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特開2024-133758リソース転送装置、リソース転送方法およびリソース転送プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133758
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】リソース転送装置、リソース転送方法およびリソース転送プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/16 20220101AFI20240926BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20240926BHJP
   H04H 20/26 20080101ALI20240926BHJP
【FI】
H04L45/16
H04N21/238
H04H20/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043710
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 祐一
【テーマコード(参考)】
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164SB21P
5C164TA22S
5K030GA01
5K030HA08
5K030HB02
5K030HC01
5K030HD03
5K030JA10
5K030JA11
5K030LB05
5K030MC09
(57)【要約】
【課題】送信対象のリソースの切り替えを設定された時間内に完了できるリソース転送装置を提供する。
【解決手段】リソース転送装置20は、第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された第1リソースを受信する受信部21と、受信された第1リソースを外部に送信する送信部22と、第1リソースから第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、中継装置に第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を切替時間内に中継装置に送信する指示部23とを備え、受信部21は、中継装置が第2リソースの送信を開始した後に第1リソースと第2リソースとを受信し、送信部22は、切替時間が経過した時に外部への送信対象を第1リソースから第2リソースに切り替える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された前記第1リソースを受信する受信部と、
受信された前記第1リソースを外部に送信する送信部と、
前記第1リソースから前記第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と前記切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、前記中継装置に前記第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を前記切替時間内に前記中継装置に送信する指示部とを備え、
前記受信部は、
前記中継装置が前記第2リソースの送信を開始した後に前記第1リソースと前記第2リソースとを受信し、
前記送信部は、
前記切替時間が経過した時に外部への送信対象を前記第1リソースから前記第2リソースに切り替える
ことを特徴とするリソース転送装置。
【請求項2】
中継装置は、レイヤ3スイッチである
請求項1記載のリソース転送装置。
【請求項3】
中継装置は、ルータである
請求項1記載のリソース転送装置。
【請求項4】
指示部は、Internet Group Management Protocol(IGMP)のJoinメッセージを指示情報に含める
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のリソース転送装置。
【請求項5】
第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された前記第1リソースを受信し、
受信された前記第1リソースを外部に送信し、
前記第1リソースから前記第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と前記切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、前記中継装置に前記第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を前記切替時間内に前記中継装置に送信し、
前記中継装置が前記第2リソースの送信を開始した後に前記第1リソースと前記第2リソースとを受信し、
前記切替時間が経過した時に外部への送信対象を前記第1リソースから前記第2リソースに切り替える
ことを特徴とするリソース転送方法。
【請求項6】
中継装置は、レイヤ3スイッチである
請求項5記載のリソース転送方法。
【請求項7】
中継装置は、ルータである
請求項5記載のリソース転送方法。
【請求項8】
コンピュータに、
第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された前記第1リソースを受信する受信処理、
受信された前記第1リソースを外部に送信する送信処理、および
前記第1リソースから前記第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と前記切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、前記中継装置に前記第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を前記切替時間内に前記中継装置に送信する指示処理を実行させるためのリソース転送プログラムであって、
前記受信処理で、前記中継装置が前記第2リソースの送信を開始した後に前記第1リソースと前記第2リソースとを受信させ、
前記送信処理で、前記切替時間が経過した時に外部への送信対象を前記第1リソースから前記第2リソースに切り替えさせる
リソース転送プログラム。
【請求項9】
中継装置は、レイヤ3スイッチである
請求項8記載のリソース転送プログラム。
【請求項10】
中継装置は、ルータである
請求項8記載のリソース転送プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソース転送装置、リソース転送方法およびリソース転送プログラムに関し、特に転送するリソースを予定時間内に切り替えることができるリソース転送装置、リソース転送方法およびリソース転送プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IP(Internet Protocol)化された放送システムにおけるリソース切替処理は、例えばIGMP(Internet Group Management Protocol)によるマルチキャスト信号の切り替えで実現される。
【0003】
例えば、SDI(Serial Digital Interface)よりもIPを用いて構築されることが増えている放送システムでは、切り替え指示にAMWA(Advanced Media Workflow Association)が策定したNMOS(Networked Media Open Specifications) IS-05が多く用いられている。NMOS IS-05のプロトコルでは、任意のTAI時刻や所定の時間後に切り替えを実行する仕組みが提供されている。
【0004】
また、特許文献1には、配信されるコンテンツが複数存在する場合のマルチキャスト型コンテンツ受信クライアントにおけるコンテンツ出力の切り替え及びその制御を行うマルチキャスト型コンテンツ受信制御方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることを可能にする転送制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-086222号公報
【特許文献2】特開2022-093832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の放送システムは、リソース切替の時刻を指定できる。しかし、指定可能な時刻は、リソース切替の開始時刻であり完了時刻ではない。NMOS IS-05のプロトコルにおいても、指定可能な時刻は、リソース切替の開始時刻である。
【0008】
よって、リソース切替に多くの時間がかかる場合、リソース切替の時間分、切替先の映像が遅れて放送される。リソース切替に時間がかかる主な要因として、以下の3つの要因が考えられる。
【0009】
1つ目の要因は、切替指示を受けた装置における内部処理の遅延である。2つ目の要因は、L3SW(レイヤ3スイッチ)におけるIGMP処理の遅延である。3つ目の要因は、IPネットワークにおける伝送遅延である。
【0010】
以上の3つの要因等により、リソース切替の時間の遅延または揺らぎが発生する。放送システムはリソース切替の完了時刻を指定できないため、リソース切替の時間の遅延または揺らぎが発生すると、リソース切替が完了する時間が定まらないことが問題になる。
【0011】
特許文献1には、切り替えにかかる時間を制御することは記載されていない。また、特許文献2に記載されている転送制御装置は、映像断になる時間を短くする、または無くすことでショックの無い映像切替を実現することを目的としている。すなわち、特許文献2に記載されている転送制御装置は、リソース切替が完了する時間を定めることができない。
【0012】
そこで、本発明は、送信対象のリソースの切り替えを設定された時間内に完了できるリソース転送装置、リソース転送方法およびリソース転送プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるリソース転送装置は、第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された第1リソースを受信する受信部と、受信された第1リソースを外部に送信する送信部と、第1リソースから第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、中継装置に第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を切替時間内に中継装置に送信する指示部とを備え、受信部は、中継装置が第2リソースの送信を開始した後に第1リソースと第2リソースとを受信し、送信部は、切替時間が経過した時に外部への送信対象を第1リソースから第2リソースに切り替えることを特徴とする。
【0014】
本発明によるリソース転送方法は、第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された第1リソースを受信し、受信された第1リソースを外部に送信し、第1リソースから第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、中継装置に第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を切替時間内に中継装置に送信し、中継装置が第2リソースの送信を開始した後に第1リソースと第2リソースとを受信し、切替時間が経過した時に外部への送信対象を第1リソースから第2リソースに切り替えることを特徴とする。
【0015】
本発明によるリソース転送プログラムは、コンピュータに、第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された第1リソースを受信する受信処理、受信された第1リソースを外部に送信する送信処理、および第1リソースから第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、中継装置に第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を切替時間内に中継装置に送信する指示処理を実行させるためのリソース転送プログラムであって、受信処理で、中継装置が第2リソースの送信を開始した後に第1リソースと第2リソースとを受信させ、送信処理で、切替時間が経過した時に外部への送信対象を第1リソースから第2リソースに切り替えさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送信対象のリソースの切り替えを設定された時間内に完了できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態のリソース転送装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本実施形態におけるリソース切替処理の例を示す説明図である。
図3】本実施形態におけるリソース切替処理の例を示す説明図である。
図4】一般的なリソース転送装置によるリソース切替処理の動作を示すシーケンス図である。
図5】本実施形態のリソース転送装置100によるリソース切替処理の動作を示すシーケンス図である。
図6】本発明によるリソース転送装置100のハードウェア構成例を示す説明図である。
図7】本発明によるリソース転送装置の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成の説明]
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態のリソース転送装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態のリソース転送装置100は、リソース切替を行う装置であって、リソース切替にかかる時間を固定する装置である。
【0019】
図1に示すリソース転送装置100は、受信部110と、送信部120と、IGMP発行部130と、入力部140と、タイマ150とを備える。図1に示すリソース転送装置100は、例えばIPGW(登録商標)である。
【0020】
また、図2~3は、本実施形態におけるリソース切替処理の例を示す説明図である。図2に示すリソース切替処理の後続の処理が、図3に示すリソース切替処理である。
【0021】
図2~3に示すように、本実施形態のリソース転送装置100は、L3SW200と、PC(Personal Computer)300と通信可能に接続されている。
【0022】
特に、リソース転送装置100は、L3SW200とIPネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、L3SWの代わりにルータが使用されてもよい。
【0023】
図2~3に示すように、リソース転送装置100は、L3SW200から送信されたリソースを受信する。また、リソース転送装置100は、受信されたリソースを外部に送信する。すなわち、リソース転送装置100は、L3SW200から送信されたリソースを転送する装置である。
【0024】
具体的には、図1に示す受信部110が、L3SW200から送信されたリソースをIPネットワークを介して受信する。また、図1に示す送信部120が、受信されたリソースを外部に送信する。
【0025】
また、図2に示すように、リソース転送装置100は、PC300から入力されたユーザからの指示を受け取る。指示には、送信対象のリソースの切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間が含まれる。
【0026】
具体的には、図1に示す入力部140に、PC300から入力されたユーザからの指示が入力される。また、図1に示すタイマ150が、指示が入力されてからの時間を計測する。
【0027】
また、図1に示すIGMP発行部130は、リソース切替を実行するためのIGMPをL3SW200に向けて発行する機能を有する。
【0028】
以下、図2~3を参照して、本実施形態のリソース転送装置100によるリソース切替処理を説明する。なお、図2に示すように、リソース切替処理が実行される前にリソース転送装置100は、L3SW200から、選択されたチャンネルの映像および音声を含むリソースであるリソースA(図2に示す白色の「A」「V」)を受信し、外部に送信している。
【0029】
また、リソースBは、図2に示すリソース切替処理が実行される前には選択されていないチャンネルの映像および音声を含むリソース(図2に示す黒色の「A」「V」)である。また、L3SW200は、リソース切替処理が実行される前に、リソースAとリソースBを受信している。
【0030】
図2~3に示すL3SW200は、マルチキャスト方式でリソースを送信する中継装置である。すなわち、図2に示すリソース切替処理が実行される前では、リソース転送装置100は、リソースAを受信可能なマルチキャストグループに参加しているが、リソースBを受信可能なマルチキャストグループに参加していない。
【0031】
図2のステップS1に示すように、最初にPC300からリソース転送装置100の入力部140に、ユーザからの指示が入力される。図2~3に示す例におけるユーザからの指示は、「送信対象のリソースを切替時間内にリソースAからリソースBに切り替える」という指示である。
【0032】
ユーザからの指示が入力されると同時に、タイマ150は、指示が入力されてからの時間の計測を開始する。また、図2のステップS2に示すように、IGMP発行部130は、送信対象のリソースをリソースAからリソースBに切り替えるためのIGMPを切替時間内に発行する。
【0033】
具体的には、IGMP発行部130は、リソースBを受信可能なマルチキャストグループに参加するためのIGMP JoinメッセージをL3SW200に送信する。換言すると、IGMP発行部130は、受信部110に向けたリソースBの送信を開始させる指示を示す指示情報を、切替時間内にL3SW200に送信する。
【0034】
IGMP Joinメッセージを受信したL3SW200は、IGMPによるJoinを完了する。次いで、L3SW200は、図3のステップS3に示すように、リソース転送装置100に向けてリソースBの送信を開始する。
【0035】
リソースBの送信が開始されると、リソース転送装置100は、リソースAとリソースBの両方、換言すると切り替え前後のリソースの両方を受信する。すなわち、リソース転送装置100は、リソースAを受信可能なマルチキャストグループと、リソースBを受信可能なマルチキャストグループの両方に参加する。
【0036】
次いで、指示が入力されてからの時間が切替時間に到達したことをタイマ150が検知すると、送信部120は、図3のステップS4に示すように、外部への送信対象のリソースをリソースAからリソースBに切り替える。
【0037】
なお、IGMP発行部130は、切り替えが完了した後、リソースAを受信可能なマルチキャストグループから離脱するためのIGMP LeaveメッセージをL3SW200に送信する。換言すると、IGMP発行部130は、切り替えが完了した後、受信部110に向けたリソースAの送信を停止させる指示を示す指示情報をL3SW200に送信する。
【0038】
IGMP Leaveメッセージを受信したL3SW200は、IGMPによるLeaveを完了する。次いで、L3SW200は、リソース転送装置100に向けたリソースAの送信を停止する。
【0039】
以上のように、本実施形態のリソース転送装置100は、映像、音声、およびデータのリソース切替を設定された時間内に完了できる。
【0040】
例えば、L3SW200は、NMOS IS-05でTAI時刻や所定の時間後に切り替えを実行する仕組みを利用して、指定された時間の数秒前にIGMP処理を開始する。L3SW200がIGMPによるJoinを完了すると、リソース転送装置100は、2つのリソースを受信している状態になる。次いで、指定された時間に到達したら送信対象のリソースを切り替えることによって、リソース転送装置100は、遅延の無い切り替えを実現できる。
【0041】
[動作の説明]
最初に、本実施形態のリソース転送装置100との比較のために、一般的なリソース転送装置が送信対象のリソースを切り替える動作を図4を参照して説明する。図4は、一般的なリソース転送装置によるリソース切替処理の動作を示すシーケンス図である。
【0042】
なお、図4に示すリソース切替処理が実行される前のPC、L3SW、およびリソース転送装置は、図2に示すリソース切替処理が実行される前のPC300、L3SW200、およびリソース転送装置100にそれぞれ相当する。
【0043】
最初に、PCが、リソース転送装置にユーザからの指示を入力する(ステップS001:切替指示)。入力される指示は、「送信対象のリソースをリソースAからリソースBに切り替える」という指示である。
【0044】
指示が入力されたリソース転送装置は、L3SWに対して、リソースBを受信可能なマルチキャストグループに参加するためのIGMP Joinメッセージを送信する(ステップS002:リソース送信指示)。
【0045】
IGMP Joinメッセージを受信したL3SWは、IGMPによるJoinを完了する(ステップS003:IGMP処理)。次いで、L3SWは、リソース転送装置に向けてリソースBの送信を開始する。
【0046】
リソースBを受信したリソース転送装置は、外部への送信対象のリソースをリソースAからリソースBに切り替える(ステップS004:リソース切替)。
【0047】
切り替えが完了した後、リソース転送装置は、L3SWに対して、リソースAを受信可能なマルチキャストグループから離脱するためのIGMP Leaveメッセージを送信する(ステップS005:リソース停止指示)。
【0048】
IGMP Leaveメッセージを受信したL3SWは、IGMPによるLeaveを完了する(ステップS006:IGMP処理)。次いで、L3SWは、リソース転送装置に向けたリソースAの送信を停止する。停止した後、リソース転送装置は、リソース切替処理を終了する。
【0049】
上記のように、図4に示すステップS004の切替処理自体に時間がかかる場合、切替先であるリソースBの外部への送信の開始が遅延する。
【0050】
次に、本実施形態のリソース転送装置100が送信対象のリソースを切り替える動作を図5を参照して説明する。図5は、本実施形態のリソース転送装置100によるリソース切替処理の動作を示すシーケンス図である。
【0051】
図5に示すリソース切替処理は、リソース切替にかかる時間を固定するための処理である。なお、図5に示すリソース切替処理は、図2~3に示すリソース切替処理に対応する。
【0052】
最初に、PC300が、リソース転送装置100の入力部140にユーザからの指示を入力する(ステップS101:切替指示)。入力される指示は、「送信対象のリソースを切替時間内にリソースAからリソースBに切り替える」という指示である。
【0053】
指示が入力されたリソース転送装置100のタイマ150は、指示が入力されてからの時間の計測を開始する(ステップS102:タイマ開始)。
【0054】
次いで、リソース転送装置100のIGMP発行部130は、L3SW200に対して、リソースBを受信可能なマルチキャストグループに参加するためのIGMP Joinメッセージを切替時間内に送信する(ステップS103:リソース送信指示)。
【0055】
IGMP Joinメッセージを受信したL3SW200は、IGMPによるJoinを完了する(ステップS104:IGMP処理)。次いで、L3SW200は、リソース転送装置100に向けてリソースBの送信を開始する。
【0056】
リソースAに加えてリソースBを受信したリソース転送装置100の送信部120は、指示が入力されてからの時間が切替時間に到達したか否かをタイマ150に確認する(ステップS105:切替時間経過?)。
【0057】
指示が入力されてからの時間が切替時間に到達していない場合(ステップS105におけるNo)、送信部120は、所定時間の経過後に再度ステップS105の処理を行う。
【0058】
指示が入力されてからの時間が切替時間に到達した場合(ステップS105におけるYes)、送信部120は、外部への送信対象のリソースをリソースAからリソースBに切り替える(ステップS106:リソース切替)。
【0059】
切り替えが完了した後、リソース転送装置100のIGMP発行部130は、L3SW200に対して、リソースAを受信可能なマルチキャストグループから離脱するためのIGMP Leaveメッセージを送信する(ステップS107:リソース停止指示)。
【0060】
IGMP Leaveメッセージを受信したL3SW200は、IGMPによるLeaveを完了する(ステップS108:IGMP処理)。次いで、L3SW200は、リソース転送装置100に向けたリソースAの送信を停止する。停止した後、リソース転送装置100は、リソース切替処理を終了する。
【0061】
なお、切替時間が経過するまでにエラーが発生した場合、リソース転送装置100は、リソース切替を中止する。元の状態に戻すために、リソース転送装置100のIGMP発行部130は、L3SW200に対して、リソースBを受信可能なマルチキャストグループから離脱するためのIGMP Leaveメッセージを送信する。
【0062】
以上のように、本実施形態のリソース転送装置100の受信部110は、第1リソース(リソースA)と第2リソース(リソースB)とを受信している中継装置から送信された第1リソースを受信する。また、リソース転送装置100の送信部120は、受信された第1リソースを外部に送信する。
【0063】
また、本実施形態のリソース転送装置100のIGMP発行部130は、第1リソースから第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、中継装置に第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を切替時間内に中継装置に送信する。
【0064】
受信部110は、中継装置が第2リソースの送信を開始した後に第1リソースと第2リソースとを受信する。送信部120は、切替時間が経過した時に外部への送信対象を第1リソースから第2リソースに切り替える。
【0065】
なお、上記のように、中継装置は、L3SW200である。また、中継装置は、ルータでもよい。
【0066】
また、IGMP発行部130は、IGMPのJoinメッセージを指示情報に含めてもよい。
【0067】
また、IGMP発行部130は、切り替えが完了した後、第1リソースの送信を停止させる指示を示す指示情報を中継装置に送信してもよい。また、IGMP発行部130は、IGMPのLeaveメッセージを指示情報に含めてもよい。
【0068】
[効果の説明]
本実施形態のリソース転送装置100のIGMP発行部130は、L3SW200に対してIGMP Joinメッセージを切替時間内に送信する。また、送信部120は、指示が入力されてからの時間が切替時間に到達した場合、外部への送信対象のリソースを切り替える。
【0069】
よって、リソース転送装置100は、ユーザが送信対象のリソースを切り替えてほしいタイミングでの切り替えを精度よく完了できる。例えば、切替時間が3秒や5秒に固定された場合、運行情報に基づいて切り替えが行われる放送システム等において、リソース転送装置100は、3秒前、または5秒前にリソースの切替制御を実行できる。
【0070】
なお、上記のNMOS IS-05のScheduled Activationsには、TAI時刻や所定の時間後に切り替えを実行することが記載されている。記載されている内容は、機能のメリット、およびConnection API(Application Programming Interface)に対するエラー発生時や動作完了時の推奨動作である。シーケンス等は、Scheduled Activationsには記載されていない。
【0071】
すなわち、NMOS IS-05のScheduled Activationsには、本実施形態のリソース転送装置100の使用時においてエラーが発生した場合の動作に関するシーケンス等が記載されなくてもよい。換言すると、Connection APIの動作は、既に記載されている動作と同じでよい。処理完了時の動作に関しても、Connection APIの動作は、既に記載されている動作と同じでよい。
【0072】
以下、本実施形態のリソース転送装置100のハードウェア構成の具体例を説明する。図6は、本発明によるリソース転送装置100のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0073】
図6に示すリソース転送装置100は、CPU(Central Processing Unit )11と、主記憶部12と、通信部13と、補助記憶部14とを含む。また、ユーザが操作するための入力部15や、ユーザに処理結果または処理内容の経過を提示するための出力部16を含む。
【0074】
リソース転送装置100は、図6に示すCPU11が各構成要素が有する機能を提供するプログラムを実行することによって、ソフトウェアにより実現される。
【0075】
すなわち、CPU11が補助記憶部14に格納されているプログラムを、主記憶部12にロードして実行し、リソース転送装置100の動作を制御することによって、各機能がソフトウェアにより実現される。
【0076】
なお、図6に示すリソース転送装置100は、CPU11の代わりにDSP(Digital Signal Processor)を含んでもよい。または、図6に示すリソース転送装置100は、CPU11とDSPとを併せて含んでもよい。
【0077】
主記憶部12は、データの作業領域やデータの一時退避領域として用いられる。主記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0078】
通信部13は、有線のネットワークまたは無線のネットワーク(情報通信ネットワーク)を介して、周辺機器との間でデータを入力および出力する機能を有する。
【0079】
補助記憶部14は、一時的でない有形の記憶媒体である。一時的でない有形の記憶媒体として、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリが挙げられる。
【0080】
入力部15は、データや処理命令を入力する機能を有する。入力部15は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスである。
【0081】
出力部16は、データを出力する機能を有する。出力部16は、例えば液晶ディスプレイ装置等の表示装置、タッチパネル、またはプリンタ等の印刷装置である。
【0082】
また、図6に示すように、リソース転送装置100において、各構成要素は、システムバス17に接続されている。
【0083】
リソース転送装置100において、補助記憶部14は、受信部110、送信部120、IGMP発行部130、入力部140、およびタイマ150を実現するためのプログラムを記憶している。
【0084】
なお、リソース転送装置100は、例えば内部に図1に示すような機能を実現するLSI(Large Scale Integration )等のハードウェア部品が含まれる回路が実装されてもよい。
【0085】
また、リソース転送装置100は、CPU等の素子を用いるコンピュータ機能を含まないハードウェアにより実現されてもよい。例えば、各構成要素の一部または全部は、汎用の回路(circuitry )または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップ(例えば、上記のLSI)によって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0086】
また、リソース転送装置100の各構成要素の一部または全部は、演算部と記憶部とを備えた1つまたは複数の情報処理装置で構成されていてもよい。
【0087】
各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0088】
次に、本発明の概要を説明する。図7は、本発明によるリソース転送装置の概要を示すブロック図である。本発明によるリソース転送装置20は、第1リソースと第2リソースとを受信している中継装置から送信された第1リソースを受信する受信部21(例えば、受信部110)と、受信された第1リソースを外部に送信する送信部22(例えば、送信部120)と、第1リソースから第2リソースへの送信対象の切り替えの命令と切り替えを完了させる時間である切替時間とが入力されると、中継装置に第2リソースの送信を開始させる指示を示す指示情報を切替時間内に中継装置に送信する指示部23(例えば、IGMP発行部130)とを備え、受信部21は、中継装置が第2リソースの送信を開始した後に第1リソースと第2リソースとを受信し、送信部22は、切替時間が経過した時に外部への送信対象を第1リソースから第2リソースに切り替える。
【0089】
そのような構成により、リソース転送装置は、送信対象のリソースの切り替えを設定された時間内に完了できる。
【0090】
また、中継装置は、レイヤ3スイッチでもよい。また、中継装置は、ルータでもよい。
【0091】
また、指示部23は、IGMPのJoinメッセージを指示情報に含めてもよい。
【0092】
また、指示部23は、切り替えが完了した後、第1リソースの送信を停止させる指示を示す指示情報を中継装置に送信してもよい。また、指示部23は、IGMPのLeaveメッセージを指示情報に含めてもよい。
【0093】
そのような構成により、リソース転送装置は、マルチキャスト方式でリソースを送信している中継装置に対応できる。
【符号の説明】
【0094】
11 CPU
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
15、140 入力部
16 出力部
17 システムバス
20、100 リソース転送装置
21、110 受信部
22、120 送信部
23 指示部
130 IGMP発行部
150 タイマ
200 L3SW
300 PC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7