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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133713
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/22 20060101AFI20240925BHJP
   A63H 33/00 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
A63H33/22 K
A63H33/00 302C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024112273
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2022192487の分割
【原出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】肥田野 真由美
(72)【発明者】
【氏名】庫本 有基子
(72)【発明者】
【氏名】中村 奈津希
(57)【要約】
【課題】興趣性の高い玩具を提供する。
【解決手段】花10を模した対象物品を備え、対象物品の少なくとも一部の色は、温度変化によって変色可能に構成されている玩具1である。対象物品は、当該対象物品を保持可能な保持部に保持された状態において、当該対象物品の上面側の少なくとも一部が、温度変化によって変色可能に構成されている。この対象物品は、色変化する対象物品が花10を模しているので、色々な花10の色を変化させる華やかな楽しい演出ができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
花を模した対象物品を備え、
前記対象物品の少なくとも一部の色は、温度変化によって変色可能に構成されている、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記対象物品を保持可能な保持部をさらに備え、
前記対象物品は、前記保持部に保持された状態において、当該対象物品の上面側の少なくとも一部が、温度変化によって変色可能に構成されている、
玩具。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具であって、
前記対象物品は、色変化可能な領域を含む表示変化部と、
前記表示変化部の裏面側から突出し、当該表示変化部を前記保持部の保持面から離れた位置に保持する支持部と、を備える、
玩具。
【請求項4】
請求項3に記載の玩具であって、
前記表示変化部は、色変化可能な変化領域と、色変化不能な非変化領域と、を有する、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記表示変化部は、花冠と花芯を模した部位を含み、
前記花冠と前記花芯の少なくとも一方が前記変化領域である、
玩具。
【請求項6】
請求項3に記載の玩具であって、
前記表示変化部の前記裏面側には、前記支持部の突出基部から当該表示変化部の外周縁に向かって複数の突条リブが設けられている、
玩具。
【請求項7】
請求項2に記載の玩具であって、
前記保持部は、前記対象物品を保持し且つ載置面に載置可能な物品保持部と、
前記物品保持部に対して略垂直に立ち上がり且つ当該物品保持部側にキャラクターを表示したキャラクター表示部と、を備えている、
玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、
前記物品保持部は、前記対象物品を保持する保持位置の前記載置面からの高さが異なる複数の物品固定部を備えている、
玩具。
【請求項9】
請求項8に記載の玩具であって、
前記複数の物品固定部は、前記キャラクター表示部に対して異なる距離に設けられている、
玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具であって、
前記物品保持部は、液体を保持可能な液溜部を備え、
前記対象物品が保持された状態の平面視において、前記液溜部の外縁部が前記対象物品よりも外側に位置している、
玩具。
【請求項11】
請求項7に記載の玩具であって、
前記キャラクター表示部は、平面状のエリアを含み、
前記キャラクターは、前記エリアよりも前記物品保持部側に突出する立体造形にて形成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項2に記載の玩具であって、
液体を溜めると共に流すことが可能な容器部材と、液体を含有させることが可能なスポンジ部が設けられるスポンジ保持部を有する棒状部材と、を備える、
玩具。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具であって、
前記容器部材は、少なくともジョウロを含む、
玩具。
【請求項14】
請求項12に記載の玩具であって、
前記スポンジ保持部は、前記容器部材の開口部よりも小さく構成されている、
玩具。
【請求項15】
請求項12に記載の玩具であって、
前記棒状部材は、前記スポンジ保持部が当該棒状部材の軸線に対して、略平行な平面に構成され、前記スポンジ部の外表面が前記軸線に略平行の平面である、
玩具。
【請求項16】
請求項12に記載の玩具であって、
前記棒状部材は、前記スポンジ保持部が当該棒状部材の軸線方向の一端側に設けられ、
前記スポンジ保持部に設けられたスポンジ部の外表面は、前記一端側において前記軸線方向に膨らむように湾曲している、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、玩具として、花びら状のもので、真ん中に直径6cmの円形の面体、そのまわりに花びらのように直径5cmの一部が切り取られた円形の面体2が5つくっついた形で並んでいる。それぞれの面体には感触の違う中材と布生地を使用する。真ん中の面体には表が白、裏が黒、白地には動く目をつける。周囲の5つの面体には赤、青、黄、緑、橙などの色をつけ、表と裏は補色関係に近い色の組み合わせを持ってくる。という構成の玩具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録3228785号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成は、乳児の発達を考えた知育玩具である。
本発明は、対象年齢をもっと高い年齢の子供を対象とするものであり、その目的は、興趣性の高い玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の玩具は、花を模した対象物品を備え、前記対象物品の少なくとも一部の色は、温度変化によって変色可能に構成されている。
【0006】
本発明の一態様の玩具は、前記対象物品を保持可能な保持部をさらに備え、前記対象物品は、前記保持部に保持された状態において、当該対象物品の上面側の少なくとも一部が、温度変化によって変色可能に構成されている。
【0007】
本発明の一態様の玩具は、前記対象物品は、色変化可能な領域を含む表示変化部と、前記表示変化部の裏面側から突出し、当該表示変化部を前記保持部の保持面から離れた位置に保持する支持部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様の玩具は、前記表示変化部は、色変化可能な変化領域と、色変化不能な非変化領域と、を有する。
【0009】
本発明の一態様の玩具は、前記表示変化部は、花冠と花芯を模した部位を含み、前記花冠と前記花芯の少なくとも一方が前記変化領域である。
【0010】
本発明の一態様の玩具は、前記表示変化部の前記裏面側には、前記支持部の突出基部から当該表示変化部の外周縁に向かって複数の突条リブが設けられている。
【0011】
本発明の一態様の玩具は、前記保持部は、前記対象物品を保持し且つ載置面に載置可能な物品保持部と、前記物品保持部に対して略垂直に立ち上がり且つ当該物品保持部側にキャラクターを表示したキャラクター表示部と、を備えている。
【0012】
本発明の一態様の玩具は、前記物品保持部は、前記対象物品を保持する保持位置の前記載置面からの高さが異なる複数の物品固定部を備えている。
【0013】
本発明の一態様の玩具は、前記複数の物品固定部は、前記キャラクター表示部に対して異なる距離に設けられている。
【0014】
本発明の一態様の玩具は、前記物品保持部は、液体を保持可能な液溜部を備え、前記対象物品が保持された状態の平面視において、前記液溜部の外縁部が前記対象物品よりも外側に位置している。
【0015】
本発明の一態様の玩具は、前記キャラクター表示部は、平面状のエリアを含み、前記キャラクターは、前記エリアよりも前記物品保持部側に突出する立体造形にて形成されている。
【0016】
本発明の一態様の玩具は、液体を溜めると共に流すことが可能な容器部材と、液体を含有させることが可能なスポンジ部が設けられるスポンジ保持部を有する棒状部材と、を備える。
【0017】
本発明の一態様の玩具は、前記容器部材は、少なくともジョウロを含む。
【0018】
本発明の一態様の玩具は、前記スポンジ保持部は、前記容器部材の開口部よりも小さく構成されている。
【0019】
本発明の一態様の玩具は、前記棒状部材は、前記スポンジ保持部が当該棒状部材の軸線に対して、略平行な平面に構成され、前記スポンジ部の外表面が前記軸線に略平行の平面である。
【0020】
本発明の一態様の玩具は、前記棒状部材は、前記スポンジ保持部が当該棒状部材の軸線方向の一端側に設けられ、前記スポンジ保持部に設けられたスポンジ部の外表面は、前記一端側において前記軸線方向に膨らむように湾曲している。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、興趣性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の玩具の対象物品の一態様を示す側面図及び平面図であって、(a)は、色変化前の側面図、(b)は、色変化前の平面図、(c)は、色変化後の側面図、(d)は、色変化後の平面図である。
図2図1に示す玩具の対象物品の裏面側を示す斜視図である。
図3図1に示す対象物品を取り付ける保持部(展示ベース)を示し、(a)は、保持部の斜視図であり、(b)は、保持部の正面図である。
図4図3に示す保持部の側面図である。
図5】対象物品を保持部に装着するときの正面図である。
図6】保持部に対象物品を取り付けた状態の側面図である。
図7】保持部に対象物品を取り付けた状態の平面図である。
図8】玩具における容器部材の一例を示す平面図及び側面図である。
図9】容器部材の他の例を示す平面図及び側面図である。
図10】玩具における棒状部材の一例を示す正面図、側面図、及び背面図である。
図11】棒状部材の他の例を示す平面図、側面図、及び正面である。
図12】保持部に対象物品を取り付けた状態の斜視図である。
図13】保持部に対象物品を取り付けた状態における遊び方の一例を示す斜視図である。
図14】玩具の遊び方の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の玩具の対象物品の一態様を示す側面図及び平面図を示す。図1(a)は、色変化前の側面図、図1(b)は、色変化前の平面図、図1(c)は、色変化後の側面図、図1(d)は、色変化後の平面図である。
【0024】
玩具1は、図1(a)及び(b)に示すように、対象物品として、花10を模した形状となっている。花10は、その中央部分の花芯11aと、花芯11aの周りを複数の花弁(本態様においては6枚の花弁)が囲む花冠11bと、葉15bなどを有する茎部分を模した支持部15と、を有している。そして、花10は、その少なくとも一部の色が、温度変化によって変色可能に構成されている。例えば、変色可能な領域としては、花10の上面側10uに表示変化部11が設けられている。この表示変化部11は、花冠11bと花芯11aとで構成されており、その少なくとも一方が色変化する変化領域E1として構成されている。本態様における変化領域E1は、図1(c)及び(d)に示すように、花冠11bを変化領域E1として構成し、色変化不能な領域の非変化領域E2を花芯11aとして構成している。
【0025】
ここで、変化領域E1には、例えば、温感インクが塗布されており、非変化領域E2には塗布されていない。この温感インクは、温度によって色が変化可能なものであり、公知のものを採用できる。本形態では、温感インクとして、26℃から32℃の範囲では無色(つまり透明)となり、10℃から16℃の範囲では、例えば黄色、紫色、水色、青色、桃色、又は赤色等に花の色に合わせて発色するものが用いられるが、これに限定されるものではない。
なお、表示変化部11は、上面側10uが、例えば白色(図1の(a)及び(b)参照)にて構成されている。したがって、所定温度以上(変色しない温度)のときは、花10は、白色状となっている。
【0026】
図2は、花10の裏面側を示す斜視図である。
表示変化部11の裏面側11dには、図2に示すように、複数の突条リブ13が設けられている。この突条リブ13は、表示変化部11の厚み方向に突出した構成であり、支持部15が接続された裏面側11dの略中央委部分の突出基部15aから当該表示変化部11の外周縁11eに向かって、例えば放射状に複数設けられている。また、突条リブ13は、外周縁11eに向って漸次その突出量が小さくなる構成となっている。
【0027】
図3は、花10を取り付ける展示ベース(保持部)を示し、(a)は、展示ベースの斜視図であり、(b)は、展示ベースの正面図である。
玩具1は、図3に示すように、花10を保持可能な保持部としての展示ベース20を備えている。この展示べ-ス20は、底面が載置面100に接する物品保持部21と、物品保持部21の一端側(後方側)から略垂直に立ち上がったキャラクター表示部28と、を有している。例えば、物品保持部21には、3つの物品固定部22,23,24が上方に向って突設されており、キャラクター表示部28には、その前面側にキャラクター30が設けられ且つキャラクター30の脇(図中右側)に平坦なエリア28aが設けられている。
【0028】
物品固定部22,23,24は、底面から突出した円筒状の突起で、その中央には同じ大きさ(孔径)の装着孔22h,23h,24hが設けられており、花10の支持部15を挿入できるように構成されている。また、物品固定部22,23,24の突出高さ、すなわち、載置面100からの高さは異なる高さとなっており、更に、装着孔22h,23h,24hの深さは異なるように構成されている。
また、物品固定部22,23,24の周りは、窪み形状となっており、後述するように、液体W(図12参照)を使用したときに当該液体Wを溜めることができる液溜部25を構成している。
【0029】
キャラクター表示部28は、垂直な平面構造となっている。また、キャラクター表示部28と、物品保持部21との間には、当該キャラクター表示部28よりも前方に突出する段部28bが設けられている。この段部28bには、例えば、キャラクター30の脚部の先端を挿入して、当該キャラクター30を保持する一対のキャラクター保持孔28hが設けられている。したがって、キャラクター30は、着脱可能に設けられており、必要に応じてキャラクター30を変えることが可能である。また、キャラクター表示部28は、キャラクター30が取り付けられた状態において、その脇には平面状のエリア28aが設けられている。このエリア28aは、例えば、「お花屋さん」であることを示す表示、他のキャラクターのシール等を貼り付ける領域として使用する(図13参照)。
【0030】
図4は、展示ベース20の側面図である。
図4に示すように、キャラクター表示部28に取り付けられたキャラクター30は、表示面28sから前方(物品保持部21側)に突出する立体造形の形状となっている。また、複数の物品固定部22,23,24は、前述の如く突出高さが異なるだけでなく、キャラクター表示部28からの距離がことなるように配置されている。
【0031】
図5は、花10を展示ベースに装着するときの正面図である。
展示ベース20に花10を取り付けるときは、図5に示すように、花10の支持部15の先端(図中の下側の先端)を装着孔22h,23h,24hに挿入する。この場合、三種類の花10(10A,10B,10C)を装着することで、花10の多様化して、展示ベース20をキャラクター30の「お花屋さん」として演出することができる。
【0032】
図6は、展示ベース20に花10を取り付けた状態の側面図である。
図6に示すように、花10A,10B,10Cが取り付けられた状態においては、表示変化部11である花冠11b及び花芯11aは、展示ベース20の保持面21uから離れた高さ位置に保持され、また、花10の花冠11b及び花芯11aが側面或いは正面から見て高さの異なる位置に展示される。すなわち、後述するように、液Wをかけて色が変わったときには、その色が前後、上下で異なる位置となって、彩りを演出する。
【0033】
図7は、展示ベース20に花10を取り付けた状態の平面図である。
花10を展示ベース20に取り付けた状態においては、図7に示すように、全ての花10が物品保持部21の内側に位置するように構成されている。すなわち、物品保持部21は、花10が保持された状態の平面視において、液体Wを保持可能な液溜部25の外縁部21eが花10よりも外側に位置している構成である。これにより、例えば、液体Wを上からかけた時に、液体Wを溢すことなく液溜部25にて受けることができる。
【0034】
図8は、玩具1における容器部材の一例を示す平面図及び側面図である。図9は、容器部材の他の例を示す平面図及び側面図である。
玩具1においては、液体Wを溜めると共に流すことが可能な容器部材として、図8に示すようなジョウロ60、並びに図9に示すようなブーケ用容器70が用意されている。
【0035】
ジョウロ60は、図8に示すように、例えば、水等の液体Wを溜めることができる略円筒形の本体部61と、本体部61の一端側に設けられた取っ手部62と、取っ手部62とは反対側に突出して液体Wを流し出すことができるハス口部63を備えている。なお、本体部61の上端側は開放された開口部64が設けられている。この開口部64は、ハス口部63側が半円形の壁面部64aにて閉じられている。
【0036】
また、ブーケ用容器70は、図9に示すように、本体部71の形状が、例えば上方側の開口部74を楕円形状として底部72から上方に向って径が大きくなるような形状となっている。また、開口部74の開口寸法L3は、花10を複数本差した時に丁度良い大きさに構成されている(図14参照)。また、ブーケ用容器70の深さL4は、花10の支持部15を差した時に花冠11bが開口部74の上に出るような深さに設定されている。また、ブーケ用容器70は、内部に液体Wを溜めることが可能である。
【0037】
図10は、玩具1における棒状部材の一例を示す正面図、側面図、及び背面図である。図11は、棒状部材の他の例を示す平面図、側面図、及び正面である。玩具1においては、液体Wを塗布するときに使用可能な棒状部材として、図10に示すような先端大径型の棒状部材80、並びに図11に示すようなペンシル型の棒状部材90が用意されている。
【0038】
図10に示す棒状部材80は、液体Wを吸収する多孔質のスポンジ部81が取り付けられたスポンジ保持部82が当該棒状部材80の軸線CLに対して、略平行な平面に構成されている。このスポンジ部81の外表面81s及び当該スポンジ部81を保持したスポンジ保持部82は、共に軸線CLに略平行の円形の平面として形成され、把持部83に比べて大径の構成となっている。
また、スポンジ保持部82は、スポンジ部81が設けられた側とは反対側の裏面には、図10(c)に示すように、キャラクター31の図柄が描かれている。また、スポンジ保持部82の外径L5は、ジョウロ60の開口部64の開口寸法L1、及びブーケ用容器70の開口部の開口寸法L3よりも小さく構成されている。これにより、容器部材(ジョウロ60,ブーケ用容器70)内にスポンジ保持部82を挿入することができ、容器内の液体Wにスポンジ部81を浸すことができる。また、スポンジ部81の外径寸法については、特に制限するものではないが、図1に示す花10の外径寸法L7に合せるか、近いサイズにすることもできる。この場合、スポンジ部81によって、花10全体の色変更を迅速にできる。
【0039】
図11に示す棒状部材90は、液体Wを吸収する多孔質の球形状のスポンジ部91が当該棒状部材90の軸線CL方向の一端側に設けられたスポンジ保持部92上に設けられている。すなわち、スポンジ保持部92に設けられたスポンジ部91は、その外表面91sが軸線CLの一端側に向って膨らむように湾曲している構成である。また、手指で把持する把持部93の部分は、図10に示す場合に比べて全体的に細い構成となっている。
また、把持部93の側面には、図11(c)に示すように、キャラクター32の図柄が描かれている。また、スポンジ保持部92の外径L6は、ジョウロ60の開口部64の開口寸法L1、及びブーケ用容器70の開口部の開口寸法L3よりも小さく、容器部材(ジョウロ60,ブーケ用容器70)内にスポンジ保持部92を挿入することができ、容器内の液体Wにスポンジ部91を浸すことができる。
【0040】
また、ジョウロ60及びブーケ用容器70の深さ寸法(L2及びL4)は、棒状部材80,90の長手方向の寸法よりも小さく構成されている。したがって、棒状部材80,90をジョウロ60及びブーケ用容器70内に落とした場合でも、取り出し易い寸法設定となっている。
【0041】
図12は、展示ベース20に花10を取り付けた状態の斜視図である。図13は、展示ベース20に花10を取り付けた状態における遊び方の一例を示す斜視図である。
【0042】
以下、玩具1の遊び方について説明する。
図12に示すように、展示ベース20を使った遊び方の場合、例えば、三種類の花10A,10B,10Cを装着しておく。また、エリア28aには、シール29が貼り付けられている。 前記対象物品を保持可能な保持部をさらに備え、
前記対象物品は、前記保持部に保持された状態において、当該対象物品の上面側の少なくとも一部が、温度変化によって変色可能に構成されている、この状態においては、室温状態では、花10A,10B,10Cは、特に、鮮やかな色にはなっておらず、図示の如く、全体が同じ例えば白色となっている。そして、図13に示すように、例えば、ある一定温度の液体W(冷水等)を、ジョウロ60を使って上からかける。すると、花10A,10B,10Cは、各花10A,10B,10Cの個性を出す色に変色する。
【0043】
図14は、玩具1の遊び方の他の例を示す斜視図である。
他の遊び方としては、図14に示すように、ブーケを作る遊びができる。例えば、ブーケ用容器70に複数の花10A,10Bを差しておく。そして、花10Bについては、棒状部材90を使用して、図示の如く花冠10b全体ではなく個々の花弁ごとに色を変える。この場合、棒状部材90の外表面91sの接触面は、花弁の寸法L8に比べて十分に小さく、図示の如く部分的な色変更ができる。また、棒状部材80を使用した場合には、花10Aを一度に大きい領域を色替えすることができる。このように棒状部材80,90を使用するときは、他の部分に液体Wを溢すことが回避される。
【0044】
以上述べたように、本態様においては、色変化する対象物品が花10を模しているので、色々な花10の色を変化させる華やかな楽しい演出ができる。また、花10の表示変化部11は、色変化可能な変化領域E1と、色変化しない非変化領域E2と、を有するので、色変化の生じない領域との間において色変化の強調・顕在化を楽しむことができる。特に、花冠11b或いは花芯11aの少なくとも一方が変化領域E1であるので、花10の花冠11bと花芯11aとの全体的な色変化や部分的な花10として色変化を楽しむことができ、花10の種類によっては、リアルな色変化を楽しむことができる。
【0045】
本態様においては、花10を保持する物品保持部21側に、物品保持部21に対して略直交してキャラクター30を表示したキャラクター表示部28が設けられているので、キャラクター30と物品保持部21に保持された花10とを関連付けて楽しむことができる。例えば、花10は、展示ベース20から取り外し可能に設けられているので、キャラクター30との間で花10の受け渡しを模擬する「花屋さんごっこ」を楽しむことができる。
【0046】
また、本態様においては、展示ベース20上に展示されている花10は、その上面側10uが、液体Wにより色変化が可能であるので、例えば、水などの液体Wを上方から供給することが容易にでき、色が変わる変化を楽しむことができる。
【0047】
本態様においては、花10は、支持部15によって表示変化部11を展示ベース20の保持面21uから一定の間隔を開けるように取り付けられるので、表示変化部11を展示ベース20上において立体的に展示することができる。また、表示変化部11が保持面21uから離れているので、保持面が窪み形状の液溜部25によって液体Wを溜めるような構成であっても、液体Wに表示変化部11が浸かる状態を避けることができる。
【0048】
本態様においては、表示変化部11の裏面側11dに突条リブ13が設けられたことにより、表示変化部11の厚みを薄くしても当該表示変化部11の強度を高めることができる。また、突条リブ13が設けられていることで、裏面側11dの表面積を変えることができると共に表示変化部11の体積を変えることができる。これにより、表示変化部11の放熱性能(放熱フィン作用による放熱機能)を変えることができ、また、体積変化による熱容量を変えることができる。この結果、表示変化部11の温度変化のスピード、色変化状態の維持といった機能を調整することが可能になる。
【0049】
本態様においては、物品保持部21は、花10を保持する保持位置の高さが異なる複数の物品固定部22,23,24を備えているので、花10の展示高さを変えることができ、立体的な展示を演出することができる。更に、花10を保持する複数の物品固定部22,23,24がキャラクター表示部28との距離が異なるように構成されているので、花10の展示広さを演出することができる。
【0050】
また、本態様においては、キャラクター30のシール貼付けなどが可能なエリア28aよりも手前側に突出した立体造形にて形成されているので、キャラクター30とシール図柄との間で奥行を演出することができる。
【0051】
本態様においては、液溜部25の外縁部21eは、平面視において、物品保持部21に固定された花10の外径よりも外側に位置しているので、例えば、花10にかけた液体Wを確実に受けることができる。
【0052】
本態様においては、液体Wを溜めると共に流すことができる容器部材(ジョウロ60、ブーケ用容器70)と、液体Wを含有可能なスポンジ部81,91が設けられるスポンジ保持部82,92を有する棒状部材80,90と、を含むことにより、多くの液体Wを付与する場合と、部分的に少量の液体Wを付与する場合と、の使い分けで異なった色変化の仕方を楽しむことができる。例えば、ジョウロ60、特に、ハス口部63の付いたジョウロ60を使って液体Wをかける場合には、花10に水をあげる楽しい演出ができる。
【0053】
また、棒状部材80,90は、スポンジ部81,91が棒状部材80,90の軸線CLに対して、略平行な平面に構成されていることで、棒状部材80,90の軸線CLを振るような動作(揺動動作)にて液体Wを付与することができ、比較的幼少の子供でも使用可能である。また、スポンジ保持部82,92は、スポンジ部81,91を保持した裏面側11dが比較的大きい平面構造にできるので、図柄配置する領域を設けることができる。
【0054】
更に、棒状部材80,90は、スポンジ部81,91が当該棒状部材80,90の軸線CL方向の一端側に設けられた構造においては、棒状部材80,90を、ペンや鉛筆を持つようにして使用することができる。また、スポンジ部81,91の外表面81s、91sは、一端側に膨らむように湾曲しているので、小さい接触面で液体W付与が可能である。
【0055】
また、本態様においては、ポンジ保持部82,92は、容器部材の開口部64,74よりも小さく構成されているので、スポンジ部81,91を、容器部材の中に入れてある液体Wを浸すことができ、また、棒状部材80,90を容器部材に収容・保管が可能である。
【0056】
以上の説明した一態様は、発明の一側面を例示したものであって、本発明は上記記載に何ら制限されるものではない。例えば、上記態様における表示変化部11については、変化領域E1と非変化領域E2とを設ける構成としたが、非変化領域E2を設けずに、表示変化部11が全て色変化するように構成しても良い。
【0057】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0058】
(1)
花を模した対象物品を備え、
前記対象物品の少なくとも一部の色は、温度変化によって変色可能に構成されている、
玩具。
【0059】
(2)
(1)に記載の玩具であって、
前記対象物品を保持可能な保持部をさらに備え、
前記対象物品は、前記保持部に保持された状態において、当該対象物品の上面側の少なくとも一部が、温度変化によって変色可能に構成されている、
玩具。
【0060】
(3)
(2)に記載の玩具であって、
前記対象物品は、色変化可能な領域を含む表示変化部と、
前記表示変化部の裏面側から突出し、当該表示変化部を前記保持部の保持面から離れた位置に保持する支持部と、を備える、
玩具。
【0061】
(4)
(3)に記載の玩具であって、
前記表示変化部は、色変化可能な変化領域と、色変化不能な非変化領域と、を有する、
玩具。
【0062】
(5)
(4)に記載の玩具であって、
前記表示変化部は、花冠と花芯を模した部位を含み、
前記花冠と前記花芯の少なくとも一方が前記変化領域である、
玩具。
【0063】
(6)
(3)~(5)のいずれかに記載の玩具であって、
前記表示変化部の前記裏面側には、前記支持部の突出基部から当該表示変化部の外周縁に向かって複数の突条リブが設けられている、
玩具。
【0064】
(7)
(2)~(6)のいずれかに記載の玩具であって、
前記保持部は、前記対象物品を保持し且つ載置面に載置可能な物品保持部と、
前記物品保持部に対して略垂直に立ち上がり且つ当該物品保持部側にキャラクターを表示したキャラクター表示部と、を備えている、
玩具。
【0065】
(8)
(7)に記載の玩具であって、
前記物品保持部は、前記対象物品を保持する保持位置の前記載置面からの高さが異なる複数の物品固定部を備えている、
玩具。
【0066】
(9)
(8)に記載の玩具であって、
前記複数の物品固定部は、前記キャラクター表示部に対して異なる距離に設けられている、
玩具。
【0067】
(10)
(7)~(9)のいずれかに記載の玩具であって、
前記物品保持部は、液体を保持可能な液溜部を備え、
前記対象物品が保持された状態の平面視において、前記液溜部の外縁部が前記対象物品よりも外側に位置している、
玩具。
【0068】
(11)
(7)~(10)のいずれかに記載の玩具であって、
前記キャラクター表示部は、平面状のエリアを含み、
前記キャラクターは、前記エリアよりも前記物品保持部側に突出する立体造形にて形成されている、
玩具。
【0069】
(12)
(2)~(11)のいずれかに記載の玩具であって、
本発明の一態様の玩具は、
液体を溜めると共に流すことが可能な容器部材と、液体を含有させることが可能なスポンジ部が設けられるスポンジ保持部を有する棒状部材と、を備える、
玩具。
【0070】
(13)
(12)に記載の玩具であって、
前記容器部材は、少なくともジョウロを含む、
玩具。
【0071】
(14)
(12)または(13)に記載の玩具であって、
前記スポンジ保持部は、前記容器部材の開口部よりも小さく構成されている、
玩具。
【0072】
(15)
(12)~(14)のいずれかに記載の玩具であって、
前記棒状部材は、前記スポンジ保持部が当該棒状部材の軸線に対して、略平行な平面に構成され、前記スポンジ部の外表面が前記軸線に略平行の平面である、
玩具。
【0073】
(16)
(12)~(14)のいずれかに記載の玩具であって、
前記棒状部材は、前記スポンジ保持部が当該棒状部材の軸線方向の一端側に設けられ、
前記スポンジ保持部に設けられたスポンジ部の外表面は、前記一端側におiいて
前記軸線方向に膨らむように湾曲している、
玩具。
【符号の説明】
【0074】
1 玩具
10 花(対象物品)
10d 裏面側
10u 上面側
11 表示変化部
11a 花芯、
11b 花冠
11e 外周縁
15 支持部、
13 突条リブ
15a 突出基部
20 展示ベース(保持部)
21 物品保持部、
21u 保持面
28 キャラクター表示部、
22、23、24 固定部
25 液溜部
21e 外縁部
28a エリア
30 キャラクター
60 ジョウロ(容器部材)
64、74 開口部
70 ブーケ用容器(容器部材)
80、90 棒状部材
81、91 スポンジ部
81s、91s 外表面
82、92 スポンジ保持部
100 載置面
CL 軸線
E1 変化領域
E2 非変化領域
W 液体
図1
図2
図3
図4
図5
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図14