(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013373
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理装置および情報提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20240125BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240125BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20240125BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/35
A63F13/85
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115421
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】中村 宣之
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して適切な情報を提供する。
【解決手段】状況特定部230は、ユーザの状況を特定する。アクティビティ特定部240は、特定したユーザの状況にもとづいてユーザに推薦するアクティビティを特定する。状況特定部230は、ゲームのプレイ開始タイミングまたはプレイ終了タイミングに対するユーザの現在の状況を特定し、アクティビティ特定部240は、ユーザの現在の状況に対応する選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置であって、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザの状況を特定し、
特定したユーザの状況にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する、
サーバ装置。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、
ゲームのプレイ開始タイミングまたはプレイ終了タイミングに対するユーザの現在の状況を特定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザがゲームプレイを開始していないことを判定し、これからユーザがゲームプレイを開始する状況にあることを特定する、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザがゲームプレイを終了するタイミングを推定し、推定したプレイ終了タイミングから、ユーザがゲームプレイを終了しそうな状況にあることを特定する、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザの状況に対応する選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記選択基準は、ゲームごとに設定されている、
請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
ユーザが操作する情報処理装置であって、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザの状況を示す情報をサーバ装置に送信し、
ユーザの状況にもとづいて推薦されたアクティビティに関する情報を取得し、
アクティビティに関する情報を表示する、
情報処理装置。
【請求項8】
ユーザに情報を提供する方法であって、
ユーザの状況を特定し、
特定したユーザの状況にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定し、
特定したアクティビティに関する情報をユーザに提供する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザにゲームに関する情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数のプレイヤにより実行されたアクティビティに関するイベントデータを処理するサーバ装置を開示する。このサーバ装置は、複数のイベントデータから複数のプレイヤによるアクティビティのプレイ時間を取得し、プレイヤのスキル値に応じてプレイヤを複数のクラスのいずれかに振り分け、各クラスにおける複数のプレイヤのプレイ時間にもとづいて、各クラスにおけるプレイ時間の代表値を決定する。サーバ装置は、ユーザのクラスに対応付けられたプレイ時間の代表値にもとづく予想プレイ時間を、ユーザに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のプレイヤがゲームをプレイしたデータをサーバ装置が収集することで、様々な情報を統計処理等により導き出し、ユーザに提供することが可能となる。本開示は、ユーザに対して適切な情報を提供する技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサーバ装置は、ユーザの状況を特定する状況特定部と、特定したユーザの状況にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定するアクティビティ特定部とを備える。
【0006】
本発明の別の態様の情報処理装置は、ユーザが操作する情報処理装置であって、ユーザの状況を示す情報をサーバ装置に送信する送信処理部と、ユーザの状況にもとづいて推薦されたアクティビティに関する情報を取得する情報取得部と、アクティビティに関する情報を表示する表示処理部とを備える。
【0007】
本発明のさらに別の態様の情報提供方法は、ユーザに情報を提供する方法であって、ユーザの状況を特定し、特定したユーザの状況にもとづいてユーザに推薦するアクティビティを特定し、特定したアクティビティに関する情報をユーザに提供する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムを示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図5】プレイ時間の算出手法を説明するための図である。
【
図6】プレイ順序の導出手法を説明するための図である。
【
図7】出力装置に表示されるシステム画面の例を示す図である。
【
図8】出力装置に表示されるシステム画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態では、ユーザ端末装置である情報処理装置がゲームソフトウェアを実行する。ゲームソフトウェアは、ゲーム内でイベントが発生すると、発生したイベントを識別するイベント情報をシステムソフトウェアに出力する。イベントは、ゲームプレイの進行に変化があったり、ゲームキャラクタの行動に変化があったとき等に発生する。
【0011】
ゲームソフトウェアには、終了条件が設定されているアクティビティが複数含まれる。アクティビティには開始条件も設定されていることが好ましく、この場合、開始条件が成立してから終了条件が成立するまでのゲーム進行が1つのアクティビティを構成する。
【0012】
アクティビティは、ゲームに組み入れられているステージや、クエスト、ミッション、トーナメント、セッション等から構成されるプレイ単位である。アクティビティはゲームメーカにより適宜設定され、たとえばゲーム進行上に登場する1つのクエストが1つのアクティビティを構成してよく、また複数のクエストが1つのアクティビティを構成してもよい。複数のクエストが1つのアクティビティを構成している場合、複数のクエストの全てを完了することが、当該アクティビティの終了条件となる。
【0013】
なおゲームメーカは、ゲームに組み込んだステージや、クエスト、ミッション、トーナメント、セッションの全てをアクティビティとして設定してよいが、ステージや、クエスト、ミッション、トーナメント、セッションの一部のみをアクティビティとして設定してもよい。上記したように、複数のクエストやミッションの組み合わせに対して、1つのアクティビティが設定されて、1つのプレイ単位を構成してもよい。
【0014】
ゲームソフトウェアは、アクティビティを開始すると、アクティビティを識別するアクティビティ識別子(アクティビティID)と、アクティビティの開始を示す情報を含むイベント情報をシステムソフトウェアに出力する。ゲームソフトウェアは、アクティビティを終了すると、アクティビティIDと、アクティビティの終了を示す情報を含むイベント情報をシステムソフトウェアに出力する。システムソフトウェアは、ゲームソフトウェアから出力されたイベント情報に、ユーザを識別するユーザ識別子(ユーザアカウント)、ゲームを識別するゲーム識別子(ゲームID)および時間情報(タイムスタンプ)を付加したイベントデータを生成し、外部のサーバ装置に送信する。
【0015】
サーバ装置は、複数のプレイヤが操作する複数の情報処理装置から送信されるイベントデータを収集して、アクティビティに関するプレイ動向を解析する。たとえばサーバ装置は、複数の情報処理装置から送信されるイベントデータにもとづいて、複数のプレイヤによるアクティビティのプレイ時間を統計処理により導出してよい。またサーバ装置は、複数の情報処理装置から送信されるイベントデータにもとづいて、1つのゲーム内で複数のアクティビティが実施される順番を統計処理により導出してよい。またサーバ装置は、1つまたは複数の情報処理装置から送信されるイベントデータにもとづいて、1つのゲーム内でゲームプレイの開始直後によくプレイされるアクティビティを導き出してよい。
【0016】
図1は、本開示の実施形態にかかる情報処理システム1を示す。実施形態の情報処理システム1は、ユーザ(以下、「プレイヤ」と呼ぶこともある)のゲームプレイをサポートするゲームシステムであり、ユーザが操作する情報処理装置10とサーバ装置5とを備える。アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、情報処理装置10は、無線または有線経由でAP8に接続して、ネットワーク3上のサーバ装置5と通信可能に接続する。
図1には、1人のユーザおよび1台の情報処理装置10が示されているが、情報処理システム1では、複数のユーザが操作する複数の情報処理装置10とサーバ装置5とがネットワーク3を介して接続していることを前提とする。
【0017】
情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6はユーザが操作した情報を情報処理装置10に出力する。情報処理装置10は入力装置6から操作情報を受け付けるとシステムソフトウェアやゲームソフトウェアの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力させる。情報処理システム1において情報処理装置10はゲームを実行するゲーム装置(ゲームコンソール)であり、入力装置6はゲームコントローラなど情報処理装置10に対してユーザの操作情報を供給する機器であってよい。なお入力装置6は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースであってもよい。
【0018】
補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの大容量記録装置であり、内蔵型記録装置であってよく、またUSB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記録装置であってもよい。出力装置4は画像を出力するディスプレイおよび音を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置4は、情報処理装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線接続されてもよい。
【0019】
撮像装置であるカメラ7は出力装置4の近傍に設けられ、出力装置4周辺の空間を撮像する。
図1ではカメラ7が出力装置4の上部に取り付けられている例を示しているが、出力装置4の側部または下部に配置されてもよく、いずれにしても出力装置4の前方に位置するユーザを撮像できる位置に配置される。カメラ7はステレオカメラであってもよい。
【0020】
サーバ装置5は、情報処理システム1のユーザに対してネットワークサービスを提供する。サーバ装置5は、各ユーザを識別するネットワークアカウント(ユーザアカウント)を管理しており、各ユーザは、ネットワークアカウントを用いて、サーバ装置5が提供するネットワークサービスにサインインする。ユーザは情報処理装置10からネットワークサービスにサインインすることで、サーバ装置5に、ゲームのセーブデータや、ゲームプレイ中に獲得した仮想的な褒賞であるトロフィを登録できる。サーバ装置5にセーブデータやトロフィが登録されることで、ユーザが情報処理装置10とは別の情報処理装置を使用しても、セーブデータやトロフィを同期できるようになる。
【0021】
実施形態のサーバ装置5は、複数の情報処理装置10からイベントデータを収集する。サーバ装置5は、収集したイベントデータからアクティビティに関する情報を処理して、たとえばアクティビティごとの平均プレイ時間や、ゲーム内でアクティビティが実施される順番を統計処理により導出する。サーバ装置5は、アクティビティが実施される順番を事前に導出しておくことで、ユーザがあるアクティビティを完了したときに、次に実施する可能性の高いアクティビティを特定して、当該アクティビティを推薦することが可能となる。
【0022】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0023】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。メインCPUはシステムソフトウェアを起動し、システムソフトウェアが提供する環境下において、補助記憶装置2にインストールされたゲームプログラムを実行する機能をもつ。サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えない。
【0024】
メインCPUは補助記憶装置2にインストールされているゲームプログラムを実行する機能をもつ一方で、サブCPUはそのような機能をもたない。しかしながらサブCPUは補助記憶装置2にアクセスする機能や、サーバ装置5との間でデータを送受信する機能を有している。サブCPUは、このような制限された処理機能のみを有して構成されており、したがってメインCPUと比較して小さい消費電力で動作できる。これらのサブCPUの機能は、メインCPUがスタンバイ状態にある際に実行される。
【0025】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。
【0026】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。
【0027】
デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0028】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアである。
【0029】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、入力装置6と無線通信する。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信し、AP8を介してネットワーク3に接続する。
【0030】
図3は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、処理部100および通信部102を備える。処理部100は、ゲームソフトウェア110、イベント情報取得部120、状況取得部122、送信処理部124、ゲーム画像生成部130、表示処理部140および情報取得部150を備える。
【0031】
情報処理装置10はコンピュータを備え、コンピュータがプログラムを実行することによって、
図3に示す様々な機能が実現される。コンピュータは、プログラムをロードするメモリ、ロードされたプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、補助記憶装置、その他のLSIなどをハードウェアとして備える。プロセッサは、半導体集積回路やLSIを含む複数の電子回路により構成され、複数の電子回路は、1つのチップ上に搭載されてよく、または複数のチップ上に搭載されてもよい。
図3に示す機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの連携によって実現され、したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0032】
ゲームソフトウェア110は、少なくともゲームプログラム、画像データおよび音データを含む。ゲームプログラムは、ユーザによる入力装置6の操作情報を受け、仮想空間においてゲームキャラクタを動かす演算処理を行う。ゲーム画像生成部130は、レンダリング処理などを実行するGPU(Graphics Processing Unit)を含んで、ゲームの画像を生成する。表示処理部140は、生成されたゲーム画像を出力装置4から出力する。なお処理部100は、ゲーム音を生成するゲーム音生成部およびゲーム音を出力する音出力部を備えるが、
図3では図示を省略している。
【0033】
ゲームプログラムは、ゲーム進行中にイベントが発生すると、発生したイベントを示すイベント情報を出力する。イベント情報取得部120は、ゲームソフトウェア110からイベント情報を取得すると、イベント情報に、ユーザアカウント、ゲームIDおよびイベントが発生した時間を示す時間情報(タイムスタンプ)を付加したイベントデータを生成して、送信処理部124に提供する。なおゲームプログラムは、ゲームIDおよび/またはタイムスタンプを含むイベント情報をイベント情報取得部120に出力してもよい。送信処理部124は、生成されたイベントデータを、通信部102を介してサーバ装置5に送信する。
【0034】
ゲームプログラムにおいて、アクティビティの開始および終了はイベントとしてコーディングされている。ゲームプログラムは、ゲーム進行中にアクティビティを開始すると、アクティビティの開始イベントの発生を示すイベント情報を出力し、アクティビティを終了すると、アクティビティの終了イベントの発生を示すイベント情報を出力する。ゲームメーカは様々なイベントをゲームに仕込んでよい。たとえば、敵ボスとの戦闘アクティビティがゲームに組み入れられている場合、ゲームプログラムは、戦闘開始時に、戦闘アクティビティを識別するアクティビティIDと、戦闘アクティビティの開始を示す情報を含むイベント情報を出力する。プレイヤが敵ボスとの戦闘に勝利すると、ゲームプログラムは、戦闘アクティビティを識別するアクティビティIDと、戦闘アクティビティの終了を示す情報と、アクティビティの成功を示す情報を含むイベント情報を出力する。
【0035】
送信処理部124は、プレイヤにより実行されたアクティビティに関するイベントデータを、通信部102を介してサーバ装置5に送信する。情報処理システム1において、イベントデータの送信処理は、サーバ装置5に接続している全ての情報処理装置10により実施され、サーバ装置5は、複数の情報処理装置10から、様々なゲームの様々なアクティビティに関するイベントデータを収集する。なお送信処理部124は、アクティビティに関するイベントデータに限らず、アクティビティに関係しないイベントデータもサーバ装置5に送信する。イベント情報取得部120は、イベント情報をゲームソフトウェア110から取得すると、すぐにタイムスタンプを付加したイベントデータを生成し、送信処理部124がサーバ装置5に送信することが好ましい。
【0036】
状況取得部122は、ユーザのコンテキストを示す情報、つまりユーザの現在の状況を示す情報を取得する。たとえばユーザのコンテキストは、情報処理装置10にログインしたこと、ゲームソフトウェア110を起動してゲームプレイを開始したこと、ゲームソフトウェア110の実行を終了してゲームプレイを終了したこと、などの状況を少なくとも含む。状況取得部122は、システムソフトウェアから、ユーザがログインしたことを示す情報、ゲームソフトウェア110が起動されたことを示す情報、ゲームソフトウェア110が終了されたことを示す情報を、ユーザの現在の状況(コンテキスト)を示す情報として取得する。状況取得部122は、ユーザの状況を示す情報に、ユーザアカウントおよび当該情報を取得した時間(タイムスタンプ)を付加したユーザ状況データを生成して、送信処理部124に提供する。送信処理部124は、生成されたユーザ状況データを、通信部102を介してサーバ装置5に送信する。
【0037】
図4は、実施形態のサーバ装置5の機能ブロックを示す。サーバ装置5は、処理部200、通信部202、データ記録部260、イベント解析結果記録部270およびユーザ状況解析結果記録部272を備える。処理部200は、データ取得部210、イベント解析部220、ユーザ状況解析部222、状況特定部230、アクティビティ特定部240および情報提供部250を備える。データ取得部210は、イベントデータ取得部212およびユーザ状況データ取得部214を有する。アクティビティ特定部240は、第1アクティビティ特定部242、第2アクティビティ特定部244および第3アクティビティ特定部246を有する。データ記録部260は、イベントデータ記録部262およびユーザ状況データ記録部264を有する。
【0038】
サーバ装置5はコンピュータを備え、コンピュータがプログラムを実行することによって、
図4に示す様々な機能が実現される。コンピュータは、プログラムをロードするメモリ、ロードされたプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、補助記憶装置、その他のLSIなどをハードウェアとして備える。プロセッサは、半導体集積回路やLSIを含む複数の電子回路により構成され、複数の電子回路は、1つのチップ上に搭載されてよく、または複数のチップ上に搭載されてもよい。
図4に示す機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの連携によって実現され、したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0039】
データ取得部210は、複数の情報処理装置10からデータを取得し、データ記録部260に記録する。
イベントデータ取得部212は、複数の情報処理装置10から、複数のプレイヤにより実行されたアクティビティに関するイベントデータを取得し、イベントデータ記録部262に記録する。イベントデータ記録部262は、プレイヤのネットワークアカウントに紐付けて、ゲームタイトルごとにイベントデータを記録する。既述したようにイベントデータには、ゲームID、アクティビティID、アクティビティの開始または終了を示す情報、およびタイムスタンプが少なくとも含まれる。なおイベントデータ取得部212は、アクティビティに関係しないイベントデータを取得して、イベントデータ記録部262に記録してもよい。
【0040】
イベント解析部220は、複数のプレイヤにより実行されたアクティビティに関するイベントデータを解析して、アクティビティに関するプレイ履歴を示す情報を取得する。実施形態においてイベント解析部220は、複数のプレイヤにより実行されたゲームXの過去のイベントデータを解析して、複数のアクティビティのそれぞれの平均プレイ時間や、複数のアクティビティのプレイ順序などを導出する。
【0041】
(アクティビティの平均プレイ時間の導出)
イベント解析部220は、プレイヤごとにアクティビティのプレイ時間を取得する。イベント解析部220は、イベントデータ記録部262に記録された、アクティビティの開始イベント情報を含むイベントデータ(開始イベントデータ)と、アクティビティの終了イベント情報を含むイベントデータ(終了イベントデータ)から、複数のプレイヤの当該アクティビティのプレイ時間を取得する。アクティビティのプレイ時間は、開始イベントデータに含まれるタイムスタンプと、終了イベントデータに含まれるタイムスタンプにもとづいて算出される。
【0042】
図5は、プレイ時間の算出手法を説明するための図である。
図5は、1人のプレイヤのプレイ時におけるアクティビティSの開始イベントおよび終了イベントを示し、具体的に“S開始”はアクティビティSの開始イベントを、“S終了”はアクティビティSの終了イベントを示す。開始イベントデータには、アクティビティSの開始時刻t1が含まれ、終了イベントデータには、アクティビティSの終了時刻t2が含まれており、イベント解析部220は、当該プレイヤによるアクティビティSのプレイ時間を、(t2-t1)と算出する。イベント解析部220は、算出したアクティビティSのプレイ時間を、プレイヤのネットワークアカウントに紐付けて、ゲームIDおよびアクティビティIDとともにイベント解析結果記録部270に記録する。同様にイベント解析部220は、他のプレイヤによるアクティビティSのプレイ時間を算出し、プレイヤのネットワークアカウントに紐付けて、ゲームIDおよびアクティビティIDとともにイベント解析結果記録部270に記録する。
【0043】
イベント解析部220は、ゲームXのアクティビティSについて導出した全てのプレイヤのプレイ時間を平均処理して、アクティビティSの平均プレイ時間を導出する。イベント解析部220は、導出したアクティビティSの平均プレイ時間を、イベント解析結果記録部270に記録する。このようにイベント解析部220は、他のアクティビティの平均プレイ時間も導出し、ゲームXにおける全てのアクティビティの平均プレイ時間を、イベント解析結果記録部270に記録する。
【0044】
(アクティビティのプレイ順序に関する関係の抽出)
ゲームXが、ストーリーベースのゲームであって、プレイするアクティビティの順序が比較的定まりやすいゲーム(たとえばアドベンチャゲーム)である場合、イベント解析部220は、ゲームXにおける複数のアクティビティのプレイ順序を特定する。
【0045】
図6は、プレイ順序の導出手法を説明するための図である。
図6は、1人のプレイヤがゲームXのプレイを開始してからクリアするまでのアクティビティのプレイ状況を示す。このプレイ状況においては、プレイヤがファーストステージからファイナルステージまでをクリアしたときのアクティビティのプレイ順が示される。
【0046】
イベント解析部220は、イベントデータ記録部262に記録されたイベントデータを参照して、ゲームXをクリアした全てのプレイヤによるアクティビティのプレイ順序を導出する。イベント解析部220は、導出した全てのプレイ順序を統計処理して、アクティビティのプレイ順序に関する関係を抽出してよい。たとえばイベント解析部220は、ゲームXにおいて、アクティビティBをプレイしたプレイヤが、次にアクティビティCをプレイする割合が80%以上である場合に、アクティビティBの次にアクティビティCがプレイされる傾向が強いことを認識する。またイベント解析部220は、ゲームXにおいて、アクティビティCをプレイしたプレイヤが、次にアクティビティDをプレイする割合が80%以上である場合に、アクティビティCの次にアクティビティDがプレイされる傾向が強いことを認識する。このようにイベント解析部220は、アクティビティのプレイ順序に関する関係を抽出して、イベント解析結果記録部270に記録する。
【0047】
(1日のゲームプレイで最初にプレイするアクティビティの特定)
イベント解析部220は、イベントデータ記録部262に記録されたイベントデータを参照して、1日のゲームプレイ開始時に、プレイヤがよくプレイするアクティビティを特定する。たとえばストーリーベースのゲームXの場合、プレイヤは、ストーリーに沿ってゲームを進行するため、イベント解析部220は、イベント解析結果記録部270に記録されたアクティビティのプレイ順序に関する関係を参照して、1日のゲーム開始時にプレイされるアクティビティが前回のゲーム終了直前にプレイされたアクティビティの次にプレイされる割合の高いアクティビティであることを特定してよい。この場合、イベント解析部220は、ゲームXについて、1日のゲームプレイで最初にプレイされるアクティビティが、アクティビティのプレイ順序に関する関係にしたがうアクティビティであることを決定して、解析結果としてイベント解析結果記録部270に記録する。
【0048】
イベント解析部220は、複数のプレイヤのイベントデータを統計処理することで、1日のゲームプレイ開始時に複数のプレイヤがよくプレイするアクティビティを特定してよいが、イベントデータをプレイヤごとに参照して、1日のゲームプレイ開始時によくプレイするアクティビティを、プレイヤごとに特定してもよい。
【0049】
またスポーツ系のゲームYについて、イベント解析部220は、イベントデータ記録部262に記録されたイベントデータを参照して、1日のゲームプレイ開始時に、プレイヤがよくプレイするアクティビティを特定する。たとえばイベント解析部220は、スポーツ系のゲームYについて、1日のゲームプレイ開始時にプレイヤがよくプレイするアクティビティが、選手を育成するアクティビティであることを特定してよい。イベント解析部220はゲームYについて、1日のゲームプレイで最初によくプレイされるアクティビティが選手育成アクティビティであることを決定すると、解析結果としてイベント解析結果記録部270に記録する。イベント解析部220は、複数のプレイヤのイベントデータを統計処理することで、1日のゲームプレイ開始時に複数のプレイヤがよくプレイするアクティビティを特定してよいが、イベントデータをプレイヤごとに参照して、1日のゲームプレイ開始時によくプレイするアクティビティを、プレイヤごとに特定してもよい。
【0050】
イベント解析部220は、イベントデータを用いた上記解析を定期的に実施してよい。たとえばイベント解析部220は、1回/日、または1回/週などの頻度で上記解析を実施して、最新の解析結果をイベント解析結果記録部270に記録することが好ましい。
【0051】
ユーザ状況データ取得部214は、複数の情報処理装置10から、複数のプレイヤのユーザ状況データを取得し、ユーザ状況データ記録部264に記録する。イベントデータ記録部262は、プレイヤのネットワークアカウントに紐付けて、ユーザ状況データを記録する。既述したようにユーザ状況データには、ユーザの状況を示す情報および当該情報を取得した時間(タイムスタンプ)が含まれる。ユーザの状況を示す情報は、ユーザがログインしたことを示す情報、ゲームソフトウェア110が起動されたことを示す情報、ゲームソフトウェア110が終了されたことを示す情報を含んでよい。
【0052】
ユーザ状況解析部222は、ユーザ状況データ記録部264に蓄積された過去複数日のユーザ状況データを解析して、各ユーザの1日におけるプレイスケジュールを特定する。具体的にユーザ状況解析部222は、ユーザがログインしたことを示す情報から、ユーザのログインタイミングを導出し、ゲームソフトウェアが起動されたことを示す情報から、ゲームのプレイ開始タイミングを導出し、ゲームソフトウェアが終了されたことを示す情報から、ゲームのプレイ終了タイミングを導出する。ユーザ状況解析部222は、各ユーザのログインタイミング、プレイ開始タイミング、プレイ終了タイミングを、曜日ごとに導出してよく、または平日と休日に分けて導出してもよい。ユーザ状況解析部222は、各ユーザのプレイスケジュールを導出して、ユーザ状況解析結果記録部272に記録する。実施形態において、プレイスケジュールにおけるプレイ終了タイミングは、ユーザがプレイを終了するタイミングを推定するために利用される。
【0053】
以下は、ユーザAについて導出された日曜日のプレイスケジュールの例を示す。
・ ログインタイミング 13時50分
・ プレイ開始タイミング 14時
・ プレイ終了タイミング 20時
このプレイスケジュールは、過去の日曜日における複数日分のユーザ状況データから導出されたものであり、ユーザAが全ての日曜日に、このスケジュールどおりに行動することを保証するものではないが、実施形態の状況特定部230は、ユーザAの日曜日の行動を推測するために、このプレイスケジュールを利用してよい。状況特定部230は、ユーザの状況にもとづいて、ゲームのプレイ開始タイミングまたはゲームのプレイ終了タイミングに対するユーザの現在の状況を特定する。
【0054】
(ユーザのログイン時)
ある日曜日、ユーザAが情報処理装置10にログインすると、状況取得部122は、システムソフトウェアからユーザがログインしたことを示す情報を取得する。送信処理部124は、ユーザがログインしたことを示す情報に、ユーザAのアカウントと、ユーザがログインした時刻(タイムスタンプ)を付加したユーザ状況データを、通信部102を介してサーバ装置5に送信する。
【0055】
サーバ装置5において、ユーザ状況データ取得部214がユーザ状況データを取得し、状況特定部230が、ユーザ状況データからユーザの状況を特定する。具体的に状況特定部230は、当該ユーザ状況データから、ユーザが情報処理装置10にログインしたが、まだゲームプレイを開始していないことを判定し、これからユーザがゲームプレイを開始する状況にあることを特定する。
【0056】
アクティビティ特定部240は、状況特定部230が特定したユーザの状況にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する機能を備える。具体的にアクティビティ特定部240は、ユーザの状況に対応する選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。選択基準は、ゲームの種類ごとに設定されていてよく、たとえばストーリーベースのゲームとスポーツ系のゲームとでは異なる選択基準が設定されてよい。なお選択基準は、ゲームタイトルごとに設定されてもよい。
【0057】
第1アクティビティ特定部242は、これからユーザがゲームプレイを開始する状況に対応する第1選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。状況特定部230が、ユーザがゲームプレイを開始していないことを判定し、これからユーザがゲームプレイを開始する状況にあることを特定すると、第1アクティビティ特定部242が、第1選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。ここで第1選択基準は、イベント解析部220により1日のゲームプレイ開始時にプレイヤがよくプレイするアクティビティとして特定された解析結果に対応する。
【0058】
第1アクティビティ特定部242は、ストーリーベースのゲームXについての第1選択基準にしたがい、アクティビティのプレイ順序に関する関係を参照して、前回のゲームXのプレイ終了直前にプレイしたアクティビティの次にプレイされる割合の高いアクティビティを特定する。イベント解析結果記録部270に、アクティビティのプレイ順序に関する関係として、アクティビティBをプレイしたプレイヤが、次にアクティビティCをプレイする割合が80%以上であることが記録されている場合、第1アクティビティ特定部242は、前回のゲームXのプレイ終了直前にプレイしたアクティビティがアクティビティBであれば、ユーザに推薦するアクティビティとしてアクティビティCを特定する。ストーリーベースのゲームXの場合、ユーザAは、ストーリーに沿ったゲーム進行を期待するため、アクティビティCを推薦することはユーザの希望にマッチする。
【0059】
また第1アクティビティ特定部242は、スポーツ系のゲームYについての第1選択基準にしたがい、選手育成アクティビティを特定する。イベント解析結果記録部270には、ゲームYについて1日の最初によくプレイされるアクティビティが選手育成アクティビティであることが記録されており、したがって第1アクティビティ特定部242は、ゲームYの選手育成アクティビティを、ユーザに推薦するアクティビティとして特定する。
【0060】
情報提供部250は、まだゲームプレイを開始していないユーザAの情報処理装置10に対し、ゲームプレイ開始時に推薦するアクティビティに関する情報を、通信部202を介して送信する。情報処理装置10において、情報取得部150が、サーバ装置5から推薦されたアクティビティに関する情報を取得する。表示処理部140は、情報取得部150が取得した情報を表示する。
【0061】
図7は、ゲーム開始前に出力装置4に表示されるシステム画面の例を示す。表示処理部140は、情報取得部150が取得した情報からシステム画像180、182を生成し、出力装置4に表示する。システム画像180には、ゲームXのアクティビティ名である「アクティビティC」と平均プレイ時間「10分」が表示され、システム画像182には、ゲームYのアクティビティ名である「選手育成アクティビティ」と平均プレイ時間「12分」が表示される。カード形式で表示されるシステム画像180、182は、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)であってよく、ユーザがシステム画像180を選択すると、ゲームXが自動的に起動して、当該システム画像180に対応するアクティビティCが自動的にスタートされてよい。同様にユーザがシステム画像182を選択すると、ゲームYが自動的に起動して、当該システム画像182に対応する選手育成アクティビティが自動的にスタートされる。
【0062】
(ユーザのプレイ中)
ログインしたユーザAが、ゲームソフトウェア110を起動すると、状況取得部122は、システムソフトウェアからゲームソフトウェア110が起動されたことを示す情報を取得する。送信処理部124は、ゲームソフトウェア110が起動されたことを示す情報に、ユーザAのアカウントと、ユーザがゲームソフトウェア110を起動した時刻(タイムスタンプ)を付加したユーザ状況データを、通信部102を介してサーバ装置5に送信する。
【0063】
サーバ装置5において、ユーザ状況データ取得部214がユーザ状況データを取得し、状況特定部230が、ユーザ状況データからユーザの状況を特定する。具体的に状況特定部230は、当該ユーザ状況データから、ユーザがゲームプレイを開始したことを判定し、ユーザがゲームをプレイしている状況にあることを特定する。
【0064】
第2アクティビティ特定部244は、ユーザがゲームをプレイしている状況に対応する第2選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。状況特定部230が、ユーザがゲームプレイを開始したことを判定し、ユーザがゲームをプレイしている状況にあることを特定すると、第2アクティビティ特定部244が、第2選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。ここで第2選択基準は、平均プレイ時間が比較的長いアクティビティを優先して選択するように設定されている。
【0065】
平均プレイ時間が長いアクティビティを、ユーザがゲームを終了しようとするタイミングでユーザに推薦することは好ましくない。そこでユーザがまだゲームを終了しないタイミングでは、第2選択基準により、平均プレイ時間がゲーム内で相対的に長いアクティビティが選択されることが好ましい。たとえばイベント解析結果記録部270に、ゲームXのアクティビティのプレイ順序に関する関係として、アクティビティDをプレイしたプレイヤが、次にアクティビティEとアクティビティFをプレイする割合がそれぞれ40%であることが記録されており、アクティビティEの平均プレイ時間がアクティビティFの平均プレイ時間より長い場合、第2アクティビティ特定部244は、ゲームXのアクティビティDをプレイしたプレイヤに推薦するアクティビティとして、平均プレイ時間が長いアクティビティEを特定する。
【0066】
同様に第2アクティビティ特定部244は、スポーツ系のゲームYについての第2選択基準にしたがい、平均プレイ時間の長いアクティビティから優先的に、ユーザに推薦するアクティビティとして特定してよい。
【0067】
情報提供部250は、ゲームをプレイしているユーザAの情報処理装置10に対し、ゲームプレイ中に推薦するアクティビティに関する情報を、通信部202を介して送信する。情報処理装置10において、情報取得部150が、サーバ装置5から推薦されたアクティビティに関する情報を取得する。表示処理部140は、情報取得部150が取得した情報を表示する。
【0068】
図8は、出力装置4に表示されるシステム画面の例を示す。表示処理部140は、情報取得部150が取得した情報からシステム画像184、186を生成し、出力装置4に表示する。システム画像184には、ゲームXのアクティビティ名である「アクティビティE」と平均プレイ時間「35分」が表示され、システム画像186には、ゲームYのアクティビティ名である「世界大会アクティビティ」と平均プレイ時間「50分」が表示される。カード形式で表示されるシステム画像184、186は、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)であってよい。
【0069】
(ユーザがプレイを終了する直前)
ユーザ状況解析結果記録部272は、ユーザAの日曜日におけるプレイスケジュールを以下のように記録している。
・ ログインタイミング 13時50分
・ プレイ開始タイミング 14時
・ プレイ終了タイミング 20時
【0070】
状況特定部230は、プレイスケジュールからユーザがプレイを終了するタイミングを推定し、推定したプレイ終了タイミングから、ユーザがゲームプレイを終了しそうな状況にあることを特定する。具体的に状況特定部230は、現在時刻がプレイ終了タイミング(20時)に近ければ、ユーザがゲームプレイを終了しそうな状況にあることを特定する。
【0071】
第3アクティビティ特定部246は、ユーザがゲームプレイを終了しそうな状況に対応する第3選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。状況特定部230が、現在時刻がプレイ終了タイミングに近いことを判定し、ユーザがゲームをプレイを終了しそうな状況にあることを特定すると、第3アクティビティ特定部246が、第3選択基準にもとづいて、ユーザに推薦するアクティビティを特定する。ここで第3選択基準は、平均プレイ時間が比較的短いアクティビティを優先して選択するように設定されている。
【0072】
第3アクティビティ特定部246は、ゲームの種類に関係なく、第3選択基準にもとづいて、平均プレイ時間が短いアクティビティを、ユーザに推薦するアクティビティとして特定する。情報提供部250は、ユーザAの情報処理装置10に対し、ゲームプレイの終了直前に推薦するアクティビティに関する情報を、通信部202を介して送信する。情報処理装置10において、情報取得部150が、サーバ装置5から推薦されたアクティビティの情報を取得する。表示処理部140は、情報取得部150が取得した情報を表示する。
【0073】
以上、本開示を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施形態で情報処理装置10は据置型のゲーム機であったが、ユーザAにクラウドゲーミングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1・・・情報処理システム、5・・・サーバ装置、10・・・情報処理装置、100・・・処理部、102・・・通信部、110・・・ゲームソフトウェア、120・・・イベント情報取得部、122・・・状況取得部、124・・・送信処理部、130・・・ゲーム画像生成部、140・・・表示処理部、150・・・情報取得部、200・・・処理部、202・・・通信部、210・・・データ取得部、212・・・イベントデータ取得部、214・・・ユーザ状況データ取得部、220・・・イベント解析部、222・・・ユーザ状況解析部、230・・・状況特定部、240・・・アクティビティ特定部、242・・・第1アクティビティ特定部、244・・・第2アクティビティ特定部、246・・・第3アクティビティ特定部、250・・・情報提供部、260・・・データ記録部、262・・・イベントデータ記録部、264・・・ユーザ状況データ記録部、270・・・イベント解析結果記録部、272・・・ユーザ状況解析結果記録部。