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特開2024-133730販売データ処理装置、電子レシートシステムおよびプログラム
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  • 特開-販売データ処理装置、電子レシートシステムおよびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133730
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】販売データ処理装置、電子レシートシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20240925BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240925BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240925BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240925BHJP
【FI】
G07G1/06 Z
G07G1/12 351Z
G06Q30/0601
G06Q20/20 370
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113857
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2023079220の分割
【原出願日】2015-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 和実
(57)【要約】
【課題】識別番号やメールアドレス等の個人情報を登録することなしに、携帯端末で電子レシート情報を受信することができる電子レシートシステムを提供する。
【解決手段】販売データ処理装置と携帯端末との間で無線接続が確立したときに、販売データ処理装置の電子レシート情報生成部が、販売データ処理により売上登録された商品の決済に関わる決済情報に基づいて生成した電子レシート情報を、電子レシート情報送信部が、近距離無線通信部を介して、携帯端末に直接送信する。顧客は自らの携帯端末で、個人情報の事前登録を行うことなく電子レシート情報を受け取る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が所持する携帯端末との間で近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、
販売データ処理により売上登録された商品の決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成部と、
前記携帯端末との間で無線接続が確立したときに、前記電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、前記近距離無線通信部を介して前記携帯端末に直接送信する電子レシート情報送信部と、
を有することを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項2】
前記電子レシート情報送信部は、前記携帯端末から前記電子レシート情報送信部に対して電子レシート情報の送信要求があったときに、前記携帯端末に対して当該電子レシート情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記近距離無線通信部は、前記携帯端末から、前記電子レシート情報の受信が完了したことを示す受信完了信号を受信したときに、前記無線接続を切断する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記近距離無線通信部は、NFC規格に基づく近距離無線通信を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
販売データ処理を行う販売データ処理装置と顧客が所持する携帯端末との間で近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、
前記販売データ処理により売上登録された商品の決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成部と、
前記販売データ処理装置と前記携帯端末との間で無線接続が確立したときに、前記電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、前記近距離無線通信部を介して前記携帯端末に直接送信する電子レシート情報送信部と、
前記携帯端末に夫々備えられた、前記電子レシート情報を前記販売データ処理装置から直接受信する電子レシート情報受信部と、受信した当該電子レシート情報を表示する電子レシート情報表示部と、
を有することを特徴とする電子レシートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置および電子レシートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子レシートシステムは、販売データ処理を行うPOS(Point Of Sales)端末と、POS端末と接続した電子レシート管理サーバとを有している。電子レシートシステムは、POS端末で生成した電子レシート情報を電子レシート管理サーバに送信する。そして、電子レシート管理サーバは、顧客から要求があったときに、電子レシート管理サーバから、顧客の携帯端末に電子レシート情報を配信していた。したがって、電子レシート情報を受信するためには、予め、個人を特定する識別番号やメールアドレス等の個人情報を、電子レシート管理サーバに登録しておく必要があった。そのため、登録の手間がかかっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、個人を特定する識別番号やメールアドレス等の個人情報を登録することなしに、携帯端末で電子レシート情報を受信することができる販売データ処理装置および電子レシートシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の販売データ処理装置は、近距離無線通信部と、電子レシート情報生成部と、電子レシート情報送信部と、を備える。近距離無線通信部は、顧客が所持する携帯端末との間で近距離無線通信を行う。電子レシート情報生成部は、販売データ処理により売上登録された商品の決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する。電子レシート情報送信部は、携帯端末との間で無線接続が確立したときに、電子レシート情報生成部が生成した電子レシート情報を、近距離無線通信部を介して携帯端末に直接送信する。
【0005】
また、実施形態の電子レシートシステムは、販売データ処理装置と、携帯端末と、を備える。販売データ処理装置は、近距離無線通信部と、電子レシート情報生成部と、電子レシート情報送信部と、を備える。携帯端末は、近距離無線通信部と、電子レシート情報受信部と、電子レシート情報表示部と、を備える。近距離無線通信部は、販売データ処理装置と顧客が所持する携帯端末との間で近距離無線通信を行う。電子レシート情報生成部は、販売データ処理により売上登録された商品の決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する。電子レシート情報送信部は、販売データ処理装置と携帯端末との間で無線接続が確立したときに、電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、近距離無線通信部を介して携帯端末に直接送信する。電子レシート情報受信部は、電子レシート情報を販売データ処理装置から直接受信する。電子レシート情報表示部は、受信した電子レシート情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の実施形態の販売データ処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、顧客が所持する携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、販売データ処理装置および携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、携帯端末に送信される電子レシート情報の表示形態の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態である販売データ処理装置100および電子レシートシステム120について、図1図2を用いて説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、本実施形態に係る販売データ処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図2は、顧客Cが所持する携帯端末50のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0008】
電子レシートシステム120は、図1に示すように、店舗Sに設置されて販売データ処理を行う販売データ処理装置100と、顧客Cが所持するスマートフォンである携帯端末50を備える。
【0009】
販売データ処理装置100は、各種演算処理を実行して各部を制御するCPU(Central Processing Unit)10を備える。CPU10は、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)33と、時計部34を、バスライン12を介して接続する。RAM32は主記憶装置であり、CPU10が演算処理を行う際にワークエリアとして使用されて、販売データ処理を行う際に、売上データを一時的に保存する。ROM33は補助記憶装置であり、販売データ処理装置100の動作を制御する処理プログラムP1等の固定データを記憶する。時計部34は販売データ処理を行う際に日時を計時する。すなわち、販売データ処理装置100は、CPU10が制御主体となって処理プログラムP1を読み出して実行する、一般的なコンピュータシステムの構成を有する。
【0010】
この販売データ処理装置100は、顧客Cの決済情報を示す電子レシート情報R1(図3参照)を生成する。そして、販売データ処理装置100は、顧客Cが所持する携帯端末50からの要求に応じて、携帯端末50に対して、生成した電子レシート情報R1を配信する。
【0011】
また、販売データ処理装置100は、情報の入出力機器として、バーコードリーダ22と接続した通信I/F(Interface)35、NFC(Near Field Communication)リーダ44と接続した無線通信I/F43、キーボード13と接続したキーボードコントローラ36を夫々備える。
【0012】
加えて、販売データ処理装置100は、キャッシャ用表示器14およびキャッシャ用タッチパネル15と接続した第1表示/入力コントローラ37、顧客用表示器18および顧客用タッチパネル19と接続した第2表示/入力コントローラ38を入出力機器として夫々備える。
【0013】
さらに、販売データ処理装置100は、販売データ処理装置100を、店舗S内の複数の販売データ処理装置を管理する店舗サーバ(非図示)や、他のコンピュータ、接続機器と接続するLAN(Local Area Network)I/F42、およびスピーカ21と接続した音声コントローラ40を入出力機器として夫々備える。
【0014】
販売データ処理装置100が備えるこれらの入出力機器は、全てバスライン12を介してCPU10に接続されて、CPU10によって実行される処理プログラムP1によって動作を制御される。
【0015】
CPU10が実行する処理プログラムP1は、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、処理プログラムP1は、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納しておき、LAN I/F42を介して、ネットワーク経由で販売データ処理装置100にダウンロードしてもよい。
【0016】
携帯端末50は、図2に示すCPU60が、無線通信I/F68を制御することによって、図1に示したNFCリーダ44を介して、販売データ処理装置100とNFC規格に則った近距離無線通信によって接続される。なお、携帯端末50はスマートフォンに限定されるものではなく、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータなどの無線通信機能を有する情報処理装置であればよい。
【0017】
携帯端末50は、CPU60が制御主体となり処理プログラムP2を実行する、一般的なコンピュータシステムの構成を有する。CPU60は、バスライン62を介して、無線通信I/F68と接続する。また、CPU60は、バスライン62を介して、RAM70、およびメモリコントローラ72と夫々接続する。メモリコントローラ72は、フラッシュメモリ74と接続する。
【0018】
RAM70は主記憶装置であり、CPU60が演算処理を行う際に、演算結果の一時記憶部として機能する。フラッシュメモリ74は補助記憶装置であり、CPU60が実行する処理プログラムP2等の固定データを記憶する。
【0019】
CPU60は、さらに、表示/入力コントローラ76を介して、液晶ディスプレイを備えた表示器78およびタッチパネル80と夫々接続する。
【0020】
処理プログラムP2は、例えば、顧客Cが店舗Sの会員になった際に店舗Sから提供される。顧客Cは、処理プログラムP2を販売データ処理装置100から直接ダウンロードすることによって取得する。また、処理プログラムP2は、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納しておき、ネットワーク経由で携帯端末50にダウンロードしてもよい。ダウンロードされた処理プログラムP2は、携帯端末50のフラッシュメモリ74に格納される。そして、CPU60は、この処理プログラムP2を必要に応じて呼び出して実行する。なお、処理プログラムP2と一緒に、携帯端末50を特定する固有の識別番号がダウンロードされて、フラッシュメモリ74に格納される。
【0021】
次に、販売データ処理装置100が実行する処理のうち、本実施形態の特徴的な処理である電子レシート情報生成処理、および電子レシート情報送信処理について説明する。
【0022】
図3は、販売データ処理装置100および携帯端末50の機能構成を示すブロック図である。なお、販売データ処理装置100と携帯端末50によって、電子レシートシステム120が構成される。販売データ処理装置100のCPU10は処理プログラムP1に従って動作し、図3に示す販売データ処理部82、電子レシート情報生成部84、電子レシート情報送信部86、近距離無線通信部88として機能する。
【0023】
また、携帯端末50のCPU60は処理プログラムP2に従って動作し、図3に示す電子レシート情報要求部90、電子レシート情報受信部92、近距離無線通信部94、電子レシート情報表示部96として機能する。
【0024】
販売データ処理装置100の販売データ処理部82は、顧客Cが買い物を行った後で、各商品に貼付されたバーコードから読み取った商品コードに従って、商品名や価格等の情報を商品マスタ(非図示)から読み出す。そして、読み取った情報をキャッシャ用表示器14および顧客用表示器18(図1)に表示するとともに、RAM32(図1)に記憶する売上登録処理を行う。
【0025】
また、販売データ処理部82は、売上登録処理を実行した商品情報に基づいて、現金またはプリペイドカード、クレジットカード等による支払手続きを実行する決済処理を行う。
【0026】
さらに、販売データ処理部82は、販売データ処理装置100の顧客用表示器18(図1)に、「電子レシート情報を受信する際は、お手持ちの携帯端末をリーダにかざして下さい」等と表示して、顧客Cに対して電子レシート情報R1の受信の可否を尋ねる。なお、このときスピーカ21(図1)から、前述した文言を音声情報として出力してもよい。電子レシート情報R1を受信するときは、顧客Cは携帯端末50を、販売データ処理装置100の近傍に置かれたNFCリーダ44(図1)にかざす。
【0027】
携帯端末50をNFCリーダ44(図1)にかざすと、販売データ処理装置100の近距離無線通信部88と携帯端末50の近距離無線通信部94は、NFC規格に則った近距離無線通信を行い、販売データ処理装置100と携帯端末50を無線接続する。無線接続が確立したとき、携帯端末50は、処理プログラムP2とともにダウンロードした固有の識別番号を販売データ処理装置100に送信する。販売データ処理装置100は、受信した識別番号を、店舗サーバに登録された、処理プログラムP2とともに配信した識別番号と照合して、処理プログラムP2をダウンロードした携帯端末50との間に無線接続が確立したものと認証する。そして、販売データ処理装置100は、携帯端末50に対して、無線接続の認証がとれたことを示す認証情報を送信する。携帯端末50のCPU60は、この認証情報を受信したときに処理プログラムP2を起動する。
【0028】
処理プログラムP2が起動すると、携帯端末50の電子レシート情報要求部90は、販売データ処理装置100に対して、電子レシート情報R1の送信を要求する要求信号S1(図3)を送信する。そして、販売データ処理装置100の電子レシート情報生成部84は、携帯端末50からの電子レシート情報送信の要求信号S1を受信すると、売上登録処理を行った結果に基づいて、購入した商品名、商品個数、商品単価、合計金額を含む電子レシート情報R1を生成する(電子レシート情報生成処理)。このとき生成される電子レシート情報R1は、XML(eXtensible Markup Language)やCSV(Comma-Separated Values)等の構造化文書データとしてもよいし、PDF(Portable Document Format)やビットマップ等のイメージデータとしてもよい。
【0029】
電子レシート情報送信部86は、生成した電子レシート情報R1を携帯端末50に送信する(電子レシート情報送信処理)。
【0030】
携帯端末50の電子レシート情報受信部92は、電子レシート情報R1を受信する。そして、電子レシート情報表示部96は、受信した電子レシート情報R1を携帯端末50の表示器78(図2)に表示する。
【0031】
図4は、携帯端末50に表示される電子レシート情報R1の表示形態の一例を示す図である。図4に示すように、携帯端末50の表示器78には、店舗名a、電子レシート情報R1を発行した日時b、商品名c、商品単価d、商品点数e、合計金額f、預かり金額g、釣り金額h等が夫々表示される。
【0032】
電子レシート情報受信部92は、電子レシート情報R1を受信した後で、受信が完了したことを示す受信完了信号(ACK(ACKnowledge)信号)S2を、販売データ処理装置100に送信する。販売データ処理装置100の近距離無線通信部88は、この受信完了信号S2を受け取ると、電子レシート情報送信処理を終了する。そして、近距離無線通信部88は、販売データ処理装置100と携帯端末50の間の無線接続を切断する。なお、電子レシート情報を生成する基になった売上登録に係るジャーナルデータは、ジャーナルファイルとして販売データ処理装置100に保存されるため、電子レシート情報生成部84は、携帯端末50から受信完了信号S2を受け取ったときに、生成した電子レシート情報R1を削除してもよい。
【0033】
次に、図5のフローチャートを用いて、電子レシートシステム120が行う処理の流れについて、順を追って説明する。
【0034】
(販売データ処理装置側の処理の説明)
販売データ処理装置100において、販売データ処理部82は、販売データ処理を行う(ステップS10)。
【0035】
近距離無線通信部88は、無線接続が確立したかを確認する(ステップS12)。無線接続が確立したとき(ステップS12;Yes)はステップS14に進み、それ以外のとき(ステップS12;No)はステップS24に進む。
【0036】
販売データ処理部82は、電子レシート情報R1の送信要求があるかを確認する(ステップS14)。電子レシート情報R1の送信要求があるとき(ステップS14;Yes)はステップS16に進み、それ以外のとき(ステップS14;No)はステップS26に進む。
【0037】
電子レシート情報生成部84は、電子レシート情報R1を生成する(ステップS16)。
【0038】
電子レシート情報送信部86は、電子レシート情報R1を携帯端末50に送信する(ステップS18)。
【0039】
近距離無線通信部88は、携帯端末50から、電子レシート情報R1の受信完了を示す受信完了信号S2を受信したかを確認する(ステップS20)。受信完了信号S2を受信したとき(ステップS20;Yes)はステップS22に進み、それ以外のとき(ステップS20;No)はステップS20を繰り返す。
【0040】
無線接続が切断したかを確認する(ステップS22)。無線接続が切断したとき(ステップS22;Yes)は販売データ処理装置100側の処理を終了し、それ以外のとき(ステップS22;No)はステップS22を繰り返す。
【0041】
近距離無線通信部88は、所定時間が経過したかを確認する(ステップS24)。所定時間が経過したとき(ステップS24;Yes)は、近距離無線通信部88は無線接続が確立しないと判断して販売データ処理装置100側の処理を終了し、それ以外のとき(ステップS24;No)はステップS12に戻る。
【0042】
電子レシート情報送信部86は、所定時間が経過したかを確認する(ステップS26)。所定時間が経過したとき(ステップS26;Yes)は、電子レシート情報R1の送信要求がないものと判断して販売データ処理装置100側の処理を終了し、それ以外のとき(ステップS26;No)はステップS14に戻る。
【0043】
(携帯端末側の処理の説明)
近距離無線通信部94は、無線接続が確立したかを確認する(ステップS30)。無線接続が確立したとき(ステップS30;Yes)はステップS32に進み、それ以外のとき(ステップS30;No)はステップS52に進む。
【0044】
近距離無線通信部94は、無線接続の認証がとれたかを確認する(ステップS32)。無線接続の認証がとれたとき(ステップS32;Yes)はステップS34に進み、それ以外のとき(ステップS32;No)は携帯端末50側の処理を終了する。
【0045】
CPU60(図2)は、処理プログラムP2を起動する(ステップS34)。
【0046】
電子レシート情報要求部90は、販売データ処理装置100に対して、電子レシート情報R1の送信を要求する(ステップS36)。
【0047】
電子レシート情報受信部92は、販売データ処理装置100から電子レシート情報R1を受信する(ステップS38)。
【0048】
電子レシート情報受信部92は、電子レシート情報R1の受信を完了したことを示す受信完了信号S2を販売データ処理装置100に送信する(ステップS40)。
【0049】
近距離無線通信部94は、無線接続を切断する(ステップS42)。
【0050】
電子レシート情報表示部96は、受信した電子レシート情報R1の表示要求があるかを確認する(ステップS44)。電子レシート情報R1の表示要求があるとき(ステップS44;Yes)はステップS46に進み、それ以外のとき(ステップS44;No)はステップS44を繰り返す。
【0051】
電子レシート情報表示部96は、携帯端末50に電子レシート情報R1を表示する(ステップS46)。
【0052】
CPU60(図2)は、処理プログラムP2の終了要求があるかを確認する(ステップS48)。処理プログラムP2の終了要求があるとき(ステップS48;Yes)はステップS50に進み、それ以外のとき(ステップS48;No)はステップS48を繰り返す。
【0053】
CPU60(図2)は、処理プログラムP2を終了させる(ステップS50)。
【0054】
近距離無線通信部94は、所定時間が経過したかを確認する(ステップS52)。所定時間が経過したとき(ステップS52;Yes)は、近距離無線通信部94は無線接続が確立しないと判断して携帯端末50側の処理を終了し、それ以外のとき(ステップS52;No)はステップS30に戻る。
【0055】
このように、実施形態の販売データ処理装置100によれば、販売データ処理装置100と携帯端末50との間で無線接続が確立したときに、販売データ処理装置100の電子レシート情報生成部84が、販売データ処理により売上登録された商品の決済に関わる決済情報に基づいて生成した電子レシート情報R1を、電子レシート情報送信部86が、近距離無線通信部88、94を介して、携帯端末50に直接送信する。したがって、顧客Cは自らの携帯端末50で、個人情報(メールアドレス等)の事前登録を行うことなく、電子レシート情報R1を受け取って携帯端末50に表示させることができる。
【0056】
そして、実施形態の販売データ処理装置100によれば、電子レシート情報送信部86は、携帯端末50から電子レシート情報送信部86に対して電子レシート情報R1の送信要求があったときに、携帯端末50に対して電子レシート情報R1を送信する。したがって、販売データ処理装置100は、電子レシート情報R1の送信を要求した携帯端末50に対して、電子レシート情報R1を確実に送信することができる。
【0057】
また、実施形態の販売データ処理装置100によれば、近距離無線通信部88は、携帯端末50から電子レシート情報R1の受信が完了したことを示す受信完了信号S2を受信したときに、無線接続を切断する。したがって、必要な電子レシート情報R1の送受信が完了したときに、無線接続を確実に切断することができるため安心である。
【0058】
さらに、実施形態の販売データ処理装置100によれば、近距離無線通信部88、94は、販売データ処理装置100と携帯端末50の間でNFC規格に基づく近距離無線通信を行う。したがって、携帯端末50が接続先を探して登録する手続き(ペアリング)が簡単に行えるため、電子レシート情報R1の送受信を手間なく迅速かつ容易に行うことができる。また、近距離無線通信を行う際に、顧客Cは、携帯端末50を自らNFCリーダ44にかざす必要がある。このとき、NFCリーダ44は販売データ処理装置100の近傍に置かれているため、別の顧客が横から割り込んで、顧客Cになりすまして電子レシート情報R1を受け取る虞がない。
【0059】
このように、実施形態の電子レシートシステム120によれば、販売データ処理装置100と携帯端末50との間で無線接続が確立したときに、販売データ処理装置100の電子レシート情報生成部84が生成した電子レシート情報R1を、電子レシート情報送信部86が、近距離無線通信部88、94を介して、携帯端末50の電子レシート情報受信部92に直接送信する。そして、携帯端末50の電子レシート情報表示部96が、受信した電子レシート情報R1を表示する。したがって、顧客Cは自らの携帯端末50で、個人情報(メールアドレス等)の事前登録を行うことなく、電子レシート情報R1を受け取って携帯端末50に表示させることができる。
【0060】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
例えば、実施形態の電子レシートシステム120では、販売データ処理装置100と携帯端末50の通信にNFC規格の無線通信を用いたが、これは、NFC規格の無線通信に限定されるものではない。すなわち、Bluetooth(登録商標)、TransferJet(登録商標)、iBeacon(登録商標)等の無線通信を用いても構わない。ただし、これらの無線通信のうち、Bluetooth(登録商標)のようにペアリングに手間のかかる無線通信方式を用いる場合には、NFCと連携して使用するのが望ましい。すなわち、まずNFCによって販売データ処理装置100と携帯端末50の間の無線接続を確立させる。そして、無線接続が確立された後で、Bluetooth(登録商標)通信によって販売データ処理装置100から携帯端末50に電子レシート情報R1の送信を行う。このように複数の無線通信方式を併用する、いわゆるハンドオーバーを行うことによって、ペアリングの手間を低減することができる。
【符号の説明】
【0062】
50 携帯端末
82 販売データ処理部
84 電子レシート情報生成部
86 電子レシート情報送信部
88、94 近距離無線通信部
90 電子レシート情報要求部
92 電子レシート情報受信部
96 電子レシート情報表示部
100 販売データ処理装置
120 電子レシートシステム
R1 電子レシート情報
S1 要求信号
S2 受信完了信号
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2014-194740号公報
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置電子レシートシステムおよびプログラムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、個人を特定する識別番号やメールアドレス等の個人情報を登録することなしに、携帯端末で電子レシート情報を受信することができる販売データ処理装置電子レシートシステムおよびプログラムを提供することである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
実施形態の販売データ処理装置は、無線通信部と、電子レシート情報生成部と、電子レシート情報送信部と、を備える。無線通信部は、顧客が所持する携帯端末と販売データ処理装置との間で無線通信を行って、ネットワーク上のコンピュータから携帯端末へ処理プログラムとともに事前に配信された識別番号と、処理プログラムに従って動作する携帯端末から受信した識別番号と、が照合された場合に、無線接続が確立したと判断する。電子レシート情報生成部は、販売データ処理装置により売上登録された販売データの決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する。電子レシート情報送信部は、携帯端末との間で無線接続が確立したときに、電子レシート情報生成部が生成した電子レシート情報を、無線通信部を介して携帯端末に直接送信する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
また、実施形態の電子レシートシステムは、販売データ処理装置と、携帯端末と、を備える。販売データ処理装置は、無線通信部と、電子レシート情報生成部と、電子レシート情報送信部と、を備える。携帯端末は、無線通信部と、電子レシート情報受信部と、電子レシート情報表示部と、を備える。無線通信部は、販売データ処理を行う販売データ処理装置と顧客が所持する携帯端末との間で無線通信を行って、ネットワーク上のコンピュータから携帯端末へ処理プログラムとともに事前に配信された識別番号と、処理プログラムに従って動作する携帯端末から受信した識別番号と、が照合された場合に、無線接続が確立したと判断する。電子レシート情報生成部は、販売データ処理装置により売上登録された販売データの決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する。電子レシート情報送信部は、携帯端末との間で無線接続が確立したときに、電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、無線通信部を介して携帯端末に直接送信する。電子レシート情報受信部は、電子レシート情報を販売データ処理装置から直接受信する。電子レシート情報表示部は、受信した電子レシート情報を表示する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が所持する携帯端末と販売データ処理装置との間で無線通信を行って、ネットワーク上のコンピュータから前記携帯端末へ処理プログラムとともに事前に配信された識別番号と、前記処理プログラムに従って動作する前記携帯端末から受信した識別番号と。が照合された場合に、無線接続が確立したと判断する無線通信部と、
前記販売データ処理装置により売上登録された販売データの決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成部と、
前記携帯端末との間で無線接続が確立したときに、前記電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、前記無線通信部を介して前記携帯端末に直接送信する電子レシート情報送信部と、
を有することを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項2】
前記電子レシート情報送信部は、前記携帯端末から前記電子レシート情報送信部に対して電子レシート情報の送信要求があったときに、前記携帯端末に対して当該電子レシート情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
記無線通信部は、前記携帯端末から、前記電子レシート情報の受信が完了したことを示す受信完了信号を受信したときに、前記無線接続を切断する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
記無線通信部は、NFC規格に基づく近距離無線通信を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
販売データ処理を行う販売データ処理装置と顧客が所持する携帯端末との間で無線通信を行って、ネットワーク上のコンピュータから前記携帯端末へ処理プログラムとともに事前に配信された識別番号と、前記処理プログラムに従って動作する前記携帯端末から受信した識別番号と、が照合された場合に、無線接続が確立したと判断する無線通信部と、
前記販売データ処理装置により売上登録された販売データの決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成部と、
記携帯端末との間で無線接続が確立したときに、前記電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、前記無線通信部を介して前記携帯端末に直接送信する電子レシート情報送信部と、
前記携帯端末に夫々備えられた、前記電子レシート情報を前記販売データ処理装置から直接受信する電子レシート情報受信部と、受信した当該電子レシート情報を表示する電子レシート情報表示部と、
を有することを特徴とする電子レシートシステム。
【請求項6】
販売データ処理装置を制御するコンピュータを、
顧客が所持する携帯端末と販売データ処理装置との間で無線通信を行って、ネットワーク上のコンピュータから前記携帯端末へ処理プログラムとともに事前に配信された識別番号と、前記処理プログラムに従って動作する前記携帯端末から受信した識別番号と、が照合された場合に、無線接続が確立したと判断する無線通信部と、
前記販売データ処理装置により売上登録された販売データの決済に関わる決済情報に基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート情報生成部と、
前記携帯端末との間で無線接続が確立したときに、前記電子レシート情報生成部で生成された電子レシート情報を、前記無線通信部を介して前記携帯端末に直接送信する電子レシート情報送信部と、
して機能させるプログラム。