(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133823
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 21/14 20060101AFI20240926BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
F25D21/14 P
F25D21/14 A
F25D19/00 510G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043804
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出雲 洋助
【テーマコード(参考)】
3L048
【Fターム(参考)】
3L048AA07
3L048CA01
3L048CB03
3L048DA01
3L048GA02
(57)【要約】
【課題】冷蔵庫における省エネルギ性能を向上させることである。
【解決手段】冷蔵庫100は、ドレン水が流れる第1流路12が形成された第1ドレンパン1と、第1ドレンパン1よりも下方に設けられ、第1ドレンパン1からドレン水を受ける第2ドレンパン2と、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2との間を接続し、第1流路12を流れたドレン水を第1ドレンパン1から第2ドレンパンに流す第2流路30が形成された接続経路3と、接続経路3上に設けられ、冷媒の水分を除去するドライヤ4とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレン水が流れる第1流路が形成された第1ドレンパンと、
前記第1ドレンパンよりも下方に設けられ、前記第1ドレンパンからドレン水を受ける第2ドレンパンと、
前記第1ドレンパンと前記第2ドレンパンとの間を接続し、前記第1流路を流れたドレン水を前記第1ドレンパンから前記第2ドレンパンに流す第2流路が形成された接続経路と、
前記接続経路上に設けられ、冷媒の水分を除去するドライヤとを備える、冷蔵庫。
【請求項2】
前記ドライヤおよび前記接続経路に向けて送風をする送風装置をさらに備える、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1流路は、ドレン水が自重で流れるように傾斜した一連の曲折した形状の第1経路と、
前記第1経路を流れたドレン水が前記接続経路まで自重で流れるように傾斜した第2経路とを含む、請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第1経路は、前記接続経路から離れる方向にドレン水が流れるように形成され、
前記第2経路は、前記接続経路に近づく方向にドレン水が流れるように形成される、請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第2流路は、ドレン水が自重で流れるように傾斜した一連の曲折した形状の経路よりなる、請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記ドライヤに設けられ、前記ドライヤから放熱させる放熱部材をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第1ドレンパンと、前記接続経路との間に設けられ、前記第1流路と前記第2流路との間を仕切る仕切り装置をさらに備え、
前記仕切り装置は、前記第1流路と前記第2流路との間におけるドレン水の流路を開閉可能である、請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記仕切り装置は、前記第1流路と前記第2流路との間を仕切る扉を含み、
前記扉は、前記第1流路に流れるドレン水の水圧と、前記扉の自重と、前記扉が受ける風の圧力との関係に応じて、開閉する、請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第1流路は、前記第2経路からドレン水が溢れた場合に、溢れたドレン水を前記第2流路へ流す第3経路をさらに含む請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記第1流路における前記第1経路は、階段状に下る形状で構成される、請求項3に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫においては、冷媒の水分を除去するドライヤが設けられる。ドライヤは、冷蔵庫の裏面側等の比較的に温度が高い場所に設けられるのが一般的である。ドライヤにおいて、冷媒の水分を除去する能力は、ドライヤの温度が高くなるに従って低下するという傾向がある。
【0003】
従来の冷蔵庫としては、特開平7-091780号公報(特許文献1)に開示されたものがある。特許文献1の冷蔵庫では、ドライヤを冷却するために、ドライヤと接触して熱交換ができる除霜水を貯留する皿部が新たに設けられることが開示されている。特許文献1の冷蔵庫では、凹部が形成された皿部において、ドライヤを冷却可能となる量の除霜水を貯留するために、ある程度以上の深さの凹部が形成される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された従来の冷蔵庫では、次のような理由により、ドライヤを冷却する能力が不十分であった。
【0006】
特許文献1に開示された従来の冷蔵庫では、皿部において、凹部内に貯留する除霜水と接触して除霜水により冷却されるような深い位置にドライヤが配置される。したがって、このように配置されたドライヤは、皿部の周囲から流れて来る気体の流れが皿部の周囲における壁部によって阻害されるので、そのような気体の流れによる冷却が阻害される。
【0007】
従来の冷蔵庫では、このようにドライヤを冷却する能力が不十分であったので、ドライヤによって冷媒の水分を除去する能力の向上が図れていなかったため、冷蔵庫全体の熱処理効率が不十分であった。このような熱処理効率が不十分であることにより、従来の冷蔵庫では、省エネルギ化が不十分であるという問題があった。
【0008】
本開示は、上記課題を解決するものであり、その目的は、冷蔵庫における省エネルギ性能を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、ドレン水が流れる第1流路が形成された第1ドレンパンと、第1ドレンパンよりも下方に設けられ、第1ドレンパンからドレン水を受ける第2ドレンパンと、第1ドレンパンと第2ドレンパンとの間を接続し、第1流路を流れたドレン水を第1ドレンパンから第2ドレンパンに流す第2流路が形成された接続経路と、接続経路上に設けられ、冷媒の水分を除去するドライヤとを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、第1ドレンパンと第2ドレンパンとの間を接続し、第1流路を流れたドレン水を第1ドレンパンから第2ドレンパンに流す第2流路が形成された接続経路上にドライヤが設けられる。ドライヤは、接続経路上において、第2流路を流れるドレン水によって冷却されることが可能になるとともに、ドライヤに向かう気流によって冷却されることが可能になる。したがって、冷蔵庫におけるドライヤの冷却能力を向上させることができる。これにより、冷蔵庫全体の熱処理効率を向上させることができることにより、冷蔵庫における省エネルギ性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】冷蔵庫の機械室の内部における主な機器の配置状態を示す図である。
【
図2】第1ドレンパンに設けられた第1流路の傾斜状態の構造を主に示す側面図である。
【
図3】第1ドレンパンに設けられた第1流路の断面の構造を示す第1ドレンパンの内部の側面図である。
【
図4】ドライヤの具体的構成の第1例を示す図である。
【
図5】ドライヤの具体的構成の第2例を示す図である。
【
図6】冷蔵庫の動作状態とドライヤの状態との関係を示すタイミングチャートである。
【
図7】実施の形態2における第1ドレンパンに設けられた第1流路の傾斜状態の構造を主に示す側面図である。
【
図8】実施の形態3における第1ドレンパンに設けられた第1流路の断面の構造を示す第1ドレンパンの内部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、実施の形態について複数の変形例を含めて説明するが、以下に説明する構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0013】
実施の形態1.
[冷蔵庫100における冷凍サイクルの構成]
図1は、冷蔵庫100の機械室10の内部における主な機器の配置状態を示す図である。
図1(A)においては、機械室10の内部における主な機器の配置状態を示す裏面図が示される。
図1(B)においては、
図1(A)に示す機器のうち、一部の機器の配置状態を示す平面図が示される。
図1(C)においては、
図1(A)に示す機器のうち、一部の機器の配置状態を示す側面図が示される。
【0014】
図2は、第1ドレンパン1に設けられた第1流路12の傾斜状態の構造を主に示す側面図である。
図3は、第1ドレンパン1に設けられた第1流路12の断面の構造を示す第1ドレンパン1の内部の側面図である。
図3は、
図2のA-A線による断面から見た第1流路12の構成が示されている。
【0015】
図1(A)においては、第1ドレンパン1の内部構成を明確にするために、第1ドレンパン1の側面側が透視化して示されている。
【0016】
図1を参照して、冷蔵庫100において、機械室10は、冷蔵庫100の下部側および裏面側の領域に設けられる。機械室10は、第1ドレンパン1、第2ドレンパン2、接続経路3、ドライヤ4、送風装置9、凝縮器6、および、圧縮機7を含む各種の機器が設けられている。
【0017】
冷蔵庫100では、圧縮機7、凝縮器6、ドライヤ4、キャピラビチューブ60、および、蒸発器70を含む冷凍サイクル90内を冷媒が流れる。キャピラビチューブ60および蒸発器70については、機械室10の外部に設けられているので、破線でイメージが示されている。蒸発器70は、冷蔵庫100において冷却をする冷却庫内(以下、庫内という)を冷却する装置であるので、冷却器とも呼ばれる。キャピラビチューブ60および蒸発器70の設置位置は、
図1に示された位置に限られるものではない。
【0018】
圧縮機7は、蒸発器70から第1配管71を経て冷媒を吸入する。圧縮機7は、第1配管71から吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機7により圧縮されて高温高圧となった冷媒は、第2配管72を経て凝縮器6に供給される。
【0019】
凝縮器6では、圧縮機7から供給された冷媒と外気とが熱交換し、冷媒が凝縮させられる。凝縮器6で凝縮された冷媒は、第3配管73を経て凝縮器6から排出される。凝縮器6から排出された冷媒は、第4配管74を経てドライヤ4に供給される。ドライヤ4は、第4配管74から供給された冷媒の水分を除去する。
【0020】
ドライヤ4で水分が除去された冷媒は、第5配管75から排出される。第5配管75から排出された冷媒は、キャピラビチューブ60に供給される。キャピラビチューブ60では、凝縮器6から供給された冷媒が減圧される。キャピラビチューブ60で減圧された冷媒は、蒸発器70に供給される。
【0021】
蒸発器70では、キャピラビチューブ60から供給された冷媒と冷蔵庫100の庫内空気とが熱交換され、冷媒が蒸発させられる。蒸発器70では、冷媒と庫内空気との熱交換によって冷気が冷蔵庫100の庫内に供給される。蒸発器70で蒸発された冷媒は、前述のように第1配管71を経て圧縮機7に戻る。
【0022】
[冷蔵庫100における機械室10の内部構成]
次に、
図1を参照して、冷蔵庫100における機械室10の内部構成を説明する。冷蔵庫100においては、冷蔵庫100において生じたドレン水を貯留するドレンパンとして、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2との2つのドレンパンが設けられる。
【0023】
図1(A)に示すように、第1ドレンパン1は、圧縮機7の上方に設けられる。第2ドレンパン2は、圧縮機7と凝縮器6との間に設けられる。第1ドレンパン1は、第2ドレンパン2よりも上方の位置に設けられる。
【0024】
図1(B)に示すように、第1ドレンパン1は、圧縮機7の上方に設けられる。第2ドレンパン2は、圧縮機7と凝縮器6との間に設けられる。第2ドレンパン2の下方には、圧縮機7で圧縮された冷媒を凝縮器6に送る第2配管72が設けられる。第1ドレンパン1は、第2ドレンパン2よりも上方の位置に設けられる。
【0025】
図1(A)および
図1(B)に示すように、第1ドレンパン1は、周囲が側壁13で囲まれた矩形の皿形状である。第1ドレンパン1は、皿形状における凹部内にドレン水を貯留可能である。同様に、
図1(A)および
図1(B)に示すように、第2ドレンパン2は、周囲が側壁23で囲まれた矩形の皿形状である。第2ドレンパン2は、皿形状における凹部内にドレン水を貯留可能である。第1ドレンパン1および第2ドレンパン2は、ドレン水の受け皿として用いられる。
【0026】
第1ドレンパン1は、運転時に高温となる圧縮機7の上方に設けられるので、圧縮機7で生じる熱等により、貯留しているドレン水を蒸発させることが可能である。第2ドレンパン2は、圧縮機7から第2配管72を経て凝縮器6に送られる高温の冷媒により生じる熱等により、貯留しているドレン水を蒸発させることが可能である。
【0027】
図1(B)に示すように、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2とは、上方から見た状態で、圧縮機7と凝縮器6とが対向する方向において隣り合って設けられたような形態で設けられる。言い換えると、
図1(A)に示すように、第1ドレンパン1における凝縮器6側の端部と、第2ドレンパン2における圧縮機7側の端部とは、上下方向において一部が重なるような位置関係がある。
【0028】
なお、第1ドレンパン1における凝縮器6側の端部と、第2ドレンパン2における圧縮機7側の端部とは、上下方向において一部が重ならないような位置関係であってもよい。
【0029】
図1(A)および
図1(B)に示すように、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2との間には、接続経路3が設けられる。接続経路3は、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2との間を接続する部材である。接続経路3は、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2との間を繋ぐように、傾斜して設けられる。接続経路3は、一方端部が第1ドレンパン1と接続され、他方端部が第2ドレンパン2と接続される。
【0030】
図1(A),(B)に示すように、第1ドレンパン1内には、ドレン水が自重で流れるように傾斜した流路である第1流路12が設けられる。
図1(A),(B)に示すように、接続経路3内には、ドレン水が自重で流れるように傾斜した流路である第2流路30が設けられる。
【0031】
第1ドレンパン1の上方には、冷蔵庫100内のドレン水を集めて流すドレンパイプ83の末端部が設けられる。ドレン水は、まず、ドレンパイプ83の末端部から第1ドレンパン1に供給される。ドレン水は、第1ドレンパン1の第1流路12、および、接続経路3の第2流路30を経て、第2ドレンパン2まで流下する。
【0032】
接続経路3上には、ドライヤ4が設けられる。ドライヤ4は、筒状である。ドライヤ4は、接続経路3に合せて傾斜する態様で配置される。ドライヤ4は、接続経路3に設けられた第2流路30を流れるドレン水と熱交換をすることが可能な態様で配置される。
【0033】
ドライヤ4の入口側においては、第1ドレンパン1の上方を通る第4配管74から冷媒が供給される。ドライヤ4の出口側では、第2ドレンパン2上で上方に屈曲した形状の第5配管75から冷媒が排出される。
【0034】
ドライヤ4の周りには、放熱部材40が設けられる。放熱部材40は、フィン等によりドライヤ4の熱を周囲に放熱する。放熱部材40は、熱伝導率が高い金属等の材料により構成される。なお、放熱部材40は、熱伝導率が高い材料によって表面の一部または全部が被覆されるようにコーティングされてもよい(
図4等参照)。
【0035】
図1(A)に示すように、第1ドレンパン1、第2ドレンパン2、接続経路3、および、ドライヤ4と、凝縮器6との間には、第1ドレンパン1、第2ドレンパン2、接続経路3、および、ドライヤ4に向けて送風をする送風装置9が設けられる。送風装置9は、ファン90を駆動することにより送風をする。
【0036】
ドライヤ4は、第1ドレンパン1と第2ドレンパン2とを接続する接続経路3上において、露出する態様で設けられる。これにより、機械室10内を流れる気体と接触しやすいので、冷却されやすい。ドライヤ4は、送風装置9から送風される気体を受けるので、冷却されやすい。ドライヤ4は、送風装置9から送風される気体を受けるので、冷却されやすい。
【0037】
第2流路30を流れるドレン水の温度は、ドライヤ4の内部に供給される冷媒の温度よりも低い。これにより、接続経路3上に設けられたドライヤ4は、接続経路3に設けられた第2流路30を流れるドレン水と熱交換をすることにより、冷却することが可能である。接続経路3は、ドレン水が流れ、当該ドレン水が、ドライヤ4と熱交換するとともに、送風装置9から送風される気体を受けるので、ドレン水を蒸発させることが可能である。
【0038】
このように、接続経路3上に設けられ、送風装置9から送風を受けることが可能なドライヤ4は、容易に冷却することが可能な構成とされているため、冷媒の水分を除去する能力の向上を図ることができる。
【0039】
送風装置9は、第1ドレンパン1に送風をすることにより、第1ドレンパン1におけるドレン水の蒸発を促進することが可能である。送風装置9は、第2ドレンパン2に送風をすることにより、第2ドレンパン2におけるドレン水の蒸発を促進することが可能である。送風装置9は、接続経路3に送風をすることにより、接続経路3におけるドレン水の蒸発を促進することが可能である。送風装置9は、送風をすることにより、機械室10内における空気の対流を促進することが可能である。
【0040】
冷蔵庫100に設けられた各種機器の制御は、
図1(A)に示すような制御装置101により実行される。制御装置101は、CPU101a(Central Processing Unit)、および、メモリ101b等のハードウエアと、各種の演算処理を行うソフトウエアとにより具現化されている。CPU101aは、メモリ101bに記憶されたソフトウエアプログラムを読み出して実行することにより、冷蔵庫100に設けられた各種機器の制御をする。
【0041】
第1ドレンパン1に設けられた第1流路12は、ドレン水の経路として、第1経路121と、第2経路122と、第3経路123とを含む。
【0042】
第1経路121は、第1ドレンパン1における凝縮器6に近い方の端部(以下、第1端部と呼ぶ)から、凝縮器6から遠い方の端部(以下、第2端部と呼ぶ)に向けて下るように底部125が傾斜し、ドレン水が自重で流下する経路である。第1ドレンパン1では、第1端部におけるドレン落下領域17の周辺に、ドレンパイプ83の末端から排出されるドレン水が落下する。
【0043】
図1(A)および
図1(B)に示すように、第1経路121は、第1経路121の幅方向に延在する複数の仕切り壁11によって、底部125が複数に仕切られる。このような複数の仕切り壁11によって底部125が複数に仕切られることにより、第1経路121は、
図1(B)に示すように、上方から見てジグザグ形状の流路が形成される。
【0044】
第2経路122は、第1ドレンパン1における第2端部から第1端部に向けて下るように傾斜し、第1経路121を流れたドレン水について、流れる方向を反転させて接続経路3に向けて流下する経路である。
【0045】
第3経路123は、第1ドレンパン1における第2端部から第1端部に向けて下るように傾斜し、第2経路122からドレン水が溢れた場合に、そのドレン水を受け、そのドレン水が接続経路3に向けて流下する経路である。
【0046】
第1経路121は、
図1(A)に示すように、第1ドレンパン1の第1端部から第2端部に向けてドレン水が自重で流下するように、全体的に、第1ドレンパン1の第1端部から第2端部に向けて下る態様で傾斜している。そして、第1経路121は、
図2に示すように、第1経路121の幅方向において、一方端部から他方端部に向けて傾斜する底部125と、他方端部から一方端部に向けて傾斜する底部125とが交互に形成される。
図2において、ドレン水16は、第1経路121の上方から第1経路121上に落下する。
【0047】
第1経路121の傾斜角度は、水平面に対して、約1.1度~約8.5度にすることが望ましい。このように第1経路121が傾斜していることにより、第1経路121において、ドレン水が滞留しないようにすることができる。また、第1経路121が傾斜していることにより、第1経路121の表面積を増加させることができ、ドレン水が蒸発することを促進することができる。また、第1経路121が傾斜していることにより、第1経路121が圧縮機7から熱を受ける面積を増加させることができ、ドレン水が蒸発することを促進することができる。
【0048】
さらに、第1経路121は、
図3に示すように、第1ドレンパン1の下端部からの底部125の高さが、第1ドレンパン1における第1端部から第2端部に近付くにしたがって段階的に低くなるように形成される。
【0049】
これにより、第1ドレンパン1では、第1経路121において、
図1(B)に示すドレン落下領域17の周辺に落下したドレン水が、
図1(B)および
図2の矢印に示すように、第1経路121の幅方向において、流れる向きを変えながら自重で流下する。そして、第1ドレンパン1では、そのように流れる向きが変わるドレン水が、
図1(B)および
図3の矢印の方向に示すように、第1端部から、第1端部よりも低い位置にある第2端部に向かって自重で流下する。
【0050】
第2経路122は、
図1(A)および
図3に示すように、第1ドレンパン1における第2端部から第1端部に向けて底部126が傾斜し、接続経路3の方向にドレン水が自重で流下する経路である。
図2に示すように、第2経路122の両側面には、仕切り壁127が設けられる。このように、第2経路122では、底部126および仕切り壁127により流路が形成される。
【0051】
図1(A),(B)および
図3に示すように、第2経路122は、第1経路121における第2端部側の末端部と流路が繋がっており、第1経路121により第2端部側の末端部まで流下したドレン水が第2経路122における第2端部の末端部まで流下する。
【0052】
図1(A),(B)および
図3に示すように、第2経路122における第1端部側の末端部には、第1ドレンパン1と接続経路3との間を仕切る仕切り装置8が設けられる。仕切り装置8は、扉81とヒンジ80とを含む。
【0053】
図1(A)および
図3に示すように、ヒンジ80は、第2経路122における第2経路122の延在方向と交差する方法に設けられ、回動軸として回動することにより、扉81を回動させることにより、第2経路122における第1端部側の末端部を開閉可能である。
【0054】
図1(B)および
図2に示すように、扉81は、第2経路122において底部126および仕切り壁127により形成される流路の全体を仕切ることが可能な形状の板状の部材である。
図3に示すように、第2経路122においてドレン水が全く流れていない状態において、扉81は、自重により鉛直下方向に向き、第2経路122の全体を閉鎖する態様となる。扉81により第2経路122が閉鎖された状態では、第2経路122において、ドレン水が貯留される。
【0055】
図3に示すように、扉81の最下部の位置は、第2経路122において底部126よりも下側まで延在している。これにより、扉81は、第2経路122の末端部がストッパとなるので、鉛直下方向を向いた位置から、第2経路122の上流側には回動しないように設けられる。一方、
図3に示すように、扉81の接続経路3側にはストッパとなるような部材が設けられない。これにより、扉81は、鉛直下方向を向いた位置から、接続経路3側には回動することが可能である。扉81は、ヒンジ80を回動中心として、接続経路3側に回動することにより、第2経路122を開放する態様となる。
【0056】
図3を参照して、扉81の動作を説明する。扉81においては、第2経路122側に貯留されたドレン水の水圧による圧力P1が、扉81を開放する力として作用する。また、扉81においては、扉81自体の重さと送風装置9から送られる風による圧力P2とが、扉81を閉鎖する力として作用する。
【0057】
図3を参照して、扉81の動作を説明する。第2経路122に貯留されたドレン水の水量が閾値未満である場合には、圧力P1により扉81を開放する力が、扉81の自重と送風装置9から送られる風による圧力P2とにより扉81を閉鎖する力未満となるので、扉81が開放する動作が行なわれない。その場合は、第2経路122から接続経路3にドレン水が流れない。
【0058】
一方、第2経路122に貯留されたドレン水の水量が閾値以上である場合には、圧力P1により扉81を開放する力が、扉81の自重と送風装置9から送られる風による圧力P2とにより扉81を閉鎖する力以上となるので、扉81が開放する動作が行なわれる。その場合は、第2経路122から接続経路3にドレン水が流れる。扉81は、冷蔵庫100において、通常の冷蔵運転が実行される場合に開放状態となってドレン水が第1ドレンパン1から接続経路3に流れるように設定される。
【0059】
扉81が設けられた理由は、次のとおりである。冷蔵庫100においては、通常の冷蔵運転の他に、霜取り運転が実行される場合がある。ドレン水は、霜取り運転が実行される場合に、冷蔵運転が実行される場合よりも大量に発生し、第1ドレンパン1に供給される。
【0060】
冷蔵運転時が実行される場合には、ドライヤ4において、水分を除去する冷媒が供給されるが、霜取り運転が実行される場合には、ドライヤ4において、水分を除去する冷媒が供給されない。したがって、霜取り運転が実行される場合には、基本的に、ドライヤ4による冷媒の水分除去能力を向上させる必要性が乏しい。実施の形態1の冷蔵庫100では、ドライヤ4が水分を除去する機能を高めるために、接続経路3にドレン水を流す。したがって、ドライヤ4による冷媒の水分除去能力を向上させる必要性が乏しい霜取り運転時において、第1ドレンパン1から接続経路3にドレン水を流さないようにするために、扉81が設けられる。
【0061】
扉81は、霜取り運転が実行される場合に貯留されたドレン水量による圧力P1により、霜取り運転の終了後に実行される冷蔵運転時において、ある程度扉81が開いて、第1ドレンパン1から接続経路3にドレン水が流れるようにすることが可能となるようなドレン水の貯留量で開くように設定される。
【0062】
扉81は、電力を要さずに開閉可能であるので、冷蔵庫100の省電力化を図ることができる。扉81は、ドライヤ4による冷媒の水分除去能力を向上させる必要性がある冷蔵運転時に開き、第1ドレンパン1から接続経路3にドレン水が流れるようにすることができるので、冷蔵庫100全体の熱処理効率を向上させることができ、冷蔵庫100全体の省エネルギ化を図ることができる。
【0063】
図1(A)および
図1(B)に示すように、接続経路3は、周囲が側壁23で囲まれた矩形の皿形状である。接続経路3は、皿形状における凹部内にドレン水を貯留可能である。
【0064】
接続経路3に設けられた第2流路30は、第1ドレンパン1に近い方の端部(以下、第3端部と呼ぶ)から、第1ドレンパン1から遠い方の端部(以下、第4端部と呼ぶ)に向けて底部32が下るように傾斜し、ドレン水が自重で流下する経路である。
【0065】
前述した扉81は、第1ドレンパン1の第1端部と、接続経路3の第3端部との間に設けられる。
【0066】
図1(A)および
図1(B)に示すように、第1ドレンパン1は、一部を除く周囲が側壁33で囲まれた矩形の皿形状である。
【0067】
図1(A)および
図1(B)に示すように、接続経路3は、接続経路3の幅方向に延在する複数の仕切り壁31によって、底部32が複数に仕切られる。このような複数の仕切り壁31によって底部32が複数に仕切られることにより、接続経路3は、
図1(B)に示すように、上方から見てジグザグ形状の流路が形成される。
【0068】
接続経路3は、
図1(A)に示すように、接続経路3の第3端部から第4端部に向けてドレン水が自重で流下するように、全体的に、接続経路3の第3端部から第4端部に向けて下る態様で傾斜している。そして、接続経路3は、
図2に示す底部125と同様に、底部32が、接続経路3の幅方向において、一方端部から他方端部に向けて下るように傾斜する底部32と、他方端部から一方端部に向けて下るように傾斜する底部32とが交互に形成される。
【0069】
さらに、接続経路3は、
図3に示す底部125と同様に、接続経路3の下端部からの底部32の高さが、接続経路3における第3端部から第4端部に近付くにしたがって段階的に低くなるように形成される。
【0070】
これにより、接続経路3では、扉81を経て供給されたドレン水が、
図1(B)の矢印に示すように、接続経路3の幅方向において、流れる向きを変えながら自重で流下する。そして、接続経路では、そのように流れる向きが変わるドレン水が、
図1(B)の矢印の方向に示すように、第3端部から、第3端部よりも低い位置にある第4端部に向かって自重で流下する。
【0071】
接続経路3の第4端部の一部には、側壁33が設けられていない開口部34が形成される。接続経路3においては、第4端部の開口部34からドレン水が第2ドレンパン2内に排出される。第2ドレンパン2では、接続経路3から排出されたドレン水を貯留することが可能である。
【0072】
第1経路121は、第1ドレンパン1における凝縮器6に近い方の端部(以下、第1端部と呼ぶ)から、凝縮器6から遠い方の端部(以下、第2端部と呼ぶ)に向けて底部125が傾斜し、ドレン水が自重で流下する経路である。第1ドレンパン1では、第1端部におけるドレン落下領域17の周辺に、ドレンパイプ83の末端から排出されるドレン水が落下する。
【0073】
[ドライヤ4の具体的構成例]
次に、ドライヤ4の具体的構成例を説明する。まず、
図4を用いて、ドライヤ4の具体的構成例の第1例を説明する。
図4は、ドライヤ4の具体的構成の第1例を示す図である。
図4においては、ドライヤ4の周辺部の特徴的な構成を明確化するために、第1ドレンパン1に設けられた第1流路12、および、接続経路3に設けられた第2流路30の構成等、各種の構造について、一部を簡略化して示している場合がある。したがって、
図4は、
図1~
図3に示す構成と比べて、詳細な部分が整合していない場合がある。
【0074】
図4(A)においては、第1ドレンパン1の一部、接続経路3、および、ドライヤ4の正面図が示される。
図1(B)においては、
図1(A)に示す機器に加え、第1ドレンパン1に設けられた第1流路12の第3経路123等を示す平面図が示される。
図1(C)においては、
図4(A)に示すドライヤ4および接続経路3を図中の右側面から見た側面図が示される。なお、
図4において、黒く塗りつぶされた部分は、各部材の表面を、熱伝導率が高い材料で被覆するコーティング等の表面処理が施された領域を示す。なお、このような表面処理は、施されなくてもよい。
【0075】
図4(A)においては、第1ドレンパン1の第1流路12における第1経路121、第2経路122、および、第3経路123と、接続経路3の第2流路30におけるドレン水の経路と、ドライヤ4の下部(具体的には放熱部材40の下部)とのように、複数の領域において、前述の表面処理が施されている。これにより、第1ドレンパン1および接続経路3では、圧縮機7および第2配管72等の熱源との熱交換の効率が向上するので、ドレン水の蒸発を促進することができる。そして、ドライヤ4では、ドレン水との熱交換の効率が向上するので、ドライヤ4の放熱を促進することができる。
【0076】
図4(A)に示すように、ドライヤ4は、複数の仕切り壁31上に跨るような態様で、接続経路3上に設けられる。
図4(B)に示すように、複数の仕切り壁31には、筒状のドライヤ4の下部を取付けるための半円形の切欠き部310が上部に形成される。
【0077】
図4(A),(B),(C)に示すように、ドライヤ4には、第1部材40aと、第2部材40bとにより周方向を覆い、これらを複数のビス41でビス止めする放熱部材40が取付けられる。第1部材40aは、上部に放熱用のフィン42が設けられる。
【0078】
放熱部材40が取付けられたドライヤ4は、
図4(A)に示すように、第2流路30の傾斜に対応して傾斜する態様で、複数の仕切り壁31上に取付けられる。放熱部材40が取付けられたドライヤ4は、
図4(C)に示すように、複数の仕切り壁31に形成された切欠き部310内に放熱部材40の第2部材40bが嵌め込まれる態様で、複数の仕切り壁31上に取付けられる。これにより、放熱部材40が取付けられたドライヤ4は、
図4(A),(B)に示すように、接続経路3に設けられた第2流路30上に取付けられる。
【0079】
図4(A)においては、第2経路122におけるドレン水の水位171と、第2流路30におけるドレン水の水位18とが示されている。放熱部材40が取付けられたドライヤ4は、第2部材40bが第2流路30を流れるドレン水と接触可能な位置となるように設けられる。これにより、ドライヤ4は、第2流路30を流れるドレン水によって冷却されることが可能となる。
【0080】
次に、
図5を用いて、ドライヤ4の具体的構成例の第2例を説明する。
図5は、ドライヤ4の具体的構成の第2例を示す図である。
図5においては、ドライヤ4の周辺部の特徴的な構成を明確化するために、
図4で示した構成部分と同様の構成部分が示されている。
【0081】
ドライヤ4の具体的構成例の第2例は、放熱部材40が設けられていないドライヤ4の具体的構成例である。
【0082】
図5(A)に示すように、ドライヤ4は、複数の仕切り壁31上に跨るような態様で、接続経路3上に設けられる。
図5(B)に示すように、複数の仕切り壁31には、筒状のドライヤ4の下部を取付けるための半円形の切欠き部310が上部に形成される。
【0083】
図5(A),(B),(C)に示すように、ドライヤ4には、
図4に示すようなフィン42を含む放熱部材40が設けられていない。
【0084】
ドライヤ4は、
図5(A)に示すように、第2流路30の傾斜に対応して傾斜する態様で、複数の仕切り壁31上に取付けられる。ドライヤ4は、
図5(C)に示すように、複数の仕切り壁31に形成された切欠き部310内に放熱部材40の周方向における下部が嵌め込まれる態様で、複数の仕切り壁31上に取付けられる。これにより、ドライヤ4は、
図5(A),(B)に示すように、接続経路3に設けられた第2流路30上に取付けられる。
【0085】
図5(A)においては、第2経路122におけるドレン水の水位171と、第2流路30におけるドレン水の水位18とが示されている。ドライヤ4は、周方向における下部が第2流路30を流れるドレン水と接触可能な位置となるように設けられる。これにより、ドライヤ4は、第2流路30を流れるドレン水によって冷却されることが可能となる。
【0086】
[冷蔵庫100の動作状態とドライヤ4の状態との関係]
次に、冷蔵庫100の動作状態とドライヤ4の状態との関係を説明する。
図6は、冷蔵庫100の動作状態とドライヤ4の状態との関係を示すタイミングチャートである。
図6においては、冷蔵庫100の動作状態、送風装置9の状態、ドライヤ4の温度、および、第1ドレンパン1のドレン水の貯水量の関係が時間tの経過に応じて示されている。
【0087】
冷蔵庫100の状態が霜取運転状態である場合には、送風装置9は低速運転状態をしばらく実行した後、高速運転状態に切換えられる。霜取運転状態におけるドライヤ4の温度は、一旦外気温度よりも低い温度となった後、外気温度と同じ温度となる。霜取運転状態である場合には、前述のようにドレン水が大量に発生し、第1ドレンパン1のドレン水の貯水量が増加する。
【0088】
冷蔵庫100の状態が霜取運転終了の初回の通常運転状態(圧縮機7が動作する通常運転状態)である場合には、送風装置9は低速運転状態をしばらく実行した後、高速運転状態に切換えられる。霜取運転終了の初回の通常運転状態におけるドライヤ4の温度は、圧縮機7等の各種機器が動作すること等により上昇する。霜取運転終了の初回の通常運転状態である場合には、送風装置9が低速運転状態で運転されることにより、第1ドレンパン1に貯留されたドレン水の貯水量の多さに応じて仕切り装置8の扉81が開きやすくなり、第1ドレンパン1から接続経路3を経て第2ドレンパン2にドレン水が流れる。これにより、通常運転状態においては、ドレン水によりドライヤ4を冷却することが可能となる。
【0089】
冷蔵庫100の状態が霜取運転終了の2回目以降の通常運転状態(圧縮機7が動作する通常運転状態)である場合には、送風装置9は低速運転状態を実行する。霜取運転終了の2回目以降の通常運転状態である場合には、送風装置9が低速運転状態で運転されることにより、第1ドレンパン1に貯留されたドレン水の貯水量の多さに応じて仕切り装置8の扉81が開きやすくなり、第1ドレンパン1から接続経路3を経て第2ドレンパン2にドレン水が流れる。これにより、通常運転状態においては、ドレン水によりドライヤ4を冷却することが可能となる。
【0090】
霜取運転終了の2回目以降の通常運転状態が実行される場合において、通常運転状態が停止する間は、送風装置9が高速運転状態に切換えられる。これにより、圧縮機7が動作していない状態では、第1ドレンパン1から接続経路3を経て第2ドレンパン2にドレン水が流れにくくなるので、ドライヤの冷却、および、ドレン水の蒸発を効率的に実行することができる。
【0091】
図6に示すような運転が実行される冷蔵庫100では、送風装置9の運転状態を調整して送風量を調整する制御をすることにより、仕切り装置8の扉81の開閉制御をすることができる。したがって、冷蔵庫100では、仕切り装置8の扉81の開閉をするために、仕切り装置8を駆動する装置、および、仕切り装置8を駆動する電力の供給が不要となる。
【0092】
第1ドレンパン1の第1流路12における第2経路122に仕切り装置8を設けることにより、第1ドレンパン1から接続経路3を経て第2ドレンパン2にドレン水を流下させるタイミングを調整することが可能となる。そして、第1ドレンパン1の第1流路12においては、第2経路122からドレン水が溢れた場合に、溢れたドレン水を受けて、接続経路3にドレン水を流すことが可能となるので、第3経路123が設けられるので、第3経路123を用いることにより、第1ドレンパン1から接続経路3を経て第2ドレンパン2にドレン水を流下させるタイミングをさらに調整することが可能となる。
【0093】
以上に説明した実施の形態1で得られる主な効果を以下に説明する。第1ドレンパン1と第2ドレンパン2との間を接続し、第1流路12を流れたドレン水を第1ドレンパン1から第2ドレンパン2に流す第2流路30が形成された接続経路3上にドライヤ4が設けられる。ドライヤ4は、接続経路3上において、第2流路30を流れるドレン水によって冷却されることが可能になるとともに、ドライヤ4に向かう気流によって冷却されることが可能になる。したがって、冷蔵庫100におけるドライヤ4の冷却能力を向上させることができる。これにより、冷蔵庫100全体の熱処理効率を向上させることができることにより、冷蔵庫100における省エネルギ性能を向上させることができる。
【0094】
実施の形態1では、送風装置9により、ドライヤ4に送風が行なわれるので、ドライヤ4をより一層冷却することが可能となる。したがって、冷蔵庫100におけるドライヤ4の冷却能力をより一層向上させることができる。これにより、冷蔵庫100全体の熱処理効率を向上させることができることにより、冷蔵庫100における省エネルギ性能をより一層向上させることができる。
【0095】
実施の形態1では、送風装置9により、送風装置9からの送風が直接的にドライヤ4および接続経路3に当たる。これにより、接続経路3では、第2流路30において、流れるドレン水が強制対流する状態となるので、ドレン水の蒸発量を増加させることができる。したがって、ドレン水の蒸発に用いる高温状態となる管の長さを削減することができる。これにより、冷蔵庫100における機械室10の容積を減少させることができ、冷蔵庫100における冷蔵室の容積を増加させることができる。また、ドレン水の蒸発に用いる高温状態となる管の長さを削減することができることにより、当該配管の形状を簡素化することができ、当該配管の加工に要する時間を削減することができる。
【0096】
実施の形態1では、送風装置9によるドライヤ4および接続経路3への送風により、機械室10内において、ドライヤ4の周囲における空気を安定して対流させることができるので、空気の対流により、ドライヤ4の放熱をより一層促進することができる。
【0097】
実施の形態1では、ドレン水が接続経路3における第2流路30を通過する際に、ドライヤ4の放熱を促進させることができるとともに、ドレン水の蒸発を促進させることができる。ドライヤ4の放熱を促進できることにより、冷媒の凝縮が進み、エンタルピーを低下させることができる。また、上ドレン水の蒸発を促進できることにより、ドレン水の蒸発に用いる高温状態となる管の長さを削減することができる。
【0098】
実施の形態2.
[第1ドレンパン1における第1経路121のその他の構成例]
次に、第1ドレンパン1における第1経路121のその他の構成例を説明する。実施の形態2では、第1経路121の底部125が第1経路121の幅方向に階段状に下る形状である構成を説明する。
【0099】
図7は、実施の形態2における第1ドレンパン1に設けられた第1流路12の傾斜状態の構造を主に示す側面図である。
図7において、第1経路121の構成が、
図2に示す第1経路121の構成と異なるのは、第1経路121の底部125が第1経路121の幅方向において、階段状に下る形状で構成されていることである。
【0100】
図7を参照して、実施の形態2の第1経路121の底部125は、上方に傾斜した第1底部125aと、第1底部125aの先端部を1段階下の第1底部125aの基端部上で支持する第2底部125bとを含む。
【0101】
図7に示すように、実施の形態2では、第1底部125aと第2底部125bとが連続して形成されることにより、第1経路121の底部125が、第1経路121の幅方向において、階段状に下る形状が形成される。
【0102】
図7に示すように、実施の形態2では、第1底部125aと第2底部125bとが連続して形成されることにより、階段状の各段において、ある程度の量のドレン水を保持することができる。これにより、実施の形態2では、第1ドレンパン1において、実施の形態1よりも多量のドレン水を貯留することができる。
【0103】
なお、第1底部125aと第2底部125bとの角度は、
図7に示すように鋭角である。しかし、これに限らず、第1底部125aと第2底部125bとの角度は、直角であってもよい。また、第1底部125aと第2底部125bとの角度は、鈍角であってもよい。つまり、実施の形態2では、第1経路121の底部125が第1経路121の幅方向に階段状に下る形状であればよい。
【0104】
実施の形態3.
[第1ドレンパン1における第2経路122のその他の構成例]
次に、第1ドレンパン1における第2経路122のその他の構成例を説明する。実施の形態3では、第2経路122において、ドレン水の流れ方向における仕切り装置8の手前側に壁86を設ける構成を説明する。
【0105】
図8は、実施の形態3における第1ドレンパン1に設けられた第1流路12の断面の構造を示す第1ドレンパン1の内部の側面図である。
図8において、第2経路122の構成が、
図3に示す第2経路122の構成と異なるのは、第2経路122において、ドレン水の流れ方向における仕切り装置8の手前側に壁86が設けられることである。
【0106】
壁86は、第2経路122における幅方向の仕切り壁127,127の間と同じ幅であり、扉81の高さよりも低い高さ(
図8では、一例として扉81の高さの3/4程度の高さ)の仕切り壁であり、第2経路122を流れるドレン水の流れを止めることが可能である。
【0107】
実施の形態3における第1ドレンパン1では、第2経路122において壁86が設けられたことにより、第2経路122において、ドレン水の水位が壁86と同じ高さとなるまで、壁86よりも上流側に貯留される。そして、ドレン水の水位が壁86の高さを超えると、ドレン水が壁86を超えて扉81に向けて流下する。これにより、実施の形態3における第1ドレンパン1では、第2経路122に壁86を設けたことにより、扉81を閉状態にするために必要となる扉81の重さ、および、送風装置9の送風量を低減することができる。
【0108】
[実施の形態のまとめ]
以上のように、本実施形態は以下のような開示を含む。
【0109】
[構成1]
ドレン水が流れる第1流路(第1流路12)が形成された第1ドレンパン(第1ドレンパン1)と、
前記第1ドレンパン(第1ドレンパン1)よりも下方に設けられ、前記第1ドレンパン(第1ドレンパン1)からドレン水を受ける第2ドレンパン(第2ドレンパン2)と、
前記第1ドレンパン(第1ドレンパン1)と前記第2ドレンパン(第2ドレンパン2)との間を接続し、前記第1流路(第1流路12)を流れたドレン水を前記第1ドレンパン(第1ドレンパン1)から前記第2ドレンパン(第2ドレンパン2)に流す第2流路(第2流路30)が形成された接続経路(接続経路3)と、
前記接続経路(接続経路3)上に設けられ、冷媒の水分を除去するドライヤ(ドライヤ4)とを備える、冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0110】
[構成2]
前記ドライヤ(ドライヤ4)および前記接続経路(接続経路3)に向けて送風をする送風装置(送風装置9)をさらに備える、構成1に記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0111】
[構成3]
前記第1流路(第1流路12)は、ドレン水が自重で流れるように傾斜した一連の曲折した形状の第1経路(第1経路121)と、
前記第1経路(第1経路121)を流れたドレン水が前記接続経路(接続経路3)まで自重で流れるように傾斜した第2経路(第2経路122)とを含む、構成1または構成2に記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0112】
[構成4]
前記第1経路(第1経路121)は、前記接続経路(接続経路3)から離れる方向にドレン水が流れるように形成され、
前記第2経路(第2経路122)は、前記接続経路(接続経路3)に近づく方向にドレン水が流れるように形成される、構成3に記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0113】
[構成5]
前記第2流路(第2流路30)は、ドレン水が自重で流れるように傾斜した一連の曲折した形状の経路よりなる、構成1~構成4のいずれかに記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0114】
[構成6]
前記ドライヤ(ドライヤ4)に設けられ、前記ドライヤ(ドライヤ4)から放熱させる放熱部材(放熱部材40)をさらに備える、構成1~構成5のいずれかに記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0115】
[構成7]
前記第1ドレンパン(第1ドレンパン1)と、前記接続経路(接続経路3)との間に設けられ、前記第1流路(第1流路12)と前記第2流路(第2流路30)との間を仕切る仕切り装置(仕切り装置8)をさらに備え、
前記仕切り装置(仕切り装置8)は、前記第1流路(第1流路12)と前記第2流路(第2流路30)との間におけるドレン水の流路を開閉可能である、構成1~構成6のいずれかに記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0116】
[構成8]
前記仕切り装置(仕切り装置8)は、前記第1流路(第1流路12)と前記第2流路(第2流路30)との間を仕切る扉(扉81)を含み、
前記扉(扉81)は、前記第1流路(第1流路12)に流れるドレン水の水圧と、前記扉(扉81)の自重と、前記扉(扉81)が受ける風の圧力との関係に応じて、開閉する、構成7に記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0117】
[構成9]
前記第1流路(第1流路12)は、前記第2経路(第2経路122)からドレン水が溢れた場合に、溢れたドレン水を前記第2流路(第2流路30)へ流す第3経路(第3経路123)をさらに含む構成3に記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0118】
[構成10]
前記第1流路(第1流路12)における前記第1経路(第1経路121)は、階段状に下る形状で構成される、構成3に記載の冷蔵庫(冷蔵庫100)。
【0119】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
12 第1流路、1 第1ドレンパン、2 第2ドレンパン、13 第2流路、3 接続経路、4 ドライヤ、100 冷蔵庫、9 送風装置、121 第1経路、122 第2経路、8 仕切り装置、81 扉。