(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133768
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】センタ装置及び対話システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043731
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 裕之
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信すること、さらには、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信することが可能な対話システムを提供する。
【解決手段】センタ装置は、一方の軸が時間を表し他方の軸が確率を表す座標系に、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示し、オペレータが前記プロファイルに関する前記ユーザへの対応タイミングを設定するための設定オブジェクトを、前記グラフ上の前記対応タイミングに相当する時間位置を示すようにオーバーレイ表示する支援手段を具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の軸が時間を表し他方の軸が確率を表す座標系に、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示し、オペレータが前記プロファイルに関する前記ユーザへの対応タイミングを設定するための設定オブジェクトを、前記グラフ上の前記対応タイミングに相当する時間位置を示すようにオーバーレイ表示する支援手段
を具備するセンタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンタ装置であって、
前記支援手段は、前記設定オブジェクトを、前記オペレータが異なる時間位置に移動可能に、前記オペレータが使用するオペレータ装置に表示する
センタ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記支援手段は、複数の異なるカテゴリのプロファイルを示す複数のグラフを異なる表示態様で表示し、前記設定オブジェクトを、対象のカテゴリのプロファイルを示すグラフの表示態様に対応する表示態様で表示する
センタ装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記支援手段は、前記設定オブジェクトの前記グラフ上の時間位置を、前記プロファイルの確率の値に基づき設定し、設定した前記時間位置に前記設定オブジェクトを表示する
センタ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のセンタ装置であって、
前記支援手段は、
前記設定オブジェクトの前記グラフ上の時間位置を設定するとき、さらに、他の設定オブジェクトが示す時間位置を考慮して設定する
センタ装置。
【請求項6】
請求項3に記載のセンタ装置であって、
前記支援手段は、
前記複数の異なるカテゴリのプロファイルに関する複数の設定オブジェクトのうち、前記対応タイミングが略同時となる複数の設定オブジェクトを1個にまとめた複合設定オブジェクトを表示し、
前記複合設定オブジェクトの表示態様は、前記まとめた複数の設定オブジェクトそれぞれの表示態様を含むものとする
センタ装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記ユーザの状態は、前記ユーザの生活習慣に関する行動を含み、
前記プロファイルは、前記行動が生じる時間帯ごとの確率を表すデータである
センタ装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記センタ装置は、ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と通信可能であり、
ユーザに対するメッセージを前記端末装置に送信する送信手段をさらに具備し、
前記支援手段は、前記設定オブジェクトが示す時間位置の対応タイミングで、前記プロファイルに関するメッセージを前記送信手段に送信させる
センタ装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記支援手段は、前記設定オブジェクトが操作されると、前記設定オブジェクトが示す時間位置の対応タイミングで送信されるメッセージの設定を支援する
センタ装置。
【請求項10】
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能なセンタ装置と、
を具備する対話システムであって、
前記センタ装置は、
ユーザに対するメッセージを前記端末装置に送信する送信手段と、
一方の軸が時間を表し他方の軸が確率を表す座標系に、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示し、オペレータが前記プロファイルに関する前記ユーザへの対応タイミングを設定するための設定オブジェクトを、前記グラフ上の前記対応タイミングに相当する時間位置を示すようにオーバーレイ表示し、前記設定オブジェクトが示す時間位置の対応タイミングで、前記プロファイルに関するメッセージを前記送信手段に送信させる支援手段と、
を有し、
前記端末装置は、前記メッセージを受信し出力する応答出力手段を有する
対話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声の入出力機能を持つ端末装置を用いた対話システム及びセンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
孤独感は認知症等の重大な健康リスクにつながる要因であるが、独居世帯(特に高齢者の独居)の増加と昨今の感染症蔓延リスクの増大とが相まって孤独感が生じやすい状況にあり、孤独感の解消は重要な社会課題となっている。孤独感の解消には雑談等の日常対話が有効と考えられる。
【0003】
そこで、近年、特に独居の高齢者宅に音声の入出力機能を持つ機器(例えば対話型ロボット)を設置して、当該機器を介して音声での雑談等の日常対話をすることで孤独感を解消するコミュニケーションサービスが提案されている。
【0004】
そのシステムでは、ユーザが自宅の機器に話しかけると、その内容が音声認識技術により文字列化されて、サービスを提供する業者の管理センタにメッセージ送信される。管理センタでは、当該メッセージの受信に気が付いたオペレータがセンタ装置に返事を入力して、それがユーザ側に返信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人手を介した対話サービスや、コミュニケーションロボットによる自動応答対話サービスが行われている。しかし、労働力人口減少に伴う人手不足も同様に社会課題となっており、オペレータの人手による対応には限界がある。一方、人手を介さないコミュニケーションロボットは、対話の質が低い(例えば、ユーザの生活習慣にマッチしない内容のメッセージを発信する)ことにより、ユーザから敬遠される可能性がある。また、ユーザの生活習慣にマッチしないタイミングでメッセージを発信する(例えば、起床後数時間経過してから「おはよう」と発信する)ことにより、ユーザから敬遠される可能性がある。
【0007】
特許文献1は、ユーザの生活習慣や生活状況に合わせた睡眠改善支援を実現する睡眠改善システムを開示する。睡眠状態検出部25は、ユーザの過去の睡眠情報から、曜日・週単位の睡眠の状態を抽出する(0048段落、
図4及び
図5)。メッセージの種類選定部291は、睡眠状態評価部28での評価や、日中QOL評価データベースに格納されているデータに基づいて「今日は眠気がありましたか?どの程度の眠気でしたか?」等のメッセージを作成する。(0062-0064段落)。メッセージのタイミング選定部292では、メッセージの出力(スマートフォン等への表示)タイミングを、生活習慣検出部26及び生活状況検出部27における検出結果や、睡眠情報から推定された忙しさの情報に基づいて選定する(0075段落)。例えば、起床時刻に関して、不就労日に早く起きるユーザの場合にはメッセージを早めに出力するよう、また、遅めに起きるユーザの場合にはメッセージを遅めに出力するようなタイミングが選定される(0077段落)。
【0008】
睡眠、食事、入浴等の、日々繰り返される様々な複数種類の生活習慣に関して、定期的に所定時刻にコミュニケーションロボットが発する声掛けのためのメッセージを設定する場合、声掛けの日時(タイミング)とメッセージ内容とをユーザごとに設定するのが望ましい。
【0009】
しかしながら、ユーザ個人の生活習慣を考慮したタイミングで、かつ、ユーザの生活習慣を考慮した内容のメッセージを設定し発信することは困難である。特に、睡眠、食事、入浴等の、様々な複数種類の生活行動がある場合、それぞれの生活行動(例えば入浴)に干渉しないタイミングで、別の生活行動(例えば食事)に関する声かけメッセージを発信するのが望ましい。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信すること、さらには、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信することが可能な対話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係るセンタ装置は、
一方の軸が時間を表し他方の軸が確率を表す座標系に、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示し、オペレータが前記プロファイルに関する前記ユーザへの対応タイミングを設定するための設定オブジェクトを、前記グラフ上の前記対応タイミングに相当する時間位置を示すようにオーバーレイ表示する支援手段
を具備する。
【0012】
これにより、ユーザのプロファイルについて、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率のグラフに設定オブジェクトをオーバーレイ表示することで、人的な負担を減らしつつ、ユーザにマッチしたメッセージ発信タイミングの設定を支援できる。
【0013】
前記支援手段は、前記設定オブジェクトを、前記オペレータが異なる時間位置に移動可能に、前記オペレータが使用するオペレータ装置に表示してもよい。
【0014】
例えば、オペレータは、オペレータ装置のディスプレイに表示されたGUI上で、設定オブジェクトをドラッグアンドドロップすることで、設定オブジェクトを座標系の時間軸に沿って横軸方向に移動し、時間位置をマニュアルで変更することが可能である。これにより、個々のユーザの生活習慣にさらに柔軟に対応して適切なタイミングでメッセージを発信することを支援できる。
【0015】
前記支援手段は、複数の異なるカテゴリのプロファイルを示す複数のグラフを異なる表示態様で表示し、前記設定オブジェクトを、対象のカテゴリのプロファイルを示すグラフの表示態様に対応する表示態様で表示してもよい。
【0016】
これにより、同じカテゴリのグラフと設定オブジェクトは対応する表示態様で表示され、異なるカテゴリのグラフ及び設定オブジェクトは異なる表示態様で表示されるので、オペレータが視覚的に識別しやすい。
【0017】
前記支援手段は、前記設定オブジェクトの前記グラフ上の時間位置を、前記プロファイルの確率の値に基づき設定し、設定した前記時間位置に前記設定オブジェクトを表示してもよい。
【0018】
これにより、適切なタイミングでメッセージを発信することを支援できる。
【0019】
前記支援手段は、
前記設定オブジェクトの前記グラフ上の時間位置を設定するとき、さらに、他の設定オブジェクトが示す時間位置を考慮して設定してもよい。
【0020】
これにより、例えば他の設定オブジェクトと時間的に近い設定オブジェクトを設定しないようにでき、生活行動が時間的に近くに発生する可能性がある場合に、互いに矛盾する内容などのメッセージを発信する可能性が減るため、それぞれ適切なタイミングで適切な内容のメッセージを発信できる。
【0021】
前記支援手段は、
前記複数の異なるカテゴリのプロファイルに関する複数の設定オブジェクトのうち、前記対応タイミングが略同時となる複数の設定オブジェクトを1個にまとめた複合設定オブジェクトを表示し、
前記複合設定オブジェクトの表示態様は、前記まとめた複数の設定オブジェクトそれぞれの表示態様を含むものとしてもよい。
【0022】
これにより、複数のカテゴリの生活行動が時間的に近くに発生する可能性がある場合に、適切なタイミングで適切な内容のメッセージを発信できる。
【0023】
前記ユーザの状態は、前記ユーザの生活習慣に関する行動を含み、
前記プロファイルは、前記行動が生じる時間帯ごとの確率を表すデータでもよい。
【0024】
ユーザのプロファイルがユーザの行動が生じる時間帯ごとの確率を表すデータであれば、本実施形態を適用可能である。
【0025】
前記センタ装置は、ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と通信可能であり、
ユーザに対するメッセージを前記端末装置に送信する送信手段をさらに具備し、
前記支援手段は、前記設定オブジェクトが示す時間位置の対応タイミングで、前記プロファイルに関するメッセージを前記送信手段に送信させてもよい。
【0026】
これにより、人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信すること、さらには、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信することができる。
【0027】
前記支援手段は、前記設定オブジェクトが操作されると、前記設定オブジェクトが示す時間位置の対応タイミングで送信されるメッセージの設定を支援してもよい。
【0028】
これにより、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信するのを支援することができる。
【0029】
本発明の一形態に係る対話システムは、
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能なセンタ装置と、
を具備する対話システムであって、
前記センタ装置は、
ユーザに対するメッセージを前記端末装置に送信する送信手段と、
一方の軸が時間を表し他方の軸が確率を表す座標系に、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示し、前記プロファイルに関する前記ユーザへの対応タイミングを設定するための設定オブジェクトを、前記グラフ上の前記対応タイミングに相当する時間位置を示すようにオーバーレイ表示し、前記設定オブジェクトが示す時間位置の対応タイミングで、前記プロファイルに関するメッセージを前記送信手段に送信させる支援手段と、
を有し、
前記端末装置は、前記メッセージを受信し出力する応答出力手段を有する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信すること、さらには、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信することができる。
【0031】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態に係る対話システムの構成を示した図である。
【
図2】上記対話システムが有するセンタ装置のハードウェア構成を示した図である。
【
図3】支援手段により表示されるGUIの一例を示す。
【
図4】支援手段により表示されるダイアログボックスの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0034】
1.対話システムの構成
【0035】
図1は、本実施形態に係る対話システムの構成を示した図である。
【0036】
対話システム10は、主に雑談等の日常会話が行われるコミュニケーションサービスを実現する。対話システム10は、応答をマニュアル化しにくく、多様な応答が想定され、また、複数のユーザとの継続的な雑談等の日常会話を実現する。対話システム10は、オペレータの人手を介さずとも実現可能な製品案内や契約手続き等での自動応答システムとは異なり、共感等の感情や意思が重要であるため対話の質を担保するにはオペレータの人手が欠かせない。
【0037】
睡眠、食事、入浴等の、日々繰り返される様々な複数種類の生活習慣に関して、定期的に所定時刻にコミュニケーションロボットが発する声掛けのためのメッセージを設定する場合、声掛けの「日時」と「メッセージ内容」をユーザごとに設定するのが望ましい。しかし、ユーザ個人の生活習慣などを考慮して設定するのは難しく、ユーザの生活習慣を考慮したタイミングで、かつ、ユーザの生活習慣を考慮した内容のメッセージを発信することは困難である。特に、睡眠、食事、入浴等の、様々な複数種類の生活行動がある場合、それぞれの生活行動(例えば入浴)に干渉しないタイミングで、別の生活行動(例えば食事)に関する声かけメッセージを発信するのが望ましい。
【0038】
この様に、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信するにはオペレータの人手が欠かせない。さらに、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信するにはオペレータの人手が欠かせない。
【0039】
対話システム10は、対話システム10によるサービスを提供する事業者により管理されるサーバ装置としてのセンタ装置100及びセンタ装置100と接続されたオペレータ装置160と、センタ装置100と通信可能にネットワーク接続された複数の端末装置200とで構成される。
【0040】
端末装置200は、本システムのユーザ(例えば高齢者等)宅に設置される。端末装置200は、入力手段201と、メッセージ送信手段202と、応答出力手段203と、を有する。入力手段201は、マイクMからユーザからのメッセージである音声データのユーザメッセージを入力する。メッセージ送信手段202は、入力手段201にて入力されたユーザメッセージを、ネットワークを通じてセンタ装置100に送信する。応答出力手段203は、ユーザメッセージに対する応答メッセージを、ネットワークを通じてセンタ装置100から受信し、スピーカSからユーザに音声で出力する。端末装置200は、ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う。
【0041】
端末装置200は、少なくとも上記の構成要素を有していればよいが、ユーザにとって人との対話(特に、雑談等の日常会話)を想起でき、親しみを持てるような外見として小型の人形を模した対話ロボットであってもよい。
【0042】
センタ装置100は、本対話システム10によるサービスを提供する事業者により管理され、少なくとも受信手段101と、支援手段102と、メッセージ生成手段103と、送信手段104と、を有する。またそれら手段を制御する制御手段を有する。これらは適宜周知なハードウェア(いわゆるサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ)や記憶手段140に記憶されるソフトウェアにより実現される。
【0043】
記憶手段140は、支援情報141を記憶する。
【0044】
支援情報141は、オペレータがユーザ毎に声掛けのタイミングを設定するのを支援するための、オペレータ装置160に表示されるGUIを生成するための情報である。GUIの詳細は後述する。
【0045】
オペレータ装置160は、本対話システム10によるサービスを提供する事業者により管理され、センタ装置100が受信したユーザメッセージに対する応答メッセージの候補である応答候補を、オペレータに向けて表示する。センタ装置100とオペレータ装置160とは、サーバとクライアントとの関係にある。
【0046】
なお、センタ装置100とオペレータ装置160とをハードウェア的に一体化してもよい。
【0047】
2.センタ装置のハードウェア構成
【0048】
図2は、上記センタ装置100のハードウェア構成を示した図である。
【0049】
同図に示すように、センタ装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0050】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらセンタ装置100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種評価指標などのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0051】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0052】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0053】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。
【0054】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSのほか、スケジュール情報や、各種フラグ類、評価指標類、センタ装置100の各手段を実現するソフトウェア類が記憶される。また、記憶部18は、応答メッセージ生成を含む端末装置200とのメッセージのやり取りのためのアプリケーションその他のプログラム及びデータベースを記憶している。
【0055】
通信部19は、例えばEthernet(登録商標)用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記端末装置200との間の通信処理を担う。
【0056】
オペレータ装置160及び端末装置200のハードウェア構成も基本的には上記センタ装置100のハードウェア構成と同様であるが、端末装置200は、上述のように前面にマイクM及びスピーカSを有する。
【0057】
3.GUI
【0058】
図3は、支援手段102により表示されるGUIの一例を示す。
【0059】
(1)GUIの表示態様
【0060】
支援手段102は、GUI300を表示する。GUI300は、ユーザ毎に個別に異なる。GUI300は、座標系302と、グラフ301と、設定オブジェクト303とを含む。座標系302は、一方の軸(横軸)が時間を表し他方の軸(縦軸)がユーザの状態の確率を表す。支援手段102は、座標系302に、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフ301を表示する。
【0061】
座標系302の横軸に示される時間は、
図3の例では、横軸全体を1日(24時間)として、時刻(1時間毎)を示す。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1週として、日(24時間毎)を示してもよい。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1か月として、週(7日毎)を示してもよい。
【0062】
ユーザの状態は、ユーザの生活習慣に関する行動を含み、プロファイルは、行動が生じる時間帯ごとの確率を表すデータである。プロファイルは、行動、気分、活発さ及び/又は身体の症状のデータである。
図3の例では、プロファイルは、生活習慣に関する行動(睡眠、食事、入浴)のデータであり、ユーザの状態の確率として行動確率を持つ。行動確率は、特定の時間に特定の行動をしている確率であり、0以上1.0以下の値で表現される。行動確率が0に近いほど、特定の時間に特定の行動をしている可能性が低く、行動確率が1.0に近いほど、特定の時間に特定の行動をしている可能性が高い。ユーザのプロファイルが時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つデータであれば、本実施形態を適用可能である。
【0063】
グラフ301は、複数の異なるカテゴリのプロファイルを示す複数のグラフ301である、睡眠グラフ301A、食事グラフ301B、入浴グラフ301Cを含む。各グラフ301は、生活習慣に関する行動(睡眠、食事、入浴)のデータ(プロファイル)それぞれについて、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率をグラフ化したものである。各グラフ301は、それぞれ、1以上のピーク値304を含む。本実施形態で、ピーク値304は、各グラフ301の正の方向(0から1.0に向かう方向)に突出する山型の頂点であって、所定の閾値(例えば、0.4)より大きい値を持つ。睡眠グラフ301Aは、ピーク値304A1、304A2、304A3を含む。食事グラフ301Bは、ピーク値304B1、304B2、304B3を含む。入浴グラフ301Cは、ピーク値304C1を含む。
【0064】
支援手段102は、設定オブジェクト303を、座標系302上のグラフ301上のユーザへの対応タイミングに相当する時間位置を示すようにオーバーレイ表示する。
図3の例では、設定オブジェクト303は、バーの形であるが、他の形状でもよい。設定オブジェクト303は、プロファイルに関するユーザへの対応タイミングをオペレータが設定するために用いられる。声掛けとは、習慣的な内容のメッセージを端末装置200から音声で出力することを意味する。設定オブジェクト303は、複数の異なるカテゴリのプロファイルに関する複数の異なる設定オブジェクト303である、睡眠設定オブジェクト303A、食事設定オブジェクト303B1、303B2、入浴設定オブジェクト303Cを含む。設定オブジェクト303は、さらに、複合設定オブジェクト303Dを含む。複合設定オブジェクト303Dは、複数の異なるカテゴリのプロファイル(睡眠、食事)に関する複数の設定オブジェクト303のうち、対応タイミングが略同時となる複数の設定オブジェクト303(睡眠設定オブジェクト303A、食事設定オブジェクト303B)を1個にまとめたものである。複合設定オブジェクト303Dの表示態様は、まとめた複数の設定オブジェクト(睡眠設定オブジェクト303A、食事設定オブジェクト303B)それぞれの表示態様を含むものとする。これにより、生活習慣に関する行動(睡眠、食事、入浴)のデータ(プロファイル)それぞれについて、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率のグラフ301(特に、ピーク値304を含む山型のグラフ301)に設定オブジェクト303をオーバーレイ表示することで、人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信するのを設定することができる。
【0065】
支援手段102は、複数の異なるカテゴリ(睡眠、食事、入浴)のプロファイルを示す睡眠グラフ301A、食事グラフ301B、入浴グラフ301Cを異なる表示態様で表示する。異なる表示態様は、例えば、異なる色、異なるハッチングパターン等である。支援手段102は、設定オブジェクト303を、対象のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301の表示態様に対応する表示態様で表示する。このため、複数の異なるカテゴリの設定オブジェクト303は、異なる表示態様で表示される。これにより、同じカテゴリのグラフ301と設定オブジェクト303は対応する表示態様で表示され、異なるカテゴリのグラフ301及び設定オブジェクト303は表示態様で表示されるので、オペレータが視覚的に識別しやすい。
【0066】
具体的には、支援手段102は、睡眠設定オブジェクト303Aを、睡眠グラフ301Aの表示態様と同一又は類似の表示態様で表示する。支援手段102は、食事設定オブジェクト303B1、B2を、食事グラフ301Bの表示態様と同一又は類似の表示態様で表示する。支援手段102は、入浴設定オブジェクト303Cを、入浴グラフ301Cの表示態様と同一又は類似の表示態様で表示する。このため、睡眠設定オブジェクト303A、食事設定オブジェクト303B1、B2及び入浴設定オブジェクト303Cは、それぞれ異なる表示態様で表示される。
【0067】
さらに、支援手段102は、複数の異なるカテゴリのプロファイルに関する1個の設定オブジェクト303を表示し、ここで、1個の設定オブジェクト303を、複数の異なるカテゴリのプロファイルに関する複数のグラフ301の表示態様に対応する複数の表示態様で表示する。具体的には、支援手段102は、複数の異なるカテゴリ(睡眠、食事)のプロファイルに関する1個の複合設定オブジェクト303Dを表示し、ここで、複合設定オブジェクト303Dを、睡眠グラフ301A及び食事グラフ301Bの2種類の表示態様と同一又は類似の2種類の表示態様(2種類のハッチングの組み合わせ)で表示する。これにより、複数のカテゴリの生活行動(例えば、睡眠、食事)が時間的に近くに発生する可能性がある場合に、異なるカテゴリの生活行動を行っているタイミングで別のカテゴリの生活行動に関するメッセージを(例えば、睡眠中に食事に関するメッセージを)発信する可能性が減るため、適切なタイミングで適切な内容のメッセージを発信できる。
【0068】
(2)声掛けの時間位置の設定
【0069】
支援手段102は、初期値として、設定オブジェクト303の時間位置を、この設定オブジェクト303に対応するプロファイルを示すグラフ301のユーザの状態の確率の値に基づき自動的に設定する。支援手段102は、設定した時間位置に設定オブジェクト303を表示する。例えば、支援手段102は、特定のカテゴリのプロファイルに関する特定の設定オブジェクト303の時間位置を、特定のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のピーク値304に基づき設定する。例えば、支援手段102は、特定のカテゴリのプロファイルに関する特定の設定オブジェクト303の時間位置を、このカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のピーク値304の時間的に近く(例えば、30分以内等)に設定すればよい。これにより、生活行動を行っている最中のタイミングで(例えば、入浴中に)メッセージを発信する可能性が減るため、適切なタイミングでメッセージを発信することができる。
【0070】
また、支援手段102は、初期値として、設定オブジェクト303の時間位置を、この設定オブジェクト303に対応するプロファイルを示すグラフ301のユーザの状態の確率の値と、別のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のユーザの状態の確率の値とに基づき自動的に設定してもよい。支援手段102は、設定オブジェクト303のグラフ301上の時間位置を設定するとき、さらに、他の設定オブジェクト303が示す時間位置301を考慮して設定してもよい。具体的には、支援手段102は、特定のカテゴリのプロファイルに関する特定の設定オブジェクト303の時間位置を、特定のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のピーク値304と、別のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301(ピーク値304が隣にあるグラフ301)のピーク値304とに基づき設定する。
【0071】
例えば、支援手段102は、特定のカテゴリのプロファイルに関する特定の設定オブジェクト303の時間位置を、このカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のピーク値304の時間的に近く(例えば、30分以内等)であって、別のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301(ピーク値304が隣にあるグラフ301)のピーク値304に掛からない位置に設定すればよい。別の例として、支援手段102は、特定のカテゴリのプロファイルに関する特定の設定オブジェクト303の時間位置を、このカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のピーク値304の時間的に近く(例えば、30分以内等)であって、別のカテゴリのプロファイルを示すグラフ301のユーザの状態の確率が所定の閾値(例えば、0.4)以上でない位置に設定すればよい。これにより、複数のカテゴリの生活行動(例えば、入浴、食事)が時間的に近くに発生する可能性がある場合に、異なるカテゴリの生活行動を行っているタイミングで別のカテゴリの生活行動に関するメッセージを(例えば、入浴中に食事に関するメッセージを)発信する可能性が減るため、それぞれ適切なタイミングで適切な内容のメッセージを発信できる。
【0072】
支援手段102は、ユーザの生活習慣に関するプロファイルデータを支援情報141として記憶手段140に蓄積し、それに基づき、各グラフ301を更新し、表示する。その際、支援手段102は、更新後の各グラフ301のピーク値304に基づき、各設定オブジェクト303の時間位置を自動的に更新してもよい。支援手段102は、各グラフ301及び各設定オブジェクト303の時間位置を、定期的に(例えば、1か月毎)更新してもよいし、トリガ(例えば、オペレータが自動設定ボタンを操作する等)を検出した場合に更新してもよい。これにより、ユーザの生活習慣の長期的な変化(例えば、季節、加齢、病状等に伴う変化)に対応して適切なタイミングでメッセージを発信することを支援できる。
【0073】
支援手段102は、設定オブジェクト303を、オペレータが異なる時間位置に移動可能に、オペレータ装置160に表示する。例えば、オペレータは、オペレータ装置160のディスプレイに表示されたGUI300上で、設定オブジェクト303をドラッグアンドドロップすることで、設定オブジェクト303を座標系302の時間軸に沿って横軸方向に移動し、時間位置をマニュアルで変更することが可能である。これにより、個々のユーザの生活習慣にさらに柔軟に対応して適切なタイミングでメッセージを発信することを支援できる。
【0074】
(3)声掛けのメッセージの設定
【0075】
支援手段102は、設定オブジェクト303が示す時間位置の対応タイミングで出力される、プロファイルに関するメッセージを設定する。例えば、支援手段102は、オペレータがGUI300に表示された自動設定ボタン(不図示)をクリックすると、グラフ301のピーク値304に基づいて設定オブジェクト303の位置を自動設定し、メッセージのカテゴリを当該グラフ301の種別(プロファイルのカテゴリ)に基づいて自動設定してもよい。この際、各設定オブジェクト303に対応するメッセージ内容は、メッセージのカテゴリと時間帯ごとに予め設定(記憶手段140に記憶)している標準メッセージを、デフォルトで自動登録してもよい。これにより、人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信すること、さらには、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信することができる。
【0076】
例えば、支援手段102は、複合設定オブジェクト303Dを、睡眠グラフ301Aのピーク値304A1の終端と、食事グラフ301Bの隣のピーク値304B1との間の時間位置に設定し、起床後かつ朝食前のタイミングに行う声掛けとして、起床及び朝食に関するメッセージを設定する。支援手段102は、食事設定オブジェクト303B1を、食事グラフ301Bのピーク値304B2の所定時間後の時間位置に設定し、昼食後のタイミングに行う声掛けとして、昼食後の服薬に関するメッセージを設定する。支援手段102は、睡眠設定オブジェクト303Aを、睡眠グラフ301Aの所定時刻(例えば17時)の後の最初のピーク値304A3の所定時間前の時間位置に設定し、就寝前のタイミングに行う声掛けとして、就寝に関するメッセージを設定する。
【0077】
支援手段102は、オペレータによりマニュアルでメッセージを設定するのを支援してもよい。即ち、支援手段102は、設定オブジェクト303が操作されると、設定オブジェクト303が示す時間位置の対応タイミングで送信されるメッセージのオペレータによる設定を支援する。例えば、支援手段102は、オペレータがグラフ301上で所定の操作(例えば、ダブルクリック)をすると、操作した時間位置に対応する時刻(声掛けする時刻)が設定されたダイアログボックス400を表示してもよい。
【0078】
図4は、支援手段により表示されるダイアログボックスの一例を示す。
【0079】
ダイアログボックス400にメッセージ内容401、カテゴリ402(睡眠、食事等)及び時刻403をオペレータが入力することにより、支援手段102は、設定オブジェクト303の時間位置や表示態様(ハッチングパターン)を手動設定するのを支援してもよい。即ち、支援手段102は、オペレータが入力したメッセージ内容401、カテゴリ402及び時刻403に基づき、設定オブジェクト303の時間位置を設定し(カテゴリ402が睡眠であれば、起床後に設定)、設定オブジェクト303を「睡眠」を表す表示態様で表示すればよい。支援手段102は、オペレータがグラフ301上で所定の操作(例えば、ダブルクリック)をした場合、操作した時間位置に設定オブジェクト303を表示するのではなく、グラフ301に基づいて調整した時間位置に設定オブジェクト303を表示してもよい。例えば、オペレータが操作した時間位置の最も近くにあるピーク値304の前後の時間位置に、設定オブジェクト303を表示してもよい。
【0080】
(4)設定された時刻でのメッセージの出力
【0081】
支援手段102は、設定オブジェクト303が示す時間位置の対応タイミングで、プロファイルに関するメッセージを送信手段104に送信させる。端末装置200の応答出力手段203は、センタ装置100からのメッセージを、ネットワークを通じてセンタ装置100から受信し、スピーカSからユーザに音声で出力する。
【0082】
これにより、人的な負担を減らしつつ、ユーザの生活習慣にマッチしたタイミングでメッセージを発信すること、さらには、ユーザの生活習慣にマッチした内容のメッセージを発信することができる。
【0083】
4.変形例
【0084】
プロファイルが生活習慣に関する行動のデータである場合、睡眠、入浴及び食事のデータ以外にも、例えば、服薬、訪問介護、デイサービス、買い物及び外出等のデータでもよい。これらのプロファイルは、いずれも、横軸が時間、縦軸が行動確率にてグラフ表現できる。生活習慣に関する行動のデータ(プロファイル)は、ユーザとの会話履歴、家庭内に設置されたセンサ(赤外線センサ等)の検知データ、電力使用量の推移、家電の利用履歴、ユーザが装着するGPS端末の位置情報、ユーザが装着するウォッチ型やリストバンド型等のウェアラブルデバイスのバイタルデータやGPS位置情報などのデータを利用して、上記の各々の生活習慣を推定することにより作成される。生活習慣に関する行動のデータ(プロファイル)が作成されていない新規ユーザの場合は、全ユーザの平均値を初期データとして利用すればよい。その後、上記の日常的に取得された各種データに基づいて初期データを修正していけばよい。
【0085】
プロファイルは、生活習慣に関する行動(睡眠、食事、入浴等)のデータでなくてもよい。即ち、プロファイルは、時間帯ごとに生じるユーザの状態の確率を持つユーザ個別のデータであればよい。例えば、プロファイルは、気分(ポジティブ/ネガティブ)状態の確率、活発確率(心拍数や歩数等に基づく)、生活リズム確率等を持つ各データでもよい。例えば、プロファイルは、病気の症状の出やすさである症状確率を持つデータでもよい。例えば、関節リウマチでは朝方は症状が出る確率が高いなど、ユーザが持つ疾患によって一日のリズムがある。
【0086】
第1の例として、縦軸は、気分の確率(ポジティブ/ネガティブ)、言い換えれば、気分状態確率、活発確率、生活リズムの発生確率を表してもよい。例えば、所定のユーザについて、ある時間帯はポジティブな気分である確率が高い等を予め把握することができれば、そのタイミングに合わせてポジティブになれるメッセージを送信する設定を行える。なお、このデータはユーザとの会話履歴から推定したり、予め実施したヒアリングデータから生成したりすればよい。
【0087】
第2の例として、縦軸は、病気の症状の出やすさ、言い換えれば、症状確率、生活リズムの発生確率を表してもよい。例えば、関節リウマチでは朝方は症状が出やすいなど、疾患によって一日のリズムがある。その場合に、朝方は「ベッドでゆっくりお話ししましょう」などの声掛けメッセージにより、ユーザに適したタイミング及び内容でメッセージ送信できるよう調整できる。なお、このデータはユーザとの会話履歴から推定したり、予め実施したヒアリングデータから生成したりすればよい。
【0088】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0089】
本発明の一実施形態にかかる対話システムは、高齢者の孤独や孤立、健康寿命の延伸、高齢者の生活の質(QoL)向上、労働力人口減少などの社会課題の解決に貢献し得るものである。また、本発明の一実施形態にかかる対話システムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 対話システム
100 センタ装置
101 受信手段
102 支援手段
103 メッセージ生成手段
104 送信手段
140 記憶手段
141 支援情報
160 オペレータ装置
200 端末装置
201 入力手段
202 メッセージ送信手段
203 応答出力手段
M マイク
S スピーカ