(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133753
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】センシング装置
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
G08C15/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043704
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】武本 華奈
(72)【発明者】
【氏名】福士 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】落岩 崇
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA02
2F073AA03
2F073AA12
2F073AA19
2F073AA25
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073AB05
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC14
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EE13
2F073EF01
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
(57)【要約】
【課題】センサで測定された測定データを適切に取得できるようにすること。
【解決手段】第1の複数のセンサからの信号を入力する第1入力部、前記第1入力部からの信号のノイズを除去するローパスフィルタ、及び当該ローパスフィルタからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路を有する第1サブ基板と、第2の複数のセンサからの信号を入力する第2入力部、前記第2入力部からの信号のノイズを除去するローパスフィルタ、及び当該ローパスフィルタからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路を有する第2サブ基板と、前記第1サブ基板と前記第2サブ基板とに電力を供給するメイン基板と、前記デジタル信号に基づくデータを出力する制御部と、を有する、センシング装置が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数のセンサからの信号を入力する第1入力部、前記第1入力部からの信号のノイズを除去するローパスフィルタ、及び当該ローパスフィルタからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路を有する第1サブ基板と、
第2の複数のセンサからの信号を入力する第2入力部、前記第2入力部からの信号のノイズを除去するローパスフィルタ、及び当該ローパスフィルタからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路を有する第2サブ基板と、
前記第1サブ基板と前記第2サブ基板とに電力を供給するメイン基板と、
前記デジタル信号に基づくデータを出力する制御部と、
を有する、センシング装置。
【請求項2】
前記制御部は、
特定のセンサに基づいて監視対象装置の異常の有無を判定し、
前記特定のセンサの異常を検知した場合は、他のセンサに基づいて前記監視対象装置の異常の有無を判定する、
請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記特定のセンサの異常を検知した場合、複数のセンサのそれぞれで測定されるデータの推移、及び値の範囲の少なくとも一方についての前記特定のセンサとの類似度に基づいて、前記他のセンサを決定する、
請求項2に記載のセンシング装置。
【請求項4】
前記制御部は、
各時点における前記特定のセンサによる測定データを一時的に記録し、
前記特定のセンサに基づいて前記監視対象装置の異常を検知した場合、一時的に記録している測定データのうち、異常が発生した際の前後を含む特定期間に測定された測定データを特定の記憶部へ記録する、
請求項2または3に記載のセンシング装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記特定のセンサに基づいて前記監視対象装置の異常を検知した際、異常が発生した際に測定された他のセンサによる測定データを前記特定の記憶部へ記録する、
請求項4に記載のセンシング装置。
【請求項6】
前記第1サブ基板のローパスフィルタは、
前記第1入力部からの信号の第1周波数以上を減衰させる第1ローパスフィルタと、
前記第1ローパスフィルタからの信号の前記第1周波数よりも低い第2周波数以上を減衰させる第2ローパスフィルタと、を有する、
請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項7】
前記第1サブ基板は、
前記第1ローパスフィルタの前記第1周波数の値を設定するディップスイッチを有する、
請求項6に記載のセンシング装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1入力部から入力された特定の信号に基づいて、前記第1ローパスフィルタの前記第1周波数の値を設定する、
請求項6または7に記載のセンシング装置。
【請求項9】
前記メイン基板は、
前記制御部が前記デジタル信号に基づくデータを出力していない際は商用電源からバッテリに充電させ、
前記制御部が前記デジタル信号に基づくデータを出力している場合は前記バッテリから前記第1サブ基板と前記第2サブ基板とに電力を供給する、
請求項1に記載のセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサで測定された測定データに基づいて、産業機械等の異常を検知する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、センサで測定された測定データを適切に取得できないことが考えられる。
【0005】
本開示の目的は、センサで測定された測定データを適切に取得できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る一の態様では、第1の複数のセンサからの信号を入力する第1入力部、前記第1入力部からの信号のノイズを除去するローパスフィルタ、及び当該ローパスフィルタからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路を有する第1サブ基板と、第2の複数のセンサからの信号を入力する第2入力部、前記第2入力部からの信号のノイズを除去するローパスフィルタ、及び当該ローパスフィルタからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路を有する第2サブ基板と、前記第1サブ基板と前記第2サブ基板とに電力を供給するメイン基板と、前記デジタル信号に基づくデータを出力する制御部と、を有する、センシング装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、センサで測定された測定データを適切に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るセンシングシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るセンシング装置の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るセンシング装置の制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るセンシング装置10が、特定のセンサ50の異常を検知した際の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下、図面を参照して、本開示の一実施形態を説明する。
【0010】
<システム構成>
図1を参照し、実施形態に係るセンシングシステム1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係るセンシングシステム1の構成の一例を示す図である。
図1の例では、センシングシステム1は、センシング装置10、エッジ装置20、クラウドサーバ30、及び監視対象装置40を有する。また、センシングシステム1は、センサ50A~F(以下で、区別する必要が無い場合は、単に「センサ50」とも称する。)を有する。なお、センシング装置10、エッジ装置20、クラウドサーバ30、監視対象装置40、及びセンサ50の数は
図1の例に限定されない。
【0011】
図1の例では、センシング装置10とセンサ50とは、アナログ信号を伝達するケーブルで接続されている。また、センシング装置10とエッジ装置20とは、バス、またはLAN等のケーブルで接続されている。また、センシング装置10とクラウドサーバ30は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、及びLAN等が含まれてもよい。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G、Beyond 5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれてもよい。
【0012】
センサ50は、監視対象装置40の特定部位に設置され、測定を行うセンサである。センサ50は、例えば、温度、振動(速度、距離、加速度)、トルク、ひずみ、圧力等を測定してもよい。
【0013】
センシング装置10は、センサ50により測定された測定データのアナログ信号をデジタル信号へ変換する。この場合、測定データには、例えば、監視対象装置40の振動(速度、距離、加速度)、トルク、ひずみ、及び圧力の少なくとも一つを示すデータが含まれてもよい。また、センシング装置10は、当該デジタル信号に基づくデータを、センシング装置10の内部または外部の記憶装置に記録させてもよい。これにより、例えば、保守員は、記憶装置(例えば、SDメモリーカード)に記録された情報をノートPC(パーソナルコンピュータ)等へコピーするなどして持ち帰ることができる。また、センシング装置10は、当該デジタル信号に基づくデータを、エッジ装置20へ送信してもよい。この場合、センシング装置10は、例えば、特定間隔(例えば、3時間に1回)で、特定期間(例えば、30分間)の測定データをエッジ装置20へ送信してもよい。
【0014】
エッジ装置20は、監視対象装置40に関するデータを記録し、記録したデータをクラウドサーバ30へアップロードする。クラウドサーバ30は、エッジ装置20からアップロードされたデータに基づいて、監視対象装置40の稼動状況、劣化状況等を分析して、分析結果をWebサイトにより監視対象装置40のユーザへ提供してもよい。
【0015】
監視対象装置40は、センシング装置10により測定対象とされる装置である。監視対象装置40は、例えば、樹脂を加熱溶融及び混練してフィルムまたはシートを製造する押出機(二軸スクリュ押出機)等の産業機械でもよい。なお、押出機は、モータで発生した動力を所定のトルクに変換して二軸スクリュに伝える減速機を有してもよい。また、監視対象装置40は、例えば、樹脂材の原料であるペレットを製造するための押出機または造粒機でもよい。また、監視対象装置40は、熱等により溶かした原料を型に流し込んで成形する射出成形機でもよい。
【0016】
<センシング装置10の構成>
次に、
図2を参照し、実施形態に係るセンシング装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係るセンシング装置10の構成の一例を示す図である。
図2の例では、センシング装置10は、制御部14、メイン基板11、及びバッテリ13を有する。また、センシング装置10は、サブ基板12A~B(以下で、区別する必要が無い場合は、単に「サブ基板12」とも称する。)を有する。なお、制御部14、メイン基板11、サブ基板12、及びバッテリ13の数は、
図2の例に限定されない。制御部14は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)等のコンピュータ100により実現されてもよい。なお、マイコンとは、例えば、CPU、RAM、ROM、I/Oポートなどを1つの集積回路にまとめたコンピュータでもよい。メイン基板11、及びサブ基板12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現されてもよい。
【0017】
サブ基板12Aは、複数のセンサ50からの信号を入力する入力部121A、入力部121Aからの信号のノイズを除去するローパスフィルタ122A、及びローパスフィルタ122Aからのアナログ信号をデジタル信号へ変換する変換回路123Aを有している。
【0018】
ローパスフィルタ122Aは、入力部121Aからの信号の第1周波数以上を減衰させるローパスフィルタ122A1と、ローパスフィルタ122A1からの信号の第1周波数よりも低い第2周波数以上を減衰させるローパスフィルタ122A2と、を有する。このように2つのローパスフィルタをカスケード接続することにより、遮断する信号のレベルをより抑えることができる。なお、ローパスフィルタ122A1及びローパスフィルタ122A2の少なくとも一方は、周波数領域におけるエリアシングを防ぐアンチエリアシングフィルタでもよい。
【0019】
なお、ローパスフィルタ122A2及び変換回路123Aは、同一のIC(Integrated Circuit)チップ上に実装されていてもよい。これにより、例えば、汎用的な部品である当該ICチップとローパスフィルタ122A1とを組み合わせることにより、所望の特性を有するローパスフィルタ122Aを実現できる。
【0020】
サブ基板12Aは、ローパスフィルタ122A1の遮断周波数である第1周波数の値を設定できるディップスイッチを有してもよい。これにより、例えば、センシング装置10の設置場所の周囲の監視対象装置40の数が比較的多い、及び周囲の気温が比較的高い等によりノイズが比較的大きい場合に、センシング装置10を設置するユーザ(エンジニア)は、第1周波数の値をより適切な値(例えば、比較的高い値)に設定することができる。なお、ディップスイッチとは、例えば、電子回路基板上に実装される小型等のスイッチである。
【0021】
また、制御部14は、入力部121Aから入力された特定の信号(テスト用の特定波形の信号。例えば、正弦波。)に基づいて、ローパスフィルタ122A1の遮断周波数である第1周波数の値を設定してもよい。これにより、周囲環境に応じた値を自動で設定できる。この場合、当該特定の信号を出力する装置からのケーブルが入力部121Aへユーザにより接続されてもよい。そして、制御部14は、例えば、当該装置が接続されたことを検知し、ローパスフィルタ122A1の遮断周波数を複数の値のそれぞれに変更しながら、変換回路123Aで変換されたデジタル信号での誤り率をそれぞれ算出してもよい。そして、制御部14は、例えば、当該複数の値のうち、当該誤り率が最も低くなる値を、第1周波数の値として設定してもよい。
【0022】
サブ基板12Bは、サブ基板12Aと同様でもよい。この場合、サブ基板12Bについての説明は、サブ基板12Aについての説明において符号中の「A」を「B」と読み替える等すればよい。なお、
図2の例では、入力部121Aにはセンサ50A~Cが接続され、入力部121Bにはセンサ50D~Fが接続されている。
【0023】
メイン基板11は、サブ基板12Aとサブ基板12Bとに電力を供給する。制御部14は、センシング装置10の各部を制御する。また、制御部14は、サブ基板12からのデジタル信号に基づくデータを、センシング装置10の内部または外部の記憶装置へ出力(記録、保存)してもよい。また、制御部14は、サブ基板12からのデジタル信号に基づくデータをエッジ装置20へ出力(送信)してもよい。また、制御部14は、例えば、入力部121Aのスイッチを制御することにより、入力部121Aが入力対象とするセンサ50を切り替えてもよい。また、制御部14は、例えば、入力部121Aのスイッチを制御することにより、入力部121Aが複数のセンサ50からの各測定データを並列で(同時に)取得できるようにしてもよい。同様に、制御部14は、例えば、入力部121Bのスイッチを制御することにより、入力部121Bが入力対象とするセンサ50を切り替えてもよい。また、制御部14は、例えば、入力部121Bのスイッチを制御することにより、入力部121Bが複数のセンサ50からの各測定データを並列で(同時に)取得できるようにしてもよい。
【0024】
メイン基板11は、制御部14がサブ基板12からのデジタル信号に基づくデータを出力していない場合(例えば、特定のセンサ50により測定が行われていない際)は、商用電源からバッテリ13に充電させてもよい。そして、メイン基板11は、制御部14がサブ基板12からのデジタル信号に基づくデータを出力している場合(例えば、特定のセンサ50により測定が行われている際)はバッテリ13からサブ基板12へ給電させてもよい。これにより、例えば、クラウドサーバ30へアップロードされる測定データ、及び記憶装置に記録される測定データにおいて、ノイズの影響を低減できる。これは、例えば、商用電源からのノイズがローパスフィルタ122A等に影響する可能性が考えられるためである。なお、メイン基板11は、例えば、特定のセンサ50により測定が行われているか否かを示す情報を制御部14またはサブ基板12から取得してもよい。
【0025】
(監視対象装置40の異常時のログ保存)
制御部14は、各時点における特定のセンサ50による測定データを一時的に記録してもよい。ここで、制御部14は、例えば、記憶部の特定領域において、古い測定データから順に、新しい測定データに上書きしてもよい。
【0026】
そして、制御部14は、特定のセンサ50に基づいて監視対象装置40の異常を検知してもよい。ここで、制御部14は、例えば、特定のセンサ50による測定データの変化量が閾値以上である場合、監視対象装置40に異常が発生したと判定してもよい。
【0027】
そして、制御部14は、監視対象装置40の異常を検知した場合、一時的に記録している測定データのうち、異常が発生した際の前後を含む特定期間に測定された測定データを特定の記憶部へ記録してもよい。これにより、監視対象装置40に異常が発生した場合に、異常が発生した際の前後の何分間かのデータをロギングできる。
【0028】
また、制御部14は、監視対象装置40の異常を検知した場合、異常を検知してから特定時間が経過するまでの間の当該特定のセンサ50以外のセンサ50による測定データを、当該特定の記憶部へ記録してもよい。これにより、監視対象装置40に異常が発生した場合に、異常が発生した後の何分間かの他のセンサによるデータをロギングできる。
【0029】
<制御部14のハードウェア構成>
図3は、実施形態に係るセンシング装置10の制御部14(コンピュータ100)のハードウェア構成例を示す図である。
図3の例では、コンピュータ100は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0030】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、任意のタイプのものであってもよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0031】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0032】
<処理>
次に、
図4を参照し、実施形態に係るセンシング装置10が、特定のセンサ50の異常を検知した際の処理の一例について説明する。
図4は、実施形態に係るセンシング装置10が、特定のセンサ50の異常を検知した際の処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の各処理の順番は、矛盾を生じない範囲で適宜変更されてもよい。
【0033】
ステップS101において、制御部14は、監視対象装置40の異常を判定するための特定のセンサ50に異常が発生したか否かを判定する。ここで、制御部14は、例えば、センサ50による測定データの値が、特定の範囲外である場合に、センサ50に異常が発生したと判定してもよい。
【0034】
特定のセンサ50に異常が発生していない場合(ステップS101でNO)、制御部14は、特定のセンサ50に基づいて監視対象装置40の異常の有無を判定し(ステップS102)、処理を終了する。ここで、制御部14は、例えば、特定のセンサ50による測定データの変化量が閾値以上である場合、監視対象装置40に異常が発生したと判定してもよい。
【0035】
一方、特定のセンサ50に異常が発生している場合(ステップS101でYES)、制御部14は、監視対象装置40の異常の有無を判定するための他のセンサ50を特定する(ステップS103)。ここで、制御部14は、例えば、複数のセンサ50のそれぞれで測定されるデータの推移、及び値の範囲の少なくとも一方についての前記特定のセンサ50との類似度に基づいて、当該他のセンサ50を特定してもよい。
【0036】
この場合、制御部14は、例えば、各センサ50で測定されるデータの特徴量に関する確率分布(例えば、情報エントロピー、情報量など)を算出してもよい。そして、制御部14は、例えば、KL(Kullback-Leibler)ダイバージェンスまたはJS(Jensen-Shannon)ダイバージェンス等を用いて、算出した各確率分布の差異を当該類似度としても算出してもよい。また、制御部14は、例えば、相互情報量、または各エントロピーの差分等に基づいて、当該類似度を算出してもよい。
【0037】
また、制御部14は、例えば、複数のセンサ50のそれぞれで測定されるデータの推移と、特定のセンサ50のそれぞれで測定されるデータの推移との相関係数を、当該類似度として算出してもよい。
【0038】
また、制御部14は、例えば、複数のセンサ50のそれぞれで測定されるデータの値の範囲と、特定のセンサ50のそれぞれで測定されるデータの値の範囲とが近いほど、当該類似度の値を高く決定してもよい。
【0039】
続いて、制御部14は、当該他のセンサ50に基づいて監視対象装置40の異常の有無を判定し(ステップS104)、処理を終了する。ここで、制御部14は、例えば、当該他のセンサ50による測定データの変化量が閾値以上である場合、監視対象装置40に異常が発生したと判定してもよい。
【0040】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 センシングシステム
10 センシング装置
11 メイン基板
12A~B サブ基板
121A~B 入力部
122A~B、122A1、122B1、122A2、122B2 ローパスフィルタ
123A、123B 変換回路
13 バッテリ
14 制御部
20 エッジ装置
30 クラウドサーバ
40 監視対象装置
50A~F センサ
100 コンピュータ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信インターフェイス
104 プログラム