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特開2024-133839プログラム、方法、情報処理装置、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133839
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043822
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】517234011
【氏名又は名称】株式会社Novera
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】諸冨 大樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 国忠
(72)【発明者】
【氏名】堀江 優
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して商品またはサービスを提案したり、商品またはサービスに対してユーザを提案したり、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期を提案する技術を提供する。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、第1モデルと、を取得するステップと、取得したサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、を第1モデルに入力することにより、サービスの候補の集合から第1候補群を抽出するステップと、を実行させ、第1モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、第1モデルは、Transformer構造を有する、プログラム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、
サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、第1モデルと、を取得するステップと、
取得した前記サービスの候補の集合と、前記ユーザの購入履歴と、を前記第1モデルに入力することにより、前記サービスの候補の集合から第1候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第1モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、
前記第1モデルは、Transformer構造を有する、
プログラム。
【請求項2】
前記プロセッサに、
サービスの属性に応じたユーザの固有情報と、第2モデルと、を取得するステップと、
前記第1候補群と、前記ユーザの固有情報とを、前記第2モデルに入力することにより、前記第1候補群から第2候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第2モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの固有情報とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルあり、
前記第2モデルは、Transformer構造を有する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プロセッサに、
ユーザの行動履歴と、第3モデルと、を取得するステップと、
前記第2候補群と、前記ユーザの行動履歴とを、前記第3モデルに入力することにより、前記第2候補群から第3候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第3モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、
前記第3モデルは、Transformer構造を有する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、
サービスの候補の集合と、サービスの属性に応じたユーザの固有情報と、第2モデルと、を取得するステップと、
取得した前記サービスの候補の集合と、前記ユーザの固有情報とを、前記第2モデルに入力することにより、第2候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第2モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの固有情報とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルあり、
前記第2モデルは、Transformer構造を有する、
プログラム。
【請求項5】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、
サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴と、第3モデルと、を取得するステップと、
取得した前記サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴とを、前記第3モデルに入力することにより、第3候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第3モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、
前記第3モデルは、Transformer構造を有する、
プログラム。
【請求項6】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、
見込み客の候補の集合と、ユーザの購入履歴と、第4モデルと、を取得するステップと、
取得した前記見込み客の候補の集合と、前記ユーザの購入履歴と、を前記第4モデルに入力することにより、前記見込み客の候補の集合から第4候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第4モデルは、見込み客の候補の集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、見込み客の候補の集合に含まれる見込み客から、見込み客の候補である候補群を抽出するモデルである、
プログラム。
【請求項7】
前記第4モデルは、Transformer構造を有する、
請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記取得するステップは、見込み客の属性に関する集合と、を取得するステップであり、
前記抽出するステップは、取得した前記見込み客の属性に関する集合と、前記ユーザの購入履歴と、を前記第4モデルに入力することにより、前記見込み客の属性に関する集合から前記第4候補群を抽出するステップであり、
前記第4モデルは、見込み客の属性に関する集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、見込み客の属性に関する集合に含まれる見込み客の属性から、見込み客の属性に関する候補である候補群を抽出するモデルである、
請求項6記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、
商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴と、第5モデルと、を取得するステップと、
取得した前記商品またはサービスの候補と、前記ユーザの購入履歴と、を前記第5モデルに入力することにより、前記商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する第5候補群を抽出するステップと、
を実行させ、
前記第5モデルは、商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する候補群を抽出するモデルである、
プログラム。
【請求項10】
前記第5モデルは、Transformer構造を有する、
請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記取得するステップは、購買促進施策の実施時期と、を取得するステップであり、
前記抽出するステップは、取得した前記商品またはサービスの候補と、前記ユーザの購入履歴と、前記購買促進施策の実施時期と、を前記第5モデルに入力することにより、前記商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する第5候補群を抽出するステップであり、
前記第5モデルは、商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴と、購買促進施策の実施時期とを入力したことに応じて、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する候補群を抽出するモデルである、
請求項9記載のプログラム。
【請求項12】
前記購買促進施策は、見込み客に対するポイント付与、クーポン配布、および、サンプル配布のうち少なくともいずれか1つである、
請求項9記載のプログラム。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項14】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項15】
請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品毎に適したタイミングで商品の購入等のための推薦を行うことを目的として、推薦装置は、特定部と、通信部とを有し、特定部は、商品の売上推移を示す売上情報に基づいて、所定期間内に売り上げが増加する商品を特定する。通知部は、特定部によって特定された商品の売り上げが増加する時期から所定期間前に、商品に関する通知を行う技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-045982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、売上が増加する商品を特定しており、メジャーな商品が推薦されやすくなってしまうというバイアスがかかってしまう問題があった。
【0005】
本開示の目的は、ユーザに対して商品またはサービスを提案したり、商品またはサービスに対してユーザを提案したり、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期を提案する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、第1モデルと、を取得するステップと、取得したサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、を第1モデルに入力することにより、サービスの候補の集合から第1候補群を抽出するステップと、を実行させ、第1モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、第1モデルは、Transformer構造を有する、プログラム。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術は、ユーザに対して商品またはサービスを提案したり、商品またはサービスに対してユーザを提案したり、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期を提案する技術を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
図2】本開示の情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
図3】本開示の学習処理を示すフローチャートである。
図4】本開示の提案処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
<本開示の概要>
本開示では、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの情報とを入力すると、当該ユーザに適した商品またはサービスを出力する学習済みモデルについて説明する。この学習済みモデルを用いて、ユーザに適した商品またはサービスを提案する。
【0011】
<1.情報処理装置10の構成>
図1及び図2を用いて、本開示に係る情報処理装置10について説明する。本開示に係る情報処理装置10は、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの情報とを入力すると、当該ユーザに適した商品またはサービスを出力するためのモデルを学習する処理等を実行するための装置である。
【0012】
図1は、情報処理装置10の構成を示す図である。情報処理装置10は、例えば、ラップトップパソコン又はラックマウント型若しくはタワー型等のコンピュータ、スマートフォン等である。情報処理装置10は、複数の情報処理装置10により、1つのシステムとして構成される、冗長化構成される等されてもよい。情報処理システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力、情報処理システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0013】
情報処理装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15とを含んで構成される。
【0014】
プロセッサ11は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0015】
メモリ12は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0016】
ストレージ13は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)である。
【0017】
通信IF14は、情報処理装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。通信IF14は、インターネット、広域イーサネット等のネットワークに有線又は無線により接続する。
【0018】
入出力IF15は、入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード)、及び、情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。
【0019】
図2は、情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを含む。
【0020】
通信部110は、情報処理装置10が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0021】
記憶部120は、情報処理装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部120は、第1データDB121、第2データDB122等を記憶する。
【0022】
第1データDB121は、学習処理を行う際に用いる学習データを保持するデータベースである。学習データは、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの属性に応じたユーザの固有情報と、ユーザの行動履歴と、を少なくとも含む。第1データDB121は、複数のユーザについての学習データを格納する。第1データDB121は、これらの情報を、予め格納している。また、第1データDB121は、これらの情報を、任意のタイミング、又は定期的に取得し、格納している。
【0023】
商品またはサービスの候補の集合は、ある商品またはサービスのカテゴリ(商品サービスカテゴリ)におけるユーザが購入する可能性がある商品またはサービス、ユーザに購入して欲しい商品またはサービスなどの商品またはサービスの群(商品サービス群)である。商品サービスカテゴリは、商品またはサービスの分類である。商品サービスカテゴリは、例えば、化粧品、医薬品、食品、トレーニング、化粧サービスなどである。商品サービスカテゴリは、より具体的な商品またはサービスの分類であってもよい。例えば、商品サービスカテゴリは、化粧品のうち、基礎化粧品、化粧水、ファンデーションなどの詳細な分類であってもよい。以下、商品またはサービスが、化粧品または化粧関連サービスである場合を例に説明する。
【0024】
ユーザの購入履歴は、ユーザが商品またはサービスを購入した情報である。購入履歴には、商品またはサービスのID(商品サービスID)、商品またはサービスの名称(商品サービス名)、購入日時などの情報が含まれる。
【0025】
ユーザの固有情報は、商品またはサービスの提案に関係するユーザ固有の情報である。固有情報は、例えば、化粧品については、肌に関するデータ、顔の形状に関するデータなどである。肌に関するデータは、例えば、肌の診断結果を用いることができる。肌の診断結果は、肌を所定の方法で判断した結果である。肌の診断結果は、例えば、肌を含む画像を解析したことにより得られた肌の分類、状態などの情報を用いることができる。
【0026】
ユーザの属性情報は、商品またはサービスの購入に関してユーザが属する情報である。ユーザの属性情報は、例えば、年齢、職業などの情報である。ここで、ユーザの属性情報には、購入履歴と、ユーザの行動履歴とを除くものとすることができる。ユーザの属性情報に、購入履歴及び行動履歴を含まない場合、既に購入済みの商品またはサービスや、閲覧しただけの情報を除くことができる。このため、ユーザに提案しなくてもよい商品またはサービスが選択されることを防ぐことができる。すなわち、後述の第2評価値が高まることを防ぐことができる。
【0027】
ユーザの行動履歴は、例えば、ユーザがECサイト、ホームページなどで商品またはサービスを閲覧した情報である。行動履歴は、購入履歴を含めてもよい。
【0028】
第2データDB122は、第1モデル、第2モデル、及び第3モデルのパラメータを保持するデータベースである。
【0029】
第1モデル、第2モデル、及び第3モデルは、任意の機械学習モデル、ニューラルネットワークモデルなど、任意のモデルである。本開示は、第1モデル、第2モデル、第3モデルとして、Encoder-Decoderモデルを採用する場合を例に説明する。また、本開示では、第1モデルは、Transformer構造を有することができる。なお、第2モデル及び第3モデルも、Transformer構造を有することとしてもよい。
【0030】
第1モデルは、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの候補の集合とを入力したことに応じて、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出するモデルである。第1モデルは、商品に関する第1候補群のみを抽出しても良いし、サービスに関する第1候補群のみを抽出しても良い。
詳細は後述する。
【0031】
第2モデルは、ユーザの固有情報と、第1候補群とを入力したことに応じて、当該集合から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第2候補群を抽出するモデルである。第2モデルは、商品に関する第2候補群のみを抽出しても良いし、サービスに関する第2候補群のみを抽出しても良い。詳細は後述する。
【0032】
第3モデルは、ユーザの行動履歴と、第2候補群とを入力したことに応じて、第2候補群から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第3候補群を抽出するモデルである。第3モデルは、商品に関する第3候補群のみを抽出しても良いし、サービスに関する第3候補群のみを抽出しても良い。詳細は後述する。
【0033】
制御部130は、情報処理装置10のプロセッサ11がプログラムに従って処理を行うことにより、受信制御部131、送信制御部132、学習部133、入力部134、抽出部135、及び提示部136に示す機能を発揮する。
【0034】
受信制御部131は、情報処理装置10が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0035】
送信制御部132は、情報処理装置10が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0036】
学習部133は、学習データを用いて、第1モデル、第2モデル、及び第3モデルを学習する。
【0037】
具体的には、学習部133は、まず、第1データDBから、複数のユーザについての学習データを取得する。学習データは、商品またはサービスの候補の集合、ユーザの購入履歴、ユーザの固有情報、ユーザの属性情報、ユーザの行動履歴などを含む。なお、学習部133は、学習データを外部の装置から通信を介して取得する構成としてもよい。
【0038】
<第1モデルの学習>
学習部133は、学習データのうち、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの候補の集合とを用いて、第1モデルを学習する。
【0039】
第1モデルは、ユーザの購入履歴と、当該集合とを入力したことに応じて、当該集合に含まれる商品またはサービスの各々について、購入履歴に応じた第1評価値を算出するモデルである。Transformer構造には、アテンションメカニズムが用いられている。
学習部133は、このアテンションメカニズムにより、そのユーザにとって、集合に含まれる商品またはサービスがどのくらい適するものであるかを示す、当該第1評価値を算出するように、第1モデルを学習する。
【0040】
例えば、商品の候補の集合に、商品a~商品zがあるものとする。また、例えば、ユーザAの購入履歴には、商品a、商品b、商品c、商品fがあるとする。また、ユーザBの購入履歴には、商品a、商品c、商品fがあるとする。ユーザCの購入履歴には、商品a、商品c、商品fがあるとする。この場合、ユーザA、ユーザB、及びユーザCの全員が購入している商品a及び商品cは人気商品となる。このため、従来の商品を提案するモデルでは、商品a及び商品cの評価値が高いものとなる。よって、ユーザDに商品を提案する場合、商品a及び商品cが提案されやすいものとなってしまう。従来のモデルでは、ユーザの購入履歴を、売れているものだけを抽出するというような単純な扱いをしているためである。
【0041】
一方、第1モデルは、アテンションメカニズムを用いて、メジャーな商品に対する第1評価値は小さくなり、かつ、ニッチな商品については、第1評価値を高くするように学習されている。より具体的には、第1モデルは、複数の商品について、商品同士の購入組み合わせ等を加味して学習される。例えば、ユーザの購入履歴から、複数のユーザが商品aを買った後に、商品cを買っている場合、商品c自体の購入数自体は少なくても、商品cはユーザに提案するものと評価すべきである。このようにユーザの購入履歴を用いて学習されることにより、第1モデルは、メジャーな商品に対するバイアスを削減することができる。第1モデルは、ニッチな商品については、第1評価値を高くすることとなる。これにより、第1モデルは、メジャーな商品に対するバイアスを削減することができる。
なお、一例として商品の候補の集合の説明を行ったが、サービスの候補の集合についても同様である。また、候補の集合は、商品またはサービスを含む。
【0042】
そして、第1モデルは、当該集合に含まれる商品またはサービスのうち、第1評価値が上位から所定の割合の商品またはサービス、第1評価値が上位から第1所定数の商品またはサービス、及び第1評価値が所定の第1閾値以上の商品またはサービスの少なくとも何れかを、第1候補群として抽出するように構成される。所定の割合、第1所定数、及び第1閾値は、任意の値とすることができる。ここで、第1候補群に含まれる商品またはサービスの数は、当該集合に含まれる商品またはサービスの数よりも少ないものとする。
【0043】
第1評価値は、ユーザにとって、その商品またはサービスがどのくらい適するものであるかを示す値である。第1評価値は、例えば、0~1の範囲で示され、1に近い値ほどユーザに適することを示すものであるものとすることができる。後述の第2モデルにおける第2評価値、第3モデルにおける第3評価値、第4モデルにおける第4評価値、および、第5モデルにおける第5評価値も、第1モデルにおける第1評価値と同様である。
【0044】
学習部133は、学習データを用いて、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの候補の集合とを入力したことに応じて、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出する第1モデルを学習する。学習方法は、Transfomer構造を含むEncoder-Decorderモデルの学習方法と同様の方法、その他任意の手法を用いることができる。
【0045】
<第2モデルの学習>
また、学習部133は、学習データのうち、ユーザの固有情報と、ユーザの属性情報と、商品またはサービスの候補の集合と、第1候補群とを用いて、第2モデルを学習する。
【0046】
第2モデルは、ユーザの固有情報と、購入履歴を除くユーザの属性情報と、当該集合と、第1候補群とを入力したことに応じて、当該集合に含まれる商品またはサービスの各々について、ユーザの固有情報と、ユーザの属性情報と、当該集合のうち第1候補群に含まれる商品またはサービスか否かを示す情報とに応じた第2評価値を算出する。
【0047】
当該集合のうち第1候補群に含まれる商品またはサービスか否かを示す情報は、例えば、当該集合のうち、第1候補群に含まれる商品またはサービスを1、それ以外の商品またはサービスを0とするものである。
【0048】
第2モデルは、第1候補群に含まれるものについてはその実績を考慮して、第1候補群に含まれるか否かを示す情報を第2評価値の基礎とし、ユーザの固有情報及びユーザの属性情報を用いて、第2評価値の値を最適化する。
【0049】
そして、第2モデルは、当該集合に含まれる商品またはサービスのうち、第2評価値が上位から所定の割合の商品またはサービス、第2評価値が上位から第2所定数の商品またはサービス、及び第2評価値が所定の第2閾値以上の商品またはサービスの少なくとも何れかを、第2候補群として抽出するように構成される。
【0050】
ここで、第2候補群に含まれる商品またはサービスの数は、第1候補群に含まれる商品またはサービスの数よりも少ないものとする。具体的には、所定の割合は、第1モデルにおける所定の割合よりも小さい割合である。また、第2所定数は、第1所定数よりも小さい値である。また、第2閾値は、第1閾値よりも高い値である。
【0051】
学習部133は、上記の構成を有する第2モデルを、学習データを用いて学習する。学習方法は任意の方法を採用することができる。なお、第2モデルに入力される商品またはサービスの候補の集合は必ずしも第1候補群である必要はなく、任意の商品またはサービスの候補の集合を入力することができる。
<第3モデルの学習>
また、学習部133は、学習データのうち、ユーザの行動履歴と、第2候補群と、第2評価値とを用いて、第3モデルを学習する。
【0052】
第3モデルは、ユーザの行動履歴と、第2候補群と、第2評価値とを入力したことに応じて、当該集合に含まれる商品またはサービスの各々について、ユーザの行動変化と、当該第2評価値とに応じた第3評価値を算出する。
【0053】
ユーザの行動変化は、ユーザの行動履歴にどのような変化が起こったか示す情報である。第3モデルは、第2評価値と、実際にユーザに商品またはサービスを提案した後の、ユーザの行動履歴も学習データとして用いる。第3モデルは、このような学習データを用いて第3評価値が最適化されるように、学習される。より具体的には、第3モデルの学習において、ユーザの行動履歴から、以前はAという商品またはサービスを見ていたが今はBという商品またはサービスを見ているといった行動変化を抽出して、分析する。第3モデルは、このような分析結果を用いて、提案する商品またはサービスの第2評価値を最適化するように、学習される。これにより、第3モデルは、候補となる商品またはサービスの第2評価値とユーザの行動変化とについて、最適な第3評価値を算出することができる。
【0054】
そして、第2候補群に含まれる商品またはサービスのうち、第3評価値が上位から所定の割合の商品またはサービス、第3評価値が上位から第3所定数の商品またはサービス、及び第3評価値が所定値以上の商品またはサービスの少なくとも何れかを、第3候補群として抽出するように構成される。
【0055】
ここで、第3候補群に含まれる商品またはサービスの数は、第2候補群に含まれる商品またはサービスの数よりも少ないものとする。具体的には、所定の割合は、第2モデルにおける所定の割合よりも小さい割合である。また、第3所定数は、第2所定数よりも小さい値である。また、第3閾値は、第2閾値よりも高い値である。
【0056】
例えば、ある乳液を購入していたユーザが、その後ある化粧水を購入しているという分析結果があったとする。このように学習した第3モデルによれば、このような行動変化を用いて、乳液の閲覧・購入を行動履歴に持つユーザについて、化粧水を第3候補群に含めることができる。このようなユーザについて、第3評価値が高く化粧水を提案することができる。
【0057】
学習部133は、上記の構成を有する第3モデルを、学習データを用いて学習する。学習方法は任意の方法を採用することができる。なお、第3モデルに入力される商品またはサービスの候補の集合は必ずしも第2候補群である必要はなく、任意の商品またはサービスの候補の集合を入力することができる。
【0058】
また、学習部133は、複数のユーザについての学習データを用いて、第1モデル、第2モデル、及び第3モデルを順次学習した後で、所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の条件は、第1モデル~第3モデルの学習を行った回数が所定数以上となったこと、第1モデル~第3モデルの学習精度に変化が見られなくなったこと等である。学習部133は、所定の条件を満たすまで、第1モデル~第3モデルの学習を繰り返す。学習部133は、第1モデル~第3モデルの学習を繰り返すことにより、第1モデル、第2モデル、及び第3モデルが互いに影響され、各モデルのパラメータが最適化される。
【0059】
そして、学習部133は、第1モデル~第3モデルのパラメータを、第2データDB122に格納する。
【0060】
入力部134は、ユーザに関する情報の入力を受け付ける。
具体的には、入力部134は、商品またはサービスを提案する対象となるユーザを特定するための情報の入力を受け付ける。当該特定するための情報は、例えば、ユーザのログイン情報、ユーザがサイトにアクセスした情報、ユーザが肌診断を行った診断結果など、ユーザを特定することができる情報であればなんでもよい。
【0061】
抽出部135は、ユーザに提案する商品またはサービスの候補を抽出する。
具体的には、抽出部135は、まず、入力部134が受け付けたユーザに関する情報から、ユーザを特定する。
【0062】
次に、抽出部135は、商品またはサービスの候補の集合と、特定したユーザの購入履歴と、当該ユーザの固有情報と、当該ユーザの行動履歴を、第1データDB121から取得する。
【0063】
また、抽出部135は、第1モデルと、第2モデルと、第3モデルとを、第2データDB122から取得する。
【0064】
次に、抽出部135は、取得した集合と、ユーザの購入履歴とを、第1モデルに入力することにより、集合から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出する。
【0065】
次に、抽出部135は、ユーザの固有情報と、購入履歴を除くユーザの属性情報と、当該集合と、第1候補群とを、第2モデルに入力することにより、当該集合から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第2候補群を抽出する。
【0066】
次に、抽出部135は、ユーザの行動履歴と、第2候補群と、第2評価値とを、第3モデルに入力することにより、第2候補群から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第3候補群を抽出する。
【0067】
提示部136は、第3候補群に含まれる商品またはサービスを、ユーザに提示する。
具体的には、提示部136は、ユーザが操作する端末(図示しない)のディスプレイなどの出力装置、当該端末が出力しているアプリケーション上などに、第3候補群に含まれる商品またはサービスを表示させる。商品またはサービスを表示する方法は、提案する商品またはサービスであることを明記して表示する、広告として表示するなどの種々の方法を採用することができる。
【0068】
また、商品またはサービスの候補の集合の入力順序は、第1モデル、第2モデル、第3モデルの順番である必要はなく、任意の順番で商品またはサービスの候補の集合を入力しても良い。商品またはサービスの候補の集合は、第1モデル~第3モデルの一部のモデルのみに大して適用しても構わず、他のモデルを除外して適用しても構わない。
【0069】
<2.動作>
以下では、情報処理装置10における処理について図面を参照しながら説明する。
【0070】
<2.1.学習処理>
図3は、情報処理装置10による学習処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、当該処理を、任意のタイミング(例えば、学習処理開始信号の受信など)において実行する。
【0071】
ステップS101において、学習部133は、まず、第1データDBから、複数のユーザについての学習データを取得する。学習データは、商品またはサービスの候補の集合、ユーザの購入履歴、ユーザの固有情報、ユーザの属性情報、ユーザの行動履歴などを含む。
【0072】
ステップS102において、学習部133は、学習データのうち、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの候補の集合とを用いて、第1モデルを学習する。
【0073】
ステップS103において、学習部133は、学習データのうち、ユーザの固有情報と、ユーザの属性情報と、商品またはサービスの候補の集合と、第1候補群とを用いて、第2モデルを学習する。
【0074】
ステップS104において、学習部133は、学習データのうち、ユーザの行動履歴と、第2候補群と、第2評価値とを用いて、第3モデルを学習する。
【0075】
ステップS105において、学習部133は、複数のユーザについての学習データを用いて、第1モデル、第2モデル、及び第3モデルを順次学習した後で、所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0076】
所定の条件を満たさない場合(ステップS105のN)、学習部133は、ステップS102に戻り、ステップS102~S104による第1モデル~第3モデルの学習を、所定の条件を満たすまで繰り返す。
【0077】
一方、所定の条件を満たす場合(ステップS105のY)、ステップS105において、学習部133は、学習した第2モデルの各層のパラメータと、学習部133は、第1モデル~第3モデルのパラメータを、第2データDB122に格納し、処理を終了する。
【0078】
<2.2.提案処理>
図4は、情報処理装置10による提案処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、当該処理を、ユーザに関する情報が入力されること、提案する者の操作等により実行する。
【0079】
ステップS201において、入力部134は、ユーザに関する情報の入力を受け付ける。
【0080】
ステップS202において、抽出部135は、入力部134が受け付けたユーザに関する情報から、ユーザを特定し、商品またはサービスの候補の集合と、特定したユーザの購入履歴と、当該ユーザの固有情報と、当該ユーザの行動履歴を、第1データDB121から取得する。
【0081】
ステップS203において、抽出部135は、第1モデルと、第2モデルと、第3モデルとを、第2データDB122から取得する。
【0082】
ステップS204において、抽出部135は、取得した集合と、ユーザの購入履歴とを、第1モデルに入力することにより、集合から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出する
【0083】
ステップS205において、抽出部135は、ユーザの固有情報と、購入履歴を除くユーザの属性情報と、当該集合と、第1候補群とを、第2モデルに入力することにより、当該集合から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第2候補群を抽出する。
【0084】
ステップS206において、抽出部135は、ユーザの行動履歴と、第2候補群と、第2評価値とを、第3モデルに入力することにより、第2候補群から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第3候補群を抽出する。
【0085】
ステップS207において、提示部136は、第3候補群に含まれる商品またはサービスを、ユーザに提示し、処理を終了する。
【0086】
<3.小括>
以上説明したように、本開示の技術は、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの属性に応じた当該ユーザの固有情報と、を含む学習データを取得する。また、本開示の技術は、学習データを用いて、当該ユーザの購入履歴と、当該集合とを入力したことに応じて、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出する第1モデルを学習する。また、本開示の技術は、当該ユーザの固有情報と、当該第1候補群とを入力したことに応じて、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第2候補群を抽出する第2モデルを学習する。また、本開示の技術は、当該第1モデル及び当該第2モデルを出力し、第1モデルは、Transformer構造を有する。これにより、本開示の技術は、メジャーな商品またはサービスに偏ることなく、商品またはサービスを提案することができるようにする第1モデル及び第2モデルを提供することができる。
【0087】
また、本開示の技術は、ユーザの行動履歴と、第2候補群とを入力したことに応じて、第2候補群から、ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第3候補群を抽出する第3モデルを学習する。学習データは、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの属性に応じたユーザの固有情報と、ユーザの行動履歴とを含む。これにより、本開示の技術は、メジャーな商品またはサービスに偏ることなく、商品またはサービスを提案することができるようにする第1モデル、第2モデル及び第3モデルを提供することができる。
【0088】
また、本開示の技術は、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの属性に応じた当該ユーザの固有情報と、第1モデルと、第2モデルと、第3モデルとを取得する。また、本開示の技術は、取得した当該集合と、当該ユーザの購入履歴とを、当該第1モデルに入力することにより、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出する。また、本開示の技術は、当該ユーザの固有情報と、当該第1候補群とを、当該第2モデルに入力することにより、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第2候補群を抽出する。また、本開示の技術は、当該ユーザの行動履歴と、当該第2候補群とを、当該第3モデルに入力することにより、当該第2候補群から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第3候補群を抽出する。また、本開示の技術は、当該第3候補群に含まれる商品またはサービスを、ユーザに提示する。当該第1モデルは、当該ユーザの購入履歴と、当該集合とを入力したことに応じて、当該集合に含まれる商品またはサービスから、当該第1候補群を抽出する学習済みモデルである。当該第2モデルは、当該ユーザの固有情報と、当該第1候補群とを入力したことに応じて、当該集合から、当該第2候補群を抽出する学習済みモデルある。当該第3モデルは、当該ユーザの行動履歴と、当該第2候補群とを入力したことに応じて、当該第2候補群から、当該第3候補群を抽出する学習済みモデルである。これにより、本開示の技術は、バイアスを排除し、メジャーな商品またはサービスに偏ることなく、商品またはサービスを提案することができるようにすることができる。また、本開示の技術は、ユーザが次に購入すべき商品またはサービスを適切に提案することができる。
【0089】
本開示の技術において、第3候補群に含まれる商品またはサービスの数は、第2候補群に含まれる商品またはサービスの数よりも少ない。また、本開示の技術において、第2候補群に含まれる商品またはサービスの数は、第1候補群に含まれる商品またはサービスの数よりも少ない。また、本開示の技術において、第1候補群に含まれる商品またはサービスの数は、商品またはサービスの候補の集合に含まれる商品またはサービスの数よりも少ない。このように、本開示の技術は、第1モデル、第2モデル、第3モデルにより、候補となる商品またはサービスを絞り込んでいく。このように、本開示の技術は、商品またはサービスの候補が、各モデルにより絞り込まれることで、バイアスを削除し、ユーザの固有情報と、ユーザの行動変容とを加味された商品またはサービスを提案することができる。
【0090】
また、本開示の技術は、当該商品を化粧品とし、当該ユーザの固有情報を、当該ユーザの肌に関するデータであるものとすることができる。これにより、本開示の技術は、ユーザの肌に適した化粧品を、メジャーな化粧品に偏ることなく、提案することができる。
【0091】
また、肌に関するデータは、当該ユーザの肌についての診断結果であるものとすることができる。これにより、本開示の技術は、よりユーザの肌に適した化粧品を、メジャーな化粧品に偏ることなく、提案することができる。
なお、本開示の技術が適用対象となる商品は、食品、衣服、家電製品、車両、書籍、医薬品、家具、スポーツ用品、美容・健康用品、ゲーム・おもちゃなど任意の商品を含む。
【0092】
また、本開示の技術は、当該サービスを化粧サービスとし、当該ユーザの固有情報を、当該ユーザの肌に関するデータであるものとすることができる。これにより、本開示の技術は、ユーザの肌に適した化粧サービスを、提案することができる。なお、サービスは、美容トレーナーによるトレーニング、美容部員による化粧品の提案などを含む。
なお、本開示の技術が適用対象となるサービスは、保険業務、ホテル・旅館業、交通・運輸業、医療・福祉サービス、教育サービス、デザイン、IT・通信業、法律、会計、税務、コンサルティング、人事、労務、翻訳などのプロフェッショナルサービス、映画館、テーマパーク、動物園、水族館、演劇、音楽ライブ、スポーツイベントなどのエンターテイメント、銀行業務など任意のサービスを含む。
【0093】
また、固有情報としては、ユーザの口腔内のデータを含んでも良い。具体的に、ユーザの口腔内のデータに基づき、適した食品、食材や、運動、ジムなどの健康状態を向上させるための商品またはサービスを提案しても良い。
【0094】
また、従来のTransformer構造を持たないモデルでは、パラメータ量が莫大なため、演算量が多くなってしまい、例えば、高級なサーバを用意する必要があるなど、運用コストが高くなってしまう。しかし、本開示のモデル(例えば、第1モデル)は、Transformer構造は、時系列データを取り扱うモデルである。Transformer構造は、演算量が大幅に削減できかつ高い精度が観測できるモデルである。このため、本開示のモデルは、商品またはサービスの提案をするサービスに際して、演算量及び運用コストを大幅に削減することができる。
【0095】
<4.第1変形例>
本開示にかかる情報処理装置は、ユーザ候補の集合と、商品またはサービスの情報とを入力すると、当該商品またはサービスに適したユーザを出力する学習済モデルに対しても適用可能である。この学習済みモデルを用いて、商品またはサービスに適したユーザを提案する。
【0096】
第1変形例において、第2データDB122は、第4モデルのパラメータを保持するデータベースである。
【0097】
第4モデルは、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、ユーザの候補の集合とを入力したことに応じて、当該集合から、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスを提示するユーザの候補である第4候補群を抽出するモデルである。第4モデルは、商品サービスIDではなく、商品サービス名を入力情報としても良い。また、第4モデルは、商品サービスカテゴリ、当該商品サービスカテゴリに属する商品またはサービスのユーザによる購入履歴に応じて、当該商品サービスカテゴリに属する商品またはサービスを提示するユーザの候補である第4候補群を抽出するモデルとしても良い。
【0098】
<第4モデルの学習>
学習部133は、学習データのうち、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、ユーザ候補の集合とを用いて、第4モデルを学習する。
【0099】
第4モデルは、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、当該集合とを入力したことに応じて、当該集合に含まれるユーザの各々について、購入履歴に応じた第4評価値を算出するモデルである。Transformer構造には、アテンションメカニズムが用いられている。学習部133は、このアテンションメカニズムにより、その商品またはサービスにとって、集合に含まれるユーザがどのくらい適するものであるかを示す、当該第4評価値を算出するように、第4モデルを学習する。
【0100】
なお、第4評価値はユーザに対してではなく、ユーザの属性情報ごと、ユーザの固有情報ごとに算出しても良い。この場合、第4評価値は、本開示の情報処理サービスのユーザに対してではなく、見込み客一般に対して一般化して算定したものとみなすことができる。つまり、第4モデルはユーザの候補の集合として、ユーザの属性の集合(男性、女性等の性別、20代、30代などの年齢層、卒業歴等の教育歴を示す属性、人種、職業・専門分野、身長、体重、神の色、目の色などの身体的特徴、性格や趣味等)を用いても構わない。この場合、第4モデルは、ユーザの属性の集合を入力したことに応じて、当該集合に含まれるユーザの属性の集合に応じた第4評価値を算出する。第4評価値に基づき、第4評価値が高い順に所定数のユーザの属性の集合を選択したり、所定の閾値よりも第4評価値が高いユーザの属性の集合を選択することにより、ユーザの属性の集合に対する所定の部分集合を抽出することができる。また、この場合、抽出されたユーザの属性の集合は、商品またはサービスを提供しうる見込み客の属性に一般化することができる。
第4モデルは、見込み客の候補の集合を入力することに応じて、当該見込み客の候補の集合から部分集合となる候補群を抽出するモデルとすることができる。また、第4モデルは、見込み客の属性に関する集合を入力することに応じて、当該見込み客の属性に関する集合から部分集合となる候補群を抽出するモデルとすることができる。
【0101】
例えば、ユーザの候補の集合に、ユーザa~ユーザzがあるものとする。また、例えば、商品サービスAの購入履歴には、ユーザa、ユーザb、ユーザc、ユーザfがあるとする。また、商品サービスBの購入履歴には、ユーザa、ユーザc、ユーザfがあるとする。商品サービスCの購入履歴には、ユーザa、ユーザc、ユーザfがあるとする。この場合、商品サービスA、商品サービスB、及び商品サービスCのすべてを購入しているユーザa及びユーザcは商品またはサービスを購入する見込みが高いユーザとなる。このため、従来のユーザを提案するモデルでは、ユーザa及びユーザcの評価値が高いものとなる。よって、商品サービスDをユーザに提案する場合、ユーザa及びユーザcが提案されやすいものとなってしまう。従来のモデルでは、ユーザの購入履歴を、購入しているユーザだけを抽出するというような単純な扱いをしているためである。
【0102】
一方、第4モデルは、アテンションメカニズムを用いて、メジャーなユーザに対する第4評価値は小さくなり、かつ、ニッチなユーザについては、第4評価値を高くするように学習されている。より具体的には、第4モデルは、複数のユーザについて、ユーザ同士の購入組み合わせ等を加味して学習される。例えば、商品またはサービスの購入履歴から、複数の商品またはサービスをユーザaが買った後に、ユーザcも買っている場合、ユーザc自体の購入数自体は少なくても、ユーザcに商品またはサービスを提案するものと評価すべきである。このように商品またはサービスの購入履歴を用いて学習されることにより、第4モデルは、メジャーなユーザに対するバイアスを削減することができる。第4モデルは、ニッチなユーザについては、第4評価値を高くすることとなる。これにより、第4モデルは、メジャーなユーザに対するバイアスを削減することができる。
【0103】
そして、第4モデルは、当該集合に含まれるユーザのうち、第4評価値が上位から所定の割合のユーザ、第4評価値が上位から第4所定数のユーザ、及び第4評価値が所定の第4閾値以上のユーザの少なくとも何れかを、第4候補群として抽出するように構成される。所定の割合、第4所定数、及び第4閾値は、任意の値とすることができる。ここで、第4候補群に含まれるユーザの数は、当該集合に含まれるユーザの数よりも少ないものとする。
【0104】
第4評価値は、商品またはサービスにとって、そのユーザがどのくらい適するものであるかを示す値である。第4評価値は、例えば、0~1の範囲で示され、1に近い値ほど商品またはサービスに適することを示すものであるものとすることができる。
【0105】
学習部133は、学習データを用いて、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、ユーザの候補の集合とを入力したことに応じて、当該集合から、当該商品またはサービスを提示するユーザの候補である第4候補群を抽出する第4モデルを学習する。学習方法は、Transfomer構造を含むEncoder-Decorderモデルの学習方法と同様の方法、その他任意の手法を用いることができる。
【0106】
<5.第2変形例>
本開示にかかる情報処理装置は、商品またはサービスの情報と、ユーザの購入履歴と、商品又はサービスの購買促進施策の実施時期の候補の集合とを入力すると、当該商品またはサービスの購買促進施策の実施時期の候補を出力する学習済モデルに対しても適用可能である。この学習済みモデルを用いて、商品またはサービスに適した購買促進施策の実施時期を提案する。
【0107】
第2変形例において、第2データDB122は、第5モデルのパラメータを保持するデータベースである。
【0108】
第5モデルは、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、商品またはサービスの購買促進施策の実施時期とを入力したことに応じて、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスに対する購買促進施策の実施時期の候補である第5候補群を抽出するモデルである。第5モデルは、商品サービスIDではなく、商品サービス名を入力情報としても良い。また、第5モデルは、商品サービスカテゴリ、当該商品サービスカテゴリに属する商品またはサービスのユーザによる購入履歴に応じて、当該商品サービスカテゴリに属する商品またはサービスに対する購買促進施策の実施時期の候補である第5候補群を抽出するモデルとしても良い。
なお、第5モデルが出力する購買促進施策の実施時期の候補は、購買促進施策を実施するのに適した月日、日時、曜日、時刻、任意の期間等の情報を含む。
【0109】
<第5モデルの学習>
学習部133は、学習データのうち、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、商品またはサービスの購買促進施策の実施時期とを用いて、第5モデルを学習する。
【0110】
第5モデルは、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、商品またはサービスの購買促進施策の実施時期とを入力したことに応じて、商品またはサービスの購買促進施策の実施時期の候補に応じた第5評価値を算出するモデルである。Transformer構造には、アテンションメカニズムが用いられている。学習部133は、このアテンションメカニズムにより、その商品またはサービスにとって、複数の商品またはサービスの購買促進施策の実施時期の候補がどのくらい適するものであるかを示す、当該第5評価値を算出するように、第5モデルを学習する。
【0111】
具体的に、所定の商品サービスIDを有する商品またはサービスについて、時期aに購買促進施策を実施した場合において、時期a以降の時期b、時期c、時期dおける各ユーザによる商品またはサービスの購入履歴の情報に基づき、第5モデルを学習する。具体的に、第5モデルは、商品サービスID、最初の購買促進施策を実施した実施時期aを入力することに応じて、次の購買促進施策の実施時期の候補である複数の期間の候補からなる時期b、時期c、時期dと、時期b、時期c、時期dのそれぞれの期間の候補に対して第5評価値を算定する。最初の購買促進施策の実施時期aは単一である必要はなく、複数の購買促進施策の実施時期を含んでも良い。
【0112】
なお、通常、ポイント付与、クーポン配布およびサンプル配布等の購買促進施策を時期aに実施すると、所定の期間経過後に当該購買促進施策に伴い、ユーザによる商品または購入の促進が行われる。具体的に、購買促進施策を実施していなかった場合に比べて、所定の割合の売上げ増加が一定期間見込まれる。この場合、時期a以降の、所定期間内において追加の購買促進施策を実施することにより、購買実施施策の効果を効果的に向上させられることが知られている。例えば、所定期間が短すぎると、ユーザにとって最初の購買促進施策から期間が経っていないため追加の購買促進施策の効果は限定的となり、同様に、所定期間が長すぎると、最初の購買促進施策を忘れてしまっており追加の購買促進施策の効果は限定的となる。追加の購買促進施策は、最初の購買促進施策から適した期間に実施することにより、ユーザに対して商品またはサービスの購入を強く動機付けることができる。
【0113】
なお、第5モデルは、既に第1モデル~第4モデルにおいて説明したとおり、アテンションメカニズムを用いることにより、より適切な購買促進施策の実施時期を提案することが可能なモデルとなっている。
【0114】
そして、第5モデルは、購買促進施策の実施時期の候補のうち、第5評価値が上位から所定の割合の実施時期、第5評価値が上位から第5所定数の実施時期、及び第5評価値が所定の第5閾値以上の実施時期の少なくとも何れかを、第5候補群として抽出するように構成される。所定の割合、第5所定数、及び第5閾値は、任意の値とすることができる。ここで、第5候補群に含まれる実施時期の数は、購買促進施策の実施時期の候補の数よりも少ないものとする。
【0115】
第5評価値は、商品またはサービスにとって、購買促進施策の効果を示す値である。第5評価値は、例えば、0~1の範囲で示され、1に近い値ほど購買促進施策の効果が高いことを示すものであるものとすることができる。
【0116】
学習部133は、学習データを用いて、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、購買促進施策の実施時期の集合とを入力したことに応じて、当該集合から、当該商品またはサービスの購買促進施策の実施時期の候補である第5候補群を抽出する第5モデルを学習する。学習方法は、Transfomer構造を含むEncoder-Decorderモデルの学習方法と同様の方法、その他任意の手法を用いることができる。
本開示にかかる情報処理装置は、購買促進施策の実施時期の集合と、商品またはサービスの情報とを入力すると、当該商品またはサービスに適した購買促進施策の実施時期の候補を出力する学習済モデルに対しても適用可能である。この学習済みモデルを用いて、商品またはサービスに適した購買促進施策の実施時期の候補を提案する。
【0117】
なお、第5モデルは、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴とを入力したことに応じて、商品またはサービスの購買促進施策の実施時期の候補に応じた第5評価値を算出するモデルとしても良い。具体的に、購買促進施策の実施時期は、商品またはサービス販売における季節性、時期等の要因もある。第5モデルは、商品サービスIDと、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスのユーザによる購入履歴と、に基づき、当該商品サービスIDにかかる商品またはサービスの販売施策を実施するのに好適な実施時期を提案するモデルとしても構わない。
【0118】
<6.小括>
【0119】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0120】
例えば、情報処理装置10の各機能を、他の装置に構成してもよい。例えば、記憶部120の各DBは、外部のデータベースとして構築してもよい。また、情報処理装置10の各機能を、他の装置に構成してもよい。例えば、記憶部120の各DBは、外部のデータベースとして構築してもよい。
【0121】
また、上記開示では、提示部136は、第3候補群に含まれる商品またはサービスをユーザに提示する構成としたが、これに限定されない。例えば、提示部136は、第2候補群に含まれる商品またはサービスを、ユーザに提示する構成としてもよい。第1モデルでのバイアスが削除された商品またはサービスの候補を抽出した結果と、ユーザの固有情報と、ユーザの属性情報とを用いて、第2モデルにより、提案する商品またはサービスの候補を再度抽出することになる。より具体的には、商品またはサービスの候補の集合から、第1モデルで一度候補を抽出し、更に当該集合から抽出結果を用いて再度候補を抽出する。これにより、第2モデルにより抽出された商品またはサービスの候補は、単一の提案モデルを用いるよりも、ユーザに適した商品またはサービスを提案することができる。このような効果は、従来のモデルを組み合わせただけでは生じない、第1モデル及び第2モデルを用いることによる本開示の技術特有の効果である。このため、第2候補群に含まれる商品またはサービスをユーザに提示しても、十分な効果を得ることができる。この場合、第2候補群に含まれる商品またはサービスの数は、第3候補群に含まれる商品またはサービスの数と同じくらいに小さくしておく構成としてもよい。
【0122】
このように、本開示の技術は、商品またはサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、商品またはサービスの属性に応じた当該ユーザの固有情報と、第1モデルと、第2モデルとを取得する。また、本開示の技術は、取得した当該集合と、当該ユーザの購入履歴とを、第1モデルに入力することにより、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第1候補群を抽出する。また、本開示の技術は、当該ユーザの固有情報と、第1候補群とを、第2モデルに入力することにより、当該集合から、当該ユーザに提示する商品またはサービスの候補である第2候補群を抽出する。また、本開示の技術は、第2候補群に含まれる商品またはサービスを、ユーザに提示する。第1モデルは、ユーザの購入履歴と、当該集合とを入力したことに応じて、当該集合に含まれる商品またはサービスから、第1候補群を抽出するモデルであり、第1モデルは、Transformer構造を有する。また、第2モデルは、ユーザの固有情報と、第1候補群とを入力したことに応じて、当該集合から、第2候補群を抽出するモデルある。これにより、本開示の技術は、メジャーな商品またはサービスに偏ることなく、商品またはサービスを提案することができる。
【0123】
また、情報処理装置10の学習処理に用いる機能と、提案処理に用いる機能とを別の装置に構成しても良い。例えば、学習処理に用いる機能を高性能の情報処理装置に構成し、提案処理をスマートフォンにインストールするアプリとして構成することができる。
【0124】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0125】
(付記1)
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、第1モデルと、を取得するステップと、取得したサービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴と、を第1モデルに入力することにより、サービスの候補の集合から第1候補群を抽出するステップと、を実行させ、第1モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、第1モデルは、Transformer構造を有する、プログラム。
【0126】
(付記2)
プロセッサに、サービスの属性に応じたユーザの固有情報と、第2モデルと、を取得するステップと、第1候補群と、ユーザの固有情報とを、第2モデルに入力することにより、第1候補群から第2候補群を抽出するステップと、を実行させ、第2モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの固有情報とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルあり、第2モデルは、Transformer構造を有する、付記1に記載のプログラム。
【0127】
(付記3)
プロセッサに、ユーザの行動履歴と、第3モデルと、を取得するステップと、第2候補群と、ユーザの行動履歴とを、第3モデルに入力することにより、第2候補群から第3候補群を抽出するステップと、を実行させ、第3モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、第3モデルは、Transformer構造を有する、付記2に記載のプログラム。
【0128】
(付記4)
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、サービスの候補の集合と、サービスの属性に応じたユーザの固有情報と、第2モデルと、を取得するステップと、取得したサービスの候補の集合と、ユーザの固有情報とを、第2モデルに入力することにより、第2候補群を抽出するステップと、を実行させ、第2モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの固有情報とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルあり、第2モデルは、Transformer構造を有する、プログラム。
【0129】
(付記5)
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴と、第3モデルと、を取得するステップと、取得したサービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴とを、第3モデルに入力することにより、第3候補群を抽出するステップと、を実行させ、第3モデルは、サービスの候補の集合と、ユーザの行動履歴とを入力したことに応じて、サービスの候補の集合に含まれるサービスから候補群を抽出するモデルであり、第3モデルは、Transformer構造を有する、プログラム。
【0130】
(付記6)
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、見込み客の候補の集合と、ユーザの購入履歴と、第4モデルと、を取得するステップと、取得した見込み客の候補の集合と、ユーザの購入履歴と、を第4モデルに入力することにより、見込み客の候補の集合から第4候補群を抽出するステップと、を実行させ、第4モデルは、見込み客の候補の集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、見込み客の候補の集合に含まれる見込み客から、見込み客の候補である候補群を抽出するモデルである、プログラム。
【0131】
(付記7)
第4モデルは、Transformer構造を有する、付記6記載のプログラム。
【0132】
(付記8)
取得するステップは、見込み客の属性に関する集合と、を取得するステップであり、抽出するステップは、取得した見込み客の属性に関する集合と、ユーザの購入履歴と、を第4モデルに入力することにより、見込み客の属性に関する集合から第4候補群を抽出するステップであり、第4モデルは、見込み客の属性に関する集合と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、見込み客の属性に関する集合に含まれる見込み客の属性から、見込み客の属性に関する候補である候補群を抽出するモデルである、付記6記載のプログラム。
【0133】
(付記9)
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、プロセッサに、商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴と、第5モデルと、を取得するステップと、取得した商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴と、を第5モデルに入力することにより、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する第5候補群を抽出するステップと、を実行させ、第5モデルは、商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴とを入力したことに応じて、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する候補群を抽出するモデルである、プログラム。
【0134】
(付記10)
第5モデルは、Transformer構造を有する、付記9記載のプログラム。
【0135】
(付記11)
取得するステップは、購買促進施策の実施時期と、を取得するステップであり、抽出するステップは、取得した商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴と、購買促進施策の実施時期と、を第5モデルに入力することにより、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する第5候補群を抽出するステップであり、第5モデルは、商品またはサービスの候補と、ユーザの購入履歴と、購買促進施策の実施時期とを入力したことに応じて、商品またはサービスの候補に対する購買促進施策の実施時期に関する候補群を抽出するモデルである、付記9記載のプログラム。
【0136】
(付記12)
購買促進施策は、見込み客に対するポイント付与、クーポン配布、および、サンプル配布のうち少なくともいずれか1つである、付記9記載のプログラム。
【0137】
(付記13)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、付記1から付記12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【0138】
(付記14)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、付記1から付記12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【0139】
(付記15)
付記1から付記12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【符号の説明】
【0140】
10 :情報処理装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :ストレージ
14 :通信IF
15 :入出力IF
120 :記憶部
121 :第1データDB
122 :第2データDB
130 :制御部
131 :受信制御部
132 :送信制御部
133 :学習部
134 :入力部
135 :抽出部
136 :提示部
図1
図2
図3
図4