(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133871
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】半導体記憶装置及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/40 20230101AFI20240926BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240926BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240926BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240926BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240926BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240926BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20240926BHJP
H10B 41/50 20230101ALI20240926BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20240926BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240926BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20240926BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H10B43/40
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H10B41/27
H10B41/40
H10B41/50
H01L27/00 301C
H01L27/088 D
H01L27/088 331A
H01L27/088 331G
H01L21/76 L
H01L21/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043868
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】百々 信幸
【テーマコード(参考)】
5F032
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F032AA34
5F032AA35
5F032AA43
5F032AA77
5F032BA01
5F032BA02
5F032BA03
5F032BB01
5F032DA02
5F032DA25
5F032DA33
5F048AA01
5F048AB01
5F048AC01
5F048AC03
5F048BA01
5F048BA19
5F048BA20
5F048BB09
5F048BB11
5F048BC18
5F048BE02
5F048BE04
5F048BE05
5F048BE09
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5F048BF04
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5F048CB03
5F048CB04
5F083EP02
5F083EP18
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5F083EP76
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5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
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5F083MA20
5F083NA01
5F083ZA21
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB02
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5F101BD22
5F101BD27
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE02
5F101BE05
5F101BE11
5F101BF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高集積化が可能な半導体記憶装置及び半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置において、メモリダイは、第1チップC
P及び第2チップC
Mを備える。第1チップは、Z方向と交差する第1面及び第2面を有する半導体基板200と、半導体基板の第1面に設けられた複数のトランジスタTrとを備える。複数のトランジスタは、Z方向と交差するY方向に隣り合う第1トランジスタ及び第2トランジスタを含む。半導体基板は、第1トランジスタ及び第2トランジスタの間に設けられ、半導体基板の第1面から、半導体基板の第1面及び第2面の間の位置Z1にかけてZ方向に延伸する第1絶縁部材STIと、第1トランジスタ及び第2トランジスタの間の、Z方向から見て第1絶縁部材と重なる位置に設けられ、半導体基板の第2面から、半導体基板の第1位置にかけてZ方向に延伸する第2絶縁部材DTIと、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続された第1チップ及び第2チップを備え、
前記第1チップは、
第1方向と交差する第1面及び第2面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記第1面に設けられた複数のトランジスタと、
前記第1方向に延伸し、前記複数のトランジスタに接続された複数の第1コンタクトと、
前記複数の第1コンタクトを介して前記複数のトランジスタに電気的に接続された複数の第1貼合電極と
を備え、
前記第2チップは、
前記第1方向に並ぶ複数の第1導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第1導電層と対向する半導体柱と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第1導電層に接続された複数の第2コンタクトと、
前記複数の第2コンタクトを介して前記複数の第1導電層に接続された複数の第2貼合電極と
を備え、
前記第1チップ及び前記第2チップは、前記複数の第1貼合電極が前記複数の第2貼合電極と対向する様に配置され、
前記複数の第1貼合電極は前記複数の第2貼合電極に接続され、
前記複数のトランジスタは、前記第1方向と交差する第2方向に隣り合う第1トランジスタ及び第2トランジスタを含み、
前記半導体基板は、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの間に設けられ、前記半導体基板の前記第1面から、前記半導体基板の前記第1面及び前記第2面の間の第1位置にかけて前記第1方向に延伸する第1絶縁部材と、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの間の、前記第1方向から見て前記第1絶縁部材と重なる位置に設けられ、前記半導体基板の前記第2面から、前記半導体基板の前記第1位置にかけて前記第1方向に延伸する第2絶縁部材と、
を備え、
前記第2絶縁部材の前記第2面における前記第2方向の幅は、前記第1絶縁部材の前記第1面における前記第2方向の幅よりも大きい
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記半導体基板は、前記第2絶縁部材により囲まれた第1半導体領域を備え、
前記複数のトランジスタは、前記第1半導体領域に設けられた前記第1トランジスタ及び第3トランジスタを含み、
前記第1半導体領域は、前記第1トランジスタのチャネル領域から前記第3トランジスタのチャネル領域にかけて連続している
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記半導体基板は、前記第1トランジスタ及び前記第3トランジスタの間に設けられ、前記半導体基板の前記第1面から、前記半導体基板の前記第1面及び前記第2面の間の第2位置にかけて前記第1方向に延伸する第3絶縁部材を更に備える
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1絶縁部材の前記第1面における前記第2方向の幅は、前記第1位置における前記第2方向の幅よりも大きく、
前記第2絶縁部材の前記第2面における前記第2方向の幅は、前記第1位置における前記第2方向の幅よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2絶縁部材の前記第1位置における前記第2方向の幅は、前記第1絶縁部材の前記第1位置における前記第2方向の幅よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記複数のトランジスタの一部は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に並び、
前記複数のトランジスタの他の一部は、前記第3方向に並び、前記複数のトランジスタの一部と前記第2方向に並び、
前記第2絶縁部材は、前記複数のトランジスタの一部と、前記複数のトランジスタの他の一部と、の間において、前記第3方向に延伸する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記複数の第1導電層は、前記第3方向に延伸する
請求項6記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1チップは、
前記第1方向に延伸し、前記半導体基板の前記第1面に接続された第3コンタクトを備え、
前記半導体基板は、
第1導電型の不純物を含む第1領域と、
前記第1面の、前記第3コンタクトとの接続部に設けられ、前記第1導電型の不純物を含む第2領域と
備え、
前記第2領域における前記第1導電型の不純物の濃度は、前記第1領域における前記第1導電型の不純物の濃度よりも高い
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1チップは、
前記第1方向に延伸し、前記半導体基板の前記第2面に接続された第4コンタクトを備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記半導体基板は、
第1導電型の不純物を含む第1領域と、
前記第2面の、前記第4コンタクトとの接続部に設けられ、前記第1導電型の不純物を含む第3領域と
備え、
前記第3領域における前記第1導電型の不純物の濃度は、前記第1領域における前記第1導電型の不純物の濃度よりも高い
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記半導体基板は、
第1導電型の不純物を含み、
前記第1導電型と異なる第2導電型の不純物を含む第1ウェルと、
前記第1方向から見て前記第1ウェルと重なる位置に設けられ、前記第1導電型の不純物を含む第2ウェルと
を備え、
前記複数のトランジスタは、前記第2ウェルに設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第1チップは、
前記第1方向に延伸し、前記半導体基板の前記第1面において前記第1ウェルに接続された第5コンタクトと、
前記第1方向に延伸し、前記半導体基板の前記第1面において前記第2ウェルに接続された第6コンタクトと
を備え、
前記半導体基板は、
前記第1面の、前記第5コンタクトとの接続部に設けられ、前記第2導電型の不純物を含む第4領域と
前記第1面の、前記第6コンタクトとの接続部に設けられ、前記第1導電型の不純物を含む第5領域と
を備え、
前記第4領域における前記第2導電型の不純物の濃度は、前記第1ウェルにおける前記第2導電型の不純物の濃度よりも高く、
前記第5領域における前記第1導電型の不純物の濃度は、前記第2ウェルにおける前記第1導電型の不純物の濃度よりも高い
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
第1方向と交差する第1面及び第2面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記第1面に設けられた複数のトランジスタと
を備え、
前記複数のトランジスタは、前記第1方向と交差する第2方向に隣り合う第1トランジスタ及び第2トランジスタを含み、
前記半導体基板は、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの間に設けられ、前記半導体基板の前記第1面から、前記半導体基板の前記第1面及び前記第2面の間の第1位置にかけて前記第1方向に延伸する第1絶縁部材と、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの間の、前記第1方向から見て前記第1絶縁部材と重なる位置に設けられ、前記半導体基板の前記第2面から、前記半導体基板の前記第1位置にかけて前記第1方向に延伸する第2絶縁部材と、
を備え、
前記第2絶縁部材の前記第2面における前記第2方向の幅は、前記第1絶縁部材の前記第1面における前記第2方向の幅よりも大きい
半導体装置。
【請求項14】
前記半導体基板は、前記第2絶縁部材により囲まれた第1半導体領域を備え、
前記複数のトランジスタは、前記第1半導体領域に設けられた前記第1トランジスタ及び第3トランジスタを含み、
前記第1半導体領域は、前記第1トランジスタのチャネル領域から前記第3トランジスタのチャネル領域にかけて連続している
請求項13記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体基板は、前記第1トランジスタ及び前記第3トランジスタの間に設けられ、前記半導体基板の前記第1面から、前記半導体基板の前記第1面及び前記第2面の間の第2位置にかけて前記第1方向に延伸する第3絶縁部材を更に備える
請求項14記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1絶縁部材の前記第1面における前記第2方向の幅は、前記第1位置における前記第2方向の幅よりも大きく、
前記第2絶縁部材の前記第2面における前記第2方向の幅は、前記第1位置における前記第2方向の幅よりも大きい
請求項13記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第2絶縁部材の前記第1位置における前記第2方向の幅は、前記第1絶縁部材の前記第1位置における前記第2方向の幅よりも大きい
請求項13記載の半導体装置。
【請求項18】
前記半導体装置は、
前記第1方向に延伸し、前記半導体基板の前記第1面に接続された第1ビアコンタクト電極を備え、
前記半導体基板は、
第1導電型の不純物を含む第1領域と、
前記第1面の、前記第1ビアコンタクト電極との接続部に設けられ、前記第1導電型の不純物を含む第2領域と
備え、
前記第2領域における前記第1導電型の不純物の濃度は、前記第1領域における前記第1導電型の不純物の濃度よりも高い
請求項13記載の半導体装置。
【請求項19】
前記半導体装置は、
前記第1方向に延伸し、前記半導体基板の前記第2面に接続された第2ビアコンタクト電極を備える
請求項13記載の半導体装置。
【請求項20】
前記半導体基板は、
第1導電型の不純物を含む第1領域と、
前記第2面の、前記第2ビアコンタクト電極との接続部に設けられ、前記第1導電型の不純物を含む第3領域と
備え、
前記第3領域における前記第1導電型の不純物の濃度は、前記第1領域における前記第1導電型の不純物の濃度よりも高い
請求項19記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、この基板の表面と交差する方向に積層された複数の導電層と、これら複数の導電層に対向する半導体層と、導電層及び半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、を備える半導体記憶装置が知られている。ゲート絶縁層は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の絶縁性の電荷蓄積層やフローティングゲート等の導電性の電荷蓄積層等の、データを記憶可能なメモリ部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0082896号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0320094号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2022/0085003号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、互いに接続された第1チップ及び第2チップを備える。第1チップは、第1方向と交差する第1面及び第2面を有する半導体基板と、半導体基板の第1面に設けられた複数のトランジスタと、第1方向に延伸し、複数のトランジスタに接続された複数の第1コンタクトと、複数の第1コンタクトを介して複数のトランジスタに電気的に接続された複数の第1貼合電極とを備える。第2チップは、第1方向に並ぶ複数の第1導電層と、第1方向に延伸し、複数の第1導電層と対向する半導体柱と、第1方向に延伸し、複数の第1導電層に接続された複数の第2コンタクトと、複数の第2コンタクトを介して複数の第1導電層に接続された複数の第2貼合電極とを備える。第1チップ及び第2チップは、複数の第1貼合電極が複数の第2貼合電極と対向する様に配置され、複数の第1貼合電極は複数の第2貼合電極に接続される。複数のトランジスタは、第1方向と交差する第2方向に隣り合う第1トランジスタ及び第2トランジスタを含む。
【0006】
半導体基板は、第1トランジスタ及び第2トランジスタの間に設けられ、半導体基板の第1面から、半導体基板の第1面及び第2面の間の第1位置にかけて第1方向に延伸する第1絶縁部材と、第1トランジスタ及び第2トランジスタの間の、第1方向から見て第1絶縁部材と重なる位置に設けられ、半導体基板の第2面から、半導体基板の第1位置にかけて第1方向に延伸する第2絶縁部材と、を備える。第2絶縁部材の第2面における第2方向の幅は、第1絶縁部材の第1面における第2方向の幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
【
図2】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図3】電圧生成回路VG、ドライバ回路DRV及びロウデコーダRDの構成を示す模式的な回路図である。
【
図4】ロウ制御回路RowC及びブロックデコーダBLKDの構成を示す模式的な回路図である。
【
図5】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。
【
図6】チップC
Mの構成例を示す模式的な上面図である。
【
図7】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図8】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図9】チップC
Mの一部の構成を示す模式的な上面図である。
【
図10】チップC
Mの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図11】フックアップ領域R
HUの構成例を示す模式的な平面図である。
【
図12】チップC
Pの構成例を示す模式的な下面図である。
【
図13】ロウ制御回路領域R
RC中の一部の構成を示す模式的な下面図である。
【
図14】ロウ制御回路領域R
RC中の一部の構成を示す模式的な下面図である。
【
図15】ロウ制御回路領域R
RC中の一部の構成を示す模式的な下面図である。
【
図16】ロウ制御回路領域R
RC中の一部の構成を例示する模式的な下面図である。
【
図17】ロウ制御回路領域R
RC中の一部の構成を例示する模式的な下面図である。
【
図18】ロウ制御回路領域R
RC中の一部の構成を例示する模式的な下面図である。
【
図19】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図21】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図24】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図26】チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図27】ウェハW
M,W
Pを貼合する製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図28】ウェハW
M,W
Pを貼合する製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図29】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図30】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図31】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図32】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図33】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図34】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図35】チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図36】比較例に係るメモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図37】比較例に係るメモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図38】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図39】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図40】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図41】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な下面図である。
【
図42】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図43】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図44】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な下面図である。
【
図45】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図46】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図47】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図48】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図49】その他の実施形態に係るチップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0009】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0011】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0012】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0013】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0014】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0015】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、ボンディングワイヤに接続可能な外部パッド電極を基準とする。例えば、メモリダイMD中において、上記Z方向に沿って外部パッド電極に近づく向きを上と、Z方向に沿って外部パッド電極から離れる向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の外部パッド電極と反対側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の外部パッド電極側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0016】
また、本明細書において、構成、部材等について、所定方向の「幅」、「長さ」又は「厚み」等と言った場合には、SEM(Scanning electron microscopy)やTEM(Transmission electron microscopy)等によって観察された断面等における幅、長さ又は厚み等を意味することがある。
【0017】
[第1実施形態]
[メモリダイMDの回路構成]
図1は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図2は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図3は、電圧生成回路VG、ドライバ回路DRV及びロウデコーダRDの構成を示す模式的な回路図である。
図4は、ロウ制御回路RowC及びブロックデコーダBLKDの構成を示す模式的な回路図である。
【0018】
尚、
図1には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合がある。
図1において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含む。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含む。尚、
図1の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0019】
図1に示す様に、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCAと、周辺回路PCと、を備える。周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、ロウデコーダRDと、センスアンプモジュールSAMと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、キャッシュメモリCMと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、を備える。
【0020】
[メモリセルアレイMCAの回路構成]
メモリセルアレイMCAは、
図2に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0021】
メモリストリングMSは、ドレイン側選択トランジスタSTDと、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)と、ソース側選択トランジスタSTSと、を備える。ドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、及び、ソース側選択トランジスタSTSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続される。以下では、ドレイン側選択トランジスタSTD及びソース側選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタ(STD、STS)と呼ぶ場合がある。
【0022】
メモリセルMCは、電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0023】
選択トランジスタ(STD、STS)は、電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は電荷蓄積層を含んでいても良い。ドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極には、ドレイン側選択ゲート線SGDが接続され、ソース側選択トランジスタSTSのゲート電極には、ソース側選択ゲート線SGSが接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。尚、ドレイン側選択ゲート線SGD及びソース側選択ゲート線SGSを、それぞれ、選択ゲート線SGと呼ぶ場合がある。
【0024】
[電圧生成回路VGの回路構成]
電圧生成回路VG(
図1)は、例えば
図3に示す様に、複数の電圧生成ユニットvg1~vg3を備える。電圧生成ユニットvg1~vg3は、読み出し動作、書き込み動作及び消去動作において、所定の大きさの電圧を生成し、電圧供給線L
VGを介して出力する。例えば、電圧生成ユニットvg1は、書き込み動作において、プログラム電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg2は、読み出し動作において、読み出しパス電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg2は、書き込み動作において、書き込みパス電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg3は、読み出し動作において、読み出し電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg3は、書き込み動作において、ベリファイ電圧を出力する。電圧生成ユニットvg1~vg3は、例えば、チャージポンプ回路等の昇圧回路でも良いし、レギュレータ等の降圧回路でも良い。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電圧供給線L
Pに接続される。電圧供給線L
Pには、電源電圧V
CC又は接地電圧V
SS(
図1)が供給される。これらの電圧供給線L
Pは、例えば、パッド電極Pに接続される。電圧生成回路VGから出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0025】
尚、
図3に例示する電圧生成回路VGは、ワード線WLに印加される複数通りの動作電圧(プログラム電圧、読み出しパス電圧、書き込みパス電圧、読み出し電圧、及びベリファイ電圧)を生成する構成を含んでいる。しかしながら、電圧生成回路VGは、ビット線BL、ソース線SL、及び選択ゲート線(SGD、SGS)に印加される複数通りの動作電圧を生成する構成も含んでいる。
【0026】
[ロウデコーダRDの回路構成]
ロウデコーダRD(
図1)は、例えば
図3に示す様に、ロウ制御回路RowCと、ワード線デコーダWLDと、ドライバ回路DRVと、図示しないアドレスデコーダと、を備える。ロウ制御回路RowCは、例えば
図4に示す様に、複数のブロックデコーダユニットblkdと、ブロックデコーダBLKDと、を備える。
【0027】
複数のブロックデコーダユニットblkdは、メモリセルアレイMCA中の複数のメモリブロックBLKに対応する。ブロックデコーダユニットblkdは、複数のワード線スイッチWLSWと、複数の選択ゲート線スイッチSGSWと、を備える。複数のワード線スイッチWLSWは、メモリブロックBLK中の複数のワード線WLに対応する。複数の選択ゲート線スイッチSGSWは、メモリブロックBLK中のドレイン側選択ゲート線SGD及びソース側選択ゲート線SGSに対応する。
【0028】
ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。例えば
図4に示す様に、ワード線スイッチWLSWのドレイン電極は、ワード線WLに接続される。選択ゲート線スイッチSGSWのドレイン電極は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びソース側選択ゲート線SGSに接続される。ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWのソース電極は、配線CGIに接続される。配線CGIは、ロウ制御回路RowC中の全てのブロックデコーダユニットblkdに接続される。ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWのゲート電極は、信号供給線BLKSELに接続される。信号供給線BLKSELは、全てのブロックデコーダユニットblkdに対応して複数設けられる。また、信号供給線BLKSELは、ブロックデコーダユニットblkd中の全てのワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWに接続される。
【0029】
ブロックデコーダBLKD(
図4)は、読み出し動作、書き込み動作等に際して、ブロックアドレスをデコードする。読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(
図1)中のブロックアドレスに対応する一つの信号線BLKSELが“H”状態となり、その他の信号線BLKSELが“L”状態となる。例えば、一つの信号線BLKSELに正の大きさを有する所定の駆動電圧が供給され、その他の信号線BLKSELに接地電圧V
SS等が供給される。これにより、このブロックアドレスに対応する一つのメモリブロックBLK中の全てのワード線WL及び選択ゲート線SGが全ての配線CGIと導通する。また、その他のメモリブロックBLK中の全てのワード線WLがフローティング状態となる。
【0030】
ワード線デコーダWLD(
図3)は、複数のワード線デコードユニットwldを備える。複数のワード線デコードユニットwldは、メモリストリングMS中の複数のメモリセルMCに対応する。
図3の例において、ワード線デコードユニットwldは、2つのトランジスタT
WLS,T
WLUを備える。トランジスタT
WLS,T
WLUは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタT
WLS,T
WLUのドレイン電極は、配線CGIに接続される。トランジスタT
WLSのソース電極は、配線CGI
Sに接続される。トランジスタT
WLUのソース電極は、配線CGI
Uに接続される。トランジスタT
WLSのゲート電極は、信号線WLSEL
Sに接続される。トランジスタT
WLUのゲート電極は、信号線WLSEL
Uに接続される。信号線WLSEL
Sは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる一方のトランジスタT
WLSに対応して複数設けられる。信号線WLSEL
Uは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる他方のトランジスタT
WLUに対応して複数設けられる。
【0031】
読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(
図1)中のページアドレスに対応する一つのワード線デコードユニットwldに対応する信号線WLSEL
Sが“H”状態となり、これに対応するWLSEL
Uが“L”状態となる。また、それ以外のワード線デコードユニットwldに対応する信号線WLSEL
Sが“L”状態となり、これに対応するWLSEL
Uが“H”状態となる。また、配線CGI
Sには、選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。また、配線CGI
Uには、非選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。これにより、上記ページアドレスに対応する一つのワード線WLに、選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。また、その他のワード線WLに、非選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。
【0032】
ドライバ回路DRV(
図3)は、例えば、6つのトランジスタT
DRV1~T
DRV6を備える。トランジスタT
DRV1~T
DRV6は、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタT
DRV1~T
DRV4のドレイン電極は、配線CGI
Sに接続される。トランジスタT
DRV5,T
DRV6のドレイン電極は、配線CGI
Uに接続される。トランジスタT
DRV1のソース電極は、電圧供給線L
VG1を介して、電圧生成ユニットvg1の出力端子に接続される。トランジスタT
DRV2,T
DRV5のソース電極は、電圧供給線L
VG2を介して、電圧生成ユニットvg2の出力端子に接続される。トランジスタT
DRV3のソース電極は、電圧供給線L
VG3を介して、電圧生成ユニットvg3の出力端子に接続される。トランジスタT
DRV4,T
DRV6のソース電極は、電圧供給線L
Pを介して、パッド電極Pに接続される。トランジスタT
DRV1~T
DRV6のゲート電極には、それぞれ、信号線VSEL1~VSEL6が接続される。
【0033】
読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、配線CGISに対応する複数の信号線VSEL1~VSEL4のうちの一つが“H”状態となり、その他が“L”状態となる。また、配線CGIUに対応する2つの信号線VSEL5,VSEL6の一方が“H”状態となり、他方が“L”状態となる。
【0034】
図示しないアドレスデコーダは、例えば、シーケンサSQC(
図1)からの制御信号に従って順次アドレスレジスタADR(
図1)のロウアドレスRAを参照する。ロウアドレスRAは、上述したブロックアドレス及びページアドレスを含む。アドレスデコーダは、上記信号線BLKSEL,WLSEL
S,WLSEL
Uの電圧を“H”状態又は“L”状態に制御する。
【0035】
尚、
図3の例において、ロウデコーダRDには、1つのメモリブロックBLKについて1つずつブロックデコーダユニットblkdが設けられる。しかしながら、この構成は適宜変更可能である。例えば、2以上のメモリブロックBLKについて1つずつブロックデコーダユニットblkdが設けられても良い。
【0036】
[センスアンプモジュールSAMの回路構成]
センスアンプモジュールSAM(
図1)は、メモリセルMCのON状態/OFF状態を検出し、このメモリセルMCの状態を示すデータを取得する。この様な動作を、センス動作と呼ぶ場合がある。センスアンプモジュールSAMは、複数のセンスアンプユニットを備える。複数のセンスアンプユニットは、複数のビット線BLに対応する。複数のセンスアンプユニットは、それぞれ、センスアンプ回路と、ラッチ回路と、を備える。
【0037】
[キャッシュメモリCMの回路構成]
キャッシュメモリCM(
図1)は、複数のラッチ回路を備える。複数のラッチ回路は、配線DBUSを介してセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。これら複数のラッチ回路に含まれるデータDATは、順次センスアンプモジュールSAM又は入出力制御回路I/Oに転送される。
【0038】
また、キャッシュメモリCMには、図示しないデコード回路及びスイッチ回路が接続される。デコード回路は、アドレスレジスタADRに保持されたカラムアドレスCAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路をバスBUS(
図1)と導通させる。
【0039】
[シーケンサSQCの回路構成]
シーケンサSQC(
図1)は、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータD
CMDに従い、ロウデコーダRD、センスアンプモジュールSAM、及び、電圧生成回路VGに内部制御信号を出力する。また、シーケンサSQCは、適宜自身の状態を示すステータスデータD
STをステータスレジスタSTRに出力する。
【0040】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。
【0041】
[入出力制御回路I/Oの回路構成]
入出力制御回路I/O(
図1)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、トグル信号入出力端子DQS,/DQSと、複数の入力回路と、複数の出力回路と、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。複数の入力回路、複数の出力回路、シフトレジスタ及びバッファ回路は、それぞれ、電源電圧V
CCQ及び接地電圧V
SSが供給される端子に接続される。
【0042】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに出力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0043】
複数の入力回路は、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のいずれか、又は、トグル信号入出力端子DQS,/DQSの双方に接続されたコンパレータを含む。複数の出力回路は、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のいずれか、又は、トグル信号入出力端子DQS,/DQSのいずれかに接続されたOCD(Off Chip Driver)回路を含む。
【0044】
[論理回路CTRの回路構成]
論理回路CTR(
図1)は、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REを介してコントローラダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0045】
[メモリダイMDの構造]
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図5に示す通り、メモリダイMDは、周辺回路PC側のチップC
Pと、メモリセルアレイMCA側のチップC
Mと、を備える。
【0046】
チップCPの上面には、図示しないボンディングワイヤに接続可能な複数の外部パッド電極PXが設けられている。また、チップCPの下面には、複数の貼合電極PI2が設けられている。また、チップCMの上面には、複数の貼合電極PI1が設けられている。以下、チップCPについては、複数の貼合電極PI2が設けられる面を表面と呼び、複数の外部パッド電極PXが設けられる面を裏面と呼ぶ。また、チップCMについては、複数の貼合電極PI1が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。図示の例において、チップCMの裏面はチップCMの表面よりも上方に設けられ、チップCPの表面はチップCPの裏面よりも上方に設けられる。
【0047】
チップCP及びチップCMは、チップCPの表面とチップCMの表面とが対向するよう配置される。複数の貼合電極PI2は、複数の貼合電極P11にそれぞれ対応して設けられ、複数の貼合電極P11に貼合可能な位置に配置される。貼合電極PI1と貼合電極PI2とは、チップCMとチップCPとを貼合し、かつ電気的に導通させるための、貼合電極として機能する。複数の貼合電極PI2は複数の貼合電極P11に接続される。
【0048】
尚、
図5の例において、チップC
Pの角部b1、b2、b3、b4は、それぞれ、チップC
Mの角部a1、a2、a3、a4と対応する。
【0049】
図6は、チップC
Mの構成例を示す模式的な上面図である。
図6では、貼合電極P
I1等の一部の構成を省略している。
図7及び
図8は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図9は、チップC
Mの一部の構成を示す模式的な上面図である。
図9では、左側の領域において
図7に示すワード線WLの位置のXY断面を示し、右側の領域において
図7に示すドレイン側選択ゲート線SGDの位置のXY断面を示している。尚、
図9の右側の領域では、半導体柱120とビット線BLとの接続部分を表すために、ビアコンタクト電極ch,Vy、及びビット線BLも示している。
図9の左側の領域においても、ビアコンタクト電極ch,Vy、及びビット線BLが設けられている。
図10は、チップC
Mの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図10は、YZ断面を示しているが、半導体柱120の中心軸に沿ったYZ断面以外の断面(例えば、XZ断面)を観察した場合にも、
図10と同様の構造が観察される。
図11は、フックアップ領域R
HUの構成例を示す模式的な平面図である。
図12は、チップC
Pの構成例を示す模式的な下面図である。
図12では、貼合電極P
I2等の一部の構成を省略している。
【0050】
[チップC
Mの構造]
チップC
M(
図5)は、
図6の例において、X方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP0~MP3を備える。尚、4つのメモリプレーンMP0~MP3を、それぞれ、単にメモリプレーンMPと呼ぶ場合がある。また、これら4つのメモリプレーンMP0~MP3は、それぞれ、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。また、
図6の例において、これら4つのメモリプレーンMP0~MP3は、それぞれ、X方向の両端部に設けられたフックアップ領域R
HUと、これらの間に設けられたメモリホール領域R
MHと、を備える。また、
図6の例では、メモリホール領域R
MHがX方向に4つの領域R
MHUに分割されている。これら4つの領域R
MHUのX方向における幅は、全て同じでも良いし、同じでなくても良い。また、チップC
Mは、4つのメモリプレーンMP0~MP3よりもY方向の一端側に設けられた周辺領域R
Pを備える。
【0051】
尚、図示の例では、フックアップ領域RHUがメモリプレーンMPのX方向の両端部に設けられている。しかしながら、この様な構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、フックアップ領域RHUは、メモリプレーンMPのX方向の両端部でなく、X方向の一端部に設けられていても良い。また、フックアップ領域RHUは、メモリプレーンMPのX方向の中央位置又は中央近傍の位置に設けられていても良い。
【0052】
チップC
Mは、例えば
図7に示す様に、導電層100と、導電層100の上方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCAと、メモリセルアレイ層L
MCAの上方に設けられたビアコンタクト電極層CHと、ビアコンタクト電極層CHの上方に設けられた複数の配線層M0,M1と、配線層M0,M1の上方に設けられたチップ貼合電極層MBと、を備える。
【0053】
導電層100は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入されたシリコン(Si)等の半導体層を含んでいても良いし、タングステン(W)等の金属を含んでいても良いし、タングステンシリサイド(WSi)等のシリサイドを含んでいても良い。
【0054】
導電層100は、ソース線SL(
図1)の一部として機能する。導電層100は、4つのメモリプレーンMP0~MP3(
図6)に対応して4つ設けられている。
【0055】
[チップC
Mのメモリセルアレイ層L
MCAのメモリホール領域R
MHにおける構造]
メモリセルアレイ層L
MCAには、
図6を参照して説明した様に、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。
図7に示す様に、Y方向に隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO
2)等のブロック間絶縁層STが設けられる。Z方向に並ぶ複数の導電層110を含み、Y方向に並ぶ複数の積層構造が、複数のメモリブロックBLKに対応する。
【0056】
メモリブロックBLKは、例えば
図7に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、を備える。また、
図10に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間には、それぞれ、ゲート絶縁膜130が設けられている。
【0057】
導電層110(
図7)は、X方向に延伸する略板状の形状を備える。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO
2)等の層間絶縁層111が設けられている。
【0058】
複数の導電層110(
図7)のうち、最下層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択トランジスタSTS(
図2)のゲート電極及びソース側選択ゲート線SGSとして機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0059】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、メモリセルMC(
図2)のゲート電極及びワード線WLとして機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0060】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極及びドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。例えば
図9に示す様に、これら複数の導電層110のY方向の幅Y
SGDは、ワード線WLとして機能する導電層110のY方向の幅Y
WLよりも小さい。また、Y方向に隣り合う2つの導電層110の間には、酸化シリコン(SiO
2)等のストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。
【0061】
半導体柱120は、例えば
図9に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体柱120は、それぞれ、1つのメモリストリングMS(
図2)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD,STS)のチャネル領域として機能する。半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等を含む。半導体柱120は、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。半導体柱120の外周面は、それぞれ複数の導電層110によって囲まれており、これら複数の導電層110と対向している。
【0062】
また、半導体柱120(
図7)の下端には、図示しない不純物領域が設けられている。この不純物領域は、上記導電層100に接続されている。この不純物領域は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物を含む。
【0063】
また、半導体柱120(
図7)の上端には、図示しない不純物領域が設けられている。この不純物領域は、ビアコンタクト電極ch及びビアコンタクト電極Vyを介してビット線BLに接続される。この不純物領域は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む。
【0064】
ゲート絶縁膜130は、例えば
図9に示す様に、半導体柱120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図10に示す様に、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)、窒酸化シリコン(SiON)等を含む。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の電荷を蓄積可能な膜を含む。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体柱120と導電層100との接触部を除く半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0065】
尚、
図10には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0066】
[チップC
Mのメモリセルアレイ層L
MCAのフックアップ領域R
HUにおける構造]
図8に示す様に、フックアップ領域R
HUには、複数のビアコンタクト電極CC(コンタクト)が設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCは、それぞれ、Z方向に延伸し、下端において導電層110(WL,SGD,SGS)に接続されている。
【0067】
フックアップ領域R
HUは、
図11に示す様に、メモリプレーンMPのX方向負側及びX方向正側に設けられ、2つのフックアップ領域R
HUの間にメモリホール領域R
MHが設けられている。メモリホール領域R
MHにおいて、Y方向正側から数えて1番目~8番目のメモリブロックを、メモリブロックBLK(1)~BLK(8)であるものとする。X方向負側のフックアップ領域R
HUは、メモリブロックBLK(1)~BLK(8)に対応して、フックアップ領域R
HU(N1)~R
HU(N8)に分けられる。また、X方向正側のフックアップ領域R
HUは、メモリブロックBLK(1)~BLK(8)に対応して、フックアップ領域R
HU(P1)~R
HU(P8)に分けられる。
【0068】
フックアップ領域RHU(N1),RHU(N4),RHU(N5),RHU(N8),RHU(P2),RHU(P3),RHU(P6),RHU(P7)には、Y方向に並ぶ3つのビアコンタクト電極CCの列がX方向に複数並んでいる。
【0069】
フックアップ領域RHU(N1)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(1)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P2)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(2)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P3)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(3)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(N4)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(4)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(N5)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(5)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P6)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(6)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P7)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(7)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(N8)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(8)における各層の導電層110に接続される。
【0070】
[ビアコンタクト電極層CHの構造]
ビアコンタクト電極層CH(
図7)に含まれる複数のビアコンタクト電極chは、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びチップC
P中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0071】
ビアコンタクト電極層CHは、複数のビアコンタクト電極chを含む。これら複数のビアコンタクト電極chは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。ビアコンタクト電極chは、複数の半導体柱120に対応して設けられ、複数の半導体柱120の下端に接続されている。
【0072】
[チップC
Mの配線層M0,M1の構造]
配線層M0,M1(
図7)に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びチップC
P中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0073】
配線層M0は、例えば
図7に示す様に、複数の配線m0を含む。これら複数の配線m0は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、複数の配線m0のうちの一部は、ビット線BLとして機能する。ビット線BLは、例えば
図9に示す様に、X方向に並びY方向に延伸する。
【0074】
配線層M1は、例えば
図7に示す様に、複数の配線m1を含む。これら複数の配線m1は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0075】
[チップ貼合電極層MBの構造]
チップ貼合電極層MB(
図7、
図8参照)に含まれる複数の構成は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びチップC
P中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0076】
チップ貼合電極層MBは、複数の貼合電極PI1(貼合パッド)を含む。これら複数の貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜pI1B及び銅(Cu)等の金属膜pI1Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0077】
[チップC
Pの構造]
チップC
P(
図6)は、
図12の例に示す様に、X方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP0~MP3と重なる領域MP0´~MP3´を備える。これら4つの領域MP0´~MP3´の、X方向における両端部には、それぞれ、ロウ制御回路領域R
RCが設けられている。また、これら2つのロウ制御回路領域R
RCの間には、X方向に並ぶ2つのブロックデコーダ領域R
BDが設けられている。また、これら2つのブロックデコーダ領域R
BDの間には、周辺回路領域R
PCが設けられている。周辺回路領域R
PCには、X方向及びY方向に並ぶ4つのカラム制御回路領域R
CCが設けられている。また、図示は省略するものの、周辺回路領域R
PC中のその他の領域にも、回路が配置されている。また、チップC
Mの周辺領域R
P(
図6)に対向するチップC
Pの領域には、回路領域R
Cが設けられている。
【0078】
ロウ制御回路領域R
RCには、
図3及び
図4を参照して説明した複数のブロックデコーダユニットblkdが設けられている。即ち、ロウ制御回路領域R
RCには、複数のブロックデコーダユニットblkdを構成する、複数のワード線スイッチWLSW及び複数の選択ゲート線スイッチSGSWが設けられている。ブロックデコーダ領域R
BDには、
図4を参照して説明したブロックデコーダBLKDが設けられている。カラム制御回路領域R
CCには、
図1を参照して説明したセンスアンプモジュールSAMが設けられている。回路領域R
Cには、図示しない入出力回路が設けられている。この入出力回路は、後述する配線層D0,D1等を介して、外部パッド電極P
Xに接続されている。
【0079】
また、
図12には、Z方向から見てフックアップ領域R
HU(
図6)と重なる領域を、点線で示している。
図12の例では、ロウ制御回路領域R
RCの一部が、Z方向から見てフックアップ領域R
HU(
図6)と重なる領域に設けられている。また、ロウ制御回路領域R
RCの一部が、Z方向から見てメモリホール領域R
MH(
図6)と重なる領域に設けられている。また、
図12の例では、ロウ制御回路領域R
RCのX方向における幅が、フックアップ領域R
HU(
図6)のX方向における幅よりも大きい。この様に、ロウ制御回路領域R
RCの複数のワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチは、Z方向から見てフックアップ領域R
HU及びメモリホール領域R
MHの一部と重なる位置に設けられている。
【0080】
また、
図12の例では、カラム制御回路領域R
CCのX方向における中央位置が、X方向正側から数えて1番目及び2番目の領域R
MHUの境界、又は、X方向正側から数えて3番目及び4番目の領域R
MHUの境界と一致する。尚、カラム制御回路領域R
CCのX方向における中央位置は、X方向正側から数えて1番目及び2番目の領域R
MHUの境界、又は、X方向正側から数えて3番目及び4番目の領域R
MHUの境界と一致しなくても良い。
【0081】
また、チップC
Pは、例えば
図7に示す様に、基体層L
SBと、基体層L
SBの下方に設けられた半導体基板200と、半導体基板200の下方に設けられた電極層GCと、電極層GCの上方に設けられた配線層D0,D1,D2,D3,D4と、配線層D0,D1,D2,D3,D4の下方に設けられたチップ貼合電極層DBと、を備える。
【0082】
[チップC
Pの基体層L
SBの構造]
基体層L
SBは、例えば
図7に示す様に、半導体基板200の上面に設けられた絶縁層201と、領域VZの開口の底面、内周面及びその開口の周辺部に設けられた裏面配線層MAと、裏面配線層MAの上面及び絶縁層201の上面に設けられた絶縁層202と、を備える。
【0083】
絶縁層201は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。
【0084】
裏面配線層MAは、複数の配線maを含む。これら複数の配線maは、例えば、アルミニウム(Al)等を含んでいても良い。
【0085】
また、複数の配線maのうちの少なくとも一部は、外部パッド電極PXとして機能する。この配線maは、周辺領域RPに設けられている。この配線maは、開口VZの底面において配線層D0~D4中の構成に電気的に接続されている。また、配線maの一部は、絶縁層202に設けられた開口TVを介してメモリダイMDの外部に露出する。
【0086】
絶縁層202は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料からなるパッシベーション層である。
【0087】
[チップCPの半導体基板200の構造]
半導体基板200は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)を含む。また、半導体基板200は、例えば、半導体基板領域200Sと、絶縁部材STIと、絶縁部材DTIと、を備える。半導体基板領域200Sは、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTr、及び、複数のキャパシタ等の一部として機能する。尚、複数のトランジスタTrの一部は、ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWとして機能する。
【0088】
絶縁部材STIは、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。絶縁部材STIは、X方向又はY方向に隣り合う2つのトランジスタTrの間に設けられる。絶縁部材STIは、半導体基板200の表面(下面)から、半導体基板200の表面及び裏面の間の位置Z1にかけてZ方向に延伸する。
【0089】
絶縁部材STIは、後述する通り、X方向又はY方向に延伸する部分を含む。絶縁部材STIのX方向に延伸する部分のY方向の側面は、XZ断面において、テーパー形状を有する。即ち、この部分の下端におけるY方向の幅(半導体基板200の下面の高さ位置におけるY方向の幅)は、この部分の上端におけるY方向の幅(位置Z1におけるY方向の幅)よりも大きい。同様に、絶縁部材STIのY方向に延伸する部分のX方向の側面は、YZ断面において、テーパー形状を有する。即ち、この部分の下端におけるX方向の幅(半導体基板200の下面の高さ位置におけるX方向の幅)は、この部分の上端におけるX方向の幅(位置Z1におけるX方向の幅)よりも大きい。
【0090】
絶縁部材DTIは、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。絶縁部材DTIは、X方向又はY方向に隣り合う2つのトランジスタTrの間の、Z方向から見て絶縁部材STIと重なる位置に設けられる。絶縁部材DTIは、基本的には、Z方向から見て、絶縁部材STIと重なる位置に設けられる。ただし、絶縁部材STIの一部は、Z方向から見て、絶縁部材DTIと重ならない位置に設けられる。
【0091】
絶縁部材DTIは、半導体基板200の裏面(上面)から、位置Z1にかけてZ方向に延伸する。絶縁部材DTIは、後述する通り、X方向又はY方向に延伸する部分を含む。絶縁部材DTIのX方向に延伸する部分のY方向の側面は、XZ断面において、テーパー形状を有する。即ち、この部分の下端におけるY方向の幅(半導体基板200の下面の高さ位置におけるY方向の幅)は、この部分の上端におけるY方向の幅(位置Z1におけるY方向の幅)よりも大きい。同様に、絶縁部材DTIのY方向に延伸する部分のX方向の側面は、YZ断面において、テーパー形状を有する。即ち、この部分の下端におけるX方向の幅(半導体基板200の下面の高さ位置におけるX方向の幅)は、この部分の上端におけるX方向の幅(位置Z1におけるX方向の幅)よりも大きい。
【0092】
絶縁部材DTIの、X方向に延伸する部分の、上端におけるY方向の幅(半導体基板200の上面の高さ位置におけるY方向の幅)は、絶縁部材STIの、X方向に延伸する部分の、下端におけるY方向の幅(半導体基板200の下面の高さ位置におけるY方向の幅)よりも大きい。また、絶縁部材DTIの、X方向に延伸する部分の、下端におけるY方向の幅(位置Z1におけるY方向の幅)は、絶縁部材STIの、X方向に延伸する部分の、上端におけるY方向の幅(位置Z1におけるY方向の幅)よりも大きい。
【0093】
同様に、絶縁部材DTIの、Y方向に延伸する部分の、上端におけるX方向の幅(半導体基板200の上面の高さ位置におけるX方向の幅)は、絶縁部材STIの、Y方向に延伸する部分の、下端におけるX方向の幅(半導体基板200の下面の高さ位置におけるX方向の幅)よりも大きい。また、絶縁部材DTIの、Y方向に延伸する部分の、下端におけるX方向の幅(位置Z1におけるX方向の幅)は、絶縁部材STIの、Y方向に延伸する部分の、上端におけるX方向の幅(位置Z1におけるX方向の幅)よりも大きい。
【0094】
[チップC
Pの電極層GCの構造]
半導体基板200の下面には、例えば
図7に示すように、絶縁層200Gを介して、電極層GCが設けられている。電極層GCは、半導体基板200の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板200の各領域及び電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、ビアコンタクト電極(コンタクト)CSに接続されている。
【0095】
半導体基板領域200Sは、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0096】
電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0097】
ビアコンタクト電極CSは、例えば
図7に示すように、Z方向に延伸し、上端において半導体基板200又は電極gcの上面に接続されている。ビアコンタクト電極CSと半導体基板200との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。ビアコンタクト電極CSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0098】
[チップC
Pの配線層D0,D1,D2,D3,D4の構造]
例えば
図8に示す様に、D0,D1,D2,D3,D4に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びチップC
P中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0099】
配線層D0,D1,D2は、それぞれ、複数の配線d0,d1,d2を含む。これら複数の配線d0,d1,d2は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0100】
配線層D3,D4は、それぞれ、複数の配線d3,d4を含む。これら複数の配線d3,d4は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0101】
[チップ貼合電極層DBの構造]
チップ貼合電極層DBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップCP中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0102】
チップ貼合電極層DBは、複数の貼合電極PI2を含む。これら複数の貼合電極PI2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜pI2B及び銅(Cu)等の金属膜pI2Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0103】
尚、貼合電極PI1と貼合電極PI2とに銅(Cu)等の金属膜pI1M,pI2Mを用いると、金属膜pI1Mと金属膜pI2Mとが一体化して、互いの境界の確認が困難となる。但し、貼り合せの位置ずれによる貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた形状の歪み、バリア導電膜pI1B,pI2Bの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合せ構造が確認できる。また、貼合電極PI1及び貼合電極PI2をダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。また、貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた場合、これらを形成する各Cuの底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、一般的なCuを用いた配線層では、Cuの上面にCuの酸化防止機能を有する絶縁層(SiNまたはSiCN等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合せの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0104】
[ロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW、選択ゲート線スイッチSGSW及び絶縁部材STIの配置パターン]
次に、
図13及び
図14を参照して、ロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW、選択ゲート線スイッチSGSW及び絶縁部材STIの配置パターンについて説明する。
図13及び
図14は、ロウ制御回路領域R
RC中の、半導体基板200におけるワード線スイッチWLSW、選択ゲート線スイッチSGSW及び絶縁部材STIの配置パターンを例示する模式的な下面図である。尚、
図13及び
図14には、ワード線スイッチWLSWとメモリブロックBLKとの対応関係を説明するために、メモリブロックBLKの境界を示す点線を示している。
【0105】
図13には、共通のソース領域を有する2つのワード線スイッチWLSW(トランジスタ)を示している。以下、この様な2つのワード線スイッチWLSW(トランジスタ)を、「トランジスタグループTG」と呼ぶ。
【0106】
トランジスタグループTGは、
図13に示す様に、Y方向に延伸する半導体領域(拡散領域)301を備える。半導体領域301は、
図7等を参照して説明した半導体基板領域200Sの下面の一部である。半導体領域301は、Y方向に並ぶと共に、X方向に並ぶ。半導体領域301の周囲には、絶縁部材STIが形成されている。即ち、X方向に隣り合う2つの半導体領域301の間には、絶縁部材STIの、上述したY方向に延伸する部分が設けられている。また、Y方向に隣り合う2つの半導体領域301の間には、絶縁部材STIの、上述したX方向に延伸する部分が設けられている。また、半導体領域301のY方向の両端部には、それぞれ、ワード線スイッチWLSWのドレイン端子として機能するビアコンタクト電極CS2が設けられている。また、これらビアコンタクト電極CS2の間には、2つのワード線スイッチWLSWの共通のソース端子として機能するビアコンタクト電極CS1が設けられている。また、ドレイン端子として機能するビアコンタクト電極CS2と、ソース端子として機能するビアコンタクト電極CS1との間には、それぞれ、電極gcが設けられている。電極gcには、ビアコンタクト電極CS3が設けられている。
【0107】
図13に示す様に、Y方向に並ぶ一対の半導体領域301のうち、Y方向正側に設けられたもののY方向負側の端部及びY方向負側に設けられたもののY方向正側の端部から等距離の中間線の位置は、Z方向から見てブロック間絶縁層ST(
図7、
図9)の位置と一致する。また、半導体領域301のY方向における中心線の位置も、Z方向から見てブロック間絶縁層ST(
図7、
図9)の位置と一致する。Y方向に並ぶブロック間絶縁層STの間隔は、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチ(
図13のYpitch)と同じである。即ち、本実施形態においては、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチは、メモリブロックBLKのY方向におけるピッチと同じである。ワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKのY方向におけるピッチが同じであることを、1Tr/1BLKと表記する場合がある。
【0108】
尚、
図13は、ワード線スイッチWLSWの構造を示しているが、選択ゲート線スイッチSGSWの構造も、ワード線スイッチWLSWの構造と同様としてもよい。
【0109】
図14には、複数のワード線スイッチWLSWのうち、Z方向から見てメモリブロックBLK(1)と重なる位置に設けられ、且つ、X方向負側のロウ制御回路領域R
RCに設けられたものを、ワード線スイッチWLSW(1L)として示している。同様に、複数のワード線スイッチWLSWのうち、Z方向から見てメモリブロックBLK(2)~メモリブロックBLK(6)と重なる位置に設けられ、且つ、X方向負側のロウ制御回路領域R
RCに設けられたものを、ワード線スイッチWLSW(2L)~ワード線スイッチWLSW(6L)として示している。
【0110】
また、
図14には、複数のワード線スイッチWLSWのうち、Z方向から見てメモリブロックBLK(1)と重なる位置に設けられ、且つ、X方向正側のロウ制御回路領域R
RCに設けられたものを、ワード線スイッチWLSW(1R)として示している。同様に、複数のワード線スイッチWLSWのうち、Z方向から見てメモリブロックBLK(2)~メモリブロックBLK(6)と重なる位置に設けられ、且つ、X方向正側のロウ制御回路領域R
RCに設けられたものを、ワード線スイッチWLSW(2R)~ワード線スイッチWLSW(6R)として示している。
【0111】
図11を参照して説明した様に、メモリブロックBLK(1)中の複数の導電層110に接続された複数のビアコンタクト電極CCは、メモリホール領域R
MHに対して、X方向負側に設けられている。ここで、これら複数のビアコンタクト電極CCは、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(1L)及びX方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(2L)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0112】
同様に、メモリブロックBLK(2)中の複数の導電層110に接続された複数のビアコンタクト電極CC(
図11参照)は、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(1R)及びX方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(2R)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0113】
同様に、メモリブロックBLK(3)中の複数の導電層110に接続された複数のビアコンタクト電極CC(
図11参照)は、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(3R)及びX方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(4R)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0114】
同様に、メモリブロックBLK(4)中の複数の導電層110に接続された複数のビアコンタクト電極CC(
図11参照)は、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(3L)及びX方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(4L)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0115】
この様に、一対のメモリブロックBLKの幅に設けられた一対のワード線スイッチWLSWは、同じメモリブロックBLKの導電層110(ワード線WL)に接続される。尚、選択ゲート線SGと選択ゲート線スイッチSGSWとの接続についても同様である。
【0116】
[ロウ制御回路領域R
RCにおける絶縁部材DTIの配置パターン]
次に、
図15~
図18を参照して、ロウ制御回路領域R
RCにおける絶縁部材DTIの配置パターンについて説明する。
図15は、ロウ制御回路領域R
RC中の、半導体基板200における絶縁部材DTIの配置パターンを例示する模式的な下面図である。
図16、
図17及び
図18は、ロウ制御回路領域R
RC中の、半導体基板200における絶縁部材DTIの配置パターンを例示する模式的な断面図である。尚、
図15~
図18はチップC
Pの一部の構成について説明するための図であり、具体的な構成の数、形状、配置等を示すものでは無い。
図16は、
図15に示す構成をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図17は、
図15に示す構成をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図18は、
図15に示す構成をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
【0117】
図15は、基本的には、
図13を参照して説明した構成と同様の構成を示している。ただし、
図15には、絶縁部材DTIを図示している。図示の例では、X方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGが、絶縁部材DTIの上記X方向に延伸する部分2つと、絶縁部材DTIの上記Y方向に延伸する部分2つと、によって囲まれている。即ち、絶縁部材DTIの上記X方向に延伸する部分は、トランジスタグループTGのY方向の両端側に形成され、X方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGに沿ってX方向に延伸する。また、絶縁部材DTIの上記Y方向に延伸する部分は、Z方向から見てX方向に並ぶトランジスタグループTGのX方向の両端側に形成され、絶縁部材DTIの上記X方向に延伸する部分に接続されている。絶縁部材DTIの上記X方向に延伸する部分は、Y方向に隣り合う2つのトランジスタグループTGの間において、X方向に延伸している。
【0118】
また、
図15には、ボディコンタクト領域302を図示している。ボディコンタクト領域302は、
図7等を参照して説明した半導体基板領域200Sの下面の一部に設けられている。ボディコンタクト領域302の下面には、
図16及び
図18に示す様に、チップC
Pの表面コンタクトとして機能するビアコンタクト電極CS(コンタクト)が設けられている。ボディコンタクト領域302は、接触用の不純物領域であり、ホウ素(B)等のP型の不純物即ち半導体基板領域200Sと同一の導電型の不純物を含む。ボディコンタクト領域302の不純物濃度は、半導体基板領域200Sの不純物濃度よりも高い。
【0119】
ボディコンタクト領域302は、
図15、
図16及び
図18に示す様に、X方向に並ぶトランジスタグループTGの一端側において、X方向に並ぶトランジスタグループTGと離間して設けられている。ボディコンタクト領域302は、絶縁部材DTIに囲まれている、X方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGに対応するワード線スイッチWLSWのチャネル領域と電気的に接続される。
【0120】
ここで、ロウ制御回路領域R
RCでは、上述の通り、絶縁部材DTIが、Z方向から見て絶縁部材STIの一部と重なる位置に設けられている。これにより、半導体基板領域200Sは、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して、複数の領域に分断されている。即ち、絶縁部材DTIは、
図15~
図17に示す様に、Y方向に隣接する、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSWの基板領域同士を電気的に分離する。
【0121】
本実施形態では、
図16に示す様に、半導体基板領域200Sが、X方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGに対応する領域にわたってX方向に延伸する。ここで、例えば、
図14を参照して説明した例では、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(2L)と、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(3L)とが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの一つを共有することとなる。ここで、上述の通り、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(2L)は、メモリブロックBLK(1)中の複数の導電層110に電気的に接続される。また、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(3L)は、メモリブロックBLK(4)中の複数の導電層110に電気的に接続される。この様に、1つのメモリブロックBLKに対応する全てのワード線スイッチWLSWの半数、及び、他の一つのメモリブロックBLKに対応する全てのワード線スイッチWLSWの半数は、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの一つを共有することとなる。これら複数のワード線スイッチWLSWの基板電圧は、共通する。
【0122】
一方、
図17に示す様に、半導体基板領域200Sは、Y方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGに対応する領域毎にY方向に分断されている。ここで、例えば、
図14を参照して説明した例では、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(1L)と、X方向に並ぶ複数のワード線スイッチWLSW(2L)とが、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断されることとなる。この様に、1つのトランジスタグループTGに対応する2つのワード線スイッチWLSWと、この1つのトランジスタグループTGとY方向の位置が異なる他のトランジスタグループTGに対応する2つのワード線スイッチWLSWとは、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域を共有しない。1つのトランジスタグループTGに対応する2つのワード線スイッチWLSWの基板電圧と、この1つのトランジスタグループTGとY方向の位置が異なる他のトランジスタグループTGに対応する2つのワード線スイッチWLSWの基板電圧とは、お互いに独立して制御可能である。
【0123】
[製造方法]
次に、
図19~
図35を参照して、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明する。
図19~
図26は、チップC
PのCMOS部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図27及び
図28は、ウェハW
M,W
Pを貼合する製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図29~
図35は、チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。尚、
図19~
図35は、
図7に対応する断面を示している。
【0124】
[チップC
PのCMOS部分の製造方法]
以下、チップC
PのCMOS部分即ちウェハW
Pの製造方法について説明する。まず、
図19に示す様に、半導体基板200の表面に、絶縁層200Gを形成する。この工程は、例えば、熱酸化等によって行われる。また、絶縁層200Gの表面に、ポリシリコン等を含む導電層gcAを形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行われる。
【0125】
次に、例えば
図20に示す様に、
図7を参照して説明した絶縁部材STIに対応する位置に、開口STIAを形成する。開口STIAは、Z方向、及び、X方向又はY方向に延伸し、導電層gcA及び絶縁層200Gを貫通し、半導体基板200の表面の一部を分断する。この工程は、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)等の方法によって行われる。
【0126】
次に、半導体基板200に、絶縁層を形成する。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって行われる。この工程では、開口STIAは、絶縁層によって埋め込まれる。そして、形成した絶縁層の一部を除去して、例えば
図21に示す様に、複数の絶縁部材STIを形成する。形成した絶縁層の一部を除去する工程は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の方法によって行われる。
【0127】
次に、例えば
図22に示す様に、導電層gcAの表面に、タングステン(W)等を含む導電層gcAを形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行われる。
【0128】
次に、例えば
図23に示す様に、導電層gcA、及び、絶縁層200Gの一部を除去して、半導体基板200の表面を露出させて、複数の電極gcを形成する。この工程は、例えば、RIE等によって行われる。
【0129】
次に、例えば
図24に示す様に、露出された半導体基板200の表面に、例えばリン(P)等のN型の不純物を注入して、半導体領域301を形成する。この工程は、例えば、イオン注入等によって行われる。
【0130】
次に、例えば
図25に示す様に、ダマシンプロセスによって、ビアコンタクト電極CSを形成する。
【0131】
その後、
図7を参照して説明した配線層D2,D3,D4,DBをダマシンプロセスによって形成する。なお、
図15に示すボディコンタクト領域302と接続される半導体基板領域200Sには、露出された半導体基板200の裏面から、例えば、PD(Plasma Doping)によってリン(P)等のN型の不純物を注入してもよい。例えばPD(Plasma Doping)のように低温のプロセス処理が可能な工程を用いることで、周辺構造への影響を抑制することができる。このようにして、例えば
図26に示す様に、チップC
Pに対応するウェハW
Pを製造する。
【0132】
[ウェハW
P,W
Mの貼合以降の工程]
図27に示す様に、チップC
Mに対応するウェハW
Mを製造する。また、ウェハW
P表面側とウェハW
M表面側とが対向するように、ウェハW
P及びウェハW
Mを配置する。
【0133】
次に、
図28に示す様に、貼合電極P
I2と貼合電極P
I1を接合して、2枚のウェハW
M,W
Pを貼合する。この貼合工程は、例えば、貼合電極に対する直接接合法によって行われる。
【0134】
[チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法]
次に、例えば
図29に示す様に、
図7を参照して説明した絶縁部材DTIに対応する位置に、開口DTIAを形成する。開口DTIAは、Z方向、及び、X方向又はY方向に延伸し、半導体基板200を貫通し、絶縁部材STIの上端を露出させる。尚、この工程は、例えば、RIE等の方法によって行われる。
【0135】
次に、半導体基板200に、絶縁層を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行われる。この工程では、開口DTIAは、絶縁層によって埋め込まれる。そして、形成した絶縁層の一部を除去して、例えば
図30に示す様に、複数の絶縁部材DTIを形成する。形成した絶縁層の一部を除去する工程は、例えば、CMP等の方法によって行われる。
【0136】
次に、例えば
図31に示す様に、半導体基板200の
図7を参照して説明した開口VZに対応する位置に、開口VZaを形成する。この開口VZaは、Z方向、及び、X方向又はY方向に延伸し、半導体基板200を貫通し、複数のビアコンタクト電極CSの上端を露出させる。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行われる。
【0137】
次に、例えば
図32に示す様に、開口VZaの底面、内周面、及び半導体基板200の上面に、酸化シリコン等の絶縁層201を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行われる。
【0138】
次に、例えば
図33に示す様に、開口VZaの底面の絶縁層201を除去し、複数のビアコンタクト電極CSの上端を露出させる。この工程は、例えば、RIEによるエッチバック等の方法によって行われる。
【0139】
次に、例えば
図34に示す様に、開口VZaの底面、内周面及び開口VZaの周辺部に、裏面配線MZを形成する。この工程は、例えば、CVDによる成膜及びエッチング等による形成によって行われる。
【0140】
次に、例えば
図35に示す様に、
図34に示した構造の上面に絶縁層202を形成し、絶縁層202の領域VZに開口を形成する。この工程は、例えば、CVD、及びRIE等の方法によって行われる。
【0141】
この様な裏面加工を利用して、チップCPの半導体基板200部分の製造が行われる。
【0142】
[比較例]
次に、
図36及び
図37を参照して、比較例に係る半導体記憶装置について説明する。
図36及び
図37は、比較例に係るメモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【0143】
比較例においては、基体層LSBが、チップCPではなく、チップCMに設けられている。
【0144】
また、比較例に係る半導体基板200には、絶縁部材DTIが設けられていない。
【0145】
図4等を参照して説明した様に、ワード線WLには、それぞれ、ワード線スイッチWLSWが接続される。また、選択ゲート線SGには、それぞれ、選択ゲート線スイッチSGSWが接続される。ここで、例えばメモリセルMCへの書き込み動作に際して、ワード線WLには、比較的大きい電圧(プログラム電圧)が供給される場合があるため、ワード線スイッチWLSWとしては、高耐圧のトランジスタが使用される。
【0146】
また、ワード線WLの数が増大すると、ワード線スイッチWLSWの数も増大する。チップCP内にロウ制御回路RowCを収めるためには、ワード線スイッチWLSWの縮小が必要となる。しかし、ワード線スイッチWLSWを縮小することで、オン抵抗Ronが上昇する。また、ロウ制御回路RowCを縮小するためには、絶縁部材STIを縮小することも考えられる。比較例に係るメモリダイMDの場合、絶縁部材STIを縮小すると、ワード線スイッチWLSWの使用時に、チャネル(反転層)が絶縁部材STIよりも深い領域まで形成されてしまい、隣接するワード線スイッチWLSWの間でリークが発生してしまう場合がある。
【0147】
そこで、絶縁部材STIのX方向(またはY方向)の幅を変えずに絶縁部材STIよりZ方向に長い絶縁部材を形成することが考えられる。この場合、半導体基板200をZ方向において、絶縁部材STIとなる溝よりも深い溝を加工し、加工した深い溝に絶縁膜をボイド(空隙)なく埋める工程が必要となる。しかし、この加工の難易度は高く、製造コストが増大してしまう場合がある。例えば、絶縁部材STIをZ方向により長く形成する場合、加工する溝は深い位置ほど径が狭くなるテーパー形状となってしまう。このため、絶縁部材STIのX方向(またはY方向)の幅を変えずにZ方向の長さを長くすることは難しい。
【0148】
[第1実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第1実施形態に係る半導体記憶装置では、例えば
図15等を参照して説明した様に、ワード線スイッチWLSWの間に設けられる絶縁部材STIの一部と、Z方向から見て重なる位置に絶縁部材DTIが形成される。この様な構成によれば、ワード線スイッチWLSWが縮小された場合でも、絶縁部材STIよりもZ方向に長い絶縁領域(絶縁部材STI、DTI)を形成することができるので、隣接するワード線スイッチWLSWの間のリーク発生を抑制できる。例えば、書き込み動作においてワード線スイッチWLSWにプログラム電圧を供給しても、隣接するワード線スイッチWLSWの間のリーク発生を抑制することができる。
【0149】
また、本実施形態では、例えば
図15~
図18等を参照して説明した様に、ワード線スイッチWLSWの間に設けられる絶縁部材STIの全てではなく、絶縁部材STIのうちの一部の位置に絶縁部材DTIが形成される。この様な構成では、半導体基板領域200Sが絶縁部材DTIで分断されていない領域において、ワード線スイッチWLSWの間のチャネル領域が連続する。従って、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTIで分断された複数の領域毎にボディコンタクト領域302を設けることにより、ワード線スイッチWLSWの基板電圧を、好適に制御可能である。
【0150】
また、例えば、ワード線スイッチWLSWのソース電極に負の電圧を供給する場合、ボディコンタクト領域302中の電圧が接地電圧VSS程度だと、ワード線スイッチWLSWのソース電極とボディコンタクト領域302中の電圧とが正バイアスの関係となってしまい、メモリダイMDが破壊されてしまうおそれがある。これを防ぐためには、半導体基板領域200Sにも負の電圧を供給することが考えられる。しかしながら、半導体基板領域200SがメモリダイMD全体にわたって連続している場合、半導体基板領域200S全体に負の電圧を供給すると、消費電力が増大したり、動作速度が低下したりするおそれがある。この点、本実施形態では、半導体基板領域200Sが、絶縁部材STI,DTIによって複数の領域に分断されているため、メモリダイMDの動作に際して、半導体基板領域200Sの一部に選択的に負の電圧を供給することが可能である。
【0151】
更に、絶縁部材STIと絶縁部材DTIとは別プロセスで形成でき、絶縁部材DTIは裏面加工で形成できる。この様な構成により、絶縁部材STIをZ方向に長く形成する場合と比較して、容易に形成することができる。また、絶縁部材DTIのX方向(またはY方向)の幅は、絶縁部材STIのX方向(またはY方向)の幅よりも大きく形成することができるので、半導体基板200の裏面から、絶縁部材STIの位置まで容易に形成できる。即ち、隣接するワード線スイッチWLSWの間を電気的に分離する絶縁領域を加工するための加工寸法が緩和できるので、製造コストが抑制できる。
【0152】
[第2実施形態]
図38、
図39及び
図40は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図38~
図40は、
図16~
図18に対応しており、
図16、
図17及び
図18と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。尚、
図38、
図39及び
図40はチップC
Pの一部の構成について説明するための図であり、具体的な構成の数、形状、配置等を示すものでは無い。
図38は、
図15に示すA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図39は、
図15に示すB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図40は、
図15に示すC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
【0153】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、
図38、
図39及び
図40に示す様に、第1実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、ロウ制御回路領域R
RCにおいて半導体基板領域200SにN型ウェル領域200N(ウェル)及びP型ウェル領域200PP,200P(ウェル)が設けられている点で異なる。
【0154】
半導体基板200は、上述の通り、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)を含む。N型ウェル領域200Nは、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む。P型ウェル領域200PPは、Z方向から見てN型ウェル領域200Nと重なる位置に設けられ、ホウ素(B)等のP型の不純物を含む。P型ウェル領域200Pは、Z方向から見てP型ウェル領域200PPと重なる位置に設けられ、ホウ素(B)等のP型の不純物を含む。P型ウェル領域200PPの不純物濃度は、P型ウェル領域200Pの不純物濃度よりも高い。P型ウェル領域200Pには、複数のワード線スイッチWLSW(トランジスタ)が設けられる。
【0155】
この様な構成によれば、チップCPの表面コンタクトとして機能するビアコンタクト電極CSと半導体基板領域200SにN型ウェル領域200N及びP型ウェル領域200PPとが設けられることで、裏面加工の欠陥(チップCPの半導体基板200部分の製造時に生じる欠陥)やチップCPの裏面電位の影響を抑制することができる。
【0156】
尚、本実施形態においては、ボディコンタクト領域302が、半導体基板領域200Sではなく、P型ウェル領域200Pに接している。
【0157】
また、
図38には、ボディコンタクト領域303,304,305を図示している。ボディコンタクト領域303,304,305の下面には、チップC
Pの表面コンタクトとして機能するビアコンタクト電極CS(コンタクト)が設けられている。
【0158】
ボディコンタクト領域303は、半導体基板200の下面に設けられ、半導体基板領域200Sに接する。ボディコンタクト領域303は、接触用の不純物領域であり、ホウ素(B)等のP型の不純物即ち半導体基板領域200Sと同一の導電型の不純物を含む。ボディコンタクト領域303の不純物濃度は、半導体基板領域200Sの不純物濃度よりも高い。
【0159】
ボディコンタクト領域304は、半導体基板200の下面に設けられ、N型ウェル領域200Nに接する。ボディコンタクト領域304は、接触用の不純物領域であり、リン(P)等のN型の不純物即ちN型ウェル領域200Nと同一の導電型の不純物を含む。ボディコンタクト領域304の不純物濃度は、N型ウェル領域200Nの不純物濃度よりも高い。
【0160】
ボディコンタクト領域305は、半導体基板200の下面に設けられ、P型ウェル領域200PPに接する。ボディコンタクト領域305は、接触用の不純物領域であり、ホウ素(B)等のP型の不純物即ちP型ウェル領域200PPと同一の導電型の不純物を含む。ボディコンタクト領域305の不純物濃度は、P型ウェル領域200PPの不純物濃度よりも高い。
【0161】
半導体基板領域200S、N型ウェル領域200N及びP型ウェル領域200PPは、それぞれ、半導体基板200に設けられたボディコンタクト領域303,304,305を介して、ビアコンタクト電極CSに接続されている。
【0162】
[第3実施形態]
図41は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な下面図である。
図42及び
図43は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図41、
図42及び
図43は、
図15、
図16及び
図17に対応しており、
図15、
図16及び
図17と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。尚、
図42及び
図43はチップC
Pの一部の構成について説明するための図であり、具体的な構成の数、形状、配置等を示すものでは無い。
図42は、
図41に示すD-D´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図43は、
図41に示すE-E´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
【0163】
第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第1実施形態の構成では、ボディコンタクト領域302が半導体基板200の下面に設けられていた(
図15及び
図16)。これに対し、第3実施形態の構成では、ボディコンタクト領域302が、
図42及び
図43に示す様に、半導体基板200の上面(裏面)に設けられている。そして、ボディコンタクト領域302の上面には、チップC
Pの裏面コンタクトとして機能するビアコンタクト電極CRが設けられている。ビアコンタクト電極CRは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板200のボディコンタクト領域302に接続されている。これらのビアコンタクト電極CRは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0164】
この様な構成によれば、第1実施形態の構成と比較して、X方向に並ぶトランジスタグループTGの一端側に設けられていたボディコンタクト領域を削減することが可能である。
【0165】
[第4実施形態]
以上、第1実施形態~第3実施形態において、絶縁部材DTIの配置パターンについて説明した。しかしながら、以上において説明した構成はあくまでも例示に過ぎず、絶縁部材DTIの具体的な配置パターンは適宜調整可能である。以下、第4実施形態として、絶縁部材DTIの他の配置パターンを例示する。
【0166】
図44は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図45、
図46、
図47及び
図48は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図45、
図46、
図47及び
図48において、
図15、
図16及び
図17と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図44~
図48はチップC
Pの一部の構成について説明するための図であり、具体的な構成の数、形状、配置等を示すものでは無い。
図45は、
図44に示すF-F´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図46は、
図44に示すG-G´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図47は、
図44に示すH-H´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図48は、
図44に示すG-G´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
【0167】
第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0168】
ただし、第1実施形態の構成では、例えば
図15を参照して説明した様に、X方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの一つを共有していた。しかしながら、例えば
図44~
図46に示す様に、X方向に並ぶ複数のトランジスタグループTGが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域を共有していなくても良い。
図45には、X方向に並ぶ5つのワード線スイッチWLSWを例示している。
図45の例では、このうちの2つが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの一つを共有している。また、残りの3つが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの他の一つを共有している。しかしながら、これら2つの領域は、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して、お互いに分断されている。
【0169】
また、第1実施形態の構成では、例えば
図15を参照して説明した様に、Y方向の位置が異なる2つのトランジスタグループTGが、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域を共有していなかった。しかしながら、例えば
図44及び
図48に示す様に、Y方向の位置が異なる2つのトランジスタグループTGが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの一つを共有していても良い。
図48には、Y方向に並ぶ3つのトランジスタグループTGを例示している。
図48の例では、このうちの2つが、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された領域のうちの一つを共有している。一方、残りの一つは、他の二つから、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断されている。
【0170】
尚、
図44~
図48の例においても、半導体基板領域200Sの、絶縁部材DTI及び絶縁部材STIを介して分断された複数の領域に、ボディコンタクト領域302が設けられている。
【0171】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、以上において説明した構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。
【0172】
図49は、その他の実施形態に係るチップC
Pの半導体基板200部分の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【0173】
チップC
Pの半導体基板200部分の製造方法では、
図29及び
図31を用いて、開口DTIAと開口VZaとを別の工程で形成する例について説明したが、これに限らない。例えば
図49に示す様に、開口DTIAと開口VZaとを同時に形成してもよい。尚、この工程は、上述したように、例えば、RIE等の方法によって行われる。
【0174】
また、
図7及び
図8では、貼合電極P
I2と配線d4はビアコンタクト電極を介さずに接続されているが、ビアコンタクト電極を介して接続しても良い。
【0175】
また、以上の実施形態では、NANDフラッシュメモリに適用する例について説明した。しかしながら、本明細書において説明した技術は、例えば三次元型のNORフラッシュメモリ等の半導体記憶装置以外の構成にも適用可能である。また、本明細書において説明した技術は、半導体記憶装置以外の半導体装置の構成にも適用可能である。
【0176】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0177】
110…導電層、120…半導体柱、200…半導体基板、CM…チップ、CP…チップ、BL…ビット線、CC…ビアコンタクト電極、CS…ビアコンタクト電極、M0,M1,MA…配線層、D0,D1,D2…配線層、MB,DB…チップ貼合電極層、WLSW…ワード線スイッチ、PI1…貼合電極、PI2…貼合電極、STI…絶縁領域、DTI…絶縁領域。