(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133842
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】パッキン貼付構造
(51)【国際特許分類】
G01D 11/28 20060101AFI20240926BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240926BHJP
【FI】
G01D11/28 L
B60K35/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043826
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 靖文
(72)【発明者】
【氏名】大石 博之
(72)【発明者】
【氏名】松下 圭治
【テーマコード(参考)】
2F074
3D344
【Fターム(参考)】
2F074AA01
2F074BB06
2F074CC01
2F074DD03
2F074EE03
3D344AA03
3D344AA09
3D344AA12
3D344AA20
3D344AB01
3D344AC04
3D344AD02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができるパッキン貼付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】パッキン貼付構造1は、壁部によって区画形成された内部空間部に光源が配置される第1部品100と、第1部品100の開口部111を覆うように当該第1部品100に組み付けられる第2部品200と、第1部品100と第2部品200との間に介在するパッキン貼付領域120に貼付されるパッキン300とを備える。また、パッキン貼付領域120は、開口部111の周囲を囲う遮光領域121と、遮光領域121とは異なる平面上に位置する異音防止領域122と、遮光領域121と異音防止領域122とを繋ぎ連続させる傾斜領域123とを含んで構成され、パッキン300は、遮光領域121と傾斜領域123と異音防止領域122とに渡って一体で貼付されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部によって区画形成された内部空間部に光源が配置され、前記光源からの光の出射方向に沿って開口する開口部を有する第1部品と、
前記第1部品の前記開口部を覆う状態で当該第1部品に積層させて組み付けられる第2部品と、
前記第1部品と前記第2部品との間に介在するパッキン貼付領域に貼付されるパッキンとを備え、
前記パッキン貼付領域は、前記開口部の周囲を囲う遮光領域と、前記遮光領域とは異なる平面上に位置し前記遮光領域に対して段差を有する異音防止領域と、前記遮光領域と前記異音防止領域とを繋ぎ連続させる傾斜領域とを含み、
前記パッキンは、前記遮光領域と前記傾斜領域と前記異音防止領域とに渡って一体で貼付されることを特徴とする、
パッキン貼付構造。
【請求項2】
前記パッキンは、前記遮光領域に位置する遮光部と、前記異音防止領域に位置する異音防止部と、前記傾斜領域に位置する接続部とを含む、
請求項1に記載のパッキン貼付構造。
【請求項3】
前記パッキンは、前記傾斜領域に位置し、前記傾斜領域の傾斜方向と交差する方向に形成されるスリットを有する、
請求項2に記載のパッキン貼付構造。
【請求項4】
前記光源は、車両の状況に応じて警告を表示可能なテルテールを構成するウォーニングランプである、
請求項1~3のいずれか1項に記載のパッキン貼付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッキン貼付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ランプハウジングと、当該ランプハウジングに形成される複数の仕切り壁と、各仕切り壁で区画された内部に装填されたウォーニングランプと、各仕切り壁に当接して位置するウォーニングレンズとを備える車両用計器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の車両用計器は、ウォーニングレンズに印刷した膨張性インキを発泡させることで、パッキンを貼り付ける構造を採用した場合と同様に光漏れを抑制することができるが、光漏れ対策に加えて防音対策できることが望まれており、その点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができるパッキン貼付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るパッキン貼付構造は、壁部によって区画形成された内部空間部に光源が配置され、前記光源からの光の出射方向に沿って開口する開口部を有する第1部品と、前記第1部品の前記開口部を覆う状態で当該第1部品に積層させて組み付けられる第2部品と、前記第1部品と前記第2部品との間に介在するパッキン貼付領域に貼付されるパッキンとを備え、前記パッキン貼付領域は、前記開口部の周囲を囲う遮光領域と、前記遮光領域とは異なる平面上に位置し前記遮光領域に対して段差を有する異音防止領域と、前記遮光領域と前記異音防止領域とを繋ぎ連続させる傾斜領域とを含み、前記パッキンは、前記遮光領域と前記傾斜領域と前記異音防止領域とに渡って一体で貼付されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るパッキン貼付構造は、適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るパッキン貼付構造を表す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るパッキン貼付構造を表す断面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るパッキン貼付領域を表す平面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るパッキン貼付領域を表す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
なお、
図3、
図4は、説明の便宜上、第1部品100と、当該第1部品100に組み付けられるパッキン300のみを示している。
【0011】
[実施形態]
本実施形態に係るパッキン貼付構造1は、車載計器10に適用されるものである。車載計器10は、自動車等の車両に搭載される所謂メーターであり、ダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに搭載され、当該車両の運転に供される種々の情報を表示するものである。
【0012】
図1、
図2に示すように、車載計器10は、第1部品100と、第2部品200と、パッキン300と、複数の光源400とを備える。本実施形態のパッキン貼付構造1を車載計器10に適用した場合、ケースが第1部品100に相当し、カバーガラスが第2部品200に相当する。また、パッキン300は、ケースに形成された所定の領域(後述するパッキン貼付領域120)に配置され、当該ケースにカバーガラスが組み付けられることで2つの部品の間に介在する部材として用いられる。また、光源400は、ケースに組み付けられ、カバーガラスに向かって光を出射することで、車両の状況に応じて警告を表示可能なテルテールを構成するウォーニングランプに相当する。このような構成にあって、本実施形態のパッキン貼付構造1は、上記パッキン300を、パッキン貼付領域120を構成する遮光領域121、異音防止領域122、傾斜領域123に渡って一体で貼り付けることで、適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができる構成を実現したものである。以下、
図1~
図4を参照してパッキン貼付構造1の各構成について詳細に説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「第1幅方向X」といい、第2方向を「第2幅方向Y」といい、第3方向を「積層方向Z」という。ここでは、第1幅方向Xと第2幅方向Yと積層方向Zとは、互いに直交する。第1幅方向Xは、典型的には、パッキン貼付領域120の傾斜領域123の傾斜方向等に相当する。また、積層方向Zは、典型的には、第1部品100に第2部品200が積層される方向、光源400からの光の出射方向等に相当する。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、車載計器10の各部が組み付けられた状態での方向として説明する。
【0014】
また、以下の説明では、第1部品100内に配置される光源400から出射される光を出射光L1と称し、当該出射光L1が出射される方向を出射方向L1zと称する。
【0015】
第1部品100は、樹脂材料等で形成される箱状の部品である。
図1、
図2に示すように、第1部品100は、本体部110と、当該本体部110に形成されるパッキン貼付領域120とを含んで構成される。
【0016】
本体部110は、
図2に示すように、複数の側壁部110Kaと、上壁部110Kbと含む壁部110Kによって構成され、壁部110Kが一体となって形成されることで、内部(内部空間部110S)に光源400等を収容して組み付けることができる部分である。ここでいう側壁部110Kaは、積層方向Zに沿って延在し、第1幅方向Xまたは第2幅方向Yが板厚方向となる壁部である。また、上壁部110Kbは、いわゆる天井壁であり、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在し、積層方向Zが板厚方向となる壁部である。本実施形態の本体部110は、第1幅方向Xが板厚方向となる一対の側壁部110Kaと、第2幅方向Yが板厚方向となる一対の側壁部110Kaとによって、内部空間部110Sが形成されている。また、内部空間部110Sは、複数個設けられ、第1幅方向X及び第2幅方向Yのそれぞれに対して並んで設けられている。そのため、本体部110は、内部空間部110Sのそれぞれに光源400が収容されることで、当該光源400が第1幅方向X及び第2幅方向Yにそれぞれ並んで配置される。
【0017】
また、本体部110は、
図2に示すように、壁部110Kに設けられ、積層方向Zに沿って開口することで内部空間部110Sと外部空間とを連通する開口部111を有している。本実施形態の開口部111は、内部空間部110Sを形成する4つの側壁部110Kaによって略矩形状に形成される(
図3を参照)。また、本体部110は、開口部111と対向する位置に光源400が配置されることで、当該光源400から出射された出射光L1を開口部111の開口方向に沿う積層方向Zに沿って射出することができる。そのため、本体部110は、開口部111から外部に向けて、出射光L1を射出することができる。
【0018】
パッキン貼付領域120は、側壁部110Kaの上端面、或いは、上壁部110Kbに形成され、パッキン300が貼り付けられた状態で第2部品200が組み付けられることで、当該パッキン300を第2部品200との間に配置して挟み込むことができる部分である。本実施形態のパッキン貼付領域120は、
図1、
図2に示すように、積層方向Zが深さ方向となる凹部によって構成される。そのため、パッキン貼付領域120は、貼付されたパッキン300を第2部品200との間に形成される隙間に配置することができる(
図2を参照)。
【0019】
第2部品200は、透光性材料で形成される板状の部品である。第2部品200は、
図1、
図2に示すように、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在し、積層方向Zが板厚方向となる。また、第2部品200は、第1部品100に組み付けられると、光源400から出射された出射光L1の出射方向L1zに対して交差するように配置される。そのため、本実施形態の第2部品200は、開口部111側に位置する内面200aから入射した出射光L1を外面200bに向かって透過させることができる。
【0020】
パッキン300は、合成ゴム等の合成樹脂で形成されるシート状の部材である。パッキン300は、
図2に示すように、自身の弾力性によって、第1部品100と第2部品200に密着している状態で配置される。また、パッキン300は、後述するパッキン貼付領域120の全体に渡って設けられる。そのため、本実施形態のパッキン300は、第1部品100と第2部品200に形成される隙間を埋めることができる。なお、パッキン300の詳細については後述する。
【0021】
光源400は、LED等で構成され、車両に搭載される二次電池等の電源(不図示)から電力が供給されることで発光する部材である。光源400は、
図2に示すように、内部空間部110S毎に配置されている。そのため、本実施形態の光源400は、内部空間部110Sを構成する側壁部110Kaを挟んで配置され、それぞれが発光することで第1部品100に組み付けられる第2部品200に向けて出射光L1を出射することができる(
図2を参照)。なお、光源400は、第2部品200とは反対側に位置する基板(不図示)に実装され、当該基板が第1部品100に組み付けられることで、内部空間部110Sに配置される。また、光源400は、基板を介して駆動制御され、駆動時に、図柄(不図示)を点灯表示することで、当該図柄によって表される警告を視認させるものである。
【0022】
そして、本実施形態のパッキン貼付領域120は、上記のように構成される車載計器10において、開口部111の周囲を囲う遮光領域121と、遮光領域121とは異なる平面上に位置する異音防止領域122と、遮光領域121と異音防止領域122とを繋ぐ傾斜領域123とを含んで構成されている。
【0023】
また、上記のように構成されるパッキン貼付領域120に貼り付けられるパッキン300は、遮光領域121に位置する遮光部310と、異音防止領域122に位置する異音防止部320と、傾斜領域123に位置する接続部330とを含んで構成されている。
【0024】
遮光領域121は、パッキン300の遮光部310が貼り付けられることで、光源400から出射された出射光L1が第1部品100と第2部品200に形成される隙間から漏れることを抑制することができる領域である。本実施形態の遮光領域121は、開口部111の周囲を囲って配置される中空の矩形枠状に形成される。また、遮光領域121は、複数個設けられる内部空間部110Sの開口部111のそれぞれを囲うように配置され、各開口部111に対して設けられる領域同士が繋がることで、外縁部が1つの大きな略矩形状に形成され、各開口部111の形状にあわせて内縁部がそれぞれ形成される。また、遮光領域121に貼り付けられるパッキン300の遮光部310は、遮光領域121の形状に合わせて形成され、開口部111に対応した形状が中抜きされることで当該開口部111の周囲を囲んで配置される。そのため、遮光領域121は、パッキン300の遮光部310が貼り付けられることで、出射光L1の一部が隣り合って位置する光源400側に漏れることを抑制することができる。また、複数個設けられる光源400のうち、一部の光源400は、車両の運転状態に関する情報を表示可能なゲージ(不図示)と隣り合って配置されている。そのため、遮光領域121は、パッキン300の遮光部310が貼り付けられることで、出射光L1の一部がゲージ側に漏れることを抑制することができる。
【0025】
異音防止領域122は、車両や、当該車両に搭載される車載計器10が振動した際に、異音が発生することを抑制することができる領域である。
図3、
図4に示すように、本実施形態の異音防止領域122は、遮光領域121に対して第1幅方向Xに間隔を空けて位置し、かつ、遮光領域121に対して積層方向Zにおいて上側、すなわち第2部品200側に段差dをつけて位置している。また、異音防止領域122は、
図3に示すように、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在する略矩形状に形成され、第1幅方向X及び第2幅方向Yの長さは、いずれも遮光領域121よりも短く設定される。また、異音防止領域122に貼り付けられるパッキン300の異音防止部320は、遮光領域121の形状に合わせて略矩形状に形成され、第1部品100が第2部品200との間で圧縮した状態で組み付けられる。そのため、異音防止領域122は、パッキン300の異音防止部320が貼り付けられることで、第1部品100が第2部品200に接触することを抑制することができ、振動に伴って異音が発生することを抑制することができる。
【0026】
傾斜領域123は、遮光領域121と異音防止領域122とを連続させることができる領域である。
図4に示すように、本実施形態の傾斜領域123は、段差dに設けられた傾斜面によって構成される。また、傾斜領域123は、傾斜面が第1幅方向Xに沿って形成されることで、第1幅方向Xに間隔を空けて位置する遮光領域121と異音防止領域122とを接続することができる。また、傾斜領域123は、
図3に示すように、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在する略矩形状に形成され、第2幅方向Yの長さは、異音防止領域122と同等に設定される。また、傾斜領域123に貼り付けられるパッキン300の接続部330は、傾斜領域123の形状に合わせて略矩形状に形成され、第2幅方向Yの長さが異音防止部320と同等に設定される。
【0027】
そのため、本実施形態のパッキン貼付領域120は、異音防止領域122と傾斜領域123とが連続して位置することで、1つの帯形状となる。そして、傾斜領域123と遮光領域121とが連続して位置することで、略矩形状に形成される遮光領域121の一部分から帯形状に形成される傾斜領域123及び異音防止領域122が延在する。また、本実施形態のパッキン300は、異音防止領域122に位置する異音防止部320と、傾斜領域123に位置する接続部330とが連続して位置することで、1つの帯形状となる。そして、傾斜領域123に位置する接続部330と、遮光領域121に位置する遮光部310とが連続して位置することで、略矩形状に形成される遮光部310の一部分から帯形状に形成される接続部330及び異音防止部320が延在する。したがって、本実施形態のパッキン貼付領域120は、傾斜領域123を介して、遮光領域121と異音防止領域122とを連続させることで、遮光領域121と傾斜領域123と異音防止領域122とに渡ってパッキン300を一体で貼り付けることができる。
【0028】
また、本実施形態のパッキン300は、接続部330に設けられ、傾斜領域123の傾斜方向と交差する方向に形成されるスリット340を含んで構成されている。
図3に示すように、本実施形態のスリット340は、異音防止部320側に設けられ、異音防止領域122と傾斜領域123の間に形成される稜線上に配置される部分である。また、スリット340は、第2幅方向Yに間隔をあけて位置する端部に設けられる一対の切り欠きであり、第2幅方向Yの外方側から内方側に向かって形成される。また、スリット340は、接続部330の第2幅方向Yの長さよりも短く設定されることで、当該接続部330を第2幅方向Yに貫通せず、第2幅方向の内方側に位置する端部が閉塞端部となっている。そのため、スリット340は、接続部330の幅(第2幅方向Yの長さ)を狭くすることができ、パッキン300のこし(例えば、パッキン300の弾力性)を弱めることで、柔軟性を持たせることができる。
【0029】
以上で説明したように、本実施形態のパッキン貼付構造1は、壁部110Kによって区画形成された内部空間部110Sに光源400が配置され、光源400からの光(出射光L1)の出射方向L1zに沿って開口する開口部111を有する第1部品100と、当該第1部品100の開口部111を覆う状態で当該第1部品100に積層させて組み付けられる第2部品200と、第1部品100と第2部品200との間に介在するパッキン貼付領域120に貼付されるパッキン300とを備える。また、パッキン貼付領域120は、開口部111の周囲を囲う遮光領域121と、遮光領域121とは異なる平面上に位置し遮光領域121に対して段差dを有する異音防止領域122と、遮光領域121と異音防止領域122とを繋ぎ連続させる傾斜領域123とを含んで構成される。また、パッキン300は、遮光領域121と傾斜領域123と異音防止領域122とに渡って一体で貼付される。
【0030】
このような構成によれば、パッキン貼付構造1は、第1部品100と第2部品200との間にパッキン300を介在させる必要がある遮光領域121及び異音防止領域122を傾斜領域123によって接続することで、パッキン貼付領域120を1つのまとまった領域とすることができる。そのため、パッキン貼付構造1は、パッキン貼付領域120に貼付されるパッキン300を1つに統合することができる。また、パッキン300が1つに統合され、パッキン貼付領域120に貼り付けるパッキン300の数が減ることで、組付時の作業効率を向上させることができる。また、パッキン300が1つに統合され、パッキン貼付領域120にパッキン300を貼り付ける工数が減ることで、パッキン貼付領域120に対するパッキン300の位置ずれが発生することを抑制することができる。また、異なる平面上に位置する遮光領域121と異音防止領域122とが、傾斜領域123によって接続されることで、遮光領域121と異音防止領域122との間でパッキン300が浮きにくくすることができる。そのため、パッキン貼付領域120に貼付されたパッキン300を剥がれにくくすることができる。したがって、パッキン貼付構造1は、パッキン300が、遮光領域121、異音防止領域122、及び、傾斜領域123に対して適正に貼り付けられることで、適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができる。
【0031】
さらに、以上で説明したパッキン300は、遮光領域121に位置する遮光部310と、異音防止領域122に位置する異音防止部320と、傾斜領域123に位置する接続部330とを含んで構成される。このような構成によれば、パッキン貼付構造1は、パッキン貼付領域120の遮光領域121、異音防止領域122、及び、傾斜領域123にあわせてパッキン300が設けられる。また、遮光領域121は、パッキン300の遮光部310が貼り付けられることで、光源400から出射された出射光L1が、当該光源400配置される内部空間部110Sから、第1部品100と第2部品200に形成される隙間を通って漏れることを抑制することができる。また、異音防止領域122は、パッキン300の異音防止部320が貼り付けられることで、第1部品100が第2部品200に干渉することで異音が発生することを抑制することができる。したがって、パッキン貼付構造1は、パッキン300がパッキン貼付領域120に対して適正に貼り付けられることで、適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができる。
【0032】
さらに、以上で説明したパッキン300は、傾斜領域123に位置し、傾斜領域123の傾斜方向(第1幅方向X)と交差する方向に形成されるスリット340を有する。このような構成によれば、パッキン貼付構造1は、スリット340によってパッキン300のこしが弱められることで、パッキン貼付領域120にパッキン300を貼り付けやすくすることができる。またそれと同時に、パッキン貼付領域120にパッキン300が密着しやすくなることで、パッキン貼付領域120に貼付されたパッキン300を剥がれにくくすることができる。そのため、パッキン貼付構造1は、パッキン300がパッキン貼付領域120に対して適正に貼り付けられることで、適正に光漏れ対策をしつつ、防音対策をすることができる。
【0033】
さらに、以上で説明した光源400は、車両の状況に応じて警告を表示可能なテルテールを構成するウォーニングランプである。このような構成によれば、パッキン貼付構造1は、光源400から出射された出射光L1が第1部品100と第2部品200に形成される隙間から漏れることで、隣り合って配置されるウォーニングランプやゲージが光って見えることを抑制することができる。したがって、パッキン貼付構造1は、パッキン300がパッキン貼付領域120に対して適正に貼り付けられることで、適正に光漏れ対策をすることができ、意図しない表示灯が視認されることを防止することができる。
【0034】
なお、上述した本発明の実施形態に係るパッキン貼付構造1は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
例えば、異音防止領域122は、遮光領域121に対して積層方向Zにおいて上側に段差dをつけて位置していると説明したが、遮光領域121に対する異音防止領域122の位置は特に限定されず、積層方向Zにおいて下側に段差をつけて位置していてもよい。
【0036】
また、第2部品200は、カバーガラスであると説明したが、透光性材料で形成される板状の部品である限り、特に限定されない。例えば、第2部品200は、第1部品100に相当するケースとカバーガラスの間に積層されて組み付けられる文字板であってもよい。
【0037】
また、パッキン300に形成されるスリット340の個数は、特に限定されない。また、スリット340の形状は、
図3に示す形態に限定されない。また、スリット340の位置は、傾斜領域123にかかって配置される位置である限り特に限定されない。
【0038】
また、光源400は、テルテールを構成するウォーニングランプであると説明したが、テルテール以外の表示灯用の光源として用いられるものであってもよく、その用途は特に限定されない。
【0039】
本実施形態に係るパッキン貼付構造は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 パッキン貼付構造
100 第1部品
110K 壁部
110S 内部空間部
111 開口部
120 パッキン貼付領域
121 遮光領域
122 異音防止領域
123 傾斜領域
200 第2部品
300 パッキン
310 遮光部
320 異音防止部
330 接続部
340 スリット
L1 出射光(光源から出射される光)
L1z 出射方向
X 第1幅方向
Y 第2幅方向
Z 積層方向