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特開2024-133898発光装置、表示装置、および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133898
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】発光装置、表示装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240926BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240926BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240926BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01L33/62
G02B27/02 Z
G09F9/33
G09F9/30 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043904
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 真二
【テーマコード(参考)】
2H199
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA47
2H199CA54
5C094AA10
5C094AA22
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094CA20
5C094DA09
5C094EA04
5C094EA07
5C094ED01
5C094FA02
5F142AA04
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB03
5F142CB11
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD15
5F142CD43
5F142CD49
5F142CE04
5F142CE13
5F142CF13
5F142CF23
5F142DB12
5F142GA02
5F142GA06
(57)【要約】
【課題】光の取り出し効率を向上できる発光装置を提供する。
【解決手段】発光素子は、第1半導体層、第2半導体層、および発光層を有し、第2電極と第2基板との間に設けられた積層体と、第1電極と前記第2基板との間に設けられ、前記第1電極と前記第1半導体層とを電気的に接続する第3電極と、前記第2電極と前記積層体との間に設けられ、前記第2電極と前記第2半導体層とを電気的に接続する第4電極と、を有し、前記第1半導体層は、前記発光層と前記第2基板との間に設けられ、前記導電部は、前記積層体の、前記第1半導体層および前記発光層の積層方向と直交する方向に設けられて、前記第1電極と前記第3電極とを電気的に接続し、前記導電部は、前記積層体側に、前記第1電極から前記第3電極に向かうにつれて、前記導電部と前記積層体との間の距離が大きくなるように傾斜した側面を有する、発光装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回路と、前記駆動回路と電気的に接続された第1電極および第2電極と、を有する第1基板と、
前記第1基板と対向配置され、透光性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板側に光を出射する少なくとも1つの発光素子と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた少なくとも1つの導電部と、
を有し、
前記発光素子は、
第1導電型を有する第1半導体層、前記第1導電型と異なる第2導電型を有する第2半導体層、および前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層を有し、前記第2電極と前記第2基板との間に設けられた積層体と、
前記第1電極と前記第2基板との間に設けられ、前記第1電極と前記第1半導体層とを電気的に接続する第3電極と、
前記第2電極と前記積層体との間に設けられ、前記第2電極と前記第2半導体層とを電気的に接続する第4電極と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記発光層と前記第2基板との間に設けられ、
前記導電部は、前記積層体の、前記第1半導体層および前記発光層の積層方向と直交する方向に設けられて、前記第1電極と前記第3電極とを電気的に接続し、
前記導電部は、前記積層体側に、前記第1電極から前記第3電極に向かうにつれて、前記導電部と前記積層体との間の距離が大きくなるように傾斜した側面を有する、発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記導電部の形状は、四角推台である、発光装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記発光素子は、複数設けられ、
前記導電部は、複数設けられ、
複数の前記導電部のうちの第1導電部は、複数の前記発光素子のうちの第1発光素子の前記第3電極と電気的に接続され、
複数の前記導電部のうちの第2導電部は、複数の前記発光素子のうちの第2発光素子の前記第3電極と電気的に接続され、
複数の前記導電部のうちの第3導電部は、複数の前記発光素子のうちの第3発光素子の前記第3電極と電気的に接続されている、発光装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記積層方向からみて、前記第1導電部の形状、前記第2導電部の形状、および前記第3導電部の形状は、L字状であり、
前記第1発光素子は、前記第1導電部、前記第2導電部、および前記第3導電部に囲まれている、発光装置。
【請求項5】
請求項3において、
複数の前記導電部のうちの第4導電部は、複数の前記発光素子のうちの第4発光素子の前記第3電極と電気的に接続され、
前記第1発光素子の前記積層体は、前記積層方向からみて、
第1方向において、前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記第3導電部と前記第4導電部との間に設けられている、発光装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第2基板の前記発光素子とは反対側に設けられたレンズを有し、
前記積層方向からみて、前記レンズは、前記積層体および前記側面と重なる、発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光装置を有する、表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光装置を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、表示装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を有する発光装置は、表示装置などの光源に適用される。
【0003】
例えば特許文献1には、各々が、光出射面を有している第1導電層、発光層および第2導電層をこの順に積層して構成された半導体層を有しているとともに、第2導電層に接する第1電極と、第1導電層に接する第2電極とを有し、発光層から光出射面を介して光を出射する複数の発光素子を備えた発光デバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/246068号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような発光デバイスでは、光の取り出し効率を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置の一態様は、
駆動回路と、前記駆動回路と電気的に接続された第1電極および第2電極と、を有する第1基板と、
前記第1基板と対向配置され、透光性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板側に光を出射する少なくとも1つの発光素子と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた少なくとも1つの導電部と、
を有し、
前記発光素子は、
第1導電型を有する第1半導体層、前記第1導電型と異なる第2導電型を有する第2半導体層、および前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層を有し、前記第2電極と前記第2基板との間に設けられた積層体と、
前記第1電極と前記第2基板との間に設けられ、前記第1電極と前記第1半導体層とを電気的に接続する第3電極と、
前記第2電極と前記積層体との間に設けられ、前記第2電極と前記第2半導体層とを電気的に接続する第4電極と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記発光層と前記第2基板との間に設けられ、
前記導電部は、前記積層体の、前記第1半導体層および前記発光層の積層方向と直交する方向に設けられて、前記第1電極と前記第3電極とを電気的に接続し、
前記導電部は、前記積層体側に、前記第1電極から前記第3電極に向かうにつれて、前記導電部と前記積層体との間の距離が大きくなるように傾斜した側面を有する。
【0007】
本発明に係る表示装置の一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【0008】
本発明に係る電子機器の一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
図3】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図4】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図5】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
図6】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図7】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
図8】本実施形態に係るディスプレイを模式的に示す平面図。
図9】本実施形態に係るディスプレイを模式的に示す断面図。
図10】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを模式的に示す斜視図。
図11】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの像形成装置および導光装置を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1. 発光装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
【0012】
発光装置100は、図1に示すように、例えば、第1基板10と、発光素子40と、導電部50と、第2基板60と、レンズ70と、を有している。
【0013】
第1基板10は、発光素子40を駆動させるための駆動回路基板である。第1基板10は、例えば、支持基板12と、絶縁層14,16,18と、駆動回路20と、第1電極30と、第2電極32と、を有している。
【0014】
支持基板12は、例えば、シリコン基板である。
【0015】
絶縁層14は、支持基板12上に設けられている。絶縁層16は、絶縁層14上に設けられている。絶縁層18は、絶縁層16上に設けられている。絶縁層14,16は、例えば、酸化シリコン層である。絶縁層18は、例えば、窒化シリコン層である。
【0016】
なお、本明細書では、発光素子40の第1半導体層43および発光層44の積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、発光層44を基準とした場合、発光層44から第1半導体層43に向かう方向を「上」とし、発光層44から発光素子40の第2半導体層45に向かう方向を「下」として説明する。図示の例では、積層方向は、Z軸方向である。また、積層方向と直交する方向を「面内方向」ともいう。
【0017】
駆動回路20は、支持基板12に設けられている。駆動回路20は、発光素子40を駆動させるための回路である。駆動回路20は、例えば、不純物領域21、配線層22,23、およびプラグ24,25,26,27を含んで構成されている。駆動回路20は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)によって構成されていてもよい。
【0018】
不純物領域21は、支持基板12に設けられている。不純物領域21は、駆動回路20が有するトランジスターを構成している。
【0019】
配線層22,23は、絶縁層14上に設けられている。配線層22は、支持基板12と第1電極30との間に設けられている。配線層23は、支持基板12と第2電極32との間に設けられている。配線層22,23は、例えば、Al層2およびTiN層4で構成されている。TiN層4は、2層設けられている。Al層2は、2層のTiN層4に挟まれている。
【0020】
プラグ24,25は、絶縁層14に形成されたコンタクトホールに設けられている。プラグ24は、例えば、図示せぬトランジスターと、配線層22と、を電気的に接続している。プラグ25は、不純物領域21と配線層23とを電気的に接続している。
【0021】
プラグ26,27は、絶縁層16に形成されたコンタクトホールに設けられている。プラグ26は、配線層22と第1電極30とを電気的に接続している。プラグ27は、配線層23と第2電極32とを電気的に接続している。プラグ24,25,26,27の材質は、例えば、タングステンである。
【0022】
第1電極30および第2電極32は、絶縁層16上に設けられている。電極30,32は、支持基板12と第2基板60との間に設けられている。第1電極30は、配線層22と導電部50との間に設けられている。第2電極32は、配線層23と、発光素子40の積層体42と、の間に設けられている。電極30,32は、互いに離隔されている。電極30,32は、駆動回路20と電気的に接続されている。電極30,32は、例えば、Al層2およびTiN層4で構成されている。電極30,32のAl層2は、TiN層4上に設けられている。
【0023】
発光素子40は、第1基板10と第2基板60との間に設けられている。発光素子40は、第2基板60の下に設けられている。発光素子40は、第1基板10に、フェイスダウン実装されている。発光素子40は、例えば、複数設けられている。複数の発光素子40に対応して、電極30,32、プラグ24,25,26,27、配線層22,23、および不純物領域21の各々は、複数設けられている。
【0024】
発光素子40は、例えば、バッファー層41と、積層体42と、第3電極46と、第4電極47と、を有している。発光素子40は、例えば、LEDである。なお、発光素子40は、半導体レーザーであってもよい。
【0025】
バッファー層41は、第2基板60の下に設けられている。複数の発光素子40の各々のバッファー層41は、例えば、互いに離隔されている。バッファー層41は、第1導電型を有する。バッファー層41は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。
【0026】
積層体42は、バッファー層41の下に設けられている。積層体42は、第2電極32と第2基板60との間に設けられている。積層体42は、第4電極47とバッファー層41との間に設けられている。図示の例では、積層体42の側面は、積層方向と平行である。
【0027】
積層体42は、第1半導体層43と、発光層44と、第2半導体層45と、を有している。第1半導体層43、発光層44、および第2半導体層45は、例えば、III族窒化物半導体であり、ウルツ鉱型結晶構造を有している。
【0028】
第1半導体層43は、バッファー層41の下に設けられている。第1半導体層43は、発光層44と第2基板60との間に設けられている。第1半導体層43は、第1導電型を有している。第1半導体層43は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。
【0029】
発光層44は、第1半導体層43の下に設けられている。発光層44は、第1半導体層43と第2半導体層45との間に設けられている。発光層44は、不純物が意図的にドープされていないi型の導電型を有している。発光層44は、電流が注入されることで光を発生させる。発光層44は、例えば、ウェル層と、バリア層と、を有している。ウェル層およびバリア層は、i型の半導体層である。ウェル層は、例えば、InGaN層である。バリア層は、例えば、GaN層である。発光層44は、ウェル層とバリア層とから構成されたMQW(Multiple Quantum Well)構造を有している。
【0030】
なお、発光層44を構成するウェル層およびバリア層の数は、特に限定されない。例えば、ウェル層は、1層だけ設けられていてもよく、この場合、発光層44は、SQW(Single Quantum Well)構造を有している。
【0031】
第2半導体層45は、発光層44の下に設けられている。第2半導体層45は、第2電極32と発光層44との間に設けられている。第2半導体層45は、第1導電型と異なる第2導電型を有している。第2半導体層45は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層である。なお、第2半導体層45は、p型のAlGaN層からなるEBL(Electron Blocking Layer)を有してもよい。
【0032】
発光素子40では、p型の第2半導体層45、i型の発光層44、およびn型の第1半導体層43により、pinダイオードが構成される。発光素子40では、第3電極46と第4電極47との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層44に電流が注入されて発光層44において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により、発光層44は、光を発生させる。
【0033】
第3電極46は、バッファー層41の下に設けられている。第3電極46は、第1電極30と第2基板60との間に設けられている。第3電極46は、導電部50とバッファー層41との間に設けられている。第3電極46は、バッファー層41を介して、第1半導体層43と電気的に接続されている。バッファー層41は、第3電極46とオーミックコンタクトしていてもよい。第3電極46は、第1電極30と第1半導体層43とを電気的に接続している。第3電極46は、導電部50および第1電極30を介して、駆動回路20と電気的に接続されている。第3電極46は、積層方向からみて、積層体42と重なっていない。
【0034】
第3電極46は、例えば、Ti層6およびAl層2によって構成されている。Ti層6は、Al層2とバッファー層41との間に設けられている。第3電極46は、発光層44に電流を注入するための一方の電極である。
【0035】
第4電極47は、第2半導体層45の下に設けられている。第4電極47は、第2電極32と積層体42との間に設けられている。第4電極47は、第2半導体層45と電気的に接続されている。第2半導体層45は、第4電極47とオーミックコンタクトしていてもよい。第4電極47は、第2電極32と第2半導体層45とを電気的に接続している。第4電極47は、第2電極32を介して、駆動回路20と電気的に接続されている。第4電極47は、発光層44で発生した光を、第2基板60側に反射させる。発光素子40は、第2基板60側から光を出射する。
【0036】
第4電極47は、例えば、Ni層8およびAl層2によって構成されている。Ni層8は、Al層2と第2半導体層45との間に設けられている。第2電極32と第4電極47とは、例えば、金属-金属接合されている。第2電極32と第4電極47とは、Al-Al接合されていてもよい。第4電極47は、発光層44に電流を注入するための他方の電極である。
【0037】
導電部50は、第1基板10と第2基板60との間に設けられている。導電部50は、第1電極30と第3電極46との間に設けられている。導電部50は、積層体42の面内方向に設けられている。導電部50は、発光層44の面内方向に設けられている。導電部50は、第1電極30と第3電極46とを電気的に接続している。導電部50は、例えば、複数の発光素子40に対応して、複数設けられている。
【0038】
導電部50の材質は、例えば、Alである。導電部50と第1電極30は、例えば、金属-金属接合されている。導電部50と第1電極30とは、Al-Al接合されていてもよい。導電部50と第3電極46は、例えば、金属-金属接合されている。導電部50と第3電極46とは、Al-Al接合されていてもよい。
【0039】
導電部50は、第1電極30から第3電極46に向かうにつれて、導電部50と積層体42との間の距離Dが大きくなるように傾斜した側面52を有している。距離Dは、面内方向の距離である。側面52は、積層方向に対して傾斜している。側面52は、積層体42側の面である。側面52は、積層体42の面内方向に位置している。側面52は、発光層44の面内方向に位置している。側面52は、発光層44で発生した光を、第2基板60側に反射させる。導電部50は、第1電極30から第3電極46に向かうにつれて、幅が狭くなるテーパー形状を有している。導電部50の形状は、例えば、四角推台である。図示の例では、導電部50の形状は、台形である。
【0040】
なお、導電部50は、第1電極30および第3電極46と接合する部分がAlで構成され、側面52は、Agで構成されていてもよい。これにより、Al-Al接合を確保しつつ、発光層44で発生した光の反射率を向上できる。
【0041】
第2基板60は、第1基板10と対向配置されている。第2基板60は、例えば、複数の発光素子40において、共通の基板である。第2基板60は、透光性を有している。第2基板60は、発光層44で発生した光を透過させる。第2基板60は、例えば、サファイア基板である。
【0042】
レンズ70は、第2基板60上に設けられている。レンズ70は、第2基板60の発光素子40とは反対側に設けられている。図示の例では、レンズ70は、凸レンズである。レンズ70は、マイクロレンズであってもよい。レンズ70は、積層方向からみて、積層体42および導電部50の側面52と重なっている。積層方向からみて、例えば、レンズ70の中心と、積層体42の中心とは、重なっている。レンズ70は、複数の発光素子40に対応して、複数設けられている。
【0043】
レンズ70には、発光層44で発生した光が入射する。レンズ70は、例えば、発光層44で発生した光を集光させる。レンズ70の材質は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコンである。
【0044】
なお、上記では、InGaN系の発光層44について説明したが、発光層44としては、出射される光の波長に応じて、電流が注入されることで発光可能な様々な材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。
【0045】
また、上記では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型として説明したが、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であってもよい。
【0046】
また、図示はしないが、積層体42は、複数のナノ構造体を有していてもよい。
【0047】
1.2. 積層体および導電部の平面配置
図2は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI-I線断面図である。便宜上、図2では、第1基板10、発光素子40のバッファー層41、発光素子40の積層体42、および導電部50以外の部材の図示を省略している。図2では、バッファー層41を透視して図示している。
【0048】
複数の発光素子40は、図2に示すように、例えば、X軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配置されている。図示の例では、積層方向からみて、積層体42の形状および導電部50の形状は、正方形である。なお、積層方向からみて、積層体42の形状および導電部50の形状は、特に限定されない。
【0049】
複数の発光素子40のうちの第1発光素子40aおよび第2発光素子40bは、X軸方向において、隣り合っている。複数の発光素子40のうちの第1発光素子40aおよび第3発光素子40cは、Y軸方向において、隣り合っている。複数の発光素子40のうちの第1発光素子40aおよび第4発光素子40dは、Y軸方向において、隣り合っている。第2発光素子40bは、第1発光素子40aの-X軸方向に設けられている。第3発光素子40cは、第1発光素子40aの+Y軸方向に設けられている。第4発光素子40dは、第1発光素子40aの-Y軸方向に設けられている。
【0050】
複数の導電部50のうちの第1導電部50aは、第1発光素子40aの第3電極46と電気的に接続されている。第1導電部50aは、第1発光素子40aの積層体42の+X軸方向に設けられている。
【0051】
複数の導電部50のうちの第2導電部50bは、第2発光素子40bの第3電極46と電気的に接続されている。第2導電部50bは、第2発光素子40bの積層体42の+X軸方向に設けられている。
【0052】
複数の導電部50のうちの第3導電部50cは、第3発光素子40cの第3電極46と電気的に接続されている。第3導電部50cは、第3発光素子40cの積層体42の-X軸方向に設けられている。
【0053】
複数の導電部50のうちの第4導電部50dは、第4発光素子40dの第3電極46と電気的に接続されている。第4導電部50dは、第4発光素子40dの積層体42の-X軸方向に設けられている。
【0054】
第1導電部50aおよび第2導電部50bは、X軸方向に並んでいる。第1発光素子40aの積層体42は、積層方向からみて、X軸方向において、第1導電部50aと第2導電部50bとの間に設けられている。図示の例では、第1発光素子40aの積層体42は、第1導電部50aの-X軸方向であって、第2導電部50bの+X軸方向に設けられている。
【0055】
第2発光素子40bの積層体42、第3発光素子40cの積層体42、および第4発光素子40dの積層体42は、第1導電部50aと第2導電部50bとの間に設けられていない。
【0056】
第3導電部50cおよび第4導電部50dは、Y軸方向に並んでいる。第1発光素子40aの積層体42は、積層方向からみて、Y軸方向において、第3導電部50cと第4導電部50dとの間に位置している。図示の例では、第1発光素子40aの積層体42は、第3導電部50cの-Y軸方向であって、第4導電部50dの+Y軸方向に設けられている。
【0057】
第2発光素子40bの積層体42、第3発光素子40cの積層体42、および第4発光素子40dの積層体42は、第3導電部50cと第4導電部50dとの間に設けられていない。
【0058】
積層方向からみて、導電部50a,50b,50c,50dは、第1発光素子40aの積層体42の周囲に設けられている。積層方向からみて、第1発光素子40aの積層体42は、導電部50a,50b,50c,50dに囲まれている。
【0059】
1.3. 作用効果
発光装置100では、駆動回路20と、駆動回路20と電気的に接続された第1電極30および第2電極32と、を有する第1基板10と、第1基板10と対向配置され、透光性を有する第2基板60と、を有する。さらに、発光装置100は、第1基板10と第2基板60との間に設けられ、第2基板60側に光を出射する少なくとも1つの発光素子40と、第1基板10と第2基板60との間に設けられた少なくとも1つの導電部50と、を有する。発光素子40は、第1導電型を有する第1半導体層43、第1導電型と異なる第2導電型を有する第2半導体層45、および第1半導体層43と第2半導体層45との間に設けられた発光層44を有し、第2電極32と第2基板60との間に設けられた積層体42を有する。さらに、発光素子40は、第1電極30と第2基板60との間に設けられ、第1電極30と第1半導体層43とを電気的に接続する第3電極46と、第2電極32と積層体42との間に設けられ、第2電極32と第2半導体層45とを電気的に接続する第4電極47と、を有する。第1半導体層43は、発光層44と第2基板60との間に設けられている。導電部50は、積層体42の面内方向に設けられて、第1電極30と第3電極46とを電気的に接続し、積層体42側に、第1電極30から第3電極46に向かうにつれて、導電部50と積層体42との間の距離Dが大きくなるように傾斜した側面52を有する。
【0060】
そのため、発光装置100では、例えば導電部の側面が積層方向と平行である場合に比べて、発光層44で発生した光を、より第2基板60側に反射させることができる。これにより、光取り出し効率を向上できる。
【0061】
さらに、発光装置100では、例えば、隣り合う発光素子40の積層体42の間に導電部50が設けられている場合に、導電部50によって、隣り合う発光素子40のクロストークを低減できる。さらに、導電部50は、発光層44に電流を注入するための配線と、発光層44で発生した光を反射させる反射部と、を兼ねているため、配線および反射部を別々に形成する場合に比べて、製造工程の短縮化および低コスト化を図ることができる。
【0062】
発光装置100では、導電部50の形状は、四角推台である。そのため、発光装置100では、積層方向からみて、例えば導電部50が隣り合う発光素子40の積層体42の間に設けられている場合に、導電部50によって、隣り合う発光素子40の発光層44で発生した光を、第2基板60側に反射させることができる。
【0063】
発光装置100では、発光素子40は、複数設けられ、導電部50は、複数設けられている。複数の導電部50のうちの第1導電部50aは、複数の発光素子40のうちの第1発光素子40aの第3電極46と電気的に接続されている。複数の導電部50のうちの第2導電部50bは、複数の発光素子40のうちの第2発光素子40bの第3電極46と電気的に接続されている。複数の導電部50のうちの第3導電部50cは、複数の発光素子40のうちの第3発光素子40cの第3電極46と電気的に接続されている。そのため、発光装置100では、例えば発光素子が1つしか設けられていない場合に比べて、高輝度化を図ることができる。
【0064】
発光装置100では、複数の導電部50のうちの第4導電部50dは、複数の発光素子40のうちの第4発光素子40dの第3電極46と電気的に接続されている。第1発光素子40aの積層体42は、積層方向からみて、第1方向としてのX軸方向において、第1導電部50aと第2導電部50bとの間に設けられ、X軸方向と交差する第2方向としてのY軸方向において、第3導電部50cと第4導電部50dとの間に設けられている。そのため、発光装置100では、第1発光素子40aの発光層44で発生した光を、導電部50a,50b,50c,50dによって、第2基板60側に反射させることができる。
【0065】
発光装置100では、第2基板60の発光素子40とは反対側に設けられたレンズ70を有し、積層方向からみて、レンズ70は、積層体42および側面52と重なる。そのため、発光装置100では、例えば積層方向からみてレンズが積層体の側面と重なっていない場合に比べて、レンズ70に、より多くの光を入射できる。
【0066】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3および図4は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0067】
図3に示すように、支持基板12に、不純物領域21を形成する。不純物領域21は、例えば、イオン注入によって形成される。
【0068】
次に、支持基板12上に、絶縁層14を形成する。絶縁層14は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スピンコート法によって形成される。
【0069】
次に、絶縁層14に形成されたコンタクトホールに、プラグ24,25を形成する。プラグ24,25は、例えば、CVD法、スパッタ法によって形成される。
【0070】
次に、絶縁層14上に、配線層22,23を形成する。配線層22,23は、例えば、CVD法、スパッタ法によって形成される。
【0071】
次に、絶縁層14上および配線層22,23上に、絶縁層16を形成する。絶縁層16は、例えば、CVD法、スピンコート法によって形成される。
【0072】
次に、絶縁層16に形成されたコンタクトホールに、プラグ26,27を形成する。プラグ26,27は、例えば、CVD法、スパッタ法によって形成される。以上の工程により、駆動回路20が形成される。
【0073】
次に、絶縁層16上に、第1電極30および第2電極32を形成する。第1電極30および第2電極32は、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法によって形成される。
【0074】
次に、絶縁層16上に、絶縁層18を形成する。絶縁層18は、例えば、CVD法、スパッタ法によって形成される。以上の工程により、第1基板10が形成される。
【0075】
次に、第1電極30上に、導電部50を形成する。導電部50は、例えば、めっき法、CVD法、スパッタ法によって形成される。導電部50は、第1電極30に接合される。
【0076】
図4に示すように、第2基板60に、バッファー層41をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0077】
次に、バッファー層41に、図示しないマスク層を形成する。マスク層は、例えば、電子ビーム蒸着法、スパッタ法によって、形成される。
【0078】
次に、マスク層をマスクとして、バッファー層41に、第1半導体層43、発光層44、および第2半導体層45を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。本工程により、積層体42が形成される。マスク層をマスクとして積層体42をエピタキシャル成長させることにより、例えば、積層体をバッファー層の全面にエピタキシャル成長させた後に、積層体をエッチングして所定形状の積層体を形成する場合に比べて、積層体42のエッチングダメージを低減できる。これにより、発光効率を向上できる。さらに、低コスト化を図ることができる。なお、マスク層は、積層体42を形成した後に除去されてもよいし、除去されずに残したままであってもよい。
【0079】
次に、第2半導体層45に、第4電極47を形成する。次に、バッファー層41に、第3電極46を形成する。第3電極46および第4電極47は、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法によって、形成される。以上の工程により、発光素子40が形成される。なお、第3電極46と第4電極47との形成順序は、特に限定されない。また、第1基板10と発光素子40との形成順序は、特に限定されない。
【0080】
図1に示すように、発光素子40を、第1基板10に実装する。具体的には、第3電極46と導電部50と接合し、第4電極47と第2電極32とが接合するように、発光素子40を、第1基板10に実装する。
【0081】
次に、第2基板60上に、レンズ70を形成する。レンズ70は、例えば、CVD法、スパッタ法によって、形成される。
【0082】
以上の工程により、発光装置100を製造できる。
【0083】
3. 発光装置の変形例
3.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200を模式的に示す平面図である。なお、便宜上、図5では、第1基板10、発光素子40のバッファー層41、発光素子40の積層体42、および導電部50以外の部材の図示を省略している。また、図5では、バッファー層41を透視して図示している。
【0084】
以下、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200において、上述した本実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、後述する本実施形態の第2変形例に係る発光装置おいて、同様である。
【0085】
発光装置200では、図5に示すように、積層方向からみて、導電部50a,50b,50c,50dの形状は、L字状である点について、上述した発光装置100と異なる。
【0086】
第2発光素子40bは、第1発光素子40aの+X軸方向に設けられている。第3発光素子40cは、第1発光素子40aの+Y軸方向に設けられている。第4発光素子40dは、第2発光素子40bの+Y軸方向に設けられている。
【0087】
発光素子40、および発光素子40と電気的に接続された導電部50は、構造体80を構成している。図示の例では、構造体80は、4つ設けられている。
【0088】
導電部50は、第1部分54と、第2部分56と、第3部分58と、を有している。1つの構造体80において、第1部分54は、積層体42の-X軸方向に位置している。第2部分56は、積層体42の-Y軸方向に位置している。第3部分58は、第1部分54の-Y軸方向であって、第2部分56の-X軸方向に位置している。第3部分58は、第1部分54と第2部分56とを接続している。
【0089】
第1導電部50aの第1部分54および第2導電部50bの第1部分54は、X軸方向に並んでいる。第1発光素子40aの積層体42は、積層方向からみて、X軸方向において、第1導電部50aの第1部分54と、第2導電部50bの第1部分54と、の間に設けられている。図示の例では、第1発光素子40aの積層体42は、第1導電部50aの第1部分54の+X軸方向であって、第2導電部50bの第1部分54の-X軸方向に設けられている。
【0090】
第2発光素子40bの積層体42、第3発光素子40cの積層体42、および第4発光素子40dの積層体42は、第1導電部50aの第1部分54と、第2導電部50bの第1部分54と、の間に設けられていない。
【0091】
第1導電部50aの第2部分56および第3導電部50cの第2部分56は、Y軸方向に並んでいる。第1発光素子40aの積層体42は、積層方向からみて、Y軸方向において、第1導電部50aの第2部分56と、第3導電部50cの第2部分56と、の間に設けられている。図示の例では、第1発光素子40aの積層体42は、第1導電部50aの第2部分56の+Y軸方向であって、第3導電部50cの第2部分56の-Y軸方向に設けられている。
【0092】
第2発光素子40bの積層体42、第3発光素子40cの積層体42、および第4発光素子40dの積層体42は、第1導電部50aの第2部分56と、第3導電部50cの第2部分56と、の間に設けられていない。
【0093】
積層方向からみて、導電部50a,50b,50c,50dは、第1発光素子40aの積層体42の周囲に設けられている。積層方向からみて、第1発光素子40aの積層体42は、導電部50a,50b,50c,50dに囲まれている。
【0094】
発光装置200では、積層方向からみて、第1導電部50aの形状、第2導電部50bの形状、および第3導電部50cの形状は、L字状であり、第1発光素子40aの積層体42は、第1導電部50a、第2導電部50b、および第3導電部50cに囲まれている。そのため、発光装置200では、第1発光素子40aの発光層44で発生した光を、導電部50a,50b,50cによって、第2基板60側に反射させることができる。
【0095】
3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300を模式的に示す断面図である。
【0096】
上述した発光装置100では、図1に示すように、第2基板60は、複数の発光素子40において、共通の基板であった。
【0097】
これに対し、発光装置300では、図6に示すように、第2基板60は、複数の発光素子40ごとに分割されている。発光素子40は、第1基板10にフリップチップ実装されている。積層方向からみて、例えば、レンズ70は、導電部50の側面52と重なっていない。
【0098】
発光装置300では、発光素子40を1つずつ第1基板10にフリップチップ実装するため、良品選別された発光素子40のみを実装することができ、歩留まり向上ができる。なお、製造工程プロセスの時間の短縮化を考慮すると、上述した発光装置100のように、第2基板60に形成された複数の発光素子40を、一度で第1基板10に実装することが好ましい。
【0099】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係る表示装置としてのプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係るプロジェクター700を模式的に示す図である。
【0100】
プロジェクター700は、例えば、光源として、発光装置100を有している。
【0101】
プロジェクター700は、図示しない筐体と、筐体内に設けられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。なお、便宜上、図7では、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bを簡略化して図示している。
【0102】
プロジェクター700は、さらに、例えば、筐体内に設けられた、第1光学素子702Rと、第2光学素子702Gと、第3光学素子702Bと、第1光変調装置704Rと、第2光変調装置704Gと、第3光変調装置704Bと、投射装置708と、を有している。第1光変調装置704R、第2光変調装置704G、および第3光変調装置704Bは、例えば、透過型の液晶ライトバルブである。投射装置708は、例えば、投射レンズである。
【0103】
赤色光源100Rから出射された光は、第1光学素子702Rに入射する。赤色光源100Rから出射された光は、第1光学素子702Rによって集光される。なお、第1光学素子702Rは、集光以外の機能を有していてもよい。第2光学素子702Gおよび第3光学素子702Bについても、集光以外の機能を有していてもよい。
【0104】
第1光学素子702Rによって集光された光は、第1光変調装置704Rに入射する。第1光変調装置704Rは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置708は、第1光変調装置704Rによって形成された像を拡大してスクリーン710に投射する。
【0105】
緑色光源100Gから出射された光は、第2光学素子702Gに入射する。緑色光源100Gから出射された光は、第2光学素子702Gによって集光される。
【0106】
第2光学素子702Gによって集光された光は、第2光変調装置704Gに入射する。第2光変調装置704Gは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置708は、第2光変調装置704Gによって形成された像を拡大してスクリーン710に投射する。
【0107】
青色光源100Bから出射された光は、第3光学素子702Bに入射する。青色光源100Bから出射された光は、第3光学素子702Bによって集光される。
【0108】
第3光学素子702Bによって集光された光は、第3光変調装置704Bに入射する。第3光変調装置704Bは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置708は、第3光変調装置704Bによって形成された像を拡大してスクリーン710に投射する。
【0109】
プロジェクター700は、さらに、例えば、第1光変調装置704R、第2光変調装置704G、および第3光変調装置704Bから出射された光を合成して投射装置708に導くクロスダイクロイックプリズム706を有している。
【0110】
第1光変調装置704R、第2光変調装置704G、および第3光変調装置704Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム706に入射する。クロスダイクロイックプリズム706は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射装置708によりスクリーン710上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0111】
なお、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bは、発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御することで、第1光変調装置704R、第2光変調装置704G、および第3光変調装置704Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射装置708は、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン710に投射してもよい。
【0112】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro Mirror Device)が挙げられる。投射装置の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0113】
また、光源を、光源からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置の光源装置にも適用することが可能である。
【0114】
5. ディスプレイ
次に、本実施形態に係る表示装置としてのディスプレイについて、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係るディスプレイ800を模式的に示す平面図である。図9は、本実施形態に係るディスプレイ800を模式的に示す断面図である。なお、図8では、互いに直交する2つの軸として、X軸およびY軸を図示している。また、便宜上、図8および図9では、発光装置100を簡略化して図示している。
【0115】
ディスプレイ800は、例えば、光源として、発光装置100を有している。
【0116】
ディスプレイ800は、画像を表示する表示装置である。画像には、文字情報のみを表示するものが含まれる。ディスプレイ800は、自発光型のディスプレイである。ディスプレイ800は、図8および図9に示すように、例えば、レンズアレイ820と、ヒートシンク830と、を有している。
【0117】
駆動回路20は、例えば、入力された画像情報に基づいて、発光素子40を駆動させる。第1基板10は、例えば、表示領域812を有している。駆動回路20は、データ線駆動回路814と、走査線駆動回路816と、制御回路818と、を有している。
【0118】
表示領域812は、複数の画素Pで構成されている。画素Pは、図示の例では、X軸およびY軸に沿って配列されている。
【0119】
図示はしないが、第1基板10には、複数の走査線と複数のデータ線が設けられている。例えば、走査線はX軸に沿って延び、データ線はY軸に沿って延びている。走査線は、走査線駆動回路816に接続されている。データ線は、データ線駆動回路814に接続されている。走査線とデータ線の交点に対応して画素Pが設けられている。
【0120】
1つの画素Pは、例えば、1つの発光素子40と、1つのレンズ70と、図示しない画素回路と、を有している。画素回路は、画素Pのスイッチとして機能するスイッチング用トランジスターを有し、スイッチング用トランジスターのゲートが走査線に接続され、ソースまたはドレインの一方がデータ線に接続されている。
【0121】
データ線駆動回路814および走査線駆動回路816は、画素Pを構成する発光素子40の駆動を制御する回路である。制御回路818は、画像の表示を制御する。
【0122】
制御回路818には、上位回路から画像データが供給される。制御回路818は、当該画像データに基づく各種信号をデータ線駆動回路814および走査線駆動回路816に供給する。
【0123】
走査線駆動回路816が走査信号をアクティブにすることで走査線が選択されると、選択された画素Pのスイッチング用トランジスターがオンになる。このとき、データ線駆動回路814が、選択された画素Pにデータ線からデータ信号を供給することで、選択された画素Pの発光素子40がデータ信号に応じて発光する。
【0124】
レンズアレイ820は、複数のレンズ70を有している。ヒートシンク830は、第1基板10に接触している。ヒートシンク830の材質は、例えば、銅、アルミニウムなどの金属である。ヒートシンク830は、発光素子40で発生した熱を、放熱する。
【0125】
6. ヘッドマウントディスプレイ
6.1. 全体の構成
次に、本実施形態に係る電子機器としてのヘッドマウントディスプレイについて、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ900を模式的に示す斜視図である。
【0126】
ヘッドマウントディスプレイ900は、図10に示すように、眼鏡のような外見を有する頭部装着型のディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者の頭部に装着される。観察者とは、ヘッドマウントディスプレイ900を使用する使用者のことである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に対して虚像による映像光を視認させることができるとともに、外界像をシースルーで視認させることができる。
【0127】
ヘッドマウントディスプレイ900は、例えば、第1表示部910aと、第2表示部910bと、フレーム920と、第1テンプル930aと、第2テンプル930bと、を有している。
【0128】
第1表示部910aおよび第2表示部910bは、画像を表示する。具体的には、第1表示部910aは、観察者の右眼用の虚像を表示する。第2表示部910bは、観察者の左眼用の虚像を表示する。表示部910a,910bは、例えば、像形成装置911と、導光装置915と、を有している。
【0129】
像形成装置911は、画像光を形成する。像形成装置911は、例えば、光源や投射装置などの光学系と、外部部材912と、を有している。外部部材912は、光源および投射装置を収容している。
【0130】
導光装置915は、観察者の眼前を覆う。導光装置915は、像形成装置911で形成された映像光を導光させるとともに、外界光と映像光とを重複して観察者に視認させる。なお、像形成装置911および導光装置915の詳細については、後述する。
【0131】
フレーム920は、第1表示部910aおよび第2表示部910bを支持している。フレーム920は、例えば、表示部910a,910bを囲んでいる。図示の例では、第1表示部910aの像形成装置911は、フレーム920の一方の端部に取り付けられている。第2表示部910bの像形成装置911は、フレーム920の他方の端部に取り付けられている。
【0132】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、フレーム920から延在している。図示の例では、第1テンプル930aは、フレーム920の一方の端部から延在している。第2テンプル930bは、フレーム920の他方の端部から延在している。
【0133】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、ヘッドマウントディスプレイ900が観察者に装着された場合に、観察者の耳に懸架される。テンプル930a,930b間に、観察者の頭部が位置する。
【0134】
6.2. 像形成装置および導光装置
図11は、ヘッドマウントディスプレイ900の第1表示部910aの像形成装置911および導光装置915を模式的に示す図である。なお、第1表示部910aと第2表示部910bとは、基本的に同じ構成を有している。したがって、以下の第1表示部910aの説明は、第2表示部910bに適用できる。
【0135】
像形成装置911は、図11に示すように、例えば、光源としての発光装置100と、光変調装置913と、結像用の投射装置914と、を有している。
【0136】
光変調装置913は、発光装置100から入射した光を、画像情報に応じて変調して、映像光を出射する。光変調装置913は、透過型の液晶ライトバルブである。なお、発光装置100は、入力された画像情報に応じて発光する自発光型の発光装置であってもよい。この場合、光変調装置913は、設けられない。
【0137】
投射装置914は、光変調装置913から出射された映像光を、導光装置915に向けて投射する。投射装置914は、例えば、投射レンズである。投射装置914を構成するレンズとして、軸対称面をレンズ面とするものを用いてもよい。
【0138】
導光装置915は、例えば、投射装置914の鏡筒にねじ止めされることにより、投射装置914に対して精度よく位置決めされている。導光装置915は、例えば、映像光を導光する映像光導光部材916と、透視用の透視部材918と、を有している。
【0139】
映像光導光部材916には、投射装置914から出射された映像光が入射する。映像光導光部材916は、映像光を、観察者の眼に向けて導光するプリズムである。映像光導光部材916に入射した映像光は、映像光導光部材916の内面において反射を繰り返した後、反射層917で反射されて映像光導光部材916から出射される。映像光導光部材916から出射された映像光は、観察者の眼に至る。反射層917は、例えば、金属や、誘電体多層膜で構成されている。反射層917は、ハーフミラーであってもよい。
【0140】
透視部材918は、映像光導光部材916に隣接している。透視部材918は、映像光導光部材916に固定されている。透視部材918の外表面は、例えば、映像光導光部材916の外表面と連続している。透視部材918は、観察者に、外界光を透視させる。映像光導光部材916についても、映像光を導光する機能の他に、観察者に外界光を透視させる機能を有している。なお、ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に、外界光を透視させない構成であってもよい。
【0141】
上述した実施形態に係る発光装置は、プロジェクター、ディスプレイ、およびヘッドマウントディスプレイ以外にも用いられることが可能である。上述した実施形態に係る発光装置は、例えば、屋内外の照明、レーザープリンター、スキャナー、光を用いるセンシング機器、EVF(Electronic View Finder)、スマートウォッチなどのウェアラブルディスプレイ、車載用ライト、車載用ヘッドアップディスプレイに用いられる。
【0142】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0143】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0144】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0145】
発光装置の一態様は、
駆動回路と、前記駆動回路と電気的に接続された第1電極および第2電極と、を有する第1基板と、
前記第1基板と対向配置され、透光性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板側に光を出射する少なくとも1つの発光素子と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた少なくとも1つの導電部と、
を有し、
前記発光素子は、
第1導電型を有する第1半導体層、前記第1導電型と異なる第2導電型を有する第2半導体層、および前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層を有し、前記第2電極と前記第2基板との間に設けられた積層体と、
前記第1電極と前記第2基板との間に設けられ、前記第1電極と前記第1半導体層とを電気的に接続する第3電極と、
前記第2電極と前記積層体との間に設けられ、前記第2電極と前記第2半導体層とを電気的に接続する第4電極と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記発光層と前記第2基板との間に設けられ、
前記導電部は、前記積層体の、前記第1半導体層および前記発光層の積層方向と直交する方向に設けられて、前記第1電極と前記第3電極とを電気的に接続し、
前記導電部は、前記積層体側に、前記第1電極から前記第3電極に向かうにつれて、前記導電部と前記積層体との間の距離が大きくなるように傾斜した側面を有する。
【0146】
この発光装置によれば、光の取り出し効率を向上できる。
【0147】
前記発光装置の一態様において、
前記導電部の形状は、四角推台であってもよい。
【0148】
この発光装置によれば、積層方向からみて、例えば導電部が隣り合う発光素子の積層体の間に設けられている場合に、導電部によって、隣り合う発光素子の発光層で発生した光を、第2基板側に反射させることができる
前記発光装置の一態様において、
前記発光素子は、複数設けられ、
前記導電部は、複数設けられ、
複数の前記導電部のうちの第1導電部は、複数の前記発光素子のうちの第1発光素子の前記第3電極と電気的に接続され、
複数の前記導電部のうちの第2導電部は、複数の前記発光素子のうちの第2発光素子の前記第3電極と電気的に接続され、
複数の前記導電部のうちの第3導電部は、複数の前記発光素子のうちの第3発光素子の前記第3電極と電気的に接続されていてもよい。
【0149】
この発光装置によれば、高輝度化を図ることができる。
【0150】
前記発光装置の一態様において、
前記積層方向からみて、前記第1導電部の形状、前記第2導電部の形状、および前記第3導電部の形状は、L字状であり、
前記第1発光素子は、前記第1導電部、前記第2導電部、および前記第3導電部に囲まれていてもよい。
【0151】
この発光装置によれば、第1発光素子の発光層で発生した光を、第1導電部、第2導電部、および第3導電部によって、第2基板側に反射させることができる。
【0152】
前記発光装置の一態様において、
複数の前記導電部のうちの第4導電部は、複数の前記発光素子のうちの第4発光素子の前記第3電極と電気的に接続され、
前記第1発光素子の前記積層体は、前記積層方向からみて、
第1方向において、前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記第3導電部と前記第4導電部との間に設けられていてもよい。
【0153】
この発光装置によれば、第1発光素子の発光層で発生した光を、第1導電部、第2導電部、第3導電部、および第4導電部によって、第2基板側に反射させることができる。
【0154】
前記発光装置の一態様において、
前記第2基板の前記発光素子とは反対側に設けられたレンズを有し、
前記積層方向からみて、前記レンズは、前記積層体および前記側面と重なってもよい。
【0155】
この発光装置によれば、レンズに、より多くの光を入射できる。
【0156】
表示装置の一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【0157】
電子機器の一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【符号の説明】
【0158】
2…Al層、4…TiN層、6…Ti層、8…Ni層、10…第1基板、12…支持基板、14,16,18…絶縁層、20…駆動回路、21…不純物領域、22,23…配線層、24,25,26,27…プラグ、30…第1電極、32…第2電極、40…発光素子、40a…第1発光素子、40b…第2発光素子、40c…第3発光素子、40d…第4発光素子、41…バッファー層、42…積層体、43…第1半導体層、44…発光層、45…第2半導体層、46…第3電極、47…第4電極、50…導電部、50a…第1導電部、50b…第2導電部、50c…第3導電部、50d…第4導電部、52…側面、54…第1部分、56…第2部分、58…第3部分、60…第2基板、70…レンズ、80…構造体、100…発光装置、100R…赤色光源、100G…緑色光源、100B…青色光源、200,300…発光装置、700…プロジェクター、702R…第1光学素子、702G…第2光学素子、702B…第3光学素子、704R…第1光変調装置、704G…第2光変調装置、704B…第3光変調装置、706…クロスダイクロイックプリズム、708…投射装置、710…スクリーン、800…ディスプレイ、812…表示領域、814…データ線駆動回路、816…走査線駆動回路、818…制御回路、820…レンズアレイ、830…ヒートシンク、900…ヘッドマウントディスプレイ、910a…第1表示部、910b…第2表示部、911…像形成装置、912…外部部材、913…光変調装置、914…投射装置、915…導光装置、916…映像光導光部材、917…反射層、918…透視部材、920…フレーム、930a…第1テンプル、930b…第2テンプル
図1
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