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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133748
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
G03G21/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043693
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】嶋立 裕太
(72)【発明者】
【氏名】山崎 俊祐
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270SA09
2H270SB13
2H270SB17
2H270SC06
(57)【要約】
【課題】現像装置を使用する画像形成装置において、現像装置の長手方向に沿って放熱フィン、空気を流す流路空間を有する通気体等の部品を増設することが困難であっても、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することを抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、筐体10と、前記筐体内に配置され、現像剤が収容される容器と前記容器内の現像剤を回転して搬送する搬送材と前記搬送材の軸部を受ける軸受け部を有する現像装置60と、前記筐体内で前記現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部の付近を通過するように配置され、当該筐体外の空気を流入させた後に当該筐体外に排出させるよう流す流路空間を有する通気体7Rと、前記通気体7Rに設けられ、前記現像装置60の少なくとも後方側の端部にある前記軸受け部67Rの一部に接触して当該軸受け部の熱を少なくとも当該通気体7Rに伝導させる熱伝導材8と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置され、現像剤が収容される容器と前記容器内の現像剤を回転して搬送する搬送材と前記搬送材の軸部を受ける軸受け部を有する現像装置と、
前記筐体内で前記現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部の付近を通過するように配置され、当該筐体外の空気を流入させた後に当該筐体外に排出させるよう流す流路空間を有する通気体と、
前記通気体に設けられ、前記現像装置の少なくとも後方側の端部にある前記軸受け部の一部に接触して当該軸受け部の熱を少なくとも当該通気体に伝導させる熱伝導材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記熱伝導材は、金属で構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記熱伝導材は、弾性を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記熱伝導材は、板状の部材で構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記熱伝導材は、前記軸受け部の一部に接触する部分が、当該軸受け部の一部の外表面の形状に類似した形状で形成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記通気体は、少なくとも前記熱伝導材が設けられる部分が金属で構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記通気体は、前記筐体を構成する一部の部材を含んで構成されている請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記通気体は、前記現像装置の長手方向の後方側の端部の付近を通過するように配置される後方通気体で構成されており、
前記後方通気体は、前記筐体外の空気を前記流路空間内に取り入れる取入れ口と、当該空気を前記筐体外に排出させる排出口と、前記流入口から流入した空気を前記排出口から当該筐体外に排気する排気ファンを有しており、
前記熱伝導材は、前記取入れ口から前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記通気体は、前記現像装置の長手方向の後方側の端部の付近を通過するように配置される後方通気体と、前記現像装置の長手方向の前方側の端部の付近を通過するように配置される前方通気体とで構成されており、
前記前方通気体は、前記筐体外の空気を前記流路空間内に流入させる流入口と、当該空気を前記現像装置に向けて放出する放出口と、当該空気を前記流入口から前記流路空間内に送り込む吸気ファンを有しており、
前記後方通気体は、前記前方通気体の前記放出口から放出されて前記現像装置を通過する空気を取り入れる取入れ口と、前記取入れ口から取り入れた空気を前記筐体外に排出させる排出口と、前記取り入れた空気を前記排出口から当該筐体外に排気する排気ファンを有しており、
前記熱伝導材は、少なくとも前記後方通気体から、前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記熱伝導材は、前記後方通気体の少なくとも前記取入れ口から前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記現像装置として複数の現像装置を備え、
前記熱伝導材は、前記複数の現像装置における前記軸受け部の一部に個別に接触するよう設けられている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、現像装置の長手方向に沿う側面の外部に、放熱部材とその放熱部材を覆うとともにファンで空気を取り込んで空気流を形成するダクトとを設け、かつ、そのダクトの長手方向の上部に空気の一部を送り出す開口部を設けた画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6041524号公報(請求項1、段落0034-0036、図1-3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は、現像装置を使用する画像形成装置において、現像装置の長手方向に沿って放熱フィン、空気を流す流路空間を有する通気体等の部品を増設することが困難であっても、現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部にある搬送材の軸受け部の熱を低減させない場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、
筐体と、
前記筐体内に配置され、現像剤が収容される容器と前記容器内の現像剤を回転して搬送する搬送材と前記搬送材の軸部を受ける軸受け部を有する現像装置と、
前記筐体内で前記現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部の付近を通過するように配置され、当該筐体外の空気を流入させた後に当該筐体外に排出させるよう流す流路空間を有する通気体と、
前記通気体に設けられ、前記現像装置の少なくとも後方側の端部にある前記軸受け部の一部に接触して当該軸受け部の熱を少なくとも当該通気体に伝導させる熱伝導材と、
を備える画像形成装置である。
【0006】
第2の発明は、上記第1の発明の画像形成装置において、前記熱伝導材は、金属で構成されている画像形成装置である。
第3の発明は、上記第2の発明の画像形成装置において、前記熱伝導材は、弾性を有する画像形成装置である。
【0007】
第4の発明は、上記第1の発明の画像形成装置において、前記熱伝導材は、板状の部材で構成されている画像形成装置である。
第5の発明は、上記第1の発明の画像形成装置において、前記熱伝導材は、前記軸受け部の一部に接触する部分が、当該軸受け部の一部の外表面の形状に類似した形状で形成されている画像形成装置である。
【0008】
第6の発明は、上記第1の発明の画像形成装置において、前記通気体は、少なくとも前記熱伝導材が設けられる部分が金属で構成されている画像形成装置である。
第7の発明は、上記第6の発明の画像形成装置において、前記通気体は、前記筐体を構成する一部の部材を含んで構成されている画像形成装置である。
【0009】
第8の発明は、上記第1の発明の画像形成装置において、
前記通気体は、前記現像装置の長手方向の後方側の端部の付近を通過するように配置される後方通気体で構成されており、
前記後方通気体は、前記筐体外の空気を前記流路空間内に取り入れる取入れ口と、当該空気を前記筐体外に排出させる排出口と、前記流入口から流入した空気を前記排出口から当該筐体外に排気する排気ファンを有しており、
前記熱伝導材は、前記取入れ口から前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている画像形成装置である。
【0010】
第9の発明は、上記第1の発明の画像形成装置において、
前記通気体は、前記現像装置の長手方向の後方側の端部の付近を通過するように配置される後方通気体と、前記現像装置の長手方向の前方側の端部の付近を通過するように配置される前方通気体とで構成されており、
前記前方通気体は、前記筐体外の空気を前記流路空間内に流入させる流入口と、当該空気を前記現像装置に向けて放出する放出口と、当該空気を前記流入口から前記流路空間内に送り込む吸気ファンを有しており、
前記後方通気体は、前記前方通気体の前記放出口から放出されて前記現像装置を通過する空気を取り入れる取入れ口と、前記取入れ口から取り入れた空気を前記筐体外に排出させる排出口と、前記取り入れた空気を前記排出口から当該筐体外に排気する排気ファンを有しており、
前記熱伝導材は、少なくとも前記後方通気体から、前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている画像形成装置である。
【0011】
第10の発明は、上記第9の発明の画像形成装置において、
前記熱伝導材は、前記後方通気体の少なくとも前記取入れ口から前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている画像形成装置である。
【0012】
第11の発明は、上記第1から第10の発明のいずれかの画像形成装置において、
前記現像装置として複数の現像装置を備え、
前記熱伝導材は、前記複数の現像装置における前記軸受け部の一部に個別に接触するよう設けられている画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
上記第1の発明によれば、現像装置の長手方向に沿って放熱フィン、空気を流す流路空間を有する通気体等の部品を増設することが困難であっても、現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部にある搬送材の軸受け部の熱を低減させない場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することを抑制することができる。
【0014】
上記第2の発明によれば、熱伝導材が金属以外の材料で構成されている場合に比べて、熱伝導率が高い熱伝導材を容易に適用することができる。
上記第3の発明によれば、熱伝導材が弾性を有しないものである場合に比べて、現像装置が熱伝導材から一時的に離れるよう変位することがあっても、熱伝導材の軸受け部の一部との接触を良好に保つことができる。
【0015】
上記第4の発明によれば、熱伝導材が板状以外の形態である場合に比べて、軸受け部の熱を放熱させやすくなる。
上記第5の発明によれば、熱伝導材の軸受け部の一部に接触する部分が軸受け部の一部の外表面の形状に類似しない形状で形成されている場合に比べて、軸受け部の熱を伝導させやすくなる。
【0016】
上記第6の発明によれば、通気体は全体が金属以外の材料で構成されている場合に比べて、軸受け部の熱を通気体に伝導させやすくなる。
上記第7の発明によれば、通気体の全体が筐体を構成する部材とは別の構造体として構成されている場合に比べて、筐体内の空間を有効に利用することや、筐体の大型化を回避することができる。
【0017】
上記第8の発明によれば、熱伝導材が通気体の取入れ口以外の部分に設けられている場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することをより一層抑制することができる。
【0018】
上記第9の発明によれば、通気体が現像装置の長手方向に沿って通過する空気を流すことが可能な通過後方通気体と前方通気体とで構成されていない場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することをより一層抑制することができる。
【0019】
上記第10の発明によれば、熱伝導材が後方通気体の取入れ口以外の部分に設けられている場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することをより一層抑制することができる。
【0020】
上記第11の発明によれば、複数の現像装置を備えている場合であっても、それら各現像装置内にある現像剤の温度がそれぞれ上昇することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態1に係る画像形成装置の内部の概要図である。
図2図1の画像形成装置における現像装置の内部の概略断面図である。
図3図2の現像装置を上方から見たときの概要図である。
図4図1の画像形成装置の一部を上方から見たときの概要図である。
図5】(A)は図1の画像形成装置における現像装置と通気体との概略斜視図、(B)は(A)に熱伝導材を付加した状態の概略斜視図である。
図6図4の一部を拡大した概要図である。
図7】(A)は図2の現像装置の軸受け部とその周辺部の概要図、(B)は(A)に熱伝導材を付加した状態の概要図である。
図8】(A)は図2の現像装置の後方側の端部および熱伝導材の概要図、(B)は(A)の現像装置をその着脱時に傾けた状態にしたときの概要図である。
図9】(A)は熱伝導材の概略斜視図、(B)は(A)の熱伝導材を上方から見たときの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0023】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の概要図である。図2は、図1の画像形成装置における現像装置の内部の概要図である。
本明細書および図面においては実質的に同一の構成要素に対して同一の符号を付し、また本明細書ではその同一の構成要素の重複説明を省略する。
【0024】
(1-1)画像形成装置の構成
画像形成装置1は、図1に示されるように、乾式の現像剤で現像される画像を記録媒体の一例である記録用紙9に形成する装置である。この画像形成装置1は、例えば、情報端末機等の外部機器から接続して入力される画像情報に対応した画像を形成することが可能な装置として構成されている。現像剤としては、例えば、トナーとキャリアを含む二成分現像剤が使用される。
【0025】
画像形成装置1は、図1に示されるように、筐体10の内部空間に、作像ユニット20、中間転写ユニット30、媒体供給装置40、定着ユニット50、図示しない制御手段等を備えている。図1における一点鎖線は、記録用紙9が筐体10内で搬送されるときの主な搬送路45を示している。
【0026】
筐体10は、フレーム等の構造材、パネル、開閉扉等の外装材等の材料を用いて所要の外観形状に作製される箱状の構造体である。実施の形態1では、筐体10として、外観形状がほぼ直方体である筐体を例示しているが、筐体10の外観形状は直方体以外の形状であっても構わない。
【0027】
作像ユニット20は、画像情報に基づいて現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成するよう構成された装置群である。
実施の形態1における作像ユニット20は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)および特殊色(S)からなるトナー像を単独で専用に形成する作像ユニット20Y,20M,20C,20K,20S(以後、20(Y,M,C,K,S)と略称することもある。)を適用した構成になっている。特殊色(S)は、例えば、白色、透明色等である。
【0028】
作像ユニット20Y,20M,20C,20K,20Sは、現像装置60で使用する現像剤(本例ではトナー)の色が上記Y,M,C,K,Sとして略記する色のいずれか1色であって互いに異なる以外は、ほぼ同様の構成になっている。
すなわち、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)はいずれも、潜像が形成されて保持される潜像保持体の一例である感光ドラム21を有している。また、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)はいずれも、その感光ドラム21の周囲に、帯電装置22、露光装置23、現像装置60(Y,M,C,K,S)、一次転写装置36、ドラム清掃装置26等の機器をそれぞれ配置して構成されている。
【0029】
さらに、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)は、画像形成装置1の正面側から見たときに、筐体10の内部空間において左右方向に所要の間隔をあけて直列状に並べた状態で配置されている。正面は、画像形成装置1の前方に対峙したときに見える面である。
図1では、作像ユニット20Kにおいて感光ドラム21、帯電装置22、露光装置23、現像装置60K、一次転写装置36およびドラム清掃装置26の各符号を記載している。また図1では、それ以外の作像ユニット20(Y,M,C,S)に対しては現像装置60(Y,M,C,S)の符号のみを記載し、他の符号の記載を省略している。
【0030】
このうち、感光ドラム21は、前後方向に沿って延びる図示しない回転軸線の周りを矢印で示す方向に回転するドラム形態の感光体である。
帯電装置22は、感光ドラム21の像形成面となる外周面を所要の表面電位に帯電させる装置である。帯電装置22は、例えば感光ドラム21の外周面の像形成域に接触させるとともに帯電電流が供給される帯電ロール等の帯電部材を備えて構成されている。
露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の外周面に画像情報に基づく露光をして静電潜像を形成する装置である。
【0031】
また、現像装置60は、感光ドラム21の外周面に形成された静電潜像を対応する所定の色(Y,M,C,K,Sのいずれかの色)の現像剤により現像して可視像の一例であるトナー像にする装置である。現像装置60の詳細については後述する。
一次転写装置36は、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)における各感光ドラム21の外周面に形成されたトナー像を中間転写ユニット30における中間転写ベルト31に転写させる装置である。この一次転写装置36は、感光ドラム21の外周面に接触するとともに一次転写電流が供給される転写ロール等の転写部材を備えて構成されている。なお、一次転写装置36は、中間転写ユニット30を構成する一部品として扱ってもよい。
ドラム清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に付着する不要なトナー、紙粉等の不要物を除去して感光ドラム21の外周面を清掃する装置である。
【0032】
中間転写ユニット30は、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)で形成された各トナー像を中間転写体に一時保持した後に記録用紙9に転写するよう構成された装置群である。
中間転写ユニット30は、中間転写体の一例である中間転写ベルト31、中間転写ベルト31を内周面から回転可能に支持する支持ロール32~35、一次転写装置36、二次転写装置37、ベルト清掃装置38等を備えている。また、中間転写ユニット30は、筐体10の内部空間において作像ユニット20(Y,M,C,K,S)の下方となる位置に存在するよう配置されている。
【0033】
このうち、中間転写ベルト31は、所要の幅および長さからなる環状に成形された帯状ベルトであり、その外周面がトナー像を静電的に保持できる面になっている。
支持ロール32~35は、中間転写ベルト31をほぼ逆三角形の形態になるよう支持するとともに、矢印で示す方向に回転可能に支持する。
支持ロール32,33は、中間転写ベルト31を作像ユニット20(Y,M,C,K,S)の各感光ドラム21を通過して左右方向に面状に延びる転写面を形成するように支持する。支持ロール32は、例えば、中間転写ベルト31を回転させる動力を付与する駆動ロールとして構成されている。
支持ロール34は、二次転写装置37と対峙する中間転写ベルト31の内周面を支持する二次転写背面ロールとして構成されている。支持ロール35は、中間転写ベルト31に所要の張力を付与する張力付与ロールとして構成されている。
【0034】
一次転写装置36は、中間転写ベルト31を作像ユニット20(Y,M,C,K,S)の各感光ドラム21の一次転写を行う部位に押し当てるよう配置されている。
二次転写装置37は、中間転写ベルト31の外周面に一次転写されたトナー像を記録用紙9に転写させる装置である。この二次転写装置37は、中間転写ベルト31のうち支持ロール35に支持されている外周面に接触するとともに二次転写電流が供給される転写ロール、転写搬送ベルト等の転写部材を備えて構成されている。
ベルト清掃装置38は、中間転写ベルト31の外周面に付着する不要なトナー、紙粉等の不要物を除去して中間転写ベルト31の外周面を清掃する装置である。
【0035】
媒体供給装置40は、中間転写ユニット30の二次転写位置に供給すべき記録用紙9を収容して供給する装置である。媒体供給装置40は、例えば、筐体10の内部空間において中間転写ユニット30の下方となる位置に配置されている。
媒体供給装置40は、記録用紙9を収容する収容体41A、41Bと、収容体41A、41Bから記録用紙9をそれぞれ1つずつ送り出す送出装置42等を備えている。記録用紙9は、所定のサイズに裁断された媒体である。収容体41の数については、特に限定されない。
【0036】
定着ユニット50は、中間転写ユニット30で記録用紙9に二次転写された未定着のトナー像を記録用紙9に定着させる装置である。定着ユニット50は、例えば、筐体10の内部空間において中間転写ユニット30の片側の下方となる位置に存在するよう配置されている。
定着ユニット50は、記録用紙9の導入口および排出口が形成された覆い体51の内部空間に、加熱用回転体52、加圧用回転体53等の機器を配置して構成されている。加熱用回転体52と加圧用回転体53は、ロール形態又はベルト形態からなる回転体が適用される。定着ユニット50では、加熱用回転体52と加圧用回転体53が接触する部位(いわゆるニップ部)が、未定着像のトナー像を記録用紙9に定着するための加熱、加圧等の処理をする定着処理部として構成されている。
【0037】
搬送路45は、主に、媒体供給装置40の収容体41A、41Bから中間転写ユニット30の二次転写が行わる部位を経由して定着ユニット50に至る経路と、最後に定着ユニット50から筐体10の媒体排出口10eに至る経路で構成されている。
搬送路45は、例えば、複数の搬送ロール対46a,46b,46c,46d,46e,46fや、吸引式ベルト搬送装置47、図示しない搬送案内材等を配置して構成されている。吸引式ベルト搬送装置47は、中間転写ユニット30の二次転写が行わる部位と定着ユニット50との間を結ぶ経路内に配置される。
筐体10の外部には、媒体排出口10eから排出される記録用紙9を収容する排出部49が設けられている。排出部49は、収容トレイで構成されるものに限らず、後処理装置で構成されるものであってもよい。
【0038】
(1-2)画像形成装置の動作
そして、画像形成装置1では、外部機器等から画像を形成する動作の指令を図示しない制御手段が受けると、以下に説明する一連の基本的な画像形成動作が行われる。
まず、画像形成装置1では、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)のいずれか1つにおいて帯電動作、露光動作、現像動作および清掃動作が実行され、また中間転写ユニット30において一次転写動作および二次転写動作が実行される。その一方で、画像形成装置1では、媒体供給装置40と搬送路45において記録用紙9の供給動作が実行される。
これにより、作像ユニット20(Y,M,C,K,S)のいずれか1つにおける感光ドラム21上にトナー像が形成された後、そのトナー像が中間転写ユニット30の中間転写ベルト31に一次転写されてから記録用紙9に二次転写される。
【0039】
続いて、画像形成装置1では、中間転写ユニット30でトナー像が二次転写された記録用紙9が搬送路45の搬送動作により定着ユニット50に導入されるよう搬送され、定着ユニット50において定着動作が実行される。
これにより、未定着のトナー像が記録用紙9に定着される。
この定着が終了した後の記録用紙9は、搬送路45の搬送動作により搬送された後、筐体10の外部の排出部49に排出される。
【0040】
以上により、画像形成装置1では、1枚の記録用紙9の片面にトナーからなる画像を形成する基本的な画像形成動作が完了する。
この際、例えば、作像ユニット20(Y,M,C,K)のすべてにおいて作像動作が行われた場合は、4色(Y,M,C,K)のトナー像で構成されるフルカラーと称されるカラー画像が形成される。また、画像形成装置1では、必要に応じて作像ユニット20Sによる作像動作を行って特殊色(S)のトナー像を形成することが可能になっている。
【0041】
(1-3)現像装置の構成
次に、現像装置60(Y,M,C,K,S)について詳細に説明する。
【0042】
現像装置60(Y,M,C,K,S)は、使用する現像剤18の色が異なる以外は、そのいずれもほぼ同様に構成されている。
すなわち、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、図2図3等に示されるように、感光ドラム21の回転軸線にほぼ平行な方向(以下、長手方向Dという:図3参照)に延びる長い容器形状のハウジング61を有している。
【0043】
ハウジング61は、現像剤18が収容されて搬送されるよう区分された複数の収容部61a,61b,61cと、現像工程用の開口部61dが設けられている。また、ハウジング61は、長手方向Dの両端部に存在する軸受け部67、側板部68等が設けられている。
現像剤18は、乾式の現像剤であり、例えば、非磁性のトナーと磁性のキャリアを含む二成分現像剤が使用される。
【0044】
収容部61aは撹拌搬送路部として、収容部61bは供給搬送路部として、収容部61cは現像兼回収搬送路部としてそれぞれ構成されている。
撹拌搬送路部61aは、現像剤18を撹拌しながら長手方向Dの一方向に搬送して最終的に供給搬送路部61bに送り込むように搬送する部分である。供給搬送路部61bは、現像剤18を撹拌しながら長手方向Dの一方向に搬送するとともに、その搬送中に現像剤18を現像兼回収搬送路部61cに供給するように搬送する部分である。
撹拌搬送路部61aと供給搬送路部61bとは、長手方向Dに沿って延びる筒状又は溝状の空間を有する構造部分として形成されており、また両者は長手方向Dの両端部において連絡通路を介して互いにつながるよう形成されている。
【0045】
現像兼回収搬送路部61cは、現像ロール62による現像工程が行われるとともに現像工程後に現像ロール62から剥離される現像剤18を回収して撹拌搬送路部61aに戻す処理が行われる部分である。
現像兼回収搬送路部61cは、長手方向Dに沿って延びるとともに斜め上下方向にも延びる筒状の空間を有する構造部分として形成されている。現像兼回収搬送路部61cは、長手方向Dの一端部において連絡通路を通して撹拌搬送路部61aとつながるよう形成されている。また、現像兼回収搬送路部61cは、長手方向Dに沿って延びる供給開口を通して供給搬送路部61bとつながるよう形成されている。
【0046】
開口部61dは、感光ドラム21と対向する部分で感光ドラム21の回転軸線に沿って延びる長方形状に開口された部分である。開口部61dは、現像兼回収搬送路部61cの上部と長手方向Dに沿ってつながるよう形成されている。
【0047】
軸受け部67は、主に、後述する現像ロール62、撹拌搬送材64、供給搬送材65および回収搬送材66の各軸部の軸受62d、64d、65d,66dが配置される部分である。
また、軸受け部67は、現像装置60(又はハウジング61)の長手方向Dの前方側になる端部60fに設けられる前方の軸受け部67Fと、その長手方向Dの後方側になる端部60rに設けられる後方の軸受け部67Rとで構成されている。
【0048】
軸受け部67はその全体が所要の形状のカバー等で囲まれている。後方の軸受け部67Rには、図7に示されるように、軸受62d、64d、65d,66dの他に、撹拌搬送路部61aの延長部61e等が配置されている。また、後方の軸受け部67Rの上部には、図示しない現像剤補給装置から送られる補給用の現像剤18を受け入れる受口61gが設けられている。
軸受62d、64d、65d,66dとしては、ボールベアリング等の転がり軸受が使用されるが、滑り軸受であってもよい。
側板部68は、現像装置60の前方側になる端部60fに設けられる部分である。側板部68には、取っ手部、位置決め部等が設けられている。
【0049】
また、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、図2に示されるように、現像兼回収搬送路部61cの上部に、搬送材の一例としての現像ロール62が回転可能に配置されているとともに、現像ロール62が保持する現像剤の量(層厚)を規制する板状の現像剤規制部材63が固定して配置されている。
さらに、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、撹拌搬送路部61aに搬送材の一例としての撹拌搬送材64が、供給搬送路部61bに搬送材の一例としての供給搬送材65が、現像兼回収搬送路部61cの下部に搬送材の一例としての回収搬送材66が、それぞれ回転可能に配置されている。
【0050】
現像ロール62は、現像剤18を保持して回転する円筒状の現像スリーブ62aと、現像スリーブ62aの内部空間に固定して配置される磁石ロール62bとで構成されている。
【0051】
現像スリーブ62aは、感光ドラム21の静電潜像が形成された部分に所定の間隔をあけて対向し得るように配置される。現像スリーブ62aは、非磁性の材料で円筒状に形成されている。
また、現像スリーブ62aは、その両端に軸部62cがそれぞれ設けられている。現像スリーブ62aは、その軸部62cが軸受け部67F、67Rに配置された軸受62dに回転可能に取り付けられている。また、現像スリーブ62aは、軸部62cが連結具(カップリングなど)69Aを介して図示しない回転駆動装置の回転動力が伝達されて矢印で示す方向に回転駆動する。
さらに、現像スリーブ62aは、感光ドラム21との間に図示しない給電装置から現像バイアス電流が供給される。
【0052】
磁石ロール62bは、現像剤18の現像スリーブ62aの外周面への吸着や搬送保持、その外周面からの剥離等の各機能を発揮させる磁力を発生する複数の磁極が配置されて構成されている。
【0053】
撹拌搬送材64、供給搬送材65および回収搬送材66はいずれも、回転軸64a,65a,66aと、回転軸64a,65a,66aに所要のピッチで螺旋状に巻き付くよう設けられた搬送羽64b,65b,66bとで構成された、いわゆるスクリューオーガである。
撹拌搬送材64、供給搬送材65等は、図3に示されるように、その回転軸64a,65a等が軸受け部67F、67Rに配置された軸受64d,65d等にそれぞれ回転可能に取り付けられている。また、撹拌搬送材64、供給搬送材65等は、その回転軸64a,65aが連結具(カップリングなど)69B,69C等を介して図示しない回転駆動装置の回転動力が伝達されて矢印で示す方向に回転駆動する。
【0054】
また、現像装置60(Y,M,C,K,S)はいずれも、筐体10の前後方向に移動させる主操作を行うことにより筐体10の装着部に対して着脱可能になっている。
実際、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、図4に示されるように、筐体10の前方内側において左右方向に延びる前方支持フレーム12Fと筐体10の後方内側において左右方向に延びる後方支持フレーム12Rとに挟まれる装着空間内に存在するように装着される。
また、現像装置60(Y,M,C,K,S)はいずれも、装着時に、その連結具69A,69B,69Cが、後方支持フレーム12Rと筐体10の背面部10r(図4参照)との間に挟まれる空間内に配置される図示しない回転駆動装置の連結具とそれぞれ離脱可能に連結される。
【0055】
さらに、現像装置60(Y,M,C,K,S)はいずれも、着脱時の副操作として、図8に示されるように、供給搬送材65の回転軸65aの位置を支点にして矢印J1,J2で示す方向に回動するよう配置されている。
【0056】
つまり、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、着脱時(実際は取り外し時)に主操作を行う際、回転軸65aの位置を支点にして矢印J2で示す方向に回動させる副操作を行う。これにより、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、図8(B)に示されるようにハウジング61等が感光ドラム21と接触しない非接触の状態に一時的に保たれ、主操作としての筐体10の前後方向に沿う移動が支障なく行われる。
【0057】
また、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、装着を完了させる際、図8(A)に示されるように、回転軸65aの位置を支点にして矢印J1で示す方向に回動させる副操作を行う。これにより、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、図2に示されるようにハウジング61等が感光ドラム21に接近した状態となり、最終的に現像ロール62が感光ドラム21に所定の間隔をあけた位置(装着完了位置)に位置決めされる。
【0058】
(1-4)現像装置の動作
そして、現像装置60(Y,M,C,K,S)は、現像動作を行う時期等の必要な時期になると、以下に説明する現像動作が行われる。
すなわち、現像装置60(Y,M,C,K,S)においては、現像ロール62の現像スリーブ62aや、撹拌搬送材64、供給搬送材65および回収搬送材66が所要の方向に回転し始め、また現像スリーブ62aに現像バイアス電圧が所要のタイミングで供給され始める。
【0059】
これにより、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、現像剤18が、撹拌搬送路部61aにおいて回転する撹拌搬送材64により撹拌されながら搬送され、最終的に供給搬送路部61bに徐々に送り込まれるよう搬送される。次いで、現像剤18は、供給搬送路部61bにおいて回転する供給搬送材65により現像兼回収搬送路部61cに送り込まれるよう搬送される。
この結果、現像兼回収搬送路部61cでは、供給搬送路部61bから送り込まれる現像剤18が、回転する現像ロール62に供給されて一部が保持される。なお、供給搬送路部61bにおいて現像ロール62に保持されなかった現像剤18は、供給搬送材65の搬送力により撹拌搬送路部61aに戻されるよう搬送される。
【0060】
また、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、現像ロール62に供給された現像剤18が、回転する現像スリーブ62aに搬送されて現像剤規制部材63を通過する際に所要の量(層厚)に規制された後、回転する感光ドラム21に対して現像電界により供給される。
この結果、現像ロール62に供給された現像剤18の一部は、現像剤18を構成するトナーが静電潜像に付着して現像工程に供される。
【0061】
さらに、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、現像工程に使用されなかった現像スリーブ62a上の現像剤18のトナーが、現像スリーブ62aから剥離されて現像兼回収搬送路部61cの下部に落下する。この落下した現像剤18は、現像兼回収搬送路部61cの下部において回転する回収搬送材66により回収されるとともに撹拌搬送路部61aに戻されるように搬送される。
【0062】
(1-5)通気体等の構成
また、画像形成装置1においては、図4等に示されるように、筐体外に相当する筐体10の外部の空気を流入させた後に筐体10の外部に排出させるよう流す流路空間70を有する通気体7の一例である通気ダクトが配置されている。
実施の形態1における通気体7は、前方の通気ダクト7Fと後方の通気ダクト7Rとで構成されている。
【0063】
前方の通気ダクト7Fは、筐体10内で現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dの前方側の各端部60fの付近をそれぞれ通過するよう配置される前方通気体の一例である。
前方の通気ダクト7Fは、内部に空気を流す流路空間70cが形成された管状の構造物である。前方の通気ダクト7Fは、図4等に示されるように、筐体10の正面部10fと前方支持フレーム12Fとに挟まれる空間内において左右方向に延びる状態で配置されている。前方の通気ダクト7Fは、合成樹脂の材料を用いて形成されるが、その少なくとも一部が金属の材料を用いて構成されていてもよい。
【0064】
また、前方の通気ダクト7Fは、図4に示されるように、流入口75と、放出口76a,76b,76c,76d,76eと、吸気ファン77を有している。
【0065】
流入口75は、筐体10の外部の空気E1を流路空間70c内に流入させる開口部である。流入口75は、例えば、前方の通気ダクト7Fの長手方向における一方の端部に設けられている。
【0066】
放出口76a,76b,76c,76d,76eは、流路空間70c内に流入された空気E1を現像装置60(Y,M,C,K,S)のそれぞれに向けて放出する開口部である。放出口76a,76b,76c,76d,76eは、図4から図6等に示されるように、前方の通気ダクト7Fのうち現像装置60(Y,M,C,K,S)の前方側の端部60fに向き合う部分に設けられている。
【0067】
また、放出口76a,76b,76c,76d,76eは、現像装置60(Y,M,C,K,S)の各ハウジング61のうち感光ドラム21と対向する側とは反対側の長手方向Dに沿う背面部の下部の付近にほぼ向き合う位置に形成されている。放出口76a,76b,76c,76d,76eは、例えば、矩形の開口として形成されている。
【0068】
吸気ファン77は、外部の空気E1を流入口75から流路空間70c内に送り込む機器である。吸気ファン77は、ファン駆動部77a、本体カバー部77b、図示しない防塵フィルタ等で構成されている。また、吸気ファン77は、本体カバー部77bの一部において前方の通気ダクト7Fの流入口75と接続されている。
【0069】
後方の通気ダクト7Rは、筐体10内で現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dの後方側の端部60rの付近を通過するよう配置される後方通気体の一例である。
後方の通気ダクト7Rは、内部に空気を流す流路空間70bが形成された管状の構造物である。後方の通気ダクト7Rは、図4等に示されるように、筐体10の背面部10rと後方支持フレーム12Rとに挟まれる空間内において左右方向に延びる状態で配置されている。
【0070】
また、後方の通気ダクト7Rは、図4に示されるように、取入れ口71a,71b,71c,71d,71eと、排出口72a,72bと、排気ファン73を有している。
後方の通気ダクト7Rは、合成樹脂の材料を用いて形成されるが、その少なくとも一部が金属の材料を用いて構成されていてもよい。
【0071】
取入れ口71a,71b,71c,71d,71eは、前方の通気ダクト7Fにおける放出口76a,76b,76c,76d,76eからそれぞれ放出されて現像装置60(Y,M,C,K,S)を通過した空気を取り入れる開口部である。
取入れ口71a,71b,71c,71d,71eは、図4から図6等に示されるように、後方の通気ダクト7Rのうち現像装置60(Y,M,C,K,S)の後方側の端部60rに向き合う部分に設けられている。取入れ口71a,71b,71c,71d,71eは、前方の通気ダクト7Fにおける放出口76a,76b,76c,76d,76eと現像装置60(Y,M,C,K,S)を挟んで向き合う位置に存在するように設けるとよい。
【0072】
また、取入れ口71a,71b,71c,71d,71eは、現像装置60(Y,M,C,K,S)の各ハウジング61のうち感光ドラム21と対向する側とは反対側の長手方向Dに沿う背面部の下部の付近にほぼ向き合う位置に形成されている。取入れ口71a,71b,71c,71d,71eは、例えば、矩形の開口として形成されている。
【0073】
排出口72a,72bは、取入れ口71a,71b,71c,71d,71eからそれぞれ取り入れた空気を筐体10の外部に排出させる開口部である。実施の形態1では、吸気および排気の効率化等の観点から、2つの排出口72a,72bを設けている。
【0074】
排気ファン73は、取入れ口71a,71b,71c,71d,71eからそれぞれ取り入れた空気を排出口72a,72bを通して筐体10の外部に排気する機器である。排気ファン73は、ファン駆動部73a、本体カバー部73b、第1接続管73c、第2接続管73d、図示しない防塵フィルタ等で構成されている。また、第1接続管73cは、本体カバー部77bの一部と排出口72aの間を接続している。第2接続管73dは、本体カバー部77bの一部と排出口72bの間を接続している。
【0075】
(1-6)通気体等の動作
画像形成装置1においては、画像形成動作の時期等の必要な時期になると、以下に説明するように前方の通気ダクト7Fと後方の通気ダクト7Rにより筐体10内で所要の気流を発生させる動作が行われる。
すなわち、画像形成装置1では、前方の通気ダクト7Fにおいて吸気ファン77が始動し、後方の通気ダクト7Rにおいて排気ファン73が始動する。
【0076】
これにより、前方の通気ダクト7Fにおいては、図4に示されるように、吸気ファン77で吸気された筐体10の外部の空気E1が、流入口75を通して流路空間70c内に流入空気E2として流入する。また、前方の通気ダクト7Fにおいては、流入空気E2が流路空間70c内を流れる過程で放出口76a,76b,76c,76d,76eからそれぞれ放出されるように流れる。
【0077】
この結果、放出された空気E3は、現像装置60(Y,M,C,K,S)の各ハウジング61の背面の下部付近を通過するようにして筐体10の後方に向けて流される。
詳しくは、放出された空気E3は、現像装置60(Y,M,C,K,S)の各ハウジング61の背面の下部と、それと隣り合う作像ユニット20(Y,M,C,S)のドラム清掃装置26と、中間転写ベルト31とで囲まれる空間内にある隙間を通して筐体10内の後方に向けて流れる。現像装置60Sにおいては、放出口76eから放出された空気E3が、現像装置60Sのハウジング61の背面の下部と、例えば筐体10の右内側に存在する連結フレーム14と、中間転写ベルト31とで囲まれる空間内にある隙間を通して筐体10内の後方に向けて流れる。
【0078】
一方、後方の通気ダクト7Rにおいては、図4に示されるように、筐体10内を流れた空気E3が、排気ファン73の吸気作用により取入れ口71a,71b,71c,71d,71eをそれぞれ通して流路空間70b内に取入れ空気E4として取り入れられる。また、後方の通気ダクト7Rにおいては、取入れ空気E4が、流路空間70b内を流れる過程で排出口72a,72bからそれぞれ2つの取入れ空気E4a,E4bに分かれて排出されて第1接続管73cと第2接続管73dを通して排気ファン73に向かうように流れる。
その取入れ空気E4a,E4bは、最終的に排気ファン73によって筐体10の外部に排出空気E6としてまとめて排気される。
【0079】
この結果、筐体10内を流れた空気E3は、後方の通気ダクト7Rに取り込まれた後に筐体10の外部に排気される。
詳しくは、前方の通気ダクト7Fにおける放出口76a,76b,76c,76d,76eから放出された空気E3は、それぞれ現像装置60(Y,M,C,K,S)の各ハウジング61の背面の下部付近を通過するように流れた後、後方の通気ダクト7Rにおける取入れ口71a,71b,71c,71d,71eをほぼ通して流路空間70b内に取り入れられる。
【0080】
したがって、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)のハウジング61の一部が、前方の通気ダクト7Fを通して流入した筐体10の外部の空気E1により形成される空気流(空気E3の流れ)に晒される。また、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)のハウジング61の一部に触れて通過した空気が、後方の通気ダクト7Rを通して筐体10の外部に排気される。
また、画像形成装置1では、画像形成動作、特に定着ユニット50の定着動作等に起因した発熱により筐体10内の温度が筐体10の外部よりも高温になり、その高温の熱が現像装置60(Y,M,C,K,S)を包み、そのハウジング61内で使用される乾式の現像剤18の温度上昇を誘発して悪影響を及ぼすおそれがある。
【0081】
このため、画像形成装置1においては、上記気流の発生動作を行うことにより、現像装置60(Y,M,C,K,S)のハウジング61を包む熱(熱気)が排気されるとともにハウジング61が筐体10の外部の相対的に低温の空気に晒され、もって現像装置60(Y,M,C,K,S)のハウジング61が冷却される。
【0082】
(1-7)熱伝導材の構成
さらに、画像形成装置1においては、図4から図7等に示されるように、通気体7のうち後方の通気ダクト7Rに、現像装置60(Y,M,C,K,S)の後方側の端部60rにある後方の軸受け部67Rの一部にそれぞれ接触する熱伝導材8が設けられている。
【0083】
熱伝導材8は、現像装置60(Y,M,C,K,S)における後方の軸受け部67Rの熱を少なくとも後方の通気ダクト7Rに伝導させる部材である。後方の軸受け部67Rの一部は、撹拌搬送材64等の搬送材の回転駆動時に、表面温度が相対的に高くなる部分にすることが好ましい。
【0084】
実施の形態1における熱伝導材8は、後方の軸受け部67Rのうち現像ロール62のある側とは反対側で取入れ口71a,71b,71c,71d,71eに近い部分に接触するよう構成されている。より具体的には、熱伝導材8は、後方の軸受け部67Rのうち撹拌搬送材64の回転軸64aの軸受64dが配置されている部位を含む部分の外表面に、現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dに沿って長く接触し続けるようになっている。
【0085】
また、実施の形態1における熱伝導材8は、後方の通気ダクト7Rにおける取入れ口71a,71b,71c,71d,71eから現像装置60(Y,M,C,K,S)における各後方の軸受け部67Rの一部にそれぞれ至るまで延びて個別に接触するように設けられている。
また、熱伝導材8は、例えば、図9に示されるように、軸受け部67Rの一部に接触させる接触部分81と、後方の通気ダクト7Rに取り付ける取付け部分82と、接触部分81と取付け部分82の間を接続する接続部分83とを有する板状の部材として構成されている。
【0086】
接触部分81は、1つの面が軸受け部67Rの一部に接触する接触面81aとして形成されている。接触面81aは、平面であってもよいが、実際に接触する軸受け部67Rの一部との接触面積を多く確保する観点等から、その一部の外表面の形状に類似した形状の面で形成されていることが好ましい。
取付け部分82は、取入れ口71a,71b,71c,71d,71eの一辺を経て後方の通気ダクト7Rの流路空間70b内に存在して流路空間70bの内壁面に接触し得る形状に形成されている。取付け部分82は、ネジ、接着剤、溶接等の固定手段を用いて後方の通気ダクト7Rに固定される。
接続部分83は、熱伝導材8の配置場所のスペース事情や、接触部分81と取付け部分82との位置関係の調整等に対応するように設けられる部分である。
【0087】
さらに、実施の形態1における熱伝導材8は、アルミニウム等の良好な熱伝導性を有する金属で構成されている。
また、熱伝導材8は、後方の通気ダクト7Rに取り付けられた状態において外力を受けた場合、接触部分81又は接続部分83又はその双方が撓むように変形し得る弾性を有している。熱伝導材8は、言い換えると、板ばねのように弾性を有するものであることが好ましい。
ちなみに、熱伝導材8は、図8(A)に示されるように現像装置60(Y,M,C,K,S)が装着完了位置にあるときに矢印で示す方向に少し撓むように弾性変形した状態で、軸受け部67Rの一部に接触するよう設けられている。
【0088】
(1-8)熱伝導材の作用・効果
画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)の駆動により前方の軸受け部67Fおよび後方の軸受け部67Rが、軸受(主に軸受64d、65d)で発生する摩擦熱で高温になる。
そして、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、その前方の軸受け部67Fおよび後方の軸受け部67Rの高温になる熱によってハウジング61内で使用される乾式の現像剤18の温度が上昇させられることがある。
【0089】
これに対して、熱伝導材8は、現像装置60(Y,M,C,K,S)の後方の軸受け部67Rにおける熱を後方の通気ダクト7Rに伝導させる。
詳しくは、後方の通気ダクト7Rの流路空間70bは上記空気流発生動作による空気(E4)の流れにより後方の軸受け部67Rよりも相対的に低温の状態にあるので、後方の軸受け部67Rにおける熱が熱伝導材8を介して後方の通気ダクト7Rに伝導されやすい。
つまり、熱伝導材8は、後方の軸受け部67Rにおける熱を排除し続けて低減させ、その軸受け部67Rにおける温度の上昇を抑制する。
【0090】
このため、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)のハウジング61内で使用される現像剤18の温度が上昇することが抑制される。
この結果、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、そのハウジング61内の現像剤18の温度が上昇した場合に現像剤18の流動性が低下して現像不良が誘発されることが抑制される。また、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、その温度上昇した現像剤18が溶融した後に冷えて固着することで撹拌搬送材64、供給搬送材65等の駆動系が破損することが回避される。
【0091】
また、現像装置60(Y,M,C,K,S)では、図7に示されるように、特に後方の軸受け部67Rに撹拌搬送路部61aの延長部61eが存在するため、前方の軸受け部67Fに比べると、その延長部61eを通して現像剤18に熱を伝えやすくなる。
このため、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dの後方の軸受け部67Rの熱を低減させない場合に比べると、現像剤18の温度上昇を招く発熱源でもあり得る後方の軸受け部67Rの熱を低減するので、現像装置60(Y,M,C,K,S)内にある現像剤18の温度が上昇することが効率よく抑制される。
【0092】
しかも、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dに沿って放熱フィン、空気を流す流路空間を有する通気体等の部品を増設することが困難であっても、現像装置60(Y,M,C,K,S)内にある現像剤18の温度が上昇することが抑制される。
特に筐体10の全体のサイズをほぼ維持したうえで作像ユニット20の数を増やすように構成する(例えば特殊色の作像ユニット20Sを増設する等の)画像形成装置である場合には、限られた筐体10の内部空間内で各作像ユニット20が密集した状態で配置されて、まとまった空きスペースが殆んどない状態になる。この場合は、現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dに沿って放熱フィン、空気を流す流路空間を有する通気体等の部品を増設することがより一層困難になる。
このような画像形成装置になる場合であっても、設置スペースが相対的に少ない熱伝導材8を設けることにより、現像装置60(Y,M,C,K,S)のハウジング61内で使用される現像剤18の温度が上昇することを抑制することが可能になる。
【0093】
さらに、画像形成装置1では、熱伝導材8が後方の通気ダクト7Rにおける取入れ口71a,71b,71c,71d,71eに設けている。
このため、画像形成装置1では、熱伝導材8を後方の通気ダクト7Rの取入れ口71a,71b,71c,71d,71e以外の部分に設ける場合に比べると、熱伝導材8が後方の通気ダクト7Rの取入れ口71a,71b,71c,71d,71eから取り入れられて流れる空気E3とそれぞれ触れて放熱しやすくなる。この結果、画像形成装置1では、後方の軸受け部67Rの一部の熱が熱伝導材8により後方の通気ダクト7Rと空気E3にそれぞれ伝導されるので、現像装置60(Y,M,C,K,S)内にある現像剤18の温度が上昇することがより一層抑制される。
【0094】
また、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)の長手方向Dに沿って通過する空気を流すことが可能な後方の通気ダクト7Rと前方の通気ダクト7Fとで構成されていない場合に比べると、現像装置60(Y,M,C,K,S)が後方の通気ダクト7Rと前方の通気ダクト7Fの間を流れる空気によって冷やされる。この結果、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)内にある現像剤18の温度が上昇することがより一層抑制される。
【0095】
この他、画像形成装置1では、現像装置60(Y,M,C,K,S)が上記した主操作(前後方向への移動)と副操作(回動)を行うことにより、筐体10に対して着脱可能になっている。また、熱伝導材8は、弾性を有する部材で構成されており、しかも、上述したように現像装置60(Y,M,C,K,S)が装着完了位置にあるときに弾性変形する状態で後方の軸受け部67Rの一部に接触させている。
このため、画像形成装置1では、熱伝導材8が弾性を有しないものである場合に比べると、現像装置60(Y,M,C,K,S)が熱伝導材8から一時的に離れるよう変位することがあっても、熱伝導材8が後方の軸受け部67Rの一部に良好に接触する。詳しくは、熱伝導材8は、現像装置60(Y,M,C,K,S)が元の位置(例えば装着完了位置)に変位したときに、後方の軸受け部67Rの一部に再び弾性変形した状態になり、ある程度の押し付け力を得た状態で良好に接触する。
【0096】
また、画像形成装置1では、熱伝導材8が金属で構成されている。このため、画像形成装置1においては、熱伝導材8が金属以外の材料で構成されている場合に比べると、熱伝導材8を熱伝導率が高い部材にすることが容易になり、後方の軸受け部67Rの熱を低減さやすくなる。
また、画像形成装置1では、熱伝導材8が板状の部材で構成されている。このため、画像形成装置1においては、熱伝導材8が板状以外の形態である場合に比べると、熱伝導材8が放熱しやすくなり、後方の軸受け部67Rの熱を低減しやすくなる。
【0097】
変形例.
本発明は、上記実施の形態1として例示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した各発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形や改変が可能である。このため、本発明は、例えば、以下に示す変形例も含むものである。
【0098】
実施の形態1では、前方の通気ダクト7Fを省略して、通気体7として後方の通気ダクト7Rのみを設置してもよい。
【0099】
この場合、後方の通気ダクト7Rには、実施の形態1で説明した取入れ口71a,71b,71c,71d,71eと排出口72a,72bと排気ファン73に加えて、筐体10の外部の空気を流路空間70b内に流入させる流入口を追加して設けるとよい。その流入口は、例えば、後方の通気ダクト7Rのうち取入れ口71e側にある端部(図4の右側の端部)に設けることができるが、それ以外の部分に設けても構わない。
この後方の通気ダクト7Rのみを設置する場合にあっても、後方の通気ダクト7Rは、筐体10の外部の空気を流路空間70b内に流して最終的に筐体10の外部に排出させるので、筐体10の内部の温度より相対的に低い温度の状態に保たれ、熱伝導材8の熱伝導の作用を発揮させることができる。
【0100】
またこの場合、後方の通気ダクト7Rには、上記追加する流入口を設けなくともよい。この流入口を追加して設けない後方の通気ダクト7Rにあっては、筐体10の他の部分に設ける流入口等から流入する筐体10の外部の空気を取入れ口71a,71b,71c,71d,71eから流入させるように構成することができる。
【0101】
実施の形態1では、熱伝導材8として、後方の通気ダクト7Rに設ける熱伝導材8に限らず、前方の通気ダクト7Fにも現像装置60(Y,M,C,K,S)の前方の軸受け部67Fの一部にそれぞれ接触する前方の熱伝導材8を設けてもよい。前方の熱伝導材8は、前方の通気ダクト7Fにおける放出口76a,76b,76c,76d,76eから現像装置60(Y,M,C,K,S)の前方の軸受け部67Fの一部に至るまで延びて接触するように設けることが好ましい。
【0102】
このように構成した場合は、現像装置60(Y,M,C,K,S)の前方の軸受け部67Fの一部で軸受の摩擦熱で生じる熱を前方の熱伝導材8で前方の通気ダクト7Fに伝導させて低減させることが可能になる。また、前方の熱伝導材8は、空気流発生動作による空気の流れ(空気E3)に晒されて放熱しやすくなる。この結果、この場合は、前方の熱伝導材8を設けない場合に比べると、現像装置60(Y,M,C,K,S)内にある現像剤18の温度が上昇することがより抑制される。
【0103】
熱伝導材8は、後方の通気ダクト7Rにおける取入れ口71a,71b,71c,71d,71eに設ける場合に代えて、又はその場合に加えて、取入れ口71a,71b,71c,71d,71e以外の部分に設けてもよい。また、熱伝導材8は、前方の通気ダクト7Fにも設けるときは、前方の通気ダクト7Fにおける放出口76a,76b,76c,76d,76eに設ける場合に代えて、又はその場合に加えて、放出口76a,76b,76c,76d,76e以外の部分に設けてもよい。
【0104】
このように構成した場合は、現像装置60(Y,M,C,K,S)の前方の軸受け部67Fにおける熱又はその後方の軸受け部67Rにおける熱が、熱伝導材8を介して、後方の通気ダクト7Rの取入れ口71a,71b,71c,71d,71e以外の部分又は前方の通気ダクト7Fの放出口76a,76b,76c,76d,76e以外の部分に伝導される。
また、このように構成する場合、後方の通気ダクト7Rの取入れ口71a,71b,71c,71d,71e以外の部分と前方の通気ダクト7Fの放出口76a,76b,76c,76d,76e以外の部分については、効率のより熱伝導を確保する等の観点から、金属で構成するとよい。
【0105】
後方の通気ダクト7Rと前方の通気ダクト7Fは、熱伝導材8を設ける場合、少なくとも熱伝導材8を設ける部分を金属の材料で構成してもよい。
【0106】
このように構成した場合は、後方の通気ダクト7Rの金属部分や前方の通気ダクト7Fの金属部分が空気の流れで相対的に低温の状態に保たれ、その金属部分に設けられる熱伝導材8の熱伝導も良好に行われやすくなる。このため、この場合は、後方の通気ダクト7Rと前方の通気ダクト7Fの全体を金属以外の材料で構成した場合に比べると、現像装置60(Y,M,C,K,S)の軸受け部67R,67Fの熱を後方の通気ダクト7R又は前方の通気ダクト7Fに伝導させやすくなる。この結果、現像装置60(Y,M,C,K,S)内にある現像剤18の温度が上昇することがより抑制される。
【0107】
後方の通気ダクト7R、又は後方の通気ダクト7Rと前方の通気ダクト7Fの双方は、筐体10の一部を構成する部材(例えば支持フレーム)を含めて構成してもよい。その筐体10の一部を構成する部材は、後方の通気ダクト7Rや前方の通気ダクト7Fを兼ね備えた構造の部材として構成してもよい。
【0108】
このように構成した場合は、後方の通気ダクト7Rや前方の通気ダクト7Fの全体が筐体10を構成する部材とは別の部材で構成されている場合に比べると、筐体10内の空間を有効に利用することや、筐体10の大型化を回避することができる。
【0109】
実施の形態1では、熱伝導材8として、板状の部材で構成した熱伝導材を例示したが、熱伝導材8は、良好な熱伝導を確保できれば板状以外の形態からなる熱伝導材であってもよい。
【0110】
実施の形態1では、画像形成装置1として、現像装置60を含む作像ユニット20として5つの現像装置(20Y,20M,20C,20K,20S)を配置する画像形成装置を例示したが、本発明の画像形成装置は、作像ユニット20として別の数(単数又は複数)の作像ユニットを配置するものであってもよい。
ちなみに、作像ユニット20の数を5つよりも少ない数にする場合は、それに相応して筐体10のサイズを小さくすればよい。作像ユニット20の数が1つの場合の画像形成装置は、単色の画像を形成することになる。
【0111】
また、実施の形態1では、現像装置60として、回収搬送材66を備える構成の現像装置を例示したが、本発明における現像装置60は回収搬送材66を設けない構成の現像装置であってもよい。
【0112】
(付記)
(((1)))
筐体と、
前記筐体内に配置され、現像剤が収容される容器と前記容器内の現像剤を回転して搬送する搬送材と前記搬送材の軸部を受ける軸受け部を有する現像装置と、
前記筐体内で前記現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部の付近を通過するように配置され、当該筐体外の空気を流入させた後に当該筐体外に排出させるよう流す流路空間を有する通気体と、
前記通気体に設けられ、前記現像装置の少なくとも後方側の端部にある前記軸受け部の一部に接触して当該軸受け部の熱を少なくとも当該通気体に伝導させる熱伝導材と、
を備える画像形成装置。
(((2)))
前記熱伝導材は、金属で構成されている(((1)))に記載の画像形成装置。
(((3)))
前記熱伝導材は、弾性を有する(((1)))又は(((2)))に記載の画像形成装置。
(((4)))
前記熱伝導材は、板状の部材で構成されている(((1)))から(((3)))のいずれかに記載の画像形成装置。
(((5)))
前記熱伝導材は、前記軸受け部の一部に接触する部分が、当該軸受け部の一部の外表面の形状に類似した形状で形成されている(((1)))から(((4)))のいずれかに記載の画像形成装置。
(((6)))
前記通気体は、少なくとも前記熱伝導材が設けられる部分が金属で構成されている(((1)))から(((5)))のいずれかに記載の画像形成装置。
(((7)))
前記通気体は、前記筐体を構成する一部の部材を含んで構成されている(((1)))から(((6)))のいずれかに記載の画像形成装置。
(((8)))
前記通気体は、前記現像装置の長手方向の後方側の端部の付近を通過するように配置される後方通気体で構成されており、
前記後方通気体は、前記筐体外の空気を前記流路空間内に取り入れる取入れ口と、当該空気を前記筐体外に排出させる排出口と、前記流入口から流入した空気を前記排出口から当該筐体外に排気する排気ファンを有しており、
前記熱伝導材は、前記取入れ口から前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている(((1)))から(((7)))のいずれかに記載の画像形成装置。
(((9)))
前記通気体は、前記現像装置の長手方向の後方側の端部の付近を通過するように配置される後方通気体と、前記現像装置の長手方向の前方側の端部の付近を通過するように配置される前方通気体とで構成されており、
前記前方通気体は、前記筐体外の空気を前記流路空間内に流入させる流入口と、当該空気を前記現像装置に向けて放出する放出口と、当該空気を前記流入口から前記流路空間内に送り込む吸気ファンを有しており、
前記後方通気体は、前記前方通気体の前記放出口から放出されて前記現像装置を通過する空気を取り入れる取入れ口と、前記取入れ口から取り入れた空気を前記筐体外に排出させる排出口と、前記取り入れた空気を前記排出口から当該筐体外に排気する排気ファンを有しており、
前記熱伝導材は、少なくとも前記後方通気体から、前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている(((1)))から(((7)))のいずれかに記載の画像形成装置。
(((10)))
前記熱伝導材は、前記後方通気体の少なくとも前記取入れ口から前記現像装置の後方側の端部にある前記軸受け部の一部に至るまで延びて接触するよう設けられている(((9)))に記載の画像形成装置。
(((11)))
前記現像装置として複数の現像装置を備え、
前記熱伝導材は、前記複数の現像装置における前記軸受け部の一部に個別に接触するよう設けられている(((1)))から(((10)))のいずれかに記載の画像形成装置。
【0113】
(((1)))に係る画像形成装置によれば、現像装置の長手方向に沿って放熱フィン、空気を流す流路空間を有する通気体等の部品を増設することが困難であっても、現像装置の長手方向の少なくとも後方側の端部にある搬送材の軸受け部の熱を低減させない場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することを抑制することができる。
(((2)))に係る画像形成装置によれば、熱伝導材が金属以外の材料で構成されている場合に比べて、熱伝導率が高い熱伝導材を容易に適用することができる。
(((3)))に係る画像形成装置によれば、熱伝導材が弾性を有しないものである場合に比べて、現像装置が熱伝導材から一時的に離れるよう変位することがあっても、熱伝導材の軸受け部の一部との接触を良好に保つことができる。
(((4)))に係る画像形成装置によれば、熱伝導材が板状以外の形態である場合に比べて、軸受け部の熱を放熱させやすくなる。
(((5)))に係る画像形成装置によれば、熱伝導材の軸受け部の一部に接触する部分が軸受け部の一部の外表面の形状に類似しない形状で形成されている場合に比べて、軸受け部の熱を伝導させやすくなる。
(((6)))に係る画像形成装置によれば、通気体は全体が金属以外の材料で構成されている場合に比べて、軸受け部の熱を通気体に伝導させやすくなる。
(((7)))に係る画像形成装置によれば、通気体の全体が筐体を構成する部材とは別の構造体として構成されている場合に比べて、筐体内の空間を有効に利用することや、筐体の大型化を回避することができる。
(((8)))に係る画像形成装置によれば、熱伝導材が通気体の取入れ口以外の部分に設けられている場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することをより一層抑制することができる。
(((9)))に係る画像形成装置によれば、通気体が現像装置の長手方向に沿って通過する空気を流すことが可能な通過後方通気体と前方通気体とで構成されていない場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することをより一層抑制することができる。
(((10)))に係る画像形成装置によれば、熱伝導材が後方通気体の取入れ口以外の部分に設けられている場合に比べて、現像装置内にある現像剤の温度が上昇することをより一層抑制することができる。
(((11)))に係る画像形成装置によれば、複数の現像装置を備えている場合であっても、それら各現像装置内にある現像剤の温度がそれぞれ上昇することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 …画像形成装置
7 …通気体
7F…前方ダクト(前方通気体の一例)
7R…後方ダクト(後方通気体の一例)
8 …熱伝導材
10…筐体
18…現像剤
60…現像装置
60Y,60M,60C,60K,60S…複数の現像装置
60r…後方側の端部
61…ハウジング(容器の一例)
64…撹拌搬送材(搬送材の一例)
64d,65d,66d…軸受
65…供給搬送材(搬送材の一例)
67R…後方の軸受け部
70b、70c…流路空間
71…取入れ口
72…排出口
73…排気ファン
75…流入口
76…放出口
77…吸気ファン
81…接触部分(接触する部分の一例)
D …長手方向
E …空気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9