(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133925
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】バックライト及び液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240926BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240926BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240926BHJP
H02S 40/38 20140101ALI20240926BHJP
【FI】
F21S2/00 481
G02F1/13357
G02F1/1368
H02S40/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043952
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢島 利浩
(72)【発明者】
【氏名】柴田 倫秀
(72)【発明者】
【氏名】大田 隆
【テーマコード(参考)】
2H192
2H391
3K244
5F251
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192EA22
2H192EA43
2H192FB02
2H192GB52
2H192GC01
2H192GD42
2H192GD47
2H391AA03
2H391AA18
2H391AB04
2H391AB34
2H391AC10
2H391AC13
2H391AC26
2H391EA02
2H391EA11
2H391EA13
3K244AA01
3K244BA07
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244GA08
5F251JA28
(57)【要約】
【課題】液晶表示パネルとバックライトを有する液晶表示装置において、バックライトを点灯した時に、バックライトからの光を利用して光電変換することによって、液晶表示装置を駆動する電源の一部を形成することを可能とする液晶表示装置を実現する。
【解決手段】
液晶表示パネルとバックライトを有する液晶表示装置において、前記バックライトは、平面上に配置した複数のLED31と前記複数のLED31を覆って、拡散シート41を含む光学シート群40が配置した構成であり、前記光学シート群40は、光電変換シート50を含むことを特徴とするバックライト。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、
前記光学シート群は、光電変換シートを含むことを特徴とするバックライト。
【請求項2】
前記光学シート群は、さらに、プリズムシートを含むことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記光電変換シートは、前記光学シート群において、最上層に配置していることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項4】
前記光電変換シートは、前記光学シート群において、前記拡散シートと前記プリズムシートの間に配置していることを特徴とする請求項2に記載のバックライト。
【請求項5】
前記光電変換シートは、基板と光電変換素子で構成され、
前記基板は、ヘイズ値を増大させる構造となっていることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項6】
平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、
前記バックライトは、平面で視て、画像を表示する有効領域と、前記有効領域を囲む周辺領域を含み、
前記周辺領域には、光電変換シートが配置し、
前記有効領域には、前記光電変換シートは配置していないことを特徴とするバックライト。
【請求項7】
前記光電変換シートは、前記周辺領域において、離散的に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のバックライト。
【請求項8】
前記光電変換シートは、前記周辺領域において、連続的に、前記有効領域を囲むように形成されていることを特徴とする請求項6に記載のバックライト。
【請求項9】
前記光電変換シートは、基板と前記基板に形成された光電変換素子で構成され、前記基板は、前記有効領域と前記周辺領域を覆うように、シート状に形成され、前記光電変換素子は、前記周辺領域のみに形成されていることを特徴とする請求項6に記載のバックライト。
【請求項10】
平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、
前記バックライトの側面には、光電変換シートが配置していることを特徴とするバックライト。
【請求項11】
前記光電変換シートは、前記バックライトの側面に、離散的に配置していることを特徴とする請求項10に記載のバックライト。
【請求項12】
前記光電変換シートは、前記バックライトの側面に、全周を囲むように配置していることを特徴とする請求項10に記載のバックライト。
【請求項13】
平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、
前記複数のLEDは基板に配置し、
前記複数のLEDの間には、前記基板の上に反射シートが配置し、
前記反射シートの上には、光電変換シートが配置していることを特徴とするバックライト。
【請求項14】
バックライトと液晶表示パネルを有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、画素電極、TFT(Thin Film Transistor)を含むTFT回路層が形成されたTFT基板と、対向基板の間に液晶が挟持された構成であり、
前記TFT基板において、前記TFT回路層の下層に光電変換素子層が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項15】
バックライトと液晶表示パネルを有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、平面で視て、画像が形成される表示領域と、前記表示領域を囲む額縁領域を含み、
前記液晶表示パネルは、画素電極、TFT(Thin Film Transistor)を含むTFT回路層が形成されたTFT基板と、対向基板の間に液晶が挟持された構成であり、
前記TFT基板において、前記TFT回路層の下層で、かつ、前記額縁領域と重複する領域に光電変換素子層が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項16】
前記表示領域と重複する領域には、光電変換素子層が形成されていないことを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子をバックライトあるいは表示装置に配置し、これによって発生した電力を再使用することを可能とするバックライト及び表示装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶層が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示パネル自身は発光しないので、バックライトが必要である。バックライトには、LED(発光ダイオード)を平面上に配置した直下型のバックライトと、導光板を配置し、導光板の側面にLEDを配置したサイドライト型LEDが存在する。液晶表示装置は薄型、軽量にできることから、大型表示装置から小型表示装置まで、種々の用途に使用されている。
【0004】
一方、フラットで軽量に出来る表示装置として、自発光の有機EL表示装置が使用されてきている。有機EL表示装置では、有機EL発光素子がマトリクス状に配置している。特許文献1には、平面で視て、有機EL発光素子の間に小さな太陽電池を配置して、この太陽電池で発生した電力を有機EL表示装置の駆動電源の一部として仕様することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶表示装置では、小型軽量に出来、かつ、高精細にすることが出来るので、VR(Virtual Reality)用表示装置、医療用表示装置等にも使用されている。VR用表示装置、医療用表示装置では、より高精細で、よりコントラストの高い画像が必要とされる。特にVR用表示装置では、優れた動画対応も必要となる。
【0007】
高精細表示となるに従い、液晶表示パネルの透過率は小さくなる。これを補償するために、高い輝度のバックライトが必要となる。また、高コントラストや優れた動画対応を可能とするために、バックライトを短時間点灯する駆動方法が採用される。このような駆動方法では、さらに高輝度のバックライトが必要とされる。
【0008】
このような高輝度を必要とするバックライトからの光の一部を、光電変換素子を使用して電力を発生できれば、液晶表示装置の電力の一部として使用することが出来る。一方、VR用表示装置、医療用表示装置に使用される、高性能の液晶表示装置では、使用されないバックライト光が多くなる。この利用されない光を電力に変換して、再利用できれば、駆動電力の節約になる。
【0009】
本発明の課題は、このような目的を可能とする液晶表示装置の構成を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するものであり、主な具体的な手段は次のとおりである。
【0011】
(1)平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、前記光学シート群は、光電変換シートを含むことを特徴とするバックライト。
【0012】
(2)前記光学シート群は、さらに、プリズムシートを含むことを特徴とする(1)に記載のバックライト。
【0013】
(3)前記光電変換シートは、前記光学シート群において、最上層に配置していることを特徴とする(1)に記載のバックライト。
【0014】
(4)前記光電変換シートは、前記光学シート群において、前記拡散シートと前記プリズムシートの間に配置していることを特徴とする(2)に記載のバックライト。
【0015】
(5)平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、前記バックライトは、平面で視て、画像を表示する有効領域と、前記有効領域を囲む周辺領域を含み、前記周辺領域には、光電変換シートが配置し、前記有効領域には、前記光電変換シートは配置していないことを特徴とするバックライト。
【0016】
(6)平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、
前記バックライトの側面には、光電変換シートが配置していることを特徴とするバックライト。
【0017】
(7)平面上に配置した複数のLEDと前記複数のLEDを覆って、拡散シートを含む光学シート群が配置したバックライトであって、前記複数のLEDは基板に配置し、前記複数のLEDの間には、前記基板の上に反射シートが配置し、前記反射シートの上には、光電変換シートが配置していることを特徴とするバックライト。
【0018】
(8)バックライトと液晶表示パネルを有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、画素電極、TFT(Thin Film Transistor)を含むTFT回路層が形成されたTFT基板と、対向基板の間に液晶が挟持された構成であり、前記TFT基板において、前記TFT回路層の下層に光電変換素子層が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0019】
(9)バックライトと液晶表示パネルを有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、平面で視て、画像が形成される表示領域と、前記表示領域を囲む額縁領域を含み、前記液晶表示パネルは、画素電極、TFT(Thin Film Transistor)を含むTFT回路層が形成されたTFT基板と、対向基板の間に液晶が挟持された構成であり、
前記TFT基板において、前記TFT回路層の下層で、かつ、前記額縁領域と重複する領域に光電変換素子層が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】液晶表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【
図4】高コントラスト液晶表示装置の駆動方法の例である。
【
図5】
図4の駆動方法に対応するタイミングチャートである。
【
図6】従来の液晶表示装置のバックライトの断面図である。
【
図7】実施例1によるバックライトの断面図である。
【
図9】実施例1の他の態様によるバックライトの断面図である。
【
図10】従来の液晶表示装置の他の例によるバックライトの断面図である。
【
図11】実施例1のさらに他の態様によるバックライトの断面図である。
【
図12】実施例2によるバックライトの断面図である。
【
図13A】光電変換シートの基板の表面を粗面化してヘイズ値を大きくした状態を示す断面図である。
【
図13B】光電変換シートの基板の表面にビーズを形成してヘイズ値を大きくした状態を示す断面図である。
【
図13C】光電変換シートの基板の表面にマイクロレンズアレイを形成してヘイズ値を大きくした状態を示す断面図である。
【
図14】実施例2の他の態様を示すバックライトの断面図である。
【
図15】実施例3による液晶表示装置の断面図である。
【
図16】実施例3のバックライトの平面図と断面図である。
【
図17】実施例3の他の態様によるバックライトの平面図と断面図である。
【
図18】実施例3のさらに他の態様によるバックライトの平面図と断面図である。
【
図19】実施例4の液晶表示パネルの平面図と断面図である。
【
図20】実施例4の他の態様による液晶表示パネルの平面図と断面図である。
【
図21】実施例5によるバックライトの平面図と側面図である。
【
図22】実施例5の他の態様によるバックライトの平面図と側面図である。
【
図23】実施例6によるバックライトの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【実施例0022】
図1は液晶表示装置の1例を示す平面図である。
図1において、TFT基板100と対向基板200がシール材16によって接着し、内部に液晶が挟持されている。TFT基板100と対向基板200がオーバーラップした部分に表示領域14が形成されている。表示領域14には、走査線11が横方向(x方向)に延在し、縦方向(y方向)に配列している。また、映像信号線12が縦方向に延在して横方向に配列している。走査線11と映像信号線12で囲まれた領域に画素13が形成されている。
【0023】
図1において、TFT基板100が対向基板200とオーバーラップしていない部分は端子領域15となっている。端子領域15には、液晶表示パネルに電源や信号を供給するためにフレキシブル配線基板17が接続している。液晶表示パネルを駆動するドライバICはフレキシブル配線基板17に搭載されている。TFT基板100の背面には、
図2に示すようにバックライトが配置している。
【0024】
図2は液晶表示装置の断面図である。
図2において、液晶表示パネル10の背面にバックライト20が配置している。液晶表示パネル10は次のような構成になっている。すなわち、画素電極、コモン電極、TFT、走査線、映像信号線等が形成されたTFT基板100に対向して、ブラックマトリクスやカラーフィルタが形成された対向基板200が配置している。TFT基板100と対向基板200は周辺において、シール材16によって接着し、内部に液晶300が封入されている。
【0025】
液晶分子は、TFT基板100及び対向基板200に形成された配向膜によって、初期配向している。画素電極とコモン電極の間に電圧が印加されると、液晶分子が回転し、画素毎にバックライト20からの光を制御することによって画像を形成する。液晶300は、偏向光のみ制御することが出来るので、TFT基板100の下に下偏光板101を配置して、偏向光のみを液晶300に入射する。液晶300で変調された光は、上偏光板201において、検光され、画像が視認される。
【0026】
図2において、液晶表示パネルの背面にバックライト20が配置している。バックライト20は光源30の上に光学シート群40が配置した構成である。光学シート群40は、複数の拡散シート、複数のプリズムシート、あるいは、光源として青色LEDが仕様される場合には、色変換シート等を含む構成である。
【0027】
図3は、通常の液晶表示装置の駆動方法である。
図1に示す走査線11に、表示領域14の上側から順番にゲート電圧が印加される。ゲート電圧がONになっている時間1Hの間に、1行分の画素に対して映像信号が書き込まれる。
図1では、n本の走査線が存在しているが、
図3では、G3乃至Gn―2の走査線(ゲート線)の駆動波形については省略されている。
図4の駆動方法では、映像信号を書き込んでいる間も、バックライトは点灯している。
【0028】
VR等に使用される液晶表示装置では、高精細画面であると同時に、優れた動画特性と高いコントラストが要求される。通常の液晶表示装置の動作では、1フレームの間、同じデータが維持され、フレームが変わると、突然次のデータが現れる。これは、動画に対してボケを生ずる原因となる。
【0029】
また、液晶表示装置における黒表示は、液晶表示パネルによって、バックライトからの光を遮光することによって、行われる。しかし、液晶での、遮光は完全ではなく、多少漏れが生ずる。したがって、画像のコントラストが低下する。
【0030】
図4は、これらを対策した駆動方法の例であり、本発明で使用されるバックライトの駆動方法の例である。
図4は、この駆動方法の概要であり、2フレーム分記載されている。1フレームは、active期間とblanking期間に分かれている。映像データはactive期間の間に書き込まれ、そのまま維持される。液晶は弾性体であり、完全に配向するには、所定の時間を必要とする。Blanking期間において、液晶分子は、十分に配向することになる。
【0031】
図4において、active期間及びblanking期間の大部分では、バックライトはOFFになっている。blanking期間の最後において、所定の期間t1だけバックライトをONする。1フレーム期間において、短時間であるt1を除いては、バックライトはOFFであるので、この期間は、完全な黒表示となっている。その結果、
図4の駆動方法では、深い黒レベルを実現することが出来る。なお、
図4において、BL:ONとは、バックライトを点灯するという意味である。以下の図も同じである。
【0032】
図4の他の特徴は、1フレームの内、短時間であるt1の間のみ画像が表示され、他の期間では画像は表示されない。したがって、画像と画像の間に約1フレーム期間(正確には、1フレーム期間-t1)、時間が空いているので、動画に対して十分対応することが出来、画面のぼけを防止することが出来る。
【0033】
図5は、
図4の内容を1フレーム分、具体的に記載したタイムチャートである。
図5において、active期間に走査線G1乃至Gnが順番に走査され、同時にデータ信号(data)が書き込まれる。一方、コモン電極には、一定のコモン電圧が印加されている。
図5におけるblanking期間の最後において、バックライトが短時間t1だけ点灯する。これによって、高いコントラストと優れた動画対応特性を可能にしている。
【0034】
図6は、
図2に示すバックライト20の詳細断面図である。光源30において、基板33の上には、青色LED31が所定の間隔で配置している。基板33の上には、反射シート34が配置している。青色LED31及び反射シート34を覆って透明樹脂35が配置している。透明樹脂35には、光透過率の高い、ポリカーボネイトあるいはアクリルが使用される。
【0035】
透明樹脂35の上に、光学シート群40が配置している。光学シート群40は、下から順に色変換シート45、第1拡散シート41、第2拡散シート42、第1プリズムシート43、第2プリズムシート44で構成されている。色変換シート45には、量子ドットシート、あるいは、蛍光体シートが使用される。量子ドットシートでは、青色光を白色光に変換するための量子ドットが分散され、蛍光体シートでは、青色光を白色に変換するための蛍光体が分散されている。本発明ではどちらを使用してもよい。
【0036】
第1拡散シート41及び第2拡散シート42は、点光源であるLEDが液晶画面から見えないように、光を拡散する役割を有しているが、この他に、モアレを軽減する役割を有している。第1プリズムシート43及び第2プリズムシート44は、光をバックライト20の主面に対する法線方向に向ける役割を有する。
【0037】
図7は、実施例1によるバックライト20の断面図である。
図7が
図6と異なる点は、第2プリズムシート43の上に光電変換シート50が配置していることである。光電変換シート50は、基本的には、太陽電池同じ構造である。
図6の構成における、第1拡散シート41及び第2拡散シート42だけでは、十分な拡散効果が得られない場合がある。このような場合、実施例1では、拡散シートを追加する代わりに、拡散効果を兼ねた光電変換シート50を用いる。
【0038】
バックライト20から出射する光は、全て画像形成に利用されるわけではなく、その一部のみが画像形成に使用され、多くの部分は、バックライトあるいは液晶表示装置内で吸収され、熱となって捨てられている。
図7における光電変換シート50は、バックライト20からの光をそのまま、光電変換に使用することが出来る。光電変換シート50で発生した電力は、液晶表示装置あるいはバックライト20の電源の一部として再利用する。
【0039】
図8は光電変換シート50の構造を示す断面図である。
図8の構造は、基本的には、太陽電池と同じ構造である。
図8において、ポリイミドで形成された透明基板51の上に光電変換素子が形成されている。バックライト20からの光は基板51側から入射する。基板51の上に透明下部電極52が、ITO(Indium Tin Oxide)、ZAO(Al-doped Zinc Oxide)あるいはZnO(Zinc Oxide)等のいずれかの透明導電膜によって形成される。
【0040】
透明下部電極52の上には、反射防止膜53が形成されている。バックライト20からの光をより効率的に利用あるいは透過させるためである。反射防止膜53の上にn型半導体層54及びp型半導体層55が連続して形成される。n型半導体層54とp型半導体層55の境界部分が電圧発生領域となる。p型半導体層55の上に、透明上電極56が、ITO、ZAOあるいはZnO等のいずれかの透明導電膜によって形成される。透明下部電極52及び透明上電極56から電力が取り出され、コンデンサに蓄積され、電源の一部として使用される。
【0041】
図9は、実施例1の他の態様を示すバックライト20の断面図である。
図9が
図7と異なる点は、光電変換シート50が第2プリズムシート44の上ではなく、第2拡散シート42と第1プリズムシート43の間に配置していることである。この場合の光電変換シート50の作用も
図7で説明したのとほぼ同じである。
【0042】
ところで、光電変換シート50に多少の光拡散効果を持たせた場合、第1プリズムシート43及び第2プリズムシート44で集束した光を再び拡散する場合もあるので、光電変換シート50を拡散シート41、42側に配置することによって、このような現象は回避できる。
【0043】
図10は、光源のLEDとして青色LED31ではなく、白色LED32を使用した場合のバックライト20の断面図である。
図10において、基板33の上に、白色LED32が所定の間隔をもって配置している。
図10では、白色LED32を使用しているので、色変換シートは不要である。
図10におけるその他の構成は
図6と同じである。
【0044】
図11は、
図10の構成に対して、光電変換シート50を配置した場合の断面図である。
図11における光電変換シート50の作用は、
図7において説明した光電変換シート50の作用と同様である。したがって、
図11の構成においても、
図7で説明した効果を得ることが出来る。また、白色LED32を使用した場合も、青色LED31を使用した場合の
図9と同様に、光電変換シート50を第2拡散シート42と第1プリズムシート43の間に配置してもよい。効果は
図9で説明したのと同様である。
【0045】
実施例1では、光電変換シート50に拡散シートの作用の一部を分担させるとともに、電力を得ることが出来、これを再利用するので、バックライトの、トータルとしてのエネルギー効率を上げることが出来る。
このように、実施例2では、拡散シートを1枚省略し、その代わりに光電変換シート50を配置しているので、光学シート群40の光透過率を低下させずに、光電変換された電力を得ることが出来る。