(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133834
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】塵芥収集車管理サーバまたはユーザ携帯装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240926BHJP
B65F 5/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/26
B65F5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043817
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】岡野 啓一
(72)【発明者】
【氏名】山内 正輝
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
(72)【発明者】
【氏名】早川 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】福原 健大朗
(72)【発明者】
【氏名】木原 柊平
【テーマコード(参考)】
3E025
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E025EA03
3E025EA06
3E025EA10
3E025EB06
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】収集ルート決定時に、各収集先についての収集総重量および総作業時間を得る。
【解決手段】
収集先特定情報記憶手段310は、収集先候補として収集先の名称、住所など、収集先特定情報を記憶する。収集先別過去データ記憶手段317は、前記各収集先候補についての、過去の塵芥収集量および収集時の作業時間を収集先別過去データとして記憶する。制御手段313は、ユーザ側管理者端末装置120に前記収集先候補の収集先特定情報を送信する。かかる前記収集先候補の収集先特定情報は、選択可能に、表示手段615に表示される。ユーザ側管理者端末装置120から収集先を選択したルート決定命令が与えられると、特定された収集先についての収集先別過去データを収集先別過去データ記憶手段317から読みだして、当該収集ルートにおける収集総重量および総作業時間を演算した収集ルートをユーザ側管理者端末装置120に送信する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ側管理者端末装置、または塵芥収集車と通信を行うユーザ携帯装置と通信を行う塵芥収集車管理サーバであって、
前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報を記憶する収集先特定情報記憶手段、
前記収集先候補についての過去の塵芥収集量および収集時の作業時間を収集先別過去データとして記憶する収集先別過去データ記憶手段、
前記収集先候補の収集先特定情報を選択可能に、ユーザ側管理者端末装置またはユーザ携帯装置の一方に提示させる制御手段、
を備え、
前記制御手段は、前記一方の装置から収集先の収集順序を選択したルート決定命令が与えられると、特定された収集先の前記収集先別過去データに基づいて、当該収集ルートにおける収集総重量および総作業時間を含めた収集ルートを前記一方の装置に提示させること、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【請求項2】
塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、
前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報および収集曜日を記憶する収集先特定情報記憶手段、
前記収集先候補の収集先情報を選択可能に、提示手段に提示するとともに、前記提示手段にて、1または2以上の収集先が選択されると、収集先として確定する制御手段、
を備え、
前記制御手段は、本日の曜日に基づいて前記収集先候補を限定提示すること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【請求項3】
塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、
前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報および収集予定時刻を記憶する収集先特定情報記憶手段、
前記収集先候補の収集先情報を選択可能に、提示手段に提示するとともに、前記提示手段にて、1または2以上の収集先が選択されると、収集先として確定する制御手段、
を備え、
前記制御手段は、収集予定時刻が与えられると、前記収集先候補を提示手段に提示する際に、各収集先の収集予定時刻に基づいて、前記提示手段に限定提示すること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【請求項4】
ユーザ側管理者端末装置、または塵芥収集車と通信を行うユーザ携帯装置と通信を行う塵芥収集車管理サーバであって、
前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報を記憶する収集先特定情報記憶手段、
前記ユーザ側管理者端末装置またはユーザ携帯装置の一方に、前記収集先特定情報が収集先候補としてリスト提示させる候補提示欄と前記収集先特定情報から選択移動された収集先特定情報がリスト提示される選択提示欄を提示させる制御手段、
を備え、
前記制御手段は、前記一方の装置の操作者によって、前記候補提示欄から、前記選択提示欄に選択移動させた収集先特定情報は、前記候補提示欄から削除させること、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【請求項5】
ユーザ側管理者端末装置、または塵芥収集車と通信を行うユーザ携帯装置と通信を行う塵芥収集車管理サーバであって、
前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報を記憶する収集先特定情報記憶手段、
前記ユーザ側管理者端末装置またはユーザ携帯装置の一方に、前記収集先特定情報が収集先候補としてリスト提示させる候補提示欄と前記収集先特定情報から選択移動された収集先特定情報がリスト提示される選択提示欄、および前記選択提示欄にリスト提示された収集先特定情報が地図提示される地図提示欄を提示させる制御手段、
を備え、
前記制御手段は、前記選択移動された収集先特定情報を前記地図提示欄に提示させる際に、収集順が判別可能に前記一方の装置に提示させること、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【請求項6】
請求項1、請求項4または請求項5の塵芥収集車管理サーバにおいて、
前記一方の位置情報を記憶する位置情報記憶手段を有し、
前記収集先候補は、前記位置情報記憶手段の位置情報に基づいて、前記一方の装置から近い順に前記収集先候補を並べて前記一方の装置に提示されること、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【請求項7】
請求項6の塵芥収集車管理サーバにおいて、
前記位置情報記憶手段は、さらに、車庫の位置および処分場の位置情報を記憶しており、
前記制御手段は、前記前記一方の装置に前記表示リストの先頭または後尾に、前記車庫または処分場の位置を追加した収集ルートを、前記前記一方の装置に提示させること、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【請求項8】
請求項1の塵芥収集車管理サーバにおいて、
前記収集先特定情報は、収集先の位置情報を含み、
前記位置情報記憶手段は、さらに、車庫の位置および処分場の位置情報を記憶しており、
前記収集ルートの決定において、前記位置情報を用いて、各収集ルートにおける収集総重量および総作業時間に加えて、移動時間を演算するとともに、
さらに、
複数の収集ルートで構成された一日の総合収集ルート候補を決定し、前記各収集ルートは、以下の第1収集ルート、最終収集ルート、および必要な中間収集ルートで構成され、かつ、前記位置情報に基づいて総合収集ルート候補のうち、総作業時間に総移動時間を加えた総収集時間を演算して、総収集時間が最短の総合収集ルートを決定総合収集ルートとして決定すること、
1)前記車庫の位置から次の収集先候補に移動して、次の収集ができない積載不可能状態まで積載したら、前記処分場まで移動して、排出する第1収集ルート、
2)前記処分場から次の収集先候補に移動して、前記積載不可能状態まで積載したら、前記処分場まで移動して、排出する中間収集ルート、
3)前記処分場から次の収集先候補に移動して、前記積載不可能状態まで積載したら、前記処分場まで移動して、排出し、前記車庫の位置まで移動する最終収集ルート、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【請求項9】
請求項8の塵芥収集車管理サーバにおいて、
前記収集先別過去データは、前記塵芥収集車における排出板の位置特定情報が含まれており、
前記制御手段は、前記次の積載不可能状態か否かを、総積載重量および、前記排出板の位置特定情報から決定される残容積から決定される積載可能重量の双方から判断すること、
を特徴とする塵芥収集車管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塵芥収集車管理システムに関し、特に、塵芥の収集状況の報知に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、収集結果データに基づき、塵芥収集車の収集ルート設定の変更することが開示されている(段落0099など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1におけるルート設定は、改善の余地があった。
【0005】
この発明は、塵芥収集車管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバは、ユーザ側管理者端末装置、または塵芥収集車と通信を行うユーザ携帯装置と通信を行う塵芥収集車管理サーバであって、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報を記憶する収集先特定情報記憶手段、前記収集先候補についての過去の塵芥収集量および収集時の作業時間を収集先別過去データとして記憶する収集先別過去データ記憶手段、前記収集先候補の収集先特定情報を選択可能に、前記ユーザ側管理者端末装置または前記ユーザ携帯装置の一方に提示させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記一方の装置から収集先の収集順序を選択したルート決定命令が与えられると、特定された収集先の前記収集先別過去データに基づいて、当該収集ルートにおける収集総重量および総作業時間を含めた収集ルートを前記一方の装置に提示させる。
【0007】
したがって、収集総重量および総作業時間を含めた収集ルートを前記一方の装置の操作者に提示させることができる。
【0008】
(2)本発明にかかるユーザ携帯装置は、塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報および収集曜日を記憶する収集先特定情報記憶手段、前記収集先候補の収集先情報を選択可能に、提示手段に提示するとともに、前記提示手段にて、1または2以上の収集先が選択されると、収集先として確定する制御手段、を備え、前記制御手段は、前記収集先候補を提示手段に提示する際に、本日の曜日に基づいて、前記収集先候補を限定提示する。これにより、曜日に基づいて、前記提示手段に提示される収集先候補を減らして提示することができる。
【0009】
(3)本発明にかかるユーザ携帯装置は、塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報および収集予定時刻を記憶する収集先特定情報記憶手段、前記収集先候補の収集先情報を選択可能に、提示手段に提示するとともに、前記提示手段にて、1または2以上の収集先が選択されると、収集先として確定する制御手段を備え、前記制御手段は、収集予定時刻が与えられると、前記収集先候補を提示手段に提示する際に、各収集先の収集予定時刻に基づいて、前記提示手段に限定提示する。これにより、前記収集予定時刻に基づいて、前記提示手段に提示される収集先候補を減らして提示することができる。
【0010】
(4)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバは、ユーザ側管理者端末装置、または塵芥収集車と通信を行うユーザ携帯装置と通信を行う塵芥収集車管理サーバであって、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報を記憶する収集先特定情報記憶手段、前記ユーザ側管理者端末装置または前記ユーザ携帯装置の一方に、前記収集先特定情報が収集先候補としてリスト提示させる候補提示欄と前記収集先特定情報から選択移動された収集先特定情報がリスト提示される選択提示欄を提示させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記一方の装置の操作者によって、前記候補提示欄から、前記選択提示欄に選択移動させた収集先特定情報は、前記候補提示欄から削除させる。したがって、既に選択された収集先候補は、前記提示対象から外すことができる。これにより、既選択の収集先候補を誤って選択することがなくなる。
【0011】
(5)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバは、ユーザ側管理者端末装置、または塵芥収集車と通信を行うユーザ携帯装置と通信を行う塵芥収集車管理サーバであって、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報を記憶する収集先特定情報記憶手段、前記ユーザ側管理者端末装置または前記ユーザ携帯装置の一方に、前記収集先特定情報が収集先候補としてリスト提示させる候補提示欄と前記収集先特定情報から選択移動された収集先特定情報がリスト提示される選択提示欄、および前記選択提示欄にリスト提示された収集先特定情報が地図提示される地図提示欄を提示させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記選択移動された収集先特定情報を前記地図提示欄に提示させる際に、収集順が判別可能に前記一方の装置に提示させる。したがって、前記選択移動された収集先特定情報を、収集順が判別可能に前記一方の装置の前記地図提示欄に提示させることができる。
【0012】
(6)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバは、さらに、前記一方の装置の位置情報を記憶する位置情報記憶手段を有し、前記収集先候補は、前記位置情報記憶手段の位置情報に基づいて、前記一方の装置から近い順に前記収集先候補を並べて前記一方の装置に提示させる。したがって、前記一方の装置から近い順に前記収集先候補を並べて前記一方の装置に提示される。これにより、近い順の選択が容易となる。
【0013】
(7)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバは、前記位置情報記憶手段は、さらに、車庫の位置および処分場の位置情報を記憶しており、前記制御手段は、前記一方の装置に前記表示リストの先頭または後尾に、前記車庫または処分場の位置を追加した収集ルートを提示させる。したがって、現実の収集に即して処分場への移動を追加した収集ルートを提示させることができる。
【0014】
(8)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバにおいては、前記収集先特定情報は、収集先の位置情報を含み、前記位置情報記憶手段は、さらに、車庫の位置および処分場の位置情報を記憶しており、前記収集ルートの決定において、前記位置情報を用いて、各収集ルートにおける収集総重量および総作業時間に加えて、移動時間を演算するとともに、
さらに、複数の収集ルートで構成された一日の総合収集ルート候補を決定し、前記各収集ルートは、以下の第1収集ルート、最終収集ルート、および必要な中間収集ルートで構成され、かつ、前記位置情報に基づいて総合収集ルート候補のうち、総作業時間に総移動時間を加えた総収集時間を演算して、総収集時間が最短の総合収集ルートを決定総合収集ルートとして決定する。1)前記車庫の位置から次の収集先候補に移動して、次の収集ができない積載不可能状態まで積載したら、前記処分場まで移動して、排出する第1収集ルート、2)前記処分場から次の収集先候補に移動して、前記積載不可能状態まで積載したら、前記処分場まで移動して、排出する中間収集ルート、3)前記処分場から次の収集先候補に移動して、前記積載不可能状態まで積載したら、前記処分場まで移動して、排出し、前記車庫の位置まで移動する最終収集ルート。したがって、前記総合収集ルート候補を簡単に決定することができる。
【0015】
(9)本発明にかかる塵芥収集車管理サーバにおいては、前記収集先別過去データは、前記塵芥収集車における排出板の位置特定情報が含まれており、前記制御手段は、前記次の積載不可能状態か否かを、総積載重量および、前記排出板の位置特定情報から決定される残容積から決定される積載可能重量の双方から判断する。したがって、単位重量あたりの容積が大きな塵芥を収集する際でも、実際に即した収集ルートを決定することができる。
【0016】
本明細書において使用した用語の定義について説明する。「ユーザ」は、このシステムを使用して塵芥収集を行う業者をいう。「顧客」は、前記ユーザにとっての顧客であり、塵芥収集をする収集先をいう。
【0017】
「位置から近い」とは、直線距離で近い順、道路上のルートが近い順などいずれも含む。また、ユーザ側管理者端末装置の位置は住所から確定される位置座標を用いてもよいし、位置検出器などで検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】塵芥収集車管理システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】管理サーバ100を、CPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザ携帯装置160を、CPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】塵芥収集車におけるハードウェア構成の一例である。
【
図5】ユーザ携帯装置160における状態遷移図である。
【
図6】ユーザ携帯装置160のトップ画面および設定画面である。
【
図7】設定メニュー表示モードの画面を示す図である。
【
図8】収集先選択モードおよび収集データ入力モードの画面を示す図である。
【
図9】印刷モードおよび収集履歴モードの画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
(1. 全体構成)
図1に、本発明の1実施形態にかかる塵芥収集車管理システム1(以下、管理システム1という)の機能ブロックを示す。
【0021】
管理システム1は、塵芥収集車管理サーバ100(以下、管理サーバ100という)、ユーザ側管理者端末装置120、1または2以上のユーザ携帯装置160、複数の塵芥収集車170a~170nを備えている。
【0022】
塵芥収集車170a~170nは、決められたルートで塵芥の収集を行う。塵芥収集車170aの作業者はユーザ携帯装置160を用いて収集データを管理サーバ100に送信するとともに、プリンタ161にて収集結果を出力する。ユーザ側管理者端末装置120は、管理サーバ100にユーザ情報、顧客である収集先情報、および収集データの管理を行う。
【0023】
(2.1 塵芥収集車管理サーバ100のハードウェア構成)
図1の塵芥収集車管理サーバ100(以下管理サーバ100という)をCPUを用いて構成したハードウェア構成について、
図2を用いて説明する。
【0024】
管理サーバ100は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、入力デバイス28、通信ボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0025】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26mを記憶する。また、ハードディスク26は、顧客管理データを記憶する顧客管理データ記憶部26d、および塵芥収集車170a~nから受信した収集データを記憶する収集データ記憶部26cを有する。顧客管理データ記憶部26dおよび収集データ記憶部26cに記憶されるデータについては後述する。
【0026】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、Windows 10(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0027】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたDVD-ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、DVD-ROM以外に、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0028】
本実施形態においては、プログラムをDVD-ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、DVD-ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、DVD-ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0029】
(2.2 ユーザ携帯装置160のハードウェア構成)
ユーザ携帯装置160を、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例について
図3を用いて説明する。
【0030】
ユーザ携帯装置160は、一般的なスマートフォンの構成であり、CPU123、メモリ127、フラッシュメモリ126、表示部130、無線通信部128、操作部125、音声入出力部124、位置情報検出部122、近距離無線通信ユニット121、撮像ユニット119、およびバスライン129を備えている。位置情報検出部122は、GNNS(Global Navigation Satellite System)により位置情報を検出するモジュールである。近距離無線通信ユニット121はBluetooth(登録商標)規格での通信をおこなう。
【0031】
CPU123は、フラッシュメモリ126に記憶された各プログラムにしたがいバスライン129を介して、各部を制御する。
【0032】
フラッシュメモリ126は、オペレーティングシステムプログラム126o(以下OSと略す)、メインプログラム126mを有する。本実施形態においては、OSとしてAndroid(商標)を採用した。メインプログラム126mの処理は後述する。
【0033】
また、フラッシュメモリ126は、計量データ記憶部126k、顧客マスタデータ記憶部126c、ユーザ情報記憶部126uを有する。これらに記憶されるデータについては後述する。
【0034】
本実施形態においては、近距離無線通信ユニットとして、Bluetooth(登録商標)を採用したが、これに限定されない。
【0035】
近距離無線通信ユニット121は塵芥収集車170a~nの近距離無線通信ユニット171(
図4参照)と接続して、各種のデータの送受信を行う。また、近距離無線通信ユニット121は、プリンタ161(
図1参照)に印刷データを送信する。
【0036】
また、無線通信部128は、管理サーバ100に積載量・ゴミの種類などの収集データを送信する。
【0037】
(2.3 ユーザ別購買データサーバ140のハードウェア構成)
図1に示すユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成は、
図2と同じであり、ハードディスクに記憶されているメインプログラムの処理が後述するように異なる。説明は省略する。
【0038】
(2.4 塵芥収集車170のハードウェア構成)
図1に示す塵芥収集車170a~nは、一般的な塵芥収集車であり、
図4に、収集作業に関する駆動部分の動きを検出するセンサ系のハードウェア構成を示す。
【0039】
塵芥収集車170aは、スライドカバーセンサ161、排出板位置センサ163、テールゲートセンサ165、PTOセンサ169、ロードセル153、コントローラ151、エアサス制御ユニット155、撮像ユニット157、近距離無線通信ユニット171、指示計173を有する。
【0040】
スライドカバーセンサ161は、塵芥収集車における塵芥投入箱後面の投入口を覆うスライド式のカバーの開閉状態を検出するセンサである。排出板位置センサ163は、塵芥収容箱2の内部で、車両前後方向に往復動可能な排出板の車両前後方向の位置を検出するセンサである。排出板を車両前方向に移動させることで塵芥を積み込むための空間を拡大させて塵芥収容箱における塵芥の収容量は、漸増する。また、排出板が車両後方向に移動すると、塵芥収容箱に収容された塵芥を後方へ排出することができる。
【0041】
テールゲートセンサ165は塵芥収集車における塵芥投入箱の開閉状態を検出するセンサである。本実施形態においては、テールゲートセンサ165をテールゲートロック用電磁弁で構成した。PTOセンサ169は、PTO装置の切替状態がオンまたはオフであることを検出する。ロードセル153は、塵芥収集車における塵芥投入箱の重さを計測する。
【0042】
コントローラ151は、各種のセンサからの情報を用いた演算処理を行うとともに、各ユニットの制御を行う。
【0043】
エアサス制御ユニット155は、コントローラ151からの指令に基づいて、空気の圧縮抵抗を利用した空気バネ装置(図示せず)の空気量を調整することで、塵芥収集車の最低地上高を変化させる。撮像ユニット157は塵芥投入箱のテールゲート上部に設けられており、塵芥投入箱近傍の様子を撮像した撮像データをコントローラ151に送信する。近距離無線通信ユニット171は、ユーザ携帯装置160とのデータ通信を行う。指示計173は、ロードセル153が計測した重量が表示される。
【0044】
他の塵芥収集車170についても同様である。
【0045】
3.ユーザ携帯装置160における処理の概要
(3.1)概要
(状態遷移)
塵芥収集車170が塵芥収集を行う場合に、作業者がおこなう処理の概要について
図5の状態遷移図、および
図6~
図9のユーザ携帯装置160の画面を用いて説明する。
【0046】
図5に示すようにトップ画面からは「設定メニュー表示」、「収集先選択」、「収集履歴」「リセット」の4つの画面が切り替えられる。また、前記4つの画面からは詳細モード画面に切り替えられる。
【0047】
「設定メニュー表示」であれば、「顧客マスタ設定」、「システム設定」「ユーザ情報の設定」の各モードに切り替えられる。また、「収集先選択」であれは、「収集先を選択」「収集情報入力」「伝票印刷」「収集情報記録」の各モードに切り替えられる。また、「収集履歴」であれば、「収集履歴データのアップロード」「収集履歴データの削除」「収集履歴データの編集」「伝票再印刷」の各モードに切り替えられる。なお、「リセット」モードには詳細モードはなくリセット処理を行う。
【0048】
(3.2)各モードにおける処理および画面
(3.2.1 トップメニュー)
上記各モードについて
図6~
図9を用いて説明する。作業者は、ユーザ携帯装置160を用いて塵芥収集車管理サーバ100にログインすると、
図6Aのトップ画面が表示される。
【0049】
トップ画面では、積載状況表示欄211、メニューボタン212、リセットボタン217、収集先選択ボタン213、収集履歴モードに移行する収集履歴ボタン215が表示されている。積載状況表示欄211には、ロードセル153が計測した総積載量および最大可能積載量に対する割合が表示される。メニューボタン212を選択すると設定メニュー表示モードに移行する。リセットボタン217を選択するとリセットモードに移行する。収集先選択ボタン213を選択すると収集先選択モードに移行する。収集履歴ボタン215が選択されると収集履歴モードに移行する。
【0050】
(3.2.2 設定メニュー表示モード)
トップ画面にて、メニューボタン212が選択されると、
図6Bに示す設定メニュー表示モードに移行し、顧客マスタ設定ボタン221、システム設定ボタン223、ユーザ情報の設定ボタン225などが表示されている。
【0051】
図6Bに示す設定メニュー表示モードにて、顧客マスタ設定ボタン221が選択されると、
図7Aに示す画面に切り替わり、これから収集する顧客の選択が可能となる。また、
図6Bに示す設定メニュー表示モードでシステム設定ボタン223が選択されると、
図7Bに示す画面に切り替わり、「計量方式」設定、「単位」設定、「署名欄印刷ありなし」選択、「自社情報表示ありなし」選択、指示計およびプリンタのBDアドレス(Bluetooth Device Address)の設定、および、近距離無線通信の設定、「収集情報自動送信ありなし」の選択が可能となる。
【0052】
「計量方式」設定では、「ボディ計量」、「投入口計量」または「計量なし」を選択する。
【0053】
「単位」設定では、収集情報の重量の単位を「kg」、「m3」「袋数」のいずれかを選択する。
【0054】
「署名欄印刷ありなし」選択では、伝票印刷時の署名欄印字の有無を選択する。「自社情報表示ありなし」では、伝票印刷時の自社情報表示の有無を選択する。
【0055】
「指示計およびプリンタのBDアドレス設定」では、Bluetooth(登録商標)機器のアドレスを選択し、ペアリング設定をする。一度設定すれば設定は保持される。「収集情報自動送信」設定では、チェックを入れると収集完了時に自動で計量データをサーバにアップロードする。
【0056】
図6Bに示す設定メニュー表示モードにて、ユーザ設定ボタン225が選択されると、
図7Cに示す画面に切り替わり、ユーザの名称などのこのシステムを使用する塵芥収集を行う会社の詳細情報の登録・修正が可能となる。
【0057】
(3.2.3 収集先選択モード)
トップ画面にて、収集先選択ボタン213が選択されると、
図8Aに示す収集先選択モードになる。ルート絞り込みボックス251のドロップダウンマーク252が選択されると、登録しているルートの名称が表示される。ルート絞り込みボックス251に表示されたいずれかが選択されると、そのルートの収集先リストが表示欄261に表示される。並べ替えボックス255のドロップダウンマーク256が選択されると、登録順/名前順/距離順が選択できるように、並べ替えボックス255に表示される。いずれかが選択されると、表示欄261の表示が並べ替えられる。なお、並び替え距離順にて表示されている状態で、距離順表示更新ボタン257が押されると、現在地に近い収集先順に表示される。
【0058】
表示欄261における各収集先の名称の前には、収集ステータス表示欄261aがある。初期は「未」であり、後述する収集画面で完了ボタンが押されると、「未」が「完」と変更される。
【0059】
表示欄261における各収集先の名称の後ろには、選択ボタン263aがある。作業者は、収集先に到着すると、その収集先の選択ボタン263aを選択する。これにより、表示が
図8Bに示す収集画面に切り替わる。
【0060】
(3.2.4 収集データ入力モード)
図8Bに示す収集画面は、収集データを入力する収集データ入力モードである。収集データ入力モードでは、回数選択ボタン277、279、重量表示欄281、収集物選択欄283、袋数入力欄287、マニフェス卜番号入力欄291、収集開始ボタン293、印刷ボタン295、完了ボタン297が表示されている。
【0061】
回数選択ボタン277、279は、当該収集先にて複数回、収集する場合に選択するボタンである。重量表示欄281には、手動で、または、ロードセル153(
図4参照)による計測結果が自動的に表示される。かかる自動重量計測については後述する。
【0062】
収集物選択欄283にはドロップダウンマーク285が選択されると、登録している収集物の種類(可燃物、不燃物・・・など)が表示され、いずれかを選択することができる。袋数入力欄287には、手動で袋の数が入力される。マニフェス卜番号入力欄291には、マニフェス卜番号が手動入力される。
【0063】
作業者は、収集先に到着すると収集開始ボタン293を選択する。これにより、風袋引きが実行され、収集対象を積み込み処理開始の画面が表示される(
図8C参照)。かかる画面には完了ボタン297bが表示されており、作業者は積み込みが完了すると、この完了ボタン297bを選択する。これにより、
図8Bに示す画面に戻り、ロードセル153からの計測結果が重量表示欄281に表示される。作業者は、収集物選択欄283、袋数入力欄287、マニフェス卜番号入力欄291の入力を確認すると、完了ボタン297を選択する。これにより、当該収集先での収集データがユーザ携帯装置160の収集データ記憶部126k(
図3参照)に記憶される。また印刷ボタン295が選択されると、
図9Aに示す印刷モードに移行する。
【0064】
印刷モードでは、作業者は、表示を確認し、確認ボタン298を選択する。これにより、
図1に示すプリンタ161に印刷される。
【0065】
また、戻るボタン299、275、265が選択されると、トップ画面(
図6A参照)に戻る。
【0066】
(3.2.5 収集履歴モード)
トップ画面にて、収集履歴ボタン215が選択されると、
図9Bに示す収集履歴モードとなる。
【0067】
図9Bが未送信の収集データの表示画面であり、
図9Cがアップロード済みの収集データである。
図9Bにて送信済み表示切り替えボタン232が選択されると、
図9Cに表示が切り替えられる。
図9Cにて送信済み表示切り替えボタン231が選択されると、
図9Bに表示が切り替えられる。
【0068】
図9Bにて、表示欄241には未送信の収集データが表示されている。この場合、2つの収集データが表示されている。この状態で、アップロードボタン242が選択されると、ユーザ携帯装置160は、無線通信部128より、
図1に示す塵芥収集車管理サーバ100にデータを送信する。
【0069】
図9Cにて、表示欄244には、アップロードした収集データが表示されている。いずれかの収集データを選択すると、印刷画面(
図9A参照)に切り替えられる。また、
図9Cにて、一括削除ボタン245が選択されると、一括削除される。
【0070】
なお、かかるアップロードされた収集データは、ユーザ側管理者端末装置120の操作者が、チェックすることができる。
【0071】
4.第1実施形態
本実施形態における収集ルート決定時の表示処理について説明する。本実施形態においては、ユーザ側管理者端末装置120の操作者(管理者)が、管理サーバ100にアクセスして、収集ルート候補を仮決定すると、作業時間と積載重量の合計予測を報知するようにしている。以下説明する。
【0072】
図10に、この実施形態における機能ブロック図を示す。
【0073】
塵芥収集車管理システム1は、塵芥収集車管理サーバ100(以下管理サーバ100という)、ユーザ携帯装置160、塵芥収集車170aおよびユーザ側管理者端末装置120を備えている。
【0074】
(4.1 塵芥収集車170a)
塵芥収集車170aは、制御手段513、排出板位置情報検出手段518、重量計測手段510、および近距離無線通信手段519を備えている。排出板位置情報検出手段518は、塵芥収集車の塵芥投入箱における排出板位置を検出する。重量計測手段510は現在の塵芥収集重量を計測する。制御手段513は、ユーザ携帯装置160からの塵芥の重量計測要請を受けると、前記排出板の位置および前記塵芥収集重量を、それぞれ、位置特定情報および収集重量情報として、近距離無線通信手段519を介して、ユーザ携帯装置160に送信する。
【0075】
(4.2 ユーザ携帯装置160)
ユーザ携帯装置160は、収集先特定情報記憶手段410、表示手段411、制御手段413、送受信手段415、収集データ記憶手段417、近距離無線通信手段419、検出値記憶手段433、および塵芥別重量容積関数記憶手段429、提示手段423を備えている。
【0076】
塵芥別重量容積関数記憶手段429は、重量と容積の関係を特定する重量容積関数を塵芥の種類ごとに記憶する。制御手段413は、塵芥収集時に、塵芥収集車170aに対して、収集した塵芥の重量計測要請を行い、近距離無線通信手段419を介して、塵芥収集車170から塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信すると、検出値記憶手段433に記憶する。
【0077】
制御手段413は、以下の3つのステップを実行する。1)前記収集重量情報に基づいて、現在の収集総重量を決定する収集総重量決定ステップ、2)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定する容積的割合決定ステップ、3)前記塵芥の種類の前記容積的割合から決定される積載可能容積と前記重量容積関数とから、前記積載可能重量を決定する残積載可能重量決定ステップ。
【0078】
また、制御手段413は、収集総重量および残積載可能重量を提示手段423に提示させる。かかる提示の手法としては、表示、音声通知などの周知のやり方が適用可能で
ある。表示する場合は、表示手段411が提示知手段となる。
【0079】
また、ユーザ携帯装置160の収集先特定情報記憶手段410には、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報および収集曜日を記憶する。かかる収集先特定情報は、管理サーバ100の収集先特定情報記憶手段310の収集先特定情報を受け取って、記憶されたものである。
【0080】
制御手段413(
図10参照)は、収集先候補の収集先情報を選択可能に、提示手段423に提示するとともに、提示手段423にて、1または2以上の収集先が選択されると、収集先として確定する。
【0081】
また、制御手段413は、前記収集先候補を提示手段423に提示する際に、本日の曜日に基づいて、提示手段423に収集先を限定提示する。
【0082】
このように、ユーザ携帯装置160の操作者(作業者)は、収集先選択モードにおいて、収集ルート候補からこれから行う収集先を決定する際に、曜日別に収集先を選択可能である。これにより、収集先が多い場合でも適切に絞り込むことができる。
【0083】
なお、前記収集先特定情報記憶手段に、前記塵芥収集車の収集先候補について、収集先特定情報および収集予定時刻を記憶しておき、収集予定時刻が与えられると、前記収集先候補を提示手段に提示する際に、各収集先の収集予定時刻に基づいて、前記提示手段に収集先を限定提示するようにしてもよい。
【0084】
具体的には、曜日で絞り込むには、
図8Aに示す収集先選択モードにおいて、ルート絞り込みボックス251に表示された収集先候補について、曜日での絞り込みボタン(図示せず)が選択されると、各収集先については、収集する曜日を読みだして(
図11A参照)、当日の曜日に合致した収集先のみ候補として表示されるようにすればよい。
【0085】
また、収集予定時刻で絞り込むためには、ユーザ携帯装置160において、現在時刻を取得して、
図11Aに示す収集予定時刻に合致しない収集先については、表示対象から外すようにすればよい。
【0086】
(4.3 ユーザ側管理者端末装置120および管理サーバ100)
ユーザ側管理者端末装置120は表示手段611、制御手段613、送受信手段615を備えている。
【0087】
塵芥収集車管理サーバ100は、塵芥別重量容積関数記憶手段316、収集先特定情報記憶手段310、位置情報記憶手段318、収集データ記憶手段317、送受信手段315および制御手段313を備えている。
【0088】
収集先特定情報記憶手段310は、収集先候補として収集先の名称、住所など、収集先特定情報を記憶する。収集先特定情報記憶手段410に記憶された収集先特定情報のデータ構造を
図11に示す。
図11Aは、収集先データで有り、顧客名、住所、位置、収集物種類、収集曜日、収集予定時刻が記憶されている。
【0089】
収集先別過去データ記憶手段317は、前記各収集先候補についての、過去の塵芥収集量および収集時の作業時間を収集先別過去データとして記憶する。
図11Bに平均収集データの一例を示す。このように、顧客ごとに平均収集重量および作業時間が記憶されている。なお、かかる平均収集重量は、月別や週別などより詳細な区分で平均を求めてもよい。
【0090】
また、収集先特定情報としては、処分場および車庫データも記憶されている。
図11Cは、処分場に関するデータであり、収集場所、住所、位置、および収集物種類が記憶されている。また、
図11Dは、車庫データであり、住所および位置が記憶されている。
【0091】
制御手段313(
図10参照)は、ユーザ側管理者端末装置120から要請があると、送受信手段315を介して、ユーザ側管理者端末装置120に前記収集先候補の収集先特定情報を送信する。ユーザ側管理者端末装置120の制御手段613は、かかる前記収集先候補の収集先特定情報を選択可能に、表示手段615に表示する。ユーザ側管理者端末装置120の操作者は、かかる収集先特定情報を任意に並べることで、収集ルートを生成する。制御手段613は、決定された収集ルートを、収集先を選択したルート決定命令として、管理サーバ100に送信する。
【0092】
管理サーバ100の制御手段313は、ユーザ側管理者端末装置120から収集先を選択したルート決定命令が与えられると、特定された収集先についての収集先別過去データを収集先別過去データ記憶手段317から読みだして、当該収集ルートにおける収集総重量および総作業時間を演算した収集ルートをユーザ側管理者端末装置120に送信する。これにより、ユーザ側管理者端末装置120の操作者は、生成した収集ルートにおいて各収集先についての収集総重量および総作業時間を予想することができる。
【0093】
たとえば、決定された収集ルートが、顧客BCD店→CDE店→IJK店→UTT店→ABC店→EFG店→HIJ店であった場合、各収集先までの顧客における累積収集予定重量および累積作業時間が演算される。具体的には、顧客BCD店における収集で、収集予定重量K2、作業時間H2分で、CDE店における収集で、収集予定重量K3+K2=K11、作業時間H3+H2=H11分で、IJK店における収集で、収集予定重量K4+K3+K2=K12、作業時間H4+H3+H2=H12分・・・と、累積収集予定重量および累積作業時間が演算されて、結果が表示される。
【0094】
上記処理は、ユーザ側管理者端末装置120および管理サーバ100にて実行される。かかる処理フローチャートを
図12に示す。
【0095】
ユーザ側管理者端末装置120の操作者は、ブラウザプログラム(図示せず)にてログイン画面にアクセスし、登録済みのユーザIDにてログインする。ログイン処理については一般的な処理なので説明は省略する。管理サーバ100は、初期画面を送信する(
図12ステップS41)。
【0096】
本実施形態においては、管理サーバ100は、初期画面の表示データとともに、ブラウザプログラムに読み込まれて実行されるスクリプトプログラムを送信する。本実施形態においては、スクリプトプログラムとしてJAVAスクリプト(商標)を採用したが、これに限定されない。
【0097】
ユーザ側管理者端末装置120は、受け取った初期画面をモニタに表示する(ステップS43)。ユーザ側管理者端末装置120の操作者が、収集先取得ボタン(図示せず)を選択すると、ユーザ側管理者端末装置120は、収集先データの要請を管理サーバ100に送信する(ステップS47)
管理サーバ100は、かかる要請を受けると、リストデータおよび地図データなどの詳細データを送信する(ステップS49)。
【0098】
ユーザ側管理者端末装置120のブラウザプログラムは、かかるデータを受け取ると、受け取った収集先データを収集先候補標示欄D3(
図13参照)に表示する(ステップS51)。
図13の地図標示欄D1および収集ルート標示欄D2については後述する。
【0099】
ブラウザプログラムは、選択があるか否か判断しており(ステップS53)、選択があると、収集ルート標示欄D2に収集先として表示するとともに、収集先候補標示欄D3のリストから削除する。また、選択された収集先を地図表示欄D1に表示する(ステップS55)。
【0100】
ブラウザプログラムは、総重量および総作業時間を演算して、収集ルート標示欄D2に表示する(ステップS56)。これは、
図11Bの平均収集データの平均収集重量および平均作業時間から求めればよい。
【0101】
ブラウザプログラムは、並び替え命令またはルート確定命令が与えられるまでは、ステップS53の選択判断を繰り返す。
【0102】
なお、収集先候補標示欄D3には、処分場および車庫もリスト表示されている。これも収集ルートに追加することができる。
【0103】
ブラウザプログラムは、かかる入れ替えがあると、並び替え命令があったと判断して(ステップS57)、並び替え処理を行う(ステップS59)。並び替え処理としては、地図標示欄D1の収集順を入れ替える。および、収集ルート標示欄D2の総重量および総作業時間の演算を実行する(ステップS56)。
【0104】
図14に、収集ルート「月曜1」として、「車庫1→BCD店→CDE店→処分場1→IJK店→UTT店→処分場2→ABC店→EFG店→HIJ店→処分場2→車庫1」を選択した場合の表示例を示す。
【0105】
図14の地図標示欄D1には、収集順が判別可能に、各収集先の位置が表示されている。また、収集ルート標示欄D2には、その収集順で収集したときの各収集先における総重量および総作業時間が表示されている。
【0106】
ユーザ側管理者端末装置120の操作者は、かかる結果を見て、並べ替え処理が必要と判断した場合には、収集先標示欄D2の収集先を、ドラッグアンドドロップで入れ替える。
【0107】
図15に、収集ルート「月曜1」として、「車庫1→BCD店→CDE店→処分場1→IJK店→UTT店→処分場2→HIJ店→EFG店→ABC店→処分場1→車庫1」に並び替え場合の表示例を示す。
【0108】
かかる収集ルートを登録するには、ユーザ側管理者端末装置120の操作者は、収集ルート名を入力し、登録ボタンB201を選択すればよい。これにより、ブラウザプログラムは、ルート確定命令があったと判断して(ステップS61)、確定収集ルートとして管理サーバ100に送信する(ステップS63)。管理サーバ100は、これを確定収集ルートとして記憶する(ステップS65)。
【0109】
なお、本実施形態においては、各収集先における作業時間を提示するようにした。かかる作業時間は、特に、処分場をルートに含む場合には意味がある。さらに、各収集先からつぎの収集先までの予測移動時間を追加で提示するようにしてもよい。かかる予測移動時間は、過去の平均移動時間であってもよいし、地図データにおけるノード情報から道路に沿って移動した場合の距離を求めて、これと平均速度から演算するようにすればよい。
【0110】
(4.4 他の実施形態)
なお、ユーザ側管理者端末装置120ではなく、ユーザ携帯装置160について同様の処理をしてもよい。ユーザ携帯装置160に同様の処理を行うことにより、ユーザ携帯装置160にて動的に収集ルートの変更が容易となる。
【0111】
また、収集先候補標示欄D3において、ユーザ側管理者端末装置120の設置位置から近い順に並び替え可能としてもよい。かかる近い順は、直線距離でもよいし、道路に沿って移動した場合の距離であってもよい。後者は地図データにおけるノード情報から求めるようにすればよい。
【0112】
本実施形態においては、収集順を矢印で結ぶことで収集順番を地図上で認識できるように表示したが、各収集場所に順位(番号)を表示するようにしてもよい。
【0113】
本実施形態においては、処分場および車庫を含めた収集を、収集先として指定できるようにしたが、自動的に挿入するようにしてもよい。これは、収集順が決められると、各収集先における累積予測重量が演算される。塵芥収集車における最大可能積載量は決まっているため、それを越えないタイミングで、処分場へ移動して塵芥を一旦排出しなければならない。したがって、そのような順位に、処分場を自動挿入するようにすればよい。この場合、画面上に、処分場追加ボタン(図示せず)を表示しておき、これが選択されると、上記自動挿入するようにしてもよい。
【0114】
本実施形態においては、地図データを管理サーバ100に記憶しておき、これをユーザ側管理者端末装置120に送信するようにしたが、ユーザ側管理者端末装置120が別途地図データベースに、必要な縮尺で必要な領域の地図データを要求し、ユーザ側管理者端末装置120にて両者を合体して表示するようにしてもよい。
【0115】
また、ユーザ側管理者端末装置120はパソコンの他、タブレットなどであってもよい。
【0116】
本実施形態においては、
図3において、1ユーザのユーザ端末として、1のユーザ側管理者端末装置120、1のユーザ携帯装置160であるとして図示したが、ユーザ携帯装置160は、ユーザが同時に使用する特装車の数だけ、必要となる。一般的には、1ユーザで、複数のユーザ携帯装置160、複数の特装車で構成される。なお、ユーザ側管理者端末装置120を複数設けてもよい。
【0117】
(4.5 残容積による排出要請について)
塵芥の種類によっては、最大積載量までは達していないが、容積的に一旦排出しなければならない場合もある。かかる容積は排出版の位置から求めることができる。そこで、各収集先において、塵芥の種類、平均積載量、さらに排出版の平均増加分を記憶しておくことで、各収集先における重量的な増加分だけでなく、容積的な増加分から、排出タイミングであることを予測することができる。
【0118】
たとえば、
図16に示すように、各収集先における過去の平均積載量とともに、平均排出板増加量を記憶しておき、平均排出板増加量を累積演算すればよい。
【0119】
(5 その他の実施形態)
本実施形態においては、ユーザ側管理者端末装置120に地図データを送信する際に、ブラウザ上でWebページをダイナミックに動かすための簡単なプログラムを管理サーバ100から送信し、並べ替え処理などはユーザ側管理者端末装置120にて行うことで、ユーザ側管理者端末装置120に必要なデータを表示するようにした。しかし、これに限らず、その一部または全部の演算処理を管理サーバ100にて実行して、結果をユーザ側管理者端末装置120に送信して、提示するようにしてもよい。
【0120】
また、提示の手法としては表示する場合としたが、他の提示方法であってもよい。
【0121】
上記実施形態においては、
図10に示す各機能を実現するために、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路などのハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理を、オペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。