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特開2024-133759映像フレーム制御システム、放送マスタシステム、映像フレーム制御方法および映像フレーム制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133759
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】映像フレーム制御システム、放送マスタシステム、映像フレーム制御方法および映像フレーム制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20240926BHJP
   H04N 21/2389 20110101ALI20240926BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20240926BHJP
   H04H 20/12 20080101ALI20240926BHJP
   H04H 20/10 20080101ALI20240926BHJP
   H04H 60/04 20080101ALI20240926BHJP
   H04H 60/73 20080101ALI20240926BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20240926BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/2389
H04H20/28
H04H20/12
H04H20/10
H04H60/04
H04H60/73
H04H60/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043711
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】千代島 智也
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA29
5C164MB11S
5C164SB06P
5C164SB25P
(57)【要約】
【課題】映像フレームを正確なタイミングで制御できる放送マスタシステムを提供する。
【解決手段】放送マスタシステム40は、映像送信元システム50と、映像フレーム制御システム60とを含む放送マスタシステムである。映像フレーム制御システム60は、映像送信元システム50から送信された映像フレームであって、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部61を含む。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、当該時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部を含む
ことを特徴とする映像フレーム制御システム。
【請求項2】
制御情報を用いて、第1の映像データを構成する第1の時刻付映像フレームから第2の映像データを構成する第2の時刻付映像フレームに放送対象の映像フレームを切り替える切替部を含む
請求項1記載の映像フレーム制御システム。
【請求項3】
切替部は、制御情報が所定の時刻で放送対象の映像フレームを第1の時刻付映像フレームから第2の時刻付映像フレームに切り替えることを示している場合、時刻情報が示す時刻が前記所定の時刻より前の第2の時刻付映像フレームを破棄する
請求項2記載の映像フレーム制御システム。
【請求項4】
制御情報を用いて、放送対象の映像フレームを加工する加工部を含む
請求項1記載の映像フレーム制御システム。
【請求項5】
映像フレームは、IP(Internet Protocol)パケットである
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の映像フレーム制御システム。
【請求項6】
映像送信元システムと、映像フレーム制御システムとを含む放送マスタシステムであって、
前記映像フレーム制御システムは、
前記映像送信元システムから送信された映像フレームであって、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、当該時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部を含む
ことを特徴とする放送マスタシステム。
【請求項7】
映像送信元システムは、映像フレームに時刻情報を付加することによって前記映像フレームから時刻付映像フレームを生成する付加部を含む
請求項6記載の放送マスタシステム。
【請求項8】
映像送信元システムは、映像データを基にIPパケットである映像フレームを生成する生成部を含む
請求項6または請求項7記載の放送マスタシステム。
【請求項9】
撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、当該時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する
ことを特徴とする映像フレーム制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、当該時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入処理
を実行させるための映像フレーム制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像フレーム制御システム、放送マスタシステム、映像フレーム制御方法および映像フレーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送マスタシステムは、制作された番組やCMの映像音声データや、時刻、天気予報、データ放送等の放送に付帯するデータ等を集め、放送時間に合わせて順番通りに間違いなくデータを送り出すリアルタイム映像送出システムである。
【0003】
放送マスタシステムがオンプレミスサーバで構成される場合、高速かつ安定な専用回線が用いられてデータが伝送されるため、データ伝送において遅延は殆ど生じない。
【0004】
また、FPGA(Field Programmable Gate Array)が組み込まれた専用ボードを放送マスタシステムが用いる場合、放送マスタシステムは、専用ボードが提供する高速で安定した処理性能により、フレーム精度で映像フレームを制御できる。
【0005】
例えば、放送マスタシステムは、制御時刻に到達したタイミングで制御装置から制御電文を受け取る。専用ボードはフレーム周期に合わせて正確に割り込みを発生させるため、放送マスタシステムは、制御電文を受けた次の映像フレームに対して映像および音声処理(以下、映音処理と呼ぶ。)を実行できる。すなわち、放送マスタシステムは、次の映像フレームの表示タイミングで映音処理を実行できる。
【0006】
また、特許文献1には、映像切替の前後で画像処理の連続性を保つことが可能なスマートカメラシステムが記載されている。特許文献1に記載されているスマートカメラシステムは、映像データにタイムスタンプを打刻し、打刻されたタイムスタンプを基準に映像データを制御する。
【0007】
また、特許文献1に記載されているスマートカメラシステムでは、選択部により別の撮像部が選択される度に、選択された撮像部からの映像データが、他の撮像部からの映像データとフレーム位相が同期された上で、他の撮像部からの映像データから切り替えて出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-047214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ソフトウェアのみで上記のデータ伝送を実現するためには、正確に制御するために、例えばフレーム境界の周期を時刻等から生成し、タイマ等を用いてフレーム境界のタイミングでイベントを発生させて映像フレームを制御することが求められる。
【0010】
しかし、ソフトウェアのみで上記のデータ伝送を実現する場合、映像フレームの制御タイミングが揺らぐ可能性がある。その理由は、専用のハードウェアに比べると、ソフトウェアの処理による遅延やOS(Operating System)のコンテキストスイッチによる揺らぎが生じるため、ソフトウェアのみでフレーム周期のイベントを正確なタイミングで発生させることが技術的に難しいからである。特許文献1には、ソフトウェアのみで上記のデータ伝送を実現することは記載されていない。
【0011】
そこで、本発明は、映像フレームを正確なタイミングで制御できる映像フレーム制御システム、放送マスタシステム、映像フレーム制御方法および映像フレーム制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による映像フレーム制御システムは、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による放送マスタシステムは、映像送信元システムと、映像フレーム制御システムとを含む放送マスタシステムであって、映像フレーム制御システムは、映像送信元システムから送信された映像フレームであって、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明による映像フレーム制御方法は、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入することを特徴とする。
【0015】
本発明による映像フレーム制御プログラムは、コンピュータに、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファに格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、映像フレームを正確なタイミングで制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一般的な放送マスタシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の放送マスタシステムの構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態の外部ソース切替部123による映像フレームの切替処理の例を示す説明図である。
図4】本実施形態の外部ソース切替部123による映像フレームの他の切替処理の例を示す説明図である。
図5】本実施形態の放送マスタシステム100による映像フレーム制御処理の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明による映像送信元システム110のハードウェア構成例を示す説明図である。
図7】本発明によるクラウドシステム120のハードウェア構成例を示す説明図である。
図8】本発明による映像フレーム制御システムの概要を示すブロック図である。
図9】本発明による放送マスタシステムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
最初に、ソフトウェアのみでデータ伝送が実現される場合に映像フレームの制御タイミングが揺らぐ具体例を説明する。図1は、一般的な放送マスタシステムの構成例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す放送マスタシステム900は、映像送信元システム910と、クラウドシステム920とを含む。
【0020】
図1に示す映像送信元システム910は、クラウドシステム920に対して映像データの送信元となるシステムである。映像送信元システム910は、例えばオンプレミスで運用されるシステムである。
【0021】
図1に示す映像送信元システム910は、IP(Internet Protocol)化部911~912を含む。また、映像送信元システム910は、IPネットワークを介してクラウドシステム920と通信可能に接続されている。
【0022】
図1に示す映像送信元システム910内の映像データは、例えばカメラから入力されるライブ映像データ、または再生機で素材ファイルが再生されることによって生成されたデータである。例えば、IP化部911に入力される映像データは、キー局から送られる映像データである。また、IP化部912に入力される映像データは、ローカル局から送られる映像データである。
【0023】
図1に示す映像送信元システム910のIP化部911~912は、IPネットワークをそのまま使用して映像データを授受する機能を有する。なお、映像送信元システム910は、3つ以上のIP化部を含んでいてもよい。
【0024】
例えば、IP化部911~912は、カメラから入力されたライブ映像データをIPパケットにパケタイズする。次いで、IP化部911~912は、IPパケットにパケタイズされた映像データを、IPネットワークを介してクラウドシステム920へ送信する。
【0025】
図1に示すクラウドシステム920は、映像フレームに対して映音処理を実行するシステムである。クラウドシステム920は、制御部921と、外部ソース切替部922と、DVE(Digital Video Effect)923と、DSK(Downstream Key)924と、ENC/MUX925と、フレームバッファ926とを含む。
【0026】
制御部921は、外部ソース切替部922、DVE923、DSK924、およびENC/MUX925を制御する機能を有する。制御部921は、例えば制御アプリケーションにより実現される。
【0027】
外部ソース切替部922は、映像送信元システム910から送信されたIPパケットである第1映像ソースと第2映像ソースに対して、放送対象の映像ソースを切り替える機能を有する。図1に示す例では、第1映像ソースがIP化部911から送信された映像ソース、第2映像ソースがIP化部912から送信された映像ソースにそれぞれ対応する。
【0028】
DVE923は、デジタルデータ化(例えば、パケタイズ化)された映像データを加工する機能を有する。例えば、DVE923は、画面の分割、分割された画面の部分の縮小または拡大、画面のL字加工等を行う。
【0029】
DSK924は、既にエフェクトがかけられていたり合成が行われていたりする映像データに、さらに画像や文字を合成する機能を有する。例えば、DSK924は、映像に字幕を挿入する。
【0030】
ENC/MUX925は、エンコーダとMPEG最多重装置の各機能を有する。ENC/MUX925は、加工が終了した映像データを映像再生システムに送信したり、動画配信サイト上で再生したりする。
【0031】
フレームバッファ926は、放送対象の映像データを構成する映像フレームを格納する機能を有する。外部ソース切替部922は、映像送信元システム910から送信されたIPパケットである映像フレームをフレームバッファ926に格納する。DVE923、DSK924、およびENC/MUX925は、フレームバッファ926に格納されている映像フレームに対して加工処理等を行う。
【0032】
上記のように、図1に示すクラウドシステム920は、送信された映像データを受信し、外部ソース切替部922、DVE923、DSK924、およびENC/MUX925を介して受信された映像データに対して映音処理を実行する。
【0033】
図1に示す放送マスタシステム900には、以下の3つの問題がある。
【0034】
第1の問題は、映像送信元システム910からクラウドシステム920に映像データが送信される際、IPネットワークの経路の違いにより、2つの映像データがクラウドシステム920に到達するまでの時間が異なる可能性があることである。
【0035】
2つの映像データが到達するまでの時間が異なると、制御部921が映像ソースを切り替えるタイミングを特定することが困難になる。すなわち、映像データの送信において秒単位の遅延が想定される場合、制御部921が映像フレームをフレーム精度で制御することが困難になる。
【0036】
第2の問題は、制御部921が制御アプリケーション等のソフトウェアにより実現されるため、制御タイミングが揺らぐ可能性があることである。すなわち、外部ソース切替部922、DVE923、DSK924、およびENC/MUX925が制御部921の制御を受けてから処理を完了させるまでの処理時間が揺らぐ可能性がある。
【0037】
第3の問題は、複数の伝送元から映像データを受け取って映像ソースを切り替える場合、伝送元ごとに伝送遅延の時間や伝送遅延の揺らぎが異なることによって、放送対象として期待される切替先の一部の映像フレームが保持されない可能性があることである。
【0038】
以下、上記の3つの問題を解決できる本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0039】
[構成の説明]
図2は、本発明の実施形態の放送マスタシステムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の放送マスタシステム100は、IPネットワークを介して別のシステムに伝送されたライブ映像データに対して、フレーム精度で映音処理できるシステムである。
【0040】
図2に示す放送マスタシステム100は、映像送信元システム110と、クラウドシステム120とを含む。
【0041】
図2に示す映像送信元システム110は、クラウドシステム120に対して映像データの送信元となるシステムである。映像送信元システム110は、例えばオンプレミスで運用されるシステムである。
【0042】
図2に示す映像送信元システム110は、IP化部111~112を含む。また、映像送信元システム110は、IPネットワークを介してクラウドシステム120と通信可能に接続されている。
【0043】
図2に示す映像送信元システム110内の映像データは、図1に示す映像送信元システム910内の映像データと同様である。
【0044】
図2に示す映像送信元システム110のIP化部111~112が有する機能は、図1に示す映像送信元システム910のIP化部911~912が有する機能と同様である。なお、映像送信元システム110は、3つ以上のIP化部を含んでいてもよい。
【0045】
また、本実施形態のIP化部111~112は、IPネットワークを介して映像フレーム(IPパケット)をクラウドシステム120に送信する際、映像フレーム自体にタイムスタンプを打刻する機能をさらに有する。
【0046】
例えば、図2に示す映像送信元システム110内の映像データは、10:00:00.00に撮影された映像データである。よって、IP化部111~112は、映像フレームに撮影時刻「10:00:00.00」を打刻する。「10:00:00.00」と記載された矩形は、IP化部111~112によりタイムスタンプが打刻された映像フレームを表す。
【0047】
なお、映像データ、音声データ、およびANCデータで構成される映像が入力される場合、IP化部111~112は、映像データ、音声データ、ANCデータそれぞれに同じタイムスタンプを打刻してもよい。
【0048】
それぞれに同じタイムスタンプが打刻されると、例えば映像データ、音声データ、ANCデータそれぞれに相当する異なるパケットが送られたクラウドシステム120は、同一フレームのデータとして映像データ、音声データ、ANCデータの同期をとることができる。
【0049】
本実施形態のクラウドシステム120は、放送マスタシステム100においてタイムスタンプを用いて映像フレームを制御するシステムである。例えば、クラウドシステム120は、タイムスタンプを用いて異なる放送局から送られてきた各映像フレームの同期をとる。
【0050】
図2に示すクラウドシステム120は、制御部121と、制御メタ挿入部122と、外部ソース切替部123と、DVE124と、DSK125と、ENC/MUX126と、フレームバッファ127とを含む。
【0051】
図2に示すように、IP化部111から送信された映像フレームは、10:00:02.00に受信されている。また、IP化部112から送信された映像フレームは、10:00:03.00に受信されている。すなわち、IPネットワークの経路の違いにより、各映像フレームがクラウドシステム120に到達するまでの時間が異なっている。
【0052】
制御部121は、制御メタ挿入部122、外部ソース切替部123、DVE124、DSK125、およびENC/MUX126を制御する機能を有する。制御部121は、例えば制御アプリケーションにより実現される。制御部121は、映像フレームに打刻されたタイムスタンプを基準に映像フレームを制御する。
【0053】
また、制御部121は、プレイリストに従って映像フレームを制御する。本実施形態のプレイリストは、放送マスタシステム100の運行データに沿っていつ、どの映像フレームにどのような制御を行うかを示すイベントリストである。
【0054】
例えば、プレイリストは、番組表をイベントごとに分割することによって生成される。図2に示す「10:00:00.00 外部ソース切替」のプレイリストは、入力された2つの映像ソースから出力する映像ソースを選択するイベントを表す。
【0055】
制御メタ挿入部122は、映像送信元システム110から送信されたIPパケットである映像フレームに打刻されたタイムスタンプを読み出す。次いで、制御メタ挿入部122は、映像フレームをフレームバッファ127に格納する。
【0056】
次いで、制御メタ挿入部122は、制御部121から入力されたプレイリストに基づいた制御データが示す制御時刻と読み出されたタイムスタンプが合致する映像フレームが格納されたフレームバッファ127に格納されているメタデータに制御メタデータ(以下、制御メタと呼ぶ。)を挿入する。
【0057】
制御メタは、例えば、制御時刻、制御内容を示すデータである。制御内容は、例えば「外部ソース切替」等の機能識別子と、機能に応じた内容とを含む。機能が外部ソース切替であれば、機能に応じた内容は、例えば「トランジションタイプ」、「トランジション時間尺」、「方向」になる。
【0058】
図2に示す外部ソース切替部123、DVE124、DSK125、およびENC/MUX126が有する各機能は、図1に示す外部ソース切替部922、DVE923、DSK924、およびENC/MUX925が有する各機能とそれぞれ同様である。
【0059】
また、外部ソース切替部123、DVE124、DSK125、およびENC/MUX126は、フレームバッファ127に格納されているメタデータに挿入された制御メタに基づいて映音処理することによって、フレーム精度で映像フレームを制御する。メタデータは、フレームバッファ127に格納される。
【0060】
例えば、外部ソース切替部123は、切替先の映像フレームを保持するフレームバッファ127の容量を削減するために、放送マスタシステム100が事前に知り得る切替時刻を用いて、切替時刻以前のタイムスタンプが打刻された映像フレームを破棄する。
【0061】
切替時刻以前のタイムスタンプが打刻された映像フレームが破棄された場合、切替先の映像フレームを保持するフレームバッファ127は、切替時刻以降のタイムスタンプが打刻された映像フレームのみを保持できる。
【0062】
図3は、本実施形態の外部ソース切替部123による映像フレームの切替処理の例を示す説明図である。図3に示す例の場合、伝送経路が原因で、A局から入力された映像フレームの到達タイミングとB局から入力された映像フレームの到達タイミングとの間に差が生じている。
【0063】
すなわち、同一のタイムスタンプが打刻された複数の映像フレームであってもそれぞれの到達タイミングが異なる。よって、外部ソース切替部123は、映像フレームに打刻されたタイムスタンプを基準に映像を切り替えることによって、正確なタイミングで映像を制御する。
【0064】
図3に示す例は、09:30:00.00からA局のスタジオの映像を放送し、10:00:00.00からはB局のスタジオの映像を放送する例である。すなわち、10:00:00.00のタイミングでA局からの映像がB局からの映像に切り替えられる。
【0065】
図3に示す例では、A局から入力された映像フレームとB局から入力された映像フレームがそれぞれ、フレームバッファ127に格納されている。なお、図3に示す各表記の意味は、図2に示す各表記の意味とそれぞれ同様である。また、時刻が記載された白色の矩形は、A局の映像フレームを表す。また、時刻が記載された黒色の矩形は、B局の映像フレームを表す。
【0066】
外部ソース切替部123は、フレームバッファ127に格納された同一のタイムスタンプが打刻された映像フレーム(図3に示す星印付きの映像フレーム)の時点で、A局からの映像をB局からの映像に切り替える。よって、外部ソース切替部123は、撮影時刻が「10:00:00.00」を過ぎてからはB局の映像フレームを出力する。
【0067】
図3に示す切替方法には、以下の課題がある。フレームバッファ127のバッファサイズが可変であれば、状況の変化に応じてバッファサイズが変更されるため、切替先の映像フレームが脱落しない。しかし、フレームバッファ127のバッファサイズが固定されている場合、フレームバッファ127が切替先の映像フレームを保持できない可能性があることである。
【0068】
その理由は、局毎の伝送遅延の差や伝送遅延の揺らぎが生じると、映像フレームの欠損を防ぐために、フレームバッファ127に想定以上の量の映像フレームを保持することが求められるためである。例えば、フレームバッファ127には、切替時刻以降のタイムスタンプが打刻された映像フレームだけでなく、切替時刻以前のタイムスタンプが打刻された映像フレームも念のために保持することが求められる。
【0069】
図4は、本実施形態の外部ソース切替部123による映像フレームの他の切替処理の例を示す説明図である。
【0070】
図4に示す例も、09:30:00.00からA局のスタジオの映像を放送し、10:00:00.00からはB局のスタジオの映像を放送する例である。すなわち、10:00:00.00のタイミングでA局からの映像がB局からの映像に切り替えられる。
【0071】
上記のように、放送マスタシステム100は、プレイリストで事前に切替時刻を知ることができる。また、切替先であるB局のスタジオの映像としては、切替時刻以降の映像フレームがフレームバッファ127に保持されていればよい。
【0072】
よって、図4に示す外部ソース切替部123は、切替先であるB局のスタジオの映像に関して、挿入された制御メタを用いて切替時刻以前のタイムスタンプが打刻された映像フレームを破棄する。また、外部ソース切替部123は、切替時刻以降のタイムスタンプが打刻された映像フレームのみをフレームバッファ127に保持する。
【0073】
次いで、外部ソース切替部123は、フレームバッファ127に格納された同一のタイムスタンプが打刻された映像フレーム(図4に示す星印付きの映像フレーム)の時点で、A局からの映像をB局からの映像に切り替える。よって、外部ソース切替部123は、撮影時刻が「10:00:00.00」を過ぎてからはB局の映像フレームを出力する。
【0074】
上記のように、図4に示す外部ソース切替部123は、切替時刻以前のタイムスタンプが打刻された映像フレームを破棄する。外部ソース切替部123は、挿入された制御メタを用いて破棄の判断を行うことができるため、破棄すべきではない映像フレームを誤って破棄することがない。
【0075】
以上のように、本実施形態の放送マスタシステム100は、映像送信元システム110と、映像フレーム制御システムであるクラウドシステム120とを含む放送マスタシステムである。
【0076】
クラウドシステム120は、映像送信元システム110から送信された映像フレームであって、撮影された時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)を含む映像フレームである時刻付映像フレーム(図2等に示すタイムスタンプが打刻された映像フレーム)が格納されたフレームバッファ127に格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報(制御メタ)を挿入する制御メタ挿入部122を含む。
【0077】
また、クラウドシステム120は、制御情報を用いて、第1の映像データを構成する第1の時刻付映像フレームから第2の映像データを構成する第2の時刻付映像フレームに放送対象の映像フレームを切り替える外部ソース切替部123を含む。
【0078】
外部ソース切替部123は、制御情報が所定の時刻で放送対象の映像フレームを第1の時刻付映像フレームから第2の時刻付映像フレームに切り替えることを示している場合、時刻情報が示す時刻が所定の時刻より前の第2の時刻付映像フレームを破棄してもよい。
【0079】
また、クラウドシステム120は、制御情報を用いて、放送対象の映像フレームを加工する加工部に相当するDVE124、DSK125、およびENC/MUX126を含む。
【0080】
また、映像送信元システム110は、映像データを基にIPパケットである映像フレームを生成し、映像フレームに時刻情報を付加することによって映像フレームから時刻付映像フレームを生成するIP化部111~112を含む。
【0081】
[動作の説明]
以下、本実施形態の放送マスタシステム100の映像フレームを制御する動作を図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の放送マスタシステム100による映像フレーム制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0082】
最初に、映像送信元システム110のIP化部111~112は、映像データをIPパケットにパケタイズする(ステップS101)。
【0083】
次いで、IP化部111~112は、IPパケットである映像フレームにタイムスタンプを打刻する(ステップS102)。タイムスタンプを打刻した後、IP化部111~112は、映像フレームをクラウドシステム120に送信する。
【0084】
次いで、クラウドシステム120の制御メタ挿入部122は、送信されたIPパケットである映像フレームに打刻されたタイムスタンプを読み出す(ステップS103)。次いで、制御メタ挿入部122は、映像フレームをフレームバッファ127に格納する。
【0085】
次いで、制御メタ挿入部122は、制御部121から入力された制御データが示す制御時刻と読み出されたタイムスタンプが合致する映像フレームが格納されたフレームバッファ127に格納されているメタデータに制御メタを挿入する(ステップS104)。
【0086】
次いで、外部ソース切替部123は、挿入された制御メタに基づいて外部の映像ソースを切り替える(ステップS105)。
【0087】
次いで、DVE124は、挿入された制御メタに基づいて映像フレームを加工する(ステップS106)。
【0088】
次いで、DSK125は、挿入された制御メタに基づいて映像フレームに画像や文字を合成する(ステップS107)。
【0089】
次いで、ENC/MUX126は、挿入された制御メタに基づいて加工が終了した映像フレームを送信先に送信する(ステップS108)。送信した後、放送マスタシステム100は、映像フレーム制御処理を終了する。
【0090】
[効果の説明]
本実施形態の制御メタ挿入部122は、制御時刻と合致するタイムスタンプが付加されたメディアデータである映像フレームが格納されたフレームバッファ127に格納されているメタデータに制御内容を制御メタとして挿入する。
【0091】
また、外部ソース切替部123、DVE124、DSK125、およびENC/MUX126は、挿入された制御メタから制御内容を読み出して映音処理を実行できる。よって、IPネットワークを介して接続された映像送信元システム110から離れた場所に存在する、ソフトウェアに従って動作するクラウドシステム120は、フレーム精度で映音処理を実行できる。
【0092】
具体的には、クラウドシステム120は、送信された映像フレームのIPネットワークの経路等に起因する伝送時間の揺らぎの影響を受けずに映音処理を実行できる。また、クラウドシステム120は、ソフトウェア処理に特有の制御タイミングの揺らぎの影響を受けずに映音処理を実行できる。
【0093】
また、外部ソース切替部123は、切替先の映像フレームを保持するフレームバッファ127の容量を削減するために、放送マスタシステム100が事前に知り得る切替時刻を用いて、制御メタを基に切替時刻以前のタイムスタンプが打刻された映像フレームを破棄できる。また、外部ソース切替部123は、切替時刻以降のタイムスタンプが打刻された映像フレームのみをフレームバッファ127に保持できる。
【0094】
すなわち、クラウドシステム120は、切替先として期待される映像フレームを確実に保持でき、かつフレームバッファ127の容量も削減できる。
【0095】
以下、本実施形態の映像送信元システム110のハードウェア構成の具体例を説明する。図6は、本発明による映像送信元システム110のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0096】
図6に示す映像送信元システム110は、CPU(Central Processing Unit )11と、主記憶部12と、通信部13と、補助記憶部14とを備える。また、ユーザが操作するための入力部15や、ユーザに処理結果または処理内容の経過を提示するための出力部16を備える。
【0097】
映像送信元システム110は、図6に示すCPU11が各構成要素が有する機能を提供するプログラムを実行することによって、ソフトウェアにより実現される。
【0098】
すなわち、CPU11が補助記憶部14に格納されているプログラムを、主記憶部12にロードして実行し、映像送信元システム110の動作を制御することによって、各機能がソフトウェアにより実現される。
【0099】
なお、図6に示す映像送信元システム110は、CPU11の代わりにDSP(Digital Signal Processor)を備えてもよい。または、図6に示す映像送信元システム110は、CPU11とDSPとを併せて備えてもよい。
【0100】
主記憶部12は、データの作業領域やデータの一時退避領域として用いられる。主記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0101】
通信部13は、有線のネットワーク(IPネットワーク)を介して、周辺機器との間でデータを入力および出力する機能を有する。
【0102】
補助記憶部14は、一時的でない有形の記憶媒体である。一時的でない有形の記憶媒体として、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリが挙げられる。
【0103】
入力部15は、データや処理命令を入力する機能を有する。入力部15は、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスである。
【0104】
出力部16は、データを出力する機能を有する。出力部16は、例えば液晶ディスプレイ装置等の表示装置、またはプリンタ等の印刷装置である。
【0105】
また、図6に示すように、映像送信元システム110において、各構成要素は、システムバス17に接続されている。
【0106】
補助記憶部14は、本実施形態の映像送信元システム110において、IP化部111~112を実現するためのプログラムを記憶している。
【0107】
なお、映像送信元システム110は、例えば内部に図2に示すような機能を実現するLSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品が含まれる回路が実装されてもよい。
【0108】
また、本実施形態のクラウドシステム120のハードウェア構成の具体例を説明する。図7は、本発明によるクラウドシステム120のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0109】
図7に示すクラウドシステム120は、CPU21と、主記憶部22と、通信部23と、補助記憶部24とを備える。また、ユーザが操作するための入力部25や、ユーザに処理結果または処理内容の経過を提示するための出力部26を備える。
【0110】
クラウドシステム120は、図7に示すCPU21が各構成要素が有する機能を提供するプログラムを実行することによって、ソフトウェアにより実現される。
【0111】
すなわち、CPU21が補助記憶部24に格納されているプログラムを、主記憶部22にロードして実行し、クラウドシステム120の動作を制御することによって、各機能がソフトウェアにより実現される。
【0112】
なお、図7に示すクラウドシステム120は、CPU21の代わりにDSPを備えてもよい。または、図7に示すクラウドシステム120は、CPU21とDSPとを併せて備えてもよい。
【0113】
主記憶部22は、データの作業領域やデータの一時退避領域として用いられる。主記憶部22は、例えばRAMである。フレームバッファ127は、主記憶部22で実現される。
【0114】
通信部23は、有線のネットワーク(IPネットワーク)を介して、周辺機器との間でデータを入力および出力する機能を有する。
【0115】
補助記憶部24は、一時的でない有形の記憶媒体である。一時的でない有形の記憶媒体として、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリが挙げられる。
【0116】
入力部25は、データや処理命令を入力する機能を有する。入力部25は、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスである。
【0117】
出力部26は、データを出力する機能を有する。出力部26は、例えば液晶ディスプレイ装置等の表示装置、またはプリンタ等の印刷装置である。
【0118】
また、図7に示すように、クラウドシステム120において、各構成要素は、システムバス27に接続されている。
【0119】
本実施形態のクラウドシステム120において、補助記憶部24は、制御部121、制御メタ挿入部122、外部ソース切替部123、DVE124、DSK125、およびENC/MUX126を実現するためのプログラムを記憶している。
【0120】
また、映像送信元システム110は、CPU等の素子を用いるコンピュータ機能を含まないハードウェアにより実現されてもよい。例えば、各構成要素の一部または全部は、汎用の回路(circuitry )または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップ(例えば、上記のLSI)によって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0121】
また、映像送信元システム110およびクラウドシステム120の各構成要素の一部または全部は、演算部と記憶部とを備えた1つまたは複数の情報処理装置で構成されていてもよい。
【0122】
各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0123】
次に、本発明の概要を説明する。図8は、本発明による映像フレーム制御システムの概要を示すブロック図である。本発明による映像フレーム制御システム30は、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファ(例えば、フレームバッファ127)に格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部31(例えば、制御メタ挿入部122)を含む。
【0124】
そのような構成により、映像フレーム制御システムは、映像フレームを正確なタイミングで制御できる。
【0125】
また、映像フレーム制御システム30は、制御情報を用いて、第1の映像データを構成する第1の時刻付映像フレームから第2の映像データを構成する第2の時刻付映像フレームに放送対象の映像フレームを切り替える切替部(例えば、外部ソース切替部123)を含んでもよい。
【0126】
そのような構成により、映像フレーム制御システムは、正確なタイミングで放送対象の映像フレームを切り替えることができる。
【0127】
また、切替部は、制御情報が所定の時刻で放送対象の映像フレームを第1の時刻付映像フレームから第2の時刻付映像フレームに切り替えることを示している場合、時刻情報が示す時刻が所定の時刻より前の第2の時刻付映像フレームを破棄してもよい。
【0128】
そのような構成により、映像フレーム制御システムは、映像フレームが格納されるフレームバッファの容量を削減できる。
【0129】
また、映像フレーム制御システム30は、制御情報を用いて、放送対象の映像フレームを加工する加工部(例えば、DVE124、DSK125、ENC/MUX126)を含んでもよい。
【0130】
そのような構成により、映像フレーム制御システムは、映像フレームを放送用に加工できる。
【0131】
また、映像フレームは、IPパケットでもよい。
【0132】
また、図9は、本発明による放送マスタシステムの概要を示すブロック図である。本発明による放送マスタシステム40は、映像送信元システム50(例えば、映像送信元システム110)と、映像フレーム制御システム60(例えば、クラウドシステム120)とを含む放送マスタシステムであって、映像フレーム制御システム60は、映像送信元システム50から送信された映像フレームであって、撮影された時刻を示す時刻情報を含む映像フレームである時刻付映像フレームが格納されたフレームバッファ(例えば、フレームバッファ127)に格納されているメタデータに、その時刻に撮影された映像フレームに対する制御の内容を示す制御情報を挿入する挿入部61(例えば、制御メタ挿入部122)を含む。
【0133】
そのような構成により、放送マスタシステムは、映像フレームを正確なタイミングで制御できる。
【0134】
また、映像送信元システム50は、映像フレームに時刻情報を付加することによって映像フレームから時刻付映像フレームを生成する付加部(例えば、IP化部111~112)を含んでもよい。また、映像送信元システム50は、映像データを基にIPパケットである映像フレームを生成する生成部(例えば、IP化部111~112)を含んでもよい。
【0135】
そのような構成により、放送マスタシステムは、IPネットワークをそのまま使用して映像フレームを制御できる。
【符号の説明】
【0136】
11、21 CPU
12、22 主記憶部
13、23 通信部
14、24 補助記憶部
15、25 入力部
16、26 出力部
17、27 システムバス
30、60 映像フレーム制御システム
31、61 挿入部
40、100、900 放送マスタシステム
50、110、910 映像送信元システム
111、112、911、912 IP化部
120、920 クラウドシステム
121、921 制御部
122 制御メタ挿入部
123、922 外部ソース切替部
124、923 DVE
125、924 DSK
126、925 ENC/MUX
127、926 フレームバッファ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9