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特開2024-133843冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133843
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/44 20060101AFI20240926BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01L23/44
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043830
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 拓斗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 岳秋
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322AA10
5E322DA01
5E322FA01
5E322FA04
5F136CB01
5F136DA11
5F136DA42
5F136DA44
(57)【要約】
【課題】一実施形態は、冷却の後処理に関する作業性の向上を図ることができる冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置を提供する。
【解決手段】一実施形態の冷却方法は、液体冷媒を収容可能な冷却槽に熱伝導性を有した収容体を配置し、前記収容体の内部に冷却対象の電子機器を収容し、前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体を冷却する、ことを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体冷媒を収容可能な冷却槽に、熱伝導性を有した収容体を配置し、
前記収容体の内部に、冷却対象の電子機器を収容し、
前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体を冷却する、
ことを含む冷却方法。
【請求項2】
前記収容体は、可撓性を有したスリーブである、
請求項1に記載の冷却方法。
【請求項3】
前記電子機器は、基板と、前記基板に装着された部品とを含み、
前記スリーブの少なくとも一部は、前記電子機器の外形に沿うように変形して直接または熱伝導部材を間に介在させて前記部品と接続される、
請求項2に記載の冷却方法。
【請求項4】
前記冷却槽に前記収容体を配置することは、前記収容体の内部に前記電子機器を収容する前に行われる、
請求項1または請求項2に記載の冷却方法。
【請求項5】
前記冷却槽に前記収容体を配置することは、前記収容体の内部に前記電子機器を収容した後に行われる、
請求項1または請求項2に記載の冷却方法。
【請求項6】
前記収容体の端部は、開口部を有し、
前記液浸冷却は、少なくとも前記開口部の一部が閉じられた状態で行われ、
前記冷却方法は、前記冷却した後に前記開口部を開き、前記収容体の内部から前記電子機器を取り出すことをさらに含む、
請求項1または請求項2に記載の冷却方法。
【請求項7】
前記液浸冷却は、前記冷却槽内で前記収容体の下端部の位置を規制して行われる、
請求項1または請求項2に記載の冷却方法。
【請求項8】
前記冷却方法は、前記収容体の内部に前記電子機器が収容された後に、空気調整装置により前記スリーブの内部の空気を吸引することで、前記電子機器の外形に沿うように前記スリーブの少なくとも一部を変形させることをさらに含む、
請求項2または請求項3に記載の冷却方法。
【請求項9】
液体冷媒を収容可能な冷却槽に、熱伝導性を有した収容体を配置し、
前記収容体の内部に、ケーブルを介して試験装置に接続可能な電子機器を収容し、
前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体を冷却しながら、前記ケーブルを介して前記試験装置に接続された前記電子機器の試験を行う、
ことを含む電子機器の製造方法。
【請求項10】
液体冷媒を収容可能な冷却槽と、
熱伝導性を有し、電子機器を収容可能な収容体と、
前記電子機器が収容された前記収容体が前記冷却槽に配置され、前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体が冷却される場合に、前記収容体の上部と下部とのうち少なくとも一方を保持する保持部と、
を備えた冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体冷媒の中に電子機器に浸すことで、液体冷媒を用いて電子機器を直接に冷却する液浸冷却が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-122228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態は、冷却の後処理に関する作業性の向上を図ることができる冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の冷却方法は、液体冷媒を収容可能な冷却槽に熱伝導性を有した収容体を配置し、前記収容体の内部に冷却対象の電子機器を収容し、前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体を冷却する、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の冷却装置を説明するための斜視図。
図2】第1実施形態の電子機器の一例を示す図。
図3】第1実施形態の冷却装置を説明するための断面図。
図4】第1実施形態の固定部材の一例を示す平面図。
図5】第1実施形態の上部開閉部の動きを説明するための断面図。
図6】第1実施形態の下部固定部の動きを説明するための断面図。
図7】第1実施形態の試験方法を示すフローチャート。
図8】第1実施形態の製造方法を示すフローチャート。
図9】第2実施形態の試験方法を示すフローチャート。
図10】第3実施形態の冷却装置を説明するための断面図。
図11】第3実施形態の変形例の冷却装置を説明するための断面図。
図12】実施形態の第1変形例の位置規制部を説明するための斜視図。
図13】実施形態の第2変形例の位置規制部を説明するための斜視図。
図14】実施形態の第3変形例の位置規制部を説明するための斜視図。
図15】実施形態の第3変形例の位置規制部を説明するための斜視図。
図16】実施形態の第4変形例の冷却装置を説明するための断面図。
図17】実施形態の第5変形例の箱部材を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
本出願では用語を以下のように定義する。「平行」、「直交」、または「同じ」とは、それぞれ「略平行」、「略直交」、または「略同じ」である場合を含み得る。「接続」とは、機械的な接続に限定されず、電気的な接続を含み得る。すなわち「接続」とは、接続対象である2つの要素が直接に接続される場合に限定されず、接続対象である2つの要素が別の要素を間に介在させて接続される場合を含み得る。また「接続」とは、結合された状態に限定されず、接しただけの状態も該当し得る。
【0009】
X方向、Y方向、およびZ方向は、以下のように定義される。X方向およびY方向は、水平に沿う方向である。X方向は、後述する支持フレーム44A,44Bが移動可能な方向である。Y方向は、X方向とは交差する(例えば直交する)方向である。Y方向は、例えば、後述する一対の水平フレーム42A,42Bが離間した方向である。Z方向は、X方向およびY方向とは交差する(例えば直交する)方向である。Z方向は、例えば、鉛直方向である。
【0010】
(第1実施形態)
<1.全体構成>
図1は、第1実施形態の冷却装置1を説明するための斜視図である。冷却装置1は、液浸冷却を利用した冷却装置であり、冷却対象である電子機器100を冷却可能である。電子機器100は、例えば半導体記憶装置である。冷却装置1は、例えば、電子機器100の製造工程に含まれる1つ以上の試験で利用される。なお、冷却装置1は、電子機器100の試験で利用される冷却装置に限定されず、電子機器100の使用時に利用される冷却装置でもよい。また、冷却対象の電子機器100は、半導体記憶装置に限定されず、種々の電子機器が適宜該当し得る。
【0011】
(冷却対象の電子機器)
まず、冷却対象の電子機器100の一例について説明する。
電子機器100は、例えば、SSD(Solid State Drive)のような半導体記憶装置である。電子機器100は、例えば、サーバまたはパーソナルコンピュータのような情報処理装置に取り付けられ、情報処理装置の記憶装置として使用される。本出願では、電子機器100が使用時に接続される情報処理装置を「ホスト装置」と称する。
【0012】
図2は、電子機器100の一例を示す図である。電子機器100は、例えば、基板101、コネクタ102、コントローラ103、複数のNANDメモリ104、DRAM(Dynamic Random Access Memory)105、および複数のコンデンサ106を有する。
【0013】
基板101は、プリント基板である。基板101は、絶縁基材と、絶縁基材に設けられた配線パターンとを有する。基板101は、Y方向およびZ方向に沿う板状である。基板101は、第1面101aと、第1面101aとは反対側に位置した第2面101bとを有する。
【0014】
コネクタ102は、ホスト装置に接続可能な電気接続部である。コネクタ102は、基板101の端部に設けられている。コネクタ102は、Y方向に並ぶ複数の端子102aを含む。コネクタ102は、例えば、基板対基板用コネクタ(BtoBコネクタ)である。コネクタ102には、例えば、ホスト装置から延びたフラットケーブルが接続される。
【0015】
コントローラ103は、基板101に実装または装着された制御用部品である。コントローラ103は、電子機器100の全体を統括的に制御する。コントローラ103は、例えば、ホスト装置との通信を行うホストインターフェース回路、複数のNANDメモリ104を制御する制御回路、およびDRAM105を制御する制御回路などが1つの半導体チップに集積されたSoC(System on a Chip)を含む半導体パッケージである。コントローラ103は、例えば、基板101の第1面101aに実装されている。コントローラ103は、電子機器100の使用時に発熱する部品である。本実施形態では、コントローラ103は、基板101に実装された複数の部品のなかで、電子機器100の使用時の発熱量が最も大きい。
【0016】
NANDメモリ104は、不揮発にデータを記憶する半導体メモリチップを含む半導体パッケージである。NANDメモリ104は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。複数のNANDメモリ104は、例えば、基板101の第1面101aと第2面101bとに分かれて実装されている。NANDメモリ104は、電子機器100の使用時に発熱する部品である。NANDメモリ104は、「半導体メモリ」の一例である。ただし、「半導体メモリ」は、NAND型フラッシュメモリに限定されず、NOR型メモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、または抵抗変化型メモリなど他の種類のメモリでもよい。
【0017】
DRAM105は、揮発にデータを記憶する半導体メモリチップを含む半導体パッケージである。DRAM105は、ホスト装置から受信した書き込みデータ、または1つ以上のNANDメモリ104から読み出された読み出しデータなどが一時的に格納されるデータバッファとして用いられる。DRAM105は、例えば、基板101の第1面101aに実装されている。DRAM105は、電子機器100の使用時に発熱する部品である。
【0018】
コンデンサ106は、電子機器100への予期せぬ電力遮断時のデータ保護を目的とする電源バックアップ機能を担う。例えば、コンデンサ106は、ホスト装置からの電力供給が予期せず遮断された場合、コントローラ103、複数のNANDメモリ104、およびDRAM105に電力を一定時間に亘り供給する。コンデンサ106は、例えば電解コンデンサである。コンデンサ106は、例えば、基板101の第2面101bに実装されている。
【0019】
図2に示すように、基板101の厚さ方向(X方向)において、コントローラ103の厚さT1は、NANDメモリ104の厚さT2よりも大きく、DRAM105の厚さT3よりも大きい。また、コンデンサ106は、コントローラ103とは異なり、基板101の第2面101bに実装されている。このため、基板101の第1面101aでは、コントローラ103が最大の厚さ(最大の部品高さ)を有する。
【0020】
<2.冷却装置の構成>
次に図1に戻り、冷却装置1の構成について説明する。なお以下では、単相式の液浸冷却を利用した冷却装置1について説明する。ただし、冷却装置1は、多相式の液浸冷却を利用した冷却装置でもよい。冷却装置1は、例えば、冷却槽10、スリーブ20、本体フレーム30、上部開閉部40、および下部固定部50を有する。本実施形態では、上部開閉部40と、下部固定部50とにより、「保持部」の一例が形成されている。
【0021】
<2.1 冷却槽>
まず、冷却槽10について説明する。
冷却槽10は、液浸冷却に利用可能な槽体であり、液体冷媒L(図3参照)を収容可能である。液体冷媒Lは、例えば、絶縁性を有する不活性液体であり、蒸留水(精製水)、フッ素系不活性液体、またはシリコンオイルなどである。ただし、液体冷媒Lは、上記例に限定されず、導電性を有する液体でもよく、例えば工業用水などでもよい。
【0022】
図3は、冷却装置1を説明するための断面図であり、図1中のF3-F3に沿う断面図である。冷却槽10には、例えば、液体冷媒Lを冷却する冷却システムCSが接続される。冷却システムCSは、第1配管11、第2配管12、放熱器13、およびポンプ14を含む。
【0023】
第1配管11の一端は、冷却槽10の上部に接続されている。第1配管11の他端は、放熱器13に接続されている。第2配管12の一端は、放熱器13に接続されている。第2配管12の他端は、冷却槽10の下部に接続されている。ポンプ14は、第1配管11または第2配管12の途中に設けられている。ポンプ14が駆動されると、冷却槽10の上部に位置する液体冷媒Lは、第1配管11を通じて放熱器13に流入し、放熱器13を通過することで冷却される。放熱器13を通過することで冷却された液体冷媒Lは、第2配管12を通じて冷却槽10の下部に戻される。
【0024】
なお、放熱器13は、複数のフィンを有するヒートシンクでもよいし、液体冷媒Lと他の冷却水との熱交換により液体冷媒Lを冷却する熱交換器でもよい。また、冷却装置1が多相式の液浸冷却を利用する装置である場合は、冷却システムCSは、気相の冷媒を冷却して液体冷媒Lに戻す冷却器を有する。
【0025】
<2.2 スリーブ>
次に、スリーブ20について説明する。
図3に示すように、スリーブ20は、冷却槽10に配置され、冷却対象の電子機器100を収容する部材である。スリーブ20は、例えば、上端部が開放されるとともに、上端部以外の端部(すなわち下端部および両側端部)が液密に閉じられた袋部材である。スリーブ20の上端部は、開口部20aを有する。電子機器100は、開口部20aを通じてスリーブ20の内部に挿入可能である。スリーブ20は、「収容体」の一例である。
【0026】
電子機器100は、例えば、フラットケーブル220を介して試験装置210(図1参照)に接続された状態で、スリーブ20の内部に収容される。フラットケーブル220は、例えば、フレキシブルフラットケーブルである。電子機器100がスリーブ20の内部に収容された状態で、フラットケーブル220は、スリーブ20の開口部20aを通ってスリーブ20の内部からスリーブ20の外部に延びている。フラットケーブル220は、電子機器100のコネクタ102に嵌合するコネクタ222を有する。電子機器100は、例えば、電子機器100のコネクタ102とフラットケーブル220のコネクタ222とが嵌合することで、フラットケーブル220によって支持され、Y方向およびZ方向の位置が規制される。
【0027】
スリーブ20は、熱伝導性を有し、スリーブ20の内部と外部との間で熱伝導可能である。スリーブ20は、スリーブ20の内部に収容された電子機器100が発する熱を、熱伝導により冷却槽10内の液体冷媒Lに伝える。これにより、液体冷媒Lを用いた液浸冷却によりスリーブ20が冷却されることで、電子機器100が液体冷媒Lに非接触である状態で、電子機器100の冷却を行うことができる。
【0028】
スリーブ20は、例えば、熱伝導フィルムにより形成される。スリーブ20の材質は、例えばポリイミドであるが、これに限定されない。スリーブ20は、電子機器100の冷却を行うことができるものであれば、放熱性能、材質、および材料などは問わない。
【0029】
本実施形態では、スリーブ20は、可撓性を有する。スリーブ20の少なくとも一部は、電子機器100の外形に沿うように変形し、電子機器100に含まれる部品(例えば、コントローラ103、NANDメモリ104、またはDRAM105)に直接に接する(直接に接続される)。例えば、スリーブ20は、液体冷媒Lの中に配置されることで、液体冷媒Lの液圧により電子機器100の外形に沿うように変形する。例えば、スリーブ20は、液体冷媒Lの液圧により、スリーブ20内の空気の一部が開口部20aを通じてスリーブ20の外部に追い出されて電子機器100の外形に沿うように変形する。
【0030】
本実施形態では、スリーブ20は、電子機器100の外形に沿うように変形し、電子機器100に含まれる複数の部品(例えば、コントローラ103、NANDメモリ104、およびDRAM105のうち2つ以上の部品)に直接に接する。スリーブ20は、少なくとも、基板101の第1面101aにおいて最大の部品高さを有するコントローラ103に接する。
【0031】
なお、本出願で「電子機器の外形に沿うように変形する」とは、例えば、電子機器100の外形に倣うように変形する(すなわち、電子機器100に含まれる複数の部品の各々の表面に沿うようにスリーブ20が変形する)ことである。ただし、本出願で「電子機器の外形に沿うように変形」とは、電子機器100の外形に倣うように大きく変形することに限定されず、電子機器100の一部とスリーブ20とが接するようにスリーブ20が最小限の変形を行うことなども該当し得る。
【0032】
本実施形態では、スリーブ20の上端部は、後述する上部開閉部40(保持部)により保持される。例えば、スリーブ20の上端部は、複数の穴20hを有する(図1参照)。複数の穴20hの各々には、後述する複数の固定部材46A,46Bが取り付けられる。
【0033】
<2.3 本体フレーム>
図1に戻り、本体フレーム30について説明する。
本体フレーム30は、後述する上部開閉部40を支持する土台である。本体フレーム30は、冷却槽10の内部に設けられてもよく、冷却槽10の外部に設けられてもよい。本体フレーム30は、例えば、複数の下部フレーム31と、複数の鉛直フレーム32とを含む。複数の下部フレーム31は、水平に配置され、X方向またはY方向に延びている。鉛直フレーム32は、下部フレーム31に接続されるとともに、下部フレーム31から上方に起立し、鉛直方向(Z方向)に延びている。
【0034】
複数の鉛直フレーム32は、例えば、複数の鉛直フレーム32Aと、複数の鉛直フレーム32Bとを含む。複数の鉛直フレーム32Aは、X方向に互いに距離を置いて配置される。複数の鉛直フレーム32Bは、複数の鉛直フレーム32Aに対して、Y方向に離間している。複数の鉛直フレーム32Bは、X方向に互いに距離を置いて配置される。
【0035】
<2.4 上部開閉部>
上部開閉部40は、スリーブ20の開口部20aを開閉するための機構である。上部開閉部40は、例えば、一対のリニアガイド41A,41B、一対の支持フレーム44A,44B、複数の弾性部材45A,45B、および複数の固定部材46A,46Bを含む。
【0036】
リニアガイド41Aは、水平フレーム42Aと、移動体43Aa,43Abとを含む。水平フレーム42Aは、水平に配置され、X方向に延びている。水平フレーム42Aは、複数の鉛直フレーム32Aによって支持されている。移動体43Aa,43Abの各々は、水平フレーム42Aに取り付けられ、水平フレーム42Aに沿ってX方向にスライド移動可能である。
【0037】
リニアガイド41Bは、水平フレーム42Bと、移動体43Ba,43Bbとを含む。水平フレーム42Bは、水平に配置され、X方向に延びている。水平フレーム42Bは、水平フレーム42Aに対して、Y方向に離間している。水平フレーム42Bは、複数の鉛直フレーム32Bによって支持されている。移動体43Ba,43Bbの各々は、水平フレーム42Bに取り付けられ、水平フレーム42Bに沿ってX方向にスライド移動可能である。
【0038】
支持フレーム44Aは、水平に配置され、Y方向に延びている。支持フレーム44Aは、移動体43Aa,43Baに取り付けられている。これにより、支持フレーム44Aは、移動体43Aa,43Baがそれぞれ水平フレーム42A,42Bに沿って移動することで、X方向にスライド移動可能である。支持フレーム44Aは、複数の穴44hを有する。複数の穴44hは、Y方向に互いに離間した位置に設けられている。複数の穴44hの各々には、後述する複数の固定部材46Aが取り付けられる。以下では、支持フレーム44Aを「第1支持フレーム44A」と称する。
【0039】
支持フレーム44Bは、水平に配置され、Y方向に延びている。支持フレーム44Bは、支持フレーム44Aに対してX方向に並ぶ。支持フレーム44Bは、支持フレーム44Aと平行に配置されている。支持フレーム44Bは、移動体43Ab,43Bbに取り付けられている。支持フレーム44Bは、移動体43Ab,43Bbがそれぞれ水平フレーム42A,42Bに沿って移動することで、X方向にスライド移動可能である。支持フレーム44Bは、複数の穴44hを有する。複数の穴44hは、Y方向に互いに離間した位置に設けられている。複数の穴44hの各々には、後述する複数の固定部材46Bが取り付けられる。以下では、支持フレーム44Bを「第2支持フレーム44B」と称する。
【0040】
複数の弾性部材45Aは、第1支持フレーム44Aのなかで第2支持フレーム44Bに対向する側面に取り付けられている。各弾性部材45Aは、例えば、ゴム製のクッション部材である。複数の弾性部材45Aは、例えば、フラットケーブル220と重なる領域を避けて配置されている。
【0041】
複数の弾性部材45Bは、第2支持フレーム44Bのなかで第1支持フレーム44Aに対向する側面に取り付けられている。各弾性部材45Bは、例えば、ゴム製のクッション部材である。複数の弾性部材45Bは、例えば、フラットケーブル220と重なる領域を避けて配置されている。
【0042】
固定部材46Aは、第1支持フレーム44Aとスリーブ20とを固定する部材である。
図4は、固定部材46Aの一例を示す平面図である。本実施形態では、固定部材46Aは、それぞれ円弧状に形成された第1部材47aと第2部材47bとを含む。固定部材46Aは、第1部材47aと第2部材47bとが円環状に連結された第1状態と、第1部材47aの一端と第2部材47bの一端とが離間した第2状態とで変形可能である。第2状態において、第1部材47aの他端と第2部材47bの他端とは連結されている。
【0043】
図1に示すように、複数の固定部材46Aは、第1支持フレーム44Aと、スリーブ20の上端部の一部とを固定する。例えば、固定部材46Aは、上記第2状態に変形させられた状態で、スリーブ20の穴20hと、第1支持フレーム44Aの穴44hとに通される。その後、固定部材46Aを上記第1状態に変形させることで、第1支持フレーム44Aと、スリーブ20の上端部の一部とが固定される。
【0044】
固定部材46Bは、第2支持フレーム44Bとスリーブ20とを固定する部材である。本実施形態では、固定部材46Bは、固定部材46Aと同様に、それぞれ円弧状に形成された第1部材47aと第2部材47bとを含む。固定部材46Bは、第1部材47aと第2部材47bとが円環状に連結された第1状態と、第1部材47aの一端と第2部材47bの一端とが離間した第2状態とで変形可能である。第2状態において、第1部材47aの他端と第2部材47bの他端とは連結されている。
【0045】
複数の固定部材46Bは、第2支持フレーム44Bと、スリーブ20の上端部の別の一部とを固定する。例えば、固定部材46Bは、上記第2状態に変形させられた状態で、スリーブ20の穴20hと、第2支持フレーム44Bの穴44hとに通される。その後、固定部材46Bを上記第1状態に変形させることで、第2支持フレーム44Bと、スリーブ20の上端部の一部とが固定される。
【0046】
なお、スリーブ20の上端部を支持フレーム44A,44Bに固定する方法は、上記に限定されない。例えば、スリーブ20の上端部は、クリップ、フック、ピン、またはねじのような固定部材により、支持フレーム44A,44Bに固定されてもよい。また、スリーブ20の上端部は、接着剤を用いて支持フレーム44A,44Bに接着固定されてもよいし、加熱されて支持フレーム44A,44Bに溶着固定されてもよい。
【0047】
図5は、上部開閉部40の動きを説明するための断面図である。図5中の(a)は、上部開閉部40によってスリーブ20の開口部20aが開かれた状態を示す。図5中の(b)は、上部開閉部40によってスリーブ20の開口部20aが閉じられた状態を示す。なお本出願で「開口部を閉じる」とは、完全に閉じられる場合に限定されず、少なくとも開口部(開口部20a)の一部が閉じられる場合も該当し得る。本出願で「開口部を閉じる」とは、スリーブ20内の空気を外部に逃がす隙間が残るように閉じられる場合も該当し得る。本出願で「開口部を閉じる」とは、例えば、スリーブ20の開口部20aから電子機器100が取り出せなくなる程度に開口部20aの大きさが小さくなることを意味する。なお、スリーブ20の開口部20aは、密閉されるように閉じられてもよい。
【0048】
本実施形態では、第1支持フレーム44Aと第2支持フレーム44Bとが互いに離れる方向に移動されることで、スリーブ20の開口部20aが開かれる。一方で、第1支持フレーム44Aと第2支持フレーム44Bとが互いに近付く方向に移動されることで、スリーブ20の開口部20aが閉じられる。これにより、スリーブ20が冷却槽10に配置された状態で、スリーブ20の開口部20aが開閉される。
【0049】
なお、上部開閉部40は、スリーブ20の開口部20aが閉じられた状態で、第1支持フレーム44Aおよび第2支持フレーム44Bの移動を規制するロック機構47(図1参照)を有してもよい。ロック機構47により第1支持フレーム44Aおよび第2支持フレーム44Bの位置が固定されることで、スリーブ20の開口部20aが閉じられた状態でスリーブ20の形状が維持される。ロック機構47の数は、1に限らず2以上であってもよい。
【0050】
<2.5 下部固定部>
図1に戻り、下部固定部50について説明する。
下部固定部50は、スリーブ20の下端部を固定することで、冷却槽10内でスリーブ20の下端部の位置を規制する。下部固定部50は、「位置規制部」の一例である。本実施形態では、下部固定部50は、冷却槽10の底部に設けられている。下部固定部50は、例えば、基部51、第1起立部52、第2起立部53、第3起立部54、および送りねじ55を有する。
【0051】
基部51は、冷却槽10の底部に沿って水平に配置されている。第1起立部52は、基部51と一体に形成され、基部51から上方に起立している。第2起立部53は、基部51と一体に形成され、基部51から上方に起立している。第2起立部53は、X方向で第1起立部52から離間している。第2起立部53は、後述する送りねじ55が係合する穴53hを有する。
【0052】
第3起立部54は、第1起立部52と第2起立部53との間に配置されている。第3起立部54は、基部51に固定されておらず、基部51の上面に沿ってX方向にスライド移動可能である。第1起立部52と第3起立部54との間には、スリーブ20の下端部が配置される。送りねじ55は、第2起立部53の穴53hに係合するとともに、穴53hを貫通している。送りねじ55の先端は、第3起立部54に設けられた不図示の軸受に回動可能に固定される。
【0053】
図6は、下部固定部50の動きを説明するための断面図である。図6中の(a)は、下部固定部50がスリーブ20の下端部を固定する前の状態を示す。図5中の(b)は、下部固定部50がスリーブ20の下端部を固定した状態を示す。
【0054】
本実施形態では、送りねじ55を所定の回転方向に回転させることで、第3起立部54が第1起立部52に向けて移動する。これにより、スリーブ20の下端部は、第1起立部52と第3起立部54との間に挟まれることで固定される。一方で、送りねじ55を上記所定の回転方向とは逆方向に回転させることで、第3起立部54が第1起立部52から離れる。これにより、スリーブ20の下端部は、第1起立部52と第3起立部54との間から解放される。
【0055】
<3.電子機器の試験方法>
次に、冷却装置1を用いた電子機器100の試験方法について説明する。
図7は、第1実施形態の試験方法を示すフローチャートである。本実施形態では、電気機器100がスリーブ20に収容される前に、スリーブ20を支持フレーム44A,44Bに固定する(S101)。例えば、固定部材46A,46Bがスリーブ20の複数の穴20hに通されるとともに、支持フレーム44A,44Bの複数の穴44hに通される。これにより、スリーブ20の上端部が支持フレーム44A,44Bに固定される。
【0056】
次に、スリーブ20の下端部を下部固定部50により固定する(S102)。例えば、下部固定部50の第1起立部52と第3起立部54との間にスリーブ20の下端部を挿入し、送りねじ55を所定の回転方向に回転させることで、第1起立部52と第3起立部54とによりスリーブ20の下端部を挟持する。これにより、スリーブ20の下端部が下部固定部50により固定される。
【0057】
次に、冷却槽10に液体冷媒Lが供給され、冷却槽10が液体冷媒Lにより満たされる。なお、冷却槽10に液体冷媒Lを供給する作業は、S101またはS102の作業の前に行われてもよく、後述するS104またはS105の作業の後に行われてもよい。
【0058】
次に、上部開閉部40を用いてスリーブ20の開口部20aが開かれる(S103)。例えば、第1支持フレーム44Aと第2支持フレーム44Bとを互いに離れる方向に移動させることで、スリーブ20の開口部20aが開かれる。
【0059】
次に、スリーブ20の開口部20aを通じて、スリーブ20の内部に電子機器100が挿入される(S104)。なお、電子機器100は、例えば、電子機器100とケーブル220とが先に接続された状態でスリーブ20の内部に挿入される。これに代えて、電子機器100は、電子機器100とケーブル220とが接続される前の状態でスリーブ20の内部に挿入されてもよい。この場合は、電子機器100がスリーブ20の内部に収容された状態で、電子機器100とケーブル220とが接続される。
【0060】
次に、上部開閉部40を用いてスリーブ20の開口部20aを閉じる(S105)。例えば、第1支持フレーム44Aと第2支持フレーム44Bとを互いに近付ける方向に移動させることで、スリーブ20の開口部20aが閉じられる。ロック機構47を備える場合は、試験中にスリーブ20の開口部20aが開かないように、ロック機構47により第1支持フレーム44Aおよび第2支持フレーム44Bの位置が固定されてもよい。
【0061】
次に、液浸冷却を行いながら、試験装置210を用いて電子機器100の試験が実施される(S106)。すなわち、電子機器100が液体冷媒Lに非接触である状態で、液体冷媒Lを用いた液浸冷却によりスリーブ20を冷却しながら、ケーブル220を介して試験装置210に接続された電子機器100の試験が行われる。電子機器100の試験は、例えば、電子機器100の機能を検査する機能試験、または電子機器100の耐熱性を検査する熱サイクル試験などである。ただし、電子機器100の試験内容は、上記例に限定されない。
【0062】
次に、試験終了後に上部開閉部40を用いてスリーブ20の開口部20aが開かれる(S107)。例えば、第1支持フレーム44Aと第2支持フレーム44Bとを互いに離れる方向に移動させることで、スリーブ20の開口部20aが開かれる。
【0063】
次に、スリーブ20の開口部20aを通じて、スリーブ20の内部から電子機器100が取り出される(S108)。
【0064】
なお、続いて別の電子機器100の試験を行う場合、スリーブ20は、冷却槽10に残されたままでよい。すなわち、上記S101からS103の処理を省略して、別の電子機器100の試験が行われる。
【0065】
<4.電子機器の製造方法>
次に、電子機器100の製造方法について説明する。
図8は、電子機器100の製造方法を示すフローチャートである。まず、基板101と、基板101に実装される各種部品(コントローラ103、複数のNANDメモリ104、DRAM105など)が製造または調達されることで準備される(S201)。次に、基板101に各種部品が実装されることで、電子機器100が組み立てられる(S202)。
【0066】
次に、電子機器100の試験が行われる(S203)。電子機器100の試験は、例えば、複数の試験(試験A、試験B、試験C、…)を含む。複数の試験は、例えば、異なる冷却装置1および異なる試験装置210を用いて行われる。すなわち、電子機器100は、試験Aの試験装置210に接続されるとともに、試験Aの冷却槽10に配置されたスリーブ20に挿入され、試験Aが行われる。次に、電子機器100は、試験Bの試験装置210に接続されるとともに、試験Bの冷却槽10に配置されたスリーブ20に挿入され、試験Bが行われる。このような作業が、試験の数だけ繰り返される。
【0067】
次に、電子機器100は、出荷用のファームウェアが書き込まれる(S204)。これにより、電子機器100が完成する。
【0068】
<5.利点>
比較例として、冷却対象の電子機器を液体冷媒の中に直接的に浸す液浸冷却について考える。このような比較例の液浸冷却では、液浸冷却時に電子機器に付着した冷媒が別工程で使用される液体に混じる(例えば製造時の試験工程の液浸冷却で使用された液体冷媒が、製品出荷先で使用される液体冷媒に混じる)ことを抑制するため、液浸冷却の後処理として電子機器に付着した冷媒を除去する作業が必要になる。また、上記比較例の液浸冷却では、液浸冷却を行う度に、後処理として乾燥工程が必要になる。その結果、作業が煩雑になるとともに、乾燥工程の増加に伴い電子機器の製造時間が長くなる。
【0069】
一方で本実施形態の冷却方法は、液体冷媒Lを収容可能な冷却槽10に熱伝導性を有したスリーブ20を配置し、スリーブ20の内部に冷却対象の電子機器100を収容し、電子機器100が液体冷媒Lに非接触である状態で、液体冷媒Lを用いた液浸冷却によりスリーブ20を冷却する、ことを含む。このような冷却方法によれば、電子機器100に液体冷媒Lが付着することを抑制することができるため、電子機器100に付着した冷媒が別工程で使用される液体に混じることを避けることができる。このため、電子機器100に付着した冷媒を除去する作業などが不要になり、冷却の後処理に関する作業性の向上を図ることができる。また本実施形態の冷却方法によれば、液浸冷却後の乾燥工程が不要になる。この観点でも、冷却の後処理に関する作業性の向上を図ることができる。その結果、電子機器100の製造時間の短縮を図ることができる。
【0070】
また別観点によれば、本実施形態の冷却方法によれば、電子機器100と液体冷媒Lとが非接触であるため、液体冷媒Lとして使用可能な冷媒の自由度が高まる。例えば、水(例えば工業用水)など低コストかつ高比熱の冷媒の使用が可能になる。
【0071】
本実施形態では、スリーブ20は、可撓性を有する。このような構成によれば、種々の形状を有する電子機器100に対応しやすくなる。これにより、冷却装置1の汎用性の向上を図ることができる。また、スリーブ20の少なくとも一部が電子機器100の外形に沿うように変形することで、電子機器100の熱がスリーブ20を介して液体冷媒Lに伝わりやすくなる。これにより、冷却効率の向上を図ることができる。
【0072】
本実施形態では、電子機器100は、基板101と、基板101に実装された部品とを含む。スリーブ20の少なくとも一部は、電子機器100の外形に沿うように変形して上記部品と直接に接する(接続される)。このような構成によれば、基板101に実装された部品の熱がスリーブ20を介して液体冷媒Lに伝わりやすくなる。これにより、冷却効率の向上を図ることができる。
【0073】
本実施形態では、冷却槽10にスリーブ20を配置することは、スリーブ20の内部に電子機器100を収容する前に行われる。このような冷却方法によれば、スリーブ20が空の状態で冷却槽10に配置されるため、スリーブ20の設置に関する作業性を高めることができる。また、複数の電子機器100の冷却を順に行う場合に、冷却槽10からスリーブ20を都度取り外す必要が無くなる。そのため、冷却槽10にスリーブ20を配置したまま冷却対象の電子機器100を交換することで、複数の電子機器100の冷却を順に行うことができる。このため、冷却の後処理に関する作業性のさらなる向上を図ることができる。
【0074】
本実施形態では、スリーブ20の端部は、開口部20aを有する。液浸冷却は、スリーブ20の開口部20aが少なくとも部分的に閉じられた状態で行われる。そして、液浸冷却を行った後にスリーブ20の開口部20aが開かれることで、スリーブ20の内部から電子機器100が取り出される。このような冷却方法によれば、スリーブ20の内部に塵やごみなどが入りにくい状態で電子機器100の冷却を行うことができる。
【0075】
本実施形態では、スリーブ20の開口部20aが開かれることは、スリーブ20が冷却槽10に配置された状態で行われる。このような冷却方法によれば、開口部20aが開閉されるスリーブ20を備えた冷却装置1において冷却対象の電子機器100を交換する場合に、スリーブ20を冷却槽10に残した状態で電子機器100を交換することが可能になる。このため、冷却の後処理に関する作業性のさらなる向上を図ることができる。
【0076】
本実施形態では、冷却装置1は、保持部(上部開閉部40、下部固定部50)を有する。冷却槽10にスリーブ20が配置され、電子機器100が液体冷媒Lに非接触である状態で、液体冷媒Lを用いた液浸冷却によりスリーブ20が冷却される場合に、保持部は、スリーブ20の上部と下部とのうち少なくとも一方を保持する。このような構成によれば、液浸冷却の実施中にスリーブ20の姿勢が安定する。これにより、試験または冷却に不具合が生じることを抑制することができる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、スリーブ20が冷却槽10に配置される前に、スリーブ20の内部に電子機器100が挿入される点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0078】
図9は、第2実施形態の試験方法を示すフローチャートである。本実施形態では、スリーブ20が冷却槽10に配置される前に、スリーブ20の内部に電子機器100が挿入される(S301)。次に、スリーブ20の開口部20aが閉じられる(S302)。本実施形態では、開口部20aの少なくとも一部を閉じる開閉機構(ファスナーなど)がスリーブ20に設けられてもよい。
【0079】
次に、スリーブ20を支持フレーム44A,44Bに固定する(S303)。例えば、固定部材46A,46Bがスリーブ20の複数の穴20hに通されるとともに、支持フレーム44A,44Bの複数の穴44hに通される。これにより、スリーブ20が支持フレーム44A,44Bに固定される。
【0080】
次に、スリーブ20の下端部を下部固定部50により固定する(S304)。例えば、下部固定部50の第1起立部52と第3起立部54との間にスリーブ20の下端部を挿入し、送りねじ55を所定の回転方向に回転させることで、第1起立部52と第3起立部54とによりスリーブ20の下端部を挟持する。これにより、スリーブ20の下端部が下部固定部50により固定される。
【0081】
次に、冷却槽10に液体冷媒Lが供給され、冷却槽10が液体冷媒Lにより満たされる。なお、冷却槽10に液体冷媒Lを供給する作業は、S301からS304のいずれかの作業の前に行われてもよい。
【0082】
次に、液浸冷却を行いながら、試験装置210を用いて電子機器100の試験が実施される(S305)。すなわち、電子機器100が液体冷媒Lに非接触である状態で、液体冷媒Lを用いた液浸冷却によりスリーブ20を冷却しながら、電子機器100の試験が行われる。
【0083】
次に、スリーブ20の下端部を下部固定部50から解放する(S306)。例えば、送りねじ55を上記所定の回転方向とは逆方向に回転させることで、第3起立部54を第1起立部52から離す。これにより、スリーブ20の下端部が下部固定部50から解放される。
【0084】
次に、支持フレーム44A,44Bからスリーブ20が取り外される(S307)。次に、スリーブ20の開口部20aが開かれ、スリーブ20の内部から電子機器100が取り出される(S308)。
【0085】
このような冷却方法によれば、スリーブ20を冷却槽10に配置する前に、スリーブ20の内部に電子機器100を挿入することができる。このため、電子機器100の形状が複雑である場合でも、スリーブ20の内部に電子機器100を挿入する作業を行いやすくなる。
【0086】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、スリーブ20の内部から空気を吸引する空気調整システム60が設けられた点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0087】
図10は、第3実施形態の冷却装置1Aを説明するための断面図である。本実施形態では、冷却装置1Aは、第1実施形態の冷却装置1の構成に加え、空気調整システム60を有する。空気調整システム60は、例えば、ホース61と、空気調整装置62とを有する。
【0088】
ホース61は、例えばスリーブ20の開口部20aを通じて、スリーブ20の外部からスリーブ20の内部に挿入されている。ホース61は、空気調整装置62に接続されている。本実施形態では、スリーブ20は、ホース61が挿入された状態で、開口部20aの少なくとも一部を閉じる密閉機構21を有してもよい。密閉機構21は、例えば、開口部20aの内周面に設けられた弾性体21aを含む。
【0089】
空気調整装置62は、ホース61を通じて空気の吸引および注入が可能な装置である。例えば、空気調整装置62は、ホース61を通じてスリーブ20の内部の空気を吸引可能である。また、空気調整装置62は、ホース61を通じてスリーブ20の内部に空気を注入可能である。なお、空気調整装置62は、1台の装置によって吸引および注入である必要はなく、空気の吸引が可能な吸引装置と、空気の注入が可能な注入装置とを別々に備えてもよい。
【0090】
本実施形態では、スリーブ20の内部に電子機器100が収容され、スリーブ20の開口部20aが閉じられた後(例えば、開口部20aが閉じられて密閉機構21により開口部20aが密閉された後)、空気調整装置62によりスリーブ20の内部の空気が吸引される。これにより、スリーブ20の内部が減圧され、例えば第1実施形態と比べて、スリーブ20の内面が電子機器100に密着しやすくなる。これにより、スリーブ20と電子機器100とが密着した状態で、スリーブ20を冷却する液浸冷却を行うことができる。
【0091】
本実施形態では、液浸冷却が終了した後であって、スリーブ20の内部から電子機器100を取り出す前に、空気調整装置62によりスリーブ20の内部に空気が注入される。これにより、スリーブ20の内部の圧力が高められ、スリーブ20の内部が減圧されたままである場合と比べて、スリーブ20の内部から電子機器100を取り出しやすくなる。
【0092】
このような構成によれば、例えば第1実施形態と比べて、スリーブ20と電子機器100との密着性が高まるため、電子機器100の冷却効率の向上を図ることができる。また、液浸冷却の終了後に空気調整装置62によりスリーブ20の内部の空気が注入される場合、スリーブ20の内部から電子機器100を取り出しやすくなる。
【0093】
なお、空気調整装置62は、空気の吸引および注入の両方が可能な装置に代えて、空気の吸引のみが可能な吸引装置でもよい。すなわち、空気の注入は、試験の作業者がスリーブ20の開口部20aを手動で開くことで行われてもよい。
【0094】
(第3実施形態の変形例)
図11は、第3実施形態の変形例の冷却装置1Bを説明するための断面図である。本実施形態では、スリーブ20は、開口部20aとは異なる位置に、穴20sを有する。穴20sには、空気調整システム60のホース61が挿入される。穴20sとホース61との間の隙間は、虫ゴムのような閉塞部材63により塞がれる。
【0095】
このような構成によれば、第3実施形態と同様に、電子機器100の冷却効率の向上を図ることができる。また本変形例では、スリーブ20は、開口部20aとは異なる位置に、ホース61が挿入される穴20sを有する。このような構成によれば、スリーブ20の開口部20aにホース61が存在しないため、スリーブ20の開口部20aを閉じる場合に、スリーブ20の開口部20aを気密に保ちやすくなる。また本変形例の構成によれば、スリーブ20の内部に電子機器100を挿入する前に、スリーブ20にホース61を取り付けることができる。これにより、作業性の効率を高めることができる。
【0096】
(第1から第3実施形態の変形例)
次に、第1から第3実施形態に適用可能な変形例について説明する。なお、各変形例において以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0097】
<第1変形例>
図12は、第1変形例の位置規制部50Aを説明するための斜視図である。第1変形例の冷却装置1は、下部固定部50に代えて、位置規制部50Aを有する。位置規制部50Aは、例えば、スリーブ20の下端部の内部に入れられた1つ以上の重り71を含む。位置規制部50Aは、重り71に作用する重力によってスリーブ20の下端部の位置を規制する。
【0098】
このような構成によれば、第1実施形態と比べて簡易な構成により、スリーブ20の下端部の位置を規制することができる。
【0099】
<第2変形例>
図13は、第2変形例の位置規制部50Bを説明するための斜視図である。第1変形例の冷却装置1は、下部固定部50に代えて、位置規制部50Bを有する。位置規制部50Bは、例えば、スリーブ20の外表面に取り付けられた重りユニットである。位置規制部50Bは、例えば、取付部81、連結紐82、重り83、および抜止部84を有する。
【0100】
取付部81は、スリーブ20の外表面に取り付けられる。取付部81は、例えば、スリーブ20の外表面を挟むクリップである。連結紐82は、取付部81に取り付けられている。重り83は、連結紐82が通される挿通孔83hを有する。抜止部84は、連結紐82において重り83の上方および下方に設けられている。抜止部84が設けられることで、重り83が連結紐82から抜けることを防止する。位置規制部50Bは、重り83に作用する重力によってスリーブ20の下端部の位置を規制する。
【0101】
このような構成によれば、第1実施形態と比べて簡易な構成により、スリーブ20の下端部の位置を規制することができる。
【0102】
<第3変形例>
図14は、第3変形例の冷却装置1Cを説明するための斜視図である。なお図14では、理解を容易にするため、冷却槽10、位置規制部50C、電子機器100、フラットケーブル220、および試験装置210以外の構成の図示を省略している。
【0103】
第3変形例の冷却装置1Cは、下部固定部50に代えて、位置規制部50Cを有する。位置規制部50Cは、フラットケーブル220を支持することで、電子機器100の位置を規制する。
【0104】
図15は、位置規制部50Cを説明するための斜視図である。位置規制部50Cは、例えば、支持板91と、固定部材92と、複数の締結部材93と、複数の係合部材94とを含む。また、フラットケーブル220は、配線部221と、コネクタ222とを有する。コネクタ222は、配線部221の先端に設けられている。コネクタ222は、電子機器100のコネクタ102と嵌合される。
【0105】
支持板91は、フラットケーブル220の配線部221に重なる。支持板91は、Y方向およびZ方向に沿う板部を含む。支持板91は、例えば金属製であり、フラットケーブル220よりも高い剛性を有する。支持板91のY方向の幅は、例えば、フラットケーブル220の配線部221のY方向の幅よりも広い。支持板91は、例えば不図示の固定部材を介して、冷却槽10、本体フレーム30、水平フレーム42A,42B、または冷却装置1の不図示の筐体に固定されている。支持板91は、締結部材93が通される穴91hを有する。穴91hは、支持板91をX方向に貫通している。
【0106】
固定部材92は、支持板91とは反対側からフラットケーブル220の配線部221に重なるように配置される。配線部221は、固定部材92と支持板91との間に挟まれる。
固定部材92は、例えば、フラットケーブル220の配線部221の一部を押さえるための固定部材である。固定部材92は、板部材またはブロック部材である。固定部材92は、締結部材93が通される穴92hを有する。穴92hは、固定部材92をX方向に貫通している。なお、固定部材92は、穴92hに雌ねじが設けられたねじ穴付きブロックでもよい。
【0107】
各締結部材93は、固定部材92の穴92hおよび支持板91の穴91hに通される。固定部材92の穴92hおよび支持板91の穴91hを通過した締結部材93の先端部には、係合部材94が係合される。締結部材93は、例えば、ねじである。係合部材94は、例えば、ナットである。締結部材93の先端部に係合部材94が係合されることで、フラットケーブル220と支持板91とが固定される。
【0108】
本第3変形例の構成によれば、フラットケーブル220は、支持板91と固定部材92との間で位置が固定される。その結果、コネクタ222と嵌合された電子機器100の位置(例えばX方向の位置)が規制される。
【0109】
このような構成によれば、第1実施形態と比べて簡易な構成により、スリーブ20の位置を規制することができる。
【0110】
<第4変形例>
図16は、第4変形例の冷却装置1を説明するための断面図である。本第4変形例では、電子機器100に含まれる複数の部品の表面には、熱伝導部材95が取り付けられている。スリーブ20は、熱伝導部材95を介して電子機器100に含まれる複数の部品に接続される。このような構成によっても、部品が発する熱を液体冷媒Lに伝えることができる。
【0111】
<第5変形例>
図17は、第5変形例の箱部材25を説明するための斜視図である。本出願でいう「収容体」は、可撓性を有した部材に限定されない。本第5変形例では、冷却装置1は、スリーブ20に代えて、箱部材25を有する。箱部材25は、例えば、スリーブ20より高い剛性を有した金属製の箱部材である。箱部材25は、例えば、上端部が開放されるとともに、上端部以外の端部(すなわち下端部および両側端部)が液密に閉じられている。箱部材25の上端部は、開口部25aを有する。電子機器100(図2参照)は、開口部25aを通じて箱部材25の内部に挿入可能である。箱部材25は、「収容体」の一例である。
【0112】
(その他の実施形態)
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明した。ただし、実施形態および変形例は、上述した例に限定されない。
【0113】
上述した実施形態では、第1支持フレーム44Aおよび第2支持フレーム44Bの両方がX方向に移動可能である。これに代えて、第1支持フレーム44Aおよび第2支持フレーム44Bのうち一方が固定されており、他方がX方向に移動することでスリーブ20の開口部20aが開閉されてもよい。また、リニアガイド41A,41Bは、複数の転動体を含むものに限らず、単なるガイドでもよい。冷却装置1は、上部開閉部40を有することに代えて、スリーブ20がファスナーのような開閉機構を有してもよい。
【0114】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷却方法は、液体冷媒を収容可能な冷却槽に熱伝導性を有した収容体を配置することと、収容体の内部に冷却対象の電子機器を収容することと、電子機器が液体冷媒に非接触な状態で液体冷媒を用いた液浸冷却により収容体を冷却することとを含む。このような冷却方法によれば、作業性の向上を図ることができる。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0116】
以下、いくつかの冷却方法、電子機器の製造方法、および冷却装置について付記する。
(1)液体冷媒を収容可能な冷却槽に、熱伝導性を有した収容体を配置し、
前記収容体の内部に、冷却対象の電子機器を収容し、
前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体を冷却する、
ことを含む冷却方法。
(2)前記収容体は、可撓性を有したスリーブである、
(1)に記載の冷却方法。
(3)前記電子機器は、基板と、前記基板に装着された部品とを含み、
前記スリーブの少なくとも一部は、前記電子機器の外形に沿うように変形して直接または熱伝導部材を間に介在させて前記部品と接続される、
(2)に記載の冷却方法。
(4)前記冷却槽に前記収容体を配置することは、前記収容体の内部に前記電子機器を収容する前に行われる、
(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の冷却方法。
(5)前記冷却槽に前記収容体を配置することは、前記収容体の内部に前記電子機器を収容した後に行われる、
(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の冷却方法。
(6)前記収容体の端部は、開口部を有し、
前記液浸冷却は、少なくとも前記開口部の一部が閉じられた状態で行われ、
前記冷却方法は、前記冷却した後に前記開口部を開き、前記収容体の内部から前記電子機器を取り出すことをさらに含む、
(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の冷却方法。
(7)前記開口部を開くことは、前記収容体が前記冷却槽に配置された状態で行われる、
(6)に記載の冷却方法。
(8)前記液浸冷却は、前記冷却槽内で前記収容体の下端部の位置を規制して行われる、
(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の冷却方法。
(9)前記冷却方法は、前記収容体の内部に前記電子機器が収容された後に、空気調整装置により前記スリーブの内部の空気を吸引することで、前記電子機器の外形に沿うように前記スリーブの少なくとも一部を変形させることをさらに含む、
(2)または(3)に記載の冷却方法。
(10)前記冷却方法は、前記収容体の内部から前記電子機器を取り出す前に、前記空気調整装置により前記スリーブの内部に空気を注入することをさらに含む、
(9)に記載の冷却方法。
(11)液体冷媒を収容可能な冷却槽に、熱伝導性を有した収容体を配置し、
前記収容体の内部に、ケーブルを介して試験装置に接続可能な電子機器を収容し、
前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体を冷却しながら、前記ケーブルを介して前記試験装置に接続された前記電子機器の試験を行う、
ことを含む電子機器の製造方法。
(12)液体冷媒を収容可能な冷却槽と、
熱伝導性を有し、電子機器を収容可能な収容体と、
前記電子機器が収容された前記収容体が前記冷却槽に配置され、前記電子機器が前記液体冷媒に非接触である状態で、前記液体冷媒を用いた液浸冷却により前記収容体が冷却される場合に、前記収容体の上部と下部とのうち少なくとも一方を保持する保持部と、
を備えた冷却装置。
【符号の説明】
【0117】
1,1A,1B,1C…冷却装置、10…冷却槽、20…スリーブ(収容体)、20a…開口部、25…箱部材(収容体)、25a…開口部、30…本体フレーム、40…上部開閉部、50…下部固定部(位置規制部)、50A,50B,50C…位置規制部、60…空気調整システム、61…ホース、62…空気調整装置、100…電子機器、101…基板、103…コントローラ(部品)、104…NANDメモリ(部品)、105…DRAM(部品)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図17