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特開2024-133865除電システム及びこれを用いた媒体処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133865
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】除電システム及びこれを用いた媒体処理システム
(51)【国際特許分類】
   H05F 3/04 20060101AFI20240926BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20240926BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20240926BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240926BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H05F3/04 D
H05F3/04 E
H05F3/04 C
B65H5/00 A
G03G15/02 102
G03G15/00 303
B41J29/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043862
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】松月 優人
【テーマコード(参考)】
2C061
2H200
2H270
3F101
5G067
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061BB28
2C061CP04
2H200FA01
2H200GA09
2H200GA10
2H200HA02
2H200HA12
2H200HB03
2H200HB12
2H200HB26
2H200HB48
2H200NA06
2H200PA02
2H200PB04
2H200PB08
2H270LA01
2H270LC02
2H270LC05
2H270LD05
2H270MA40
2H270MB27
2H270ZC03
2H270ZC04
3F101AA02
3F101AA09
3F101LA01
3F101LB03
5G067AA23
5G067AA26
5G067DA01
5G067DA13
5G067DA14
5G067DA18
5G067DA19
5G067DA20
(57)【要約】
【課題】高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とする。
【解決手段】移動する媒体Sの表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段1と、第1の除電手段1よりも媒体Sの移動方向下流側に設けられ、第1の除電手段1を通過した媒体Sの他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段2と、第1の除電手段1による除電前後の少なくとも媒体Sの一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段3と、を備え、第1の除電手段1は、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて媒体Sの一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように第1の除電手段1の除電条件を制御するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する媒体の表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段と、
前記第1の除電手段よりも前記媒体の移動方向下流側に設けられ、前記第1の除電手段を通過した前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段と、
前記第1の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段と、
を備え、
前記第1の除電手段は、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御することを特徴とする除電システム。
【請求項2】
移動する媒体の表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段と、
前記第1の除電手段よりも前記媒体の移動方向下流側に設けられ、前記第1の除電手段を通過した前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段と、
前記第1の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段と、
前記第2の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の他方の面の帯電電位を検出する第2の表面電位検出手段と、
を備え、
前記第1の除電手段は、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御し、
前記第2の除電手段は、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の他方の面の表面電位を目標除電電位にするように前記第2の除電手段の除電条件を制御することを特徴とする除電システム。
【請求項3】
請求項1に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする除電システム。
【請求項4】
請求項2に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御し、
前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の他方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第2の除電手段の除電条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする除電システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は、前記媒体が予め決められた閾値を超える体積抵抗率の高抵抗媒体のときに、前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で有効な構成を有し、
前記第2の除電手段は、前記媒体が前記閾値以下の体積抵抗率の低抵抗媒体であるときに、前記媒体の面及び内部を含めた全体の残留電荷を除電する上で有効な構成を有することを特徴とする除電システム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は、前記媒体を挟み込む一対の除電部材を有し、いずれかの除電部材には前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は、前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の除電システムにおいて、
前記第2の除電手段は、前記媒体の他方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段は、前記媒体の面に対向して非接触に配置される除電部材を有すると共に、前記媒体を挟んで前記除電部材の反対側には接地された導電部材を有することを特徴とする除電システム。
【請求項10】
請求項6に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は直流成分のみが含まれる除電電圧を印加し、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記直流成分を制御することを特徴とする除電システム。
【請求項11】
請求項7に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は交流成分と直流成分とが含まれる除電電圧を印加し、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて少なくとも前記直流成分を制御することを特徴とする除電システム。
【請求項12】
請求項1に記載の除電システムにおいて、
前記第2の除電手段は前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、
前記除電部材には交流成分のみの除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
【請求項13】
請求項2に記載の除電システムにおいて、
前記第2の除電手段は前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には直流成分及び交流成分が含まれる除電電圧を印加し、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記除電電圧の少なくとも直流成分を制御することを特徴とする除電システム。
【請求項14】
請求項1又は2に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段は、前記媒体を挟んで反対側に接地された導電部材を有し、前記導電部材上に前記媒体を接触した状態で前記媒体の一方の面の帯電電位を検出するものであることを特徴とする除電システム。
【請求項15】
請求項2に記載の除電システムにおいて、
前記第2の表面電位検出手段は、前記媒体を挟んで反対側に接地された導電部材を有しないことを特徴とする除電システム。
【請求項16】
請求項3又は4に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段は、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段に対し前記媒体の移動方向下流側に配置され、
前記制御手段は、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段の検出値に基づいて前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段の除電条件をフィードバック制御することを特徴とする除電システム。
【請求項17】
請求項3又は4に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段は、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段に対し前記媒体の移動方向上流側に配置され、
前記制御手段は、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段の検出値に基づいて前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段の除電条件をフィードフォワード制御することを特徴とする除電システム。
【請求項18】
媒体を搬送する搬送手段と、
前記媒体の搬送経路の途中に設けられ、前記媒体を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段よりも前記媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記帯電手段にて帯電された前記媒体を除電する請求項1乃至4のいずれかに記載の除電システムと、
を備えることを特徴とする媒体処理システム。
【請求項19】
請求項18に記載の媒体処理システムにおいて、
前記媒体に画像を形成する作像手段を有し、
前記作像手段よりも前記媒体の搬送方向下流側に前記除電システムを配置したことを特徴とする媒体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電した媒体を除電する除電システム及びこれを用いた媒体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の除電システムとしては例えば特許文献1~4に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、プラスイオンおよびマイナスイオンを発生し、記録媒体の帯電を中和する中和手段と、記録媒体の帯電状態を検出する検出部と、検出部による検出結果に基づいて、中和手段が発生するイオンの量を制御する制御手段と、記録媒体に接触し、アース接続された導電性部材と、を有するインクジェット記録装置が開示されている。
特許文献2には、媒体に対して非接触な状態で配置され、媒体を除電させる放電電極と、放電電極に対して少なくとも交流成分を含む放電電圧を印加する電源と、を備え、媒体の搬送速度をv〔mm/sec.〕、放電電圧の周波数をf〔Hz〕とすると、f/v≧0.8(式1)を満たす非接触型除電手段を少なくとも備えている除電装置が開示されている。
特許文献3には、搬送される絶縁性シートの第二の面を第一の導電性部材に接触又は近接させながら、この第一の導電性部材が接触又は近接している範囲の反対側の絶縁性シートの第一の面側に正イオンおよび負イオンを発生する第一の除電ユニットを設置し、第一の面の帯電中和処理を行い、次いで、第一の面の帯電中和処理を行う位置よりも搬送方向下流側で、第二の面に向けて正イオンおよび負イオンを照射して第二の面の帯電中和処理を行う除電装置が開示されている。
特許文献4には、搬送する媒体に接触する第1の除電部材と、第1の除電部材との間で媒体を挟み込む第2の除電部材と、第1の除電部材又は第2の除電部材の少なくとも一方に電圧を印加する電源と、第1の除電部材および第2の除電部材の少なくとも一方は弾性体を有する接触型除電手段を少なくとも備える除電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-119407号公報(発明を実施するための形態,図1
【特許文献2】特開2021-111527号公報(発明を実施するための形態,図1
【特許文献3】WO2017/159441号公報(発明を実施するための形態,図1
【特許文献4】特開2021-111526号公報(発明を実施するための形態,図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とする除電システム及びこれを用いた媒体処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の技術的特徴は、移動する媒体の表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段と、前記第1の除電手段よりも前記媒体の移動方向下流側に設けられ、前記第1の除電手段を通過した前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段と、前記第1の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段と、を備え、前記第1の除電手段は、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御することを特徴とする除電システムである。
本発明の第2の技術的特徴は、移動する媒体の表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段と、前記第1の除電手段よりも前記媒体の移動方向下流側に設けられ、前記第1の除電手段を通過した前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段と、前記第1の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段と、前記第2の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の他方の面の帯電電位を検出する第2の表面電位検出手段と、を備え、前記第1の除電手段は、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御し、前記第2の除電手段は、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の他方の面の表面電位を目標除電電位にするように前記第2の除電手段の除電条件を制御することを特徴とする除電システムである。
【0006】
本発明の第3の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする除電システムである。
本発明の第4の技術的特徴は、第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御し、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の他方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第2の除電手段の除電条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする除電システムである。
本発明の第5の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の除電手段は、前記媒体が予め決められた閾値を超える体積抵抗率の高抵抗媒体のときに、前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で有効な構成を有し、前記第2の除電手段は、前記媒体が前記閾値以下の体積抵抗率の低抵抗媒体であるときに、前記媒体の面及び内部を含めた全体の残留電荷を除電する上で有効な構成を有することを特徴とする除電システムである。
本発明の第6の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の除電手段は、前記媒体を挟み込む一対の除電部材を有し、いずれかの除電部材には前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システムである。
本発明の第7の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の除電手段は、前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システムである。
本発明の第8の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第2の除電手段は、前記媒体の他方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システムである。
本発明の第9の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段は、前記媒体の面に対向して非接触に配置される除電部材を有すると共に、前記媒体を挟んで前記除電部材の反対側には接地された導電部材を有することを特徴とする除電システムである。
本発明の第10の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の除電手段は直流成分のみが含まれる除電電圧を印加し、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記直流成分を制御することを特徴とする除電システムである。
本発明の第11の技術的特徴は、第7の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の除電手段は交流成分と直流成分とが含まれる除電電圧を印加し、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて少なくとも前記直流成分を制御することを特徴とする除電システムである。
本発明の第12の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第2の除電手段は前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、前記除電部材には交流成分のみの除電電圧を印加することを特徴とする除電システムである。
本発明の第13の技術的特徴は、第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第2の除電手段は前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には直流成分及び交流成分が含まれる除電電圧を印加し、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記除電電圧の少なくとも直流成分を制御することを特徴とする除電システムである。
本発明の第14の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の表面電位検出手段は、前記媒体を挟んで反対側に接地された導電部材を有し、前記導電部材上に前記媒体を接触した状態で前記媒体の一方の面の帯電電位を検出するものであることを特徴とする除電システムである。
本発明の第15の技術的特徴は、第2の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第2の表面電位検出手段は、前記媒体を挟んで反対側に接地された導電部材を有しないことを特徴とする除電システムである。
本発明の第16の技術的特徴は、第3又は第4の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段は、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段に対し前記媒体の移動方向下流側に配置され、前記制御手段は、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段の検出値に基づいて前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段の除電条件をフィードバック制御することを特徴とする除電システムである。
本発明の第17の技術的特徴は、第3又は第4の技術的特徴を備えた除電システムにおいて、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段は、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段に対し前記媒体の移動方向上流側に配置され、前記制御手段は、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段の検出値に基づいて前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段の除電条件をフィードフォワード制御することを特徴とする除電システムである。
【0007】
本発明の第18の技術的特徴は、媒体を搬送する搬送手段と、前記媒体の搬送経路の途中に設けられ、前記媒体を帯電する帯電手段と、前記帯電手段よりも前記媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記帯電手段にて帯電された前記媒体を除電する第1乃至第4の技術的特徴のいずれかを備えた除電システムと、を備えることを特徴とする媒体処理システムである。
本発明の第19の技術的特徴は、第18の技術的特徴を備えた媒体処理システムにおいて、前記媒体に画像を形成する作像手段を有し、前記作像手段よりも前記媒体の搬送方向下流側に前記除電システムを配置したことを特徴とする媒体処理システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の技術的特徴によれば、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とすることができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、第2の表面電位検出手段を備えていない場合に比べて、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、より適切な除電処理を実施可能とすることができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、第1の表面電位検出手段を用いて第1の除電手段の除電条件を適切に制御する態様を具現化することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、第2の表面電位検出手段を用いない場合に比べて、第2の表面電位検出手段を用いて第2の除電手段の除電条件をより適切に制御する態様を具現化することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、第1の除電手段及び第2の除電手段を適切に選定することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、第1の除電手段を既存の接触型除電器を用いて簡単に構築することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、第1の除電手段を既存の非接触型除電器を用いて簡単に構築することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、第2の除電手段を既存の非接触型除電器を用いて簡単に構築することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、第1又は第2の除電手段を既存の非接触型除電器を用いて構築するに当たって、導電部材を用いない場合に比べて、除電性能をより向上させることができる。
本発明の第10の技術的特徴によれば、第1の除電手段として接触型除電器を用いるに当たって、除電部材に印加する除電電圧を適切に選定することができる。
本発明の第11の技術的特徴によれば、第1の除電手段として非接触型除電器を用いるに当たって、除電部材に印加する除電電圧を適切に選定することができる。
本発明の第12の技術的特徴によれば、第2の除電手段として非接触型除電器を用いるに当たって、除電部材に印加する除電電圧を適切に選定することができる。
本発明の第13の技術的特徴によれば、第2の除電手段として非接触型除電器を用いるに当たって、第2の表面電位検出手段を用いない場合に比べて、除電部材に印加する除電電圧をより適切に選定することができる。
本発明の第14の技術的特徴によれば、第1の表面電位検出手段で媒体の一方の面の帯電電位を正確に検出することができる。
本発明の第15の技術的特徴によれば、第2の表面電位検出手段で媒体に残留する残留電荷に基づく媒体の総合電位を正確に検出することができる。
本発明の第16の技術的特徴によれば、第1又は第2の表面電位検出手段を用いて第1又は第2の除電手段の除電条件をフィードバック制御することができる。
本発明の第17の技術的特徴によれば、第1又は第2の表面電位検出手段を用いて第1又は第2の除電手段の除電条件をフィードフォワード制御することができる。
本発明の第18の技術的特徴によれば、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とする除電システムを含む媒体処理システムを簡単に構築することができる。
本発明の第19の技術的特徴によれば、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とする除電システムを含む媒体処理システムとしての画像形成システムを簡単に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明が適用された除電システムの実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B部分での除電状態を模式的に示す説明図、(c)は(a)中C部分での除電状態を模式的に示す説明図である。
図2】実施の形態1に係る媒体処理システムとしての画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
図3】実施の形態1に係る画像形成装置の二次転写部周り、除電部周りの構成例を示す説明図である。
図4】実施の形態1で用いられる除電システムの要部を示す説明図である。
図5】(a)は帯電した低抵抗媒体の電荷分布を示す説明図、(b)は帯電した低抵抗媒体が接地された金属製のシュート部材に近づく状況での電荷分布挙動を示す説明図、(c)は帯電した高抵抗媒体の電荷分布を示す説明図、(d)は帯電した高抵抗媒体が積載された状況での電荷分布挙動を示す説明図である。
図6】(a)は帯電した高抵抗媒体に対する接触型除電器の除電作用を示す説明図、(b)は帯電した低抵抗媒体に対する接触型除電器の除電作用を示す説明図である。
図7】(a)は帯電した低抵抗媒体に対する非接触型除電器の除電作用を示す説明図、(b)は(a)に示す非接触型除電器の放電部材に印加する除電バイアスの一例を示す説明図、(c)は帯電した高抵抗媒体に対する非接触型除電器の除電作用を示す説明図、(d)は(c)に示す非接触型除電器の放電部材に印加する除電バイアスの一例を示す説明図である。
図8】(a)は高抵抗媒体に対する表面電位センサの測定形態1による表面電位の測定原理を示す説明図、(b)は低抵抗媒体に対する表面電位センサの測定形態1による表面電位の測定原理を示す説明図、(c)は高抵抗媒体に対する表面電位センサの測定形態2による表面電位の測定原理を示す説明図、(d)は低抵抗媒体に対する表面電位センサの測定形態2による表面電位の測定原理を示す説明図である。
図9】(a)は第1の除電器の除電バイアス制御の一例を示すフローチャート、(b)は第2の除電器の除電バイアス制御の一例を示すフローチャートである。
図10】高抵抗媒体に対する実施の形態1で用いられる除電システムの除電作用を示す説明図である。
図11】低抵抗媒体に対する実施の形態1で用いられる除電システムの除電作用を示す説明図である。
図12】実施の形態1に係る除電システムの変形の形態1-1の除電バイアス制御の一例を示すフローチャートである。
図13】実施の形態2に係る除電システムの要部を示す説明図である。
図14】実施の形態2で用いられる除電システムの除電作用を示す説明図である。
図15】実施の形態3に係る除電システムの要部を示す説明図である。
図16】実施の形態4に係る除電システムの要部を示す説明図である。
図17】実施の形態4に係る除電システムの変形の形態4-1の要部を示す説明図である。
図18】(a)は変形の形態4-1で用いられる第2の除電器の使用例1における帯電した低抵抗媒体に対する除電作用を示す説明図、(b)は同第2の除電器の使用例2における帯電した低抵抗媒体に対する除電作用を示す説明図、(c)は同第2の除電器の使用例1における帯電した高抵抗媒体に対する除電作用を示す説明図である。
図19】実施の形態5に係る媒体処理システムとしての画像形成システムの要部を示す説明図である。
図20】実施の形態5に係る画像形成システムの除電部周りの構成例を示す説明図である。
図21】(a)は媒体反転無しにおける第1の除電器としての接触型除電器による除電動作例を示す説明図、(b)は媒体反転有りにおける第1の除電器としての接触型除電器による除電動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
一般に、媒体を処理する媒体処理システムは、媒体を搬送する搬送手段と、媒体の搬送経路の途中に設けられ、媒体を帯電する帯電手段と、帯電手段よりも媒体の搬送方向下流側に設けられ、帯電手段にて帯電された媒体を除電する除電システムと、を備えている。
ここで、媒体処理システムとしては、例えば媒体に画像を形成する作像手段を有し、作像手段よりも媒体の搬送方向下流側に除電システムを配置した画像形成システムが挙げられる。本例において、作像手段には電子写真方式のものに限られず、インクジェット方式その他の各種の作像方式のものを含む。しかしながら、媒体処理システムとしては除電システムを含んで媒体を処理するものを広く含み、作像手段を有する画像形成システムに限らず、作像手段を有しないものも含む。
また、帯電手段は帯電電圧を印加するもの(転写装置等)は勿論、媒体搬送中に摩擦によって帯電する搬送手段等も含む。
また、媒体はカット紙のような不連続な媒体に限られず、連続紙のような連続する媒体も含む。
【0011】
本例において、除電システムの第1の代表的態様は、図1(a)に示すように、移動する媒体Sの表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段1と、第1の除電手段1よりも媒体Sの移動方向下流側に設けられ、第1の除電手段1を通過した媒体Sの他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段2と、第1の除電手段1による除電前後の少なくとも媒体Sの一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段3と、を備え、第1の除電手段1は、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて媒体Sの一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように第1の除電手段1の除電条件を制御するものである。
【0012】
また、除電システムの第2の代表的態様は、移動する媒体Sの表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段1と、第1の除電手段1よりも媒体Sの移動方向下流側に設けられ、第1の除電手段1を通過した媒体Sの他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段2と、第1の除電手段1による除電前後の少なくとも媒体Sの一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段3と、第2の除電手段2による除電前後の少なくとも媒体Sの他方の面の帯電電位を検出する第2の表面電位検出手段4と、を備え、第1の除電手段1は、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて媒体Sの一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように第1の除電手段1の除電条件を制御し、第2の除電手段2は、第2の表面電位検出手段4で検出された検出値に基づいて媒体Sの他方の面の表面電位を目標除電電位にするように第2の除電手段2の除電条件を制御するものである。
つまり、除電システムの第1の代表的態様は、第1の除電手段1の除電条件を第1の表面電位検出手段3の検出結果に基づいて制御する態様であるのに対し、除電システムの第2の代表的態様は、第1の代表的態様に加えて、第2の除電手段2の除電条件も第2の表面電位検出手段4の検出結果に基づいて制御する態様である。
【0013】
このような技術的手段において、媒体Sは様々な抵抗のものを対象とし、高抵抗の絶縁フィルムから低抵抗の普通紙等を広く含む。
ここで、高抵抗媒体と低抵抗媒体との区別化は例えば体積抵抗率の予め決められた閾値(例えば1012~1015Ω・cmの範囲で適宜選定)を境界とする。
また、第1の除電手段1としては、図1(b)に示すように、媒体種にかかわらず媒体Sの一方の面(本例では媒体Sの裏面)に存在する帯電電荷(本例では正電荷(+))を主として除電するもの(本例では負電荷(-))であればよく、媒体Sを挟み込む対構成の除電部材を備えた態様や、非接触型の除電部材に所定の除電電圧(直流成分+交流成分)を印加する態様が挙げられる。
また、第2の除電手段2としては、図1(c)に示すように、第1の除電手段1による除電処理を経た媒体Sの他方の面(本例では媒体Sの表面)及び内部に残留する電流電荷(本例では負電荷(-))を除電するものであればよく、代表的には非接触型除電器(コロトロン、スコロトロン、イオナイザ)を含む。
【0014】
また、第1の表面電位検出手段3は、媒体Sの一方の面の表面電位を検出するものであればよく、高抵抗媒体のときに、媒体Sの一方の面に帯電電荷が存在し易くなるように、媒体Sの他方の面側に接地された導電部材を有することが好ましい。
更に、第2の表面電位検出手段4は、媒体Sの他方の面の表面電位を検出するものであればよく、低抵抗媒体のときに、媒体Sの内部に残留する帯電電荷による電位も反映するように、媒体Sの一方の面側に接地された導電部材を有しないことが好ましい。
【0015】
また、除電システムの第1の代表的態様では、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて媒体Sの一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように第1の除電手段1の除電条件を制御する制御手段5を備えるようにすればよい。
更に、除電システムの第2の代表的態様では、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて媒体Sの一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように第1の除電手段1の除電条件を制御し、第2の表面電位検出手段4で検出された検出値に基づいて媒体Sの他方の面の帯電電位を目標除電電位にするように第2の除電手段2の除電条件を制御する制御手段5を備えるようにすればよい。
【0016】
また、第1の除電手段1及び第2の除電手段2の除電条件の選定基準としては、第1の除電手段1は、媒体Sが予め決められた閾値を超える体積抵抗率の高抵抗媒体のときに、媒体Sの一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で有効な構成を有し、第2の除電手段2は、媒体Sが閾値以下の体積抵抗率の低抵抗媒体であるときに、媒体Sの面及び内部を含めた全体の残留電荷を除電する上で有効な構成を有するようにすればよい。ここでいう閾値としては、例えば1012~1015Ω・cmの体積抵抗率の範囲で適宜選定して差し支えない。
【0017】
本例において、第1の除電手段1の代表的態様としては、媒体Sを挟み込む一対の除電部材を有し、いずれかの除電部材には媒体Sの一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加する態様や、媒体Sの一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には媒体Sの一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加する態様が挙げられる。
また、第2の除電手段2の代表的態様としては、媒体Sの他方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には媒体Sの他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加する態様が挙げられる。
【0018】
また、第1の除電手段1又は第2の除電手段2としての非接触型除電器の好ましい態様としては、媒体Sの面に対向して非接触に配置される除電部材を有すると共に、媒体Sを挟んで除電部材の反対側には接地された導電部材を有する態様が挙げられる。
更に、第1の除電手段1としての接触型除電器の好ましい態様としては、直流成分のみが含まれる除電電圧を印加し、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて直流成分を制御する態様が挙げられる。
更にまた、第1の除電手段1としての非接触型除電器の好ましい態様としては、交流成分と直流成分とが含まれる除電電圧を印加し、第1の表面電位検出手段3で検出された検出値に基づいて少なくとも直流成分を制御する態様が挙げられる。
【0019】
また、第2の除電手段2としての非接触型除電器の代表的態様としては、媒体Sの一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、除電部材には交流成分のみの除電電圧を印加する態様が挙げられる。
ここで、第2の除電手段2としての非接触型除電器の好ましい態様としては、媒体Sの一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には直流成分及び交流成分が含まれる除電電圧を印加し、第2の表面電位検出手段4で検出された検出値に基づいて除電電圧の少なくとも直流成分を制御する態様が挙げられる。
【0020】
更に、第1の表面電位検出手段3の好ましい態様としては、媒体Sを挟んで反対側に接地された導電部材を有し、導電部材上に媒体Sを接触した状態で媒体Sの一方の面の帯電電位を検出するものが挙げられる。
これに対し、第2の表面電位検出手段4の好ましい態様としては、媒体Sを挟んで反対側に接地された導電部材を有しない態様が挙げられる。
【0021】
また、制御手段5の代表的制御方式としては、第1の表面電位検出手段3又は第2の表面電位検出手段4は、第1の除電手段1又は第2の除電手段2に対し媒体Sの移動方向下流側に配置され、制御手段5は、第1の表面電位検出手段3又は第2の表面電位検出手段4の検出値に基づいて第1の除電手段1又は第2の除電手段2の除電条件をフィードバック制御する方式が挙げられる。
そしてまた、制御手段5の別の代表的制御方式としては、第1の表面電位検出手段3又は第2の表面電位検出手段4は、第1の除電手段1又は第2の除電手段2に対し媒体Sの移動方向上流側に配置され、制御手段5は、第1の表面電位検出手段3又は第2の表面電位検出手段4の検出値に基づいて第1の除電手段1又は第2の除電手段2の除電条件をフィードフォワード制御する方式が挙げられる。
【0022】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は実施の形態1に係る媒体処理システムとしての画像形成装置の全体構成を示す。
-画像形成装置の全体構成-
同図において、画像形成装置20は、画像形成装置筐体21内に、複数の色成分(本実施の形態ではホワイト#1、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、ホワイト#2)画像を形成する画像形成部22(具体的には22a~22f)と、各画像形成部22にて形成された各色成分画像を順次転写(一次転写)して保持するベルト状の中間転写体30と、中間転写体30上に転写された各色成分画像を媒体Sに二次転写する二次転写装置50と、二次転写された画像を媒体S上に定着させる定着装置70と、二次転写域に媒体Sを搬送する媒体搬送系80と、を備えている。尚、本例では、ホワイト#1、ホワイト#2は全く同色の白色材料を用いているが、媒体S上の他の色成分画像よりも下層に位置するか、上層に位置するかによって異なる白色材料を用いたものでもよいし、また、例えばホワイト#1、ホワイト#2に代えて透明色の材料を用いるようにしてもよいし、他の特殊色の材料を用いてもよいことは勿論である。
【0023】
-画像形成部-
本実施の形態において、各画像形成部22(22a~22f)は、夫々ドラム状の感光体23を有し、各感光体23の周囲には、感光体23が帯電されるコロトロンや転写ロール等の帯電装置24、帯電された感光体23上に静電潜像が書き込まれるレーザ走査装置等の露光装置25、感光体23上に書き込まれた静電潜像が各色成分トナーにて現像される現像装置26、感光体23上のトナー画像が中間転写体30に転写される転写ロール等の一次転写装置27及び感光体23上の残留トナーが除去される感光体清掃装置28を夫々配設したものである。
【0024】
また、中間転写体30は、複数の張架ロール31~33に掛け渡されており、例えば張架ロール31が図示外の駆動モータにて駆動される駆動ロールとして用いられ、当該駆動ロールにて循環移動するようになっている。更に、張架ロール31,33間には二次転写後の中間転写体30上の残留トナーを除去するための中間転写体清掃装置35が設けられている。
【0025】
-二次転写装置-
更に、二次転写装置50は、図2及び図3に示すように、複数の張架ロール52(具体的には52a,52b)に転写搬送ベルト53が張架されたベルト転写モジュール51を中間転写体30の表面に接触するように配置したものである。
ここで、転写搬送ベルト53はクロロプレン等の材料を用いた体積抵抗率10~1012Ω・cmの半導電性ベルトであり、一方の張架ロール52aを弾性転写ロール55として構成し、この弾性転写ロール55を、転写搬送ベルト53を介して中間転写体30に二次転写域TRにて圧接配置すると共に、中間転写体30の張架ロール33を弾性転写ロール55の対向電極をなす対向ロール56として対向配置し、一方の張架ロール52a位置から他方の張架ロール52b位置に向けて媒体Sの搬送経路を形成するものである。
そして、本例では、弾性転写ロール55は金属製シャフトの周囲に発泡ウレタンゴムやEPDMにカーボンブラック等が配合された弾性層を被覆した構成になっている。
更に、対向ロール56(本例では張架ロール33を兼用)には導電性の給電ロール57を介して転写用電源58からの転写バイアスVtが印加されており、一方、弾性転写ロール55(一方の張架ロール52a)は図示外の金属製シャフトを介して接地されており、弾性転写ロール55及び対向ロール56間に所定の転写電界が形成されるようになっている。尚、他方の張架ロール52bも接地されており、転写搬送ベルト53への帯電を防止するようになっている。また、転写搬送ベルト53の下流端での媒体Sの剥離性を考慮すると、下流側の張架ロール52bを上流側の張架ロール52aよりも小径にすることが有効である。
【0026】
-定着装置-
定着装置70は、媒体Sの画像保持面側に接触して配置される駆動回転可能な加熱定着ロール71と、当該加熱定着ロール71に対向して圧接配置され、加熱定着ロール71に追従して回転する加圧定着ロール72とを有し、両定着ロール71,72間の圧接領域に媒体S上に保持された画像を通過させ、当該画像を加熱加圧定着するものである。尚、定着装置70の定着方式については実施の形態で示した態様に限られるものではなく、非接触、レーザ光を利用した定着方式など適宜選定して差し支えない。
【0027】
-媒体搬送系-
更に、媒体搬送系80は、複数段(本例では二段)の媒体供給容器81,82を有し、媒体供給容器81,82のいずれかから供給される媒体Sを略鉛直方向に延びる鉛直搬送路83から略水平方向に延びる水平搬送路84を経て二次転写域TRへと至り、その後、転写された画像が保持された媒体Sを、搬送ベルト85を経由して定着装置70による定着部位に至り、画像形成装置筐体21の側方に設けられた媒体排出受け86に排出するものである。
そして更に、媒体搬送系80は、水平搬送路84のうち定着装置70の媒体搬送方向下流側に位置する部分から下方に向かって分岐する反転可能な分岐搬送路87を有し、当該分岐搬送路87で反転された媒体Sを戻し搬送路88を経て再び鉛直搬送路83から水平搬送路84へと戻し、二次転写域TRにて媒体Sの裏面に画像を転写し、定着装置70を経て媒体排出受け86へ排出するようになっている。また、分岐搬送路87の途中には、水平搬送路84を通過する媒体Sを反転させて媒体排出受け86に排出する媒体反転機構89が設けられている。この媒体反転機構89は、分岐搬送路87の途中から分岐し且つ反転された媒体Sを媒体排出受け86側に搬送する分岐戻し搬送路90を有し、水平搬送路84と分岐搬送路87との境界部及び分岐搬送路87と分岐戻し搬送路90との境界部には夫々切替ゲート91,92を設置し、水平搬送路84を通過する媒体Sを反転させて媒体排出受け86に排出するものである。
また、媒体搬送系80には媒体Sを位置合せして二次転写域TRに供給する位置合せロール93のほか、各搬送路83,84,87,88には適宜数の搬送ロール94が設けられている。更にまた、画像形成装置筐体21の媒体排出受け86の反対側には水平搬送路84に向かって手差し媒体が供給可能な手差し媒体供給器95が設けられている。
【0028】
-除電システムの必要性-
本実施の形態においては、定着装置70から媒体排出受け86に至る水平搬送路84のうち、媒体反転機構89に通じる分岐搬送路87よりも媒体Sの搬送方向上流側に除電システム100が設けられている。
電子写真プロセスを経た媒体Sは、電荷を帯びたまま出力されることが多い。このとき、電荷を帯びた媒体Sは、静電気力により、媒体Sの搬送路を区画するシュート部材や媒体排出受け86に積載された媒体S間で吸着力が発生し、媒体Sの詰まりや積載不良等の不具合を引き起こす懸念がある。
このため、本例では、上述した除電システム100を採用し、電荷を帯びた媒体Sを効果的に除電するようにしたものである。
【0029】
-除電システムの基本構成-
本例において、除電システム100は、図2乃至図4に示すように、移動する媒体Sの表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電器101と、第1の除電器101よりも媒体Sの移動方向下流側に設けられ、第1の除電器101を通過した媒体Sの他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電器102と、第1の除電器101による除電領域よりも媒体Sの移動方向下流側で第2の除電器102による除電領域よりも媒体Sの移動方向上流側の水平搬送路84の途中に設けられ、媒体Sの一方の面(本例では媒体Sの裏面)の帯電電位を検出する第1の表面電位センサ151と、第2の除電器102による除電領域よりも媒体Sの移動方向下流側の水平搬送路84の途中に設けられ、媒体Sの他方の面(本例では媒体Sの表面)の帯電電位を検出する第2の表面電位センサ152と、を備えている。
以下、第1の除電器101及び第2の除電器102並びに第1の表面電位センサ151及び第2の表面電位センサ152について説明する。
【0030】
<第1の除電器>
第1の除電器101は、図2乃至図4に示すように、対構成の除電ロール111,112を接触配置した所謂接触型除電器にて構成され、いずれか一方の除電ロール、例えば除電ロール112には図示外の駆動モータからの駆動力をギア等の駆動伝達機構(図示せず)を介して伝達すると共に、除電ロール111を除電ロール112に接触させることで従動させ、除電ロール111,112間に媒体Sを挟持して搬送するものである。
更に、本例では、一方の除電ロール111には除電用電源115が接続され、当該除電用電源115から除電バイアスVd1(本例では正極性の直流電圧を使用)が印加され、他方の除電ロール112が接地されている。
【0031】
本例において、除電ロール111,112は、例えば金属製シャフトの周囲に発泡ウレタンゴムやEPDMにカーボンブラック等が配合された弾性層を被覆し、この弾性層の表面を例えばフッ素樹脂等の保護層で被覆する構成になっている。そして、除電用電源115からの除電バイアスVd1は金属製シャフトに印加される。
また、除電ロール111,112は媒体S非通過時にも接触して配置されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、媒体S非通過時には、除電ロール111,112は非接触に配置されていてもよい。但し、除電ロール111,112間の間隙は、除電ロール111,112間に媒体Sが通過するときには、除電ロール111,112が媒体Sの表裏面に接触し、媒体Sに対して接触域での接触圧が除電ロール111,112による媒体Sの搬送性を確保し、かつ、媒体Sに対する除電動作を損なわない範囲で適宜選定して差し支えない。
尚、除電用電源115の設置については、媒体Sの表面側、裏面側のいずれでも差し支えなく、媒体Sの裏面側に配置する態様では、媒体Sの表面側に配置する態様で使用する除電バイアスや除電電流とは逆の極性のものを使用するようにすればよい。
【0032】
<第2の除電器>
本例において、第2の除電器102は、図2乃至図4に示すように、媒体Sと非接触に配置される放電部材を有する所謂非接触型除電器にて構成されている。この第2の除電器102は、水平搬送路84に沿って搬送される媒体Sの表面側に向かって開口するチャネル断面形状の除電筐体121を有し、この除電筐体121内の長手方向に沿って放電ワイヤ122を掛け渡すと共に、この放電ワイヤ122には除電用電源125を接続し、当該除電用電源125から除電バイアスVd2(本例では交流電圧成分を出力する交流電源126と直流電圧成分を出力する直流電源127を使用)を印加する一方、媒体Sの裏面側には、媒体Sの搬送路を区画する接地された金属板からなるシュート部材160を配置するようにしたものである。
尚、本例では放電ワイヤ122は一本だけ使用した態様であるが、これに限られるものではなく、複数本の放電ワイヤ122を使用するようにしてもよいし、また、本例では所謂コロトロン方式が採用されているが、これに限られるものではなく、除電筐体121の開口に面した箇所に制御電極としてのグリッド板を付加する態様(所謂スコロトロン方式)を採用してもよいことは勿論である。あるいは、放電ワイヤ122の代わりに後述する針状電極を設けた態様であってもよい。また、除電用電源125の設置については、媒体Sの表面側、裏面側のいずれでも差し支えなく、また、両側に設置するようにしてもよい。
【0033】
<第1の表面電位センサ>
第1の表面電位センサ151としては、例えば静電気測定を利用したESV(Electrostatic Voltmeterの略)が用いられる。本例において、第1の表面電位センサ151は、図4に示すように、媒体Sの一方の面(本例では媒体Sの裏面)に対向して非接触に設置されている。第1の表面電位センサ151の設置位置は、媒体Sの一方の面に対向していれば任意に選定して差し支えないが、例えば媒体Sの移動方向に交差する幅方向の中央付近に対応して選定される。更に、第1の表面電位センサ151は、媒体Sを挟んで反対側に媒体Sの搬送路を区画する接地された金属板からなる導電部材としてのシュート部材160を有し、このシュート部材160上に媒体Sを接触した状態で媒体Sの一方の面の帯電電位を検出するものである。ここで、第1の表面電位センサ151の測定値としては、例えば所定時間測定した結果の平均値を採用してもよいし、あるいは、複数点測定した結果の平均値を採用してもよいし、あるいは、その他の計算方法を用いて測定するようにしてもよい。
【0034】
<第2の表面電位センサ>
第2の表面電位センサ152としては、第1の表面電位センサ151と同様に、例えば静電気測定を利用したESV(Electrostatic Voltmeterの略)が用いられる。本例において、第2の表面電位センサ152は、図4に示すように、媒体Sの他方の面(本例では媒体Sの表面)に対向して例えば媒体Sの幅方向の中央付近に非接触に設置されており、媒体Sを挟んで反対側には第1の表面電位センサ151に用いられたシュート部材160を有していない。
ここで、第2の表面電位センサ152の反対側にシュート部材160がない構造について補足すると、媒体Sの搬送路を区画するシュート部材160のうち、第2の表面電位センサ152に対向する箇所に大きな孔161を開設することで実現される。
【0035】
-媒体種-
本例では、画像形成装置20は、物性の異なる媒体Sを使用対象とする。
本例のように、電子写真プロセスを経た媒体Sは、電荷を帯びたまま出力されることが多く、媒体S内の電荷分布は媒体Sの物性、特に抵抗特性によって大きく異なる。
本例では、体積抵抗率が予め決められた閾値を境に、閾値を超えた媒体Sを高抵抗媒体Sa、閾値以下の媒体Sを低抵抗媒体Sbと定義する。ここで、閾値としては体積抵抗率が1012~1015Ω・cmの範囲で適宜選定するようにすればよい。
一般に、いわゆるフィルム紙(シート状フィルム)と称されるものの多くは高抵抗媒体Saである。一方、普通紙は媒体Sの種類によって異なるが、低抵抗媒体Sbのものに限らず、高抵抗媒体Saのものもあり、閾値付近の体積抵抗率を有するものにあっては低抵抗媒体Sbと高抵抗媒体Saとが複合した特性を示すものもある。尚、複合した特性をもつ場合も以下に示す両者の特性を併せ持つに過ぎない。
尚、本例では、高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbを予め決められた閾値を境として二分して扱うようにしているが、高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbを更に複数に区分し、第1の除電器101、第2の除電器102の除電条件をより細かく制御するようにしてもよい。
【0036】
-媒体の帯電特性-
<低抵抗媒体>
電子写真プロセスの特徴として正電荷(+)、負電荷(-)の両方が媒体Sに印加されるが、低抵抗媒体Sbはある程度導通性があるので、経時により正電荷(+)と負電荷(-)とは中和される。しかし、電荷量に偏りがある場合には、どちらか一方の電荷が残る。
図5(a)は主として正電荷(+)が残った例である。この場合は、電気力線Efが外部に向かう方向に延びる。また、図5(b)に示すように、低抵抗媒体Sbが接地状態の金属製のシュート部材160に近づくと、静電誘導により逆極の電荷がシュート部材160に現れるので、シュート部材160に低抵抗媒体Sbが貼り付き、媒体詰まりの原因になる。
【0037】
<高抵抗媒体>
次に、高抵抗媒体Saの電荷分布を図5(c)に示す。
同図において、電子写真プロセスにより高抵抗媒体Saの表裏に逆極性の電荷が印加されるが、これらが中和されることはなく、図示のように充電されたコンデンサのような状態になる。この時、正電荷(+)と負電荷(-)との電荷量は略同じになることから、電荷量の総和は0となり、電気力線Efは外部に漏れることはない。しかし、この場合も、図5(d)に示すように、積載された二枚の高抵抗媒体Saの間には極性の異なる電荷同士による吸引力が働くことから、図2に示す媒体排出受け86に積載された複数の高抵抗媒体Saについて積載不良の原因になる懸念がある。
尚、図5(c)(d)に示す例は、あくまで理想的な場合を想定したものであり、実際には高抵抗媒体Saの表裏の電荷量の総和は正電荷(+)又は負電荷(-)に偏っている場合が生じ、その場合には高抵抗媒体Saは接地状態の金属製のシュート部材160(図5(b)参照)に貼り付く懸念がある。
【0038】
-各除電器の除電特性-
ここで、各除電器101,102の除電特性について簡単に説明する。
<第1の除電器の除電特性>
第1の除電器101(本例では接触型除電器にて構成)は、図4に示すように、一対の除電ロール111,112で媒体Sを挟持し、一対の除電ロール111,112間に除電バイアスVd1を印加することで除電電流iを流し、媒体Sの表裏に存在する電荷を中和するものである。
この第1の除電器101は、主として高抵抗媒体Saの除電に効果的に作用するものであるが、除電バイアスVd1を適切に設定することが必要である。
【0039】
今、媒体Sが樹脂フィルムのように高抵抗媒体Saである場合を想定し、例えば二次転写装置50を通過する高抵抗媒体Saが転写電界を受けて帯電したものとする。このとき、図6(a)に示すように、高抵抗媒体Saの表面が負電荷(-)で帯電されていると仮定すると、高抵抗媒体Saの裏面では正電荷(+)が誘導分極されている。
この状態において、第1の除電器101は、一方の除電ロール111に除電バイアスVd1を印加することで、一方の除電ロール111と他方の除電ロール112との接触域(ニップ域)CNの前後でコロナ放電が起こる。特に、本例では、除電ロール111,112の接触域CNの入口側(高抵抗媒体Saの移動方向上流側に相当)の空隙では除電前の表面電位の高い高抵抗媒体Saが進入することから、接触域CNから離れた領域で強電流放電が、接触域CNに接近した領域で弱電流放電が混在して生じ、除電ロール111,112の接触域CNの出口側(高抵抗媒体Saの移動方向下流側に相当)の空隙では除電後の表面電位の低い高抵抗媒体Saが通過することから、接触域CNに接近した領域で弱電流放電が生ずる。この結果、帯電した高抵抗媒体Saの表面に正電荷(+)が予め決められた量だけ付与され、付与した電荷量分だけ高抵抗媒体Saの表面上の負電荷(-)を除電する。この状態では、高抵抗媒体Saの表面電荷が減少することに伴って、高抵抗媒体Saの裏面では誘電分極した正電荷(+)も減少する。尚、高抵抗媒体Saが接触域CNを通過する直後には剥離放電が起こることから、高抵抗媒体Saに剥離放電に伴う電荷が残存することもある。
【0040】
次に、媒体Sが低抵抗媒体Sbであると仮定すると、以下のようである。
低抵抗媒体Sbは二次転写装置50の転写電界を受けて帯電するが、低抵抗媒体Sbの帯電状態は、電荷量に偏りがあると、例えば図6(b)に示すように、低抵抗媒体Sb内に正電荷(+)が多く残存する。この状態において、低抵抗媒体Sbが除電ロール111,112の接触域CNを通過するとき、除電電流iは低抵抗媒体Sbの内部を通過してしまうので、第1の除電器101による除電効果は限定的になってしまう。
【0041】
<第2の除電器の除電特性>
第2の除電器102(本例では非接触型除電器にて構成)は、図4に示すように、放電ワイヤ122に除電バイアスVd2(交流電圧成分VAC+直流電圧成分VDC)を印加することで、放電ワイヤ122と除電筐体121との間でACコロナ放電が起こり、放電ワイヤ122の周囲には正イオン(+)、負イオン(-)が発生する。
一方、第2の除電器102は、媒体Sを挟んだ反対側に接地された金属製のシュート部材160を有している。
【0042】
先ず、図7(a)に示すように、媒体Sが低抵抗媒体Sbであると仮定し、低抵抗媒体Sbの内部が正電荷(+)に帯電されているものとする。このとき、図7(b)に示すように、除電バイアスVd2の直流電圧成分VDCとして-側に偏ったオフセット電圧を使用し、オフセット電圧の値を適切に設定するようにすればよい。この状態において、放電ワイヤ122と低抵抗媒体Sbとの間に電位差が生じ、電気力線Efが発生する。このため、放電ワイヤ122の周囲に発生した正イオン(+)、負イオン(-)のうち、主として負イオン(-)が帯電した低抵抗媒体Sbに到達し、低抵抗媒体Sbの正電荷(+)を効果的に除電する。
尚、金属製のシュート部材160があると、静電誘導により第2の除電器102側の電気力線Efが弱くなり、その分、シュート部材160がない態様に比べて除電効果が低減する傾向がある。しかしながら、オフセット電圧の値を適切に調整することで、低減する除電効果を補うことが可能である。
【0043】
また、媒体Sが高抵抗媒体Saであると仮定すると、高抵抗媒体Saは電気力線Efが外部に漏れないことから、第2の除電器102による除電効果は少ない。
しかしながら、帯電した高抵抗媒体Saが第1の除電器101を通過する際に、高抵抗媒体Saの表裏面に帯電した電荷の多くが除電され、高抵抗媒体Saに僅かな電荷が残留する条件では、図7(c)に示すように、第2の除電器102の放電ワイヤ122の周囲に発生した正イオン(+)、負イオン(-)のうち、正イオン(+)が高抵抗媒体Saの表面に到達し、高抵抗媒体Saの表面に残留する負電荷(-)を除電する。
このとき、図7(d)に示すように、除電バイアスVd2の直流電圧成分VDCとして+側に偏ったオフセット電圧を使用し、オフセット電圧の値を適切に設定するようにすれば、負イオン(-)に比べて、正イオン(+)を多く発生させることができ、その分、高抵抗媒体Saに残留する負電荷(-)を除電し易い点で好ましい。
尚、高抵抗媒体Saの表面の負電荷(-)が除電されると、高抵抗媒体Saの裏面に誘電分極した正電荷(+)もシュート部材160を介して除電される。
【0044】
-表面電位センサの測定形態-
図8(a)(b)は表面電位センサの測定形態1を示し、本例では、第1の表面電位センサ151の測定形態として用いられる。
図8(c)(d)は表面電位センサの測定形態2を示し、本例では、第2の表面電位センサ152の測定形態として用いられる。
尚、第1の表面電位センサ151は、図4に示すように、媒体Sの裏面(一方の面)の電位を測定するものであり、第2の表面電位センサ152は、媒体Sの表面(他方の面)の電位を測定するものであるが、図8(a)~(d)においては、表面電位センサ150(第1の表面電位センサ151又は第2の表面電位センサ152に相当)で媒体Sの表面の電位を測定する例として説明する。
【0045】
<表面電位センサの測定形態1>
表面電位センサ150(第1の表面電位センサ151に相当)は、媒体Sの表面に対向して配置され、媒体Sを挟んで反対側に接地された金属製のシュート部材160を有している。
先ず、媒体Sが高抵抗媒体Saであると仮定すると、以下のようである。
図8(a)に示すように、帯電した高抵抗媒体Saが表面電位センサ150の位置を通過すると、高抵抗媒体Saの裏面側において、静電誘導によりシュート部材160に電荷が誘導され、高抵抗媒体Saの表面の電位が測定される。
【0046】
図8(a)では、高抵抗媒体Saの表面の電位が測定され、負電荷(-)によるマイナス値になるが、表面電位センサ150、シュート部材160のレイアウトを逆にすれば、高抵抗媒体Saの裏面の電位が測定され、正電荷(+)によるプラス値となる。
一方、媒体Sが低抵抗媒体Sbである場合には、図8(b)に示すように、低抵抗媒体Sb内の電荷はシュート部材160側に移動し、更に、前述と同様な静電誘導が起こる。しかしながら、低抵抗媒体Sbに厚さがあるため、誘導電荷によって完全には中和されることはなく、図8(b)の例では、低抵抗媒体Sbの内部の電位がプラス値として測定されるが、測定値は小さくなる。
【0047】
<表面電位センサの測定形態2>
表面電位センサ150(第2の表面電位センサ152に相当)は、媒体Sの表面に対向して配置され、媒体Sを挟んで反対側に接地された金属製のシュート部材160を有していない。
図8(c)に示すように、帯電した高抵抗媒体Saの場合には、図8(c)に示すように、高抵抗媒体Sa内の電位が測定されるが、表裏面の異極電荷で中和されることから、総合電位は0となり、測定値は0になる。
一方、帯電した低抵抗媒体Sbでは、低抵抗媒体Sbの内部の電位が忠実に測定され、図8(d)の例では、低抵抗媒体Sbの総合電位としてプラス値が測定される。
【0048】
-除電制御系-
本実施の形態においては、除電システム100(第1の除電器101、第2の除電器102)は、図3に示すように、除電制御系130を介して除電条件を決定し、除電動作を実施するようになっている。
本例において、除電制御系130は、図3に示すように、各種プロセッサを含むマイクロコンピュータにて構成される制御装置131を有する。ここでいう「プロセッサ」とは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0049】
この制御装置131には画像形成装置20の操作パネル140、環境条件(例えば温度、湿度)を検出する環境センサ145が接続されている。また、制御装置131と各除電器101,102の各除電用電源115,125との間が接続されている。
ここで、操作パネル140には、画像形成装置20による作像処理を開始するためのスタートスイッチ(図3においては「スイッチ」を「SW」で表記、以下同様)141、各種作像モード(片面・両面印刷モード、標準・高画質印刷モードなど)を選択するモード選択スイッチ142及び媒体Sの物性(抵抗、厚み、坪量、サイズ等)を指示する物性指示スイッチ143が設けられている。尚、媒体Sの物性については、例えば媒体供給容器81,82や搬送路中に媒体Sの物性(抵抗、厚み、サイズ等)を検出する検出器を設置し、当該検出器にて媒体Sの物性情報を取得するようにしてもよいことは勿論である。
【0050】
-画像形成装置の作像処理-
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作像処理過程を説明する。
先ず、図3及び図4に示すように、スタートスイッチ141をオン操作すると、画像形成装置20は印刷ジョブを開始する。この状態において、媒体供給容器81又は82又は手差し媒体供給器95から媒体Sが供給され、一方、画像形成部22では媒体Sに転写する作像処理が行われ、作製された画像が中間転写体30を介して二次転写域TRへと移動する。
この後、媒体Sは水平搬送路84を経て二次転写域TRへと搬送され、二次転写装置50による転写動作が行われ、しかる後、画像が転写された媒体Sは定着装置70を通過して媒体S上に画像が定着され、画像定着された媒体Sは除電システム100へと向かう。
【0051】
-除電システムの除電処理-
この状態において、制御装置131は、図9(a)(b)に示すように、第1の除電器101、第2の除電器102の除電バイアス制御を夫々実施する。
先ず、第1の除電器101については、制御装置131は、図9(a)に示すように、第1の表面電位センサ151による媒体Sの裏面(一方の面)の電位を測定し、この第1の表面電位センサ151の検出値に基づいてフィードバック制御により目標表面電位(本例では略0)になるように第1の除電器101の除電バイアスVd1を決定し、しかる後、第1の除電器101の除電ロール111に決定された除電バイアスVd1を印加する。
また、第2の除電器102については、制御装置131は、図9(b)に示すように、第2の表面電位センサ152による媒体Sの表面(他方の面)の電位を測定し、この第2の表面電位センサ152の検出値に基づいてフィードバック制御により目標表面電位(本例では略0)になるように第2の除電器102の除電バイアスVd2(本例では直流電圧成分VDC)を決定し、しかる後、第2の除電器102の放電ワイヤ122に決定された除電バイアスVd2を印加する。
本例においては、媒体Sが高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbのいずれであっても、第1の除電器101、第2の除電器102の両方を用いて媒体Sに対する除電処理が実施される。
【0052】
本例では、第1の除電器101、第2の除電器102はフィードバック制御にて除電バイアスVd1,Vd2を決定しているため、除電バイアスVd1,Vd2を制御するに当たって、媒体Sの表面電位に対して最適に除電バイアスの初期値を選定することが好ましい。ここで、除電バイアスの初期値を選定するには、予め決められた帯電状態のテスト用の媒体Sに対して複数候補の除電バイアスを印加し、各除電バイアスによる媒体Sの表面電位の減衰程度を第1の表面電位センサ151、第2の表面電位センサ152で測定し、この測定結果から除電バイアスの初期値を選定するようにすればよい。
【0053】
-除電システムの除電動作-
<高抵抗媒体>
図10は除電システム100で帯電した高抵抗媒体Saを除電する作用を模式的に示す。
同図において、帯電した媒体Sとして高抵抗媒体Saが除電システム100に進入すると、高抵抗媒体Saは、先ず第1の除電器101を通過する。このとき、第1の表面電位センサ151は媒体Sを挟んで対向するシュート部材160を有しているため、第1の表面電位センサ151は主に高抵抗媒体Saの裏面電位を代表した測定値を得る。ここで、この値が目標表面電位(本例では略0)になるように、第1の除電器101の除電バイアスVd1がフィードバック制御される。
そして、高抵抗媒体Saが第1の除電器101の除電ロール111,112の接触域CN(図6参照)を通過すると、高抵抗媒体Saの裏面の電荷(例えば正電荷(+))は略除去されるが、高抵抗媒体Saの表面及び内部の電荷(例えば負電荷(-))は一部残る。
この後、残留電荷のある高抵抗媒体Saが第2の除電器102を通過する。このとき、第2の表面電位センサ152は媒体Sを挟んで対向するシュート部材160を有していないため、第2の表面電位センサ152は高抵抗媒体Saの総合電位を得る。そして、この値が目標表面電位(本例では略0)になるように、第2の除電器102の除電バイアスVd2の直流電圧成分VDCとして+側に偏ったオフセット電圧がフィードバック制御される。このため、高抵抗媒体Saの残留電荷(例えば負電荷(-))は第2の除電器102により効果的に除去される。
【0054】
<低抵抗媒体>
図11は除電システム100で帯電した低抵抗媒体Sbを除電する作用を模式的に示す。
同図において、例えば正極性帯電した媒体Sとして低抵抗媒体Sbが除電システム100に進入すると、低抵抗媒体Sbは、先ず第1の除電器101を通過する。このとき、第1の表面電位センサ151は低抵抗媒体Sbの内部の電位を代表した測定値(例えばプラス値)となり、高抵抗媒体Saとは異なる測定値を得る。このため、制御装置131は、第1の除電器101の除電バイアスVd1として低抵抗媒体Sb用に予め用意されたものを選定する。
そして、低抵抗媒体Sbが第1の除電器101の除電ロール111,112の接触域CN(図6参照)を通過すると、低抵抗媒体Sbの媒体Sの内部に除電電流iが流れてしまうため、除電効果は限定的になり、低抵抗媒体Sbの表面及び内部には多くの電荷(例えば正電荷(+))が残る。
この後、多くの残留電荷のある低抵抗媒体Sbが第2の除電器102を通過する。このとき、第2の表面電位センサ152は低抵抗媒体Sbの表面及び内部の総合電位の測定値を得る。そして、この値が目標表面電位(本例では略0)になるように、第2の除電器102の除電バイアスVd2の直流電圧成分VDCとしての-側に偏ったオフセット電圧がフィードバック制御される。このため、高抵抗媒体Saの残留電荷(例えば正電荷(+))は第2の除電器102により効果的に除電される。
【0055】
◎変形の形態1-1
図12は実施の形態1に係る除電システムの変形の形態1-1のフローチャートを示す。
実施の形態1に係る除電システム100は、物性指示スイッチ143からの媒体Sの物性情報を使用しない態様であるが、変形の形態1-1に係る除電システム100は媒体Sの物性情報を除電バイアス制御に利用するようにしたものである。
同図において、制御装置131は、例えば物性指示スイッチ143から媒体Sの物性情報(特には抵抗情報)を読み込み、除電対象が高抵抗媒体Saか低抵抗媒体Sbかを判別する。
そして、媒体Sが高抵抗媒体Saと判別された場合には、高抵抗媒体向けの除電モード(高抵抗媒体Saに適した除電条件)を選択し、第1の除電器101、第2の除電器102の除電バイアス制御を実施する。
一方、媒体Sが低抵抗媒体Sbと判別された場合には、低抵抗媒体向けの除電モード(低抵抗媒体Sbに適した除電条件)を選択し、第1の除電器101、第2の除電器102の除電バイアス制御を実施する。
本例によれば、媒体種を事前に踏まえた状況で、第1の表面電位センサ151、第2の表面電位センサ152の検出値に基づいて除電バイアス制御を実施することができるため、媒体種を事前に踏まえない場合に比べて、各除電器の除電バイアス制御を精度良く実施することが可能である。
【0056】
◎実施の形態2
図13は実施の形態2に係る除電システムの要部を示す説明図である。
同図において、実施の形態2に係る除電システム100は、実施の形態1と略同様であるが、第1の除電器101の構成が実施の形態1と異なるものになっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここでは詳細な説明を省略する。
本例において、第1の除電器101は、媒体Sと非接触に配置される放電部材を有する所謂非接触型除電器にて構成されている。この第1の除電器101は、水平搬送路84に沿って搬送される媒体Sの裏面側に向かって開口するチャネル断面形状の除電筐体171を有し、この除電筐体171内の長手方向に沿って放電ワイヤ172を掛け渡すと共に、この放電ワイヤ172には除電用電源175を接続し、当該除電用電源175から除電バイアスVd1(本例では交流電圧成分を出力する交流電源176と直流電圧成分を出力する直流電源177を使用)を印加する一方、媒体Sの表面側には、媒体Sの搬送路を区画する接地された金属板からなるシュート部材160を配置するようにしたものである。
そして、第1の表面電位センサ151は、その検出値に基づいて除電バイアスVd1の直流電圧成分を制御するようになっている。
尚、第1の除電器101の変形例としては、実施の形態1の第2の除電器102の変形例と同様に設計変更して差し支えない。
【0057】
実施の形態1で用いられる第1の除電器101は所謂接触型除電器で構成され、主として媒体Sの裏面(一方の面)の除電作用に寄与するものであるため、本実施の形態では、第1の除電器101として、非接触型除電器(本例では所謂コロトロン構成)を採用し、実施の形態1と同様に、第1の除電器101として主として媒体Sの裏面を除電するようにしたものである。
特に、本例では、図14に示すように、媒体Sが高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbのいずれであっても、媒体Sの裏面側にある電荷(本例では正電荷(+))を除去するために、第1の除電器101の除電バイアスVd1の直流電圧成分VDCとして-側に偏ったオフセット電圧を制御するようにしたものである。
尚、図14は、媒体Sとして、高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbの帯電特性が複合したものを例に挙げたものである。
【0058】
◎実施の形態3
図15は実施の形態3に係る除電システムの要部を示す説明図である。
同図において、実施の形態3に係る除電システム100は、実施の形態1と略同様であるが、第1の表面電位センサ151及び第2の表面電位センサ152のレイアウト及びこれらを用いた制御方式を実施の形態1と異なるものにしたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここでは詳細な説明を省略する。
本例において、第1の表面電位センサ151は、第1の除電器101による除電領域よりも媒体Sの移動方向上流側の水平搬送路84の途中に設けられ、媒体Sの一方の面(本例では媒体Sの裏面)の帯電電位を検出するものである。また、第2の表面電位センサ152は、第2の除電器102による除電領域よりも媒体Sの移動方向上流側で、第1の除電器101による除電領域よりも媒体Sの移動方向下流側の水平搬送路84の途中に設けられ、媒体Sの他方の面(本例では媒体Sの表面)の帯電電位を検出するものである。
【0059】
本例において、制御装置131(図3参照)は、第1の表面電位センサ151の検出値を元に第1の除電器101(接触型除電器にて構成)の除電バイアスVd1を制御し、第2の表面電位センサ152の検出値を元に、第2の除電器102(非接触型除電器にて構成)の除電バイアスVd2(具体的には直流電圧成分VDCとしてのオフセット電圧)を制御するものである。
特に、本例では、除電バイアスVd1,Vd2の制御方式は、実施の形態1と異なり、第1の表面電位センサ151、第2の表面電位センサ152の検出値を元に、適切な制御ゲインG1,G2でフィードフォワード制御するようになっている。
尚、図15は、媒体Sとして、高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbの帯電特性が複合したものを例に挙げたものである。また、制御ゲインG1,G2は物性指示スイッチ143等からの媒体情報Msを参照して可変するようにしてもよい。
【0060】
◎実施の形態4
図16は実施の形態4に係る除電システムの要部を示す。
同図において、実施の形態4に係る除電システム100は、実施の形態1と同様に、第1の除電器101、第2の除電器102及び第1の表面電位センサ151を備えているが、実施の形態1と異なり、第2の表面電位センサ152を有していない態様である。
このため、本例では、第2の除電器102の除電バイアスVd2は予め決められた交流電圧成分VACのみを使用したものになっている。
実施の形態1では、第2の除電器102の除電条件は、第2の表面電位センサ152の検出値に基づいて制御されていたが、本例では、第2の除電器102の除電条件は一律に定められている。このため、第2の除電器102に対する除電効果は、実施の形態1に比べて若干低減することになるが、以下に示すように、本実施の形態でも、媒体Sに対する除電効果は良好に維持される。
【0061】
本実施の形態によれば、媒体Sが高抵抗媒体Saである場合には、第1の除電器101により媒体Sの裏面(一方の面)の電荷は略除去され、第2の除電器102には表面若しくは内部に電荷が一部残留した高抵抗媒体Saが進入する。
一方、媒体Sが低抵抗媒体Sbである場合には、第1の除電器101による除電効果は限定的になり、低抵抗媒体Sbは内部にある多くの電荷を残したまま第2の除電器102に進入する。
このため、第2の除電器102としては、主として低抵抗媒体Sbの帯電状態を除電する上で有効なものを採用し、高抵抗媒体Saの場合には、一部残留した電荷を除去可能なものであれば足りる。この観点から、本実施の形態では、第2の除電器102として、第2の表面電位センサ152を用いない非接触型除電器を採用し、除電バイアスVd2として必要最小限の交流電圧成分VACのみを用い、放電ワイヤ122の周囲に正イオン(+)、負イオン(-)を発生させ、帯電状態の低抵抗媒体Sbには電気力線Efで一方のイオンを付与し、一部残留電荷のある高抵抗媒体Saには電流電荷と逆極性のイオンを付与し、低抵抗媒体Sb、高抵抗媒体Saの両者に対する除電効果を確保することが可能である。
尚、図16及び後述する図17は媒体Sとして、高抵抗媒体Sa、低抵抗媒体Sbの帯電特性が複合したものを例に挙げたものである。
【0062】
◎変形の形態4-1
図17は実施の形態4に係る除電システムの変形の形態4-1の要部を示す。
同図において、変形の形態4-1に係る除電システムは、実施の形態4と略同様の構成を備えているが、第2の除電器102の構成が実施の形態4と異なる。
同図において、第2の除電器102は、実施の形態1乃至4で用いた所謂コロトロン(線状電極である放電ワイヤ122を具備)に代えて、所謂イオナイザを用いるようにしたものである。
具体的には、第2の除電器102は、媒体Sの表面側に向かって開口するチャネル断面形状の除電筐体301を有し、この除電筐体301内の長手方向に沿って所定間隔毎に複数の針状電極302を配設すると共に、各針状電極302の鋭利部を除電筐体301の開口側に向けて配置したものである。更に、第2の除電器102は、各針状電極302に図示外の除電用電源(本例では交流電源のみを使用)を接続し、各針状電極302に除電用電源から除電バイアスVd2(本例では光量電圧成分のみを含む)を印加するものである。
尚、本例の針状電極302は個々的に設けた態様に限られず、長尺な共通の棒状電極部に対して所定間隔毎に針状電極部を突出形成する態様も含む。
【0063】
本例において、針状電極302に除電用電源の除電バイアスVd2が印加されると、針状電極302の周囲に正イオン(+)、負イオン(-)が発生し、帯電と逆極性のイオンのみが媒体Sに到達して吸着される。この結果、媒体Sの電荷が中和される。
ここで、本例における第2の除電器102の各媒体Sに対する除電作用について補足すると、以下のようである。
先ず、図18(a)に示すように、媒体Sが低抵抗媒体Sbである場合には、低抵抗媒体Sbからは帯電に伴う電気力線Efが外部に向かって生じ、針状電極302の周囲に発生した正イオン(+)、負イオン(-)のうち、帯電電荷(正電荷(+))と逆極性のイオン(負イオン(-))が低抵抗媒体Sbの表面電荷部分に吸着され、低抵抗媒体Sbが除電される。
また、第2の除電器102は、図18(b)に示すように、媒体Sを挟んで反対側に接地されたシュート部材160を備えていることがある。この例では、低抵抗媒体Sbの裏面とシュート部材160との間に静電誘導が生じ、除電効果が低減する懸念がある。
更に、媒体Sが高抵抗媒体Saである場合には、図18(c)に示すように、電気力線Efが外部に漏れないことから、高抵抗媒体Saに対する除電効果は少ない。
但し、高抵抗媒体Saの場合には、第1の除電器101で略除電され、第2の除電器102には一部残留電荷のある高抵抗媒体Saが進入することから、高抵抗媒体Saに対する除電効果が少ないといえども、高抵抗媒体Saに一部残留する少量の電荷は除去可能である。
尚、針状電極302の設置数については、媒体Sの幅方向の全域に亘って除電動作が可能になるように適宜選定して差し支えなく、また、針状電極302と媒体Sとの間に図示外の遮蔽部材を設置し、針状電極302に対応する箇所のみに通孔を開設し、媒体Sが針状電極302に触れることを防止しつつ、針状電極302による放電動作を確保するようにしてもよい。
【0064】
◎実施の形態5
図19は実施の形態5に係る媒体処理システムとしての画像形成システムの全体構成を示す。
同図において、画像形成システム200は、画像形成部22を内蔵する画像形成ユニット210と、この画像形成ユニット210の水平搬送路84の出口部分から排出される媒体Sを受け入れて除電する除電ユニット220とを備えたものであって、実施の形態1に係る画像形成装置とは異なり、画像形成ユニット210には除電システム100以外の各要素(画像形成部22、中間転写体30、定着装置70、媒体搬送系80)を組み込み、除電ユニット220に除電システム100を組み込むようにしたものである。
尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0065】
本例において、除電ユニット220は、図19及び図20に示すように、画像形成ユニット210から排出された媒体Sが略水平方向に搬送される水平搬送路221を有し、この水平搬送路221には適宜数の搬送ロール222~224を設置し、更に、水平搬送路221の出口箇所には媒体排出受け86を設けるほか、水平搬送路221のうち搬送ロール222,223間の領域には、除電システム100として第1の除電器101(接触型除電器にて構成)を設置すると共に、第1の除電器101に対して媒体Sの移動方向下流側には第2の除電器102(非接触型除電器にて構成)を設置したものである。
本例では、除電ユニット220内にも制御装置240が組み込まれており、例えば第1の除電器101と第2の除電器102との間の領域には媒体Sの裏面(一方の面)の表面電位を検出する第1の表面電位センサ151を設置すると共に、水平搬送路221のうち搬送ロール223,224間の領域には媒体Sの表面(他方の面)の表面電位を検出する第2の表面電位センサ152を設置するようにしたものである。
また、第1の除電器101の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、除電用電源115が正極性直流電源115aと負極性直流電源115bとが並列に設けられ、切替スイッチ250にて切替選択されるようになっている。
そして、制御装置240は、画像形成ユニット210内の媒体反転機構89による媒体Sの反転の有無を踏まえ、除電用電源115の正負極性の直流電源115a,115bを切替スイッチ250にて切替選択するようになっている。
尚、制御装置240には、実施の形態1と略同様に、第1の除電器101の除電バイアス制御(媒体Sの表面電位に応じた制御)、及び、第2の除電器102の除電バイアス制御が実施されるようになっている。
【0066】
本例では、除電システム100は、画像形成ユニット210内の媒体反転機構89よりも媒体Sの搬送方向下流側に設置されていることから、媒体Sの反転の有無に応じて、除電用電源115の正極性直流電源115a、負極性直流電源115bを切替選択するようになっている。
例えば図21(a)に示すように、媒体反転機構89を経由しないで媒体Sが除電ユニット220に入り込む場合には、制御装置240は除電用電源115として正極性直流電源115aを切替選択する。このため、媒体Sの表面電荷は除電用電源115(正極性直流電源115aを使用)による除電バイアスVd1によって適切に除電される。
一方、図21(b)に示すように、媒体反転機構89を経由して媒体Sが反転した状態で除電ユニット220内に入り込む場合を想定すると、制御装置240は除電用電源115として負極性直流電源115bを切替選択する。このため、媒体Sの表面電荷は除電用電源115(負極性直流電源115bを使用)による除電バイアスVd1によって適切に除電される。
尚、本例では、媒体Sの反転に応じて除電用電源115の極性を切り替えるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば媒体反転機構89により媒体Sを反転させた場合には、除電システム100による除電を実施しないようにすることも可能であり、また、媒体反転機構89により媒体Sを反転した場合には、UI(User Interface)上で除電システム100による除電処理を選択できないようにしてもよい。
【0067】
(付記)
(((1)))
移動する媒体の表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段と、
前記第1の除電手段よりも前記媒体の移動方向下流側に設けられ、前記第1の除電手段を通過した前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段と、
前記第1の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段と、
を備え、
前記第1の除電手段は、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御することを特徴とする除電システム。
(((2)))
移動する媒体の表面又は裏面の一方の面に存在する帯電電荷を主として除電する第1の除電手段と、
前記第1の除電手段よりも前記媒体の移動方向下流側に設けられ、前記第1の除電手段を通過した前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する第2の除電手段と、
前記第1の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の一方の面の帯電電位を検出する第1の表面電位検出手段と、
前記第2の除電手段による除電前後の少なくとも前記媒体の他方の面の帯電電位を検出する第2の表面電位検出手段と、
を備え、
前記第1の除電手段は、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御し、
前記第2の除電手段は、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の他方の面の表面電位を目標除電電位にするように前記第2の除電手段の除電条件を制御することを特徴とする除電システム。
(((3)))
(((1)))に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする除電システム。
(((4)))
(((2)))に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の一方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第1の除電手段の除電条件を制御し、
前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記媒体の他方の面の帯電電位を目標除電電位にするように前記第2の除電手段の除電条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする除電システム。
(((5)))
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は、前記媒体が予め決められた閾値を超える体積抵抗率の高抵抗媒体のときに、前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で有効な構成を有し、
前記第2の除電手段は、前記媒体が前記閾値以下の体積抵抗率の低抵抗媒体であるときに、前記媒体の面及び内部を含めた全体の残留電荷を除電する上で有効な構成を有することを特徴とする除電システム。
(((6)))
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は、前記媒体を挟み込む一対の除電部材を有し、いずれかの除電部材には前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
(((7)))
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は、前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には前記媒体の一方の面に存在する帯電電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
(((8)))
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の除電システムにおいて、
前記第2の除電手段は、前記媒体の他方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には前記媒体の他方の面及び内部に残留する残留電荷を除電する上で必要な除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
(((9)))
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段は、前記媒体の面に対向して非接触に配置される除電部材を有すると共に、前記媒体を挟んで前記除電部材の反対側には接地された導電部材を有することを特徴とする除電システム。
(((10)))
(((6)))に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は直流成分のみが含まれる除電電圧を印加し、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記直流成分を制御することを特徴とする除電システム。
(((11)))
(((7)))に記載の除電システムにおいて、
前記第1の除電手段は交流成分と直流成分とが含まれる除電電圧を印加し、前記第1の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて少なくとも前記直流成分を制御することを特徴とする除電システム。
(((12)))
(((1)))又は(((3)))に記載の除電システムにおいて、
前記第2の除電手段は前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、
前記除電部材には交流成分のみの除電電圧を印加することを特徴とする除電システム。
(((13)))
(((2)))又は(((4)))に記載の除電システムにおいて、
前記第2の除電手段は前記媒体の一方の面に対向して非接触に配置される除電部材を有し、この除電部材には直流成分及び交流成分が含まれる除電電圧を印加し、前記第2の表面電位検出手段で検出された検出値に基づいて前記除電電圧の少なくとも直流成分を制御することを特徴とする除電システム。
(((14)))
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段は、前記媒体を挟んで反対側に接地された導電部材を有し、前記導電部材上に前記媒体を接触した状態で前記媒体の一方の面の帯電電位を検出するものであることを特徴とする除電システム。
(((15)))
(((2)))又は(((4)))に記載の除電システムにおいて、
前記第2の表面電位検出手段は、前記媒体を挟んで反対側に接地された導電部材を有しないことを特徴とする除電システム。
(((16)))
(((3)))又は(((4)))に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段は、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段に対し前記媒体の移動方向下流側に配置され、
前記制御手段は、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段の検出値に基づいて前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段の除電条件をフィードバック制御することを特徴とする除電システム。
(((17)))
(((3)))又は(((4)))に記載の除電システムにおいて、
前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段は、前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段に対し前記媒体の移動方向上流側に配置され、
前記制御手段は、前記第1の表面電位検出手段又は前記第2の表面電位検出手段の検出値に基づいて前記第1の除電手段又は前記第2の除電手段の除電条件をフィードフォワード制御することを特徴とする除電システム。
(((18)))
媒体を搬送する搬送手段と、
前記媒体の搬送経路の途中に設けられ、前記媒体を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段よりも前記媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記帯電手段にて帯電された前記媒体を除電する(((1)))乃至(((17)))のいずれかに記載の除電システムと、
を備えることを特徴とする媒体処理システム。
(((19)))
(((18)))に記載の媒体処理システムにおいて、
前記媒体に画像を形成する作像手段を有し、
前記作像手段よりも前記媒体の搬送方向下流側に前記除電システムを配置したことを特徴とする媒体処理システム。
【0068】
(((1)))に係る除電システムによれば、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とすることができる。
(((2)))に係る除電システムによれば、第2の表面電位検出手段を備えていない場合に比べて、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、より適切な除電処理を実施可能とすることができる。
(((3)))に係る除電システムによれば、第1の表面電位検出手段を用いて第1の除電手段の除電条件を適切に制御する態様を具現化することができる。
(((4)))に係る除電システムによれば、第2の表面電位検出手段を用いない場合に比べて、第2の表面電位検出手段を用いて第2の除電手段の除電条件をより適切に制御する態様を具現化することができる。
(((5)))に係る除電システムによれば、第1の除電手段及び第2の除電手段を適切に選定することができる。
(((6)))に係る除電システムによれば、第1の除電手段を既存の接触型除電器を用いて簡単に構築することができる。
(((7)))に係る除電システムによれば、第1の除電手段を既存の非接触型除電器を用いて簡単に構築することができる。
(((8)))に係る除電システムによれば、第2の除電手段を既存の非接触型除電器を用いて簡単に構築することができる。
(((9)))に係る除電システムによれば、第1又は第2の除電手段を既存の非接触型除電器を用いて構築するに当たって、導電部材を用いない場合に比べて、除電性能をより向上させることができる。
(((10)))に係る除電システムによれば、第1の除電手段として接触型除電器を用いるに当たって、除電部材に印加する除電電圧を適切に選定することができる。
(((11)))に係る除電システムによれば、第1の除電手段として非接触型除電器を用いるに当たって、除電部材に印加する除電電圧を適切に選定することができる。
(((12)))に係る除電システムによれば、第2の除電手段として非接触型除電器を用いるに当たって、除電部材に印加する除電電圧を適切に選定することができる。
(((13)))に係る除電システムによれば、第2の除電手段として非接触型除電器を用いるに当たって、第2の表面電位検出手段を用いない場合に比べて、除電部材に印加する除電電圧をより適切に選定することができる。
(((14)))に係る除電システムによれば、第1の表面電位検出手段で媒体の一方の面の帯電電位を正確に検出することができる。
(((15)))に係る除電システムによれば、第2の表面電位検出手段で媒体に残留する残留電荷に基づく媒体の総合電位を正確に検出することができる。
(((16)))に係る除電システムによれば、第1又は第2の表面電位検出手段を用いて第1又は第2の除電手段の除電条件をフィードバック制御することができる。
(((17)))に係る除電システムによれば、第1又は第2の表面電位検出手段を用いて第1又は第2の除電手段の除電条件をフィードフォワード制御することができる。
(((18)))に係る媒体処理システムによれば、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とする除電システムを含む媒体処理システムを簡単に構築することができる。
(((19)))に係る媒体処理システムによれば、高抵抗又は低抵抗のいずれの媒体の帯電状態であっても、適切な除電処理を実施可能とする除電システムを含む媒体処理システムとしての画像形成システムを簡単に構築することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…第1の除電手段,2…第2の除電手段,3…第1の表面電位検出手段,4…第2の表面電位検出手段,5…制御手段,S…媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図19
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