(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133752
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ロギング装置、ロギング方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20240926BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G08C15/00 E
G01D9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043703
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】武本 華奈
(72)【発明者】
【氏名】福士 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】落岩 崇
【テーマコード(参考)】
2F070
2F073
【Fターム(参考)】
2F070AA01
2F070CC03
2F070CC06
2F070CC11
2F070FF06
2F070FF12
2F070GG10
2F070HH07
2F070HH08
2F073AA02
2F073AA03
2F073AA12
2F073AA19
2F073AA23
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073AB05
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC09
2F073CC14
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE06
2F073DE13
2F073DE16
2F073EE01
2F073EE13
2F073EF09
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
(57)【要約】
【課題】監視対象装置を監視するためのデータを適切に活用できるようにすること。
【解決手段】監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得する取得部と、前記取得部により取得されたデータを記憶装置に記録させる記録部と、前記記録部により記録されたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する送信部と、を有するロギング装置が提供される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得する取得部と、
前記取得部により取得されたデータを記憶装置に記録させる記録部と、
前記記録部により記録されたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する送信部と、
を有するロギング装置。
【請求項2】
商用電源の停電を検知した場合、バッテリからの電力を用いて前記ロギング装置のコンピュータを停止させる制御部を有する、
請求項1に記載のロギング装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記特定期間内に商用電源の停電を検知した場合、前記バッテリからの電力を用いて前記取得部によりデータを取得させ、前記バッテリからの電力を用いて前記記録部によりデータを記録させた後、前記ロギング装置のコンピュータを停止させる、
請求項2に記載のロギング装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記特定期間内に商用電源の停電を検知し、前記特定期間の開始時点が現在から特定時間内である場合、前記バッテリからの電力を用いて前記取得部によりデータを取得させ、前記バッテリからの電力を用いて前記記録部によりデータを記録させた後、前記ロギング装置のコンピュータを停止させる、
請求項3に記載のロギング装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記商用電源の停電が復旧した場合、前記ロギング装置のコンピュータを起動させる、
請求項3または4に記載のロギング装置。
【請求項6】
前記特定期間内の各時点で測定される前記測定データは、周波数解析、統計解析、及び情報解析の少なくとも一つを行うために用いられる時系列データである、
請求項3に記載のロギング装置。
【請求項7】
前記監視対象装置は、樹脂を加熱溶融及び混練してフィルムまたはシートを製造する押出機または造粒機、樹脂材の原料であるペレットを製造するための押出機、及び溶かした原料を型に流し込んで成形する射出成形機の少なくとも一つを含む、
請求項1に記載のロギング装置。
【請求項8】
前記外部装置は、クラウド上のサーバである、
請求項1または2に記載のロギング装置。
【請求項9】
前記特定のタイミングは、前記外部装置及びユーザの少なくとも一方により指示されたタイミングである、
請求項1に記載のロギング装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記記録部によるデータの記録に異常が発生した場合、及び前記外部装置への送信に異常が発生した場合の少なくとも一方の場合に、特定の連絡先へ通知を送信する、
請求項1に記載のロギング装置。
【請求項11】
前記記録部は、複数の期間のそれぞれで記録されてから第1期間を経過した測定データのうち、特定の条件に合致しない測定データを消去する、
請求項1に記載のロギング装置。
【請求項12】
ロギング装置が、
監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得し、
取得したデータを記録させ、
記録させたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する、
処理を実行するロギング方法。
【請求項13】
監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得し、
取得したデータを記録させ、
記録させたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロギング装置、ロギング方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサで測定された測定データに基づいて、産業機械等の異常を検知する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、センサで測定された測定データを適切に活用できないことが考えられる。
【0005】
本開示の目的は、監視対象装置を監視するためのデータを適切に活用できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得する取得部と、前記取得部により取得されたデータを記憶装置に記録させる記録部と、前記記録部により記録されたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する送信部と、を有するロギング装置が提供される。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、ロギング装置が、監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得し、取得したデータを記録させ、記録させたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する、処理を実行するロギング方法が提供される。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、監視対象装置の特定部位に設けられたセンサにより特定期間内の各時点で測定された測定データ、及び前記監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得し、取得したデータを記録させ、記録させたデータを、特定のタイミングで外部装置へ送信する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、監視対象装置を監視するためのデータを適切に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るロギングシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るロギング装置の構成について説明する。
【
図3】実施形態に係るロギング装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るロギング装置のコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るロギング装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係るロギング装置の商用電源からの給電が停止した場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下、図面を参照して、本開示の一実施形態を説明する。
【0012】
<システム構成>
図1を参照し、実施形態に係るロギングシステム1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係るロギングシステム1の構成の一例を示す図である。
図1の例では、ロギングシステム1は、ロギング装置10、クラウドサーバ20、センサ30、監視対象装置40、センシング装置50、及びコントローラ60を有する。なお、ロギング装置10、クラウドサーバ20、センサ30、監視対象装置40、センシング装置50、及びコントローラ60の数は
図1の例に限定されない。
【0013】
図1の例では、ロギング装置10とクラウドサーバ20は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、及びLAN等が含まれてもよい。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G、Beyond 5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれてもよい。
【0014】
また、
図1の例では、ロギング装置10とセンシング装置50、及びロギング装置10とコントローラ60は、バス、またはLAN等のケーブルでそれぞれ接続されている。ロギング装置10は、監視対象装置40に関するデータを記録し、記録したデータをクラウドサーバ20へアップロードする。
【0015】
クラウドサーバ20は、ロギング装置10からアップロードされたデータに基づいて、監視対象装置40の稼動状況、劣化状況等を分析して、分析結果をWebサイトにより監視対象装置40のユーザへ提供してもよい。
【0016】
センサ30は、監視対象装置40の特定部位に設置され、測定を行うセンサである。センサ30は、例えば、温度、振動(速度、距離、加速度)、トルク、ひずみ、圧力等を測定してもよい。センシング装置50は、例えば、センサ30により測定された信号をA/D(アナログ-デジタル)変換してロギング装置10へ出力する。
【0017】
監視対象装置40は、ロギング装置10によりログ取得の対象とされる装置である。監視対象装置40は、例えば、樹脂を加熱溶融及び混練してフィルムまたはシートを製造する押出機(二軸スクリュ押出機)等の産業機械でもよい。なお、押出機は、モータで発生した動力を所定のトルクに変換して二軸スクリュに伝える減速機を有してもよい。また、監視対象装置40は、例えば、樹脂材の原料であるペレットを製造するための押出機または造粒機でもよい。また、監視対象装置40は、熱等により溶かした原料を型に流し込んで成形する射出成形機でもよい。コントローラ60は、監視対象装置40の運転等を制御する。コントローラ60は、監視対象装置40の運転状況を示す運転データをロギング装置10へ出力する。
【0018】
<ロギング装置10の構成>
次に、
図2を参照し、実施形態に係るロギング装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係るロギング装置10の構成の一例を示す図である。
図2の例では、ロギング装置10は、取得部11、記録部12、送信部13、及び制御部14を有する。なお、取得部11、記録部12、及び送信部13は、後述するコンピュータ100により実現されてもよい。また、制御部14は、後述する電源管理基板111により実現されてもよい。
【0019】
取得部11は、監視対象装置40の特定部位に設けられたセンサ30により特定期間内の各時点で測定された測定データ、監視対象装置の運転状況を示す運転データの少なくとも一方を取得する。記録部12は、取得部11により取得されたデータを、ロギング装置10の内部または外部の記憶装置に記録させる。送信部13は、記録部12により記録されたデータを、特定のタイミングでクラウドサーバ20(「外部装置」の一例。)へ送信する。
【0020】
制御部14は、例えば、商用電源の停電を検知した場合、バッテリからの電力を用いてロギング装置10のコンピュータ100を停止(例えば、シャットダウン、またはスリープ)させる。なお、シャットダウンとは、例えば、コンピュータ100のオペレーティングシステムにより稼働中のソフトウェアを安全に終了させ、不具合が生じない状態にした上でコンピュータ100の電源を落とす処理のことでもよい。また、スリープとは、例えば、次回の起動をより高速化するためにシステムの稼働状態を一部維持した状態でコンピュータ100の電源を落とす処理のことでもよい。
【0021】
<ロギング装置10のハードウェア構成>
次に、
図3を参照し、実施形態に係るロギング装置10の構成について説明する。
図3は、実施形態に係るロギング装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3の例では、ロギング装置10は、コンピュータ100、電源管理基板111、UPS(Uninterruptible Power Supply、無停電電源装置)112、及びACアダプタ113を有する。
【0022】
UPS112と電源管理基板111とは、電源ケーブル1121、及び信号ケーブル1122で接続されている。また、電源管理基板111とコンピュータ100とは、電源ケーブル1111、及び信号ケーブル1112で接続されている。信号ケーブル1112は、例えば、LANケーブル、またはアナログケーブルでもよい。電源ケーブル1111及び信号ケーブル1112は、例えば、一本のPoE(Power over Ethernet)対応LANケーブルでもよい。
【0023】
ACアダプタ113は、電力会社から供給される商用電源の交流を直流等に変換して、ロギング装置10のUPS112等へ供給する。UPS112は、ACアダプタ113からの電力をバッテリに蓄積する。なお、当該バッテリは、繰り返し充放電ができる装置であればよく、当該バッテリの例には、例えば、スーパーキャパシタ、及びリチウムイオンバッテリ等が含まれてもよい。また、UPS112は、商用電源が停電していない場合は、ACアダプタ113からの電力を、電源ケーブル1121を介して電源管理基板111へ供給する。また、UPS112は、商用電源が停電している場合は、バッテリからの電力を、電源ケーブル1121を介して電源管理基板111へ供給する。また、UPS112は、商用電源が停電していることを検知した場合、停電を検知したことを示す信号(停電検知信号)を、信号ケーブル1122を介して電源管理基板111へ送信する。また、UPS112は、商用電源が復旧したこと(停電していないこと)を検知した場合、復旧を検知したことを示す信号(復旧検知信号)を、信号ケーブル1122を介して電源管理基板111へ送信する。
【0024】
電源管理基板111は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現されてもよい。電源管理基板111は、UPS112からの電力を、電源ケーブル1111を介してコンピュータ100へ供給する。また、電源管理基板111は、商用電源の停電の有無に応じて、コンピュータ100の停止、及び起動を制御するコマンドを、信号ケーブル1112を介してコンピュータ100へ送信する。なお、当該コマンドはアナログ信号で伝送されてもよいし、デジタル信号で伝送されてもよい。
【0025】
<コンピュータ100のハードウェア構成>
図4は、実施形態に係るロギング装置10のコンピュータ100のハードウェア構成例を示す図である。
図4の例では、コンピュータ100は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0026】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0027】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0028】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0029】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0030】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0031】
<処理>
次に、
図5を参照し、実施形態に係るロギング装置10の処理の一例について説明する。
図5は、実施形態に係るロギング装置10の処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の各処理の順番は、矛盾を生じない範囲で適宜変更されてもよい。また、以下の各処理は、矛盾を生じない範囲で適宜並列に実行されてもよい。
【0032】
ステップS1において、取得部11は、現在日時が測定データの取得を開始するタイミング(例えば、3時間毎の特定のタイミング)となったことを検知する。測定データの取得を開始するタイミングは、例えば、ロギング装置10のユーザから予め指定されていてもよい。この場合、ロギング装置10は、ユーザから指定されたタイミングを示す情報を、クラウドサーバ20から受信してもよいし、ロギング装置10でのユーザの操作に応答して記録してもよい。また、測定データの取得を開始するタイミングは、例えば、クラウドサーバ20から指定されていてもよい。この場合、クラウドサーバ20は、例えば、測定データに基づいて分析した、監視対象装置40の劣化度等に応じて、測定データを取得する間隔を決定してもよい。この場合、クラウドサーバ20は、例えば、監視対象装置40の劣化度が大きいほど、測定データを取得する間隔を短く決定してもよい。これにより、例えば、監視対象装置40の保守が必要となったことを、より迅速に検知できる。
【0033】
続いて、取得部11は、センサ30により特定期間(例えば、1分間)の各時点で測定された測定データを取得する(ステップS2)。ここで、取得部11は、例えば、特定期間において特定のサンプリング周波数(例えば、2kHz)での測定データを取得してもよい。なお、特定期間内の各時点で測定される測定データは、周波数解析、統計解析、及び情報解析の少なくとも一つを行うために用いられる時系列データでもよい。この場合、測定データには、例えば、監視対象装置40の温度、振動(速度、距離、加速度)、トルク、ひずみ、及び圧力の少なくとも一つを示すデータが含まれてもよい。
【0034】
続いて、取得部11は、監視対象装置40の運転状況を示す運転データを取得する(ステップS3)。なお、運転データには、例えば、監視対象装置40のスクリュの回転数を示すデータ、監視対象装置40で発生したエラーのログ等の、監視対象装置40の制御に関するデータが含まれてもよい。ここで、取得部11は、例えば、監視対象装置40の運転状況に変化が生じた際に、監視対象装置40の運転を制御するコントローラ60から運転データを取得(受信)してもよい。なお、ステップS2の処理とステップS3の処理は、並列に実行されてもよいし、逆の順番で実行されてもよい。
【0035】
続いて、記録部12は、取得部11により取得されたデータを記録させる(ステップS4)。ここで、記録部12は、例えば、ロギング装置10とセンサ30との間に設けられたA/D(アナログ-デジタル)変換装置に内蔵されたSSD(Solid State Drive)等の記憶装置に測定データを記録してもよい。また、記録部12は、例えば、ロギング装置10に内蔵されたSSD等の記憶装置に運転データを記録してもよい。
【0036】
続いて、送信部13は、現在日時がデータをアップロードするタイミング(例えば、24時間毎の特定のタイミング)となったことを検知する(ステップS5)。データをアップロードするタイミングは、例えば、ロギング装置10のユーザから予め指定されていてもよい。この場合、ロギング装置10は、ユーザから指定されたタイミングを示す情報を、クラウドサーバ20から受信して記録してもよい。この場合、クラウドサーバ20は、例えば、データに基づいて分析した、監視対象装置40の劣化度等に応じて、データをアップロードする間隔を決定してもよい。これにより、例えば、監視対象装置40の保守が必要となったことを、より迅速に検知できる。また、ロギング装置10は、ユーザから指定されたタイミングを示す情報を、ロギング装置10の操作部等の操作に応答して記録してもよい。
【0037】
続いて、送信部13は、記録部12により記録されたデータを、クラウドサーバ20へ送信(アップロード)する(ステップS6)。これにより、クラウドサーバ20にて、例えば、AI(Artificial Intelligence)を用いた稼動分析や、監視対象装置40の保守に必要な情報を、Webサイト等を介してユーザへ提供することができる。
【0038】
<<商用電源からの給電が停止した場合の処理>>
次に、
図6を参照し、実施形態に係るロギング装置10の、商用電源からの給電が停止した場合の処理の一例について説明する。
図6は、実施形態に係るロギング装置10の商用電源からの給電が停止した場合の処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の各処理の順番は、矛盾を生じない範囲で適宜変更されてもよい。
【0039】
制御部14は、商用電源が停電(商用電源からの給電が停止)していることを検知する(ステップS101)。ここで、制御部14は、UPS112から停電検知信号を受信した場合に、商用電源が停電していると判定してもよい。
【0040】
続いて、制御部14は、現在日時が特定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。ここで、制御部14は、例えば、現在日時が、取得部11により測定データが取得されている期間内である場合に、特定の条件を満たすと判定してもよい。この場合、制御部14は、現在日時が測定データの取得を開始する時点から取得を終了する時点までの間である場合に、特定の条件を満たすと判定してもよい。
【0041】
また、制御部14は、例えば、現在日時から測定データの取得を開始する時点までが特定時間(例えば、1分間)以内である場合に、特定の条件を満たすと判定してもよい。なお、制御部14は、UPS112のバッテリの充電状態に基づいて、当該特定時間を決定してもよい。この場合、制御部14は、例えば、UPS112のバッテリの充電状態が満充電に近いほど、当該特定時間を長い時間長に決定してもよい。
【0042】
現在日時が特定の条件を満たさない場合(ステップS102でNO)、ステップS105の処理へ進む。一方、現在日時が特定の条件を満たす場合(ステップS102でYES)、制御部14は、UPS112のバッテリからの電力を用いて取得部11により測定データを取得させる(ステップS103)。これにより、例えば、測定データの取得処理中等の際に停電が発生した場合であっても、今回取得する一連の時系列データである測定データを取得できる。そのため、例えば、測定データが、周波数解析を行うために用いられる時系列データである場合でも、途中まで取得した時系列データを無駄にしないようにすることができる。
【0043】
続いて、制御部14は、UPS112のバッテリからの電力を用いて記録部12により測定データを記録させる(ステップS104)。続いて、制御部14は、UPS112のバッテリからの電力を用いて、ロギング装置10のコンピュータ100を停止(例えば、シャットダウン、またはスリープ)させる(ステップS105)。ここで、制御部14は、例えば、コンピュータ100を停止させるコマンドをデジタル信号またはアナログ信号でコンピュータ100へ送信してもよい。
【0044】
続いて、制御部14は、商用電源が復旧(商用電源からの給電が再開)していることを検知する(ステップS106)。ここで、制御部14は、UPS112から復旧検知信号を受信した場合に、商用電源が復旧していると判定してもよい。
【0045】
続いて、制御部14は、商用電源からの電力を用いて、ロギング装置10のコンピュータ100を起動させ(ステップS107)、処理を終了する。ここで、制御部14は、例えば、Wake On LAN等の方法により、コンピュータ100を起動させてもよい。
【0046】
制御部14は、例えば、商用電源が復旧した後、UPS112のバッテリの充電度が閾値以上となった際に、ロギング装置10のコンピュータ100を起動させてもよい。これにより、例えば、コンピュータ100を起動させた後、すぐに再度停電した場合でも、コンピュータ100を適切に停止できる。
【0047】
(ロギング装置10の異常通知機能について)
送信部13は、ロギング装置10に異常が発生した場合、特定の連絡先へ通知を送信してもよい。これにより、例えば、ユーザは、ロギング装置10の異常を把握できる。この場合、送信部13は、例えば、記録部12によるデータの記録に異常が発生した場合、特定の連絡先へ通知を送信してもよい。また、送信部13は、例えば、クラウドサーバ20へのデータのアップロードに異常が発生した場合、特定の連絡先へ通知を送信してもよい。
【0048】
この場合、送信部13は、例えば、ロギング装置10のスピーカ、ランプ、またはディスプレイにて、異常を報知してもよい。また、送信部13は、例えば、特定のメールアドレス宛に通知を送信してもよい。また、送信部13は、例えば、クラウドサーバ20へ通知を送信し、クラウドサーバ20のWebサイトを介してユーザへ通知してもよい。
【0049】
(ロギング装置10の記録部12により記録されたログの削除について)
記録部12は、
図5のステップS4、及び
図6のステップS104の処理で、複数の期間のそれぞれで記録されてから第1期間(例えば、30日)を経過したデータのうち、特定の条件に合致しないデータを消去してもよい。この場合、記録部12は、特定の条件に合致するデータについては、記録してから特定期間を経過しても削除せずに保持してもよい。これにより、例えば、特定のデータはロギング装置10の内部に保持されるため、保守員等がロギング装置10から特定のデータを取得することができる。
【0050】
この場合、記録部12は、例えば、監視対象装置40のエラー状態を示すデータ、監視対象装置40が特定の動作を行ったことを示すデータ、及び特定の種別のデータを、当該特定の条件に合致するデータであると判定してもよい。当該特定の種別は、例えば、クラウドサーバ20を介してユーザから指定されてもよい。
【0051】
<変形例>
制御部14は電源管理基板111により実現されてもよいが、本開示のロギング装置10はこれに限定されない。制御部14の処理のうち少なくとも一部は、例えば、コンピュータ100により実現されてもよい。
【0052】
また、ロギング装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示のロギング装置10はこれに限定されない。ロギング装置10の各部(例えば、記録部12、制御部14)は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。これらのようなロギング装置10についても、本開示の「ロギング装置」の一例に含まれる。
【0053】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 ロギングシステム
10 ロギング装置
11 取得部
12 記録部
13 送信部
14 制御部
20 クラウドサーバ
30 センサ
40 監視対象装置
100 コンピュータ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信インターフェイス
104 プログラム
111 電源管理基板
113 ACアダプタ
1111 電源ケーブル
1112 信号ケーブル
1121 電源ケーブル
1122 信号ケーブル