(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133887
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】センタ装置及び対話システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043889
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 裕之
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】個々のユーザに応じた対話を行うことが可能な対話システムを提供する。
【解決手段】センタ装置は、ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する判定手段と、前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報を表示するプロファイル表示手段と、を具備する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する判定手段と、
前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報を表示するプロファイル表示手段と、
を具備するセンタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンタ装置であって、
前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段をさらに具備し、
前記プロファイル表示手段は、前記プロファイル情報を前記メッセージ表示手段にて表示された前記ユーザメッセージと共に表示する
センタ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のセンタ装置であって、
前記ユーザメッセージに含まれる語句であって、前記プロファイル情報に関する語句である特徴語句を抽出する抽出手段と、
前記特徴語句をオペレータが選択可能に前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段と、
をさらに具備し、
前記判定手段は、前記オペレータから前記特徴語句が選択されると、選択された前記特徴語句に関する前記プロファイル情報を、前記ユーザメッセージに関するプロファイル情報として判定する
センタ装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記記憶手段は、前記プロファイル情報と、前記プロファイル情報に関する特徴語句とを対応付けた対応情報をさらに記憶し、
前記判定手段は、前記対応情報に基づいて、前記ユーザメッセージに含まれる前記特徴語句に対応付けられた前記プロファイル情報を、前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報として判定する
センタ装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記判定手段は、前記ユーザメッセージの特徴量を算出し、前記特徴量に基づき、前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する
センタ装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のセンタ装置であって、
前記判定手段は、前記ユーザメッセージの感情極性を算出し、前記感情極性に基づき、前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する
センタ装置。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のセンタ装置であって、
前記プロファイル情報は、
前記ユーザの生活習慣に関する行動に関し、前記行動が生じる時間帯ごとの確率により表現される確率データである
センタ装置。
【請求項8】
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージに含まれる語句であって、前記プロファイル情報に関する語句である特徴語句を抽出する抽出手段と、
前記特徴語句をオペレータが選択可能に前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段と、
を具備するセンタ装置。
【請求項9】
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能なセンタ装置と、
を具備する対話システムであって、
前記センタ装置は、
前記端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する判定手段と、
前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報を表示するプロファイル表示手段と、
を有する
対話システム。
【請求項10】
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能なセンタ装置と、
を具備する対話システムであって、
前記センタ装置は、
前記端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージに含まれる語句であって、前記プロファイル情報に関する語句である特徴語句を抽出する抽出手段と、
前記特徴語句をオペレータが選択可能に前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段と、
を有する
対話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声の入出力機能を持つ端末装置を用いた対話システム及びセンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
孤独感は認知症等の重大な健康リスクにつながる要因であるが、独居世帯(特に高齢者の独居)の増加と昨今の感染症蔓延リスクの増大とが相まって孤独感が生じやすい状況にあり、孤独感の解消は重要な社会課題となっている。孤独感の解消には雑談等の日常対話が有効と考えられる。
【0003】
そこで、近年、特に独居の高齢者宅に音声の入出力機能を持つ機器(例えば対話型ロボット)を設置して、当該機器を介して音声での雑談等の日常対話をすることで孤独感を解消するコミュニケーションサービスが提案されている。
【0004】
そのシステムでは、ユーザが自宅の機器に話しかけると、その内容が音声認識技術により文字列化されて、サービスを提供する業者の管理センタにメッセージ送信される。管理センタでは、当該メッセージの受信に気が付いたオペレータがセンタ装置に返事を入力して、それがユーザ側に返信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-157419号公報
【特許文献2】特開2007-286376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人手を介した対話サービスや、コミュニケーションロボットによる自動応答対話サービスが行われている。しかし、労働力人口減少に伴う人手不足も同様に社会課題となっており、オペレータの人手による対応には限界がある。オペレータがユーザに対する返信を入力する際、オペレータのこれまでユーザと交わしてきたメッセージの記憶や経験に基づいて、当該ユーザからのメッセージを理解したり、ユーザの状態を判断したうえで、返信メッセージを作成しなければならない。しかし、一人のオペレータが対応するユーザ数が増えるほどこのような対応は困難となり、またオペレータの交代などに伴う引継ぎが困難となるなどの運用負荷が大きい。一方、人手を介さないコミュニケーションロボットは、対話の質が低い(不適切な応答、定型的な応答など)ことにより、ユーザから敬遠される可能性がある。
【0007】
特許文献1は、オペレータの応答候補を分類(肯定、反論、話題転換)ごとに評価値とともに表示することで、オペレータの応答を支援するUIを提案する。しかしながら、ユーザからのメッセージに対してオペレータが応答する場合、オペレータが逐一、応答メッセージを考えることは負担が大きく、また、オペレータによって応答メッセージの質がバラバラになるおそれがある。特許文献1は、オペレータに対して応答候補を表示するが、オペレータがそれぞれの候補を確認して応答メッセージを決定する必要があるため、依然としてオペレータに負担がある。
【0008】
特許文献2は、ロボットが応答メッセージを決定できない場合に遠隔支援装置に応答の支援を依頼することで、自動応答とオペレータを介する応答とを使い分ける技術を提案する。しかしながら、雑談等の日常対話のように応答メッセージの適切性についてロボットによる判定が容易ではない対話では、都度、オペレータ対応に切替えるとオペレータの負担が過剰になるおそれがある。
【0009】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、個々のユーザに応じた対話を行うことが可能な対話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態に係るセンタ装置は、
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する判定手段と、
前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報を表示するプロファイル表示手段と、
を具備する。
【0011】
本実施形態によれば、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報をオペレータに対して視覚的に表示する。このため、ユーザの思いに沿った応答や、ユーザに寄り添った対話を、自然とオペレータが行えるようになる。
【0012】
センタ装置は、
前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段をさらに具備し、
前記プロファイル表示手段は、前記プロファイル情報を前記メッセージ表示手段にて表示された前記ユーザメッセージと共に表示してもよい。
【0013】
これにより、オペレータは、ユーザのプロファイルと照らし合わせて、ユーザから発せられたユーザメッセージを理解及び解釈しやすい。その結果、オペレータは、ユーザの状態に適した応答メッセージの作成を行うことが容易となる。
【0014】
センタ装置は、
前記ユーザメッセージに含まれる語句であって、前記プロファイル情報に関する語句である特徴語句を抽出する抽出手段と、
前記特徴語句をオペレータが選択可能に前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段と、
をさらに具備し、
前記判定手段は、前記オペレータから前記特徴語句が選択されると、選択された前記特徴語句に関する前記プロファイル情報を、前記ユーザメッセージに関するプロファイル情報として判定してもよい。
【0015】
オペレータが選択した特徴語句に対応付けられたプロファイル情報を判定することで、オペレータの意図にあった、適切なプロファイル情報を表示させて利用することが可能となる。
【0016】
前記記憶手段は、前記プロファイル情報と、前記プロファイル情報に関する特徴語句とを対応付けた対応情報をさらに記憶し、
前記判定手段は、前記対応情報に基づいて、前記ユーザメッセージに含まれる前記特徴語句に対応付けられた前記プロファイル情報を、前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報として判定してもよい。
【0017】
ユーザメッセージ中の特徴語句に対応付けられたプロファイル情報を判定することで、適切なプロファイル情報を表示させて利用することが可能となる。
【0018】
前記判定手段は、前記ユーザメッセージの特徴量を算出し、前記特徴量に基づき、前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定してもよい。
【0019】
これにより、ユーザメッセージの特徴にあったプロファイル情報を判定できる。
【0020】
前記判定手段は、前記ユーザメッセージの感情極性を算出し、前記感情極性に基づき、前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定してもよい。
【0021】
これにより、ユーザの感情の機微にあったプロファイル情報を判定できる。
【0022】
前記プロファイル情報は、
前記ユーザの生活習慣に関する行動に関し、前記行動が生じる時間帯ごとの確率により表現される確率データでもよい。
【0023】
このように、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報を、グラフやリストなどのグラフィックな態様で、オペレータに対して視覚的に表示する。これにより、オペレータは、ユーザのプロファイルを視覚的に容易に理解することができ、ユーザから発せられたユーザメッセージを理解及び解釈しやすい。
【0024】
本発明の一形態に係るセンタ装置は、
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージに含まれる語句であって、前記プロファイル情報に関する語句である特徴語句を抽出する抽出手段と、
前記特徴語句をオペレータが選択可能に前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段と、
を具備する。
【0025】
本発明の一形態に係る対話システムは、
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能なセンタ装置と、
を具備する対話システムであって、
前記センタ装置は、
前記端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージが前記プロファイル情報の少なくとも一つに関するか否かを判定する判定手段と、
前記ユーザメッセージに関する前記プロファイル情報を表示するプロファイル表示手段と、
を有する。
【0026】
本発明の一形態に係る対話システムは、
ユーザと双方向でメッセージのやり取りを行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能なセンタ装置と、
を具備する対話システムであって、
前記センタ装置は、
前記端末装置から、ユーザメッセージを受信する受信手段と、
前記ユーザに関する1以上のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段にて受信した前記ユーザメッセージに含まれる語句であって、前記プロファイル情報に関する語句である特徴語句を抽出する抽出手段と、
前記特徴語句をオペレータが選択可能に前記ユーザメッセージを表示するメッセージ表示手段と、
を有する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、個々のユーザに応じた対話を行うことが可能な対話システムを提供することができる。
【0028】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る対話システムの構成を示した図である。
【
図2】上記対話システムが有するセンタ装置のハードウェア構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0031】
1.対話システムの構成
【0032】
図1は、本実施形態に係る対話システムの構成を示した図である。
【0033】
対話システム10は、主に雑談等の日常会話が行われるコミュニケーションサービスを実現する。対話システム10は、応答をマニュアル化しにくく、多様な応答が想定され、また、複数のユーザとの継続的な雑談等の日常会話を実現する。対話システム10は、オペレータの人手を介さずとも実現可能な製品案内や契約手続き等での自動応答システムとは異なり、共感等の感情や意思が重要であるため対話の質を担保するにはオペレータの人手が欠かせない。
【0034】
対話システム10は、対話システム10によるサービスを提供する事業者により管理されるサーバ装置としてのセンタ装置100及びセンタ装置100と接続されたオペレータ装置160と、センタ装置100と通信可能にネットワーク接続された複数の端末装置200とで構成される。
【0035】
端末装置200は、本システムのユーザ(例えば高齢者等)宅に設置される。端末装置200は、入力手段201と、メッセージ送信手段202と、応答出力手段203と、を有する。入力手段201は、マイクMからユーザからのメッセージである音声データのユーザメッセージを入力する。メッセージ送信手段202は、入力手段201にて入力されたユーザメッセージを、ネットワークを通じてセンタ装置100に送信する。応答出力手段203は、ユーザメッセージに対する応答メッセージを、ネットワークを通じてセンタ装置100から受信し、スピーカSからユーザに音声で出力する。
【0036】
端末装置200は、少なくとも上記の構成要素を有していればよいが、ユーザにとって人との対話(特に、雑談等の日常会話)を想起でき、親しみを持てるような外見として小型の人形を模した対話ロボットであってもよい。
【0037】
センタ装置100は、本対話システム10によるサービスを提供する事業者により管理され、少なくとも受信手段101と、抽出手段102と、メッセージ表示手段103と、判定手段104と、プロファイル表示手段105と、応答送信手段106と、を有する。またそれら手段を制御する制御手段を有する。これらは適宜周知なハードウェア(いわゆるサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ)や記憶手段140に記憶されるソフトウェアにより実現される。
【0038】
記憶手段140は、1以上のプロファイル情報141及び対応情報142を記憶する。1以上のプロファイル情報141は、ユーザに関する情報であるプロファイルを表示するための情報であり、ユーザ毎に個別に異なり、具体例は後で説明する。対応情報142は、プロファイル情報141と、プロファイル情報141に関する特徴語句とを対応付けた情報である。
【0039】
オペレータ装置160は、本対話システム10によるサービスを提供する事業者により管理され、センタ装置100が受信したユーザメッセージに対する応答メッセージの候補である応答候補を、オペレータに向けて表示する。センタ装置100とオペレータ装置160とは、サーバとクライアントとの関係にある。
【0040】
なお、センタ装置100とオペレータ装置160とをハードウェア的に一体化してもよい。
【0041】
2.センタ装置のハードウェア構成
【0042】
図2は、上記センタ装置100のハードウェア構成を示した図である。
【0043】
同図に示すように、センタ装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0044】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらセンタ装置100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種評価指標などのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0045】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0046】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0047】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。
【0048】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSのほか、スケジュール情報や、各種フラグ類、評価指標類、センタ装置100の各手段を実現するソフトウェア類が記憶される。また、記憶部18は、応答メッセージ生成を含む端末装置200とのメッセージのやり取りのためのアプリケーションその他のプログラム及びデータベースを記憶している。
【0049】
通信部19は、例えばEthernet(登録商標)用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記端末装置200との間の通信処理を担う。
【0050】
オペレータ装置160及び端末装置200のハードウェア構成も基本的には上記センタ装置100のハードウェア構成と同様であるが、端末装置200は、上述のように前面にマイクM及びスピーカSを有する。
【0051】
3.対話システムの動作フロー
【0052】
【0053】
端末装置200の入力手段201は、マイクMからユーザからのメッセージであるユーザメッセージを入力する(ステップS1、Yes)。ユーザメッセージは音声データである。端末装置200のメッセージ送信手段202は、受信されたユーザメッセージを、ネットワークを通じてセンタ装置100に送信する。メッセージ送信手段202は、音声データのユーザメッセージを音声認識してテキストデータのユーザメッセージに変換してセンタ装置100に送信してもよく、あるいは、音声データのユーザメッセージをセンタ装置100に送信してもよい。
【0054】
センタ装置100の受信手段101は、端末装置200から、通信部19を介してユーザメッセージを受信する(ステップS2)。受信手段101は、音声データのユーザメッセージを受信してテキストデータのユーザメッセージに変換してもよいし、あるいは、端末装置200が音声データから変換したテキストデータのユーザメッセージを受信してもよい。
【0055】
センタ装置100の抽出手段102は、テキストデータであるユーザメッセージに含まれる語句であって、プロファイル情報141に関する語句である1以上の特徴語句を抽出する(ステップS3)。例えば、抽出手段102は、テキストデータであるユーザメッセージを形態素解析して複数の語句に分割し、この複数の語句の中から、対応情報142に含まれる1以上の特徴語句を抽出する。
【0056】
ユーザメッセージに含まれる特徴語句の具体例(1)~(2)を説明する。(1)例えば、抽出手段102は、語句毎にカテゴリを付与した辞書を登録しておき、所定のカテゴリ(場所、食べ物、趣味嗜好等)の単語を特徴語句として抽出する。(2)また、抽出手段102は、ユーザ毎に異なる特徴語句を抽出してもよい。具体的には、各ユーザの趣味嗜好に関する語句(単語)をユーザ毎の個別特徴語句として辞書に登録しておき、対話先のユーザに関する個別特徴語句に基づき特徴語句を抽出する。特徴語句の抽出において、個別特徴語句のみを抽出してもよいし、個別特徴語句が優先して抽出されるようにしてもよい。また、例えば、ユーザの趣味嗜好に関する単語を特徴語句として事前に辞書に登録しておいてもよいし、ユーザとの対話を対話データとして蓄積し、対話から各ユーザの趣味嗜好を特定して、個別特徴語句として登録してもよい。また各ユーザの過去のユーザメッセージからユーザの趣味嗜好をAIや機械学習により学習して、ユーザメッセージから当該趣味嗜好に合致する単語を個別特徴語句として登録してもよい。なお本実施形態で「語句」とは、名詞等の1単語や、複数の単語を含む句を包含する。
【0057】
センタ装置100のメッセージ表示手段103は、オペレータが使用するオペレータ装置160に、ユーザメッセージを表示し、ここで、1以上の特徴語句を選択可能に表示する(ステップS4)。1以上の特徴語句は、抽出手段102が抽出した1以上の特徴語句の少なくとも一部である。メッセージ表示手段103は、抽出手段102が抽出した1以上の特徴語句の全てを、1以上の特徴語句として表示してもよい。
【0058】
メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句が出現した回数及び/又はユーザメッセージ内での位置に基づき、1以上の特徴語句のうち一部の特徴語句を1以上の特徴語句として表示してもよい。例えば、メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句のうち、出現回数がより多い特徴語句や、ユーザメッセージ内で後半の位置に出現する特徴語句のみを、特徴語句として表示してもよい。1以上の特徴語句が出現した回数は、今回のユーザメッセージ内で出現した回数でもよいし、過去のユーザメッセージと応答メッセージとを含む対話データ内で出現した回数でもよい。
【0059】
また、メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句のうち、対話先のユーザに関する個別特徴語句を特徴語句として優先的に決定してもよい。例えば、個別特徴語句のみを特徴語句として表示してもよいし、個別特徴語句が優先して特徴語句として表示されるようにしてもよい。
【0060】
メッセージ表示手段103が1以上の特徴語句を「選択可能に表示」するとは、ウェブサーバであるセンタ装置100が、ウェブクライアントであるオペレータ装置160のウェブブラウザ上でハイパーリンクを付して表示し、それをオペレータによる手動の操作(クリック、マウスオーバー、タップ等)により選択可能であることを意味する。
【0061】
【0062】
メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句111A、111B、111Cを、1以上の特徴語句以外の語句と区別可能な態様で、ユーザメッセージ112内に表示してもよい。特徴語句は、「ほんと懐かしいですね」111A、「ほんと懐かしい」111Bの様に単語「懐かしい」を含む語句や文でもよいし、「お薬」111Cのように単語でもよい。区別可能な態様とは、例えば、ハイライト、太字、異なる色、下線、囲み文字等を意味する。特徴語句111を目立つ様に表示することで、オペレータが特徴語句111を容易に選択可能である。メッセージ表示手段103は、さらに、特徴語句111を選択するためのカーソル113を表示する。
【0063】
また、メッセージ表示手段103は、異なるカテゴリの特徴語句の強調表示態様を変更してもよい。例えば、感情を表す「ほんと懐かしいですね」111A、「ほんと懐かしい」111Bと、生活習慣行動(本例では服薬)を表す「お薬」111Cの、ハイライトの色を変更してもよい(
図4ではハッチングパターンの違いにより表現)。
【0064】
メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句のうち一部の特徴語句を強調表示してもよい。強調表示とは、例えば、特徴語句が太字で示されている場合にさらにその色を変更したり、特徴語句がそれ以外の語句と異なる色で示されている場合にさらに太字にしたり、特徴語句が囲み文字で示されている場合に囲み枠を太くしたり色を変更したりする処理であるが、これらに限られない。これにより、特徴語句の中でもより重要度の高い単語(ユーザが話したい内容)を目立たせることで、ユーザの思いに沿った応答を自然とオペレータが行えるようになる。
【0065】
例えば、1以上の特徴語句が出現した回数及び/又はユーザメッセージ内での位置に基づき、1以上の特徴語句のうち一部の特徴語句を強調表示してもよい。具体的には、メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句のうち、出現回数がより多い特徴語句や、ユーザメッセージ内で後半の位置に出現する特徴語句を、他の特徴語句に比べてオペレータが選択しやすくするために、強調表示してもよい。1以上の特徴語句が出現した回数は、今回のユーザメッセージ内で出現した回数でもよいし、過去のユーザメッセージと応答メッセージとを含む対話データ内で出現した回数でもよい。これにより、特徴語句をユーザ毎に設定することで、ユーザに寄り添った対話を自然と行えるようになる。
【0066】
また、メッセージ表示手段103は、1以上の特徴語句のうち、対話先のユーザに関する個別特徴語句を強調表示してもよい。例えば、個別特徴語句のみを強調表示してもよいし、少なくとも個別特徴語句が強調表示されるようにしてもよい。これにより、強調表示する特徴語句をユーザ毎に設定することで、ユーザに寄り添った対話を自然と行えるようになる。
【0067】
オペレータは、オペレータ装置160に表示されたユーザメッセージ及び1以上の特徴語句を参照し、1個の特徴語句を操作(クリック、マウスオーバー、タップ等)して選択する。これにより、判定手段104は、メッセージ表示手段103により表示された1以上の特徴語句の中から、1以上の特徴語句の選択をオペレータより受け付ける(ステップS5)。
【0068】
判定手段104は、オペレータから特徴語句が選択されると、記憶手段140の対応情報142に基づいて、選択された特徴語句に対応付けられたプロファイル情報141を、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報141として判定する。これにより、判定手段104は、受信手段103にて受信したユーザメッセージがプロファイル情報141の少なくとも一つに関するか否かを判定する(ステップS6)。オペレータが選択した特徴語句に対応付けられたプロファイル情報141を判定することで、オペレータの意図にあった、ユーザメッセージに関する適切なプロファイル情報141を表示させて利用することが可能となる。
【0069】
プロファイル表示手段105は、判定されたユーザメッセージに関するプロファイル情報141を表示する。例えば、プロファイル表示手段105は、プロファイル情報141を、メッセージ表示手段103にて表示されたユーザメッセージにオーバーレイ表示する(ステップS7)。
【0070】
本実施形態によれば、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報141をオペレータに対して視覚的に表示する。これにより、オペレータは、ユーザのプロファイルと照らし合わせて、ユーザから発せられたユーザメッセージを理解及び解釈しやすい。その結果、オペレータは、ユーザの状態に適した応答メッセージの作成を行うことが容易となる。このため、ユーザの思いに沿った応答や、ユーザに寄り添った対話を、自然とオペレータが行えるようになる。
【0071】
オペレータは、表示されたプロファイル情報141を参照して、ユーザメッセージに対する応答メッセージを入力(音声入力又はテキスト入力)する。応答送信手段106は、応答メッセージを端末装置200に送信する(ステップS8)。応答送信手段106は、テキストデータの応答メッセージを音声合成技術により音声データの応答メッセージに変換して端末装置200に送信してもよく、あるいは、テキストデータの応答メッセージを端末装置200に送信してもよい。
【0072】
端末装置200の応答出力手段203は、センタ装置100から応答メッセージを受信し、所定のタイミングで(例えば、受信直後、人感センサで端末装置200の周囲に人を検知したとき)、応答メッセージをスピーカSから出力する。応答出力手段203は、音声データの応答メッセージをセンタ装置100から受信し出力してもよく、あるいは、テキストデータの応答メッセージをセンタ装置100から受信して音声合成技術により音声データの応答メッセージに変換して出力してもよい。
【0073】
4.プロファイル情報の例
【0074】
(1)プロファイル情報の第1の例
【0075】
図4の例では、特徴語句「お薬」111Cがカーソル113を用いて選択されると、プロファイル表示手段105は、特徴語句「お薬」111Cに関するプロファイル情報141Aをユーザメッセージ112にオーバーレイ表示する。特徴語句「お薬」111Cに関するプロファイル情報141Aは、ユーザの生活習慣(本例では、服薬)に関し、行動が生じる時間帯ごとの確率により表現される確率データでよい。
【0076】
プロファイル情報141Aに基づき表示される画像は、一方の軸(横軸)が時間を表し他方の軸(縦軸)が確率(本例では、服薬の行動確率)を表すグラフでよい。プロファイル情報141Aは、座標系に、行動が生じる時間帯ごとの確率を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示するための情報である。グラフは、1以上のピーク値を持つ。例えば、ピーク値は、グラフの正の方向に突出する山型の頂点であって、所定の閾値より大きい値を持ってもよい。
【0077】
特徴語句「お薬」111Cに関するプロファイル情報141Aを表示することで、オペレータは、ユーザが普段と同じペースで服薬しているかどうかを確認でき、習慣情報を会話(返信内容、返信タイミング)に組み込むことができる。
【0078】
座標系の横軸に示される時間は、図の例では、横軸全体を1日(24時間)として、時刻(1時間毎)を示す。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1週として、日(24時間毎)を示してもよい。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1か月として、週(7日毎)を示してもよい。
【0079】
プロファイル情報141Aは、個々のユーザ独自のデータであり、行動が生じる時間帯ごとの確率を持つ。プロファイル情報141Aは、行動、気分、活発さ及び/又は身体の症状のデータである。
図4の例では、プロファイル情報141Aは、生活習慣(服薬)に関する行動のデータであり、確率として行動確率を持つ。生活習慣に関する行動のデータにはこの他にも、睡眠、食事、入浴、外出、買い物、デイサービス、訪問介護等が挙げられる。行動確率は、特定の時間に特定の行動をしている確率であり、0以上1.0以下の値で表現される。行動確率が0に近いほど、特定の時間に特定の行動をしている可能性が低く、行動確率が1.0に近いほど、特定の時間に特定の行動をしている可能性が高い。ユーザのプロファイル情報141Aが行動が生じる時間帯ごとの確率を持つデータであれば、本実施形態を適用可能である。
【0080】
(2)プロファイル情報の第2の例
【0081】
図4の例では、特徴語句「ほんと懐かしいですね」111A又は「ほんと懐かしい」111Bが選択されると、プロファイル表示手段105は、特徴語句の一部「懐かしい」に関するプロファイル情報141Bをユーザメッセージ112にオーバーレイ表示する。特徴語句の一部「懐かしい」はポジティブな感情を表現する単語(ポジティブワード)である。特徴語句の一部「懐かしい」に関するプロファイル情報141Bは、ユーザの感情極性の推移を示す時系列データでよい。
【0082】
プロファイル情報141Bに基づき表示される画像は、一方の軸(横軸)が時間を表し他方の軸(縦軸)が感情極性値を表すグラフでよい。プロファイル情報141Bは、座標系に、時間的に連続的に変化し推移する値を持つユーザのプロファイルを示すグラフを表示するための情報である。感情極性値は、例えば、ポジティブな発言(文)の数及びネガティブな発言(文)の数でよい。
【0083】
特徴語句の一部「懐かしい」に関するプロファイル情報141Bを表示することで、ユーザが普段からポジティブ/ネガティブな話をする傾向があるのか、ユーザが最近落ち込み気味(ネガティブ傾向)なのか、等をオペレータが判断できる。オペレータは、例えば、ネガティブな語句が増えてきた場合(ポジティブな語句が減ってきた場合)は、ポジティブになるような返信を生成する等、ユーザの気分や感情を会話(返信内容、返信タイミング)に組み込むことができる。
【0084】
座標系の横軸に示される時間は、図の例では、横軸全体を半年(6か月)とする。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1日(24時間)として、時刻(1時間毎)を示してもよい。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1週として、日(24時間毎)を示してもよい。あるいは、横軸に示される時間は、横軸全体を1か月として、週(7日毎)を示してもよい。
【0085】
(3)プロファイル情報の第3の例
【0086】
別の例として、プロファイル情報141は、ユーザに関するリスト(不図示)を表示するためのリスト情報でよい。ユーザに関するリストは、ユーザの嗜好に関するリストでよい。ユーザの嗜好は、例えば、食べ物の好み、映画の好み、好きなテレビ番組、運動の好み等でよい。ユーザの嗜好に関するリストは、例えば、好きな食べ物リスト、好きな映画(のジャンル)リスト、好きな番組(のジャンル)リスト、好きなスポーツのリスト等でよい。
【0087】
このように、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報141を、グラフやリストなどのグラフィックな態様で、オペレータに対して視覚的に表示する。これにより、オペレータは、ユーザのプロファイルを視覚的に容易に理解することができ、ユーザから発せられたユーザメッセージを理解及び解釈しやすい。
【0088】
5.判定手段104の変形例
【0089】
上記実施形態では、判定手段104は、記憶手段140の対応情報142に基づいて、オペレータから選択された特徴語句に対応付けられたプロファイル情報141を判定する(ステップS6)。即ち、判定手段104は、ユーザメッセージの内容が予め記憶したプロファイル情報141に関係している場合、当該プロファイル情報141に対応する特徴語句を強調表示し、当該強調表示したワードを選択(クリック等)されたときに、選択された特徴語句に関するプロファイル情報141を判断し、これが表示される。
【0090】
しかしながら、判定手段104がプロファイル情報141を判定する方法はこれに限定されない。要するに、ユーザメッセージ中の特徴語句が強調表示されなくてもよく、特徴語句が選択操作されなくてもよい。判定手段104は、ユーザメッセージ中の特徴語句が選択されることを必要とせず、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報141を判定すればよい。即ち、判定手段104は、受信したユーザメッセージに関するプロファイル情報141を判定するならば、その方法は上に限定されない。
【0091】
例えば、判定手段104は、プロファイル情報141に関係する特徴語句を強調表示しなくてもよいし、プロファイル情報141を判定するのに選択操作を要しなくてもよい。すなわち、判定手段104は、ユーザメッセージの内容が予め記憶したプロファイル情報141に関係する内容であるか否かを判定する。そして判定手段104によりユーザメッセージの内容が予め記憶したプロファイル情報141に関係する内容であると判定された場合、プロファイル表示手段105は、当該プロファイル情報141を表示してもよい。
【0092】
この際、判定手段104は、ユーザメッセージ内容に関係する「全て」のプロファイル情報141を判定しこれが表示されてもよい。あるいは、判定手段104は、ユーザメッセージ内容に関係する「一部」のプロファイル情報141を判定しこれが表示されてもよい。以下に具体例(1)乃至(3)を挙げる。
【0093】
(1)判定手段104は、ユーザメッセージに複数の特徴語句が含まれる場合は、各特徴語句に関係するプロファイル情報141(対応情報142において各特徴語句に対応づいて記憶したプロファイル情報141)を判定する。そして、プロファイル表示手段105は、当該プロファイル情報141の全てを表示してもよい。あるいは、判定手段104は、ユーザメッセージの最後に出現した特徴語句に関係するプロファイル情報141を判定する。そして、プロファイル表示手段105は、当該プロファイル情報141のみを表示してもよい。あるいは、判定手段104は、ユーザメッセージに含まれる、感情を表す文において使われた1以上の特徴語句に関係するプロファイル情報141を判定する。そして、プロファイル表示手段105は、当該プロファイル情報141を表示してもよい。
【0094】
(2)判定手段104は、ユーザメッセージの内容に基づいて「プロファイル種別(例:好み)」を推定し、当該プロファイル種別に属する全てのプロファイル情報141(好みの食べ物リスト、好みの番組リスト等)を判定し、プロファイル表示手段105は、当該プロファイル情報141を表示してもよい。
【0095】
(3)判定手段104は、ユーザメッセージの内容に最も近い関係性を有するプロファイル情報141のみを判定し、プロファイル表示手段105は、当該プロファイル情報141のみを表示してもよい。
【0096】
判定手段104は、ユーザメッセージの特徴量を算出し、特徴量に基づき、ユーザメッセージがプロファイル情報141の少なくとも一つに関するか否かを判定してもよい。「ユーザメッセージの特徴量」とは、例えば、ユーザメッセージをベクトル化して得られた特徴ベクトルでよい。これにより、ユーザメッセージの特徴にあったプロファイル情報141を判定できる。以下、特徴ベクトルに基づいて関係するプロファイル情報141を求める方法の具体例(1)乃至(3)を例示する。
【0097】
(1)方法1は、分類器を用いる方法である。ユーザメッセージから求めた特徴ベクトルを分類器に入力して関係するプロファイル情報141を得る。分類器は、メッセージと当該メッセージに対応するプロファイル情報141(分類クラス)とからなる教師データを用いて学習する。分類器の例として、ロジスティック回帰、SVM、ニューラルネットワーク、BERT等が挙げられる。
【0098】
(2)方法2は、教師データとの類似度を使った分類である。ユーザメッセージに対応するプロファイル情報141(分類クラス)が既知の教師データを用意する。ユーザメッセージから求めた特徴ベクトルと教師データ中のメッセージから求めた特徴ベクトルとの類似度を計算する。類似度が高い教師データ中のメッセージに対応するプロファイル情報141(分類クラス)に分類する。
【0099】
(3)方法3は、クラスタリングによる分類である。ユーザメッセージの特徴ベクトルを特徴空間でクラスタリングする。各クラスタのプロファイル情報141(分類クラス)を人手で定義する。そして、ユーザメッセージの特徴ベクトルがどのクラスタに含まれるかに応じてプロファイル情報141(分類クラス)を求める。分類器の例として、k-means等が挙げられる。
【0100】
判定手段104は、ユーザメッセージの感情極性を算出し、感情極性に基づき、ユーザメッセージがプロファイル情報141の少なくとも一つに関するか否かを判定してもよい。判定手段104は、ユーザメッセージに含まれる文ごとに感情極性を推定し、感情極性がポジティブ(又はネガティブ)の文が存在する場合、当該感情極性に関するプロファイル情報141を表示する。一方、判定手段104は、全ての文の感情極性がニュートラルの場合は、感情極性に関するプロファイル情報141を表示しない。これにより、ユーザの感情の機微にあったプロファイル情報141を判定できる。
【0101】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0102】
本発明の一実施形態にかかる対話システムは、高齢者の孤独や孤立、健康寿命の延伸、高齢者の生活の質(QoL)向上、労働力人口減少などの社会課題の解決に貢献し得るものである。また、本発明の一実施形態にかかる対話システムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献することができる。
【符号の説明】
【0103】
10 対話システム
100 センタ装置
101 受信手段
102 抽出手段
103 メッセージ表示手段
104 判定手段
105 プロファイル表示手段
106 応答送信手段
111 特徴語句
112 ユーザメッセージ
113 カーソル
140 記憶手段
160 オペレータ装置
200 端末装置
201 入力手段
202 メッセージ送信手段
203 応答出力手段
M マイク
S スピーカ