IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特開2024-133897射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法
<>
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図1
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図2
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図3
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図4
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図5
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図6
  • 特開-射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133897
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043903
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】堀江 星潤
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM22
4F206AQ01
4F206AR20
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4F206JP01
4F206JP11
4F206JP14
4F206JP15
4F206JP30
4F206JQ88
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】部品の検査結果と、部品との紐づけを行うことができる射出成形システムおよび射出成形システムにおける検査結果の管理方法の技術の提供。
【解決手段】ワークを射出成形によって成形する射出成形部と、前記ワークを検査する検査部と、前記検査部によって検査された複数の前記ワークが配置されるパレットを搭載する配置部と、前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶する記憶部と、前記射出成形システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のワークのそれぞれについて、前記パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形システムであって、
ワークを射出成形によって成形する射出成形部と、
前記ワークを検査する検査部と、
前記検査部によって検査された複数の前記ワークが配置されるパレットを搭載する配置部と、
前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶する記憶部と、
前記射出成形システムを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数のワークのそれぞれについて、前記パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる、射出成形システム。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記制御部は、さらに、前記ワークの成形条件の情報を前記射出成形部から取得し、前記番地と対応させて前記記憶部に記憶させる、射出成形システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の射出成形システムにおいて、
前記制御部は、さらに、予め入力された射出成形が行われる環境の情報と、前記ワークが成形された日時の情報と、予め定められた期間において前記ワークが成形された順番の情報と、のうち、1つ以上を、前記番地と対応させて前記記憶部に記憶させる、射出成形システム。
【請求項4】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記パレットを識別するための識別情報を取得する情報取得部を備え、
前記制御部は、前記パレットの識別情報と前記番地との組み合わせを、前記パレットの前記番地の位置に配置された前記ワークの検査結果と対応づけて前記記憶部に記憶させる、射出成形システム。
【請求項5】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
さらに、前記検査部の結果を表示する表示部と、
前記パレットに配置された前記ワークに対し、検査を実施する第2検査部と、
を備え、
前記制御部は、前記第2検査部における検査結果が、予め定められた基準を満たさない場合に、前記表示部に、前記パレットに配置された前記ワークに対応する番地と対応づけられた検査結果を表示させる、射出成形システム。
【請求項6】
射出成形システムにおける検査結果の管理方法であって、
射出成形部によって複数のワークを成形し、
前記複数のワークを検査部において検査し、
前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶部が記憶し、
制御部が、前記複数のワークのそれぞれについて、パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる、射出成形システムにおける検査結果の管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の射出成形システムにおける検査結果の管理方法であって、
前記制御部は、さらに、前記ワークの成形条件の情報を前記射出成形部から取得し、前記番地と対応させて前記記憶部に記憶させる、射出成形システムにおける検査結果の管理方法。
【請求項8】
請求項6に記載の射出成形システムにおける検査結果の管理方法であって、
前記パレットを識別するための識別情報を、情報取得部によって取得し、
前記制御部が、前記パレットの識別情報と前記番地との組み合わせを、前記パレットの前記番地の位置に配置された前記ワークの検査結果と対応づけて前記記憶部に記憶させる、射出成形システムにおける検査結果の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出成形システム、および射出成形システムにおける検査結果の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された、インサート成形を行う射出成形システムにおいては、射出成形機の金型内に樹脂が射出される前に、金型に挿入される部品の寸法や重量が計測される。そして、計測によって得られた検査データが、制御装置内において記憶される。その後、インサート成形によって成形された成形品に不良が発生した場合に、制御装置に記憶された検査データと、成形品とを対応させることによって、金型に挿入された部品の検査データを考慮した不良原因の究明が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-124249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、検査後の1つの挿入部品に対しインサート成形が行われる場合を開示するが、検査済みの複数の挿入部品に対しそれぞれインサート成形が行われる場合、挿入部品の検査結果と成形品との紐づけが行えない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、射出成形システムが提供される。この射出成形機はワークを射出成形によって成形する射出成形部と、前記ワークを検査する検査部と、前記検査部によって検査された複数の前記ワークが配置されるパレットを搭載する配置部と、前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶する記憶部と、前記射出成形システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のワークのそれぞれについて、前記パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、射出成形システムにおける検査結果の管理方法が提供される。この射出成形システムにおける検査結果の管理方法は、射出成形部によって複数のワークを成形し、前記複数のワークを検査部において検査し、前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶部が記憶し、制御部が、前記複数のワークのそれぞれについて、パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の射出成形システムの斜視図。
図2】制御部を説明するブロック図。
図3】第1配置部に配置されたパレットを説明する図。
図4】本実施形態の射出成形システムにおける検査記録の管理方法の一例を示す工程図。
図5】第2実施形態の射出成形システムを説明する図。
図6】第3実施形態の射出成形システムの概略構成を示す正面図。
図7】第3実施形態の射出成形システムの概略構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
A1.第1実施形態の構成:
図1は、本実施形態の射出成形システム1の斜視図である。図1には、相互に直交するX、Y、Zの方向が示されている。本実施形態では、X方向は、射出成形システム1が並ぶ方向であり、-X方向から+X方向に向かって、後述する第2ユニット22と、射出成形部10と、第1ユニット21の順に並んでいる。Y方向は、X方向に垂直な方向である。Z方向は鉛直方向であり、+Z方向は鉛直方向の上向きの方向である。
【0009】
射出成形システム1は、複数のワークWKを射出成形によって成形し、成形した複数のワークWKのそれぞれについて品質を検査して、検査結果を記録する。本実施形態の射出成形システム1は、射出成形による成形と、ワークWKの検査と、検査結果の記録を、同一のシステム内において自動で行うことができる。本実施形態において、射出成形システム1は、無線LANに接続可能であり、後述する記憶部150に記憶されたデータを、外部に送信可能である。図1に示すように、射出成形システム1は射出成形部10と、オプションユニット20と、を備える。
【0010】
射出成形部10は、射出成形によってワークWKを成形する部分である。射出成形部10は、第1筐体110と、射出成形機120と、取り出し装置130と、運搬装置140と、記憶部150と、統括制御部160と、を備えている。射出成形部10は射出成形ユニットということもできる。
【0011】
第1筐体110には、射出成形機120と、取り出し装置130と、運搬装置140と、記憶部150と、統括制御部160と、が配置される。第1筐体110は、オプションユニット20と、脱着可能に接続されている。第1筐体110は、第1基台部111と、第1上部枠112と、第1カバー113と、を備える。なお、第1上部枠112および第1カバー113については図示していない。
【0012】
第1基台部111は、第1基台111aと、第2基台111bと、第1基台枠111cと、から構成される。第1基台111aには、射出成形機120と、取り出し装置130と、運搬装置140が配置される。第1基台111aは、第2基台111bの鉛直方向の上側に配置されている。第1基台111aは、板状の部材である。第2基台111bは、記憶部150と、統括制御部160と、が配置される。第2基台111bは、板状の部材である。第1基台枠111cは、第1基台111aと第2基台111bとを固定する。第1基台枠111cは、第1基台111aと、第2基台111bと接続する立方体状の枠である。第1上部枠112は、射出成形機120と、取り出し装置130と、運搬装置140と、を囲む。第1上部枠112は、第1基台111aの上に配置されている。第1カバー113は、第1基台部111および第1上部枠112に取り付けられ、少なくとも、第1基台部111および第1上部枠112の-Y側、+Y側の端部に設けられている。
【0013】
射出成形機120は、溶融した材料を射出することで複数のワークWKを成形する装置である。本実施形態において、射出成形機120は、材料を流す射出ユニットと、金型を開閉する型締機構121と、が水平方向に並べられた構造を有している。本実施形態において、ワークWKは、人の手によってはワーク自身に識別番号や日付等の情報を記載することが困難な大きさ、または機械を用いて識別番号等が記載されたとしても、視認によって識別番号等を確認することが困難な大きさである。視認によって識別番号等を確認することが困難な大きさのワークとは、例えば、一辺の寸法が10mmの略直方の形状のワークである。ワークWKは、金属製であってもよく、樹脂製であってもよい。
【0014】
取り出し装置130は、射出成形機120によって成形されたワークWKを、射出成形機120から取り出す装置である。取り出し装置130は、射出成形機120から取り出したワークWKを運搬装置140まで移動させ、運搬装置140に配置する。
【0015】
運搬装置140は、取り出し装置130が運搬したワークWKを、運搬装置140の-X方向の端部から+X方向側の端部に向かって移動させる。運搬装置140は、ワークWKを運搬する過程でワークWKに残存するゲート部やライナーを切断する。
【0016】
記憶部150は、後述する検査部213による複数のワークWKの検査の結果と、パレットPLの情報と、成形情報と、を記憶する装置である。本実施形態においては、記憶部150はSSDである。なお、記憶部150として、SDカードやUSBメモリー、ハードディスクが使用されてもよい。記憶部150は、統括制御部160が備えるメモリーであってもよい。
【0017】
統括制御部160の説明の前に、オプションユニット20について説明する。オプションユニット20は、第1ユニット21と第2ユニット22と、を備える。本実施形態においては第1ユニット21と第2ユニット22の両方が射出成形部10に対して脱着可能である。なお、第1ユニット21と第2ユニット22のいずれか一方が射出成形部10に対して脱着可能であってもよい。
【0018】
第1ユニット21は、第2筐体211と、ロボット212と、検査部213と、スタッキング機構214と、を備える。第2筐体211は、ロボット212と、検査部213と、スタッキング機構214と、を配置または収容する。具体的には、第2筐体211は、後述する第2基台部211aの第1基台211aaの上にロボット212と、検査部213を配置する。また、第2筐体211は、スタッキング機構214を、第2基台部211aの内部から上部に突き出すように収容している。第2筐体211は、第2基台部211aと、第2上部枠211bと、第2カバー211cと、を備える。なお、第2上部枠211bおよび第2カバー211cについては図示していない。
【0019】
第2基台部211aは、第1基台211aaと第2基台211abと、第2基台枠211acと、から構成される。第1基台211aaは、ロボット212と、検査部213が配置される。第1基台211aaは、第2基台211abの鉛直方向の上側に配置されている。第1基台211aaは、板状の部材である。第2基台211abは、板状の部材である。第2基台枠211acは、第1基台211aaと第2基台211abとを固定する。第2基台枠211acは、第1基台211aaと第2基台211abと接続する立方体状の枠である。第2上部枠211bは、ロボット212と、検査部213と、を囲む。第2上部枠211bは第1基台211aaの上に配置されている。第2カバー211cは、第2基台部211aおよび第2上部枠211bに取り付けられている。第2カバー211cは、少なくとも第2基台部211aおよび第2上部枠211bの-Y側、+Y側、+X側の端部に設けられている。
【0020】
ロボット212は、ワークWKを移動させる装置である。本実施形態において、ロボット212は、スカラーロボットとして構成されている。ロボット212は、運搬装置140によって運搬装置140の+X方向の端部まで運搬されたワークWKを把持し、そのワークWKを検査部213に移動させる。更に、ロボット212は、検査部213によって検査が完了したワークWKを、スタッキング機構214に配置されているパレットまで移動させ、パレットに載置する。この際に、複数のワークWKをそれぞれどのようにパレットに載置するかについては、後述する。なお、ロボット212は、スカラーロボットに限らず、複数の軸を有する垂直多関節ロボットによって構成されてもよい。スカラーロボットを採用する場合、設置が容易である。ロボット212は、情報取得部212aを備える。
【0021】
情報取得部212aは、後述するパレットPLの表面を撮像する。情報取得部212aは、撮像したパレットPLの表面の画像に基づいて、パレットPLにおける、複数のワークWKがそれぞれ配置される位置の情報を取得する。ここでいう位置の情報とは、ワークWKが配置される部分が、画像内においてどこに位置しているかの情報である。情報取得部212aによる位置の情報の取得については後述する。本実施形態において、情報取得部212aはカメラである。
【0022】
検査部213は、ワークWKを検査する。本実地形体において、検査部213は、ワークWKの形状と、予め入力された基準のワークWKの形状との差異に基づいて、ワークWKの品質を検査して、ワークWKの良否を判定する。さらに、検査部213は、検査結果を示す信号を、統括制御部160に送信する。検査部213によって不良品と判定されたワークWKは、ロボット212によって、第2筐体211に設けられた図示しない不良品排出領域に排出される。
【0023】
図1に示すように、検査部213は、ロボット212の可動範囲内に配置されている。そのため、射出成形部10によって成形されたワークWKを、例えば作業者の手によって検査部213に運搬する必要なく、検査部213に配置することが可能である。検査部213は、カメラ213aと、検査台213bを備えている。カメラ213aは、ワークWKの鉛直方向上側からワークWKを撮像する。カメラ213aによって撮像された画像に基づいて、ワークWKの外観の検査が検査部213によって行われる。カメラ213aは、第2基台部211aの第1基台211aaの上に設置されている支柱に取り付けられている。支柱は、X軸方向に移動する機構を備えている。
【0024】
検査台213bは、ワークWKが配置される台である。検査台213bは、第2基台部211aの第1基台211aa上に複数設けられ、X軸方向に並ぶように配置される。各検査台213bは、Y軸方向に移動する機構を備えており、カメラ213aの鉛直方向下側の第1位置と、ロボット212およびスタッキング機構214に近づく第2位置と、の間を移動する。検査台213bが第1位置にあるとき、検査台213bに配置されたワークWKがカメラ213aにより撮像される。検査台213bが第2位置にあるとき、ロボット212により、未検査のワークWKが配置され、または、検査済みのワークWKがスタッキング機構214へ搬送される。これにより、ロボット212の搬送に要する時間が短くなる。また、ロボット212とカメラ213aとの干渉を防止できる。
【0025】
スタッキング機構214は、ロボット212によって検査部213から運ばれた検査済みのワークWKを収容するパレットPLを積み重ねる機構である。スタッキング機構214は、第1配置部214aと、第2配置部214bと、を備える。第1配置部214aと、第2配置部214bのそれぞれに、パレットPLが配置されている。
【0026】
第1配置部214aは、検査部213によって検査された複数のワークWKが配置されるパレットPLを搭載する。第1配置部214aに搭載されたパレットPLに、ロボット212によってワークWKが搬送される。パレットPLに予め定められた数のワークWKが配置されると、第1配置部214aはパレットPLを第2基台部211aの内部に向かって下降させる。第2配置部214bは、下降した第1配置部214aのパレットPLの上に、第2配置部214bの上に配置されたパレットPLをスライドさせて移動させる。第2配置部214bは、鉛直方向に複数のパレットPLを積み重ねており、鉛直方向の最上部のパレットPLを、第1配置部214aに移動させる。その後、第2配置部214bは、残りのパレットPLを上昇させる。
【0027】
第2ユニット22は、予め貯留されている材料を除湿および乾燥し、射出成形機120に供給する。第2ユニット22は、第3筐体221と、供給装置222と、を備える。第3筐体221は、第3基台部221aと、第3上部枠221bと、第3カバー221cと、を備える。なお、第3上部枠221bと、第3カバー221cについては図示していない。第3基台部221aは、鉛直方向の上下に配置される2枚の板状の基台221aa、221abと、第3基台枠221acから構成される。第3基台枠221acは、2枚の基台221aa、221abを固定する。第3基台枠221acは、2枚の基台221aaと、221abと接続する立方体状の枠である。第3上部枠221bは、第3基台部221aの基台221aaの上に、供給装置222を囲むように設けられる。第3カバー221cは、第3基台部221aおよび第3上部枠221bに取り付けられ、少なくとも第3基台部221aおよび第3上部枠221bの-Y側、+Y側、-X側の端部に設けられる。供給装置222は、射出成形機120で用いられる樹脂材料を射出成形機120に供給する。
【0028】
図2は、統括制御部160を説明するブロック図である。統括制御部160は、射出成形部10と、第1ユニット21と、第2ユニット22と、を制御する装置である。本実施形態において、統括制御部160は、PLC(プログラマブルロジックコントローラー)によって構成されている。PLCによって構成された統括制御部160は、ラダー言語によってプログラミングされることにより、上述した各装置の連係動作を制御する。統括制御部160は、入力部161と、演算部162と、出力部163と、を備えている。
【0029】
入力部161は、射出成形機120やロボット等の動作の状態を示す情報が入力される。演算部162は、入力部161に入力された情報に基づいて、射出成形機120やロボット等の動作を決定する。本実施形態において、演算部162を、射出成形システム1を制御する制御部ともいう。演算部162は、番地付与部162aと、情報対応付部162bと、して機能する。番地付与部162aと、情報対応付部162bについては、後述する。出力部163は、演算部162から伝えられた指令を射出成形機120等に送信する。
【0030】
図3は、第1配置部214aに配置されたパレットPLを説明する図である。図3を用いて、パレットPLについて説明した上で、番地付与部162aおよび情報対応付部162bの機能について説明する。本実施形態のパレットPLは、表面に、複数のワークWKを配置するための部分が予め形成されている。具体的には、図3に示すように、縦4つ×横5つの直方体の形状の部分がパレットPLに形成されている。図示はしていないが、直方体の部分は、紙面の下側に向かって凹む形状を有している。本実施形態においては、第1配置部214aに配置されているパレットPLと、第2配置部214bに積み重ねられている複数のパレットPLは、全て同一の形状を有している。
【0031】
以後、パレットPLに形成された、ワークWKが配置される部分を「配置部分」とよび、パレットPL上における配置部分の位置を、「配置位置」と呼ぶ。配置部分には、複数のワークWKがそれぞれ1つずつ配置される。本実施形態においては、配置部分のそれぞれに、ワークWKが1つずつ配置される。配置部分は、パレットPL上において規則的に並んでおり、作業者がパレットPLの番地を認識できるようになっている。配置位置の情報は、上述した情報取得部によって、パレットPLの画像に基づいて取得される。なお、図3に示す配置部分の形状と数は一例であり、ワークWKの形状に応じて、異なる数と形状の配置部分が採用されてもよい。例えば、略円の形状を有する100個の配置部分が、パレットPLに形成されていてもよい。
【0032】
番地付与部162aは、作業者またはロボット212によってパレットPLが第1配置部214aに配置された後に、情報取得部212aによって取得された配置位置の情報に基づいて、配置位置を認識する。そして、番地付与部162aは、各配置位置に、番地を付与する。本明細書において番地とは、1つの配置位置を表す情報であり、パレットPLに存在する複数の配置位置のうち、1つの配置位置を特定するための情報である。1つの番地は、パレットPL内の1つの配置位置に対応するように付与される。さらに、番地付与部162aは、記憶部150に番地の情報を送信する。
【0033】
番地付与部162aによる番地の付与について説明する。まず、番地の付与は、予め定められた番地の付与方法に基づいて行われる。予め定められた番地の付与方法は、作業者によって統括制御部160に入力されていてもよく、制御部が自動で決定してもよく、識別部IPの識別情報に含まれていてもよい。例えば作業者によって予め入力される場合、作業者がパレットPLの配置部分を予め確認し、統括制御部160に、統括制御部160が認識した配置位置に対して、番地付与部162aがどのように番地を付すのかを入力する。統括制御部160が自動で決定する場合、認識した配置位置に基づいて、どのように番地を付すのかを決定する。識別部IPの識別情報に含まれている場合、識別情報に基づいて、制御部によって、配置位置に対して番地が付与される。
【0034】
図3において、理解の便を図るために、各配置部分に番地を表しているが、本実施形態においては、パレットPLには番地が表されていない。本実施形態においては、図3のパレットPLの、最も紙面上側に並ぶ配置部分が、A列に属するものとして、作業者によって統括制御部160に予め入力される。そして、紙面の最も左端かつ紙面上側に位置している配置位置の番地はA1として、番地付与部162aが番地を割り振る。A1の番地の右に位置している配置位置の番地はA2として、番地付与部162aが番地を割り振る。A列の紙面下側に並ぶ配置部分は、B列に属するものとして、作業者によって統括制御部160に予め入力される。A1の番地の紙面下側に位置する配置位置の番地はB1として、番地付与部162aが番地を割り振る。このように、番地付与部162aは、例えばA1、B1のように、パレットPL内で重複しないように番地を付与する。番地付与部162aによって、各配置位置に、それぞれ異なる番地が振り分けられる。そして、番地付与部162aは、各配置位置に対して、どの番地を振り分けたのかを示す情報を、記憶部150に送信する。
【0035】
図2に示す情報対応付部162bは、複数のワークWKのそれぞれについて、番地と、ワークWKの検査結果とを対応させて、記憶部150に記憶させる。本実施形態においては、情報対応付部162bは、番地情報を、ワークWKの検査結果と、後述する成形情報と対応させて、記憶部150に記憶させる。以下において、番地情報と、ワークWKの検査結果と、成形情報の詳細を説明する。
【0036】
本実施形態における番地情報とは、上述のパレットPLの番地と、図2に示すパレットPLの識別情報との組み合わせである。識別情報は、複数のパレットPLのうち、1つのパレットPLを識別するための情報であり、識別部IPによって表されている。本実施形態において、識別部IPはパレットPLの表面に記載されている。情報取得部212aによって、パレットPLの表面にある識別部IPが撮像されることで、識別情報が取得される。図3に示すように、本実施形態において、識別部IPはバーコードである。図3において、識別情報に記載されているパレットPLの名称は1番パレットである。上述したA1の番地情報は、「1番パレットのA1」となる。そして、全ての番地に対応する番地情報が、情報対応付部162bによって、記憶部150に記憶される。
【0037】
本実施形態において、1番パレットの次に、第2配置部214bによって第1配置部214aに配置されるパレットPLの名称は2番パレットである。番地付与部162aによる番地の付与は、1番パレットと同様に行われる。すなわち、2番パレットの、紙面上側の最も左端の配置部分の配置位置を表す番地情報は、「2番パレットのA1」となる。
【0038】
本実施形態におけるワークWKの検査結果とは、ワークWKの形状と、予め入力された基準のワークWKの形状との差異に基づいて検査部213によって行われる、ワークWKの合否である。なお、ワークWKの検査結果として、ワークWKの予め定められた部位の寸法の測定値や、ワークWKの重量の測定値等が含まれていてもよい。ワークWKの重量の測定値の計測は、検査部213に備えられる測定器によって行われる。
【0039】
成形情報とは、射出成形部10の成形条件の情報と、予め入力された射出成形が行われる環境の情報と、ワークWKが成形された日時の情報と、予め定められた期間においてワークWKが成形された順番の情報である。成形情報は、制御部によって射出成形部10から取得される。射出成形部10の成形条件の情報とは、材料のロットナンバーや、乾燥機の温度や、射出成形に要した時間や、金型の温度や、射出成形機120による材料の射出の際の圧力等である。射出成形が行われる環境の情報とは、射出成形システム1が配置される室内の温度や湿度や、清浄度等である。予め定められた期間においてワークWKが成形された順番の、「予め定められた期間」は、作業者によって予め決定され、制御部に入力される。本実施形態においては予め定められた期間は1日であるが、1時間や2日であってもよい。順番の情報は、例えば、「CC年DD月EE日FF番目」と表され、記憶部150に記憶される。
【0040】
情報対応付部162bが、番地だけでなくパレットPLの識別情報を含んだ番地情報を、ワークWKの検査結果と対応付けて記憶部150に記憶させることで、複数のパレットPLが存在する態様において、パレットPLの追跡が容易になる。本実施形態においては、1番パレットと2番パレットの区別が行えるため、パレットPLの追跡が容易となる。また、識別情報が情報取得部212aによって取得可能なため、容易に識別情報が記録される。
【0041】
本実施形態においては、さらに、成形条件の情報を番地と紐づけることによって、成形条件とワークWKとを紐づけることができる。成形条件を番地と紐づけることによって、ワークWKの品質管理において、検査結果以外の情報の追跡を行うことができる。そのため、例えば検査部213によって不良品と判定されたワークWKについて、不良の原因を特定するために、材料のロットナンバーを追跡したい場合等に、容易に追跡可能である。
【0042】
A2.射出成形システム1における検査記録の管理方法:
図4は、本実施形態の射出成形システム1における検査記録の管理方法の一例を示す工程図である。図4のステップS10において、情報取得部212aによって、パレットPLの表面が撮像されることによって、複数のワークWKがそれぞれ配置される配置部分の配置位置および識別情報が取得される。ステップS20において、番地付与部162aによって、各配置位置に対し番地が付与され、番地および識別情報との組み合わせである番地情報が、記憶部150によって記憶される。
【0043】
ステップS30において、射出成形部10によってワークWKが成形される。ステップS40において、検査部213によって、ワークWKが検査される。ステップS50において、記憶部150によって、検査部213による検査の結果が記憶される。なお、ステップS10およびステップS20は、ステップS30ないしステップS50の後に実施されてもよい。
【0044】
ステップS60において、ロボット212によって、番地が付与された配置位置に、ワークWKが配置される。ロボット212によるワークWKの配置は、統括制御部160によって制御されている。本実施形態において、図3に示すパレットPLの、A1の番地から番号が大きくなる順に、ワークWKが配置されるように、ロボット212の動作が統括制御部160に制御されている。A列の最も右端であるA5の番地にワークWKが配置されると、ロボット212はB1の番地にワークWKを配置するように、統括制御部160によって制御される。
【0045】
図4のステップS70において、統括制御部160によって、番地と、ワークWKの検査結果とが対応付けられて、記憶部150に記憶される。本実施形態においては、上述したように、番地情報が、ワークWKの検査結果と、成形条件と、対応付けられて、記憶部150に記憶される。なお、ステップS60とステップS70の処理は、同時に行われてもよい。
【0046】
ステップS80において、統括制御部160によって、全ての配置位置にワークWKが配置されたかの判断が行われる。具体的には、ロボット212によって、図3のパレットPLのD5の番地にワークWKが配置されたか否かが、統括制御部160によって判断される。D5の番地にワークWKが付与された場合、統括制御部160によって、全ての配置位置にワークWKが付与されたと判断され、処理はステップS90に移行する(図4参照)。全ての配置位置にワークWKが付与されていないと統括制御部160に判断された場合、処理は再度、ステップS30に移行する。
【0047】
ステップS90においては、射出成形システム1による作業を終了するかの終了基準に基づいて、統括制御部160によって作業を終了するか、または続行するかの判断が行われる。終了基準は、作業者によって予め統括制御部160に入力されたワークWKの数や、作業時間である。本実施形態においては、作業者によって予め統括制御部160に入力された数のワークWKが、パレットPLに配置された場合に、処理が終了する。なお、上述したように、検査部213による検査で不良品と判断されたワークWKは第2筐体211に設けられた図示しない不良品排出領域に排出される。そのため、作業者によって予め統括制御部160に入力された数は、射出成形部10によって成形されたワークWKの数と、同数となるわけでない。
【0048】
統括制御部160によって作業を終了すると判断された場合、処理は終了する。統括制御部160によって処理を続行すると判断された場合、ステップはS100に移行する。ステップS100においては、統括制御部160によって、第1配置部214aのパレットPLが第2基台部211aの内部に収容され、第2配置部214bのパレットPLが第1配置部214aに移動される。そして、処理が再度ステップS30に移行する。
【0049】
本願の発明者は、複数のワークWKの、それぞれの表面に識別番号を付すことにより、製品の品質向上に役立てることを検討した。しかし、そのような態様においては、例えばワークWKに対しインサート成形が行われることによって成形された成形品に不良が発生した場合に原因を究明するために、成形品からワークWKを取り出して、その表面の識別番号を確認する必要が生じる。また、識別番号が小さい場合には肉眼での確認が困難となる。特に、ワークWKのサイズが小さい場合に識別番号も小さくなることが多い。さらに、識別番号が凹凸で形成される場合において、ワークWKの色が反射しやすい白や反射し難い黒といった場合には凹凸の反射や影が分かりにくくなるため、目視での確認が困難となる。
【0050】
本実施形態の射出成形システム1においては、ワークWKが配置された位置を表す、パレットPLの番地と、検査結果とが、対応して記憶される。そのため、複数のワークWKがある場合であっても、パレットPLの番地を介して、検査結果と、検査結果に対応するワークWKとの紐づけを行うことが可能となる。また、作業者がワークWKの品質を確認する場合には、パレットPLの番地を特定することで検査結果を確認することができる。例えば、パレットPLに配置されたワークWKについて、後の工程において不良品が検出された場合、不良品のワークWKが配置されていたパレットPLの番地を作業者が確認する。そして、記憶部150に記憶された、番地と対応付けられた検査結果を確認する。これにより、不良品のワークWKの原因を調べることができる。作業者がワークWKの識別番号を確認して識別番号と検査結果を紐づける態様と比較して、迅速に検査結果を確認することができる。
【0051】
上述したように、本実施形態のワークWKは、人の手によってはワーク自身に識別番号や日付等の情報を記載することが困難な大きさ、または機械を用いて識別番号等が記載されたとしても、視認によって識別番号等を確認することが困難な大きさである。そのため、ワークWK自身に識別番号を付す必要なく、検査結果の追跡が可能となる。
【0052】
また、本実施形態において、処理の終了後、作業者または搬送機器によって、パレットPLは次の工程が実施される装置まで運ばれる。次の工程の装置が射出成形システム1と同じ室内または同じ工場内にある等、射出成形システム1と近い場合に、パレットPLのまま運搬することができる。例えばワークWKが、振動によって欠損する可能性が高い形状である場合に、パレットPLのまま運搬することで、欠損の可能性を低減することができる。そのようなワークWKとして、例えば時計の歯車が挙げられる。さらに、パレットPLにワークWKが配置された状態であるため、ワークWKと番地が確実に紐づけられた状態で、次の工程を行うことができる。
【0053】
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態の射出成形システム1Bを説明する図である。第2実施形態においては、射出成形システム1Bがインサート成形装置30を備える点で、第1実施形態と異なる。なお、図5において、インサート成形装置30を簡略化して表している。インサート成形装置30は、統括制御部160と電気的に接続している。インサート成形装置は、インサート成形部310と、第2検査部320と、表示部330と、を備える。
【0054】
インサート成形部310は、第1実施形態においてパレットPLに配置された、ワークWKに対し、インサート成形を行って成形品を成形する。インサート成形とは、射出成形によって成形品を成形する手法の1つであり、ワークWKが配置されたキャビティー内に成形材料を射出することによって、成形品として、インサート部品と射出された成形材料とが一体となった一体品を成形する手法を指す。成形品は、インサート成形が行われる前のワークWKが配置されていた配置部分に、配置される。1番パレットのA1の番地に配置されていたワークWKに対しインサート成形が行われることで成形された成形品は、1番パレットのA1の番地に配置される。
【0055】
第2検査部320は、図示しない搬送部によって搬送された成形品を検査する。第2実施形態において、第2検査部320は、検査部213と同様にカメラを備えている。第2検査部320は、カメラによって成形品を撮像する。第2検査部320は、取得した画像に基づいて、成形品の品質の合否を判定する。表示部330は、検査部213の結果を表示する。本実施形態においては、表示部330は、番地情報と、検査部213によるワークWKの検査結果と、第2検査部320による成形品の検査結果と、成形情報と、インサート成形時の成形の情報と、を表示することが可能である。
【0056】
第2実施形態において、制御部は、第2検査部320における検査結果が、予め定められた基準を満たさない場合に、基準を見たさない成形品が配置された番地と対応付けられた検査結果を表示部330に表示させる。この際に、表示部330には、検査部213と第2検査部320の両方の結果が、制御部によって表示される。第2検査部320における検査結果が予め定められた基準を満たさない場合、検査部213の検査結果が表示部330に表示されることで、成形品が基準を満たさない原因の特定を容易にすることが可能となる。
【0057】
C.第3実施形態:
図6は、第3実施形態の射出成形システム1Cの概略構成を示す正面図である。図7は、第3実施形態の射出成形システム1Cの概略構成を示す平面図である。第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態と、射出成形機やロボットや検査部の構成が異なる。成形されたワークWKの検査方法や、後述する射出機制御部420による、番地と検査結果を対応付けた上での記憶部150への記憶は、上記実施形態と同様であるので、詳細を省略する。
【0058】
図6及び図7には、互いに直交するX、Y、Zの方向が示されている。X軸及びY軸は、水平面に沿った軸であり、Z軸は、鉛直線に沿った軸である。+Z方向は、鉛直方向の上方向であり、-Z方向は、鉛直方向の下方向である。
【0059】
図6および図7に示すように、射出成形システム1Cは、メインユニット40と、第2オプションユニット50とを備える。メインユニット40および第2オプションユニット50は、上記実施形態と同様に、それぞれ、基台部、上部枠、およびそれらの周囲をカバーによって覆われている。図2に示すように、メインユニット40は、第2射出成形機410と、射出機制御部420と、を備えている。
【0060】
第2射出成形機410は、インサート成形を行う射出成形機として構成されている。第2射出成形機410は、材料を流す射出ユニットと、金型を開閉する図示しない型締機構と、が鉛直方向に並べられた構造を有している。射出機制御部420は、プロセッサーと、記憶部421と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。プロセッサーが記憶部421にプログラムを読み込んで実行することにより、第2射出成形機410を制御する。また、プロセッサーは、第2オプションユニット50に備えられた、後述するロボットユニット510と、検査ユニット520と、付帯機器ユニット530と、を制御することによって、射出成形システム1Cを統括制御する機能を発揮する。第3実施形態において、記憶部421は、複数のワークWKCの、後述する第3検査部521による検査結果を記憶する。
【0061】
第2オプションユニット50は、ロボットユニット510と、検査ユニット520と、付帯機器ユニット530を備える。ロボットユニット510は、第2ロボット511を備える。第2ロボット511は、第2射出成形機410によって成形されたワークWKCを第3検査部521に運搬する。第2ロボット511は、水平多関節ロボットによって構成されている。なお、第2ロボット511は、水平多関節ロボットでなくてもよく、例えば、直交ロボットであってもよいし、垂直多関節ロボットであってもよい。第2ロボット511は、アーム511aと、図示しないロボットカメラ511bと、ロボット制御部511cと、を備えている。
【0062】
アーム511aは、エンドエフェクターを備えている。第3実施形態において、アーム511aには、エンドエフェクターとして、ワークWKCを吸着するための吸着パッドが取り付けられている。第2射出成形機410によって成形されたワークWKCが、吸着パッドに吸着されることにより、ワークWKCが第3検査部521に運搬される。第2ロボット511は、ロボットユニット510の筐体に固定された板状の基台を有する基台部上に設置されている。
【0063】
ロボットカメラ511bは、後述する第3配置部522に配置されたパレットPLを撮像することによって、ワークWKCが配置される位置である配置位置を取得する。カメラは、取得した配置位置の情報を、射出機制御部420に送信する。これにより、第1実施形態と同様に、パレットPLの配置位置を表す番地が、配置位置に付与される。
【0064】
ロボット制御部511cは、射出機制御部420と同様に、コンピューターによって構成されている。ロボット制御部511cは、記憶装置上に読み込んだプログラムや命令をプロセッサーが実行することによって、アーム511aやエンドエフェクターの動作を制御し、ロボット212に種々の機能を発揮させる。第3実施形態において、ロボット212の動作は、ロボット制御部511cを介して、射出機制御部420のプロセッサーによって制御される。
【0065】
検査ユニット520は、第3検査部521と、第3配置部522と、を備える。図7において、第3検査部521は、ロボットユニット510の筐体に固定された板状の基台を有する基台部上に配置されている。なお、検査ユニット520は、ロボットユニット510から独立していてもよい。例えば、検査ユニット520は、メインユニット40に接続していてもよい。
【0066】
第3検査部521は、第2ロボット511によって運搬されたワークWKCを検査する。詳細には、第1実施形態と同様に、第3検査部521が備えるカメラによって撮像された画像に基づいて、第3検査部521によって、ワークWKCの形状と、基準となるワークWKCの形状との差異が判別される。第3検査部521は、検査の結果を示す信号を射出機制御部420に送信する。これにより、射出機制御部420によって、検査の結果が記憶部150に記憶される。第3配置部522は、第3検査部521によって検査された複数のワークWKCが配置されるパレットPLを搭載する。
【0067】
付帯機器ユニット530は、型温度調節機531と、材料送出装置532と、を備える。型温度調節機531は、図示しない配管を介して、第2射出成形機410に設置されている成形型の冷却管に熱媒を循環させ、成形型の温度を調節する。材料送出装置532は、第2射出成形機410で用いられる材料を除湿および乾燥しつつ貯留する乾燥機と、乾燥機に貯留された材料を材料供給部に送出するローダーとによって構成され、図示しないチューブ等を介して材料供給部に材料を送出する。
【0068】
第3実施形態において、第2射出成形機410によって成形されたワークWKCが、ロボット212によって第3検査部521に運搬される。そして、第3検査部521において、ワークWKCが検査され、検査結果が記憶部150に記憶される。その後、ロボット212によってワークWKCがパレットPLに搬送され、射出機制御部420のプロセッサーによって、ワークWKCが配置された位置を表す番地と、ワークWKの検査結果とが、対応付けられて記憶部150に記憶される。
【0069】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、ワークWKCが配置された位置を表す、パレットPLの番地と、検査結果とが、対応して記憶される。そのため、複数のワークWKCがある場合であっても、パレットPLの番地を介して、検査結果と、検査結果に対応するワークWKCとの紐づけを行うことが可能となる。また、作業者がワークWKCの品質を確認する場合には、パレットPLの番地を特定することで検査結果を確認することができる。そのため、作業者がワークWKCの識別番号を確認して識別番号と検査結果を紐づける態様と比較して、迅速に検査結果を確認することができる。
【0070】
D.他の実施形態:
D1.他の実施形態1:
(1)パレットの配置部位に予め番地が記載されていてもよい。この態様においては、パレットの番地を、作業員が視認によって確認することができる。また、この態様において、情報取得部が、パレットの画像を取得することで、番地の情報を取得してもよい。情報取得部によって取得された番地の情報が、統括制御部によって認識され、配置位置に対して付与される。また、パレットの配置部分は、規則的に並んでいなくてもよい。
【0071】
(2)射出成形システムは、情報取得部を備えなくてもよい。この態様において、作業者がパレットの配置部分の間隔と数を確認し、統括制御部に、ワークを配置する間隔と、一つのパレットに配置するワークの数と、配置位置に対する番地の付与方法を入力することで、番地付与部によって、配置位置に番地が付与されてもよい。
【0072】
(3)上記実施形態において、番地は、A1、A2等、大文字のアルファベットと数字との組み合わせである。なお、番地は、アルファベットと番号の組み合わせでなくてもよい。例えば番地は、アルファベットの大文字と小文字と数字の組み合わせであってもよい。番地は、数字だけでもよく、アルファベットだけでもよい。また、複数のパレットがある態様において、番地の付与の方法や、付与される番地がそれぞれ異なっていてもよい。例えば、1番パレットの配置部分の配置位置にはアルファベットと数字の組み合わせの番地が付与され、2番パレットの配置部分の配置位置には、数字のみが付与されてもよい。また、1つの配置位置に、パレット内の他の番地と重複しない複数の番地が付与されてもよい。例えば、パレット内の番地がAからDのアルファベットおよび数字により構成されている場合に、パレット内の番地A1の配置位置に他の番地と重複しない番地E1が付与されてもよい。
【0073】
(4)上記実施形態においては、図3のパレットPLのD5の番地にロボット212によってワークWKが配置されたか否かが、統括制御部160によって判断される。なお、情報取得部によって撮像されたパレットの画像に基づいて、D5の番地にワークが配置されているかを統括制御部が判断してもよい。また、ロボットの動作と、情報取得部によって撮像されたパレットの画像の両方に基づいて、統括制御部によって、全ての配置位置にワークが付与されたかの判断が行われてもよい。
【0074】
(5)上記実施形態においては、図3のパレットPLのD5の番地が、ワークWKが配置される最後の番地である。なお、作業者が予め制御部に最後の番地をC5と入力することで、A1の番地から上記実施形態と同様にワークが配置され、C5の番地にワークが配置された後に処理が終了、またはステップS100に移行してもよい。
【0075】
(6)上記実施形態において、複数のパレットPLは、全て同一の形状を有している。なお、パレットの形状がそれぞれ異なっていてもよい。
【0076】
(7)上記実施形態において、検査部213によって一つのワークWKが検査され、ロボット212によって一つのワークWKがパレットPLに運ばれる。なお、例えばロボットによって、6つのワークが検査部に運ばれ、検査部によって、6つのワークが同時に検査されてもよい。その後、ロボットによって、3つのワークがパレットに運ばれてもよい。例えば、図3のパレットPLの、A1とB2とC1と、のそれぞれに、同時にワークが一つずつ配置されてもよい。この態様において、同時に検査された複数のワークのそれぞれの検査結果と、ワークが配置されたパレットの部分の番地とが紐づけられて、記憶部に記憶される。
【0077】
(8)上記実施形態において、検査で不良品と判断されたワークWKは第2筐体211に設けられた図示しない不良品排出領域に排出される。なお、検査で不良品と判断されたワークが、パレットに配置されてもよい。この態様において、制御部によって、不良品が配置されたパレットの識別情報と、番地と、が記憶部に記憶される。例えば、CC年DD月EE日の不良品の数は10個であり、1つ目は1番パレットのC1の番地、と記憶部に記憶される。その後、作業者または機械によって、パレットから不良品のワークを排除することが可能である。これにより、不良品排出領域を備えない射出成形システムにおいても、パレットに配置されたワークの品質を維持することができる。
【0078】
なお、不良品のワークが不良品排出領域に排出される態様において、そのワークが不良品でなかった場合に配置されるべき配置部分を空けた状態で、異なる配置部分に次に運搬されたワークが配置されてもよい。
【0079】
(9)上記実施形態において、作業者によって予め統括制御部に入力された数のワークWKが、パレットPLに配置された場合に、処理が終了する。なお、例えば作業者によって予め制御部に入力された数が、射出成形部によって成形されたワークの数であってもよい。また、予め定められた作業時間が経過した場合に、パレットに配置されたワークの数に関わらず、処理が終了してもよい。
【0080】
(10)上記実施形態において、射出成形システム1は、無線LANに接続可能である。なお、射出成形システムは、有線LANやWANに接続可能であってもよい。また、射出成形システムは、ネットワークに接続ができない態様としてもよい。
【0081】
(11)上記実施形態において、ワークWKは、人の手によってはワーク自身に識別番号や日付等の情報を記載することが困難な大きさ、または機械を用いて識別番号等が記載されたとしても、視認によって識別番号等を確認することが困難な大きさである。なお、ワークは、例えば人の手によってワーク自身に識別番号や日付等の情報を記載することが可能な大きさであってもよい。
【0082】
(12)上記実施形態において、射出成形システム1の第1筐体110、第2筐体211、および第3筐体221は、それぞれ図示しないカバーを備えている。カバーは、それぞれ、基台部に取り付けられる下部カバーと、上部枠に取り付けられる上部カバーと、に分けられてもよい。また、射出成形システムの第1筐体、第2筐体、および第3筐体が、カバーを備えない構成としてもよい。また、上記実施形態において、射出成形システム1の第1筐体110、第2筐体211、および第3筐体221は、それぞれ、基台を介して基台枠と上部枠とを有する構成である。上部枠は、基台を介さずに、直接、基台枠と接続し、基台枠と上部枠が一体になっていてもよい。また、上部枠は、各頂点を部材で接続した立方体状の枠であってもよい。また、基台枠は、立方体状の枠でなく、単に、上下の基台を柱で繋ぐ構造であってもよい。
【0083】
D2.他の実施形態2:
(1)上記実施形態において、射出成形部10の成形条件の情報と、予め入力された射出成形が行われる環境の情報と、ワークWKが成形された日時の情報と、予め定められた期間においてワークWKが成形された順番の情報と、が、番地と対応付けられて記憶部150に記憶される。なお、例えば射出成形部の成形条件の情報のみが、記憶部に記憶されてもよい。また、射出成形部の成形条件の情報が番地と対応付けられて記憶部に記憶されなくてもよい。
【0084】
(2)上記実施形態において、射出成形部10の成形条件の情報とは、材料のロットナンバーや、乾燥機の温度や、射出成形に要した時間や、金型の温度や、射出成形機120による材料の射出の際の圧力等である。なお、このうち、例えば材料のロットナンバーと、金型の温度と、射出成形機による材料の射出の際の圧力のみが、番地と対応付けられて記憶部に記憶されてもよい。
【0085】
D3.他の実施形態3:
(1)上記実施形態において、予め入力された射出成形が行われる環境の情報と、前記ワークWKが成形された日時の情報と、予め定められた期間において前記ワークWKが成形された順番の情報と、が、番地と対応付けられて記憶部150に記憶される。なお、これらが番地と対応付けられて記憶部に記憶されなくてもよい。
【0086】
(2)予め入力された射出成形が行われる環境の情報と、前記ワークが成形された日時の情報と、予め定められた期間において前記ワークが成形された順番の情報と、の全てが番地と対応付けられて記憶部に記憶されなくてもよく、このうち1つ以上が番地と対応付けられて記憶部に記憶されてもよい。
【0087】
D4.他の実施形態4:
(1)上記実施形態において、パレットPLは識別部IPを備えている。なお、パレットは識別部を備えていなくてもよい。この態様において、作業者が、パレットの情報を、予め制御部に入力することで、パレットの識別情報が、番地と組み合わされて、記憶部に記憶されてもよい。
【0088】
(2)上記実施形態において、識別部IPはバーコードである。なお、識別部は、QRコード(登録商標)や、RFIDであってもよい。
【0089】
(3)上記実施形態において、情報取得部212aはロボット212が備えるカメラである。なお、情報取得部は、ロボット以外の射出成形システムのいずれかの部分が備えていてもよい。
【0090】
D5.他の実施形態5:
(1)上記第2実施形態において、射出成形システム1Bがインサート成形装置30を備え、ワークWKに対し、インサート成形が行われて成形品が成形される。なお、例えば射出成形システムが、インサート成形装置ではなく組み立てロボットを備え、ワークが歯車である態様において、ワークが他の部品と組み合わされて、成形品が作られてもよい。
【0091】
(2)射出成形システムは、インサート成形装置を備えず、第2検査部と、表示部を備えていてもよい。この態様において、第2検査部はワークに対し、検査部と異なる検査を行う。異なる検査とは、例えばワークの重量の測定や、寸法の測定等である。第2検査部は、パレットに配置されたワークに対し、検査を実施する。そして、統括制御部は、第2検査部における検査結果が、予め定められた基準を満たさない場合に、表示部に、パレットに配置されたワークに対応する番地と対応づけられた検査結果を表示させる。この態様においても、第2検査部における検査結果が予め定められた基準を満たさない場合、検査部の検査結果が表示部に表示されることで、原因の特定を容易にすることが可能となる。また、射出成形システムは、第2検査部と、表示部と、を備えなくても良い。
【0092】
(3)上記第2実施形態において、第2検査部320は、カメラによって成形品を撮像し、画像に基づいて第2検査部320がワークWKの品質の合否を判定する。なお、第2検査部は、成形品の重量を測定することによって、ワークの品質の合否を判定してもよい。
【0093】
(4)上記第2実施形態において、表示部330は、番地情報と、検査部213によるワークWKの検査結果と、第2検査部320による成形品の検査結果と、成形情報と、インサート成形時の成形の情報と、を表示することが可能である。なお、表示部は、検査部による検査結果のみを表示させてもよい。
【0094】
(5)上記第2実施形態において、1番パレットのA1の番地に配置されていたワークWKに対しインサート成形が行われることで成形された成形品は、1番パレットのA1の番地に配置される。なおインサート成形が行われることで成形された成形品は、1番パレット以外のパレットに配置されてもよい。この場合、ワークWKが配置されたパレットと、成形品が配置されたパレットの、番地の紐づけが、制御部によって行われる。
【0095】
D6.他の実施形態6:
上記実施形態において、番地付与部162aによって、配置位置に番地が付与された上で、ワークWKが配置されている(図4参照)。なお、ワークがパレットに配置された後に、番地付与部によって配置位置に番地が付与されてもよい。
【0096】
E.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0097】
(1)本開示の一形態によれば、射出成形システムが提供される。この射出成形システムは、ワークを射出成形によって成形する射出成形部と、前記ワークを検査する検査部と、前記検査部によって検査された複数の前記ワークが配置されるパレットを搭載する配置部と、前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶する記憶部と、前記射出成形システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のワークのそれぞれについて、前記パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる。
この形態の射出成形システムによれば、ワークが配置された位置を表す、パレットの番地と、検査結果とが、対応して記憶される。そのため、複数のワークがある場合であっても、パレットの番地を介して、検査結果と、検査結果に対応するワークとの紐づけを行うことが可能となる。また、作業者がワークの品質を確認する場合には、パレットの番地を特定することで検査結果を確認することができる。そのため、作業者がワークの識別番号を確認して識別番号と検査結果を紐づける態様と比較して、迅速に検査結果を確認することができる。
【0098】
(2)上記形態の射出成形システムにおいて、前記制御部は、さらに、前記ワークの成形条件の情報を前記射出成形部から取得し、前記番地と対応させて前記記憶部に記憶させてもよい。
この形態の射出成形システムによれば、成形条件の情報を、ワークと紐づけることができる。
【0099】
(3)上記形態の射出成形システムにおいて、前記制御部は、さらに、予め入力された射出成形が行われる環境の情報と、前記ワークが成形された日時の情報と、予め定められた期間において前記ワークが成形された順番の情報と、のうち、1つ以上を、前記番地と対応させて前記記憶部に記憶させてもよい。
この形態の射出成形システムによれば、ワークの品質管理において、検査結果以外の情報の追跡を行うことができる。
【0100】
(4)上記形態の射出成形システムにおいて、前記パレットを識別するための識別情報を取得する情報取得部を備え、前記制御部は、前記パレットの識別情報と前記番地との組み合わせを、前記パレットの前記番地の位置に配置された前記ワークの検査結果と対応づけて前記記憶部に記憶させてもよい。
この形態の射出成形システムによれば、パレットの識別情報が記録されることで、例えば複数のパレットが存在する態様において、パレットの追跡が容易になる。また、識別情報が情報取得部によって取得可能なため、容易に識別情報が記録される。
【0101】
(5)上記形態の射出成形システムにおいて、さらに、前記検査部の結果を表示する表示部と、前記パレットに配置された前記ワークに対し、検査を実施する第2検査部と、を備え、前記制御部は、前記第2検査部における検査結果が、予め定められた基準を満たさない場合に、前記表示部に、前記パレットに配置された前記ワークに対応する番地と対応づけられた検査結果を表示させてもよい。
この形態の射出成形システムによれば、第2検査部における検査結果が予め定められた基準を満たさない場合、検査部の検査結果が表示部に表示されることで、原因の特定を容易にすることが可能となる。
【0102】
(6)本開示の他の形態によれば、射出成形システムにおける検査結果の管理方法が提供される。この射出成形システムにおける検査結果の管理方法によれば、射出成形部によって複数のワークを成形し、前記複数のワークを検査部において検査し、前記複数のワークの前記検査部による検査結果を記憶部が記憶し、制御部が、前記複数のワークのそれぞれについて、パレットにおいて前記ワークが配置された位置を表す番地と、前記ワークの検査結果と、を対応させて、前記記憶部に記憶させる。
この形態の射出成形システムにおける検査結果の管理方法によれば、ワークが配置された位置を表す、パレットの番地と、検査結果とが、対応して記憶される。そのため、複数のワークがある場合であっても、パレットの番地を介して、検査結果と、検査結果に対応するワークとの紐づけを行うことが可能となる。また、作業者がワークの品質を確認する場合には、パレットの番地を特定することで検査結果を確認することができる。そのため、作業者がワークの識別番号を確認して識別番号と検査結果を紐づける態様と比較して、迅速に検査結果を確認することができる。
【0103】
(7)上記形態の射出成形システムにおける検査結果の管理方法において、前記制御部は、さらに、前記ワークの成形条件の情報を前記射出成形部から取得し、前記番地と対応させて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0104】
(8)上記形態の射出成形システムにおける検査結果の管理方法において、前記パレットを識別するための識別情報を、情報取得部によって取得し、前記制御部が、前記パレットの識別情報と前記番地との組み合わせを、前記パレットの前記番地の位置に配置された前記ワークの検査結果と対応づけて前記記憶部に記憶させてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1、1B、1C…射出成形システム、10…射出成形部、20…オプションユニット、21…第1ユニット、22…第2ユニット、30…インサート成形装置、40…メインユニット、50…第2オプションユニット、110…第1筐体、111…第1基台部、111a…第1基台部の第1基台、111b…第1基台部の第2基台、111c…第1基台枠、112…第1上部枠、113…第1カバー、120…射出成形機、121…型締機構、130…取り出し装置、140…運搬装置、150…記憶部、160…統括制御部、161…入力部、162…演算部、162a…番地付与部、162b…情報対応付部、163…出力部、211…第2筐体、211a…第2基台部、211aa…第2基台部の第1基台、211ab…第2基台部の第2基台、211ac…第2基台枠、211b…第2上部枠、211c…第2カバー、212…ロボット、212a…情報取得部、213…検査部、213a…カメラ、213b…検査台、214…スタッキング機構、214a…第1配置部、214b…第2配置部、221…第3筐体、221a…第3基台部、221aa…第3基台部の基台、221ab…第3基台部の基台、221ac…第3基台枠、221b…第3上部枠、221c…第3カバー、222…供給装置、310…インサート成形部、320…第2検査部、330…表示部、410…第2射出成形機、420…射出機制御部、421…記憶部、510…ロボットユニット、511…第2ロボット、511a…アーム、511b…ロボットカメラ、511c…ロボット制御部、520…検査ユニット、521…第3検査部、522…第3配置部、530…付帯機器ユニット、531…型温度調節機、532…材料送出装置、IP…識別部、PL…パレット、WK…ワーク、WKC…ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7