(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001336
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】雄コネクタ及び雌コネクタ用のユニバーサル単回使用キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/20 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A61M39/20
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188284
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2020555475の分割
【原出願日】2019-04-09
(31)【優先権主張番号】62/655,591
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】オースティン ジェイソン マッキノン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は従って、消毒プロセスを簡素化させる複数タイプのコネクタを収容することが出来る消毒装置を提供する。
【解決手段】装置100は、キャップであって、第一の開口末端を有する第一のチャンバを規定する長さの第一の環状壁を備えた第一の末端及び、第二の開口末端128を有する第二のチャンバ126を規定する長さの第二の環状壁120を備えた第二の末端118を、備え、前記第一のチャンバ及び前記第二のチャンバ126は、それぞれ吸収材料及び消毒又は抗菌剤を含む、キャップ。前記第一のチャンバから消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止する第一の開口末端上の第一のシール、及び、前記第二のチャンバから消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止する第二の開口末端上の第二のシールを備え、前記第一の環状壁は、外側壁表面及び内側壁表面を有し、前記内側壁表面が複数の内側ねじ山を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタに連結するための装置(100)であって、
前記装置(100)は、
キャップ102)であって、第一の開口末端(116)を有する第一のチャンバ(114)を規定する長さの第一の環状壁(108)を備えた第一の末端(106)及び、第二の開口末端(128)を有する第二のチャンバ(126)を規定する長さの第二の環状壁(120)を備えた第二の末端(118)を、備え、前記第一のチャンバ(114)及び前記第二のチャンバ(128)は、それぞれ吸収材料(130)及び消毒又は抗菌剤を含む、キャップ;
前記第一のチャンバ(114)から消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止する第一の開口末端(116)上の第一のシール(150)、及び、前記第二のチャンバ(126)から消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止する第二の開口末端(128)上の第二のシール(160);を備え、
前記第一の環状壁(108)は、外側壁表面(110)及び内側壁表面(112)を有し、前記内側壁表面(112)が複数の内側ねじ山(170)を備え;及び、
前記第二の環状壁(120)は、外側壁表面(122)及び内側壁表面(124)を有し、前記外側壁表面(122)が複数の外側ねじ山(180)を備え、
前記キャップ(120)は、一体型本体(104)並びに、前記第一のチャンバ(114)及び前記第二のチャンバ(126)の間に配置されたバリア壁(140)を備え、
前記第一のチャンバ中の吸収材料は、ストップコックの末端表面に対応する又は、ストップコックのルーメンを収容する一つ以上の同心円シリンダー形状の溝を備え、
エラストメリックシールが、前記第一のチャンバ内に配置され、そして、吸収材料を囲み、雌ルアーコネクタをシールし、
前記複数の内側ねじ山(170)は、雌ルアーコネクタへの連結に適用され、
前記複数の外側ねじ山(180)は、雄ルアーコネクタへの連結に適用される;装置。
【請求項2】
前記外側ねじ山(180)は、第二の開口末端(128)から第二の環状壁(120)の長さの2分の一以下に沿って延びる、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記内側ねじ山(170)は、内側壁表面(112)の長さに沿って部分的に延びる、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記内側ねじ山(170)は、内側壁表面(112)の長さに沿って完全に延びる、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記吸収材料(130)は、フォームである、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記フォームは、ポリウレタンフォームである、請求項5に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記一つ以上の溝(132)は、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、又は血液透析コネクタを受け取るようにサイズが調整されて、そして適用されている請求項1に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記吸収材料(130)は、一つ以上のスリット(136)を備えた、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記一つ以上のスリット(136)は、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、又は血液透析コネクタを受け取るようにサイズが調整されて、そして適用されている、請求項8に記載の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本開示は、例えば、雄ルアー及び雌ルアーフィッティングで、アクセスポートを消毒及び滅菌するための装置、並びに、特に、複数のタイプのコネクタを収容することが出来る装置を消毒及び滅菌することに関する。
【背景技術】
【0002】
血管アクセスデバイス(VAD)は、一般的に使用される治療装置であり、静脈内(IV)カテーテルを含む。VADには、末梢血管カテーテルと、中心静脈カテーテルの2つの一般的分類がある。細菌及び他の微生物は、患者の血管システムへアスセスハブ及び、ポート/バルブから、VADへ流体又は医薬を送達させるために、侵入を得るかもしれない。各アクセスハブ(ポート/バルブ又は結合)は、高いコストで致死的な可能性になる、カテーテル関連血流感染(CRBSI)を感染させる危険に関連している。
【0003】
カテーテル関連血流感染(CRBSI)の件数を減少させるため、及び、VADが正確に使用され且つ維持されるように、消毒し且つ洗浄する方法を含む標準的なやり方が開発されている。
【0004】
消毒キャップは、米国医療疫学学会(SHEA)ガイドラインに加えられており、および早期指摘は、キャップは、また、2016輸液看護師基準(INS)ガイドラインにも組み入れられるであろうということである。
【0005】
発展した市場において、IVカテーテルを利用するとき、無針コネクタは、典型的には、システムを遮断するために使用され、および次いでその後に、薬物または他の必要な流体を、カテーテルを介して患者に投与するためにアクセスされる。INS実施基準(INS Standards of Practice)は、無針コネクタの使用を推奨し、および「各アクセスの前に、アルコール、ヨウ素のチンキ剤またはグルコン酸クロルヘキシジン/アルコールの組み合わせを使用して一貫しておよび完全に消毒される」べきであることを表明している。無針コネクタの消毒は、表面上に生存しておりおよび前に記載されたCRBSIイベントを含む様々なカテーテル関連合併症をもたらす可能性のあるバクテリアの減少に役立つことが最終的に意図される。看護師は、典型的には70%IPAアルコールパッドを利用して「ハブをこすり洗いすること(scrubbing the hub)」として知られていることを行うことによって、この消毒タスクを完了することとなる。しかしながら、この実務に対するコンプライアンスは、典型的には非常に低い。「ハブをこすり洗いすること」に対するコンプライアンスの欠如に加えて、また、臨床医インタビューを通して、こすり洗い時間、乾燥時間、および無針コネクタがこすり洗いされる回数にしばしば変動があることも知られている。
【0006】
CRBSIを生じさせ得る微生物の感染に関連した一連の手段を介して、接触又は汚染の大きな危険がある。汚染は薬剤混合中、カニューレ接続中、アクセルハブへの挿入中に生じ得る。VADに接続させる手段はあまりにも一般的で且つ単純であるため、患者の血管システム中への挿入に関連した危険はしばしば見過ごされてきた。現在、病院及び患者に対する危険は、接続を行う医者の努力により実質的に機能しており、そして、この努力はほぼ、制御不能である。
【0007】
現在、雄無針コネクタ、雌無針コネクタ、静脈内(IV)、及び、血管透析ラインは異なるデザインを使用し、そして、したがって、キャップを付着させるためのコネクタのタイプは限定されている。従って、消毒プロセスを簡素化させる複数タイプのコネクタを収容することが出来る消毒装置のニーズが存在する。複数日数の連続した消毒をすることが出来る消毒装置のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
本開示の第一の実施態様は、医療用コネクタに連結するための装置に関する。本開示の具体的実施形態に従うと、この装置は、一般的に、キャップ、第一のチャンバ、第二のチャンバ、第一のチャンバ及び第二のチャンバの間に配置されたバリア壁、第一のシール、第二のシール、複数の内側ねじ山を備えた第一の環状壁、複数の外側ねじ山を備えた第二の環状壁、並び、吸収材料、及び消毒剤又は抗菌剤を備える。このキャップは、一体型本体、第一の開口末端を有する第一のチャンバを規定する長さを有する第一の環状壁を備えた第一の末端及び、第二の開口末端を有する第二のチャンバを規定する長さを有する第二の環状壁を備えた第二の末端を備える。第一のチャンバは、吸収材料及び、消毒又は抗菌剤を含む。第二のチャンバは、吸収材料及び、消毒又は抗菌剤を含む。バリア壁は第一のチャンバ及び第二のチャンバの間に配置される。第一の開口末端上の第一のシールは、第一のチャンバから消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止し、そして、第二の開口末端上の第二のシールは、第二のチャンバから消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止する。1つ以上の実施形態で、キャップの環状壁は円錐台形形状である。
【0009】
第一の環状壁は、外側壁表面及び内側壁表面を備え、内側壁表面は、複数の内側ねじ山を備える。1つ以上の実施形態で、内側ねじ山は内側壁表面の長さに沿って部分的に延びる。1つ以上の実施形態で、内側ねじ山は内側壁表面の長さに沿って全体に延びる。1つ以上の実施形態で、複数の内側ねじ山は雌ルアーコネクタと連結するために適用される。1つ以上の実施形態で、雄コネクタは静脈チューピング末端である。第二の環状壁は、外側壁表面及び内側壁表面を備え、外側壁表面は、複数の外側ねじ山を備える。1つ以上の実施形態で、複数の外側ねじ山は雄ルアーコネクタと連結するために適用される。1つ以上の実施形態で、外側ねじ山は第二開口末端から第二の環状壁の長さの2分の一以下に沿って延びる。1つ以上の実施形態で、雌コネクタは、無針コネクタ、ストップコック、及び、血液透析コネクタから本質的になる群から選択される。
【0010】
キャップは、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又は、医療用装置で使用される他の成型可能なプラスチック材料のような多数のタイプのプラスチック材料から作成される。1つ以上の実施形態で、キャップは、ポリプロピレン、又は、ポリエチレン材料を含む。
【0011】
1つ以上の実施形態で、吸収材料は、不織布材料、フォーム、又は、スポンジである。特定の実施形態で、フォームは、ポリウレタンフォームである。1つ以上の実施形態で、吸収材料は、一つ以上の溝を含む。1つ以上の実施形態で、一つ以上の溝は、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、又は血液透析コネクタを受け取るようにサイズが調整されて、適用される。1つ以上の実施形態で、一つ以上の溝は、一つ以上の同心円シリンダー形状の溝を備える。1つ以上の実施形態で、同心円シリンダー形状の溝はストップコックの末端面に対応する。1つ以上の実施形態で、同心円シリンダー形状の溝は、ストップコックのルーメンを収容する。1つ以上の実施形態で、吸収材料は、1つ以上のスリットを備える。1つ以上の実施形態で、1つ以上のスリットは、雄ルアーコネクタは、雌ルアーコネクタ又は、血液透析コネクタを受け取るようにサイズが調整されて、適用される。1つ以上の実施形態で、吸収材料は、内側ねじ山による放射状圧縮下で、チャンバ中に吸収材料を保持する。1つ以上の実施形態で、吸収材料は、内側ねじ山による放射状圧縮なしにチャンバ中に保持される。
【0012】
1つ以上の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロヘキシノール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルカネート、プビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、ジヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド化銀、塩化ベンゾチタニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテンヨード、抗生物質、及び、これらの混合物から、本質的になる群から選択される。特定の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、クロロヘキシジングルカネート、および、クロロヘキシジンジアセテートの少なくとも一つを含む。1つ以上の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、流体又はゲルである。
【0013】
1つ以上の実施形態で、第一のチャンバ中の吸収材料は、雄ルアーコネクタへの連結で圧縮して雄ルアーコネクタを消毒する。1つ以上の実施形態で、第二のチャンバ中の吸収材料は、雌ルアーコネクタへの連結で圧縮して雌ルアーコネクタを消毒する。
【0014】
1つ以上の実施形態で、第一のシール及び第二のシールは、剥離可能なシールである。1つ以上の実施形態で、剥離可能なシールは、アルミニウム又は複数層のポリマーフィルム剥離バックトップを備える。1つ以上の実施形態で、第一のシールは第一の開口末端をヒートシール又は誘導シールして、第一のチャンバ中に吸収材料を保持する。1つ以上の実施形態で、第二のシールは第二の開口末端をヒートシール又は誘導シールして、第二のチャンバ中に吸収材料を保持する。
【0015】
1つ以上の実施形態で、第一の環状壁の外側壁表面は、複数のグリップメンバーを備える。1つ以上の実施形態で、複数のグリップメンバーはキャップの外側壁表面の長さ沿って全体に延びる。別の実施形態で、複数のグリップメンバーはキャップの外側壁表面の長さに沿って部分的に延びる。1つ以上の実施形態で、複数のグリップメンバーは細長い。1つ以上の実施形態で、複数のグリップメンバーは先が細くなる。
【0016】
本開示の第二の実施態様は、医療用コネクタを消毒する方法に関する。1つ以上の実施形態で、この方法は、医療用コネクタを消毒する方法は、第一のシールを除去し、雄ルアーコネクタを第一の開口末端に連結させ、第一のチャンバ中で吸収材料は圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雄ルアーコネクタを消毒することを含む。代わりの実施形態で、医療用コネクタを消毒する方法は、第二のシールを除去し、雌ルアーコネクタを第二の開口末端に連結させ、第二のチャンバ中で吸収材料は圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雌ルアーコネクタを消毒することを含む。別の実施形態で、医療用コネクタを消毒する方法は、第一のシールを除去し、雄ルアーコネクタを第一の開口末端に連結させ、第一のチャンバ中で吸収材料は圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雄ルアーコネクタを消毒し、第二のシールを除去し、雌ルアーコネクタを第二の開口末端に連結させ、第二のチャンバ中で吸収材料は圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雌ルアーコネクタを消毒することを含む。
【0017】
本開示の第三の実施態様は、組立品に関する。組立品は、医療用コネクタに連結された1つ以上の実施形態の装置を備える。1つ以上の実施形態で、医療用コネクタは、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、無針コネクタ、ストップコック、及び、血液透析コネクタからから選択される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本開示の装置の実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の装置の実施形態の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の装置の実施形態の斜視図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の装置の実施形態の拡大斜視図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の装置の実施形態の拡大斜視図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の装置の実施形態の第一の末端からの上部図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の装置の実施形態の第二の末端からの上部図を示す。
【
図8】
図8は、第一のシール及び第二のシールを有する本開示の装置の実施形態の側面断面拡大図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の装置の実施形態の側面断面図を示す。
【
図10】
図10は、
図1の線10-10に沿って切り取られた本開示の装置の実施形態の部分断面図を示す。
【
図11】
図11は、本開示の装置の実施形態の第一のシール又は第二のシールの斜視図を示す。
【
図12】
図12は、雌コネクタとの連結のために適用された本開示の装置の実施形態の吸収材料の斜視図を示す。
【
図13】
図13は、雌コネクタとの連結のために適用された本開示の装置の実施形態の吸収材料の斜視図を示す。
【
図14】
図14は、雄コネクタとの連結のために適用された本開示の装置の実施形態の吸収材料の斜視図を示す。
【
図15】
図15は、本開示の装置の代わりの実施形態の斜視図を示す。
【
図16】
図16は、本開示の装置の代わりの実施形態の拡大斜視図を示す。
【
図17】
図17は、本開示の装置の代わりの実施形態の拡大斜視図を示す。
【
図18】
図18は、
図15の線18-18に沿って切り取られた本開示の装置の代わりの実施形態を示す部分断面図を示す。
【
図21】
図21は、
図15の線18-18に沿って切り取られた本開示の代わりの実施形態に従った雌ルアーコネクタへの
図15の装置の連結を示す部分断面図を示す。
【
図23】
図23は、従来技術のセプタム付き雌ルアーコネクタの斜視図を示す。
【
図24】
図24は、従来技術のストップコック付き雌ルアーコネクタの斜視図を示す。
【
図25】
図25は、従来技術の雄ルアーコネクタの斜視図を示す。
【
図26】
図26は、従来技術の血液透析コネクタの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の複数の具体的な実施形態を述べる前に、この開示は、以下の説明当の構成又は方法ステップの詳細に制限するものとして考慮されるべきでないことを理解するべきである。
この開示は、他の実施態様を可能にするものであり、且つ、多様なやり方で行い又は実施することが出来るものである。
【0020】
この開示の実施形態は、雄ルアーコネクタ及び雌ルアーコネクタを含む、医療用コネクタへの連結及び、消毒のためのユニバーサル1回使用装置に関する。本開示の装置は、無針コネクタ、IVライン/延長部分上の雄ルアーコネクタ、ストップコック上の開口雌ルアーコネクタ、及び血液透析コネクタを含むアクセスポートと一緒に、消毒目的に使用しても良い。本開示の装置は、コネクタに対して機械的バリアを提供し、且つ、消毒のための抗菌剤を含む。本開示の装置は、実施者の消毒プロセスを簡易化させる。
【0021】
本開示で使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0022】
本明細書において、「a」、「an」及び「the」は、単数及び複数を含むものである。
【0023】
本明細書において、用語「カテーテル関連血流感染」又は、「CRBSI」は、カテーテル又はIVライン存在により生じる感染を意味する。
【0024】
本明細書において、用語「ルアーコネクタ」は、シリンジ、カテーテル、ハブ針、IVチューブなどを、相互に接続させる標準的な方法である連結カラーを言う。ルアーコネクタは、僅かに先が細くなり、単なる圧力/はめ込みフィットで良く相互に保持する、雄及び雌の連結(interlock)チュープ、を備える。ルアーコネクタは任意選択的にねじ山の外側リムを追加で備えることが出来て、ルアーコネクタをより安全にさせることが出来る。ルアーコネクタの雄端は、一般的にフラッシュシリンジを一般的に結合され、血管アクセスデバイス(VAD)上に位置する雌端に連結及び接続できる。ルアーコネクタは、遠位端、近位端、不規則形状の外側壁、シリンジのバレルのチャンバからVADのハブに流体連通するプロファイル中央通路を備える。ルアーコネクタは、ルアーコネクタをVADのハブに剥離可能に付けた遠位端チャネル、及び、ルアーコネクタをシリンジのバレルに剥離可能に付ける近位端チャネルも有する。
【0025】
図1-10を参照しつつ、本開示の具体的な実施形態に従った医療用コネクタに連結するための装置100は、一般的に、キャップ202、第一のチャンバ114、第二のチャンバ126、第一のチャンバ114及び第二のチャンバ126の間に配置されたバリア壁140、第一のシール150、第二のシール160、複数の内側ねじ山170を備えた第一の環状壁108、複数の外側ねじ山180を備えた第二の環状壁120並び、吸収材料130、及び消毒剤又は抗菌剤を備える。このキャップ202は、一体型本体104、第一の開口末端116を有する第一のチャンバ114を規定する長さL
faを有する第一の環状壁108を備えた第一の末端106及び、第二の開口末端128を有する第二のチャンバ126を規定する長さL
saを有する第二の環状壁120を備えた第二の末端118を備える。第一のチャンバ114は、吸収材料130及び、消毒又は抗菌剤を含む。第二のチャンバ126は、吸収材料130及び、消毒又は抗菌剤を含む。バリア壁140は第一のチャンバ114及び第二のチャンバ126の間に配置される。バリア壁140は第一のチャンバ114と、第二のチャンバ126とを分離し、雄ルアー消毒及び雌ルアー消毒の間の独立性を維持する。非消毒側上の第一のシール150又は第二のシール160が故意なく除去又は損傷した場合にも、バリア壁140は消毒側を、キャップ102を介した漏れから、例えば、IVチュービング又はストップコックなどの連結からの流体を防止することにより、無菌に維持することが出来る。
【0026】
第一の開口末端上116の第一のシール150は、第一のチャンバ114から消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止し、そして、第二の開口末端上128の第二のシール160は、第二のチャンバ126から消毒剤又は抗菌剤が出ることを防止する。1つ以上の実施形態で、第一の環状壁108から第二の環状壁120へ延びるキャップ102の環状壁は円錐台形形状である。
【0027】
第一の環状壁108は、外側壁表面110及び内側壁表面112を備え、内側壁表面112は、複数の内側ねじ山を170備える。1つ以上の実施形態で、内側ねじ山170は内側壁表面112の長さに沿って部分的に延びる。1つ以上の実施形態で、内側ねじ山170は内側壁表面112の長さに沿って全体に延びる。1つ以上の実施形態で、複数の内側ねじ山170は雌ルアーコネクタ300と連結するために適用される。1つ以上の実施形態で、雌ルアーコネクタ300は、無針コネクタ、ストップコック、及び/又は、血液透析コネクタを備えることも出来る。1つ以上の実施形態で、無針コネクタは、Q-Syteコネクタ、MaxPlus, MaxPlus Clear, MaxZero, UltraSite, Caresite, InVision-Plus, Safeline, OneLink, V-Link, ClearLink, NeutraClear, Clave, MicroClave, MicroClave Clear, Neutron, NanoClave, Kendall, Nexus, InVision, Vadsite, Bionectorなどから選択される。第二の環状壁120は、外側壁表面122及び内側壁表面124を備え、外側壁表面122は、複数の外側ねじ山180を備える。1つ以上の実施形態で、複数の外側ねじ山180は雄ルアーコネクタ400と連結するために適用される。1つ以上の実施形態で、外側ねじ山180は第二の開口末端128から第二の環状壁120の長さの2分の一以下に沿って延びる。1つ以上の実施形態で、雄コネクタは静脈チューピング末端である。
【0028】
1つ以上の実施形態で、雌コネクタ200は、無針コネクタ、カテーテルルアーコネクタ、ストップコック、及び/又は、血液透析コネクタ500を備えても良い。1つ以上の実施形態で、雌コネクタは、雌ルアーコネクタを含む。
【0029】
1つ以上の実施形態で、雄コネクタ400は、静脈チューピング末端、ストップコック、又は雄ロックルアーを備えても良い。1つ以上の実施形態で、雄コネクタは、雄ルアーコネクタを含む。
【0030】
1つ以上の実施形態で、内側ねじ山170は、キャップの第一のチャンバ114の底に隣接して配置され、部分的にキャップの内側壁表面112の長さに沿って部分的に延びる。
【0031】
1つ以上の実施形態で、雄ルアーコネクタは、複数の外側ねじ山180と係合してチャンバ中に挿入される。
【0032】
1つ以上の実施形態で、第一の環状壁108から第二の環状壁120へ延びるキャップ102の環状壁は円錐台形形状である。
【0033】
キャップ102は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又は、医療用装置で使用される他の成型可能なプラスチック材料のような多数のタイプのプラスチック材料から作成される。1つ以上の実施形態で、キャップ102は、ポリプロピレン、又は、ポリエチレン材料を含む。1つ以上の実施形態で、第一の環状壁108の外側壁表面110は、複数のグリップメンバー190を備える。
【0034】
吸収材料130の具体的な実施形態を、
図12-14に示す。1つ以上の実施形態で、吸収材料は、不織布材料、フォーム、又は、スポンジである。特定の実施形態で、フォームは、ポリウレタンフォームである。1つ以上の実施形態で、吸収材料130は、一つ以上の溝132を含む。1つ以上の実施形態で、
図12-14に示すように、一つ以上の溝132は、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、又は血液透析コネクタを受け取るようにサイズが調整されて、そして、適用されている。1つ以上の実施形態で、
図13に示すように、一つ以上の溝132は、吸収材料の側壁上に配置され、そして、第一のチャンバ及び/又は第二のチャンバの内側壁上に配置される対応するねじ山を受け取るようにサイズが調整されて、そして、適用されている。1つ以上の実施形態で、
図12-13に示すように、一つ以上の溝132は、消毒剤又は抗菌剤を有する吸収材料中に切り込まれている一つ以上の同心円シリンダー形状の溝134を含む。1つ以上の実施形態で、例えば、
図12-13に示すように、同心円シリンダー形状の溝134はストップコックの末端面に対応する。
1つ以上の実施形態で、同心円シリンダー形状の溝は、ストップコックのルーメンを収容し、ストップコックのルーメンの洗浄を促進させる。特定の実施形態で、ストップコックが装置100のチャンバ上にねじ込まれるとき、吸収材料の同心円シリンダー形状の溝は、ストップコックのルーメン中に挿入され、ストップコックの内側を滅菌する。1つ以上の実施形態で、吸収材料130は、1つ以上のスリット136を備える。1つ以上の実施形態で、1つ以上のスリット136は、雄ルアーコネクタ400、雌ルアーコネクタ300又は、血液透析コネクタ500を受け取るようにサイズが調整されて、そして、適用されている。特定の実施形態で、吸収材料130は、フォームプラグの形状である。1つ以上の実施形態で、吸収材料130は、内側ねじ山170による放射状圧縮下で、チャンバ中に吸収材料を保持する。1つ以上の実施形態で、吸収材料は、内側ねじ山による放射状圧縮なしに、チャンバ中に保持される。
【0035】
キャップの第一のチャンバ114中及び/又は第二のチャンバ126中に消毒又は抗菌剤を組み入れることにより、ルアーコネクタを使用するときに、装置100は消毒を達成することが出来る。消毒又は抗菌剤は、チャンバ114中及び/又は第二のチャンバ126中に直接含ませることが出来、又は、消毒又は抗菌剤は、チャンバ114中及び/又は第二のチャンバ126中に充填する吸収材料130中に吸収させることも出来る。装置100は、多様な消毒剤と相互作用があり互換性があるようにデザインされている。1つ以上の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロヘキシノール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルカネート、プビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、ジヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド化銀、塩化ベンゾチタニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテンヨード、抗生物質、及び、これらの混合物から、本質的になる群から選択される。1つ以上の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、多様なアルコール又はシクロヘキシジンを含むことが出来る。特定の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、クロロヘキシジングルカネート、および、クロロヘキシジンジアセテートの少なくとも一つを含む。1つ以上の実施形態で、消毒又は抗菌剤は、流体又はゲルである。
【0036】
1つ以上の実施形態で、第一のチャンバ114中の吸収材料130は圧縮し、雄ルアーコネクタへの連結で、雄ルアーコネクタを消毒する。1つ以上の実施形態で、第二のチャンバ126中の吸収材料130は圧縮し、雌ルアーコネクタ300への連結で、雌ルアーコネクタを消毒する。
【0037】
図3-5、8及び9に示すように、第一のシール150は、第一の開口末端116上に配置され、第一のチャンバ114から消毒又は抗菌剤が出るのを防止し、そして、第二のシール160は第二の開口末端128上に配置され、第二のチャンバ126から消毒又は抗菌剤が出るのを防止する。1つ以上の実施形態で、第一のシール150は、第一の開口末端116をヒートシール又は誘導シールして第一のチャンバ114中に吸収材料130を保持する。1つ以上の実施形態で、第二のシール160は、第二の開口末端128をヒートシール又は誘導シールして第二のチャンバ126中に吸収材料130を保持する。
【0038】
第一のシール150及び/又は第二のシール160の具体的な実施形態を、
図11に示す。1つ以上の実施形態で、第一のシール150及び第二のシール160は、剥離可能なシールである。1つ以上の実施形態で、第一のシール150及び第二のシール160は、アルミニウム又は複数層のポリマーフィルム剥離バックトップを備える。1つ以上の実施形態で、第一のシール150及び第二のシール160は、湿気バリアを備える。
【0039】
1つ以上の実施形態で、キャップ102の第一の環状壁108の外側壁表面110は、複数のグリップメンバー190を備える。1つ以上の実施形態で、複数のグリップメンバー190は、キャップの外側壁表面110の長さに沿って全体に延びる。別の実施形態で、複数のグリップメンバー190はキャップの外側壁表面110の長さに沿って部分的に延びる。1つ以上の実施形態で、複数のグリップメンバー190は細長い。1つ以上の実施形態で、複数のグリップメンバー190は先が細くなる。
【0040】
本開示の代わりの実施形態として、
図15-17を参照しつつ、本開示の具体的な実施形態に従った医療用コネクタに連結するための装置200は、一般的に、キャップ202、第一のチャンバ214、第二のチャンバ226、第一のシール250、第二のシール260、複数の内側ねじ山270を備えた第一の環状壁208、複数の外側ねじ山280を備えた第二の環状壁220、第一の吸収材料230、及び第二の吸収材料232、並びに消毒剤又は抗菌剤を備える。このキャップ202は、一体型本体、第一の開口末端216を有する第一のチャンバ214を規定する長さL
fbを有する第一の環状壁208を備えた第一の末端206及び、第二の開口末端228を有する第二のチャンバ226を規定する長さL
sbを有する第二の環状壁220を備えた第二の末端218を備える。第一のチャンバ214は、第一の吸収材料230及び消毒又は抗菌剤を含む。第二のチャンバ226は、第二の吸収材料232及び消毒又は抗菌剤を含む。第二の吸収材料232は、第一の吸収材料230中に延びることにより、摩擦フィットして位置付けされる。雌ルアー、雄ルアー、又は無針ルアーアクセスデバイス(LAD)のような医療用コネクタへの連結で、吸収材料230及び232は、摩擦フィットして位置付けされるが、吸収材料230及び232は、医療用コネクタを収容するようにスライドさせることも出来る。
【0041】
キャップ202は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又は、医療用装置で使用される他の成型可能なプラスチック材料のような多数のタイプのプラスチック材料から作成する。1つ以上の実施形態で、キャップ202は、ポリプロピレン、又は、ポリエチレン材料を含む。1つ以上の実施形態で、第一の環状壁208の外側壁表面210は、複数のグリップメンバー290を備える。
【0042】
図19A及び19Bを参照しつつ、雄ルアー600をキャップするか及び/又は消毒するため、第二のシール260は除去され、そして、キャップ202は、第二の開口末端228を介して付けられる。第二の吸収材料232は圧縮可能であり、キャップ202を雄ルアー上でねじり、雄ルアー表面が、吸収材料232及び、消毒又は抗菌剤と接触するようにさせる。第二の開口末端228は、キャップ202の開いていない第二のシール250のように、雄ルアーと一緒に流体シールを作り出す。装置200は、雄ルアーを保護し、そして雄ルアーの次回の使用まで清潔に維持する必要がある限り、雄ルアー上に残され得る。
【0043】
図20A及び20Bを参照しつつ、雌ルアー602をキャップするか及び/又は消毒するため、ストップコック上のように、第一のシール250は除去され、キャップ202は第一の開口末端216を介して雌ルアーに付けられる。第一の吸収材料230は、雌ルアー602中に出て、消毒又は抗菌剤が雌ルアー先端602と接触して消毒を可能にする。1つ以上の実施形態で、流体経路は雌ルアー602上のストップコックにより既に止められているため、雌ルアー602は装置200によりシールされない。
【0044】
図21を参照しつつ、代わりの実施形態で、エラストメリックシール240を、第一の吸収材料230の近傍のキャップ202の内側上に配置して、雌ルアー602をシールすることが出来る。
【0045】
図22A及び22Bを参照しつつ、Q-Syte又はMaxPlusのような無針ルアーアクセスデバイス(LAD)604をキャップするか及び/又は消毒するため、第一のシール250は除去され、キャップ202を雌ルアーに付けるのと同様に、キャップ202はLAD604に付けられる。第一の吸収材料230は雌ルアーのように、LAD604中に入らないが、代わりに第一の吸収材料230は装置200を第二のシール260方向へ押しやる。これにより、LAD604のための空間を与え、一方、同時に、消毒又は抗菌剤がLAD604の上部表面と接触して、これにより、LAD604の消毒を可能にする。LADは自己シールし、装置200は流体シールを提供しない。
【0046】
1つ以上の実施形態で、多孔質及び/又は吸収材料230及び232は、固くても良く、開口セルフォームでも良く、又は、規定の形状に成型出来るポリマー焼成材料でも良く、Porex Corporation(Fairburn, GA)により製造された製品に類似するものであり得る。
【0047】
消毒キャップは、例えば、雌ルアーコネクタ又は雄ルアーコネクタ、などの多様なタイプの一つを消毒出来るものだけが、現在市場にある。従って、異なるタイプのコネクタを洗浄するために異なるタイプの消毒キャップを使用する必要性を回避するために、本開示の2つの末端キャップは、雄ルアーコネクタと係合し、且つ雌ルアーコネクタとも係合し、それにより、使用者が単一装置で異なるタイプのコネクタを洗浄することが可能になる。雌ルアーコネクタ上へのキャップの取り付けにより、雌ルアーコネクタは第一のチャンバ中に挿入されて、吸収材料及び、消毒剤又は抗菌剤と接触させる。雄ルアーコネクタ上へのキャップの取り付けにより、雄ルアーコネクタは第二のチャンバ中に挿入されて、吸収材料及び、消毒剤又は抗菌剤と接触させる。よって、本開示の装置は、雄及び雌ルアーコネクタの両方に取り付けされることが出来、したがって、当該分野で現在必要されるニーズを満たす。
【0048】
図23~26を参照しつつ、1つ以上の実施形態で、本開示の装置のキャップは、雌ルアーコネクタ300、雄ルアーコネクタ400、又は血液透析コネクタ500と一緒に、流体タイトシールを形成出来る。
図23~26を参照しつつ、1つ以上の実施形態で、本開示の装置のキャップは、先が細くなり、雄ルアーコネクタと一緒に、流体-タイトシールを形成する。特定の実施形態で、キャップは雄型のルアーでシールを形成するための、ISO標準(例えば、ISOの594-1:1986および594-2:1998)を満たす。
【0049】
1つ以上の実施形態で、本開示の装置のキャップは、例えば、雌ルアーコネクタのような雌コネクタのねじ山となる部分と係合するサイズ及びピッチを有するねじ山を有する。そのようなコネクタは、カテーテル及び、医療適用の他の流体タイト保護コネクタとして、一般的に且つ、共通して使用される。いくつかの実施形態で、キャップは、雌ルアーコネクタからのねじ山が係合し、そして、キャップのねじ山と剥離可能な連結を形成するとき、このコネクタと係合しているときの雌ルアーコネクタに対する保護カバーを提供する。
【0050】
いくつかの実施形態で、コネクタは、無針注入部位を備え、それは、時々、無針注入部、ハブ、バルブ若しくは装置、又は、無針アクセス部位、部、ハブ、バルブ若しくは装置と呼ばれ、そして、これらは、例えば、Clave(登録商標)(ICU Medical, Inc. から入手可能)、SmartSite(登録商標)(Cardinal Health, Inc. から入手可能) 、及び、Q-Syte(商標)(ベクトン・デッキンソン・アンド・カンパニーから入手可能)のようなブランドを含み得る。いくつかの実施形態で、キャップは、上記にリストしたように、多様な異なる無針注入部位のいずれとも連結することが出来る。1つ以上の実施形態で、キャップがコネクタと結合された後に、キャップと結合されている間、コネクタを汚染されない状態に保つようにするため、コネクタの別のコネクタへの各再連結の前にコネクタを(例えば、アルコールスワブで処理して)消毒する必要はない。キャップの使用は、コネクタを洗浄するための標準的スワビングプロトコルを代える。
【0051】
1つ以上の実施形態で、キャップのねじ山はサイズが調整され、そして、ピッチを付けられ、雄ルアーロックコネクタのねじ山と係合する。例えば、コネクタは、IVカテーテル無針注入部位から連結されていないIVチュービングセットの末端を備えることが出来る。
【0052】
本開示の第二の実施態様は、医療用コネクタを消毒する方法に関する。1つ以上の実施形態で、医療用コネクタを消毒する方法は、第一のシール150を除去し、雄ルアーコネクタ400を第一の開口末端116に連結させ、第一のチャンバ114中で吸収材料130を圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雄ルアーコネクタ400を消毒することを含む。代わりの実施形態で、医療用コネクタを消毒する方法は、第二のシール160を除去し、雌ルアーコネクタ300を第二の開口末端128に連結させ、第二のチャンバ126中で吸収材料130を圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして、雌ルアーコネクタ300を消毒することを含む。別の実施形態で、医療用コネクタを消毒する方法は、第一のシール150を除去し、雌ルアーコネクタを第一の開口末端116に連結させ、第一のチャンバ114中で吸収材料130を圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雌ルアーコネクタを消毒させ、第二のシール160を除去し、雄ルアーコネクタを第二の開口末端128に連結させ、第二のチャンバ126中で吸収材料130を圧縮して、消毒剤又は抗菌剤を接触させて、そして雄ルアーコネクタを消毒することを含む。
【0053】
本開示の第三の実施態様、組立品に関する。組立品は、医療用コネクタに連結された1つ以上の実施形態の装置100を備える。1つ以上の実施形態で、医療用コネクタは、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、無針コネクタ、ストップコック及び、血液透析コネクタから選択される。
【0054】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「実施形態」という言及は、その実施形態に関して説明した特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の至る所での「1つ以上の実施形態では」、「ある実施形態では」、「1つの実施形態では」または「一実施形態では」などの表現の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指していない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0055】
本明細書における開示は特定の実施形態を参照して説明されてきたが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に様々な修正および変形を加えることができることが当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正形態および変形形態を含むことを意図している。