(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013364
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】損傷防止用カバー及び収納具
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A47G29/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115405
(22)【出願日】2022-07-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開の事実 ▲1▼販売日 令和3年11月26日 ▲2▼販売した場所 株式会社大創産業(広島県東広島市西条吉行東1-4-14) ▲3▼公開者 レック株式会社 ▲4▼公開された物の内容 レック株式会社が、株式会社大創産業に森田茜が発明した損傷防止用カバー及び収納具(マグネット付きスポンジホルダー)を卸した。 2.特許を受ける権利の承継等の事実 ▲1▼公開された発明の発明者 森田 茜(東京都中央区京橋二丁目1番3号 レック株式会社内) ▲2▼発明の公開の原因となる行為時の特許を受ける権利を有する者(行為時の権利者) レック株式会社(東京都中央区京橋二丁目1番3号) ▲3▼特許出願人(願書に記載された者) レック株式会社 ▲4▼公開者 レック株式会社 ▲5▼特許を受ける権利の承継について 公開の事実に記載の公開行為により公開された発明は、森田茜によって発明されたものであり、令和3年9月1日にその発明の特許を受ける権利がレック株式会社に譲渡され、その後、令和4年7月20日にレック株式会社が特許出願を行った。 ▲6▼行為時の権利者と公開者との関係等について 行為時の権利者であるレック株式会社が、卸し先である株式会社大創産業において、損傷防止用カバー及び収納具(マグネット付きスポンジホルダー)について、公開の事実に記載のとおり公開を行った。
(71)【出願人】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】森 田 茜
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA11
3K100AE01
3K100AF03
3K100AG03
3K100AH05
3K100AH12
3K100AJ08
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、ヨークの磁力の有効活用を図った損傷防止用カバー及び収納具を提供するものである。
【解決手段】
損傷防止用カバーHは、ヨーク付きマグネット2を覆う損傷防止用カバー4であって、損傷防止用カバー4が磁着時の取り付け面10に対し、ヨーク22の端部22Aは、マグネット21より突出し、ヨーク22の端部22Aに接触する損傷防止用カバー4の厚みは、マグネット21に接触する損傷防止用カバー4の厚みより薄く形成されているものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨーク付きマグネットを覆う損傷防止用カバーであって、
前記損傷防止用カバーが磁着時の取り付け面に対し、前記ヨークの端部は、前記マグネットより突出し、
前記ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの厚みは、前記マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されている
ことを特徴とする損傷防止用カバー。
【請求項2】
ヨーク付きマグネットを覆う損傷防止用カバーであって、
前記損傷防止用カバーが磁着時の取り付け面に対し、前記ヨークの端部は、前記マグネットより突出し、
前記取り付け面の側の前記損傷防止用カバーの面は、平坦面であり、前記ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの部位は、前記マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの部位より窪んで形成されている
ことを特徴とする損傷防止用カバー。
【請求項3】
損傷防止用カバーは、軟質樹脂で形成され、
ヨークの端部に接触する前記軟質樹脂の厚みは、マグネットに接触する前記軟質樹脂の厚みより薄く、0.5mm以上で1.0mm未満に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の損傷防止用カバー。
【請求項4】
ヨーク付きマグネットは、前記マグネットの底面から側面を覆うヨークとを備えている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の損傷防止用カバー。
【請求項5】
取り付け面に付着して使用する収納具であって、
前記物品を収納する収納部を有する本体と、
この本体に取り付けられたヨーク付きマグネットと、
前記本体に取り付けられ、前記ヨーク付きマグネットを囲むように設けられた環状壁と、
この環状壁に取り付けられ、前記ヨーク付きマグネットを覆う損傷防止用カバーとを備え、
前記損傷防止用カバーが磁着時の前記取り付け面に対し、前記ヨークの端部は、前記マグネットより突出し、
前記ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの厚みは、前記マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されている
ことを特徴とする収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、損傷防止用カバー及び収納具に係り、特に、ヨークの磁力の有効活用を図った損傷防止用カバー及び収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吊下具本体(1)の背面に設けた凹部(3)内に、断面コ字状の磁性板(4)をその側面(4a)、(4b)が磁着位置の垂直方向に対し上下に対設するように嵌合させ、且つ上記磁性板(4)内に磁石(5)を抱持させて成る磁性吊下具において、磁着時の滑り止め兼損傷防止用のシート(6)を上記磁石(5)の表面から上記磁性板(4)の上下側面(4a)、(4b)を越え、或いは、別の方法として、上記磁性板(4)の下側面(4b)を越えて背面(4c)まで巻き付けて接着すると共に、その上に感圧型接着剤等の接着剤(7)を付けた磁性吊下具がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記磁性吊下具にあっては、磁性板(4)の上側面(4a)の端部と下側面(4b)の端部とが磁力が強いにもかかわらず、磁性板(4)を覆う磁着時の滑り止め兼損傷防止用のシート(6)の厚みは均一で、磁石(5)の磁力の有効活用が図られていないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた損傷防止用カバー及び収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の損傷防止用カバーは、ヨーク付きマグネットを覆う損傷防止用カバーであって、前記損傷防止用カバーが磁着時の取り付け面に対し、前記ヨークの端部は、前記マグネットより突出し、前記ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの厚みは、前記マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されているものである。
【0007】
また、請求項2記載の損傷防止用カバーは、ヨーク付きマグネットを覆う損傷防止用カバーであって、前記損傷防止用カバーが磁着時の取り付け面に対し、前記ヨークの端部は、前記マグネットより突出し、前記取り付け面の側の前記損傷防止用カバーの面は、平坦面であり、前記ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの部位は、前記マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの部位より窪んで形成されているものである。
【0008】
また、請求項3記載の損傷防止用カバーは、請求項1記載の損傷防止用カバーにおいて、損傷防止用カバーは、軟質樹脂で形成され、ヨークの端部に接触する前記軟質樹脂の厚みは、マグネットに接触する前記軟質樹脂の厚みより薄く、0.5mm以上で1.0mm未満に形成されているものである。
【0009】
また、請求項4記載の損傷防止用カバーは、請求項1又は請求項2記載の損傷防止用カバーにおいて、ヨーク付きマグネットは、前記マグネットの底面から側面を覆うヨークとを備えているものである。
【0010】
また、請求項5記載の収納具は、取り付け面に付着して使用する収納具であって、前記物品を収納する収納部を有する本体と、この本体に取り付けられたヨーク付きマグネットと、前記本体に取り付けられ、前記ヨーク付きマグネットを囲むように設けられた環状壁と、この環状壁に取り付けられ、前記ヨーク付きマグネットを覆う損傷防止用カバーとを備え、前記損傷防止用カバーが磁着時の前記取り付け面に対し、前記ヨークの端部は、前記マグネットより突出し、前記ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの厚みは、前記マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の損傷防止用カバーによれば、ヨークの端部に接触する損傷防止用カバーの厚みは、マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されているため、損傷防止用カバーの強度をある程度保持しながら、損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されている分、ヨークの磁力の有効活用を図って、取り付け面に対し強く付着することができる。
【0012】
また、請求項2記載の損傷防止用カバーによれば、取り付け面の側の損傷防止用カバーの面は、平坦面であり、ヨークの端部に接触する前記損傷防止用カバーの部位は、マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの部位より窪んで形成されているため、損傷防止用カバーの強度をある程度保持しながら、窪んでいる分、ヨークの磁力の有効活用を図って、取り付け面に対し強く付着することができる。
【0013】
また、請求項3記載の損傷防止用カバーによれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、損傷防止用カバーは、軟質樹脂で形成され、ヨークの端部に接触する前記軟質樹脂の厚みは、マグネットに接触する前記軟質樹脂の厚みより薄く、0.5mm以上で1.0mm未満に形成されているため、ヨークの磁力の有効活用を図って、取り付け面に対し滑りにくく、しかも、強く付着することができる。
【0014】
また、請求項5記載の収納具によれば、ヨークの端部に接触する損傷防止用カバーの厚みは、マグネットに接触する前記損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されているため、損傷防止用カバーの強度をある程度保持しながら、損傷防止用カバーの厚みより薄く形成されている分、ヨークの磁力の有効活用を図って、物品を収納した収納具を取り付け面に対し強く付着して、保持するすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の収納具の損傷防止用カバーを環状壁から取り外した状態の概略的図である。
【
図2】
図2は、
図1の損傷防止用カバーの概略的断面図である。
【
図3】
図3(a)は、
図1のヨーク付きマグネットが損傷防止用カバーで覆われた状態の概略的断面図で、
図3(b)は、
図3(a)に楕円部分を付して、この楕円部分を付した部分が取り付け面に密着している状態を示した概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例の損傷防止用カバー及び収納具を
図1及び
図3を参照して説明する。
【0017】
図1に示すHは取り付け面に付着(磁力により付着)して使用する収納具(磁石を使った小物置き)で、収納具Hは、物品を収納する収納部11を有する本体1を有する。
取り付け面10は、例えば、シンク壁面であり、物品は、図示しないが、例えば、スポンジ、歯ブラシ、石鹸、ボトル等である。
2は、本体1に取り付けられたヨーク付きマグネットで、ヨーク付きマグネット2は、例えば、マグネット21の底面から側面を覆うヨーク22とを備えている。
【0018】
また、3は環状壁で、環状壁3は、本体1に取り付けられ、ヨーク付きマグネット2を囲むように設けられている。4は損傷防止用カバーで、損傷防止用カバー4は、環状壁3に取り付けられ、ヨーク付きマグネット2を覆うものである。台所・浴室・便所などの水を使う場所である水回りに使用される場合、損傷防止用カバー4を環状壁3に対して気密性を図って取り付ければ、ヨーク付きマグネット2が腐食するのを防ぐことができる。
【0019】
そして、損傷防止用カバー4が磁着時の取り付け面10に対し、ヨーク22の端部22Aは、マグネット21より突出し、ヨーク22の端部22Aに接触する損傷防止用カバー4の厚みは、マグネット21に接触する損傷防止用カバー4の厚みより薄く形成されている。
そのため、損傷防止用カバー4の強度をある程度保持しながら、損傷防止用カバー4の厚みより薄く形成されている分、ヨーク22の磁力の有効活用を図って(マグネット21の近くにヨーク22があると、磁束は大気中には漏れず透磁率の高いヨーク22に集中する。)、物品を収納した収納具Hを取り付け面10に対し強く付着して、保持するすることができる。
つまり、磁着時に損傷防止用カバー4全体が取り付け面10に密着するため、摩擦力が上がり、耐荷重が増す。なお、特に、
図3(a)に示すように、段差分の隙間が埋まり、
図3(b)に示す楕円部分全体が取り付け面10に密着しているため、滑り止めの損傷防止用カバー4の設置面が多くなり、耐荷重が増すこととなる。
【0020】
これをヨーク付きマグネット2を覆う損傷防止用カバー4の面からとらえれば、即ち、ヨーク付きマグネット2を覆う損傷防止用カバー4であって、損傷防止用カバー4が磁着時の取り付け面10に対し、ヨーク22の端部22Aは、マグネット21より突出し、ヨーク22の端部22Aに接触する損傷防止用カバー4の厚みは、マグネット21に接触する損傷防止用カバー4の厚みより薄く形成されている。
この損傷防止用カバー4によれば、ヨーク22の端部22Aに接触する損傷防止用カバー4の厚みは、マグネット21に接触する損傷防止用カバー4の厚みより薄く形成されているため、損傷防止用カバー4の強度をある程度保持しながら、損傷防止用カバー4の厚みより薄く形成されている分、ヨーク22の磁力の有効活用を図って、取り付け面10に対し強く付着することができる。
【0021】
また、損傷防止用カバー4を別の面からとらえると、取り付け面10の側の損傷防止用カバー4の面41は、平坦面であり、ヨーク22の端部22Aに接触する損傷防止用カバー4の部位42は、マグネット22に接触する損傷防止用カバー4の部位43より窪んで(凹部44)形成されている。
そのため、損傷防止用カバー4の強度をある程度保持しながら、窪んでいる分、ヨーク22の磁力の有効活用を図って、取り付け面10に対し強く付着することができる。
なお、損傷防止用カバー4は、例えば、軟質樹脂(例えば、エラストマー、シリコーン等)で形成され、ヨーク22の端部22Aに接触する軟質樹脂の厚みは、マグネット21に接触する前記軟質樹脂の厚みより薄く、0.5mm以上で1.0mm未満(例えば、ヨーク22の端部22Aに接触する軟質樹脂の厚みは、0.5mm、マグネット21に接触する前記軟質樹脂の厚みは、0.5mmである。)に形成されている。
即ち、損傷防止用カバー4は、例えば、エラストマー、シリコーンで形成されると、ヨーク22の端部22Aに接触する前記軟質樹脂の厚みは、マグネット21に接触する前記軟質樹脂の厚みより薄く、0.5mm以上で1.0mm未満に形成されているため、ヨーク22の磁力の有効活用を図って、取り付け面10に対し滑りにくく、しかも、強く付着することができる。
【符号の説明】
【0022】
H 収納具
1 本体
2 ヨーク付きマグネット
3 環状壁
4 損傷防止用カバー
10 取り付け面
11 収納部
21 マグネット
22 ヨーク
22A ヨークの端部