(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133764
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/186 20200101AFI20240926BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240926BHJP
【FI】
G06F40/186
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043723
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100216367
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 梨絵
(72)【発明者】
【氏名】岩井 大樹
(72)【発明者】
【氏名】窪田 貴志
【テーマコード(参考)】
5B109
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B109ND01
5B109ND02
5B109PB03
5L010AA11
5L010EE01
5L049AA11
5L049EE01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】入力したいデータに適した帳票テンプレートをユーザに提示する情報処理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、帳票テンプレートに配置する対象である複数の入力値に対応する複数の項目名を取得するデータ取得部22と、帳票テンプレートにおける入力値を配置するための複数の帳票項目の帳票項目毎に該帳票項目を示す項目名である帳票項目名を少なくとも含む項目属性を定義した帳票定義を、複数の帳票テンプレートの帳票テンプレート毎に記憶する帳票定義記憶部21と、帳票テンプレート毎に、複数の帳票項目に対応する複数の帳票項目名と前記複数のラベルとの照合を行うことで互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う照合部23と、複数の帳票テンプレートのうち、対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する提示部25と、を備えた。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票テンプレートに配置する対象である複数の入力値に夫々対応する複数の項目名である複数のラベルを取得するデータ取得手段と、
帳票テンプレートにおける入力値を配置するための複数の帳票項目の帳票項目毎に該帳票項目を示す項目名である帳票項目名を少なくとも含む項目属性を定義した帳票定義を、複数の帳票テンプレートの帳票テンプレート毎に記憶する帳票定義記憶手段と、
帳票テンプレート毎に、前記複数の帳票項目に対応する複数の帳票項目名と前記複数のラベルとの照合を行うことで互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う照合手段と、
前記複数の帳票テンプレートのうち、前記対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する提示手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記対応付けができた前記ラベルの数に関する条件である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記提示手段は、前記候補帳票テンプレートとして複数の前記帳票テンプレートを提示する場合、前記帳票項目名と対応付けられた前記ラベルの数に応じた順に、複数の前記候補帳票テンプレートを提示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記提示手段は、前記候補帳票テンプレートとして複数の前記帳票テンプレートを提示する場合、全てのラベルが何れかの帳票項目名と一致したことで対応付けられている候補帳票テンプレートが優先的に提示されるよう、複数の前記候補帳票テンプレートを提示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記提示手段は、前記複数のラベルと前記候補帳票テンプレートにおける前記複数の帳票項目名との間で行われた前記対応付けの結果を示す文字及び/又はマークと共に前記候補帳票テンプレートを提示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記項目属性は、前記帳票項目名に加え、前記帳票項目についての入力値の表示態様に関する属性を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記データ取得手段は、前記複数のラベルに加え、前記複数の入力値を取得する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記提示手段は、前記複数のラベルのうち、前記候補帳票テンプレートについての前記複数の帳票項目名のうちの何れかの帳票項目名と対応付けられたラベルに対応する入力値を、該入力値の該ラベルと対応付けられた該帳票項目名に対応する前記表示態様に関する属性に従って前記候補帳票テンプレートに配置した状態で、該候補帳票テンプレートを提示する、
請求項7に記載の情報処理システム
【請求項9】
前記候補帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための帳票テンプレートとして選択する選択入力を受け付ける選択受付手段を更に備え、
前記提示手段は、前記候補帳票テンプレートについての前記選択入力が受け付けられた場合に、前記複数の入力値を配置した状態で前記候補帳票テンプレートを提示する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記候補帳票テンプレートにおいて、対応付けられた前記ラベルと前記帳票項目名との組み合わせに、前記ラベルと前記帳票項目名とが一致しない組み合わせが存在する場合、前記候補帳票テンプレートについての前記帳票定義を複製した上で、前記ラベルと前記帳票項目名とが一致しない前記組み合わせに係る該帳票項目名を、該帳票項目名と対応付けられた該ラベルに変更することで、新たに帳票定義を生成する帳票定義生成手段とを更に備え、
前記帳票定義記憶手段は、前記複数の帳票テンプレートの夫々についての前記帳票定義に加え、生成された前記帳票定義を記憶する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記候補帳票テンプレートにおける前記帳票項目名と前記ラベルとの前記対応付けに関するユーザからの編集入力を受け付ける編集入力受付手段を更に備え、
前記提示手段は、前記編集入力が受け付けられた場合、前記編集入力の編集内容において前記帳票項目名と対応付けられている前記ラベルに対応する入力値を、該入力値の該ラベルと対応付けられている該帳票項目名に対応する前記表示態様に関する属性に従って前記候補帳票テンプレートに配置した状態で、該候補帳票テンプレートを提示する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記候補帳票テンプレートにおける前記帳票項目名と前記ラベルとの前記対応付けに関するユーザからの編集入力を受け付ける編集入力受付手段と、
前記候補帳票テンプレートにおいて、前記照合の結果又は前記ユーザによる前記編集入力の内容において対応付けられた前記ラベルと前記帳票項目名との組み合わせに、前記ラベルと前記帳票項目名とが一致しない組み合わせが存在する場合、前記候補帳票テンプレートについての前記帳票定義を複製した上で、前記ラベルと前記帳票項目名とが一致しない前記組み合わせに係る該帳票項目名を、該帳票項目名と対応付けられた該ラベルに変更することで、新たに帳票定義を生成する帳票定義生成手段とを更に備え、
前記帳票定義記憶手段は、前記複数の帳票テンプレートの夫々についての前記帳票定義に加え、生成された前記帳票定義を記憶する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記候補帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための帳票テンプレートとして選択する選択入力を受け付ける選択受付手段と、
選択された前記候補帳票テンプレートについての前記帳票定義が複製されることで新たに生成された前記帳票定義と前記複数の入力値に基づき、該複数の入力値が記載された帳票を出力する帳票出力手段と、を更に備える、
請求項10又は12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記候補帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための帳票テンプレートとして選択する選択入力を受け付ける選択受付手段と、
選択された前記候補帳票テンプレートについての前記帳票定義と前記複数の入力値に基づき、該複数の入力値が記載された帳票を出力する帳票出力手段と、を更に備える、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記複数のラベルに基づき、前記複数の帳票テンプレートから、前記複数のラベルとの前記照合を行う対象となる帳票テンプレートを選出する照合対象選出手段を更に備え、
前記照合手段は、選出された帳票テンプレートについて、前記複数の帳票項目名と前記複数のラベルとの照合を行う、
請求項1から12及び14の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記照合対象選出手段は、前記複数の帳票テンプレートから、前記複数のラベルの数と前記複数の帳票項目名の数との差分が所定数以下である帳票テンプレートを少なくとも1つ抽出し、抽出された帳票テンプレートを、前記照合を行う対象となる帳票テンプレートとして選出する、
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
帳票種別と、該帳票種別に関する少なくとも1つの帳票種別項目名とを対応付けて記憶する帳票種別記憶手段を更に備え、
前記照合対象選出手段は、前記複数のラベルと、前記帳票種別に関する少なくとも1つの帳票種別項目名との照合を行うことで、前記複数のラベルに対応する帳票種別を特定し、特定された該帳票種別に該当する帳票テンプレートを、前記照合を行う対象となる帳票テンプレートとして選出する、
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項18】
帳票テンプレートにおける入力値を配置するための複数の帳票項目の帳票項目毎に該帳票項目を示す項目名である帳票項目名を少なくとも含む項目属性を定義した帳票定義を、複数の帳票テンプレートの帳票テンプレート毎に記憶する帳票定義記憶手段を備えるコンピュータが、
帳票テンプレートに配置する対象である複数の入力値に夫々対応する複数の項目名である複数のラベルを取得するデータ取得ステップと、
帳票テンプレート毎に、前記複数の帳票項目に対応する複数の帳票項目名と前記複数のラベルとの照合を行うことで互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う照合ステップと、
前記複数の帳票テンプレートのうち、前記対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する提示ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項19】
帳票テンプレートにおける入力値を配置するための複数の帳票項目の帳票項目毎に該帳票項目を示す項目名である帳票項目名を少なくとも含む項目属性を定義した帳票定義を、複数の帳票テンプレートの帳票テンプレート毎に記憶する帳票定義記憶手段を備えるコンピュータを、
帳票テンプレートに配置する対象である複数の入力値に夫々対応する複数の項目名である複数のラベルを取得するデータ取得手段と、
帳票テンプレート毎に、前記複数の帳票項目に対応する複数の帳票項目名と前記複数のラベルとの照合を行うことで互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う照合手段と、
前記複数の帳票テンプレートのうち、前記対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する提示手段と、
として機能させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、帳票(帳票テンプレート)を提示し帳票を作成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帳票の出力体裁を定義する帳票定義パターンを提供する処理をコンピュータに実行させる帳票提供プログラムであって、業務データを記憶した複数のテーブルから特定のテーブルの選択を受け付け、選択された特定のテーブルに対応付けて記憶された複数の帳票定義パターンから少なくともいずれかの帳票定義パターンを特定し、特定した帳票定義パターンの少なくとも一つに、選択された特定のテーブルの業務データを編集して出力し、出力した帳票定義パターンを利用者に選択可能にするプログラム(特許文献1を参照)が提案されている。
【0003】
また、ユーザが注目している帳票の属性情報、及び、このユーザのユーザ情報と、予め登録されている他の帳票の属性情報とを比較して、推奨する帳票を選択する雛型提供サーバであり、レイアウト、業種、業務、及び他ユーザの利用履歴などを加味して、推奨する帳票を選択するサーバ(特許文献2を参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-156430号公報
【特許文献2】特開2013-25726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、帳票(電子帳票)を作成するための方法として、既に作成された帳票テンプレートを利用する方法が提案されている。しかし、複数ある帳票テンプレートの中から入力したいデータに合う帳票テンプレートを選択するユーザの手間が生じていた。
【0006】
本開示は、上記した問題に鑑み、入力したいデータに適した帳票テンプレートをユーザに提示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例は、帳票テンプレートに配置する対象である複数の入力値に夫々対応する複数の項目名である複数のラベルを取得するデータ取得手段と、帳票テンプレートにおける入力値を配置するための複数の帳票項目の帳票項目毎に該帳票項目を示す項目名である帳票項目名を少なくとも含む項目属性を定義した帳票定義を、複数の帳票テンプレートの帳票テンプレート毎に記憶する帳票定義記憶手段と、帳票テンプレート毎に、前記複数の帳票項目に対応する複数の帳票項目名と前記複数のラベルとの照合を行うことで互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う照合手段と、前記複数の帳票テンプレートのうち、前記対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、前記複数の入力値が記載される帳票を作成するための候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する提示手段と、を備える情報処理システムである。
【0008】
本開示は、情報処理装置、システム、コンピュータによって実行される方法またはコンピュータに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、入力したいデータに適した帳票テンプレートをユーザに提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態におけるシステム構成の概念図である。
【
図2】実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。
【
図3】第一の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図4】実施形態におけるテンプレート一覧の一例を示す図である。
【
図5】実施形態における帳票定義の一例を示す図である。
【
図6】実施形態における入力データ(項目ラベル付きデータファイル)の一例を示す図である。
【
図7】実施形態における入力データ選択画面の一例である。
【
図8】実施形態における中間データの一例を示す図である。
【
図9】実施形態における対応付けデータの一例を示す図である。
【
図10】実施形態における帳票選択画面の一例を示す図である。
【
図11】実施形態におけるダイアログ(類似の場合)の一例を示す図である。
【
図12】実施形態におけるダイアログ(対応付いていない場合)の一例を示す図である。
【
図13】実施形態における帳票編集画面の一例を示す図である。
【
図14】実施形態における業務SaaS画面の一例を示す図である。
【
図15】実施形態に係る帳票出力処理の流れの概要を示すフローチャート(1)である。
【
図16】実施形態に係る帳票出力処理の流れの概要を示すフローチャート(2)である。
【
図17】実施形態における候補帳票テンプレート表示処理の流れの概要を示すフローチャートである。
【
図18】第二の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図19】第二の実施形態における帳票種別の特定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
【0012】
本実施形態では、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムを、帳票テンプレートを複数提示することでユーザに使用したい帳票テンプレートを選択させることにより帳票を作成するシステムにおいて実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムは、帳票(帳票テンプレート)を提示するための技術や帳票を作成するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、実施形態において示した例に限定されない。
【0013】
従来、各種伝票や申請書類といった様々な帳票が企業で多く使用されている。その帳票(電子帳票)を作成する方法には主に二つの方法がある。一つ目の方法は、ユーザ自身が帳票定義(レイアウトや、帳票項目、帳票出力ロジック等を定義したもの)を設計する方法である。二つ目の方法は、既に作成された帳票テンプレートを選択、編集して利用する方法である。
【0014】
図20は、従来のシステム構成の概念図である。
図20に示すように、従来は、帳票設計を行うことで帳票定義を生成(設計)するか、又は、既にある帳票テンプレート(帳票定義)を編集する方法が用いられている。この従来の方法では、ユーザが帳票定義の生成または帳票定義の修正を予め行った上で、帳票定義と入力データを合わせることにより、帳票が生成され出力されていた。以下の通り、これら従来の方法では、帳票を容易に作成(出力)することが困難であった。一つ目の方法では、帳票定義を設計するために、ユーザは、入力したいデータ(入力データ)に合わせて、レイアウトや帳票項目、帳票出力ロジック等多くの項目を定義(指定)する必要があり、煩雑であった。なお、既に使用している帳票があれば、その帳票をもとに固定の線や文字を自動的に定義することは可能であるが、その場合であっても帳票項目や帳票出力ロジックについてはユーザが設定を行う必要があるため当該作業が煩雑であった。二つ目の方法では、予め用意された帳票テンプレートの中から利用したい帳票テンプレートを選択するが、ユーザは、入力データに合う帳票テンプレートを選択し、入力データに合わせて帳票テンプレートの帳票項目や帳票出力ロジックを修正する必要があり、煩雑であった。以下、これら二つの方法についてより詳細に説明する。
【0015】
一つ目の方法(帳票定義を設計する方法)では、まずユーザが、入力データを用意し、出力したい帳票レイアウトをイメージした上で、帳票のレイアウト、出力したい項目(帳票項目)、及び帳票出力ロジックを定義する(帳票定義の作成(設計))。そして、ユーザは、出力イメージの確認を行い、出力先の設定を行った上で、作成した帳票定義と入力データを対応付けることで帳票を出力する。二つ目の方法(帳票テンプレートを選択、編集する方法)では、まずユーザが、入力データを用意し、出力したいレイアウトの帳票テンプレートを選択する。そして、ユーザは、入力データに合わせて帳票テンプレートの帳票定義を修正する。その後、ユーザは、出力イメージの確認を行い、出力先の設定を行った上で、編集した帳票定義(帳票テンプレート)と入力データを対応付けることで帳票を出力する。
【0016】
従来は、帳票定義ツールの使い方を覚えた上で、一つ目の方法における出力したい帳票レイアウトをイメージし帳票定義を作成することや、二つ目の方法における入力データに合う帳票テンプレートを選択することや帳票定義を修正することが必要であり、煩雑であった。
【0017】
このため、本実施形態において説明するシステムでは、入力データ(入力値)に基づき決定された候補帳票テンプレートをユーザに対して提示すること、つまり、入力したいデータに適した帳票テンプレートをユーザに提示することで、ユーザが自身で帳票定義を設計することなく(場合に応じて編集操作は可能)、入力データから帳票を出力可能とさせた。つまり、ユーザが帳票を容易に作成(出力)することを可能とした。
【0018】
図1は、本実施形態におけるシステム構成の概念図である。
図1に示すように、本実施形態において説明するシステムでは、ユーザは、入力データの入力、出力イメージ(帳票テンプレート)の選択及び出力指示を行うことで、帳票設計、帳票の作成及び帳票の出力を自動で行うことが可能となる。
図1に示すように、本実施形態において説明するシステムでは、入力データに基づき帳票定義を自動で生成することが可能となる。但し、本開示に係る技術を実施する場合には、以下に説明する全ての構成を採用することで上記説明した全ての課題を解決しなくてもよい。本開示に係る技術を実施する場合には、以下に説明する構成の一部を採用することで、上記説明した課題の一部を解決することとしてもよい。
【0019】
<システムの構成>
図2は、本実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。本実施形態に係るシステムは、情報処理装置1を備える。情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイス15、ディスプレイ等の出力デバイス16、及びNIC(Network Interface Card)等の通信ユニット17、等を備えるコンピュータである。但し、情報処理装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、情報処理装置1は、単一の筐体からなる装置に限定されず、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0020】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の概略を示す図である。情報処理装置1は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されて、情報処理装置1に備えられた各ハードウェアが制御されることで、帳票定義記憶部21、データ取得部22、照合部23、照合結果記憶部24、提示部25、条件受付部26、選択受付部27、編集入力受付部28、帳票定義生成部29、警告部30、出力設定部31及び帳票出力部32を備える。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、情報処理装置1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0021】
帳票定義記憶部21は、複数の(複数種類の)帳票テンプレートを記憶する。具体的には、帳票定義記憶部21は、記憶(保持)されている各帳票テンプレートについてのテンプレート情報を記憶する。帳票定義記憶部21は、例えば、各帳票テンプレートについてのテンプレート情報を、テンプレート一覧(リスト)の形式で記憶する。また、帳票定義記憶部21は、各帳票テンプレートの帳票定義を記憶する。帳票定義(帳票定義データ)は、帳票のレイアウトや帳票を出力する際の動作等に関する定義(定義情報)である。なお、本実施形態において、「帳票テンプレート」は、帳票定義(帳票定義データ)により定義された帳票テンプレートファイル(帳票の雛形、フォーマット)を意味するが、帳票定義により定義された帳票ファイルであれば、帳票項目(フィールド)に入力値が入力(反映)されているものであってもよい。
【0022】
図4は、本実施形態におけるテンプレート一覧の一例を示す図である。
図4に示すように、テンプレート一覧には、各帳票テンプレートについて、帳票名、帳票種(帳票種別)、用紙サイズ、用紙向き、帳票作成に使用された回数(使用回数)、及び帳票定義名等のテンプレート情報(テンプレートに関する情報)が格納される。例えば、請求書についての帳票テンプレートのテンプレート情報として、帳票名「請求書1」、帳票種「請求書」、用紙サイズ「A4」、用紙向き「縦」、使用回数「3」、及び帳票定義名「AAA」が格納されており、他の帳票テンプレートについても同様にテンプレート情報が格納されている。
図4に示すように、帳票定義記憶部21は、請求書、注文書、納品書等の各帳票テンプレートについて、帳票名や帳票定義名以外の付加情報(帳票種、用紙サイズ、用紙向き、及び使用回数等の情報)を含むテンプレート情報を記憶する。なお、
図4の例では、帳票テンプレートとして、請求書1、注文書1、納品書1及び納品書2の4つの帳票テンプレートのみを例示するが、帳票定義記憶部21が記憶する帳票テンプレートの数及び種類は
図4の例に限定されない。また、テンプレート情報として、
図4では、帳票名、帳票種、用紙サイズ、用紙向き、使用回数及び帳票定義名を例示するが、テンプレート情報には、これらの情報以外の情報が含まれてもよく、また、これらの情報の一部が省略されてもよい。
【0023】
図5は、本実施形態における帳票定義(帳票定義情報)の一例を示す図である。
図5に示すように、帳票定義は、帳票テンプレートにおける複数の帳票項目の各項目についての属性(項目属性)を定義した定義(定義情報)である。
図5では、帳票項目として、郵便番号、住所、会社、商品No.(商品番号)、商品名、数量、単価及び合計を例示する。また、
図5では、項目属性として、帳票項目を示す項目名である帳票項目名(パラメータ名)と、帳票項目についての入力値の表示態様に関する属性(以下、「表示態様属性」と称する)とを例示する。表示態様属性には、例えば、入力値を表示(記載)する際の、項目種(項目種別)、項目長、X座標の位置(位置(X))、Y座標の位置(位置(Y))、フォント、色、及びデータ定義(帳票項目と入力値の関連付けや、関数等の演算の指定)等が含まれる。
図5には、
図4で示されたテンプレート一覧に含まれる請求書1の帳票定義を示す。具体的には、請求書1の帳票定義(帳票定義名が「AAA」である帳票定義)には、例えば、郵便番号に係る入力値を配置(入力)するための帳票項目について、項目名「郵便番号」、項目種「数字」、項目長「7」、位置(X)「3.50」、位置(Y)「9.25」、フォント「MSゴシック」、色「黒」、データ定義「なし」等が定義されており、他の帳票項目についても同様に定義されている。
【0024】
このように、帳票定義記憶部21は、各帳票テンプレートについて、帳票テンプレートの帳票項目毎に項目属性(帳票項目名及び表示態様属性)を定義した帳票定義を記憶する。なお、帳票項目として、
図5では、郵便番号、住所、会社、商品No.(商品番号)、商品名、数量、単価及び合計を例示するが、帳票項目は任意の項目であってよい。また、表示態様属性として、
図5では、項目種、項目長、位置(X)、位置(Y)、フォント、色、及びデータ定義を例示するが、表示態様属性には、これらの情報以外の情報が含まれてもよく、また、これらの情報の一部が省略されてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明を省略するが、帳票定義記憶部21は、
図5に示す帳票項目の属性情報を定義した帳票定義の他に、罫線等の帳票の基本的なレイアウト等を含む帳票の基本的な骨格情報を定義した定義(定義情報)を記憶する。
【0025】
ここで、
図5の帳票定義の例では、便宜上、入力データ(入力値)を配置(入力、記載)するための項目(入力値が存在する項目)のみを例示したが、本実施形態における帳票定義では、固定の文字列(例えば、「請求書」や、「御請求金額」、「御請求いたします」等のテキスト)を配置(記載)するための項目の属性と、入力データ(入力値)を配置(入力)するための項目の属性が定義される。但し、入力データに適した帳票テンプレートをユーザに提示するのみであり、表示態様属性に合わせた入力値の配置を行わない実施態様の場合は、照合部23による照合の対象である、入力値が存在する項目の帳票項目名が少なくとも定義された帳票定義であればよい。本実施形態及び後述する実施形態において使用される「帳票項目」及び「帳票項目名」は、夫々、「入力値を配置するための項目」及び「入力値を配置するための項目の帳票項目名」を指すこととする。なお、テンプレート情報及び帳票定義は、夫々
図4及び
図5で示されたデータ形式に限定されず、上述した各種情報が格納又は定義されるのであれば、その他のデータ形式であってもよい。
【0026】
また、帳票定義記憶部21は、複数の帳票テンプレートの夫々についての帳票定義に加え、後述する帳票定義生成部29により生成された帳票定義を記憶する。この際、帳票定義記憶部21は、この生成された帳票定義により定義される帳票(テンプレート)に関する情報をテンプレート一覧(
図4を参照)に追加してもよい。
【0027】
データ取得部22は、帳票テンプレートに配置する(帳票定義に重ね合わせる)対象である入力データを取得する。入力データは、帳票定義に従って配置され、帳票として出力されるデータである。本実施形態では、データ取得部22は、項目名ラベル付きデータファイルを入力データとして取得することとする。項目名ラベル付きデータファイルとは、帳票テンプレートに配置するデータ(入力値)に、対応する項目名が記載されたラベル行(項目名ラベル行)が付加されたデータファイルである。つまり、データ取得部22は、帳票テンプレートに配置する対象である複数の入力値と、これら複数の入力値に夫々対応する複数の項目名である複数のラベルを取得する。なお、本実施形態では、複数のラベルを取得する場合を例示するが、取得されるラベルの数は1つであってもよい。また、入力値は、帳票に入力(記載)されるデータであれば、文字や、数字、記号等の任意の種類のデータであってよい。
【0028】
図6は、本実施形態における入力データ(項目名ラベル付きデータファイル)の一例を示す図である。
図6に示すように、入力データには、ラベル(項目名ラベル行)と入力値(帳票テンプレートに配置する(帳票に記載される)データ)が含まれる。例えば、
図6に示すように、入力データには、ラベルとして、郵便番号、住所、会社名、商品コード、商品名、数量及び単価等が含まれる。また、
図6に示すように、複数のラベルに夫々対応する形で、入力値である「000-0000」、「神奈川県横浜市」、「帳票株式会社」、「AB0001」、「エアコン」、「10」、及び「200000」等が含まれており、同様に、他の3商品についての入力値も含まれている。なお、
図6では、他の3商品についての行では、郵便番号、住所及び会社名についての入力値を空白としているが、これらのラベル(郵便番号、住所及び会社名)について、1行目(エアコンについての行)と同様の内容が格納されていてもよい。また、入力データは、
図6で示されたデータ形式に限定されず、入力値及びそれに対応する項目名(ラベル)が含まれるのであれば、他のデータ形式であってもよい。
【0029】
図7は、本実施形態における入力データ選択画面の一例である。ユーザによる帳票の作成指示等を契機として、後述する提示部25により、
図7に示すような入力データ選択画面が表示される。入力データ選択画面において、ユーザは入力データを選択(入力)することが可能である。例えば、
図7に示すように、点線枠内に所望の入力データをドラッグ&ドロップすること又は選択ボタンを押下し所望の入力データを該当フォルダから選択することにより、入力データを選択(入力)することが可能である。このように、ユーザにより入力データが入力されると、データ取得部22は、当該入力データを取得する。なお、入力データ選択画面は、提示部25とは異なる機能部により表示されるようにしてもよい。また、入力データ選択画面は、
図7の例に限定されず、入力データを選択可能な画面であれば他の構成を有する画面であってよい。
【0030】
なお、本実施形態では、データ取得部22は、項目名ラベル付きデータファイル(入力値とラベル)を取得するが、入力データに適した帳票テンプレートをユーザに提示するのみであり、表示態様属性に合わせた入力値の配置を行わない実施態様の場合、少なくともラベル(複数のラベル)のみを取得すればよい。また、ラベルとして、
図6では、郵便番号、住所、会社名、商品コード、商品名、数量及び単価を例示するが、ユーザは任意の項目名をラベルとして入力(選択)することが可能である。
【0031】
照合部23は、帳票テンプレートにおける複数の帳票項目(入力値を配置するための項目)に対応する複数の帳票項目名と複数のラベルとの照合を行うことで、互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う。照合部23は、帳票定義記憶部21により保持されている帳票テンプレート毎に、帳票項目名とラベルとの照合(1対1の照合)及び対応付けを行う。なお、ラベルとの照合(対応付け)を行う対象の帳票項目(帳票項目名)は、入力値を配置するための項目である。そのため、照合部23は、例えば、帳票定義において、「テキスト」や、「数字」、「ラジオボタン」、「チェックボックス」、「バーコード」等のように、入力値によって値(表示)が変化する項目種別である項目を、照合を行う対象の帳票項目と特定(判別)するようにしてもよい。そして、照合部23は、照合を行う対象の帳票項目を特定すると、特定された帳票項目の項目名とラベルとの照合を行う。なお、対応付けの対象としない項目(入力データを必要としない項目)の項目種別は、例えば「固定リテラル」、「日付」、「時刻」等である。また、後述するように、帳票項目名とラベルとの照合を行う対象の帳票テンプレートは、帳票定義記憶部21により保持されている全ての帳票テンプレートであっても、一部の帳票テンプレートであってもよい。例えば、ある条件を満たす帳票テンプレートのみを照合の対象としてもよい。
【0032】
照合部23は、近似辞書照合技術及び/又は近似文字列照合技術を用いることで、互いに一致又は類似する帳票項目名とラベルとの対応付けを行う。近似辞書照合技術及び/又は近似文字列照合技術を用いることで、例えば、入力データのラベルは「会社名」であるが帳票項目名は「会社」や「社名」などである場合等の表記ゆれがある場合であっても、入力データのラベルと完全一致又は類似する(類義語となる)帳票項目名について検索することが可能となる。これより、照合部23は、ラベルと一致又は類似した帳票項目名を、当該ラベルと対応付ける。
【0033】
近似辞書照合技術は、キーワードとなる文字列(基準単語)に加え当該文字列に近似(類似)する文字列を収録した辞書を用いて、2つの文字列間の照合を行う技術である。近似辞書照合技術で用いられる辞書(以下、「近似辞書」と称する)には、キーとなる文字列(基準単語)に加え、例えば、基準単語の文字(例えば1文字)を削除した文字列、基準単語に対して文字(例えば1文字)を挿入した文字列、基準単語の文字(例えば1文字)を他の文字で置換した文字列等が収録される。この技術を用いる場合、例えば、任意の近似辞書(近似辞書照合単語列データ)を予め辞書データ記憶部(図示を省略)が記憶しておき、照合部23は、近似辞書とラベルとの照合及び近似辞書と帳票項目名との照合を行うことで、各ラベル及び各帳票項目名についての照合結果(例えば、元キーワード(基準単語)、一致タイプ(完全一致、置換、挿入、削除)等)を得る。この結果、照合部23は、元キーワードが一致するラベルと帳票項目名とを対応付けることが可能である。また、近似辞書照合技術を用いる他の例としては、入力データ(ラベル)がデータ取得部22により取得されると、照合部23は、ラベルを基準単語とした近似辞書を生成した上で、生成された近似辞書と帳票項目名との照合を行うことにより、各帳票項目名についての照合結果(例えば、元キーワード(ラベル(基準単語))、一致タイプ等)を得る。この結果、照合部23は、帳票項目名についての照合結果で示された元キーワードであるラベルと、当該帳票項目名とを対応付けることが可能である。
【0034】
近似文字列照合技術は、対象文字列と類似する文字列をテキスト中から検出(検索)する技術である。例えば、編集距離が所定の距離(k)以内の文字列が類似する文字列として検出される。近似文字列照合技術を用いる場合、照合部23は、例えば、ラベルとの編集距離が所定の編集距離(例えば、編集距離2)以内の文字列である帳票項目名と、当該ラベルとを対応付けることが可能である。なお、近似辞書照合技術及び近似文字列照合技術は、上記で説明した内容に限定されず、種々の近似辞書照合技術及び近似文字列照合技術がラベルと帳票項目名との照合に使用されてよい。また、ラベルと類似する帳票項目名(帳票項目名に類似するラベル)を検索する方法(照合方法)には、近似辞書照合技術や近似文字列照合技術を用いる方法以外に、類似文字列を検索するための任意の方法が用いられてよい。
【0035】
照合部23は、上述した照合を行うと、各帳票テンプレート(帳票定義)についての帳票項目名とラベルとの対応付けの結果を示すデータ(以下、「対応付け結果データ」と称する)を生成する。本実施形態では、対応付け結果データとして、中間データと対応付けデータを例示する。
【0036】
図8は、本実施形態における中間データの一例を示す図である。
図8に示すように、中間データには、各帳票テンプレート(帳票定義)について、帳票定義名、帳票種(帳票種別)、用紙サイズ、用紙向き及び帳票作成に使用された回数(使用回数)等のテンプレート情報に加え、対応付け結果を示す情報として、対応付け有無、完全一致有無、対応付け割合、及び対応付けデータ名等が含まれる。「対応付け有無」は、入力データに含まれる全てのラベルが、何れかの帳票項目名と対応付けられたか否か(全てのラベルが対応付けられた場合はマル印、対応付けられなかったラベル(帳票項目名)が存在する場合はバツ印)を示す。「完全一致有無」は、帳票項目名とラベルとが全て一致したか否か(全て一致する場合はマル印、対応付けにおいて互いに一致しない(類似する)ラベルと帳票項目名との組み合わせが存在する場合や対応付けられなかったラベル(帳票項目名)が存在する場合はバツ印)を示す。「対応付け割合」は、入力データに含まれる全てのラベル(ラベル数)に対する、帳票項目名と対応付けられたラベル(ラベル数)の割合を示す。「対応付けデータ名」は、入力データ(ラベル)と帳票定義(帳票項目名)とがどのように対応付けられたかを示すデータ(対応付けデータ)の名前を示す。
【0037】
図8には、
図4に示されたテンプレート一覧に含まれる帳票テンプレート(帳票定義)についての中間データを例示する。例えば、中間データには、請求書についての帳票テンプレートに関する情報として、帳票定義名「AAA」、帳票種「請求書」、用紙サイズ「A4」、用紙向き「縦」、使用回数「3」、対応付け有無「マル印」、完全一致有無「マル印」、対応付け割合「100(%)」、及び対応付けデータ名「agl3ntk」が格納されており、他の帳票テンプレートについても同様にテンプレート情報及び対応付け結果を示す情報が格納されている。なお、中間データに含まれる情報は、
図8に示す情報に限定されない。そのため、例えば、テンプレート情報や対応付け結果を示す情報は、上述した情報に限定されず、テンプレート情報や対応付け結果を示す情報には、上述した情報以外の情報が含まれてもよく、また、上述した情報の一部が省略されてもよい。例えば、「対応付け割合」として、帳票テンプレートにおける全ての帳票項目名(帳票項目名数)に対する、ラベルと対応付けられた帳票項目名(帳票項目名数)の割合が使用されてもよい。
【0038】
図9は、本実施形態における対応付けデータの一例を示す図である。応付けデータには、入力データ(ラベル)と帳票定義(帳票項目名)がどのように対応付けられたかを示す情報が含まれる。
図9の対応付けデータの例では、対応付けられたラベルと帳票項目名とが同じ並び順になるよう、ラベルと帳票項目名が並べられている。つまり、ラベルと帳票項目名とが対応付けられて並べられている。
図9に示す対応付けデータでは、「郵便番号」、「住所」、「会社名」、「商品コード」、「商品名」、「数量」、及び「単価」の順にラベルが並べられており、このラベルの並び順に合わせて、対応するラベルである「郵便番号」、「住所」、「会社」、「(空白)」、「商品名」、「数量」、及び「単価」が並べられている。なお、ラベル「商品コード」に対応する帳票項目名は空白(ハイフンで示している)となっているが、これは、ラベル「商品コード」に対応付けられた帳票項目名がなかったことを意味する。また、
図9に示すように、帳票項目名「商品No.」に対応するラベルは空白(ハイフンで示している)となっているが、これは、帳票項目名「商品No.」と対応付けられたラベルがなかったことを意味する。
【0039】
なお、本実施形態では、対応付け結果データとして、中間データ(
図8)と対応付けデータ(
図9)を例示するが、対応付け結果データのデータ形式は、
図8及び
図9のデータ形式に限定されない。例えば、1つのデータ(テーブル等)に
図8及び
図9に示した情報が含まれていてもよい。また、本実施形態では、表記ゆれを考慮し、近似辞書照合及び/又は近似文字列照合を行うこととするが、表記ゆれを考慮しない場合、ラベルと帳票項目名とが完全一致する場合にのみ対応付けを行うようにしてもよい。
【0040】
照合結果記憶部24は、帳票テンプレート毎の対応付けの結果(対応付け結果データ)を記憶する。照合結果記憶部24は、照合部23により生成された対応付け結果データ(中間データ、対応付けデータ)を記憶する。
【0041】
提示部25は、帳票定義記憶部21に記憶された複数の帳票テンプレートのうち、照合部23による対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、複数の入力値が記載される帳票を作成するための候補帳票テンプレート(入力データに適した帳票テンプレート)としてユーザに提示する。本実施形態では、所定の条件として、帳票項目名との対応付けができたラベルの数(ラベルと対応付けができた帳票項目名の数と同義)に関する条件を例示する。例えば、帳票項目名との対応付け(照合)が出来たラベルの数、帳票項目名との対応付け(照合)が出来たラベルの割合(全ラベル数に対する対応付けが出来たラベルの数の割合)、又はラベルとの対応付け(照合)が出来た帳票項目名の割合(帳票テンプレートにおける全帳票項目名数に対する対応付けが出来た帳票項目名の数の割合)が、所定の閾値以上又は所定の閾値を超えることを所定の条件とし、当該所定の条件に該当した帳票テンプレートを、候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する。また、例えば、帳票項目名との対応付けが出来たラベルの数、帳票項目名との対応付けが出来たラベルの割合又はラベルとの対応付けが出来た帳票項目名の割合が高い方から選出される所定数(例えば、10個)の帳票テンプレートであることや、ラベルの数又は割合が高い方から順に順位を付けた場合に所定の順位以内に入る帳票テンプレートであること等を所定の条件とし、当該所定の条件に該当した帳票テンプレートを、候補帳票テンプレートとしてユーザに提示する。このように、入力データのラベルに基づいて、大量のテンプレートからユーザに提示するテンプレートの絞り込みを行うことが可能である。
【0042】
なお、「対応付けができたラベルの数(帳票項目名の数)に関する条件」は、上記で例示した条件に限定されず、対応付けができたラベルの数(帳票項目名の数)を用いた条件であれば任意の条件を設定することが可能である。また、所定の条件は、対応付けができたラベルの数(帳票項目名の数)に関する条件に限定されず、その他の条件であってもよい。例えば、全てのラベルが何れかの帳票項目名と一致(完全一致)することで対応付けられること等を所定の条件としてもよい。このように、所定の条件を、ラベルと帳票項目名との対応付けの結果がより良い帳票テンプレートを提示させるような条件とすることで、ユーザに対して入力データに適した(より適した)帳票テンプレートを提示することが可能となる。また、本実施形態では、対応付けの結果が所定の条件に該当する複数の帳票テンプレートを夫々候補帳票テンプレートとして提示する場合について例示するが、候補帳票テンプレートは1つであってもよい。また、本実施形態では、候補帳票テンプレートをユーザに提示する方法として、画面に候補帳票テンプレートを表示する場合(提示部25が画面入出力制御部として機能する場合)について例示するが、提示方法は画面への表示に限定されず、ユーザの使用する端末等に対して候補帳票テンプレートを送信する方法等が採用されてもよい。
【0043】
図10は、本実施形態における帳票選択画面の一例を示す図である。帳票選択画面(帳票を選択する画面)は、入力データ選択画面において入力データが選択(入力)されたことにより表示される画面である。
図10に示す帳票選択画面では、左ペインにおいて、複数の候補帳票テンプレート(サムネイル)が並べて表示される。また、これら複数の候補帳票テンプレートの中から(左ペインにおいて)確認したい帳票をユーザが選択した場合に、選択された候補帳票テンプレートが右ペインに表示される。
【0044】
図10(左ペイン)に示すように、提示部25は、複数のラベルと候補帳票テンプレートにおける複数の帳票項目名との間で行われた対応付けの結果(対応付けが出来たか否か)を示す文字及び/又はマーク(丸印、チェックマーク、ビックリマーク、等)と共に、各候補帳票テンプレートを提示(表示)する。例えば、全てのラベルが何れかの帳票項目名と一致(完全一致)したことで対応付けられている場合、丸印(丸の記号)が候補帳票テンプレートと共に表示される(
図10を参照)。また、例えば、全てのラベルのうち、帳票項目名と類似したことで帳票項目名と対応付けられたラベルが一つでも存在する場合、チェックマーク(チェック記号)が候補帳票テンプレートと共に表示される(
図10を参照)。また、例えば、対応付けられなかったラベル又は帳票項目名が少なくとも一つ存在する場合、警告マーク(例えば、ビックリマーク)が候補帳票テンプレートと共に表示される(
図10を参照)。このように、入力データに過不足がある場合は、ユーザに警告する情報が表示される。但し、対応付けの結果を示す文字及び/又はマークはこれらの記号(マーク)に限定されず、任意の情報(文字、記号、マーク等)が使用されてよい。以下、提示部25による候補帳票テンプレートの表示方法について例示する。
【0045】
本実施形態では、提示部25は、まず、帳票項目名と対応付けられたラベルの数に応じた順(対応付け割合が高い順)に候補帳票テンプレートを並べる。但し、対応付け割合が同一の候補帳票テンプレートが複数存在する場合、ラベルと帳票項目名とが全て一致している帳票テンプレート(上述の丸印が付される帳票テンプレート)を先に(優先的に)並べる。そして、提示部25は、並べられた帳票テンプレートから昇順(先頭から順)に所定数(例えば10枚)選択し、選択された所定数の帳票テンプレートを左ペインに表示する。例えば、
図8を参照すると、帳票定義AAAに対応する帳票テンプレートが先頭に(最上位に)表示される。なお、提示部25は、帳票項目名と一致(完全一致)することで帳票項目名と対応付けられたラベルの数に応じた順に、複数の候補帳票テンプレートを表示(提示)するようにしてもよい。また、候補帳票テンプレートの表示順は、上述した表示順以外の他の表示順が採用されてもよい。
【0046】
図10の帳票選択画面における「絞り込み条件」及び「表示順」がユーザにより選択(変更)されると、左ペイン(帳票テンプレートのサムネイル)の表示が更新される。例えば、後述する条件受付部26により帳票テンプレート絞り込み条件の指定を受け付けると、提示部25は、帳票定義記憶部21により記憶されている複数の帳票テンプレートのうち、対応付けの結果が所定の条件に該当し、且つ、テンプレート情報及び/又は対応付け結果を示す情報が当該帳票テンプレート絞り込み条件に該当する帳票テンプレートを、候補帳票テンプレートとして左ペインに表示(提示)する。また、後述する条件受付部26により表示順の変更を受け付けると、提示部25は、既に左ペインに表示されていた候補帳票テンプレートの表示順を、ユーザにより変更された表示順に従い変更する。
【0047】
帳票選択画面の右ペインには、帳票選択画面の左ペインにおいてユーザにより選択された候補帳票テンプレートが表示される。帳票選択画面の右ペインでは、入力データ(入力値)を、選択された候補帳票テンプレートに配置した状態で、当該選択された候補帳票テンプレートを表示する。つまり、帳票選択画面の右ペインには、選択された候補帳票テンプレートを用いた場合の帳票の出力イメージが表示される。より具体的には、提示部25は、複数のラベルのうち、候補帳票テンプレートについての複数の帳票項目名のうちの何れかの帳票項目名と対応付けられたラベルに対応する入力値を、当該入力値のラベルと対応付けられた帳票項目名に対応する表示態様に関する属性に従って候補帳票テンプレートに配置した状態で、候補帳票テンプレートを表示(提示)する。例えば、
図4における帳票名「請求書1」で示される帳票テンプレートがユーザにより選択された場合を想定する。また加えて、帳票名「請求書1」についての帳票定義(帳票定義名「AAA」)における帳票項目名「郵便番号」と、ラベル「郵便番号」が対応付けられた場合を想定する。このとき、提示部25は、ラベル「郵便番号」に対応する入力値「000-0000」(
図6を参照)を、ラベル「郵便番号」と対応付けられた帳票項目名「郵便番号」に対応する表示態様に関する属性(
図5の「郵便番号」についての属性(項目種「数字」、項目長「7」、等の属性)に従って、当該帳票テンプレートに配置した上で、当該帳票テンプレートを右ペインに表示する。これより、ユーザは、当該帳票テンプレートに従って出力される帳票のイメージ(出力イメージ)を予め確認することが可能となる。
【0048】
なお、候補帳票テンプレートに入力値を配置する(入力値が配置された状態で候補帳票テンプレートを表示する)方法として、表示用に一時的にコピーされた候補帳票テンプレートに入力値を入力(配置)する方法(入力して表示する方法)や、帳票テンプレートを表示し、その上のレイヤに重ねて入力値を配置(オーバーレイ)する方法等が用いられてよい。
【0049】
なお、本実施形態では、候補帳票テンプレートについての選択入力が受け付けられた場合(左ペインにおいて選択された場合)に、右ペインに、選択された候補帳票テンプレートが、入力値が配置された状態で表示(提示)される。但し、この例に限定されず、左ペインにおいても、全ての候補帳票テンプレートを、上記と同様の方法により入力値を配置した状態で表示するようにしてもよい。なお、右ペインでは、
図10に示すように、選択されている帳票テンプレートの名前(帳票名)が表示されるようにしてもよい。
【0050】
ユーザは、
図10に示された帳票選択画面の右ペインに表示された出力イメージで帳票を出力したい場合、右ペインにおける「出力」ボタンを押下する。これより、選択している帳票テンプレートに基づき、帳票が出力される。「出力」ボタンが押下された際に選択されている候補帳票テンプレートが、左ペインにおいて丸印マークが付与された帳票テンプレートである場合、そのまま帳票出力部32により帳票の出力が行われる。一方、「出力」ボタンが押下された際に選択されている候補帳票テンプレートが、左ペインにおいてチェックマーク又は警告マークが付与された帳票テンプレートである場合、警告部30は、そのまま(現在の状態)で出力して良いか否かの警告を行う。例えば、警告部30は、そのまま出力して良いか否かの警告を行うためのダイアログ(ダイアログ画面)を表示する。
【0051】
図11は、本実施形態におけるダイアログ(類似の場合)の一例を示す図である。「出力」ボタンが押下された際に選択されている候補帳票テンプレートにチェックマークが付与されている場合(全てのラベルのうち、帳票項目名と類似したことで帳票項目名と対応付けられたラベルが一つでも存在する場合)、
図11に示すような「選択された帳票は1つ以上の項目が類義語で対応付けられています。そのまま出力しますか?」等のダイアログ(画面)が表示される。このダイアログ上でユーザが「出力」ボタンを押下すると、対応付けられた帳票項目(ラベル)の入力値が入力(配置)された状態で帳票が出力される。このダイアログ上でユーザが「キャンセル」ボタンを押下すると、帳票選択画面に戻る。
【0052】
図12は、本実施形態におけるダイアログ(対応付いていない場合)の一例を示す図である。「出力」ボタンが押下された際に選択されている候補帳票テンプレートに警告マークが付与されている場合(対応付けられなかったラベル又は帳票項目名が少なくとも一つ存在する場合)、
図12に示すような「選択された帳票は1つ以上の項目が対応付けられていません。そのまま出力しますか?」等のダイアログ(画面)が表示される。このダイアログ上でユーザが「出力」ボタンを押下すると、対応付けられた帳票項目(ラベル)の入力値のみが入力(配置)された状態で帳票が出力される。このダイアログ上でユーザが「キャンセル」ボタンを押下すると、帳票選択画面に戻る。
【0053】
帳票選択画面の右ペインにおける「編集」ボタンが押下されると、選択された候補帳票テンプレート(選択された候補帳票テンプレートの帳票定義の複製物)を編集するための画面(帳票編集画面)が表示される。この画面において、ユーザは、ラベルと帳票項目名との対応付けを確認又は修正をすることが可能である。帳票編集画面では、選択された候補帳票テンプレート(帳票項目名)と入力データのラベルとの対応付けを行う(編集する)ことが可能である。
【0054】
図13は、本実施形態における帳票編集画面の一例を示す図である。
図13に示すように、帳票編集画面の左ペインには、選択されている候補帳票テンプレートが、入力値が配置(反映)された状態で表示される。なお、この際、帳票項目の箇所には、ユーザが特定(視認)しやすいように枠(例えば、赤枠)が表示される。また、右ペインでユーザが選択した帳票項目に該当する箇所(左ペイン上の箇所)は、よりユーザが特定(視認)しやすいよう、例えば、
図13の「〒000-0000」の箇所に示すように、網掛け等の表示が行われる。なお、左ペインでは、
図13に示すように、編集している帳票テンプレートの名前(帳票名)が表示されるようにしてもよい。また、
図13に示すように、帳票編集画面の右ペインには、帳票項目名とラベルとの対応関係が示される。例えば、
図13に示すように、左側に帳票項目名が並べられ、その右側には、対応付けがなされたラベルが並べられている。
【0055】
ユーザは、帳票項目名とラベルとの対応付けを編集(変更、削除、追加)したい場合は、右ペインにおいて編集入力(編集操作)を行う。例えば、帳票項目名とラベルとが類似することにより照合部23により対応付けられているが、当該対応付けがユーザの意図しない対応付け(異なる対応付け)である場合(上記のチェックマークが表示される場合)を想定する。この場合、ユーザは、ユーザが意図する対応付けとなるよう(当該ラベルを対応付けたい帳票項目名と対応付けるよう)、当該ラベル(ラベルのカード)を、対応付けたい帳票項目名の横に移動させて対応付けを変更する。例えば、当該ラベルと対応付けたい帳票項目名が、何れのラベルとも対応付いていない帳票項目名である場合、右ペインにおいて当該帳票項目名の横には何れのラベルも配置されていないため、対応付けたいラベル(ラベルのカード)をこの帳票項目名の横に配置する。また、例えば、当該ラベルと対応付けたい帳票項目名が他のラベルと対応付けられている場合、右ペインにおいて当該帳票項目名の横には他のラベルが配置されているため、この他のラベルの代わりに、対応付けたいラベル(ラベルのカード)をこの帳票項目名の横に配置する。
【0056】
また、例えば、帳票項目名と対応付けられなかったラベルが存在する場合(上記の警告マークが表示される場合)を想定する。この場合、ユーザは、主に三つの操作のうち何れかの操作を行うことが可能である。一つ目の操作としては、この対応付けられなかったラベルに対応する入力値を帳票に出力しないデータとする操作である。例えば、ユーザは帳票への出力を希望しない入力値のラベル(対応付けられなかったラベル)を、右ペインの「出力しない入力データ」へドラッグ&ドロップすることで、当該入力値を帳票に出力しないようにすることが可能である。なお、帳票項目名と対応付けられなかったラベルを、自動的に「出力しない入力データ」のペインに表示されるようにしてもよい。なお、「出力しない入力データ」のペインには、例えば、対応付けを自動で行うことが出来なかったラベルや、バツ印の押下により帳票項目が削除された場合に当該帳票項目に対応付けられているラベルが在る場合の当該ラベル、ユーザが帳票への出力を希望しない入力値のラベル等が表示される。二つ目の操作としては、この対応付けられなかったラベルに対応する項目(帳票項目)を新たに帳票定義に追加する操作である。ユーザは、対応付けを追加したい場合は、右ペインのプラスマーク(ボタン)を押下し対応付けを所望する帳票項目名とラベルとを選択することで、新規に対応付けを追加することが可能である。三つ目の操作としては、上述の類似することにより対応付けされている場合と同様に、ユーザは、ユーザが意図する対応付けとなるよう、この対応付けられなかったラベルを対応付けたい帳票項目名と対応付けるよう、当該ラベル(ラベルのカード)を対応付けたい帳票項目名の横に移動させて対応付けを変更する。
【0057】
また、例えば、ラベルと対応付けられなかった帳票項目名が存在する場合(上記の警告マークが表示される場合)を想定する。この場合、ユーザは、主に二つの操作のうち何れかの操作を行うことが可能である。一つ目の操作としては、帳票定義の項目(帳票項目)を削除する操作である。ユーザは、例えば、この対応付けられなかった帳票項目名の右側に位置するバツ印(ボタン)を押下することにより、この帳票項目を削除することが可能である。二つ目の操作としては、この対応付けられなかった帳票項目名に対応するラベル(入力データ)を入力する操作である。例えば、ユーザは、
図13の帳票項目名「商品No.」のようにラベルと対応付けられていない帳票項目名に対して対応付けを行いたい場合、対応付けたい帳票項目名の横に所望するラベルをドラッグ&ドロップする(配置する)ことで、対応付けを行うことが可能である。例えば、
図13の例では、帳票項目名「商品No.」の横に、出力しない入力データのペインにあるラベル「商品コード」を配置することで、これらの対応付けが可能である。なお、入力データに当該帳票項目名に対応する入力値及びラベルを追加した上で対応付けを行うようにしてもよい。このように、帳票編集画面では、対応付けの変更、追加、及び削除(項目の削除や出力しない入力値の選択等も含む)に係る任意の編集操作を行うことが可能である。
【0058】
なお、右ペインにおいて上述したような編集入力(編集操作)が行われると、右ペインで対応付けされた通りに、左ペインにおける候補帳票テンプレートの表示が更新される。つまり、ユーザによる編集入力が編集入力受付部28により受け付けられた場合、提示部25は、編集入力の編集内容において帳票項目名と対応付けられているラベルに対応する入力値を、当該入力値のラベルと対応付けられている帳票項目名に対応する表示態様に関する属性に従って候補帳票テンプレートに配置した状態で、候補帳票テンプレートを提示する。例えば、
図13に示した状態では、帳票項目名「商品No.」はいずれのラベルとも対応付けられていないため、帳票編集画面の左ペインに表示された候補帳票テンプレートにおいて、商品No.を記載する箇所には入力値が配置(表示)されていない。この状態で、ユーザがラベル「商品コード」を帳票項目名「商品No.」に対応付けた場合、左ペインにおいて、商品No.を記載する箇所に、ラベル「商品コード」の入力値である「AB0001」や「CD0010」等(
図6を参照)が配置(表示)される。
【0059】
ユーザは、所望する対応付けを完了した場合や対応付けに問題ないことを確認した場合、
図13に示された帳票編集画面の左ペインにおける「出力」ボタン又は「保存」ボタンを押下する。「出力」ボタンが押下されると、帳票編集画面において編集又は確認した候補帳票テンプレートに基づき帳票が出力される。また、「保存」ボタンが押下されると、帳票編集画面において編集した内容(編集した帳票定義)が保存(記憶)される。これより、編集操作を行ったユーザ以外の別のユーザも、この編集が行われた帳票テンプレート(帳票定義)を利用することが可能となる。なお、帳票定義の編集方法(作成方法)については、帳票定義生成部29の説明において詳細を後述する。帳票編集画面の左ペインにおける「キャンセル」ボタンが押下されると、帳票選択画面へ戻る(遷移する)。
【0060】
なお、上記では、入力データ選択画面において入力データを入力することで、帳票選択画面が表示される場合について例示した。但し、入力データの入力方法及び帳票選択画面の表示方法はこの例に限定されず、SFA(Sales Fоrce Automation)等のSaaS(Software as a Service)との連携を行うことによりSaas画面において入力データの入力(抽出)及びSaaS画面からの帳票選択画面への遷移(表示)を行うことも可能である。
【0061】
図14は、本実施形態における業務SaaS画面の一例を示す図である。例えば、
図14の業務SaaS画面において、入力データが入力された状態で、ユーザが「帳票出力」ボタンを押下することにより、帳票選択画面(
図10を参照)が表示される(遷移する)ようにしてもよい。なお、この場合、「帳票出力」ボタンが押下されると、データ取得部22が入力データをSaaSから取得(抽出)するようにしてもよい。なお、
図10から
図14に示す各画面は、各種画面の一例であり、各種画面は、
図10から
図14に示す画面構成に限定されず、他の構成を有する画面であってよい。
【0062】
条件受付部26は、帳票テンプレート絞り込み条件の指定を受け付ける。例えば、ユーザは、帳票選択画面において目的にあった帳票(候補帳票テンプレート)が表示されている場合、当該候補帳票テンプレートを選択し、帳票の出力を行う。一方、ユーザは、帳票選択画面において目的にあった候補帳票テンプレートが表示されていないと判断した場合、テンプレート情報(帳票種や、用紙向き等)及び対応付け結果を示す情報(使用回数や、対応付け割合、対応付け有無等)のうち少なくとも1つの情報に関する条件を帳票テンプレート絞り込み条件として指定(入力)する。例えば、ユーザは、
図10に示された帳票選択画面における「絞り込み条件」を指定する箇所において、帳票テンプレート絞り込み条件として「帳票種:請求書」を指定する。これより、条件受付部26は、帳票テンプレート絞り込み条件の指定を受け付ける。また、条件受付部26は、候補帳票テンプレートの表示順の変更入力を受け付ける。例えば、ユーザが、
図10に示された帳票選択画面における「表示順」を変更する箇所において、表示順を「一致率降順(対応付け割合が高い順)」から「一致率昇順」等に変更すると、条件受付部26は、この表示順の変更入力を受け付ける。
【0063】
選択受付部27は、候補帳票テンプレートを、複数の入力値が記載される帳票を作成するための帳票テンプレートとして選択する選択入力を受け付ける。選択受付部27は、例えば、
図10に示された帳票選択画面の左ペインに表示された複数の候補帳票テンプレートの中から、ユーザが候補帳票テンプレートを選択すると、この選択入力を受け付ける。また、選択受付部27は、ユーザによる「保存」ボタンや「出力」ボタン、「キャンセル」ボタン、「編集」ボタン等の選択(押下)を受け付ける。
【0064】
編集入力受付部28は、候補帳票テンプレートにおける帳票項目名とラベルとの対応付けに関するユーザからの編集入力(対応付けの変更、対応付けの削除、対応付けの追加)を受け付ける。編集入力受付部28は、例えば、上述したように
図13に示された帳票編集画面の右ペインにおいてユーザが対応付けの編集入力(編集操作)を行うと、当該編集入力を受け付ける。
【0065】
帳票定義生成部(帳票定義制御部)29は、帳票定義を生成(編集)する。帳票定義生成部29は、照合部23により又は帳票編集画面においてユーザにより対応付けられたラベルと帳票項目名との組み合わせに、ラベルと帳票項目名とが一致(完全一致)しない組み合わせがある場合、新たに帳票定義を生成する。まず、帳票定義生成部29は、選択された候補帳票テンプレートにおいて、照合部23による照合の結果又はユーザによる編集入力の内容において対応付けられたラベルと帳票項目名との組み合わせに、ラベルと帳票項目名とが一致しない組み合わせが存在する場合、当該候補帳票テンプレートについての帳票定義を複製する。そして、帳票定義生成部29は、帳票定義を複製した上で、ラベルと帳票項目名とが一致しない組み合わせに係る帳票項目名を、当該帳票項目名と対応付けられたラベルに変更することで、新たに帳票定義を生成する(帳票定義の編集(修正))。
【0066】
例えば、帳票名が「請求書1」の帳票テンプレートをユーザが選択した場合を想定する。この場合に、帳票定義「AAA」の帳票項目名「会社」とラベル「会社名」が照合部23により対応付けられたとする。この場合、対応付けられた帳票項目名「会社」とラベル「会社名」は一致(完全一致)しないため、帳票定義生成部29は、帳票定義「AAA」を複製した上で、複製した帳票定義における帳票項目名「会社」を、「会社名」に変更(置換)する。当該帳票テンプレートに、対応付けられた帳票項目名とラベルが一致しない組み合わせが他にもある場合は、同様に、帳票項目名をラベルで置換し、全ての置換が終了すると、帳票定義が新たに生成される。これにより、帳票定義を、入力データのラベルに基づきカスタマイズすることが可能となる。
【0067】
なお、本実施形態では、ユーザが、帳票の出力指示、又は、照合部23及び/又はユーザによる対応付け結果を反映した帳票定義の保存指示を行った場合に、上述の方法で新たに帳票定義が生成される。例えば、帳票選択画面(
図10を参照)における「出力」ボタンや、ダイアログ画面(
図11及び
図12を参照)における「出力」ボタン、帳票編集画面(
図13を参照)における「出力」ボタン又は「保存」ボタンがユーザにより押下された場合であり、且つ、ラベルと帳票項目名とが一致しない組み合わせが存在する場合に、新たに帳票定義が生成される。例えば、帳票編集画面においてユーザが対応付けを変更した後に、「出力」ボタン又は「保存」ボタンを押下すると、この変更された対応付けが反映された帳票定義が上述した方法により新たに生成される。但し、帳票定義を新たに生成するタイミングは、上述したタイミング(場合)に限定されない。そのため、例えば、帳票選択画面(
図10を参照)においてユーザが左ペインから候補帳票テンプレートを選択した際に、帳票定義が生成されてもよい。なお、新たに生成された帳票定義は、帳票定義記憶部21により記憶されるが、その際、帳票定義記憶部21は、この新たに生成された帳票定義を新たな帳票テンプレートの帳票定義として登録(記憶)するようにしてもよい。これより、この新たに生成された帳票定義(帳票テンプレート)を、次回以降の帳票定義(帳票テンプレート)の候補として使用することが可能となる。
【0068】
警告部30は、帳票が出力される際、対応付けの結果に応じた警告をユーザに対して行う。上述したように、警告部30は、出力する対象の帳票テンプレートにおいて、全てのラベルのうち、帳票項目名と類似したことで帳票項目名と対応付けられたラベルが一つでも存在する場合(チェックマークが表示される場合)、又は、対応付けられなかったラベル(又は帳票項目名)が少なくとも一つ存在する場合(警告マークが表示される場合)、そのまま(現状の対応付けの状態)で出力して良いか否かの警告を行う。例えば、上述の通り、警告部30は、そのまま出力して良いか否かの警告を行うためのダイアログを表示する(
図11及び
図12を参照)。
【0069】
出力設定部31は、ユーザから出力先や出力形式(プリンタ(印刷)や、PDF出力、エクセル出力等)の指定を受け付け、指定された出力先に(指定された出力形式で)帳票が出力されるよう出力設定(例えば、プリンタ設定(印刷設定)や、PDF出力先設定、エクセル出力先設定等)を行う。
【0070】
帳票出力部32は、帳票定義と入力データを合わせて帳票(帳票データ)を作成し出力する。ユーザにより選択された候補帳票テンプレートにおいてラベルと帳票項目名とが全て一致して対応付けられている場合に(状態で)「出力」ボタンが押下された場合を想定する。この場合、帳票出力部32は、選択された候補帳票テンプレートについての帳票定義と、入力データとに基づき、入力値が記載された帳票を作成し出力する。具体的には、帳票出力部32は、帳票項目名と対応付けられたラベルに対応する入力値が、当該入力値のラベルと対応付けられた帳票項目名に対応する表示態様に関する属性(帳票定義に定義された属性)に従って入力(配置)された帳票を作成し、出力する。なお、帳票出力部32は、
図5に示した帳票定義(項目の属性情報についての定義)に加え、上述した骨格情報を定義した定義(定義情報)に基づき、帳票を作成する。また、ユーザにより選択された候補帳票テンプレートにおいて対応付けられたラベルと帳票項目名との組み合わせに、ラベルと帳票項目名とが一致(完全一致)しない組み合わせが存在する場合に(状態で)「出力」ボタンが押下された場合を想定する。この場合、帳票出力部32は、選択された候補帳票テンプレートについての帳票定義が複製されることで新たに生成された帳票定義(帳票定義生成部29により生成された帳票定義)と入力データとに基づき、入力値が記載された帳票(紙媒体又はデータ)を出力する。この場合も上述のケースと同様の方法で作成された帳票を出力する。なお、帳票出力部32は、出力設定部31により設定された出力先に設定された出力形式で帳票を出力する。
【0071】
<処理の流れ>
なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の態様に応じて適宜選択されてよい。
【0072】
図15及び
図16は、本実施形態に係る帳票出力処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、情報処理装置1においてユーザから入力データが入力されたこと等を契機として開始される。例えば、
図7に示された入力データ選択画面においてユーザが入力データを選択したことを契機として開始される。
【0073】
ステップS101では、入力データのラベルと帳票項目名が読み込まれる。照合部23は、ユーザにより選択された入力データに含まれるラベルと、帳票定義記憶部21に記憶された複数種類の帳票テンプレートの各帳票テンプレートの帳票項目名の読み込みを行う。その後、処理はステップS102へ進む。
【0074】
ステップS102では、ラベルと帳票項目名との照合が行われる。照合部23は、帳票テンプレート毎に、ステップS101で読み込まれた入力データに含まれるラベル(複数のラベル)と、帳票テンプレートの帳票項目名(複数の帳票項目名)との照合を行う。この際、照合部23は、近似辞書照合技術及び/又は近似文字列照合技術を用いることで、入力データのラベルと類似する帳票項目名を検索する。そして、照合部23は、ラベルと帳票項目名との照合を行うことで、互いに一致又は類似するラベルと帳票項目名との対応付けを行う。これより、対応付け結果データ(中間データ、対応付けデータ)が生成され、照合結果記憶部24により対応付け結果データが記憶される。その後、処理はステップS103へ進む。
【0075】
ステップS103では、候補帳票テンプレートが表示される。提示部25は、複数の帳票テンプレートから、ステップS102における対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを、複数の入力値が記載される帳票を作成するための候補帳票テンプレートとしてユーザに提示(画面に表示)する。例えば、
図10に示された帳票選択画面が表示され、帳票選択画面の左ペインにおいて1又は複数の候補帳票テンプレートが表示される。候補帳票テンプレートの表示処理については、詳細を
図17で後述する。その後、処理はステップS104へ進む。
【0076】
ステップS104では、候補帳票テンプレートの選択と条件追加のどちらがユーザにより実行されたか判定される。ステップS103で表示された候補帳票テンプレートの中から1つの候補帳票テンプレートがユーザにより選択された場合、つまり、選択受付部27が、入力値が記載される帳票を作成するための帳票テンプレートとして、ある候補帳票テンプレートを選択する選択入力を受け付けた場合(ステップS104の「選択」)、処理はステップS106へ進む。一方、帳票テンプレート絞り込み条件が追加された場合、つまり、条件受付部26が、帳票テンプレート絞り込み条件の指定又は表示順の変更を受け付けた場合(ステップS104の「条件追加」)、処理はステップS105へ進む。
【0077】
ステップS105では、帳票テンプレート絞り込み条件に合う帳票テンプレートの絞り込み及び表示が行われる。提示部25は、ステップS104で条件受付部26が帳票テンプレート絞り込み条件の指定を受け付けた場合、当該絞り込み条件に該当するテンプレート情報及び/又は対応付け結果を示す情報を有する帳票テンプレートであり、且つ、対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを候補帳票テンプレートとしてユーザに提示(画面に表示)する。また、提示部25は、ステップS104で条件受付部26が表示順の変更を受け付けた場合、変更された表示順に従い、候補帳票テンプレートを表示する。その後、処理はステップS104へ戻る。
【0078】
ステップS106では、選択された候補帳票テンプレートが表示される。提示部25は、ステップS104で選択された候補帳票テンプレートに入力値を配置した状態で、当該候補帳票テンプレートをユーザに提示(画面に表示)する。まず、提示部25は、ユーザにより入力(選択)された入力データと、ステップS102で生成された対応付け結果データとを読み込む。そして、提示部25は、ステップS104で選択された候補帳票テンプレートの帳票定義(
図5を参照)と対応付けデータ(
図9)と入力データに基づき、当該候補帳票テンプレートに複数の入力値を配置した状態で当該候補帳票テンプレートを表示する。具体的には、対応付けデータにおいて帳票項目名(例:会社)と対応付けられているラベル(例:会社名)についての入力値(例:帳票株式会社)を、帳票定義において当該帳票項目名(例:会社)が示す帳票項目の属性(項目長や位置等)に応じて配置する。その後、処理はステップS107へ進む。
【0079】
ステップS107では、「出力」ボタンと「編集」ボタンのどちらがユーザにより押下されたか判定される。CPU11(選択受付部27)は、帳票選択画面(
図10を参照)において「出力」ボタンと「編集」ボタンのどちらがユーザにより押下されたか、つまり、ユーザが帳票の出力と帳票テンプレート(帳票定義)の編集のどちらを所望しているか否かを判定する。「出力」ボタンが押下されたと判定された場合(ステップS107の「出力」)、処理はステップS112へ進む。一方、「編集」ボタンが押下されたと判定された場合(ステップS107の「編集」)、処理はステップS108へ進む。
【0080】
ステップS108では、帳票編集画面の表示と編集入力の受付が行われる。提示部25は、帳票編集画面(
図13を参照)を表示する。また、ユーザによりラベルと帳票項目名との対応付けについての編集入力(対応付けの変更操作)が行われた場合、編集入力受付部28は、当該編集入力を受け付ける。その後、処理はステップS109へ進む。
【0081】
ステップS109では、「出力」ボタンと「保存」ボタンと「キャンセル」ボタンのうち、どのボタンがユーザにより押下されたか判定される。CPU11(選択受付部27)は、帳票編集画面(
図13を参照)において「出力」ボタンと「保存」ボタンと「キャンセル」ボタンのうちどのボタンがユーザにより押下されたか、つまり、ユーザが帳票の出力と、編集した帳票テンプレートの保存と、対応付け編集操作のキャンセルのうちどの操作を所望しているか否かを判定する。「出力」ボタンが押下されたと判定された場合(ステップS109の「出力」)、処理はステップS112へ進む。「保存」ボタンが押下されたと判定された場合(ステップS109の「保存」)、処理はステップS110へ進む。「キャンセル」ボタンが押下されたと判定された場合(ステップS109の「キャンセル」)、処理はステップS106へ戻る。
【0082】
ステップS110では、帳票定義が生成(修正)される。帳票定義生成部29は、ステップS104で選択された候補帳票テンプレートの帳票定義を複製し、その複製した帳票定義において、帳票項目名を対応付けられたラベルに置き換える(変更する)ことにより、新たに帳票定義を生成する。より具体的には、ステップS102で照合(対応付け)が行われた結果及びステップS108で受け付けられた編集入力の内容における対応付けの結果に従い、複製された帳票定義の修正を行う。例えば、ステップS102で生成された対応付けデータを、ステップS108で受け付けられた編集入力の内容(対応付けの変更)に基づき変更及び保存した上で、その保存された対応付けデータに従い、複製された帳票定義を修正する。これより、ユーザにより入力されたラベルを帳票項目名とする帳票定義を自動で生成することができる。その後、処理はステップS111へ進む。
【0083】
ステップS111では、生成(修正)された帳票定義が保存される。帳票定義記憶部21は、ステップS110で生成された帳票定義を保存(記憶)する。その後、処理はステップS106へ戻る。
【0084】
ステップS112では、ラベルと帳票項目名とが全て完全一致しているかが判定される。CPU11(帳票定義生成部29)は、ステップ108で編集入力が受け付けられた結果、対応付けられたラベルと帳票項目との全ての組合せにおいて、ラベルと帳票項目名とが完全に一致しているかどうかを判定する。全ての組合せにおいて完全に一致している場合(ステップS112のYES)、処理はステップS115へ進む。一方、全ての組合せにおいて完全に一致していない場合(ステップS112のNO)、処理はステップS113へ進む。
【0085】
ステップS113では、帳票定義が生成(修正)される。ステップS113における処理内容は、ステップS110における処理内容と概略同様であるため、説明を省略する。その後、処理はステップS114へすすむ。
【0086】
ステップS114では、生成(修正)された帳票定義が保存される。帳票定義記憶部21は、ステップS113で生成された帳票定義を保存(記憶)する。その後、処理はステップS115へ進む。
【0087】
ステップS115では、出力先や出力形式等の出力設定が行われる。ユーザにより出力先や出力形式(プリンタ(印刷)、PDF出力等)が指定(選択)されると、出力設定部31は、指定された出力先や出力形式に基づく出力設定を行う。その後、処理はステップS116へ進む。
【0088】
ステップS116では、帳票が出力される。帳票出力部32は、帳票定義と入力データとを合わせて帳票を作成し、ステップS115で設定された出力先に(出力形式で)当該帳票を出力する。なお、ユーザがステップS104で選択した候補帳票テンプレートについて対応付けられた帳票項目名とラベルの全ての組合せにおいて帳票項目名とラベルとが一致(完全一致)している場合、帳票定義は新たに生成されないため、この場合は、この選択された帳票テンプレートについて予め記憶されている帳票定義に従い複数の入力値を配置する(帳票定義と入力データを対応付ける)ことで帳票(電子帳票)を生成し出力する。一方、ユーザがステップS104で選択した帳票テンプレートについて対応付けられた帳票項目名とラベルの全ての組合せにおいて帳票項目名とラベルとが一致しない組み合わせが1つでも存在する場合(類似した場合等)は、対応付け結果に基づき帳票定義が新たに生成されるため、この場合は、この新たに生成された帳票定義に従い複数の入力値を配置することで帳票(電子帳票)を生成し出力する。つまり、この場合は、ステップS110やステップS113で生成されステップS111やステップS114で保存された帳票定義を用いることで帳票が生成される。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0089】
図17は、本実施形態における候補帳票テンプレート表示処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、
図15に示したステップS102の処理が終了したことを契機として開始される。なお、本フローチャートでは、帳票項目名との対応付けが出来たラベルの割合が高い方から選出される所定数(10個)の帳票テンプレートであること(但し、同一の対応付け割合の場合は、帳票項目名と一致したことで対応付けられたラベルの割合が高い方が優先される)を所定の条件とする。但し、上述の通り、所定の条件は当該条件に限定されず、任意の条件を設定可能である。
【0090】
ステップS1031では、帳票項目名とラベルとの対応付け割合が高い順に帳票テンプレートが並べられる。提示部25は、ステップS102における対応付けの結果、帳票項目名とラベルとの対応付け割合(例えば、全ラベル数に対する、帳票項目名との対応付けが可能であったラベルの数の割合)が高い順に、複数の帳票テンプレートを並べる。この際、提示部25は、ステップS102で生成された対応付け結果データを読み込むことにより、対応付け割合を参照するようにしてよい。その後、処理はステップS1032へ進む。
【0091】
ステップS1032では、対応付け割合が同一である帳票テンプレートが存在する場合、帳票項目名と一致(完全一致)したラベルの割合が高い順に帳票テンプレートが並べられる。提示部25は、ステップS102における対応付けの結果、帳票項目名とラベルとの対応付け割合が同数である帳票テンプレートが複数あった場合、これら複数の帳票テンプレートについては、帳票項目名とラベルとが一致している割合(例えば、全ラベル数又は対応付けが可能であったラベルの数に対する、帳票項目名と一致することで対応付けられたラベルの数の割合)が高い順に並べる(並べなおす)。この際、提示部25は、ステップS102で生成された対応付け結果データを読み込むことにより、一致した割合(完全一致有無など)を参照する。その後、処理はステップS1033へ進む。
【0092】
ステップS1033では、並べられた帳票テンプレートから昇順に所定数表示される。提示部25は、ステップS1031及びステップS1032の処理により並べられた複数の帳票テンプレートから、昇順に(先頭から順に)所定数(例えば10個)選択し、選択された所定数の帳票テンプレートを候補帳票テンプレートとしてユーザに提示(画面に表示)する。例えば、
図10に示された帳票選択画面の左ペインにおいて候補帳票テンプレートが表示される。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0093】
以上より、本実施形態によれば、互いに一致又は類似する入力データのラベルと帳票定義の帳票項目名との対応付けを行い、対応付けの結果が所定の条件に該当する帳票テンプレートを候補帳票テンプレートとしてユーザに提示することで、入力したいデータに適した帳票テンプレートをユーザに提示することが可能である。つまり、入力データから、入力データに適した(最適な)帳票テンプレートを提示することが可能となる。また、本実施形態によれば、入力データ(入力値)が配置された状態で候補帳票テンプレートを提示(表示)するため、帳票の出力イメージを表示させることが可能となり、ユーザは事前に出力イメージを確認することが可能となる。また、本実施形態によれば、ユーザは、入力データを用意し、UI上で表示(提示)された帳票イメージ(帳票テンプレート)から出力したい帳票イメージを選択する(「出力」ボタン等を押下する)ことで帳票を作成することが可能であるため、容易に帳票を生成することが可能である。そして、ユーザは、出力先の設定を行えば、容易に帳票出力を行うことが可能である。
【0094】
また、本実施形態によれば、ユーザが、UI上で表示(提示)された帳票イメージ(帳票テンプレート)から出力したい帳票イメージを選択する(「出力」ボタン等を押下する)と、必要に応じて帳票定義が自動で生成されるため、詳細な帳票定義をユーザ自身が行うという手間を削減することが可能となり、帳票設計を効率化することが可能である。これより、ユーザは、事前に入力データに合わせて帳票定義を生成又は編集することなく、帳票を生成(出力)することが可能である。つまり、ユーザは、帳票定義を意識することなく、帳票生成(帳票出力)することが可能である。以上より、本実施形態によれば、ユーザは、帳票を容易に作成することが可能である。
【0095】
[第二の実施形態]
上述した第一の実施形態では、照合部23により、複数の帳票テンプレートの夫々について、帳票項目名とラベルとの照合が行われる実施の形態について説明した。本実施形態では、照合部23により照合が行われる対象の帳票テンプレートの絞り込みを行い、絞り込まれた帳票テンプレートについてのみ、帳票項目名とラベルとの照合を行う実施の形態について説明する。なお、本実施形態に係るシステムの構成及び処理フローについては、上記説明した第一の実施形態と概略同様であるため、説明を省略する。但し、本実施形態では、
図15の処理フローにおいて、ステップS101とステップS102の間で、照合対象となる帳票テンプレートの絞り込み処理(以下に示す、照合対象選出部34による照合対象選出処理)を行うこととする。以下、本実施形態に係る機能構成について説明する。
【0096】
図18は、本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の概略を示す図である。情報処理装置1bは、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されて、情報処理装置1bに備えられた各ハードウェアが制御されることで、帳票定義記憶部21、データ取得部22、照合部23、照合結果記憶部24、提示部25、条件受付部26、選択受付部27、編集入力受付部28、帳票定義生成部29、警告部30、出力設定部31及び帳票出力部32に加え、帳票種別記憶部33及び照合対象選出部34を備える。なお、本実施形態における帳票定義記憶部21、データ取得部22、照合部23、照合結果記憶部24、提示部25、条件受付部26、選択受付部27、編集入力受付部28、帳票定義生成部29、警告部30、出力設定部31及び帳票出力部32は、
図3を参照して第一の実施形態において説明した内容と概略同様であるため説明を省略する。以下、第一の実施形態と異なる点について説明する。
【0097】
帳票種別記憶部33は、帳票種別(請求書や、納品書、注文書、カード形式、領収書、伝票等)と、当該帳票種別に関する少なくとも1つの帳票項目名である帳票種別項目名とを対応付けて記憶する。例えば、帳票種別(テンプレート種別)である請求書、納品書、及び注文書については、帳票種別項目名である「郵便番号」、「住所」、「会社名」、「商品コード」、「商品名」、「数量」、及び「単価」を対応付けて記憶する。また、その他の例では、帳票種別である領収書については、帳票項目名である「会社名」と「名前」とを対応付けて記憶する。なお、帳票種別項目名は、上述した帳票定義における帳票項目名自体であってもよいし、例えば、帳票種別(複数の帳票種別の夫々)において使用されている帳票項目名を代表する項目名であってもよい。
【0098】
照合対象選出部34は、複数の帳票テンプレートから、複数のラベルとの照合を行う対象となる帳票テンプレートを選出する。照合対象選出部34は、入力データに含まれるラベルに基づき、照合対象となる帳票テンプレート(以下、「照合対象テンプレート」と称する)を選出する。以下、ラベルを用いて照合対象テンプレートを選出する方法として2つの方法を例示する。
【0099】
一つ目の方法は、入力データのラベルに基づき、入力データに適した帳票種別を特定(ユーザが作成したい帳票種別を推定)し、特定された帳票種別に該当する帳票テンプレートを照合対象テンプレートとして選出する方法である。具体的には、照合対象選出部34は、帳票種別記憶部33により記憶された帳票種別項目名(複数の帳票種別項目名)とラベル(複数のラベル)との照合を行うことで、複数のラベルに適した(対応する)帳票種別を特定する。
【0100】
図19は、本実施形態における帳票種別の特定方法を説明するための図である。
図19では、入力データに複数のラベル「郵便番号」、「住所」、「会社名」、「名前」、「商品コード」、「商品名」、「数量」及び「単価」が含まれている場合を例示する。また、
図19では、帳票種別記憶部33により、帳票種別である請求書、納品書、及び注文書と対応付けて帳票種別項目名である「郵便番号」、「住所」、「会社名」、「商品コード」、「商品名」、「数量」及び「単価」が記憶され、帳票種別であるカード形式と対応付けて帳票種別項目名である「郵便番号」、「住所」、「会社名」、「名前」が記憶され、帳票種別である領収書と対応付けて帳票種別項目名である「会社名」、「名前」が記憶され、帳票種別である伝票と対応付けて帳票種別項目名である「会社名」、「商品コード」、「商品名」、「数量」及び「単価」が記憶されている場合を例示する。
【0101】
この場合、照合対象選出部34は、帳票種別又は帳票種別グループ(同一の帳票種別項目名のセットを有する帳票種別からなるグループであり、例えば、
図19における請求書、納品書及び注文書からなるグループ)毎に、ラベル(複数のラベル)と帳票種別項目名(複数の帳票種別項目名)との照合を行う。そして、照合対象選出部34は、帳票種別項目名と一致(完全一致)したラベルの数が最も多い帳票種別を、入力データに適した帳票種別(複数のラベルに対応する帳票種別)として決定する。例えば、
図19の例では、帳票種別(帳票種別グループ)である請求書、納品書及び注文書において、帳票種別項目名とラベルとが最も一致(7項目(ラベル)において一致)しているため、入力データに適した帳票種別が、請求書、納品書及び注文書と特定される。そして、照合対象選出部34は、特定された帳票種別に該当する帳票テンプレートを照合対象テンプレートとして選出する。
【0102】
なお、上記では、照合の際、帳票種別項目名と一致したラベルの数に基づき帳票種別を特定する場合について例示したが、照合部23において説明した近似辞書照合技術及び/又は近似文字列照合技術を用いることで、帳票種別項目名と一致又は類似したラベルの数に基づき帳票種別を特定してもよい。
【0103】
二つ目の方法では、照合対象選出部34は、ラベルの数と帳票項目名の数との差に基づき、照合対象テンプレートを選出する。具体的には、照合対象選出部34は、複数の帳票テンプレートから、入力データに含まれる(入力値に対応する)ラベルの数と帳票定義に含まれる帳票項目名の数との差分が所定数以下である帳票テンプレートを少なくとも1つ抽出し、抽出された帳票テンプレートを、照合対象テンプレートとして選出する。例えば、ラベルの数と帳票項目名の数との差が4つ以下の帳票テンプレートのみを、照合対象テンプレートとして選出する。なお、この方法を採用する場合、本実施形態における情報処理装置1は、必ずしも帳票種別記憶部33を備えなくてよい。
【0104】
そして、照合対象選出部34により照合対象テンプレートが選出されると、照合部23は、選出された照合対象帳票テンプレート(の夫々)について、帳票項目名(複数の帳票項目名)とラベル(複数のラベル)との照合を行う。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理装置