(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133610
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/76 20060101AFI20240925BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20240925BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20240925BHJP
G11B 27/10 20060101ALI20240925BHJP
G11B 27/00 20060101ALI20240925BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240925BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240925BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H04N5/76
H04N5/92 010
G11B20/10 321Z
G11B27/10 A
G11B27/00 D
G11B27/00 E
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
G09B29/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108121
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2020022809の分割
【原出願日】2020-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 慶浩
(57)【要約】
【課題】移動体から撮影された風景動画から、所望の場面を効率的に検索することが可能な画像処理装置及びその画像処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の画像処理装置は移動体から撮影された風景動画を取得する取得部と、前記風景動画の撮影期間中の各時点における撮影状況に関する情報に基づいた重要度情報を、前記風景動画に付与した前記風景動画である情報保有動画を生成する動画生成部と、前記風景動画を構成する複数のフレーム画像から前記重要度情報に基づいて複数のサムネイル画像を抽出し、前記サムネイル画像を時系列に沿って配列したサムネイル群画像を生成するサムネイル群画像生成部と、を有し、前記サムネイル群画像生成部は、前記重要度情報に応じて単位撮影時間当たりのサムネイル画像の抽出数を変化させることを特徴としている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を構成するフレーム画像ごとに重要度情報が付与された動画情報を取得する取得部と、
前記動画情報から前記フレーム画像の一部をサムネイル画像として抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された複数のサムネイル画像を時系列に配列したサムネイル画像群を生成するサムネイル画像生成部と、
を備え、
前記抽出部は、前記重要度情報及びサムネイル画像生成数に基づいて前記サムネイル画像を抽出する抽出間隔を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
前記抽出部は、前記動画において前記重要度情報が示す重要度が高い区間に対応する前記サムネイル画像の抽出時間間隔が、前記重要度が低い区間に対応する前記サムネイル画像の抽出時間間隔よりも短くなるように、前記抽出間隔を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像生成装置において、
前記抽出部は、前記重要度情報が示す重要度が高いほど、前記動画の単位撮影時間当たりの前記サムネイル画像の抽出数が多くなるように前記抽出間隔を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記抽出部は、前記重要度情報として前記フレーム画像ごとに付与された、前記動画の撮影時の実際の時間経過を示すタイムコードとは異なる時間経過を示す仮想タイムコードに基づいて、前記抽出間隔を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記抽出部は、前記仮想タイムコードは、前記動画において前記重要度情報が示す重要度が低い区間ほど、前記動画の撮影時の実際の時間経過よりも時間の経過が早いことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記重要度情報が示す重要度は、前記動画の撮影装置の移動速度に基づいて決定されたものであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記重要度情報が示す重要度は、前記動画の撮影装置の位置情報に基づいて決定されたものであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記重要度情報が示す重要度は、前記撮影装置の位置と照らし合わせた地図上の位置に対応する情報に基づいて決定されたものであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記重要度情報が示す重要度は、前記動画の撮影装置の移動方向を基準とした撮影方向に基づいて決定されたものであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
画像処理装置が、動画を構成するフレーム画像ごとに重要度情報が付与された動画情報からサムネイル画像群を生成する画像処理方法であって、
前記動画情報から前記フレーム画像の一部をサムネイル画像として抽出する抽出工程と、
前記抽出工程において抽出された複数のサムネイル画像を時系列に配列した前記サムネイル画像群を生成するサムネイル画像生成工程と、
を含み、
前記抽出工程において、前記重要度情報及びサムネイル画像生成数に基づいて前記サムネイル画像を抽出する抽出間隔を決定することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータを備える画像処理装置によって実行される画像処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
動画を構成するフレーム画像ごとに重要度情報が付与された動画情報を取得する取得手段、
前記動画情報から前記フレーム画像の一部をサムネイル画像として抽出する抽出手段、及び、
前記抽出手段により抽出された複数のサムネイル画像を時系列に配列したサムネイル画像群を生成するサムネイル画像生成手段、
として機能させ、
前記抽出手段は、前記重要度情報及びサムネイル画像生成数に基づいて前記サムネイル画像を抽出する抽出間隔を決定することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の画像処理プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を処理する画像処理装置及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両等の移動体に備えられた撮影装置で風景動画を撮影し、車両から撮影された場面を後から見返すことができるような再生装置が普及している。
【0003】
例えば、特許文献1には、移動体に搭載された車載カメラで撮影された風景動画の撮影開始から撮影終了までの撮影時間に対応するタイムバーと、タイムバー上の位置をユーザにより指示可能に示すスライダーと、風景動画を撮影した際の走行経路沿いに存在するランドマークをタイムバー上の対応する位置にて示すランドマークアイコンと、を含む指示表示画像をディスプレイに表示させ、さらに、風景動画のうちタイムバー上のスライダーの位置に対応する撮影時刻に関連付けられた風景動画をディスプレイに表示させる車両用表示システムが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、動画データから静止画を抽出してサムネイル画像を生成し、タイムライン上に一定時間間隔で並べて表示させることで、動画中の所望の場面が記録された部分を容易に見つけることを可能とする動画像検索閲覧装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-32949号公報
【特許文献2】特開2002-281432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の表示システムにおいては、移動体から外部の風景を撮影した動画中から所望の風景が記録された部分を見つけようとする際に、スライダーの位置を変化させつつ又はランドマークアイコン付近から再生させつつディスプレイに表示される画像を視認しながら所望の場面を探さねばならない故、動画の撮影時間が長いと所望の場面に到達するまでに時間を要する場合がある。
【0007】
また、特許文献2の動画像検索閲覧装置においては、例えば、移動体の移動速度が遅く所定時間あたりの風景の変化が少ない場合には、一定時間間隔のサムネイル画像には同じような風景や画像が複数並ぶ故、所望の風景が写ったサムネイル画像を見つけ出すまでに時間を要する場合がある。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、移動体から撮影された風景動画から、所望の場面を効率的に検索することが可能な画像処理装置及びその画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、移動体から撮影された風景動画を取得する取得部と、前記風景動画の撮影期間中の各時点における撮影状況に関する情報に基づいた重要度情報を、前記風景動画に付与した情報保有動画を生成する動画生成部と、前記風景動画を構成する複数のフレーム画像から前記重要度情報に基づいて複数のサムネイル画像を抽出し、前記サムネイル画像を時系列に沿って配列したサムネイル群画像を生成するサムネイル群画像生成部と、を有し、前記サムネイル群画像生成部は、前記重要度情報に応じて単位撮影時間当たりのサムネイル画像の抽出数を変化させることを特徴としている。
【0010】
また、請求項10に記載の発明は、画像処理装置が、重要度情報が付与された情報保有動画からサムネイル画像を抽出する画像処理方法であって、前記重要度情報及びサムネイル画像生成数に基づいてサムネイル画像を抽出する抽出間隔を決定する間隔決定工程と、前記抽出間隔に基づいて前記情報保有動画を構成する複数のフレーム画像からサムネイル画像として抽出する複数のフレーム画像を決定するフレーム画像決定工程と、前記情報保有動画から前記サムネイル画像として抽出する複数のフレーム画像を抽出してサムネイル群画像を生成する抽出工程と、を含むことを特徴としている。
【0011】
また、請求項11に記載の発明は、コンピュータに備える画像処理装置によって実行される画像処理プログラムであって、前記コンピュータに、重要度情報及びサムネイル画像生成数に基づいてサムネイル画像を抽出する抽出間隔を決定する間隔決定工程と、前記抽出間隔に基づいて情報保有動画を構成する複数のフレーム画像からサムネイル画像として抽出する複数のフレーム画像を決定するフレーム画像決定工程と、前記情報保有動画から前記サムネイル画像として抽出する複数のフレーム画像を抽出してサムネイル群画像を生成する抽出工程と、を実行させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願の実施例に係る画像処理装置10を搭載した自動車Mの斜視図である。
【
図2】本願の実施例に係る画像処理装置10を搭載した自動車Mのリアドアを自動車Mの後席から見た図である。
【
図3】本願の実施例に係る画像処理装置10のタッチパネル17に表示される操作受付表示の一例を示す図である。
【
図4】本願の実施例に係る画像処理装置10の機能ブロック図である。
【
図5】本願の実施例に係る画像処理装置10において、車載カメラCMで撮影された風景動画に仮想タイムコードを付与して情報保有動画を生成するフローチャートFC1である。
【
図6】本願の実施例に係る画像処理装置10の風景動画撮影時の撮影開始からの経過時間、所定時間ごとの複数のフレームのフレーム番号及び複数のフレームの基本タイムコード、および仮想タイムコードの例である。
【
図7】
図6に示した情報保有動画の例における情報保有動画を構成する複数のフレームのフレーム番号とそれぞれのフレーム番号に付与される仮想タイムコードの関係及び抽出されるサムネイル画像の関係を示す図である。
【
図8】本実施例の風景動画から抽出される10枚のサムネイル画像SM1~SM10における、当該サムネイル画像SM1~SM10に付随するタイムコード、フレーム番号及びその重要度である。
【
図9】本願の実施例に係る画像処理装置10のサムネイル画像の生成を行う際のフローチャートFC2である。
【
図10A】
図6、7及び8に示した情報保有動画の再生時のタッチパネル17の表示例を示した図である。
【
図10B】
図6、7及び8に示した情報保有動画の再生時のタッチパネル17の表示例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例0014】
図1は、本願の実施例に係る画像処理装置10を搭載した自動車Mの斜視図である。
【0015】
画像処理装置10は、自動車Mに搭載された車載カメラによって自動車Mの周囲の風景動画を撮影して、当該撮影した風景動画を再生する画像処理装置である。以下の説明においては、自動車Mのウィンドウに風景動画を表示可能な構成について説明する。
【0016】
画像処理装置10は、例えば、自動車Mのダッシュボード内に搭載されている。画像処理装置10は、外部から取得されるかまたは自身が保持する動画を再生して映像出力することが可能に構成されている。
【0017】
取得部としての車載カメラCMは、例えば、自動車Mのルーフ部分又はドアパネル部分等に搭載され、自動車Mの前方、側方又は後方の風景を撮影可能に構成されている。車載カメラCMは、画像処理装置10に通信可能に接続されており、撮影した静止画または動画を画像処理装置に送信可能に構成されている。
【0018】
動画表示部としてのディスプレイ15は、例えば、透明な液晶又は有機ELのディスプレイ等の透明パネルで構成され、自動車MのウィンドウWDに取り付けられており、車内から視認可能な画像を表示可能なディスプレイである。ディスプレイ15は、画像処理装置10と通信可能に接続されており、画像処理装置10から出力された静止画または動画を表示可能に構成されている。
【0019】
例えば、ディスプレイ15は、車載カメラCMで撮影した自動車Mの前方、側方又は後方の風景動画がそれぞれフロントウィンドウ、ドアウィンドウ、リアウィンドウで表示可能に構成されている。尚、ディスプレイ15は、例えば、自動車M内部に設置されたカーナビゲーションシステムのディスプレイ等でもよい。
【0020】
図2は、本願の実施例に係る画像処理装置10を搭載した自動車Mのリアドアを自動車Mの後席から見た図である。
【0021】
上述のように、ディスプレイ15は、例えば、透明な液晶又は有機ELのディスプレイ等の透明パネルで構成され、自動車MのウィンドウWDに取り付けられる。従って、例えば、ディスプレイ15に動画が表示されていない場合においては、自動車Mの内部からディスプレイ15を介して外の景色を見ることが可能となる。
【0022】
操作受付部としてのタッチパネル17は、ドアパネルの内側に取り付けられているタッチパネルディスプレイである。例えば、タッチパネル17は、液晶パネル等のディスプレイ17aと、当該ディスプレイの表示面に貼り付けられ、人の指等での操作を受け付けるタッチパッド17bと、を備えたタッチパネルディスプレイである。
【0023】
タッチパネル17は、画像処理装置10に通信可能に接続されており、画像処理装置10から出力された映像を表示することが可能である。また、タッチパネル17は、ディスプレイ15に表示される動画の再生、早送り又は早戻しの操作を受け付けて、当該操作の受付に基づく指示を画像処理装置10に送信することが可能である。
【0024】
具体的には、例えば、タッチパネル17には、ディスプレイ15にて再生している動画の所定時間ごとのサムネイル画像が再生時刻順に並べて表示される。
【0025】
図3は、本願の実施例に係る画像処理装置10のタッチパネル17に表示される操作受付表示の一例を示す図である。
【0026】
操作受付表示は、例えば、ディスプレイ15にて再生している風景動画の所定時間ごとのサムネイル画像SM1~SM6が再生時刻順に並んでいるサムネイル画像列SRと、再生又は一時停止を切り替える指示を行うボタンPLと、早送り操作を指示するボタンFWと、早戻し操作を指示するボタンRW及び風景動画の現在再生時間位置を示すバーBA並びに時間表示部TMを含んでいる。また、サムネイル画像列SRに含まれるサムネイル画像は、風景動画の再生時間の経過に応じて右方から左方にスクロールしながら表示される。
【0027】
図4は、本願の実施例に係る画像処理装置10の機能ブロック図である。画像処理装置10は、例えば、システムバス13を介して、入力部20と、出力部30と、操作入力部40と、記憶部50及び動画制御部60とが協働する装置である。
【0028】
入力部20は、画像処理装置10の外部の機器からデータを取得するインターフェースである。入力部20は、自動車Mに備えられている車載カメラCMに接続されている。例えば、画像処理装置10は、入力部20を介して車載カメラCMから風景画像を取り込むことが可能である。
【0029】
また、入力部20は、自動車の走行速度を取得する速度センサSSと、自動車の位置情報を取得する全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の1つである全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)の情報を受信可能なGPS受信機GPと、に接続されている。すなわち、画像処理装置10は、速度センサSSから自動車Mの速度を取得可能であり、かつGPS受信機GPからGPS情報を取得可能に構成されている。
【0030】
出力部30は、画像処理装置10の外部の機器にデータを出力するインターフェースである。出力部30は、上述したディスプレイ15及びタッチパネル17のディスプレイ17aに接続され、これらに画像を出力可能である。具体的には、例えば、画像処理装置10は、出力部を介して、ディスプレイ15には、動画を出力し、ディスプレイ17aには、再生操作のための操作受付表示となる操作画像を出力する。
【0031】
操作入力部40は、外部の機器から操作入力の信号を取得するインターフェースである。操作入力部40は、タッチパッド17bに接続されており、タッチパッド17bにおいて上記操作画像に対して受け付けられた操作を示す信号を取得可能である。
【0032】
記憶部50は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、画像処理装置10におけるサムネイル画像の生成、動画の再生等に関する各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワーク(図示せず)を介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0033】
記憶部50に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であり、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。また、記憶部50には、画像処理装置10の外部から取り込まれたデータ、例えばカメラCMから取り込まれた風景動画のデータ、速度センサSS及びGPS受信機GPから取り込まれた風景動画撮影時の自動車Mの速度及び位置情報を格納可能である。また、記憶部50には、画像処理装置10の内部において生成されたデータを格納可能である。
【0034】
動画制御部60は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、コンピュータとして機能する。動画制御部60においては、CPUが、ROMや記憶部50に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0035】
動画制御部60は、入力部20を介して取得された風景動画に情報を付与して再生用の情報保有動画を生成する動画生成部63を有している。動画生成部63は、記憶部50に記録された風景動画と当該風景動画が撮影された各時点の自動車Mの速度及び位置情報のデータを読み出す。読み出された風景動画を構成する複数のフレーム画像の各々に対して、当該複数のフレームの各々が撮影された各時点の自動車Mの速度又は位置情報に基づいた情報を付与する。例えば、動画生成部63は、各フレーム画像について、自動車Mの走行速度に応じた重要度を決定し、当該重要度に基づいた情報である重要度情報を風景動画に付与する。
【0036】
重要度は、例えば、自動車Mの走行速度、撮影位置、撮影位置に対応する地図情報上の位置に関連付けられた風景の見ごたえ度、又は自動車Mの走行方向を基準とした車載カメラCMが撮影する撮影方向に基づいて判定される。
【0037】
例えば、自動車Mが低速で走行している又は停車中である場合、自動車から見られる周囲の風景はほとんど変化しない。それ故、動画生成部63は、自動車の走行速度に対して重要度を判定する場合においては、自動車Mが低速で走行している又は停車中の間の風景の重要度を低いと判定する。逆に、自動車が高速で走行している場合においては、短時間で風景動画が大きく変化する故、重要度は高いと判定する。
【0038】
また、動画生成部63は、例えば、GPSによる自動車の位置情報と予め記録された地図データベースを連動させて自動車が地図データベース上で見どころランクの高い位置にある場合に重要度が高いと判定する。逆に、自動車Mが地図データベース上で見どころランクの低い位置にある場合の風景動画においては、動画生成部63は重要度が低いと判定する。
【0039】
また、位置情報による重要度は地図データベースと連動せずに判定されてもよい。例えば、標高の高い山間部においては、景色等の見ごたえ度が高い場合がある。それ故、GPS等の測位情報から所定の位置の範囲の測位を検出した時点で重要度を高いと判定してもよい。
【0040】
また、自動車Mが走行中の風景動画においては、自動車Mの進行方向の前方又は後方を撮影した風景動画に対して進行方向の側方を撮影した風景動画は短時間で大きく変化する。従って、動画生成部63は、進行方向の前方又は後方の風景動画に対して進行方向の側方の風景動画の重要度を高いと判定する。
【0041】
また、GPS受信機GPがGPS情報を所定時間以上に亘って取得できない場合は、自動車Mが例えばトンネル等の構造物の中を走行している可能性が高く、このような場合、風景動画は単調な内容が継続することになる。従って、動画生成部63は、GPS情報が受信される際の風景動画に対してGPS情報が受信されない際の風景動画の重要度を低いと判定する。
【0042】
上記の重要度の判定条件は、任意に設定可能である。また、重要度の判定条件は、自動車Mの走行速度、撮影位置、撮影位置に対応する地図情報上の位置に関連付けられた風景の見ごたえ度、又は自動車Mの走行方向に対する撮影部が撮影する撮影方向の1つに限らず、複数の判定条件による重要度判定がなされてもよい。
【0043】
換言すれば、動画生成部63は、重要度を自動車Mの移動速度、撮影位置、撮影位置に対応する地図情報上の位置に関連付けられた風景の見ごたえ度、自動車Mの移動方向を基準とした撮影方向、又は衛星システムの電波受信状況に基づいて判定する。
【0044】
尚、重要度においても動画撮影時の速度や位置に限定されない。例えば、動画を構成する複数のフレーム画像の各々を比較してフレーム画像間の画像の変化の大きいフレームを重要度を大として判定してもよい。
【0045】
また、例えば、動画生成部63は、重要度に基づいて風景動画の撮影時の実際の時間経過を示すタイムコード(以下、基本タイムコードと称する)とは異なる時間経過を示す仮想タイムコードを付与した情報保有動画を生成する。
【0046】
仮想タイムコードは、所定時間ごとの重要度の平均値から算出されるものであって、重要度を仮想的な時間経過に反映させた形式の重要度情報である。
【0047】
具体的には、動画生成部63は、所定時間ごとに算出した重要度の平均値に応じて、風景動画の所定時間ごとの複数のフレーム画像の各々に基本タイムコードと時間経過の異なる時間経過を含む仮想タイムコードを付与する。すなわち、動画生成部63は、風景動画と当該風景動画が撮影された時の自動車Mの速度又は位置情報のデータから重要度及び仮想タイムコードを生成する重要度情報取得部として機能する。また、当該生成した重要度情報としての仮想タイムコードを風景動画に付与して情報保有動画を生成する動画生成部として機能する。
【0048】
尚、仮想タイムコードは、重要度が高いほど基本タイムコードの時間経過と近くなり、また、重要度が低いほど基本タイムコードの時間経過よりも早くなるように設定される。
【0049】
また、動画生成部63は、重要度の平均値を算出する所定時間を任意に設定可能である。
【0050】
動画生成部63で生成された情報保有動画は、記憶部50に保存される。なお、動画に付与される重要度情報は、自動車Mの移動速度、撮影位置、撮影位置に対応する地図情報上の位置に関連付けられた風景の見ごたえ度、自動車Mの移動方向を基準とした撮影方向、衛星システムの電波受信状況に基づいた重要度、及び仮想タイムコードのうちの1または複数を含み得る。
【0051】
サムネイル群画像生成部としてのサムネイル生成部65は、記憶部50に記録されている情報保有動画を構成する複数のフレーム画像から、仮想タイムコード及びサムネイル画像の生成数量に基づいた所定時間ごとにフレーム画像を抽出し、タッチパネル17のサムネイル表示領域SRに表示させるサムネイル画像を生成する。サムネイル生成部65は、当該生成したサムネイル画像を出力部30を介してディスプレイ17aに供給してサムネイル画像列SRに表示させる。
【0052】
尚、サムネイル画像の生成数量は任意に設定可能である。例えば、1つの風景画像に対して所定の数量を設定してもよいし、撮影した風景動画の録画時間から自動で設定されてもよい。
【0053】
再生制御部67は、記憶部50に記録されている情報保有動画を読み出して、再生、一時停止、早送り又は早戻しの指示に応じて情報保有動画の再生制御を行う。再生制御部67は、当該再生した情報保有動画を出力部30を介してディスプレイ15に供給する。また、再生制御部67は、再生している情報保有動画に対応した操作画像を出力部30を介してディスプレイ17aに供給する。再生制御部67は、タッチパッド17bにおいて受け付けられた操作信号を取得して、当該操作信号に基づいて動画の再生制御を行う。
【0054】
換言すれば、移動体から撮影された風景動画を取得する車載カメラCMと、風景動画の撮影期間中の各時点における撮影状況に関する情報に基づいた仮想タイムコードを、風景動画に付与した情報保有動画を生成する動画生成部63と、風景動画を構成する複数のフレーム画像から仮想タイムコードに基づいて複数のサムネイル画像を抽出し、サムネイル画像を時系列に沿って配列したサムネイル群画像を生成するサムネイル生成部65と、を有し、サムネイル生成部65は、仮想タイムコードに応じて単位撮影時間当たりのサムネイル画像の抽出数を変化させる。
【0055】
また、画像処理装置10は、風景動画の撮影期間中の各時点における撮影状況に関する情報を取得する動画生成部63と、動画生成部63で生成された情報保有動画を記録する記憶部50と、記憶部50から情報保有動画を読み出して風景動画を再生、早送り又は早戻しさせる制御を行って映像を出力する再生制御部67と、サムネイル生成部65で生成されたサムネイル画像が再生時刻順に並べられたサムネイル画像列SRを表示し、サムネイル画像列SRに含まれるサムネイル画像の選択操作又はサムネイル画像列SRに対するスクロール操作を含む指示操作を受け付けるタッチパネル17と、をさらに含み、再生制御部67は、指示操作に基づいて制御を行う。
【0056】
また、動画生成部63は、撮影された風景動画を構成する複数のフレーム画像の各々に対して、当該複数のフレーム画像の各々が撮影された際の撮影状況に関する情報に基づいた一連の仮想的なタイムコードである仮想タイムコードを重要度情報として付与して情報保有動画を生成し、サムネイル生成部65は、仮想タイムコードに基づいてサムネイル画像の抽出を行う。
【0057】
なお、サムネイル画像は、抽出されたフレーム画像そのものまたは当該抽出されたフレーム画像を縮小したものでもよい。以下、風景動画からフレーム画像を抽出してそれをそのままサムネイル画像として用いる処理、及び当該抽出されたフレーム画像を縮小してサムネイル画像を生成する処理の両方について、単にサムネイル画像を抽出するとして説明する。
【0058】
また、動画生成部63は、撮影状況に関する情報に基づいて複数のフレーム画像の各々の重要度を判定し、当該重要度に対応する仮想タイムコードを複数のフレーム画像に付与する。
【0059】
また、動画生成部63は、重要度が低いほど、一群のフレーム画像における仮想タイムコードが示す時間の経過が早くなるように、当該仮想タイムコードを付与する。
【0060】
図5は、本願の実施例に係る画像処理装置10において、車載カメラCMで撮影された風景動画に仮想タイムコードを付与して情報保有動画を生成するフローチャートFC1を示す。ここでは、自動車Mの走行速度に応じて風景画像の重要度を設定する例について説明する。
【0061】
まず、動画生成部63は、ステップS101において、風景動画の撮影が終了したかどうかを判定する(ステップS101)。この判定は、例えば、カメラCMにアクセスし、動画撮影が終了したかを確認することで行われてもよい。また、この判定は、例えば、カメラCMからの動画データの受信が終了したか否かによって行われてもよい。
【0062】
風景動画の撮影が終了したと判定された場合(ステップS101:Yes)、動画生成部63は記憶部50に記録された当該風景動画及び撮影期間中に速度センサSSにより取得された自動車Mの走行速度を読み出す(ステップS102)。
【0063】
次に、動画生成部63は、読み出した風景動画を構成する複数のフレーム画像の各々に、当該フレームが撮影された時点での自動車Mの走行速度を付与する(ステップS103)。
【0064】
動画生成部63は、自動車Mの走行速度が付与された風景動画を構成する複数のフレームの各々において、自動車Mの走行速度に応じた重要度を判定し、当該重要度を風景動画にさらに付与する(ステップS104)。
【0065】
次に、動画生成部63は、フレームの各々に重要度が付与された風景動画を所定時間ごとに区切り、当該所定時間ごとの重要度の平均値を算出する(ステップS105)。
【0066】
その後、動画生成部63は、所定時間ごとの重要度の平均値に応じて、基本タイムコードと時間経過の異なる時間経過を含む仮想タイムコードを付与する(ステップS106)。
【0067】
ステップS106の終了後、動画生成部63は、当該仮想タイムコードが付与された風景動画を情報保有動画として記憶部50に記録する(ステップS107)。
【0068】
上記処理をすることで、車載カメラCMで撮影された風景動画と、速度センサSSで取得された自動車Mの走行速度から、重要度及び仮想タイムコードが付与された情報保有動画を生成する。
【0069】
尚、本実施例においては、風景動画への自動車Mの走行速度の付与、重要度の付与及び仮想タイムコードの付与は、風景動画の撮影後に行うこととして説明した。
【0070】
しかし、風景動画への自動車Mの走行速度の付与、重要度の付与及び仮想タイムコードの付与は、風景動画を撮影しながら行ってもよい。撮影しながら行う場合、風景動画のフレーム画像が供給される都度、当該フレーム画像時の自動車Mの走行速度の付与、重要度の判定及び付与を行う。また、風景動画の録画時間が重要度の平均値を算出する所定時間を超える都度、重要度の平均値を算出して仮想タイムコードを付与する。
【0071】
次に、
図6を用いて情報保有動画に付与された仮想タイムコードについて説明する。
【0072】
図6は、本願の実施例に係る画像処理装置10の風景動画撮影時の撮影開始からの経過時間、所定時間ごとの複数のフレームのフレーム番号及び複数のフレームの基本タイムコードの例を示す。また、動画生成部63で算出された所定時間ごとの重要度の平均値、仮想タイムコードの基本タイムコードに対する倍率及び付与された仮想タイムコードを示す。
【0073】
本実施例においては、車載カメラCMが撮影した600秒の風景動画において、撮影フレームレートを30fpsとし、重要度の平均値を算出する所定時間を60秒とし、走行速度に応じて区分けされる重要度を0~3の4段階で設定した場合について説明する。
【0074】
また、仮想タイムコードの倍率を、重要度3の場合は基本タイムコードと同等、重要度2の場合は基本タイムコードの1/2、重要度1の場合は基本タイムコードの1/3、重要度0の場合は基本タイムコードの1/5のタイムコード間隔で仮想タイムコードを付与する設定として説明する。
【0075】
基本タイムコード及び重要度3の場合の仮想タイムコード進行は、撮影された風景動画のフレームレートに準拠して進行する故、1フレームあたり1/30秒(約0.033秒)の進行速度を有する。また、重要度2の場合の仮想タイムコード進行は、1フレームあたり1/60秒(約0.017秒)の進行速度を有し、重要度1の場合の仮想タイムコード進行は、1フレームあたり1/90秒(約0.011秒)の進行速度を有し、重要度0の場合の仮想タイムコード進行は、1フレームあたり1/150秒(約0.007秒)の進行速度を有する。
【0076】
すなわち、重要度3では基本タイムコードと同等の時間経過速度、重要度2では基本タイムコードの約2倍の時間経過速度、重要度1では基本タイムコードの約3倍の時間経過速度、重要度0では基本タイムコードの約5倍の時間経過速度の仮想タイムコードが付与される。
【0077】
図6において、撮影開始からの経過時間0~180秒の間においては算出された重要度の平均値はいずれも3である。よって、仮想タイムコードは、基本タイムコードと同等の1フレームあたり1/30秒の進行速度で付与される。
【0078】
また、撮影開始からの経過時間180~300秒の間においては算出された重要度の平均値はいずれも1である。よって、仮想タイムコードは、基本タイムコードの1/3の進行速度である1フレームあたり1/90秒の進行速度で付与される。すなわち、撮影開始からの経過時間180~300秒の120秒間において、基本タイムコードはこの期間の実際の撮影時間と同等の進行速度であるが、仮想タイムコードはこの期間の実際の撮影時間120秒間に対して、40秒間の進行速度で付与される。
【0079】
また、撮影開始からの経過時間300~420秒の間においては算出された重要度の平均値はいずれも2である。よって、仮想タイムコードは、基本タイムコードの1/2の進行速度である1フレームあたり1/60秒の進行速度で付与される。すなわち、撮影開始からの経過時間300~420秒の120秒間において、仮想タイムコードはこの期間の実際の撮影時間120秒間に対して60秒間の進行速度で付与される。
【0080】
また、撮影開始からの経過時間420~480秒の間においては算出された重要度の平均値は0である。よって、仮想タイムコードは、基本タイムコードの1/5の進行速度である1フレームあたり1/150秒の進行速度で付与される。すなわち、撮影開始からの経過時間420~480秒の60秒間において、仮想タイムコードはこの期間の実際の撮影時間60秒間に対して12秒間の進行速度で付与される。
【0081】
また、撮影開始からの経過時間480~600秒の間においては算出された重要度の平均値はいずれも2である。この間の仮想タイムコードの進行速度は上記の重要度2の場合と同様である故、説明は省略する。
【0082】
すなわち、車載カメラCMが30fpsで撮影した600秒の風景動画において、基本タイムコードは1フレームあたり1/30秒で一定となる故、フレーム番号1~18000のフレーム数に対して基本タイムコードは0~599.967秒のタイムコードが付与されている。これに対し、仮想タイムコードは、所定時間ごとの重要度に応じてタイムコードの進行速度が変化する故、フレーム番号1~18000のフレーム数に対して仮想タイムコードは0~351.967秒のタイムコードが付与されている。
【0083】
図7は、
図6に示した情報保有動画の例における情報保有動画を構成する複数のフレームのフレーム番号とそれぞれのフレーム番号に付与される仮想タイムコードの関係及び抽出されるサムネイル画像の関係を示す図である。
【0084】
横軸は情報保有動画を構成する複数のフレームのフレーム番号を示す。また、フレーム番号の各々に対応する撮影開始からの経過時間(基本タイムコード)を示す。また、縦軸は仮想タイムコードを表し、横軸のフレーム番号に対応する仮想タイムコードを示す。
【0085】
本実施例においては、
図6に示した情報保有動画から10枚のサムネイル画像を抽出する場合について説明する。
【0086】
図7に示すように、フレーム番号1~5400(撮影開始からの経過時間0~180秒)の区間は、算出された重要度が3である故、1フレームあたりの仮想タイムコードは基本タイムコードと同等の経過時間で付与される。
【0087】
フレーム番号5401~9000(撮影開始からの経過時間180~300秒)の区間は、算出された重要度が1である故、1フレームあたりの仮想タイムコードは基本タイムコードの1/3の経過時間で付与される。
【0088】
フレーム番号9001~12600(撮影開始からの経過時間300~420秒)の区間は、算出された重要度が2である故、1フレームあたりの仮想タイムコードは基本タイムコードの1/2の経過時間で付与される。
【0089】
フレーム番号12601~14400(撮影開始からの経過時間420~480秒)の区間は、算出された重要度が0である故、1フレームあたりの仮想タイムコードは基本タイムコードの1/5の経過時間で付与される。
【0090】
フレーム番号14401~18000(撮影開始からの経過時間480~600秒)の区間は、算出された重要度が2である故、1フレームあたりの仮想タイムコードは基本タイムコードの1/2の経過時間で付与される。
【0091】
これにより、本実施例の情報保有動画に対しては、情報保有動画を構成する複数のフレームと仮想タイムコードとの関係は図中実線のように示される。
【0092】
仮想タイムコードは、重要度が低いほど仮想タイムコードの進行速度が早くなるように付与される。よって、
図7に示すように重要度が低いほど1フレームあたりの時間経過が短くなる故、仮想タイムコードの傾きは小さくなる。
【0093】
サムネイル生成部35は、仮想タイムコードに基づいて仮想タイムコードの所定時間ごとのフレーム画像をサムネイル画像として抽出する。
【0094】
よって、本実施例の風景動画から10枚のサムネイル画像を生成する場合、情報保有動画の仮想タイムコードは0~351.967秒のタイムコードが付与されている故、サムネイル生成部65は、仮想タイムコードの0秒時から約35.2秒ごとの10枚のフレーム画像を抽出する。すなわち、サムネイル生成部65は、図中の縦軸の約35.2秒ごとの一定時間ごとのフレーム画像を抽出する。
【0095】
サムネイル画像として抽出されるフレーム画像は、仮想タイムコードが0秒時、35.2秒時、70.4秒時、・・・、281.6秒時及び316.8秒時の0秒時から約35.2秒ごとの一定時間ごとのフレーム画像が選択される。この時、仮想タイムコードは所定時間ごとの重要度に応じてタイムコードの進行速度が変化する故、抽出されるサムネイル画像の基本タイムコード及びフレーム番号は一定数ごととはならない。
【0096】
従って、
図7に示すように重要度が低いほど単位撮影時間当たりのサムネイル画像の抽出数は少なくなる。
【0097】
すなわち、本発明によれば、所定時間ごとの重要度に応じて仮想タイムコードの進行速度を変化させる故、当該重要度に応じて単位撮影時間当たりのサムネイル画像の抽出数を変化させることが可能となる。
【0098】
図8は、本実施例の風景動画から抽出される10枚のサムネイル画像SM1~SM10における、当該サムネイル画像SM1~SM10に付随するタイムコード、フレーム番号及びその重要度を示す。
【0099】
図8の上段は比較例として従来の基本タイムコードに基づいて抽出されたフレーム画像によって生成されるサムネイル画像の情報を示し、
図8の下段は本発明による仮想タイムコードに基づいて抽出されたフレーム画像によって生成されるサムネイル画像の情報を示している。尚、
図8の下段においては、仮想タイムコードに基づいて抽出されるサムネイル画像のフレーム番号に対応する基本タイムコードも示す。
【0100】
図8の上段に示す通り、基本タイムコードに基づいてサムネイル画像を抽出する場合、サムネイル生成部65は、基本タイムコードが0秒時、60秒時、120秒時、・・・、480秒時及び540秒時の60秒ごとの一定時間ごとのフレーム画像をサムネイル画像として抽出する。また、当該抽出するサムネイル画像のフレーム番号は、フレーム番号1、1801、3601、・・・、14401、16201のフレーム番号1から1800ごとの一定フレーム数ごととなる。また、抽出するフレーム画像に対応する重要度は、1~3枚目のフレーム画像の重要度が3であり、4~5枚目のフレーム画像の重要度が1であり、6~7枚目のフレーム画像の重要度が2であり、8枚目のフ・BR>戟[ム画像の重要度が0であり、9~10枚目のフレーム画像の重要度が2である。
【0101】
また、
図8の下段に示す通り、仮想タイムコードに基づいてサムネイル画像を抽出する場合、サムネイル生成部65は、仮想タイムコードが0秒時、35.2秒時、70.4秒時、・・・、281.6秒時及び316.8秒時の35.2秒ごとの一定時間ごとのフレーム画像をサムネイル画像として抽出する。また、当該抽出するサムネイル画像のフレーム番号は、フレーム番号1、1056、2112、3168、4224、5280、8211、10586、12845及び15890のフレーム画像となる。また、抽出するフレーム画像に対応する重要度は、1~6枚目のフレーム画像の重要度が3であり、7枚目のフレーム画像の重要度が1であり、8枚目のフレーム画像の重要度が2であり、9枚目のフレーム画像の重要度が0であり、10枚目のフレーム画像の重要度が2である。
【0102】
すなわち、サムネイル生成部65は、撮影された風景動画内の見どころが低いと判定された重要度の低い時間区間においてはサムネイル画像を少なく抽出し、見どころが高いと判定された重要度の高い時間区間においてはサムネイル画像を多く抽出する。
【0103】
また、仮想タイムコードに基づいて抽出するサムネイル画像のフレーム画像に対応する基本タイムコードに示す通り、重要度の低い区間においては抽出されるサムネイル画像の撮影時刻の間隔は長くなり、重要度の高い区間においては撮影時刻の間隔は短くなる。すなわち、重要度の低い区間においては、サムネイル画像または当該サムネイル画像の生成に用いるフレーム画像の抽出時間間隔が長くなり、重要度の高い区間においては、サムネイル画像または当該サムネイル画像の生成に用いるフレーム画像の抽出時間間隔が短くなる。
【0104】
これにより、撮影された風景動画の重要度の高い所望の場面付近のサムネイル画像が多く抽出される故、撮影された風景動画から所望の場面を効率的に検索することが可能となる。
【0105】
なお、動画生成部63は、自動車Mの走行速度に応じて風景画像の重要度を設定することに代えて、撮影位置、撮影位置に対応する地図情報上の位置に関連付けられた風景の見ごたえ度、自動車Mの移動方向を基準とした撮影方向、又は衛星システムの電波受信状況に基づいて風景画像の重要度を設定するようにしてもよい。または、動画生成部63は、走行速度、撮影位置、撮影位置に対応する地図情報上の位置に関連付けられた風景の見ごたえ度、自動車Mの移動方向を基準とした撮影方向、及び衛星システムの電波受信状況のいずれかのうちの複数の要素の組み合わせに基づいて風景画像の重要度を設定するようにしてもよい。
【0106】
図9は、本願の実施例に係る画像処理装置10のサムネイル画像の生成を行う際のフローチャートFC2を示す。
【0107】
まず、再生制御部67は、風景動画の再生が指示されたかを判定する。この判定は、例えば、タッチパネル17において、風景動画の再生指示操作が受け付けられたか否かで行われてもよい(ステップS201)。
【0108】
次に、再生制御部67は、記憶部50に記録されている再生指示をされた情報保有動画を読み出す(ステップS202)。
【0109】
間隔決定工程として、サムネイル生成部65は、再生制御部67が読み出した情報保有動画の仮想タイムコード及び生成するサムネイル画像の数量設定から、サムネイル画像を抽出する仮想タイムコードの抽出間隔を決定する(ステップS203)。
【0110】
次いで、フレーム画像決定工程として、サムネイル生成部65は、決定した仮想タイムコードのサムネイル画像抽出間隔からサムネイル画像とするフレーム番号を決定する(ステップS204)。
【0111】
次いで、抽出工程として、サムネイル生成部65は、決定したフレーム番号のフレーム画像をサムネイル画像として抽出する(ステップS205)。
【0112】
その後、サムネイル生成部65は、抽出したサムネイル画像を時系列順に並べて出力部30に供給する(ステップS206)。
【0113】
ステップS206の処理が完了した後サムネイル生成部65は処理を終了し、その後は再生制御部67が情報保有動画の再生処理を実行する。
【0114】
上記処理により、重要度の高い区間のサムネイル画像が多く、重要度の低い区間のサムネイル画像が少ないサムネイル画像群を生成することが可能となる。
【0115】
換言すれば、本願発明の画像処理方法は、画像処理装置10が仮想タイムコードが付与された情報保有動画からサムネイル画像を抽出する画像処理方法であって、仮想タイムコード及びサムネイル画像生成数に基づいてサムネイル画像を抽出する抽出間隔を決定する間隔決定工程と、当該抽出間隔に基づいて情報保有動画を構成する複数のフレーム画像からサムネイル画像として抽出する複数のフレーム画像を決定するフレーム画像決定工程と、情報保有動画からサムネイル画像として抽出する複数のフレーム画像を抽出してサムネイル群画像を生成する抽出工程と、を含む。
【0116】
図10A及び10Bは、
図6、7及び8に示した情報保有動画の再生時のタッチパネル17の表示例を示した図である。
【0117】
図10Aは、重要度が3の区間での再生時のタッチパネル17の操作受付表示を示し、
図10Bは、重要度が1の区間での再生時のタッチパネル17の操作受付表示を示している。また、図中矢印の長さは、スクロールの速度を示している。また、サムネイル画像SM1~SM10の左下に表示されている時間は、表示されているサムネイル画像SM1~SM10のそれぞれのフレームに対応する再生時刻(基本タイムコード)である。
【0118】
再生制御部67は、再生時において再生速度、及び時間表示部TMの再生時刻表示及びサムネイル画像列SRのスクロール速度を基本タイムコードに基づいて制御する。
【0119】
例えば、
図10Aの重要度が3であるサムネイル画像SM3の区間での再生時のスクロール速度は、70.4秒の基本タイムコードが付与されているサムネイル画像SM3の先頭から105.6秒の基本タイムコードが付与されているサムネイル画像SM4の先頭までの間が約35秒でスクロールされる。
【0120】
また、
図10Bの重要度が1であるサムネイル画像SM6の区間での再生時のスクロール速度は、273.7秒の基本タイムコードが付与されているサムネイル画像SM7の先頭から352.9秒の基本タイムコードが付与されているサムネイル画像SM8の先頭まで間が約79秒でスクロールされる。
【0121】
言い換えれば、ディスプレイ15に表示されている動画を構成する静止画として、サムネイル画像SM4の基のフレーム画像が表示された際には、現在再生時間位置を示すバーBA上にサムネイル画像SM4が差し掛かり、ディスプレイ15に表示されている動画を構成する静止画として、サムネイル画像SM8の基のフレーム画像が表示された際には、現在再生時間位置を示すバーBA上にサムネイル画像SM8が差し掛かかるように、サムネイル画像列SRのスクロール速度が制御される。
【0122】
すなわち、重要度が低いサムネイル画像に対応する動画の再生時間(基本タイムコード間隔)は、重要度が高いサムネイル画像に対応する再生時間よりも長い。従って、重要度が低い区間の動画再生時のサムネイル画像列SRのスクロール速度は遅くなり、重要度が高い区間の動画再生時のサムネイル画像列SRのスクロール速度は速くなる。
【0123】
また、サムネイル画像列SRに表示されるサムネイル画像は、重要度の低い区間においては撮影された風景動画の録画時間に対してサムネイル画像が長い時間間隔で少なく表示され且つ、重要度の高い区間においては撮影された風景動画の録画時間に対してサムネイル画像が短い時間間隔で多く表示される。
【0124】
尚、ユーザが撮影された風景動画から所望の場面を検索しようとする場合、例えば、ユーザが所望の場面が風景動画中のどのあたりに記録されているかの見当がついている場合と、見当がついていない場合とでは、サムネイル画像列SRとして表示する複数のサムネイル画像同士の好適な撮影時間間隔が異なる。前者の場合は、既に見当がついている撮影時間周辺のサムネイル画像であって、サムネイル画像同士の撮影時間間隔が比較的短いサムネイル画像列SRが有効となり、後者の場合は、まずは所望の場面がどのあたりに記録されているかの見当をつける必要があるため、サムネイル画像同士の撮影時間間隔が比較的長いサムネイル画像列SRが有効となる。
【0125】
これに対応するため、画像処理装置10は、操作受付表示の一部としてサムネイル画像列SRに表示する複数のサムネイル画像の隣接するサムネイル画像同士の撮影時間間隔を、ユーザにより変更可能に構成されていることが好ましい。
【0126】
具体的には、画像処理装置10は、サムネイル画像列SRの時間的スケールをユーザに指定されるための操作アイコンをタッチパネル17の操作受付表示に含めて表示させ、サムネイル生成部65は、ユーザの操作により指定された時間的スケールに応じて、サムネイル画像列SRとして表示させるサムネイル画像を抽出するための仮想タイムコードの抽出間隔を決定する。これにより、サムネイル画像列の時間的スケールを任意に変更可能とすることで、限定的な時間範囲の中から所望の場面を探す場合、及び比較的長い時間範囲の中から所望の場面を探す場合において有効なサムネイル画像列を生成することができる。
【0127】
尚、上述の実施例である画像処理装置10においては、再生指示がなされた後に情報保有動画からフレーム画像を抽出してサムネイル画像を生成する方法について説明した。しかし、サムネイル画像の生成はこれに限定されない。例えば、風景動画の撮影が終了して動画生成部63が風景動画に仮想タイムコードを付与して情報保有動画を生成した後(
図5のステップS101~S106)、当該情報保有動画に対してサムネイル生成部65が
図9のステップS202~S205の処理を実行して情報保有動画及びサムネイル画像を記憶部50に記録させてもよい。これにより、予めサムネイル画像を生成して記録しておくことで再生時にすばやく風景動画の再生処理を実行させることが可能となる。
【0128】
実施例においては、自動車Mに搭載した車載カメラCMから撮影した風景動画に対して自動車Mの走行速度や撮影位置などに応じた重要度を判定し、当該重要度に応じてサムネイル生成部65が単位撮影時間あたりのサムネイル画像の生成数量を可変に変更する画像処理装置10を説明した。しかしながら、本発明による画像処理装置は自動車からの風景動画に限定されない。
【0129】
例えば、スマートフォンやハンディカメラ等で撮影した動画に重要度を付与した動画を生成することとしてもよい。また、撮影された情報保有動画を、例えば、USBメモリやHDD等の外部記録装置に記録し、PC等の装置で処理及び再生されてもよい。
【0130】
また、本実施例においては、基本タイムコードの所定区間ごとに重要度の平均値を算出して、所定区間ごとに仮想タイムコードを付与する方法について説明したが、仮想タイムコードを付与する方法はこれに限定されない。例えば、重要度が付与された風景動画を構成する複数のフレームの各々に対して、1フレームごとの時間経過を重要度に応じて付与してもよい。これにより、基本タイムコードの所定区間で重要度が大きく変化した場合でも重要度の高い区間のサムネイル画像を効率的に生成することが可能となる。
【0131】
また、本実施例においては、風景動画に仮想タイムコードを付与した1つの動画データを生成して当該動画データの動画処理を行う画像処理装置10について説明した。しかし、再生制御の方法は1つの動画データを生成することに限定されない。例えば、重要度及び仮想タイムコードが付与されていない風景動画と、当該風景動画からフレーム番号及びフレーム番号に対する仮想タイムコードを示した情報データを生成する。サムネイル生成部65が情報データからサムネイル画像として抽出するフレーム番号を決定し、風景動画から当該フレーム番号のフレーム画像をサムネイル画像として抽出してもよい。これにより、風景動画のファイルデータ容量の削減をすることが可能となる。
【0132】
また、本実施例においては、自動車Mの走行速度から重要度判定し、当該重要度から仮想タイムコードを生成する方法について説明したが、仮想タイムコードを生成する方法はこれに限定されない。例えば、所定時間ごとの自動車Mの走行平均速度に複数の閾値を設け、当該走行平均速度の複数の閾値に応じた仮想タイムコードを設定してもよい。これにより、所定時間ごとの自動車Mの走行速度から直接仮想タイムコードを生成することが可能となる。
【0133】
すなわち、撮影した画像を構成する複数のフレーム画像の各々に特定の見どころを示す重要度の情報を付与し、当該重要度に応じて単位撮影時間あたりのサムネイル画像の生成数量を可変に変更できればよい。