溝部材の溝を通じて湾曲トラック328を移動させることによって、ヨー軸330について回転することを可能にする。幾つかの実装では、湾曲トラックが傾斜部材324に結合され、溝部材がディスプレイユニット306に結合され、溝部材が湾曲トラックと係合し、湾曲トラックの長さに沿って摺動して、ヨー軸330についてのディスプレイユニット306の回転移動を可能にする。幾つかの実装において、溝部材は、傾斜部材324の幅とほぼ同じ長さであることができ、且つ/或いは湾曲トラック328が摺動するループの少なくとも一部分を含むことができる。
【0088】
幾つかの実装において、湾曲トラック328は、記載するような溝部材に摺動可能に係合する湾曲レールである。幾つかの実装において、湾曲トラック328は、カムローラと係合する湾曲カム従動子であることができる。例えば、カムローラは、ディスプレイユニット306に回転可能に結合されることができ、様々な実装では、ヨー軸330に対して直交するか或いはヨー軸330に対して平行な回転軸を有する。例えば、カムローラは、円筒状であることができ、傾斜部材324に強固に結合されるカム従動子の湾曲面に沿って転動することができる。例えば、カムローラは、カム従動子の壁又はリッジによってカム従動子に対して保持されることができる。幾つかの実装において、カム従動子は、ディスプレイユニット306に強固に結合されることができ、カムローラは、傾斜部材324に回転可能に結合されることができる。
【0089】
湾曲トラック328及び/又は溝部材の曲率(例えば半径)は、ディスプレイユニット306のユーザ対向側及び/又は傾斜軸326から特定の距離でヨー軸330を提供するように選択される。例えば、これは、幾つかの実装において、アーム部分320の自由度322に対して平行な特定の水平距離であることができる。例えば、ヨー軸330は、ヨー軸380が、以下に記載するように、ユーザの首におけるピボット軸に対応する画定された(例えば、仮想的な又はソフトウェア画定された)首ピボット軸とほぼ交差するように、ディスプレイユニット306から特定の距離で提供されることができる。画定された首ピボット軸は、幾つかの実装において、ディスプレイユニット306の運動のための基準として使用されることができる。記載した実装において、ヨー軸330と(例えば、自由度316に対して平行な)垂直軸との間の角度は、傾斜軸326についての傾斜部材324の向きに基づいて変化する。ヨー軸330についてのディスプレイユニット306のヨー運動は、ギア機構、キャプスタン駆動機構などのような駆動機構を使用して、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。キャプスタン駆動機構の一例は、図22に関して以下により詳細に記載される。例えば、駆動機構は、モータによって駆動されるキャプスタンプーリに結合されるキャプスタンドラム329を含むことができる。
【0090】
幾つかの実装では、傾斜部材324及びアーム支持体304に対するヨー軸330についてのディスプレイユニット306の回転運動を提供するために、他のカップリング又はベアリングを使用することができる。例えば、傾斜部材324とアーム支持体304との間の回転結合に類似する回転ジョイントを使用して、ディスプレイユニット306を傾斜部材324に結合することができる。更なる例では、例えば、図23図25の実装の部材2324及び2330と同様に、水平軸についての回転をもたらす垂直に整列させられたトラック機構が、ディスプレイユニット306に傾斜自由度を提供することができ、回転結合は、ディスプレイユニット306にヨー自由度を提供することができる。
【0091】
よって、ディスプレイシステム300は、垂直線形自由度316、水平線形自由度322、回転(傾斜)自由度327、及び回転ヨー自由度331を有するディスプレイユニット306を提供する。例えば、垂直及び水平自由度は、ディスプレイユニット306が、許容される作業空間内(例えば、垂直平面内)の任意の位置に移動されることを可能にし、傾斜自由度は、ディスプレイユニットがその運動範囲内(例えば、垂直平面内又は平行垂直平面内)の特定の向きに移動されることを可能にする。
【0092】
これらの自由度のうちの少なくとも2つの自由度におけるディスプレイシステム300のコンポーネントの協調動作の組み合わせは、ディスプレイユニット306が、ディスプレイユニットを使用するユーザのためのカスタム視認体験を容易にするために、その作業空間内の様々な位置及び向きで位置付けられること、例えば、ユーザの周りで並進及び/又は回転されることを可能にする。傾斜、水平、及び/又は垂直自由度におけるディスプレイユニット306の動きは、ディスプレイユニット306が、ユーザの頭運動中に、ユーザの頭及び眼に近く留まること、及び/又はユーザの頭(例えば、前頭部)とディスプレイユニット306との間の物理的接続を維持することを可能にする。
【0093】
例えば、ディスプレイユニット306は、ユーザの眼がディスプレイユニットのビューポートと整列するように、その作業空間内に位置決め可能(例えば、並進可能及び/又は回転可能)である。加えて、ディスプレイユニット306は、ユーザのために所望の垂直(例えば、上下)眼視認角を可能にするために、例えば、ユーザの眼の両方を通じる眼軸に対応する(例えば、一致する)画定された眼ピボット軸について物理的空間内で回転させられることができる。ディスプレイユニットは、ユーザのための所望のヨー(例えば、左右)視認角又は向きを可能にするために、ヨー軸330について移動させることもできる。これらの回転は、ユーザがビューポートを通じて画像を見るために、ディスプレイユニット306が快適に方向付けられることを可能にする。
【0094】
ディスプレイシステムの自由度は、追加的に又は代替的に、ディスプレイシステム300が、ディスプレイユニット306の作業空間内の様々な場所のいずれかに位置し得る異なる画定されたピボット軸について物理的空間内のディスプレイユニット306の運動を提供することを可能にする(例は以下により詳細に記載される)。例えば、システム300は、ディスプレイシステム300を作動させるときにユーザの頭の動きに対応する物理的空間内のディスプレイユニット306の動きを提供することができる。この動きは、ユーザの首でのユーザの頭の首軸にほぼ対応する、画定された首ピボット軸についての回転を含むことができる。この回転は、ディスプレイユニット306が、例えば、頭入力デバイス342を用いて、ディスプレイユニット306の移動を指示するユーザの頭に従って移動されることを可能にする。首ピボット軸(図8図11)及び眼ピボット軸(図12図14)についてのディスプレイユニットのそのような動きの例が以下に記載される。
【0095】
別の例において、ディスプレイユニット306の動きは、ディスプレイユニット306が、図示のように、ヨー軸330について中心化されたヨー回転位置に方向付けられるときに、ユーザの前頭部でユーザの頭を通じて延びる前頭軸にほぼ対応する、画定された前頭ピボット軸についての回転を含むことができる。幾つかの実装において、前頭ピボット軸は、ディスプレイユニット306の入力デバイス(例えば、頭入力デバイス342)の一部分を通じて延びる前頭軸に対応し、その一部分は、ユーザの前頭部と入力デバイスとの間の接触点又はその近くにある。幾つかの実装において、画定された前頭ピボット軸は、例えば、線形自由度316及び322に対して直交する、傾斜軸326に対して平行に方向付けられることができる。前頭ピボット軸は、代替的に、ユーザの前頭部又はディスプレイユニットの異なる場所又は部分に対応するように位置付けられることができる。
【0096】
別の例において、ディスプレイユニット306の動きは、ディスプレイユニット306の1つ以上の手入力デバイスを通じて延びる軸にほぼ対応する、画定された手入力デバイスピボット軸についての回転を含むことができる(例は以下に記載される)。例えば、この軸は、ディスプレイユニット306の対向(左右)側に位置付けられる両方の手入力デバイス340a及び340bの部分(例えば、グリップの中心)を通じて延びることができる。幾つかの実装において、画定された手入力デバイスのピボット軸は、傾斜軸326に対して平行に、例えば、上述の首、眼及び前頭ピボット軸と同様に、線形自由度316及び322に対して直交して方向付けられることができる。手入力デバイスピボット軸は、代替的に、ディスプレイユニットの異なる場所又は部分、例えば、異なる手入力デバイスの場所に対応するように位置付けられることができる。例えば、手入力デバイスピボット軸は、ディスプレイユニット306が、ユーザによる手入力デバイス340a及び340bの操作によって、並びに/或いは頭入力デバイス342、制御入力デバイス210及び212などのような他のユーザ入力デバイスのユーザ操作によって、その周りで回転するように指示されることができる、回転軸を提供する。
【0097】
別の例において、その作業空間内のディスプレイユニット306の運動は、例えば、垂直線形自由度316及び水平線形自由度322における線形並進に基づく、傾斜及び/又はヨー自由度327及び/又は331における回転運動を伴わない、線形運動を含むことができる。別の例において、運動は、線形運動及び回転運動の両方を含むことができる。例えば、ディスプレイユニット306は、その作業空間内で直線的に移動され、次に、回転的に移動されることができ、且つ/或いはその逆に移動されることができる。
【0098】
画定されたピボット軸についてのディスプレイユニット306の回転中に、垂直自由度316におけるベース支持体302の移動及び/又は水平自由度322におけるアーム支持体304の移動は、画定されたピボット軸についてのディスプレイユニットの回転方向の変化を伴わないで、方向の変化を有することができる。例えば、アーム支持体304は、ディスプレイユニットが完全に上向き位置から完全に下向き位置に回転されるときに、方向を逆にすることができる。よって、幾つかの実装では、ディスプレイユニットが画定されたピボット軸について第1の向きから第2の向きに回転する間に、ベース支持体又はアーム支持体が同じ位置で終わることが可能であり、ここで、支持体は、ディスプレイユニットがそれらの2つの向きの間を移行する間に前後に移動する。
【0099】
ディスプレイユニット306は、ユーザが、空間内のディスプレイユニット306の向き及び/又は位置を操作するために、並びに/或いはディスプレイシステム300及び/又はより大きなシステム(例えば、遠隔操作システム)の他の機能又はコンポーネントを操作するために、入力を提供することを可能にする、入力デバイスを含むことができる。
【0100】
例えば、手入力デバイス340は、(図2に206として示される)図2について同様に記載されるように、ディスプレイユニット306の上に設けられることができる。例えば、手入力デバイス340aは、ディスプレイユニット306の左側に位置付けられ、手入力デバイス340bは、ディスプレイユニット306の右側に位置付けられ、或いはディスプレイユニット306の任意の表面に位置付けられることができる。手入力デバイス340a及び340bは、手入力デバイス340にユーザ手入力を提供するためにユーザの手によって操作される様々なタイプのユーザ入力デバイス(例えば、ボタン、タッチパッド、力センサ、ジョイスティック、ノブ、トラックボール、キーボードなど)のいずれであることができる。ハンド入力デバイス340は、ユーザ手入力に基づいてディスプレイシステム300に制御信号を出力する。制御信号は、ディスプレイユニット306に空間内でその向き及び/又は位置を変更させるために使用されることができる。例えば、制御システムは、ディスプレイシステム300のアクチュエータを制御して、ベース部分314を線形自由度316で移動させ、アーム部分320を線形自由度322で移動させ、傾斜部材324を回転自由度327で移動させ、且つ/或いはディスプレイユニット306を回転自由度331で移動させて、ディスプレイユニット306を感知されたユーザ手の入力に対応して移動させる。感知されたユーザ手入力は、ディスプレイシステム300の他の機能及び/又はより大きなシステム(例えば、図1の遠隔操作システム100)の機能を制御するために使用されることもできる。
【0101】
ディスプレイユニット306は、(図2に208として示される)図2について同様に記載されるように、頭入力デバイス342を含むことができる。この例において、頭入力デバイス342は、ディスプレイユニット306の動作中にユーザの頭に対向するディスプレイユニット306の表面の上に位置付けられる。例えば、頭入力デバイス342は、ディスプレイユニット306に空間内でその位置及び/又は向きを変更させるコマンドとして受信されるユーザ頭入力を感知する1つ以上のセンサを含むことができる。幾つかの実装において、ユーザ頭入力を感知することは、ユーザの頭又は頭の一部分(例えば、前頭)による頭入力デバイス342との接触又は存在を感知することを含むことができる。幾つかの例において、1つ以上のセンサは、様々なタイプのセンサ、例えば、抵抗センサ、容量性センサ、力センサ、光学センサなどのうちのいずれかを含むことができる。
【0102】
ディスプレイユニット306の向き及び/又は位置は、頭入力デバイス342へのユーザ頭入力に基づいて、ディスプレイシステム300によって変更されることができる。例えば、感知されたユーザ入力は、制御システムに提供され、制御システムは、ディスプレイデバイス300のアクチュエータを制御して、ベース部分314を線形自由度316で移動させ、アーム部分320を線形自由度322で移動させ、傾斜部材324を回転自由度327で移動させ、且つ/或いはディスプレイデバイス306を回転自由度331で移動させて、ディスプレイデバイス306を感知されたユーザ頭入力によって(例えば、従って)指令されるように移動させる。例えば、感知された頭入力は、ディスプレイユニット306を、画定されたピボット軸、例えば、本明細書に記載するような、首ピボット軸又は他のピボット軸について回転させるために使用されることができる。幾つかの実装では、感知された頭入力は、追加的に又は代替的に、ヨー軸330についてディスプレイユニット306を回転させるために使用されることができる。感知されたユーザ頭入力は、ディスプレイシステム300及び/又はより大きなシステム(例えば、図1の遠隔操作システム100)の他の機能を制御するために使用されることもできる。従って、幾つかの実装において、ユーザは、自分の頭を動かして入力デバイスに入力を提供して、ディスプレイデバイス306が頭の動きに従ってディスプレイシステムによって移動されるように制御することができ、それによって、例えば、ディスプレイデバイスをユーザの頭に取り付けることを必要とすることなく、或いはユーザがディスプレイデバイスを物理的に移動させることを要求することなく、ディスプレイユニットがユーザの頭の動き及び視認角の変化に従うことを可能にする。幾つかの実装において、ユーザの頭をディスプレイユニット306から離れるよう移動させる(例えば、ディスプレイユニット306を戻っているユーザに向かって「引っ張る」)ことは、頭入力デバイス342から離れる方向又は(例えば、光学センサ又は他のタイプのセンサを介して感知される)ディスプレイユニット306から離れる方向への移動として感知されることができ、或いは頭入力デバイス342に対する力の減少として感知されることができ、それはディスプレイシステムがアクチュエータの制御を介してユーザの頭に追随するようディスプレイユニットを移動させる。
【0103】
幾つかの実装では、ディスプレイユニット306は、追加的に又は代替的に、ディスプレイシステム300の又は他の接続されたシステムの他の入力デバイスからのユーザ入力を受信することに応答して、その記述される自由度のうちの1つ以上で移動させられることができる。例えば、図2の制御入力デバイス210及び212又は他の制御デバイスのような、追加の手入力デバイスを設けることができる。幾つかの例において入力デバイスは、ベース支持体302に結合された或いは人間工学的支持体214に結合された支持面に結合されることができる。幾つかの実装では、足制御装置220又は他のタイプの入力デバイスで受信されるユーザ入力を使用して、ディスプレイユニット306をその自由度の1つ以上で移動させることができる。
【0104】
幾つかの実装において、ディスプレイユニット306及び/又は他の制御デバイスによって表示される画像は、画定されたピボット軸などについて、例えば、ディスプレイユニットの作業空間内の、ディスプレイユニット306の感知された動きに基づいて変更及び操作される。例えば、画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの上下の動きは、ディスプレイ画像又は対応する方向におけるビューを修正することができる。
【0105】
ディスプレイシステムの幾つかの実装において、ディスプレイユニット306は、自由度331でヨー軸330について回転可能であり、他の自由度316、322、及び/又は327のうちの1つ以上は、ディスプレイシステム300から省略される。例えば、ディスプレイユニット306は、(例えば、アクチュエータによって及び/又はユーザによって手動で)ヨー軸330について回転されることができ、ディスプレイユニット306は、例えば、水平自由度322及び/又は傾斜自由度327が省略されるベース支持体302又は他の機構を使用して、(例えば、アクチュエータによって及び/又はユーザによって手動で)より高く及び/又はより低く手動で位置付けられることができる。
【0106】
幾つかの実装では、制御ユニットが、第1の支持体と、第1の支持体に結合される第2の支持体と、第2の支持体に回転可能に結合されるディスプレイユニットとを含む。ディスプレイユニット及び第2の支持体は、第1の支持体に対して第1の自由度で第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、ディスプレイユニットは、第1の支持体及び第2の支持体に対して第2の自由度で第2の軸に沿って直線的に並進可能であり、ディスプレイユニットは、第2の支持体に対して第3の軸について第3の自由度で回転可能である。更なる例では、傾斜部材が、ディスプレイユニットを第2の支持体に結合し、傾斜部材は、傾斜部材に対して第4の軸について回転可能である。
【0107】
図6は、ディスプレイシステム600の一部分の別の例の側面図である。ディスプレイシステム600は、上述のディスプレイシステム300に類似するコンポーネントを含む。
【0108】
図6の例では、アーム支持体604の第2のアーム部分620は、図3図5のディスプレイシステム300の第2のアーム部分320の遠位部分より垂直に下方に延びる遠位部分623を含む。傾斜部材624の傾斜軸626は、遠位部分622の端に配置される。幾つかの実装において延長された遠位部分622は、傾斜軸626が、ディスプレイシステム300の傾斜軸326よりも低く且つディスプレイユニットが回転する画定された(仮想又はソフトウェア画定される)ピボット軸により近くに位置決めされることを可能にすることがある。例えば、画定されたピボット軸は、本明細書中の例示的な画定されたピボット軸のいずれか、例えば、ディスプレイユニット606を操作するユーザの眼ピボット軸又は首ピボット軸であることができ、それらの例は、図8図11に関して示される。
【0109】
画定されたピボット軸により近い傾斜軸626を提供することは、画定されたピボット軸から遠くに配置される傾斜軸と比較して、画定されたピボット軸についてディスプレイユニット606を回転させるためにディスプレイシステム600のコンポーネントのより少ない動きを必要とすることがある。例えば、より少ない動きが、第2のアーム部分620、第2のベース部分614及び/又は傾斜部材624について要求されることがあり、コンポーネントのサイズ、モータのサイズなどの減少に起因して、幾つかの実装においてコストの削減を可能にする。
【0110】
図7は、ディスプレイシステム700の一部分の更に別の例の側面図である。ディスプレイシステム700は、上述のディスプレイシステム300及び600に類似するコンポーネントを含む。
【0111】
図7の例において、アーム支持体704の第2のアーム部分720は、図3図5のディスプレイシステム300の第2のアーム部分320の遠位部分よりも垂直に下方に延びる遠位部分723を含む。遠位部分722は、例えば、ディスプレイシステムを作動するときにユーザ750が占めるユーザ場所から離れて、ベース支持体702に向かって並びに垂直方向に下方に延びる端を含む。傾斜軸726は、遠位部分722の端に配置される。傾斜軸726のこの位置は、ディスプレイシステム300の傾斜軸326及びディスプレイシステム600の傾斜軸626と比較して、ユーザ位置から更に離れて、更に下方に、移動される。
【0112】
傾斜軸726の位置は、幾つかの実装において利点を有することがある。例えば、遠位部分723の端は、ユーザ750から離れることができ、ディスプレイユニット706を操作するためのより開放感のある領域をユーザに提供することができる。更に、この位置は、傾斜軸726のジョイント上の最大重力荷重の減少を可能にし、例えば、ディスプレイユニット706が動作中にしばしば位置することがあるより高い傾斜位置(例えば、水平方向及び下向きに方向付けられた視認角)で、傾斜軸726についての特定の回転位置におけるディスプレイユニット706の重力荷重を減少させることもできる。例えば、傾斜軸726の位置は、ディスプレイユニット706とディスプレイユニット706を傾斜部材724に結合するトラック機構とを含むコンポーネントの重心の真上の位置により近くてよい。また、傾斜軸726の位置は、ディスプレイシステム300及び600の傾斜軸位置と比較して、第2のアーム部分720、第2のベース部分714及び/又は傾斜部材724によって要求される移動量も変える。例えば、傾斜軸726の位置は、ディスプレイシステム300及び600におけるよりも、自由度722におけるより少ない水平方向の動き及び自由度716におけるより多くの垂直方向の動きを必要とすることがあり、それは、例えば、ディスプレイシステムのより大きな剛性を可能にすること、コンポーネント又は環境限界内で作動することなどのために、幾つかの実装において有利なことがある。
【0113】
加えて、図7に示すように、ディスプレイシステム300及び600において記載する傾斜部材324及び624の長さと比較して、傾斜部材724の長さを減少させることができる。加えて、傾斜軸724と、ディスプレイユニット706とディスプレイユニット706を傾斜部材724に結合するトラック機構とを含むコンポーネントの重心との間の距離を減少させることができる。これらのより小さな距離は、傾斜軸726についてのディスプレイユニット706の傾斜運動のジョイント側慣性を減少させることができる。幾つかの実装において、傾斜部材724の長さの減少は、剛性も向上させることができ、全体的な支持構造の重量を減少させることもできる。
【0114】
幾つかの実装において、ディスプレイシステム700の上記構成は、より低いトルク出力要件、より低い平均電流使用、及び傾斜軸726についてのディスプレイユニット706の回転を駆動するために使用されるモータ又は他のアクチュエータによるより低い電力消費をもたらすことができ、アクチュエータ及び/又は駆動歯車機構のための追加の動作ヘッドルームを可能にする(アクチュエータがディスプレイシステム700の動作に通常必要とされるよりも大きな力を出力することを可能にする)ことがある。
【0115】
図8図11は、幾つかの実装に従った、例示的に画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す、ディスプレイシステム800の一部分の側面図である。ディスプレイシステム800は、上述のディスプレイシステム300及び600と同様のコンポーネントを含む。
【0116】
図8では、第1のピボット向きにおいてディスプレイユニットを有するディスプレイシステム800が示されている。ディスプレイシステム800は、上述と同様に、ベース支持体802と、アーム支持体804と、ディスプレイユニット806とを含む。この例において、ベース支持体802は、線形自由度816で第1のベース部分812の内部を通じて直線的に並進可能な第2のベース部分814を含む。アーム支持体804は、第2のベース部分814に強固に結合される第1のアーム部分818と、線形自由度822で第1のアーム部分818の内部を通じて直線的に並進可能な第2のアーム部分820とを含む。
【0117】
ディスプレイユニット806は、上記例に記載したのと同様に、傾斜部材824によって第2のアーム部分820に結合される。傾斜部材824は、第1の端で第2のアーム部分820に回転可能に結合され、軸826について回転する。ディスプレイユニット806は、上記例に記載したのと同様に、傾斜部材824の第2の端に回転可能に結合されることができ、傾斜部材824に従って軸826について回転する。
【0118】
図8において、ディスプレイユニット806は、ほぼ水平であることができ且つ傾斜軸826に対してほぼ平行に、例えば、自由度816及び822によって画定される平面に対して直角に延びることができる、例示的な画定された首ピボット軸840について第1のピボット向きに方向付けられる。図示の例示的な実装において、首ピボット軸840は、傾斜軸826より下方に配置される。幾つかの実装において、画定された首ピボット軸840は、ディスプレイユニット806よりもベース支持体802から離れて配置される。
【0119】
画定された首ピボット軸840(及び本明細書に記載する画定された首ピボット軸のいずれか)は、ディスプレイユニット806が、図示のように、ヨー軸830についての中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ユーザ850のような典型的なユーザの首のピボット軸と整列される(例えば、ほぼ整列される)場所で方向付けられる。例えば、画定された首ピボット軸は、ディスプレイユニットを操作する典型的なユーザの首がほぼ枢動する場所と交差するように位置付けられる水平軸であることができる。この場所は、異なるユーザ(例えば、異なる高さのユーザ、異なる首のサイズユーザなど)において異なることがあり、且つ/或いは、ユーザは、幾つかの実装において、複数のユーザの好ましいピボット場所から決定される(例えば、平均化される)場所位置を画定された首ピボット軸について使用することができるように、画定された首ピボット軸がどこに配置されるかに関する異なる好みを有することがある。幾つかの例示的な実装において、画定された首ピボット軸は、ディスプレイユニットを操作するユーザの首の特定の骨又は任意の特定の頸椎、例えば、首の環椎骨又は軸骨とほぼ整列される場所に配置されることができる。更なる例において、画定された首ピボット軸は、ユーザの首の他の場所に対応するように画定されることができる。
【0120】
首ピボット軸840は、システムパラメータに基づいて画定される仮想軸である。ベース支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824の移動は、首ピボット軸840についての回転を提供することができる。首ピボット軸840は、所望の首ピボット軸についての回転を生成する際のこれらのコンポーネントの移動によって画定されるような、図8に示す位置とは異なる位置にあることができる。
【0121】
幾つかの実装は、画定された首ピボット軸の位置が、特定のユーザの特定の好み又は生理学に順応するように、例えば、ユーザ入力によって、変更されることを可能にする。幾つかの例において、画定された首ピボット軸は、(軸が自由度816及び822によって画定される垂直平面に対して直交する異なる場所のような)画定された首ピボット軸が傾斜軸826に対して平行である異なる場所、例えば、ユーザの視点では、従前の場所から上、下、前方及び/又は後方である新しい場所に変更されることができる。幾つかの実装では、格納されたプロファイル又は設定を特定のユーザと関連して格納し、そのユーザによるディスプレイシステムの使用のために適用することができる。格納されたプロファイルは、(以下に記載する)画定された首ピボット軸及び/又は画定された眼ピボット軸のための空間内の好ましい場所を含み、それらのいずれもシステム動作のためにロードされることができる。幾つかの実装は、そのユーザのためにカスタマイズされた画定された首ピボット軸を決定する際にユーザを誘導することができる。例えば、システムは、ユーザに指示を出力して、ユーザの首を曲げさせ、ユーザの首を真っ直ぐにさせ、センサデータ(例えば、画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた画像)に基づいてユーザの身体に関するユーザの頭の回転及び軌跡を感知することができる。このデータは、そのユーザのために示唆される首ピボット軸の場所を決定するために、ディスプレイシステム(又は制御システム)によって使用され、その記述は、ディスプレイユニット806のディスプレイデバイスのような出力デバイスによって出力されることができる。
【0122】
図示する第1のピボット向きにおいて、ディスプレイユニット806は、画定されたピボット軸840について水平視認向きにある。首ピボット軸840に対するディスプレイユニット806の視認向きは、図8において、首ピボット軸840を通じて水平に延びる線842によって示される。この実装において、水平視認向きは、アーム支持体804に対して平行な水平向きにおける傾斜部材824に対応する。首ピボット軸840についてのディスプレイユニット806の回転は、ベース支持体802の部分814、アーム支持体804の部分820及び/又は傾斜部材824を適切な位置及び/又は向きに移動させることによって達成される。
【0123】
図8は、画定された眼ピボット軸860も示している。画定された眼ピボット軸860は、ディスプレイユニット806が、図示のように、ヨー軸830について中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ディスプレイユニット806のビューポートを通じて見ているユーザ850のような典型的なユーザの眼と交差する眼軸に対応する(例えば、一致する)場所に位置付けられる。幾つかの実装において、画定された眼ピボット軸は、例えば、自由度816及び822によって画定される平面に対して直交する、傾斜軸826に対して平行に延びる。この画定された眼ピボット軸は、ディスプレイユニット806が、図示のように、軸830について中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ディスプレイユニット806の視認向きに対して直交することができる。眼ピボット軸860に対するディスプレイユニット806の視認向きは、視線862(sight line)によって示されており、視線862は、図8において、眼ピボット軸860を通じて水平に延び、ディスプレイユニットのユーザ850のための基準視認角(reference view angle)を示している。幾つかの実装では、図示のように、傾斜軸826は、視線862より上方に位置する。眼ピボット軸860に基づくディスプレイシステム800の動きは、図12図14に関して以下により詳細に記載される。ディスプレイユニット306の他の画定されたピボット軸、例えば、前頭ピボット軸又は手入力デバイス軸についてのディスプレイシステム800の動きは、首ピボット軸及び/又は眼ピボット軸についての動きと同様に実装されることができる。
【0124】
図9において、ディスプレイユニット806は、ユーザ850の「上向き(upward)」視認角を可能にするよう、首ピボット軸840について回転される第2のピボット向きに方向付けられる。角度A1は、首ピボット軸840についてのディスプレイユニット806の例示的な回転角度であり、角度A1は、ディスプレイユニット806の水平視認向き842とディスプレイユニット806の首軸視認方向942との間の角度である。ディスプレイユニット806は、ベース支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824を図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、図8に示す第1のピボット向きに対して首ピボット軸840について回転されている。例えば、図8に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット806は、傾斜部材824を図示の角度まで上向きに(図9の観点では軸826について反時計回り)に回転させ、第2のアーム部分820をベース支持体802から離れてユーザ850に向かって図示の位置に直線的に並進させ、第2のベース部分814を上向きに(例えば、地面から離れて)図示の位置に直線的に並進させることによって、第2のピボット向きに移動される。傾斜軸826は、首ピボット軸840とは無関係である。何故ならば、首ピボット軸840についての回転は、傾斜軸826についての回転並びに自由度822及び816における直線運動(並進)を使用するからである。
【0125】
幾つかの実装において、図9に示す視認角は、ディスプレイユニット806の上向きの(例えば、図9に示すような反時計回りの)回転限界である。他の実装において、ディスプレイユニット806は、この方向における回転の限界に達する前に、図9に示すよりも大きな量だけ上向きに(例えば、反時計回りに)回転されることができる。
【0126】
図10において、ディスプレイユニット806は、ユーザ850の「下向きの」視認角を可能にするよう、画定された首ピボット軸840について回転された第3のピボット向きで方向付けられる。角度A2は、首ピボット軸840についてのディスプレイユニット806の例示的な回転角度であり、角度A2は、ディスプレイユニット806の水平視認向き842とディスプレイユニットの首軸視認向き1042との間の角度である。ディスプレイユニット806は、ベース支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824を図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、首ピボット軸840について回転させられている。例えば、図8に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット806は、傾斜部材824を下向きに図示の角度まで(図10の観点では軸826について時計回りに)回転させ、第2のアーム部分820を自由度822でベース支持体802に向かって並びにユーザ850から離れて図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分814を下向きに(例えば、地面に向かって)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第3のピボット向きに移動される。
【0127】
図11において、ディスプレイユニット806は、ユーザ850の更に下向きの視認角を可能にするよう、画定された首ピボット軸840について回転された第4のピボット向きに方向付けられる。角度A3は、首ピボット軸840についてのディスプレイユニット806の例示的な回転角度であり、角度A3は、ディスプレイユニット806の水平視認向き842とディスプレイユニットの首軸視認向き1142との間の角度である。ディスプレイユニット806は、ベース支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824を図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、首ピボット軸840について回転させられている。例えば、図10に示す第3のピボット向きに対して、ディスプレイユニット806は、傾斜部材824を更に下向きに図示の角度まで(図11の視点では軸826について時計回りに)回転させ、第2のアーム部分820を自由度でベース支持体802に向かって並びにユーザ850から離れて図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分814を下向きに(例えば、地面に向かって)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第4のピボット向きに移動される。
【0128】
図8図11に示す例示的な実装において、画定された首ピボット軸840と傾斜軸826との間の距離は、画定された首ピボット軸840についてのディスプレイユニットの回転中に固定される。
【0129】
図12図14は、幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す、ディスプレイシステム800の一部分の側面図である。ディスプレイシステム800は、上述のディスプレイシステム300、600及び700と類似のコンポーネントを含む。
【0130】
図12において、ディスプレイユニット806は、ユーザ850の上向きの視認角を可能にするよう、画定された眼ピボット軸860について回転される第5のピボット向きに方向付けられる。角度A4は、眼ピボット軸860についてのディスプレイユニット806の例示的な回転角度であり、角度A4は、(図8に示すような)ディスプレイユニット806の水平な眼軸視認向き862とディスプレイユニットの眼軸視認向き1262との間の角度である。ディスプレイユニット806は、ベース部分、支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824を図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、図8に示す第1のピボット向きに対して眼ピボット軸860について回転されている。例えば、図8に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット806は、傾斜部材824を上向きに図示の角度まで(図12の視点では軸826について反時計回りに)に回転させ、第2のアーム部分804をベース支持体802から離れて並びにユーザに向かって図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分814を上向きに(例えば、地面から離れて)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第5のピボット向きに移動される。傾斜軸826は、眼ピボット軸860とは無関係である。何故ならば、眼ピボット軸860についてのディスプレイユニット806の回転は、傾斜軸826についての回転及び自由度822及び816での線形運動(並進)を使用するからである。
【0131】
図13において、ディスプレイユニット806は、ユーザ850の下向きの視認角を可能にするよう、画定された眼ピボット軸860について回転される、第6のピボット向きに方向付けられる。角度A5は、眼ピボット軸860についてのディスプレイユニット806の例示的な回転角度であり、角度A5は、ディスプレイユニット806の水平な眼軸視認向き862とディスプレイユニットの眼軸視認向き1362との間の角度である。ディスプレイユニット806は、ベース支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824を図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、眼ピボット軸860について回転されている。例えば、図8に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット806は、傾斜部材824を下向きに図示の角度まで(図13の視点では軸826について時計回りに)に回転させ、第2のアーム部分804を自由度822でベース支持体802に向かって並びにユーザ850から離れて図示の距離だけ直線的に並進させ、第2のベース部分814を下無機に(例えば、地面に向かって)図示の距離だけ直線的に並進させることによって、第6のピボット向きに移動される。
【0132】
図14において、ディスプレイユニット806は、ユーザ850の更なる下向きの視認角を可能にするよう、画定された眼ピボット軸860について回転される、第7のピボット向きに方向付けられる。角度A6は、眼ピボット軸860についてのディスプレイユニット806の例示的な回転角度であり、角度A6は、ディスプレイユニット806の水平な眼軸向き862とディスプレイユニットの眼軸向き1462との間の角度である。ディスプレイユニット806は、ベース支持体802、アーム支持体804及び傾斜部材824を図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、眼ピボット軸860について回転されている。例えば、図8に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット806は、傾斜部材824を下向きに図示の角度まで(図14の視点では軸826について時計回りに)回転させ、第2のアーム部分804を自由度822でベース支持体802に向かって並びにユーザ850から離れて図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分814を下向きに(例えば、地面に向かって)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第7のピボット向きに移動される。
【0133】
図15及び図16は、それぞれ、幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムのための例示的なベース支持体1500の斜視図及び側面図である。例えば、ベース支持体1500は、ディスプレイシステム300(図3図5)のベース支持体302として、ディスプレイシステム600(図6)のベース支持体602として、又はディスプレイシステム700(図7)のベース支持体702として使用されることができる。
【0134】
ベース支持体1500は、伸縮自在な(入れ子式の)(telescoping)第1のベース部分1502と第2のベース部分1504とを含む。第1のベース部分1502は、地面、例えば、床又は他の支持面に結合される細長い部材であり、中空の内部を含む。第2のベース部分1504は、第2のベース部分1504が第1のベース部分1502と摺動可能に係合されるように、第1のベース部分1502の内部に位置付けられる細長い部材である。幾つかの実装において、第2のベース部分1504は、第1及び第2のベース部分の摺動係合の安定性を提供するために、第1のベース部分1502の嵌合部分によって係合される長さ方向の(例えば、垂直な)の溝を含むことができ、逆も同様である。
【0135】
駆動機構は、第2のベース部分1504に力を加えて、この部分を移動させる。駆動機構は、第2のベース部分1504を自由度1506で第1のベース部分1502内で直線的に並進させる1つ以上のアクチュエータを含む。この例において、駆動機構は、アクチュエータから第2のベース部分1504に力を伝達するボールねじ伝動装置(ballscrew transmission)を含む。アクチュエータは、第1のベース部分1502の一端、例えば、接地された支持体に結合される端に強固に結合される回転モータ1508であることができる。モータ1508は、第1のベース部分1502の内部部分を通じて並びに第2のベース部分1504の内部部分を通じて延びるボールねじ1510の第1の端に結合される回転シャフトを有する。ボールねじ1510は、ボールねじナット1512のネジ山付き孔に係合するネジ山付き部材である。ボールねじナット1512は、第2のベース部分1504に強固に結合される。幾つかの実装において、ボールねじ1510は、その第2の端で、支持軸受1514に回転可能に結合されることができ、支持軸受1514は、第2のベース部分1504に強固に結合される。例えば、支持軸受1514は、ボールねじ1510に対して平行なボールねじナット1512を通じる中心軸に沿ってボールねじ1510を整列させることができる。幾つかの実装において、支持軸受1514は使用されない。
【0136】
動作中、モータ1508は、その回転可能なシャフトに対して力を出力して、ボールねじ1510を回転させる。ボールねじ1510の回転は、ボールねじナット1512及び支持軸受1514を、ボールねじ1510の長手軸線に沿って直線的に移動させる。ボールねじナット1512の動きは、ボールねじ1510によって並びに第1及び第2のベース部分1502及び1504の摺動係合によって制約される。ボールねじナット1512の線形運動は、第2のベース部分1504を自由度1506で直線的に移動させる。従って、ボールねじ伝動は、モータ1508からの回転力を、第2のベース部分1504に加えられる線形力に変換する。幾つかの実装において、モータ1508は、モータシャフト及びボールねじの回転向きを決定する回転エンコーダのようなセンサに結合されることができ、それは第1のベース部分1502に対する第2のベース部分1504の線形位置に変換されることができる。
【0137】
モータ1508は、他の実装について本明細書に記載するのと同様に、様々なタイプのアクチュエータのいずれであることができる。例えば、能動アクチュエータ、例えば、モータ(例えば、DCモータ)、ボイスコイル、又は他のタイプの能動アクチュエータを使用することができる。モータ1508は、例えば、遠隔操作システム又は他のシステムの制御回路からの制御信号を使用して制御されることができる。1つ以上のセンサは、第1のベース部分1502に対する第2のベース部分1504の並進及び/又は位置を検出するように作動する図15のコンポーネントのうちの1つ以上に結合されることができる。例えば、幾つかの実装では、モータ1508に結合される回転エンコーダに加えて或いはその代わりに、第1のベース部分1502及び/又は第2のベース部分1504に線形センサを結合して、第1のベース部分1502に対する第2のベース部分1504の線形運動を感知することができる。センサは、感知される位置、向き又は動きを記述する信号を、1つ以上の制御回路、例えば、遠隔操作システム100の制御システムに送信することができる。幾つかのモード又は実装において、制御回路は、感知された位置、向き又は運動を示す制御信号を、マニピュレータシステムに提供することができる。センサは、様々なタイプのセンサ、例えば、磁気センサ(例えば、磁気インクリメンタル線形位置センサ、ホール効果センサなど)、光学センサ、エンコーダ、抵抗センサなどのうちのいずれであることができる。
【0138】
幾つかの実装では、追加の駆動機構をベース支持体1500に設け、人間工学的支持体、例えば、図2の人間工学的支持体214に結合して、人間工学的支持体の直線的な上下運動を引き起こす力を提供し、支持体の高さに関する特定のユーザの好みに順応させることができる。幾つかの例において、追加の駆動機構は、ベース支持体1500の外側に取り付けられることができる一方で、第2のベース部分1504のための駆動機構は、図示のように、ベース支持体302の内側に設けられることができる。例えば、追加の駆動機構は、上述と同様なアクチュエータ及びボールねじ機構、及び/又は異なる駆動機構を使用することができる。
【0139】
図17及び図18は、それぞれ、幾つかの実装に従った、ディスプレイシステムのための例示的なアーム支持体1700の斜視図及び側面図である。例えば、アーム支持体1700は、ディスプレイシステム300(図3図5)のアーム支持体304として、ディスプレイシステム600(図6)のアーム支持体604として、或いはディスプレイシステム700(図7)のアーム支持体704として使用されることができる。
【0140】
アーム支持体1700は、伸縮自在な第1のアーム部分1702及び第2のアーム部分1704を含む。第1のアーム部分1702は、中空の内部を有する細長い部材であり、幾つかの実装では、ベース支持体、例えば、第2のベース部分314、614、もしくは714、又は図15の第2のベース部分1504に結合されることができる。第2のアーム部分1704は、第2のアーム部分1704が第1のアーム部分1702と摺動可能に係合されるように、第1のアーム部分1702の内部に位置付けられる細長い部材である。幾つかの実装において、第2のアーム部分1704は、第1及び第2のアーム部分の摺動係合の安定性を提供するために、第1のアーム部分1702の嵌合部分によって係合される長さ方向の(例えば、水平な)溝を含むことができ、逆も同様である。
【0141】
第2のアーム部分1704は、自由度1706で第1のアーム部分1702内で直線的に並進するよう、1つ以上のアクチュエータによって駆動される。この例では、アクチュエータから第2のアーム部分1704に力を伝動するために、ボールねじ伝動装置が使用される。アクチュエータは、第1のアーム部分1702の一端、例えば、接地された支持体に結合される端に強固に結合される回転モータ1708であることができる。モータ1708は、第1のアーム部分1702の内部部分を通じて並びに第2のベース部分1704の内部部分を通じて延びるボールねじ1710の第1の端に結合される回転シャフトを有する。ボールねじ1710は、ボールねじナット1712のネジ山付き孔に係合するねじ山付き部材である。ボールねじナット1712は、第2のアーム部分1704に強固に結合される。幾つかの実装において、ボールねじ1710は、その第2の端で、支持体1714に回転可能に結合されることができ、支持体1714は、第2のアーム部分1704に強固に結合され、ボールねじ1710を、ボールねじ1710に対して平行なボールねじナット1712を通じる中心軸に沿って整列させる。幾つかの実装において、支持軸受1714は、使用されない。
【0142】
動作中、モータ1708は、その回転可能なシャフトに対して力を出力して、ボールねじ1710を回転させる。ボールねじ1710の回転は、ボールねじナット1712を、ボールねじ1710の長手に沿って直線的に移動させる。ボールねじナット1712の動きは、ボールねじ1710によって並びに第1及び第2のアーム部分1702、1704の摺動係合によって制約される。ボールねじナット1712の直線運動は、第2のアーム部分1704を自由度1706で直線的に移動させる。よって、ボールねじ伝動装置は、モータ1708からの回転力を、第2のアーム部分1704に加えられる直線力に変換する。幾つかの実装において、モータ1708は、モータシャフト及びボールねじ1710の回転向きを決定する回転エンコーダのようなセンサに結合されることができ、それは第1のアーム部分1702に対する第2のアーム部分1704の直線位置に変換されることができる。
【0143】
モータ1708は、他の実装、例えば、モータ(例えば、DCモータ)、ボイスコイル、又は他のタイプの能動アクチュエータのような能動アクチュエータについて本明細書に記載されるのと同様な、様々なタイプのアクチュエータのうちのいずれかであることができる。モータ1708は、例えば、遠隔操作システム又は他のシステムの制御回路からの制御信号を使用して制御されることができる。1つ以上のセンサが、第1のアーム部分1702に対する第2のアーム部分1704の並進及び/又は位置を検出するように作動する図17のコンポーネントのうちの1つ以上に結合されることができる。例えば、幾つかの実装では、モータ1708に結合される回転エンコーダに加えて或いはその代わりに、第1のアーム部分1702及び/又は第2のアーム部分1704に直線センサを結合して、第1のアーム部分1702に対する第2のアーム部分1704の直線運動を感知することができる。センサは、感知される位置、向き又は動きを記述する信号を、1つ以上の制御回路、例えば、遠隔操作システム100の制御回路に送信することができる。幾つかのモード又は実装において、制御回路は、感知される位置、向き又は動きを示す制御信号を、マニピュレータシステムに提供することができる。センサは、様々なタイプのセンサ、例えば、磁気センサ(例えば、磁気インクリメンタル直線位置センサ、ホール効果センサなど)、光学センサ、エンコーダ、抵抗センサなどのうちのいずれであることができる。
【0144】
図19図20及び図21は、それぞれ、幾つかの実装に従った、例示的傾斜機構1900の側面図、正面図及び斜視図である。
【0145】
傾斜機構1900は、傾斜部材1902と、傾斜駆動機構1904とを含む。例えば、傾斜部材1902は、ディスプレイシステム300(図3図5)の傾斜部材324として、ディスプレイシステム600(図6)の傾斜部材624として、或いはディスプレイシステム700(図7)の傾斜部材724として使用されることができる。例えば、ディスプレイユニット306(図3)、ディスプレイユニット606(図6)、又はディスプレイユニット706(図7)のようなディスプレイユニットが、上述と同様に傾斜部材1902に結合されることができる。例えば、ディスプレイユニットは、傾斜部材1902の一部分1905で結合されることができ、その例が図22を参照して記載される。
【0146】
傾斜部材1902は、支持体1906に回転可能に結合される。幾つかの例において、支持体1906は、上述の第2のアーム部分320、620、720又は1704のようなアーム支持体の一部分(例えば、遠位部分)であることができ、或いはそれに結合されることができる。傾斜部材1902は、例えば、上述の傾斜軸326、626又は726であることができる傾斜軸1908について回転することができる。
【0147】
傾斜駆動機構1904は、傾斜部材1902の回転を傾斜軸1908についての特定の向きに駆動する1つ以上のアクチュエータを含むことができる。この例では、モータ1910が、傾斜部材1902の延長部分1912及び/又は1913に強固に結合される被駆動シャフト1911を含む。モータ1910は、支持体1906に強固に結合されるハウジングを有する。シャフト1911がモータ1910によって回転されるときに、傾斜部材1902は、傾斜軸1908について回転される。幾つかの実装において、モータ1910の被駆動シャフト1911は、傾斜部材1902の第1及び第2の延長部分1912及び1913の両方に結合されることができ、或いは被駆動シャフトは、第1及び第2の延長部分1912又は1913のうちの1つに結合されることができる。幾つかの実装において、傾斜部材1902は、単一の延長部分1912又は1913を含む。
【0148】
モータ1910は、様々なタイプのアクチュエータ、例えば、モータ、ボイスコイル、又は他のタイプの能動アクチュエータのような、能動アクチュエータのうちのいずれかであることができる。モータ1910は、例えば、遠隔操作システム又は他のシステムの制御回路からの制御信号を使用して制御されることができる。
【0149】
幾つかの実装において、モータ1910は、モータシャフト1911と同じ量だけ直接回転される傾斜部材1902の代わりに、接続された傾斜部材1902の回転量を増加又は減少させるために、モータシャフトの出力回転の歯車装置(gearing)を提供することができる駆動伝動装置1914(drive transmission)に結合される。駆動伝動装置1914は、傾斜部材1902の延長部材1912に強固に結合されるシャフト1915を含む。例えば、駆動伝動装置1914は、駆動シャフト1911の全回転がシャフト1915の部分回転を提供して、傾斜部材1902の部分回転を引き起こすような、歯車装置を提供することができる。幾つかの例において、駆動伝動装置1914は、高調波駆動機構である。幾つかの実装では、例えば、キャプスタン駆動機構、機械的歯車などのような異なる駆動伝動装置を使用することができる。
【0150】
1つ以上のセンサは、軸1908についての傾斜部材1902の回転を検出するように作動する傾斜機構1902のコンポーネントのうちの1つ以上に結合されることができる。例えば、幾つかの実装では、センサ1916(例えば、回転エンコーダ)が、モータ1910のシャフト1911に結合され、シャフト1911の回転向きを決定するので、(例えば、駆動伝動装置1914によって提供される回転減少を考慮して)軸1908についての傾斜部材1902の回転向きを決定することができる。幾つかの実装では、軸1908についての傾斜部材1902の回転向きを感知するために、センサを傾斜機構1900の他のコンポーネントに結合することができる。センサは、感知される位置、向き又は動きを記述する信号を、1つ以上の制御回路、例えば、遠隔操作システム100の制御システムに送信することができる。幾つかのモード又は実装において、制御回路は、感知される位置、向き又は動きを示す制御信号を、マニピュレータシステムに提供することができる。センサは、様々なタイプのセンサ、例えば、回転エンコーダ、磁気センサ(例えば、磁気インクリメンタル線形位置センサ、ホール効果センサなど)、光学センサ、エンコーダ、抵抗センサなどのうちのいずれかであることができる。
【0151】
図22は、幾つかの実装に従った、例示的なディスプレイユニット機構2200の斜視図である。ディスプレイユニット機構2200は、ディスプレイユニット2202を傾斜部材2204に結合する。例えば、ディスプレイユニット2202は、それぞれ、図3-5、図6又は図7のディスプレイユニット306、606又は706であることができる。別の例において、傾斜部材2204は、図3図6又は図7の傾斜部材324、624もしくは724、又は図19図21の傾斜部材1902であることができる。
【0152】
ディスプレイユニット機構2200は、ディスプレイユニット2202を傾斜部材2204に回転的に結合し、ディスプレイユニット2202が傾斜部材2204に対して軸2206について枢動することを可能にする、回転機構を含む。この例において、軸2206は、傾斜部材2204が回転する軸2208に対して垂直であることができる。例えば、軸2206は、それぞれ、図3図6又は図7の上述の軸330、630又は730であることができ、軸2208は、それぞれ、図19図21の軸1908、或いは図3図6又は図7の傾斜軸326、626又は726であることができる。
【0153】
この例において、回転機構は、湾曲トラック軸受を含むトラック機構であり、湾曲トラック軸受は、湾曲トラック2210と、溝部材2212とを含む。湾曲トラック2210は、ディスプレイユニット2202に強固に結合され、傾斜部材2204に結合されるか或いはその一部である溝部材2212にある溝又は孔と摺動可能に係合される。湾曲トラック2210の湾曲は、ディスプレイユニット2202が、湾曲トラック2210を湾曲トラック2210の長さに沿って溝部材2212の溝内で摺動させることによって、軸2206について枢動することを可能にする。幾つかの他の実装では、湾曲トラックを傾斜部材2204に結合することができ、溝部材(又は摺動可能に嵌合する湾曲レール)をディスプレイユニット2202に結合することができ、その場合、溝部材は、湾曲トラックの長さに沿って軸2206についてディスプレイユニット2202と共に回転する。
【0154】
ディスプレイユニット機構2200は、ディスプレイユニット2202に力を出力し、ディスプレイユニット2202を軸2206について駆動させる、駆動機構を含む。この例において、駆動機構は、キャプスタンドラム2216を含み、キャプスタンドラム2216は、幾つかの実装において、湾曲トラック2210に強固に結合される(或いは、幾つかの実装では、湾曲トラック2210の一体部分として含まれることができる)。駆動機構は、傾斜部材2204に強固に結合されるハウジングを有するモータ2218を含む。モータ2218は、様々なタイプのアクチュエータ、例えば、モータ(例えば、DCモータ)、ボイスコイル又は他のタイプの能動アクチュエータのような能動アクチュエータのうちのいずれかであることができる。モータ2218は、例えば、遠隔操作システム又は他のシステムの制御回路からの制御信号を使用して制御されることができる。
【0155】
モータ2218の回転シャフトは、例えば、ディスプレイユニット2202が回転する軸2206に対して平行であることができる回転軸2220について回転する。モータ2218のシャフトは、キャプスタンプーリ2222に強固に結合され、キャプスタンプーリ2222を軸2220について回転させる。幾つかの実装において、キャプスタンプーリ2222は、ケーブル2224によってキャプスタンドラム2216に結合される。例えば、ケーブル2224の第1の端が、キャプスタンドラム2216の第1の端2226に取り付けられ、キャプスタンドラム2216の側面に沿って経路指定され(routed)、キャプスタンプーリ2222の周囲に巻き付けられ、キャプスタンドラム2216の表面に沿って第2の端2228に経路指定されることができ、ケーブルの第2の端は第2の端2229で取り付けられる。幾つかの実装では、2つのケーブル、例えば、ドラムの第1の端2226に取り付けられた第1の端とキャプスタンプーリ2222に取り付けられた第2の端とを有する第1のケーブルと、ドラムの第2の端2228に取り付けられた第1の端とキャプスタンプーリ2222に取り付けられた第2の端とを有する第2のケーブルとを使用することができ、2つのケーブルは、キャプスタンドラム2216の側面に沿って経路指定される。
【0156】
動作中、モータ2218は、軸2220についてそのシャフトを回転させて、キャプスタンプーリ2222の回転を引き起こすように制御される。キャプスタンプーリ2222の回転は、キャプスタンプーリ2222の周囲のケーブル2224の巻き取り及び巻き戻しを介して、ケーブル2224の移動を引き起こす。ケーブル2224の移動は、ディスプレイユニット2202が、溝部材2212の溝又は孔内の湾曲トラック2210によって案内されるときに、軸2206について回転することを可能にする。
【0157】
幾つかの実装では、例えば、ディスプレイシステムの非アクティブ化の間に、軸2206についてのディスプレイユニット2202の動きを停止するために、ブレーキを設けることができる。例えば、動作していないときに、ディスプレイユニット2202の回転を防止するために、例えば、電力が除去されるときに軸2206の周りにブレーキ力を加えるブレーキを使用することができる。様々な実装において、ブレーキは、モータシャフトの回転を低減し或いは防止するためにモータ2218のシャフトに結合される或いはキャプスタンプーリ2222に結合される回転ブレーキを含むことができ、且つ/或いは、ブレーキは、傾斜部材2204とディスプレイユニット2202との間に及び/又は傾斜部材2204とキャプスタンドラム2216/湾曲トラック2210との間に位置付けられて、これらのコンポーネントの相対的な動きにおいて摩擦を生じさせる、リニアブレーキを含むことができる。例えば、ブレーキは、ばね荷重ディスクブレーキを含むことができる。
【0158】
軸2206についてのディスプレイユニット2202の回転を検出するように作動するディスプレイユニット機構2200のコンポーネントの1つ以上に、1つ以上のセンサを結合することができる。例えば、幾つかの実装では、センサ2230(例えば、回転エンコーダ)が、モータ2218のシャフトに結合され、軸2206についてのディスプレイユニット2202の回転向きを検出するためにモータシャフトの回転向きを決定する。幾つかの実装では、センサが、ディスプレイユニット2202の回転向きを感知するために、ディスプレイユニット機構2200の他のコンポーネントに結合されることができる。センサは、感知される位置、向き又は動きを記述する信号を、1つ以上の制御回路、例えば、遠隔操作システム100の制御システムに送信することができる。幾つかのモード又は実装において、制御回路は、感知される位置、向き又は動きを示す制御信号を、マニピュレータシステムに提供することができる。センサは、様々なタイプのセンサ、例えば、回転エンコーダ、磁気センサ(例えば、磁気インクリメンタル線形位置センサ、ホール効果センサなど)、光学センサ、エンコーダ、抵抗センサなどのうちのいずれかであることができる。
【0159】
他の実施例において、湾曲トラック2210及びキャプスタンドラム2216は、傾斜部材2204に結合されることができ、溝部材2212及びモータ2218は、ディスプレイユニット2202に結合されることができる。
【0160】
図23は、幾つかの実装に従った、ディスプレイシステム2300の別の実装の例の斜視図であり、図24は、正面図であり、図25は、側面図である。幾つかの例において、ディスプレイシステム2300は、図1について並びに本明細書の他の箇所で記載されるように遠隔操作システムのユーザ制御システム102で使用されることができ、或いは他のシステムにおけるように又は上述のように独立システムとして使用されることができる。ディスプレイシステム2300の構成は、他に示されない限り、上述のような図3のディスプレイシステム300の構成と同様であることができる。
【0161】
ディスプレイシステム2300は、ベース支持体2302と、アーム支持体2304と、ディスプレイユニット2306とを含む。以下により詳細に記載するように、ディスプレイユニット2306は、ベース支持体2302と、ベース支持体2302に結合されたアーム支持体2304と、アーム支持体2304に結合された(以下に記載するような)摺動部材とトラック部材とを含むトラック機構とを含む支持リンク機構によって、複数の移動自由度を備える。ディスプレイユニットは、摺動部材に結合される。
【0162】
幾つかの実装において、ベース支持体2302及びアーム支持体2304は、図3図7を参照して上述したのと同様に実装されることができる。幾つかの例において、ベース支持体2302は、機械的に接地される、例えば、地面に結合される垂直部材である。ベース支持体2302は、支持構造2310に機械的に結合されることができる。ベース支持体2302は、第1のベース部分2312と、第2のベース部分2314とを含む。第1のベース部分2312は、機械的に接地されることができるベース支持体2302の近位部分であり、第2のベース部分2314は、第2のベース部分2314が第1のベース部分2312に対して直線自由度で並進可能であるように、第1のベース部分2312に直線的に結合される、ベース支持体2302の遠位部分である。幾つかの例において、第1のベース部分2312及び第2のベース部分2314は、伸縮自在に(入れ子式に)結合され、例えば、第1又は第2のベース部分2312又は2314の一方が第1又は第2のベース部分314又は2312の他方が通じて延びる中空の内部を有するチューブ又はスリーブとして構成されるように、第1のベース部分2312は、第1の伸縮自在なベース部分であり、第2のベース部分2314は、第2の伸縮自在なベース部分である。図23図25の例において、第2のベース部分2314は、直線自由度2316で第1のベース部分2312の内部を通じて直線的に並進可能である。第1のベース部分2312に対する第2のベース部分2314の直線的な並進は、図15及び図16を参照して上述したのと同様に、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。他の実装は、異なる構成を使用することができる。例えば、第1のベース部分2312は、第2のベース部分2314が第1のベース部分2312に対して直線的に並進されることができるように、第2のベース部分2314の内部を通じて延びることができる。他の例において、ベース部分2312及び2314は、直線的な並進を可能にするために、それらの垂直長に沿って互いに隣接して位置付けられることができる。
【0163】
アーム支持体2304は、ベース支持体2302に機械的に結合される水平部材である。アーム支持体2304は、第1のアーム部分2318と、第2のアーム部分2320とを含む。第1のアーム部分2318は、ベース支持体2302の第2のベース部分2314に強固に結合されるアーム支持体2304の近位部分であり、第2のアーム部分2320は、第2のアーム部分2320が線形自由度で第1のアーム部分2318に対して直線的に並進可能であるように、第1のアーム部分2318に直線的に結合される、アーム支持体2304の遠位部分である。幾つかの例において、第1のアーム部分2318及び第2のアーム部分2320は、伸縮自在に連結され、例えば、第1又は第2のアーム部分2318又は2320の一方が第1又は第2のアーム部分2320又は2318の他方が通じて延びる中空の内部を有するチューブ又はスリーブとして構成されるように、第1のアーム部分2318は、第1の伸縮自在な部分であり、第2のアーム部分2320は、第2の伸縮自在なアーム部分である。図23図25の例において、第2のアーム部分2320は、線形自由度2322で第1のアーム部分2318の内部を通じて直線的に並進可能である。第1のアーム部分2318に対する第2のアーム部分2320の直線的な並進は、図17及び図18に関してより詳細に記載するように、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。他の実装は、異なる構成を使用することができ、例えば、第1のアーム部分2318は、第2のアーム部分2320が第1のアーム部分2318に対して直線的に並進することができるように、第2のアーム部分2320の内部を通じて延びることができる。他の例では、直線的な並進を可能にするために、アーム部分2318及び2320をそれらの垂直長さに沿って互いに隣接して位置付けることができる。
【0164】
幾つかの実装において、第1のアーム部分2318及び第2のベース部分2314は、単一の部品(single piece)、例えば、第1のベース部分2312と第2のアーム部分2320との間に結合される中間支持体又は中間部分であると考えられることができる。中間支持体は、互いに直交して方向付けられる垂直な第2のベース部分2314に強固に結合される水平な第1のアーム部分2318を含む。第2のアーム部分2320は、中間支持体に対して自由度2322で水平に並進可能であり、中間支持体及び第2のアーム部分2320は、第1のベース部分2312に対して自由度2316で垂直に並進可能である。
【0165】
図示の幾つかの例において、アーム支持体2304は、ベース支持体2302が延びる垂直軸に対して直交する水平軸に沿って延びる。幾つかの例において、ベース支持体2302及びアーム支持体2304は、互いに対して配向で固定され、例えば、それらは並進するが、互いに対して向きを変えない。幾つかの例において、アーム支持体2304は、ディスプレイユニットを操作するユーザより上方の軸に沿って延び、ベース支持体2302を通じて延びる垂直軸は、アーム支持体2302の第1のアーム部分2318を通じて延びる。他の実装において、アーム支持体2304は、他の高さ及び/又は構成で、例えば、ユーザの頭又は身体より下方、ユーザの頭の高さで、ユーザの背後で、及びユーザの周囲のヨーキングなどして延在することができる、幾つかの実装は、図3図5に記載するのと同様に、ディスプレイユニット2306を操作するユーザにとってより平滑な体験を提供するために、ディスプレイシステム2300の支持体及び部材の振動を減少させるよう、ディスプレイシステム2300内にコンポーネントを提供することができる。
【0166】
ディスプレイユニット2306は、アーム支持体2304に機械的に結合される。ディスプレイユニット2306は、第2のベース部分2314及び第2のアーム部分2320の直線的な並進によって提供される2つの線形自由度で移動可能である。幾つかの実装において、これらの線形自由度は、垂直平面内に設けられることができる。幾つかの例では、図示のように、垂直平面は、ベース支持体2302及びアーム支持体2304によって画定されることができる。
【0167】
ディスプレイユニット2306は、画像を表示することができるディスプレイデバイス、例えば、1つ以上の表示スクリーン、プロジェクタ、又は他のデバイスを含む。幾つかの実装では、図23図25におけるように、ディスプレイユニット2306は、2つのビューポート2323を含み、ディスプレイデバイスは、ビューポートの背後に設けられるか、或いはビューポートに含まれる。幾つかの実装では、ビューポート2323の代わりに、1つ以上のディスプレイスクリーン又は他のディスプレイデバイスをディスプレイユニット2306に位置付けることができる。
【0168】
ディスプレイユニット2306は、トラック部材2324及び摺動部材2330を介してアーム支持体2304に結合される。図23図25の例では、トラック部材2324の第1の端が、第2のアーム部分2320の遠位端に強固に結合される。トラック部材2324は、その第1の端から第2の端まで、湾曲した又は曲げられた構成で延在する。例えば、図23図25の向きにおいて、トラック部材2324の第2の端は、第1の端よりも低い。この例において、トラック部材2324は、トラック部材の第1の端から(支持構造2310に向かって)概ね下に並びにベース支持体2302に向かって延びる。幾つかの実装において、トラック部材2324は、中心軸(例えば、軸2326)について湾曲する。幾つかの実装において、トラック部材2324は、線形セグメント又は部分を含まない。
【0169】
ディスプレイユニット2306は、摺動部材2330に結合され、摺動部材2330は、トラック部材2324に摺動可能に結合される。幾つかの実装では、図23図25に示すように、摺動部材2330は、摺動部材を通じて延びる孔開口2329(又はスロットもしくは溝)を含み、トラック部材2324は、摺動部材2330及びディスプレイユニット2306がトラック部材の長さに沿って摺動することを可能にするよう、孔2329を通じて延びる。摺動部材2330及びディスプレイユニット2306は、トラック部材2324に沿う複数の位置のいずれかに位置付けられることができる。よって、トラック部材2324は、トラック部材2324の湾曲構成に従うディスプレイユニット2306のための位置のセットを提供する。
【0170】
図23図25の例において、トラック部材2324は、ディスプレイユニット2306のための傾斜軸である軸2326について湾曲経路に沿って延在する。幾つかの実装では、湾曲トラック部材2324の半径が、傾斜軸2326の位置を決定する。例えば、傾斜軸2326は、トラック部材2324からある半径距離にある点を通じて延び、その点は、トラック部材2324によって少なくとも部分的にトレースされる円(又は他の形状)の中心にある。例えば、摺動部材2330及びディスプレイユニット2306がトラック部材2324に沿って移動されると、これらの要素は、回転(傾斜)自由度2327で第2のアーム部分2320に対して傾斜軸2326について回転的に移動する。幾つかの実装において、傾斜軸2326は、ベース支持体2302及びアーム支持体2304によってディスプレイユニット2306に提供される線形自由度に対して直角に方向付けられる。例えば、摺動部材2330は、自由度2316及び2322がベース支持体2302及びアーム支持体2304によって提供される垂直平面と同じ又は平行な垂直平面内にあるディスプレイユニット2306に回転自由度を提供することができる。幾つかの実装において、傾斜軸2326は、自由度2316及び2322によって画定される平面に対して直交する。幾つかの実装において、ベース支持体2302、アーム支持体2304及び案内部材2330は、支持リンク機構の遠位端で結合されるディスプレイユニット2306を有する支持リンク機構であると考えられることができる。
【0171】
摺動要素2330及びディスプレイユニット2306は、第1のアーム部分2314、第2のアーム部分2320及びトラック部材2324によって可能にされる移動に基づいて、画定されたピボット軸について回転されることができる。画定されたピボット軸についてのそのような回転の幾つかの例が、図26図31に関して以下に記載される。
【0172】
幾つかの他の例示的な実装では、異なる機構を使用して、ディスプレイユニット2306をトラック部材2324に摺動可能に又は移動可能に結合することができる。例えば、カムローラが、ディスプレイユニット2306に結合されることができ、トラック部材2324は、カム従動子であることができる。カムローラは、カム従動子と係合する。例えば、カムローラは、ディスプレイユニット2306に回転可能に結合されることができ、幾つかの実装において、ヨー軸2332に対して直交する回転軸を有する。カムローラは、円筒状であることができ、カム従動子の湾曲面に沿って転動して、傾斜軸2326についての回転運動を提供することができる。例えば、カムローラは、カム従動子の壁又はリッジによってカム従動子に対して保持されることができる。幾つかの実装において、カム従動子(トラック部材2324)は、ディスプレイユニット2306に強固に結合されることができ、カムローラは、カム従動子がディスプレイユニット2306と共に傾斜軸2326について移動するように、傾斜部材2324に回転可能に結合されることができる。
【0173】
傾斜軸2326についてのディスプレイユニット2306の回転運動は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。幾つかの実装では、回転モータ2328を摺動部材2330に強固に結合することができ、モータ2328の回転シャフトを(例えば、図22に示すキャプスタンプーリ2222に類似する)キャプスタンプーリに結合することができる。ケーブルが、トラック部材2324の第1の端と第2の端との間に結合されることができ、トラック部材2324がキャプスタンドラムとして機能するようにモータ2328及びベース支持体2302に対向するトラック部材2324の側面に沿って走ることができる。ケーブルは、(例えば、図22に関して記載するキャプスタン駆動機構と同様に)モータシャフトに接続されるキャプスタンプーリの周囲に巻き付けられる。幾つかの実装では、ケーブルの代わりに、2つのケーブル、例えば、トラック部材2324の第1の端に取り付けられた第1の端部とキャプスタンプーリに取り付けられた第2の端とを有する第1のケーブルと、トラック部材2324の第2の端に取り付けられた第1の端とキャプスタンプーリに取り付けられた第2の端とを有する第2のケーブルとを使用することができ、その場合、2つのケーブルは、トラック部材2324の側面に沿って経路指定される。
【0174】
このキャプスタン駆動機構を用いるならば、モータ2328を制御してキャプスタンプーリをいずれかの方向に回転させ且つケーブルを移動させることができ、それはディスプレイユニット2306をトラック部材2324に沿って対応する方向に引っ張る。制御回路(例えば、制御システム)からの制御信号によってモータ2328を制御して、傾斜自由度2327でディスプレイユニット2306を傾斜軸2326について特定の向きに移動させることができる。他の実装は、異なる駆動機構を使用して、トラック部材2324に沿ってディスプレイユニット2306を移動させることができる。
【0175】
幾つかの実装において、ディスプレイユニット2306は、摺動部材2330に回転的に結合され、ヨー軸2332について摺動部材2330に対して(並びにトラック部材2324、アーム支持体2304及びベース支持体2302に対して)回転されることができる。例えば、これは、ビューポート2323を介してディスプレイユニット2306の画像を見るユーザの視点からの横方向の又は左右の回転であることができる。図23図25の例において、ディスプレイユニット2306は、トラック機構であり得る回転機構によって摺動部材2330に結合される。例えば、幾つかの実装において、トラック機構は、湾曲トラック2334を含む湾曲トラック軸受を含み、湾曲トラック2334は、ディスプレイユニット2306に結合され、湾曲トラック2334は、摺動部材2330に強固に結合される溝部材に摺動可能に係合し、例えば、図3及び図22について上述したのと同様に作動する。これは、ディスプレイユニット2306が、溝部材の溝を通じて湾曲トラック2334を移動させることによって、回転(ヨー)自由度2333でヨー軸2332について回転することを可能にする。幾つかの実装では、湾曲トラックが摺動部材2330に結合され、溝部材がディスプレイユニット2306に結合され、溝部材は湾曲トラックと係合し且つ湾曲トラックの長さに沿って摺動して、ヨー軸2332についてのディスプレイユニット2306の回転移動を可能にする。幾つかの実装において、溝部材は、摺動部材2330の幅とほぼ同じ長さであることができ、且つ/或いは湾曲トラック2334が摺動するループの少なくとも一部分を含むことができる。
【0176】
幾つかの実装において、湾曲トラック2334は、記載するように溝部材に摺動可能に係合する湾曲レールである。幾つかの実装では、異なる機構を使用することができる。幾つかの例において、湾曲トラック2334は、カムローラに係合する湾曲カム従動子であることができる。例えば、カムローラは、ディスプレイユニット2306に回転可能に結合されることができ、様々な実装において、ヨー軸2332に対して直交する或いはヨー軸2332に対して平行な回転軸を有する。例えば、カムローラは、円筒状であることができ、摺動部材2330に強固に結合されるカム従動子の湾曲面に沿って転動することができる。例えば、カムローラは、カム従動子の壁又はリッジによってカム従動子に対して保持されることができる。幾つかの実装において、カム従動子は、ディスプレイユニット2306に強固に結合されることができ、カムローラは、摺動部材2330に回転可能に結合されることができる。
【0177】
湾曲トラック2334及び/又は溝部材の曲率(例えば、半径)は、ディスプレイユニット2306のユーザに対向する側面からの及び/又は傾斜軸2326からの特定の距離でヨー軸2332を提供するように選択される。例えば、ヨー軸2332は、以下に記載されるように、ヨー軸がユーザの頸にあるピボット軸に対応する画定された(仮想の又はソフトウェア画定された)首ピボット軸とほぼ交差するように、ディスプレイユニット306からの(水平自由度2322に対して平行な)水平距離で提供されることができる。画定された首ピボット軸は、幾つかの実装において、ディスプレイユニット2306の動きのための基準として使用されることができる。記載の実装において、ヨー軸2332と(例えば、自由度2316に対して平行な)垂直軸との間の角度は、傾斜軸2326についてのディスプレイユニット2306の向きに基づいて変化する。
【0178】
ヨー軸2332についてのディスプレイユニット2306のヨー運動は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。例えば、モータ2340は、摺動部材2330に強固に結合され、駆動伝動装置を用いてヨー軸2332についてディスプレイユニットに力を出力する回転可能シャフトを有する、回転モータであることができる。幾つかの例において、駆動伝動装置は、例えば、図22を参照して上述したキャプスタン駆動機構に類似する、キャプスタン駆動機構を含むことができる。例えば、モータ2340の被駆動シャフトは、キャプスタンプーリ2342に結合されることができる。ケーブル2344が、湾曲トラック2334に強固に結合されるキャプスタンドラム2336の両端に取り付けられることができ、その場合、ケーブルは、キャプスタンプーリ2342の周囲に巻き付けられるか、或いはキャプスタンプーリ2342とキャプスタンドラム2336のそれぞれの端との間に2つのケーブルを取り付けることができる。モータ2340は、キャプスタンプーリ2342を回転させて、ケーブルを移動させ(例えば、プーリでケーブルを巻き取り且つ巻き戻し)、それによって、キャプスタンドラム2336、湾曲トラック2334及びディスプレイユニット2306をヨー軸2332について回転させる。幾つかの実装では、他の伝動装置及び/又はカップリングを使用して、例えば、ディスプレイシステム300について上述したのと同様な回転ジョイントを使用して、トラック部材2324及びアーム支持体2304に対するヨー軸2332についてのディスプレイユニット2306の回転運動を提供することができる。
【0179】
よって、ディスプレイシステム2300は、垂直線形自由度2316、水平線形自由度2322、回転傾斜自由度2327及び回転ヨー自由度2333を有するディスプレイユニット2306を提供する。例えば、垂直及び水平自由度は、ディスプレイユニット2306が、可動域又は許容作業空間内(例えば、垂直平面内)の任意の位置に移動させられることを可能にし、傾斜自由度は、ディスプレイユニットが、その可動域内(例えば、垂直平面内又は平行な垂直平面内)で特定の向きに移動させられることを可能にする。
【0180】
これらの自由度のうちの少なくとも2つにおけるディスプレイシステム2300のコンポーネントの協調運動の組み合わせは、ディスプレイユニット2306が、その作業空間内の様々な位置及び向きに位置決めされること、例えば、ユーザの周りで並進又は回転されることを可能にして、ディスプレイユニットを使用するユーザのためのカスタム視認体験を容易にする。傾斜、水平及び/又は垂直自由度におけるディスプレイユニット2306の動きは、ディスプレイユニット2306が、ユーザの頭運動中にユーザの頭及び眼に近く留まること、及び/又はユーザの前頭とディスプレイユニット2306との間の物理的接続を維持することを可能にする。
【0181】
例えば、ディスプレイユニット2306は、ユーザの眼がディスプレイユニットのビューポートと整列するように、その作業空間内に位置決め可能(例えば、並進可能及び/又は回転可能)である。加えて、ディスプレイユニット2306は、ユーザのための所望の垂直(例えば、上下)眼視認角を可能にするために、ユーザの眼の両方を通じる眼軸に対応する(例えば、一致する)画定された眼ピボット軸について物理的空間内で回転されることができる。ディスプレイユニットは、ユーザのための所望のヨー(例えば、左右)視認角を可能にするために、ヨー軸2332について回転されることができる。これらの回転は、ユーザがビューポートを通じて画像を見るために、ディスプレイユニット2306が快適に方向付けられることを可能にする。
【0182】
自由度は、追加的に又は代替的に、ディスプレイシステム2300が、ディスプレイユニット2306の作業空間内の様々な位置のうちのいずれかに位置決めされることができる、異なる画定されたピボット軸についての物理的空間内のディスプレイユニット2306の動きを提供することを可能にする。例えば、システム2300は、ディスプレイシステム2300を操作するときのユーザの頭の動きに対応する物理的空間内のディスプレイユニット2306の動きを提供することができる。この動きは、ユーザの首にあるユーザの頭の首軸にほぼ対応する画定された首ピボット軸についての回転を含むことができる。この回転は、ディスプレイユニット2306が、例えば、図3図5に示す頭入力デバイス342に類似する頭入力デバイスを使用して、ディスプレイユニット2306の移動を指示するユーザの頭に従って移動させられることを可能にする。首ピボット軸(図26図29)及び眼ピボット軸(図30図31)についてのディスプレイユニットのそのような動きの幾つかの例が以下に記載される。
【0183】
別の例において、ディスプレイユニット2306の動きは、ディスプレイユニット2306が、図示のように、ヨー軸2332について中心化されたヨー回転向きに方向付けれるときの、ユーザの前頭にあるユーザの頭を通じて延びる前頭軸にほぼ対応する、画定された前頭ピボット軸についての回転を含むことができる。幾つかの実装において、前頭ピボット軸は、ディスプレイユニット2306の入力デバイス(例えば、図3図5の頭入力デバイス342に類似する頭入力デバイス)の一部分を通じて延びる前頭軸に対応し、その場合、その一部分は、ユーザの前頭と入力デバイスとの間の接触点又はその近くにある。幾つかの実装において、画定された前頭ピボット軸は、傾斜軸2326に対して平行に、例えば、線形自由度2316及び2322に対して直角に方向付けられることができる。画定された前頭ピボット軸は、代替的に、ユーザの前頭又はディスプレイユニットの異なる場所又は部分に対応するように位置決めされることができる。
【0184】
別の例において、ディスプレイユニット2306の動きは、ディスプレイユニット2306の1つ以上の手入力制御装置を通じて延びる軸にほぼ対応する、画定された手入力デバイス装置ピボット軸についての回転を含むことができる。例えば、この軸は、ディスプレイユニット2306の両側(左側及び右側)に位置付けられる両方の手入力制御装置2340a及び2340bの部分(例えば、グリップの中心)を通じて延びることができる。幾つかの実装において、画定された手入力デバイスピボット軸は、傾斜軸2326に対して平行に、例えば、上述の首、眼及び前頭ピボット軸と同様に、線形自由度2316及び2322に対して直角に方向付けられることができる。手入力デバイスピボット軸は、代替的に、ディスプレイユニットの異なる場所又は部分、例えば、異なる手入力デバイスの場所に対応するよう位置付けられることができる。例えば、手入力デバイスピボット軸は、ディスプレイユニット2306が、ユーザによる手入力デバイス2340a及び2340bの操作によって、且つ/或いは頭入力デバイス342、制御入力デバイス210及び212などのような、他のユーザ入力デバイスのユーザ操作によって、回転するように命令されることができる、回転軸を提供する。
【0185】
別の例において、その作業空間内のディスプレイユニット2306の動きは、例えば、傾斜及び/又はヨー自由度2327及び/又は2333における回転運動を伴わない、垂直線形自由度2316及び水平線形自由度2322における直線的な並進に基づく、線形運動を含むことができる。別の例において、動きは、直線運動及び回転運動の両方を含むことができる。例えば、ディスプレイユニット2306は、その作業空間内で直線的に、次に、回転的に、且つ/或いはその逆に移動されることができる。
【0186】
画定されたピボット軸についてのディスプレイユニット2306の回転中、垂直自由度2316におけるベース支持体2302の移動及び/又は水平自由度2322におけるアーム支持体2304の移動は、画定されたピボット軸についてのディスプレイユニットの回転方向を変化しないで、方向の変化を有することができる。例えば、アーム支持体2304は、ディスプレイユニットが完全に上向きから完全に下向きに回転されるときに、方向を逆にすることができる。よって、幾つかの実装では、ディスプレイユニットが画定されたピボット軸について第1の向きから第2の向きに回転している間に、ベース支持体又はアーム支持体が同じ位置で終わることが可能であり、その場合、支持体は、ディスプレイユニットがそれらの2つの向きの間を移行する間に、前後に移動する。
【0187】
ディスプレイユニット2306は、入力デバイスを含むことができ、入力デバイスは、ユーザが、空間内のディスプレイユニット2306の向き及び/又は位置を操作するために且つ/或いはディスプレイシステム2300及び/又はより大きなシステム(例えば、遠隔操作システム)の他の機能又はコンポーネントを操作するために、入力を提供することを可能にする。入力デバイスの幾つかの例が、図3図5(例えば、手入力デバイス340及び頭入力デバイス342)に関して記載され、そのような入力デバイスは、例えば、ディスプレイユニット2306の側面及び/又は前方対向面に同様の方法で提供される、ディスプレイシステム2300において使用されることができる。例えば、手入力デバイス2340a及び2340bは、手入力デバイス340a及び340bと同様に、ディスプレイユニット2306に配置されることができる。そのような入力デバイスから提供されるユーザ入力は、図3~14を参照して上述したように、ディスプレイユニット2306及び/又は表示される画像及び他のコンポーネントの動きを制御するために使用されることができる。
【0188】
ディスプレイシステムの幾つかの実装において、ディスプレイユニット2306は、自由度2333でヨー軸2332について回転可能であり、他の自由度2316、2322及び/又は2327のうちの1つ以上は、ディスプレイシステム2300から省略される。例えば、ディスプレイユニット2306は、(例えば、アクチュエータによって、及び/又はユーザによって手動で)ヨー軸2332について回転されることができ、ディスプレイユニット2306は、例えば、ベース支持体2302又は他の機構を使用して、(例えば、アクチュエータによって、及び/又はユーザによって手動で)より高く及び/又はより低く手動で位置付けられることができ、水平自由度2322及び/又は傾斜自由度2327は省略される。
【0189】
図26図29は、幾つかの実装に従った、例示的な画定された首ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す、ディスプレイシステム2600の一部分の側面図である。ディスプレイシステム2600は、上述の図23図25のディスプレイシステム2300と同様のコンポーネントを含む。
【0190】
図26において、ディスプレイシステム2600は、第1のピボット向きのディスプレイユニットを有するように示されている。ディスプレイシステム2600は、ベース支持体2602と、アーム支持体2604と、ディスプレイユニット2606とを含む。この例では、上述の例と同様に、ベース支持体2602は、接地される第1のベース部分2612と、第2のベース部分2614とを含む。第2のベース部分2614は、線形自由度2616で第1のベース部分2612の内部を通じて直線的に並進可能である。アーム支持体2604は、第2のベース部分2614に強固に結合された第1のアーム部分2618と、第2のアーム部分2620とを含む。第2のアーム部分2620は、線形自由度2622で第1のアーム部分2618の内部を通じて直線的に並進可能である。
【0191】
ディスプレイユニット2606は、図23図25に関して上述した例と同様に、トラック部材2624及び摺動部材2630を介して、第2のアーム部分2620に結合される。トラック部材2624は、第2のアーム部分2620に強固に結合される。ディスプレイユニット2606は、摺動部材2630に結合され、摺動部材2630は、トラック部材2624に摺動可能に結合される。ディスプレイユニット2606は、トラック部材2624に沿う摺動部材2630の移動に従って、傾斜軸2626について回転する。
【0192】
図26において、ディスプレイユニット2606は、画定された首ピボット軸2640について第1のピボット向きに方向付けられ、画定された首ピボット軸は、ほぼ水平であることができ、傾斜軸2626に対してほぼ平行に、例えば、自由度2616及び2622によって画定される平面に対して直角に延びることができる。例示的な実装において、首ピボット軸2640は、ディスプレイユニット2606のユーザ2650の頭又は首と交差するように位置決めされることができる。例えば、首ピボット軸2640は、ディスプレイユニット2606が、図示のように、ヨー軸2632について中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ユーザ2650のような典型的なユーザの首のピボット軸と整列させられる(例えば、ほぼ整合させられる)場所に位置付けられる。例えば、首のピボット軸は、ディスプレイユニットを操作する典型的なユーザの首がほぼピボットする場所である。この場所は、異なるユーザ(例えば、異なる高さのユーザ、異なる首のサイズのユーザなど)において異なることがあり、且つ/或いは、ユーザは、画定された首ピボット軸がどこに位置するかに関して異なる好みを有することがあるので、幾つかの実装では、複数のユーザの好ましいピボット場所から決定される(例えば、平均化される)場所が、画定された首ピボット軸のために使用されることができる。幾つかの例示的な実装において、画定された首ピボット軸は、ディスプレイユニットを操作するユーザの頸の特定の骨又は任意の特定の頸椎、例えば、首の環椎骨又は軸骨とほぼ整列させられる場所に位置することができる。更なる例において、画定された首ピボット軸は、ユーザの首の他の場所に対応するように画定されることができる。
【0193】
首ピボット軸2640は、システムパラメータに基づいて画定される仮想軸である。ベース支持体2602、アーム支持体2604及び摺動部材2630の移動は、首ピボット軸2640についての回転を提供することができる。首ピボット軸2640は、所望の首ピボット軸についての回転を生成する際にこれらのコンポーネントの移動によって画定されるような、図26に示す位置とは異なる位置にあることができる。幾つかの実装は、特定のユーザの特定の好み又は生理学に順応するよう、例えば、ユーザ入力によって、画定された首ピボット軸の場所を変更することを可能にすることがある。幾つかの例において、画定された首ピボット軸は、画定された首ピボット軸が傾斜軸2626に対して平行である(軸が自由度2616及び2622によって画定される垂直平面に対して直交する異なる場所のような)異なる場所、例えば、ユーザの視点において従前の場所から上、下、前方及び/又は後方である新しい場所に変更されることができる。幾つかの実装では、格納されたプロファイル又は設定が、特定のユーザと関連して格納され、そのユーザによるディスプレイシステムの使用のために適用され、その場合、プロファイルは、画定された首ピボット軸及び/又は(以下に記載する)画定された眼ピボット軸のための好ましい位置を含み、それらのいずれもシステム動作のためにロードされることができる。これらの及び他の構成(例えば、画定された首ピボット軸を決定するためにユーザを案内すること)は、図8に関して記載されたものと同様であることができる。
【0194】
図26に示す第1のピボット向きにおいて、例えば、ディスプレイユニット2606は、首ピボット軸2640について水平視認向きにあることができる。例えば、首ピボット軸2640に対するディスプレイユニット2606の視認方向は、図26において、首ピボット軸2640を通じて水平に延びる線2642によって示されている。首ピボット軸2640についてのディスプレイユニット2606の回転は、ベース支持体2602の部分2614、アーム支持体2604の部分2620、摺動部材2630を適切な位置及び/又は向きに移動させることによって達成される。
【0195】
図26は、画定された眼ピボット軸2660も示している。画定された眼ピボット軸2660は、ディスプレイユニット2606が、図示のように、ヨー軸2632について中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ディスプレイユニット2606のビューポートを通じて見ているユーザ2650のような典型的なユーザの眼と交差する眼軸に対応する(例えば、一致する)場所に位置付けられる。幾つかの実装において、画定された眼ピボット軸は、例えば、自由度2616及び2622によって画定される平面に直交する、傾斜軸2626に対してほぼ平行に延びる。この画定された眼ピボット軸は、ディスプレイユニット2606が、図示のように、軸2632について中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ディスプレイユニット2606の視認向きに直交することができる。眼ピボット軸2660に対するディスプレイユニット260の視認方向は、図26において、眼ピボット軸2660を通じて水平に延びる視線2662によって示されている。幾つかの実装では、図示のように、傾斜軸2626は、視線2662より下方に位置する。眼ピボット軸2660に基づくディスプレイシステム2600の移動は、図31及び図32に関して以下により詳細に記載される。ディスプレイユニット2606の他の画定されたピボット軸、例えば、前頭ピボット軸又は手入力デバイス軸についてのディスプレイシステム2600の移動は、首ピボット軸及び/又は眼ピボット軸についての移動と同様に実装されることができる。
【0196】
図27において、ディスプレイユニット2606は、ユーザ2650の「上向き」視認角を可能にするために、画定された首ピボット軸2640について第2のピボット向きに方向付けられる。角度A1は、首ピボット軸2640についてのディスプレイユニット2606の例示的な回転角度であり、角度A1は、ディスプレイユニット2606の水平視認向き2642とディスプレイユニット2606の首軸視認向き2742との間の角度である。ディスプレイユニット2606は、ベース支持体2602、アーム支持体2604及び摺動部材2630を、図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、図26に示す第1のピボット向きに対して首ピボット軸2640について回転されている。例えば、図26に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット2606は、摺動する傾斜部材2630をトラック部材2624に沿って図示の向きに(図27の視点において軸2626について反時計回りに)上方に移動させ、第2のアーム部分2620をベース支持体2602から離れて並びにユーザ2650に向かって図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分2614を上向きに(例えば、地面から離れて)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第2のピボット向きに移動される。傾斜軸2626は、首ピボット軸2640とは無関係である。何故ならば、首ピボット軸2640についてのディスプレイユニット2606の回転は、傾斜軸2626についての回転並びに自由度2622及び2616における線形運動(並進)を使用するからである。
【0197】
幾つかの実装において、図27に示す視認角は、ディスプレイユニット2606の上向きの(例えば、図27に示すような反時計回りの)回転限界である。他の実装において、ディスプレイユニット2606は、この方向における回転の限界に達する前に、図27に示すよりも大きな量だけ上向き(例えば、反時計回り)に回転されることができる。
【0198】
図28において、ディスプレイユニット2606は、ユーザ2650の「下向き(downward)」視野角を可能にするために、画定された首ピボット軸2640についての第3のピボット向きに方向付けられている。角度A2は、首ピボット軸2640についてのディスプレイユニット2606の例示的な回転角度であり、角度A2は、ディスプレイユニット2606の水平視認向き2642とディスプレイユニットの首軸視認向き2842との間の角度である。ディスプレイユニット2606は、ベース支持体2602、アーム支持体2604及び摺動部材2630を、図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、首ピボット軸2640について回転されている。例えば、図26に示す第1のピボット方向に対して、ディスプレイユニット260は、摺動部材2630を下向きに図示の向き(図28の視点において軸2626について時計回り)に移動させ、第2のアーム部分2620を自由度2622でユーザ2620に向かって並びにベース支持体2602から離れて図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分2614を下向きに(例えば、地面に向かって)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第3のピボット向きに移動される。
【0199】
図29において、ディスプレイユニット2606は、ユーザ2650の更なる下向きの視認角を可能にするために、画定された首ピボット軸2640について第4のピボット向きで方向付けられている。角度A3は、首ピボット軸2640についてのディスプレイユニット2606の例示的な回転角度であり、角度A3は、ディスプレイユニット2606の水平視認向き2642とディスプレイユニットの首軸視認向き2942との間の角度である。ディスプレイユニット2606は、ベース支持体2602、アーム支持体2604及び摺動部材2630を、図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、首ピボット軸2640について回転されている。例えば、図28に示す第3のピボット向きに対して、ディスプレイユニット2606は、摺動部材2630を更に下向き(図29の視点において軸2626について時計回り)に図示の向きまで移動させ、第2のアーム部分2620を自由度3622でユーザ2622に向かって並びにベース支持体2602から離れて図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分2614を下向きに(例えば、地面に向かって)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第4のピボット向きに移動される。
【0200】
図26図29に示す例示的な実装において、画定された首ピボット軸2640と傾斜軸2626との間の距離は、画定された首ピボット軸2640についてのディスプレイユニットの回転中に固定される。
【0201】
図30及び図31は、幾つかの実装に従った、画定された眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの回転を示す、図26のディスプレイシステム2600の一部分の側面図である。ディスプレイシステム2600は、上述のディスプレイシステム2300と同様のコンポーネントを含む。
【0202】
図30において、ディスプレイユニット2606は、ユーザ2650の上向き視認角を可能にするために、画定された眼ピボット軸2660について第5のピボット向きに方向付けられている。角度A4は、眼ピボット軸2660についてのディスプレイユニット2606の例示的な回転角度であり、角度A4は、(図26に示すような)ディスプレイユニット2606の水平な眼軸視認向き2662とディスプレイユニットの眼軸視認向き3062との間の角度である。ディスプレイユニット2606は、ベース支持体2602、アーム支持体2604及び摺動部材2630を、図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、図26に示す第1のピボット向きに対して眼ピボット軸2660について回転されている。例えば、図26に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット2606は、摺動部材2630を上向きに図示の角度まで(図30の視点において軸2626について反時計回りに)移動させ、第2のアーム部分2620をベース支持体2602に向かって並びにユーザ2650から離れて図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分2614を下向きに(例えば、地面に向かって)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第5のピボット向きに移動される(この移動は、この例において、非常に小さい)。傾斜軸2626は、眼ピボット軸2660とは無関係である。何故ならば、眼ピボット軸2660についてのディスプレイユニット2606の回転は、傾斜軸2626についての回転並びに自由度2622及び2616における直線運動(並進)を使用することがあるからである。
【0203】
図31において、ディスプレイユニット2606は、ユーザ2650の下向き視認角を可能にするために、画定された眼ピボット軸2660について第6のピボット向きに方向付けられている。角度A5は、眼ピボット軸2660についてのディスプレイユニット2606の例示的な回転角度であり、角度A5は、ディスプレイユニット2606の水平眼軸視認向き2662とディスプレイユニットの眼軸視認向き3162との間の角度である。ディスプレイユニット2606は、ベース支持体2602、アーム支持体2604及び部材2630を、図示のような位置及び/又は向きに移動させることによって、眼ピボット軸2660について回転されている。例えば、図26に示す第1のピボット向きに対して、ディスプレイユニット2606は、摺動部材2630を下向きに図示の向き(図31の視点において軸2626について時計回り)に下方に移動させ、第2のアーム部分2620を自由度2622でベース支持体2602から離れて並びにユーザ2650に向かって図示の位置まで直線的に並進させ、第2のベース部分2614を上向きに(例えば、アースから離れて)図示の位置まで直線的に並進させることによって、第6のピボット向きに移動される。
【0204】
図30及び図31のこの例示的な実装において、眼ピボット軸2660は、傾斜軸2626に近い位置にある。よって、眼ピボット軸2660についての回転は、大部分は、傾斜軸2626についての回転によって提供され、第2のアーム部分2620及び第2のベース部分2614の実質的な移動を必要としない。他の実装は、眼ピボット軸2660と傾斜軸2626との間により大きな距離を有することがあり、第2のアーム部分2604及び第2のベース部分2614のより大きな運動を必要とする。
【0205】
ディスプレイシステム2600(及び2300)は、上述のディスプレイシステム300、600及び700について図8図14において上記で示した移動と同様に、ユーザの首ピボット軸及び/又は眼ピボット軸についてのディスプレイユニットの移動を提供することができる。特定の画定されたピボット軸のための幾つかの実装において、ディスプレイシステム2600(及び2300)は、ディスプレイシステム300、600及び/又は700から要求されるよりも少ない、アーム支持体2604及びベース支持体2602の可動部分に要求される全体的な運動及び/又は移動範囲で、そのような移動を提供することができる。これらの例において、これは、ディスプレイユニット2606の傾斜軸2626が、首ピボット軸2640及び眼ピボット軸2660により近く、画定された首ピボット軸又は画定された眼ピボット軸により近い傾斜軸2626についてのディスプレイユニット2606の回転を可能にすることに起因する。
【0206】
図32は、ディスプレイシステムの別の実装3200の斜視図であり、図33は、幾つかの実装に従った、ディスプレイシステム3200の一部分320の正面図であり、図34は、側面図であり、図35は、頂面図であり、図36は、底面図である。幾つかの例において、ディスプレイシステム3200は、図1及び本明細書の他の箇所で記載するように遠隔操作システムのユーザ制御システム102において使用されることができ、或いは他のシステムにおいて使用されることができ、或いは上述のようにスタンドアローンシステムとして使用されることができる。ディスプレイシステム3200の構成は、特に他のことが示されない限り、図3のディスプレイシステム300及び/又は上述のようなディスプレイシステム2300の構成と類似であることができる。
【0207】
ディスプレイシステム3200は、ベース支持体3202と、アーム支持体3204と、ディスプレイユニット3206とを含む。ディスプレイユニット3206は、ベース支持体3202と、ベース支持体3202に結合されるアーム支持体3204とを含む、支持リンク機構によって、複数の移動の自由度を備え、ディスプレイユニット3206は、アーム支持体3204に結合される。幾つかの実装では、図3図7及び図23図25を参照して上述したように、ベース支持体3202及び(ベース支持体3202に結合される)アーム支持体3204の近位部分を同様に実装することができる。
【0208】
幾つかの例において、ベース支持体3202は、例えば、図3図7及び図23図25の実装におけると同様に、機械的に接地される垂直部材であり、第1のベース部分3212と、第2のベース部分3214とを含む。第1のベース部分3212及び第2のベース部分3214は、線形に結合される(例えば、伸縮自在に結合される)ことができ、線形自由度3216で第1のベース部分3212に対する第2のベース部分3214の直線的な並進を可能にし、そのような並進は、図15及び図16を参照して上述したのと同様に、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。他の実装は、図3図7及び図23図25の実装について上述したのと同様に、異なる構成を使用することができる。
【0209】
アーム支持体3204は、ベース支持体3202に機械的に結合される水平部材である。アーム支持体3204は、第1のアーム部分3218と、第2のアーム部分3220とを含む。第1のアーム部分3218は、ベース支持体3202の第2のベース部分3214に強固に結合されるアーム支持体3204の近位部分であり、第2のアーム部分3220は、第2のアーム部分3220が線形自由度32222で第1のアーム部分3218に対して直線的に並進可能であるように、第1のアーム部分3218に直線的に結合されるアーム支持体3204の遠位部分である。幾つかの例では、第2のアーム部分3220の近位部分3224が、第1のアーム部分3218に伸縮自在に結合され、例えば、第1のアーム部分3218又は第2のアーム部分3220は、図2図7及び図23図25の実装に記載するのと同様に、伸縮自在な部分である。図32図36の例において、第2のアーム部分3220の近位部分3224は、線形自由度3222で第1のアーム部分3218の内部を通じて直線的に並進可能である。第1のアーム部分3218に対する第2のアーム部分3220の直線的な並進は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができ、その幾つかの例は、図17及び図18に関して記載される。他の実装は、図3図7及び図23図25の実装について上述したのと同様に、異なる構成を使用することができる。幾つかの実装において、第1のアーム部分3218及び第2のベース部分3214は、上述と同様に、一体成形品、例えば、第1のベース部分3212と第2のアーム部分3220との間に結合される中間支持体又は中間部分であると考えられることができる。
【0210】
図示のような幾つかの例において、アーム支持体3204は、ベース支持体3202が延在する垂直軸に対して直交する水平軸に沿って延在する。幾つかの例において、ベース支持体3202及びアーム支持体3204は、互いに対して方向付けられて固定され、例えば、それらは並進するが、互いに対して向きを変えない。幾つかの例では、ベース支持体3202を通じて延びる垂直軸は、アーム支持体3204の第1のアーム部分3218を通って延びる。様々な実装において、アーム支持体3204は、様々な高さ及び/又は構成で、例えば、ユーザの頭又は身体より下方に、ユーザの頭の高さで、ユーザの頭より上方などで延在することができる。幾つかの実装は、図3図5について記載されるのと同様に、ディスプレイシステム3200の支持体及び部材における振動を減少させるように、ディスプレイシステム3200内にコンポーネントを提供することができる。
【0211】
第2のアーム部分3220は、上述のように第1のアーム部分3202に結合される近位部分3224と、近位部分3224に強固に結合されるヨーク部分3226とを含む。記載の実装において、ヨーク部分3226は、近位部分3224及びベース部材3202によって画定される平面に対して直交する水平な平面内に延在する2つのヨーク部材3228a及び3228b(集合的に3228と呼ぶ)を含む。ヨーク部材3228は、近位部分3224からほぼ対向する方向に延び、次に、近位部分3224に対して平行な方向に延びて、図示のように近似U形状を形成する。ヨーク部材は、他の実装において、様々な方向、例えば、近似V形状又は他の形状に延びることがある。
【0212】
ディスプレイユニット3206は、図3図7及び/又は図23図25の実装について記載するのと同様であることができるディスプレイデバイスを含む。ディスプレイユニット3206は、アーム支持体3204に回転的に結合される。これらの実装において、ディスプレイユニット3206は、ヨーク部材3228の遠位端の間に位置付けられ、ヨーク部材3228の遠位端に回転的に結合される。この例において、ディスプレイユニット3206は、ヨーク部材3228に回転可能に結合されるクロスビーム324(横梁)に結合される。例えば、クロスビーム324のシャフト3229aがヨーク部材3228aに回転可能に結合され、クロスビーム324のシャフト3229bがヨーク部材3228bに回転可能に結合される。クロスビーム3244が回転すると、ディスプレイユニット3206は、クロスビームと共に回転する。幾つかの実装において、シャフト3229は、例えば、ヨー運動がディスプレイユニット3206のために実装されていないならば、クロスビーム324を使用することなく、ディスプレイユニット3206に強固に結合されることができる。
【0213】
ディスプレイユニット3206は、アーム支持体3204及びベース支持体3202に対して、傾斜軸3230について回転(傾斜)自由度323232で回転可能である。傾斜軸3230は、ヨーク部材3228の遠位端を通じて延び、例えば、シャフト3229a及び3229bの長さに整列されることができ或いはシャフト3229a及び3229bの長さに対して平行であることができる。幾つかの実装において、傾斜軸3230は、ベース支持体3202及びアーム支持体3204によってディスプレイユニット3206に提供される線形自由度3216及び3222によって画定される平面に直交して方向付けられる。例えば、傾斜自由度3232は、自由度3216及び3222がベース支持体3202及びアーム支持体3204によって提供される垂直平面と同じである或いはそのような垂直平面に対して平行な垂直平面に提供されることができる。幾つかの実装において、ベース支持体3202及びアーム支持体3204は、支持リンク機構の遠位端で結合されるディスプレイユニット3206を有する支持リンク機構であると考えられることができる。
【0214】
ディスプレイユニット3206は、第2のベース部分3214及び第2のアーム部分3220の直線的な並進によって提供される2つの線形自由度で移動可能である。例えば、これらの線形自由度は、垂直平面内に設けられることができる。幾つかの例では、図示のように、垂直平面は、ベース支持体3202及びアーム支持体3204の近位部分3224によって画定されることができる。
【0215】
ディスプレイユニット3206は、第1のアーム部分3214及び第2のアーム部分3220によって並びにヨーク部分3226へのディスプレイユニット3206の回転結合によって可能にされる傾斜軸3230について回転によって提供される並進に基づいて、画定されたピボット軸について回転されることができる。画定されるピボット軸についての回転は、図3図7及び図23図25の実装について上述されたそのような回転と同様であることができ、図39に関して更に記載される。
【0216】
傾斜軸3230についてのディスプレイユニット3206の回転運動は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。幾つかの実装では、(点線で図33図35及び図36に示す)回転モータ3236は、ヨーク部材3228のうちの1つ(又は各ヨーク部材3228に結合されるそれぞれのモータ)に強固に結合されることができ、モータ3236の回転シャフトは、ディスプレイユニット3206に結合されるクロスビーム324(例えば、シャフト3229のうちの1つ)に結合されることができる。幾つかの実装では、駆動機構は、モータ3236、例えば、図22に示すキャプスタン機構に類似するキャプスタン機構又はギア機構に結合されることができる。例示的なキャプスタン機構では、キャプスタンドラムが被駆動シャフト3229(又はクロスビーム3244の他の場所)に結合され、キャプスタンプーリがモータ3236のシャフトに結合され、1つ以上のケーブルがドラムとプーリとの間に結合される。モータ3236は、傾斜自由度32322でクロスビーム324及びディスプレイユニット3206を傾斜軸3230について特定の向きに移動させるために、制御回路(例えば、制御システム)からの制御信号によって制御されることができる。
【0217】
幾つかの実装において、ディスプレイユニット3206は、アーム支持体3204及びベース支持体3202に対するヨー自由度3242におけるヨー軸3240についてのディスプレイユニット3606の回転を可能にするために、アーム支持体3204のヨーク部分3226に追加的に回転可能に結合される。例えば、これは、例えば、ビューポートを介して、ディスプレイユニット3206の画像を見るユーザの視点からの横方向又は左右の回転であることができる。図32図36の例において、ディスプレイユニット3206は、トラック機構であることができる回転機構によってヨーク部分3226に結合される。幾つかの実装において、トラック機構は、ヨー軸移動を提供する実装で上述したトラック機構と同様であることができる。例えば、トラック機構は、クロスビーム324と、湾曲トラック3246を含む湾曲トラック軸受とを含むことができる。湾曲トラック3246は、溝部材3248と摺動可能に係合して、例えば、図3及び図22について上述したのと同様に作動する。ディスプレイユニット3206は、湾曲トラック3246によって制約される湾曲経路に沿って移動して、ディスプレイユニット3206を回転自由度3242でヨー軸3240について回転させる。追加的な例が、図37及び図38に関して以下に記載される。例えば、湾曲トラック3246は、(ヨー自由度に関してヨーク部分3226に強固に結合される)クロスビーム324に強固に結合されることができ、溝部材3248は、ディスプレイユニット3206に強固に結合されることができる。代替的に、溝部材は、クロスビーム324に強固に結合されることができ、湾曲トラックは、ディスプレイユニット3206に強固に結合されることができる。幾つかの実装では、曲線トラック3246の長さに沿って追加の溝部材を設けることができる。
【0218】
幾つかの実装では、ヨー軸3240についてのディスプレイユニット3206の回転を提供するために、異なる機構を使用することができる。幾つかの例では、図3~5及び/又は図23図25においてヨー移動実装について上述したのと同様に、湾曲トラック3246は、カムローラに係合する湾曲カム従動子であることができる。
【0219】
湾曲トラック3246及び/又は溝部材3248の曲率(例えば、半径)は、ディスプレイユニット3206のユーザ対向側面からの及び/又は傾斜軸3230からの特定の距離でヨー軸3240を提供するように選択される。例えば、ヨー軸3240は、以下に記載するように、ヨー軸がユーザの首にあるピボット軸に対応する画定された(仮想の又はソフトウェア画定された)首ピボット軸とほぼ交差するように、ディスプレイユニット3206から(水平自由度3222に対して平行な)水平距離で提供される。画定された首ピボット軸は、幾つかの実装において、ディスプレイユニット3206の運動のための基準として使用されることができる。記載の実装において、ヨー軸3240と(例えば、自由度3216に対して平行な)垂直軸との間の角度は、傾斜軸3230についてのディスプレイユニット3206の向きに基づいて変化する。
【0220】
ヨー軸3240についてのディスプレイユニット3206のヨー運動は、1つ以上のアクチュエータ、例えば、モータによって駆動されることができる。例えば、回転モータ(図示せず)が、ディスプレイユニット3206に強固に結合されることができ、駆動伝動装置、例えば、キャプスタン駆動機構、ギア機構などを使用して、ヨー軸3240についてのディスプレイユニット3206に対して力を出力する回転可能なシャフトを含むことができる。幾つかの例において、駆動伝動装置は、例えば、図22を参照して上述したキャプスタン駆動機構と類似する、キャプスタン駆動機構を含むことができる。例えば、モータの被駆動シャフトをキャプスタンプーリに結合することができ、湾曲トラック3246に強固に結合さるキャプスタンドラムの両端にケーブルを取り付けることができ、その場合、ケーブルは、キャプスタンプーリの周囲に巻き付けられる(或いはキャプスタンプーリとキャプスタンドラムのそれぞれの端との間に2つのケーブルを取り付けることができる)。モータは、キャプスタンプーリを回転させて、ケーブルを移動させ(例えば、プーリ上でケーブルを巻き取り且つ巻き戻し)、それによって、キャプスタンドラム、湾曲トラック3246及びディスプレイユニット3240をヨー軸3240について回転させる。幾つかの実装において、モータ及び/又は駆動伝動装置は、ディスプレイユニット3206のハウジング内に少なくとも部分的に配置されることができる。例えば、キャプスタンドラムは、ユーザ位置とは反対のトラック部材3244又はクロスビーム3244の側面に位置付けられることができ、キャプスタンプーリは、ユーザ位置から離れてキャプスタンドラムに隣接して配置されることができる。幾つかの実装では、トラック部材324及びアーム支持体3204に対するヨー軸3240についてのディスプレイユニット3206の回転運動を提供するために、他の伝動装置及び/又はカップリングを使用することができる。
【0221】
よって、ディスプレイシステム3200は、垂直線形自由度3216、水平線形自由度3222、回転傾斜自由度3232及び回転ヨー自由度3242を有するディスプレイユニット3206を提供する。例えば、垂直自由度及び水平自由度は、ディスプレイユニット3206が、可動域又は許容作業空間内(例えば、垂直平面内)の任意の位置に移動されることを可能にし、傾斜自由度は、ディスプレイユニットが、その可動域内(例えば、垂直平面又は平行垂直平面内)の特定の向きに移動されることを可能にする。
【0222】
これらの自由度のうちの少なくとも2つにおけるディスプレイシステム3200のコンポーネントの協調された移動の組み合わせは、図3図7及び/又は図23図25の実施のために上述したのと同様に、ユーザのためのカスタム視認体験を容易にするために、ディスプレイユニット3206が、その作業空間内の様々な位置及び向きに位置付けられること、例えば、並進されること又はユーザの周囲で回転されることを可能にする。更に、ディスプレイユニット3206の自由度は、追加的に又は代替的に、ディスプレイシステム3200が、上述したのと同様に、ディスプレイユニット2306の作業空間内の様々な場所のうちのいずれかに位置付けられることができる、画定されたピボット軸、例えば、眼ピボット軸、前頭ピボット軸、首ピボット軸についての物理的空間内のディスプレイユニット3206の運動を提供することを可能にする。
【0223】
ディスプレイユニット3206は、ユーザが、空間内のディスプレイユニット3206の向き及び/又は位置を操作するために、且つ/或いはディスプレイシステム3200及び/又はより大きなシステム(例えば、遠隔操作システム)の他の機能又はコンポーネントを操作するために、入力を提供することを可能にする入力デバイスを含むことができる。入力デバイスの幾つかの例は、図3図5に関して記載され(例えば、手入力デバイス340及び頭入力デバイス342)、そのような入力デバイスは、例えば、類似の方法においてディスプレイユニット3206の側面及び/又は前方対向面に提供される、ディスプレイシステム3200において使用されることができる。そのような入力デバイスから提供されるユーザ入力は、図3図14を参照して上述したのと同様に、ディスプレイユニット3206及び/又は表示される画像及び他のコンポーネントの動きを制御するために使用されることができる。
【0224】
ディスプレイシステムの幾つかの実装において、ディスプレイユニット3206は、自由度3242でヨー軸3240について回転可能であり、他の自由度3216、3222及び/又は32322のうちの1つ以上は、ディスプレイシステム3200から省略される。例えば、ディスプレイユニット3206は、(例えば、アクチュエータによって及び/又はユーザによって手動で)ヨー軸3240について回転されることができ、ディスプレイユニット3206は、例えば、水平自由度3222及び/又は傾斜自由度32322が省略される、ベース支持体3202又は他の機構を使用して、(例えば、アクチュエータによって及び/又はユーザによって手動で)より高く及び/又はより低く手動で位置付けられることができる。
【0225】
図37及び図38は、図32に示すディスプレイシステム3200の部分3201の斜視図である。ディスプレイユニット3206及びヨーク部分3226の底の斜視図が示されている。
【0226】
図37において、ディスプレイユニット3206は、ヨー軸3240について中心化されたヨー向きで示されている。例えば、溝部材3248は、ディスプレイユニット3206に強固に結合され、トラック部材3246の湾曲した長さに沿って中心化される。
【0227】
図38において、ディスプレイユニット3206は、図37に対して変更されたヨー軸3240についての向きで示されている。例えば、溝部材3248は、トラック部材3246に沿って移動されて、ディスプレイ部材3206を左に、例えば、ディスプレイユニット306の底から見た場合には、ヨー軸3240について時計回りに移動させる。図示のように、トラック部材3246は、ディスプレイ部材3206が、ヨーク部材3228に衝撃を与えたり或いはヨーク部材3228と接触したりすることなく、ヨー軸3240について回転することができるように、ヨーク部材3228間の空間内の制限された回転範囲をディスプレイ部材3206に与える湾曲した長さを有することができる。例えば、この制限された回転ヨー範囲を可能にするために、湾曲トラックは、クロスビーム3244の中央部分を横切って延在する(或いはそのように提供される)ことができる。この例において、湾曲トラックは、中央部分の外側に延びないで、溝部材3248が中央部分の外側に移動するのを防止する。幾つかの実装では、ストップをトラック部材3246の端に位置付けて、トラック部材3246の長さを越える溝部材3248の移動を防止することができる。
【0228】
図39は、幾つかの実装に従った、ユーザによって使用されるディスプレイユニットの回転を示す、図32のディスプレイシステム3200の部分3201の側面図である。図39において、ディスプレイユニット3206は、画定された首ピボット軸3902についてのピボット向きにあり、画定されたピボット軸は、ほぼ水平であることができ、例えば、自由度3216及び32222によって画定される平面に対して直角な、傾斜軸3230に対してほぼ平行に延びることができる。例示的な実装において、首ピボット軸3230は、ディスプレイユニット3206のユーザ3950の頭又は首と交差するように位置付けられることができる。例えば、首ピボット軸3902は、上述の首ピボット軸840又は2640と同様であることができる。傾斜軸3230についてのベース支持体3202、アーム支持体3204及びディスプレイユニット3206の移動は、首ピボット軸3902についての回転を提供することができる。首ピボット軸3920は、所望の首ピボット軸についての回転を生成する際のこれらのコンポーネントの移動によって画定されるような、図39に示す位置とは異なる位置にあることができる。これら及び他の構成(例えば、画定された首ピボット軸を決定するためにユーザを案内すること)は、図8に関して記載されたものと同様であることができる。
【0229】
首ピボット軸3902に対するディスプレイユニット3206の視認向きは、線3904によって示されており、線3904は、図39において、首ピボット軸3902を通じて延び、この例では、水平な線3905を基準にして下向き角度を提供するように方向付けられている。首ピボット軸3902についてのディスプレイユニット3206の回転は、ベース支持体2602の可動部分3214、アーム支持体2604の部分3220及びディスプレイユニット3206を適切な位置及び/又は向きに移動させることによって達成される。この移動は、原則として、図6図11及び/又は図26図29に関して記載した移動と同様であることができるが、1つ以上の移動の方向及び大きさは、傾斜軸3230の異なる位置の故に異なることがある。
【0230】
図39は、画定された眼ピボット軸3906も示している。画定された眼ピボット軸3906は、ディスプレイユニット3206が、図示のように、ヨー軸3240について中心化されたヨー回転向きに方向付けられるときに、ビューポートを通じて或いはディスプレイユニット3206のディスプレイデバイスで見るユーザ3950のような典型的なユーザの眼と交差する、眼軸に対応する(例えば、一致する)場所に位置付けられる。幾つかの実装において、画定された眼ピボット軸は、例えば、自由度3216及び3222によって画定される平面に対して直角な、傾斜軸3230に対してほぼ平行に延びる。この画定された眼ピボット軸は、ディスプレイユニット3206が、図示のように、ヨー軸3240について中心化されるヨー回転向きに方向付けられるときに、ディスプレイユニット3206の視認方向に対して直交することができる。眼ピボット軸3906に対するディスプレイユニット3206の視認方向は、視線3908によって示されており、視線3908は、図26において、眼ピボット軸3906を通って延び、この例では、水平な視線3907を基準として下向き視認角を提供するように方向付けられている。画定された眼ピボット軸3906についてのディスプレイユニット3906の移動は、原則として、図12図14及び/又は図30図31に関して記載した移動と同様であることができるが、1つ以上の移動の方向及び大きさは、傾斜軸3230の異なる位置の故に異なることがある。ディスプレイユニット3206の他の画定されたピボット軸、例えば、前頭ピボット軸又は手入力デバイス軸についてのディスプレイシステム3200の動きは、首ピボット軸及び/又は眼ピボット軸についての移動と同様に実装されることができる。
【0231】
ディスプレイシステム3200は、他の実装、例えば、図3図7のディスプレイシステム300、600及び700のような実装におけるよりも、幾つかの画定されたピボット軸により近く、傾斜軸3230を位置付けることができる。特定の画定されたピボット軸のための幾つかの実装において、ディスプレイシステム3200は、ディスプレイシステム300、600及び/又は700から要求されるよりも全体的に少ない、アーム支持体3204及びベース支持体3202の移動部分に要求される動き及び/又は移動範囲を伴うディスプレイユニット3206の移動を提供することができる。これらの例において、これは、ディスプレイユニット3206の傾斜軸3230が、首ピボット軸3240及び眼ピボット軸3260により近く、画定された首ピボット軸又は画定された眼ピボット軸により近い傾斜軸3226についてのディスプレイユニット3206の回転を可能にするからである。
【0232】
図40は、本明細書に記載される1つ以上の実装において使用されることができる制御入力デバイスの例示的なデバイス部分4000の斜視図である。幾つかの実装において、デバイス部分4000は、本明細書に記載する様々なディスプレイシステム実装のうちのいずれかと共に使用されることができる、図1及び図2を参照して上述したような制御入力デバイス210又は212の一部分として使用することができる。幾つかの実装において、デバイス部分4000は、1つ以上のジンバル機構を含む。
【0233】
幾つかの実装において、デバイス部分4000は、機械的に接地されたコントローラであることができる。例えば、デバイス部分4000は、接地された或いは地面に接続された物体に結合される機械的リンク機構に結合されて、デバイス部分4000の使用のための安定したプラットフォームを提供することができる。
【0234】
デバイス部分4000は、ユーザが制御入力デバイスを操作するために触れるハンドル4002を含む。この例において、ハンドル4002は、2つのグリップを含み、各グリップは、指ループ4004と、グリップ部材4006(グリップ部材4006a及び4006b)とを含む。2つのグリップ部材4006は、ハンドル4002の中央部分4003の両側に位置付けられ、グリップ部材4006は、ユーザの指によって把持、保持、又は他の方法で接触されることができる。各指ループ4004は、それぞれのグリップ部材4006に取り付けられ、ユーザの指を関連するグリップ部材4006に固定するために使用されることができる。指接点4005は、ユーザの指と接触する表面を提供するために、グリップ部材4006a及び4006bの非接続端に接続又は形成されることができる。
【0235】
各グリップ部材4006及び指ループ4004は、関連する自由度4008(例えば、4008a及び4008b)で移動されることができる。幾つかの例において、グリップ部材4006a及び4006bは、それぞれ、それぞれの回転カップリングでハンドル4002の中央部分4003に結合されて、中央部分4003に対するグリップ軸4007a及び4007bのそれぞれについてのグリップ部材の回転移動を可能にする。各グリップ部材4006a及び4006bは、例えば、ユーザがグリップ部材に触れることによって、グリップ軸4007aについての関連する自由度4008a及びグリップ軸4007bについての自由度4008bのそれぞれで移動させられることができる。例えば、幾つかの実装において、グリップ部材4006a及び4006bは、ピンチャ型の移動において(例えば、互いに向かって或いは離れて)で同時に移動させられることができる。様々な実装では、単一のグリップ部材4006及び指ループ4004を提供することができるか、或いはグリップ部材4006の1つのみを自由度4008で移動させることができる一方で、他のグリップ部材4006をハンドル4002に対して固定することができる。例えば、それらの自由度におけるグリップ部材4006a及び4006bの向きは、エンドエフェクタ又は他のマニピュレータ器具の対応する回転向きを制御することができる。1つ以上のグリップセンサ(図示せず)をハンドル4002及び/又はデバイス部分4000の他のコンポーネントに結合することができ、それらの自由度4008におけるグリップ部材4006a及び4006bの向きを検出することができる。幾つかの実装は、自由度4008でグリップ部材4006に能動的な力を出力する1つ以上の能動アクチュエータ(例えば、モータ、ボイスコイルなど)又はグリップの方向において抵抗を提供するグリップ部材4006とハンドル4002の中央部分4003との間の受動アクチュエータ(例えば、ブレーキ)又はバネを提供することができる。
【0236】
ハンドル4002は、ハンドル4002の第1の端と第2の端との間に画定されるロール軸4012についての回転自由度4010も備える。ロール軸4012は、この例において、ハンドル4002の中央部分4003のほぼ中心に沿って延びる長手軸である。例えば、ユーザは、マニピュレータシステムコンポーネントの制御を提供するために、ハウジング4009のようなコントローラ部分300のベースに対して、軸4012について、グリップ部材4006及び中央部分4003を単一ユニットとして回転させることができる。1つ以上の制御入力センサ(図示せず)をハンドル4002に結合して、回転自由度4010におけるハンドル4002の向きを検出することができる。幾つかの実装は、回転自由度4010でハンドル4002に対して力を出力するために1つ以上のアクチュエータを提供することができる。
【0237】
提供されるセンサは、感知される位置、向き及び/又は動きを記述する信号を、1つ以上の制御回路、例えば、遠隔操作システム100の制御システムに送信することができる。幾つかのモード又は実装において、制御回路は、マニピュレータシステム、例えば、マニピュレータシステム104に制御信号を提供して、例えば、マニピュレータシステム104のエンドエフェクタ又は他の器具の様々な自由度のうちのいずれかを制御することができる。
【0238】
様々な実装において、ハンドル4002は、追加の自由度を備えることができる。例えば、コントローラヨー軸4022についての回転自由度4020が、肘形状リンク4024とリンク4026との間の回転カップリングでハンドル4002に提供されることができ、その場合、肘形状リンク4024は、(例えば、ハウジング4009で)ハンドル4002に結合される。この例において、コントローラヨー軸4022は、ロール軸4022と交差し、ロール軸4012に対して直交する。追加の自由度を同様に提供することができる。例えば、リンク4026は、肘形状であることができ、回転カップリングが、リンク4026の他端と別のリンク(図示せず)との間に設けられることができる。軸4030についての回転自由度4028は、回転カップリングでハンドル4002に提供されることができる。幾つかの例において、デバイス部分4000は、複数の自由度、例えば、3つの回転自由度と3つの並進自由度とを含む6自由度で、ユーザ制御システム102の作業空間内でハンドル4002の移動を可能にすることができる。1つ以上の追加の自由度が、制御入力センサによって感知されることができ、且つ/或いは、自由度4008及び4010について上述したのと同様に、アクチュエータ(モータなど)によって作動させられることができる。幾つかの実装において、ハンドル4002の各々の追加的な自由度は、マニピュレータシステム104のエンドエフェクタの異なるマニピュレータ自由度(又は他の動き)を制御することができる。
【0239】
様々な実装において、様々な運動連鎖、リンク機構、ジンバル機構、フレキシブル構造、又はこれらのうちの2つ以上のものの組み合わせをデバイス部分4000と共に使用して、1つ以上の自由度をコントローラ部分に提供することができる。デバイス部分4000と共に使用可能なリンク機構及び/又はジンバル機構の更なる例が、本明細書に参照として援用する米国特許第6,714,839B2号に記載されている。
【0240】
記載の例において、ハンドル4002は、例えば、中央部分4003に結合される、1つ以上の制御スイッチ4050を含む。幾つかの実装において、制御スイッチ4050は、特定のコマンド信号を提供するために、例えば、ユーザ制御システム及び/又は制御入力デバイス(例えば、本明細書に記載するような制御モードもしくは非制御モード、又はディスプレイシステム300、600、700、2300又は3200に関連するモード)の機能、オプション又はモードを選択するために、様々な位置に移動されることができる。幾つかの実装において、制御スイッチ4050は、ボタン、回転ダイヤル、スイッチ、又は他のタイプの入力制御装置として実装されることができる。制御スイッチ4050は、光学センサ、機械的スイッチ、磁気センサ、又は他のタイプのセンサを使用して、スイッチの位置を検出することができる。幾つかの実装において、ハンドル4002は、ハンドルを操作するユーザの手及び/又はハンドルの近くに位置付けられる手の存在を検出することができる1つ以上の存在センサを含む存在感知システムも含む。
【0241】
本明細書に記載する1つ以上のディスプレイシステムの構成を他のタイプの制御入力デバイスと共に使用することができる。例えば、自由に空間内を移動し、地面から切り離されている、接地されていない制御入力デバイスを使用することができる。幾つかの例では、ハンドル4002及び/又はグリップ部材4006に類似する1つ以上のハンドルを、接地されていない、ユーザの手に着用された機構に結合することができ、ユーザがグリップを空間内で自由に動かすことを可能にする。幾つかの例において、互いに対する及び/又はハンドルの他の部分に対するグリップの位置又は向きは、グリップを一緒に結合し且つ互いに対するそれらの動きを制限する機構によって感知されることができる。幾つかの実装は、ユーザの手によって着用されるグローブ構造を使用することができる。更に、幾つかの実装は、例えば、ビデオカメラ又は3D空間内の動きを検出することができる他のセンサを使用して、空間内のグリップを感知するために、他の構造に結合されたセンサを使用することができる。非接地制御入力デバイスの幾つかの例が、(2010年9月21日に出願された)米国特許第8,543,240B2号及び(2008年11月13日に出願された)米国特許第8,521,331B2号に記載されており、両方ともそれらの全体が参照により本明細書に援用される。
【0242】
図41は、幾つかの実装に従った、本明細書に記載する1つ以上の構成を含むディスプレイシステムを作動させる例示的な方法4100を示すフロー図である。幾つかの実装において、方法は、例えば、ディスプレイシステムが、遠隔操作マニピュレータシステムと共に、表示されるビューを提供する、例示的な遠隔操作システム又は他の制御システムと共に使用されることができる。例えば、幾つかの実装では、図3のディスプレイシステム300、図6のディスプレイシステム600、図7のディスプレイシステム700、図23のディスプレイシステム2300又は図32のディスプレイシステム3200を使用することができる。
【0243】
幾つかの例において、ディスプレイシステムは、図1のシステム100のような遠隔操作システムで使用されることができ、その場合、ディスプレイシステムは、1つ以上の制御入力デバイスも自身の手で操作するユーザによって操作される。マスタ-スレーブ制御関係は、制御入力デバイスとマニピュレータシステムとの間で確立されることができ、そこでは、制御入力デバイスの位置及び向きが検知され、例えば、コントローラ、マニピュレータシステム及び/又は別個の制御システムにおいて、制御システムに送信される。幾つかの例において、空間内の制御入力デバイスの動きは、制御される器具又はマニピュレータシステムの他のコンポーネントの対応する動きを引き起こし、且つ/或いはマニピュレータシステムの他の機能を制御することができる。そのような遠隔操作システムコンポーネントに関連するユーザ入力及び制御は、方法4100において記載されない。
【0244】
方法4100の他の実装は、1つ以上の記述の構成を有するディスプレイシステムを、他のタイプのシステム、例えば、非遠隔操作システム、処理デバイスに実装され且つ物理的マニピュレータシステム及び/又は物理的マニピュレータシステムと相互作用する物理的対象を持たない仮想環境などと共に使用することができる。幾つかの実装において、方法は、制御回路コンポーネント、例えば、制御システムによって部分的に又は完全に実行されることができる。幾つかの例において、制御回路は、1つ以上のプロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ又は他の制御回路を含むことができ、その幾つかの例が、図42を参照して以下に記載される。
【0245】
ブロック4102では、ピボット軸が、ディスプレイシステムのディスプレイユニットについて画定され、その場合、ディスプレイユニットは、ユーザによる視認のための画像の表示を提供する(例えば、本明細書に記載するようなディスプレイユニット306、606又は706)。ディスプレイユニットは、画定されたピボット軸について回転されることができる。幾つかの場合又は実装において、画定されたピボット軸は、ディスプレイシステムの機械的コンポーネントの回転軸、例えば、本明細書に記載するような傾斜部材の傾斜軸326、626又は726と一致する。幾つかの実装において、画定されたピボット軸は、ディスプレイシステムのコンポーネントの協調動作の組み合わせに基づく仮想軸であり、ディスプレイシステムの特定の機械的コンポーネントの回転軸に対応しない。例えば、仮想ピボット軸は、様々な実装において本明細書に記載するように、眼ピボット軸、首ピボット軸、前頭ピボット軸又は手入力デバイスピボット軸のような、水平軸であることができる。
【0246】
幾つかの実装において、画定されたピボット軸は、ディスプレイシステムの異なる動作モード又は異なる時間において異なる場所に変更されることができる。幾つかの実装において、画定されたピボット軸は、ユーザによって調整可能である。例えば、画定されたピボット軸は、例えば、ディスプレイシステムと通信するキーボード、タッチスクリーンなどのようなユーザ入力デバイスを介して、ディスプレイシステムによって受信されるユーザ入力に基づいて決定されることができる。幾つかの例において、ユーザ入力は、複数の所定の設定のうちの1つを指定することができ、その場合、各設定は、ディスプレイシステムのディスプレイユニットの作業空間内の異なる特定の場所でピボット軸を画定する。例えば、1つの設定が特定の眼ピボット軸を画定することができ、異なる設定が特定の首ピボット軸を画定することができる。更なる例において、ユーザ入力は、ピボット軸の場所を調整することができる。例えば、ユーザ入力は、画定されたピボット軸を三次元のいずれかに沿って空間内で特定の距離だけ移動させるように指定することができる。例えば、ユーザ入力は、画定された眼ピボット軸が垂直方向に5ミリメートル移動され且つ(例えば、ベース支持体302のようなベース支持体に向かって)水平方向に2ミリメートル移動されるように指示することができる。
【0247】
ブロック4104において、ディスプレイユニットは、動作のためにアクティブ化(起動)される。幾つかの実装では、例えば、ディスプレイユニットのディスプレイを見ている、ディスプレイシステムを操作する位置にあるユーザの存在を感知するために、1つ以上の存在センサがディスプレイシステムに設けられる。ディスプレイユニットは、ユーザの存在を検出することに応答して、ユーザ入力によってアクティブ化されることができ、移動可能であることが有効にされることができる。例えば、存在センサは、ユーザの頭がディスプレイユニットの視認ポート又は窓に近く位置付けられているかどうかを検出することができる。幾つかの実装において、ディスプレイユニットは、図1のシステム100のような遠隔操作システムで使用されることができ、その場合、ディスプレイユニットは、自分の手で1つ以上の制御入力デバイスも操作するユーザによって操作される。
【0248】
ブロック4106において、ディスプレイユニットに、例えば、垂直平面内で、垂直に回転及び/又は並進するように指示する、ユーザ入力が受信される。例えば、ユーザ入力は、図3を参照して記載したような、ディスプレイユニット上のユーザ入力デバイス340及び/又は342のような、ディスプレイシステムのユーザ入力デバイスによって受信されることができる。ユーザ入力は、ディスプレイシステムの他のコンポーネントに設けられるユーザ入力デバイス、及び/又はディスプレイシステムを含むか或いはディスプレイシステムと共に使用されるシステムのユーザ入力デバイス、例えば、遠隔操作システムの制御入力デバイスから受信されることもできる。一例において、ユーザ入力は、垂直ベース支持体、水平アーム支持体及び傾斜機構のアクチュエータに、画定されたピボット軸についてディスプレイユニットを動かす力を出力するように指示することができる。幾つかの実装において、ユーザ入力は、その作業空間内でディスプレイユニットを並進させるように指示することができる。幾つかの実装において、ユーザ入力は、ディスプレイユニットの指示される動きに従って、ディスプレイユニットによって表示される画像の操作、及び/又は他の制御されるデバイスの操作を指示する。
【0249】
ブロック4108では、ディスプレイシステムの1つ以上のアクチュエータが、垂直面内でディスプレイユニットを回転及び/又は並進させるためにユーザ入力に基づいて制御される。例えば、アクチュエータは、本明細書に記載するように、ブロック4102で決定されるピボット軸について垂直平面内でディスプレイユニットを回転させるように制御されることができる。本明細書に記載する幾つかの実装では、ベース支持体、アーム支持体及び/又は傾斜部材が、ディスプレイユニットをユーザ入力に従って画定されたピボット軸について回転させるよう、アクチュエータによって同時に並びに協調された組み合わせにおいて動かされる。幾つかの実装にいて、ディスプレイユニットは、ユーザ入力に基づいて垂直面内で直線的に並進させられることができ、例えば、ベース支持体及び/又はアーム支持体によって提供される直線的な動きに基づいて移動させられることができる。
【0250】
幾つかの実装では、ディスプレイユニットによって表示される画像又はユーザインターフェース制御装置が、ユーザ入力に従って及び/又は垂直面内のディスプレイユニットの移動に従って操作される。例えば、表示される画像のビューは、ユーザ入力及び/又はディスプレイユニットの動きに従って移動させられることができる。追加の例において、ユーザ入力は、表示されるユーザインターフェース、仮想環境又はディスプレイシステムによって提供される他のディスプレイのビュー又は要素を操作することができる。例えば、カーソル、スクロールバー、リスト、メニュー、グラフィカル要素の選択などのようなユーザインターフェース構成が、ユーザ入力及び/又はディスプレイユニットの移動に従って移動又は操作されることができる。幾つかの例において、そのようなユーザインターフェースは、作業部位の表示されたキャプチャされたビューの上に重ね合わされることができ、或いはキャプチャされたビューの側面に表示されることができる。
【0251】
幾つかの実装において、マニピュレータシステムの機能は、ユーザ入力及び/又はディスプレイユニット動作に従って操作されることができる。例えば、マニピュレータシステムのアクチュエータを制御して、ディスプレイユニットの動きと相関してマニピュレータシステムの画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)を移動させる、例えば、その作業空間内のディスプレイユニットの対応する動きに基づいてカメラを並進及び/又は回転させることができる。画像データは、画像キャプチャデバイスから受信され、ディスプレイユニットのディスプレイデバイスによって表示される。アクチュエータは、制御システムからマニピュレータシステムに送信されるコマンドに基づいて制御され、その場合、コマンドは、ユーザ入力及び/又はディスプレイユニットの移動に基づく。ユーザがマニピュレータ画像キャプチャデバイスを制御して、ディスプレイユニットに表示されるスレーブ作業場所の視野を変えることができる一方で、ユーザが異なるマニピュレータ器具も制御して、ディスプレイユニットを介して見られるようなマニピュレータ作業場所での遠隔操作処置においてタスクを実行するように、(例えば、制御入力デバイス210及び/又は212を介して)異なるマニピュレータ器具を制御して、ディスプレイユニットを介して制御されるマニピュレータ画像キャプチャデバイスの移動と少なくとも部分的に同時に移動させることができる。
【0252】
ユーザ入力によって操作可能な遠隔操作システム機能の追加的な例は、幾つかの例において、第1のマニピュレータアーム又は器具が第2のマニピュレータアーム又は器具に交換させる制御を引き起こすスワップ機能、マニピュレータ器具のためのエネルギ出力、手術部位での洗浄又は吸引、制御モード及び非制御モードを選択するためのクラッチ機能などを含むことができる。
【0253】
ブロック4110では、ディスプレイユニットにヨー軸(横方向回転軸)についての回転、例えば、ユーザの視点からの垂直軸についてのディスプレイユニットの左又は右(横方向)回転を指示する、ヨーユーザ入力が受信される。例えば、ヨーユーザ入力は、ブロック4106について記載するような類似のユーザ入力デバイスから、及び/又はブロック4106のユーザ入力を提供するユーザ入力デバイスとは異なるディスプレイシステム又は他のシステムの他のユーザ入力デバイスから受信されることができる。様々な実装において、ユーザ入力は、ヨー軸について左に回転するように、ディスプレイユニットを左に直線的に並進させるように、ディスプレイユニットによって表示される画像又はユーザインターフェース要素を操作するように、及び/又は他の制御されるデバイスを操作するように、ディスプレイユニットに指示することができる。
【0254】
ブロック4112では、ディスプレイシステムの1つ以上のアクチュエータが、ヨー軸についてディスプレイユニットを回転させるためのユーザ入力に基づいて制御される。例えば、図3図5図22図23図25又は図32図38に関して記載したトラック機構のアクチュエータを使用して、ディスプレイユニットをヨー軸330、630、730、2332又は3240について回転させることができる。一例では、(例えば、上から見るときの反時計回りの)左への回転を指示するユーザ入力は、アクチュエータに、ディスプレイユニットをヨー軸について反時計回りに動かす力を出力させる。幾つかの実装において、ディスプレイユニット及び/又は他の制御デバイスによって表示される画像又はユーザインターフェースは、ブロック4108について記載したのと同様に、ディスプレイユニットの移動に従って操作される。
【0255】
ブロック4106及び4110は、例えば、ディスプレイユニットを垂直平面内で回転/並進させるユーザ入力を、ディスプレイユニットをヨー軸について回転させるユーザ入力と同時に受信することができるように、任意の順序で及び/又は部分的に又は完全に同時に実行されることができる。同様に、ブロック4108及び4112は、受信するユーザ入力に基づいて任意の順序で及び/又は部分的に又は完全に同時に実行されることができる。
【0256】
ブロック4106~4112は、垂直に及び/又はヨー軸について移動するようにディスプレイユニットに指示する追加的に受信するユーザ入力に基づいて繰り返される。ディスプレイユニット動作を非アクティブ化し、ブロック4102を実行させて画定されたピボット軸の場所を変更し、或いはディスプレイシステムの他の機能を実行する、他のユーザ入力が受信されてよい。
【0257】
本明細書に開示する方法に記載するブロック及び操作は、適切な場合には、図示とは異なる順序で及び/又は他のブロック及び操作と(部分的に又は完全に)同時に実行されることができる。幾つかのブロック及び操作は、データの1つの部分について実行されることができ、例えば、データの別の部分について再び後に実行されることができる。記載するブロック及び操作の必ずしも全てが、様々な実装で実行される必要はない。幾つかの実装において、ブロック及び操作は、方法において複数回、異なる順序で、及び/又は異なる時に実行されることができる。
【0258】
ディスプレイユニット上の触覚フィードバック及び/又はディスプレイデバイス上の視覚出力のような出力が、ディスプレイシステム及び/又は遠隔操作システムのユーザ操作を支援するためにシステムによって提供されることができる。例えば、ユーザインターフェースが、警告及び/又はエラーフィードバックをディスプレイデバイスに表示してよく、且つ/或いは音声出力を提供して、そのような警告又はエラーを示すことができる。そのようなフィードバックは、例えば、ディスプレイユニットの移動範囲に達すること、表示されている特定の物体がディスプレイユニットの視界から外れそうになるようにディスプレイユニットを移動させることなどを示すことができる。
【0259】
様々な実装では、手術システムに加えて、他のタイプのコンピュータ支援遠隔操作システムを、本明細書に記載する1つ以上のディスプレイシステムの構成と共に使用することができる。そのような遠隔操作システムは、様々な形態の制御されるマニピュレータシステムを含むことができる。例えば、潜水艇、危険物又はデバイス廃棄ユニット、産業用途、(例えば、天候、温度、圧力、放射線又は他の条件に起因する)悪環境及び作業場所での用途、汎用ロボット用途、及び/又は遠隔制御用途(例えば、遠隔制御車両又は一人称ビューを有するデバイス)は、感覚伝送(伝えられる視覚的、聴覚的などの体験)、ワークピースの操作又は他の物理的タスクなどのためのマニピュレータ又はスレーブシステムを含む遠隔操作システムを使用することができ、機械的に接地された及び/又は接地されていない制御入力デバイスを使用して、マニピュレータシステム及びディスプレイシステムを遠隔に制御して、ディスプレマニピュレータシステムの作業場所を見ることがある。いずれかのそのような遠隔操作システムが、本明細書に記載する様々なディスプレイシステム構成のいずれかと共に使用されることができる。
【0260】
図42は、本明細書に記載する1つ以上の実装と共に使用されることができる、例示的マスタ-スレーブシステム4200のブロック図である。
【0261】
図示のように、システム4200は、マスタデバイス4202と通信するスレーブデバイス4204を制御するために、ユーザが操作することがあるマスタデバイス4202を含む。幾つかの実装において、マスタデバイス1002は、本明細書に記載するユーザ制御システムのいずれかであることができ、或いはそれに含まれることができる。幾つかの実施において、スレーブデバイス1004は、図1のマニピュレータシステム104であることができ、或いはそれに含まれることができる。より一般的には、マスタデバイスブロック4202は、ユーザによって物理的に操作されることができる1つ以上の制御入力デバイスを提供する様々なタイプのデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。例えば、マスタデバイス4202は、1つ以上の手コントローラ(例えば、マスタ制御デバイス210及び212又は本明細書に記載する他の手コントローラ)のような1つ以上のマスタ制御デバイスのシステムを含むことができる。
【0262】
マスタデバイス4202は、それらの自由度における1つ以上のコントローラの位置及び向き、状態、及び/又は変化を示す制御信号C1~Cxを生成する。例えば、マスタデバイス4202は、物理的ボタン、手コントローラ状態、及びユーザによる手コントローラの他の操作のような、入力制御装置の選択を示す制御信号を生成することができる。制御信号は、有線接続を介して或いは無線で送信されることができる。
【0263】
制御システム4210は、マスタデバイス4202内に、スレーブデバイス4204内に、或いは別個の装置、例えば、マスタデバイス4202とスレーブデバイス4204との間で通信的に接続される中間デバイス内に含まれることができる。幾つかの実装において、制御システム4210は、これらのデバイスの複数のデバイス間に分散されることができる。
【0264】
例示的なシステムにおいて、制御システム4210は、制御信号C1~Cxを受信し、作動信号Al~Ayを生成し、作動信号は、スレーブデバイス4204に送信される。制御システム4210は、様々なスレーブコンポーネント(例えば、マニピュレータアーム要素)の位置及び向き、状態、及び/又は変化を示すスレーブデバイス4204からのセンサ信号B1~Byも受信することができる。これらの作動信号及び/又はセンサ信号は、有線接続を介して或いは無線で送信されることができる。
【0265】
制御システム4210は、プロセッサ4212、メモリ4214、並びにマスタデバイス4202及びスレーブデバイス4204とそれぞれ通信するためのマスタインターフェース及びスレーブインターフェースのようなインタフェースハードウェア4216及び4218のような、コンポーネントを含むことができる。プロセッサ4212は、本明細書に記載するようにディスプレイユニットからのセンサデータを処理すること並びにモード及びコンポーネントに命令することに関連する動作を含む、システム4200のプログラムコード及び制御演算を実行することができる。プロセッサ4212は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及び他の電子回路を含む、様々なタイプの1つ以上のプロセッサを含むことができる。メモリ4214は、プロセッサによる実行のための命令を格納することができ、任意の適切なプロセッサ読取可能記憶媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどを含むことができる。例えば、プロセッサ4212及びメモリ4214は、マスタ制御デバイス4202とスレーブデバイス4204との間の制御を可能にする。
【0266】
制御システム4210は、本明細書に開示する態様に従って、方法の適切な動作及びブロックを実装するために、プログラムされた命令(例えば、命令を格納するコンピュータ読取可能な媒体)を含む。システムは、複数のデータ処理回路を含んでよく、処理の一部分は、任意に、スレーブデバイス4204上又は隣接して実行され、処理の別の部分は、マスタデバイス4202で実行されるなどである。広範な集中型又は分散型データ処理アーキテクチャのうちのいずれかが使用されてよい。同様に、プログラムされた命令は、多数の別個のプログラム又はサブルーチンとして実装されてよく、或いは、それらは、本明細書に記載する遠隔操作システムの多数の他の態様に統合されてよい。1つの実装において、制御システム4210は、Bluetooth(登録商標)、IrDA、HomeRF、IEEE802.11、DECT及びWireless Telemetryのような、1つ以上の無線通信プロトコルをサポートする。
【0267】
様々な他の入出力デバイスも、制御システム4210に結合されることができる。出力デバイスは、ディスプレイシステム4220のコンポーネントとして1つ以上のディスプレイユニットを含むことができる。例えば、ディスプレイシステム4220は、本明細書に記載するディスプレイシステム300、600、700又は2300と同様であることができる。ディスプレイシステム4220は、制御システム4210からコマンド及び/又はデータ信号Eを受信して、画像、例えば、複数のピクセルから構成されるデジタル画像の表示を引き起こす。画像は、制御システム又は他のシステム(例えば、遠隔操作システムのためのコマンドの選択を可能にするユーザインターフェース内のグラフィカル要素及びアニメーション)によって生成されることができ、且つ/或いは、画像は、スレーブデバイス又は他の場所に位置付けられる画像キャプチャデバイスによってキャプチャされるデータから導出されることができる。ディスプレイシステム4220は、本明細書に記載するような空間内のディスプレイユニット(例えば、ディスプレイユニット306、606、706又は2306)の移動を含む、ディスプレイシステムの機能を制御するために、コマンド信号F1~Fxも制御システム4210に提供する。例えば、コマンド信号F1~Fxは、本明細書に記載するようにユーザ入力デバイスのユーザ操作に基づいて及び/又は検出されるイベント又は他の状態に基づいて生成されることができる。幾つかの実装において、ディスプレイシステム4220は、遠隔操作システム又は制御システム4210の状態に基づいて、コマンドF1~Fxを有効にする或いは無効にする(例えば、追従する或いは無視する)ことができる。
【0268】
この例において、制御システム4210は、モード制御モジュール4240と、制御モードモジュール4250と、非制御モードモジュール4260とを含む。他の実装は、他のモジュール、例えば、力出力制御モジュール、センサ入力信号モジュールなどを使用することができる。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、ハードウェア(例えば、集積回路又は他の回路構成のようなプロセッサ)とソフトウェア(例えば、機械又はプロセッサ実行可能な命令、コマンド、又はファームウェア、プログラミングもしくはオブジェクトコードのようなコード)との組み合わせを指すことができる。ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせは、ハードウェアのみ(すなわち、ソフトウェア要素を持たないハードウェア要素)、ハードウェアによってホストされたソフトウェア(例えば、メモリに格納され、プロセッサによって実行され或いはプロセッサで解釈されるソフトウェア)、又はハードウェアとハードウェアでホストされたソフトウェアとの組み合わせを含むことができる。幾つかの実装において、モジュール4240、4250及び4260は、プロセッサ4212及びメモリ4214、例えば、メモリ4214に格納されたプログラム命令、及び/又は制御システム4210に接続された他のメモリ又は記憶デバイスを使用して実装されることができる。
【0269】
モード制御モジュール4240は、例えば、制御装置のユーザ選択、マスタコントローラを使用するユーザの存在の感知、マスタコントローラの必要とされる操作の感知などによって、ユーザがシステムの制御モード及び非制御モードをいつ開始するかを検出することができる。モード制御モジュールは、1つ以上の制御信号C1~Cxに基づいて制御システム4210の制御モード又は非制御モードを設定することができる。例えば、モード制御モジュール4240は、ユーザ検出モジュールが、ユーザが制御入力デバイスを使用するために適切な位置にあるユーザ及びユーザが制御入力デバイスに接触したことを示す信号(例えば、1つ以上の信号C1~Cx)を検出するならば、制御モード動作をアクティブ化することがある。モード制御モジュール4240は、ユーザ接触が制御入力デバイスで検出されないならば及び/又は如何なるユーザも制御入力デバイスを使用する適切な位置にないならば、制御モードを無効にすることがある。例えば、モード制御モジュール4240は、制御システム4210に通知するか、或いは制御モードモジュール4250に直接的に情報を送信して、制御モードモジュール4250がスレーブデバイス4204を移動させる作動信号Al~Anを生成することを防止することができる。
【0270】
幾つかの実施において、制御モードモジュール4250は、制御システム4210の制御モードを制御するために使用されてよい。制御モードモジュール4250は、制御信号C1~Cxを受信することができ、スレーブデバイス4204のアクチュエータを制御し、例えば、スレーブデバイス4204の動作がマスタデバイス4202の動作のマッピングに対応するように、スレーブデバイス4204をマスタデバイス4202の動作に従わせる、作動信号Al~Ayを生成することができる。制御モードモジュール4250は、従来の技術を使用して実装されることができる。幾つかの実装において、制御モードモジュール4250は、マスタデバイス4202上の力を制御するためにも使用されることができる。例えば、力は、コンポーネントに力を加えるために使用されるアクチュエータへの1つ以上の制御信号D1~Dx出力を使用して、マスタ制御デバイスの1つ以上のコンポーネント、例えば、ハンドグリップ部材又は制御入力デバイスの機械的リンクに対して出力されることができる。そのような力は、触覚フィードバック、重力補償などを提供することができる。
【0271】
幾つかの実施において、非制御モードモジュール4260は、システム4200の非制御モードを制御するために使用されてよい。非制御モードにおいて、マスタデバイス4202のユーザ操作は、スレーブ4204の1つ以上のコンポーネントの移動に影響を有さない。幾つかの例において、非制御モードは、スレーブデバイス4204の一部分、例えば、マニピュレータアームアセンブリが、マスタデバイス4202によって制御されず、むしろ、空間内で浮遊し、手動で移動されることがあるときに、使用されてよい。非制御モードにおいて、非制御モードモジュール4260は、スレーブデバイス4204内のアクチュエータシステムが自由に回転することを可能にしてよく、或いは、例えば、マニピュレータアーム内のモータが、重力に対するアームの予想重量を支持することを可能にするために、作動信号Al~Anを生成してよく、その場合、アーム内のブレーキは係合されず、アームの手動移動を可能にする。
【0272】
幾つかの実装において、非制御モードは、制御システム4210の1つ以上の他の動作モードを含むことができる。例えば、非制御モードは、選択モードであることができ、選択モードでは、制御入力デバイスの制御装置の選択及び/又はその自由度のうち1つ以上における制御入力デバイスの移動が、例えば、ディスプレイシステム4220及び/又は他のディスプレイデバイスによって表示されるグラフィカルユーザインターフェースにおける表示されるオプションの選択を制御することができる。視認モードは、制御入力デバイスの移動が、スレーブデバイス4204に含まれないことがある、撮像デバイス(例えば、カメラ)から提供される表示、又は撮像デバイスの移動を制御することを可能にすることができる。制御信号C1~Cxは、そのような要素(例えば、カーソル、ビューなど)を制御するために、非制御モードモジュール4260によって使用されることができ、制御信号D1~Dxは、そのような非制御モードの間に制御入力デバイスに対する力の出力を引き起こし、例えば、そのようなモードの間に生じるユーザ相互作用又はイベントを示すために、非制御モードモジュールによって決定されることができる。
【0273】
本明細書に記載する実装は、少なくとも部分的に、コンピュータ上で実行されることができる、コンピュータプログラム命令又はコードによって実装されてよい。例えば、コードは、1つ以上のデジタルプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ又は他の処理回路構成)によって実装されてよい。命令は、非一時的コンピュータ読取可能な媒体(例えば、記憶媒体)を含むコンピュータプログラム製品に格納されることができ、その場合、コンピュータ読取可能な媒体は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、剛体磁気ディスク、光ディスク、メモリカード、ソリッドステートメモリドライブなどを含む、磁気、光学、電磁気又は半導体記憶媒体を含むことができる。この媒体は、データ及び実行可能な命令のダウンロードを提供するインターネットのようなネットワークに接続されるサーバ又は他のデバイスであってよく、或いはそれに含まれてよい。代替的に、実装は、ハードウェア(論理ゲートなど)内にあることができ、或いはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ内にあることができる。例示的なハードウェアは、プログラマブルプロセッサ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複雑なプログラマブルロジックデバイス)、汎用プロセッサ、グラフィックスプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び同等物であることができる。
【0274】
本開示に記載する機能ブロック、動作、構成、方法、デバイス及びシステムは、当業者に知られていることがあるようなシステム、デバイス及び機能ブロックの異なる組み合わせに統合又は分割されてよいことに留意されたい。
【0275】
図示の例に従って本実装を記載したが、当業者は、実装に対する変形があり得ること並びにそれらの変形が本開示の範囲内にあることを容易に認識するであろう。従って、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの修正を行うことがある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の支持体と、
前記第1の支持体に結合される第2の支持体と、
前記第2の支持体に回転可能に結合されるディスプレイユニットと、
第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ及び第3のアクチュエータと、
前記ディスプレイユニットに結合される手動入力デバイスと、を含
前記第2の支持体は、前記第1の支持体に対して第1の自由度において第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、前記第2の支持体の少なくとも部分は、前記第1の支持体に対して第2の自由度において第2の軸に沿って直線的に並進可能であり、
前記ディスプレイユニットは、前記第2の支持体に対して第3の自由度において第3の軸について回転可能であり
前記第1のアクチュエータは、前記第1の自由度において前記ディスプレイユニットに対して第1の力を出力するように構成され、前記第2のアクチュエータは、前記第2の自由度において前記ディスプレイユニットに対して第2の力を出力するように構成され、前記第3のアクチュエータは、前記第3の自由度において前記ディスプレイユニットに対して第3の力を出力するように構成され、
前記手動入力デバイスは、前記手動入力デバイスのユーザ操作に基づく制御信号を、前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ及び前記第3のアクチュエータに提供して、前記第1の自由度における前記第2の支持体の直線的な並進、前記第2の自由度における前記第2の支持体の前記少なくとも部分の直線的な並進及び前記第3の自由度における前記ディスプレイユニットの回転を引き起こす、力の出力を引き起こして、前記手動入力デバイスの前記ユーザ操作に従って前記ディスプレイユニットの作業空間内で前記ディスプレイユニットの移動をもたらすように作動する、
制御ユニット。
【請求項2】
前期第1の支持体は、第1の伸縮自在なベース部分と、第2の伸縮自在なベース部分とを含み、
前記第2の伸縮自在なベース部分は、前記第1の伸縮自在なベース部分に対して前記第1の軸に沿って直線的に並進可能であり、
前記第2の支持体は、第1の伸縮自在なアーム部分と、第2の伸縮自在なアーム部分とを含み、
前記第2の伸縮自在なアーム部分は、前記第1の伸縮自在なアーム部分に対して前記第2の軸に沿って直線的に並進可能であり、
前記第1の支持体の前記第2の伸縮自在なベース部分は、前記第2の支持体の前記第1の伸縮自在なアーム部分に強固に結合される、
請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記第2の支持体は、中間支持体によって前記第1の支持体に結合され、
前記中間支持体は、垂直部分に強固に結合される水平部分を含み、前記水平部分及び前記垂直部分は、互いに対して直交し、
前記第2の支持体は、前記中間支持体に対して前記第2の自由度において水平に並進可能であり、
前記中間支持体及び前記第2の支持体は、前記第1の支持体に対して前記第1の自由度において垂直に並進可能である、
請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項4】
前記第2の支持体の前記少なくとも部分に回転可能に結合される傾斜部材を更に含み、
前記ディスプレイユニットは、前記傾斜部材に結合され、
前記傾斜部材は、前記第3の自由度において前記第3の軸について回転可能であり、
前記第3の軸は、前記第1の軸に対して直交し、前記第2の軸に対して直交する、
請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の制御ユニット。
【請求項5】
前記傾斜部材の第1の端が、前記第2の支持体の端に結合され、
前記ディスプレイユニットは、前記傾斜部材の第2の端に結合され、
前記傾斜部材は、前記傾斜部材の前記第1の端から前記第1の支持体に向かって延びる、
請求項4に記載の制御ユニット。
【請求項6】
前記ディスプレイユニットは、第4の自由度において前記傾斜部材に対して第4の軸について回転可能であり、
前記第4の軸は、前記第3の軸に対して直交する、
請求項4に記載の制御ユニット。
【請求項7】
前記第4の自由度において前記第4の軸について前記ディスプレイユニットに対して力を出力するように構成される第4のアクチュエータを更に含む、請求項6に記載の制御ユニット。
【請求項8】
前記傾斜部材に結合される湾曲トラックを更に含み、前記ディスプレイユニットは、前記湾曲トラックに結合され、前記第4の自由度において前記第4の軸について回転可能であるように前記湾曲トラックによって案内される、請求項7に記載の制御ユニット。
【請求項9】
前記第2の支持体の前記部分は、2つのヨーク部材を含むヨーク部分を含み、
前記ディスプレイユニットは、前記2つのヨーク部材に回転可能に結合され、前記2つのヨーク部材の間に位置付けられる、
請求項1~8のうちのいずれか1項に記載の制御ユニット。
【請求項10】
前記ディスプレイユニットは、頭入力デバイスを含み、前記頭入力デバイスは、前記ディスプレイユニットに設けられ、ユーザの頭から頭入力を受信することに基づく頭制御信号を、前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ及び前記第3のアクチュエータに提供して、前記第1の自由度における前記第2の支持体の前記直線的な並進、前記第2の自由度における前記第2の支持体の前記少なくとも部分の前記直線的な並進及び前記第3の自由度における前記ディスプレイユニットの前記回転を引き起こす、力の出力を引き起こすように構成される、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載の制御ユニット。
【請求項11】
前記ディスプレイユニットの前記作業空間内の前記ディスプレイユニットの前記移動は、前記制御ユニットの如何なる機械的ジョイントの回転軸にも対応しない画定されたピボット軸についての前記ディスプレイユニットの回転を含み、
前記画定されたピボット軸は、前記手動入力デバイスを通じて延び、
前記手動入力デバイスは、前記ディスプレイユニット及び前記手動入力デバイスを作動させるユーザの手によって操作可能である、
請求項1~9のうちのいずれか1項に記載の制御ユニット。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ及び前記第3のアクチュエータは、前記第1の力、前記第2の力及び前記第3の力を組み合わせにおいて出力して、前記制御ユニットの如何なる機械的ジョイントの回転軸にも対応しない画定されたピボット軸についての前記ディスプレイユニットの回転を引き起こすように構成される、請求項1~10のうちのいずれか1項に記載の制御ユニット。
【請求項13】
前記画定されたピボット軸は、ユーザが前記ディスプレイユニットを作動させるときに、前記画定されたピボット軸が前記ユーザの首を通じて延びるような場所に位置付けられ、
前記画定されたピボット軸は、頭入力デバイスを通じて延び、前記頭入力デバイスは、頭入力デバイスを作動させるユーザの前頭部と接触するように構成される前記頭入力デバイス上の点で前記ディスプレイユニットに設けられ、或いは、
前記画定されたピボット軸は、前記ディスプレイユニットを作動させる前記ユーザの眼を通じて延びる眼軸と一致する、
請求項12に記載の制御ユニット。
【請求項14】
前記画定されたピボット軸は、前記画定されたピボット軸の場所を画定する前記制御ユニットへのユーザ入力に基づいて空間内で調整可能である、請求項12又は13に記載の制御ユニット。
【請求項15】
前記制御ユニットは、遠隔操作マニピュレータシステムの1つ以上の機能を制御するためにユーザによって操作可能な制御入力デバイスを含むデバイスに結合され、前記1つ以上の機能は、前記遠隔操作マニピュレータシステムのアクチュエータに、前記制御入力デバイスの操作に従って前記遠隔操作マニピュレータシステムの画像キャプチャデバイスを移動させることを含み、画像データは、前記画像キャプチャデバイスから受信され、前記ディスプレイユニットによって表示される、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載の制御ユニット。
【請求項16】
ディスプレイユニットに結合される手動入力デバイスでユーザ入力を受信することと、
前記手動入力デバイスのユーザ操作に基づいて前記手動入力デバイスから制御信号を提供することと、
前記ディスプレイユニットに結合される支持リンク機構によって提供される1つ以上の自由度において前記ディスプレイユニットの移動を引き起こすことと、を含み、前記移動は、前記制御信号に基づき、前記移動を引き起こすことは、
第1のアクチュエータを制御して、第1の自由度において第1の軸に沿って前記支持リンク機構の第2のリンクを前記支持リンク機構の第1のリンクに対して直接的に並進させることと、
第2のアクチュエータを制御して、第2の自由度において第2の軸に沿って前記第2のリンクの部分を前記第1のリンクに対して直接的に並進させることと、
第3のアクチュエータを制御して、前記ディスプレイユニットを前記第2のリンクに対して第3の自由度において第3の軸について回転させることと、を含む、
方法。
【外国語明細書】