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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133689
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20240925BHJP
   B65D 6/10 20060101ALI20240925BHJP
   B65D 8/06 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B65D6/18 C
B65D6/10
B65D8/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024111422
(22)【出願日】2024-07-11
(62)【分割の表示】P 2021108367の分割
【原出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊輔
(57)【要約】
【課題】連結機構の保護、及び、連結状態の安定化を図りつつ、保冷・保温性の向上を図る容器を提供する。
【解決手段】容器本体2は、平面視略矩形状をなす底壁部5、及び、底壁部5の側辺部に沿って上方に突出する土台部6、7を具備する底壁構成部4と、底壁構成部4の土台部6、7に対して回動変位可能に連結された側壁部8、9とを備える。各側壁部8、9、及び、底壁構成部4は内部空間12、32、62を有し、当該内部空間12、32、62には断熱部材10が設けられる。短辺側側壁部8、及び、短辺側土台部6は、容器本体2が組立状態にある場合に水平方向において互いに凹凸係合可能な側壁側係合部104、及び、土台側係合部103を備える。側壁側係合部104、及び、土台側係合部103は、容器本体2の組立状態において、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103が、水平方向、及び、鉛直方向で断熱部材10に挟まれるように構成される。
【選択図】 図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部を前記底壁構成部に対して回動可能に連結する連結機構は、前記側壁部の側部に設けられた側壁側軸部と、前記土台部に設けられ、前記側壁側軸部と略嵌合状態とされる土台側軸部とを備え、
前記組立状態において、前記側壁部の外面側と、前記土台部の内面側とが水平方向に対向する重なり領域が形成される構成であり、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の前記側壁部、及び、当該側壁部に対応する前記土台部は、前記組立状態にある場合に水平方向において互いに凹凸係合可能な側壁側係合部、及び、土台側係合部を備え、
前記側壁側係合部、及び、前記土台側係合部は、前記連結機構とは別に設けられるとともに、前記重なり領域において設けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記側壁側係合部は、前記側壁部のうち少なくとも前記容器を前記折畳状態から前記組立状態とする際に最初に前記起立姿勢とされる先起立側壁部において設けられ、
前記先起立側壁部に対応する前記土台部に設けられた前記土台側係合部は、前記土台部から前記容器の内方側に突出し、その上面が前記土台部の上面と同一平面となる突部を備え、
前記先起立側壁部は、前記重なり領域において、前記土台部のうち前記重なり領域に対応する部位を収容可能な段差凹部を有し、
前記側壁側係合部は、前記段差凹部において設けられ、前記先起立側壁部が前記起立姿勢とされた場合に前記突部を受容可能な凹部を備え、
前記段差凹部の上縁部と、前記凹部の上縁部とが同一平面上に位置し、
前記先起立側壁部を前記起立姿勢とした場合に、前記段差凹部の上縁部、及び、前記凹部の上縁部が、前記土台部の上面、及び、前記突部の上面に当接して支持されることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器は、前記底壁構成部、及び、前記各側壁部を具備して前記組立状態と前記折畳状態とに状態変化可能な容器本体と、前記組立状態にある前記容器本体の上面開口部を閉塞可能な蓋体とを備え、
前記蓋体は、前記折畳状態とされた前記容器本体の前記土台部の上面に載置可能に構成され、
前記土台側係合部は、前記土台部から前記容器の内方側に突出し、その上面が前記土台部の上面と同一平面となる突部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記各側壁部は内部空間を有し、当該内部空間には断熱部材が設けられ、
前記組立状態において、前記側壁側軸部、及び、前記土台側軸部に対して前記容器の内方側、及び、前記容器の外方側のうち少なくとも一方側には前記断熱部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記側壁側係合部、及び、前記土台側係合部のうち少なくとも一方には、対応する前記側壁部の横幅方向において、前記側壁側係合部が前記土台側係合部に対して係合状態とされる適正な相対位置側への相対変位を案内可能な傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記各側壁部は内部空間を有し、当該内部空間には断熱部材が設けられ、
前記組立状態において、前記側壁側係合部、及び、前記土台側係合部が、前記側壁部の横幅方向、及び、鉛直方向で前記断熱部材に挟まれるようにされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の運搬等に使用される容器として、略矩形状をなす底壁部、及び、該底壁部の各側辺部に沿ってそれぞれ上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、各土台部に対してそれぞれ回動可能に連結された側壁部とを備え、上方に開口する箱型に組立可能、かつ、各側壁部を底壁部の上方に倒して折畳可能な容器が知られている。また、各側壁部、及び、底壁構成部を中空構造とし、その内部空間に断熱部材を設けて、保冷・保温性を高めるといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-332037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器を組立状態として物品を収容し、側壁部に手を掛けて容器を持ち上げる場合に、側壁部を底壁構成部に対して回動可能に連結する連結機構における連結状態の不安定化や連結機構の損傷等を招くことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、連結機構の保護、及び、連結状態の安定化を図ることができる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部を前記底壁構成部に対して回動可能に連結する連結機構は、前記側壁部の側部に設けられた側壁側軸部と、前記土台部に設けられ、前記側壁側軸部と略嵌合状態とされる土台側軸部とを備え、
前記組立状態において、前記側壁部の外面側と、前記土台部の内面側とが水平方向に対向する重なり領域が形成される構成であり、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の前記側壁部、及び、当該側壁部に対応する前記土台部は、前記組立状態にある場合に水平方向において互いに凹凸係合可能な側壁側係合部、及び、土台側係合部を備え、
前記側壁側係合部、及び、前記土台側係合部は、前記連結機構とは別に設けられるとともに、前記重なり領域において設けられていることを特徴とする容器。
【0008】
手段1によれば、容器を組立状態とした場合に、側壁側係合部と土台側係合部とが水平方向において凹凸係合するため、組立状態にある容器に物品を収容し、側壁側係合部が設けられた側壁部に手を掛けて容器を運搬等する際に、側壁部を底壁構成部に対して回動可能に連結する連結機構にかかる負担を軽減させることができる。従って、連結機構の保護を図るとともに、側壁部と底壁構成部との間の連結状態の安定化を図り、側壁部が底壁構成部から抜けてしまう等といった事態を防止することができる。
【0009】
また、側壁側係合部及び土台側係合部により容器の組立状態における側壁部と底壁構成部との連結状態が安定化されることによって、前記連結機構の簡素化を図ることもできる。さらに、連結機構が側壁部の側部において設けられることから、起立姿勢にある側壁部の下辺部と、底壁構成部との間に隙間が形成されてしまうことを抑止することができる。
【0010】
手段2.前記側壁側係合部は、前記側壁部のうち少なくとも前記容器を前記折畳状態から前記組立状態とする際に最初に前記起立姿勢とされる先起立側壁部において設けられ、
前記先起立側壁部に対応する前記土台部に設けられた前記土台側係合部は、前記土台部から前記容器の内方側に突出し、その上面が前記土台部の上面と同一平面となる突部を備え、
前記先起立側壁部は、前記重なり領域において、前記土台部のうち前記重なり領域に対応する部位を収容可能な段差凹部を有し、
前記側壁側係合部は、前記段差凹部において設けられ、前記先起立側壁部が前記起立姿勢とされた場合に前記突部を受容可能な凹部を備え、
前記段差凹部の上縁部と、前記凹部の上縁部とが同一平面上に位置し、
前記先起立側壁部を前記起立姿勢とした場合に、前記段差凹部の上縁部、及び、前記凹部の上縁部が、前記土台部の上面、及び、前記突部の上面に当接して支持されることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0011】
手段2によれば、折畳状態にある容器を組立状態とする場合に、先起立側壁部だけを起立姿勢とした状態で先起立側壁部を自立させておくことができる。特に、突部の上面が土台部の上面と同一平面であることから、起立姿勢の先起立側壁部が容器の内方側に若干変位したとしても、起立姿勢の先起立側壁部の段差凹部の上縁部が、突部の上面にも当接して支持されることとなる。従って、起立姿勢の先起立側壁部が若干容器の内方側に変位しただけで、先起立側壁部が折畳姿勢側へ変位する挙動に移行してしまうといった事態を回避することができ、先起立側壁部の自立安定性を高めることができる。
【0012】
手段3.前記容器は、前記底壁構成部、及び、前記各側壁部を具備して前記組立状態と前記折畳状態とに状態変化可能な容器本体と、前記組立状態にある前記容器本体の上面開口部を閉塞可能な蓋体とを備え、
前記蓋体は、前記折畳状態とされた前記容器本体の前記土台部の上面に載置可能に構成され、
前記土台側係合部は、前記土台部から前記容器の内方側に突出し、その上面が前記土台部の上面と同一平面となる突部を備えていることを特徴とする手段1又は2に記載の容器。
【0013】
手段3によれば、組立状態の容器本体に蓋体を被せることで容器の保冷・保温性を高めることができる。また、折畳状態の容器本体にも蓋体を被せることができ、容器本体と蓋体とをセットにした状態で容器をコンパクトにまとめることができる。さらに、折畳状態の容器本体に蓋体を被せることで、蓋体の下面側が、土台部の上面だけでなく、突部の上面にも当接して支持される。従って、蓋体を折畳状態とされた容器本体に被せた状態の安定化を図ることができる。
【0014】
手段4.前記各側壁部は内部空間を有し、当該内部空間には断熱部材が設けられ、
前記組立状態において、前記側壁側軸部、及び、前記土台側軸部に対して前記容器の内方側、及び、前記容器の外方側のうち少なくとも一方側には前記断熱部材が配置されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の容器。
【0015】
手段4によれば、連結機構が側壁部の側部において設けられることから、起立姿勢にある側壁部の下辺部と、底壁構成部との間に隙間が形成されてしまうことを抑止することができる。さらに、側壁側軸部、及び、土台側軸部に対して容器の内方側、及び、容器の外方側のうち少なくとも一方側には断熱部材が配置されていることから、連結機構の周辺部の断熱性が低下することを抑止することができる。従って、容器の保冷・保温効果を高めつつ、連結機構を確実に設けることができる。
【0016】
手段5.前記側壁側係合部、及び、前記土台側係合部のうち少なくとも一方には、対応する前記側壁部の横幅方向において、前記側壁側係合部が前記土台側係合部に対して係合状態とされる適正な相対位置側への相対変位を案内可能な傾斜部が設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の容器。
【0017】
手段5によれば、折畳姿勢にある側壁部を起立姿勢とする際に、側壁側係合部及び土台側係合部の一方を他方に係合(挿入)し易くするべく、側壁側係合部に対応する側壁部の横幅方向における側壁側係合部及び土台側係合部のクリアランスを確保しつつ、容器を完全に組立状態とした場合には側壁側係合部と土台側係合部とが適正な相対位置関係とされるように構成することができる。従って、容器の組立作業性の向上を図りつつ、側壁側係合部及び土台側係合部の係合状態の安定化を図ることができる。さらに、側壁部と、底壁構成部とについても側壁部の横幅方向(側壁部の回転軸線方向)において適正な相対位置関係とすることができ、底壁構成部に対する側壁部の連結状態の安定化を図る(上記手段1、4の側壁側軸部及び土台側軸部のうち一方が他方から抜けて脱落してしまうことを回避する)ことができる。
【0018】
手段6.前記各側壁部は内部空間を有し、当該内部空間には断熱部材が設けられ、
前記組立状態において、前記側壁側係合部、及び、前記土台側係合部が、前記側壁部の横幅方向、及び、鉛直方向で前記断熱部材に挟まれるようにされていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の容器。
【0019】
手段6によれば、連結機構が設けられることに起因して断熱性が低下する範囲を減少させることができる上、連結機構の周辺部の断熱性についても極力低下しないように構成することができる。さらに、側壁側係合部及び土台側係合部は、容器が組立状態とされた場合に側壁部の横幅方向、及び、鉛直方向において断熱部材に挟まれる格好となっており、側壁側係合部及び土台側係合部の周辺部において断熱性が低下することを防止することができる。従って、側壁側係合部及び土台側係合部を設けることにより連結機構の耐久性の向上を図りつつ、側壁側係合部及び土台側係合部を設けることによる断熱性の低下を回避し、容器の保冷・保温性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】組立状態の容器本体に蓋体を被せた状態の容器を示す斜視図である。
図2】組立状態にある容器本体の斜視図である。
図3】折畳状態にある容器本体の上面側を示す斜視図である。
図4】折畳状態にある容器本体の下面側を示す斜視図である。
図5】蓋体の下面側を示す斜視図である。
図6】折畳状態の容器本体に蓋体を被せた状態の容器を示す斜視図である。
図7】短辺側側壁部を起立姿勢とし、長辺側側壁部を折畳姿勢とした容器本体を示す斜視図である。
図8】短辺側ベース構成部の外表面側(短辺側側壁部の外面側)を示す斜視図である。
図9】短辺側ベース構成部の裏面側(短辺側内部空間側)を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図10】短辺側内面構成部の裏面側(短辺側内部空間側)を示す斜視図である。
図11】短辺側内面構成部の裏面側(短辺側内部空間側)を示す部分拡大斜視図である。
図12】長辺側ベース構成部の外表面側(長辺側側壁部の外面側)を示す斜視図である。
図13】長辺側ベース構成部の裏面側(長辺側内部空間側)を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図14】長辺側ベース構成部の裏面側(長辺側内部空間側)を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図15】長辺側内面構成部の裏面側(長辺側内部空間側)を示す斜視図である。
図16】底壁ベース構成部の上面側を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図17】底壁ベース構成部の下面側を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図18】底壁下面構成部の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図19】起立姿勢にある短辺側側壁部の側壁側係合部と、短辺側土台部の土台側係合部との係合部分を示す部分拡大鉛直断面図である。
図20】起立姿勢にある短辺側側壁部の側壁側係合部と、短辺側土台部の土台側係合部との係合部分を示す部分拡大水平断面図である。
図21】起立姿勢にある長辺側側壁部と、長辺側土台部との相対位置関係を示す部分拡大鉛直断面図である。
図22】短辺側軸突部と、短辺側軸受部との連結部分を示す部分拡大鉛直断面図である。
図23】折畳状態の容器本体に蓋体を被せた状態の容器の部分拡大断面図である。
図24】蓋体の下面側を示す一部断面を含む斜視図である。
図25】短辺側側壁部、及び、蓋体を示す部分拡大断面図である。
図26】短辺側側壁部、及び、蓋体を示す部分拡大断面図である。
図27】長辺側側壁部、及び、蓋体を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1図2等に示すように、容器1は、上方に開口する四角箱状の容器本体2と、容器本体2に対して着脱自在に被せられる蓋体3とを備えている。図3図7図16等に示すように、容器本体2は、平面視略矩形状をなす底壁部5と、底壁部5の各短側辺部に沿って底壁部5からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部6と、底壁部5の各長側辺部に沿って底壁部5からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部7とを具備する底壁構成部4を備えている。さらに、図2図3等に示すように、容器本体2は、各短辺側土台部6、及び、各長辺側土台部7の上方に立設される起立姿勢と、底壁部5の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能な短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9を備えている。このため、容器1に物品を収容する場合には、全ての短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が起立姿勢とされた組立状態(図2参照)とし、容器1を保管等する場合には、全ての短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が折畳姿勢とされた折畳状態(図3図4参照)とし、省スペース化等を図ることが可能に構成されている。
【0022】
また、図7図16に示すように、短辺側土台部6の底壁部5からの突出長は、長辺側土台部7の底壁部5からの突出長よりも長くなっており、図16に示すように、短辺側側壁部8を回動可能に支持するための短辺側軸受部74の形成位置も、長辺側側壁部9を回動可能に支持するための長辺側軸受部83の形成位置よりも上方に位置している。さらに、図2図7等に示すように、短辺側側壁部8の横幅は、底壁構成部4の短手幅とほぼ同じに構成され、長辺側側壁部9の横幅は、一対の短辺側土台部6間の距離とほぼ同じに構成されている。このため、本実施形態では、全ての短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が起立姿勢とされた組立状態にある容器本体2を、全ての短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が折畳姿勢とされた折畳状態とする場合には、一対の長辺側側壁部9を底壁部5の上方に重ねるようにして先に折畳姿勢へと変位させてから、短辺側側壁部8を長辺側側壁部9の上方に重ねるようにして折畳姿勢へと変位させる構成となっている。その一方で、折畳状態にある容器本体2を組立状態とする場合には、先に先起立側壁部としての短辺側側壁部8を起立姿勢としてから、長辺側側壁部9を起立姿勢とする。
【0023】
図7図8図10等に示すように、各短辺側側壁部8は、短辺側側壁部8の外側部位を含む大部分を構成する短辺側ベース構成部11と、短辺側ベース構成部11の内側面との間に短辺側内部空間12(図19図20参照)を形成するための短辺側内面構成部13とを備えている。本実施形態では、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13は、ポリオレフィン系樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)により構成されている。
【0024】
図8図9等に示すように、短辺側ベース構成部11は、正面視略矩形状をなす上側壁部16と、上側壁部16の下辺部から容器本体2の内方側に延出する延出壁部17と、延出壁部17の先端縁(内側端縁)から下方に延出する下側壁部18とを具備する短辺側外面ベース壁部15と、短辺側外面ベース壁部15の外周縁から容器本体2の内方側に延出する短辺側枠壁部19と、短辺側枠壁部19のうち下側壁部18の左右の側辺部に対応する部位の外面の下部からそれぞれ短辺側ベース構成部11の側方に突出する一対の側壁側軸部としての短辺側軸突部20と、短辺側枠壁部19のうち上側壁部16の左右の側辺部に対応する部位の容器本体2の内方側の端縁からそれぞれ短辺側ベース構成部11の側方に延出する内面調整部21と、各内面調整部21の側縁部からそれぞれ容器本体2の内方側に突出する係止構成部22とを備えている。
【0025】
図9図19図20に示すように、本実施形態では、短辺側枠壁部19は、容器本体2の内方側の部位が短辺側枠壁部19の内外周方向において2重壁構造となっており、当該部位において容器本体2の内方側に開口する短辺側挿入空間23が形成されている。さらに、2重壁構造のうち短辺側枠壁部19の内周側の構成部については、容器本体2の内方側の端縁が全周にわたって短辺側側壁部8の厚み方向において同じ位置で連続して延在している。また、図8図9等に示すように、係止構成部22は、各内面調整部21の側縁部からそれぞれ容器本体2の内方側に突出し、短辺側側壁部8の高さ方向に延在する略矩形板状の係止壁部24と、係止壁部24のうち短辺側側壁部8の横幅方向中央部側に開口する係止孔部25とを備えている。
【0026】
図10に示すように、短辺側内面構成部13は、正面視略矩形状をなす短辺側内面ベース壁部27と、短辺側内面ベース壁部27の外周縁から容器本体2の外方側に延出する短辺側直交壁部28とを備えている。図11に示すように、短辺側直交壁部28のうち先端側(容器本体2の外方側)の部位には、短辺側直交壁部28の外周側の厚みを減少させるようにして形成された短辺側先端壁部29が設けられている。そして、図19図20に示すように、短辺側内面構成部13の短辺側先端壁部29を、短辺側ベース構成部11の短辺側挿入空間23に挿入(圧入)することで、短辺側内面構成部13が短辺側ベース構成部11に組付けられ、短辺側ベース構成部11と、短辺側内面構成部13との間に、短辺側内部空間12が形成される。また、本実施形態では、短辺側内部空間12に断熱部材10が設けられており、断熱部材10は発泡ポリウレタンにより構成されている。
【0027】
尚、本実施形態では、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13のうち短辺側内部空間12を画定する面の全域に対し、断熱部材10との接合のための反応活性を付与する表面処理が行われる。表面処理としては、フレーム処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、及び、プライマ処理等を挙げることができる。これらの処理を施すことで、もともと活性度の低いポリオレフィン系樹脂の表面を、活性基やダングリングボンド(原子における未結合手)が露出している高活性面とすることができる。表面処理の行われた短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13を組付けて、短辺側内部空間12に断熱部材10の原料液(本例では、未硬化のポリウレタン系樹脂)を注入し、固形化させて断熱部材10とする。このとき、短辺側内部空間12を画定する面に上記表面処理が施されていることによって、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13と、断熱部材10とが強く接合されることとなる。尚、後述する長辺側側壁部9、及び、底壁構成部4に関しても同様にして断熱部材10が設けられる。蓋体3に関しては、表面処理は行われないものの、断熱部材10の原料液が注入され、固形化される点は同じである。加えて、短辺側側壁部8、長辺側側壁部9、底壁構成部4、及び、蓋体3に対してそれぞれ断熱部材10の原料液を注入するための注入口は、注入口に装着される栓が取付面から突出しないように、取付面に形成された凹状部に設けられる。
【0028】
図12図15に示すように、各長辺側側壁部9は、長辺側側壁部9の外側部位を含む大部分を構成する長辺側ベース構成部31と、長辺側ベース構成部31の内側面との間に長辺側内部空間32(図20図21参照)を形成するための長辺側内面構成部33とを備えている。長辺側ベース構成部31、及び、長辺側内面構成部33は、ポリオレフィン系樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)により構成されている。
【0029】
図12図13等に示すように、長辺側ベース構成部31は、正面視略矩形状をなす長辺側外面ベース壁部35と、長辺側外面ベース壁部35の外周縁から容器本体2の内方側に延出する長辺側枠壁部36と、長辺側枠壁部36の下辺部の複数個所から下方に突出し、長辺側ベース構成部31を側方(側辺部側)から視認した場合に下側が湾曲した略半円状の湾曲突部37と、湾曲突部37のうち長辺側枠壁部36の下辺部の両側部に設けられた湾曲突部37からそれぞれ長辺側ベース構成部31の側方に突出する一対の側壁側軸部としての長辺側軸突部38とを備えている。
【0030】
図13に示すように、長辺側枠壁部36の上辺部は、長辺側枠壁部36の側辺部に比べ、長辺側外面ベース壁部35からの延出長が短く構成されている。さらに、長辺側枠壁部36の上辺部の内側端縁から下方に延出する折返し壁部39と、折返し壁部39の下縁部から容器本体2の内方側に延出する代替壁部40とが設けられ、代替壁部40の内側端縁は、長辺側枠壁部36の側辺部の内側端縁と連続して延在している。図13図14図20図21に示すように、本実施形態では、長辺側枠壁部36の両側辺部、及び、下辺部、並びに、代替壁部40のうち、容器本体2の内方側の部位が長辺側枠壁部36の内外周方向において2重壁構造となっており、当該部位において容器本体2の内方側に開口する長辺側挿入空間41が形成されている。
【0031】
さらに、長辺側枠壁部36の下辺部は、長辺側外面ベース壁部35から容器本体2の内方側に延出する長辺側枠下第1壁部42と、長辺側枠下第1壁部42の先端縁から下方に延出する長辺側枠下縦壁部43と、長辺側枠下縦壁部43の下部から容器本体2の内方側に延出する長辺側枠下第2壁部44とを備え、長辺側枠下第2壁部44が2重壁構造となっている。さらに、当該2重壁構造のうち内周側の構成部については、容器本体2の内方側の端縁が全周にわたって長辺側側壁部9の厚み方向において同じ位置で連続して延在している。これに対し、当該2重壁構造のうち外周側の構成部については、長辺側枠下第2壁部44に対応する部位が、当該2重壁構造の外周側の構成部のその他の部位よりも容器本体2の内方側に大きく突出している上、当該2重壁構造のうち内周側の構成部よりも容器本体2の内方側に大きく突出している(当該2重壁構造の外周側の構成部のその他の部位に関しては、当該2重壁構造のうち内周側の構成部の方が容器本体2の内方側に大きく突出している)。湾曲突部37は、長辺側枠下第2壁部44に対応する2重壁構造の外周側の構成部から下方に突出して設けられている。
【0032】
図7図12に示すように、長辺側外面ベース壁部35の外面側の両側部には、容器本体2の組立状態において、短辺側側壁部8の係止構成部22と略当接して係止される被係止構成部45が設けられている。被係止構成部45は、長辺側外面ベース壁部35の対応部位を容器本体2の内方側に凹ませるようにして(短辺側側壁部8の外面側の肉厚が省略されるようにして)構成された被係止壁部46と、被係止壁部46から容器本体2の外方側に突出する係止突起47とを備えている。
【0033】
容器本体2の組立状態においては、長辺側側壁部9の被係止構成部45の外面側が、短辺側側壁部8の係止構成部22に略当接し、これにより、長辺側側壁部9の容器本体2の外方側への変位が規制される。また、長辺側側壁部9の両側部(被係止構成部45の側部)が、短辺側側壁部8の内面に略当接し、これにより、短辺側側壁部8の容器本体2の内方側への変位が規制される。さらに、長辺側側壁部9の被係止構成部45の係止突起47が、短辺側側壁部8の係止構成部22の係止孔部25に挿入されて係止状態とされ、これにより、短辺側側壁部8の容器本体2の外方側への変位、及び、上下方向における短辺側側壁部8と長辺側側壁部9との間の相対変位が規制される。
【0034】
図15に示すように、長辺側内面構成部33は、正面視略矩形状をなす長辺側内面ベース壁部49と、長辺側内面ベース壁部49の外周縁から容器本体2の外方側に延出する長辺側直交壁部50とを備えている。長辺側直交壁部50のうち容器本体2の外方側の部位には、長辺側直交壁部50の外周側の厚みを減少させるようにして形成された長辺側先端壁部51が設けられている。そして、図20図21に示すように、長辺側内面構成部33の長辺側先端壁部51を、長辺側ベース構成部31の長辺側挿入空間41に挿入(圧入)することで、長辺側内面構成部33が長辺側ベース構成部31に組付けられ、長辺側ベース構成部31と、長辺側内面構成部33との間に、長辺側内部空間32が形成される。また、本実施形態では、長辺側内部空間32には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。
【0035】
図16図18等に示すように、底壁構成部4は、底壁構成部4の上側部位を含む大部分を構成する底壁ベース構成部61と、底壁部5の下面側を構成するとともに、底壁ベース構成部61の下側面との間に底壁内部空間62(図19図21参照)を形成するための底壁下面構成部63とを備えている。底壁ベース構成部61、及び、底壁下面構成部63は、ポリオレフィン系樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)により構成されている。図16等に示すように、底壁ベース構成部61は、平面視略矩形状をなす底壁部5の上面を構成する底壁上面ベース壁部64と、底壁上面ベース壁部64の短側縁部から上方に突出する前記短辺側土台部6と、前記底壁上面ベース壁部64の長側縁部から上方に突出する前記長辺側土台部7とを備えている。
【0036】
短辺側土台部6は、底壁上面ベース壁部64の短側縁部から上方に延出する短辺土台内下縦壁部66と、短辺土台内下縦壁部66の上縁部から容器本体2の外方側に延出する短辺土台中段壁部67と、短辺土台中段壁部67の容器本体2の外方側の縁部から上方に延出する短辺土台内上縦壁部68と、短辺土台中段壁部67の両側縁部からそれぞれ上方に延出する短辺土台軸壁部69と、短辺土台内上縦壁部68、及び、短辺土台軸壁部69の上縁部から容器本体2の外方側に延出する短辺土台上段壁部70と、短辺土台上段壁部70の容器本体2の外方側の縁部から下方に延出する短辺土台外縦壁部71と、短辺土台軸壁部69の容器本体2の内方側の端縁から容器本体2の外方側(短辺側側壁部8の横幅方向の側方側)に延出する軸壁面調整部72と、軸壁面調整部72から長辺側土台部7の長手方向中央部側に突出する係止壁支持壁部73とを備えている。
【0037】
本実施形態の土台側軸部としての短辺側軸受部74は、各短辺土台軸壁部69の下部に設けられている。図22に示すように、短辺側軸受部74には、短辺側軸突部20が挿入され、短辺側軸突部20の回動が許容される程度に略嵌合されている。これにより、短辺側側壁部8が短辺側土台部6に対して回動変位可能に連結(軸支)されている。また、図16図22に示すように、短辺土台軸壁部69のうち短辺側軸受部74から若干上方に離間した位置から短辺土台軸壁部69の上縁部にかけて略鉛直方向に延在する短辺側軸案内溝部75が設けられている。加えて、図3図4図22に示すように、短辺土台外縦壁部71は、短辺側軸受部74、及び、短辺側軸案内溝部75に対応する部位が省略された格好となっており、短辺側軸受部74は、容器本体2の外方側にも開口している。但し、短辺土台上段壁部70は短辺側軸案内溝部75の上方に位置する部位に短辺側軸案内溝部75を上方に開口させるための凹部が形成されているだけで、容器本体2の外方側の部位は省略されていない。
【0038】
図16等に示すように、長辺側土台部7は、底壁上面ベース壁部64の長側縁部から上方に延出する長辺土台内下縦壁部77と、長辺土台内下縦壁部77の上縁部から容器本体2の外方側に延出する長辺土台中段壁部78と、長辺土台中段壁部78の容器本体2の外方側の縁部から上方に延出する長辺土台内上縦壁部79と、長辺土台内上縦壁部79の上縁部から容器本体2の外方側に延出する長辺土台上段壁部80と、長辺土台上段壁部80の容器本体2の外方側の縁部から下方に延出する長辺土台外縦壁部81とを備えている。長辺土台上段壁部80の両側部は、側方に向けて上方に傾斜し、短辺側土台部6と連結されるとともに、長辺土台上段壁部80の両側部の上面側には、短辺側土台部6の係止壁支持壁部73が連結されている。
【0039】
また、図16に示すように、長辺側土台部7には、長辺土台中段壁部78と、長辺土台内下縦壁部77とにかけて、長辺側側壁部9の湾曲突部37を挿入可能とする回動許容凹部82が設けられている(図21参照)。回動許容凹部82は、長辺側土台部7の両端部に設けられるとともに、長辺側土台部7の長手方向中間位置にも湾曲突部37に対応して複数箇所に設けられている。本実施形態の土台側軸部としての長辺側軸受部83は、短辺側土台部6の短辺土台内下縦壁部66において、長辺側土台部7の両端部に設けられた回動許容凹部82にそれぞれ対向する部位に設けられている。長辺側軸受部83には、長辺側軸突部38が挿入され、長辺側軸突部38の回動が許容される程度に略嵌合されている。これにより、長辺側側壁部9が短辺側土台部6に回動可能に連結(軸支)されている。特に、本実施形態では、長辺側軸受部83は、短辺土台内下縦壁部66の下縁部から上縁部にかけて延在している。つまり、長辺側側壁部9が折畳姿勢とされた(短辺側側壁部8は起立姿勢のまま)場合に、長辺側軸突部38が長辺側軸受部83に挿入されている範囲で、折畳姿勢とされた長辺側側壁部9同士を上下に重ねることが許容されるように(図7参照)、長辺側側壁部9を底壁構成部4に対して上下に相対変位可能に構成されている。
【0040】
また、図17等に示すように、本実施形態では、短辺土台外縦壁部71、及び、長辺土台外縦壁部81の下側部位が、短辺側土台部6及び長辺側土台部7の内外周方向(容器本体2の内外方向)において2重壁構造となっており、当該部位において下方に開口する底壁挿入空間84が形成されている。
【0041】
図18に示すように、底壁下面構成部63は、下面視略矩形状をなす底壁下面ベース壁部86と、底壁下面ベース壁部86の外周縁から上方に突出する底壁直交壁部87とを備えている。尚、図4図18に示すように、底壁下面ベース壁部86の外周部は下方に突出する凸形状とされている上、底壁下面ベース壁部86の下面側において底壁下面ベース壁部86の外周部の内周側には、下方に突出するリブが格子状に設けられている。底壁直交壁部87は、底壁下面ベース壁部86から上方に向けて略垂直方向に延び、さらにその先端縁から容器本体2の外方側に向けて延び、さらに湾曲部位を挟んで上方に向けて略鉛直に延びる段差形状をなしている。
【0042】
図18等に示すように、底壁直交壁部87のうち上側の部位には、底壁直交壁部87の外周側の厚みを減少させるようにして形成された底壁先端壁部88が設けられている。そして、図19図21等に示すように、底壁下面構成部63の底壁先端壁部88を、底壁ベース構成部61の底壁挿入空間84に挿入(圧入)することで、底壁下面構成部63が底壁ベース構成部61に組付けられ、底壁ベース構成部61と、底壁下面構成部63との間に、底壁内部空間62が形成される。また、本実施形態では、底壁内部空間62には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。
【0043】
図1図5に示すように、蓋体3は、組立状態にある容器本体2の上面開口部91(図2参照)を閉塞可能に構成されている。本実施形態の蓋体3の外形状を構成する蓋本体92は、ブロー(中空)成形によって蓋体内部空間93(図23図25参照)が形成されるようにして、ポリオレフィン系樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)により一体的に形成されている。また、本実施形態では、蓋体内部空間93には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。
【0044】
さて、図19図20に示すように、本実施形態では、容器本体2の組立状態において、短辺側側壁部8の外面側と、短辺側土台部6の内面側とが水平方向に対向する重なり領域が形成されるように構成されている。すなわち、容器本体2の組立状態において、短辺側側壁部8のうち当該短辺側側壁部8の厚みが短辺側ベース構成部11の下側壁部18と短辺側内面構成部13とで画定される部位(以下、「短辺側側壁重なり領域101」と称する)の外面側と、短辺側土台部6のうち当該短辺側土台部6の厚みが短辺土台内上縦壁部68と短辺土台外縦壁部71とで画定される部位(以下、「短辺側土台重なり領域102」と称する)の内面側とが、水平方向(容器本体2の内外方向)に対向するように構成されている。尚、短辺側側壁重なり領域101、及び、短辺側土台重なり領域102においても、短辺側側壁部8、及び、短辺側土台部6のその他の領域と同様に短辺側内部空間12、及び、底壁内部空間62が設けられ、当該短辺側内部空間12、及び、底壁内部空間62にはそれぞれ断熱部材10が設けられている。
【0045】
図16図22に示すように、本実施形態の短辺側軸受部74は、短辺土台軸壁部69を貫通して設けられ、また、短辺側軸受部74の上方に延在する短辺側軸案内溝部75が設けられている範囲についても短辺土台外縦壁部71が省略されている。このため、短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74に関しては、容器本体2の外部空間との間に断熱部材10が介在していない部位が存在する。この点、本実施形態では、図20に示すように、短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74の容器本体2の内方側に、短辺側側壁部8の断熱部材10、及び、長辺側側壁部9の断熱部材10が配置され、上方には、蓋体3の断熱部材10が配置され、下方には、底壁構成部4の断熱部材10が配置されている(図22参照)。その上、図20に示すように、長辺側側壁部9の横幅方向において、長辺側側壁部9のうち断熱部材10が内在する部位(側面)と、短辺側側壁部8のうち断熱部材10が内在する部位(内面)とが近接(又は当接)する(ほぼ隙間がない)ように構成されている。すなわち、短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74の周縁部においても、容器本体2の内部空間と外部空間との間が断熱部材10によって断熱されるようになっている。
【0046】
また、図21に示すように、長辺側側壁部9に関しては、容器本体2の組立状態において、長辺側枠下縦壁部43の外面側が、長辺側土台部7の長辺土台内上縦壁部79の内面側と対向している(長辺側側壁部9の外面側と、長辺側土台部7の内面側とが水平方向に対向する重なり領域になっている)。本実施形態では、長辺側側壁部9のうち長辺側内部空間32(断熱部材10)が設けられている部位としては、長辺側土台部7のうち底壁内部空間62(断熱部材10)が設けられている部位と水平方向(容器本体2の内外方向)に対向しない構成となっているものの、長辺側側壁部9の断熱部材10が内在する部位と、長辺側土台部7の断熱部材10が内在する部位との間の距離は比較的近くなっている上、長辺側側壁部9の湾曲突部37については、その容器本体2の外方側に長辺側土台部7の断熱部材10が内在する部位が配置されている。
【0047】
また、図2に示すように、本実施形態では、長辺側側壁部9の湾曲突部37が容器本体2の内部空間(物品の収容空間)に面しており、湾曲突部37には断熱部材が設けられていない。このため、長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83に関しては、容器本体2の内側空間との間に断熱部材10が介在していない部位が存在する。この点、図16に示すように、長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83の容器本体2の外方側において断熱部材10を内在させる底壁構成部4(短辺側土台部6)が配置され、さらに、上方、及び、下方についても、短辺側側壁部8の断熱部材10、及び、底壁構成部4の断熱部材10が配置される(湾曲突部37の容器本体2の外方側には長辺側土台部7の断熱部材10が配置される)こととなる。すなわち、長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83の周縁部においても、容器本体2の内部空間と外部空間との間が断熱部材10によって断熱されるようになっている。
【0048】
さて、図3図16図19等に示すように、本実施形態では、各短辺側土台部6の内面側には、短辺土台内上縦壁部68から容器本体2の内方側に突出する土台側係合部103(突部)が設けられている。各短辺側土台部6に設けられる土台側係合部103は、短辺側土台部6の横幅方向において、左右一対の2つを1組として2箇所に設けられている。つまり、本実施形態の土台側係合部103は、短辺側土台重なり領域102に設けられていることとなる。また、土台側係合部103は、上下方向が長手方向となる突片状をなし、その上辺部(上面)は、短辺土台上段壁部70の上面と同一平面となっており、その下辺部は、短辺土台中段壁部67よりも上方に離間している。
【0049】
これに対し、図3図8図19等に示すように、短辺側側壁部8の外面側の下側壁部18には、左右一対の土台側係合部103を挿入可能とする凹状の側壁側係合部104(凹部)が、2箇所に設けられた2つで1組の土台側係合部103に対応して2箇所に設けられている。つまり、本実施形態の側壁側係合部104は、短辺側側壁重なり領域101に設けられていることとなる。さらに、下側壁部18のうち側壁側係合部104が設けられた部位においても、短辺側内面構成部13との間に短辺側内部空間12が形成され、断熱部材10が設けられている。
【0050】
また、本実施形態では、短辺側側壁部8の下側壁部18が上側壁部16よりも容器本体2の内方側に位置しており、当該下側壁部18の外方、かつ、延出壁部17の下方において、短辺側側壁部8の外面側の下部が切欠かれたような形状をなしている。本実施形態では、下側壁部18の外方、かつ、延出壁部17の下方の領域が段差凹部105に相当する。さらに、側壁側係合部104の上縁部は、延出壁部17の下面(段差凹部105の上縁部)と同一平面となっている。
【0051】
そして、図19に示すように、短辺側側壁部8を起立姿勢(容器本体2を組立状態)とすることで、段差凹部105に対し、短辺側土台部6の短辺側土台重なり領域102が収容される格好となる。さらに、図19図20に示すように、各側壁側係合部104に対し2つで1組の土台側係合部103が挿入され、水平方向において側壁側係合部104と土台側係合部103とが凹凸係合するようになっている。また、容器本体2の組立状態においては、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103が、水平方向、及び、鉛直方向で断熱部材10に挟まれるように構成されている。すなわち、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103は、容器本体2の組立状態において、容器本体2の内外方向(短辺側側壁部8の厚み方向)においては、短辺側側壁部8の断熱部材10と、短辺側土台部6の断熱部材10とによって挟まれ、短辺側側壁部8の横幅方向においては、短辺側側壁部8の断熱部材10によって挟まれ、鉛直方向においては、短辺側側壁部8の断熱部材10(及び、短辺側土台部6の断熱部材10)によって挟まれている。
【0052】
また、土台側係合部103は、略平板状の短辺土台内上縦壁部68に対して直交する方向に突出している。これに対し、図8図20に示すように、側壁側係合部104の両側縁部(内側面)は、短辺側側壁部8が起立姿勢にある場合に容器本体2の外方側に向けて互いの間隔を次第に広げるようにして傾斜して延在している。このため、折畳姿勢にある短辺側側壁部8を起立姿勢とする場合に、短辺側側壁部8の横幅方向において、側壁側係合部104が土台側係合部103に対して係合状態とされる適正な相対位置からずれていた場合、すなわち、短辺側側壁部8が短辺側土台部6に対して適正な相対位置からずれていた場合には、土台側係合部103が側壁側係合部104の内側面(以下、「傾斜部106」と称する)に当接する。さらに、当該当接状態から短辺側側壁部8を起立姿勢側へと変位させることで、土台側係合部103が傾斜部106に摺接する格好で、短辺側土台部6が前記適正な相対位置へと案内されることとなる。容器本体2の組立状態では、土台側係合部103の(ほぼ)全体が、側壁側係合部104の内側に収容され、短辺側側壁部8の下側壁部18と、短辺側土台部6の短辺土台内上縦壁部68とが当接、又は、近接するようになっている。
【0053】
加えて、折畳状態の容器本体2を組立状態とする過程で、短辺側側壁部8のみを起立姿勢とした(図7の状態とした)場合に、延出壁部17の下面(段差凹部105の上縁部)、及び、側壁側係合部104の上縁部が、短辺側土台部6の短辺土台上段壁部70の上面、及び、土台側係合部103の上辺部(上面)に当接して支持されるようになっている(図16図19参照)。これにより、作業者が起立姿勢とされた短辺側側壁部8を保持していなくても、短辺側側壁部8が起立姿勢を維持する(自立する)ようになっている。
【0054】
また、図6に示すように、蓋体3は、折畳状態とされた容器本体2に対し、短辺側土台部6(短辺土台上段壁部70)の上面に載置される格好で被せることが可能に構成されている。このとき、図23に示すように、蓋体3の下面側は、短辺土台上段壁部70の上面だけでなく、当該短辺土台上段壁部70の上面と同一平面上に設けられる土台側係合部103の上辺部(上面)にも当接して支持されるようになっている。
【0055】
加えて、図1図26等に示すように、各短辺側側壁部8の上側壁部16には、上側壁部16の上縁部よりも下方位置において、作業者が組立状態の容器本体2(容器1)を持ち上げる際に手を掛け易くする持ち手部107が設けられている。また、上側壁部16のうち持ち手部107が設けられた部位においても、短辺側内面構成部13との間に短辺側内部空間12が形成され、断熱部材10が設けられている。尚、本実施形態では、側壁側係合部が設けられていない長辺側側壁部9には、持ち手部が設けられていない。
【0056】
さらに、図1図2図26に示すように、各短辺側側壁部8の上側壁部16には、組立状態にある容器本体2に蓋体3が被せられた状態において、蓋体3の外周面の下縁部よりも若干下方となる位置から短辺側側壁部8の上辺部にかけて凹状に形成された手掛け部108が設けられている。これにより、蓋体3を容器本体2から取外す際に、手掛け部108を介して蓋体3の下面側に指先を掛けて蓋体3を持ち上げることが可能となる。
【0057】
尚、図2図25図27に示すように、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9の上辺部には、短辺側枠壁部19、及び、長辺側枠壁部36の上辺部の上面から上方に突出し、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9の横幅方向に延在する基部111a、基部111aの上辺部から容器本体2の内方側に突出する上フランジ部111b、基部111aの高さ方向中間位置から容器本体2の外方側に突出する中間フランジ部111cとを具備する蓋止め突部111が設けられている。これに対し、図24図25図27に示すように、蓋体3の下面側には、蓋止め突部111の上フランジ部111bが略嵌入する蓋止め凹部112が設けられている。さらに、図24図25に示すように、蓋止め凹部112の内周側の側縁部から蓋止め凹部112の内側に突出し、蓋止め突部111の上フランジ部111bの下面側に係合する係合突部113が設けられている。加えて、図26に示すように、上記手掛け部108は、中間フランジ部111cの対象部位を省略する格好で設けられている。また、図24に示すように、蓋体3(蓋本体92)の中央部には、蓋本体92の下面を構成する壁部を上方に変形させる格好で、当該蓋本体92の下面を構成する壁部と、蓋本体92の上面を構成する壁部とを連結させることで構成された連結壁部114が設けられている。
【0058】
以上詳述したように、本実施形態によれば、容器本体2を組立状態とした場合に、側壁側係合部104と土台側係合部103とが水平方向において凹凸係合するため、組立状態にある容器本体2に物品を収容し、側壁側係合部104が設けられた短辺側側壁部8(持ち手部107)に手を掛けて容器1を運搬等する際に、短辺側側壁部8を底壁構成部4に対して回動可能に連結する連結機構(短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74)にかかる負担を軽減させることができる。ひいては、長辺側側壁部9を底壁構成部4に対して回動可能に連結する連結機構(長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83)にかかる負担についても軽減させることができる。従って、連結機構の保護を図るとともに、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9と、底壁構成部4との間の連結状態の安定化を図り、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が底壁構成部4から抜けてしまう等といった事態を防止することができる。
【0059】
また、側壁側係合部104及び土台側係合部103により容器本体2の組立状態における短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9と、底壁構成部4との連結状態が安定化されることによって、前記連結機構の簡素化を図ることができ、連結機構が設けられることに起因して断熱性が低下する範囲を減少させることができる上、連結機構の周辺部の断熱性についても極力低下しないように構成することができる。本実施形態では、短辺側軸突部20、及び、長辺側軸突部38が、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9の側面から側方に突出する構成であって、例えば、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9の下辺部から下方に突出する軸部を複数設けるような構成に比べ、当該下辺部における断熱性・気密性の向上を図ることができる。さらに、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103は、容器本体2が組立状態とされた場合に水平方向及び鉛直方向において断熱部材10に挟まれる格好となっており、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103の周辺部において断熱性が低下することを防止することができる。従って、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103を設けることにより連結機構の耐久性の向上を図りつつ、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103を設けることによる断熱性の低下を回避し、容器1の保冷・保温性の向上を図ることができる。
【0060】
また、容器本体2の組立状態において、短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74に対して容器本体2の内方側には、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9の断熱部材10が配置されている。さらに、容器本体2の組立状態において、長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83に対して容器本体2の外方側には、底壁構成部4(短辺側土台部6)の断熱部材10が配置されている。このため、連結機構の周辺部の断熱性が低下することを抑止することができる。従って、容器1の保冷・保温効果を高めつつ、連結機構を確実に設けることができる。
【0061】
加えて、側壁側係合部104の内側面は、短辺側側壁部8の横幅方向において、側壁側係合部104が土台側係合部103に対して係合状態とされる適正な相対位置側への相対変位を案内可能な傾斜部106として構成されている。このため、折畳姿勢にある短辺側側壁部8を起立姿勢とする際に、土台側係合部103を側壁側係合部104に係合(挿入)し易くするべく、短辺側側壁部8の横幅方向における側壁側係合部104、及び、土台側係合部103のクリアランスを確保しつつ、容器本体2を完全に組立状態とした場合には、側壁側係合部104と土台側係合部103とが適正な相対位置関係とされるように構成することができる。従って、容器本体2の組立作業性の向上を図りつつ、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103の係合状態の安定化を図ることができる。さらに、短辺側側壁部8と、底壁構成部4とについても短辺側側壁部8の横幅方向(短辺側側壁部8の回転軸線方向)において適正な相対位置関係とすることができ、底壁構成部4に対する短辺側側壁部8の連結状態の安定化を図る(短辺側軸突部20が、短辺側軸受部74から抜けて脱落してしまうことを回避する)ことができる。加えて、底壁構成部4に対する短辺側側壁部8の相対位置が適正位置とされることで、短辺側側壁部8と長辺側側壁部9との係合作業(係止構成部22と被係止構成部45との係止)を比較的スムースなものとすることができる。
【0062】
また、折畳状態にある容器本体2を組立状態とする場合に、短辺側側壁部8だけを起立姿勢とした状態で短辺側側壁部8を自立させておくことができる。特に、短辺側土台部6の短辺土台内上縦壁部68から容器本体2の内方側に突出する土台側係合部103の上辺部(上面)が、短辺側土台部6(短辺土台上段壁部70)の上面と同一平面であることから、起立姿勢の短辺側側壁部8が容器本体2の内方側に若干変位したとしても、起立姿勢の短辺側側壁部8の段差凹部105の上縁部(延出壁部17の下面)が、土台側係合部103の上面にも当接して支持されることとなる。従って、起立姿勢の短辺側側壁部8が若干容器本体2の内方側に変位しただけで、短辺側側壁部8が折畳姿勢側へ変位する挙動に移行してしまうといった事態を回避することができ、短辺側側壁部8の自立安定性を高めることができる。
【0063】
加えて、組立状態の容器本体2に蓋体3を被せることで容器1の保冷・保温性をより高めることができる。また、折畳状態の容器本体2にも蓋体3を被せることができ、容器本体2と蓋体3とをセットにした状態で容器1をコンパクトにまとめることができる。さらに、折畳状態の容器本体2に蓋体3を被せることで、蓋体3の下面側が、短辺側土台部6(短辺土台上段壁部70)の上面だけでなく、土台側係合部103の上面にも当接して支持される。従って、蓋体3を折畳状態とされた容器本体2に被せた状態の安定化を図ることができる。
【0064】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0065】
(a)上記実施形態では、短辺側側壁部8が先起立側壁部として構成されているが、長辺側側壁部9が先起立側壁部となるように構成することも可能である。さらに、上記実施形態では、折畳姿勢とされた短辺側側壁部8同士が上下に重なることなく、両方の短辺側側壁部8が先起立側壁部に相当するが、折畳姿勢とされた短辺側側壁部8同士が上下に重なる構成であって、上側に重なる方が先起立側壁部に相当するものとしてもよい。当該構成を採用する場合には、先起立側壁部に対応する(対応し得る)土台部(例えば一方の短辺側土台部6)に関してのみ、土台側係合部103が土台部(短辺土台上段壁部70)の上面と同一平面となるように構成してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、容器本体2を折畳状態から組立状態とする際に、短辺側側壁部8の後に起立姿勢とする長辺側側壁部9に対応して長辺側土台部7が設けられているが、長辺側軸受部83は短辺側土台部6に設けられ、短辺側軸受部74は短辺側土台部6に設けられていることから、長辺側土台部7を省略すること(底壁部5の上面で起立姿勢の長辺側側壁部9の下辺部を支持すること)も可能である。すなわち、底壁部構成部4の土台部としては、容器本体2を折畳状態から組立状態とする際に先に起立姿勢とされる側壁部(上記実施形態では短辺側側壁部8)に対応する土台部(上記実施形態では短辺側土台部6)と、短辺側軸受部74と、長辺側軸受部83とを備える(平面視で開口部分が互いに対向する一対の略コ字状となる)ように構成されていればよい。
【0067】
(b)上記実施形態では、短辺側側壁部8に側壁側係合部104が設けられ、短辺側土台部6に土台側係合部103が設けられているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、長辺側側壁部9に側壁側係合部を設け、長辺側土台部7に土台側係合部を設けることとしてもよい。また、上記実施形態では、短辺側側壁部8に持ち手部107が設けられているが、かかる構成に加えて、又は、代えて、持ち手部107を長辺側側壁部9に設けることとしてもよい。さらに、先起立側壁部(上記実施形態では短辺側側壁部8)に対応する短辺側土台部6に土台側係合部103を設けて、その上面を短辺土台上段壁部70の上面と同一平面とすることで、短辺側側壁部8を独立して起立姿勢とした場合の安定化や、折畳状態の容器本体2に蓋体3を被せた状態の安定化等を図ることができる。尚、土台側係合部103の上辺部を短辺土台上段壁部70よりも下方に設けることも可能である。
【0068】
さらに、上記実施形態では、側壁側係合部104が凸形状をなし、土台側係合部103が凹形状をなしているが、側壁側係合部104が凹形状をなし、土台側係合部103が凸形状をなすように構成してもよい。また、上記実施形態では、側壁側係合部104の内側面が傾斜部106として構成されることで、短辺側側壁部8を起立位置とする際に短辺側側壁部8の横幅方向において短辺側土台部6に対し短辺側側壁部8を適正な相対位置とするように構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、土台側係合部103において傾斜部を設けること(土台側係合部103の水平断面が略コ字状をなし、左右両側面が容器本体2の内方側に向けて互いの距離を次第に近付けるようにして傾斜する)としてもよい。尚、傾斜部106を省略することも可能である。
【0069】
(c)上記実施形態では、短辺側軸受部74が短辺土台軸壁部69に貫通孔を形成することで構成されているが、短辺側軸受部74を貫通孔ではなく凹状部とし、短辺側軸受部74及び短辺側軸案内溝部75が設けられている範囲に対し短辺土台外縦壁部71を設けるとともに、底壁内部空間62、ひいては、断熱部材10を設けるように構成してもよい。この場合、短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74の周辺部における断熱性の向上を図ることができる。
【0070】
また、上記実施形態において、長辺側軸突部38が設けられる湾曲突部37の内側にも、長辺側内部空間32、ひいては、断熱部材10が設けられるように構成してもよい。この場合、長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83の周辺部における断熱性の向上を図ることができる。
【0071】
(d)上記実施形態では、容器本体2の組立状態において、長辺側側壁部9の断熱部材10と、長辺側土台部7の断熱部材10とが水平方向において重ならない構成となっているが、例えば、長辺土台内上縦壁部79の高さを高くする等して、容器本体2の組立状態において、長辺側側壁部9のうち長辺側内部空間32(断熱部材10)が設けられている部位と、長辺側土台部7のうち底壁内部空間62(断熱部材10)が設けられている部位とが、水平方向(容器本体2の内外方向)に対向するように構成してもよい。
【0072】
(e)上記実施形態では、短辺側ベース構成部11と短辺側内面構成部13とが組付けられるとともに、短辺側内部空間12に設けられた断熱部材10を介して短辺側ベース構成部11と、短辺側内面構成部13とが連結されるように構成されているが、例えば、短辺側側壁部8の全体を一体的に形成することとしてもよいし、短辺側ベース構成部11と短辺側内面構成部13とを溶着することとしてもよい(長辺側側壁部9、及び、底壁構成部4に関しても同様)。
【0073】
また、上記実施形態では、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13のうち短辺側内部空間12を画定する面の全域に対し、断熱部材10との接合のための反応活性を付与する表面処理が行われるように構成されているが、表面処理の範囲を短辺側内部空間12を画定する面の一部としてもよいし、表面処理を行わない構成としてもよい(長辺側側壁部9、及び、底壁構成部4に関しても同様)。
【0074】
さらに、上記実施形態では、蓋体3はブロー成形によって全体が一体的に構成されているが、蓋体3についても、複数の部材を接続すること(例えば、蓋体3の上面側を構成する上構成部と、蓋体3の下面側を構成する下構成部とを組付けて、蓋体内部空間93に断熱部材10を設けること)で構成してもよい。
【0075】
(f)また、上記実施形態では、長辺側ベース構成部31、長辺側内面構成部33、短辺側ベース構成部11、短辺側内面構成部13、底壁ベース構成部61、底壁下面構成部63、及び、蓋本体92は、ポリプロピレンにより構成されているが、その他のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン等)により構成してもよいし、ポリオレフィン系以外の合成樹脂(例えばABS樹脂、AES樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等)により構成してもよい。また、長辺側ベース構成部31(短辺側ベース構成部11、底壁ベース構成部61)と、長辺側内面構成部33(短辺側内面構成部13、底壁下面構成部63)とで構成材料を異ならせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…容器、2…容器本体、3…蓋体、4…底壁構成部、5…底壁部、6…短辺側土台部、7…長辺側土台部、8…短辺側側壁部、9…長辺側側壁部、10…断熱部材、11…短辺側ベース構成部、12…短辺側内部空間、13…短辺側内面構成部、15…短辺側外面ベース壁部、18…下側壁部、20…短辺側軸突部、31…長辺側ベース構成部、32…長辺側内部空間、33…長辺側内面構成部、38…長辺側軸突部、61…底壁ベース構成部、62…底壁内部空間、63…底壁下面構成部、68…短辺土台内上縦壁部、70…短辺土台上段壁部、74…短辺側軸受部、83…長辺側軸受部、91…上面開口部、92…蓋本体、93…蓋本体内部空間、101…短辺側側壁重なり領域、102…短辺側土台重なり領域、103…土台側係合部、104…側壁側係合部、106…傾斜部。
図1
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